Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
ULTRAVIOLET-CURABLE COMPOSITION FOR OPTICAL DISK AND OPTICAL DISK USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099666
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an ultraviolet-curable composition used for a light-transmitting layer of an optical disk, which contains a urethane (meth)acrylate having an isocyanate skeleton, and at least one of a monofunctional (meth)acrylate and a bifunctional (meth)acrylate. The total amount of the urethane (meth)acrylate, the monofunctional (meth)acrylate and the bifunctional (meth)acrylate contained in this ultraviolet-curable composition is not less than 90% by mass of the ultraviolet-curable composition. This ultraviolet-curable composition enables to realize an optical disk which is excellent in adhesion between layers and suppressed in decrease of light reflectance, while having excellent durability even under high temperature high humidity conditions.

Inventors:
ITO DAISUKE (JP)
YAMAGUCHI JUNJI (JP)
TOKUDA HIROYUKI (JP)
KOBAYASHI NOBUO (JP)
ATSUMI MASATAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051255
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
January 29, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
DAINIPPON INK & CHEMICALS (JP)
ITO DAISUKE (JP)
YAMAGUCHI JUNJI (JP)
TOKUDA HIROYUKI (JP)
KOBAYASHI NOBUO (JP)
ATSUMI MASATAKA (JP)
International Classes:
C08F290/06; C08G18/79; C08L33/14; G11B7/24; G11B7/24056; G11B7/254; G11B7/257
Foreign References:
JPH0559139A1993-03-09
JPH1112495A1999-01-19
JP2003263780A2003-09-19
JP2002069139A2002-03-08
JPH1112495A1999-01-19
JPH11302309A1999-11-02
JP2002069139A2002-03-08
US5904795A1999-05-18
Other References:
See also references of EP 2112660A4
Attorney, Agent or Firm:
KONO, Michihiro (7-20 Nihonbashi 3-chome, Chuo-k, Tokyo 33, JP)
Download PDF:
Claims:
基板上に、少なくとも光反射層と、光透過層とが積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクの光透過層に使用する紫外線硬化型組成物であって、
 式(1)
(式(1)中、Xは脂肪族ジイソシアネート化合物の三量体のイソシアナート基を除く残基又は脂環族ジイソシアネート化合物の三量体のイソシアナート基を除く残基であり、R 1 は炭素原子数2~12のアルキレン基であり、R 2 は炭素原子数2~16のアルキレン基であり、R 3 は水素原子またはメチル基であり、nは1~10の整数である。)で表されるウレタン(メタ)アクリレートを含有し、更に単官能(メタ)アクリレート及び二官能(メタ)アクリレートの少なくとも一種とを含有し、
 前記紫外線硬化型組成物における前記ウレタン(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリレート及び二官能(メタ)アクリレートの含有量の和が、紫外線硬化性組成物中の90質量%以上であることを特徴とする光透過層用紫外線硬化型組成物。
前記式(1)中のXが、下記式(2)
(式(2)中R 4 、R 5 及びR 6 は、各々独立して炭素数2~16の分岐を有していてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す。)
又は下記式(3)
(式(3)中R 7 、R 8 及びR 9 は、各々独立して炭素数2~16の分岐を有していてもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す。)
で表される三価の基である請求項1に記載の光透過層用紫外線硬化型組成物。
前記単官能(メタ)アクリレートを紫外線硬化性化合物中の5~20質量%含有し、前記二官能(メタ)アクリレートを紫外線硬化性化合物中の10~35質量%含有する請求項1又は2に記載の光透過層用紫外線硬化型組成物。
前記紫外線硬化型組成物の25℃における粘度が1000~3000(mPa・s)である請求項1~3のいずれかに記載の光透過層用紫外線硬化型組成物。
前記紫外線硬化型組成物の硬化被膜の25℃における弾性率が150~1500(MPa)である請求項1~4のいずれかに記載の光透過層用紫外線硬化型組成物。
前記単官能(メタ)アクリレートが、フェノキシエチル系アクリレート又はテトラヒドロフルフリル系アクリレートである請求項1~6のいずれかに記載の光透過層用紫外線硬化型組成物。
基板上に、少なくとも光反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化物からなる光透過層とが積層され、前記光透過層側からブルーレーザーを入射して情報の再生を行う光ディスクであって、
前記紫外線硬化型組成物が、請求項1~6のいずれかに記載の光透過層用紫外線硬化型組成物であることを特徴とする光ディスク。
前記光透過層の総厚さが50~150μmの範囲にある請求項7に記載の光ディスク。
Description:
光透過層用紫外線硬化型組成物 よび光ディスク

 本発明は、少なくとも光反射層と光透過 とが形成され、前記光透過層を通して370nm~4 30nmの範囲内に発振波長を有するブルーレー ーにより記録又は再生を行う光ディスクの 透過層に使用する紫外線硬化型組成物及び 紫外線硬化型組成物を光透過層として使用 た光ディスクに関する。

 近年、情報技術や情報網の発展により大 量の情報記録の伝達が頻繁に行われるよう 可能になっている。これに伴い、大容量と る映像、音楽、コンピューターデータ等を 録及び再生出来る高密度大容量の光ディス が要求されている。高密度記録媒体として 及しているDVD(Digital Versatile Disc)では、高 度化を達成するため、CD(Compact Disc)に比べ短 波長の650nmのレーザーを用い、光学系も高開 数化している。しかし、HDTV(high definition te levision)に対応した高画質の映像等を記録また は再生する為には更なる高密度化が必要であ るため、DVDの次世代に位置する更なる高密度 記録の方法及びその光ディスクの検討が行わ れており、DVDよりも更に短波長のブルーレー ザーの光学系を用いる新しい光ディスク構造 による高密度記録方式が提案されている。

 この新しい光ディスクはポリカーボネー 等のプラスチックで形成される透明又は不 明の基板にピットや情報記録層等の情報記 部位を形成し、次いで情報記録部位上に約1 00μmの光透過層を積層してなり、該光透過層 通して記録光又は再生光が、あるいはその 方が入射する構造の光ディスクである。こ 光ディスクの光透過層には、生産性の観点 ら、紫外線硬化型組成物を使用することが っぱら研究されている。

 このような、ブルーレーザーにより記録 は再生を行う光ディスク(ブルーレイディス ク、以下BD)においては、光透過層がDVDに用い られる光透過層に比して厚膜であり、またDVD -9構造の中間層として用いられる場合と異な 、表層あるいは表層近傍に光透過層が設け れる。このため、従来DVDに好適に用いられ いる光ディスク用紫外線硬化型組成物をそ まま転用しても、歪みや光反射層の腐食等 よる記録再生の信頼性低下がDVDよりも顕著 生じる場合がある。更に、短波長の光を長 に渡って安定して透過する光透過性や、表 や表層近傍に用いられるため高い硬度を有 る必要があり、また生産性の問題から厚膜 好適に作成できる組成物であることも求め れる。

 光ディスクの反りを小さくできる紫外線 化型組成物として、例えば、水酸基含有(メ タ)アクリレートにラクトン化合物を反応さ て得られるモノマーと、ポリイソシアネー 化合物とを反応させて得られるウレタン(メ )アクリレートを含有する紫外線硬化型組成 物が開示されている(特許文献1参照)。当該紫 外線硬化型組成物は、比較的柔軟性に優れた ウレタン(メタ)アクリレートを使用すること より低硬化収縮率かつ低粘度の保護コート として有用な紫外線硬化型組成物である。 かし、当該組成物はBD用の光透過層とする は粘度が低いため、厚膜の形成が困難であ た。また、粘度を向上させるため、ウレタ (メタ)アクリレートの含有量を増加させて光 ディスクの光透過層を形成した場合には、高 温高湿環境下において金属膜の腐食等による 劣化が生じる問題があった。

 また、記録媒体の金属膜の腐食が少ない 脂膜が得られる組成物として、比重が1.10以 上の高比重液状オリゴマーを含有する樹脂組 成物が開示されている(特許文献2参照)。当該 組成物は、透湿性の低いエポキシアクリレー ト、特にビスフェノールA型のエポキシアク レートなどの高比重液状オリゴマーを使用 ることにより金属薄膜の腐食を抑制し、記 媒体の変色を低減する効果を有するが、当 オリゴマーは剛直な骨格を有するものであ ため、記録媒体の表層、特にBD用の光透過層 として使用する場合には、反りを生じ、記録 媒体の信頼性低下を招く場合があった。

 一方、プリズム作用やレンズ作用を有す 光学物品として使用される活性エネルギー 化性組成物として、分子中に(メタ)アクリ イル基を3個有するウレタン(メタ)アクリレ トと、分子中に(メタ)アクリロイル基を3個 する(メタ)アクリレートとを含有する組成物 が開示されている(特許文献3参照)。当該組成 物は、樹脂フィルムと積層した際にカール性 、形状保持特性、透明性、表面硬度等に優れ る硬化被膜を与える組成物であるが、分子中 に(メタ)アクリロイル基を3個有するウレタン (メタ)アクリレートと、分子中に(メタ)アク ロイル基を3個有する(メタ)アクリレートと らなる組成物を光ディスクの光透過層とし 適用すると金属反射膜に対する接着性が低 問題があった。また、(メタ)アクリロイル基 を3個有する(メタ)アクリレートのうち、EO又 PO変性されたものは金属反射膜にたいする 着性は有するものの、親水性の構造を多数 することにより高温高湿環境下での耐久性 問題があった。

特開平11-12495号公報

特開平11-302309号公報

特開2002-69139号公報

 本発明が解決しようとする課題は、高温 湿環境下における耐久性に優れ、光反射膜 の接着性が良好な光透過層を与える紫外線 化型組成物、および高温高湿環境下におい も光反射率の低下が少ない光ディスクを提 することにある。

 本発明においては、特定構造のウレタン( メタ)アクリレートと単官能又は二官能(メタ) アクリレートとを含有する組成物の硬化被膜 を光透過層として適用することにより、高温 高湿環境下での光透過層の変色、金属薄膜の 腐食や酸化による白化を抑制でき、かつ反り の発生を少なくできることを見出し本発明に 至った。

 すなわち本発明は、基板上に、少なくとも 反射層と、光透過層とが積層され、前記光 過層側からブルーレーザーを入射して情報 再生を行う光ディスクの光透過層に使用す 紫外線硬化型組成物であって、
 式(1)

(式(1)中、Xは脂肪族ジイソシアネート化合物 三量体のイソシアナート基を除く残基又は 環族ジイソシアネート化合物の三量体のイ シアナート基を除く残基であり、R 1 は炭素原子数2~12のアルキレン基であり、R 2 は炭素原子数2~16のアルキレン基であり、R 3 は水素原子またはメチル基であり、nは1~10の 数である。)で表される
ウレタン(メタ)アクリレートを含有し、更に 官能(メタ)アクリレート及び二官能(メタ)ア クリレートの少なくとも一種とを含有し、
 前記紫外線硬化型組成物における前記ウレ ン(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリ レート及び二官能(メタ)アクリレートの含有 の和が、紫外線硬化性化合物中の90質量%以 である光透過層用紫外線硬化型組成物を提 することにある。

 また、本発明は、基板上に、少なくとも 反射層と、紫外線硬化型組成物の硬化物か なる光透過層とが積層され、前記光透過層 からブルーレーザーを入射して情報の再生 行う光ディスクであって、前記紫外線硬化 組成物が、上記光透過層用紫外線硬化型組 物である光ディスクを提供することにある

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 、高温高湿環境下においても黄変や反射率 低下が生じにくい、優れた耐久性を有する 化被膜を形成することができる。また、特 悪化の原因となる反りの発生も少ない。こ ような耐久性に優れた硬化被膜を光透過層 して有する光ディスクは、高温高湿環境下 おいても、変色や反りによる光反射率の低 が生じにくく、信号特性の劣化が少ないた 、短波長ブルーレーザーによる情報の記録 再生が良好である。

[ウレタン(メタ)アクリレート]
 本発明に使用する分子中に(メタ)アクリロ ル基を3個有するウレタン(メタ)アクリレー は、式(1)で表される構造を有する。

(式(1)中、Xは脂肪族ジイソシアネート化合物 三量体のイソシアナート基を除く残基又は 環族ジイソシアネート化合物の三量体のイ シアナート基を除く残基であり、R 1 は炭素原子数2~12のアルキレン基であり、R 2 は炭素原子数2~16のアルキレン基であり、R 3 は水素原子またはメチル基であり、nは1~10の 数である。)

 当該ウレタン(メタ)アクリレートは、架橋 となる3つの(メタ)アクリロイル基を有し、 叉状に各架橋点間の距離を一定の範囲に保 できるため、形状保持に優れ、透湿性の低 硬化被膜を形成できる。また、脂肪族又は 環族ジイソシアネート化合物由来の骨格を することにより、光ディスクを構成する各 、特に金属薄膜からなる光反射層と好適な 着性を確保でき、また高温高湿環境下でも 色を生じない硬化被膜を形成できる。
 式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレー は、例えば、イソシアネート基を3個以上有 る化合物と分子中に水酸基を有する(メタ) クリレート化合物とを反応させて得られる 合物が挙げられる。

 式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレ トのなかでも、式(1)中のXが、下記式(2)又は 記式(3)で表される三価の基であるウレタン( メタ)アクリレートは、官能基数が3個である もかかわらず該樹脂の製造が容易であり、 つ、三叉状の構造に芳香環を含まないため 光性に優れる特性を有することから好まし 使用できる。

(式(2)中R 4 、R 5 及びR 6 は、各々独立して炭素数2~16の分岐を有して てもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す )

(式(3)中R 7 、R 8 及びR 9 は、各々独立して炭素数2~16の分岐を有して てもよい鎖状又は環状の炭化水素基を表す )

 なかでも、式(3)で表される基は、特に低 性率であり接着力や耐久性に優れた硬化被 を形成できるため好ましい。

 また、上記式(2)及び(3)中のRは優れた耐光 性のため、炭素数4~10の鎖状の炭化水素基又 下記式(4)で表される環状の炭化水素基が好 しく、炭素数4~8の鎖状の炭化水素基がより ましい。

 また、反りを発生しにくくするため、式(1) のR 1 は炭素原子数3~7のアルキレン基が好ましく、 炭素原子数5の直鎖状のアルキレン基がより ましくい。また同様にR 2 としては、炭素原子数2~5のアルキレン基が好 ましく、炭素原子数2の直鎖状のアルキレン がより好ましい。さらにnとしては、1~5が好 しく、2~4がより好ましい。

[単官能又は二官能(メタ)アクリレート]
 本発明においては、式(1)で表されるウレタ (メタ)アクリレートと併用して、単官能や 官能の(メタ)アクリレートを併用することで 、高温高湿環境下においても黄変や反射率の 低下が生じにくい、優れた耐久性を有する硬 化被膜を形成することができる。また、特性 悪化の原因となる反りの発生も少ない。

 本発明に使用する単官能(メタ)アクリレ トとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレ ート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチル キシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)ア リレート、トリデシル(メタ)アクリレート ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデ シル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ) クリレート、イソデシル(メタ)アクリレート 、イソステアリル(メタ)アクリレート、シク ヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ )アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ) クリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル (メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ) クリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレ ート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリ ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アク レート、グリシジル(メタ)アクリレート、2- ドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アク レート、ノニルフェノキシエチルテトラヒ ロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラ クトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)ア リレート等が挙げられる。

 なかでも、フェノキシエチル(メタ)アク レート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アク リレート、エチルカルビトール(メタ)アクリ ート、イソボルニルアクリレートが希釈効 の観点から好ましい。

 本発明に使用する二官能(メタ)アクリレ トとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ( メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジ ールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジ ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチル リコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8 -オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2- チルー2-エチルー1,3-プロパンジオールジ(メ タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メ )アクリレート、ジエチレングリコールジ( タ)アクリレート、ジプロピレングリコール (メタ)アクリレート、トリプロピレングリ ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン グリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオ シアルキルエーテル(メタ)ポリアクリレー 類、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグ コールジ(メタ)アクリレート;ノルボルナン メタノールジアクリレート、ノルボルナン エタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボル ナンジメタノールにエチレンオキサイド又は プロピレンオキサイド2モル付加して得たジ ールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデ カンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ト シクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリ ート、トリシクロデカンジメタノールにエ レンオキサイド又はプロピレンオキサイド2 ル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリ ート、ペンタシクロペンタデカンジメタノ ルジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペン タデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート ペンタシクロペンタデカンジメタノールに チレンオキサイド又はプロピレンオキサイ 2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アク レート、ペンタシクロペンタデカンジエタ ールにエチレンオキサイド又はプロピレン キサイド2モル付加して得たジオールのジ( タ)アクリレート等の脂環構造を有するモノ ー類等を挙げることができる。

 なかでも、トリシクロデカンジメタノー ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ ールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレン グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサ ンジオールジ(メタ)アクリレートが耐久性、 変色性に優れるため好ましい。

 また、二官能(メタ)アクリレートとして 、二官能のエポキシ(メタ)アクリレートなど のオリゴマーを使用してもよい。

[光透過層用紫外線硬化型組成物]
 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物は 式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレー と、単官能(メタ)アクリレート及び二官能( タ)アクリレートの少なくとも一種とを含有 、式(1)で表されるウレタン(メタ)アクリレ ト、並びに、単官能(メタ)アクリレート及び 二官能(メタ)アクリレートの含有量の和が、 外線硬化型組成物に含まれる紫外線硬化性 合物中の90質量%以上含有することにより、 温高湿環境下においても黄変や反射率の低 が生じにくい、優れた耐久性を有する硬化 膜を形成することができる。また、特性悪 の原因となる反りの発生も少ない。

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は 含有する紫外線硬化性化合物中の40~80質量% あることが好ましく、50~70質量%であること 特に好ましい。ウレタン(メタ)アクリレート を当該含有量とすることにより、優れた形状 保持性や接着性を有し、かつ高温高湿環境下 で光反射膜の劣化の少ない硬化被膜を好適に 形成できる。

 また、単官能(メタ)アクリレートと二官 (メタ)アクリレートとを併用することで接着 性や耐久性、さらには反りの低減等の特性を 好適に制御できる。単官能(メタ)アクリレー と二官能(メタ)アクリレートとを併用する 合には、紫外線硬化型組成物に含まれる紫 線硬化性化合物中の単官能(メタ)アクリレー トの含有量が5~30質量%であることが好ましく 5~20質量%であることが好ましい。また、二 能(メタ)アクリレートの含有量は10~50質量%で あることが好ましく、10~35質量%であることが 好ましい。単官能及び二官能(メタ)アクリレ トの含有量を上記範囲とすることで、粘度 硬化被膜の弾性率を好適に調整でき、収縮 反りが少なく、かつ優れた接着性の硬化被 を実現できる。

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 には、式(1)で表されるウレタン(メタ)アク レートおよび上記単官能、二官能(メタ)アク リレートの以外に、公知の光重合開始剤、及 び熱重合開始剤等を用いる事が出来る。

 本発明に使用できる光重合開始剤として 、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル 2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピ チオキサントン、ベンジル、1-ヒドロキシ クロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン チルエーテル、ベンジルジメチルケタール 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1- オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキ シ-2-メチルプロパン-1-オン及び2-メチル-1-(4- チルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン -1-オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、 4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェ ン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルス フィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤 がある。

 本発明に使用できる添加剤としては、界 活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、ヒ ダードフェノール、ホスファイト等の酸化 止剤、ヒンダードアミン等の光安定剤を使 することもできる。また、増感剤として、 えば、トリメチルアミン、メチルジメタノ ルアミン、トリエタノールアミン、p-ジメ ルアミノアセトフェノン、p-ジメチルアミノ 安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸 ソアミル、N,N-ジメチルベンジルアミン及び 4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等 が使用でき、更に、前記の光重合性化合物と 付加反応を起こさないアミン類を併用するこ ともできる。

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 必要に応じて、上記の(メタ)アクリレート 外に他の紫外線硬化性化合物を使用しても い。他の(メタ)アクリレートとしては、トリ メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ ト、ビス(2-アクリロイルオキシエチル)ヒド キシエチルイソシアヌレート、ビス(2-アク ロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピル イソシアヌレート、ビス(2-アクリロイルオキ シブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレー 、ビス(2-メタクリロイルオキシエチル)ヒド キシエチルイソシアヌレート、ビス(2-メタ リロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピ ルイソシアヌレート、ビス(2-メタクリロイル オキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌ ート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル) ソシアヌレート、トリス(2-アクリロイルオ シプロピル)イソシアヌレート、トリス(2-ア クリロイルオキシブチル)イソシアヌレート トリス(2-メタクリロイルオキシエチル)イソ アヌレート、トリス(2-メタクリロイルオキ プロピル)イソシアヌレート、トリス(2-メタ クリロイルオキシブチル)イソシアヌレート のイソシアヌレート構造を有するモノマー 、;ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)ア リレート、エチレンオキサイド変性リン酸( タ)アクリレート、エチレンオキサイド変性 アルキル化リン酸(メタ)アクリレート、ジエ ルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-ビニ ルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビ ルエーテルモノマー等を挙げることができ 。

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 粘度は、25℃において、1000~3000(mPa・s)であ ことが好ましく、1200~2500(mPa・s)であること より好ましい。粘度を当該範囲とすること 厚膜形成が容易になる。

 本発明の光透過層用紫外線硬化型組成物 硬化被膜の弾性率は、25℃において150~1500(MP a)であることが好ましく、150~1000(MPa)であるこ とがより好ましい。硬化被膜の弾性率が当該 範囲であると硬化時の歪みが緩和され易く、 高温高湿環境下に長時間曝されても接着力の 低下が少なく、反りが少ない光ディスクを得 ることができる。

[光ディスク]
 本発明の光ディスクは、基板上に、少なく も光反射層と光透過層とが形成され、前記 透過層を通してレーザー光により記録又は 生を行う光ディスクであって、前記光透過 が、上記の光透過層用紫外線硬化型組成物 硬化物からなるものである。本発明の光デ スクは、光透過層として、上記した光透過 用紫外線硬化型組成物を使用することによ 、高温高湿下でも接着力の低下が生じにく 、銀又は銀合金を反射膜として使用した場 であっても、優れた耐久性や耐光性を得る とができるため、良好に情報の記録・再生 行うことができる。

 本発明の光ディスクにおける光透過層は レーザー光の発振波長が370~430nmであるブル レーザーを効率良く透過することが好まし 、100μmの厚さにおいて405nmの光の透過率が85 %以上であることが好ましく、90%以上である とが特に好ましい。

 光透過層の厚みは総厚さが50~150μmの範囲 あり、75~150μmであることが特に好ましい。 透過層の厚みは、単層の場合、約100μmに設 されるが、厚みは光透過率や信号の読み取 及び記録に大きく影響を及ぼすため、十分 管理が必要である。光透過層は、当該厚さ 硬化層単層で形成されていても、複数層が 層されていてもよい。複数層の場合には各 透過層の厚さの和が上記厚さの範囲である とが好ましい。

 光反射層としては、レーザー光を反射し 記録・再生が可能な光ディスクを形成でき ものであればよく、例えば、金、銅、アル ニウムなどの金属又はその合金、シリコン どの無機化合物を使用できる。なかでも、4 00nm近傍の光の反射率が高いことから銀又は を主成分とする合金を使用することが好ま い。光反射層の厚さは、10~60nm程度の厚さと ることが好ましい。

 基板としては、ディスク形状の円形樹脂 板を使用でき、当該樹脂としてはポリカー ネートを好ましく使用できる。光ディスク 再生専用の場合には、基板上に情報記録を うピットが光反射層と積層される表面に形 される。

 また、書込可能な光ディスクの場合には 光反射層と光透過層との間に情報記録層が けられる。情報記録層としては、情報の記 ・再生が可能であればよく、相変化型記録 、光磁気記録層、あるいは有機色素型記録 のいずれであってもよい。

 情報記録層が相変化型記録層である場合 は、当該情報記録層は通常、誘電体層と相 化膜から構成される。誘電体層は、相変化 に発生する熱を緩衝する機能、ディスクの 射率を調整する機能を求められ、ZnSとSiO2の 混合組成が用いられる。相変化膜は、膜の相 変化により非晶状態と結晶状態で反射率差を 生じるものであり、Ge-Sb-Te系、Sb-Te系、Ag-In-Sb -Te系合金を用いることができる。

 本願発明の光ディスクは、情報記録部位 二つ以上形成されていても良い。例えば、 生専用光ディスクの場合には、ピットを有 る基板上に、第一の光反射層、第一の光透 層が積層され、当該第一の光透過層上又は の層を積層し、当該層上に第二の光反射層 第二の光透過層を形成してもよい。この場 には第一の光透過層やこれに積層する他の 上にピットが形成される。また、記録・再 可能な光ディスクの場合は、基板上に、情 記録層、光反射層及び光透過層が積層され 構成を有するものであるが、当該光透過層 に更に、第二の光反射層、第二の情報記録 、第二の光透過層を形成して二層の情報記 層を有する構成、あるいは、同様に層を積 して三層以上の情報記録層を有する構成と てもよい。複数層を積層する場合には、各 の層厚さの和が上記の厚さになるように適 調整すればよい。

 また、本発明の光ディスクにおいては、 透過層が最表面の層であってもよいが、更 その表層に表面コート層を設けてもよい。

 本発明の光ディスクには、再生専用のデ スクと、記録・再生可能なディスクがある 再生専用のディスクは、1枚の円形樹脂基板 を射出成形する際に、情報記録層であるピッ トを設け、次いで該情報記録層上に光反射層 を形成し、更に、該光反射層上に光透過層用 紫外線硬化型組成物をスピンコート法等によ り塗布した後、紫外線照射により硬化させて 光透過層を形成することにより製造すること ができる。また、記録・再生可能なディスク は、1枚の円形樹脂基板上に光反射層を形成 、次いで相変化膜、又は光磁気記録膜等の 報記録層を設け、更に、該光反射層上に光 過層用紫外線硬化型組成物をスピンコート 等により塗布した後、紫外線照射により硬 させて光透過層を形成することにより製造 ることができる。

 光反射層上に塗布した光透過層用紫外線 化型組成物を紫外線照射することにより硬 させる場合、例えばメタルハライドランプ 高圧水銀灯などを用いた連続光照射方式で うこともできるし、USP5904795記載の閃光照射 方式で行うこともできる。効率よく硬化出来 る点で閃光照射方式がより好ましい。

 紫外線を照射する場合、積算光量は0.05~1J/cm 2 となるようにコントロールするのが好ましい 。積算光量は0.05~0.8J/cm 2 であることがより好ましく、0.05~0.6J/cm 2 であることが特に好ましい。本発明の光ディ スクに使用する光透過層用紫外線硬化型組成 物は、積算光量が少量であっても、十分に硬 化し、光ディスク端面や表面のタックが発生 せず、更に光ディスクの反りや歪みが発生し ない。

 本発明の光ディスクは、温度80℃、湿度85% 環境下で24時間暴露した後の光透過層と光反 射層との間の接着力が、3kgf/cm 2 以上であることが好ましく、5kgf/cm 2 以上であると更に好ましい。両層の接着力が 当該接着力以上であると、長期に高温高湿環 境下にさらされた場合にも界面での剥離が生 じず好適に記録再生が可能である。

 また、本発明の光ディスクを温度80℃、 度85%の環境下で240時間暴露した際の前後に いて、光透過層側から測定する405nmの光の正 反射率の変化が2%以内であることが好ましく 1%以内であることがより好ましい。暴露前 の正反射率変化が上記範囲内であると、長 に高温高湿環境下にさらされた場合にも光 ィスクの記録再生を良好に行うことができ 。さらに、蛍光灯暴露時の光反射率の変化 2%以内、色差の変化率が3%以内であることが ましい。

[実施態様]
 以下、本発明の光ディスクの具体例として 単層型光ディスク及び二層型光ディスクの 体的構成の一例を以下に示す。

 本発明の光ディスクのうち、単層型光デ スクの好ましい実施態様としては、例えば 図1に示したように、基板1上に、光反射層2 、光透過層3とが積層され、光透過層側から ブルーレーザーを入射して情報の記録又は再 生を行う構成が例示できる。図中の凹凸は、 記録トラック(グルーブ)を模式的に表したも である。光透過層3は、本発明の紫外線硬化 型組成物の硬化物からなる層であり、その厚 さは100±10μmの範囲である。基板1の厚さは1.1m m程度、光反射膜は銀等の薄膜である。

 図2は図1に示した構成の最表層にハード ート層4を設けた構成である。ハードコート は、高硬度で、耐摩耗性に優れる層である とが好ましい。ハードコート層の厚さは、1 ~10μmであることが好ましく、3~5μmであること がより好ましい

 単層型光ディスクの好ましい実施態様と ては、例えば、図1に示したように、基板1 に、光反射層2と、光透過層3とが積層され、 光透過層側からブルーレーザーを入射して情 報の記録又は再生を行う構成が例示できる。 図中の凹凸は、記録トラック(グルーブ)を模 的に表したものである。光透過層3は、本発 明の紫外線硬化型組成物の硬化物からなる層 であり、その厚さは100±10μmの範囲である。 板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等の薄 である。

 多層型光ディスクの好ましい実施態様と ては、例えば、図3に示したように、基板1 に、光反射層5と、光透過層6とが積層され、 さらにその上に、光反射層2と、光透過層3と 積層され、光透過層3側からブルーレーザー を入射して情報の記録又は再生を行う二層型 光ディスクの構成が例示できる。光透過層3 び光透過層6は、紫外線硬化型組成物の硬化 からなる層であり、少なくともいずれかの が本発明の紫外線硬化型組成物からなる層 ある。層の厚さとしては、光透過層3の厚さ と光透過層6の厚さの和が100±10μmの範囲であ 。基板1の厚さは1.1mm程度、光反射膜は銀等 薄膜である。

 当該構成の二層型光ディスクにおいては 記録トラック(グルーブ)が、光透過層6の表 にも形成されるため、光透過層6は、接着性 に優れる紫外線硬化型組成物の硬化膜からな る層の上に、記録トラックを好適に形成でき る紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる層を 積層した複層で形成されていてもよい。また 当該構成においても最表層にハードコート層 が設けられていてもよい。

 図1に示す光ディスクの製造方法を以下に説 明する。
 まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形す ことによって、記録トラック(グルーブ)と ばれるレーザー光をトラッキングするため 案内溝を有する基板1を作製する。次に基板1 の記録トラック側の表面に、銀合金などをス パッタまたは蒸着することにより光反射層2 成膜する。この上に本発明の紫外線硬化型 成物を塗布し、ディスクの片面または両面 ら紫外線を照射して、紫外線硬化型組成物 硬化させ、光透過層3を形成し、図1の光ディ スクを作製する。図2の光ディスクの場合に 、この上に更にスピンコート等によりハー コート層4を形成する。

 図3に示す光ディスクの製造方法を以下に説 明する。
 まず、ポリカーボネート樹脂を射出成形に ることによって、記録トラック(グルーブ) 呼ばれるレーザー光をトラッキングするた の案内溝を有する基板1を作製する。次に、 板1の記録トラック側の表面に、銀合金など をスパッタまたは蒸着することにより光反射 層6を成膜する。

 この上に、本発明の紫外線硬化型組成物 は任意の紫外線硬化型組成物の光透過層5を 形成するが、その際に型を用いて表面に記録 トラック(グルーブ)を転写する。記録トラッ (グルーブ)を転写する工程は次の通りであ 。基板1に形成された光反射層6上に紫外線硬 化型組成物を塗布し、その上に記録トラック (グルーブ)を形成するための型と貼り合わせ この貼り合わせたディスクの片面または両 から紫外線を照射して、紫外線硬化型組成 を硬化させる。その後、型を剥離して、光 過層5の記録トラック(グルーブ)を有する側 表面に、銀合金などをスパッタまたは蒸着 ることにより光反射層2を成膜し、この上に 、紫外線硬化型組成物を塗付した後、紫外線 照射により硬化させ、光透過層3を形成する とで、図3の光ディスクを作製できる。

 次に、合成例及び実施例を挙げて本発明 詳細に説明するが、本発明はこれら実施例 限定されるものではない。以下実施例中の 部」は「質量部」を表す。なお、実施例中 部は「質量部」を意味する。

(合成例1)ウレタンアクリレートUA1
 温度計、攪拌器、及びコンデンサ-を備えた フラスコに、ε-カプロラクトンとヒドロキシ エチルアクリレートの開環反応物(OH価=123KOH-m g/g、一般式(1)中のn=3)727部を仕込み、攪拌し がら60℃に昇温し、ヘキサメチレンジイソシ アネートのイソシアヌレート型ポリイソシア ネート(NCO%=23.8%)273部を発熱に注意しながら1 間かけて添加反応した。反応を10時間行い赤 外吸収スペクトルによりイソシアネート基の 吸収が消滅したことを確認し、目的とするア クリロイル基を3つ有するウレタンアクリレ ト(UA1)を得た。

(合成例2)ウレタンアクリレートUA2
 温度計、攪拌器、及びコンデンサ-を備えた フラスコに、ε-カプロラクトンとヒドロキシ エチルアクリレートの開環反応物(OH価=123KOH-m g/g、一般式(1)中のn=3)727部を仕込み、攪拌し がら60℃に昇温し、ヘキサメチレンジイソシ アネートのビウレット型ポリイソシアネート (NCO%=23.3%)273部を発熱に注意しながら1時間か て添加反応した。反応を10時間行い赤外吸収 スペクトルによりイソシアネート基の吸収が 消滅したことを確認し、目的とするウレタン アクリレート(UA2)を得た。

(合成例3)ウレタンアクリレートUA3
 温度計、攪拌器、及びコンデンサ-を備えた フラスコに、トリレンジイソシアネート238部 を仕込み、攪拌しながら60℃に昇温し、ポリ トラメチレングリコール(OH価=126KOH-mg/g)602部 を発熱に注意しながら4時間かけて添加反応 た。反応を6時間行い、その後ヒドロキシエ ルアクリレートの160部とジブチル錫ジラウ ートの0.2部を添加し、更に10時間反応を行 た。赤外吸収スペクトルによりイソシアネ ト基の吸収が消滅したことを確認し、目的 するウレタンアクリレート(UA3)を得た。

(合成例4)エポキシアクリレートEA1
 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ 量=483g/eq)870部とアクリル酸127部、トリフェ ルホスフィン3部を120℃で5時間反応させ目的 とするエポキシアクリレート(EA1)を得た。

 下記表1に示した組成により配合した各組 成物を60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1~5 及び比較例1~4の各実施例及び比較例の紫外線 硬化型組成物を調製した。得られた組成物に ついて、下記の評価を行った。

<粘度の測定方法>
 紫外線硬化型組成物について、25℃におけ 粘度をB型粘度計((株)東京計器製、BM型)を用 て測定した。

<弾性率の測定方法>
 紫外線硬化型組成物を、ガラス板上に硬化 膜が100±10μmになるように塗布した後、メタ ルハライドランプ(コールドミラー付き、ラ プ出力120W/cm)を用いて窒素雰囲気中で500mJ/cm 2 で硬化させた。この硬化塗膜の弾性率をティ ー・エイ・インストルメント(株)社の自動動 粘弾性測定装置で測定し、25℃における動 弾性率E’を弾性率とした。

<接着力の測定方法>
 直径120mm、厚さ1.2mmの光ディスク基板を準備 し、銀を主成分とするビスマスとの合金を20~ 40nmの膜厚でスパッタした後、該金属反射膜 に、表1の各紫外線硬化型組成物をスピンコ ターで膜厚が硬化後に100±10μmになるように 塗布し、コールドミラー付きメタルハライド ランプ120W/cmを用いて照射量500mJ/cm 2 (アイグラフィックス社製光量計UVPF-36)の紫外 線を2回照射、硬化して接着力測定用サンプ を得た。各サンプルについてエスペック(株) 製「PR-2PK」を使用して、80℃85%RH24時間の高温 高湿環境下での曝露(耐久試験)を行った。試 前後のサンプルについて、サンドペーパー# 1500,#280で塗膜を全体が薄く曇る程度に軽く研 磨し、水、エタノールで研磨粉を拭き取り、 住友スリーエム(株)製構造用接合テープY-4920 用い10mm各のステンレス治具に取り付けた。 テスター産業製プッシュプルゲージ(500Nフル ケール)にて基板に取り付けた治具を引っ張 り、その引っ張り強度を測定し、接着力とし た。

 表1に示すように、UA1及びUA2を使用した本 発明の光透過層用紫外線硬化性組成物を用い ることにより、実施例1~5のように弾性率が低 くなり、柔軟性が高く銀合金反射膜に対し接 着力の高い硬化膜を得ることができる。一方 、UA1及びUA2を使用せずEA1を使用した比較例3 、弾性率が高く柔軟性がなく銀合金反射膜 対し接着力が低い。また、3官能アクリレー を含有する実施例8も硬化時の収縮が大きく なることで銀合金反射膜に対し接着力が低い 。

<光ディスクの耐久性及び反射率の評価、 反射膜の表面観察>
 上記と同様にして得られた光ディスクサン ルについて、エスペック(株)製「PR-2PK」を 用して、80℃85%RH240時間の高温高湿環境下で 曝露(耐久試験)を行った。試験前後のサン ルについて、光透過層の側から、分光光度 「UV-3100」(島津製作所(株)製)で405nmにおける 反射率を測定し、下記基準に基づき評価を った。
 ○:試験前後の反射率の変化が2.0%以内
 ×:試験前後の反射率の変化が2.0%を越える

<光ディスクの耐光性(蛍光灯曝露試験)及び 反射率の評価、光透過層の色差の評価>
 上記と同様にして得られた光ディスクサン ルについて蛍光灯下における曝露試験を実 した。20Wの蛍光灯(三菱電気製、ネオルミス ーパーFL20SSW/18(18ワット))2本を蛍光灯の中心 距離が8cmになるように同一平面上に並列さ 、中央の蛍光灯から20cmの位置に光ディスク 光透過層が蛍光灯に対向するように配置し 、蛍光灯の曝露試験を行った。
 240時間の曝露を行い、その前後の各サンプ の反射率を光透過層の側から分光光度計で 定した。また分光測色計(コニカミノルタ( )製、CM-2600d)を用い曝露前後の各サンプルの 差を光透過層の側から測定し、下記基準に づき評価を行った。なお、色差δE * abはC光源2°視野における光ディスクの光透過 層側(銀合金半透明反射膜側)のL * a * b * 表色系における座標L * 、a * 、b * の耐光性試験前後の差であるδL * 、δa * 、δb * よりδE * ab={(δL * ) 2 +(δa * ) 2 +(δb * ) 2 } 1/2 と計算されるものである。δE * ab値が小さければ小さいほどディスクの変色 小さく、ディスクの耐変色性が優れること 示す。
 (反射率)
 ○:試験前後の反射率の変化が2.0%以内
 ×:試験前後の反射率の変化が2.0%を越える
 (色差)
 ○:色差の変化が3.0%以内
 ×:色差の変化が3.0%を越える

 表1中の化合物は以下の通り
 UA1:合成例1で得られたウレタンアクリレー
 UA2:合成例2で得られたウレタンアクリレー
 UA3:合成例3で得られたウレタンアクリレー
 EA1:合成例1で得られたエポキシアクリレー
 TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレ ト
 TCDDA:トリシクロデカンジメタノールジアク レート
 DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレー
 PEA:フェノキシエチルアクリレート
 ECA:エチルカルビトールアクリレート
 THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
 IBXA:イソボルニルアクリレート
 PM-2:エチレンオキシド変性リン酸ジメタク レート(日本化薬(株)製)
 Irg.184:イルガキュア184(チバ・スペシャルテ ・ケミカルズ(株))

 表1に示すように、本発明の組成物を使用 した実施例1~5の光ディスクは、良好な接着力 を示すと共に、反射率の変化が小さく、高温 高湿環境下での耐久試験及び蛍光灯曝露試験 において良好な結果を示した。一方、比較例 1~2の光ディスクは、反射率の変化が大きく、 高温高湿環境下での耐久試験及び蛍光灯曝露 試験において変化量が大きいものであった。 また、比較例3及び4の光ディスクは、光反射 と光透過層との間の接着力が低いものであ た。

本発明の単層型光ディスクの一例を示 図である。 本発明の単層型光ディスクの一例を示 図である。 本発明の二層型光ディスクの一例を示 図である。

符号の説明

 1 基板
 2 光反射層
 3 紫外線硬化型組成物の光透過層
 4 ハードコート層
 5 光反射層
 6 紫外線硬化型組成物の光透過層