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Title:
VEHICLE SEAT RECLINING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/037979
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle seat reclining device in which, in a predetermined reclining angle range, every pawl is reliably prevented from moving in the direction of meshing with inner teeth, reliably avoiding undesired contact between the pawls and the inner teeth. The vehicle seat reclining device has a transmission structure (25f, 28b) for converting a rotational motion of a cam (28) into a displacement motion of a main pawl (25), a first restriction structure (25e, 22e) for holding the main pawl (25) with outer teeth (25c) and inner teeth (22c) meshed with each other, a transmission structure (26f, 28b) for converting a rotational motion of the cam (28) into a displacement motion of a sub-pawl (26), and a second restriction structure (26g, 28c) for holding the sub-pawl (26) with outer teeth (26c) and the inner teeth (22c) unmeshed from each other. In a forward reclining angle range, the sub-pawl (26) is held by the transmission structures and the second restriction structure with the outer teeth (26c) of the sub-pawl (26) and the inner teeth (22c) unmeshed from each other.

Inventors:
YAMADA YUKIFUMI (JP)
OKAZAKI HIROYUKI (JP)
ISHIKAWA KAZUHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065952
Publication Date:
March 26, 2009
Filing Date:
September 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN SEIKI (JP)
YAMADA YUKIFUMI (JP)
OKAZAKI HIROYUKI (JP)
ISHIKAWA KAZUHIDE (JP)
International Classes:
B60N2/22; A47C1/025
Foreign References:
JP2002119349A2002-04-23
JP2002535106A2002-10-22
JP2003009978A2003-01-14
Other References:
See also references of EP 2189326A4
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Osamu (19-13 Kanayama-cho 1-chome, Atsuta-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
 車両用シートのシートクッション側およびシートバック側のいずれか一方に固定されるよう適用される第1アームと、
 前記車両用シートのシートクッション側およびシートバック側のいずれか他方に固定されるよう適用され前記第1アームに相対回転自在に支持された第2アームと、
 前記第1アームと前記第2アームとの間の内空間内に配設され前記第2アームに形成された内歯と、
 前記内空間内に配設され前記第1アームに移動自在に保持され当該移動により前記内歯と噛合解除可能に噛合する外歯を備えたメインポールとサブポールとからなる複数のポールと、
 前記内空間内に回転自在に配設され前記ポールの外歯を前記内歯と噛合させるべく前記ポールを押圧するとともに前記外歯と前記内歯との噛合を解除させるべく前記ポールを移動させるカムと、
 前記第1アームと前記カムとの間に配設され前記ポールが前記カムによって押圧される方向に前記カムを回転付勢するスプリングと、
 前記ポールと前記カムとの間に設けられ前記カムの回転動作を前記ポールの移動動作へと変換伝達する伝達構造体と、
 前記複数のポールのうち少なくとも1つ以上の前記メインポールと前記第2アームとの間に設けられ前記メインポールを前記外歯と前記内歯との噛合解除状態で保持する第1規制構造体と、
 前記複数のポールのうち前記第1規制構造体が形成されていない前記サブポールと前記カムとの間に設けられ前記サブポールを前記外歯と前記内歯との噛合解除状態で保持する第2規制構造体と、
 を有することを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項1において、前記スプリングは、一端が前記第1アームに係止され他端が前記カムに係止され、前記スプリングが伸びようとするときにその力により前記カムが前記サブポールから遠ざかる方向に押圧されるように配置されることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項1または請求項2において、前記伝達構造体は、前記カムに形成された第1突部と、前記ポールに形成され前記第1突部が挿通されて該第1突部と係合する第1カム溝とから構成されていることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項1または請求項2において、前記第1規制構造体は、前記メインポールに形成された第2突部と、前記第2アームに形成され該第2突部と係合する段差部とから構成され、前記第2突部と前記段差部との係合により前記メインポールの噛合方向への移動を規制することを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項4において、前記メインポールは2つ以上であることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項1または請求項2において、前記第2規制構造体は、前記カムに形成された第3突部と、前記サブポールに形成され前記第3突部が挿通されて該第3突部と係合する第2カム溝とから構成され、前記第3突部と前記第2カム溝との係合により前記サブポールの噛合方向への移動を規制することを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 請求項6において、前記第2規制構造体は、前記伝達構造体の機能も有することを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
Description:
車両用シートリクライニング装

 本発明は、車両用シートリクライニング 置に関するものである。

 従来から、車両用シートリクライニング 置としては、特許文献1に示されているもの が知られている。特許文献1の図1,3~6に示され ているように、車両用シートリクライニング 装置は、シートクッションとシートバックの いずれか一方に支持される第1のアーム(ロア ーム1)と、該第1のアームに相対回動自在に 持され、シートクッションとシートバック いずれか他方に支持される第2のアーム(ア パアーム2)と、第1のアームに配設される複 のポール(ポール50,60)と、第2のアームに設け られ複数のポールと係合する被係合部(内歯25 a)を備えている。この車両用シートリクライ ング装置においては、複数のポールを第1の ポール50(1つ)と第2のポール60(2つ)とで構成し 第1のポール50のみに当接部(突起51)を設け、 該当接部と接することでポール50と被係合部 係合を阻止する被当接部(突起27)を第2のア ムに設けている。

 このように構成された車両用シートリクラ ニング装置においては、ロックを解除した 態で、シートバックをシートクッションに して、いわゆる前倒し角度範囲にシートバ クを回転させて、操作ハンドル85を離すと スプリング86の作用力でカム40が、ポール50 内歯25aの噛み合い方向に押し付けるが、ポ ル50の移動は阻止され、噛み合いは生じない 。このとき他の2つのポール60も、そのカム長 穴66と突起ピン47の作用によって、内歯25aと み合わない位置に留められる。したがって 前倒し角度範囲では、シートバックはロッ されずに回転させることができる。

特開2003-9978号公報

 上述した特許文献1に記載した車両用シー トリクライニング装置の前倒し角度範囲にお いては、第1のポール50は、スプリング86の付 力によるカム40の作用によって内歯25aとの み合い方向に押し付けられ、突起51と突起27 当接してその位置に位置決め固定される。 方、第2のポール60は、カム長穴66と突起ピ 47の作用によって、内歯25aと噛み合わない位 置に留められるものの、カム長穴66と突起ピ 47とのクリアランスおよび第2のポール60と れをガイドするガイド壁121とのクリアラン が設定されているので、それらクリアラン の範囲内において自由に移動する(ガタツキ 発生する)。このように自由に移動する第2 ポール60の外歯64は、組立誤差や経年劣化に る磨耗などにより第2のアームの内歯25aと接 触するおそれがあった。

 本発明は、上述した問題を解消するため なされたもので、車両用シートリクライニ グ装置において、所定角度範囲において全 のポールの内歯との噛合方向への移動を確 に規制することにより、全てのポールと内 との無用な接触を確実に回避することを目 とするものである。

 上記の課題を解決するため、請求項1に係 る発明の構成上の特徴は、車両用シートのシ ートクッション側およびシートバック側のい ずれか一方に固定されるよう適用される第1 ームと、車両用シートのシートクッション およびシートバック側のいずれか他方に固 されるよう適用され第1アームに相対回転自 に支持された第2アームと、第1アームと第2 ームとの間の内空間内に配設され第2アーム に形成された内歯と、内空間内に配設され第 1アームに移動自在に保持され当該移動によ 内歯と噛合解除可能に噛合する外歯を備え メインポールとサブポールとからなる複数 ポールと、内空間内に回転自在に配設され ールの外歯を内歯と噛合させるべくポール 押圧するとともに外歯と内歯との噛合を解 させるべくポールを移動させるカムと、第1 ームとカムとの間に配設されポールがカム よって押圧される方向にカムを回転付勢す スプリングと、ポールとカムとの間に設け れカムの回転動作をポールの移動動作へと 換伝達する伝達構造体と、複数のポールの ち少なくとも1つ以上のメインポールと第2 ームとの間に設けられメインポールを外歯 内歯との噛合解除状態で保持する第1規制構 体と、複数のポールのうち第1規制構造体が 形成されていないサブポールとカムとの間に 設けられサブポールを外歯と内歯との噛合解 除状態で保持する第2規制構造体と、を有す ことである。

 また請求項2に係る発明の構成上の特徴は 、請求項1において、スプリングは、一端が 1アームに係止され他端がカムに係止され、 プリングが伸びようとするときにその力に りカムがサブポールから遠ざかる方向に押 されるように配置されることである。

 また請求項3に係る発明の構成上の特徴は 、請求項1または請求項2において、伝達構造 は、カムに形成された第1突部と、ポールに 形成され第1突部が挿通されて該第1突部と係 する第1カム溝とから構成されていることで ある。

 また請求項4に係る発明の構成上の特徴は 、請求項1または請求項2において、第1規制構 造体は、メインポールに形成された第2突部 、第2アームに形成され該第2突部と係合する 段差部とから構成され、第2突部と段差部と 係合によりメインポールの噛合方向への移 を規制することである。

 また請求項5に係る発明の構成上の特徴は 、請求項4において、メインポールは2つ以上 あることである。

 また請求項6に係る発明の構成上の特徴は 、請求項1または請求項2において、第2規制構 造体は、カムに形成された第3突部と、サブ ールに形成され第3突部が挿通されて該第3突 部と係合する第2カム溝とから構成され、第3 部と第2カム溝との係合によりサブポールの 噛合方向への移動を規制することである。

 また請求項7に係る発明の構成上の特徴は 、請求項6において、第2規制構造体は、伝達 造体の機能も有することである。

 上記のように構成した請求項1に係る発明 においては、複数のポールのうち少なくとも 1つ以上のメインポールと第2アームとの間に 、カムの回転動作をポールの移動動作へと 換伝達する伝達構造体、およびメインポー を外歯と内歯との噛合解除状態で保持する 1規制構造体が設けられている。これにより 、車両用シートリクライニング装置の前倒し 角度範囲においては、メインポールは、スプ リングの付勢力によるカムの作用によって内 歯との噛み合い方向に押し付けられ、第1規 構造体によってメインポールの外歯と内歯 の噛合解除状態で保持される。一方、複数 ポールのうち第1規制構造体が形成されてい いサブポールとカムとの間には、カムの回 動作をポールの移動動作へと変換伝達する 達構造体、およびサブポールを外歯と内歯 の噛合解除状態で保持する第2規制構造体が 設けられている。これにより、車両用シート リクライニング装置の前倒し角度範囲におい ては、サブポールは、伝達構造体および第2 制構造体によってサブポールの外歯と内歯 の噛合解除状態で保持される。したがって 車両用シートリクライニング装置において 所定角度範囲(前倒し角度範囲)において全て のポールの内歯との噛合方向への移動を確実 に規制して位置決め固定することにより、全 てのポールと内歯との無用な接触を確実に回 避することができる。

 上記のように構成した請求項2に係る発明 においては、スプリングは、一端が第1アー に係止され他端がカムに係止され、スプリ グが伸びようとするときにその力によりカ がサブポールの配置場所から遠ざかる方向 押圧されるように配置される。これにより 車両用シートリクライニング装置の前倒し 度範囲においては、カムと連動するサブポ ルも、カムなどのクリアランスの範囲内で スプリングの力によって内歯から遠ざかる 向に移動させることができるので、サブポ ルと内歯との接触をより確実に回避するこ ができる。

 上記のように構成した請求項3に係る発明 においては、伝達構造体は、カムに形成され た第1突部と、ポールに形成され第1突部が挿 されて該第1突部と係合する第1カム溝とか 構成されているので、簡単な構成でカムの 転動作をポールの移動動作へと確実に変換 達することができる。

 上記のように構成した請求項4に係る発明 においては、第1規制構造体は、メインポー に形成された第2突部と、第2アームに形成さ れ該第2突部と係合する段差部とから構成さ 、第2突部と段差部との係合によりメインポ ルの噛合方向への移動を規制するので、簡 な構成でメインポールの噛合方向への移動 確実に規制し確実に位置決め固定すること できる。

 上記のように構成した請求項5に係る発明 においては、メインポールは2つ以上である で、メインポールの第2アームに対する係合 の衝撃を緩和することにより部品の損傷を 減し寿命を延ばすことができる。また、サ ポールの数を低減することによりサブポー と内歯の接触する確率を低減することがで る。

 上記のように構成した請求項6に係る発明 においては、第2規制構造体は、カムに形成 れた第3突部と、サブポールに形成され第3突 部が挿通されて該第3突部と係合する第2カム とから構成され、第3突部と第2カム溝との 合によりサブポールの噛合方向への移動を 制するので、簡単な構成でサブポールの噛 方向への移動を確実に規制し確実に位置決 固定することができる。

 上記のように構成した請求項7に係る発明 においては、第2規制構造体は、伝達構造体 機能も有するので、簡単な構成でカムの回 動作をサブポールの移動動作へとより確実 変換伝達することができる。

本発明による車両用シートリクライニ グ装置が適用された車両用シートを模式的 示した側面図である。 図1に示す車両用シートリクライニング 装置の拡大図である。 図2の3-3線に沿った切断した端面図であ る。 図3に示す4-4線に沿って切断した断面図 であり、車両用シートリクライニング装置の ロック状態を示す図である。 図3に示す4-4線に沿って切断した断面図 であり、車両用シートリクライニング装置の アンロック状態を示す図である。 図3に示す4-4線に沿って切断した断面図 であり、車両用シートリクライニング装置の 前倒し角度範囲で突部25eが段差部22eに係合し ている状態を示す図である。 図3に示す7-7線に沿って切断した断面図 であり、車両用シートリクライニング装置の ロック状態を示す図である。

符号の説明

 10…車両用シート、11…シートクッション 、12…シートバック、13…シートクッション レーム、14…シートバックフレーム、20…車 用シートリクライニング装置、21…ロアア ム(第1アーム)、21a…凹部、21d…係止部、22… アッパアーム(第2アーム)、22b…凹部、22c…内 歯、22e…段差部、23…リング部材、24…ロッ 機構、25…メインポール,26…サブポール、25a ,26a…第1面部、25b,25b…第2面部、25c,25c…外歯 25e…突部(第2突部)、25f,26f…カム長穴(第1カ 溝)、26g…カム切り欠き(第2カム溝)、28…カ 、28a…カム面、28b…カム突部(第1突部)、28c カム突部(第3突部)、29…スプリング、30…ポ ール制御部材、31…操作レバー、32…回転軸 C…回動軸線、S…内空間。

 以下、本発明による車両用シートリクラ ニング装置が適用された車両用シートの一 施形態について図面を参照して説明する。 1は模式的に示した車両用シートの側面図を 示し、図2は車両用シートリクライニング装 の拡大図を示し、図3は図2の3-4線に沿った端 面図である。

 図1に示すように、車両用シート10は、車 のフロア(図示しない)に取り付けられるシ トクッション11と、シートクッション11の後 部に回転可能に支持されるシートバック12 、シートクッション11に対するシートバック 12の傾きを乗員の好みに応じて調整しその位 に位置決め固定する車両用シートリクライ ング装置(以下、リクライニング装置と省略 する。)20とを備えている。シートバック12は 図1に示すように、所定の範囲A内で傾斜角 を調整・位置決め固定することができ、か 、前方へシートクッション11上に重なる状態 (図1で一点破線で示す状態)まで倒すことがで きる。

 リクライニング装置20は、図2および図3に 示すように、円盤状のロアアーム(第1アーム) 21およびアッパアーム(第2アーム)22を備えて る。ロアアーム21はシートクッション11側に 定されている。すなわち、シートクッショ 11が固定されるシートクッションフレーム13 に溶接などによって固定されている。また、 アッパアーム22はロアアーム21に相対回転自 に支持されている。アッパアーム22はシート バック12側に固定されている。すなわち、シ トバック12が固定されるシートバックフレ ム14に溶接などによって固定されている。

 ロアアーム21には、図3に示すように、ア パアーム22側に開口して凹部21aが半抜き形 され、凹部21aはアッパアーム22とロアアーム 21の回動軸線Cを中心とする内周面21a1を有し いる。アッパアーム22は、その外周面22aでロ アアーム21の内周面21a1と摺接するように嵌合 され、ロアアーム21とアッパアーム22の摺接 は、互いの回動における軸と軸受として機 している。一方、アッパアーム22には、ロア アーム21側に開口して凹部22bが半抜き形成さ 、凹部22bの回動軸線Cを中心とする内周部に は全周に亘って内歯22cが形成されている。内 歯22cは、ロアアーム21とアッパアーム22との の内空間S内に配設されるものである。

 図3に示すように、ロアアーム21の外周を うようにリング部材23がかしめ固定され、 ング部材23の一側面はアッパアーム22の外周 を抱きかかえるように回転支持している。 れによって、ロアアーム21とアッパアーム22 は互いに回動可能に組付けられた状態で保持 されている。

 ロアアーム21とアッパアーム22との間の内 空間S内には、主として図3に示すように、シ トバック12を調整された傾斜位置にロック るロック機構24が配設されている。ロック機 構24は、主として、アッパアーム22に形成さ た内歯22cに係脱可能(噛合解除可能)に噛合す る外歯(係合歯)25cを備えたメインポール25と アッパアーム22に形成された内歯22cに係脱可 能(噛合解除可能)に噛合する外歯(係合歯)26c 備えたサブポール26と、操作レバー31の操作 より回転軸32を介して回動されその回動に ってメインおよびサブポール25,26を内歯22cに 対して係脱させるカム28と、カム28をメイン よびサブポール25,26を押圧する方向に回転付 勢するスプリング29と、によって構成されて る。

 メインポール25およびサブポール26から構 成されるポールは、回転軸線Cと直交する面 に等間隔の角度の位置に複数個(本実施形態 は3個)だけ配置されている。メインポール25 が2個であり、サブポール26が1個である。メ ンポール25は少なくとも1個あればよい。メ ンおよびサブポール25,26は、ロアアーム21の 部21aに径方向に延在して形成されたガイド 部21b内に径方向に移動自在(往復動自在)に 持されており、その移動により内歯22cと外 25c,26cが噛合したり、噛合解除したりする。

 メインポール25は、主として図4~6に示す うに、板状の鋼材で作製され、それぞれ第1 部25aと第2面部25bの2つの面部分が、互いに 差を持って接続され、全体として略ベース レート状の六角形形状となっている。メイ ポール25の第1面部25aの先端面には、アッパ ーム22の内歯22cと噛合可能な外歯25cが形成さ れ、外歯25cと反対側の端面で、第1面部25aと 2面部25bの段差部には背カム面25dが形成され いる。背カム面25dは、カム28の外周に形成 れたカム面28aに当接されて外方に向けて押 されるようになっている。

 第1面部25aには、第2面部25bの突出と同一 向に突設された突部(第2突部)25eが形成され いる。突部25eは、アッパアーム22の凹部22b内 にさらに形成された凹部22dの回動軸線Cを中 とする内周部に部分的に形成された段差部22 eと係合するようになっている。なお、段差 22eは、シートバック12の所定の範囲A以上前 でシートクッション12上に重なる状態までの 範囲すなわち前倒し角度範囲に相当するよう に設定されている。また、段差部22e以外の凹 部22dの内周部は所定の範囲Aまたはシートク ション12上に重なる状態に相当するように設 定されている。

 さらに、第2面部25bを板厚方向に貫通する ように、カム長穴(第1カム溝)25fが形成されて いる。このカム長穴25fには、カム28に形成さ たカム突部28b(第1突部)が挿通している。ま 、メインポール25の外歯25cを挟む両側部は 平行な直線部分を有しており、この直線部 がガイド凹部21bとクリアランスをもって案 されている。

 サブポール26は、基本的にメインポール25 と同様に構成されており、主として図4~6に示 すように、第1面部26a、第2面部26b、外歯26c、 カム面26d、カム長穴(第1カム溝)26fを備えて る。さらに、サブポール26の第2面部26bには 板厚方向に貫通するカム切り欠き(第2カム )26gが形成されている。このカム切り欠き26g は、カム28に形成されたカム突部28c(第3突部 )が入出可能になっている。

 カム28は、内空間S内に回転軸線C上に回転 自在に配置され、メインおよびサブポール25, 26の外歯25c,26cをアッパアーム22の内歯22cと噛 させるべく押圧するとともに外歯25c,26cと内 歯22cとの噛合を解除させるべくメインおよび サブポール25,26を移動させるものである。カ 28の外周壁面には、カム面28aが形成されて る。このカム28の径方向外周に該カム28と同 面となるようにメインおよびサブポール25,2 6が進退自在に配設されている。カム28には、 メインおよびサブポール25,26のカム長穴25f,26f に挿通されるカム突部28b(第1突部)が形成され るとともに、サブポール26のカム切り欠き26g 入出されるカム突部28c(第3突部)が形成され いる。カム突部28cはカム突部28bから所定距 だけ離れた位置に形成されている。所定距 は、サブポール26をカム28に対して回転方向 で支えるに十分なサブポール26の幅に対する 合距離である。また、カム突部28cはカム突 28bより回転軸線Cから遠い位置に配設されて いる。これにより、カム突部28cがカム切り欠 き26g内で係合したときにより大きな力で位置 決め固定することができる。

 スプリング29は、内空間S内でロアアーム2 1とカム26との間に配設されている。すなわち 、スプリング29は、ロアアーム21の凹部21aに 成された収納凹部21cに収納されている。ス リング29は、渦巻きばね(スパイラルスプリ グ)であり、メインおよびサブポール25,26が ム28によって押圧される方向にカム28を回転 勢するものである。

 スプリング29の一端(自由端)はカム28の係 部28dに係止され、スプリング29の他端(固定 )はロアアーム21の係止部21dに係止されてい 。スプリング29は、スプリングが伸びよう するときにその力によりカム28がサブポール 26から遠ざかる方向に押圧されるように、配 されるようになっている。カム28とロアア ム21は回転軸32に貫設されているが、その回 軸32に対して若干のクリアランスをもって るので、カム28とロアアーム21は相対的に径 向に移動する。したがって、メインポール2 5の突部25eがアッパアーム22の段差部22eに乗り 上げている場合において、スプリング29が収 していて延びようとしている場合には、図7 にてロアアーム21の係止部21dではスプリング2 9は矢印Dの方向にロアアーム21を押圧し、矢 Eで示す方向の反力がスプリング29に作用す 。したがって、カム28も矢印Eの方向に移動 れるので、サブポール26も一緒に矢印Eの方 に移動される。

 操作レバー31は、一端が回転軸32の外端に 一体回転可能に固定され、他端が乗員によっ て回動操作されるものである。回転軸32は、 転軸線C上に配置され、ロアアーム21、カム2 8、アッパアーム22に形成された各貫通穴21e、 28e、22fに挿通され、ロアアーム21およびアッ アーム22に回動自在に支持されている。カ 28の貫通穴28eは回転軸31に嵌合され、カム28 回転軸31と一体回転するようになっている。

 上述した、カム28のカム突部(第1突部)28b 、メインおよびサブポール25,26のカム長穴( 1カム溝)25f,26fとから、伝達構造体が構成さ ている。伝達構造体は、メインおよびサブ ール25,26とカム28との間に設けられカム28の 転動作をメインおよびサブポール25,26の移動 動作へと変換伝達するものである。

 上述した、メインポール25の突部(第2突部 )25eと、アッパアーム22の段差部22eとから、第 1規制構造体が構成されている。第1規制構造 は、複数のポールのうち少なくとも1つ以上 のメインポール25とアッパアーム22との間に けられメインポール25を外歯25cと内歯22cとの 噛合解除状態で保持するものである。すなわ ち、突部25eが段差部22eに係合している場合( 部25eが段差部22eに乗り上げている場合。図6 照。)、メインポール25はそれ以上外側に移 できず、外歯25cと内歯22cとは噛合できない

 上述した、カム28のカム突部(第3突部)28c 、カム突部28cが挿通されるサブポール26のカ ム切り欠き(第2カム溝)26gとから、第2規制構 体が構成されている。第2規制構造体は、複 のポールのうち第1規制構造体が形成されて いないサブポール26とカム28との間に設けら サブポール26を外歯26cと内歯22cとの噛合解除 状態で保持するものである。すなわち、カム 突部28cがカム切り欠き26gに係合している場合 (図6参照。)、メインポール26はそれ以上外側 移動できず、外歯25cと内歯22cとは噛合でき い。

 次に、このように構成された車両用シー リクライニング装置の作動について説明す 。操作レバー31が乗員により操作されてい い場合(図1で操作レバー31を上方に持ち上げ いない場合)、カム28がスプリング29により 4で反時計回り方向に付勢されている。そし 、カム28が反時計回り方向へ回動すると、 カム面25dとカム面28aとの当接、およびカム 部(第1突部)28bとカム長穴(第1カム溝)25f,26fと 係合によって、メインおよびサブポール25,2 6が内歯22cに向けて移動し、外歯25c,26cと内歯2 2cが噛合してメインおよびサブポール25,26と ッパアーム22が係合している。これにより、 シートバック12が所望の傾斜位置に位置決め 定されている。

 一方、操作レバー31が乗員により操作さ ている場合(図1で操作レバー31を上方に持ち げた場合)、スプリング29により反時計回り 向に付勢されているカム28が、図5で時計回 方向に回動される。このようにカム28が回 されると、背カム面25dとカム面28aとの当接 およびカム突部(第1突部)28bとカム長穴(第1カ ム溝)25f,26fとの係合によって、メインおよび ブポール25,26が内歯22cから離れる方向に向 て移動し、外歯25c,26cと内歯22cとの噛合が解 されてメインおよびサブポール25,26とアッ アーム22の係合が解除される。

 操作レバー31が乗員により操作されてい 間、メインおよびサブポール25,26とアッパア ーム22の係合が解除されているので、シート ック12の傾動が可能である。この傾動の範 は、図1に示すように、所定の範囲Aからシー トクッション11に重なる状態までである。

 所定の範囲A内においては、所望の傾斜位 置にシートバック12を調整し、その位置で操 レバー31の操作を解除すれば、メインおよ サブポール25,26とアッパアーム22が係合する でその位置でシートバック12を位置決め固 することができる。

 前倒し角度範囲においては、その範囲内 操作レバー31の操作を解除しても、スプリ グ29が反時計回り方向に付勢されており、突 部25eが段差部22eに押圧されて係合するので( 部25eが段差部22eに乗り上げる。図6参照。)、 メインポール25が内歯22cに移動するのが規制 れその位置にて位置決め固定される。また サブポール26では、カム突部28bとカム長穴26 fとの係合だけでなく、カム突部28cとカム切 欠き26gとの係合によって、サブポール26の外 歯26cの反対側の端部を両側の2箇所で保持す ので、サブポール26が内歯22cに移動するのが 規制されその位置にて揺動しないで位置決め 固定される。したがって、メインおよびサブ ポール25,26とアッパアーム22の係合が規制さ る。これにより、操作レバー31の操作なしで シートバック12を傾動させることができる。

 シートバック12がシートクッション11上に 重なる状態(図1参照(一点鎖線で示す状態))で 、その位置で操作レバー31の操作を解除す ば、メインおよびサブポール25,26とアッパア ーム22が係合するのでその位置でシートバッ 12を位置決め固定することができる。

 上述の説明から明らかなように、本実施 態においては、複数のポールのうち少なく も1つ以上のメインポール25とアッパアーム2 2との間には、カム28の回転動作をメインポー ル25の移動動作へと変換伝達する伝達構造体 およびメインポール25を外歯25cと内歯22cと 噛合解除状態で保持する第1規制構造体が設 られている。これにより、車両用シートリ ライニング装置の前倒し角度範囲において 、メインポール25は、スプリング29の付勢力 によるカムの作用によって内歯22cとの噛み合 い方向に押し付けられ、第1規制構造体によ てメインポール25の外歯25cと内歯22cとの噛合 解除状態で保持される。一方、複数のポール のうち第1規制構造体が形成されていないサ ポール26とカム28との間には、カム28の回転 作をサブポール26の移動動作へと変換伝達す る伝達構造体、およびサブポール26を外歯26c 内歯22cとの噛合解除状態で保持する第2規制 構造体が設けられている。これにより、車両 用シートリクライニング装置の前倒し角度範 囲においては、サブポール26は、伝達構造体 よび第2規制構造体によってサブポール26の 歯26cと内歯22cとの噛合解除状態で保持され 。したがって、車両用シートリクライニン 装置において、所定角度範囲(前倒し角度範 囲)において全てのポール25,26の内歯22cとの噛 合方向への移動を確実に規制して位置決め固 定することにより、全てのポール25,26と内歯2 2cとの無用な接触を確実に回避することがで る。

 また、スプリング29は、一端がロアアー 21に係止され他端がカム28に係止され、スプ ング29が伸びようとするときにその力によ カム28がサブポール26の配置場所から遠ざか 方向に押圧されるように配置される。これ より、車両用シートリクライニング装置の 倒し角度範囲においては、カム28と連動す サブポール26も、カム28などのクリアランス 範囲内で、スプリング29の力によって内歯22 cから遠ざかる方向に移動させることができ ので、サブポール26と内歯22cとの接触をより 確実に回避することができる。

 また、伝達構造体は、カム28に形成され 第1突部28bと、ポールに形成され第1突部28bが 挿通されて該第1突部28bと係合する第1カム溝2 5f,26fとから構成されているので、簡単な構成 でカム28の回転動作をポール25,26の移動動作 と確実に変換伝達することができる。

 また、第1規制構造体は、メインポール25 形成された第2突部25eと、アッパアーム22に 成され該第2突部25eと係合する段差部22eとか ら構成され、第2突部25eと段差部22eとの係合 よりメインポール25の噛合方向への移動を規 制するので、簡単な構成でメインポール25の 合方向への移動を確実に規制し確実に位置 め固定することができる。

 また、第2規制構造体は、カム28に形成さ た第3突部28cと、サブポール26に形成され第3 突部28cが挿通されて該第3突部28cと係合する 2カム溝26gとから構成され、第3突部28cと第2 ム溝26gとの係合によりサブポール26の噛合方 向への移動を規制するので、簡単な構成でサ ブポールの噛合方向への移動を確実に規制し 確実に位置決め固定することができる。

 また、第2規制構造体は、伝達構造体の機 能も有するのが好ましい。これによれば、簡 単な構成でカム28の回転動作をサブポールの 動動作へとより確実に変換伝達することが きる。

 また、メインポール25は2つ以上であるこ が好ましい。これによれば、メインポール2 5のアッパアーム22の段差部22eに対する係合時 の衝撃を緩和することにより部品の損傷を低 減し寿命を延ばすことができる。また、メイ ンポール25の増加によってサブポール26の数 低減することによりサブポール26と内歯22cの 接触する確率を低減することができる。

 また、上述した実施形態においては、第1 アームであるロアアーム21はシートクッショ 11側に固定されるとともに、第2アームであ アッパアーム22はシートバック12側に固定さ れるようにしたが、逆に、ロアアーム21はシ トバック12側に固定されるとともにアッパ ーム22はシートクッション11側に固定される うにしてもよい。

 以上のように、本発明にかかる車両用シ トリクライニング装置において、所定角度 囲において全てのポールの内歯との噛合方 への移動を確実に規制することにより、全 のポールと内歯との無用な接触を確実に回 するのに適している。