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Patent Searching and Data


Title:
V-RIBBED BELT AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175215
Kind Code:
A1
Abstract:
A V-ribbed belt (B) has a plurality of V-ribs (15). Each of the plurality of V-ribs (15) includes a V-rib main body (11a) formed by a rubber composition, and a covering cloth (14) that covers both sides thereof. The V-rib main body (11a) is exposed at the edge of each of the plurality of V-ribs (15) along the belt longitudinal direction.

Inventors:
SHINDO YUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006079
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 17, 2020
Export Citation:
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Assignee:
BANDO CHEMICAL IND (JP)
International Classes:
F16G5/06; F16G5/20
Domestic Patent References:
WO2014147948A12014-09-25
WO2016027392A12016-02-25
WO2009011414A12009-01-22
Foreign References:
JPS5467251U1979-05-12
JPS5972347U1984-05-16
Attorney, Agent or Firm:
MAEDA & PARTNERS (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175215 14 卩(:17 2020 /006079

請求の範囲

[請求項 1 ] 複数の Vリブを有する Vリブドべルトであって、

前記複数の Vリブのそれぞれは、 ゴム組成物で形成された Vリブ本 体と、 前記 Vリブ本体の両側面を被覆する被覆布とを含み、 且つ先端 部にベルト長さ方向に沿って前記 Vリブ本体が露出した Vリブドべル 卜。

[請求項 2] 請求項 1 に記載された Vリブドべルトにおいて、

前記複数の Vリブのそれぞれの先端部に、 前記 Vリブ本体が面とし て露出している Vリブドべルト。

[請求項 3] 請求項 1又は 2に記載された Vリブドべルトにおいて、

前記 Vリブ本体の露出幅が、 前記 Vリブのリブ基端間の幅に対して 3 5 %以上 7 0 %以下である Vリブドべルト。

[請求項 4] 複数の Vリブを有する Vリブドべルトの製造方法であって、

ゴム組成物で形成された Vリブ本体と、 前記 Vリブ本体の全面を被 覆する被覆布とを含む Vリブ前構造を形成し、 前記 Vリブ前構造の先 端部の被覆布を、 ベルト長さ方向に沿って除去することにより、 前記 Vリブ本体の両側面が前記被覆布で被覆され、 且つ先端部にベルト長 さ方向に沿って前記 Vリブ本体が露出した前記 Vリブを形成する Vリ ブドべルトの製造方法。

Description:
\¥0 2020/175215 1 卩(:17 2020 /006079 明 細 書

発明の名称 : Vリブドべルト及びその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、 Vリブドべルト及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002] 被水時における異音の発生を抑制する手段と して、 特許文献 1 には、 Vリ ブの表面に被覆布が設けられた Vリブドべルトが開示されている。 また、 特 許文献 2には、 Vリブの両側面部が多孔ゴムで形成され且つ 端部が中実ゴ ムで形成された Vリブドべルトが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :特開 2 0 1 5 - 4 2 9 0 3号公報

特許文献 2 :特許第 6 0 0 7 3 5 3号公報

発明の概要

[0004] 本発明は、 複数の Vリブを有する Vリブドべルトであって、 前記複数の V リブのそれぞれは、 ゴム組成物で形成された Vリブ本体と、 前記 Vリブ本体 の両側面を被覆する被覆布とを含み、 且つ先端部にベルト長さ方向に沿って 前記 Vリブ本体が露出している。

[0005] 本発明は、 複数の Vリブを有する Vリブドべルトの製造方法であって、 ゴ ム組成物で形成された Vリブ本体と、 前記 Vリブ本体の全面を被覆する被覆 布とを含む Vリブ前構造を形成し、 前記 Vリブ前構造の先端部の被覆布を、 ベルト長さ方向に沿って除去することにより 、 前記 Vリブ本体の両側面が前 記被覆布で被覆され、 且つ先端部にベルト長さ方向に沿って前記 Vリブ本体 が露出した前記 Vリブを形成するものである。

図面の簡単な説明

[0006] [図 1八]実施形態に係る Vリブドベルトのベルト片の斜視図である。

[図 ]実施形態に係る Vリブドべルトの Vリブ 1個分の断面図である。 〇 2020/175215 2 卩(:171? 2020 /006079

[図 2]補機駆動べルト伝動装置のプーリレイア ト図である。

[図 3八]架橋装置の断面図である。

[図 38]架橋装置の一部分の断面拡大図である。

[図 4八]実施形態に係る Vリブドべルトの製造方法の第 1の説明図である。

[図 48]実施形態に係る Vリブドベルトの製造方法の第 2の説明図である。

[図 ]実施形態に係る Vリブドベルトの製造方法の第 3の説明図である。

[図 40]実施形態に係る Vリブドベルトの製造方法の第 4の説明図である。

[図 5]注水伝動能力試験のベルト走行試験機の ーリレイアウト図である。 [図 6八]ベルト動力損失測定装置の正面図であ 。

[図 68]ベルト動力損失測定装置の平面図である

[図 7]実施例及び比較例の発生トルクの最大値 示すグラフである。

[図 8]実施例及び比較例の損失動力を示すグラ である。

発明を実施するための形態

[0007] 以下、 実施形態について図面に基づいて詳細に説明 する。

[0008] 図 1 及び巳は、 実施形態に係る Vリブドべルト巳を示す。 実施形態に係 る Vリブドべルト巳は、 例えば、 自動車のエンジンルーム内に設けられる補 機駆動べルト伝動装置等に用いられるゴム製 の摩擦伝動べルトである。 実施 形態に係る▽リブドべルト巳は、 例えば、 ベルト周長が 7 0 0 以上 3 0 0 0 111 111以下、 ベルト幅が 及びべルト厚さが 4 . 0 111 111以上 5 . 0 111 111以下である。

[0009] 実施形態に係る Vリブドべルト巳は、 各々、 ゴム組成物で形成された内周 側の圧縮ゴム層 1 1、 中間の接着ゴム層 1 2、 及び外周側の伸張ゴム層 1 3 の三層で構成されたべルト本体 1 〇を備えている。

[0010] 圧縮ゴム層 1 1 には、 内周側に複数の Vリブ本体 1 1 3が垂下するように 形成されている。 複数の Vリブ本体 1 1 3は、 各々がべルト長さ方向に延び る断面略逆三角形状の突条で構成されている とともに、 ベルト幅方向に並設 されている。 圧縮ゴム層 1 1の厚さは、 例えば 2 . 2 01 01以上 3 . 2 01 01以 下である。 〇 2020/175215 3 卩(:171? 2020 /006079

[001 1] 接着ゴム層 1 2は、 断面横長矩形の帯状に形成されている。 接着ゴム層 1

2の厚さは、 例えば 1 . 以下である。 伸張ゴム層 1 3 も、 断面横長矩形の帯状に構成されており、 その厚さが例えば〇. 4 以 上〇. 8 以下である。 伸張ゴム層 1 3の表面には、 背面駆動時の音発生 を抑制する観点から、 織布パターンが設けられていることが好まし い。 なお 、 伸張ゴム層 1 3に代えて、 背面補強布が設けられていてもよい。

[0012] 圧縮ゴム層 1 1、 接着ゴム層 1 2、 及び伸張ゴム層 1 3を形成するゴム組 成物は、 ゴム成分に架橋剤を含む種々のゴム配合剤が 配合されて混練された 未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されること によりゴム成分が架橋剤により 架橋したものである。 圧縮ゴム層 1 1、 接着ゴム層 1 2、 及び伸張ゴム層 1 3は、 同一のゴム組成物で形成されていても、 また、 異なるゴム組成物で形 成されていても、 どちらでもよい。

[0013] これらのゴム組成物のゴム成分としては、 例えば、 ェチレン · プロピレン ジェン三元共重合体 (巳 0 1\/1) 、 ェチレンープロピレンコポリマー (巳 1\/1) 、 ェチレンーブテンコポリマー (巳 0 1\/〇 、 ェチレンーオクテンコポ リマー (巳〇1\/1) などのェチレンー《_オレフィンェラストマ ; クロロプ レンゴム (〇[¾) ; クロロスルホン化ポリェチレンゴム (〇3 1\/〇 ;水素添 加アクリロニトリルゴム ( 1 ~ 1 - 巳[¾) 等が挙げられる。 ゴム成分は、 これ らのうちの 1種又は 2種以上を用いることが好ましく、 ェチレンー《_オレ フィンェラストマーを用いることがより好ま しく、 巳 を用いることが 更に好ましい。 架橋剤としては、 硫黄及び有機過酸化物が挙げられる。 架橋 剤以外のゴム配合剤としては、 例えば、 力ーボンブラックなどの補強材、 充 填剤、 老化防止剤、 軟化剤、 加硫促進剤、 加硫促進助剤等が挙げられる。

[0014] 圧縮ゴム層 1 1の複数の Vリブ本体 1 1 3のそれぞれは、 両側面が被覆布

1 4で被覆されて Vリブ 1 5を形成している。 Vリブ 1 5は、 圧縮ゴム層 1 1のゴム組成物で形成された Vリブ本体 1 1 3 と、 その両側面を被覆する被 覆布 1 4とを含み、 且つ先端部にベルト長さ方向に沿って細長く ゴム組成物 の Vリブ本体 1 1 3が面として露出している。 また、 相互に隣接する一対の 〇 2020/175215 4 卩(:171? 2020 /006079

Vリブ 1 5において、 対向する側面の被覆布 1 4がリブ底において繫がって おり、 その被覆布 1 4の横断面形状が逆 II字状に形成されている。 各 Vリブ 1 5は、 例えば、 リブ高さが 2 以下、 リブ基端間の幅が 1 .

0 以上 3 . 以下である。 リブ数は、 例えば、 3個以上 6個以下で ある (図 1 八では 6個) 。 被覆布 1 4の厚さは、 例えば〇.

[0015] 一般に、 Vリブの表面に被覆布が設けられた Vリブドべルトでは、 伝達動 力の損失が大きいという問題がある。 しかしながら、 実施形態に係る▽リブ ドべルト巳によれば、 被水時における異音の発生を抑制することが できると ともに、 伝達動力の損失を小さく抑えることができる 。 これは、 上記の通り 、 プーリに接触する Vリブ 1 5の両側面が被覆布 1 4で被覆されていること により、 被水時における異音の発生が抑制されるのに 加え、 Vリブ 1 5の先 端部にゴム組成物の Vリブ本体 1 1 3が露出し、 ベルト剛性が低くされ、 そ れにより伝達動力の損失が小さく抑えられる ためであると考えられる。 Vリ ブ本体 1 1 3の露出幅は、 伝達動力の損失を小さく抑える観点から、 Vリブ 1 5のリブ基端間の幅に対して 3 5 %以上 7 0 %以下であることが好ましい

[0016] 被覆布 1 4は、 織布、 編布、 又は不織布で構成されている。 被覆布 1 4は 、 伸縮性に富んで Vリブ本体 1 1 3の側面を均一に被覆するとともに、 伝達 動力の損失を小さく抑える観点から、 これらのうちの編布で構成されている ことが好ましい。

[0017] 編布の被覆布 1 4は、 よこ編布であっても、 たて編布であっても、 どちら でもよい。 よこ編布としては、 例えば、 基本組織の平編布、 ゴム編布、 及び パール編布、 並びに変化組織のタック編布、 浮編布、 パイル編布、 レース編 布等が挙げられる。 たて編布としては、 例えば、 基本組織のシングルデンビ —編布、 及びシングルバンダイク編布、 並びに変化組織のダブルデンビー編 布、 及びダブルバンダイク編布等が挙げられる。 被覆布 1 4は、 被水時にお ける異音の発生を抑制する観点から、 これらのうちのよこ編布が好ましく、 〇 2020/175215 5 卩(:171? 2020 /006079

平編布がより好ましい。

[0018] 平編布の被覆布 1 4は、 被水時における異音の発生を抑制する観点か ら、 表目が露出し且つ裏目が Vリブ本体 1 1 3側となるように設けられているこ とが好ましい。 また、 平編布の被覆布 1 4は、 同様の観点から、 ウエール方 向がベルト長さ方向及びコース方向がベルト 幅方向となるように設けられて いることが好ましい。 平編布の被覆布 1 4の編目数は、 同様の観点から、 2 . 5 4〇 当たり 5 5コース以上 8 0コース以下が好ましく、 2 . 当たり 4〇ウエール以上 7〇ウエール以下が好ましい。

[0019] 被覆布 1 4を形成する糸は、 伸縮性に富んで Vリブ本体 1 1 3 の側面を均 —に被覆する観点から、 ウーリー加工糸やカバーリング糸等の嵩高糸 である ことが好ましい。 被覆布 1 4を形成する繊維材料としては、 例えば、 セルロ —ス系繊維、 羊毛、 絹などの天然繊維;脂肪族ポリアミ ド繊維 (ナイロン 6 6繊維) 、 芳香族ポリアミ ド繊維 (パラ系、 メタ系) 、 ポリエステル繊維、 アクリル繊維、 ポリビニルアルコール繊維などの合成繊維等 が挙げられる。 被覆布 1 4を形成する繊維材料は、 これらのうちの 1種又は 2種以上を含む ことが好ましく、 被水時における異音の発生を抑制する観点か ら、 天然繊維 及び合成繊維を含むことがより好ましく、 セルロース系繊維及び脂肪族ポリ アミ ド繊維を含むことがより好ましい。

[0020] セルロース系繊維及び脂肪族ポリアミ ド繊維で形成された被覆布 1 4にお けるセルロース系繊維の含有量は、 被水時における異音の発生を抑制する観 点から、 好ましくは 5 0質量%以上 9 0質量%以下、 より好ましくは 6 0質 量%以上 8 0質量%以下である。 セルロース系繊維としては、 例えば、 針葉 樹や広葉樹の木材パルプ、 竹繊維、 サトウキビ繊維、 綿繊維やカポックの種 子毛繊維、 麻やコウゾやミツマタのジン皮繊維、 マニラ麻やニユージーラン ド麻の葉繊維などの天然植物由来のセルロー ス繊維;ホヤセルロースなどの 動物由来のセルロース繊維;バクテリアセル ロース繊維;藻類のセルロース 繊維;セルロースエステル繊維; レーヨンやキユプラやリヨセルなどの再生 セルロース繊維が挙げられる。 〇 2020/175215 6 卩(:171? 2020 /006079

[0021 ] 被覆布 1 4には、 Vリブ本体 1 1 8への接着性を付与するための接着処理 が施されていてもよい。 接着処理としては、 被覆布 1 4をエポキシ溶液又は イソシアネート溶液に浸潰して引き上げた後 に加熱する接着処理、 被覆布 1 4を !_水溶液に浸潰して引き上げた後に加熱する 着処理、 被覆布 1 4 を低粘度のゴム糊に浸潰して引き上げた後に 乾燥させる接着処理、 被覆布 1 4の Vリブ本体 1 1 3側の面に高粘度のゴム糊をコーティングし 後に乾燥 させる接着処理が挙げられる。

[0022] 接着ゴム層 1 2のべルト厚さ方向の中間部には、 ベルト幅方向にピッチを 有する螺旋を形成するように配された心線 1 6が埋設されている。 心線 1 6 は、 ポリアミ ド繊維、 ポリエステル繊維、 アラミ ド繊維、 ポリアミ ド繊維等 の撚り糸で構成されている。 心線 1 6の直径は例えば〇. 5 互に隣接する心線 1 6中心間の寸法は例え 以下である。 心線 1 6には、 エポキシ樹脂 溶液又はイソシアネート樹脂溶液に浸潰して 加熱する接着処理、 !_水溶 液に浸潰した後に加熱する接着処理、 及びゴム糊に浸潰した後に乾燥させる 接着処理のうちの 1種又は 2種以上の接着処理が施されていることが好 し い。

[0023] 図 2は、 実施形態に係る Vリブドべルト巳を用いた自動車の補機駆動 ル 卜伝動装置 2 0のプーリレイアウトを示す。 この補機駆動べルト伝動装置 2 0は、 Vリブドべルト巳が 4つのリブプーリ及び 2つの平プーリの 6つのプ —リに巻き掛けられて動力を伝達するサーペ ンタインドライブ方式のもので ある。

[0024] この補機駆動べルト伝動装置 2 0では、 最上位置にリブプーリのパワース テアリングプーリ 2 1が設けられ、 そのパワーステアリングプーリ 2 1の下 方にリブプーリの八〇ジェネレータブーリ 2 2が設けられている。 また、 パ ワーステアリングプーリ 2 1の左下方には平プーリのテンシヨナブーリ 2 3 が設けられており、 そのテンシヨナブーリ 2 3の下方には平プーリのウォー 夕ーポンププーリ 2 4が設けられている。 さらに、 テンシヨナブーリ 2 3の 〇 2020/175215 7 卩(:171? 2020 /006079

左下方にはリブプーリのクランクシャフト プーリ 2 5が設けられており、 そ のクランクシャフトプーリ 2 5の右下方にリづづーリのエアコンプーリ 2 6 が設けられている。 これらのプーリは、 例えば、 金属のプレス加工品や錶物 、 或いは、 ナイロン樹脂、 フヱノール樹脂等の樹脂成形品で構成されて おり 、 プーリ径が例えば 以下である。

[0025] この補機駆動べルト伝動装置 2 0において、 Vリブドべルト巳は、 圧縮ゴ ム層 1 1側の Vリブ 1 5が接触するようにパワーステアリングプー 2 1 に 巻き掛けられ、 次いで、 伸張ゴム層 1 3側のベルト背面が接触するようにテ ンシヨナプーリ 2 3に巻き掛けられた後、 Vリブ 1 5が接触するようにクラ ンクシャフトプーリ 2 5及びエアコンプーリ 2 6に順に巻き掛けられ、 さら に、 ベルト背面が接触するようにウォーターポン ププーリ 2 4に巻き掛けら れ、 そして、 Vリブ 1 5が接触するように八〇ジェネレータブーリ 2 2に巻 き掛けられ、 最後にパワーステアリングプーリ 2 1 に戻るように設けられて いる。 プーリ間で掛け渡される Vリブドベルト巳の長さであるべルトスパン 長は例えば 5 0 以下である。 プーリ間で生じ得るミスア ライメントは 0 ° 以上 2 ° 以下である。

[0026] 次に、 実施形態に係る Vリブドベルト巳の製造方法について説明す 。

[0027] 図 3 及び巳は、 実施形態に係る Vリブドべルト巳の製造方法で用いる架 橋装置 3 0を示す。 この架橋装置 3 0は、 基台 3 1 と、 その上に立設された 円柱状の膨張ドラム 3 2と、 その外側に設けられた円筒状の円筒金型 3 3と を備えている。

[0028] 膨張ドラム 3 2は、 中空円柱状に形成されたドラム本体 3 2 3 と、 その外 周に外嵌めされた円筒状のゴム製の膨張スリ ーブ 3 2匕とを有する。 ドラム 本体 3 2 3 の外周部には、 各々、 内部に連通した多数の通気孔 3 2〇が形成 されている。 膨張スリーブ 3 2匕の両端部は、 それぞれドラム本体 3 2 3と の間で固定リング 3 4 , 3 5によって封止されている。 架橋装置 3 0には、 ドラム本体 3 2 3の内部に高圧空気を導入して加圧する加圧 段 (不図示) が設けられており、 この加圧手段により ドラム本体 3 2 3 の内部に高圧空気 〇 2020/175215 8 卩(:171? 2020 /006079

が導入されると、 高圧空気が通気孔 3 2〇を通ってドラム本体 3 2 3と〗彭弓長 スリーブ 3 2匕との間に入って膨張スリーブ 3 2匕を径方向外向きに膨張さ せるように構成されている。

[0029] 円筒金型 3 3は、 基台 3 1 に脱着可能に構成されている。 基台 3 1 に取り 付けられた円筒金型 3 3は、 膨張ドラム 3 2との間に間隔をおいて同心状に 設けられる。 円筒金型 3 3は、 内周面に、 各々、 周方向に延びる複数の V形 状形成溝 3 3 3 が軸方向 (溝幅方向) に連設されている。 架橋装置 3 0には 、 円筒金型 3 3の加熱手段及び冷却手段 (いずれも不図示) が設けられてお り、 これらの加熱手段及び冷却手段により円筒金 型 3 3の温度制御が可能と なるように構成されている。

[0030] 実施形態に係る Vリブドべルト巳の製造方法では、 まず、 ゴム成分に、 架 橋剤を含む各ゴム配合剤を配合し、 二ーダー、 バンバリーミキサー等の混練 機で混練し、 得られた未架橋ゴム組成物をカレンダー成形 等によってシート 状に成形して圧縮ゴム層 1 1用の未架橋ゴムシートを作製する。 同様に、 接 着ゴム層 1 2用及び伸張ゴム層 1 3用の未架橋ゴムシートも作製する。 また 、 被覆布 1 4を準備し、 必要に応じて接着処理を施す。 被覆布 1 4は、 筒状 に形成することが好ましい。 さらに、 心線 1 6を準備し、 必要に応じて接着 処理を施す。

[0031 ] 次いで、 図 4八に示すように、 表面が平滑な円筒ドラム 3 6上にゴムスリ —ブ 3 7を被せ、 その上に、 伸張ゴム層 1 3用の未架橋ゴムシート 1 3’ 、 及び接着ゴム層 1 2用の未架橋ゴムシート 1 2’ を順に巻き付けて積層し、 その上から心線 1 6を螺旋状に巻き付け、 更にその上から接着ゴム層 1 2用 の未架橋ゴムシート 1 2’ 、 及び圧縮ゴム層 1 1用の未架橋ゴムシート 1 1 ’ を順に巻き付け、 最後に、 その上を被覆布 1 4で被覆して未架橋スラブ 3 ’ を成形する。

[0032] 次いで、 円筒ドラム 3 6から未架橋スラブ 3’ を設けたゴムスリーブ 3 7 を外し、 図 4巳に示すように、 円筒金型 3 3の内周面側に内嵌めした後、 そ の未架橋スラブ 3’ を設けた円筒金型 3 3を、 膨張ドラム 3 2を覆うように 〇 2020/175215 9 卩(:171? 2020 /006079

設けて基台 3 1 に取り付ける。

[0033] 続いて、 円筒金型 3 3を加熱するとともに、 図 4〇に示すように、 膨張ド ラム 3 2のドラム本体 3 2 3と膨張スリーブ 3 2 13との間に通気孔 3 2〇を 介して高圧空気を注入して膨張スリーブ 3 2 を膨張させる。 このとき、 未 架橋スラブ 3’ が円筒金型 3 3に対して押し付けられ、 未架橋ゴムシート 1 1’ , 1 2’ , 1 3’ が被覆布 1 4を押圧して伸張させながら V形状形成溝 3 3 3に流入するとともに、 それらのゴム成分の架橋が進行して一体化し 、 且つそれと被覆布 1 4及び心線 1 6とが複合し、 円筒状のベルトスラブ 3が 成型される。 これにより、 円筒金型 3 3の各 V形状形成溝 3 3 3において、 ゴム組成物で形成された Vリブ本体 1 1 3と、 その全面を被覆する被覆布 1 4とを含む Vリブ前構造 1 5’ を形成する。 このべルトスラブ 3の成型温度 は例えば 1 0 0 °〇以上 1 8 0 °〇以下、 成型圧力は例えば〇. 5 IV! 3以上 2 . 0 M P a以下、 成型時間は例えば 1 0分以上 6 0分以下である。

[0034] そして、 膨張ドラム 3 2のドラム本体 3 2 3と膨張スリーブ 3 2匕との間 から高圧空気を抜いた後、 円筒金型 3 3の内周面上に成型されたべルトスラ ブ 3を取り出し、 図 4 0に示すように、 ベルトスラブ 3に形成された Vリブ 前構造 1 5’ の先端部の被覆布 1 4を研削して、 ベルト長さ方向に沿って除 去することにより、 Vリブ本体 1 1 3の両側面が被覆布 1 4で被覆され、 且 つ先端部にベルト長さ方向に沿って Vリブ本体 1 1 3が露出した Vリブ 1 5 を形成する。

[0035] 最後に、 ベルトスラブ 3を所定の Vリブ 1 5の個数毎に輪切りして表裏を 裏返すことにより実施形態に係る Vリブドベルト巳が得られる。

実施例

[0036] (Vリブドべルト)

以下の実施例及び比較例の▽リブドべルトを 作製した。

[0037] <実施例 >

上記実施形態と同様の構成であって、 被覆布として、 ナイロン 6 6繊維と セルロース系繊維の綿との複合紡績糸で形成 された編布で且つ接着処理を施 〇 2020/175215 10 卩(:171? 2020 /006079

していないものを用いた Vリブドべルトを作製し、 それを実施例とした。 実 施例の Vリブドべルトは、 Vリブの個数が 2個、 4個、 及び 6個のものをそ れぞれ作製した。 なお、 ベルト本体は、 巳 0 1\/1組成物で形成し、 心線は、 ポリエステル繊維の撚り糸で構成した。

[0038] <比較例>

Vリブ本体の全面が被覆布で被覆され、 先端部に Vリブ本体のゴム組成物 が露出していない点を除いて実施例と同一構 成の Vリブドべルトを作製し、 それを比較例とした。

[0039] (試験方法)

実施例及び比較例の▽リブドべルトについて 、 以下の注水伝動能力試験及 び動力損失試験を実施した。

[0040] <注水伝動能力試験>

図 5は、 注水伝動能力試験のベルト走行試験機 4 0のプーリレイアウトを 示す。

[0041 ] このべルト走行試験機 4 0は、 向かって左下にプーリ径が 1 2 1 . のリブプーリの第 1駆動プーリ 4 1が設けられ、 その右方にプーリ径が 1 4 1 . リブプーリの第 2駆動ブーリ 4 2が設けられている。 第 2駆動 プーリ 4 2の右斜め上方にはプーリ径が リブプーリの第 1従 動ブーリ 4 3が設けられ、 第 2駆動ブーリ 4 2の上方にはプーリ径が 6 1 .

0 のリブプーリの第 2従動プーリ 4 4が設けられている。 第 1駆動プー リ 4 1 と第 2従動プーリ 4 4との間にはプーリ径が 7 6 . の平プーリ の第 1 アイ ドラプーリ 4 5が設けられ、 第 1従動プーリ 4 3と第 2従動プー リ 4 4との間にはプーリ径が 7 6 . 2 の平プーリの第 2アイ ドラプーリ 4 6が設けられている。 第 2従動プーリ 4 4は、 上下に可動に設けられてお り、 軸荷重を負荷できるように構成されている。

[0042] 実施例及び比較例のそれぞれの Vリブの個数が 6個の Vリブドべルト巳に ついて、 Vリブ側が接触するように、 第 1及び第 2駆動プーリ 4 1 , 4 2並 びに第 1及び第 2従動プーリ 4 3 , 4 4に巻き掛けるとともに、 伸張ゴム層 〇 2020/175215 1 1 卩(:171? 2020 /006079

側が接触するように、 第 1及び第 2アイ ドラブーリ 4 5 , 4 6に巻き掛け、 第 2従動プーリ 4 4に上方に 7 0 6 1\1の軸荷重をかけてベルト張力を与えた 。 Vリブドべルト巳の第 2駆動プーリ 4 2への巻き掛かり角度は 3 9 ° であ った。 次いで、 2 1 °〇の温度雰囲気下、 第 1駆動プーリ 4 1 を 8 0 0 「 及び第 2駆動プーリ 4 2を 9 3 1 「 のそれぞれの回転数で同一方向に回 転させ、 それにより第 2駆動プーリ 4 2上において Vリブドベルト巳を強制 的にスリップさせた。 また、 第 1駆動プーリ 4 1の右側の Vリブドべルト巳 の巻き掛かり始めの部分の Vリブ表面には 1分間に 3 Iの割合で水滴 を滴下した。 そして、 第 2駆動プーリ 4 2に設けたトルクメータにより、 発 生トルクの最大値を計測した。

[0043] <動力損失試験 >

図 6 及び巳は、 ベルト動力損失測定装置 5 0を示す。

[0044] このべルト動力損失測定装置 5 0は、 プーリ径が 5 のリブプーリの 駆動プーリ 5 1 と、 その右側方に設けられたプーリ径が 5 0 のリブプー リの従動プーリ 5 2とを備えている。 駆動プーリ 5 1は、 間隔をおいて設け られた一対の支軸台 5 1 3によって回転可能に設けられた駆動軸 5 1 匕の一 端に取り付けられており、 駆動軸 5 1 匕の他端には回転付与プーリ 5 1 〇が 設けられている。 回転付与プーリ 5 1 〇の右側方には駆動モータ 5 3のモー 夕軸 5 3 3に軸支されたモータプーリ 5 3匕が設けられており、 それらの回 転付与プーリ 5 1 〇及びモータプーリ 5 3匕間には回転駆動べルト 5 4が巻 き掛けられている。 また、 一対の支軸台 5 1 3の間には、 駆動軸 5 1 13の回 転トルクを検知するトルクメータ 5 5が設けられている。 従動プーリ 5 2は 、 間隔をおいて設けられた一対の支軸台 5 2 3によって回転可能に設けられ た駆動軸 5 2 13の一端に取り付けられており、 それら全体が左右方向に可動 に設けられている。

[0045] 実施例及び比較例のそれぞれの Vリブの個数が 2個の Vリブドべルト巳に ついて、 駆動プーリ 5 1及び従動プーリ 5 2に巻き掛けるとともに、 従動プ —リ 5 2に右側方に 6 0 0 !\1のデッ ドウェイ ト (〇 を負荷し、 室温雰囲 〇 2020/175215 12 卩(:171? 2020 /006079

気下、 駆動モータ 5 3により駆動プーリ 5 1 を 3 0 0 0 「 の回転数で回 転させてベルト走行させ、 そのときの駆動トルクをトルクメータ 5 5で測定 した。 同様に、 Vリブの個数が 4個及び 6個の Vリブドべルト巳についても 駆動トルクを測定した。 なお、 発熱等の影響を排除して安定した駆動トルク を測定するため、 測定は 1時間のベルト走行後に行った。

[0046] —方、 Vリブの個数が 2個、 4個、 及び 6個のそれぞれの Vリブドべルト 巳について、 上記と同様の方法でオルゼン曲げ試験機を用 いてベルト曲げ剛 性を求めた。

[0047] 次いで、 横軸をベルト曲げ剛性及び縦軸を駆動トルク としたグラフに測定 値をプロッ トして直線近似するとともに、 その直線のベルト曲げ剛性 = 0の 外揷値をベルト以外の損失トルクと仮想し、 駆動トルクの各測定値から損失 トルクを引いた。 そして、 それらを動力換算し、 更にそれを Vリブ数で除し たものを平均して Vリブ 1個分のベルト幅当たりのべルト動力損失を めた

[0048] (試験結果)

図 7は、 実施例及び比較例の注水伝動能力試験におけ る最大トルクを示す 。 図 8は、 実施例及び比較例の動力損失試験における損 失動力を示す。

[0049] これらによれば、 注水伝動能力試験における最大トルクについ ては、 実施 例及び比較例が同等であるものの、 動力損失試験における損失動力について は、 実施例が比較例よりも低いことが分かる。

産業上の利用可能性

[0050] 本発明は、 Vリブドべルト及びその製造方法に関する。 符号の説明

[0051 ] 巳 Vリブドべルト

1 1 3 Vリブ本体

1 2 接着ゴム層

1 4 被覆布

1 5 Vリブ \¥02020/175215 13 卩(:17 2020 /006079

1 5 Vリブ前構造