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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE CONTROL METHOD AND VEHICLE CONTROLLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025100
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle control method and a vehicle controller in which the purposes of a plurality of control logics can be achieved (satisfied) with good balance and appropriate control of a vehicle is performed as a whole. A request is outputted from each of a plurality of control logics having individual purposes for a plurality of kinds of control parameter in a vehicle. Target value of each control parameter is determined by arbitrating the request from each of a plurality of control logics for every kind of control parameter. If there is such a control logic as the request is reflected on the target value in the already executed arbitration, subsequent arbitration is performed while withdrawing or relaxing the request from that control logic.

Inventors:
KAWAI KEISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056456
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
April 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
KAWAI KEISUKE (JP)
International Classes:
B60R16/02; F02D45/00; F02D43/00
Foreign References:
JP2005299553A2005-10-27
JP2004263633A2004-09-24
JP2004052769A2004-02-19
JP2005113877A2005-04-28
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, Hideki et al. (Takahashi & Partners 5th Floor, Intec 88Bldg., 20, Araki-cho, Shinjuku-k, Tokyo 07, JP)
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Claims:
 車両における複数種類の制御パラメータに対して、個々の目的を有する複数の制御ロジックの各々から要求を出力する要求出力ステップと、
 前記複数の制御ロジックの各々からの要求を前記制御パラメータの種類毎に調停することにより各制御パラメータの目標値を決定する目標値決定ステップと、
 を備え、
 前記要求出力ステップにおいて、前記各制御ロジックは、前記複数種類の制御パラメータの各々に対する要求とともに、それらの要求の間の優先順位に関する情報を発し、
 前記目標値決定ステップでは、前記優先順位に基づいて前記複数の制御ロジックからの要求を調停することを特徴とする車両制御方法。
 前記目標値決定ステップでは、前記制御パラメータの種類毎に前記優先順位を集計し、その集計結果に基づいて、前記制御パラメータの種類毎の調停を実行する順番を決定することを特徴とする請求項1記載の車両制御方法。
 前記目標値決定ステップでは、前記調停を前記制御パラメータの種類毎に順次実行するに際して、既に実行された調停において要求が目標値に反映された制御ロジックがある場合には、以降の調停において、当該制御ロジックからの要求を取り下げまたは緩和させて、調停を実行することを特徴とする請求項1または2記載の車両制御方法。
 車両における複数種類の制御パラメータに対して、個々の制御ロジックに従ってそれぞれ要求を出力する複数の要求出力手段と、
 前記複数の要求出力手段の各々からの要求を前記制御パラメータの種類毎に調停することにより各制御パラメータの目標値を決定する目標値決定手段と、
 を備え、
 前記各要求出力手段は、前記複数種類の制御パラメータの各々に対する要求とともに、それらの要求の間の優先順位に関する情報を発し、
 前記目標値決定手段は、前記優先順位に基づいて前記複数の要求出力手段からの要求を調停することを特徴とする車両制御装置。
 前記目標値決定手段は、前記制御パラメータの種類毎に前記優先順位を集計し、その集計結果に基づいて、前記制御パラメータの種類毎の調停を実行する順番を決定する調停順序決定手段を含むことを特徴とする請求項4記載の車両制御装置。
 前記目標値決定手段は、前記調停を前記制御パラメータの種類毎に順次実行するに際して、既に実行された調停において要求が目標値に反映された要求出力手段がある場合には、以降の調停において、当該要求出力手段からの要求を取り下げまたは緩和させて、調停を実行することを特徴とする請求項4または5記載の車両制御装置。
Description:
車両制御方法および車両制御装

 本発明は、車両制御方法および車両制御 置に関する。

 日本特開2004-52769号公報には、車両の内燃 機関へのトルク要求の最終的な目標値を決定 する場合に、駆動滑り制御や走行動特性制御 等の種々のトルク要求発生源の各々のトルク 要求に優先順位を予め割り当て、この優先順 位の順序で各々の要求トルクを考慮し、好ま しくは、最低優先順位を有する要求トルクか ら考慮する技術が開示されている。

日本特開2004-52769号公報

 しかしながら、上記従来の技術では、各 ルク要求発生源が要求トルクの形でしか車 に対して要求を出さない。この場合、すべ のトルク要求発生源からの要求を満足させ ことができる確率は極めて低い。このため 車両全体から見たとき、必ずしも適切な目 値を決定することができないという問題が る。

 この発明は、上記の点に鑑みてなされた のであり、複数の制御ロジックの各々が有 る目的をバランス良く達成する(満足させる )ことができ、車両全体として適切な制御を うことができる車両制御方法および車両制 装置を提供することを目的とする。

 第1の発明は、上記の目的を達成するため、 車両制御方法であって、
 車両における複数種類の制御パラメータに して、個々の目的を有する複数の制御ロジ クの各々から要求を出力する要求出力ステ プと、
 前記複数の制御ロジックの各々からの要求 前記制御パラメータの種類毎に調停するこ により各制御パラメータの目標値を決定す 目標値決定ステップと、
 を備え、
 前記要求出力ステップにおいて、前記各制 ロジックは、前記複数種類の制御パラメー の各々に対する要求とともに、それらの要 の間の優先順位に関する情報を発し、
 前記目標値決定ステップでは、前記優先順 に基づいて前記複数の制御ロジックからの 求を調停することを特徴とする。

 また、第2の発明は、第1の発明において、
 前記目標値決定ステップでは、前記制御パ メータの種類毎に前記優先順位を集計し、 の集計結果に基づいて、前記制御パラメー の種類毎の調停を実行する順番を決定する とを特徴とする。

 また、第3の発明は、第1または第2の発明に いて、
 前記目標値決定ステップでは、前記調停を 記制御パラメータの種類毎に順次実行する 際して、既に実行された調停において要求 目標値に反映された制御ロジックがある場 には、以降の調停において、当該制御ロジ クからの要求を取り下げまたは緩和させて 調停を実行することを特徴とする。

 また、第4の発明は、車両制御装置であって 、
 車両における複数種類の制御パラメータに して、個々の制御ロジックに従ってそれぞ 要求を出力する複数の要求出力手段と、
 前記複数の要求出力手段の各々からの要求 前記制御パラメータの種類毎に調停するこ により各制御パラメータの目標値を決定す 目標値決定手段と、
 を備え、
 前記各要求出力手段は、前記複数種類の制 パラメータの各々に対する要求とともに、 れらの要求の間の優先順位に関する情報を し、
 前記目標値決定手段は、前記優先順位に基 いて前記複数の要求出力手段からの要求を 停することを特徴とする。

 また、第5の発明は、第4の発明において、
 前記目標値決定手段は、前記制御パラメー の種類毎に前記優先順位を集計し、その集 結果に基づいて、前記制御パラメータの種 毎の調停を実行する順番を決定する調停順 決定手段を含むことを特徴とする。

 また、第6の発明は、第4または第5の発明に いて、
 前記目標値決定手段は、前記調停を前記制 パラメータの種類毎に順次実行するに際し 、既に実行された調停において要求が目標 に反映された要求出力手段がある場合には 以降の調停において、当該要求出力手段か の要求を取り下げまたは緩和させて、調停 実行することを特徴とする。

 第1の発明によれば、各制御ロジックが複 数種類の制御パラメータのそれぞれに対して 要求を出し、制御パラメータの種類毎に各制 御ロジックからの要求が調停されて、最終的 な目標値が決定される。このため、各制御ロ ジックからの要求が制御パラメータの目標値 に反映される機会を増やすことができる。つ まり、各制御ロジックからの要求のうち少な くとも一部の種類の制御パラメータに対する 要求については最終的な目標値に反映される 確率が高くなる。一部の種類の制御パラメー タに対する要求が目標値に反映されれば、そ の制御ロジックの目的はある程度達成するこ とができる。よって、第1の発明によれば、 数の制御ロジックの各々が有する目的をバ ンス良く達成する(満足させる)ことができ、 車両全体として適切な制御を行うことができ る。

 また、各制御ロジックが各々の目的を達 する上では、本来要求したい種類の制御パ メータと、バックアップとして(予備的に) 求したい種類の制御パラメータとが存在す のが普通である。第1の発明によれば、各制 ロジックが、本来要求したい種類の制御パ メータであるかバックアップとして要求し い種類の制御パラメータであるかに応じて 各制御パラメータに対する要求に優先順位 付することができる。このため、各々の制 ロジックが本来要求したい種類の制御パラ ータを優先して満足させることができるの 、車両全体としてより適切な制御を行うこ ができる。

 第2の発明によれば、制御パラメータの種 類毎に各制御ロジックからの優先順位を集計 することにより、全体として何れの種類の制 御パラメータが、本来要求したい種類のもの として重要度が高いかを精度良く判別するこ とができる。そして、その集計結果に基づい て各制御パラメータの調停順序を決定するこ とにより、本来要求したい種類の制御パラメ ータに対する要求が優先して満足されるよう にすることができる。このため、全体として 各制御パラメータの目標値をより適切に設定 することができる。

 第3の発明によれば、制御パラメータの種 類毎に調停を順次実行するに際して、既に実 行された調停において要求が目標値に反映さ れた制御ロジックがある場合には、以降の調 停において、その制御ロジックからの要求を 取り下げまたは緩和させることができる。こ のため、以降の調停においては、実施済みの 調停において要求が目標値に反映されなかっ た制御ロジックの要求が目標値に反映される 確率を高くすることができる。よって、各制 御ロジックの要求をより良いバランスで満足 させることができ、車両全体としてより適切 な制御を行うことができる。また、一つの制 御ロジックから出された各制御パラメータに 対する要求がすべて目標値に反映されると、 その制御ロジックの目的が過剰に達成され、 かえって弊害が生ずることがある。第3の発 によれば、そのような事態、つまり一部の 御ロジックの目的のみが過剰に達成される とに起因する弊害を確実に防止することが きる。

 第4の発明によれば、各制御ロジックが複 数種類の制御パラメータのそれぞれに対して 要求を出し、制御パラメータの種類毎に各制 御ロジックからの要求が調停されて、最終的 な目標値が決定される。このため、各制御ロ ジックからの要求が制御パラメータの目標値 に反映される機会を増やすことができる。つ まり、各制御ロジックからの要求のうち少な くとも一部の種類の制御パラメータに対する 要求については最終的な目標値に反映される 確率が高くなる。一部の種類の制御パラメー タに対する要求が目標値に反映されれば、そ の制御ロジックの目的はある程度達成するこ とができる。よって、第4の発明によれば、 数の制御ロジックの各々が有する目的をバ ンス良く達成する(満足させる)ことができ、 車両全体として適切な制御を行うことができ る。

 また、各制御ロジックが各々の目的を達 する上では、本来要求したい種類の制御パ メータと、バックアップとして(予備的に) 求したい種類の制御パラメータとが存在す のが普通である。第4の発明によれば、各制 ロジックが、本来要求したい種類の制御パ メータであるかバックアップとして要求し い種類の制御パラメータであるかに応じて 各制御パラメータに対する要求に優先順位 付することができる。このため、各々の制 ロジックが本来要求したい種類の制御パラ ータを優先して満足させることができるの 、車両全体としてより適切な制御を行うこ ができる。

 第5の発明によれば、制御パラメータの種 類毎に各制御ロジックからの優先順位を集計 することにより、全体として何れの種類の制 御パラメータが、本来要求したい種類のもの として重要度が高いかを精度良く判別するこ とができる。そして、その集計結果に基づい て各制御パラメータの調停順序を決定するこ とにより、本来要求したい種類の制御パラメ ータに対する要求が優先して満足されるよう にすることができる。このため、全体として 各制御パラメータの目標値をより適切に設定 することができる。

 第6の発明によれば、制御パラメータの種 類毎に調停を順次実行するに際して、既に実 行された調停において要求が目標値に反映さ れた制御ロジックがある場合には、以降の調 停において、その制御ロジックからの要求を 取り下げまたは緩和させることができる。こ のため、以降の調停においては、実施済みの 調停において要求が目標値に反映されなかっ た制御ロジックの要求が目標値に反映される 確率を高くすることができる。よって、各制 御ロジックの要求をより良いバランスで満足 させることができ、車両全体としてより適切 な制御を行うことができる。また、一つの制 御ロジックから出された各制御パラメータに 対する要求がすべて目標値に反映されると、 その制御ロジックの目的が過剰に達成され、 かえって弊害が生ずることがある。第6の発 によれば、そのような事態、つまり一部の 御ロジックの目的のみが過剰に達成される とに起因する弊害を確実に防止することが きる。

本発明の実施の形態1のシステム構成を 説明するための図である。 本発明の実施の形態1におけるECUの機能 ブロック図である。 本発明の実施の形態1の要求調停方法を 説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行され るルーチンのフローチャートである。

符号の説明

10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 スロットル弁
26 燃料インジェクタ
30 点火プラグ
40 触媒
42 空燃比センサ
50 ECU

実施の形態1.
[システム構成の説明]
 図1は、本発明の実施の形態1のシステム構 を説明するための図である。図1に示すよう 、本実施形態のシステムは、車両に駆動源 して搭載された内燃機関10を備えている。 燃機関10の気筒数や気筒配置は、特に限定さ れるものではない。

 内燃機関10の気筒には、吸気通路12および 排気通路14が連通している。吸気通路12には 吸入空気量GAを検出するエアフローメータ16 配置されている。エアフローメータ16の下 には、スロットル弁18が配置されている。ス ロットル弁18は、アクセル開度等に基づいて ロットルモータ20により駆動される電子制 式のバルブである。スロットル弁18の近傍に は、その開度を検出するためのスロットルポ ジションセンサ22が配置されている。アクセ 開度は、アクセルペダルの近傍に設けられ アクセルポジションセンサ24によって検出 れる。

 内燃機関10の気筒には、吸気ポート11内に 燃料を噴射するための燃料インジェクタ26が 置されている。なお、内燃機関10は、図示 ようなポート噴射式のものに限らず、燃料 筒内に直接に噴射する筒内直接噴射式のも や、ポート噴射と筒内噴射とを併用するも であってもよい。内燃機関10の気筒には、更 に、吸気弁28、点火プラグ30、および排気弁32 が設けられている。

 内燃機関10のクランク軸36の近傍には、ク ランク軸36の回転角を検出するためのクラン 角センサ38が取り付けられている。クラン 角センサ38の出力によれば、クランク軸36の 転位置や機関回転数NEなどを検知すること できる。

 内燃機関10の排気通路14の途中には、排気 ガスを浄化するための触媒40が設けられてい 。触媒40の種類は特に限定されず、例えば 三元触媒、吸蔵還元型NOx触媒、選択還元型NO x触媒、酸化触媒など、いかなるものでもよ 。また、触媒40の上流側や下流側に他の触媒 が配置されていてもよい。

 触媒40の下流側の排気通路14には、排気ガ スの空燃比を検出する空燃比センサ42が設置 れている。なお、空燃比センサ42は、触媒40 の上流側に設置されていてもよい。

 本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Con trol Unit)50を更に備えている。ECU50には、上述 した各種のセンサおよびアクチュエータが接 続されている。ECU50は、それらのセンサ出力 基づいて、内燃機関10を制御する。

[実施の形態1の特徴]
 図2は、ECU50の機能ブロック図である。ECU50 、各自の観点(目的)から要求を発する複数の 制御ロジックを有している。本実施形態では 、図2に示すように、ECU50は、エミッション低 減を目的として要求を発するエミッション制 御ロジック52と、ドライバビリティを良好と ることを目的として要求を発するドライバ リティ制御ロジック54と、燃費低減を目的 して要求を発する燃費制御ロジック56とを有 している。

 本実施形態において、各制御ロジック52,5 4,56は、車両の3つの制御パラメータのそれぞ に対して、要求を発する。この制御パラメ タとは、特に限定されないが、例えば、内 機関10のトルク、空燃比A/F、効率ηなどであ る。なお、本明細書において、効率ηは、点 時期がMBT(Minimum advance for the Best Torque)で るときのトルクを1としたときの発生トルク の割合として定義されるものとする。つまり 、点火時期がMBTに設定されている場合には、 効率η=1となる。そして、点火時期がMBTから 角されるほど、効率ηは低下する。

 以下の説明では、上記3つの制御パラメー タを「A」「B」「C」として区別する。そして 、制御パラメータAに対する要求を「要求A」 呼び、制御パラメータBに対する要求を「要 求B」と呼び、制御パラメータCに対する要求 「要求C」と呼ぶ。

 なお、本発明では、上述の構成に限らず 各制御ロジックが別々のECUによって実現さ るようになっていてもよい。

 図2に示すように、ECU50は、要求A調停部58 、要求B調停部60と、要求C調停部62と、目標 変換部64と、アクチュエータ制御部66とを更 に備えている。

 要求A調停部58は、制御ロジック52,54,56の 々から出された要求Aを集約して調停するこ により、制御パラメータAの最終的な目標値 (以下「目標値A」という)を決定する。同様に 、要求B調停部60は、制御ロジック52,54,56の各 から出された要求Bを集約して調停すること により、制御パラメータBの最終的な目標値( 下「目標値B」という)を決定する。要求C調 部62は、制御ロジック52,54,56の各々から出さ れた要求Cを集約して調停することにより、 御パラメータCの最終的な目標値(以下「目標 値C」という)を決定する。これらの要求調停 法については後述する。

 目標値変換部64は、要求A調停部58、要求B 停部60および要求C調停部62によりそれぞれ 出された目標値A、目標値Bおよび目標値Cを それらを実現するために必要なアクチュエ タへの指示値に変換する。このアクチュエ タ指示値とは、例えば、燃料インジェクタ26 からの燃料噴射量、スロットル弁18の開度、 火時期などである。

 アクチュエータ制御部66は、目標値変換 64により算出されたアクチュエータ指示値が 実現されるように、燃料インジェクタ26、ス ットル弁18、点火プラグ30等の各アクチュエ ータの作動を制御する。

 図3は、本実施形態の要求調停方法を説明 するための図である。本実施形態では、各制 御ロジック52,54,56は、それぞれ、要求A、要求 Bおよび要求Cとともに、それら要求間の優先 位(実現して欲しい順位)を発するものとす 。すなわち、図3に示す例では、エミッショ 制御ロジック52は、要求Aを優先順位1位とし 、要求Cを優先順位2位とし、要求Bを優先順位 3位としている。一方、ドライバビリティ制 ロジック54は、要求Cを優先順位1位とし、要 Aを優先順位2位とし、要求Bを優先順位3位と している。また、燃費制御ロジック56は、要 Aを優先順位1位とし、要求Cを優先順位2位と し、要求Bを優先順位3位としている。

 本実施形態では、要求A,B,C毎に上記優先 位を集計し、その集計結果に基づいて、要 A,B,C間の調停順序を決定する。すなわち、図 3に示す例では、要求Aに関して、エミッショ 制御ロジック52では優先順位1位、ドライバ リティ制御ロジック54では優先順位2位、燃 制御ロジック56では優先順位1位であるので 集計結果は1+2+1=4となる。同様に、要求Bに して、エミッション制御ロジック52では優先 順位3位、ドライバビリティ制御ロジック54で は優先順位3位、燃費制御ロジック56では優先 順位3位であるので、集計結果は3+3+3=9となる また、要求Cに関して、エミッション制御ロ ジック52では優先順位2位、ドライバビリティ 制御ロジック54では優先順位1位、燃費制御ロ ジック56では優先順位2位であるので、集計結 果は2+1+2=5となる。従って、この場合の調停 序は、集計結果の小さい順に、要求A、要求C 、要求Bの順となる。

 また、本実施形態では、各制御ロジック5 2,54,56の間に、優先度が設定されている。図3 示す例では、エミッション制御ロジック52 ドライバビリティ制御ロジック54、燃費制御 ロジック56の順に優先度が高いものとされて る。

 上述した各制御ロジック52,54,56の間の優 度や、各制御ロジック52,54,56が発する要求A 要求Bおよび要求C間の優先順位は、内燃機関 10の運転状態、あるいは運転フェーズ(例えば 、触媒暖機フェーズ、燃費優先フェーズ、ト ルク優先フェーズ等)に応じて設定(変更)され る。

 本実施形態では、各要求A,B,Cは、各制御 ラメータA,B,Cの値に対する要求範囲(要求値 囲)として出される。図3においては、横軸が 各要求A,B,Cを表しており、横向きの各矢印が 記要求範囲を表している。

 各要求調停部58,60,62は、各制御ロジック52 ,54,56からの要求に重複部分が存在する場合に はその重複部分から調停結果(目標値)を決定 、重複部分が存在しない場合には、優先度 高い制御ロジックからの要求の範囲から調 結果(目標値)を決定する。以下、図3に示す の場合について具体的に説明する。

 まず、調停順序1番目の要求A調停部58での 調停処理が次のように実行される。図3に示 例では、エミッション制御ロジック52からの 要求Aと、ドライバビリティ制御ロジック54か らの要求Aおよび燃費制御ロジック56からの要 求Aとの間に重複部分が存在しない。そこで 優先度の高いエミッション制御ロジック52か らの要求Aの範囲から調停結果(目標値A)が決 される(図3中の点線位置)。

 このようにして要求Aについての調停が実 行された後、上記調停順序に従い、要求C、 求Bの順に、調停が順次実行される。この際 本実施形態では、既に実行された調停にお て要求が目標値に反映された制御ロジック ある場合には、以降の調停において、当該 御ロジックからの要求を取り下げさせて、 停を実行することとした。

 すなわち、図3に示す例の場合には、要求 Aについての調停においてエミッション制御 ジック52からの要求Aが調停結果(目標値A)に 映されたので、この後に行われる要求Cおよ 要求Bの調停においては、エミッション制御 ロジック52からの要求CおよびBは取り下げら たものとみなされる。

 よって、調停順序2番目の要求C調停部62で の調停処理は、以下のようになる。この調停 処理においては、上述したように、エミッシ ョン制御ロジック52からの要求Cは取り下げら れたものとみなされ、考慮されない。そして 、図3に示す例では、ドライバビリティ制御 ジック54からの要求Cと燃費制御ロジック56か らの要求Cとの間に重複部分が存在しない。 こで、優先度の高い方のドライバビリティ 御ロジック54からの要求Cの範囲から調停結 (目標値C)が決定される(図3中の点線位置)。

 このようにして、要求Cについての調停に おいてドライバビリティ制御ロジック54から 要求Cが調停結果(目標値C)に反映されたので 、この後に行われる要求Bの調停においては ドライバビリティ制御ロジック54からの要求 Bは取り下げられたものとみなされる。

 よって、要求B調停部60での調停処理は、 下のようになる。上述したように、エミッ ョン制御ロジック52からの要求B、およびド イバビリティ制御ロジック54からの要求Bは り下げられたものとみなされ、考慮されな ので、燃費制御ロジック56からの要求Bのみ 考慮される。このため、燃費制御ロジック5 6からの要求Bの範囲から調停結果(目標値B)が 定される(図3中の点線位置)。

[実施の形態1における具体的処理]
 図5は、上記の機能を実現するために本実施 形態においてECU50が実行するルーチンのフロ チャートである。図5に示すルーチンによれ ば、まず、各制御ロジック52,54,56から各要求 停部58,60,62へ要求A,B,Cがそれらの間の優先順 位に関する情報と共にそれぞれ入力される( テップ100)。

 次いで、各要求調停部58,60,62毎に上記優 順位が集計され(ステップ102)、その集計結果 に基づいて、要求調停部58,60,62間の調停順序 決定される(ステップ104)。

 続いて、上記ステップ104の調停順序に従 、調停未実施の要求調停部のうちで調停順 が最先の要求調停部での調停が実施される( ステップ106)。次いで、上記ステップ106で実 された調停において要求が目標値に反映さ た制御ロジックがある場合には、以降の調 においてその制御ロジックからの要求を取 下げる処理が実行される(ステップ108)。

 上記ステップ108の処理に続いて、調停未 施の要求調停部があるか否かが判別され(ス テップ110)、調停未実施の要求調停部がある 合には、上記ステップ106以下の処理が再度 行される。一方、上記ステップ110において すべての要求調停部の調停が終了している 判別された場合には、本ルーチンの処理が 了される。

 以上説明した本実施形態によれば、各制 ロジック52,54,56が制御パラメータA,B,Cのそれ ぞれに対して要求を出し、制御パラメータA,B ,C毎に、各制御ロジック52,54,56からの要求が 停されて、目標値A,B,Cが決定される。このた め、各制御ロジック52,54,56の要求が制御パラ ータA,B,Cの目標値に反映される機会を増や ことができる。つまり、各制御ロジック52,54 ,56からの要求A,B,Cのうち少なくとも一つは最 的な目標値に反映される確率が高くなる。 求A,B,Cのうちの一つでも目標値に反映され ば、その制御ロジックの目的はある程度達 することができる。よって、本実施形態に れば、各制御ロジック52,54,56が有する目的を バランス良く達成する(満足させる)ことがで 、車両全体として適切な制御を行うことが きる。

 また、各制御ロジック52,54,56が各々の目 を達成する上では、本来要求したい種類の 御パラメータと、バックアップとして(予備 に)要求したい種類の制御パラメータとが存 在するのが普通である。本実施形態によれば 、各制御ロジック52,54,56は、その制御パラメ タが本来要求したい種類のものであるかバ クアップとして要求したい種類のものであ かに応じて、要求A,B,Cの間に優先順位を付 ることができる。このため、各制御ロジッ 52,54,56が本来要求したい種類の制御パラメー タを優先して満足させることができるので、 車両全体としてより適切な制御を行うことが できる。

 また、本実施形態では、要求A,B,C毎に各 御ロジック52,54,56からの優先順位を集計する ことにより、全体として何れの種類の制御パ ラメータが、本来要求したい種類のものとし て重要度が高いかを精度良く判別することが できる。そして、その集計結果に基づいて制 御パラメータA,B,Cの調停順序を決定すること より、本来要求したい種類の制御パラメー に対する要求が優先して満足されるように ることができる。このため、全体として各 御パラメータA,B,Cの目標値をより適切に設 することができる。

 更に、本実施形態によれば、制御パラメ タA,B,C毎に調停を順次実行するに際して、 に実行された調停において要求が目標値に 映された制御ロジックがある場合には、以 の調停において、その制御ロジックからの 求を取り下げさせることができる。このた 、以降の調停においては、実施済みの調停 おいて要求が目標値に反映されなかった制 ロジックの要求が目標値に反映される確率 高くすることができる。よって、各制御ロ ック52,54,56の要求をより良いバランスで満足 させることができ、車両全体としてより適切 な制御を行うことができる。また、一つの制 御ロジックから出された各制御パラメータA,B ,Cに対する要求がすべて目標値に反映される 、その制御ロジックの目的が過剰に達成さ 、かえって弊害が生ずることがある。本実 形態によれば、そのような事態、つまり一 の制御ロジックの目的のみが過剰に達成さ ることに起因する弊害を確実に防止するこ ができる。

 なお、上述した実施の形態1では、本発明 を、車両の内燃機関10の制御に適用した場合 ついて説明したが、本発明は、車両の駆動 のトルクなど、車両において制御すべき各 の制御量を対象として適用することが可能 ある。

 また、上述した実施の形態1においては、 既に実行された調停において要求が目標値に 反映された制御ロジックがある場合には、以 降の調停において、その制御ロジックからの 要求を取り下げさせるようにしているが、こ の場合に、本発明では、要求を完全に取り下 げることに代えて、要求を緩和させる(例え 、要求範囲を広くする)ようにしてもよい。

 また、上述した実施の形態1においては、 エミッション制御ロジック52、ドライバビリ ィ制御ロジック54および燃費制御ロジック56 が前記第4の発明における「要求出力手段」 相当している。また、ECU50が、上記ステップ 102~110の処理を実行することにより前記第4の 明における「目標値決定手段」が、上記ス ップ102および104の処理を実行することによ 前記第5の発明における「調停順序決定手段 」が、それぞれ実現されている。