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Title:
TRANSFER APPARATUS AND TRANSFER METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093419
Kind Code:
A1
Abstract:
To achieve clean process environment, low vibration for suppressing vibration transmitting to substrates, smooth and agile transfer drive and highly accurate floating position. A transfer apparatus (10) transfers a transfer material (30) on a substantially flat transfer surface (50a). The transfer apparatus is provided with a transfer table (50); a plurality of first recessed sections (90), which have a jetting means (90a) for jetting a gas and are opened on the transfer surface; and a plurality of second recessed sections (110), which have a suction means (110a) for sucking the gas, and are opened on the transfer surface (50a). The second recessed section (110) is provided with a driving means (130) which protrudes from the transfer surface of the transfer table (50) to be in contact with the transfer material and drives the material in a transfer direction. In a transfer method for transferring a thin-board-like substrate (30) substantially parallel to the transfer surface (50a) in a substantially non-contact manner on a flat transfer surface (50a), the substrate (30) is supported on the transfer surface (50a) by having a gas in between, and the substrate is driven by bringing a part of the lower surface of the substrate (30) into contact with the driving means (130) which drives the substrate in the transfer direction.

Inventors:
HIRATA YASUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/051642
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 31, 2007
Export Citation:
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Assignee:
HIRATA SPINNING (JP)
HIRATA YASUNARI (JP)
International Classes:
B65G51/03; H01L21/677
Foreign References:
JP2005154040A2005-06-16
JPH08330380A1996-12-13
JP2002368065A2002-12-20
JPH05335404A1993-12-17
JPH1143337A1999-02-16
JP2006080289A2006-03-23
JPS60161826A1985-08-23
JP2003245885A2003-09-02
Attorney, Agent or Firm:
AIKAWA, Toshihiko (12-5Minami Ikebukuro 2-chome,Toshima-k, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 実質的に平坦な搬送面上で被搬送物を搬送する搬送装置において、
 前記搬送面を備える搬送テーブルと、
 気体を噴出する噴出手段を有し、前記搬送面に開口する複数の第1窪み部と、
 気体を吸引する吸引手段を有し、前記搬送面に開口する複数の第2窪み部と、を備え、
 前記第2窪み部には、前記搬送テーブルの搬送面から少なくとも一部が突出して前記被搬送物の少なくとも一部に接触し、前記被搬送物を搬送方向に駆動する駆動手段を備えることを特徴とする搬送装置。
 前記噴出手段は、第1窪み部の底部に設けられている噴出孔を含み、
 前記吸引手段は、第2窪み部の底部に設けられている吸引孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
 前記第1窪み部及び前記第2窪み部は、所定間隔を介して交互に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
 前記所定間隔は、前記搬送面及び前記被搬送物の間の空隙が所定の広さとなるようにあけられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
 前記第1窪み部は、前記第2窪み部を囲んで形成される、気体を噴出する環状噴出溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
前記噴出手段は、前記環状噴出溝の底部に環状溝に沿って等間隔に設けられた複数の噴出孔を含むことを特徴とする請求項5に記載の搬送装置。
 前記第2窪み部は、平面視ほぼ中央に前記駆動手段を底深に備え、
 前記吸引手段は、前記駆動手段の下に備えられる吸引孔及び前記駆動手段の回りを環状に囲う吸引孔を底浅に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の搬送装置。
 前記駆動手段は、ローラを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置。
 前記駆動手段は、突出する前記少なくとも一部の上下方向の位置を調整できる高さ調整手段を備えていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の搬送装置。
 前記噴出手段及び/又は吸引手段は、これらから噴出及び/又は吸引される流速を調整できる流速調整手段を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の搬送装置。
 平坦な搬送面上を実質的に非接触で板状基板が搬送面に実質的に平行に搬送される搬送方法において、
 気体を介在させて前記搬送面上に前記板状基板を浮上支持し、
 前記板状基板の下面の一部を搬送方向に駆動する駆動手段に接触させて駆動し、
 前記板状基板及び搬送面の間の空隙を浮上支持する気体が流れることに起因する搬送面への引き付け力及び前記板状基板の自重を前記駆動手段が支持することを特徴とする搬送方法。
 前記駆動手段は、ローラを含むことを特徴とする請求項11に記載の搬送方法。
Description:
搬送装置及び搬送方法

 本発明は、例えば、大型の液晶ディスプ イ(液晶ガラス)やプラズマディスプレイパ ル等のフラットディスプレイ(平板状ガラス 板)の製造工程において使用される基板など の搬送装置及びに搬送方法に関する。

 近年、画像表示装置の高機能化、高級化 向の進展により、液晶ディスプレイやプラ マディスプレイ等のフラットディスプレイ ネルが大型化される傾向にある。それに伴 、大型のガラス基板(以下、「基板」)の製 設備における搬送形態に変化が現れている 例えば、製造設備内の各工程間における基 の搬送は、基板をカセットに収めて搬送し 工程内でロボット(移載ハンド)がカセットか ら基板をコンベア上に取出し、コンベア上を 搬送するようになっている。また工程内の後 処理装置への基板の受け渡しは、コンベア上 を流れてきた基板を再度、ロボットを用いて 行なっている(例えば、特許文献1参照)。

しかしながら、これらの技術は、いずれも ローラ上に基板を接触させた状態で搬送する ため、基板製造に好ましくない塵埃や振動が 生じたり、また、各基板が一枚づつ間欠駆動 方式的に隙間なく発進停止を繰り返しながら 搬送テーブル上をスムーズに流れる方式であ るため、基板の停止位置の精度を正確に確保 するのが困難である。

 このため製造工程内の搬送において、基 への塵埃、振動対策の面から前記のローラ 送方式に代わって気体浮上式搬送装置を用 ることが提案されている(例えば、特許文献 3及び4参照)。これらは、搬送テーブルに複数 の気体噴出孔を設け、該気体噴出孔から噴出 される気体により、搬送テーブル上で基板を 浮上支持し、かつ、基板を搬送テーブル側端 縁部に設けたローラに接触させ、該ローラの 回転駆動により搬送する。いずれの搬送方式 も、気体噴出孔から噴出される気体の動圧に より、搬送テーブル上に浮上させるだけの構 成であるため、搬送テーブルからの基板高さ を積極的に精度よく制御する構成を有してい ない。そのため、例えば、レジスト液塗布に よる塗布膜形成時における塗布膜厚の精度を 高める基板の製造には使用することが難しい 。

 気体浮上式搬送装置であっても、前記特 文献3及び4のように、基板をローラに接触 せて搬送すると、ローラとの接触により振 が基板に発生する可能性がある。それを嫌 て搬送駆動にローラを使用しない方式を採 した方式もある(例えば、特許文献5参照)。 の特許文献5に記載された技術は、気体吸引 のチャック機構を用いて基板下面を吸着保 し、基板搬送装置によりガイドレールに沿 て走行させる構成である。この構成であれ 、基板の搬送スピードをかなり速くでき、 基板を各々独立して間欠駆動させることで 自由に基板の発進停止を行わせることがで る。しかしながら、各処理工程毎にチャッ 機構を基板長さ間隔で配置し、かつ、各チ ック機構を各々独立して駆動させる必要が るため、基板搬送装置全体としての構造が 雑化し易い。そして、コストアップにもつ がる。

 一方、他の気体浮上式基板搬送方式とし 、例えば、特許文献6に記載した技術がある 。この特許文献6に開示された技術は、搬送 ーブル(定盤)の一定エリアである検査ステー ションに、気体を上方に噴出する噴出孔と、 上方から吸引する吸引孔とを交互に配置させ た構成により、基板を一定の高さに浮上させ ている。そして、噴出圧と吸引圧を調整する ことで、浮上高さを高精度で一定に調整でき 、その結果、基板を高精度に検査することが 可能となる。しかしながら、特許文献6に記 の技術では、噴出孔と吸引孔とが、搬送テ ブル全面に亘って配置されておらず、検査 テーションというごく限定されたエリアに 置した構成であるので、基板を搬送テーブ の全長に亘って塵埃を生じないクリーンな 理環境、低振動による搬送、浮上高さの高 度な維持を確保することが難しい。

 なお、基板裏面をいわゆるベルヌーイチャ クにより非接触吸着させて搬送する技術と て、例えば、特許文献7がある。この特許文 献7に記載の技術は、下側端縁を受けローラ 載置した基板を起立させた状態で搬送する 式で、搬送面に設けたベルヌーイチャック 非接触で基板を吸着保持し、基板に引っ掛 られた爪をベルト駆動することで基板が搬 される。しかし、この特許文献7では、基板 立てた状態で搬送する構造であり、前記し 気体浮上式基板搬送装置とはその基本形態 大きく相違する。また、受けローラや爪が 要である。

特開2002-19959号公報

特開2004-284772号公報

特開2002-176091号公報

特開2006-182563号公報

特開2005-243670号公報

特開2002-181714号公報

特開平10-27838号公報

 本発明は、上述のように、被搬送物の搬 において時代の要請に応えるべく、上述の うな課題を解決するために発案されたもの あって、被搬送物に微粒子の塵埃が付着す ことのないクリーンな処理環境、被搬送物 伝わる振動を抑制した低振動、スムーズで 動的な搬送駆動、浮上高さ位置の高精度化 を実現しうる搬送装置及び搬送方法を提供 ることを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明では 搬送面上を被搬送物が搬送される搬送装置 おいて、搬送テーブルと、前記搬送面に開 する複数の噴出手段を備える第1窪み部と、 前記被搬送物に接触して搬送方向に駆動する 駆動手段及び吸引手段を備える前記搬送面に 開口する複数の第2窪み部とを備える搬送装 を提供する。また、搬送面上を実質的に非 触で板状基板が搬送される搬送方法であっ 、前記板状基板を前記搬送面に気体を介在 せて支持し、前記基板の下面の一部を搬送 向に駆動する駆動手段と接触させて駆動す ことを特徴とする搬送方法を提供する。よ 具体的には、以下のようなものを提供する

(1)実質的に平坦な搬送面上で被搬送物を搬 送する搬送装置において、前記搬送面を備え る搬送テーブルと、気体を噴出する噴出手段 を有し、前記搬送面に開口する複数の第1窪 部と、気体を吸引する吸引手段を有し、前 搬送面に開口する複数の第2窪み部と、を備 、前記第2窪み部には、前記搬送テーブルの 搬送面から少なくとも一部が突出して前記被 搬送物の少なくとも一部に接触し、前記被搬 送物を搬送方向に駆動する駆動手段を備える ことを特徴とする。

 ここでは、いわゆるベルヌーイチャック ように被搬送物を前記搬送面に対して非接 状態で引き付けることを利用する。すなわ 、第1窪み部から噴出した気体は前記搬送面 と被搬送物との間の形成される空隙に流入し 、第2窪み部に流下して吸引される。このと 、狭い空隙を流れる気体の流速が速いため ベルヌーイの定理から空隙内の静圧は前記 搬送物の上面に比べて低くなるので、被搬 物は前記搬送面へ引き付けられる。

 一方、被搬送物の自重及び上記吸引力に り十分引き付けられると、前記搬送面と被 送物との間の形成される空隙が極端に狭く り、流れる気体の流量が減り、第1の窪み部 には、噴出した気体が溜まり高圧となり、被 搬送物を押し上げる。従って、所定の間隔を 隔てた状態で被搬送物を浮上支持することが できる。

 実質的に平坦な搬送面とは、まったくフ ットな搬送面を排除するものではないが、 送面に開口する複数の窪み部を有する搬送 を含むものである。また、これらの窪み部 外の窪み、スリット等があってもよい。実 的に平坦な搬送面は、被搬送物である、例 ば薄板との間で狭い空隙を作ることができ 。

(2)前記噴出手段は、第1窪み部の底部に設 られている噴出孔を含み、前記吸引手段は 第2窪み部の底部に設けられている吸引孔を むことを特徴とする上記(1)に記載の搬送装 を提供することができる。

 上記噴出孔から噴出された気体(例えばエ ア)は、上述の狭い空隙を流れることができ 。従って、被搬送物は非接触の状態で搬送 れるが、前記駆動手段による駆動が円滑に うことができる。また、駆動手段により被 送物を駆動するための摩擦力に起因して発 する塵埃が、上記空隙へと出ずに第2窪み部 で吸引され得る。

(3)前記第1窪み部及び前記第2窪み部は、所 間隔を介して交互に配置されていることを 徴とする上記(1)又は(2)に記載の搬送装置を 供できる。

 ここで、前記第1窪み部及び前記第2窪み を交互に配置すれば、前記第1窪み部は気体 噴出し前記第2窪み部は気体を吸引するので 、被搬送物の浮上支持のバランスがとり易く 、安定した搬送がより容易になる。また、前 記第1窪み部及び前記第2窪み部は、それぞれ 開口が矩形状の角穴からなってもよい。一 に、矩形の角穴は収納効率が高く、駆動手 等をコンパクトに収納することができる。 に、ローラとの相性がよく、吸引手段の設 をより容易にすることができる。

(4)前記所定間隔は、前記搬送面及び前記被 搬送物の間の空隙が所定の広さとなるように あけられることを特徴とする上記(1)から(3)の いずれかに記載の搬送装置を提供することが できる。

 ここで、所定の広さとは、被搬送物が安 的に、実質的に被接触の状態で搬送される に十分な浮上力及び引き付け力(又は押し付 け力)及び自重のバランスをとるのに十分な さを意味することができる。例えば、前記 送面及び被搬送物の間に形成される空隙が ベルヌーイチャックとして機能し、被搬送 が搬送面へ吸引され得る。

(5)前記第1窪み部は、前記第2窪み部を囲ん 形成される、気体を噴出する環状噴出溝を むことを特徴とする上記(1)に記載の搬送装 を提供することができる。

 これにより、気体は、円周上で噴出し、 周の内側を内側窪み部に向かって流下する で、気体の流れが一定し、被搬送物への浮 を一定にできるとともに、駆動手段への接 部での引き寄せを良好にし、駆動手段に適 な摩擦力を付与して被搬送物の搬送を安定 て行なうことができる。また、駆動より生 る塵埃を内側窪み部で吸引し、クリーンな 理環境を実現できる。

(6)前記噴出手段は、前記環状噴出溝の底部 に環状溝に沿って等間隔に設けられた複数の 噴出孔を含むことを特徴とする上記(5)に記載 の搬送装置を提供することができる。

(7)前記第2窪み部は、平面視ほぼ中央に前 駆動手段を底深に備え、前記吸引手段は、 記駆動手段の下に備えられる吸引孔及び前 駆動手段の回りを環状に囲う吸引孔を底浅 備えることを特徴とする上記(5)又は(6)に記 の搬送装置を提供することができる。

(8)前記駆動手段は、ローラを含むことを特 徴とする上記(1)から(7)のいずれかに記載の搬 送装置を提供することができる。

(9)前記駆動手段は、突出する前記少なくと も一部の上下方向の位置を調整できる高さ調 整手段を備えていることを特徴とする上記(1) から(8)のいずれかに記載の搬送装置を提供す ることができる。

(10)前記噴出手段及び/又は吸引手段は、こ らから噴出及び/又は吸引される流速を調整 できる流速調整手段を有していることを特徴 とする上記(1)から(9)のいずれかに記載の搬送 装置を提供することができる。

(11)平坦な搬送面上を実質的に非接触で板 基板が搬送面に実質的に平行に搬送される 送方法において、気体を介在させて前記搬 面上に前記板状基板を浮上支持し、前記板 基板の下面の一部を搬送方向に駆動する駆 手段に接触させて駆動し、前記板状基板及 搬送面の間の空隙を浮上支持する気体が流 ることに起因する搬送面への引き付け力及 前記板状基板の自重を前記駆動手段が支持 ることを特徴とする。

(12)前記板状基板は、前記搬送面に平行で 搬送方向にほぼ垂直な方向に少なくとも2つ 山若しくは谷を有する波形状を呈すること 特徴とする上記(11)に記載の搬送方法を提供 することができる。

(13)前記駆動手段は、ローラを含むことを 徴とする上記(11)又は(12)に記載の搬送方法を 提供することができる。

 本発明によれば、被搬送物を搬送テーブ の搬送面に対して離隔させるとともに、駆 手段部では接触させて、被搬送物を一定の さに保持した状態で駆動手段部により搬送 ることができる。このため、本発明の搬送 置及び搬送方法は、被搬送物に振動を生じ せることを抑制し、また、搬送テーブルの 送面からの離隔高さを高精度に維持して被 送物を搬送することができる。また、被搬 物と駆動手段との摩擦接触で塵埃が発生し も、塵埃を気体の吸引機能により除塵する で、クリーンな処理環境で高品質の製品を 造できる。また、気体の流速調整手段を設 た場合は、噴出する気体量あるいは吸引す 気体量を増減調整することで、空隙を流動 る気体の流速を調整して、離隔高さを安定 に精度良く設定できる。また、これにより 駆動手段に対する支持力を自由に増減でき ので、気体の吸引量を増やすと、搬送面か の離隔高さの調整精度をよくすることがで 、さらに、駆動手段による被搬送物に対す 搬送駆動力を増すことができ、従来技術と 較して駆動手段を簡易にできる。

 本発明の搬送装置及び搬送方法を図に示 実施形態に基づいて詳細に説明する。この 施形態は、本発明の搬送装置及び搬送方法 、液晶表示装置に液晶ディスプレイとして いられるフラットディスプレイ(平板状ガラ ス基板)の製造工程に適用したものである。

 本発明に係る搬送装置及び搬送方法にお る第1実施形態を、図1から図6に基づいて詳 する。図1は第1実施形態の搬送テーブルを す平面図、図2は図1のII-II線における矢視拡 断面図、図3は図1のIII-III線における矢視拡 断面図、図4は気体の流れ方向を平面図で示 した作用説明図である。

 尚、図1、図5、及び図6では、被搬送物で る基板は説明の都合により表示を省略して る。また、図2から図4における矢印は、気 として用いるエアの流れ方向を示すもので る。そして、図5及び図6は、第2窪み部にお る駆動手段の備え方が異なる例を示す平面 である。

 図1及び図2に示すように、搬送装置10は、 液晶表示装置に液晶ディスプレイとして用い られる平板状のガラス基板30(以降、基板30と す。)に、レジスト液を供給して塗布膜を形 成し、これを乾燥、熱処理した後に、露光処 理、現像処理等の各処理工程を実施する塗布 膜形成装置の製造ラインに設置して用いられ る。搬送装置10は、これら処理工程のライン 沿って配置される搬送テーブル50を有し、 送テーブル50は基板30(図3及び図4も併せて参 )が搬送されるX方向に延在され、基板30は後 述する噴出孔90aから噴出するエアで浮上し、 搬送テーブル50上を離隔して順次X方向へ搬送 されていく。

 搬送テーブル50には、その搬送面50aの全 に亘り平面視矩形であって、所定の深さの みを有する複数の第1窪み部90と、該第1窪み 90とほぼ同じ形状を有する複数の第2窪み部1 10とが設けられ、これら窪み部90、110は互い 所定間隔を存して規則的に、かつ、搬送方 であるX方向及びそれに垂直な方向であるY方 向に沿って交互に、いわゆる市松模様状に配 置される。第1窪み部90は、図示されない圧縮 ポンプからエア配管を介してエアを基板下面 に向けて噴出するもので、その底部の中央に はエアを噴出するための噴出孔90a(図1、図4に おいて白丸で図示)が上方に向けて設けられ 。第2窪み部110は、第2窪み部110へ流れ込むエ アを図示されない吸引ポンプに接続したエア 配管を介して外部へ排出するもので、その底 部の中央にはエアを吸引する吸引孔110a(図1、 図4において黒丸で図示)が設けられる。

 図1から図3に示すように、各第2窪み部110 は、駆動手段としての円盤状のローラ130が 納され、その外周面は基板30の下面に接触 支持するとともに、電動モータ130aの回転(図 2において矢印で示すように右回転)により、 板30を搬送方向に駆動する。従って、ロー 130は、搬送方向であるX方向に沿う立て壁に の両端面がほぼ平行になるように備えられ 。また、ローラ130の外周面の一部は、図3に 示すように、搬送面50aから上方に突出してい て基板30の下面に接触可能になっており、こ 接触する接触部で基板30を支持するととも 搬送方向に駆動する。また、ローラ130は、 さ調整手段130bにより、前記作動位置の上下 高さを調整できる。なお、該高さ調整手段 しては、例えば、電磁ソレノイド方式、エ シリンダ方式、液体シリンダ方式、ステッ モータ駆動方式等を用いた機構であって、 ーラ130を上下方向にストロークさせて行う 態のものが適宜利用される。また、ローラ1 30は吸引孔110aに対してオフセット配置され、 エアの吸引を妨げないようになっている。ロ ーラ130は基板30に傷を付けないような軟質の 成樹脂材であって、かつ、基板30との間で 定の摩擦力を生じさせる素材で構成される 尚、基板30との接触に関与するローラ130の外 周面のみを、このような摩擦特性に優れる( 要な摩擦力を生じ得る摩擦係数を持ち、摺 により磨耗や粉塵が生じ難い)材質を用いる とができる。こうして、基板30は各ローラ13 0を介して搬送面50aに実質的に被接触の状態 支持される。

 図1及び図2に示すように、第1窪み部90及 第2窪み部110が存在しない搬送面50aの一定の さを占めるエリアには、基板30の下面とで 隙150が形成され、第1窪み部90から流入した アが流動する。空隙150は第1窪み部90や第2窪 部110の深さに比べると、エアの流動通路と ては微少な間隙である。これにより、噴出 90aから第1窪み部90内に噴出したエアの少な とも一部は、第1窪み部90の周囲に存する空 150を流れ、第2窪み部110に流入し、吸引孔110 aへ吸引される。空隙150を流動するエアは、 隙150の間隙が小さい場合は高い流速で流れ 。

 搬送テーブル50のX方向に沿う両側端縁に 、図8に示す後述する第2実施形態で使用さ るのと同様の形態のガイドローラ170が設け れる。このガイドローラ170は、水平面内で 転するように搬送テーブル50に、実質的に鉛 直な軸により回転可能に軸支される。基板30 搬送方向から横ズレして搬送面からはみ出 ように移動しようとする場合には、ガイド ーラ170に接触して、そのような移動を制限 、横ズレを防止するようにしている。なお ガイドローラ170は、基板30のY方向のサイズ 応じて適宜位置を自動調整できるように設 られ、どのような基板にも対応できるよう なっている。

 本第1実施形態においては、前記のローラ 130を回転駆動する電動モータ130aの回転数、 ーラ130の上下調整手段130b、噴出孔90aからの ア噴出量の調整弁90b、90d及び吸引孔110aへの エア吸引量の調整弁110b、110dや圧縮ポンプ90e 吸引ポンプ110e等の運転調整、ガイドローラ 170の位置調整等は、調整手段としてのコント ローラ130cにより自動制御されるようになっ いる。該コントローラには、基板30の重量を 検知する荷重センサ、第1窪み部90、第2窪み 110、空隙150及び空気室90c、110cのエア圧を検 する圧力センサ、電動モータ130aの回転数を 検知する回転数検知センサ、及び基板30の厚 や横幅寸法を検知する寸法検知センサ等の 示されないセンサで検知した信号が入力さ 、その結果に基づいて前記自動制御が実行 れ、基板30をエア浮上させて搬送するよう なっている。

 第1実施形態の作用を説明する。搬送テー ブル50上を基板30がX方向へ搬送される場合に 、噴出孔90aから噴出されたエアは、図4に示 す矢印の方向へ流れる。換言すると、搬送面 50aと基板下面との間の空隙150を経由して流動 した後、隣りの第2窪み部110に流下し、吸引 110aへ吸引される。ここで、第2窪み部110はデ ィフューザーとして機能することができ、空 隙150のエアを吸引する。このとき、空隙150を 流れるエアの流速が速いので、ベルヌーイの 定理により空隙内の静圧は低くなると考えら れる。基板30の上面の気圧は開放大気圧と一 であるので、対抗する静圧が低くなった基 30の当該部分には搬送面50aへ押す力(搬送面5 0aから見れば引き付ける力)が他の部分より大 きく作用する。また、第2窪み部110の底には 吸引孔110aがあり、エアが吸引されるため、 2窪み部110内の静的な圧力が低下するだけで なく、鉛直下向きに流れるエアによる動的な 圧力低下も、このような基板30を搬送面50aへ き付ける力の原因となる。従って、基板30 第2窪み部110の近傍に相当する部分には、搬 面50aへ引き付ける力が働くので、空隙150の 隔が狭くなり、そこを流れるエアの流速は くなるものの流路断面が小さくなるため流 抵抗が増し、単位時間当たりの第2窪み部110 への流量が少なくなる傾向が生じる。このた め、かえって第1窪み部90内のエアの空隙150へ の流量自体は減少し、第1窪み部90内から流出 しにくくなると考えられる。そのため、第1 み部90内の圧力が高まり、この圧力と噴出孔 90aから噴出されるエアの動圧とが相まって基 板30にこれを上方へ浮上させる力が作用する この結果、浮上させる力と吸引孔110aのエア 吸引による負圧とが相まって空隙150に生じる 静圧の減少による基板30に対する引き付け力 、第1窪み部90における基板30を浮上させる 上力とバランスし、基板30は搬送面50aから離 隔する。

 一方、基板30は、その重力、及びベルヌ イの定理により作用する前述の引き付ける で搬送面50aに引き付けられ、ローラ130に接 する。すなわち、この引き付ける力は、一 のベルヌーイチャックとして機能している 考えることができる。一般のベルヌーイチ ックでは、第1窪み部90内の圧力低下も考慮 入っているが、本実施例において、搬送面 基板30との間の距離等の種々の条件によりこ のような作用が第1窪み部90で生じることがあ ってもよい。また、吸引孔110aによるエアの 引によって第2窪み部110内の静圧が、負側へ かれるので、ローラ130に対する基板30の接 圧が大きくなり、ローラ130と基板下面との の摩擦力が強められる態様で基板30が接触す る。そして、各ローラ130が電動モータ130aに り回転駆動されると、基板30はX方向へ搬送 れる。一般に接触による駆動では、ローラ13 0の表面及び基板30の下面という接触面の間で 少なくとも微視的には滑りが生じている。こ の滑りに伴い接触面から脱落する表面の汚れ 、劣化した表面層等に起因する粉塵が発生す る。また、ローラ130は軸による駆動回転が自 在にできるように搬送テーブル50に固定・支 されているが、この軸受けでの粉塵の発生 生じ得る。このように、駆動・摺動する部 からは、粉塵等を含むいわゆるゴミの発生 起こるが、本実施例では、かかる駆動・摺 する部材を、第2窪み部110内に留めているの で、搬送装置全体として系外に排出されるゴ ミの発生を低く抑えることができる。より詳 細には、第2窪み部110は、搬送面50に開いてい る開口以外は、周囲を壁に囲われており、略 密閉して収納されているので、この第2窪み 110から外に出て行くゴミの発生は効果的に 制される。更に、第2窪み部110には、吸引手 として吸引孔110aを備えるので、一旦は第2 み部110内に発生した粉塵等のゴミをトラッ して吸引孔110aより所定の場所(例えば、掃除 機等に一般に用いられる集塵バック等)に集 しておくことができる。また、この吸引孔11 0aは、搬送面50aからローラ130よりも遠い位置 備えられているので、ローラ130で発生した ミが搬送面50aに移動することを効果的に抑 することができる。また、第2窪み部110の搬 送面50aに開いた開口は、基板30の駆動時には 板30の下面により覆われているので、開口 ら進入する気流の乱れ等を比較的少なくす ことができる。このような第2窪み部110のゴ 抑制効果は、以下に述べる他の実施の形態 おいても、同様に発揮され得る。

 本第1実施形態によれば、噴出孔90aからエ アを噴出するだけでなく、空隙150を流動した エアを積極的に吸引孔110aから吸引するため 従来技術のようにエアを噴出するだけの形 のものに比べると、基板30と搬送面50aとの離 隔高さの精度を高めることができ、また、ロ ーラへの接触部を除き、基板30を搬送テーブ 50ないしはその搬送面50aから非接触で搬送 るため、基板に振動が生じることを抑制で る搬送装置及び搬送方法となっている。さ に、噴出孔90aからのエア噴出量、吸引孔110a のエア吸引量を増減調整して基板30の浮上 をコントロールすることで、基板30の重量の 大小に応じた搬送制御を行うことができる。 また、多少とも吸引力を強くするように調整 することで、さらにローラ130に対する基板30 支持力が高まり、基板30と搬送面50aとの離 距離の精度及び搬送駆動力を増すことがで る。また、第2窪み部110に吸引孔110aを設けて いるので、ローラ130と基板30との接触により じた塵埃は、吸引孔110aに吸引されるため、 クリーンな処理環境を実現できる。また、ロ ーラ130は吸引孔110aがある第2窪み部110に収納 れるため、基板下面をローラ130表面に引き けることができ、ローラ130と基板30との間 摩擦力が強まり、ローラ130を少なくしても 板30の搬送力を増すことができる。また、噴 出孔90aと吸引孔110aとは交互に配置したこと より、エアの流れは効率の良い流れとなり 基板30の浮上力を効率良く行え、かつ、浮上 の安定性を増すことができる。また、ローラ 130の上下高さは調整可能に形成しているので 、基板30のローラ130に対する摩擦力を適宜に 整することができ、確実な搬送力を得るこ ができる。

 前記の第1実施形態では、第1の窪み部90、 第2の窪み部110の平面視における形状は矩形 あるが、このような形に限られるものでは い。円形、楕円形等、機能、製造のしやす 、その他の条件に応じて適宜形状を変更す ことができる。また、第1実施形態の各窪み 90、110は縦横にそれぞれ直線上にほぼ等間 で並ぶように規則正しく配設したが、規則 に配設しなくてもよい。

 また、第1実施形態における第1窪み部90と 第2窪み部110とは、交互に順に配置したが、 のような配置に限られないことはいうまで ない。例えば、第1窪み部90同士が隣に並ん あってもよく、第2窪み部110同士が隣に並ん あってもよい。しかしながら、第1窪み部90 傍では、上向きの力が基板にかかり、第2窪 み部110近傍では、下向きの力が基板にかかる ため、偏りすぎると基板の搬送面から離隔し た搬送がうまくいかない場合がある。従って 、交互であるとより好ましい。また、基板30 働く力がうまくバランスされ、安定的に基 30が浮上保持されるように第1窪み部90と第2 み部110が複数配置されるのが好ましい。

 また、第1実施形態では、ローラ130を第2 み部110に設けたが、第1窪み部90に設けても い。この場合は、前記のような吸引孔110aの 引負圧によるローラ130に対する引き付け力 ないが、条件により、空隙150におけるベル ーイの定理による引き付け力が発生するの 、基板30のローラ130に対する搬送力が得ら 、安定した搬送が可能となる。

 また、ローラ130は、各窪み部90、110に必 設けなければならないものでなく、窪み部90 、110の一部に設けるようにしてもよい。この ようにすれば、基板30の下面での接触部(又は 接触点)が減少し、より非接触での基板30の搬 送が可能となる。しかしながら、ローラ130は 、基板30を駆動するだけでなく、基板30の自 を支持するため、少なすぎると搬送の安定 を阻害する恐れがある。更に、エアの吹き しが急に止まった場合等において、基板が 送面50aに直接クラッシュすることを防ぐラ ディング補助装置になるため、これらの機 を担保できる数のローラ130を配置すること より好ましい。

 また、図1ではローラ130を吸引孔110aの片 に設置したが、図5に示すように、吸引孔110a を挟むように両側にローラ130、130を設置して もよく、さらに、図6のように、ローラ130を 2窪み部110の中央に置き、該ローラ130の両脇 吸引孔110aを設ける態様にすることも可能で ある。勿論、ローラ130を吸引孔110a側でなく 噴出孔90a側に設ける態様の場合にも、前記 同様にすることが可能である。

 また、ローラ130の駆動は、ローラ毎に電 モータ130aを取付けた構造としたが、これに 代わって、各ローラ130の駆動軸を共通にし、 その駆動軸に電動モータ130aの出力軸に結合 る構造にしてもよい。個々に電動モータ130a 取付けると、回転力伝達分配手段(例えば、 ベルト/プーリ変速機、ギア変速機等)でのエ ルギーの損失を防ぐことができるが、安定 に基板30を搬送するには、搬送駆動力を与 る電動モータ130aの制御を全体として調和す ように行うことが好ましい。

 次に、本発明の第2実施形態を図7~図9に基 づいて詳述する。図7は第2実施形態の平面図 図8は図7のVIII-VIII線における矢視拡大断面 、図9はエアの流れ方向を平面図で示した作 説明図である。なお、図8、図9における矢 は、エアの流れ方向を示す。

 図7及び図8に示すように、搬送装置10Aは 搬送テーブル50を有し、その搬送面50aには、 平面視円形状の複数の内側窪み部190を有する 。ここで、内側窪み部190は、第1実施形態に ける第2窪み部110に相当し、他に制約が無い り同様な機能(例えば、ゴミ発生抑制機能) 有することができ、それぞれに程度の差は っても同様な効果を有する。内側窪み部190 、円錐側面状に縮径するテーパー壁190aと、 のテーパー壁190aに連接して水平面をなす底 面部190bと、この底面部190bの中央に前記ロー 130を取り付ける凹部190cとが設けられている 。凹部190cは搬送面50aから底面部190bまでの深 よりも深い深さ寸法となっている。この凹 190cに、円盤状のローラ130がその大半を収容 される状態で設けられ、一部が搬送面50aから 上方に突出しており、後述する電動モータ130 aを組み込んだ駆動手段を介して回転駆動す 。これにより、基板30は隣り合うローラ130ど うしにより、搬送面50aから空隙150を介して支 持され、ローラ130の回転駆動により基板30をX 方向へ搬送する。また、内側窪み部190には、 前記テーパー壁190aと、底面部190bとの境界を す円周上に接する底面部190bの周囲に設けら れた環状に配置された複数の吸引孔190fと、 部190cの底面に設けられた凹部吸引孔190gとか らなる内側吸引部を備えている。

 内側窪み部190の搬送面50aに沿ったそれぞ の外方に前記基板下面に向けて気体を噴出 る環状の噴出溝200が内側窪み部190とほぼ同 円状に設けられている。そして、この噴出 200は、その底部に、環状に配置された複数 噴出孔200aを有している。

 噴出溝200及び前記内側窪み部190が存しな 搬送面50aと、前記基板下面との間に形成さ た空隙150は、噴出溝200から噴出された気体 流入域をなし、噴出溝200から噴出したエア 、空隙150に流入して基板を浮上させた後、 記内側吸引部190dに吸引されることにより、 基板30を搬送面50aから離隔させながら該搬送 50aに吸引保持した状態で搬送する。

 環状に配置された噴出孔200aは、エア供給 配管200bに連通され、外部に設けた図示しな 圧縮エアポンプからエアが供給される。ま 、環状に配置された吸引孔190f及び凹部吸引 190gにはエア排出配管190hに連通され、図示 ない吸引エアポンプでエアが排出される。 して、環状に配置された各噴出孔200aから噴 されるエア、及び環状に配置された各吸引 190f及び凹部吸引孔190gから吸引されるエア 、それぞれ均一なエア圧力となるようにな ている。

 ローラ130の駆動機構は、搬送テーブル50 各側縁に設けた電動モータ130aと、該電動モ タ130aの駆動力を伝達するために搬送方向(X 向)に沿って設けた駆動シャフト130bと、駆 シャフト130bにベベルギア130cを介して連結さ れ、搬送方向に直交する方向(Y方向)に伸びる ローラシャフト130dとで構成される。各ロー シャフト130dには、3個のローラ130が一体回転 可能に結合され、電動モータ130aの駆動によ 、各ローラ130が回転駆動する。

 また、搬送テーブル50の両側縁には、図8 示すように、水平面内で回転するガイドロ ラ170が設けられ、基板30の側端面に接触す ことで、基板30の搬送方向が横ズレしないよ うにしている。なお、該ガイドローラ170は、 Y方向に位置調整ができるようになっており 基板30の横幅寸法に応じて位置を調整する。

 本第2実施形態においては、前記第1実施 態の場合と同様に、ローラ130を回転駆動す 電動モータ130aの回転数、環状に配置された 出孔200aからのエア噴出量及び環状に配置さ れた吸引孔190f及び凹部吸引孔190gへのエア吸 量の調整や、各エアポンプの運転調整、ガ ドローラ170の位置調整等は、コントローラ1 30cにより自動制御されるようになっている。

 このようにして、基板30を浮上させるエ が、環状に配置された噴出孔200aから噴出さ た後、搬送面50aと基板下面との間に形成さ る空隙150を流動して、環状に配置された吸 孔190f及び凹部吸引孔190gに吸引されること より、基板30が搬送面50aから離隔した状態で 、吸引保持されて搬送されるようになってい る。

 本第2実施形態の作用を説明する。搬送面 50aに形成した内側窪み部190の凹部190cに基板30 を搬送するローラ130を収納し、また、内側窪 み部190を取り囲むように、外側から内側へ順 に環状に配置された噴出孔200aと環状に配置 れた吸引孔190fと凹部吸引孔190gとを設けるこ とにより、環状に配置された噴出孔200aから 出したエアは、搬送テーブル50の搬送面50aと 基板30との間に形成される空隙150を介して流 し、環状に配置された吸引孔190fと凹部吸引 孔190gへ吸引される。その結果、作動原理が ルヌーイの定理である、いわゆるベルヌー チャックに似た構造により、基板30が搬送面 50aに対して非接触状態で引き付けておくこと ができる。

 すなわち、環状に配置された噴出孔200aか ら噴出したエアは、空隙150を流れるとき、狭 い空隙を流れるエアの流速は高い。一方、基 板30の上面側は大気圧開放の圧力であり、表 を流れるエアの流速は低い。ベルヌーイの 理を考えれば、空隙150内の静圧は基板30の 面側より低くなり、基板30を搬送面50aに押す 力(搬送面50a側からみれば、引き付ける力)が 用する。これにより、該空隙150の流通断面 はさらに狭くなろうとするので、上述した うに空隙150のエア流通抵抗が高まり、環状 配置された噴出孔200aから噴出するエアは、 全体の流量を考えれば、空隙150へ流れにくく なる。そのため、環状に配置された噴出孔200 a近傍の気体圧が高くなり、基板30に上方へ浮 上させる力が作用する。また、空隙150を通過 したエアは、図9に示す矢印のように、環状 配置された吸引孔190f及び凹部吸引孔190g(図8 照)へ集中して流れ込むように吸引されるの で、エアの流れが円滑になり、基板30は、表 部50に非接触で、安定した離隔状態で釣り う。

 したがって、本第2実施形態によれば、基 板30はローラ130に引き付けられて接触するが ローラ130と基板下面との間の摩擦力が強め れる。その結果、基板30が浮上する高さは 外環状に配置された噴出孔200aから噴出され エア圧と、空隙150を流動する流速と、環状 配置された吸引孔190f及び凹部吸引孔190gに るエアの吸引圧と、基板30の重さとのバラン スで決まるので、基板30の重量に応じて外環 に配置された噴出孔200aから噴出するエア量 と、環状に配置された吸引孔190f及び凹部吸 孔190gに吸引される吸引エア量を調整するこ で、基板が浮上する高さと、ローラ130に対 る摩擦力とを調整することができる。この 果、基板30は、効率的で安定したエア浮上 を得ることができ、適当な搬送面50aとの離 距離が得られ、ローラ130の回転駆動により 板30を安定して搬送できる。

 また、基板30は、空隙150を流動するエア 速に起因する引き付け力と、基板30の重量と によりローラ130を押し、逆にローラ130によっ て搬送面50aから一定の離隔高さで支持される 。ローラ130の高さを最適な位置に調整するこ とで、適度な摩擦力を得ることができ、ロー ラ130の回転駆動時における搬送力を最適にコ ントロールできる。その結果、基板の搬送を 安定して行うことができる。

 また、内側窪み部190の底部に、環状に配 された吸引孔190fとは別の凹部吸引孔190gを けたので、環状に配置された吸引孔190fだけ なく、凹部吸引孔190gからもエアを吸引する ので、エアの吸引力が増し、その結果、基板 30の搬送面50a側への引き込み力(吸引力)が増 し、基板30により安定した浮上力を付与でき る。

また、外環状に配置された噴出孔200aから 出されるエア量、及び環状に配置された吸 孔190fと凹部吸引孔190gに吸引されるエア量を 調整することで、基板30は、エアの流速に起 する引き付け力と、基板30の重量とにより ーラ130を押し、逆にローラ130によって搬送 50aから一定の離隔高さで支持される。この うに、エア量をコントロールすることで、 度な摩擦力を得ることができ、ローラの回 駆動時における搬送力を最適にコントロー できる。その結果、基板の搬送を安定して うことができる。

 また、ローラ130と基板30との接触により じた塵埃は環状に配置された吸引孔190f及び 部吸引孔190gから外部へ排出することができ 、クリーンな処理環境を得ることができる。 また、基板30はエアにより浮上力を受けて搬 されるため、基板30への振動伝達は抑制さ た状態となり、基板の処理精度を高めるこ ができる。

 以上、第2実施形態を説明したが、前記第 2実施形態では、各内側窪み部190を規則的に 列して設けたが、規則的な配列でなくても い。また、各内側窪み部190にローラ130を設 たが、ローラ130を内側窪み部190に部分的に けてもよい。また、各内側窪み部190の平面 における形状を円形としたが、楕円形、矩 、あるいはそれら以外の形状であってもよ 。

 また、前記第1実施形態及び前記第2実施 態におけるローラ130の材質を、多孔質体で 成するとともに、内部から負圧を作用させ 外部へ塵埃が出ない構造にしてもよい。ま 、ローラ130は、搬送方向に直角なY方向に一 に波打つような規則的な高さに設定しても い。このとき、波の山は気体を噴出する第1 窪み部上近傍に、波の谷は気体を吸引する第 2窪み部上近傍に配置することが好ましい。 のように、基板30自体を湾曲させるか、ある いは波を打たせるように変形させて、搬送方 向における曲げに対する剛性を高めておくこ とで、搬送方向に基板30が垂れ下がらないよ になり、前後のローラ130、130間を移動する 板30がローラ130に干渉することなく、スム ズに乗り移っていくようにすることができ 。これにより、円滑な搬送が可能となる。

本発明の第1実施形態における搬送テー ブルを示す平面図である。 図1のII-II線における矢視拡大断面図で る。 図1のIII-III線における矢視拡大断面図 ある。 エアの流れ方向を平面図で示した作用 明図である。 第1実施形態の変形例を示す平面図であ る。 第1実施形態の別の変形例を示す平面図 である。 本発明の第2実施形態における平面図で ある。 図7のVIII-VIII線における矢視拡大断面図 である。 第2実施形態のエアの流れ方向を平面図 で示した作用説明図である。

符号の説明

 10   搬送装置
 30   基板(被搬送物)
 50   搬送テーブル
 50a  搬送面
 90   第1窪み部
 90a、200a 噴出孔(噴出手段)
 110  第2窪み部
 110a、190f 吸引孔(吸引手段)
 130  ローラ(駆動手段)
 130a 電動モータ
 130b 駆動シャフト
 130c ベベルギア
 130d ローラシャフト
 150  空隙
 170  ガイドローラ
 190  内側窪み部
 190a テーパー壁
 190b 底面部
 190c 凹部
 190g 凹部吸引孔(吸引手段)
 190h エア排出配管
 200b エア供給配管