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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE HEADLAMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090700
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are light source (1), which generates light accompanied by heat, heat pipe (3), which is thermally connected to the light source to absorb and transmit the heat generated by the light source; heat radiating member (4), which is furnished in a position away from the optical axis of the light generated by the light source and closer to the front than the light source, and which is thermally connected to the heat pipe to convectively release the heat transmitted by the heat pipe; and headlamp case (6) that houses the light source, the heat pipe, and the heat radiating member, and in which a part of the front lens that transmits light from the light source is formed above the heat radiating material.

Inventors:
OHSAWA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003313
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
November 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
OHSAWA TAKASHI (JP)
International Classes:
F21S8/10; F21V29/00; F21W101/10; F21Y101/02
Foreign References:
JP2004311224A2004-11-04
JP2006164967A2006-06-22
Attorney, Agent or Firm:
TAZAWA, Hideaki et al. (12-4 Nagata-cho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 熱を伴って光を発生する光源部と、
 前記光源部に熱的に接続されて該光源部で発生された熱を吸収して伝達するヒートパイプと、
 前記光源部より前面側であって前記光源部で発生された光の光軸から外れた位置に設けられ、前記ヒートパイプに熱的に接続されて該ヒートパイプにより伝達されてくる熱を放出して対流を起こさせる放熱部材と、
 前記光源部、ヒートパイプおよび放熱部材を収容し、前記放熱部材の上側に前記光源部からの光を通過させる前面レンズの一部が形成されたヘッドランプケース
とを備えた車載用ヘッドランプ。
 放熱部材は、鉛直方向に延びるフィンを有する
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ヘッドランプ。
 ヒートパイプは、棒状に形成された棒状ヒートパイプである
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ヘッドランプ。
 ヒートパイプは、一部を光源部より下方に引き回して環状に形成された環状ヒートパイプである
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ヘッドランプ。
 環状ヒートパイプの内部の冷却液は、蒸発と液化を繰り返して自然循環する
ことを特徴とする請求項4記載の車載用ヘッドランプ。
 環状ヒートパイプの内壁は、平坦な面である
ことを特徴とする請求項4記載の車載用ヘッドランプ。
 光源部は、半導体発光素子から成る
ことを特徴とする請求項1記載の車載用ヘッドランプ。
Description:
車載用ヘッドランプ

 この発明は、車両の前照灯として使用さ る車載用ヘッドランプに関し、特に光源で 生される熱を処理する技術に関する。

 車載用ヘッドランプに用いられる光源と ては、従来の白熱電球から放電灯(HIDランプ )に変わり、さらに近年は、発光ダイオード(L ED)が用いられるようになってきている。しか しながら、いずれの光源も、その多寡はある ものの、発熱するので、冷却する必要がある 。一方、車載用ヘッドランプに対しては、特 に寒冷地などでは降雪時に前面レンズに雪が 付着することが多いので、前面レンズを加温 して融雪する必要がある。

 車載用ヘッドランプを冷却する技術の1つ として、放熱部を光源の前方に伸ばして放熱 する技術が知られている。例えば、特許文献 1は、各部品間の光学的位置関係を精度良く 定することができるとともに、部品点数の 減をも図ることができ、かつ優れた放熱効 を得ることができるプロジェクタ型車両用 照灯ユニットを開示している。このプロジ クタ型車両用前照灯ユニットは、LEDを固定 て放熱する部材と、凸レンズを固定する部 とを一体化した構造を有する。この構成に れば、凸レンズと光源および放熱部材が一 化されているために、ヘッドランプの光軸 整は容易になり、凸レンズ部まで伸びたヒ トシンク(放熱部材)によって、凸レンズ近傍 にまで熱は伝わり放熱される。

 また、車載用ヘッドランプを冷却する他 技術として、光源(LED)で発生された熱をヒ トパイプによって放熱する技術が知られて る。例えば、特許文献2は、LEDの熱対策と、 置位置の自由度の向上とを両立させる車両 灯具を開示している。この特許文献2に開示 された車両用灯具は、一般的なヒートパイプ を、伝熱メカニズムに則って有効な性能が得 られるように、LEDが接続された吸熱部を下に 、放熱部を上に配置した構造を有する。

 また、特許文献3は、特許文献2に開示さ た技術を改良し、棒状のヒートパイプをル プ状にした車両用灯具を開示している。こ 特許文献3に開示された車両用灯具において 、ヘッドランプを搭載する車両が傾いても ートパイプの中の液体および蒸気の流れが らないように配慮されている。

 また、特許文献4は、半導体発光素子を光 源とする複数の灯具ユニットにより複数種類 の配光パターンを形成するように構成された 車両用前照灯において、半導体発光素子の温 度上昇を抑制する技術を開示している。この 特許文献4に開示された技術では、LEDで発生 れた熱は、LEDより下方向の前面レンズにヒ トパイプによって伝達される。

 さらに、特許文献5は、より確実にLEDの温 度を低下させることのできる車両用灯具を開 示している。この車両用灯具において、LEDで 発生された熱は、LEDより上方向のヘッドラン プのケース上部と下方向の前面レンズにヒー トパイプによって伝達される。

 また、車載用ヘッドランプの前面レンズ 加温する技術の1つとして、特許文献6は、 面レンズの曇りや、氷雪の付着を速やかに 去できる車両用灯具を開示している。この 両用灯具は、半導体発光素子を光源とし、 導体発光素子が配置されたヒートシンクの 傍に熱伝導板の一方を接続し、この熱伝導 の他方が前面レンズの配光形成に関与しな 部分に接触している。これにより、半導体 光素子が点灯時に生じる発熱を利用して防 、氷雪の付着を防止することができ、メン ナンスの簡素化が実現される。

特開2006-114275号公報

特開2004-127782号公報

特開2006-164967号公報

特開2004-311224号公報

特開2006-286395号公報

特開2007-273369号公報

 しかしながら、上述した従来の技術では 下記のような問題がある。すなわち、特許 献1に開示された技術では、凸レンズ部まで 伸びたヒートシンク(放熱部材)によって、凸 ンズ近傍にまで熱は伝わるが、その伝熱性 は金属の伝熱性に頼るところが多く、充分 伝熱量を確保するためには、大きな部材を 意する必要があり、コスト高になることは けられず、また、大きな部材はスペース的 も好ましくない。また、凸レンズから前方 放熱に関しては考慮されていない。

 また、特許文献2に開示された技術では、 LEDとケースが剛体のヒートパイプによって接 続されるため、光軸の調整はできない。また 、特許文献3に開示された技術では、ヒート イプがLED(受熱部)に対して可動自在に固定さ れているため、固定部での伝熱性は劣るが、 光軸の調整は可能である。しかしながら、上 述した特許文献2および特許文献3に開示され 技術では、LEDで発生された熱はヘッドラン のケースの外に排出されるので、ヘッドラ プの前面レンズを加温することはできない なお、特許文献3に開示された技術において 、ループ状ヒートパイプは、内部の液体およ び蒸気がループのどちらから還流しても伝熱 性能を得られるように構成されており、内部 の液体および蒸気の循環によって特定な部位 に一方向に伝熱することはできない。

 また、特許文献4に開示された技術では、 ヒートパイプとLEDの伝熱部材は固定されてお り、ヒートパイプヘの伝熱特性は良好である が、配策構成が複雑である。また、特許文献 5に開示された技術では、ヒートパイプがLED 伝熱部材に接触しているものの固定されて らず、ヒートパイプヘの伝熱特性の劣化は めない。上述した特許文献4および特許文献5 に開示された技術は、いずれもヒートパイプ によって、吸熱部より下方向に放熱を行う構 成であり、ヒートパイプの伝熱メカニズムを 有効に使用していない。したがって、充分な 伝熱特性が発揮されず、LEDの吸熱もままなら ず、前面レンズの加温も不十分にならざるを 得ない。

 さらに、特許文献6に開示された技術にお いては、半導体発光素子が配置されたヒート シンクの近傍と、前面レンズの配光形成に関 与しない部分とを接続する熱伝導板は、銅ま たはアルミニウムなどの金属板で形成されて いるので、上述した特許文献1と同様に、伝 性能は金属の伝熱性に頼るところが多く、 分な伝熱量を確保するためには、大きな部 を用意する必要があり、コスト高になるこ は避けられず、また、大きな部材はスペー 的にも好ましくないという問題がある。

 この発明は、上述した諸問題を解消する めになされたものであり、その課題は、光 を冷却できるとともに、前面レンズを効率 く加温できる車載用ヘッドランプを提供す ことにある。

 この発明に係る車載用ヘッドランプは、 記課題を解決するために、熱を伴って光を 生する光源部と、光源部に熱的に接続され 該光源部で発生された熱を吸収して伝達す ヒートパイプと、光源部より前面側であっ 光源部で発生された光の光軸から外れた位 に設けられ、ヒートパイプに熱的に接続さ て該ヒートパイプにより伝達されてくる熱 放出して対流を起こさせる放熱部材と、光 部、ヒートパイプおよび放熱部材を収容し 放熱部材の上側に光源部からの光を通過さ る前面レンズの一部が形成されたヘッドラ プケースを備えている。

 この発明に係る車載用ヘッドランプによ ば、光源部で発生された熱を、ヒートパイ で放熱部材に導いて放出することにより対 を起こさせるように構成したので、光源部 冷却できる。また、対流によって前面レン を効率よく加温できるので、例えば前面レ ズに付着した雪を溶かすことができる。

この発明の実施の形態1に係る車載用ヘ ッドランプの構造を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る車載用ヘ ッドランプで使用される棒状ヒートパイプの 断面を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る車載用ヘ ッドランプの構造を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る車載用ヘ ッドランプで使用される環状のヒートパイプ の垂直部分に形成される吸熱部の断面を部分 的に示す図である。 この発明の実施の形態3に係る車載用ヘ ッドランプの構造を示す図である。 この発明の実施の形態4に係る車載用ヘ ッドランプの構造を示す図である。

 以下、この発明をより詳細に説明するため 、この発明を実施するための最良の形態に いて、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
 この発明の実施の形態1に係る車載用ヘッド ランプは、棒状に形成された棒状ヒートパイ プを用いて熱を伝達するようにしたものであ る。

 図1は、この発明の実施の形態1に係る車 用ヘッドランプの構造を示す図であり、図1( a)は、右側の車載用ヘッドランプの上面図、 1(b)は、その側面図である。

 この車載用ヘッドランプは、光源部1、凸 レンズ2、ヒートパイプ3、放熱部材4、制御回 路5、および、これらを収納するヘッドラン ケース6から構成されている。ヘッドランプ ース6の前面側の一部、具体的には、放熱部 材4の上側であって光源部1で発生された光の 軸の周りの所定範囲の部分には、図1(b)に示 すように、前面レンズ7が形成されている。

 光源部1は、例えばLEDといった半導体発光 素子から構成されており、制御回路5からの 御信号にしたがって面状の光を発生する。 の光源部1で発生された光は、凸レンズ2に向 けて放射される。

 なお、面光源としては、一般に、以下の光 を使用することができる。
(1)ハロゲンランプ等の白熱ランプ
(2)HIDランプ等の放電ランプ
(3)LED等の半導体光源

 凸レンズ2は、光源部1で発生された光を 束し、前面レンズ7を介して、車両の前方の 面に投影する。これにより、前方路面上に 光源の実像が形成され、プロジェクタタイ の車載用ヘッドランプとして機能する。こ 凸レンズ2は、光源部1と前面レンズ7の間に 前面レンズ7に対して空間を設けて剥き出し に配置されている。

 ヒートパイプ3は、光源部1および放熱部 4の各々に接触することにより、これらに熱 に接続されている。このヒートパイプ3は、 光源部1で発生された熱を吸収して放熱部材4 伝達する。このヒートパイプ3の詳細は後述 する。

 放熱部材(ヒートシンク)4は、光源部1より 前面側であって、光源部1で発生された光の 軸から外れた位置、具体的には、前面レン 7の中央より下側に一部を配した構成であっ 、車載用ヘッドランプの中央から左右方向 ずらした位置に設けられている。この放熱 材4は、光源部1からヒートパイプ3によって 達されてくる熱を、ヘッドランプケース6の 内部の気体(以下、「内部気体」という)に伝 することにより、放出する。したがって、 源部1で発生された熱は、ヒートパイプ3お び放熱部材4によって前面レンズ7の下部へ伝 達される。

 この放熱部材4に伝達された熱によって、 ヘッドランプケース6の内部の前面側で上昇 流が発生し、この上昇気流が前面レンズ7に たることにより冷却されて下降気流を発生 るといった対流が発生する。この対流する 体によって車載用ヘッドランプの前面側が 温されることにより前面レンズ7が暖められ 、前面レンズ7に付着した雪を溶かすことが きる。なお、放熱部材4は、車載用ヘッドラ プの中央から左右方向にずらした位置に設 られているので、内部気体が加温される部 が車載用ヘッドランプの中央から左右に偏 た位置となり、内部気体の対流を効果的に 生させることができる。

 すなわち、前面レンズ7の近傍においては 、車載用ヘッドランプの奥に納められた光源 部1の近傍より広い空間が存在するため、内 の気体の温度差によって対流が発生し易い また、前面レンズ7の近傍の気体を左右片側 偏って加温すれば、車載用ヘッドランプ内 の前面レンズ7に近い空間において高温部と 低温部の温度差が拡大し、効果的な対流が生 じ、内部気体が循環する。加温された気体の 循環によって前面レンズ7が広範囲にわたっ 加温されるため、前面レンズ7ヘの雪の付着 防ぐ効果が高まる。同時に、気体の循環に ってヒートパイプ3の放熱効果が高まり、吸 熱部の吸熱効果が向上するので、光源部1の 度を低く保つことができる。

 この放熱部材4は、鉛直方向に延びるフィ ン4aを備えている。このフィン4aを備えるこ により内部気体との接触面積が増加し、内 気体への放熱を、より効果的に行うことが きる。なお、放熱部材4にフィン4aを備える とにより、内部気体の流通抵抗が増加する め、放熱部材4のフィン4aは、上昇気流の流 を阻害して流通抵抗が大きく増加しないよ に、内部気体が対流する方向(例えば鉛直方 )に延伸する溝または壁を有する形状とする のが好ましい。

 制御回路5は、光源部1に適切な励起エネ ギを供給して点灯させるための制御を行う この制御回路5は、ヘッドランプケース6と一 体に構成されている。これにより、車両側の 配線の引き回しが不要となり、車両側のスペ ース効率を向上させることができるとともに 、部品を削減できる。なお、この制御回路5 は、光源部1の過熱時に供給電力を低減する 御、車両が停車中は供給電力を低減する制 などを行う機能を追加するように構成でき 。

 次に、ヒートパイプ3の詳細を説明する。 この実施の形態1に係る車載用ヘッドランプ 使用されるヒートパイプ3は、「棒状ヒート イプ」と呼ばれ、概ね水平または吸熱部(光 源部1の最大発熱部に接触する部分)に対して 熱部(放熱部材4に接触する部分)が高い位置 なるように配策される。

 ヒートパイプ3としては、径が5~10mm程度の 銅製などの管(パイプ)が使用される。図2は、 棒状ヒートパイプの断面を示す図である。管 内には毛細管(メッシュ)3aが敷設され、水(液 )等の冷却液(以下水と表記する)3bが封入さ ている。また、ヒートパイプ3が対応可能な 度で、内封された水3bが蒸発(沸騰)するよう に、管内部の圧力が減圧、例えば略真空にさ れて封止されている。

 なお、ヒートパイプ3には、異常時を含め た最高温度において発生する内部圧力に対し て破壊しない強度が要求されるが、ヒートパ イプ3の温度を検出することによって、光源 1に投入される電力を制御して発熱を減じ、 ートパイプ3が対応可能な最高温度を低下さ せるように構成できる。

 次に、棒状のヒートパイプ3による伝熱動 作を説明する。ヒートパイプ3の内部では、 熱部に加えられた熱(光源部1で発生された熱 )によって加熱された水が蒸発する。この蒸 によって圧力が上昇した蒸気が、ヒートパ プ3の前面レンズ7側の圧力の低い、すなわち 温度の低い放熱部に向かって流れ、放熱部に おいて熱を放出し、冷却されて液化する。液 化した水は、重力によって流下して、または 、毛細管内を表面張力によって伝わって吸熱 部に戻る。以下、水3bは、蒸発と液化を繰り して自然循環する。

 なお、上述した特許文献4および特許文献 5に開示された技術のように、吸熱部を上部 、放熱部を下部に配置した場合、管内部の 体は殆ど下部に留まり、管内壁の毛細管を わって吸熱部まで上昇した液体が蒸発し、 気が下降して下部の液面近傍で液化する。 たがって、蒸発と液化のサイクルは、液面 吸熱部の間の極狭い範囲でしか行われない 一般的な液体の熱伝導性は金属部材より低 ため、下部に留まった液体の液面を蒸気に って加温しても、液体の下方に伝わる熱量 少ない。また、液体の液面(上層部)の温度が 上昇しても温度の上昇によって軽くなった、 つまり密度の低下した液体は上層部に留まり 、液体中に対流は発生しないので液体の移動 による熱の運搬も行われない。したがって、 管の上部で吸熱し、下部で放熱する構成にお いては、蒸発と液化のサイクルによる伝熱は なく、伝熱特性は管を構成する金属部材の伝 熱性能と殆ど同程度となり、ヒートパイプと しての効果は発揮されない。

 以上説明したように、この発明の実施の 態1に係る車載用ヘッドランプによれば、光 源部1で発生される熱をヒートパイプ3で吸熱 ることによって光源部1を冷却する(熱を取 除く)ことができるとともに、吸熱した熱を ートパイプ3で放熱部材4に運んで加温する とにより、車載用ヘッドランプの内部気体 対流を発生させ、対流する気体によって車 用ヘッドランプの前面側を加温することに り、前面レンズ7に付着した雪を溶かすこと できる。

 また、放熱部材4を、光源部1で発生され 光の光軸から外れた位置、具体的には、前 レンズ7の中央より下部に一部を配した構成 あって、車載用ヘッドランプの中央から左 方向にずらした位置に設けることにより、 部気体の加温される部位が車載用ヘッドラ プの中央から左右に偏った位置となるので 内部気体の対流を効果的に発生させること できる。

 また、凸レンズ2は、光源部1と前面レン 7の間に、前面レンズ7に対して空間を設けて 剥き出しに配置されるため、凸レンズ2の近 の内部気体を加温すれば、前面レンズ7との の空間に効果的な対流を発生することがで る。また、光源部1と凸レンズ2までの比較 短い距離で放熱構成を完結させることがで 、光源部1、凸レンズ2およびヒートパイプ3 含む放熱系を備えた発光ユニットを小形に とめることができ、車載用ヘッドランプの 射方向を調整する際にも小形の発光ユニッ は扱い易いという利点がある。なお、凸レ ズ2の部分は車外から見える部分であり車載 ヘッドランプとしてはデザイン的な要所で るため、放熱部材4として無骨なフィン4aは けにくいが、例えば凸レンズ2を囲む鏡面光 沢のリング状の放熱部材4を採用すれば、車 用ヘッドランプのデザインが損なわれるの 防止できる。

 また、ヒートパイプ3として、シンプルな 棒状のヒートパイプを用いたので、汎用的か つ安価なヒートパイプを使用することができ る。

 さらに、蛍光体を使用して可視光を発生 る白色光LEDのような半導体発光素子を用い 光源で発生される光に含まれる赤外線成分 少ないので、タングステンフィラメントを 用する白熱電球またはハロゲン電球のよう 照射光によって車載用ヘッドランプの前面 ンズ7を加温できない。したがって、上述し た実施の形態1に係る車載用ヘッドランプの うに、光源部1が発生する熱を使用して前面 ンズ7を加温する構成は、他の光源を使用し た車載用ヘッドランプよりも、より効果的で ある。

 なお、上述した実施の形態1に係る車載用 ヘッドランプの光源部1の冷却と前面レンズ7 加温を行う構成は、光源部1として面光源を 使用した車載用ヘッドランプ以外にも応用が 可能であり、点光源のLED、ハロゲン電球また は放電灯などを用いた車載用ヘッドランプで あっても、上記と同様に、光源部1の冷却と 前面レンズ7の加温を行うことができる。

実施の形態2.
 この発明の実施の形態2に係る車載用ヘッド ランプは、環状に形成された環状ヒートパイ プを用いて熱を伝達するようにしたものであ る。

 図3は、この発明の実施の形態2に係る車 用ヘッドランプの構造を示す図であり、図3( a)は、右側の車載用ヘッドランプの上面図、 3(b)は、その側面図である。この実施の形態 2に係る車載用ヘッドランプは、ヒートパイ 3の構造、敷設および機能を除き、上述した 施の形態1に係る車載用ヘッドランプと同じ である。以下では、実施の形態1に係る車載 ヘッドランプと同一または相当する構成要 には、実施の形態1で使用した符号と同一の 号を付して説明を省略し、ヒートパイプ3を 中心に説明する。

 この実施の形態2に係る車載用ヘッドラン プで使用されるヒートパイプ3は、「環状ヒ トパイプ」と呼ばれる。ヒートパイプ3の吸 部は、光源部1の最大発熱部に接触して熱的 に接続されており、この吸熱部が上下方向に 高低差を有するように配管されている。また 、ヒートパイプ3は、吸熱部の上部から車載 ヘッドランプの前方に向かって下降し、車 用ヘッドランプの前方に形成された放熱部 放熱部材4に接触して熱的に接続され、さら 、車載用ヘッドランプの前方から凸レンズ2 および光源部1の下側を回って吸熱部に繋が 環状に配管されている。

 ヒートパイプ3としては、実施の形態1に る車載用ヘッドランプと同様に、径が5~10mm 度の銅製などの管(パイプ)が使用される。図 4は、環状のヒートパイプ3の垂直部分に形成 れる吸熱部の断面を部分的に示す図である 管内には毛細管(メッシュ)3aが敷設され、管 の最頂部において車載用ヘッドランプの前方 側の管内の水面(液面)と後方側の管内の水面( 液面)とが分断される程度の水(液体)3bが注入 れている。また、ヒートパイプ3が対応可能 な温度で、内封された水3bが蒸発(沸騰)する うに、管内部の圧力が減圧、例えば略真空 されて封止されている。

 なお、ヒートパイプ3には、異常時を含め た最高温度において発生する内部圧力に対し て破壊しない強度が要求されるが、ヒートパ イプ3の温度を検出することによって、光源 1に投入される電力を制御して発熱を減じ、 ートパイプ3が対応可能な最高温度を低下さ せるように構成できる。

 次に、環状のヒートパイプ3による伝熱動 作を説明する。ヒートパイプ3の内部では、 熱部に加えられた熱(光源部1で発生された熱 )によって加熱された水が蒸発する。この蒸 によって圧力が上昇した蒸気が、管の上方 ら前面レンズ7側の圧力の低い、すなわち温 の低い放熱部に向かって下降しながら流れ 放熱部の上部に熱を放熱し、冷却されて液 する(高温の温水になる)。

 そして、この液化された高温の温水は、 熱部の下部に流され、放熱部の下部におい も放熱し、冷却された温水(低温の温水)と る。この低温の温水は車載用ヘッドランプ 前方から凸レンズ2および光源部1の下部を回 って吸熱部に戻る。以下、水3bは、蒸発と液 を繰り返して自然循環する。

 以上説明したように、この発明の実施の 態2に係る車載用ヘッドランプによれば、次 の効果を奏する。すなわち、上述した実施の 形態1に係る車載用ヘッドランプのように、 状ヒートパイプを使用した場合は、管の内 の水を循環させるために、放熱部は、吸熱 に表面張力によって液体を吸い上げること 可能な位置より低くすることができず、毛 管を使用しない構成のヒートパイプであれ 、吸熱部に対して放熱部は水平または高い 置に配置しなければならない。

 つまり、棒状ヒートパイプは熱を吸熱部 り上側への運搬しかできないため、発熱す 光源部1が上下方向の略中央にある車載用ヘ ッドランプにおいては、中央から下の部分を 加温することは不得手である。したがって、 棒状のヒートパイプによって車載用ヘッドラ ンプの前方の中層部に熱を導いても、発生す る中層から上層に流れる上昇気流の流路は短 く、煙突効果が低く、充分な対流を発生させ ることができない。

 これに対し、実施の形態2に係る車載用ヘ ッドランプで採用されている環状のヒートパ イプ3であれば、液体が流れることによって 吸熱部より下方にも熱を伝えることが可能 あり、上下方向の限られた車載用ヘッドラ プの狭い空間の下層から上層に流れる上昇 流を起こすことができ、長い流路で煙突効 が高まり、効果的な対流を発生させること できる。

 また、一般的な棒状のヒートパイプは、 部に特殊な毛細管構造を有し、構造が複雑 あり、必然的に高価にならざるを得ない。 れに対し、環状のヒートパイプ3であれば、 内部の毛細管の敷設を局部のみ、または全く 排除しても充分な熱の運搬効果が得られ、特 に毛細管を全く使用しない構成であれば、主 要な材料はパイプ材と水だけであり、安価な 放熱機構を実現できる。

 また、環状のヒートパイプ3の内部の冷却 液は、蒸発と液化のサイクルによって自然循 環されるので、強制的に冷却液を循環させる 必要は無く、低コストで、高効率な熱の伝達 が実現できる。

 なお、環状のヒートパイプ3として使用さ れる管の内壁は、毛細管3aを除去した平坦な とすることができる。すなわち、冷却液を 然循環させることによって、冷却液の供給 毛細管の浸透作用を使用しなくても吸熱部 冷却液を供給することができるので、ヒー パイプ3の内壁に毛細管構造を施す必要がな い。その結果、平坦な内壁面を有する安価な 汎用の管材(パイプ)を用いることができるの 、ヒートパイプ3のコストを低減することが できる。

実施の形態3.
 この発明の実施の形態3に係る車載用ヘッド ランプは、実施の形態1に係る車載用ヘッド ンプにおいて、凸レンズ2の代わりに、凹面 8を用いたものである。

 図5は、この発明の実施の形態3に係る棒 のヒートパイプを用いた車載用ヘッドラン の構造を示す図であり、図5(a)は、右側の車 用ヘッドランプの上面図、図5(b)は、その側 面図である。この車載用ヘッドランプは、光 源部1、凹面鏡8、ヒートパイプ3、放熱部材4 制御回路5、および、これらを収納するヘッ ランプケース6から構成されている。ヘッド ランプケース6の前面側の一部、具体的には 放熱部材4の上側であって光源部1で発生され て凹面鏡8で反射された光の光軸の周りの所 範囲の部分には、図5(b)に示すように、前面 ンズ7が形成されている。以下では、実施の 形態1と相違する部分を中心に説明する。

 光源部1は、凹面鏡8の前方であって、前 レンズ7の下方側に配置されている。凹面鏡8 は、光源部1の発光面からの光を反射させ、 面レンズ7を介して車両の前方路面に投影す 。これにより、前方路面上に面光源の実像 形成され、反射鏡(パラボラ)タイプの車載 ヘッドランプとして機能する。

 ヒートパイプ3は、光源部1および放熱部 4の各々に接触することにより、これらに熱 に接続されている。このヒートパイプ3は、 光源部1で発生された熱を吸収して放熱部材4 伝達する。放熱部材4は、光源部1からヒー パイプ3を介して伝達されてきた熱を内部気 に伝達する。

 以上のように構成される、この発明の実 の形態3に係る車載用ヘッドランプによれば 、実施の形態1に係る車載用ヘッドランプと 様の作用および効果を奏する他に、ヒート イプ3を、実施の形態1に係る車載用ヘッドラ ンプに比べて、光源部1から出力される光の 路を遮らない低い位置に配置できるので、 品レイアウトの自由度が増し、車載用ヘッ ランプのデザインが損なわれるのを防止で る。

 なお、光源部1に固定されたヒートパイプ 3には柔軟性がなく、車載用ヘッドランプの 射方向を調整するために光源部1の位置を変 る場合、光源部1の移動と同時に、光源部1 接続されたヒートパイプ3の位置も変えなけ ばならない。そこで、ヒートパイプ3の放熱 部を、光源部1と一体に移動する凹面鏡8の一 として構成すれば、柔軟性のない放熱部を むヒートパイプ3が光源部1および凹面鏡8と 体になって動くため、ヒートパイプ3の非柔 軟性は問題にならず、車載用ヘッドランプの 発光ユニットとして扱い易い構成を実現でき る。

 なお、凹面鏡8の部分は車外から見える部 分であり車載用ヘッドランプとしてはデザイ ン的な要所であるため、放熱部材4として無 なフィン4aは設けにくいが、例えば凹面鏡8 一部となる鏡面光沢を持つ放熱部材4を用い ば、車載用ヘッドランプのデザインが損な れるのを防止できる。なお、ここでいう凹 鏡8とは、車載用ヘッドランプの配光を左右 する実質的な反射鏡以外の、反射鏡を模した 装飾的な部材を含む。

実施の形態4.
 この発明の実施の形態4に係る車載用ヘッド ランプは、実施の形態2に係る車載用ヘッド ンプにおいて、凸レンズ2の代わりに、凹面 8を用いたものである。

 図6は、この発明の実施の形態4に係る環 のヒートパイプを用いた車載用ヘッドラン の構造を示す図であり、図6(a)は、右側の車 用ヘッドランプの上面図、図6(b)は、その側 面図である。この車載用ヘッドランプは、光 源部1、凹面鏡8、ヒートパイプ3、放熱部材4 制御回路5、および、これらを収納するヘッ ランプケース6から構成されている。ヘッド ランプケース6の前面側の一部、具体的には 放熱部材4の上側であって光源部1で発生され て凹面鏡8で反射された光の光軸の周りの所 範囲の部分には、図6(b)に示すように、前面 ンズ7が形成されている。以下では、実施の 形態2と相違する部分を中心に説明する。

 光源部1は、凹面鏡8の前方であって、前 レンズ7の下方側に配置されている。凹面鏡8 は、光源部1の発光面からの光を反射させ、 面レンズ7を介して車両の前方路面に投影す 。これにより、前方路面上に面光源の実像 形成され、反射鏡(パラボラ)タイプの車載 ヘッドランプとして機能する。

 ヒートパイプ3は、光源部1および放熱部 4の各々に接触することにより、これらに熱 に接続されている。このヒートパイプ3は、 光源部1で発生された熱を吸収して放熱部材4 伝達する。放熱部材4は、光源部1からヒー パイプ3を介して伝達されてきた熱を内部気 に伝達する。

 以上のように構成される、この発明の実 の形態4に係る車載用ヘッドランプによれば 、実施の形態2に係る車載用ヘッドランプと 様の作用および効果を奏する他に、ヒート イプ3を、実施の形態2に係る車載用ヘッドラ ンプに比べて、光源部1から出力される光の 路を遮らない低い位置に配置できるので、 品レイアウトの自由度が増し、車載用ヘッ ランプのデザインが損なわれるのを防止で る。

 以上のように、この発明に係る車載用ヘ ドランプは、光源部で発生された熱を、ヒ トパイプで放熱部材に導いて放出すること より対流を起こさせるように構成したので 光源部を冷却できる。また、対流によって 面レンズを効率よく加温できるので、例え 前面レンズに付着した雪を溶かすことがで 、寒冷地に使用される車載用ヘッドランプ どに用いるのに適している。