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Patent Searching and Data


Title:
TONER AND PROCESS FOR PRODUCING TONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078497
Kind Code:
A1
Abstract:
A toner comprising toner base particles and an external additive. The toner base particles comprise core particles produced by: mixing, in an aqueous medium, at least a resin particle dispersion obtained by dispersing resin particles, a colorant particle dispersion obtained by dispersing colorant particles, and a wax particle dispersion obtained by dispersing wax particles; and aggregating the particles. The colorant particle dispersion contains a polymeric dispersant. This toner has a narrow particle size distribution and a small particle diameter, and can be produced without the necessity of a classification step. This toner prevents the occurrence of blind spots and scattering during transfer to attain a high transfer efficiency.

Inventors:
YUASA YASUHITO
SOGA MAMORU
MAEDA MASAHISA
Application Number:
PCT/JP2007/072948
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
November 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
YUASA YASUHITO
SOGA MAMORU
MAEDA MASAHISA
International Classes:
G03G9/087; G03G9/08; G03G9/09
Foreign References:
JPH05265252A1993-10-15
JP2000250267A2000-09-14
JP2000098654A2000-04-07
JP2001228651A2001-08-24
JP2005227780A2005-08-25
JP2006322997A2006-11-30
JP2006251074A2006-09-21
JP2006195467A2006-07-27
JPH0534992A1993-02-12
JPH0534993A1993-02-12
JP2001311034A2001-11-09
Attorney, Agent or Firm:
IKEUCHI SATO & PARTNER PATENT ATTORNEYS (OAP TOWER8-30, Tenmabashi 1-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 26, JP)
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Claims:
 トナー母体粒子と外添剤を含むトナーであって、
 前記トナー母体粒子は、水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合し、凝集して生成される芯粒子を含み、
 前記着色剤粒子分散液にポリマー系分散剤を含むことを特徴とするトナー。
 前記ポリマー系分散剤は、親水性部分と疎水性部分とを分子中に有する共重合ポリマーである請求項1に記載のトナー。
 前記ポリマー系分散剤は、マレイン酸系分散剤又はアクリル酸系分散剤を含み、前記ポリマー系分散剤のガラス転移点が40~150℃である請求項1又は2記載のトナー。
 前記ポリマー系分散剤は、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸ハーフエステル共重合体若しくはアクリル酸エステル-マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つの物質を含む請求項1~3のいずれかに記載のトナー。
 前記着色剤粒子分散液が、さらに、非イオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一つの界面活性剤を含む請求項1に記載のトナー。
 前記非イオン系界面活性剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が、13.3~18.6である請求項5に記載のトナー。
 前記アニオン系分散剤が、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項5に記載のトナー。
 前記ポリマー系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し3~20重量部、及び非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し1~15重量部である請求項5に記載のトナー。
 前記ポリマー系分散剤の配合量が、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合量以上であり、ポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合比率が、1:1~10:1である請求項5に記載のトナー。
 前記着色剤粒子がDBP吸油量45~70(ml/100g)のカーボンブラックを含み、かつワックスがDSC法による吸熱ピーク温度50~90℃のワックスを含む請求項1に記載のトナー。
 トナー母体粒子と外添剤を含むトナーの製造方法であって、
 前記トナー母体粒子は、水系媒体中において、少なくとも、第一の樹脂粒子を分散させた第一の樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合して混合液を生成する工程と、
 前記混合液に、凝集剤を添加し、前記第一の樹脂粒子、前記着色剤粒子及び前記ワックス粒子を凝集して芯粒子を生成する工程とを含み、
 前記着色剤粒子分散液にポリマー系分散剤を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
 前記樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子が凝集して生成された芯粒子が分散した前記芯粒子分散液中のpHを0.5~5酸性側にシフトさせる工程を含む請求項11に記載のトナーの製造方法。
 前記樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子が凝集して芯粒子が生成されたときの前記芯粒子分散液中のpHが7~9.5の範囲である請求項11に記載のトナーの製造方法。
 前記芯粒子を含む芯粒子分散液に、さらに第ニの樹脂粒子を分散させた第二の樹脂粒子分散液を添加し、加熱して、前記第二の樹脂粒子を前記芯粒子に融着させる工程を含む請求項11に記載のトナーの製造方法。
 前記第二の樹脂粒子分散液を添加する際に、第二の樹脂粒子分散液のpH値をアルカリ状態に調整しておき、pH値が7以下、2以上の範囲の状態の芯粒子が分散した芯粒子分散液に添加する工程を含む請求項14に記載のトナーの製造方法。
 前記アルカリ状態に調整した第ニの樹脂粒子を分散させた第二の樹脂粒子分散液のpH値が7.5~10.5の範囲である請求項14又は15に記載のトナーの製造方法。
 前記着色剤粒子分散液が、さらに非イオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一つの界面活性剤を含む請求項11に記載のトナーの製造方法。
 前記ポリマー系分散剤は、マレイン酸系分散剤又はアクリル酸系分散剤を含み、前記ポリマー系分散剤のガラス転移点が40~150℃である請求項11又は17に記載のトナーの製造方法。
 前記ポリマー系分散剤が、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸ハーフエステル共重合体若しくはアクリル酸エステル-マレイン酸共重合体、又はこれらの塩を含む請求項11、17又は18のいずれかに記載のトナーの製造方法。
 前記非イオン系界面活性剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が13.3~18.6である請求項17に記載のトナーの製造方法。
Description:
トナー及びトナーの製造方法

 本発明は複写機、レーザプリンタ、普通 ファクシミリ(FAX)、カラー普通紙コピー機(P PC)、カラーレーザプリンタ、カラーFAX及びこ れらの複合機に用いられるトナー及びトナー の製造方法に関するものである。

 近年、プリンタなどの画像形成装置はオ ィスユースの目的からパーソナルユースへ 移行しつつあり、小型化、高速化、高画質 、カラー化を実現する技術が求められてい 。そのためカラー画像の高速出力を可能と るタンデムカラープロセス、また定着時に フセット防止のための定着オイルを使用せ に高光沢性、高透光性を有する鮮明なカラ 画像と非オフセット性を両立させるオイル ス定着が良メンテナンス性、低オゾン排気 どの条件とともに要求されている。そして れらの機能は同時に両立させる必要があり プロセスのみならずトナーの特性向上が重 なファクターである。

 カラープリンタでは、定着プロセスにお ては、カラー画像ではカラートナーを溶融 色させ透光性を上げる必要がある。トナー 溶融不良が起こるとトナー画像表面又は内 に於いて光の散乱が生じて、トナー色素本 の色調が損なわれると共に、重なった部分 は下層まで光が入射せず、色再現性が低下 る。従って、トナーには完全溶融特性を有 、色調を妨げないような透光性を有するこ が必要である。また定着時にシリコーンオ ル等を使用しないオイルレス定着の実現が 求される。これを可能とするため、シャー メルト特性を有する結着樹脂中にワックス の離型剤を添加することが実用化されつつ る。

 しかし、このようなトナーは、トナーの 集性が強い特質を有するため、転写時のト ー像乱れ、転写不良の傾向がより顕著に生 、転写と定着の両立が困難となる問題があ 。また二成分現像として使用する際に、粒 間の衝突、摩擦、又は粒子と現像器との衝 、摩擦等の機械的な衝突、摩擦による発熱 より、キャリア表面にトナーの低融点成分 付着するスペントが生じ易く、キャリアの 電能力を低下させ現像剤の長寿命化の妨げ なる。

 トナーは、一般的に結着樹脂である樹脂 分、顔料、電荷制御剤、更に必要に応じて 型剤などの添加成分によって構成され、所 の割合で予備混合し、熱溶融によって加熱 練し、気流式衝突板方式により微粉砕し、 粉分級されてトナー母体粒子が完成する。 た化学重合的な方法によりトナー母体粒子 作成される方法もある。その後、このトナ 母体粒子に例えば疎水性シリカなどの外添 を外添処理してトナーが完成する。一成分 像では、トナーのみで構成されるが、トナ と磁性粒子からなるキャリアと混合するこ によって二成分現像剤が得られる。

 従来の混練粉砕法における粉砕・分級操 では、小粒径化といっても経済的、性能的 現実に提供できる粒子径には限界がある。 こで、混練粉砕法とは異なる種々の重合法 用いたトナーの製造方法が検討されている

 下記特許文献1では、重合によって形成さ れた粒子と、該粒子表面に乳化重合によって 形成された微小粒子からなる被覆層とよりな るトナーであって、水溶性無機塩を加えて、 粒子表面に微小粒子による被覆層を生成し、 溶液のpHを変化させることにより、粒子表面 微小粒子による被覆層を生成することが開 されている。

 下記特許文献2では、少なくとも樹脂粒子 を分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成 し凝集粒子分散液を調製する工程、凝集粒子 分散液中に、樹脂微粒子を分散させてなる樹 脂微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹 脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する工 程、及び付着粒子を加熱して融合する工程を 含むトナーの製造方法が開示され、その添加 混合の方法としては、例えば、徐々に連続的 に行ってもよく、また複数回に分割して段階 的に行ってもよい旨が開示されている。そし て前記樹脂微粒子(追加粒子)を添加混合する とにより、微小な粒子の発生を抑制し、粒 分布がシャープな帯電性能に優れた効果が 載されている。

 下記特許文献3では、トナー粒子中の界面 活性剤の含有量が3重量%以下で、かつ2価以上 の電荷を有する無機金属塩例えば塩化亜鉛を 10ppm以上で1重量%以下含有し、イオン架橋に り形成して耐吸湿性を向上させることが開 されている。樹脂微粒子分散液と、着色剤 散液とを混合し、無機金属塩を用いて凝集 分散液を調整した後、樹脂のガラス転移点 上に加熱し、凝集体を融合してトナーが形 されている。優れた帯電特性及び環境依存 、クリーニング性、転写性を有し、かつシ ープな粒度分布を有する小粒子径のトナー 記載されている。

 下記特許文献4では、形状係数が100ないし 137のトナーが開示され、樹脂微粒子と着色剤 の凝集体粒子分散液を形成し、得られた凝集 体粒子分散液を、樹脂微粒子のガラス転移温 度(Tg)以上、好ましくはTgないしTg+10℃の温度 囲に昇温して、例えば、2時間以上かけて目 的とするトナー粒子径になるまで凝集体粒子 を成長させた後、凝集を停止してさらに同温 度に加熱し、10時間以内に凝集体粒子の表面 融合・合一させて、形状係数:100~137の範囲 トナー粒子を形成させることが開示されて る。

 下記特許文献5では、樹脂および着色剤を 含有する着色粒子(コア粒子)の表面に、塩析/ 融着法によって樹脂粒子を融着させてなる樹 脂層(シェル)が形成されたトナー粒子が開示 れ、着色粒子を得るための塩析/融着工程に 連続して、着色粒子の分散液に樹脂粒子の分 散液を添加し、ガラス転移温度以上の温度を 保持することが開示され、粒子表面における 着色剤の存在量が少なく、高湿度環境下にお いて長期にわたる画像形成に供されても、帯 電性・現像性の変化に起因する画像濃度の変 化、カブリ、色味の変化を発生させない効果 が記載されている。

 下記特許文献6では、少なくとも樹脂と着 色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現 像用トナーにおいて、該トナー粒子が、樹脂 Aを含有するコアと該コアを被覆する少なく も1層の、樹脂Bを含有するシェルを有し、該 シェルの最表面層の膜厚が50nm~500nmであるト ーが開示され、耐オフセット性に優れ、且 、良好な保存性を示す静電荷像現像用トナ の効果が記載されている。

 下記特許文献7では、少なくとも結着樹脂 およびDBP吸油量70~120ml/100gのカーボンブラッ を含有してなるトナー粒子を含むブラック ナーが開示されている。カーボンブラック 微分散され、その分散粒径分布がシャープ あるため、比較的低付着量であっても所望 画像濃度を達成でき、さらには所定の帯電 まで帯電され易い。そのため、逆帯電トナ による電気的転写不良としての中抜けの問 を十分に防止できる。また帯電環境安定性 よび耐ストレス性にも優れている効果が記 されている。カーボンブラックのDBP吸油量 小さ過ぎると、カーボンブラックが結着樹 と絡み難くなって、トナー粒子中において ーボンブラックがトナー表層に移行し易く り微分散されないため、所望の画像濃度お び所望の帯電量が達成されない。一方、カ ボンブラックのDBP吸油量が大き過ぎると、 ナー粒子製造時の形状制御性悪化を原因と る円形度低下の問題がある。また、DBP吸油 の値が大きすぎると、カーボンブラックが に濡れにくくなるためカーボンブラック水 散液の分散安定性が低下する。そのような 散安定性の低いカーボンブラックを用いて ナーを製造すると、凝集が起こりやすく粒 成長がうまく制御できなくなり、トナー中 カーボンブラック分散性が悪化し、その結 、中抜けや帯電量が悪化する効果が記載さ ている。これらの乳化された樹脂粒子、ワ クス粒子及び顔料粒子を凝集させて粒子を 成する構成において、凝集剤、温度,pH等の 件について開示されている。しかし、これ の各粒子の凝集速度のバランスが乱れる場 、例えば顔料の凝集速度が速くなると、樹 粒子と顔料粒子との凝集が早く進行し、ワ クスが取り残されて、液が白濁のままの状 なったり、また顔料のみの凝集した粒子が 存する状態となる場合がある。また樹脂粒 、ワックス粒子及び顔料粒子が凝集した芯 子にさらに樹脂層を付着してコアシェル構 とする場合、芯粒子表面にワックスがリッ の構成となったりするとシェル樹脂の付着 進行しない場合や、顔料リッチとなると帯 性に影響を与える場合がある。その結果、 ナー粒子の形状の制御性が悪化したり、粒 分布がブロードになり小粒径粒子の生成が 難になる。また帯電性の低下は、転写時の 抜けやカブリ等の画質低下を招く傾向にあ 。つまり、樹脂粒子、顔料粒子およびワッ ス粒子の凝集速度のバランスを整えて芯粒 を形成することが重要であるが、凝集速度 バランスを整えて芯粒子を凝集させる手段 ついてはまだ改善の余地がある。

 オイルレス定着の実現等の定着性改良の めにワックスを一定量以上添加する方法が 示されているが(例えば特許文献3)、凝集反 中において、ワックス粒子は結晶性が高い めある温度から急に溶融が開始され、樹脂 子は無定形であるため一定の温度範囲にお てはゴム状態が続く。また、顔料粒子は溶 せずに粒子のまま存在する。このような状 においては溶融したワックス粒子と顔料粒 との凝集反応が均一に進まないと、生成さ る芯粒子の粒度分布が広がったり、ワック や、顔料が多く偏在した粒子が生成されや くなる傾向にある。

 また凝集に加わらずに浮遊したワックス 子や、カーボンブラック等の顔料粒子が残 すると、帯電量の低下、非画像部へのトナ 付着の増大、感光体や転写体ヘのフィルミ グが発生しやすくなる。また、芯粒子中で ワックス粒子や顔料粒子の分散性が悪化す と、定着時に溶融したトナー画像において 濁りが生じ易く、トナーの発色性が不十分 なってしまう。

 また、芯粒子(コア粒子と称することもあ る)の表面にシェル樹脂粒子を融着させてト ー粒子を得るコアシェル構造が開示されて るが(例えば特許文献5)、コア粒子の分散液 シェル樹脂粒子が分散したシェル樹脂分散 を混合し、加熱してシェル化する方法にお て、前述したワックスを配合したコア粒子 シェル樹脂粒子を融着させる場合、ワック の存在がシェル樹脂粒子の付着を妨げて、 着がなかなか進行しない場合や、一旦コア 子にシェル樹脂粒子が付着してもその後の 熱処理の工程でワックスが溶融するとワッ スの離型作用によりシェル樹脂粒子がコア 子から脱離する場合がある。

 また、カーボンブラック粒子は他のフタ シアニン系、キナクリドン系、アゾ系等の 機系顔料に比べ、無機系に近い特性を示し カーボンブラック粒子は一定のDBP吸油量特 を有する。水系媒体中で加熱処理して、樹 粒子、ワックス粒子と凝集させて芯粒子を 成する際、加熱温度をワックスの融点以上 して凝集反応を進行させる際、ワックスは 融した状態となり、カーボンブラック粒子 粉の状態である。そして一定のDBP吸油量特 を有するカーボンブラック粒子はその吸油 により、溶融したワックスを吸油(吸着)す 。その結果カーボンブラック粒子とワック が凝集溶融した灰色の粒子が生成されやす 傾向となる。また一部粗大化しやすく、水 中の粒子のバランスが崩れることで凝集に かわらない浮遊したワックス粒子や、顔料 子の残留が生じやすくなる傾向にある。ま これらの凝集反応を均一に進行しない場合 その粒子を凝集させる条件によっては、ト ーの形状を一定の形に調整することが困難 なる場合がある。凝集性の安定化と形状調 が安定に行われることは画像形成の面で重 な要素である。

 またカーボンブラック粒子に溶融したワ クスが吸油(吸着)されると本来のワックス 低温定着性や耐オフセット性の定着性の機 が低下し、定着可能温度域が減少する傾向 なる場合がある。

 粉の状態である一定のDBP吸油量特性を有す カーボンブラック粒子と溶融したワックス の凝集反応は、水系中での凝集反応時の芯 子形成に影響を及ぼすとともに、ワックス 定着性機能へも影響を及ぼす傾向がある。

特開昭57-045558号公報

特開平10-073955号公報

特開平11-311877号公報

特開2000-131876号公報

特開2002-116574号公報

特開2004-191618号公報

特開2005-221836号公報

 本発明は、シャープな粒度分布を有する 粒径のトナーを、分級工程不要で作成でき 転写時の中抜けや飛び散りを防止し、高転 効率が得られるトナー及びトナーの製造方 を提供する。

 本発明のトナーは、トナー母体粒子と外 剤を含むトナーであって、前記トナー母体 子は、水系媒体中において、少なくとも、 脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色 粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワ クス粒子を分散させたワックス粒子分散液 混合し、凝集して生成される芯粒子を含み 前記着色剤粒子分散液にポリマー系分散剤 含むことを特徴とする。

 本発明のトナーの製造方法は、トナー母 粒子と外添剤を含むトナーの製造方法であ て、前記トナー母体粒子は、水系媒体中に いて、少なくとも、第一の樹脂粒子を分散 せた第一の樹脂粒子分散液、着色剤粒子を 散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒 を分散させたワックス粒子分散液を混合し 混合液を生成する工程と、前記混合液に、 集剤を添加し、前記第一の樹脂粒子、前記 色剤粒子及び前記ワックス粒子を凝集して 粒子を生成する工程とを含み、前記着色剤 子分散液にポリマー系分散剤を含むことを 徴とする。

図1は本発明の実施例で使用した画像形 成装置の概略断面図である。 図2は本発明の実施例で使用した定着ユ ニットの概略断面図である 図3は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の概略透視図である。 図4は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の上から見た平面図である。 図5は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の概略部分断面図である。 図6は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の上から見た平面図である。 図7は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の概略透視図である。 図8は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の上から見た平面図である。 図9は本発明の実施例で使用した攪拌分 散装置の概略透視図である。 図10は本発明の実施例で使用した攪拌 散装置の上から見た平面図である。 図11は本発明のフローテスタによる結 樹脂の軟化点(1/2法における溶融温度)の算 方法の概略図である。 図12は本発明の一実施例におけるトナ 母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサンプ ングした反応液を示す。 図13は本発明の別の実施例におけるト ー母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサン リングした反応液を示す。 図14は本発明の一実施例で形成された ナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率5000倍)を す。 図15は本発明の別の実施例で形成され トナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率3000倍) 示す。 図16は本発明の別の実施例におけるト ー母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサン リングした反応液を示す。 図17は本発明の別の実施例におけるト ー母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサン リングした反応液を示す。 図18は本発明の別の実施例で形成され トナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率5000倍) 示す。 図19は本発明の別の実施例で形成され トナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率3000倍) 示す。 図20は本発明の別の実施例で形成され 第二のシェル樹脂を融着したトナー母体のT EM(透過型電子顕微鏡)観察像(倍率20000倍)を示 。 図21は本発明の別の実施例で形成され 第二のシェル樹脂を融着したトナー母体のT EM(透過型電子顕微鏡)観察像(倍率20000倍)を示 。 図22は本発明の別の実施例におけるト ー母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサン リングした反応液を示す。 図23は本発明の別の実施例におけるト ー母体の芯粒子凝集時の反応時間毎にサン リングした反応液を示す。 図24は本発明の別の実施例で形成され トナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率5000倍) 示す。 図25は本発明の別の実施例で形成され トナー母体の芯粒子のSEM観察像(倍率5000倍) 示す。 図26は本発明の別の実施例で形成され 第二のシェル樹脂を融着したトナー母体のT EM(透過型電子顕微鏡)観察像(倍率20000倍)を示 。 図27は本発明の別の実施例で形成され 第二のシェル樹脂を融着したトナー母体のT EM(透過型電子顕微鏡)観察像(倍率20000倍)を示 。 図28は本発明の形状指数を説明するた の説明図である。

 本発明は、樹脂粒子、着色剤粒子及びワ クス粒子を分散させた各粒子分散液を混合 、凝集して生成される芯粒子を含むトナー おいて、前記着色剤粒子分散液に用いる分 剤にポリマー系分散剤を含むことにより、 系中で芯粒子中に取り込まれずに凝集にか わらない浮遊したワックスや着色剤粒子の 留する問題を解消し、狭い粒度分布で小粒 粒子の生成を可能できる。また、ワックス 有する定着性の機能を低下させることなく 定着性、耐オフセット性及び貯蔵安定性を 上したトナーが得られる。また、樹脂中で ワックスや着色剤の分散性を向上させるこ で、現像特性における、耐久性、帯電安定 を向上できる。また、複数の感光体及び現 部を有する像形成ステーションを並べて配 し、転写体に順次各色のトナーを連続して 写プロセスを実行するタンデムカラープロ スにおいて、転写時の中抜けや逆転写を防 し、高転写効率を挙げたトナーが得られる

 以下、工程順に説明する。

 (1)重合及び凝集工程
 樹脂粒子分散液の調製は、ビニル系単量体 界面活性剤中で乳化重合やシード重合等す ことにより、ビニル系単量体の単独重合体 は共重合体(ビニル系樹脂)の樹脂粒子を界 活性剤に分散させてなる分散液が調製され 。その手段としては、例えば、高速回転型 化装置、高圧乳化装置、コロイド型乳化装 、メデイアを有するボールミル、サンドミ 、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装 が挙げられる。

 樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系 量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂 ある場合には、該樹脂が、水への溶解度が 較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、 樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を ホモジナイザー等の分散機を用いて界面活 剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散 、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を 散させることにより、ビニル系樹脂以外の 脂製の樹脂粒子を界面活性剤に分散させて る分散液が調製される。

 着色剤粒子分散液は、水系中で着色剤粒 を添加し、前記した好適な分散手段を用い 分散させることにより調製される。ワック 粒子分散液は、水系中でワックス粒子を添 し、前記した好適な分散手段を用いて分散 せることにより調製される。

 トナーにはさらなる低温定着化と、オイ レス定着における高温非オフセット性、離 性、カラー画像の高透光性、一定の高温度 での貯蔵安定性が要求され、それらを同時 満足しなければならない。

 本発明は、水系媒体中において、少なく も、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液 着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液 びワックス粒子を分散させたワックス粒子 散液を混合し、凝集して得られる芯粒子を むトナーである。この着色剤粒子分散液に いる分散剤にポリマー系分散剤を含む。

 従来のアニオン系又はノニオン系の界面 性剤を単独で使用するのに比べて、樹脂粒 やワックス粒子との凝集反応が早く進行し 室温から90℃付近までの昇温過程において 溶融するワックス粒子、樹脂粒子と粉状の 色剤粒子とが均一な速度で凝集することで 水系中に凝集に加わらずに浮遊して残留す ワックス粒子や着色剤粒子の発生を抑えら る。また凝集生成が早く進行し、粒子生成 生産性を挙げる効果が得られる。また小粒 で粒度分布の狭い粒子生成を得ることがで る。

 ポリマー系分散剤としては、ポリビニル ルコール、又は部分ケン化ポリビニルアル ールのアルコール類が好ましい。

 また、親水性部分と疎水性部分とを分子中 有する共重合体樹脂は、例えば、下記のよ なポリマーが好ましい。
(1)スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン- クリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重 合体、スチレン-メタクリル酸共重合体又は チレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエ ステル共重合体等のアクリル酸系分散剤
(2)スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン- レイン酸ハーフエステル共重合体、アクリ 酸エステル-マレイン酸共重合体、又はスチ レン-アクリル酸エステル-マレイン酸共重合 等のマレイン酸系分散剤
(3)アクリル酸エステル-スチレンスルホン酸 重合体、スチレン-メタクリルスルホン酸共 合体、又はアクリル酸エステル-アリルスル ホン酸共重合体等のスルホン酸系分散剤、あ るいはこれらの塩を挙げることができる。

 あるいは、水酸基を含有するアクリル系 量体としては、アクリル酸β-ヒドロキシエ ル、メタクリル酸β-ヒドロキシエチル、ア リル酸β-ヒドロキシプロピル、メタクリル β-ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ-ヒド キシプロピル、メタクリル酸γ-ヒドロキシ ロピル、アクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシ ロピル、メタクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシ プロピル、ジエチレングリコールモノアクリ ル酸エステル、ジエチレングリコールモノメ タクリル酸エステル、グリセリンモノアクリ ル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸 エステル、N-メチロールアクリルアミド、N- チロールメタクリルアミドなど等の水溶性 分子が好ましい。

 あるいは、水溶性ウレタン樹脂(ポリエチ レングリコール、ポリカプロラクトンジオー ル等とポリイソシアネートの反応生成物等) どが好ましい。

 あるいは、ビニルメチルエーテル、ビニ エチルエーテル、ビニルプロピルエーテル の水溶性高分子が好ましい。

 あるいは、ビニルアルコールとカルボキ ル基を含有する化合物のエステル類、例え 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、 アセトンアクリルアミドあるいはこれらの チロール化合物、アクリル酸クロライド、 タクリル酸クロライドなどの酸クロライド 等の水溶性高分子が好ましい。

 あるいは、ビニルピリジン、ビニルピロ ドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミ などの窒素原子又はその複素環を有するも などのホモポリマー又は共重合体等の水溶 高分子が好ましい。

 あるいは、ポリオキシエチレン、ポリオ シプロピレン、ポリオキシエチレンアルキ アミン、ポリオキシプロピレンアルキルア ン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、 リオキシプロピレンアルキルアミド、ポリ キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ オキシエチレンラウリルフェニルエーテル ポリオキシエチレンステアリルフェニルエ テル、ポリオキシエチレンノニルフエニル ステルなどのポリオキシエチレン系等の水 性高分子が好ましい。

 あるいは、アルキルセルロース、ヒドロ シ-アルキルセルロース、カルボキシアルキ ルセルロース、例えばメチルセルロース、カ ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー スなどのセルロース類等の水溶性高分子が好 ましい。これらのセルロース類は、水に対し 25℃で0.5%以上溶解させることができ、エーテ ル化度が0.6~1.5で、平均重合度が50~3000のもの 好ましい。

 これらの中で、(1)スチレン-アクリル酸共 重合体、スチレン-アクリル酸-アクリル酸ア キルエステル共重合体、スチレン-メタクリ ル酸共重合体若しくはスチレン-メタクリル -アクリル酸アルキルエステル共重合体等の クリル酸系分散剤、(2)スチレン-マレイン酸 共重合体、スチレン-マレイン酸ハーフエス ル共重合体、アクリル酸エステル-マレイン 共重合体若しくはスチレン-アクリル酸エス テル-マレイン酸共重合体等のマレイン酸系 散剤、(3)アクリル酸エステル-スチレンスル ン酸共重合体、スチレン-メタクリルスルホ ン酸共重合体若しくはアクリル酸エステル- リルスルホン酸共重合体等のスルホン酸系 散剤又はこれらの塩が好ましい。

 より好ましくは、マレイン酸系分散剤又 アクリル酸系分散剤であり、スチレン-アク リル酸共重合体、スチレン-マレイン酸共重 体、スチレン-マレイン酸ハーフエステル共 合体若しくはアクリル酸エステル-マレイン 酸共重合体又はこれらの塩が特に好ましい。 一例として、下記化学式1にスチレン-アクリ 酸エステル共重合体(但し、Rは炭素数1~6の ルキル基、m、nはそれぞれ共重合体の繰り返 し単位)を示し、化学式2にスチレン-マレイン 酸ハーフエステル共重合体塩(但し、Rは炭素 1~6のアルキル基、m、nはそれぞれ共重合体 繰り返し単位)を示す。

 ポリマー系分散剤内のマレイン酸又はア リル酸部分で塩を形成させることにより、 のポリマー系分散剤を溶解させるのが好ま い。アルカリ中和剤としては、例えば、ア ノメチルプロパノール、2-アミノイソプロ ノール、トリエタノールアミン又はアンモ ア水等を挙げることができる。

 または、水酸化ナトリウム、水酸化リチ ム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属の 酸物等の無機アルカリ剤等を挙げることが きる。

 アルカリ中和剤の含有量は、カウンター オンとしてポリマー系分散剤を中和するこ のできる量(中和当量)又はそれ以上である とができ、中和当量のほぼ1.2~1.5倍の量で含 すると、凝集性等の点から好ましい。

 分散液の分散状態、芯粒子の凝集反応温 に対する凝集性、現像性、定着性の観点か ポリマー系分散剤のガラス転移点は40~150℃ 軟化点は90~220℃、重量平均分子量は3000~5万 酸価は50~250mgKOH/gが好ましい。より好ましく は、ガラス転移点は50~130℃、軟化点は100~180 、重量平均分子量は3000~3万、酸価が80~200、 らに好ましくは、ガラス転移点は80~120℃、 化点は120~180℃、重量平均分子量は7000~3万、 価は100~200が好ましい。ガラス転移点が40℃ 満であると、凝集反応が早くなり、生成さ る芯粒子が粗大化する傾向にある。ガラス 移点が150℃を超えると、凝集反応が遅れて 凝集に加わらない水系中に残留する着色剤 子が増加する傾向にある。軟化点が90℃未 であると、凝集反応が早くなり、生成され 芯粒子が粗大化する傾向にある。軟化点が22 0℃を超えると、凝集反応が遅れて、凝集に わらない水系中に残留する着色剤粒子が増 する傾向にある。重量平均分子量が3000未満 あると、凝集反応が早くなり、生成される 粒子が粗大化する傾向にある。重量平均分 量が5万を超えると、凝集反応が遅れて、凝 集に加わらない水系中に残留する着色剤粒子 が増加する傾向にある。酸価が50未満である 、ワックス分散液の分散安定性が低下しや い傾向にある。酸価が250を超えると、凝集 進行が早まり生成される芯粒子が粗大化し すい傾向にある。

 特に、ポリマー系分散剤のガラス転移点 、芯粒子を凝集させる温度以上であること 好ましい。望ましくは、そのガラス転移点 90℃以上である。この理由としては、水系 の温度が上昇する過程において、ポリマー 散剤のガラス転移点を超える温度領域から CB同士で凝集が生じやすくなり、それがワッ クスをも取り込んで、水系中に浮遊した大き な残渣物となりやすい傾向にある。ポリマー 分散剤のガラス転移点が芯粒子の凝集温度以 上であるときは、水系中に浮遊した大きな残 渣物が発生しにくい傾向にある。

 酸価は試料1g中に含まれる酸を中和する に要する水酸化カリウムのミリグラム数を う。試料をアルコール-エーテルに溶かして これにフェノールフタレインを指示薬とし 0.5Nの水酸化カリウムで滴定する。JIS-K-0070 準拠して行う。

 水系媒体中において、少なくとも、樹脂 子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒 を分散させた着色剤粒子分散液及びワック 粒子を分散させたワックス粒子分散液を混 し、凝集して得られる芯粒子を含むトナー ある。この着色剤粒子分散液に用いる分散 として、ポリマー系分散剤及び非イオン系 面活性剤を含むのが好ましい。

 特に、一定の融点を有するワックスと、 色剤粒子と樹脂粒子とを凝集して芯粒子を 成するとき、低温度から溶融を開始するワ クスと、粉状態の着色剤とではその凝集速 が相違し、一方では溶融により粒子の凝集 進行しやすいものと、一方では凝集の進行 遅いものとによって、粒子形成が不均一に り灰色の粒子の生成や、芯粒子間でワック や顔料が偏在した芯粒子の生成を生じる傾 にある。また、芯粒子が粗大化して小粒径 狭い粒度分布の粒子生成が困難となる傾向 ある。

 温度調整や攪拌速度調整等で芯粒子の粗 化を抑えて小粒径粒子を生成しようとする 、着色剤粒子が芯粒子中に取り込まれるこ なく、芯粒子分散液中に凝集に加わらない 色剤粒子が残留し、反応液が濁ったままで 明になりにくく、凝集に加わらないワック 粒子が残留し、粒度分布が広がってしまう 向にあった。

 そこで、凝集の進行が遅い傾向にある着 剤の分散剤に、ポリマー系分散剤及び非イ ン系界面活性剤を含むことにより、樹脂粒 、ワックス粒子との凝集速度のバランスを ることで、前述した小粒径で粒度分布の狭 粒子生成を得ることができるものと考えら る。非イオン系界面活性剤を含むことによ 、溶融したワックス粒子、樹脂粒子との凝 速度を調整することができ、芯粒子中で顔 の粒子同士が固まって凝集した状態で分散 ることを抑制でき、芯粒子中で顔料の分散 均一に分散させることができる。その結果 現像での非画像部へのトナー付着であるカ リの低減、耐久性が向上、転写性の改善に ながる。またワックスの分散性への効果も り、定着性の改善の効果が得られる。

 非イオン界面活性剤のHLBの範囲は、13.3~18 .6とすることが好ましい。この範囲であれば 樹脂粒子、ワックス粒子との凝集速度のバ ンスを取ることができ、芯粒子中で顔料の 子の分散を均一化することができる。また 小粒径で粒度分布の狭い粒子生成を得るこ ができる。HLBが18.6を超えると、凝集速度を 調整ができにくく、芯粒子中で顔料の粒子同 士が固まって凝集した状態で分散する傾向に ある。HLBが13.3未満であると、顔料の凝集速 が遅くなり、顔料粒子が取り残され、生成 れる粒子がブロードな粒度分布となる傾向 ある。好ましくは、15.2~17.6、より好ましく Wh1が16~17.6の範囲である。

 ここで、HLB値とは、界面活性剤の水と油( 水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度 表す値である。特に、非イオン界面活性剤 HLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)は界面活性剤の 油性部分の分子量をML、親水性部分の分子 をMHとすると、HLB=(MH×20)/(MH+ML)で表すことが きる(グリフィン法)。

 着色剤粒子に対するポリマー分散剤及び イオン系界面活性剤の量は、ポリマー系分 剤が、着色剤粒子100重量部に対し3~20重量部 、非イオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量 部に対し1~15重量部とすることが好ましい。 り好ましくはポリマー系分散剤が着色剤粒 100重量部に対し5~15重量部、非イオン系界面 性剤が着色剤粒子100重量部に対し1~10重量部 、さらに好ましくはポリマー系分散剤が着色 剤粒子100重量部に対し5~12重量部、非イオン 界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し3~10 量部である。

 また、ポリマー系分散剤と非イオン系界 活性剤の重量配合比率が1:2~10:1とすること 好ましい。一定量の非イオン系界面活性剤 含むことにより、その凝集速度をマイルド 徐々に進行させることができ、芯粒子中で 料の粒子同士が固まって凝集した状態で分 することを緩和でき、芯粒子中で顔料の分 を均一に分散できる効果が発揮できる比率 ある。好ましくは、ポリマー系分散剤と非 オン系界面活性剤の重量配合比率が1:1~10:1、 より好ましくは1:1~5:1、さらに好ましくは2:1~3 :1である。

 着色剤粒子分散液にポリマー系分散剤及 アニオン系分散剤とを一定割合で配合する も好ましい。着色剤粒子分散液にポリマー 分散剤とアニオン系分散剤とを一定割合で 合させることにより、ワックス粒子、樹脂 子及び着色剤粒子との凝集速度を調整でき 凝集過程において粗大粒子の発生を抑える とができる。従って、狭い粒度分布の粒子 成が可能となり、また生成される粒子の形 、粒径を制御することができる。アニオン 分散剤比率を高めていくと、凝集の進行が や遅くなり、形状が球状に近い粒子が生成 れやすくなる。

 ポリマー系分散剤は、着色剤粒子100重量 に対し3~20重量部、アニオン系分散剤が着色 剤粒子100重量部に対し1~15重量部とすること 好ましい。着色粒子分散液のポットライフ( 散安定性)を維持し、かつ小粒径で狭い均一 な粒度分布の芯粒子を生成できる適正な範囲 である。より好ましくは、ポリマー系分散剤 は、着色剤粒子100重量部に対し5~15重量部、 ニオン系分散剤が着色剤粒子100重量部に対 1~10重量部とする。さらに好ましいくは、ポ マー系分散剤は、着色剤粒子100重量部に対 5~12重量部、アニオン系分散剤が着色剤粒子 100重量部に対し3~10重量部とする。

 また、ポリマー系分散剤とアニオン系分 剤の重量配合比率が、1:1~10:1とすることが ましい。より好ましくは2:1~10:1、さらに好ま しくは5:1~10:1とする。樹脂粒子やワックス粒 との凝集速度が適正な範囲とすることがで 、芯粒子中に取り込まれずに残留する着色 粒子やワックス粒子の生成を抑えられ、小 径で粒度分布の狭い粒子生成を得ることが きる範囲である。

 また、アニオン系分散剤としては、高級 ルコール硫酸エステル塩又は高級アルキル ーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩 アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル フタレンスルホン酸塩又は高級アルキルス ホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコー 燐酸エステル塩等の燐酸エステル塩(例えば 、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はカ ルシウムとの塩)、の他、ポリオキシエチレ アルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポ オキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナト ウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ ルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキ エチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナ リウム塩、アルキルエーテルカルボン酸塩 はジアルキルスルホコハク酸塩(例えば、ス ホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルエステルナ リウム塩)、等を挙げることができる。その 中で、高級アルコール硫酸エステル塩である ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム 塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩で あるラウリルエーテル硫酸エステルナトリウ ム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩である 炭素数12~16のアルキルベンゼンスルホン酸ナ リウム(例えばドデシルベンゼンスルホン酸 ナトリウム)、又はアルキルナフタレンスル ン酸塩が特に好ましい材料である。

 ブラックトナーとして着色剤にカーボン ラックを使用する場合、カーボンブラック 分散液を生成する際に使用する分散剤にポ マー系分散剤を含むのが好ましい。カーボ ブラックは他のフタロシアニン系、キナク ドン系、アゾ系等の有機系顔料に比べ、無 系に近い特性を示し、ワックス粒子、樹脂 子との凝集反応において、その凝集性(凝集 剤添加時の粒子の凝集速度)が相違する傾向 ある。そのためポリマー系分散剤を使用す ことで凝集性のバランスをとる効果が得ら るためと思われる。

 また、DBP吸油量が45~70(ml/100g)のカーボン ラックを含むことが好ましい。好ましくは45 ~63、より好ましくは45~60、さらに好ましくは4 5~53である。一定の吸油量特性を有するカー ンブラックの使用により、カーボンブラッ が均一に芯粒子中に取り込まれ、またワッ スの定着性の機能も維持できる。DBP吸油量 70を超えるカーボンブラックでは、カーボン ブラックの凝集が早く起こりやすく、カーボ ンブラック粒子が芯粒子中に取り込まれにく くなる。また、後述する芯粒子に第二の樹脂 粒子を付着させたシェル構造とした場合、生 成粒子の窒素吸着によるBET比表面積値が大き くなる傾向にある。その結果、現像時での非 画像部へのトナー付着であるカブリが増大す る傾向にある。カーボンブラックの凝集不良 による分散状態の偏在により表面状態に影響 を与えていると思われる。また溶融したワッ クスとの吸油(吸着)される現象が急速に進行 、灰色の粒子を生成させる結果になると推 する。またワックスの定着性の機能も低下 てしまうと推測する。DBP吸油量が45未満の ーボンブラックは好適なサンプルが生産さ ておらず、入手が困難である。

 さらには、一定の融点を有するワックス の使用においてその効果がより発揮される 向にある。凝集反応を進行させる際、ワッ スは溶融した状態となり、カーボンブラッ 粒子は粉の状態である。そして所定のDBP吸 量特性を有するカーボンブラック粒子はそ 吸油性により、溶融したワックスを吸油(吸 着)する。その結果、カーボンブラック粒子 ワックスが溶融付着した灰色の粒子が生成 れやすい傾向となる。また一部粗大化しや く、水系中の粒子のバランスが崩れること 凝集にかかわらない浮遊したワックスや、 料粒子の残留が生じやすくなる傾向にある またカーボンブラック粒子に溶融したワッ スが吸油(吸着)されると本来のワックスの低 温定着性や耐オフセット性の定着性の機能が 低下し、定着可能温度域が減少する傾向にあ る。

 そこで、一定の融点を有する溶融状態の ックスと粉の状態のカーボンブラック粒子 凝集反応において、カーボンブラック粒子 DBP吸油量特性を規定することにより、カー ンブラック粒子が先に粒子成長する現象を えられ、芯粒子を小粒径化しても、カーボ ブラック粒子が芯粒子中に取り込まれて、 粒子分散液中に凝集に加わらずに残留する ーボンブラック粒子を解消できる効果が得 れることを見出した。また、本来のワック の定着性の機能が低下する現象を抑えられ 効果を見出した。これは、一定以上のDBP吸 量特性を有するカーボンブラック粒子が溶 したワックスとの吸油(吸着)される現象の 響と思われる。

 芯粒子に粒子の形状制御する目的で第三 樹脂粒子を配合するのも好ましい。第一の 脂粒子(芯粒子に使用する樹脂リ粒子を第一 の樹脂粒子と称する場合がある)の特性と一 の関連性を有する第三の樹脂粒子を添加す ことにより、芯粒子の凝集反応性を変える とで形状を変化させる効果が得られる。

 その第三の樹脂粒子の好ましい特性として 第三の樹脂粒子の溶融粘度特性における軟 点をTmr3(℃)、第一の樹脂粒子の溶融粘度特 における軟化点をTmr1(℃)とすると、
Tmr1+30℃≦Tmr3≦Tmr1+80℃
の関係を満たすのが好ましい。一定の軟化点 を有する第三の樹脂粒子の存在により、加熱 処理の過程での凝集反応において、溶融状態 の異なる樹脂粒子の存在により凝集粒子の溶 融が進行する状態を遅らせ、粒子の溶融によ る表面張力の効果を変えることで、形状を真 球状からポテト形状や不定形とすることが可 能となる。第三の樹脂粒子と第一の樹脂粒子 の軟化点の差が30℃未満であると、芯粒子の 融が進行する状態を遅らせることができに くなり、形状調整がうまく進まない傾向に る。逆に第三の樹脂粒子と第一の樹脂粒子 軟化点の差が80℃を超えると、芯粒子の凝 が進行しずらくなり、第三の樹脂粒子が芯 子に取り込まれにくく、第三の樹脂粒子が 系中に残留して水系中の白濁が残る場合が る。

 また、第三の樹脂粒子の好ましい第二の特 として、第三の樹脂粒子のゲルパーミエー ョンクロマトグラムにおける重量平均分子 をMwr3、第一の樹脂粒子の重量平均分子量を Mwr1とすると、
Mwr1×1.5≦Mwr3≦Mwr1×12
の関係を満たすのが好ましい。一定の重量平 均分子量を有する第三の樹脂粒子の存在によ り、加熱処理の過程での凝集反応において、 溶融状態の異なる樹脂粒子の存在により芯粒 子の溶融が進行する状態を遅らせることで、 形状を真球状からポテト形状や不定形とする ことが可能となる。第三の樹脂粒子重量平均 分子量が、第一の樹脂粒子の重量平均分子量 の1.5倍未満であると、芯粒子の溶融が進行す る状態を遅らせることができにくくなり、形 状調整がうまく進まない傾向にある。逆に第 三の樹脂粒子重量平均分子量が第一の樹脂粒 子の重量平均分子量の12倍を超えると、芯粒 の凝集が進行しずらくなり、第三の樹脂粒 が芯粒子に取り込まれにくく、第三の樹脂 子が水系中に残留して水系中の白濁が残る 向になる。

 また、第三の樹脂粒子の配合割合は、第 の樹脂粒子100重量部に対し、2~30重量部の範 囲とするのが好ましい。2重量部未満である 、形状調整の効果が得にくい。30重量部を超 えると、芯粒子の凝集性が悪化し、第三の樹 脂粒子が芯粒子に取り込まれにくく、第三の 樹脂粒子が水系中に残留して水系中の白濁が 残る傾向になる。

 また、第三の樹脂粒子の配合割合は、第 の樹脂粒子の軟化点又は重量平均分子量と 関連し、軟化点又は重量平均分子量が高く るほど配合量は少量で効果を発揮できる。

 Tmr3がTmr1+30℃~Tmr1+45℃のときは、第三の樹 脂粒子の配合割合としては、第一の樹脂粒子 100重量部に対し、22~30重量部の範囲、Tmr3がTmr 1+45℃~Tmr1+65℃のときは、第三の樹脂粒子の配 合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、 12~22重量部の範囲、Tmr3がTmr1+65℃~Tmr1+80℃のと きは、第三の樹脂粒子の配合割合は、第一の 樹脂粒子100重量部に対し、2~12重量部の範囲 することが目安となるが、目的の形状によ て量は増減する。

 Mwr3が、Mwr1×1.5~Mwr1×4のときは、第三の樹 粒子の配合割合としては、第一の樹脂粒子1 00重量部に対し、22~30重量部の範囲、Mwr3が、M wr1×4~Mwr1×8のときは、第三の樹脂粒子の配合 合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、12~2 2重量部の範囲、Mwr3が、Mwr1×8~Mwr1×12のときは 、第三の樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂 粒子100重量部に対し、2~12重量部の範囲とす ことが目安となるが、目的とする形状によ て量は増減する。

 この形状調整を目的として軟化点等の熱 性の異なる第三の樹脂粒子を配合する際に 前述したポリマー系分散剤を使用すること より、軟化点等の熱特性が異なる樹脂粒子 使用し凝集進行性が変わることによる浮遊 子生成を防止し、軟化点等の熱特性が異な 状況でも、芯粒子の凝集反応を均一に進め 着色剤やワックスの分散性を向上させる効 が発揮できる傾向にある。ポリマー系分散 を使用した着色剤粒子が接着性のような機 を発揮される結果であると推測される。

 水系媒体中において重合開始剤を用いて 量体を乳化重合することにより、樹脂粒子 得られる。その重合開始剤の添加量は、単 体100重量部に対し、0.5~2.5重量部、重合開始 剤は、水温20℃の水100gに対する溶解度が4g以 の過硫酸塩類、及び単量体がスチレン系単 体、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び 基を有するビニル系単量体を含み、酸基を するビニル化合物の配合量は、単量体中0.1~5 .0重量%とすることが好ましい。

 重合開始剤の添加量について、重合開始 由来の親水基の存在量により樹脂粒子、着 剤粒子及びワックス粒子の凝集に影響を与 る傾向にある。つまり重合開始剤の添加量 多いと凝集反応が遅く進行する傾向にあり 重合開始剤の添加量が少ないと凝集反応が く進行する傾向にあり、その重合開始剤の 加量の適正量が、単量体100重量部あたり0.5~ 2.5重量部である。好ましくは、0.7~2.0重量部 より好ましくは、1.0~1.5重量部である。樹脂 子、着色剤粒子及びワックス粒子それぞれ 凝集が適正となる範囲である。0.5重量部未 であると、樹脂粒子の凝集が早く進行し、 ックス、顔料と凝集した芯粒子生成にいた ず、樹脂粒子同士が凝集した樹脂の粗大粒 が生成されやすい傾向にある。2.5重量部を えると、芯粒子生成の凝集が遅くなる傾向 あり、生産性に時間を要することになる。 た、高温非オフセット性が悪化し、定着可 温度領域が狭まる傾向にある。これは重合 始剤由来の親水基の存在量により、凝集反 が遅く進行することで、ワックスの分散性 影響を及ぼすものと考えられる。

 重合開始剤は、水温20℃の水100gに対する 解度が4g以上の過硫酸塩類を使用すること 好ましい。これにより、重合開始剤由来の 水基の存在量の適正化による芯粒子の凝集 と定着性を好適にできる。溶解度が少ない 、乳化重合反応時の過硫酸塩類の溶解に時 を要し生産性が遅くなる。また、乳化する の過硫酸塩類の分散状態が変化しやすく、 集反応時の凝集性が不安定になる傾向にあ 。

 酸基を有するビニル化合物の配合量は、 量体中0.1~5.0重量%であることが好ましい。 らに好ましくは、0.2~4.5重量%、より好ましく は、0.5~2.0重量%である。第一の樹脂粒子、第 の樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子 れぞれの凝集を適正なものとできる範囲で る。0.1重量%未満であると、第一の樹脂粒子 の凝集が早くなり、ワックス、顔料と凝集し た芯粒子生成にいたらず、樹脂粒子単独が凝 集した粗大化した樹脂粒子の発生や、芯粒子 が粗大化する傾向にある。5.0重量%を超える 、芯粒子生成の凝集が遅くなる傾向にあり これは酸基由来の親水基の存在量により、 集反応が遅く進行することで、樹脂粒子と ワックスの凝集に影響を及ぼす傾向にある それによりワックスの分散状態が変動し、 温非オフセット性が悪化し、定着可能温度 域が狭まる傾向になると考えられる。

 本発明方法は、水系媒体中において、樹 粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤 子を分散させた着色剤粒子分散液及びワッ ス粒子を分散させたワックス粒子分散液と 混合し、凝集剤を添加し、樹脂粒子、着色 粒子及びワックス粒子が凝集した芯粒子を 成する。この着色剤粒子分散液に用いる分 剤にポリマー系分散剤を含ませる。

 また、着色剤粒子分散液に用いる分散剤 して、ポリマー系分散剤及び非イオン系界 活性剤を含むのも好ましい。また、着色剤 子分散液に用いる分散剤として、ポリマー 分散剤及びアニオン系界面活性剤を含むの 好ましい。

 樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及び ックス粒子分散液とを混合した混合分散液 pHは9.5~12.2の範囲に調整することが好ましい 。さらに好ましいpHは10~11.5、より好ましくい pHは10.5~11の範囲である。1NのNaOHを添加するこ とでpHの調整が可能である。pH値を9.5以上12.2 下とすることで、形成された芯粒子が粗大 する現象を抑制し、凝集に加わらずに遊離 るワックス粒子や着色剤粒子の発生を抑え ワックスや着色剤を均一に内包化できやす する効果がある。

 このとき、樹脂粒子分散液及びワックス 子分散液とを混合した混合液のpHを9.5~12.2の 範囲に調整した後に、ポリマー系分散剤を使 用した着色剤粒子分散液を添加することが好 ましい。樹脂粒子分散液及びワックス粒子分 散液とを混合した混合液のpHは酸性になって る場合があり、その液にポリマー系分散剤 使用した着色剤粒子分散液を添加すると着 剤粒子が一部単独で凝集が進行する場合が るためである。つまり、樹脂粒子分散液及 ワックス粒子分散液とを混合し、その混合 のpHを9.5~12.2の範囲に調整し、ポリマー系分 散剤を使用した着色剤粒子分散液を添加し、 水溶性無機塩を添加した後に加熱処理を行う ことが好ましい。その後、混合分散液に水溶 性無機塩を添加し、樹脂粒子のガラス転移点 温度(Tg)以上及び/又はワックスの融点以上に 熱処理することにより、少なくとも樹脂粒 、着色剤粒子及びワックス粒子が少なくと 一部が溶融し凝集した所定の体積平均粒径 芯粒子が形成される。

 この所定の体積平均粒径の芯粒子が形成 れたときの液のpHが7.0~9.5の範囲に保持され ことが好ましい。これによりワックスの遊 が少なく、ワックスが内包された狭い粒度 布の芯粒子が形成できる。添加するNaOH量、 凝集剤種や量、乳化重合樹脂分散液のpH、着 剤分散液のpH、ワックス分散液のpHの設定値 や、加熱温度、時間は適宜選択される。粒子 が形成されたときの液のpHが7.0未満であると 芯粒子が粗大化する傾向になる。pHが9.5を えると、凝集不良で遊離ワックスが多くな 傾向になる。

 また樹脂粒子分散液は、乳化重合樹脂を 合生成する際に重合開始剤として過硫酸カ ウム等の過硫酸塩を使用した際、その残留 が加熱凝集工程時の熱により分解してpHを 動(下げる)させてしまうことがあるため、乳 化重合した後に一定温度以上(残留分を十分 分散させておくために80℃以上が好ましい) 、一定時間(1~5時間程度が好ましい)加熱処理 を施すことが好ましい。樹脂粒子分散液のpH 好ましくは4以下、更に好ましくは1.8以下で ある。

 pH(水素イオン濃度)の測定は、被測定液を 液槽内からピペットを用いてサンプルを10ml 取し、同容量程度のビーカーに入れる。こ ビーカーを冷水に浸漬し、サンプルを室温(3 0℃以下)まで冷却する。pHメータ(セブンマル :メトラートレド社製)を用い、室温まで冷 したサンプルに測定プローブを浸す。メー の表示が安定したらその数値を読み取り、pH の値とする。

 混合分散液の昇温速度は0.1~10℃/minが好ま しい。遅いと生産性が低くなる。早すぎると 粒子表面が平滑にならないうちに形状が球形 に進みすぎる傾向にある。

 また、樹脂粒子、着色剤粒子及びワック 粒子が凝集して所定の体積平均粒径の芯粒 が形成されたときの芯粒子分散液中のpHを 0.5~5酸性側にシフトさせることが好ましい。 すなわち樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス 粒子の混合分散液に水溶性無機塩を添加し、 室温から加熱処理して、水系中の温度がワッ クスの融点以上に達して、所定の体積平均粒 径又は一定形状に凝集した芯粒子が形成され た後に、その芯粒子が分散した分散液中のpH 酸性側にシフトさせる。

 カラー画質はより高精細化が要求され、 ナーはより小粒径化が求められる。pH調整 せずにそのまま昇温、加熱処理を続けると 凝集した粒子は各粒子が集まりつつある葡 状から、球形状に進行するが、そのとき粒 もやや大きくなる傾向にある。また、ポリ ー系分散剤を使用した着色剤では、凝集が く進行し、樹脂粒子、ワックス粒子との凝 速度のバランスを取ることができるが、凝 した粒子の粒径がやや大きめになり、より 粒径粒子生成を得るためには工夫が必要と 合がある。そこで、このpH調整により粒径が 大きくなることを防ぎながら、加熱処理を続 けることができ、芯粒子を球形状にすること ができる。さらには後述するシェル樹脂を付 着溶融させる際、その付着がより良好に行え 、芯粒子に付着せずに浮遊するシェル樹脂粒 子の発生を抑制する効果が得られる。

 また、使用する凝集剤とコア樹脂とが凝 反応時に架橋構造を形成して定着時に低温 の定着強度が低下する傾向になる場合があ が、本願の酸性側にシフトさせる工程によ 、架橋構造を一部または全部の構造を解消 ることにより低温定着性を良化させる効果 得られる。

 前述したように、所定の体積平均粒径の 粒子が形成されたときの芯粒子分散液中のp Hは7.0~9.5の範囲であり、ここからさらに酸性 に0.5~5シフトさせて、pHを2~9の範囲に保持す ることが好ましい。好ましくは酸性側に1.5~4 フトさせてpHは3~8に保持させる。さらに好 しくは酸性側に2.5~3シフトさせてpHは4~7に保 する。

 芯粒子生成の好ましい一実施形態として 水系媒体中において、樹脂粒子分散液、着 剤粒子分散液及びワックス粒子分散液とを 合して混合分散液を生成する。そしてこの 合分散液を加熱し、混合分散液の液温度が 定の温度に達した後に、この混合分散液に 集剤として水溶性無機塩を添加する方法も ましい。

 混合分散液の温度が一定以上に達した状 で凝集剤を添加することにより、凝集が昇 時間とともに緩慢になる現象をさけられ、 集剤の添加と共に凝集反応が一気に進行し 短時間に芯粒子の生成が可能となる。また ワックス粒子と着色剤粒子を均一に内包化 た小粒径で狭い粒径分布の芯粒子形成が可 となる。

 前記樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散 、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散 及びワックス粒子を分散させたワックス粒 分散液を混合して混合液を生成し、加熱処 後に凝集剤を添加する工程により、前記芯 子を生成するのも好ましい。また、前記樹 粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤 子を分散させた着色剤粒子分散液及びワッ ス粒子を分散させたワックス粒子分散液を 合した混合分散液の水温が、前記ワックス 融点以上に到達後に凝集剤を添加するのも ましい。

 また、後述するように融点の異なるワッ スを併用して使用する場合、昇温の過程で 低融点のワックスが先に溶融が開始され、 温が進行すると、次には高融点のワックス 溶融が開始され、凝集が開始されるため、 融点ワックス粒子同士や、高融点粒子ワッ ス同士の凝集体の生成を防ぐためにも有効 方法である。芯粒子中でワックスの偏在を 止して、芯粒子の粒度分布が広くなったり 状の分布が不均一になることを防ぐことが きる。

 添加する凝集剤は一定の水濃度を有する 溶性無機塩を含有した水溶液を使用するが その水溶液のpH値を調整した後に、少なく も第一の樹脂粒子を分散させた第一の樹脂 子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤 子分散液及びワックス粒子を分散させたワ クス粒子分散液を混合した混合分散液中に 加することも好ましい。

 凝集剤を含んだ水溶液のpH値を一定値に 整することにより、凝集剤としての粒子の 集作用をより高めることができるものと考 られる。混合分散液のpH値と一定の関係を持 たせることが好ましく、混合分散液にpH値が れた凝集剤水溶液を添加すると、液のpHの ランスが急に乱されるため、凝集粒子が粗 化したり、ワックスの分散が不均一になり すい。このような現象を抑えるために、凝 剤水溶液のpHを調整することが効果的である 。

 樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及び ックス粒子分散液を混合した混合分散液を 熱処理し、凝集剤を含む水溶液の添加前の 合分散液のpH値をHGとすると、凝集剤を含む 水溶液のpH値は、HG+2~HG-4の範囲に調整して添 するのが好ましい。好ましくはHG+2~HG-3の範 、より好ましくはHG+1.5~HG-2の範囲、さらに ましくはHG+1~HG-2の範囲とする。

 混合分散液にpH値が離れた凝集剤水溶液 添加すると、液のpHのバランスが急に乱され るため、凝集反応が遅れて進行しずらくなっ たり、凝集粒子が粗大化しやすくなりやすい 。このような現象を抑えるために、凝集剤水 溶液のpHを調整することが効果的である。凝 剤を含む水溶液のpH値を混合分散液のpH値よ りも低くすることがより好ましい。HG-4以上HG +2以下とすることで、凝集剤としての粒子の 集作用をより高められ、凝集反応を加速で 、凝集粒子が粗大化したり、粒度分布がブ ードになる現象を抑える効果がある。

 凝集剤を添加する時期としては、樹脂粒 分散液と、着色剤粒子分散液及びワックス 子分散液とを混合した混合分散液の温度が 後述するDSC法により測定されるワックスの 点以上に到達後に凝集剤を添加することが ましい。ワックスの溶融が開始されている 態で、凝集剤を添加することにより、溶融 るワックス粒子と、樹脂粒子及び前述した 法が着色剤粒子の凝集が一気に進行し、さ に加熱処理続けることでワックス粒子、樹 粒子の溶融が進行して粒子形成されると思 れる。

 このとき、混合分散液の温度がワックス 特定温度に達した時点で凝集剤を添加する とにより粒子の凝集が進行し、その後0.5~5 間、好ましくは0.5~3時間、より好ましくは1~2 時間加熱処理することにより所定の粒度分布 の芯粒子が生成される。加熱処理はワックス の特定温度をキープしたままでも良いが、好 ましくは80~95℃、より好ましくは90~95℃で加 する。凝集反応を加速でき、処理時間の短 につながる。

 また、分散液中のpHを酸性側にシフトさ る場合には、硫酸マグネシウム等の凝集剤 滴下であれば一定幅でシフトさせることが きる。さらに硫酸等を追加滴下することに り調整が可能である。調整の時期としては 凝集剤の滴下時、または凝集剤の滴下終了 である。

 さらに、後述するようにワックスを2種類 以上含む場合には、低い方の融点を有するワ ックスの方の特定温度に調整することが好ま しい。より好ましくは高い方の融点を有する ワックスの特定温度に調整することが好まし い。ワックス粒子の溶融が開始されている温 度状態で凝集剤を添加することが効果的であ る。

 凝集剤の添加は、全量一括して添加する もよいが、凝集剤の滴下を1~120minの時間を して滴下するのも好ましい。分割しながら もよいが、好ましくは連続した滴下が好ま い。加熱された混合分散液に凝集剤を一定 度で滴下することにより、反応釜内にある 合分散液全体に凝集剤が徐々に均一に混ざ あうことになり、偏在により粒度分布がブ ードになったり、ワックスや着色剤の浮遊 子の発生を抑制する効果がある。また混合 散液の液温度の急激な低下を抑えることが きる。好ましくは5~60min、より好ましくは10~4 0min、さらに好ましくは15~35minである。1min以 により芯粒子の形状が過度に不定形に進ま 、安定した形状が得られる。120min以下とす ことで、着色剤やワックス粒子の凝集に加 らずに単独で浮遊する粒子の存在を抑える 果が得られる。

 樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子 総和100重量部に対し、凝集剤は1~50重量部滴 下するのが好ましい。好ましくは5~25重量部 より好ましくは5~20重量部、さらに好ましく 10~15重量部である。少ないと凝集反応が進 せず、多すぎると生成粒子が粗大化する傾 にある。

 混合分散液は、樹脂粒子分散液、着色剤 子分散液及びワックス粒子分散液以外に液 の固体濃度を調整するために、イオン交換 を添加してもかまわない。液中の固体濃度 5~40wt%が好ましい。

 また凝集剤としては、水溶性無機塩をイ ン交換水等で一定濃度に調整して使用する とも好ましい。凝集剤水溶液の濃度は5~50wt% が好ましい。

 樹脂粒子分散液を作成する際に用いる界 活性剤の主成分が非イオン界面活性剤であ 、ワックス粒子分散液に用いる界面活性剤 主成分が非イオン界面活性剤とするのが好 しい。これは、樹脂粒子分散液及びワック 粒子分散液に用いる界面活性剤のうち、非 オン界面活性剤が界面活性剤全体に対して5 0~100wt%有することが好ましいことを表す。よ 好ましくは60~100wt%、さらに好ましくは60~90wt %である。

 また、樹脂粒子分散液に用いる界面活性 が非イオン界面活性剤とイオン型界面活性 の混合物であり、かつワックス粒子分散液 用いる界面活性剤の主成分を非イオン界面 性剤とするのが好ましい。樹脂粒子分散液 用いる界面活性剤のうち、非イオン界面活 剤が界面活性剤全体に対して50~95wt%有する とが好ましい。より好ましくは55~90wt%、さら に好ましくは60~85wt%である。

 このような樹脂粒子、ワックス粒子及び 述した着色剤粒子を用いて、水系媒体中で 集剤を作用させると、まず樹脂粒子が凝集 開始して核ができる。次に、着色剤粒子が 脂粒子の核の周りに凝集を始める。最後に ックス粒子が凝集して着色剤粒子を樹脂粒 とともに挟んだようにして包み込む。樹脂 子は着色剤粒子やワックス粒子に比べて、 量濃度として、通常数倍以上添加するので さらにワックス粒子の上にも樹脂粒子のみ 核が凝集し、最表面が樹脂で覆われたトナ が形成されると推定される。このようなメ ニズムで水系中で凝集にかかわらない浮遊 た着色剤粒子やワックス粒子の存在をなく 、小粒径でかつ均一で狭い範囲でシャープ 粒度分布を有する芯粒子を形成できると考 られる。

 芯粒子が分散した芯粒子分散液に、第二 樹脂粒子を分散させた第二の樹脂粒子分散 を添加混合し、加熱処理して芯粒子に、第 の樹脂粒子を芯粒子に融着させてトナー母 粒子を生成するのも好ましい。芯粒子に使 する樹脂粒子を第一の樹脂粒子と称する場 がある。

 本発明のトナーには、顔料およびワック はトナーの内部に取り込まれているが、最 面に微量の顔料およびワックスが存在する 能性もあり、第二の樹脂粒子を芯粒子に融 層(シェル層と称することもある)を形成す ことで帯電の安定化に対する効果を得るこ できる。また、トナーの高温状態での貯蔵 定性を高める観点から、ガラス転移点(Tg(℃) )の高い樹脂粒子を、高温での耐オフセット を確保する観点から、高分子量の乳化樹脂 粒子を、帯電安定性の観点から電荷調整剤 含有した樹脂粒子をシェル層として形成し も望ましい。

 芯粒子分散液に第二の樹脂粒子分散液を 下する条件として、生成された芯粒子量100 量部に対し、第二の樹脂粒子の滴下速度が 0.14重量部/min~2重量部/minの滴下条件で滴下 て生成するのが好ましい。好ましくは0.15重 部/min~1重量部/min、さらに好ましくは、0.2重 量部/min~0.8重量部/minである。第二の樹脂粒子 分散液の添加時期は、芯粒子が所定の粒径に 達したら、そのまま添加される。添加は順次 滴下が好ましい。所定全量を一気に添加した り、2重量部/minを超えると第二の樹脂粒子の 同士の凝集が生じやすく、粒度分布がブロ ドになりやすい。また、投入量が多くなる 、液温度が急激に低下し凝集反応の進行が まることになり、第二の樹脂粒子の一部が 粒子への付着に加わらずに水系中で浮遊し 状態で残ってしまう場合がある。また、0.14 重量部/minよりも少ないと、第二の樹脂粒子 一部が芯粒子への付着する量が減量し、加 を続けていく際に、芯粒子同士の凝集が生 て、粒子が粗大化、粒度分布がブロードに りやすい。第二の樹脂粒子分散液の滴下条 を適正化することで、芯粒子同士の凝集や 二の樹脂粒子のみ同士の凝集を防いで、小 径で粒度分布の狭い粒子の生成を可能とす 。

 生成された芯粒子が分散された芯粒子分 液の液温度の変動を10%以内に抑えるように 第二の樹脂粒子分散液を滴下するのも好ま い。シェル樹脂粒子を芯粒子に融着させる 程において、芯粒子分散液に、シェル樹脂 子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を添 し、加熱処理して芯粒子に、シェル樹脂粒 を芯粒子に融着させる樹脂融着層を形成す 際の条件として、シェル樹脂粒子分散液のp H値を一定範囲に調整した後に添加すること 好ましい。

 シェル樹脂粒子分散液のpH値を一定範囲 調整してシェル樹脂粒子分散液を添加する とにより、融着に加わらない浮遊するシェ 樹脂粒子の発生を抑え、芯粒子へのシェル 脂粒子の付着を良好なものとし、あるいは 粒子同士の二次凝集の発生を抑えることが きる。

 シェル樹脂粒子分散液のpH値を一定範囲 調整する工程において、アルカリ状態に調 したシェル樹脂粒子分散液のpH値は7.5~10.5の 囲とすることが好ましい。好ましくは8.5~10 より好ましくは9~9.5である。シェル樹脂粒 分散液を上記したアルカリ状態に調整する とで、シェル樹脂同士が凝集した白粒子の 生及び、芯粒子同士が凝集した二次粒子の 生を抑え、シェル樹脂を芯粒子への付着を 進させることができる。

 また、pH値をアルカリ状態に調整したシ ル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分 液を、pH値が7以下2以上の範囲にある芯粒子 散液に添加することが好ましい。芯粒子分 液のpH値を上記した範囲とすることで、芯 子へのシェル樹脂粒子の付着を促進させ、 着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子の 生を抑え、芯粒子同士の二次凝集の発生を えて、小粒径で狭い粒度分布を形成するこ が可能となる。また、芯粒子分散液のpH値を 7以下として酸性状態とすることにより、凝 剤として例えば硫酸マグネシウムを使用し 場合、残存する水酸化マグネシウムを除去 る効果が得られる。水酸化マグネシウムが 留すると、トナーが高湿度下に放置した時 水分を吸湿する傾向にあるため、吸収を抑 ることができる。

 さらに、シェル樹脂粒子分散液のpH値と 芯粒子分散液のpH値とを一定の関係を持させ ることで、水系中のpHのバランスを一部乱す とで、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着を 進させ、融着に加わらない浮遊するシェル 脂粒子の発生を抑え、さらには芯粒子同士 二次凝集の発生を抑えることができる。

 芯粒子分散液のpH値は7以下2以上の範囲と し、かつシェル樹脂粒子分散液のpH値を7.5~10. 5に調整した後に添加することで、芯粒子へ シェル樹脂粒子の付着を促進させ、融着に わらない浮遊するシェル樹脂粒子の発生を え、芯粒子同士の二次凝集の発生を抑えて 小粒径で狭い粒度分布を形成することが可 となる。

 芯粒子分散液のpH値が2未満であり、かつ ェル樹脂粒子分散液のpH値が7.5未満である 、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着が進行 ず、シェル樹脂粒子は芯粒子への融着に加 らず、浮遊したままの状態となる傾向にあ 。芯粒子分散液のpH値が7を超え、かつシェ 樹脂粒子分散液のpH値が10.5を超えると、芯 子へのシェル樹脂粒子の付着が進行せず、 成される粒子が粗大化する傾向にある。pH値 の調整には水酸化ナトリウムや塩酸溶液を添 加することで調整することができる。

 これらのシェル樹脂粒子分散液及び芯粒 分散液のpH値を一定関係に保つことが好ま く、シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹 粒子分散液のpH値は、芯粒子が分散した芯粒 子分散液のpH値よりも高い値、つまりよりア カリ状態に調整して添加することが好まし 。

 シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂 子分散液のpH値は、芯粒子が分散した芯粒 分散液のpH値よりも0.5以上高くすることが好 ましい。より好ましくは1以上、さらに好ま くは2以上、好ましくは5以下である。芯粒子 が分散した芯粒子分散液のpH値よりも0.5未満 あると、融着に加わらない浮遊するシェル 脂粒子の発生が増える傾向にある。逆に差 5を超えると、融着に加わらない浮遊するシ ェル樹脂粒子が発生するとともに、芯粒子同 士の二次凝集が発生し、生成される粒子が粗 大化する傾向にある。

 シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂 子分散液のpH値が、芯粒子が分散した芯粒 分散液のpH値よりも低い値のときも、シェル 樹脂粒子の発生が増える傾向にあり、液は白 濁したままの状態が続く。

 また、芯粒子表面に第二の樹脂粒子が付 させた後、さらに水系中のpHを3.2~6.8の範囲 調整した後、第二の樹脂粒子のガラス転移 温度以上の温度で0.5~5時間加熱処理する方 を採ることも好ましい。このpH値の範囲とす ることにより、芯粒子相互の二次凝集を抑制 しながら、かつ粒子形状の表面平滑性をより 進めることができる。また凝集剤として添加 する水溶性無機塩である硫酸マグネシウムを 使用した系において、一部アルカリ性で凝集 反応が進行することで生成される水酸化マグ ネシウムを酸状態で酸化し、水溶性として除 去させることでトナーが水を吸収しやすくな る現象である吸湿を下げる効果も得られる。

 トナーの耐久性、貯蔵安定性、高温非オ セット性を良好なものとするため、第二の 脂粒子の融着した樹脂層の厚さは0.5μm~2μm 好ましい。これよりも薄いと貯蔵安定性、 温非オフセット性の効果が発揮せず、厚い 低温定着性が阻害される。

 第二の樹脂分散液に用いる界面活性剤の 成分を非イオン界面活性剤とするのが好ま く、さらには、第二の樹脂粒子分散液に用 る界面活性剤が非イオン界面活性剤とイオ 型界面活性剤の混合とするのも好ましく、 のときには非イオン界面活性剤が界面活性 全体に対して、50~95wt%有することが好まし 。より好ましくは55~90wt%、さらに好ましくは 、60~85wt%である。50wt%以上とすることで、芯 子に対する第二の樹脂粒子微粒子の付着を 進させることができる。95wt%以下とすること により、で樹脂粒子分散液中の樹脂粒子自体 の分散を安定させる効果がある。

 凝集反応に使用する好ましい反応釜とし ガラスライニング処理したステンレススチ ル(SUS)製の釜で、分散液を攪拌するための 拌羽根としては特に限定はしないが、深さ 向に幅の広い翼形状(平板翼)が有効である。 その平板翼としては、住友重機社製商品名マ ックスブレンド翼や神鋼パンテック社製商品 名フルゾーン翼などが有効である。

 マックスブレンド翼の構成を図7に概略図 、図8に上から見た平面図を示す。また、フ ゾーン翼の構成を図9に概略図、図10に上か 見た平面図を示す。301は軸で図示しない攪 モータにつながれている。302は攪拌槽、303 液の水面、304は平面マックスブレンド翼で 内に305の孔が設けられて、液の攪拌強度の 整の役目をしている。306は平面の長方形翼 その下部に攪拌翼307が設けられ、先端部に いて約130度程度屈曲されている。308は攪拌 の長さを示している。

 攪拌翼の回転速度は、分散液中の粒子濃 や、目的とする粒径により変動するが、好 しくは0.5~2.0m/sである。より好ましくは0.7~1. 8m/s、さらに好ましくは1.0~1.6m/sである。低速 なりすぎると生成される粒子の粒径が大き 、かつ粒度分布が広がる傾向にある。高速 なりすぎると、粒子の凝集が阻害され、形 が不定形になりやすく、粒子生成ができに くなる。

 コアとシェルの着色粒子が形成された後 任意の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥 程を経て、トナー母体粒子を得ることがで る。この洗浄工程においては、帯電性を向 させる観点より、イオン交換水による洗浄 行うのが好ましい。また、酸とアルカリを 用して洗浄する方法も好ましい。

 固液分離工程における分離方法としては 特に制限はなく、生産性の観点から、吸引 過法や加圧濾過法などの公知のろ過方法が ましく挙げられる。

 乾燥工程における乾燥方法としては、特 制限はなく、生産性の観点から、フラッシ ジェット乾燥方法、流動乾燥方法、及び振 型流動乾燥方法などの公知の乾燥方法が好 しく挙げられる。

 凝集剤としては、水溶性無機塩が選択さ 、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩 挙げることができる。アルカリ金属として 、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙 られ、アルカリ土類金属としては、マグネ ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ ム等が挙げられる。これらのうち、カリウ 、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム バリウムが好ましい。前記アルカリ金属又 アルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する 陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物 オン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸 オン等が挙げられる。イオン交換水等で一 濃度に調整して使用することも好ましい。

 非イオン界面活性剤としては、例えば、 級アルコールエチレンオキサイド付加物、 ルキルフェノールエチレンオキサイド付加 、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価 ルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイ 付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド 加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、 リプロピレングリコールエチレンオキサイ 付加物等のポリエチレングリコール型の非 オン界面活性剤、グリセロールの脂肪酸エ テル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エス ル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸 ステル、ショ糖の脂肪酸エステル、他価ア コールのアルキルエーテル、アルカノール ミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール の非イオン界面活性剤などが挙げられる。

 高級アルコールエチレンオキサイド付加 、アルキルフェノールエチレンオキサイド 加物等のポリエチレングリコール型の非イ ン界面活性剤が特に好ましく使用できる。

 水系媒体としては、蒸留水、イオン交換 等の水、アルコール類などが挙げられる。 れらは、1種単独で使用してもよいし、2種 上を併用してもよい。前記極性を有する分 剤における前記極性界面活性剤の含有量と ては、一概に規定することはできず、目的 応じて適宜選択することができる。

 また非イオン界面活性剤と、イオン型界 活性剤とを併用する場合には、極性界面活 剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、 ルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけ 系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4 級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤 などが挙げられる。

 前記アニオン界面活性剤の具体例として 、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタ ンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスル コハク酸ナトリウムなどが挙げられる。

 前記カチオン界面活性剤の具体例として 、アルキルベンゼンジメチルアンモニウム ロライド、アルキルトリメチルアンモニウ クロライド、ジステアリルアンモニウムク ライドなどが挙げられる。これらは、1種単 独で使用してもよいし、2種以上を併用して よい。

 (2)ワックス
 定着ローラにオイルを使用しないオイルレ 定着において、低温定着性、高温非オフセ ト性、又は定着時に溶融したトナーが載っ 複写用紙等の転写媒体の加熱ローラ等との 離性改良のため、さらには低温定着、高温 オフセット性及び高温下での貯蔵安定性の 矛盾する定着特性のマージンを拡大し、そ 機能性向上のため、ワックスを添加するの 好ましく、さらには複数のワックスを添加 ることが好ましい。

 ワックスは少なくとも、吸熱ピーク温度 50~90℃のワックスを含む。低温定着実現の め低融点のワックスを使用することが好ま い。好ましくは55~85℃、より好ましくは58~85 、さらに好ましくは68~74℃である。50℃以上 とすることで貯蔵安定性を向上させ、90℃以 とすることで低温定着性、カラー光沢性を 上できる。

 また、ワックスの好ましい一実施形態と て、複数のワックスを添加するのが好まし 。その好ましい第一のワックス形態として ワックスが少なくとも第一のワックス及び 二のワックスを含み、第一のワックスのDSC による吸熱ピーク温度(融点Tmw1(℃)と称す) 50~90℃で、かつ第二のワックスのDSC法による 吸熱ピーク温度(融点Tmw2(℃))が80~120℃とする Tmw1は好ましくは55~85℃、より好ましくは58~8 5℃、さらに好ましくは、68~74℃である。Tmw2 より好ましくは85~100℃、さらに好ましくは90 ~100℃である。

 融点の異なるワックスの使用により、ワ クスの機能を分離することで、低温定着及 高温耐オフセット性を両立し定着温度領域 広い特性を得ることができる。

 また、前述した特定の分散剤を使用した ックス粒子分散剤により、芯粒子を生成す 際、凝集を均一に進行させ、凝集に加わら に浮遊するワックス粒子や着色剤粒子を低 して、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子の生 に対して効果的である。

 Tmw1が50℃未満であると、生成する芯粒子 粗大化しやすく、また貯蔵安定性が悪化す 傾向にある。90℃を超えると、低温定着性 カラー光沢性が向上しない傾向にある。

 Tmw2が80℃未満であると、高温非オフセッ 性及び紙の分離性が弱くなる傾向にある。1 20℃を超えると、ワックスの凝集性が低下し 水系中に凝集しない遊離粒子が増加し、形 が不均一になりやすい傾向にある。

 また、複数のワックスを使用する形態に いて、好ましい第ニの形態として、ワック が少なくとも第一のワックス及び第二のワ クスを含み、第一のワックスが、炭素数が1 6~24の高級アルコール及び炭素数16~24の高級脂 肪酸の少なくとも一方からなるエステルワッ クスを含み、かつ第二のワックスが、脂肪族 炭化水素系ワックスを含むことが好ましい。

 また、複数のワックスを使用する形態に いて、好ましい第三の形態として、ワック が少なくとも第一のワックス及び第二のワ クスを含み、第一のワックスが、ヨウ素価 25以下、けん化価が30~300からなるワックス 含み、第二のワックスが、脂肪族炭化水素 ワックスを含む。

 ワックスとして好ましい第二の形態又は 三の形態において、第一のワックスのDSC法 よる吸熱ピーク温度(融点Tmw1(℃))が50~90℃で あり、55~85℃が好ましく、より好ましくは58~8 5℃、さらに好ましくは、68~74℃である。

 50℃未満であると、トナーの貯蔵安定性 耐熱性が悪化する傾向にある。90℃を超える とワックスの凝集性が低下し、水系中に凝集 に加わらない遊離粒子が増加し、また低温定 着性、光沢性が向上しない傾向にある。

 また、第二のワックスのDSC法による吸熱 ーク温度(融点Tmw2(℃))が80~120℃であり、好 しくは85~100℃、さらに好ましくは90~100℃で る。80℃未満であると、貯蔵安定性が悪化、 高温非オフセット性及び紙の分離性が弱くな る傾向にある。120℃を超えると、ワックスの 凝集性が低下し、水系中に凝集に加わらない 遊離粒子が増加し、また、低温定着性、カラ ー透光性が阻害される傾向にある。

 ワックスとして好ましい第二又は第三の 態において、ワックスとして、特定の脂肪 炭化水素系ワックスを含む第二のワックス ともに、特定のワックスを含む第一のワッ スを含むワックスを使用することにより、 肪族炭化水素系ワックスが芯粒子中に凝集 れずに浮遊する粒子の存在を抑え、また芯 子の粒度分布がブロードになることを抑え さらにはシェル化する際に芯粒子が急激に 大化する現象を抑制することができる。

 加熱凝集の際、第一のワックスが樹脂と 溶化が進むことで、脂肪族炭化水素系ワッ スの樹脂との凝集が助長され、均一に取り まれ、凝集に加わらずに浮遊する粒子の発 を防止することが出来るものと思われる。 らには、第一のワックスは樹脂と相溶化が 部進むことで、低温定着性がより向上する 向にある。そして、脂肪族炭化水素系ワッ スは樹脂との相溶化は進みにくいため、こ ワックスは高温オフセット性や紙との分離 を良化する機能を発揮させることが出来る つまり、この第一のワックスは脂肪族炭化 素系ワックスの乳化分散処理時の分散助剤 しての機能、更には低温定着助剤としての 能を有することになる。

 ワックスとして好ましい第一、第二又は 三の形態において、融点の異なるワックス 子を水系中にて第一の樹脂粒子、着色剤粒 と凝集させて芯粒子を形成する際に、第一 ワックス、第二のワックスそれぞれ別々に 化分散処理した分散液を、樹脂分散液及び 色剤分散液と混合して、加熱凝集させると ワックスの溶融速度の差から、ワックスが 粒子中に取り込まれずに浮遊する粒子の存 や、芯粒子の凝集が進まずに粒度分布がブ ードになる傾向にある。ワックスがトナー に均一に取り込まれ、小粒径で狭い粒度分 の芯粒子形成が困難になる傾向にある。ま 、芯粒子に第二の樹脂を溶融付着させる(以 下シェル化と称する場合もある)際に、生成 子が急激に粗大化する傾向にある。

 そこで、ワックス粒子分散液生成におい 、第一のワックスと第二のワックスを混合 化分散処理して作成することが好ましい。 化分散装置内に第一のワックスと第二のワ クスを一定配合比で加熱乳化分散処理する 法である。投入は別々でも同時でもかまわ いが、最終的に得られる分散液には、第一 ワックスと第二のワックスが混合した状態 含まれていることが好ましい。

 ワックスとして好ましい第一、第二又は 三の形態において、ワックス粒子分散液中 ワックス100重量部に対する第一のワックス 量割合をES1、第二のワックスの重量割合をF T2とすると、FT2/ES1が0.2~10が好ましい。より好 ましくは1~9、更に好ましくは1.5~3の範囲であ 。0.2未満、すなわち第一のワックス重量割 が多くなりすぎると、高温非オフセット性 効果が得られず、また貯蔵安定性が悪化す 傾向となる。10を超える、すなわち第二の ックス重量割合が多くなりすぎると、低温 着が実現できず、また上記した芯粒子が粗 化しやすい傾向となる。さらにFT2の配合割 をES1に対して1.5倍以上3倍以下とすることは 低温定着性、高温貯蔵安定性及び定着高温 オフセット性の両立できるバランスの良い 合である。

 ワックスとして好ましい第一、第二又は 三の形態において、ワックス、特に脂肪族 化水素系ワックスを、陰イオン界面活性剤 より処理すると分散安定性は向上するが、 粒子の凝集の際、芯粒子が粗大化してシャ プな粒度分布の粒子が得にくい。

 そこで、ワックス粒子分散液が、非イオ 界面活性剤を主成分とする界面活性剤によ 、第一のワックスと第二のワックスを混合 化分散処理して作成することが好ましい。 イオン界面活性剤を主成分とする界面活性 により混合して分散処理して乳化分散液を 成することにより、ワックス自体の凝集が 制され分散安定性が向上する。そしてこれ のワックスを樹脂、着色剤分散液との凝集 子作成において、ワックスの遊離がなく、 粒径でかつ狭い粒度分布の芯粒子を形成す ことができる。

 主成分とする界面活性剤は、ワックス粒 分散液に用いる界面活性剤のうち、非イオ 界面活性剤が界面活性剤全体に対して50~100w t%有することが好ましい。

 ワックスとして好ましい第一、第二又は 三の形態において、全ワックス添加量は結 樹脂100重量部に対して、5~30重量部が好まし い。より好ましくは8~25重量部、さらに好ま くは10~20重量部である。5重量部未満である 、低温定着性、高温非オフセット性、紙の 離性の効果が発揮されない傾向となる。30重 量部を超えると小粒径の粒子制御が困難にな る傾向となる。

 ワックスとして好ましい第一、第二又は 三の形態において、Tmw2が、Tmw1よりも5℃以 50℃以下とするのが好ましい。より好まし は10℃以上40℃以下、さらに好ましくは、15 以上35℃以下とする。前記の範囲であれば、 複数のワックスの機能を効率よく分離でき、 低温定着性、高温非オフセット性及び紙の分 離性を両立させる効果がある。前記の差が5 未満になると低温定着性、高温非オフセッ 性及び紙の分離不良を両立させる効果が出 くくなる傾向となる。前記差が50℃を超える と、第一のワックスと第二のワックスが相分 離し、トナー粒子中に均一に取り込まれにく くなる傾向となる。

 好ましい第一のワックスとしては、炭素 が16~24の高級アルコール及び炭素数16~24の高 級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステル を少なくとも1種含む。このワックスを使用 ることにより、脂肪族炭化水素系ワックス 芯粒子中に取り込まれずに浮遊する粒子の 在を抑え、また芯粒子の粒度分布がブロー になることを抑え、さらにはシェル化する に芯粒子が急激に粗大化する現象を緩和す ことができる。また低温定着化を進めるこ が出来る。第二のワックスとの併用により 高温非オフセット性、紙の分離性とともに 度の粗大化を防ぎ、小粒径で狭い粒度分布 芯粒子の生成が可能となる。

 アルコール成分としては、メチル、エチ 、プロピル又はブチル等のモノアルコール 外、エチレングリコール又はプロピレング コール等のグリコール類又はその多量体、 リセリン等のトリオール類又はその多量体 ペンタエリスリトール等の多価アルコール ソルビタン又はコレステロール等が好適で る。これらのアルコール成分が多価アルコ ルである場合の前記高級脂肪酸は、モノ置 体であってもよいし、多価置換体であって よい。

 具体的には、(1)ステアリン酸ステアリル パルミチン酸パルミチル、ベヘン酸ベヘニ 又はモンタン酸ステアリル等の炭素数16~24 高級アルコールと炭素数16~24の高級脂肪酸と からなるエステル類、(2)ステアリン酸ブチル 、ベヘン酸イソブチル、モンタン酸プロピル 又はオレイン酸2-エチルヘキシル等の炭素数1 6~24の高級脂肪酸と低級モノアルコールとか なるエステル類、(3)モンタン酸モノエチレ グリコールエステル、エチレングリコール ステアレート、モノステアリン酸グリセリ 、モノベヘン酸グリセリド、トリパルミチ 酸グリセリド、ペンタエリスリトールモノ ヘネート、ペンタエリスリトールジリノレ ト、ペンタエリスリトールトリオレエート はペンタエリスリトールテトラステアレー 等の炭素数16~24の高級脂肪酸と多価アルコー ルとからなるエステル類、若しくは、(4)ジエ チレングリコールモノベヘネート、ジエチレ ングリコールジベヘネート、ジプロピレング リコールモノステアレート、ジステアリン酸 ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリ セリド、ヘキサベヘン酸テトラグリセリド又 はデカステアリン酸デカグリセリド等の炭素 数16~24の高級脂肪酸と多価アルコール多量体 からなるエステル類などが好適に挙げられ 。これらのワックスは、1種単独で使用して もよいし、2種以上を併用してもよい。

 アルコール成分及び/又は酸成分の炭素数 は16未満であると分散助剤としての機能が発 しにくく、24を越えると低温定着助剤とし の機能が発揮しにくくなる。

 また、好ましい第一のワックスとして、 ウ素価が25以下、けん化価が30~300からなる ックスを含む。第二のワックスとの併用に り、粒度の粗大化を防ぎ、小粒径で狭い粒 分布の芯粒子の生成が可能となる。ヨウ素 を規定することで、ワックスの分散安定性 向上させる効果が得られ、樹脂、着色剤粒 との芯粒子形成が均一にでき、小粒径で狭 粒度分布の芯粒子形成を可能とする。好ま くはヨウ素価が20以下、けん化価が30~200、よ り好ましくはヨウ素価が10以下、けん化価が3 0~150である。

 ヨウ素価が25を超えると、逆に分散安定 がよくなりすぎ、樹脂、着色剤粒子との芯 子形成が均一に行えず、凝集に加わらない ックスの浮遊粒子が増え、粒子の粗大化、 ロードな粒度分布になりやすい傾向となる 浮遊粒子がトナーに残留してしまうと、感 体等のフィルミングを生じさせる。一次転 でのトナー多層転写時にトナーの電荷作用 よる反発が緩和されにくくなる。けん化価 30未満になると、小粒径の均一な芯粒子形成 が困難となり、また感光体フィルミング、ト ナーの帯電性の悪化を生じ、連続使用時の帯 電性の低下を招く傾向となる。けん化価が300 を超えると水系中での浮遊物が増大し、また カブリやトナー飛散の増大を招く傾向となる 。

 ヨウ素価、けん化価を規定したワックス 220℃における加熱減量は8重量%以下である とが好ましい。加熱減量が8重量%を超えると 、トナーのガラス転移点を低下させ、トナー の貯蔵安定性を損なう傾向となる。また現像 特性に悪影響を与え、カブリや感光体フィル ミングを生じさせる傾向となる。生成される トナーの粒度分布がブロードになってしまう 傾向となる。

 ヨウ素価、けん化価を規定したワックスの ル浸透クロマトグラフィー(GPC)における分 量特性、数平均分子量が100~5000、重量平均分 子量が200~10000、重量平均分子量と数平均分子 量の比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01~8 、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分子 量/数平均分子量)が1.02~10、分子量5×10 2 ~1×10 4 の領域に少なくとも一つの分子量極大ピーク を有していることが好ましい。より好ましく は数平均分子量が500~4500、重量平均分子量が6 00~9000、重量平均分子量と数平均分子量の比( 量平均分子量/数平均分子量)が1.01~7、Z平均 子量と数平均分子量の比(Z平均分子量/数平 分子量)が1.02~9、さらに好ましくは数平均分 子量が700~4000、重量平均分子量が800~8000、重 平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分 量/数平均分子量)が1.01~6、Z平均分子量と数 均分子量の比(Z平均分子量/数平均分子量)が 1.02~8である。

 数平均分子量が100未満であり、重量平均分 量が200未満であり、分子量極大ピークが5×1 0 2 未満であると貯蔵安定性が悪化し、また感光 体フィルミングを生じやすくなる傾向となる 。生成されるトナーの粒度分布がブロードに なりやすい傾向となる。

 数平均分子量が5000を超え、重量平均分子量 が10000を超え、重量平均分子量と数平均分子 の比(重量平均分子量/数平均分子量)が8を超 え、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分 子量/数平均分子量)が10を超え、分子量極大 ークが1×10 4 の領域を超えると、低温定着性が低下する傾 向となる。ワックスの乳化分散粒子生成時の 生成粒子の粒径を小さくできない傾向となる 。

 第一のワックスとしては、メドウフォー 油誘導体、カルナウバワックス誘導体、ホ バ油誘導体、木ロウ、ミツロウ、オゾケラ ト、カルナウバワックス、キャンデリアワ クス、セレシンワックス又はライスワック 等の材料も好ましく、またこれらの誘導体 好適に使用される。そして一種類又は二種 以上組み合わせての使用も可能である。

 メドウフォーム油誘導体としては、メド フォーム油脂肪酸、メドウフォーム油脂肪 の金属塩、メドウフォーム油脂肪酸エステ 、水素添加メドウフォーム油又はメドウフ ーム油トリエステルも好ましく使用できる 小粒径の均一な粒度分布の乳化分散液を作 することができる。オイルレス定着におけ 低温定着性と現像剤の長寿命化、転写性改 に効果が得られる好ましい材料である。こ らは1種又は2種以上組み合せての使用が可 である。

 メドウフォーム油をけん化分解して得ら るメドウフォーム油脂肪酸は4~30個の炭素原 子を有する脂肪酸からなるものが好ましい。 その金属塩はナトリウム、カリウム、カルシ ウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、マン ガン又はアルミニウムなどの金属塩が使用す ることが出来る。高温非オフセット性が良好 である。

 メドウフォーム油脂肪酸エステルとして 例えば、メチル、エチル、ブチル、グリセ ン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレ グリコール又はトリメチロールプロパンな のエステルであり、特に、メドウフォーム 脂肪酸ペンタエリスリトールモノエステル メドウフォーム油脂肪酸ペンタエリスリト ルトリエステル又はメドウフォーム油脂肪 トリメチロールプロパンエステルなどが好 しい。低温定着性に効果がある。

 水素添加メドウフォーム油はメドウフォ ム油に水素添加して不飽和結合を飽和結合 したものである。低温定着性、光沢性を向 できる。さらには、メドウフォーム油脂肪 とグリセリン、ペンタエリスリトール、ト メチロールプロパン等の多価アルコールと エステル化反応物とを、トリレンジイソシ ネート(TDI)、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソ シアネート(MDI)等のイソシアネートで架橋し 得られるメドウフォーム油脂肪酸多価アル ールエステルのイソシアネート重合物も好 しく使用できる。キャリアへのスペント性 少なく、二成分現像剤のより長寿命化が可 となる。

 ホホバ油誘導体としては、ホホバ油脂肪 、ホホバ油脂肪酸の金属塩、ホホバ油脂肪 エステル、水素添加ホホバ油、ホホバ油ト エステル、エポキシ化ホホバ油のマレイン 誘導体、ホホバ油脂肪酸多価アルコールエ テルのイソシアネート重合物、ハロゲン化 性ホホバ油も好ましく使用できる。小粒径 均一な粒度分布の乳化分散液を作成するこ ができる。樹脂とワックスの均一混合分散 行いやすい。オイルレス定着における低温 着性と現像剤の長寿命化、転写性改良に効 が得られる好ましい材料である。これらは1 種又は2種以上組み合せての使用が可能であ 。

 ホホバ油をけん化分解して得られるホホ 油脂肪酸は4~30個の炭素原子を有する脂肪酸 からなる。その金属塩はナトリウム、カリウ ム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、 亜鉛又はアルミニウムなどの金属塩が使用す ることが出来る。高温非オフセット性が良好 である。

 ホホバ油脂肪酸エステルとしては例えば メチル、エチル、ブチル、グリセリン、ペ タエリスリトール、ポリプロピレングリコ ル、トリメチロールプロパンなどのエステ であり、特に、ホホバ油脂肪酸ペンタエリ リトールモノエステル、ホホバ油脂肪酸ペ タエリスリトールトリエステル、ホホバ油 肪酸トリメチロールプロパンエステルなど 好ましい。低温定着性に効果がある。

 水素添加ホホバ油はホホバ油に水素添加 て不飽和結合を飽和結合としたものである 低温定着性、光沢性を向上できる。さらに 、ホホバ油脂肪酸とグリセリン、ペンタエ スリトール、トリメチロールプロパン等の 価アルコールとのエステル化反応物を、ト レンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメ ン-4,4’-ジシソシアネート(MDI)、等のイソシ ネートで架橋して得られるホホバ油脂肪酸 価アルコールエステルのイソシアネート重 物も好ましく使用できる。キャリアへのス ント性が少なく、二成分現像剤のより長寿 化が可能となる。

 ケン化価は、試料1gをけん化するのに要 る水酸化カリウムのミリグラム数をいう。 ックスの場合、そのエステル結合を切断す ために必要なアルカリ量がケン化価であり ケン化価が高いワックスは、エステル結合 数が多いことを意味し、低い場合は、不ケ 化物、炭化水素などの存在が多いことが考 られる。ケン化価値を測定するには約0.5Nの 酸化カリウムのアルコール溶液中で試料を ン化する。

 ヨウ素価は試料にハロゲンを作用させた きに、吸収されるハロゲンの量をヨウ素に 算し、試料100gに対するg数で表したものを う。吸収されるヨウ素のグラム数であり、 の値が大きいほど試料中の脂肪酸の不飽和 が高いことを示す。試料のクロロホルム又 四塩化炭素溶液にヨウ素と塩化水銀(II)のア コール溶液又は塩化ヨウ素の氷酢酸溶液を えて、放置後反応しないで残ったヨウ素を オ硫酸ナトリウム標準液で滴定して吸収ヨ 素量を算出する。

 加熱減量の測定は試料セルの重量を0.1mg で精秤(W1mg)し、これに試料10~15mgを入れ、0.1m gまで精秤する(W2mg)。試料セルを示差熱天秤 セットし、秤量感度を5mgにして測定開始す 。測定後、チャートにより試料温度が220℃ なった時点での重量減を0.1mgまで読み取る(W3 mg)。装置は、真空理工製TGD-3000、昇温速度は1 0℃/min、最高温度は220℃、保持時間は1minで、 加熱減量(%)=W3/(W2-W1)×100、で求められる。

 ワックスの示差走査熱量計(DSC)による吸熱 ーク温度(融点℃)、オンセット温度の測定は 、TAインスツルメンツ社製、Q100型(冷却には 正の電気冷凍機を使用)を使用し、測定モー を「標準」、パージガス(N 2 )流量を50ml/minで、電源投入後、測定セル内の 温度を30℃に設定し、その状態で1時間放置し た後,純正のアルミパンに被測定試料をサン ル量として10mg±2mg入れ、試料が入ったアル パンを測定機器内に投入した。その後5℃で5 min間保持し、昇温速度1℃/minで150℃まで昇温 た。解析は、装置に付属の"Universal Analysis  Version 4.0"を使用した。グラフにおいて、横 に槽内温度、縦軸にヒートフローを取り、 ースラインから吸熱曲線が立ち上がり始め 温度をオンセット温度、吸熱曲線のピーク を吸熱ピーク温度(融点)とした。

 また、第一のワックスとして前述したワ クスに代わって、又は併用してヒドロキシ テアリン酸の誘導体、グリセリン脂肪酸エ テル、グリコール脂肪酸エステル又はソル タン脂肪酸エステルの材料も好ましく、一 類又は二種類以上組合せての使用も有効で る。均一な乳化分散の小粒径芯粒子の作成 可能となり、第二のワックスとの併用によ 、粒度の粗大化を防ぎ、小粒径で狭い粒度 布の芯粒子の生成が可能となる。

 ヒドロキシステアリン酸の誘導体として 、12-ヒドロキシステアリン酸メチル、12-ヒ ロキシステアリン酸ブチル、プロピレング コールモノ12-ヒドロキシステアラート、グ セリンモノ12-ヒドロキシステアラート又は チレングリコールモノ12-ヒドロキシステア ート等が好適な材料である。オイルレス定 における低温定着性、紙の分離性改良効果 、感光体フィルミング防止効果がある。

 グリセリン脂肪酸エステルとしてはグリ リンステアラート、グリセリンジステアラ ト、グリセリントリステアラート、グリセ ンモノパルミタート、グリセリンジパルミ ート、グリセリントリパルミタート、グリ リンベヘナート、グリセリンジベヘナート グリセリントリベヘナート、グリセリンモ ミリスタート、グリセリンジミリスタート はグリセリントリミリスタート等が好適な 料である。オイルレス定着における低温時 コールドオフセット性緩和と、転写性低下 止効果がある。

 グリコール脂肪酸エステルとしては、プ ピレングリコールモノパルミタート若しく プロピレングリコールモノステアラート等 プロピレングリコール脂肪酸エステル、又 エチレングリコールモノステアラート若し はエチレングリコールモノパルミタート等 エチレングリコール脂肪酸エステルが好適 材料である。低温定着性、現像での滑りを くしキャリアスペント防止の効果がある。

 ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソ ビタンモノパルミタート、ソルビタンモノ テアラート、ソルビタントリパルミタート はソルビタントリステアラートが好適な材 である。さらには、ペンタエリスリトール ステアリン酸エステル、アジピン酸とステ リン酸又はオレイン酸の混合エステル類等 材料が好ましく、一種類又は二種類以上組 合わせての使用も可能である。オイルレス 着における紙の分離性改良効果と、感光体 ィルミング防止効果がある。

 第二のワックスとしては、ポリプロピレ ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプ ピレンポリエチレン共重合体ワックス、マ クロクリスタリンワックス、パラフィンワ クス又はフィッシャートトプッシュワック 等の脂肪酸炭化水素系ワックスが好適に使 できる。

 また、ワックスを混合凝集時に脱離浮遊 せず、均一に樹脂中に内包化するためには ワックスの分散粒度分布、ワックスの組成 ワックスの溶融特性も影響される。

 ワックス粒子分散液は、界面活性剤を添 した水系媒体中にワックスをイオン交換水 で加熱し、溶融させ分散させることにより 製される。

 ワックスの分散粒子径は小粒径側から積 したときの体積粒径積算分布において16%径( PR16)が20~200nm、50%径(PR50)が40~300nm、84%径(PR84)が 400nm以下、PR84/PR16が1.2~2.0の大きさにまで乳化 分散し、200nm以下の粒子が65体積%以上、500nm 越える粒子が10体積%以下であることが好ま い。

 好ましくは、16%径(PR16)が20~100nm、50%径(PR50 )が40~160nm、84%径(PR84)が260nm以下、PR84/PR16が1.2~ 1.8である。150nm以下の粒子が65体積%以上、400n mを越える粒子が10体積%以下であることが好 しい。さらに好ましくは、16%径(PR16)が20~60nm 50%径(PR50)が40~120nm、84%径(PR84)が220nm以下、PR8 4/PR16が1.2~1.8である。130nm以下の粒子が65体積% 以上、300nmを越える粒子が10体積%以下である とが好ましい。

 樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液及び ックス粒子分散液とを混合凝集して芯粒子 形成するとき、50%径(PR50)が40~300nmと微細分 とすることにより、ワックスが樹脂粒子間 取り込まれやすくワックス自体同士での凝 を防止でき、分散が均一に行える。樹脂粒 に取り込まれ水中に浮遊する粒子をなくす とができる。

 さらに芯粒子を水系中で加熱して溶融し 芯粒子を得る際に、表面張力の関係から溶 した樹脂粒子が溶融したワックス粒子を取 囲み、包含する形となり、樹脂中に離型剤 内包されやすくなる。

 PR16が200nmを超え、50%径(PR50)が300nmを超え PR84が400nmを超え、PR84/PR16が2.0を超え、200nm以 下の粒子が65体積%未満、500nmを越える粒子が1 0体積%を超えると、ワックスが樹脂粒子間に り込まれにくくワックス自体同士のみでの 集が多発する傾向となる。また、芯粒子に り込まれず、水中に浮遊する粒子が増大す 傾向にある。芯粒子を水系中で加熱して溶 した芯粒子を得る際に、溶融した樹脂粒子 溶融したワックス粒子を包含する形となり くく、樹脂中にワックスが内包されにくく る。さらに樹脂を付着融合させる際にトナ 母体表面に露出遊離するワックス量が多く り、感光体へのフィルミング、キャリアへ スペントの増加、現像でのハンドリング性 低下し、また現像メモリーが発生しやすく る。

 PR16が20nm未満であり、50%径(PR50)が40nm未満 あり、PR84/PR16が1.2未満であると、分散状態 維持しづらく、放置時にワックスの再凝集 発生し、粒度分布の放置安定性が低下する 向となる。また分散時に負荷が大きくなり 発熱が大きくなり、生産性が低下する傾向 なる。

 ワックスの融点以上の温度に保持された 散剤を添加した媒体中に、前記ワックスを ックス濃度40wt%以下で溶融させたワックス 融液を、固定体と一定のギャップを介して 速回転する回転体により生じる高せん断力 用により乳化分散させることにより、ワッ ス粒子を微細に分散できる。

 図3、4に示す一定容量の槽内の槽壁に、0. 1mm~10mm程度のギャップを設けて、回転体を30m/ s以上、好ましくは40m/s以上、より好ましくは 50m/s以上の高速で回転することにより、水系 強力なずりせん断力が作用し、微細な粒径 乳化分散液が得られる。水温度はワックス 融点以上に加熱する。処理時間は30s~5min程 の処理で分散液が形成できる。

 また図5、6に示すような固定した固定体 対し、1~100μm程度のギャップを設けて30m/s以 、好ましくは40m/s以上、より好ましくは50m/s 以上で回転する回転体との強いせん断力作用 を付加することにより、微細な分散液を作成 することができる。

 ホモジナイザーのような分散機よりも微 な粒子の粒度分布をより狭小化シャープに 成できる。また長時間の放置でも分散液を 成した微粒子が再凝集することなく、安定 た分散状態を保つことができ、粒度分布の 置安定性が向上する。

 ワックスの融点が95℃以上の高い場合は 高圧状態とすることで加熱温度をワックス 融点以上とすることにより溶融した液を作 する。又はワックスを油性溶剤に溶解させ 。この溶液を図3~6に示した分散機を用いて 面活性剤や高分子電解質と共に水中で微粒 分散し、その後、加熱又は減圧して該油性 剤を蒸散させることにより得られる。

 粒度測定は堀場製作所レーザ回折粒度測 器(LA920)、島津製作所レーザ回折粒度測定器 (SALD2100)などを用いて測定することができる

 (3)樹脂
 本実施形態のトナーの樹脂微粒子としては 例えば熱可塑性結着樹脂が挙げられる。具 的には、スチレン、パラクロロスチレン、 -メチルスチレン等のスチレン類、アクリル メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n- ロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2- エチルヘキシル等のアクリル系単量体、メタ クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ クリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル メタクリル酸2-エチルヘキシル等のメタク ル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、 レイン酸、フマル酸などのカルボキシル基 解離基として有する不飽和多価カルボン酸 単量体などの単独重合体、それらの単量体 2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの 合物等を挙げることができる。

 重合開始剤としては、2,2’-アゾビスー(2, 4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス ソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘ キサンー1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス 4-メトキシー2,4-ジメチルバレロニトリル、 ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又は アゾ系重合開始剤、や過硫酸塩(過硫酸カリ ム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物 (4,4’-アゾビス4-シアノ吉草酸及びその塩、2, 2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩等)、パ オキシド化合物等が挙げられる。

 樹脂粒子分散液における前記樹脂粒子の 有量としては、通常5~50重量%であり、好ま くは10~40重量%である。

 ワックス、着色剤との凝集反応により凝 粒子(芯粒子と称することもある)生成にお て浮遊粒子の存在をなくし、シャープな粒 分布の粒子を形成するために、芯粒子を構 する第一の樹脂粒子のガラス転移点は45℃~60 ℃、軟化点は90℃~140℃が好ましい。より好ま しくは、ガラス転移点が45℃~55℃、軟化点が9 0℃~135℃、さらに好ましくは、ガラス転移点 45℃~52℃、軟化点が90℃~130℃であるのが好 しい。

 また、第一の樹脂粒子の好ましい例とし 、重量平均分子量(Mw)が1万~6万、重量平均分 子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5~6であ るのが好ましい。好ましくは重量平均分子量 (Mw)が1万~5万、重量平均分子量(Mw)と数平均分 量(Mn)の比Mw/Mnが1.5~3.9であるのが好ましい。 さらに好ましくは重量平均分子量(Mw)が1万~3 、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比 Mw/Mnが1.5~3であるのが好ましい。

 第一の樹脂粒子,ワックスを含むことによ り、芯粒子の粗大化を防ぎ、狭い粒度分布の 粒子を効率よく生成することができる。また 、低温定着性を可能とし、さらに画像光沢度 の定着温度に対する変化を少なくし、画像光 沢を一定に出来る効果がある。通常は定着温 度上昇すると画像の光沢度が上昇するため、 定着の温度変動により画像の光沢が変動して 定着の温度制御をシビアにする必要があった 。しかし本発明方法により定着温度の変動に よっても画像光沢性の変動が少ない効果が得 られる。

 第一の樹脂粒子のガラス転移点が45℃未 であると、芯粒子が粗大化し、貯蔵安定性 耐熱性が低下する。60℃を超えると、低温定 着性が悪化する。Mwが1万未満であると、芯粒 子が粗大化し、貯蔵安定性や耐熱性が低下す る。6万を超えると低温定着性が悪化する。Mw /Mnが6を超えると、芯粒子の形状が安定せず 不定形になりやすく、粒子表面に凹凸が残 、表面平滑性の劣るものとなる。

 また、芯粒子に第二の樹脂粒子を芯粒子 融着して樹脂融着層を形成するのも好まし 、その樹脂として、ガラス転移点が55℃~75 、軟化点が140℃~180℃、ゲル浸透クロマトグ フィー(GPC)によって測定された重量平均分 量(Mw)が5万~50万、重量平均分子量(Mw)と数平 分子量(Mn)の比Mw/Mnが2~10であるのが好ましい より好ましくは、ガラス転移点が60℃~70℃ 軟化点が145℃~180℃、Mwが8万~50万、Mw/Mnが2~7 あるのが好ましい。さらに好ましくは、ガ ス転移点が65℃~70℃、軟化点が150℃~180℃、Mw が12万~50万、Mw/Mnが2~5であるのが好ましい。

 芯粒子表面の熱融着を促進し、軟化点を め設定とすることにより、耐久性、耐高温 フセット性、分離性を向上させることがで る。第二の樹脂粒子のガラス転移点が55℃ りも低いと二次凝集を生じやすい。また貯 安定性が悪化する。75℃よりも高いと、芯粒 子表面への熱融着性が悪化し、均一付着性が 低下する。第二の樹脂粒子の軟化点が140℃未 満であると耐久性、耐高温オフセット性、分 離性が低下する。180℃を超えると、光沢性、 透光性が低下する。Mw/Mnを小さくして分子量 布を単分散に近づけることにより、芯粒子 面への第二の樹脂粒子の熱融着が均一に行 ことが出来きる。第二の樹脂粒子のMwが5万 満であると、耐久性、高温非オフセット性 紙分離性が低下する。50万を超えると、低 定着性、光沢性、透光性が低下する。

 また、第一の樹脂粒子はトナー全樹脂に して60wt%以上であることが好ましく、より ましくは70wt%以上、さらに好ましくは80wt%以 が好ましい。

 ポリマー分散剤、樹脂、ワックス及びト ーの分子量は、数種の単分散ポリスチレン 標準サンプルとするゲル浸透クロマトグラ ィー(GPC)によって測定された値である。

 装置は、東ソー社製HLC8120GPCシリーズ、カ ラムはTSKgel superHM-H H4000/H3000/H2000(6.0mmI.D.-150m m×3)、溶離液THF(テトラヒドロフラン)、流量0. 6mL/min、試料濃度0.1%、注入量20μL、検出器RI、 測定温度40℃、測定前処理は試料をTHFに溶解 一晩放置後、0.45μmのメンブランフィルター でろ過し、シリカ等の添加剤を除去した樹脂 成分を測定する。測定条件は、対象試料の分 子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標準 試料により得られる検量線における分子量の 対数とカウント数が直線となる範囲内に包含 される条件である。

 また長鎖アルキルアルコール、不飽和多 カルボン酸又はその無水物及び合成炭化水 系ワックスとの反応により得られるワック の測定は、装置はWATERS製GPC-150C、カラムはSh odex HT-806M(8.0mmI.D.-30cm×2)、溶離液はo-ジクロ ベンゼン、流量は1.0mL/min、試料濃度は0.3%、 入量は200μL、検出器はRI、測定温度は130℃ 測定前処理は試料を溶媒に溶解後0.5μmの金 焼結フィルターでろ過処理した。測定条件 、対象試料の分子量分布が、数種の単分散 リスチレン標準試料により得られる検量線 おける分子量の対数とカウント数が直線と る範囲内に包含される条件である。

 ポリマー分散剤、結着樹脂の軟化点は、島 製作所の定荷重押出し形細管式レオメータ ローテスタ(CFT500)により測定する。まず、 料をシリンダに充てんし、周囲から熱して 融させ、上部からピストンによって一定の 力を加える。溶融した試料は細い穴(直径1mm 長さ1mm)を持ったダイを通して押し出され、 フローレート(cm 3 /g)から試料の流動性、すなわち溶融粘度が求 められる。

 次に、シリンダ、ダイを取り囲む加熱炉 設け、50℃に設定する。1gの試料をシリンダ に充てんする。荷重をかけずに50℃で2.5min保 する。試料中の空気を抜くために荷重をか る。このとき加熱炉から出ているピストン 長さが12~15mm程度になるようにする。総保持 時間が5minになったら昇温を開始する。

 ピストンに9.8×10 5 N/m 2 の荷重を与え、昇温速度6℃/分で加熱する。 料が溶融を始めるとピストンの下方への移 が始まる。ピストンの移動が停止した時点 昇温、および加圧を停止する。

 このとき、下降するピストンの移動量と 度との関係において、昇温温度特性との関 から、各温度における粘度を測定すること できる。

 図11に流動曲線を示す。横軸に温度、縦 に押し出されるピストンの移動量のイメー を示す。Aの時点では試料の固体状態の領域 あり、その後の昇温ともに、AからBは遷移 で、試料が圧縮荷重を受けて変形し、内部 隙が次第に減少していく段階である。Bは内 空隙が消失し、不均一な応力の分布を持っ まま外観上均一な1個の透明体となる温度で ある。

 BからCは、有限な時間内ではピストンの 置に明瞭な変化はなく、かつ試料のダイか の流出は認めがたい領域で、この領域は試 のゴム状弾性域を含む。

 Cは、試料が流動を開始し始め、ピストン が降下しはじめる温度で、試料が流れ出す温 度(流出開始温度(Tfb))と定義する。

 CからDを経てEにいたる領域は、試料が明 かにダイより流出する流動領域で、Eが試料 の流出が終了した点である。

 結着樹脂の軟化点は、1/2法における溶融 度(軟化点Ts℃)で定義する。具体的には流出 開始温度から流出終了温度までのピストンの 総移動距離に対し、流出開始温度からピスト ンが50%移動した時点での温度を軟化点と定義 する。

 図11に示す昇温温度とピストン移動量と 係において、まずピストンが降下しはじめ 温度(試料が流れ出す温度)を測定する。これ が流出開始温度(Tfb)である。このときのピス ン位置を読み取り、それを最低値(Smin)とす 。

 その後、昇温とともに、試料がダイから 出しつづけ、試料の流出が終了した流出終 点Eでの温度と、ピストンの位置を読み取り 、それを流出終了点(Smax)とする。流出終了点 (Smax)と、最低値(Smin)の差の1/2を求め(X=(Smax-Smi n)/2)、Xと曲線の最低値Sminを加えた点Dの位置 おける温度を算出する。これが1/2法におけ 溶融温度(軟化点Ts℃)となる。

 ポリマー分散剤、結着樹脂のガラス転移 は示差走査熱量計(TAインスツルメンツ社製 Q100型(冷却には純正の電気冷凍機を使用))を 使用し、測定モードを「標準」、パージガス (N2)流量を50ml/minで、電源投入後、測定セル内 の温度を30℃に設定し、その状態で1時間放置 した後,純正のアルミパンに被測定試料をサ プル量として10mg±2mg入れ、試料が入ったア ミパンを測定機器内に投入した。その後5℃ 5min間保持し、昇温速度1℃/minで150℃まで昇 した。解析は、装置に付属の"Universal Analysi s Version 4.0"を使用した。グラフにおいて、 ラス転移点以下のベースラインの延長線と ークの立上り部分からピークの頂点までの での最大傾斜を示す接線との交点の温度を う。

 これらの樹脂の熱特性の測定においては 乳化重合で得られたエマルジョンから樹脂 子の固形分を抽出する必要がある。このエ ルジョンから樹脂粒子の固形分を抽出する 法としては、トナーの凝集工程に沿った方 で行う。まず、乳液20gに対し1N NaOHを2ml添 し、硫酸マグネシウム6gとイオン交換水20gを 添加した後、85℃に昇温して、1時間加熱する 。そのあと冷却し,1N HClを0.5ml添加し、濾過 、沈殿したサンプルを乾燥し、得られたポ マーの分子量、軟化点、ガラス転移点等の 定をする。

 (4)顔料
 本実施形態に使用される着色剤(顔料)の黒 料としては、カーボンブラックを使用する 前述したようにカーボンブラックのDBP吸油 (ml/100g)は45~70が好ましい。例えば、三菱化学 社製の#52(粒径27nm,DBP吸油量63ml/100g),#50(同28nm, 65ml/100g),#47(同23nm,同64ml/100g),#45(同24nm,同53ml/1 00g)、#45L(同24nm,同45ml/100g)、キャボット社製の REGAL250R(同35nm、同46ml/100g)、REGAL330R(同25nm、同6 5ml/100g)、MOGULL(同24nm、同60ml/100g)がこのましい 材料である。より好ましくは#45、#45、LREGAL250 Rである。DBP吸油量は粒子の鎖状集合状態(ス ラクチャー)を定量的に表したもので、化学 的結合による一次ストラクチャーと、ファン デルワールス力による物理的結合の2次的ス ラクチャーから表される。

 DBP吸油量の測定(JISK6217)は、150℃±1℃で1時 乾燥した試料20g(Ag)をアブソープトメータ(Bra bender社製、スプリング張力2.68kg/cm)の混合室 投入し、予めリミットスイッチを最大トル の約70%に設定した後、混合機を回転する。 時に自動ビューレットからDBP(比重1.045~1.050g/ cm 3 )を4ml/minの割合で添加する。終点近くになる トルクが急速に増加してリミットスイッチ 切れる。それまでに添加したDBP量(Bml)と試 重量から試料100gあたりのDBP吸油量(=Bx100/A)(ml /100g)が求められる。

 また、カラートナーとして使用する顔料 例としては、イエロー顔料は、C.I.ピグメン ト・イエロー1,3,74,97又は98等のアセト酢酸ア ールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメ ント・イエロー12,13,14,17等のアセト酢酸アリ ルアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ソルベン イエロー19,77,79又はC.I.ディスパース・イエロ ー164が配合され、特に好ましくはC.I.ピグメ ト・イエロー93,180,185のベンズイミダゾロン 顔料が好適である。

 マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメント・ レッド48,49:1,53:1,57,57:1,81,122,5等の赤色顔料、C .I.ソルベント・レッド49,52,58,8等の赤色染料 好ましく使用できる。

 シアン顔料としては、C.I.ピグネント・ブ ルー15:3等のフタロシアニン及びその誘導体 青色染顔料が好ましく使用できる。添加量 結着樹脂100重量部に対し、3~8重量部が好ま い。

 なお、粒径はSEM電子顕微鏡による算術平 径を取っている。カーボンブラックの粒子 は20~40nmのもが好ましい。好ましくは粒子径 は20~35nmである。粒子径が40nmを超えると、着 力が低下する傾向となる。粒子径が20nm未満 であると、液中での分散が困難になる傾向と なる。

 (5)外添剤
 本実施形態では外添剤として無機微粉末が 合添加される。外添剤としては、シリカ、 ルミナ、酸化チタン、ジルコニア、マグネ ア、フェライト、マグネタイト等の金属酸 物微粉末、チタン酸バリウム、チタン酸カ シウム、チタン酸ストロンチウム等のチタ 酸塩、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カ シウム、ジルコン酸ストロンチウム等のジ コン酸塩あるいはこれらの混合物が用いら る。外添剤は必要に応じて疎水化処理され 。

 外添剤に処理されるシリコーンオイル系 材料としては、例えばジメチルシリコーン イル、メチルハイドロジェンシリコーンオ ル、メチルフェニルシリコーンオイル、エ キシ変性シリコーンオイル、カルボキシル 性シリコーンオイル、メタクリル変性シリ ーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ 、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変 シリコーンオイル及びクロルフェニル変成 リコーンオイルのうちの少なくとも1種類以 上で処理される外添剤が好適に使用される。 例えば東レダウコーニングシリコーン社のSH2 00、SH510、SF230、SH203、BY16―823又はBY16―855B等 挙げられる。

 処理は外添剤とシリコーンオイル等の材 とをヘンシェルミキサ(三井鉱山社製FM20B)な どの混合機により混合する方法や、外添剤へ シリコーンオイル系の材料を噴霧する方法、 溶剤にシリコーンオイル系の材料を溶解或い は分散させた後、外添剤と混合した後、溶剤 を除去して作成する方法等がある。外添剤100 重量部に対して、シリコーンオイル系の材料 は1~20重量部配合されるのが好ましい。

 シランカップリング剤としては、ジメチ ジクロロシラン、トリメチルクロルシラン アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチ ジシラザン、アリルフェニルジクロルシラ 、ベンジルメチルクロルシラン、ビニルト エトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロ ルトリメトキシシラン、ビニルトリアセト シシラン、ジビニルクロルシラン又はジメ ルビニルクロルシラン等が好適に使用でき 。シランカップリング剤処理は、外添剤を 拌等によりクラウド状としたものに気化し シランカップリング剤を反応させる乾式処 、又は外添剤を溶媒中に分散させたシラン ップリング剤を滴下反応させる湿式法等に り処理される。

 またシランカップリング処理した後にシ コーンオイル系の材料を処理することも好 しい。

 正極帯電性を有する外添剤はアミノシラ 、アミノ変性シリコーンオイル又はエポキ 変性シリコーンオイルで処理される。

 また、疎水性処理を高めるため、ヘキサ チルジシラザンやジメチルジクロロシラン 他のシリコーンオイルによる処理の併用も ましい。例えば、ジメチルシリコーンオイ 、メチルフェニルシリコーンオイル又はア キル変性シリコーンオイルのうちの少なく も1種類以上で処理することが好ましい。

 また、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、 肪酸及び脂肪酸金属塩の群より選ばれた1種 又は2種以上(以下脂肪酸等)により外添剤の表 面を処理することも好ましい。表面処理した シリカ又は酸化チタン微粉末がより好ましい 。

 脂肪酸又は脂肪酸金属塩としては、カプ ル酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリ 酸、ミスチリン酸、パリミチン酸、ステア ン酸、ベヘン酸、モンタン酸、ラクセル酸 オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸又はリ ール酸等が挙げられる。中でも炭素数12~22 脂肪酸が好ましい。

 また脂肪酸金属塩を構成する金属としては アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネ ウム、リチウム、ナトリウム、鉛又はバリ ムが挙げられ、中でもアルミニウム、亜鉛 はナトリウムが好ましい。特に好ましくは ステアリン酸アルミニウム(Al(OH)(C 17 H 35 COO) 2 )、又はモノステアリン酸アルミニウム(Al(OH) 2 (C 17 H 35 COO))、等のジ脂肪酸アルミニウム、モノ脂肪 アルミニウムが好ましい。OH基を有するこ が過帯電を防止し、転写不良を抑えること できる。また処理時に外添剤との処理性が 上するものと考えられる。

 脂肪族アミドとしては、パルミチン酸ア ド、パルミトレイン酸アミド、ステアリン アミド、オレイン酸アミド、アラキジン酸 ミド、エイコセン酸アミド、ベヘニン酸ア ド、エルカ酸アミド又はリグリノセリン酸 ミド等の炭素数16~24を有する飽和または1価 不飽和の脂肪族アミドが好ましく用いられ 。

 脂肪酸エステルとしては例えば、ステア ン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル ベヘン酸ベヘニル又はモンタン酸ステアリ 等の炭素数16~24の高級アルコールと炭素数16 ~24の高級脂肪酸とからなるエステル類、ステ アリン酸ブチル、ベヘン酸イソブチル、モン タン酸プロピル又はオレイン酸2-エチルヘキ ル等の炭素数16~24の高級脂肪酸と低級モノ ルコールとからなるエステル類、若しくは 肪酸ペンタエリスリトールモノエステル、 肪酸ペンタエリスリトールトリエステル、 は脂肪酸トリメチロールプロパンエステル が好ましく用いられる。

 ヒドロキシステアリン酸の誘導体、グリ リン脂肪酸エステル、グリコール脂肪酸エ テル又はソルビタン脂肪酸エステル等の多 アルコール脂肪酸エステル等の材料が好ま く、一種類又は二種類以上組み合わせての 用も可能である。

 表面処理の好ましい形態としては、処理 れる外添剤の表面をカップリング剤及び/又 はシリコーンオイル等のポリシロキサンにて 処理を施した後に脂肪酸等により処理を施す ことも好ましい。単に親水性シリカの脂肪酸 を処理する場合よりも均一な処理が可能とな り、トナーの高帯電化を図れることと、トナ ーに添加したときの流動性が向上する効果が あるためである。またカップリング剤及び/ はシリコーンオイルとともに脂肪酸等を処 して上記効果を奏する。

 脂肪酸等をトルエン、キシレン又はヘキ ン等の炭化水素系有機溶剤に溶解し、それ シリカ、酸化チタン、アルミナ等の外添剤 を分散機にかけ湿式混合して処理剤により 外添剤の表面に付着させて、表面処理を施 、その後に溶剤を溜去して乾燥処理を行う とにより生成される。

 ポリシロキサンと脂肪酸等との混合割合 1:2~20:1であることが好ましい。割合が1:2よ も脂肪酸等が多くなると、外添剤の帯電量 高くなり、画像濃度の低下、二成分現像に いてはチャージアップが発生しやすくなる 向となる。20:1よりも脂肪酸等が少なくなる 、転写における中抜け、逆転写性への効果 低下する傾向となる。

 このとき脂肪酸等を表面処理した外添剤 強熱減量は1.5~25重量%であることが好ましい 。より好ましくは5~25重量%、更に好ましくは8 ~20重量%である。1.5重量%より少ないと、処理 の機能が十分に発揮されず、帯電性、転写 向上の効果が現れない。25重量%よりも多い 未処理剤が存在し、現像性や耐久性に悪影 を与える。

 本発明により生成されたトナー母体粒子 面は従来の粉砕方式と異なり、略樹脂のみ 形成されているため、帯電の均一性という からは有利であるが、帯電付与性、或いは 電保持性に関して使用する外添剤との相性 重要となるためである。

 平均粒子径が6nm~200nmである外添剤をトナ 母体粒子100重量部に対し1~6重量部外添処理 るのが好ましい。平均粒子径が6nm未満であ と、浮遊粒子や感光体へのフィルミングが じ易い傾向となる。転写時の逆転写が発生 易い傾向となる。200nmを超えると、トナー 流動性が悪化する傾向となる。1重量部より 少ないとトナーの流動性が悪化する傾向と る。転写時の逆転写は発生し易い傾向とな 。6重量部よりも多いと浮遊粒子や感光体へ のフィルミングが生じ易い傾向となる。

 また、平均粒子径が6nm~20nmである外添剤 トナー母体粒子100重量部に対し0.5~2.5重量部 、20nm~200nmである外添剤をトナー母体粒子100 重量部に対し0.5~3.5重量部とを少なくとも外 処理するのも好ましい。これにより機能分 した外添剤の使用で、帯電付与性、帯電保 性が向上する、転写時の逆転写、中抜け、 ナー飛散に対しよりマージンが取れる。こ とき平均粒子径が6nm~20nmの外添剤の強熱減量 が0.5~20重量%、平均粒子径が20nm~200nmの強熱減 が1.5~25重量%であることが好ましい。平均粒 子径が20nm~200nmの強熱減量を、平均粒子径が6n m~20nmの外添剤の強熱減量よりも多くすること により、帯電保持性がとともに転写時の逆転 写、中抜けに効果が発揮される。

 外添剤の強熱減量を特定することにより 転写時の逆転写、中抜け、飛散りに対しよ マージンが取れる。現像器内でのハンドリ グ性を向上させトナー濃度の均一性を上げ ことが出きる。

 平均粒子径が6nm~20nmの強熱減量が0.5重量% りも少ないと、逆転写、中抜けに対する転 マージンが狭くなる傾向となる。20重量%よ も多くなると、表面処理がムラになり、帯 のバラツキが生じる傾向となる。好ましく 強熱減量が1.5~17重量%、より好ましくは4~10 量%である。

 平均粒子径が20nm~200nmの強熱減量が1.5重量 %よりも少ないと、逆転写、中抜けに対する 写マージンが狭くなる傾向となる。25重量% りも多くなると、表面処理がムラになり、 電のバラツキが生じる傾向となる。好まし は強熱減量が2.5~20重量%、より好ましくは5~15 重量%である。

 また、平均粒子径が6nm~20nm、強熱減量が0. 5~20重量%である外添剤をトナー母体粒子100重 部に対し0.5~2重量部と、平均粒子径が20nm~100 nm、強熱減量が1.5~25重量%である外添剤をトナ ー母体粒子100重量部に対し0.5~3.5重量部、平 粒子径が100nm~200nm、強熱減量が0.1~10重量%で る外添剤をトナー母体粒子100重量部に対し0. 5~2.5重量部とを少なくとも外添処理するのも ましい。この平均粒子径と強熱減量を特定 た機能分離した外添剤により帯電付与性、 電保持性の向上、転写時の逆転写、中抜け 改善とともに、キャリアの表面への付着物 除去に効果が得られる。

 さらには、平均粒子径6nm~200nm、強熱減量 0.5~25重量%である正帯電性を有する外添剤を さらにトナー母体粒子100重量部に対し0.2~1.5 量部を外添処理するのも好ましい。

 正帯電性を有する外添剤を添加する効果 、トナーが長期連続使用の際に過帯電にな ことを抑え、より現像剤寿命を延ばすこと 可能となる。さらには過帯電による転写時 飛散りを抑える効果も得られる。またキャ アへのスペントを防止できる。0.2重量部よ も少ないとその効果が得にくい。1.5重量部 りも多くなると、現像でのかぶりが増大す 。強熱減量は好ましくは1.5~20重量%、より好 ましくは5~19重量%である。

 平均粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)、倍 1000倍にて拡大写真をとり、約100個の粒子の 軸と短軸の平均値を求めた値である。

 乾燥減量(重量%)は、予め乾燥、放冷、精秤 た容器に試料約1gを取り、精秤する。熱風 燥器(105℃±1℃)で2時間乾燥する。デシケー 中で30分間放冷後その重量を精秤し次式より 算出する。
乾燥減量(重量%)=[乾燥による減量(g)/試料量(g) ]×100

 強熱減量は、予め乾燥、放冷、精秤した磁 ルツボに試料約1gを取り、精秤する。500℃ 設定した電気炉中で2時間強熱する。デシケ タ中で1時間放冷後その重量を精秤し次式よ り算出する。
強熱減量(重量%)=[強熱による減量(g)/試料量(g) ]×100

 また処理された外添剤の水分吸着量が1重 量%以下であることが好ましい。好ましくは0. 5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、さ らに好ましくは0.05重量%以下である。1重量% り多いと、帯電性の低下、耐久時の感光体 のフィルミングを生じる。水分吸着量の測 は、水吸着装置については、連続蒸気吸着 置(BELSORP18:日本ベル株式会社)にて測定した

 疎水化度の測定は、メタノール滴定により 定し、250mlのビーカー中に装入した蒸留水50 mlに試験すべき生成物0.2gを秤取する。先端に 、液体中に浸威しているビュレットからメタ ノールを外添剤の総量がぬれるまで滴下する 。その際不断に電磁攪拌機でゆっくりと攪拌 する。完全に濡らすために必須なメタノール 量a(ml)から次式により疎水化度が算出される
疎水化度=(a/(50+a))×100(%)

 (6)トナーの粉体物性
 本実施形態では、結着樹脂、着色剤及びワ クスを含むトナー母体粒子の体積平均粒径 3~6μm、体積基準の変動係数が10~25%、個数基 分布における2.0~3.63μmの粒径を有するトナ 粒子の含有量が10~85個数%、体積基準分布に ける3.5~4.53μmの粒径を有するトナー粒子が25~ 75体積%、体積基準分布における6.06μm以上の 径を有するトナー粒子が5体積%以下で含有し 、体積基準分布における3.5~4.53μmの粒径を有 るトナー粒子の体積%をV34とし、個数基準分 布における3.5~4.53μmの粒径を有するトナー粒 の個数%をP34としたとき、P34/V34が0.4~2.2の範 にあることが好ましい。

 より好ましくは、トナー母体粒子の体積 均粒径が3~5μm、体積基準の変動係数が10~20% 個数基準分布における2.0~3.63μmの粒径を有 るトナー粒子の含有量が15~85個数%、体積基 分布における3.5~4.53μmの粒径を有するトナー 粒子が30~65体積%、体積基準分布における6.06μ m以上の粒径を有するトナー粒子が2体積%以下 で含有し、P34/V34が0.5~1.5の範囲にある。

 さらに好ましくは、トナー母体粒子の体 平均粒径が3~5μm、体積基準の変動係数が10~1 6%、個数基準分布における2.0~3.63μmの粒径を するトナー粒子の含有量が25~85個数%、体積 準分布における3.5~4.53μmの粒径を有するトナ ー粒子が40~60体積%、体積基準分布における6.0 6μm以上の粒径を有するトナー粒子が0.5体積% 下で含有し、P34/V34が0.5~0.9の範囲にある。

 高解像度画質、さらにはタンデムにおい 転写時の逆転写の防止、中抜けを防止し、 イルレス定着との両立を図ることを可能と きる。トナーの粒度分布はトナーの流動性 画質、貯蔵安定性、感光体や現像ローラ、 写体ヘのフィルミング、経時特性、転写性 特にタンデム方式での多層転写性に影響す 。さらにはオイルレス定着での高温非オフ ット性、光沢性に影響する。オイルレス定 実現のためにワックスを配合したトナーに いて、タンデム転写性との両立において微 量が影響する。

 体積平均粒径が6μmを超えると画質と転写の 両立が図れない。体積平均粒径が3μm未満で ると現像でのトナー粒子のハンドリング性 困難となる傾向となる。
個数基準分布における2.0~3.63μmの粒径を有す トナー粒子の含有量が10個数%未満になると 画質と転写の両立が図れない傾向となる。8 5個数%を超えると、現像でのトナー母体粒子 ハンドリング性が困難となる傾向となる。 た感光体、現像ローラ、転写体へのフィル ングが発生する場合がある。さらに微粉は ローラとの付着性も大きいため高温オフセ トしやすい傾向にある。またタンデム方式 おいて、トナーの凝集が強くなりやすく、 層転写時に2色目の転写不良を生じ易くなる 傾向となる。

 体積基準分布における3.5~4.53μmの粒径を するトナー粒子が25体積%未満になると、画 の低下が生じる傾向となる。75体積%を超え と、画質と転写の両立が図れない傾向とな 。

 体積基準分布における6.06μm以上の粒径を 有するトナー粒子が5体積%を越えて含有する 、画質の低下が生じ、転写不良の原因とな 傾向となる。

 P34/V34が0.4未満であると、微粉存在量が過 多になり、流動性の低下、転写性の悪化、地 カブリが悪化する傾向となる。2.2を超えると 、大きい粒子が多く存在しかつ粒度分布がブ ロードになり、高画質化を図ることが出来な い傾向となる。

 P34/V34を規定する目的は、トナー粒子を小 粒径にして、かつその粒度分布を狭くするた めの指標とできるものである。

 変動係数とはトナーの粒径における標準 差を平均粒径で割ったものである。コール ーカウンタ(コールター社)を使用して測定 た粒子径をもとにしたものである。標準偏 は、n個の粒子系の測定を行なった時の、各 定値の平均値からの差の2乗を(n-1)で割った の平方根であらわされる。

 つまり変動係数とは粒度分布の広がり具 を表したもので、体積粒径分布の変動係数 10%未満、又は個数粒径分布の変動係数が10% 満になると、生産的に困難であり、コスト ップの要因となる。体積粒径分布の変動係 が25%を超えるか、又は個数粒径分布の変動 数が28%を超えると、粒度分布がブロードと り、トナーの凝集性が強くなり、感光体へ フィルミングや転写不良を生じる傾向とな 。

 また、トナーの形状指数としては1.25~1.55 好ましく、より好ましくは1.33~1.46、さらに ましくは1.35~1.42である。球形が進行するゴ ブレードによるクリーニング性が低下し、 定形が進行すると転写性の低下となる傾向 なる。

 また、トナー母体粒子の形状指数をSC、 積平均粒径をd50(μm)とすると、SCとd50の積(SC d50)が3.9~7.3であることが好ましい。好ましく は4.0~6.6、より好ましくは4.1~5.7である。

 この数値を規定することにより、粒子が 粒径にシフトしたとき形状の球形化が進行 るとゴムブレードによるクリーニング性が 化しやすい。また粒子が大粒径にシフトし とき形状が不定形に進行すると転写性の低 や画質の低下を生じる傾向となる場合があ 、小粒径粒子の場合には形状を不定形にシ トさせてクリーニング性を維持させ、大粒 粒子の場合には形状を球形にシフトさせて 質の維持を図るために、SCとd50の積を一定 囲としたものである。3.9未満であると、ク ーニング性が悪化しやすい傾向となる。7.3 超えると、画質の低下を生じやすい傾向と る。

 粒度分布測定は、コールターカウンタTA-I I型(コールターカウンタ社)を用い、個数分布 、体積分布を出力するインターフェイス(日 機製)及びパーソナルコンピュータを接続し 測定する。電解液は濃度1重量%となるよう 面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)を加えた もの50ml程度に被測定トナーを2mg程度加え、 料を懸濁した電解液は超音波分散器で約3分 分散処理を行い、コールターカウンタTA-II にてアパーチャー70μmのアパーチャーを用い た。70μmのアパーチャー系では、粒度分布測 範囲は1.26μm~50.8μmであるが、2.0μm未満の領 は外来ノイズ等の影響で測定精度や測定の 現性が低いため実用的ではない。よって測 領域を2.0μm~50.8μmとした。

 形状指数はキーエンス社製のリアルサーフ イスビュー顕微鏡(VE7800)を使用し、1000倍に 大したトナー母体粒子100個程度を取込み、 大長及び投影面積を測定し、下記の式にて めた(d:トナー粒子の最大長、A:トナー粒子 投影面積)。
SC(形状係数)=π・d 2 /(4・A)

 なお、形状指数について、図28を用いて説 する。図28のBはトナー粒子の最大長dを直径 する真円であり、真円Bの面積は、π・(d/2) 2 である。図28のAはトナー粒子の投影面積であ る。形状指数はB/Aで表わされるから、B/A=π・ (d/2) 2 /Aであり、これを整理するとπ・d 2 /(4・A)となる。

 (7)オイルレスカラー定着
 本実施形態では、トナーを定着する手段に イルを使用しないオイルレス定着の定着プ セスを具備する電子写真装置に好適に使用 れる。その加熱手段としては電磁誘導加熱 ウオームアップ時間の短縮、省エネの観点 ら好ましい。磁場発生手段と、電磁誘導に り発生する発熱層及び離型層を少なくとも する回転加熱部材と、該回転加熱部材と一 のニップを形成している回転加圧部材とを なくとも有する加熱加圧手段を使用して、 転加熱部材と回転加圧部材間にトナーが転 された複写紙等の転写媒体を通過させ、定 させるのである。その特徴として、回転加 部材のウオームアップ時間が従来のハロゲ ランプを使用している場合に比べて、非常 早い立ち上がり性を示す。そのため回転加 部材が十分に昇温していない状態で複写の 作に入るため、低温定着と広範囲な耐オフ ット性が要求される。

 加熱部材と定着部材を分離した定着ベル を使用した装置も好ましく使用される。そ ベルトとしては耐熱性と変形自在性とを有 るニッケル電鋳ベルトやポリイミドベルト 耐熱ベルトが好適に用いられる。離形性を 上するために表面層としてシリコーンゴム フッ素ゴム、フッ素樹脂を用いるのが好ま い。

 これらの定着においては、従来は離型オ ルを塗布してオフセットを防止してきた。 イルを使用せずに離型性を有するトナーに り、離型オイルを塗布する必要はなくなっ 。しかし、離型オイルを塗布しないと帯電 やすく、未定着のトナー像が加熱部材又は 着部材と近接すると帯電の影響により、ト ー飛びが生じる場合がある。特に低温低湿 において発生しやすい。

 そこで、本実施形態のトナーの使用によ 、オイルを使用せずとも低温定着と広範囲 耐オフセット性を実現でき、カラー高透光 を得ることができる。またトナーの過帯電 を抑制でき加熱部材又は定着部材との帯電 用によるトナーの飛びを抑えられる。

 (8)タンデムカラープロセス
 高速にカラー画像を形成するために、本実 形態では、感光体と帯電手段とトナー担持 を含むトナー像形成ステーションを複数個 し、像担持体上に形成した静電潜像を顕像 したトナー像を、前記像担持体に無端状の 写体を当接させて前記転写体に転写させる 次転写プロセスが順次連続して実行して、 記転写体に多層の転写トナー画像を形成し その後前記転写体に形成した多層のトナー を、一括して紙やOHP等の転写媒体に一括転 させる二次転写プロセスが実行される転写 ロセスにおいて、第1の一次転写位置から第 2の一次転写位置までの距離をd1(mm)、感光体 周速度をv(mm/s)とした場合、d1/v≦0.65となる 写位置を取り、マシンの小型化と印字速度 両立を図るものである。毎分20枚(A4)以上処 でき、かつマシンがSOHO用途として使用でき 大きさの小型化を実現するためには、複数 トナー像形成ステーション間を短く、かつ ロセス速度を高めるのが必須である。その 型化と印字速度の両立のためには上記値が0 .65以下とするのがミニマムと考えられる。

 しかし、このトナー像形成ステーション を短くするとき、例えば1色目のイエロート ナーが一次転写された後、次の2色目のマゼ タトナーが一次転写されるまでの時間が極 て短く、転写体の帯電緩和又は転写された ナーの電荷緩和が殆ど生じず、イエロート ーの上にマゼンタトナーを転写する際に、 ゼンタトナーがイエロートナーの電荷作用 より反発され、転写効率の低下、転写時の 字の中抜けという問題が生じる。さらに第3 目のシアントナーの一次転写の時、前のイ ロー、マゼンタトナーの上に転写される際 シアントナーの飛び散り、転写不良、転写 抜けが顕著に発生する。さらに繰り返し使 しているうちに特定粒径のトナーが選択的 現像され、トナー粒子個々の流動性が大き 異なると摩擦帯電する機会が異なるため、 電量のバラツキが生じ、より転写性の劣化 招いてしまう。

 そこで、本実施形態のトナーを使用する とにより、帯電分布が安定化しトナーの過 電を抑えると共に、流動性変動を抑えるこ ができる。そのため定着特性を犠牲にする となく、転写効率の低下、転写時の文字の 抜け、逆転写を防止することができる。

 次に本発明のトナーの実施例について説 するが、本発明はこれらの実施例に何ら限 されるものではない。

 (1)キャリア製造例
 MnO換算で39.7mol%、MgO換算で9.9mol%、Fe 2 O 3 換算で49.6mol%及びSrO換算で0.8mol%湿式ボールミ ルで、10時間粉砕し、混合し乾燥させた後、9 50℃で4時間保持し、仮焼成を行った。これを 湿式ボールミルで24時間粉砕し、次いでスプ ードライヤにより造粒し、乾燥し、電気炉 て、酸素濃度2%雰囲気の中で1270℃で6時間保 持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さ らに分級して平均粒径50μm、印加磁場が3000エ ルステットの時の飽和磁化が65emu/gであるフ ライト粒子の芯材を得た。

 次に、下記化学式3で示されるR 1 、R 2 がメチル基、すなわち(CH 3 ) 2 SiO 2/2 単位が15.4mol%、化学式4で示されるR 3 がメチル基、すなわちCH 3 SiO 3/2 単位が84.6mol%であるポリオルガノシロキサン2 50gと、CF 3 CH 2 CH 2 Si(OCH 3 ) 3  21gとを反応させフッ素変性シリコーン樹脂 得た。さらにそのフッ素変性シリコーン樹 を固形分換算で100gとアミノシランカップリ ング剤(γ-アミノプロピルトリエトキシシラ )10gとを秤量し、300ccのトルエン溶剤に溶解 せた。

(但し、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 はメチル基、mは平均重合度であり100である )

(但し、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 はメチル基、nは平均重合度であり80である。 )

 前記フェライト粒子10kgに対し、液浸乾燥 式被覆装置を用い、上記被覆樹脂溶液を20分 攪拌することによりコーティングを行った その後260℃で1時間焼き付けを行い、キャリ アCA1を得た。

 (2)樹脂粒子分散液の作成
 表1は、作成された樹脂粒子分散液(RL1、RL2 RL3、RH1、RH2、RH3、RH4、RH5、RH6)において得ら た樹脂粒子の特性を示す。表1において、“ Mn”は数平均分子量、“Mw”は重量平均分子 、“Mz”はZ平均分子量、“Mw/Mn”は重量平均 分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn、“Mz/Mn ”はZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)の比Mz/ Mn、“Mp”は分子量のピーク値、Tg(℃)はガラ 転移点、Ts(℃)は軟化点を表わす。

 (a)樹脂粒子分散液RL1の調製
 スチレン240.1gと、n-ブチルアクリレート59.9g と、アクリル酸8gとからなるモノマー液を、 オン交換水440g中に、非イオン系界面活性剤 (三洋化成社製:ノニポール400)7.2g、アニオン 界面活性剤(第一工業製薬製、ネオゲンS20-F(2 0重量%水溶液濃度))24g(実質アニオン量4.8g)、 デカンチオール8gを用いて分散し、これに過 硫酸カリウム4.5gを加えて、78℃で3時間乳化 合を行った。その後さらに90℃で4時間熟成 理を行い、樹脂粒子が分散した樹脂粒子分 液RL1を調製した。このときの樹脂分散液のpH は1.8であった。

 表2に各樹脂粒子分散液に使用した界面活 性剤のノニオン量(g)とアニオン量(g)と全界面 活性剤量に対するノニオン量の比率(重量%)を 示す。アニオン性界面活性剤(第一工業製薬 、ネオゲンS20-F(固形分20重量%濃度))を使用し た液において、表2中の重量比は実質のアニ ン量比を示している。

 表3、表4に各樹脂粒子分散液の乳化重合 おいて、樹脂粒子分散液RL1の調製をベース 各樹脂粒子分散液に使用したアクリル酸、 硫酸カリウム等の配合量等を示す。過硫酸 リウムはモノマー成分100重量部に対する重 部を示す。

 (3)顔料分散液の作成
 表5、表6及び表7に使用した着色剤(顔料)、 用した分散剤(界面活性剤)を示す。

 (a)顔料粒子分散液CBS21の調製
 1Lのビーカーにイオン交換水308g、ポリマー 分散剤A(PD2)を9.6g及びノニオン系分散剤B(AN2) を2.4gを秤量し、マグネットスターラーで界 活性剤の固形分が溶解するまで撹拌した。 の界面活性剤水溶液にカーボンブラックCB1 80g添加し、さらに引き続いて、マグネット ターラーで10分間撹拌した。次に、1Lのトー ビーカーに内容物を移しかえ、ホモジナイ ー(IKA製、T-25)を用いて回転数9500rpmで10分間 散した。この分散液をさらに、分散機(特殊 機化社製T-Kフィルミックス:56-50)で分散した 顔料濃度は約20重量%であった。

 以下、顔料粒子分散液CBS21の調整条件を ースに、各着色剤分散液に使用した顔料、 用した分散剤及び顔料分散液の条件を表8~9 示す。分散剤A及び分散剤Bの括弧内数字は、 着色剤粒子100重量部に対する分散剤の配合重 量部である。

  表10~表11に分散液生成時の使用したイオ ン交換水、着色剤重量(g)、分散剤量(g)、着色 剤濃度(wt%)を示す。

 (3)ワックス分散液の作成
 (a)ワックス粒子分散液WA1の調製
 図3に攪拌分散装置(特殊機化社製T-Kフィル ックス)の概略図、図4に上から見た図を示す 。801が外槽でその内部に冷却水を808から注入 し、807から排出されるようにしている。802は 被処理液がせき止める堰板で中央部に穴があ けられており、ここから処理された液が順次 805を通じて外部に取り出す。803が高速で回転 する回転体でシャフト806に固定され、高速に 回転できる。回転体の側面には、1~5mm程度の があけられており、被処理液の移動を可能 する。槽は120mlで、被処理液はその2分の1程 度投入する。回転体の速度MAXは50m/sまで可能 ある。回転体の径は52mm、槽の内径は56mmで る。804は連続処理の場合の原料注入口であ 。高圧処理やバッチ式のときは封印してい 。槽内を常圧の状態で、イオン交換水67gと 非イオン系界面活性剤である分散剤B(AN4)を3g 、ワックス(W-1)30gを仕込み、回転体の速度は3 0m/sで5min、その後回転速度を50m/sに上げ、2min 理した。表12~表14は、ワックス粒子分散液 作成において、それぞれ使用したワックス 料及びその特性を示す。

 ワックス粒子分散液WA1の調整条件をベー に、各ワックス粒子分散液に使用したワッ ス、使用した分散剤の種類と特性を表15示 。“第一のワックス”及び“第二のワック ”は、ワックス粒子分散液に仕込まれたワ クス材料を示す。ワックスを示す符号末尾 ( )内の値は当該ワックスの配合重量組成量( 重量割合)を表わす。分散剤Bの括弧内数字は ワックス粒子100重量部に対する界面活性剤 配合重量部である。アニオン性界面活性剤( 第一工業製薬製、ネオゲンS20-F(20重量%濃度)) 使用した液においては、顔料濃度は20重量% 度となるようにイオン交換水を調整した。 中の重量比は実質のアニオン量比を示し、 ータル量を同一量としている。

 また、表16にワックス分散液生成時の使 したイオン交換水量(g)、ワックス重量(g)、 散剤量(g)、ワックス濃度(wt%)を示す。また、 ワックスW13、W14、W15を使用する際においては 槽内を0.4MPaまで加圧している。

 (5)トナー母体の作成
 (a)トナー母体B6の作成
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS3を56g、ワックス粒子分散液WA1を70g添加 、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて10 min混合して混合粒子分散液を調製した。その 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、p Hを11.5とし、その後23重量%濃度の硫酸マグネ ウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。そ 後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し、 の後3時間加熱処理し芯粒子を得た。得られ た芯粒子分散液のpHは9.1であった。その芯粒 分散液のpHを6に調整し、1時間加熱した。そ の後さらに、水温を92℃とした状態で、pHを8 調整した第二の樹脂粒子分散液RH2を110g添加 し、滴下終了後2.5時間加熱処理して第二の樹 脂粒子が融着した粒子を得た。そして、冷却 後、反応生成物(トナー母体)をろ過し、イオ 交換水にて3回洗浄を行った。その後得られ たトナー母体を流動式乾燥機で、40℃で6時間 乾燥させた。トナー母体B1~B5、B7~B14は、B6の 件をベースにして、着色剤粒子分散液等を えて、試作評価した。またB11トナーにおい は、第二の樹脂粒子の滴下終了後2.5時間加 処理した後、pHを5に調整して1.5時間加熱処 した。形成された粒子は表面がより平滑化 る傾向にある。また80%程度の高湿度下に放 したときの水分吸収量も低下する傾向にあ 。

 (b)トナー母体B15の作成
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS9を56g、ワックス粒子分散液WA7を70g添加 、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて10 min混合して混合粒子分散液を調製した。その 後得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、pH 11.5とし10min攪拌した。その後1℃/minの速度で 20℃から昇温し80℃に到達した時点(混合粒子 散液のpH値は10.1)で、水溶液のpH値を9.0に調 した23重量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液3 00gを30minの所要時間にて連続して滴下し1時間 加熱処理し、その後90℃に昇温して3時間加熱 処理し、芯粒子を得た。得られた芯粒子分散 液のpHは8.2であった。その芯粒子分散液のpH 5に調整し、1時間加熱した。その後、水温を 92℃とした状態で、pHを8.5に調整した第二の 脂粒子分散液RH2を110g添加し、滴下終了後2.5 間加熱処理して第二の樹脂粒子が融着した 子を得た。そして、冷却後、生成物(トナー 母体)をろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を った。その後得られたトナー母体を流動式 燥機で40℃で6時間乾燥させた。また、トナ 母体B16、B17、B21~B23もB15の条件をベースにし て、カーボンブラック粒子分散液等を変えて 、芯粒子の凝集性を観察した。

 (c)トナー母体B18の作成(V2)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS12を56g、ワックス粒子分散液WA7を70g添加 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて1 0min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、pH 9.7とし10min攪拌した。その後1℃/minの速度で 20℃から昇温し80℃に到達した時点(混合分散 のpH値は8.4)で、水溶液のpH値を5.4に調整し 23重量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液300gを1 00minの所要時間にて連続して滴下し、1時間加 熱後90℃に昇温し、3時間加熱処理して芯粒子 を得た。得られた芯粒子分散液のpHは7.0であ た。その芯粒子分散液のpHを4に調整し、1時 間加熱した。その後さらに、水温を92℃とし 状態で、pHを7.5に調整した第二の樹脂粒子 散液RH2を110g添加し、滴下終了後2.5時間加熱 理して第二の樹脂粒子が融着した粒子を得 。そして、冷却後、反応生成物(トナー母体 )をろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を行っ 。その後得られたトナー母体を流動式乾燥 で、40℃で6時間乾燥させた。トナー母体B19 B24~B25は、B18の条件をベースにして、カーボ ンブラック粒子分散液等を変えて、試作評価 した。また、トナー母体B22処方をベースにし て、芯粒子に使用する樹脂として、第一の樹 脂粒子分散液RL1を169gと、形状制御を目的と て第三の樹脂粒子分散液RH3を35g、とした以 はトナー母体M22処方と同様にして試作を行 た。凝集は良好に進行し、形状指数1.41、体 平均粒径5.2μm、変動係数19.7の粒子を得た。 M22の形状指数1.32に比べてポテト形状(不定形) にシフトしている。トナー母体の作成例とし て作成したトナー母体(B1~B25)について、それ れの処方を表17に示す。また、表18に芯粒子 凝集性の状態、d50(μm)はトナー母体粒子の体 平均粒径、変動係数は得られたトナー母体 おけるトナー母体粒子の体積基準での粒径 布の広がりを示した特性を示す。

 乳化樹脂微粒子と、顔料微粒子およびワッ ス微粒子とを凝集、融着させてトナーを製 する過程で、顔料微粒子およびワックス微 子が樹脂微粒子に囲まれてトナー内部に取 込まれているかどうかの確認は、凝集、融 反応中の反応液を一定時間おきに取り出し 遠心分離にかけることにより、判断できる 顔料微粒子およびワックス微粒子がトナー 内部に取り込まれていれば、反応液は遠心 離にかけると、固液2層に分かれ、上澄み液 は無色透明になる。ワックス微粒子がトナー 内部に取り込まれていない場合は、上澄み液 が白濁する。また、顔料微粒子がトナー内部 に取り込まれていない場合は、上澄み液が顔 料の色相を示す。たとえば、シアントナーな ら、シアン色、ブラックトナーなら黒色を示 す。芯粒子の凝集性は、芯粒子凝集反応中に サンプリングした分散液は等量のイオン交換 水で希釈した後、試験管に入れ、遠心分離器 に3000min -1 で5分間かけた。遠心分離した上澄み液の濁 を目視で判断した状態を示している。

 B6~B25は1時間(h)~6時間(h)で上澄み液が透明 なり、小粒径で粒度分布の狭い粒子が得ら ている。

 B1~B5では凝集不良の凝集に加わらない浮 した顔料粒子が残存し、濁りが消えない傾 にある。第二の樹脂粒子はその黒濁等の状 からそのままシェル化を付着させた。

 B17,B23は5h~6hで略透明になったが、粒度分 がやや大きくなり、粒度分布は少し広がる 向にある。画像評価ではカブリ、転写の文 飛びが他のトナーよりも少し多めとなる傾 にある。

 図12にトナー母体B6における芯粒子凝集時 の反応時間毎にサンプリングした反応液を示 す。試験管は径1cm、高さ約10cmである。Aは90 に到達したときの反応液、Bは90℃に到達後0. 25h経過後の反応液、Cは90℃に到達後0.5h経過 の反応液、Dは90℃に到達後0.75h経過後の反応 液、Eは90℃に到達後1h経過後の反応液、Fは90 に到達後2h経過後の反応液、Gは90℃に到達 3h経過後の反応液の写真を示す。Eの90℃に到 達後1h経過後で反応液は透明になり、樹脂、 ックス及びカーボンブラックが凝集した芯 子が形成されている。図14に形成されたト ー母体B6の芯粒子のSEM観察像(倍率5000)を示す 。良好な芯粒子が形成されている。

 図13にトナー母体B1における芯粒子凝集時 の反応時間毎にサンプリングした反応液を示 す。Hは90℃に到達したときの反応液、Iは90℃ に到達後1h経過後の反応液、Jは90℃に到達後2 h経過後の反応液、Kは90℃に到達後3h経過後の 反応液、Lは90℃に到達後4h経過後の反応液、M は90℃に到達後5h経過後の反応液、Nは90℃に 達後6h経過後の反応液の写真を示す。Nの90℃ に到達後6h経過しても反応液は依然黒のまま 透明にはなっておらず、カーボンブラック 子が浮遊したままで凝集不良の芯粒子しか きていない。図15に形成されたトナー母体B1 の芯粒子のSEM観察像(倍率3000)を示す。形がい びつで、粒子表面にカーボンブラック粒子が 芯粒子に取り込まれずに残留している。

 このように一定のポリマー分散剤の使用 より、凝集不良による顔料粒子やワックス 子の凝集に加わらない浮遊粒子の存在をな し、小粒径で粒度分布の狭い粒子が得るこ ができる。

 さらには、黒トナーにおいて使用するカ ボンブラックのDBP吸油量特性を規定するこ により、さらに凝集性が良好に進行し、現 時のカブリや定着性が向上する傾向にある

 (d)トナー母体B27の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS21を56g、ワックス粒子分散液WA3を70g添加 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて1 0min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、 pHを11.5とし、その後23重量%濃度の硫酸マグネ シウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。そ の後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し、 その後3時間加熱処理し芯粒子を得た。得ら た芯粒子分散液のpHは9.1であった。その芯粒 子分散液のpHを6に調整し、1時間加熱した。 の後さらに、水温を92℃とした状態で、pHを8 に調整した第二の樹脂粒子分散液RH4を110g添 し、滴下終了後2.5時間加熱処理して第二の 脂粒子が融着した粒子を得た。そして、冷 後、反応生成物(トナー母体)をろ過し、イオ ン交換水にて3回洗浄を行った。その後得ら たトナー母体を流動式乾燥機で、40℃で6時 乾燥させた。

 トナー母体B28~B33、B36~B42、B45~B56は、B27の 条件をベースにして、着色剤粒子分散液等 変えて、試作評価した。またB30トナーにお ては、第二の樹脂粒子の滴下終了後2.5時間 熱処理した後、pHを5に調整して1.5時間加熱 理した。形成された粒子は表面がより平滑 する傾向にある。また80%程度の高湿度下に 置したときの水分吸収量も低下する傾向に る。

 (e)トナー母体B34の作成(V2)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL3を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS28を56g、ワックス粒子分散液WA7を70g添加 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて1 0min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、pH 11.5とし10min攪拌した。その後1℃/minの速度 20℃から昇温し80℃に到達した時点(混合粒子 分散液のpH値は10.1)で、水溶液のpH値を9.0に調 整した23重量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液 300gを30minの所要時間にて連続して滴下し1時 加熱処理し、その後90℃に昇温して3時間加 処理し、芯粒子を得た。得られた芯粒子分 液のpHは8.2であった。その芯粒子分散液のpH 5に調整し、1時間加熱した。その後、水温 92℃とした状態で、pHを8.5に調整した第二の 脂粒子分散液RH2を110g添加し、滴下終了後2.5 時間加熱処理して第二の樹脂粒子が融着した 粒子を得た。そして、冷却後、生成物(トナ 母体)をろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を 行った。その後得られたトナー母体を流動式 乾燥機で40℃で6時間乾燥させた。また、トナ ー母体B35もB34の条件をベースにして、カーボ ンブラック粒子分散液等を変えて、芯粒子の 凝集性を観察した。

 (f)トナー母体B43の作成(V2)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL2を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS37を51g、ワックス粒子分散液WA11を60g添 し、イオン交換水400mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、pH を9.7とし10min攪拌した。その後1℃/minの速度 20℃から昇温し、80℃に到達した時点(混合分 散液のpH値は8.4)で、水溶液のpH値を5.4に調整 た23重量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液270g を100minの所要時間にて連続して滴下し、1時 加熱後90℃に昇温し、3時間加熱処理して芯 子を得た。得られた芯粒子分散液のpHは7.0で あった。その芯粒子分散液のpHを4に調整し、 1時間加熱した。その後さらに、水温を92℃と した状態で、pHを7.5に調整した第二の樹脂粒 分散液RH4を80g添加し、滴下終了後2.5時間加 処理して第二の樹脂粒子が融着した粒子を た。そして、冷却後、反応生成物(トナー母 体)をろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を行 た。その後得られたトナー母体を流動式乾 機で、40℃で6時間乾燥させた。トナー母体B 44は、B43の条件をベースにして、カーボンブ ック粒子分散液等を変えて、試作評価した また、トナー母体B44処方をベースにして、 粒子に使用する樹脂として、第一の樹脂粒 分散液RL2を169gと、形状制御を目的として第 三の樹脂粒子分散液RH3を35g、とした以外はト ナー母体B44処方と同様にしてトナー母体の試 作を行った。凝集は良好に進行し、形状指数 1.46、体積平均粒径5.5μm、変動係数16.7の粒子 得た。B44の形状指数1.39に比べてポテト形状 (不定形)にシフトしていることが観察された トナー母体の作成例として作成したトナー 体(B27~B56)について、それぞれの処方を表19 示す。また、表20に芯粒子凝集性の状態、d50 (μm)はトナー母体粒子の体積平均粒径、変動 数は得られたトナー母体におけるトナー母 粒子の体積基準での粒径分布の広がりを示 た特性を示す。

 乳化樹脂微粒子と、顔料微粒子およびワッ ス微粒子とを凝集、融着させてトナーを製 する過程で、顔料微粒子およびワックス微 子が樹脂微粒子に囲まれてトナー内部に取 込まれているかどうかの確認は、凝集、融 反応中の反応液を一定時間おきに取り出し 遠心分離にかけることにより、判断できる 顔料微粒子およびワックス微粒子がトナー 内部に取り込まれていれば、反応液は遠心 離にかけると、固液2層に分かれ、上澄み液 は無色透明になる。ワックス微粒子がトナー 内部に取り込まれていない場合は、上澄み液 が白濁する。また、顔料微粒子がトナー内部 に取り込まれていない場合は、上澄み液が顔 料の色相を示す。たとえば、シアントナーな ら、シアン色、ブラックトナーなら黒色を示 す。芯粒子の凝集性は、芯粒子凝集反応中に サンプリングした分散液は等量のイオン交換 水で希釈した後、試験管に入れ、遠心分離器 に3000min -1 で5分間かけた。遠心分離した上澄み液の濁 を目視で判断した状態を示している。B29~B30 B33~B39、B42~B45、B48、B51~B53は1時間(h)~3時間(h) 上澄み液が透明となり、小粒径で粒度分布 狭い粒子が得られている。B31、B32、B40、B41 B46、B47、B49は5h程度で略透明になったが、 度分布がやや大きくなり、粒度分布は少し がる傾向にある。画像評価ではカブリ、転 の文字飛びが他のトナーよりも少し多めと る傾向にある。B50、B54~B56では凝集不良の凝 に加わらない浮遊した顔料粒子が残存し、 りが消えない傾向にある。第二の樹脂粒子 その黒濁等の状態からそのままシェル化を 着させた。

 図16にトナー母体B36における芯粒子凝集 の反応時間毎にサンプリングした反応液を す。Aは90℃に到達したときの反応液、Bは90 に到達後0.25h経過後の反応液、Cは90℃に到達 後0.5h経過後の反応液、Dは90℃に到達後0.75h経 過後の反応液、Eは90℃に到達後1h経過後の反 液、Fは90℃に到達後2h経過後の反応液、Gは9 0℃に到達後3h経過後の反応液の写真を示す。 Eの90℃に到達後1h経過後で反応液は透明にな 、樹脂、ワックス及びカーボンブラックが 集した芯粒子が形成されている。

 図18に形成されたトナー母体B36の芯粒子 SEM観察像(倍率5000)を示す。良好な芯粒子が 成されている。図19に第二のシェル樹脂を融 着したトナー母体B36のTEM(透過型電子顕微鏡) よる断面観察した像を示す。粒子中でカボ ブラック粒子が均一な分散状態にある。

 図17にトナー母体B50における芯粒子凝集 の反応時間毎にサンプリングした反応液を す。Hは90℃に到達したときの反応液、Iは90 に到達後1h経過後の反応液、Jは90℃に到達後 2h経過後の反応液、Kは90℃に到達後3h経過後 反応液、Lは90℃に到達後4h経過後の反応液、 Mは90℃に到達後5h経過後の反応液、Nは90℃に 達後6h経過後の反応液の写真を示す。Nの90 に到達後6h経過しても反応液は依然黒のまま で透明にはなっておらず、カーボンブラック 粒子が浮遊したままで凝集不良の芯粒子しか できていない。

 図19に形成されたトナー母体B50の芯粒子 SEM観察像(倍率3000)を示す。形がいびつで、 子表面にカーボンブラック粒子やワックス 子が芯粒子に取り込まれずに粒子表面に残 している。

 図20に第二のシェル樹脂を融着したトナ 母体B50のTEM(透過型電子顕微鏡)による断面観 察した像を示す。ところどころにカーボンブ ラック粒子が局在して偏在した粒子が見られ 、分散状態は不良である。

 このように一定のポリマー分散剤、及び ニオン系分散剤又はアニオン系分散剤の使 により、凝集不良による凝集に加わらない 料粒子やワックス粒子が浮遊して残留する 子の存在を減らし、小粒径で粒度分布の狭 粒子が得ることができる。

 (g)トナー母体B57の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS45を50g、ワックス粒子分散液WA13を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを11.5とし、その後23重量%濃度の硫酸マグ シウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。 の後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し その後2時間加熱処理し、液が透明になった 粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散液 pHは9.1であった。その透明になった芯粒子 散液のpHを7.5に調整し、2時間加熱処理した 目的はpHを酸性側にシフトさせることにより 、芯粒子同士が凝集するいわゆる二次凝集を 防止しながら加熱を続けることで、芯粒子の 表面に残る微小な凹凸を消し去ること、一部 完全に凝集が進行していない芯粒子の凝集を 促進することであり、次の工程で融着させる シェル樹脂の付着を促進させ、また生成され る粒子の粒度分布をより狭いものとすること ができる。その後さらに、水温を92℃とした 態で、pHを8.5に調整したシェル樹脂粒子分 液RH3を110g添加し、滴下終了後3.5時間加熱処 してシェル樹脂粒子が融着した粒子を得た そして、冷却後、反応生成物(トナー母体) ろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を行った その後得られたトナー母体を流動式乾燥機 、40℃で6時間乾燥させた。

 (h)トナー母体B58の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS46を50g、ワックス粒子分散液WA14を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを11とし、その後23重量%濃度の硫酸マグネ ウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。そ 後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し、 の後2時間加熱処理し、液が透明になった芯 粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散液の pHは8.4であった。その透明になった芯粒子分 液のpHを5.5に調整し、1.5時間加熱処理した その後さらに、芯粒子分散液のpHを5.5に再調 整した。その後、水温を92℃とした状態で、p Hを8に調整したシェル樹脂粒子分散液RH3を110g 添加し、滴下終了後2.5時間加熱処理してシェ ル樹脂粒子が融着した粒子を得た。そして、 冷却後、反応生成物(トナー母体)をろ過し、 オン交換水にて3回洗浄を行った。その後得 られたトナー母体を流動式乾燥機で、40℃で6 時間乾燥させた。

 (i)トナー母体B59の作成(V2)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS47を41g、ワックス粒子分散液WA15を45g添 し、イオン交換水410mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後得られた混合分散液に1N NaOHを投入し、pH を11.5とし10min攪拌した。その後1℃/minの速度 20℃から昇温し80℃に到達した時点(混合分 液のpH値は8.4)で、水溶液のpH値を5.4に調整し た23重量%濃度の硫酸マグネシウム水溶液267g 60minの所要時間にて連続して滴下し、0.5時間 加熱後90℃に昇温し、1.5時間加熱処理して液 透明になった芯粒子分散液を得た。得られ 芯粒子分散液のpHは8.8であった。その芯粒 分散液のpHを5.5に調整し、1時間加熱した。 の後さらに、水温を92℃とした状態で、pHを7 .5に調整したシェル樹脂粒子分散液RH5を80g添 し、滴下終了後4時間加熱処理してシェル樹 脂粒子が融着した粒子を得た。そして、冷却 後、反応生成物(トナー母体)をろ過し、イオ 交換水にて3回洗浄を行った。その後得られ たトナー母体を流動式乾燥機で、40℃で6時間 乾燥させた。

 (j)トナー母体B63の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL2を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS51を50g、ワックス粒子分散液WA19を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを10.2とし、その後23重量%濃度の硫酸マグ シウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。 の後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し その後2.5時間加熱処理し、液が透明になっ 芯粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散 のpHは7.4であった。その透明になった芯粒子 分散液のpHを5に調整し、1.5時間加熱処理した 。その後さらに、芯粒子分散液のpHを5.5に再 整した。その後、水温を92℃とした状態で pHを8.5に調整したシェル樹脂粒子分散液RH2を 110g添加し、滴下終了後2.5時間加熱処理して ェル樹脂粒子が融着した粒子を得た。そし 、冷却後、反応生成物(トナー母体)をろ過し 、イオン交換水にて3回洗浄を行った。その 得られたトナー母体を流動式乾燥機で、40℃ で6時間乾燥させた。

 (k)トナー母体B61の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS49を50g、ワックス粒子分散液WA17を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを11.5とし、その後23重量%濃度の硫酸マグ シウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。 の後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し その後4時間加熱処理し、液が透明になった 粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散液 pHは8.9であった。その後、水温を92℃とした 状態で、pHを8.5に調整したシェル樹脂粒子分 液RH3を110g添加し、滴下終了後3.5時間加熱処 理してシェル樹脂粒子が融着した粒子を得た 。そして、冷却後、反応生成物(トナー母体) ろ過し、イオン交換水にて3回洗浄を行った 。その後得られたトナー母体を流動式乾燥機 で、40℃で6時間乾燥させた。

 (l)トナー母体B74の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS45を50g、ワックス粒子分散液WA13を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを11.5とし、その後23重量%濃度の硫酸マグ シウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。 の後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し その後2時間加熱処理し、液が透明になった 粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散液 pHは9.1であった。その透明になった芯粒子 散液のpHを8.2に調整し、2時間加熱処理した その後さらに、芯粒子分散液のpHを7に再調 した。その後さらに、水温を92℃とした状態 で、pHを8.0に調整したシェル樹脂粒子分散液R H3を110g添加し、滴下終了後3.5時間加熱処理し てシェル樹脂粒子が融着した粒子を得た。そ して、冷却後、反応生成物(トナー母体)をろ し、イオン交換水にて3回洗浄を行った。そ の後得られたトナー母体を流動式乾燥機で、 40℃で6時間乾燥させた。

 (m)トナー母体B75の作成(STD)
 温度計、冷却管、pHメータ、攪拌翼を装着 た円筒形の2Lのガラス容器に、第一の樹脂粒 子分散液RL1を204g、カーボンブラック粒子分 液CBS46を50g、ワックス粒子分散液WA14を80g添 し、イオン交換水480mlを投入し、ホモジナイ ザー(IKA社製:ウルトラタラックスT25)を用いて 10min混合して混合粒子分散液を調製した。そ 後、得られた混合分散液に1N NaOHを投入し pHを11とし、その後23重量%濃度の硫酸マグネ ウム水溶液を300g添加し、10min攪拌した。そ 後1℃/minの速度で20℃から90℃まで昇温し、 の後2時間加熱処理し、液が透明になった芯 粒子分散液を得た。得られた芯粒子分散液の pHは8.7であった。その透明になった芯粒子分 液のpHを4.8に調整し、1.5時間加熱処理した その後さらに、芯粒子分散液のpHを5.5に再調 整した。その後、水温を92℃とした状態で、p Hを8.5に調整したシェル樹脂粒子分散液RH3を11 0g添加し、滴下終了後2.5時間加熱処理してシ ル樹脂粒子が融着した粒子を得た。そして 冷却後、反応生成物(トナー母体)をろ過し イオン交換水にて3回洗浄を行った。その後 られたトナー母体を流動式乾燥機で、40℃ 6時間乾燥させた。トナー母体B60、B64は、B59 条件をベースにしてワックス粒子分散液又 着色剤粒子分散液等を変えて試作評価した トナー母体B65、B66は、B58の条件をベースに てワックス粒子分散液又は着色剤粒子分散 等を変えて試作評価した。トナー母体B71~B75 は、B57の条件をベースにしてワックス粒子分 散液又は着色剤粒子分散液等を変えて試作評 価した。トナー母体B67は、B61の条件をベース にして、ワックス粒子分散液又は着色剤粒子 分散液等を変えて、試作評価した。トナー母 体B69,B70,B76~B78は、B62の条件をベースにして、 ワックス粒子分散液又は着色剤粒子分散液等 を変えて、試作評価した。表21に、トナー母 の作成例として作成したトナー母体につい それぞれの組成を示す。

 表22に作成されたトナー母体において得 れた特性を示す。d50(μm)はトナー母体粒子の 体積平均20、体積変動係数と形状指数を示す

 樹脂粒子と、顔料粒子及びワックス粒子と 凝集、融着させてトナーを製造する過程で 顔料微粒子およびワックス微粒子が樹脂微 子に囲まれてトナー内部に取り込まれてい かどうかの芯粒子の凝集性の確認は、凝集 融着反応中の反応液を一定時間おきに取り し、遠心分離にかけることにより、判断で る。顔料粒子およびワックス粒子がトナー 内部に取り込まれていれば、反応液は遠心 離にかけると、固液2層に分かれ、上澄み液 は無色透明になる。ワックス粒子がトナー内 部に取り込まれていない場合は、上澄み液が 白濁する。また、顔料粒子がトナー内部に取 り込まれていない場合は、上澄み液が顔料の 色相を示す。たとえば、シアントナーなら、 シアン色、ブラックトナーなら黒色を示す。 芯粒子の凝集性は、芯粒子凝集反応中にサン プリングした分散液は等量のイオン交換水で 希釈した後、試験管に入れ、遠心分離器に300 0min -1 で5分間かけた。遠心分離した上澄み液の濁 を目視で判断した状態を示している。

 B57~B60、B63~B65、B71~B75は、芯粒子分散液の 温度が90度に到達後から1.5時間(h)~3時間(h)で 上澄み液が透明となり、小粒径で粒度分布の 狭い粒子が得られている。

 B61,B66,B67は、3.5~5h程度で透明又は略透明 なったが、粒度分布がやや大きくなり、粒 分布は少し広がる傾向にある。画像評価で カブリ、転写の文字飛びが他のB57~B60、B63~B65 、B71~B75のトナーよりも少し多めとなる傾向 ある。

 B69、B70,B76~B78では凝集不良の凝集に加わ ない浮遊したワックス粒子及び顔料粒子が 存し、濁りが消えない傾向にある。

 図22にトナー母体B65における芯粒子凝集 の反応時間毎にサンプリングした反応液を す。Aは90℃に到達したときの反応液、Bは90 に到達後0.25h経過後の反応液、Cは90℃に到達 後0.5h経過後の反応液、Dは90℃に到達後0.75h経 過後の反応液、Eは90℃に到達後1h経過後の反 液、Fは90℃に到達後1.5h経過後の反応液の写 真を示す。Fは90℃に到達後1.5h経過後で反応 は透明になり、樹脂、ワックス及びカーボ ブラックが凝集した芯粒子が形成されてい 。

 図24に形成されたトナー母体B65の芯粒子 SEM観察像(倍率5000)を示す。良好な芯粒子が 成されている。

 図26に第二のシェル樹脂を融着したトナ 母体B65のTEM(透過型電子顕微鏡)による断面観 察した像を示す。粒子中でカボンブラック粒 子が均一な分散状態にある。

 図23にトナー母体B70における芯粒子凝集 の反応時間毎にサンプリングした反応液を す。Hは90℃に到達したときの反応液、Iは90 に到達後1h経過後の反応液、Jは90℃に到達後 2h経過後の反応液、Kは90℃に到達後3h経過後 反応液、Lは90℃に到達後4h経過後の反応液、 Mは90℃に到達後5h経過後の反応液、Nは90℃に 達後6h経過後の反応液の写真を示す。Nの90 に到達後6h経過しても反応液は依然黒のまま で透明にはなっておらず、カーボンブラック 粒子が浮遊したままで凝集不良の芯粒子しか できていない。

 図25に形成されたトナー母体B70の芯粒子 SEM観察像(倍率3000)を示す。粒子表面にカー ンブラック粒子やワックス粒子が芯粒子に り込まれずに残留している。図27に第二のシ ェル樹脂を融着したトナー母体B70のTEM(透過 電子顕微鏡)による断面観察した像を示す。 ころどころにカーボンブラック粒子が局在 て偏在した粒子が見られ、分散状態は不良 ある。

 (6)外添剤
 次に、外添剤の例について述べる。表23は 本実施例で使用した外添剤(S1、S2、S3、S4、S5 、S6、S7、S8、S9)について、それぞれの材料及 びその特性を示す。処理材料1と処理材料2の 数種で処理しているものは、( )に各処理材 料の配合重量割合を示している。“5分値” び“30分値”は帯電量([μC/g])を表わし、これ らは、ノンコートのフェライトキャリアとの 摩擦帯電のブローオフ法により測定した。具 体的には、25℃45RH%の環境下で、100mlのポリエ チレン容器にキャリア50gとシリカなど0.1gを 合し、縦回転にて100分間 -1 の速度で5分、30分間攪拌した後、0.3g採取し 窒素ガス1.96×10 4 [Pa]で1分間ブローして測定した。

 なお、負帯電性では、5分値が-100~-800μC/g 、30分の値が-50~-600μC/gであることが好まし 。高い帯電量のシリカでは少量の添加量で のような特性を発揮できる。

 (7)トナーの組成及び外添処理
 次に、トナーの組成及び外添処理例につい 述べる。表24~表25は、トナーの作成例とし 作成した本実施例のトナーについて、それ れの材料組成を示す。未配合は添加してい いことを示す。なお、外添剤欄において外 剤を示す符号末尾の( )内の値は、トナー母 100重量部に対する当該外添剤の配合量(重量 部)を表わす。外添処理は(ヘンシェルミキサ FM20B、三井鉱山社製)において、攪拌羽根Z0S0 型、回転数2000min -1 、処理時間5min、投入量1kgで行った。

 図1は本実施例で使用したフルカラー画像形 成用の画像形成装置の構成を示す断面図であ る。図1において、カラー電子写真プリンタ 外装筐は省略している。転写ベルトユニッ 17は、転写ベルト12、弾性体よりなる第1色( エロー)転写ローラ10Y、第2色(マゼンタ)転写 ーラ10M、第3色(シアン)転写ローラ10C、第4色 (ブラック)転写ローラ10K、アルミローラより る駆動ローラ11、弾性体よりなる第2転写ロ ラ14、第2転写従動ローラ13、転写ベルト12上 に残ったトナー像をクリーニングするベルト クリーナブレード16、クリーナブレードに対 する位置にローラ15を設けている。このと 、第1色(Y)転写位置から第2色(M)転写位置まで の距離は70mm(第2色(M)転写位置から第3色(C)転 位置、第3色(C)転写位置から第4色(K)転写位置 も同様距離)、感光体の周速度は125mm/sである 転写ベルト12は、絶縁性ポリカーボネート 脂中に導電性のフィラーを混練して押出機 てフィルム化して用いる。本実施例では、 縁性樹脂としてポリカーボネート樹脂(たと ば三菱ガス化学製,ユーピロンZ300)95重量部 、導電性カーボン(たとえばケッチェンブラ ク)5重量部を加えてフィルム化したものを いた。また、表面にフッ素樹脂をコートし 厚みは約100μm、体積抵抗は10 7 ~10 12 ω・cm、表面抵抗は10 7 ~10 12 ω/□である。ドット再現性を向上させるため もある。転写ベルト12の長期使用による弛み ,電荷の蓄積を有効に防止できるようにする ためであり、表面をフッ素樹脂でコートして いるのは、長期使用による転写ベルト表面へ のトナーフィルミングを有効に防止できるよ うにするためである。体積抵抗が10 7 ω・cm未満であると、再転写が生じ易く、10 12 ω・cmを超えると、転写効率が悪化する。

 第1転写ローラは外径8mmのカーボン導電性の 発泡ウレタンローラで、抵抗値は10 2 ~10 6 ωである。第1転写動作時には、第1転写ロー 10は、転写ベルト12を介して感光体1に1.0~9.8(N )の押圧力で圧接され、感光体上のトナーが ルト上に転写される。抵抗値が10 2 ω未満であると、再転写が生じ易い。10 6 ωを超えると、転写不良が生じ易くなる。1.0( N)未満であると、転写不良を生じ、9.8(N)を超 ると、転写文字抜けが生じる。

 第2転写ローラ14は外径10mmのカーボン導電性 の発泡ウレタンローラで、抵抗値は10 2 ~10 6 ωである。第2転写ローラ14は、転写ベルト12 び紙、OHP等の転写媒体19とを介して転写ロー ラ13に圧接される。この転写ローラ13は転写 ルト12に従動回転可能にしている。第2次転 での第2転写ローラ14と対向転写ローラ13とは 5.0~21.8(N)の押圧力で圧接され、紙等の記録材 19に転写ベルトからトナーが転写される。 抗値が10 2 ω未満であると、再転写が生じ易い。10 6 ωを超えると、転写不良が生じ易くなる。5.0( N)未満であると、転写不良となり、21.8(N)を超 えると、負荷が大きくなり、ジッタが出やす くなる。

 イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒( K)の各色用の4組の像形成ユニット18Y、18M、18C 、18Kが、図のように直列状に配置されている 。

 各像形成ユニット18Y、18M、18C、18K、中に れた現像剤を除きそれぞれ同じ構成部材よ なるので、説明を簡略化するためY用の像形 成ユニット18Yについて説明し、他色用のユニ ットの説明については省略する。

 像形成ユニットは以下のように構成され いる。1は感光体、3は画素レーザ信号光、4 内部に1200ガウスの磁力を有する磁石を有す るアルミよりなる外径10mmの現像ロ-ラで、感 体とギャップ0.3mmで対向し、矢印の方向に 転する。6は攪拌ローラで現像器内のトナー キャリアを攪拌し、現像ローラへ供給する キャリアとトナーの配合比を透磁率センサ により読み取り(図示せず)、トナーホッパ (図示せず)から適時供給される。5は金属製 磁性ブレードで現像ローラ上に現像剤の磁 ブラシ層を規制する。現像剤量は150g投入し いる。ギャップは0.4mmとした。電源は、省 しているが、現像ローラ4には-500Vの直流と 1.5kV(p-p)、周波数6kHzの交流電圧が印加される 。感光体と現像ローラ間の周速度比は1:1.6と た。またトナーとキャリアの混合比は93:7と し、現像器中の現像剤量は150gで行った。

 2はエピクロルヒドリンゴムよりなる外径 10mmの帯電ローラで直流バイアス-1.2kVが印加 れる。感光体1表面を-600Vに帯電する。8はク ーナ、9は廃トナーボックス、7は現像剤で る。

 紙搬送は転写ユニット17の下方から搬送 れ、転写ベルト12と第2転写ローラ14との圧接 されたニップ部に紙給送ローラ(図示せず)に り紙19が送られてくるように、紙搬送路が 成されている。

 転写ベルト12上のトナーは第2転写ローラ1 4に印加された+1000Vにより紙19に転写され、定 着ローラ201、加圧ローラ202、定着ベルト203、 加熱媒体ローラ204、インダクションヒータ部 205から構成される定着部に搬送され、ここで 定着される。

 図2にその定着プロセス図を示す。定着ロ ーラ201とヒートローラ204との間にベルト203が かけられている。定着ローラ201と加圧ローラ 202との間に所定の加重がかけられており、ベ ルト203と加圧ローラ202との間でニップが形成 される。ヒートローラ204の外部周面にはフェ ライトコア206、とコイル207よりなるインダク ションヒータ部205が設けられ、外面には温度 センサー208が配置されている。

 ベルトは30μmのNiを基体としてその上にシ リコーンゴムを150μm、さらにその上にPFAチュ ーブ30μmを重ねあわせている。

 加圧ローラ202は加圧バネ209により定着ロ ラ201に押しつけられている。トナー210を有 る記録材19は、案内板211に沿って動く。

 定着部材としての定着ローラ201は、長さ 250mm、外径が14mm、厚さ1mmのアルミニウム製 空ローラ芯金213の表面に、JIS規格によるゴ 硬度(JIS-A)が20度のシリコーンゴムからなる さ3mmの弾性層214を設けている。この上にシ コーンゴム層215が3mmの厚みで形成され外径 約26mmとなっている。図示しない駆動モータ から駆動力を受けて125mm/sで回転する。

 ヒートローラ204は肉厚1mm、外径20mmの中空 パイプからなっている。定着ベルト表面温度 はサーミスタを用いて表面温度170度に制御し た。

 加圧部材としての加圧ローラ202は、長さ 250mm、外径20mmである。これは外径16mm、厚さ 1mmのアルミニウムからなる中空ローラ芯金216 の表面にJIS規格によるゴム硬度(JIS-A)が55度の シリコーンゴムからなる厚さ2mmの弾性層217を 設けている。この加圧ローラ202は、回転可能 に設置されており、片側147Nのバネ加重のバ 209によって定着ローラ201との間で幅5.0mmのニ ップ幅を形成している。

 以下、動作について説明する。フルカラ モードではY,M,C,Kのすべての第一転写ローラ 10が押し上げられ、転写ベルト12を介して像 成ユニットの感光体1を押圧している。この 第一転写ローラには+800Vの直流バイアスが 加される。画像信号がレーザ光3から送られ 帯電ローラ2により表面が帯電された感光体 1に入射し、静電潜像が形成される。感光体1 接触し回転する現像ローラ4上のトナーが感 光体1に形成された静電潜像を顕像化する。

 このとき像形成ユニット18Yの像形成の速 (感光体の周速に等しい125mm/s)と転写ベルト1 2の移動速度は感光体速度が転写ベルト速度 りも0.5~1.5%遅くなるように設定されている。

 像形成工程により、Yの信号光3Yが像形成 ニット18Yに入力され、Yトナーによる像形成 が行われる。像形成と同時に第1転写ローラ10 Yの作用で、Yトナー像が感光体1Yから転写ベ ト12に転写される。このとき第1転写ローラ10 Yには+800Vの直流電圧を印加した。

 第1色(Y)第一転写と第2色(M)第一転写間の イムラグを持たせて、Mの信号光3Mが像形成 ニット18Mに入力され、Mトナーによる像形成 行われ、像形成と同時に第1転写ローラ10Mの 作用で、Mトナー像が感光体1Mから転写ベルト 12に転写される。このとき第一色(Y)トナーが 成されている上にMトナーが転写される。同 様にC(シアン)、K(ブラック)トナーによる像形 成が行われ、像形成と同時に第1転写ローラ10 C、10Kの作用で、YMCKトナー像が転写ベルト12 に形成される。いわゆるタンデム方式と呼 れる方式である。

 転写ベルト12上には4色のトナー像が位置 に合致して重ね合わされカラー像が形成さ た。最後のKトナー像の転写後、4色のトナ 像はタイミングを合わせて給紙カセット(図 せず)から送られる紙19に、第2転写ローラ14 作用で一括転写される。このとき転写ロー 13は接地し、第2転写ローラ14には+1kVの直流 圧を印加した。紙に転写されたトナー像は 着ローラ対201・202により定着された。紙は の後排出ローラ対(図示せず)を経て装置外 排出された。中間転写ベルト12上に残った転 写残りのトナーは、クリーニングブレード16 作用で清掃され次の像形成に備えた。

 (画像出し評価例)
 次に、トナー及び二成分現像剤についての 像出し評価の例について述べる。ここでは 画像形成装置を用い、トナーとキャリアと 混合比率を変えた数種の二成分現像剤につ て、それぞれA4版出力で10万枚のランニング 耐久試験を行って、帯電量及び画像濃度を測 定すると共に、出力サンプルにおける非画像 部での地かぶり、全面ベタ画像での均一性、 及び転写性(転写時の文字飛び・逆転写・転 中抜け)、並びにトナーフィルミングについ 評価した。画像濃度(ID)評価はMacbeth Division of Kollmorgen Instruments Corporate製の反射濃度計  RD-914を用いて黒ベタ部を測定した。

 なお、帯電量は、フェライトキャリアとの 擦帯電のブローオフ法により測定した。具 的には、25℃、相対湿度45%RHの環境下で、耐 久性評価のサンプルを0.3g採取し、窒素ガス1. 96×10 4 Paで1分間ブローして測定した。

 表26は、本実施例で使用した二成分現像 (DB1~DB25)のそれぞれについて、二成分現像剤 してのトナーとキャリアを組み合わせ、A4 の用紙で10万枚ランニング耐久試験を実施し 評価した結果を示す。

 カブリレベルは、Spectrolino Spectro Scanに り、0.03以下であればより良好なレベル“A” 、0.03を超え、0.06以下であればややカブリが 加した程度のレベル“B”、0.06を超えると 題あるレベル“C”を表わす。全面ベタ画像 一性においては、A4サイズにおける全面に タ画像サンプルを取ったときに、部分的に 像濃度に変化が少なく画像濃度差が小さい ベルであれば“A”、“A”の比べて画像濃度 差がやや見られる程度のレベルであれば“B 、部分的に画像濃度の差が目立つレベルで れば“C”で表わす。転写時の文字飛びにお ては、「轟、議、魏」の文字を印写したと 、線の周辺に存在するトナーの状態で評価 、線の周辺に存在するトナーが少なくレベ であれば“A”、線の周辺にトナーが少し存 在するレベルであれば“B”、線の周辺に存 するトナーが多いレベルであれば“C”で表 す。

 逆転写は、2色以上の画像サンプルを印字 した時、1色目の色のトナーが感光体から転 ベルトに転写された後、2色目の色のトナー 感光体から転写ベルトに転写される際、1色 目の色のトナーの一部が2色目の感光体に付 してしまう現象をいう。評価は、その1色目 トナーが2色目の感光体に付着してクリーニ ングブレードで感光体から除去され、廃トナ ーボックスに回収されるトナーの量を目視し て評価する。1色目のトナーと2色目のトナー ほとんど混ざっていなければ“A”、1色目 トナーと2色目のトナーがやや混ざっている ベルであれば“B”、混ざっているのが明ら かには分かれば“C”、で表わす。

 転写中抜けにおいては、線が交差するパ ーン「+」を印字し、この交点においてトナ ーの存在状態を評価する。交点においてトナ ーが存在しているレベルであれば“A”、交 においてトナーの不存在の部分が少しある ベルであれば“B”、交点においてトナーが 在しない状態であれば“C”で表わす。

 本実施例のトナーを使用した二成分現像剤D B6~DB25は、A4版の用紙(Panasonic指定紙(104g/m 2 ))で10万枚ランニング耐久試験を実施した。 ンニング試験前後での画像濃度について、 像濃度は1.4以上と変化が少なく安定した特 を示した。感光体上へのトナーフィルミン について、いずれも、実用上問題ないレベ であった。なお、転写ベルトへのトナーフ ルミングも実用上問題ないレベルであった そして、転写ベルトのクリーニング不良も 発生であった。そして、3色が重なったフル ラー画像においても、定着ベルトへの紙の 付きも発生しなかった。

 また、非画像部かぶり及び全面ベタ画像 一性について、本実施例の二成分現像剤は 画像部の地かぶりの発生もなく、トナーの び散りなどがなく、高解像度であった。そ て、現像時の全面ベタ画像を取ったときの 一性も良好であった。転写性(転写時の文字 飛び・逆転写・転写中抜け)についても、中 けなどは実用上問題ないレベルであった。 して、3色が重なったフルカラー画像におい も、転写不良は発生しなかった。なお、転 効率は95%程度を示した。ただし、DB17,DB23は ブリ、ベタ画像均一性、転写の文字飛びが のトナーよりも少し多めになる傾向にある 一方、DB1~DB5は顔料の遊離粒子が多く、画像 濃度が低く、画像評価に耐えられるサンプル が得られなかった。

 表27は、本実施例で使用した二成分現像 (DB27~DB56)のそれぞれについて、二成分現像剤 としてのトナーとキャリアの構成、及びA4版 用紙で10万枚ランニング耐久試験を実施し 価した結果を示す。

 本実施例のトナーを使用した二成分現像剤D B27~DB49、DB51~DB53は、A4版の用紙(Panasonic指定紙( 104g/m 2 ))で10万枚ランニング耐久試験を実施した。 ンニング試験前後での画像濃度について、 像濃度は1.4以上と変化が少なく安定した特 を示した。感光体上へのトナーフィルミン について、いずれも、実用上問題ないレベ であった。なお、転写ベルトへのトナーフ ルミングも実用上問題ないレベルであった そして、転写ベルトのクリーニング不良も 発生であった。そして、3色が重なったフル ラー画像においても、定着ベルトへの紙の 付きも発生しなかった。

 また、非画像部かぶり及び全面ベタ画像 一性について、本実施例の二成分現像剤は 画像部の地かぶりの発生もなく、トナーの び散りなどがなく、高解像度であった。そ て、現像時の全面ベタ画像を取ったときの 一性も良好であった。転写性(転写時の文字 飛び・逆転写・転写中抜け)についても、中 けなどは実用上問題ないレベルであった。 して、3色が重なったフルカラー画像におい も、転写不良は発生しなかった。なお、転 効率は95%程度を示した。一方、DB50,DB54~DB56 顔料等の凝集に加わらない遊離した粒子の 響を思われる、画像濃度の低下等が生じた

 表28は、本実施例で使用した二成分現像 (DB57~DB78)のそれぞれについて、二成分現像剤 としてのトナーとキャリアの構成、及びA4版 用紙で10万枚ランニング耐久試験を実施し 価した結果を示す。

 二成分現像剤DB57~DB60、DB63~DB66、DB71~DB75は、A 4版の用紙(Panasonic指定紙(104g/m 2 ))で10万枚ランニング耐久試験を実施した。 ンニング試験前後での画像濃度について、 像濃度は1.3以上と変化が少なく安定した特 を示した。感光体上へのトナーフィルミン について、いずれも、実用上問題ないレベ であった。なお、転写ベルトへのトナーフ ルミングも実用上問題ないレベルであった そして、転写ベルトのクリーニング不良も 発生であった。そして、3色が重なったフル ラー画像においても、定着ベルトへの紙の 付きも発生しなかった。

 また、非画像部かぶり及び全面ベタ画像 一性について、本実施例の二成分現像剤は 画像部の地かぶりの発生もなく、トナーの び散りなどがなく、高解像度であった。そ て、現像時の全面ベタ画像を取ったときの 一性も良好であった。転写性(転写時の文字 飛び・逆転写・転写中抜け)についても、中 けなどは実用上問題ないレベルであった。 して、3色が重なったフルカラー画像におい も、転写不良は発生しなかった。なお、転 効率は95%程度を示した。DB61、DB67では、非 像部の地かぶりがやや発生し、若干転写時 文字飛びが出ている。一方、DB69、DB70,DB76~DB7 8は凝集に加わらない遊離したワックス粒子 顔料粒子の影響を思われる画像濃度の低下 、カブリの増加等の現象が生じている。

 表29は、本実施例で使用したトナーB1~B25に いて、定着性、非オフセット性、高温貯蔵 定性、定着ベルトへの紙の巻付き性につい の評価結果を示す。表中、“A”は評価の結 が良好であり、高温での放置後熱凝集が生 ず、粉体状態を保っていることを示す。“B ”は評価のレベルがAに比べてやや劣るが、30 g/cm 2 以上の少しの荷重で凝集がほぐれることを示 す。“C”は問題があり、高温での放置後、 集塊の状態となりで300g/cm 2 以上の荷重をかけないと塊が崩落しないこと を表わす。ここでは、付着量1.2mg/cm 2 のベタ画像をプロセス速度125mm/s、オイルを 布しないベルトを用いた定着装置にて、A4版 の用紙(Panasonic指定紙(104g/m 2 ))で、最低定着温度及び高温でのオフセット 象発生温度を測定した。また、高温状態で 貯蔵安定性試験は、50℃、24時間の放置後の トナーの状態を評価した。なお、OHP用フィル ム透過率は、分光光度計U-3200(日立製作所)で 700nmの光の透過率を測定した。

 定着性評価において、一定の融点を有す ワックスを配合したTB6~TB25では、150℃以下 低温定着性、190℃以上の高温非オフセット を示した。また高温貯蔵安定性も良好であ た。ただし、TB17,TB20、TB23,TB26は高温非オフ ット性が他のトナーよりもやや低下する傾 にある。TB1~TB5では低温定着性、高温非オフ ット性とも不良で、満足な定着可能温度域 得られなかった。カーボンブラック粒子へ ワックスの吸着により樹脂との相溶化が阻 され定着特性が機能していないものと思わ る。

 表30は、本実施例で使用したトナーB27~B56 ついて、定着性、非オフセット性、高温貯 安定性、定着ベルトへの紙の巻付き性につ ての評価結果を示す。

 定着性評価において、TB29~TB48、TB51~TB53で 、140℃以下の低温定着性、190℃以上の高温 オフセット性を示した。また高温貯蔵安定 も良好であった。ただし、TB31,TB32,TB41、TB46, TB47、TB49は高温非オフセット性が他のトナー りもやや低下する傾向にある。TB50、TB54~TB56 では低温定着性、高温非オフセット性とも不 良で、満足な定着可能温度域は得られなかっ た。

 表31は、本実施例で使用したトナーB57~B78 ついて、定着性、非オフセット性、高温貯 安定性、定着ベルトへの紙の巻付き性につ ての評価結果を示す。

 定着性評価において、TB57~TB60、TB63~TB66、T B71~TB75では、145℃以下の低温定着性、190℃以 の高温非オフセット性を示した。また高温 蔵安定性も良好であった。ただし、TB61、TB6 7は高温非オフセット性が他のトナーよりも や低下する傾向にある。TB69、TB70,TB76~TB78で 低温定着性、高温非オフセット性とも不良 、十分な定着可能温度域は得られなかった

産業上の利用の可能性

 本発明は、感光体を使用した電子写真方 以外でも、ダイレクトに紙や、配線パター として基板上に導電性を有する物質を配合 たトナーを付着させて印写する方式等にも 用である。