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Patent Searching and Data


Title:
TIRE FOR TWO-WHEELED MOTOR VEHICLE AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025072
Kind Code:
A1
Abstract:
A tire for a two-wheeled motor vehicle has excellent performance characteristics achieved without impairing stability in transition between straight travel and turning. The tire (2) has a tread (4). The tread (4) is divided into (2N-1) regions (where N is a natural number greater than or equal to four). The tread (4) has a first region (20) as the center region and a second region (22) to an N-th region that are arranged in that order from the center region toward each shoulder region. The second regions (22) are regions as a pair symmetrical about the equatorial plane of the tire and so are the remaining regions including the N-th regions. Each of the regions from the first (20) to the N-th is made of a cross-linked rubber composition, and the material of each region is different from each other. Further, in each of the regions from the first (20) to the N-th, the hardness of the rubber in a center-side region adjoining an adjacent region is higher than the hardness of the rubber in a shoulder-side region adjoining an adjacent region. The hardness of the rubber of the first regions is higher than that of the rubber of the N-th regions.

Inventors:
FUNAHARA KIYOSHI (JP)
TANIGUCHI TOYOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002148
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
FUNAHARA KIYOSHI (JP)
TANIGUCHI TOYOTO (JP)
International Classes:
B60C11/00; B29D30/52
Foreign References:
JP2005271760A2005-10-06
JP2007131112A2007-05-31
JP2007168531A2007-07-05
JP2005271760A2005-10-06
JP2007131112A2007-05-31
JP2007168531A2007-07-05
Other References:
See also references of EP 2186653A4
Attorney, Agent or Firm:
OKA, Kengo et al. (8th Floor Sakae Bldg.,1-1, Motomachi-dori 6-chome,Chuo-ku, Kobe-shi, Hyogo 22, JP)
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Claims:
 トレッドを備えており、
 このトレッドが、(2N-1)分割されており(Nは4以上の自然数)、センターに位置する第一領域、第一領域からショルダー側に向けて順に第二領域から第N領域を備えており、
 この第二領域から第N領域までがタイヤの赤道面に対して対称な一対の領域であり、
 この第一領域から第N領域までの各領域がそれぞれ架橋されたゴム組成物からなり、各領域の材質がそれぞれ異なっており、
 第一領域から第N領域までの各領域ではセンター側の領域のゴム硬度が隣接するショルダー側の領域のゴム硬度以上の大きさであり、
 第一領域のゴム硬度が第N領域のゴム硬度より大きい自動二輪車用タイヤ。
 第一領域から第N領域までの各領域ではセンター側の領域の損失正接tanδが隣接するショルダー側の領域の損失正接tanδ以下の大きさであり、
第一領域の損失正接tanδが第N領域の損失正接tanδより小さい請求項1に記載のタイヤ。
 Nが5以上の自然数である請求項1又は2に記載のタイヤ。
 第一領域のゴム硬度と第N領域のゴム硬度との差が3以上である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
 第一領域の損失正接tanδと第N領域の損失正接tanδとの差が0.05以上である請求項2から4のいずれかに記載のタイヤ。
 トレッドが分割された領域の境界のトレッド分割角度が15°以上75°以下である請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
 インナーライナーにカーカスプライが巻かれる工程と、
 このカーカスプライにベルトプライが巻かれる工程と、
 このベルトプライにトレッドを形成する第Nストリップから第1ストリップまでが順に巻かれて(Nは4以上の自然数)、グリーンタイヤが得られる工程と、
 このグリーンタイヤを加圧及び加熱してタイヤが得られる工程とを含み、
 第Nストリップから第1ストリップまでのそれぞれの材質が異なっており、
 センター側の領域のストリップから架橋されて得られるゴム硬度が隣接するショルダー側の領域のストリップから架橋して得られるゴム硬度以上の大きさであり、
 第一領域のゴム硬度が第N領域のゴム硬度より大きく、
 第二領域から第N領域までがタイヤの赤道面に対して対称な一対の領域であり、
 (2Nー1)分割された分割トレッドを備えた自動二輪車用タイヤの製造方法。
Description:
自動二輪車用タイヤとその製造 法

 本発明は、自動二輪車に装着される空気 りタイヤに関する。詳細には、本発明は、 イヤのトレッドの改良に関する。

 自動二輪車の旋回走行時には、この自動二 車に遠心力が働く。旋回走行には、コーナ ングフォースが必要である。このコーナリ グフォースが、遠心力とつり合う。旋回走 時にライダーは、自動二輪車を内側へ傾斜 せる。この傾斜によって生じるキャンバー ラストにより、旋回走行が達成される。旋 走行の容易の目的で、自動二輪車用のタイ は曲率半径の小さなトレッドを備えている 直進走行時には、トレッドのセンター領域 接地する。一方旋回走行時には、ショルダ 領域が接地する。センター領域及びショル ー領域のそれぞれの役割が考慮されたタイ は、特開2005-271760号公報、特開2007-131112号公 報及び特開2007-168531号公報に記載されている

特開2005-271760号公報

特開2007-131112号公報

特開2007-168531号公報

 自動二輪車の直進走行時には、タイヤの ンター領域が主に接地する。旋回走行時に 、タイヤのショルダー領域が主に接地する 直進走行から旋回走行に移行する際には、 イヤのトレッドの接地面がセンター領域か ショルダー領域に移行する。また、旋回走 から直進走行に移行する際には、トレッド 接地面がショルダー領域からセンター領域 移行する。センター領域とショルダー領域 の材質が異なるタイヤは、旋回走行時にラ ダーが違和感を感じやすい。このようなタ ヤは、直進走行と旋回走行との間の移行時 定性に欠ける。

 この直進走行と旋回走行との間の移行時 定性が損なわれないために、センター領域 ショルダー領域の材質は大きく異ならせる とができない。直進安定性が求められるセ ター領域の材質と旋回安定性が求められる ョルダー領域の材質の選定には、この移行 安定性が制約となっていた。

 本発明の目的は、直進走行と旋回走行と 間の移行時安定性を損なうことなく、諸性 に優れた自動二輪車用タイヤの提供にある

 本発明に係る自動二輪車タイヤは、トレ ドを備えている。このトレッドは、(2N-1)分 されている(Nは4以上の自然数)。このトレッ ドは、センターに位置する第一領域、第一領 域からショルダー側に向けて順に第二領域か ら第N領域を備えている。この第二領域から N領域までは、タイヤの赤道面に対して対称 一対の領域である。この第一領域から第N領 域までの各領域は、それぞれ架橋されたゴム 組成物からなり、各領域の材質がそれぞれ異 なっている。第一領域から第N領域までの各 域では、センター側の領域のゴム硬度は隣 するショルダー側の領域のゴム硬度以上の きさである。第一領域のゴム硬度は、第N領 のゴム硬度より大きい。

 好ましくは、このタイヤの第一領域から N領域までの各領域では、センター側の領域 の損失正接tanδは隣接するショルダー側の領 の損失正接tanδ以下の大きさである。第一 域の損失正接tanδは、第N領域のtanδより小さ い。

 好ましくは、このタイヤのトレッドは、9 分割以下で分割されている。

 好ましくは、トレッドが(2N-1)分割されて るタイヤでは(Nは4以上の自然数)、第一領域 のゴム硬度と第N領域のゴム硬度との差は3以 である。好ましくは、第一領域の損失正接t anδと第N領域の損失正接tanδとの差は0.05以上 ある。

 好ましくは、このタイヤのトレッドが分 された領域の境界のトレッド分割角度は15° 以上75°以下である。

 この分割トレッドを備えた自動二輪車用 イヤの製造法は、インナーライナーにカー スプライが巻かれる工程と、このカーカス ライにベルトプライが巻かれる工程と、こ ベルトプライにトレッドを形成する第Nスト リップから第1ストリップまでが順に巻かれ (Nは4以上の自然数)、グリーンタイヤが得ら る工程と、このグリーンタイヤを加圧及び 熱してタイヤが得られる工程とを含む。第N ストリップから第1ストリップまでのそれぞ の材質が異なっており、センター側の領域 ストリップから架橋されて得られるゴム硬 が隣接するショルダー側の領域のストリッ から架橋されて得られるゴム硬度以上の大 さであり、第一領域のゴム硬度は第N領域の ム硬度より大きくされている。このタイヤ は、第二領域から第N領域までがタイヤの赤 道面に対して対称な一対の領域であり、(2Nー 1)分割された分割トレッドを備えている。

 自動二輪車用タイヤでは、直進走行から 回走行に移行する際には、タイヤのトレッ の接地面がセンター領域からショルダー領 に徐々に移行する。本発明に係るタイヤは センター領域とショルダー領域との材質が なるタイヤでありながら、センター領域か ショルダー領域へ徐々にその材質が変化し いる。このタイヤは旋回走行時にライダー 与える違和感が軽減されている。このタイ は直進走行から旋回走行への移行時及び旋 走行から直進走行への移行時のいずれの移 時安定性も優れている。このタイヤではラ ダーの違和感が軽減されているため、セン ー領域及びショルダー領域がそれぞれの役 に適した材質で構成されうる。このタイヤ は、優れた諸性能が達成されうる。このタ ヤは、ストリップワインド工法により容易 製造できる。

図1は、本発明の一実施形態に係るリア タイヤが示された断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係るリ アタイヤが示された断面図である。 図3は、図1のタイヤの製造工程が説明 れるための断面図である。

符号の説明

 2・・・タイヤ
 4・・・トレッド
 6・・・サイドウォール
 8・・・ビード
 10・・・カーカス
 12・・・ベルト
 14・・・インナーライナー
 16・・・チェーファー
 18・・・トレッド面
 20・・・第一領域
 22・・・第二領域
 24・・・第三領域
 26・・・第四領域
 28・・・第五領域
 30・・・コア
 32・・・エイペックス
 34・・・カーカスプライ
 36・・・主部
 38・・・折り返し部
 40・・・ベルトプライ
 42・・・コード
 44・・・トッピングゴム
 46・・・内側ベルトプライ
 48・・・外側ベルトプライ
 50・・・リボン
 52・・・第五ストリップ
 54・・・第四ストリップ

 以下、適宜図面が参照されつつ、好まし 実施形態に基づいて本発明が詳細に説明さ る。

 図1において、上下方向が半径方向である 。図1の左右方向が、軸方向である。このタ ヤ2は、一点鎖線CLに対してほぼ左右対称の 状を呈する。この一点鎖線CLは、赤道面を表 す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォ ル6、ビート8、カーカス10、ベルト12、イン ーライナー14及びチェーファー16を備えてい る。このタイヤ2は、チューブレスタイプの 気入りタイヤである。このタイヤ2は、自動 輪車に装着される。

 トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状 を呈している。トレッド4は、路面と接地す トレッド面18を備えている。トレッド4は、(2 N-1)分割されている(Nは4以上の自然数)。図1の トレッド4は、赤道面からショルダー端まで トレッド面18をほぼ均等に分割されている。 トレッド4は、センター領域に位置する第一 域20、センター領域からショルダー領域に向 けて順に第二領域22、第三領域24、第四領域26 及び第五領域28に分かれている。この第二領 22から第五領域28までは、タイヤ2の赤道面 対して対称な一対の領域である。この第一 域20から第五領域28までの各領域は、それぞ 架橋されたゴム組成物からなっている。こ 各領域の材質は、それぞれ異なっている。

 図1において、点P1で示されているのは、 一領域20と第二領域22との境界面がトレッド 面18と交わる点である。点Q1で示されている は、第一領域20と第二領域22との境界面がト ッド4の内側面と交わる点である。直線L1で されているのは、点P1におけるトレッド面18 の法線である。直線L2で示されているのは、 P1と点Q1とを通る直線である。

 角度θ1で示されているのは、直線L1と直 L2とのなす角度である。この角度θ1は、第一 領域20と第二領域22とのトレッド分割角度で る。角度θ1は、図1において直線L1から時計 り向きを正として、反時計回り向きを負と て示されている。このタイヤ2は、直線CLに して対称形状である。図1に示されていない 対側の断面では、この角度θ1は反時計回り きを正として、時計回り向きを負として示 れる。第一領域20と第二領域22との界面は、 図1の断面において直線で示されている。こ 界面は、必ずしも直線に限られない。界面 非直線であっても、直線L1は点P1と点Q1とを る直線として求められる。直線L1と直線L2と なす角度θ1が、トレッド分割角度である。 線L1、直線L2及び角度θ1は、タイヤ2が切断 れて得られるサンプルにおいて測定される

 第二領域22と第三領域24との境界における 、点P2、点Q2、直線L3、直線L4及び角度θ2は、 P1、点Q1、直線L1、直線L2及び角度θ1と同様 決定される。第三領域24と第四領域26との境 における、点P3、点Q3、直線L5、直線L6及び 度θ3も、点P1、点Q1、直線L1、直線L2及び角度 θ1と同様に決定される。第四領域26と第五領 28との境界における、点P4、点Q4、直線L7、 線L8及び角度θ4も、点P1、点Q1、直線L1、直線 L2及び角度θ1と同様にして決定される。角度 2、θ3及びθ4は、それぞれの隣り合う領域の レッド分割角度である。

 サイドウォール6は、トレッド4の端から 径方向略内向きに延びている。このサイド ォール6は、架橋されたゴム組成物からなる サイドウォール6は、撓みによって路面から の衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6 、カーカス10の外傷を防止する。

 ビード8は、サイドウォール6から半径方 略内向きに延びている。ビード8は、コア30 、このコア30から半径方向外向きに延びるエ イペックス32とを備えている。エイペックス3 2は、半径方向外向きに先細りである。エイ ックス32は、架橋されたゴム組成物からなる 。エイペックス32は、高硬度である。

 カーカス10は、カーカスプライ34からなる 。カーカスプライ34は、トレッド4及びサイド ウォール6の内面に沿って延在している。カ カスプライ34は、コア30の周りを、軸方向内 から外側に向かって折り返されている。こ 折り返しにより、カーカスプライ34には主 36と折り返し部38とが形成されている。折り し部38は、主部36の外面に重ねられている。

 図示されていないが、カーカスプライ34 、コードとトッピングゴムとからなる。コ ドが赤道面CLに対してなす角度の絶対値は、 65°から90°である。換言すれば、このタイヤ2 はラジアル構造を有する。コードは、有機繊 維からなる。好ましい有機繊維としては、ポ リエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊 維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラ ミド繊維が例示される。

 ベルト12は、カーカス10とトレッド4との に位置している。ベルト12は、ベルトプライ 40からなる。このベルトプライ40は、図1には 示されていないが、コード42とトッピング ム44とからなる。コード42は実質的に周方向 延びており、螺旋状に巻かれている。ベル 12は、いわゆるジョイントレス構造である このベルト12は、キックバック及びシミーを 抑制する。このベルト12を備えたタイヤ2は、 外乱吸収性能に優れる。

 ジョイントレス構造のベルト12のコード42 の材質は、スチール又は有機繊維である。有 機繊維の具体例としては、アラミド繊維、ナ イロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊 維及びポリエチレンナフタレート繊維が挙げ られる。このコード42は、拘束力が大きいも が好ましい。コード42は、剛性が高いもの 好ましい。この観点から、コード42の材質と して、スチール及びアラミド繊維が好ましい 。特に、スチールが好ましい。

 インナーライナー14は、カーカス10の内周 面に接合されている。インナーライナー14は 架橋ゴムからなる。インナーライナー14に 、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられてい 。インナーライナー14は、タイヤ2の内圧を 持する役割を果たす。

 直進走行時には、タイヤ2のトレッド4の ンター領域が主として接地する。旋回走行 には、トレッド4のショルダー領域が主とし 接地する。このセンター領域は、直進安定 及び耐摩耗性が要求される。このショルダ 領域は、旋回安定性及び旋回性能が要求さ る。図1のタイヤ2では、トレッド4は9分割さ れている。このタイヤ2のトレッド4の第一領 20のゴム硬度は、第二領域22のゴム硬度以上 の大きさである。第一領域20の損失正接tanδ 第二領域22の損失正接tanδ以下の大きさであ 。第一領域20は、第二領域22より直進安定性 及び耐摩耗性に優れている。一方で第二領域 22は、第一領域20より旋回安定性及び旋回性 に優れている。

 第二領域22のゴム硬度は、第三領域24のゴ ム硬度以上の大きさである。第二領域22の損 正接tanδは、第三領域24の損失正接tanδ以下 大きさである。第二領域22は、第三領域24よ り直進安定性及び耐摩耗性に優れている。第 三領域24は、第二領域22より旋回安定性及び 回性能に優れている。同様に第三領域24のゴ ム硬度は、第四領域26のゴム硬度以上の大き である。第三領域24の損失正接tanδは、第四 領域26の損失正接tanδ以下の大きさである。 四領域26のゴム硬度は、第五領域28のゴム硬 以上の大きさである。第四領域26の損失正 tanδは、第五領域28の損失正接tanδ以下の大 さである。このタイヤ2では、センター側の 域のゴム硬度が、隣接するショルダー側の 域のゴム硬度以上の大きさである。このタ ヤ2では、センター側の領域の損失正接tanδ 、隣接するショルダー側の領域の損失正接t anδ以下の大きさである。

 このタイヤ2では分割された領域毎に材質 が変えられている。センター側からショルダ ー側に向かって順に、直進走行から旋回走行 に適した材質が選定されている。センター側 の領域は隣接するショルダー側の領域より直 進安定性及び耐摩耗性に優れている。ショル ダー側の領域は、隣接するセンター側の領域 より旋回安定性及び旋回性能に優れている。 この構成により、センター領域とショルダー 領域との間でトレッド面18の接地面が移行す 際に、ライダーが受ける違和感が軽減され いる。トレッド4の分割数を多くすることで 分割された領域毎の材質の変化が小さくされ ている。これによりセンター側からショルダ ー側に向かって徐々に材質を変えることが可 能となっている。この観点から、トレッド4 分割数は、7分割以上とされている。このト ッド4の分割数が数式(2N-1)で表されると、こ のトレッド4は、Nが4以上の自然数で分割され ている。より好ましくはトレッド4の分割数 9分割以上である。言い換えれば、トレッド4 の分割数が数式(2N-1)で表されると、このトレ ッド4はNが5以上の自然数で分割されているこ とが好ましい。

 一方で生産性の観点から、トレッド4の分 割数は少ない方が好ましい。この観点から、 トレッド4の分割数は、13分割以下が好ましい 。トレッド4の分割数が数式(2N-1)で表される 、このトレッド4はNが7以下の自然数である とが好ましい。

 図1の両矢印WTは、赤道面からショルダー 端までの幅である。この幅WTは、トレッド 18の表面に沿って測られる。両矢印W1は、赤 面から第一領域20のショルダー側の端まで 幅である。この幅W1は、トレッド面18の表面 沿って測られる。このタイヤ2では、センタ ー側の領域のゴム硬度がショルダー側の領域 のゴム硬度より大きい。このタイヤ2では、 進走行時には高硬度のセンター領域が主に 地する。このタイヤ2は直進安定性能に優れ 。好ましくは、直進走行時のタイヤ2のトレ ッド面18の接地面が第一領域20となるように 一領域20の領域を設ける。この観点から、第 一領域20の幅W1がトレッド面18の幅WTに対する (W1/WT)は、0.2以上が好ましく、0.25以上がよ 好ましい。

 旋回走行時には低硬度のショルダー領域 主に接地する。旋回走行時には旋回走行に した第五領域28が接地する。第一領域20から 第五領域28までゴムの材質は徐々に旋回走行 適した材質に変えられている。この構成か 、比(W1/WT)は0.35以下が好ましく、0.3以下が り好ましい。ゴム硬度が低いショルダー領 はグリップ性能に優れている。このタイヤ2 、旋回安定性に優れる。この観点から、第 領域20のゴム硬度と第五領域28とのゴム硬度 との差は、2以上が好ましく、3以上がより好 しい。直進走行から旋回走行への移行時安 性の観点から、このゴム硬度の差は7以下が 好ましく、6以下がより好ましい。このタイ 2をリアタイヤに用いた自動二輪車は、直進 定性及び旋回安定性に優れる。

 このタイヤ2は、第一領域20のゴム硬度と 五領域28のゴム硬度との差を2以上としても レッド面18の段差摩耗が生じにくい。この イヤ2では、トレッド4が9分割されており、 一領域20のゴム硬度と第五領域28のゴム硬度 の差の制限が小さい。第一領域20に耐摩耗 重視の材質が配置され、第五領域28にグリッ プ重視の材質が配置されうる。

 直進安定性の観点から、第一領域20のゴ 硬度は63以上が好ましく、65以上がより好ま い。第一領域20のゴム硬度は85以下が好まし い。グリップ性能の観点から、第五領域28の ム硬度は80以下が好ましく、75以下がより好 ましい。第五領域28のゴム硬度は、60以上が ましい。

 このタイヤ2では、センター領域の損失正 接tanδがショルダー領域の損失正接tanδより さい。このタイヤ2では、旋回走行時に損失 接tanδが大きいショルダー領域が主に接地 る。損失正接tanδが大きい接地面はグリップ 性能に優れている。このタイヤ2は旋回性能 優れる。直進走行時には損失正接tanδが小さ いセンター領域が主に接地する。損失正接tan δが小さい接地面はエネルギー損失が小さい 直進走行時の燃費が向上する。

 この観点から、好ましくは、第一領域20 損失正接tanδと第五領域28との損失正接tanδ の差は0.05以上である。第一領域20の損失正 tanδと第五領域28の損失正接tanδとの差は、0. 07以上がより好ましく、0.09以上が特に好まし い。直進走行から旋回走行への移行時安定性 の観点から、損失正接tanδの差は0.20以下が好 ましく、0.15以下がより好ましい。このタイ 2では、トレッド4が9分割されており、第一 域20の損失正接tanδと第五領域28の損失正接ta nδとの差の制限が小さい。第一領域20に燃費 視の材質が配置されうる。第五領域28にグ ップ重視の材質が配置されうる。

 このタイヤ2の角度θ1は、15°以上75°以下 ある。直進走行から旋回走行へ移行時にト ッド4は剪断力を受ける。角度θ1が0°未満の タイヤ2では、第一領域20と第二領域22との界 において第二領域22が剥離し易い方向に剪 力が働く。この角度θ1が15°以上のタイヤ2で は、第一領域20と第二領域22との剥離の発生 抑制されている。このタイヤ2では、第一領 20と第二領域22との界面において、第一領域 20が第二領域22の外面側に位置させられてい 。このタイヤ2は、直進走行と旋回走行と間 移行時にタイヤ2の特性が徐々に変わり、ラ イダーの違和感が軽減される。このタイヤ2 直進走行と旋回走行との間の移行時安定性 優れる。このタイヤ2では、トレッド4が分割 され、徐々に分割領域毎に材質が変えられて いる。これにより、ライダーの違和感は更に 軽減されている。このライダーの違和感の軽 減により、第一領域20と第五領域28とのゴム 材質がそれぞれの役割に適した材質とされ る。

 このタイヤ2は、角度θ1が15°以上が好ま い。これにより、第一領域20と第二領域22と 材質を変えても、ライダーの受ける違和感 軽減されている。このタイヤ2では、直進走 行と旋回走行との間の移行時に第二領域22が 離しにくい。これらの観点から、角度θ1は 30°以上がより好ましく、40°以上が特に好 しい。角度θ1が大きいタイヤ2は、その製造 難しくなる。この観点から、角度θ1は75°以 下が好ましい。この角度θ1は、60°以下がよ 好ましく、50°以下が特に好ましい。図1にお いて、角度θ2、θ3及びθ4は、角度θ1と同様の 理由により15°以上が好ましい。角度θ2、θ3 びθ4は、30°以上がより好ましく、40°以上が 特に好ましい。角度θ2、θ3及びθ4は、角度θ1 と同様の理由により75°以下が好ましい。角 θ2、θ3及びθ4は、60°以下がより好ましく、5 0°以下が特に好ましい。

 トレッド分割角度は、トレッド4のショル ダー側ほどライダーの違和感に大きく影響す る。この観点から、ショルダー側のトレッド 分割角度は、センター側のトレッド分割角度 以上の大きさとされることが好ましい。最も ショルダー側の分割角度が、最もセンター側 の分割角度より大きくされることが好ましい 。具体的には図1のタイヤ2では、角度θ4は角 θ3以上の大きさとされる。角度θ3は、角度 2以上の大きさとされる。角度θ2は、角度θ1 上の大きさとされる。角度θ4は、角度θ1よ 大きくされることが好ましい。

 この発明は、センター領域とショルダー 域との材質が異なる種々のタイヤ2に適用さ れうる。この発明は、センター領域の硬度が ショルダー領域の硬度より大きいタイヤ2に 用しうる。この発明は、センター領域の損 正接tanδがショルダー領域の損失正接tanδよ 小さいタイヤ2に適用しうる。

 ゴム硬度は、「JIS-K 6253」の規定に準拠 て、23°Cの条件下でタイプAのデュロメータ タイヤ2に押しつけられて測定される。

 損失正接tanδは、「JIS-K 6394」の規定に準拠 して、下記に示される条件で、粘弾性スペク トロメーター(島津製作所社の商品名「VA-200 )によって測定される。
   初期歪み:10%
   振幅:±2%
   周波数:10Hz
   変形モード:引張
   測定温度:70℃

 図2は、本発明の他の実施形態に係るタイ ヤ2が示された断面図である。このタイヤ2の ルト12は、内側ベルトプライ46と外側ベルト プライ48とからなっている。図示されていな が、この内側ベルトプライ46と外側ベルト ライ48とは、コードとトッピングゴムとから なる。コードは周方向に対して傾斜している 。傾斜角度の絶対値は、通常10°以上35°以下 ある。内側ベルトプライ46のコードの周方 に対する角度は、外側ベルトプライ48のコー ドの周方向に対する角度とは逆である。ベル ト12は、いわゆるカットベルト構造である。 のコードは、アラミド繊維又はスチールで る。他の構成は図1のタイヤ2と同じであり その説明は省略する。この発明はジョイン レス構造のタイヤであってもカットベルト 造のタイヤであっても同様に実施できる。

 図3は、図1のタイヤ2の製造工程が説明さ るための断面図である。このタイヤ2の製造 では、フォーマー(図示されず)にインナーラ ナー14、カーカスプライ34が順次巻かれる。 このカーカスプライ34の上に、コード42とト ピングゴム44とからなるリボン50が螺旋状に かれ、ジョイントレス構造を有するベルト ライ40が形成される。このリボン50は、実質 的に周方向に延在する。

 このベルトプライ40の上に、ショルダー から未架橋ゴムからなる第五ストリップ52が 螺旋状に巻かれる。第五ストリップ52は、実 的に周方向に延在する。第五ストリップ52 、順次積層される。第五ストリップ52が巻き 終わると、この第五ストリップ52に連続して 未架橋ゴムからなる第四ストリップ54が巻 れる。第四ストリップ54は、実質的に周方向 に延在する。第四ストリップ54は、順次積層 れる。第四ストリップ54が巻き終わると、 らにこの第四ストリップ54に連続して図示さ れていない第三ストリップが巻かれる。同様 にして、第三ストリップに連続して図示しな い第二ストリップが巻かれる。両側の第五ス トリップから第二ストリップまでが巻かれた 後に、第二ストリップに連続してセンターに 図示しない第一ストリップが巻かれる。こう して、グリーンタイヤが得られる。なお、第 一ストリップから第五ストリップまでの巻き 方及び各ストリップの巻く順番は、前述のト レッド分割角度によって、適宜調整されうる 。

 このグリーンタイヤがモールドに投入さ 、加圧及び加熱される。加熱によりゴムに 橋反応が起こり、タイヤ2が得られる。第五 ストリップ52からは、第五領域28が得られる 第四ストリップ54からは、第四領域26が得ら る。第三ストリップからは、第三領域24が られる。第二ストリップからは、第二領域22 が得られる。第一ストリップからは、第一領 域20が得られる。このタイヤ2では、5種類の トリップが用いられるので、9分割領域から るトレッド4が容易に成形される。このタイ ヤ2のトレッド4の製造は、ストリップワイン 工法により容易である。

 図1から3の実施形態ではリアタイヤにつ て説明したが、この発明はフロントタイヤ も同様に実施できる。

 本発明では、特に言及がない限り、タイ 2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正 リムに組み込まれ、正規内圧となるように イヤ2に空気が充填された状態で測定される 測定時には、タイヤ2には荷重がかけられな い。本明細書において正規リムとは、タイヤ 2が依拠する規格において定められたリムを 味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA 規格における「Design Rim」、及びETRTO規格に ける「Measuring Rim」は、正規リムである。本 明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依 する規格において定められた内圧を意味す 。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格 における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLAT ION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びE TRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規 圧である。

 以下、実施例によって本発明の効果が明 かにされるが、この実施例の記載に基づい 本発明が限定的に解釈されるべきではない

  [実施例1及び2]
 図1に示された構造を備えた実施例1のリア イヤを得た。このタイヤのトレッドは9分割 れている。このタイヤは、センター領域が 一領域である。第一領域から両方のショル ー側に向かって順に第二領域、第三領域、 四領域及び第五領域を備えている。このタ ヤでは、第一領域、第二領域、第三領域、 四領域及び第五領域それぞれの領域がトレ ド面を均等に分割している。このタイヤの 領域のゴム硬度及び損失正接tanδは表1に示 れた通りである。このリアタイヤのサイズ 、「180/55ZR17」である。実施例2は、トレッ のゴム材質を表1に示されたようにした。そ 他は実施例1のタイヤと同様とした。

  [比較例1]
 比較例1は、単一のトレッドからなる他は実 施例1と同じ構造を備えたタイヤである。比 例1は、市販のリアタイヤである。ゴム硬度 び損失正接tanδは表1に示された通りである 表1に示された他は、実施例1のタイヤと同 である。

  [比較例2及び3]
 比較例2及び3は、トレッドが3分割された構 を備えたタイヤである。その他は実施例1と 同じ構造である。このタイヤは、センター領 域が第一領域であり、ショルダー領域が第二 領域とされている。このタイヤでは、第一領 域と第二領域がトレッド面をほぼ均等に分割 している。各分割領域のゴム硬度及び損失正 接tanδは表1に示された通りである。

  [比較例4及び5]
 比較例4及び5は、トレッドが5分割された構 を備えたタイヤである。その他は実施例1と 同じ構造である。このタイヤは、センター領 域が第一領域である。第一領域から両方のシ ョルダー側に向かって順に第二領域、第三領 域を備えている。このタイヤでは、第一領域 、第二領域及び第三領域それぞれの領域がト レッド面をほぼ均等に分割している。各分割 領域のゴム硬度及び損失正接tanδは表1に示さ れた通りである。

  [実施例3及び4]
 実施例3及び4は、トレッドが7分割された構 を備えたタイヤである。その他は実施例1と 同じ構造である。このタイヤは、センター領 域が第一領域である。第一領域から両方のシ ョルダー側に向かって順に第二領域、第三領 域及び第四領域を備えている。このタイヤで は、第一領域、第二領域、第三領域及び第四 領域それぞれの領域がトレッド面をほぼ均等 に分割している。各分割領域のゴム硬度及び 損失正接tanδは表1に示された通りである。

  [旋回性能評価]
 排気量が600ccの市販の自動二輪車の後輪に 試作タイヤが装着された。リム巾5.5インチ タイヤ空気内圧は290kPaとした。なお、前輪 タイヤは市販の従来のタイヤをそのまま使 した。この自動二輪車を、速度80km/hでR40mの 回走行させ、ライダーに官能評価させた。 の結果が、下記の表1に示されている。この 評価は数字が大きいほど評価が高い。

  [移行時安定性]
 後輪タイヤに試作タイヤを装着した自動二 車を、速度80km/hで走行中に徐々に車体を傾 て行き、フルバンクまで傾けて走行させた この時のライダーに官能評価させた。この 果が、下記の表1に示されている。この評価 は数字が大きいほど評価が高い。

  [耐摩耗性評価]
 後輪タイヤに試作タイヤを装着した自動二 車を、サーキットコースで速度200km/h、距離 2000kmの条件で走行させた。走行後のトレッド の溝深さ1mm当たりの走行距離を指数化して評 価した。市販品の比較例1のタイヤの評価結 を100として相対評価を実施した。この結果 、下記の表1に示されている。

 表1に示されるように、実施例は、直進走 行から旋回走行への移行時安定性に優れてい る。実施例は、旋回性能とこの移行時安定性 がバランスよく優れている。この評価結果か ら、本発明の優位性は明らかである。

 本発明に係るタイヤは、種々の自動二輪 に装着されうる。