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Title:
VEHICLE PROPULSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008379
Kind Code:
A1
Abstract:
When drive wheels (3) of a vehicle are driven by a motor generator (10) functioning as a motor, electric power is supplied from a secondary battery (20) to the motor generator (10). On the other hand, when the drive wheels (3) are braked by the motor generator (10) functioning as a generator, electric power is supplied from the motor generator (10) to the secondary battery (20) and at the same time a first thermoelectric conversion element (11) receives electric power from the motor generator (10) to cool the motor generator (10).

Inventors:
UCHIYAMA NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062207
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ATSUMITEC KK (JP)
UCHIYAMA NAOKI (JP)
International Classes:
H02K9/22; B60L7/24; B60L11/18; F25B21/02; H02K11/00; H02N11/00
Foreign References:
JP2005151633A2005-06-09
JPS61159876U1986-10-03
JP2004236411A2004-08-19
JP2002036903A2002-02-06
JPH08148189A1996-06-07
JPS61147743A1986-07-05
JPH0984302A1997-03-28
JP2005151633A2005-06-09
Other References:
See also references of EP 2169813A4
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chom, Minato-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 車両に搭載され、モータとして作動することにより前記車両の駆動輪を駆動可能であると共に、発電機として作動することにより前記車両の駆動輪を制動可能な電動発電機と、
 前記電動発電機との間で電力の授受を行う2次電池と、
 前記電動発電機に熱的に接続された第1の熱電変換素子と、
 前記電動発電機により前記駆動輪を駆動する場合には、前記2次電池から前記電動発電機に電力が供給されるように前記電動発電機と前記2次電池との間の電力の授受を制御する一方、前記電動発電機により前記駆動輪を制動する場合には、前記電動発電機から前記2次電池に電力が供給されるように、前記電動発電機と前記2次電池との間の電力の授受を制御すると共に、前記第1の熱電変換素子が前記電動発電機から電力の供給を受けて前記電動発電機を冷却するように、前記電動発電機から前記第1の熱電変換素子への電力の供給を制御するパワーコントロールユニットと
 を備えることを特徴とする車両の推進装置。
 前記パワーコントロールユニットは、前記第1の熱電変換素子が前記電動発電機を冷却していない場合に、前記第1の熱電変換素子が前記電動発電機で発生する熱エネルギーを電力に変換し、前記2次電池もしくは前記電動発電機に供給するように制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の車両の推進装置。
 前記2次電池に熱的に接続された第2の熱電変換素子を更に備え、
 前記パワーコントロールユニットは、前記電動発電機により前記駆動輪を駆動する場合に、前記第2の熱電変換素子が前記2次電池の熱エネルギーを電力に変換して前記電動発電機に供給するように制御を実行する一方、前記電動発電機により前記駆動輪を制動する場合には、前記第2の熱電変換素子が前記2次電池の熱エネルギーを電力に変換して前記2次電池を充電するように制御を実行する
 ことを特徴とする請求項1に記載の車両の推進装置。
 前記2次電池に蓄えられている電気量を検出する充電量センサを更に備え、
 前記パワーコントロールユニットは、前記電動発電機により前記駆動輪を制動し、前記電動発電機から前記2次電池に電力が供給される場合に、前記充電量センサが検出した前記電気量が所定電気量未満のときには、前記電動発電機から前記第1の熱電変換素子への電力供給を停止するように制御を実行する一方、前記充電量センサが検出した前記電気量が前記所定電気量以上のときには、前記第1の熱電変換素子が前記電動発電機からの電力の供給を受けて前記電動発電機を冷却するように制御を実行する
 ことを特徴とする請求項1に記載の車両の推進装置。
 前記パワーコントロールユニットは、前記電動発電機により前記駆動輪を制動し、前記電動発電機から前記2次電池に電力が供給される場合に、前記充電量センサが検出した前記電気量が所定電気量未満のときには、前記第1の熱電変換素子が前記電動発電機で発生する熱エネルギーを電力に変換して前記2次電池を充電するように制御を実行することを特徴とする請求項4に記載の車両の推進装置。
 前記所定の電気量は、前記2次電池の定格充電電気量よりも少ない電気量であることを特徴とする請求項4に記載の車両の推進装置。
 前記2次電池の温度を検出する電池温度センサを更に備え、
 前記パワーコントロールユニットは、前記電動発電機により前記駆動輪を制動する場合に、前記電池温度センサが検出した前記2次電池の温度が所定の温度以上のときには、前記第2の熱電変換素子が前記電動発電機から電力の供給を受けて前記2次電池を冷却するように制御を実行する
 ことを特徴とする請求項3に記載の車両の推進装置。
 
Description:
車両の推進装置

 本発明は、動力源として電動発電機が単 若しくは他の動力源と組み合わされて用い れる車両の推進装置に関する。

 電気自動車は、動力源として電動発電機が いられる車両の1つとして知られている。電 気自動車では、走行時及び加速時に、2次電 (以下、単に「バッテリ」と表示することが る)に蓄えられた電力が、モータとして動作 する電動発電機に供給される。一方、制動時 には、電動発電機を発電機として動作させる ことによって得られた回生電力がバッテリに 蓄えられる。
 また、ハイブリッド自動車も、動力源とし 電動発電機が用いられる車両の1つとして知 られている。ハイブリッド自動車では、制動 時に電動発電機を発電機として動作させるこ とによって得られた回生電力がバッテリに蓄 えられる。また走行時及び加速時には、バッ テリに蓄えられた電力が、モータとして動作 する電動発電機に供給され、電動発電機が発 生する駆動力で、もう1つの動力源である内 エンジンを補助することにより燃費が改善 れる。このようなハイブリッド自動車は、 えば日本国特開2005-151633号公報に開示されて いる。

 しかしながら、例えば電気自動車或いはハ ブリッド自動車(以下、「電気自動車等」と 表示することがある)では、下り坂などにお て、長時間にわたって回生制動が継続する 、あるいは頻繁に回生制動が行われると、 ッテリの過充電が生じるおそれがある。こ ため、回生制動から機械的ブレーキへの切 替え、或いは両者の併用が必要となり、本 回生エネルギーとして回収可能な運動エネ ギーが機械的ブレーキによって失われてし う。従って、車両減速時の運動エネルギー 充分に回収できるとは云いがたい。
 また過充電が生じ得る状況においては、バ テリの温度の上昇によりバッテリ内部の電 等の電気抵抗(以下、単に「抵抗」と表示す ることがある)が増加してバッテリにおける 力損失が増加する。加えて機械的ブレーキ 多用は、ブレーキシュー等の磨耗を早める

 これらの問題を解消するために、バッテ の充電容量を増加させることが考えられる しかしながら、電気自動車等に多くのバッ リを搭載すると、車内の居住空間の減少や 車体重量の増加などの問題が生じてしまう またハイブリッド自動車の場合には、エン ンブレーキの併用も考えられるが、機械式 レーキを併用する場合と同様に、車両減速 の運動エネルギーを充分に回収することが きないという問題は解消されない。

 本発明はこのような課題に鑑みてなされた のであり、その目的とするところは、バッ リを適正に充電すると共に、エネルギー損 を抑制することが可能な車両の推進装置を 供することにある。
 上記目的を達成するため本発明に係る車両 推進装置は、車両に搭載され、モータとし 作動することにより車両の駆動輪を駆動可 であると共に、発電機として作動すること より車両の駆動輪を制動可能な電動発電機 、電動発電機との間で電力の授受を行う2次 電池と、電動発電機に熱的に接続された第1 熱電変換素子と、電動発電機により駆動輪 駆動する場合には、2次電池から電動発電機 電力が供給されるように電動発電機と2次電 池との間の電力の授受を制御する一方、電動 発電機により駆動輪を制動する場合には、電 動発電機から2次電池に電力が供給されるよ に、電動発電機と2次電池との間の電力の授 を制御すると共に、第1の熱電変換素子が電 動発電機から電力の供給を受けて電動発電機 を冷却するように、電動発電機から第1の熱 変換素子への電力の供給を制御するパワー ントロールユニットとを備える。

 このように構成された車両の推進装置によ ば、電動発電機により車両の駆動輪を制動 る場合に、電動発電機の回生電力が2次電池 に供給されて、2次電池が充電されると共に 第1の熱電変換素子が電動発電機の回生電力 供給を受けて電動発電機を冷却する。
 この結果、電動発電機の回生電力の全てを2 次電池の充電に用いる場合に比べ、2次電池 過充電となる可能性を減少させることがで る。従って、2次電池の耐久性を向上させる とが可能となると共に、過充電に伴う2次電 池の温度上昇に起因した電力損失の増大を防 止することができる。制動の際に機械式ブレ ーキを併用する場合には、過充電の可能性が 低減されることにより、機械式ブレーキへの 依存を軽減することができるので、機械式ブ レーキの耐久性も向上させることができる。 また、電動発電機の回生電力の一部で電動発 電機を冷却することにより、電動発電機の銅 損及び鉄損が低減され、車両の電力消費量を 低減することができる。車両がハイブリッド 車両の場合には、このような電力消費量の低 減により、燃費を向上させることができる。

 例えば、前記パワーコントロールユニット 、第1の熱電変換素子が電動発電機を冷却し ていない場合に、第1の熱電変換素子が電動 電機で発生する熱エネルギーを電力に変換 、2次電池もしくは電動発電機に供給するよ に制御を実行してもよい。
 この場合、第1の熱電変換素子が電動発電機 を冷却していないときに、電動発電機で発生 する熱エネルギーの一部が電力として回収さ れるので、2次電池の放電量を低減すること でき、エネルギーの利用効率を向上させる 共に、2次電池の耐久性を向上させることが きる。また、電動発電機の熱エネルギーを 力に変換することで電動発電機の温度上昇 軽減して、電動発電機の銅損および鉄損の 加を軽減することができる。従って、車両 もう1つの動力源として内燃機関を用いるハ イブリッド車両の場合には、このような2次 池の放電量の低減及び電動発電機の温度上 の軽減により、燃費を更に向上させること できる。

 車両の推進装置は、例えば2次電池に熱的に 接続された第2の熱電変換素子を更に備えて てもよい。この場合、パワーコントロール ニットは、電動発電機により駆動輪を駆動 るときに、第2の熱電変換素子が2次電池の熱 エネルギーを電力に変換して電動発電機に供 給するように制御を実行してもよい。一方、 電動発電機により駆動輪を制動するときパワ ーコントロールユニットは、第2の熱電変換 子が2次電池の熱エネルギーを電力に変換し 2次電池を充電するように制御を実行しても よい。
 パワーコントロールユニットがこのような 御を実行した場合、2次電池の熱エネルギー が回収されることによって2次電池の放電量 更に低減することができると共に2次電池の 度上昇が抑制される。従って、エネルギー 利用効率及び2次電池の耐久性を更に向上さ せることができる。また、車両がハイブリッ ド車両の場合には、このような2次電池の放 量の低減により、燃費を更に向上させるこ ができる。

 車両の推進装置は、例えば2次電池に蓄えら れている電気量を検出する充電量センサを更 に備えていてもよい。このような推進装置の パワーコントロールユニットは、駆動輪を制 動する電動発電機から2次電池に電力が供給 れる場合に、充電量センサが検出した電気 が所定電気量未満のときは、電動発電機か 第1の熱電変換素子への電力供給を停止する うに制御を実行してもよい。一方、パワー ントロールユニットは、駆動輪を制動する 動発電機から2次電池に電力が供給する場合 に、充電量センサが検出した電気量が所定電 気量以上のときには、第1の熱電変換素子が 動発電機からの電力の供給を受けて電動発 機を冷却するように制御を実行してもよい
 パワーコントロールユニットがこのような 御を実行した場合、2次電池に蓄えられてい る電気量が所定電気量未満のときには、電動 発電機の回生電力が第1の熱電変換素子へ供 されることなく2次電池に供給されて2次電池 が充電されるので、2次電池を速やかに充電 ることができる。一方、2次電池に蓄えられ いる電気量が所定電気量以上のときには、 1の熱電変換素子が電動発電機の回生電力の 一部を供給されて電動発電機を冷却するので 、電動発電機の銅損および鉄損が低減され、 車両の電力消費量を低減することができる。 このとき、2次電池の充電電流は電動発電機 回生電力の一部が第1の熱電変換素子に供給 れることによって減少するので、所定電気 を2次電池の定格充電電気量よりも少ない電 気量に設定すれば、2次電池が過充電となる 能性を確実に低減することができ、2次電池 耐久性を向上させることができる。

 また車両の推進装置が、上述のように2次電 池に蓄えられている電気量を検出する充電量 センサを更に備えている場合において、駆動 輪を制動する電動発電機から2次電池に電力 供給されているときに、充電量センサが検 した電気量が所定電気量未満であれば、パ ーコントロールユニットは、第1の熱電変換 子が電動発電機で発生する熱エネルギーを 力に変換して2次電池を充電するように制御 を実行してもよい。
 この場合には、電動発電機で発生する熱エ ルギーが第1の熱電変換素子により電力とし て回収され、2次電池が充電されるので、2次 池をより一層速やかに充電することができ 。また、電動発電機の熱エネルギーを電力 変換することで電動発電機の温度上昇を軽 して、電動発電機の銅損および鉄損の増加 更に軽減することができる。従って、車両 ハイブリッド車両の場合には、このような2 次電池の放電量の低減及び電動発電機の温度 上昇の軽減により、燃費を更に向上させるこ とができる。

 車両の推進装置は、例えば2次電池の温度 を検出する電池温度センサを更に備えていて もよい。このような推進装置のパワーコント ロールユニットは、電動発電機により駆動輪 を制動していて、電池温度センサが検出した 2次電池の温度が所定の温度以上のときに、 2の熱電変換素子が電動発電機から電力の供 を受けて2次電池を冷却するように制御を実 行してもよい。こうして2次電池を冷却する 、2次電池の内部電極抵抗の上昇が抑制され ので、2次電池における電力損失を低減する ことができると共に、耐久性を向上させるこ とができる。従って、車両がハイブリッド車 両の場合には、このような2次電池における 力損失の低減により、燃費を更に向上させ ことができる。

本発明の第1実施形態に係る推進装置の 概略構成図、 図1に示される推進装置の動作を説明す るためのブロック図、 図1に示される推進装置が動作している ときの車速、電動発電機の電流、及びバッテ リが蓄える電気量のそれぞれの時間的変化を 示すグラフ、 本発明の第2実施形態に係る推進装置の 動作を説明するためのブロック図、 図4に示される推進装置が動作している ときの車速、電動発電機の電流、及びバッテ リが蓄える電気量のそれぞれの時間的変化を 示すグラフ、 本発明の第3実施形態に係る推進装置の 概略構成図、 図6に示される推進装置の動作を説明す るためのブロック図、及び 図6に示される推進装置が動作している ときの車速、電動発電機の電流、及びバッテ リが蓄える電気量のそれぞれの時間的変化を 示すグラフである。

 以下、図面を参照し、本発明の実施形態に る車両の推進装置について説明する。
 本発明の第1実施形態に係る車両の推進装置 1aについて、図1乃至図3を用いて説明する。 1は、推進装置1aの概略構成図であり、図2は 推進装置1aの動作を説明するためのブロッ 図である。また、図3は、推進装置1aが動作 ているときの車速v、電動発電機の電流、及 バッテリが蓄える電気量Qのそれぞれの時間 的変化を示すグラフである。
 推進装置1aは、電動発電機10、電動発電機10 熱的に接続された第1の熱電変換素子11、バ テリ20、及びパワーコントロールユニット30 (以下、「PCU30」と表示する)を有する。PCU30は 、車両の運転状況を検知して、電動発電機10 第1の熱電変換素子11及びバッテリ20の電流( いは電力)の供給と受給を制御する。なお、 電動発電機10の出力軸には変速機2が連結され 、変速機2の出力側に設けられたディファレ シャルギヤが車軸を介して駆動輪3を駆動す 。

 ここで、図2及び図3に基づき、推進装置1aに おける電動発電機10の動作及びバッテリ20の 放電を説明する。なお、図2及び図3において 電動発電機10の電流は、正の領域ではモータ 動電流Im、負の領域では回生電流Igによって 表される。また図2では電流が供給される方 が矢印で示され、図3ではPCU30から流出する 流を正電流とすると共に、PCU30に流入する電 流を負電流として表示する。
 図2に示されるように推進装置1aは、車両の 動時にバッテリ20からモータ駆動電流Imを電 動発電機10に供給し、電動発電機10をモータ して動作させることにより駆動輪3に駆動力 伝達して車両を駆動する。一方、車両の制 時に推進装置1aは、電動発電機10を発電機と して動作させて駆動輪3を制動し、回生電流Ig をバッテリ20とペルチェ素子である第1の熱電 変換素子11に供給することができるように構 されている。

 図3には、車速vによって示されるように、 両が時刻Tsから時刻Taまで加速した後、時刻T aから時刻Tbまで平地を定速走行し、時刻Tbか 下り坂を制動状態で定速走行する場合の、 動発電機10の電流及びバッテリ20が蓄える電 気量Qの時間的変化が示されている。
 図3に示されるように、時刻TsからTaまでの 速状態において、バッテリ20はモータ駆動電 流Imとして電流im1を電動発電機10に供給する また、時刻Taから時刻Tbまでの定速走行状態 おいてバッテリ20は、モータ駆動電流Imとし て電流im2(im1>im2)を電動発電機10に供給する 従って、時刻Tsから時刻Tbまでの期間、即ち 車両の駆動時には、バッテリ20に蓄えられた 気量Qは減少し続ける。但し電流im1は電流im2 より大きいから、時刻Taを経過するとバッテ 20の電気量Qの減少は、それまでの減少に比 緩やかになる。

 時刻Tb以降の制動状態においては、電動発 機10から回生電流Igとして電流igがバッテリ20 及び第1の熱電変換素子11に供給される。この とき、バッテリ20には充電電流ibが供給され バッテリ20が充電されると共に、第1の熱電 換素子11にはドライブ電流ip1が供給され、第 1の熱電変換素子11により電動発電機10が冷却 れる。こうして電動発電機10が冷却される とにより、電動発電機10における銅損と鉄損 が減少して電力損失が低減すると共に、電動 発電機10の耐久性が向上する。
 仮に、時刻Tb以降の制動時において、第1の 電変換素子11への電流ip1の供給が行われな とすると、バッテリ20は電流ig(ig=ib+ip1)で充 される。この場合には、図3中に破線Qa’で されるように、バッテリ20の充電速度が早ま って、時刻Tcにおいて定格充電電気量Qmに達 る。このため、時刻Tc以降も充電を継続する と、バッテリ20が過充電されてしまう。

 しかし、本実施形態の推進装置1aは、上述 ように電動発電機10が供給する電流igのうち 電流ip1を第1の熱電変換素子11に供給するの 、バッテリ20は、図3中に電流igより少ない 流ib(ib=ig―ip1)で充電される。これにより、 ッテリ20の電気量Qは、図3に示されるQaのよ に変化し、過充電状態に至るまでの時間が くなる。即ち、バッテリ20が過充電となる前 に、車両が下り坂を下り終える確率が高まる 。こうして推進装置1aは、バッテリ20の過充 が生じる確率を低くすることができる。
 更に、PCU30が図2に示されるように充電量セ サ31を備えている場合、PCU30は、バッテリ20 速やかな充電を実現しつつ、過充電が生じ 確率を低くすることができる。即ち、制動 においてPCU30は、充電量センサ31が検出した バッテリ20の電気量に基づき、バッテリ20の 電状態を変更する。

 具体的には、バッテリ20の電気量Qが、バッ リ20の定格充電電気量Qmより小さい値に設定 された所定電気量Qt未満であるとき、PCU30は 第1の熱電変換素子11へ電流ip1を供給するこ なく、バッテリ20を電流ig(ig=ib+ip1)で充電す 。これによりバッテリ20は、図3中の破線Qa’ で示されるように、時刻Tb以降速やかに充電 れる。時刻Ttに至ってバッテリ20の電気量Q 所定電気量Qtに達すると、PCU30は、第1の熱電 変換素子11への電流ip1の供給を開始して、バ テリ20の充電電流を電流igから電流ibに減少 せる。この結果、図3中の一点鎖線Qa”で示 れるように、バッテリ20は時刻Ttの前に比べ 緩やかに充電される。こうして充電量センサ 31を備えた推進装置1aは、バッテリ20の速やか な充電を実現しつつ、バッテリ20の過充電が じる確率を低くすることができる。なお充 量センサ31には、例えばバッテリ20の出力電 圧からバッテリ20が蓄えている電気量Qを推定 するセンサを使用することができる。
 以上のとおり、本実施形態に係る推進装置1 aは、電動発電機10を冷却することで電力損失 を低減することができる。また、バッテリ20 過充電が生じる確率が少なくするので、機 的ブレーキへの依存を少なくすることがで ると共に、バッテリ20の耐久性を高めるこ ができる。更に、バッテリ20の耐久性を高め ることで、バッテリ20で回収できるエネルギ の総量が増加するから、バッテリ20から利 可能なエネルギーが増大し、エネルギーの 保に要するコストを軽減することができる もちろん推進装置1aが、上述したように充電 量センサ31を有している場合には、バッテリ2 0の速やかな充電を実現しつつ、過充電が生 る確率を低くすることができる。

 なお、車両が図示しない内燃機関をもう1つ の動力源として備えたハイブリッド車両であ る場合には、電動発電機10の冷却による電力 失の低減、及びバッテリ20の耐久性向上に う回収エネルギーの増加により燃費を向上 せることができる。
 次に、本発明の第2実施形態に係る車両の推 進装置1bを、図4及び図5を用いて説明する。 お、上述した第1実施形態の構成要素と同様 機能を有する構成要素には、同一の符号を してその説明を省略する。なお、図4は推進 装置1bの動作を説明するためのブロック図で る。また図5は、推進装置1bが動作している きの車速v、電動発電機10の電流、及びバッ リ20が蓄える電気量Qのそれぞれの時間的変 を示すグラフである。

 図5に示される電気量Qの時間的変化は、上 した第1実施形態と対比して示されている。 た、図4及び図5において電動発電機10の電流 は、正の領域ではモータ駆動電流Imによって され、負の領域では回生電流Igによって表 れる。なお、図4では電流が供給される方向 矢印で示され、図5ではPCU30から流出する電 を正電流とし、PCU30に流入する電流を負電 として表示する。
 第2実施形態に係る推進装置1bでは、第1の熱 電変換素子11が、ペルチェ素子として電動発 機10を冷却するだけでなく、PCU30の制御によ ってゼーベック効果による熱発電素子として 動作し、電動発電機10の熱エネルギーを電力 変換することができる点で、第1実施形態に 係る推進装置1aと相違する。即ち推進装置1b 、電動発電機10の銅損と鉄損で生じる電力損 失の一部を電力に変換して回収することがで きる。なお本実施形態においてPCU30は、第1の 熱電変換素子11の出力電圧(図4中にvz1で示さ る)を所定の電圧に変換する電圧変換器(図示 せず)を有している。

 図5には、車速vによって示されるように、 両が時刻Tsから時刻Taまで加速した後、時刻T aから時刻Tbまで定速走行し、時刻Tbから減速 て時刻Tdで停車し、時刻Tdから時刻Teまで加 し、そして時刻Teから時刻Tfまで減速して時 刻Tfで停車した場合の、電動発電機10の電流 びバッテリ20が蓄える電気量Qの時間的変化 示されている。
 図5に示されるように、推進装置1bでは、時 Tsから時刻Tbまでの期間(駆動時)には、上述 た第1実施形態の推進装置1aと同様に、バッ リ20はモータ駆動電流Imとして電流im1を電動 発電機10に供給する。また、時刻Taから時刻Tb までの定速走行状態においてバッテリ20は、 ータ駆動電流Imとして電流im2(im1>im2)を電 発電機10に供給する。これに伴い、バッテリ 20の電気量Qが実線で表されるQbのように減少 るが、推進装置1bでは、第1の熱電変換素子1 1により、電動発電機10の熱エネルギーを電力 に変換して電動発電機10に供給することがで る。従って、図5中に破線で表されたQaのよ にバッテリ20の電気量Qが減少する推進装置1 aに比較して、駆動時における推進装置1bのバ ッテリ20の放電量は少なくなる。なお、バッ リ20の電力は電動発電機10に供給されている ので、熱エネルギーを変換して得られた電力 はバッテリ20に供給されていると考えること できる。

 車両が時刻Tbから減速して時刻Tdで停車する までの期間(制動時)には、電動発電機10が回 制動を行うことにより回生電流Igとして電流 igを発生する。この期間では、推進装置1bが 推進装置1aと同様に、第1の熱電変換素子11に ドライブ電流ip1を供給してペルチェ素子とし て動作させることにより、電動発電機10を冷 すると共に、電流ibをバッテリ20に供給して バッテリ20を充電する。従って、推進装置1b おけるバッテリ20の電気量Qb及び推進装置1a 電気量Qaの変動は同一であるといえる。この ため、上述のように時刻Tbにおいて推進装置1 aより放電量の少ない推進装置1bのバッテリ20 、制動時において推進装置1aよりも多くの 気量を維持することができる。
 また、時刻Tdから時刻Teに至る期間(駆動時) は、推進装置1bが、上述のようにして電動 電機10の熱エネルギーを電力に変換できる。 従って、時刻Tsから時刻Tbまでの期間と同様 、推進装置1bのバッテリ20は、推進装置1aの ッテリ20よりも放電量が少なくなる。

 車両が時刻Teから減速して時刻Tfで停車する までの期間(制動時)では、時刻Tbから時刻Tdま での期間と同様に、推進装置1bのバッテリ20 電気量Qb及び推進装置1aのバッテリの電気量Q aの変動は同一であるといえる。
 このように、本実施形態の推進装置1bでは 推進装置1aのバッテリ20に比べてバッテリ20 放電量を減少させることができるので、推 装置1aよりも更にエネルギーの利用効率を向 上させ、エネルギーの確保に要するコストを より軽減することができる。従って、車両が 図示しない内燃機関をもう1つの動力源とし 備えたハイブリッド車両である場合には、 費を向上させることができる。

 推進装置1bのPCU30は、更に充電量センサ31を えていてもよい。この場合、制動時におい PCU30は、充電量センサ31によって検出された バッテリ20の電気量Qが所定の電気量Qtより少 いときには、第1の熱電変換素子11へ電流ip1 供給せず、電流ig(ig=ib+ip1)でバッテリ20が充 される。一方、バッテリ20の電気量Qが所定 電気量Qtに達すると、PCU30は第1の熱電変換 子11に電流ip1を供給し、バッテリ20の充電電 を電流igから電流ibに減少させる。これによ り、制動時において、バッテリ20の電気量Qが 少ないときには、バッテリ20を電流igで速や に充電することができる。また、バッテリ20 の電気量Qが所定の電気量Qtに達すると、バッ テリ20を電流igより少ない電流ibで緩やかに充 電して過充電が生じる確率を低くすることが できる。
 本実施形態の推進装置1bでは、駆動時にお て、第1の熱電変換素子11が電動発電機10の熱 エネルギーを電力に変換して電動発電機10に 給する一方、制動時においては、第1の熱電 変換素子11が電動発電機10を冷却する。ここ 、制動時であれば電動発電機10が常に冷却さ れてもよい。或いは、制動時であっても、バ ッテリ20の電気量Qbが所定の電気量Qa未満のと きには、第1の熱電変換素子11が電動発電機10 熱エネルギーを電力に変換して回収し、バ テリ20を充電するようにしてもよい。この 合には、第1の熱電変換素子11が回収した電 により、バッテリ20がより一層迅速に充電さ れる。このように制動時においては、第1の 電変換素子を電動発電機の冷却のために動 させる条件の成否が判断されるように、推 装置1bを構成してもよい。

 以上説明したとおり、本実施形態の推進装 1bは、制動時において電動発電機10を冷却す るばかりでなく、電動発電機10が発生する熱 ネルギーを電力に変換することができる。 って、推進装置1bは推進装置1aよりも更にエ ネルギーの利用効率を高め、エネルギーの確 保に要するコストを軽減することができる。 このため、車両が図示しない内燃機関をもう 1つの動力源として備えたハイブリッド車両 ある場合には、燃費を向上させることがで る。また、電動発電機10が発生する熱エネル ギーを電力に変換することで電動発電機10の 度上昇を抑制できるから、電動発電機10の 力損失(銅損、鉄損)を更に少なくすることが できると共に、電動発電機10の耐久性を更に めることができる。
 次に、本発明の第3実施形態に係る車両の推 進装置1cを、図6乃至図8を用いて説明する。 お、第1及び第2実施形態の構成要素と同様の 機能を有する構成要素には、同一の符号を付 してその説明を省略する。なお、図6は推進 置1cの概略構成図であり、図7は、推進装置1c の動作を説明するためのブロック図である。 また図8は、推進装置1cが動作しているときの 車速v、電動発電機10の電流、及びバッテリ20 蓄える電気量Qのそれぞれの時間的変化を示 すグラフである。

 図8に示される電気量Qの時間的変化は、上 した第2実施形態と対比して示されている。 た、図7及び図8において電動発電機10の電流 は、正の領域ではモータ駆動電流Imによって され、負の領域では回生電流Igによって表 れる。なお、図7では電流が供給される方向 矢印で示され、図8ではPCU30から流出する電 を正電流とし、PCU30に流入する電流を負電 として表示する。
 図6に示されるように、第3実施形態に係る 進装置1cは、バッテリ20と熱的に接続されて ーベック効果による熱発電素子として動作 る第2の熱電変換素子21を有する点で、上述 た第2実施形態に係る推進装置1bと相違する 即ち推進装置1cは、バッテリ20の充放電で生 じる熱エネルギーの一部を、PCU30によって制 される第2の熱電変換素子21によって回収す ことができる。なおPCU30は、第2の熱電変換 子21の出力電圧(図7中にvz2で示される)を所 の電圧に変換する電圧変換器(図示せず)を有 している。

 図8には、車速vによって示されるように、 両が図5と同様に運転される場合における、 動発電機10及びバッテリ20が蓄える電気量Q 時間的変化が示されている。但し、図8に示 れるバッテリ20の電気量Qについては、図5に 比べ、縦軸のスケールが拡大されて示されて いる。
 推進装置1cでは、PCU30によって制御される第 2の熱電変換素子21が、車両の駆動時における バッテリ20の放電によって生じる熱エネルギ の一部を電力に変換し、電動発電機10に供 することができる。また、制動時には、第2 熱電変換素子21がバッテリ20の充電で生じる 熱エネルギーの一部を電力に変換し、バッテ リ20を充電することができる。即ち推進装置1 cでは、バッテリ20の放電量が推進装置1bより 少なくなってエネルギーの利用効率が向上 、エネルギーの確保に要するコストが軽減 ると共に、バッテリ20が推進装置1bよりも早 く充電される。

 より具体的には、前述の第2実施形態の場合 と同じく、車両を図8に車速vで表されるよう 運転すると、推進装置1cにおけるモータ駆 電流Imと回生電流Igとは、それぞれ推進装置1 bの場合と同一になるので、第2の熱電変換素 21によるバッテリ20の充電に伴って、推進装 置1cにおけるバッテリ20の電気量Qc(実線)の方 、推進装置1bにおけるバッテリ20の電気量Qb( 破線)よりも増大する。もちろんバッテリ20の 温度上昇も少なくなるので、推進装置1bに比 て推進装置1cの方がバッテリ20の耐久性が向 上する。
 推進装置1cのPCU30は、更に充電量センサ31を えていてもよい。この場合、制動時におい PCU30は、充電量センサ31によって検出された バッテリ20の電気量Qが所定の電気量Qtより少 いときに、第1の熱電変換素子11への電流ip1 供給を停止することにより、バッテリ20の 電電流を増加させ、図8中に一点鎖線Qc’で されるように、バッテリ20を速やかに充電す ることができる。また、バッテリ20の電気量Q が所定の電気量Qtに達すると、第1の熱電変換 素子11へ電流ip1を供給することによって、バ テリ20の充電電流を減少させ、バッテリ20を 緩やかに充電して過充電が生じる確率を低く することができる。

 推進装置1cのPCU30が、バッテリ20の温度を検 する電池温度センサ32を更に有している場 には、バッテリ20の内部電極抵抗の増加(即 充放電時における電力損失の増加)をもたら バッテリ20の温度上昇を検知することがで る。PCU30がかかる温度上昇を検知した場合に は、第2の熱電変換素子21をペルチェ素子とし て動作させることによりバッテリ20を冷却し バッテリ20の充放電時における電力損失を 減することができる。
 具体的には、車両の制動時において、バッ リ20の温度が所定温度(例えば35乃至40℃前後 )よりも高いときには、PCU30が第2の熱電変換 子21に電流ip2を供給してペルチェ素子として 動作させる。これによりバッテリ20が冷却さ ると共に、バッテリ20の充電電流が低減し( えば、電流ib=ig-ip1-ip2)、過充電が生じる確 をより少なくすることができる。かかる推 装置1cは、バッテリ20の電力損失を低減して にエネルギーの利用効率を向上できると共 、過充電が生じる確率を更に少なくするこ ができる。

 ところでバッテリ20は、化学反応で電力を 生するから、冷却しすぎると放電能力が低 する。一般にバッテリは、常温よりも低い 度では放電能力が低下する傾向があるので バッテリ20の温度が例えば20℃程度まで低下 たときには、第2の熱電変換素子21によるバ テリ20の冷却を停止することが好ましい。
 なお本発明に係る推進装置は、前述した各 施形態に限定されるものではなく、その趣 を逸脱しない範囲で適宜変形して実施でき ことはいうまでもない。例えば、動力源と て電動発電機だけではなくガソリンエンジ 或いはディーゼルエンジン等の内燃機関を 用した、いわゆるハイブリッド自動車に本 明を適用することが可能である。
 更に、本発明に係る推進装置が適用される 両は、いわゆる自動車のみに限定されるも ではなく、モーターバイクや軌道上を走行 る車両等、様々な車両に本発明に係る推進 置を適用することが可能である。