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Patent Searching and Data


Title:
VEHICLE SEAT RECLINING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041480
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle seat reclining device allowing smooth adjustment of seatback angles. The vehicle seat reclining device has an internally toothed gear (12) formed on a gear plate (1) fixed to a lower arm; an externally toothed gear (22) formed on an upper arm (2), meshing with the internally toothed gear, and having teeth the number of which is less by at least one or more than the number of the teeth of the internally toothed gear; wedge members (7a, 7b) capable of being frictionally engaged with or disengaged from the gear plate or the upper arm; a spring (9) provided between the wedge members and urging the wedge members in the direction in which they are frictionally engaged with either the gear plate or the upper arm; a drive shaft (6) for rotating in a pressing manner either of the wedge members in the direction in which it is released from the frictional engagement; and a ring member (75a) provided in a relatively rotatable manner between either the gear plate or the upper arm and the wedge members and, when the drive shaft rotates, rotating together with the wedge members so as to rotate relative to the other of the either the gear plate or the upper arm.

Inventors:
ITO SADAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067274
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN SEIKI (JP)
ITO SADAO (JP)
International Classes:
A47C1/025; B60N2/22
Foreign References:
JP2007136211A2007-06-07
JP2007521894A2007-08-09
JP2006334284A2006-12-14
Other References:
See also references of EP 2196110A4
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Osamu (19-13 Kanayama-cho 1-chome,Atsuta-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
 車両シートのシートクッション側に保持されるよう適合されたロアアームと、
 前記車両シートのシートバック側に保持されるよう適合されたアッパアームと、
 前記ロアアーム及び前記アッパアームの何れか一方からなる第1アームに形成された内歯ギヤと、
 前記ロアアーム及び前記アッパアームの他方からなる第2アームに形成され前記内歯ギヤと噛合う前記内歯ギヤより少なくとも1歯以上少ない外歯ギヤと、
 前記第1アームに対して摩擦係合及び摩擦係合解除可能な第1及び第2楔部材と、
 前記第1楔部材と前記第2楔部材との間に配設され前記第1及び前記第2楔部材を前記第1アームと摩擦係合する方向に常時付勢するスプリングと、
 前記第1楔部材及び前記第2楔部材のいずれか一方を前記摩擦係合を解除する方向に前記スプリングのばね力に抗して移動させ前記スプリングを介して前記第1及び第2楔部材を前記第1アームの回転軸線周りに回転させる駆動部が設けられた駆動シャフトと、
 前記第2アームと前記第1及び前記第2楔部材との間に相対回転自在に配設され前記駆動部の回転時において前記第1及び前記第2楔部材の他方と当接して前記第2アームに対して前記第1及び前記第2楔部材と共に回転するリング部材と、を有し、
 該駆動シャフトの回転によって前記第1及び第2楔部材が前記第1アームに対して回転して前記リング部材が前記第1アームの前記回転軸線周りに公転することにより前記第1アームに対して前記第2アームを偏心移動させて前記内歯ギヤと前記外歯ギヤとの歯数差に応じて前記アッパアームを前記ロアアームに対して回動させることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 車両シートのシートクッション側に保持されるよう適合されたロアアームと、
 前記車両シートのシートバック側に保持されるよう適合されたアッパアームと、
 前記ロアアーム及び前記アッパアームの何れか一方からなる第1アームに形成された内歯ギヤと、
 前記ロアアーム及び前記アッパアームの他方からなる第2アームに形成され前記内歯ギヤと噛合う前記内歯ギヤより少なくとも1歯以上少ない外歯ギヤと、
 前記第2アームに対して摩擦係合及び摩擦係合解除可能な第1及び第2楔部材と、
 前記第1楔部材と前記第2楔部材との間に配設され前記第1及び前記第2楔部材を前記第2アームと摩擦係合する方向に常時付勢するスプリングと、
 前記第1楔部材及び前記第2楔部材のいずれか一方を前記摩擦係合を解除する方向に前記スプリングのばね力に抗して移動させ前記スプリングを介して前記第1及び第2楔部材を前記第1アームの回転軸線周りに回転させる駆動部が設けられた駆動シャフトと、
 前記第1アームと前記第1及び前記第2楔部材との間に相対回転自在に配設され前記駆動部の回転時において前記第1及び前記第2楔部材の他方と当接して前記第1アームに対して前記第1及び前記第2楔部材と共に回転するリング部材と、を有し、
 該駆動シャフトの回転によって前記第1及び第2楔部材が前記リング部材とともに前記第1アームに対して回転することにより前記第1アームに対して前記第2アームを偏心移動させて前記内歯ギヤと前記外歯ギヤとの歯数差に応じて前記アッパアームを前記ロアアームに対して回動させることを特徴とする車両用シートリクライニング装置。
 前記リング部材は、前記第2アームに形成された円筒面に沿った円筒状摺接面を有しており、且つ該円筒状摺接面と背向する側には径方向に扇形状に張り出した幅広部をもち、
 該幅広部の側端面は前記第1楔部材及び前記第2楔部材の他方に当接可能な当接面であることを特徴とする請求項1記載の車両用シートリクライニング装置。
 前記リング部材は、前記第1アームに形成された円筒面に沿った円筒状摺接面を有しており、且つ該円筒状摺接面と背向する側には径方向に扇形状に張り出した幅広部をもち、
 該幅広部の側端面は前記第1楔部材及び前記第2楔部材の他方に当接可能な当接面であることを特徴とする請求項2記載の車両用シートリクライニング装置。
 前記リング部材は、前記第1楔部材及び前記第2楔部材に対して径外方向に配置されていることを特徴とする請求項1記載の車両用シートリクライニング装置。
 前記リング部材は、前記第1楔部材及び前記第2楔部材に対して径内方向に配置されていることを特徴とする請求項2記載の車両用シートリクライニング装置。
 前記駆動シャフトは、前記駆動シャフトより拡径方向に張り出しているとともに両端面にそれぞれ前記第1楔部材又は前記第2楔部材が当接可能なカム部を有し、
 前記カム部の一方の前記端面と前記第1楔部材との間の間隙が前記駆動シャフトの中心に対して形成する角度と、前記カム部の他方の前記端面と前記第2楔部材との間の間隙が前記駆動シャフトの中心に対して形成する角度との合計(A)は、前記第1楔部材と前記リング部材の前記当接面との間隙が前記リング部材の中心に対して形成する角度と、前記第2楔部材と前記リング部材の前記当接面との間隙が前記リング部材の中心に対して形成する角度との合計(B)との間に、A≦Bの関係をもつことを特徴とする請求項3記載の車両用シートリクライニング装置。
 前記駆動シャフトは、前記駆動シャフトより拡径方向に張り出しているとともに両端面にそれぞれ前記第1楔部材又は前記第2楔部材が当接可能なカム部を有し、
 前記カム部の一方の前記端面と前記第1楔部材との間の間隙が前記駆動シャフトの中心に対して形成する角度と、前記カム部の他方の前記端面と前記第2楔部材との間の間隙が前記駆動シャフトの中心に対して形成する角度との合計(A)は、前記第1楔部材と前記リング部材の前記当接面との間隙が前記リング部材の中心に対して形成する角度と、前記第2楔部材と前記リング部材の前記当接面との間隙が前記リング部材の中心に対して形成する角度との合計(B)との間に、A≦Bの関係をもつことを特徴とする請求項6記載の車両用シートリクライニング装置。
Description:
車両用シートリクライニング装

 本発明は、車両シートのシートバックの 度調整をする車両用シートリクライニング 置に関するものである。

 従来、車両用シートリクライニング装置 しては、特許文献1に示されているように、 シートクッション側に取り付けられ、内歯ギ ヤ(32)を固定したロアアーム(20)と、シートバ ク側に取り付けられ、内歯ギヤ(32)よりも歯 数が少ない外歯ギヤ(31)を固定したアッパア ム(10)と、ロアアーム(20)又はアッパアーム(10 )に対して摩擦係合及び摩擦係合解除可能な 対の楔部材(35,36)と、一対の楔部材(35,36)の間 に配設され楔部材(35,36)の一方と摩擦係合す 方向に常時付勢するスプリング(37)と、一対 楔部材(35,36)の一方を摩擦係合を解除する方 向にスプリング(37)のばね力に抗して移動さ スプリング(37)を介して楔部材(35,36)をロアア ーム(20)又はアッパアーム(10)に対して回転さ る駆動シャフト(33)とを有するものがある。 駆動シャフト(33)が回転すると、一方の楔部 (例えば35)がスプリングのばね力に抗して押 され、更にスプリングを介して他方の楔部 (例えば36)も押動される。そして、楔部材(35 ,36)がともにロアアーム(20)又はアッパアーム( 10)に対して回転し、ロアアーム(20)の内歯ギ (32)に対するアッパアーム(10)の外歯ギヤ(31) 噛み合い位置を順次移動させる。これによ 、外歯ギヤ(31)と内歯ギヤ(32)との歯数差に応 じてアッパアーム(10)がロアアーム(20)に対し 回動して、ロアアーム(20)に対するアッパア ーム(10)の角度が調整される。

 ここで、駆動シャフト(33)を回転させたとき 、駆動シャフト(33)の回転トルクは、主動側 部材(例えば、35)、スプリング(37)、従動側楔 部材(例えば、36)の順に伝達される。従動側 部材(例えば、36)は、スプリング(37)により押 されると、内歯ギヤ(32)に固定されたブッシ (34)の内周面と外歯ギヤ(31)の円筒部(31f)の外 面との間に挟まれて回転する。このため、 ヤ精度や外力などによってブッシュ(34)の内 周面又は円筒部(31f)の外周面から楔部材が受 る抵抗摩擦が急激に変化する場合がある。 の場合、楔部材(例えば、36)には、抵抗摩擦 から解放されたときに一瞬の動き(スキップ) 発生し、シートバックの円滑な角度調整が げられるおそれがある。そこで、特許文献1 では、従動側の楔部材(例えば、36)にゴム製 弾性部材(40)を当接させて従動側の楔部材(例 えば、36)の移動速度を減速させることにより 、従動側の楔部材のスキップの発生を抑制す ることを提案している。

特開2006―334284(請求項1,段落番号「0026」~ 「0048」)

 しかしながら、ゴム製の弾性部材では、 部材のスキップを抑制するには不十分であ 。そこで、弾性部材のゴム硬度を増加させ ことが考えられる。しかし、この場合、弾 部材の撓みが小さくなって楔部材の大きな 転移動に対応できなくなってしまう。

 また、ゴム製の弾性部材は、耐久性不足 、グリス、オイルによるゴム劣化、取付時 溶接の熱影響などが懸念され、実際的では い。

 本発明はかかる事情に鑑みてなされたも であり、シートバックの円滑な角度調整を ることができる車両用シートリクライニン 装置を提供することを課題とする。

 前記の課題を解決するため、請求項1に係 る発明は、車両シートのシートクッション側 に保持されるよう適合されたロアアームと、 前記車両シートのシートバック側に保持され るよう適合されたアッパアームと、前記ロア アーム及び前記アッパアームの何れか一方か らなる第1アームに形成された内歯ギヤと、 記ロアアーム及び前記アッパアームの他方 らなる第2アームに形成され前記内歯ギヤと 合う前記内歯ギヤより少なくとも1歯以上少 ない外歯ギヤと、前記第1アームに対して摩 係合及び摩擦係合解除可能な第1及び第2楔部 材と、前記第1楔部材と前記第2楔部材との間 配設され前記第1及び前記第2楔部材を前記 1アームと摩擦係合する方向に常時付勢する プリングと、前記第1楔部材及び前記第2楔 材のいずれか一方を前記摩擦係合を解除す 方向に前記スプリングのばね力に抗して移 させ前記スプリングを介して前記第1及び第2 楔部材を前記第1アームの回転軸線周りに回 させる駆動部が設けられた駆動シャフトと 前記第2アームと前記第1及び前記第2楔部材 の間に相対回転自在に配設され前記駆動部 回転時において前記第1及び前記第2楔部材の 他方と当接して前記第2アームに対して前記 1及び前記第2楔部材と共に回転するリング部 材と、を有し、該駆動シャフトの回転によっ て前記第1及び第2楔部材が前記第1アームに対 して回転して前記リング部材が前記第1アー の前記回転軸線周りに公転することにより 記第1アームに対して前記第2アームを偏心移 動させて前記内歯ギヤと前記外歯ギヤとの歯 数差に応じて前記アッパアームを前記ロアア ームに対して回動させることを特徴とする。

 請求項2に係る発明は、車両シートのシー トクッション側に保持されるよう適合された ロアアームと、前記車両シートのシートバッ ク側に保持されるよう適合されたアッパアー ムと、前記ロアアーム及び前記アッパアーム の何れか一方からなる第1アームに形成され 内歯ギヤと、前記ロアアーム及び前記アッ アームの他方からなる第2アームに形成され 記内歯ギヤと噛合う前記内歯ギヤより少な とも1歯以上少ない外歯ギヤと、前記第2ア ムに対して摩擦係合及び摩擦係合解除可能 第1及び第2楔部材と、前記第1楔部材と前記 2楔部材との間に配設され前記第1及び前記第 2楔部材を前記第2アームと摩擦係合する方向 常時付勢するスプリングと、前記第1楔部材 及び前記第2楔部材のいずれか一方を前記摩 係合を解除する方向に前記スプリングのば 力に抗して移動させ前記スプリングを介し 前記第1及び第2楔部材を前記第1アームの回 軸線周りに回転させる駆動部が設けられた 動シャフトと、前記第1アームと前記第1及び 前記第2楔部材との間に相対回転自在に配設 れ前記駆動部の回転時において前記第1及び 記第2楔部材の他方と当接して前記第1アー に対して前記第1及び前記第2楔部材と共に回 転するリング部材と、を有し、該駆動シャフ トの回転によって前記第1及び第2楔部材が前 リング部材とともに前記第1アームに対して 回転することにより前記第1アームに対して 記第2アームを偏心移動させて前記内歯ギヤ 前記外歯ギヤとの歯数差に応じて前記アッ アームを前記ロアアームに対して回動させ ことを特徴とする。

 請求項3に係る発明は、前記リング部材は 、前記第2アームに形成された円筒面に沿っ 円筒状摺接面を有しており、且つ該円筒状 接面と背向する側には径方向に扇形状に張 出した幅広部をもち、該幅広部の側端面は 記第1楔部材及び前記第2楔部材の他方に当接 可能な当接面であることを特徴とする。

 請求項4に係る発明は、前記リング部材は 、前記第1アームに形成された円筒面に沿っ 円筒状摺接面を有しており、且つ該円筒状 接面と背向する側には径方向に扇形状に張 出した幅広部をもち、該幅広部の側端面は 記第1楔部材及び前記第2楔部材の他方に当接 可能な当接面であることを特徴とする。

 請求項5に係る発明は、前記リング部材は 、前記第1楔部材及び前記第2楔部材に対して 外方向に配置されていることを特徴とする

 請求項6に係る発明は、前記リング部材は 、前記第1楔部材及び前記第2楔部材に対して 内方向に配置されていることを特徴とする

 請求項7及び請求項8に係る発明は、前記 動シャフトは、前記駆動シャフトより拡径 向に張り出しているとともに両端面にそれ れ前記第1楔部材又は前記第2楔部材が当接可 能なカム部を有し、前記カム部の一方の前記 端面と前記第1楔部材との間の間隙が前記駆 シャフトの中心に対して形成する角度と、 記カム部の他方の前記端面と前記第2楔部材 の間の間隙が前記駆動シャフトの中心に対 て形成する角度との合計(A)は、前記第1楔部 材と前記リング部材の前記当接面との間隙が 前記リング部材の中心に対して形成する角度 と、前記第2楔部材と前記リング部材の前記 接面との間隙が前記リング部材の中心に対 て形成する角度との合計(B)との間に、A≦Bの 関係をもつことを特徴とする。

 前記請求項1に係る発明によれば、ロアア ーム及びアッパアームの他方からなる第2ア ムと第1及び第2楔部材との間にリング部材を 相対回転自在に配設している。リング部材は 、駆動部の回転時において、第1及び第2楔部 のうちの従動側楔部材に当接して、第2アー ムに対して回転する。このとき、リング部材 は、従動側楔部材にリング部材の荷重に応じ た負荷を与える。ゆえに、回転中に外力の変 化やギヤ精度不良による偏心量の変化(外歯 ヤと内歯ギヤの中心距離の変化)があり、従 側の楔部材の回転速度が急激に増加しよう しても、リング部材が負荷となって、従動 の楔部材の回転速度の増加が抑制される。 たがって、従動側の楔部材の急激な動き(ス キップ)の発生を防止することができる。ゆ に、シートバックの円滑な角度調整を行う とができる。

 また、リング部材は、リング形状である このため、リング部材が回転により周方向 どの位置に配置されていても、従動側の楔 材に均一な負荷を付与することができる。 たがって、従動側の楔部材のスキップを効 的に抑制することができる。

 前記請求項2に係る発明によれば、ロアア ーム及びアッパアームの一方からなる第1ア ムと第1及び第2楔部材との間にリング部材を 相対回転自在に配設している。リング部材は 、駆動部の回転時において、第1及び第2楔部 のうちの従動側楔部材に当接して、第1及び 第2楔部材とともに第1アームに対して回転す 。このとき、リング部材は、従動側楔部材 リング部材の荷重に応じた負荷を与える。 えに、回転中に外力の変化やギヤ精度不良 よる偏心量の変化があり、従動側の楔部材 回転速度が急激に増加しようとしても、リ グ部材が負荷となって、従動側の楔部材の 転速度の増加が抑制される。したがって、 動側の楔部材の急激な動き(スキップ)の発 を防止することができる。ゆえに、シート ックの円滑な角度調整を行うことができる

 また、リング部材が回転により周方向の の位置に配置されていても、従動側の楔部 に均一な負荷を付与することができる。し がって、従動側の楔部材のスキップを効果 に抑制することができる。

 前記請求項3に係る発明によれば、リング 部材が、第2アームに形成された円筒面に沿 た円筒状摺接面を有している。このため、 ング部材は、楔部材が周方向のどの位置に 置されていても、圧入リングに対して摺動 抗を均一に維持することができ、楔部材に 動抵抗に応じた均一な負荷を与えることが きる。また、リング部材の径方向に張り出 た扇形状の幅広部の側端面は、第1楔部材及 第2楔部材の他方に当接可能な当接面である 。このため、幅広部の側端面は、従動側の楔 部材に確実に当接して、従動側の楔部材のス キップを効果的に抑制することができる。な お、「第2アームに形成された円筒面」は、 2アーム自体の部分であっても、第2アームに 一体に固定された部材の部分であってもよい 。

 前記請求項4に係る発明によれば、リング 部材が、第1アームに形成された円筒面に沿 た円筒状摺接面を有している。このため、 ング部材は、楔部材が周方向のどの位置に 置されていても、圧入リングに対して摺動 抗を均一に維持することができ、楔部材に 動抵抗に応じた均一な負荷を与えることが きる。また、リング部材の径方向に張り出 た扇形状の幅広部の側端面は、第1楔部材及 第2楔部材の他方に当接可能な当接面である 。このため、幅広部の側端面は、従動側の楔 部材に確実に当接して、従動側の楔部材のス キップを効果的に抑制することができる。な お、「第1アームに形成された円筒面」は、 1アーム自体の部分であっても、第1アームに 一体に固定された部材の部分であってもよい 。

 前記請求項5に係る発明によれば、リング 部材が、第1楔部材及び第2楔部材に対して径 方向に配置されているため、半径が従動側 楔部材よりも大きく、その分だけ回転モー ントが大きくなる。ゆえに、より効果的に 動側の楔部材を減速させることができる。

 前記請求項6に係る発明によれば、リング 部材が、第1楔部材及び第2楔部材に対して径 方向に配置されているため、半径が従動側 楔部材よりも小さく、その分だけ回転モー ントが小さくなる。ゆえに、楔部材の減速 果は、径外方向に配置されている場合より 小さくなるが、その分だけリング部材を押 する力が少なくてすむ。従って、楔部材を 転させるに必要な駆動部の回転トルクを節 することができる。

 前記請求項7及び前記請求項8に係る発明 よれば、カム部の一方の端面と第1楔部材と 間の間隙が駆動シャフトの中心に対して形 する角度と、カム部の他方の端面と第2楔部 材との間の間隙が駆動シャフトの中心に対し て形成する角度との合計(A)と、第1楔部材と ング部材の当接面との間の間隔がリング部 の中心に対して形成する角度と、第2楔部材 リング部材の当接面とのなす角度との間の 隔がリング部材の中心に対して形成する角 との合計(B)との間にA≦Bの関係をもつ。こ ため、一対の楔部材がカム部により許容さ る最大角度に開いた状態であるときでも、 部材はリング部材の側端面との間に僅かな 間があり近接するか、または側端面にちょ ど当接するにすぎない。ゆえに、楔部材を アアーム又はアッパアームに対して確実に 擦係合させることができる。

は、本発明の第1の実施形態に係る車両 用シートリクライニング装置を取り付けた車 両シートの側面図である。 は、第1の実施形態に係る車両用シート リクライニング装置の側面図である。 は、図2のA-A線矢視断面図である。 は、第1の実施形態に係る車両用シート リクライニング装置の分解斜視図である。 は、図3のB-B線矢視断面図である。 は、第1の実施形態に係る車両用シート リクライニング装置の主要部分を示すための 図5の拡大断面図である。 は、図5の駆動シャフトを時計方向に回 転したときの、楔部材及びリング部材の作動 を説明する図である。 は、第2の実施形態に係る車両用シート リクライニング装置の主要部分の拡大断面図 である。 は、第3の実施形態に係る車両用シート リクライニング装置の分解斜視図である。 は、第3の実施形態に係る車両用シー リクライニング装置の主要部分の拡大断面 である。 は、第4の実施形態に係る車両用シー リクライニング装置の主要部分の拡大断面 である。 は、第5の実施形態に係る、ギヤプレ ト、楔部材、リング部材、アッパアーム及 駆動シャフトの分解斜視図である。 は、第6の実施形態に係る、ギヤプレ ト、楔部材、リング部材、アッパアーム及 駆動シャフトの分解斜視図である。

符号の説明

1:ギヤプレート、2:アッパアーム、3:車両シ ート、5:駆動装置、6:駆動シャフト、7a、7b:楔 部材、8:連動シャフト、9:スプリング、10:車 用シートリクライニング装置、11:ロアアー 、12:内歯ギヤ、13:バーリング部、17,23:圧入 ング、20:シートバック、22:外歯ギヤ、24:枢 穴、25:バーリング部、30:シートクッション 66:カム部、71:突起部、75a、75b:リング部材、7 6:幅広部、76a:端面、77:外周面、78:内周面、79: 幅狭部、85:隙間。

 以下、本発明の第1の実施形態について説 明する。図1に示すように、車両用シートリ ライニング装置10は、シートクッション30に してシートバック20の傾斜角を調整するも である。本実施形態では、車両シート3の左 に、概略対称形の構造を採る車両用シート クライニング装置10がそれぞれ取り付けら 、双方の車両用シートリクライニング装置10 は後述する連動シャフト8によって連結され いる。一方側の車両用シートリクライニン 装置10にはモータ51を備える駆動装置5が取り 付けられ、他方側の駆動装置を持たない車両 用シートリクライニング装置10と連動して作 する。以下の車両用シートリクライニング 置10の説明は駆動装置5を有する側を主に構 と作動を説明する。

 図1,図2に示されるように、シートクッシ ン30は、ロアアーム11に取付穴11aで固定され ている。ロアアーム11にはギヤプレート1(第1 ーム、固定部材)が2個所でピン11bによって 定的に取り付けられている。図3,図4に示す うに、ギヤプレート1のほぼ中央部分はその 般平面部分より窪むように、またその周囲 は内歯ギヤ12を伴って半抜きプレス加工に ってスペース15が形成されている。スペース 15の中央部にはシャフト穴14を有し、スペー 15の窪みの開放側方向に筒状に起立するバー リング部13が成形されている。

 図1,図2に示すように、シートバック20は アッパアーム2(第2アーム、可動部材)に取付 2aで固定されている。図4に示すように、ア パアーム2のほぼ中央部分には、円形に一般 平面部分より突出するように、またその周囲 には外歯ギヤ22が半抜きプレス加工で形成さ ている。アッパアーム2の外歯ギヤ22の一部 歯(図5の上部)は、ギヤプレート1の内歯ギヤ 12の一部分の歯で噛合っている。ギヤプレー 1の内歯ギヤ12の歯数に対して、アッパアー 2の外歯ギヤ22の歯数は、僅かに少なく設定 れている。また、アッパアーム2の突出部の 中心部には枢軸穴24を有し、枢軸穴24の周囲 は突出部の突出方向と反対側に起立するよ に成形されたバーリング部25が成形されてい る。枢軸穴24内には、バーリング部25の内周 25aと同形状の外周面23bとなるように圧入リ グ23が圧入嵌合されて、アッパアーム2に一 に固定されている。

 また、図6に示すように、内歯ギヤ12と外 ギヤ22は、一対の楔部材7a、7bにより噛合い 保持されている。一対の楔部材7a、7bは、ギ ヤプレート1に内歯ギヤ12と同心的に形成され たバーリング部13の外周面13aと、この外周面1 3aに対して偏心し、アッパアーム2に外歯ギヤ 22と同心的に形成した圧入リング23の内周面23 aとの半径方向隙間に配置されている。一対 楔部材7a、7bは、2個の互いに近い部分ほどそ の厚さが厚くなるくさび形状をなし、2個の いに近い部分の一端を厚肉側端部72とし、他 端を薄肉側端部74としている。楔部材7a、7bは 、その内周面70bがギヤプレート1のバーリン 部13の外周面13aに当接可能で、かつ外周面70a が圧入リング23の内周面23aに摺接可能な円弧 状を呈している。また、楔部材7a、7bの外周 面70aは、リング部材75aの幅狭部79の内周面78 同形状をもつ摩擦面である。楔部材7a、7bの 周面70bは、薄肉側端部74の近傍がバーリン 部13との間にわずかな隙間を形成し、厚肉側 端部72の側にいくにしたがってバーリング部1 3との隙間が狭くなりやがて当接可能な形状 楔面を形成している。そして、図5で示され 状態の例では、楔部材7a、7bは、バーリング 部13の外周部13aの概略半周分を覆うように配 され、さらに楔部材7a、7bの相互間には隙間 85が設けられている。この隙間85には、隙間85 を広げるように作用するスプリング9が配設 れている。図4に示すように、スプリング9の 一端91aは一方の楔部材7aの厚肉側端部72に係 され、他端91bは他方の楔部材7bの厚肉側端部 72に係止されている。

 図4,図5に示すように、楔部材7a、7bの外側 には金属製のリング部材75aが配置されている 。リング部材75aは、幅狭部79と、幅狭部79よ も径方向内側に張り出した扇形状の幅広部76 とをもつ。リング部材75aの外周面77は、圧入 ング23の円筒状の内周面23aに沿った同心の 筒状摺接面である。幅狭部79は周方向に均一 な厚みであり、幅狭部79の内周面78は、外周 77と同心である。また、幅狭部79の内周面78 、楔部材7a、7bの外周面70aに沿った形状をも 。幅広部76の両側の端面76aは、楔部材7a、7b 薄肉側端部74が当接可能な当接面である。

 図3,図4に示すように、ギヤプレート1のシ ャフト穴14には駆動シャフト6が回転自在に貫 挿している。駆動シャフト6の長さ方向のほ 中央部には、円板平面状の一部を径方向開 するように切欠いた扇形状を有するカム部66 が形成されている。一方、上述の2個の楔部 7a、7bの端面部には、アッパアーム2のバーリ ング部25および圧入リング23の端面より軸方 に突出するように突起部71が形成されている 。そして、カム部66の切欠き部分の端面66aは 駆動シャフト6が一方向に回転すると、楔部 材7a、7bのいずれかの突起部71の端面73に当接 て、スプリング9の力に抗して2個の楔部材7a 、7bの隙間85を狭くするように移動させる。 た、駆動シャフト6がその逆方向に回転する 、他方の楔部材7a、7bを移動させ、同様に隙 間85を狭くするように移動させる。このよう 、楔部材7a、7bの端面部に突起部71を形成し 駆動シャフト6上の円板平面状を切欠いて形 成されたカム部66に突起部71が当接するよう 構成したことで、カム部66を有する駆動シャ フト6を鋼材の塑性加工方法で容易に作成可 にしている。またカム部66の一般円盤平面部 は、楔部材7a、7bの端面部の突起部71以外の端 面を覆う大きさの外径を有し、シートバック から過大な荷重が作用し、その結果として楔 部材7a、7bに大きな荷重が作用した場合でも 楔部材7a、7bが所定位置から外れることを防 する作用を兼ね備えている。

 図2,図3に示すように、駆動シャフト6は、 その両端部に軸方向に複数の歯溝を持つセレ ーション部61、65が形成されている。ロアア ム11上には、ピン56aによって駆動装置5が取 付けられている。駆動装置5は駆動源として モータ51とウォームギヤ53、ウォームホィー ル54、ピニオンギヤ57、及びギヤ55からなる減 速装置を有し、モータ51の回転を、最終段階 ギヤ55に伝達する。ギヤ55はその中心に駆動 シャフト6のセレーション部65と係合するセレ ーション55aを有している。ここでは図示しな いが、モータ51は乗員が操作するスイッチに って正転、および逆転が自在にできるよう 構成されている。

 以上の説明で、機能上の構成部品は述べ れたが、リクライニング装置10を組み付け 態にするために、図3,図4に示すように、駆 シャフト6のギヤプレート1側はワッシャ63を して止め輪64を駆動シャフト6の円周上の溝 係止させ、さらに駆動シャフト6のアッパプ レート2側上にはスプリング9を押さえる機能 持つカバー81が取り付けられ止め輪62で係止 されている。さらに車両用シートリクライニ ング装置10に過大な荷重が加わったとき、ギ プレート1とアッパアーム2の歯の噛合いが 方向に外れないようにするためにアッパア ム2には押さえプレート21が、またギヤプレ ト1には押さえプレート18がそれぞれ相手側 あるアッパアーム2とギヤプレート1を挟むよ うに取り付けられている。

 駆動シャフト6のセレーション部61には、 動シャフト8の一端が嵌着されている。連動 シャフト8の他端は、駆動シャフト6とは反対 のセレーションと係合しており、駆動装置5 の駆動力をシート反対側に取り付けられたも う一方の車両用シートリクライニング装置10 伝達している。

 次に、車両用シートリクライニング装置 角度調整作動を説明する。まず、図5,図6に すように、駆動シャフト6が回転していない 場合には、スプリング9により楔部材7a、7bが いに離間する方向に付勢されている。この め、スプリング9により楔部材7a、7bが離間 ると、楔部材7a、7bの内周面70bがバーリング 13に強く押されて楔面として作用する。そ て、楔部材7a、7bとバーリング部13との間に 擦力が働き、楔部材7a、7bの回転が規制され 。また、楔部材7a、7bは、バーリング部13に り径外方向に押されるため、外周面70aがリ グ部材75aの内周面78に対して強く押し付け る。これにより、外周面70aが摩擦面として 用し、リング部材75aの幅狭部79に対して摩擦 係合する。このようにして、楔部材7a、7bと ング部材75aとのギヤプレート1に対する回転 規制されている。この回転の規制により、 ッパアーム2の外歯22とギヤプレート1の内歯 12との噛合いが所定位置で保持される。

 ここで、図5、図6に示すように、駆動シ フト6の一方のカム部66の端面66aと一方の楔 材7aの突起部71の端面73との間の間隙は、駆 シャフト6の中心aに対して角度a1を形成する 他方のカム部66の端面66aと他方の楔部材7bの 突起部71の端面73との間の間隙は、中心aに対 て角度a2を形成する。また、一方の楔部材7a の薄肉側端部74とリング部材75aの幅広部76の 方の端面76aとの間の間隙は、リング部材75a 中心bに対して角度b1を形成する。他方の楔 材7bの薄肉側端部74と幅広部76の一方の端面76 aとの間の間隙は、中心bに対して角度b2を形 する。角度a1とa2の合計Aは、角度b1と角度b2 の合計Bとの間に、A≦Bの関係をもつ。即ち(a 1+a2)≦(b1+b2)の関係が成立する。このため、図 6に示すように、2つの楔部材7a、7bがカム部66 端面66aにより許容される最大開口角度に開 た状態であるときでも、楔部材7a、7bの薄肉 側端部74は、リング部材75aの幅広部76の端面76 aとの間にわずかな隙間があり当接しないか または端面76aにちょうど当接するにすぎな 。ゆえに、楔部材7a、7bを、ギヤプレート1の バーリング部13に強く摩擦係合させることが きる。したがって、内歯ギヤ12と外歯ギヤ22 との噛合い位置が確実に保持される。

 次に、図2,図3に示すように、図示しない イッチを操作してモータ51が一方向に回転 ると、減速装置を経て駆動シャフト6に回転 ルクが伝達される。図7(a)に示すように、駆 動シャフト6が一方向に回転すると、カム部66 の端面66aは、楔部材7a、7bのうちの主動側の 部材7aの突起部71の端面73に当接する。

 そして、図7(b)に示すように、主動側の楔 部材7aは、スプリング9の力に抗して従動側の 楔部材7bとの間の隙間85を狭くするように、 動シャフト6の回転軸線周りに回転させられ 。これにより、楔部材7a、7bによる摩擦係合 が解除されて内歯ギヤ12と外歯ギヤ22との噛 い位置が移動可能となる。さらに、駆動シ フト6を回転させると、双方の楔部材7a、7bの 厚肉側端部72の間の隙間85が更に減少する。 たは、シートバックにかかる負荷とスプリ グ9の付勢力とのバランスにより場合によっ は厚肉側端部72同士が接触する。この状態 、楔部材7a、7bは駆動シャフト6と同一の方向 に駆動シャフト6の回転軸線周りに回転する また、リング部材75aの中心は、周方向に厚 が異なる楔部材7a、7bにより、駆動シャフト6 の回転軸に対して偏心した位置にある。この ため、楔部材7a、7bの回転により、リング部 75aが、駆動シャフト6の回転軸線周りに公転 る。そして、ギヤプレート1の内歯ギヤ12は ーリング部13と同心であり、その中心aは、 動シャフト6の回転軸線上にある。また、ア ッパアーム2の圧入リング23との間には周方向 に厚みの異なる楔部材7a、7bが介在している め、ギヤプレート1の内歯ギヤ12の中心aとア パアーム2の外歯ギヤ22の中心bとは偏心して いる(図6)。このため、リング部材75aの公転に より、アッパリング2の外歯ギヤ22がギヤプレ ート1の内歯ギヤ12に対して偏心移動する。こ れにより、外歯ギヤ22と内歯ギヤ12との歯の 合い位置が移動する。

 やがて、図7(c)に示すように、従動側の楔 部材7bの薄肉側端部74が、リング部材75aの一 の端面76aに当接する。更に、楔部材7a、7aが 転すると、図7(d)に示すように、従動側の楔 部材7bが端面76aに当接しながらリング部材75a 押動する。リング部材75aは、その外周面77 、アッパアームに固定された圧入リング23の 内周面23aに摺接させながら、楔部材7a、7bと もにアッパアームのバーリング部13に対して 回転し始める。図7(b)に示す段階で、既にリ グ部材75aは楔部材7a、7bの回転により駆動シ フト6の回転軸線周りに公転し始めているた め、この図7(d)に示す段階で初めて回転運動 加わることになる。図5に示すように、この 階で、更に、内歯ギヤ12の中心に対して外 ギヤ22が偏心移動し歯の噛合い位置が順次移 動する。そして、駆動シャフト6が1回転する とに双方の歯数の差分の角度に相当する角 分だけアッパアーム2がギヤプレート1に対 て回動する。これにより、シートクッショ 30に対するシートバック20の角度が調整され 。

 なお、スイッチの操作によりモータ51を 方向に回転させると、駆動シャフト6が逆方 に回転し、楔部材7a、7bの主従が逆転し、楔 部材7bが主動側、楔部材7aが従動側となる。

 スイッチの操作によりモータを停止させ と、駆動シャフト6の回転が停止する。そし て、図7(e)に示すように、駆動シャフトのカ 部66が回転を停止する。これにより、主動側 の楔部材7aの回転は停止する。従動側の楔部 7bは、スプリング9のばね力によって主動側 楔部材7aとの間隔85を広げるように更に回転 する。その後、図6に示すように、駆動シャ ト6が若干逆回転して、カム部66の端面66aが 動側楔部材7aの薄肉側端部74から離間する。 プリング9のばね力によって楔部材7a、7bが 隔85を離間させる方向に移動し、その外周面 70aの楔効果によって停止する。これにより、 内歯ギヤ12と外歯ギヤ22との噛み合い位置が 持されて、ギヤプレート1に対してアッパア ム2が所定角度でロックされる。

 ところで、回転中に外力の変化やギヤ精 不良によって、外歯ギヤ22と内歯ギヤ12の中 心距離が変化して、急激に従動側の楔部材7b ギヤプレート1などから受ける負荷が減少す る場合がある。この場合、従動側の楔部材7b 回転速度が、急激に増加しようとする。し し、従動側の楔部材7bの薄肉側端部74は、リ ング部材75aの幅広部76の端面76aに当接してリ グ部材75aを押動している。このため、リン 部材75a自体の荷重及び圧入リング23との摺 抵抗によって、楔部材7bはリング部材23から 荷を受ける。これにより、楔部材7bの回転 度の急激な増加が抑制される。したがって 従動側の楔部材7bの急激な動き(スキップ)の 生を防止することができる。ゆえに、シー バックの円滑な角度調整を行うことができ 。

 また、リング部材75aは、リング形状であ 。このため、従動側の楔部材7bに均一な負 を付与することができる。また、リング部 75aの外周面77と圧入リング23の内周面23aとが 周にわたって摺接し、摺接面積が大きい。 た、リング部材75aが回転により周方向のど 位置に配置されていても、圧入リング23に する摺動抵抗を均一に維持することができ 。したがって、リング部材75aは、スムーズ 安定に摺動回転することができ、従動側の 部材7bに摺動抵抗に応じた力を安定に与える ことができる。ゆえに、スキップ防止を効果 的に行うことができる。

 また、リング部材75aは、楔部材7a、7bに対 して径外方向に配置されているため、半径が 従動側の楔部材7bよりも大きく、その分だけ 転モーメントが大きくなる。また、リング 材75aは、その外周面77で、圧入リング23と摺 動するため、内周面78で摺動するのに比べて 動面積が大きい。ゆえに、従動側の楔部材7 bへ摺動抵抗に応じた大きな力を与えること でき、より効果的に減速させることができ 。

 また、リング部材75aの内周面78は、楔部 7a、7bの外周面70aに沿った形状をもつ。この め、リング部材75aは、楔部材7a、7bが周方向 のどの位置に配置されていても、両者の摺動 抵抗が均一に維持され、楔部材75aに摺動抵抗 に応じた力を安定に与えることができる。ま た、リング部材75aは、軸方向に突出し従動側 の楔部材7bの薄肉側端部74に当接する端面76a もつ。このため、リング部材75aは、従動側 楔部材7bに確実に当接して、従動側の楔部材 7bのスキップを効果的に抑制することができ 。

 第2の実施形態に係る車両用シートリクラ イニング装置は、図8に示すように、楔部材7a 、7bの内周面70bが、ギヤプレートのバーリン 部13の外周面13aに沿った形状を呈し、外周 70aの肉薄側端部74の側にリング部材75aとの間 に隙間があり厚肉側端部72の側に楔面を有し いる。このため、楔部材7a、7bの間がスプリ ング9により離間されたときには、第1の実施 態では楔部材の内周面70bが楔面、外周面70a 摩擦面として作用していたのに対して(図6) 第2の実施形態では楔部材7a、7bの外周面70a 楔面、内周面70bが摩擦面として作用する。 れにより、駆動シャフト6が回転していない きには、楔部材7a、7bはリング部材75aの内周 面78により強く押されてバーリング部13の外 面13aに対して摩擦係合する。これによって ギヤプレート1に形成された内歯ギヤ12と、 ッパアーム2に形成された外歯ギヤ22との噛 い位置が保持される。

 第3の実施形態に係る車両用シートリクラ イニング装置は、図9,図10に示すように、リ グ部材75bが楔部材7a、7bの内側に配設されて る点が、第1の実施形態と相違する。リング 部材75bの外周面77には、楔部材7a、7bの薄肉側 端部74と当接可能な端面76aをもつ幅広部76が 外方向に突出している。リング部材75bの外 面77の幅狭部79の外周面77は、楔部材7a、7bの 周面70bと摺接している。リング部材75bの内 面78の全体は、ギヤプレート1のバーリング 13の外周面13aと摺接している。楔部材7a、7b 外周面70aは、圧入リング23の内周面23aと同 形状をもつ。また、楔部材7a、7bの内周面70b 、薄肉側端部74の近傍がバーリング部13との 間にわずかな隙間を形成し、厚肉側端部72の にいくにしたがってバーリング部13との隙 が狭くなりやがて当接可能な楔面を形成し いる。このため、第3の実施形態では、第1の 実施形態と同様に、楔部材7a、7bの外周面70a 摩擦面、内周面70bが楔面として作用する。

 第3の実施形態においては、駆動シャフト 6の回転により楔部材7a、7bが回転されると、 ング部材75bは、幅広部76の端面76aで従動側 楔部材7bにより押されて内周面78でギヤプレ ト1のバーリング部13の外周面13aと摺接しな ら、楔部材7a、7bとともにギヤプレート1に して回転する。これにより、ギヤプレート1 対してアッパアーム2を偏心移動させて内歯 ギヤ12と外歯ギヤ22との歯数差に応じてアッ アーム2をロアアーム1に対して回動させるこ とができる。また、回動中に外力の変化やギ ヤ精度不良等によって、回転速度が急激に増 加しようとしても、従動側の楔部材7bは、リ グ部材75b自体の荷重及びバーリング部13に する摺動抵抗によって、回転速度の増加が 制される。したがって、第1の実施形態と同 に、従動側の楔部材7bの急激な動き(スキッ )の発生を防止することができる。

 また、リング部材75bは、楔部材7a、7bに対 して径内方向に配置されているため、半径が 従動側の楔部材7bよりも小さく、その分だけ 転モーメントが小さくなる。ゆえに、楔部 7bを減速させる力は、径外方向に配置され いる場合よりも小さくなるが、その分だけ ング部材75bを回転させる力が少なくてすむ したがって、楔部材7a、7bの回動に必要なモ タの回転トルクを節約することができる。

 第4の実施形態に係る車両用シートリクラ イニング装置は、図11に示すように、楔部材7 a、7bの内周面70bが、リング部材75bの外周面77 沿った形状を呈し、外周面70aの肉薄側端部7 4の側にリング部材75aとの間に隙間があり厚 側端部72の側に楔面を有している。このため 、楔部材7a、7bの間がスプリング9により離間 れたときには、第3の実施形態では楔部材の 内周面70bが楔面、外周面70aが摩擦面として作 用していたのに対して、第4の実施形態では 部材7a、7bの外周面70aが楔面、内周面70bが摩 面として作用する。これにより、駆動シャ ト6が回転していないときには、楔部材7a、7 bはリング部材75aの内周面78により強く押され てバーリング部13の外周面13aに対して摩擦係 する。これによって、ギヤプレート1に形成 された内歯ギヤ12と、アッパアーム2に形成さ れた外歯ギヤ22との噛合い位置が保持される

 第5の実施形態に係る車両用シートリクラ イニング装置は、図12に示すように、ギヤプ ート1におけるリング部材75bを回転させる面 17aがアッパアーム2のバーリング部25よりも大 きく開口している点、及びリング部材75bが径 外側に突出する幅広部76を有する点が、第1の 実施形態と相違する。本実施形態のその他の 構成は第1の実施形態と同様である。

 第5の実施形態によれば、楔部材7a、7bと ッパアーム2との間にリング部材75bを配設し いる。このため、ギヤ精度や外力が加わっ 急激に従動側の楔部材7bの回転速度が増加 ようとしても、リング部材75bの負荷及びバ リング部25との摺動抵抗によって回転速度の 増加が抑制される。したがって、楔部材のス キップを抑制することができる。

 第6の実施形態に係る車両用シートリクラ イニング装置は、図13に示すように、ギヤプ ート1におけるリング部材75bを回転させる面 17aがアッパアーム2のバーリング部25よりも大 きく開口している点、及びリング部材75bが径 外側に突出する幅広部76を有する点が、第3の 実施形態と相違する。ギヤプレート1及びア パアーム2の構成は、第5の実施形態と同様で ある。

 第6の実施形態によれば、楔部材7a、7bと ヤプレート1との間にリング部材75bを配設し いる。このため、ギヤ精度や外力が加わっ 急激に従動側の楔部材7bの回転速度が増加 ようとしても、リング部材75bの負荷及びバ リング部25との摺動抵抗によって回転速度の 増加が抑制される。したがって、楔部材のス キップを抑制することができる。

 また、前記第1ないし第6の実施形態にお ては、外歯をもつアッパアームが内歯をも ギヤプレートに対して偏心移動した。しか 、アッパアームが内歯をもちシートバック 保持されていて、これが、外歯をもちシー クッションに保持されているギヤプレート 対して偏心移動しても良い。

 以上、本発明の実施形態について説明し が、本発明は上記した実施形態に限定され ものではなく、特許請求の範囲に記載した 発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変 が可能であることは勿論である。本発明の 徴とするところは、車両シートのシートク ション側に保持されるよう適合されたロア ームと、前記車両シートのシートバック側 保持されるよう適合されたアッパアームと 前記ロアアーム及び前記アッパアームの何 か一方からなる第1アームに形成された内歯 ギヤと、前記ロアアーム及び前記アッパアー ムの他方からなる第2アームに形成され前記 歯ギヤと噛合う前記内歯ギヤより少なくと 1歯以上少ない外歯ギヤと、前記第1アーム及 び前記第2アームのいずれか一方に対して摩 係合及び摩擦係合解除可能な第1及び第2楔部 材と、前記第1楔部材と前記第2楔部材との間 配設され前記第1及び前記第2楔部材を前記 1アーム及び前記第2アームのいずれか一方と 摩擦係合する方向に常時付勢するスプリング と、前記第1楔部材及び前記第2楔部材のいず か一方を前記摩擦係合を解除する方向に前 スプリングのばね力に抗して移動させ前記 プリングを介して前記第1及び第2楔部材を 記第1アームの回転軸線周りに回転させる駆 部が設けられた駆動シャフトと、前記第1ア ーム及び前記第2アームの他方と前記第1及び 記第2楔部材との間に相対回転自在に配設さ れ前記駆動部の回転時において前記第1及び 記第2楔部材の他方と当接して前記第1アーム 及び前記第2アームの他方に対して前記第1及 前記第2楔部材と共に回転するリング部材と 、を有することである。

 本発明に係る車両用シートリクライニン 装置は、車両シートのシートバックの角度 整をするものであり、特に、シートバック 円滑な角度調整が要求される場合に適して る。