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Title:
VIBRATION-PROOF DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008475
Kind Code:
A1
Abstract:
In a vibration-proof device, a diaphragm (82) in a state before an initial static load input is performed is installed in the device so as to project toward the outside of an auxiliary liquid chamber (86), and the device is adapted such that, when a vibration load is applied to an outer tube fitting (14) or an inner tube fitting (16) in addition to the initial static load, the diaphragm (82) is inflated and tensile force occurs in the diaphragm. The vibration-proof device can be produced at a reduced cost, and occurrence of cavitation in the device is suppressed.

Inventors:
OOHASHI MASAAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062478
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
OOHASHI MASAAKI (JP)
International Classes:
F16F13/18
Foreign References:
JPH03292431A1991-12-24
JP2007120566A2007-05-17
JPH04312235A1992-11-04
Other References:
See also references of EP 2172670A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 振動発生部および振動受け部のいずれか一方に連結され、筒状に形成された第1部材と、
 前記振動発生部および前記振動受け部のいずれか他方に連結され、前記第1部材の内周側に配置された第2部材と、
 前記第1部材と前記第2部材との間を弾性的に連結しつつ、前記第1部材の一方の開口部を閉塞する弾性体と、
 前記第1部材における他方の開口部を閉塞するダイヤフラムと、
 前記第1部材の内部に前記弾性体と前記ダイヤフラムにより封入された液体と、
 前記第1部材の内部を、前記弾性体側の主液室と前記ダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切部材と、
 前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路とを備えた防振装置であって、
 前記第1部材または前記第2部材に対して、初期静荷重が入力された状態で更に振動荷重が入力された場合に、前記ダイヤフラムに張力が付与される防振装置。
 前記第1部材または前記第2部材に対して、初期静荷重が入力された状態において、前記ダイヤフラムに張力が付与される請求項1に記載の防振装置。
 前記初期静荷重の入力により、前記主液室から前記副液室に前記液体が流入する請求項1または請求項2に記載の防振装置。
 前記ダイヤフラムは、前記初期静荷重が入力される前の状態で、前記副液室の外側に向かって突出するように前記第1の部材における他方の開口部に組み付けられている請求項2に記載の防振装置。
Description:
防振装置

 本発明は、例えば自動車、一般産業用機械 に適用され、エンジン等の振動発生部から 体等の振動受け部へ伝達される振動を遮断 び吸収する防振装置に関する。
 本願は、2007年7月12日に日本国に出願された 特願2007-183405号に基づき優先権を主張し、そ 内容をここに援用する。

 自動車には、エンジンと車体(フレーム) の間で振動伝達を阻止するために流体封入 エンジンマウント(防振装置)が配置されてい る。この種のエンジンマウントは、外筒金具 (第1部材)と内筒金具(第2部材)とを弾性体によ り連結するとともに、外筒金具の一端の開口 部が、外筒金具の内側に向けて突出するダイ ヤフラムにより閉塞されているものである。 そして、ダイヤフラムと弾性体との間に形成 された空間を仕切部材により主液室と副液室 とに区画し、これら主液室と副液室とをシェ イクオリフィス等のオリフィス通路により連 通させたものである。

 例えば、特許文献1に示すエンジンマウント は、蓋に形成された外気と連通する開口から 空気室内へ圧力流体を注入してダイヤフラム を仕切り板へ圧接し、この状態において本体 部に形成された外気と連通する孔からゴム弾 性体に囲まれた室に流体を所定量充填するこ とで、静荷重がかかった状態においてダイヤ フラムに負荷がかからない状態にしているも のがある。

特開平4-312235号公報

 ところで、上述のエンジンマウントでは 路面の凹凸等により大きな振動荷重(バウン ド荷重)が入力され、主液室内の液圧が急激 上昇した後に、逆方向の荷重(リバウンド荷 )が入力されると、主液室の液圧が負圧にな ることがある。主液室内の液圧が負圧になる と、主液室内の流体中に多数の気泡が生成さ れるキャビテーションが発生する。キャビテ ーションは、その後の液圧変化(圧力上昇)に って気泡が消滅する時に異音を発生し、そ 異音が車室内に伝達されることから静粛性 悪化を招くことになる。また液圧上昇の開 後に気泡が完全に消滅するまでに一定の時 を要することから、入力振動に対する主液 の液圧変化量が小さくなり、エンジンマウ トの振動吸収性能を低下させる原因ともな 。

 特許文献1のエンジンマウントにあっては 、キャビテーションを起こしうる大きなバウ ンド荷重が入力されて主液室内の液圧が急激 に上昇すると、主液室内の流体が大量に副液 室側へ流入する。そして、前記バウンド荷重 に対するリバウンド荷重が入力されると、主 液室は急激に元の体積に復元しようとする。 しかしながら、特許文献1のエンジンマウン はダイヤフラムにほとんど負荷がかからな 状態になっているので、副液室内の液圧は 気圧程度であり、副液室に流入した流体が 液室に戻りにくくなっている。その結果、 液室内が負圧となりやすく、キャビテーシ ンが発生しやすくなるという問題がある。

 本発明は、上述した事情に鑑みてなされ ものであって、キャビテーションの発生を 制することができる防振装置を提供するこ を目的とする。

 本発明の防振装置は、振動発生部および振 受け部のいずれか一方に連結され、筒状に 成された第1部材と、前記振動発生部および 前記振動受け部のいずれか他方に連結され、 前記第1部材の内周側に配置された第2部材と 前記第1部材と前記第2部材との間を弾性的 連結しつつ、前記第1部材の一方の開口部を 塞する弾性体と、前記第1部材における他方 の開口部を閉塞するダイヤフラムと、前記第 1部材の内部に封入された液体と、前記第1部 の内部を、前記弾性体側の主液室および前 ダイヤフラム側の副液室に仕切る仕切部材 、前記主液室と前記副液室とを互いに連通 るオリフィス通路とを備えた防振装置にお て、前記第1部材または前記第2部材に対し 、初期静荷重に加え振動荷重が入力された 合に、前記ダイヤフラムに張力が付与され ように形成されている。
 本発明では、振動荷重が入力された場合に ダイヤフラムに張力が付与されるので、副 室内の液圧が正圧(大気圧以上)になる。そ ため、バウンド荷重の入力により主液室か 副液室に流入した流体が、リバウンド荷重 入力時に再び主液室に流入しやすくなる。 れにより、リバウンド荷重の入力時におけ 主液室内の急激な液圧低下を緩和すること 可能になり、キャビテーションの発生を抑 することができる。

 前記第1部材または前記第2部材に対して、 期静荷重が入力された場合に、前記ダイヤ ラムに張力が付与されるように形成されて ても良い。
 このように、初期静荷重が入力された場合 ダイヤフラムに張力が付与されるように形 することで、初期静荷重に加え振動荷重が 力された場合にはダイヤフラムに大きな張 が付与されることとなる。したがって、リ ウンド荷重の入力時における主液室内の急 な液圧低下をより効果的に緩和することが 能になる。

 前記初期静荷重の入力により、前記主液室 ら前記副液室に前記液体が流入するように 成されていても良い。
 この場合、初期静荷重の入力によりダイヤ ラムが下方へ膨張することとなり、振動荷 の入力により確実にダイヤフラムが膨張す ので、初期静荷重入力時に副液室から主液 に流体が流入する構成のエンジンマウント( 防振装置)に比べて、ダイヤフラムに張力を 与し易くなる。

 前記ダイヤフラムは、前記初期静荷重が入 される前の状態で、前記副液室の外側に向 って突出するように前記第1部材における他 方の開口部に組み付けられていても良い。
 この場合、初期静荷重の入力のみによりダ ヤフラムを膨張させることが可能になり、 イヤフラムに張力を付与し易くなる。また 従来技術のダイヤフラムの組み付け方向を 転させたものであり、従来のダイヤフラム 流用して簡単に組み立てることができる。

 本発明によれば、振動荷重が入力された 合に、ダイヤフラムに張力が付与されるた 、リバウンド荷重の入力時における主液室 の急激な液圧低下を緩和することが可能に り、キャビテーションの発生を抑制するこ ができる。

本発明の実施形態におけるエンジンマ ントの全体構成を示す断面図である。 エンジンマウントのダイヤフラム膨張 を示す断面図である。

符号の説明

10 エンジンマウント(防振装置)
14 外筒金具(第1部材)
16 内筒金具(第2部材)
18 弾性体
44 仕切部材
84 主液室
86 副液室
108 シェイクオリフィス(オリフィス通路)

 次に、図1に基づいて、本発明の実施形態を 説明する。図1は、本実施形態におけるエン ンマウントの全体構成を示す断面図である
 図1に示すように、エンジンマウント(防振 置)10は、自動車における振動発生部である ンジンを振動受け部である車体へ支持する のである。なお、以下の説明において、図 の符号Sはエンジンマウント10の軸心を示し おり、この軸心Sに沿った方向をエンジンマ ント10の軸方向とする。

 エンジンマウント10は、筒状のブラケッ 金具12と、ブラケット金具12に内嵌固定され 円筒形状の外筒金具(第1部材)14と、外筒金 14の内周側の上方に略同軸的に配置された内 筒金具(第2部材)16と、外筒金具14と内筒金具16 との間に配置されたゴム材料等からなる弾性 体18とを備えている。

 ブラケット金具12は筒状の部材であり、 方の開口部を閉塞するように頂板部42が配置 されている。その頂板部42の中央部には内筒 具16の挿通孔43が形成されている。また、他 方の開口部側には径方向外側に拡大した拡径 部45が形成されている。ブラケット金具12の 周面には脚部材(不図示)が固着され、その脚 部材がボルトを介して車体側に締結固定され る。

 外筒金具14には、上端部に円筒状の大径 28が形成されるとともに、下端側に大径部28 対して小径とされた円筒状の小径部30が形 されている。外筒金具14には、大径部28と小 部30との間に内周側へ縮径された絞り部32が 全周に亘って形成されている。

 また、内筒金具16は砲弾形状の部材であ て、その上部には軸心Sに沿って延びる連結 22が形成されている。この連結部22は、ブラ ケット金具12の挿通孔43に挿通されており、 の中心部にねじ孔24が穿設されている。この ねじ孔24にボルト26が捻じ込まれてエンジン ブラケット(不図示)が固定され、内筒金具16 エンジン側ブラケットを介してエンジン側 締結固定される。一方、内筒金具16の下側 は、下方に向けて先細るテーパ部21が形成さ れている。そして、連結部22とテーパ部21と 間には、内筒金具16の径方向外側に張り出す アンカ部20が形成されている。

 弾性体18は、外周面が外筒金具14における 大径部28及び絞り部32の内周側に加硫接着さ るとともに、内周面が内筒金具16におけるテ ーパ部21の外周側に加硫接着されている。こ により、内筒金具16と外筒金具14とは弾性的 に連結される。外筒金具14と内筒金具16との には、内筒金具16におけるテーパ部21の周囲 囲んで弾性体18を貫通するインナーリング35 が内装されている。また、弾性体18の内周面 上端部は、アンカ部20の外周を包み込むよ に延設され、ブラケット金具12とともにリバ ウンドストッパ機構が形成されている。一方 、弾性体18の下側は、凹状に形成され、後述 る主液室84と副液室86とが形成される液室形 成領域34として構成されている。

 外筒金具14の小径部30の内周側には、円筒形 状のダイヤフラム支持部材80が嵌挿されてい 。
 ここで、ダイヤフラム支持部材80の内周側 は、ゴム等の弾性材料からなるダイヤフラ 82が加硫接着されている。ダイヤフラム82は の椀状に形成され、軸心Sに沿って下方(液 形成領域34の外側)へ突出するように組み付 られている。ダイヤフラム支持部材80は、外 筒金具14の小径部30を径方向内側にかしめる とによって固定されている。これにより、 室形成領域34内が閉塞され、その内部には流 体が封入される。なお、液室形成領域34内に 填される流体としては、エチレングリコー 、水等が用いられる。

 液室形成領域34内には、このダイヤフラム 持部材80と外筒金具14の絞り部32との間に挟 された仕切部材44が設けられている。
 そして、仕切部材44を挟んで液室形成領域34 の下側がダイヤフラム82により閉塞され、仕 部材44とダイヤフラム82との間に副液室86が 成されている。一方、仕切部材44を挟んで 室形成領域34の上側が弾性体18により閉塞さ 、弾性体18と仕切部材44との間に主液室84が 成される。

 仕切部材44は、その中央に環状のベース 56を備えている。このベース部56の開口部に 、この開口部を閉塞するメンブラン75が張 されている。このメンブラン75は、ゴム等の 弾性材料により撓み変形可能に構成されてい る。

 ベース部56の外周側には、径方向外側に 口する断面視U字状のオリフィス溝59が、ベ ス部56を取り巻くように形成されている。こ のオリフィス溝59には、上面側に周方向に沿 一部が切除された上側連通孔61が形成され とともに、下面側に周方向に沿う一部が切 された下側連通孔(不図示)が形成されている 。また、上側連通孔61と下側連通孔との間に けるオリフィス溝59内には、このオリフィ 溝59内を周方向に遮断する図示しない仕切り 壁が形成されている。

 そして、上述した仕切部材44のオリフィ 溝59は、上側連通孔61を介して主液室84と連 するとともに、下側連通孔を介して副液室86 に連通する。これにより、主液室84と副液室8 6とを互いに連通させる細長い通路であるオ フィス通路が形成されている。本実施形態 エンジンマウント10では、オリフィス溝59、 側連通孔61および下側連通孔からなるオリ ィス通路によりシェイクオリフィス108が形 される。

 なお、シェイクオリフィス108の路長及び 面積、すなわち流路抵抗は、車両における 周波域の共振振動であるシェイク振動の周 数(例えば、8Hz~12Hz)に対応するように設定( ューニング)されている。

 ここで、凸の椀状に形成されたダイヤフ ム82は、エンジン重量による初期静荷重が 力される前、すなわち車体に取り付けられ 前の状態で、副液室86の外側に向かって突出 するように組み付けられている。そのため、 初期静荷重の入力により主液室84から副液室8 6に流体が流入し、ダイヤフラム82が下方に膨 張して張力が付与されるようになっている。 そして、振動荷重の入力によりダイヤフラム 82がさらに膨張して張力が増加するようにな ている。

 具体的には、エンジンからの初期静荷重 入力によって、エンジンマウント10の内筒 具16に下方に向かう力が作用し、吸振主体で ある弾性体18が弾性変形して主液室84を収縮 せることで、主液室84内の流体がシェイクオ リフィス108を通って副液室86へ流れ込む。こ により、副液室86を構成する撓み変形可能 ダイヤフラム82が下方へ膨張することとなり 、ダイヤフラム82には常に副液室86の内容積 復元する方向へ張力が付与された状態とな 。

 また、本実施形態のエンジンマウント10 、初期静荷重の入力により主液室84から副液 室86に流体が流入するように構成されている め、振動荷重入力時には確実にダイヤフラ 82が膨張する。そのため、初期静荷重入力 に副液室から主液室に流体が流入する構成( わゆる吊り下げ型)のエンジンマウントに比 べて、ダイヤフラム82に張力が付与され易い 成となっている。

(作用)
 次に、図1、2に基づいて本実施形態におけ エンジンマウント10の作用を説明する。ここ で、図2はエンジンマウントのダイヤフラム 張時を示す断面図であり、具体的にはエン ンマウントへ初期静荷重が入力された場合 おける断面図である。
 エンジンマウント10ではエンジンまたは車 側からの振動荷重入力時に、弾性体18が弾性 変形すると、その入力振動が弾性体18により 断及び吸収されるようになっている。

 まず、入力振動の周波数がシェイク振動 周波数(例えば、8Hz~12Hz)以下で、その振幅が 相対的に大きい場合は、シェイクオリフィス 108を通して主液室84と副液室86との間で流体 相互に流通する。

 シェイクオリフィス108は、その路長及び断 積がシェイク振動の周波数及び振幅に適合 るようにチューニングされているため、入 振動が特にシェイク振動である場合には、 ェイクオリフィス108を流通する流体に共振 象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用 よってシェイク振動を特に効果的に吸収で る。
 また、入力振動の周波数がシェイク振動の 波数よりも高く、その振幅が小さい場合(例 えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20Hz~ 40Hz)の場合)は、シェイク振動に適合するよう にチューニングされたシェイクオリフィス108 が目詰まり状態となり、シェイクオリフィス 108には流体が流れ難くなる。この時、メンブ ラン75が入力振動に同期して振動することに り、主液室84内の液圧上昇を緩和すること 可能になる。これにより、主液室84内の液圧 上昇に伴う動ばね定数の上昇を緩和させ、低 動倍化することができるので、アイドル振動 のような中高周波振動も効果的に吸収するこ とができる。

 なお、本実施形態において、シェイク振 やアイドル振動時のような振動荷重入力時 は、上述したように既にダイヤフラム82は 方に向けて膨張し、その復元方向に張力が 用しているが、この時点でのダイヤフラム82 の張力は微小であるため、張力による防振特 性の低下は少ない。そのため、上述のような シェイク振動やアイドル振動が入力された場 合でも、各振動を効果的に吸収することがで きる。

 ところで、路面の凹凸等により大きなバ ンド荷重が入力され、主液室84内の液圧が 激に上昇した後に、そのバウンド荷重に対 るリバウンド荷重が入力されると、主液室84 の液圧が負圧になることがある。主液室84内 液圧が負圧になると、主液室84内の流体中 多数の気泡が生成されるキャビテーション 発生する。

 具体的には、上述のようなキャビテーショ を起こしうる大きなバウンド荷重が作用し 内筒金具16が弾性体18とともに主液室84を収 させることで、主液室84の内容積が縮小す 。これにより、主液室84内の液圧が急激に上 昇し、主液室84内の流体がシェイクオリフィ 108内を通って副液室86へと大量に流れ込む
 流体が副液室86内に流れ込むと、副液室86の 内容積が増加する。これにより、図2に示す うに、ダイヤフラム82が下側に大きく膨張す る。

 そして、エンジンマウント10には、バウン 荷重が作用した後に、そのバウンド荷重に するリバウンド荷重が作用することとなる
 この時、ダイヤフラム82は初期静荷重によ 膨張して予め張力が付与されており、バウ ド荷重によりさらに膨張して張力が増加し いる。そのため、副液室86内の液圧は正圧( 気圧以上)となっている。
 これにより、主液室84から副液室86内に流れ 込んだ流体が、再びシェイクオリフィス108を 介して主液室84に流入しやすくなる。したが て、バウンド荷重の入力後にリバウンド荷 が入力される際に生じる主液室84内の急激 液圧変化を緩和することができるため、主 室84内が負圧になることを緩和することがで きる。

 上述の実施形態によれば、外筒金具14また 内筒金具16に対して、初期静荷重に加え振動 荷重が入力された場合に、ダイヤフラム82に 力が付与されるように形成されている構成 した。
 この構成によれば、振動荷重が入力された 合に、ダイヤフラム82に張力が付与される で、副液室86内の液圧が正圧(大気圧以上)に る。そのため、バウンド荷重の入力により 液室84から副液室86に流入した流体が、リバ ウンド荷重の入力時に再び主液室84に流入し すくなる。これにより、キャビテーション 起こしうる大きなバウンド荷重に対するリ ウンド荷重の入力時における主液室84内の 激な液圧低下を緩和することが可能になり キャビテーションの発生を抑制することが きる。

 また、通常、副液室の内側に突出するよ に取り付けられるダイヤフラム82を、外側 突出するように取り付けることで、初期静 重の入力のみによりダイヤフラム82を膨張さ せることが可能になり、ダイヤフラム82に張 を付与し易くなる。また、従来技術とはダ ヤフラム82の組み付け方向を逆転させたも であり、従来のダイヤフラム82を流用して簡 単に組立てることができる。

 なお、従来の流体封入式エンジンマウント 中には、ダイヤフラムを覆うカバー部材を え、ダイヤフラムとカバー部材との間に密 封止された空気室を有するものがあった。
 このエンジンマウントにおいて、バウンド 重の入力により主液室から副液室に流体が 入すると、空気室内の空気が圧縮されて空 圧が上昇する。この空気圧の上昇に伴って 本発明と同様に副液室内の液圧が上昇する とになる。これにより、本発明と同様にキ ビテーションを抑制できることが実験で確 されている。
 このような従来のエンジンマウントに対し 、本発明ではダイヤフラム82の外側にカバ 部材を別途に設ける必要もない。したがっ 、部品点数や組み付け工数を削減すること できるため、製造コストを削減することが きる。さらに、カバー部材の取付スペース 省くことができるため、エンジンマウント10 の小型軽量化が可能になる。

 なお、本発明は上述の実施形態に限られる のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範 において、上述の実施形態に種々の変更を えたものを含む。
 例えば、ダイヤフラムの形状は下方に向け 凸状に限らず、振動荷重入力時にダイヤフ ムに張力が付与されるような形状であれば い。

 また、ダイヤフラムには、少なくともキャ テーションを発生させる振動荷重入力時に 力が作用していればよく、エンジン等の重 による静荷重のみが作用している場合に張 が作用していなくてもよい。
 また、本実施形態において、内筒金具をエ ジン側に連結すると共に、外筒金具を車体 に連結したが、これとは逆に内筒金具を車 側に連結すると共に、外筒金具をエンジン に連結するようにしてもよい。

 製造コストを抑えた上で、キャビテーシ ンの発生を抑制することができる。