KANDA YASUSHI (JP)
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\¥0 2020/175591 31 卩(:17 2020 /007874 請求の範囲 [請求項 1 ] 装用者の脳や身体に対して与える影響を調整するための眼鏡であつ て、 フレームと、 前記フレームに左右方向に並べて配置され、 それぞれに入射する入 射光を、 同じ方向に向けて屈折させることにより、 前記眼鏡を前記装 用者が装用していない場合に対して前記装用者の眼に入力する視覚情 報を変更する左右一対のプリズムレンズと、 を備え、 前記左右一対のプリズムレンズは、 共に、 その一端から他端に向け て一様に傾斜するように構成した眼鏡。 [請求項 2] 前記プリズムレンズの屈折角は、 0 . 5 ° 〜 2 0 ° であることを特 徴とする請求項 1 に記載の眼鏡。 [請求項 3] 前記プリズムレンズは、 有色透明であることを特徴とする請求項 1 又は 2に記載の眼鏡。 [請求項 4] 前記プリズムレンズは、 前記装用者に対して与えたい影響に応じて 定められた色で着色されていることを特徴とする請求項 3に記載の眼 鏡。 [請求項 5] 前記左右一対のプリズムレンズにおける屈折角は、 共に同一である ことを特徴とする請求項 1〜 4のいずれか 1項に記載の眼鏡。 [請求項 6] 前記左右一対のプリズムレンズは、 共に下方から上方に向けて厚み が厚くなることを特徴とする請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の眼 鏡。 [請求項 7] 前記左右一対のプリズムレンズは、 共に上方から下方に向けて厚み が厚くなることを特徴とする請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の眼 鏡。 [請求項 8] 前記左右一対のプリズムレンズは、 共に、 装用者が使用する際に、 装用者から見て右側から左側に向けて厚みが厚くなることを特徴とす る請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の眼鏡。 \¥0 2020/175591 32 卩(:170? 2020 /007874 [請求項 9] 前記左右一対のプリズムレンズは、 共に、 装用者が使用する際に、 装用者から見ての左側から右側に向けて厚みが厚くなることを特徴と する請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載の眼鏡。 [請求項 10] 前記眼鏡は、 前記プリズムレンズを保持するフレームを備え、 前記フレームは、 前記プリズムレンズを前記フレームに対して回動 可能に保持する回動機構を備える ことを特徴とする請求項 1 に記載の眼鏡。 [請求項 1 1 ] 前記回動機構は、 前記プリズムレンズを、 前記フレームのフロント 部の枠に沿って回動させる ことを特徴とする請求項 1 0に記載の眼鏡。 [請求項 12] 前記回動機構は、 回転べゼルであることを特徴とする請求項 1 1 に 記載の眼鏡。 [請求項 13] 前記回動機構は、 前記プリズムレンズを、 前記フレームのフロント 部平面に対して平行な軸で前記プリズムレンズを回動させる ことを特徴とする請求項 1 0に記載の眼鏡。 [請求項 14] 前記プリズムレンズを保持するフレームを備え、 前記フレームは、 前記眼鏡の天地方向のいずれの側でも使用可能な ノーズパッ ドとを備えることを特徴とする請求項 1 に記載の眼鏡。 [請求項 15] 前記ノーズパッ ドは、 前記フレームのブリッジに対して回転可能に 構成されている ことを特徴とする請求項 1 4に記載の眼鏡。 [請求項 16] 前記ノーズパッ ドは、 前記フレームの天地方向の双方向に対して対 になるように設けられている ことを特徴とする請求項 1 4に記載の眼鏡。 [請求項 17] 前記フレームのモダンは、 直線状に形成されている ことを特徴とする請求項 1 4〜 1 6のいずれか一項に記載の眼鏡。 [請求項 18] 前記フレームのモダンは、 前記フレームのテンプルに対して湾曲す \¥0 2020/175591 33 卩(:170? 2020 /007874 るように構成されるとともに、 前記フレームのテンプルに対して回転 可能に構成されている ことを特徴とする請求項 1 4〜 1 6のいずれか一項に記載の眼鏡。 [請求項 19] 前記フレームのモダンの先端は、 前記天地方向に延伸するように構 成されている ことを特徴とする請求項 1 4〜 1 6のいずれか一項に記載の眼鏡。 [請求項 20] フレームと、 前記フレームに左右方向に並べて配置され、 それぞれに入射する入 射光を、 同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズムレンズと、 を備 えているプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法であって、 被験者に、 歩行時における立脚中期の姿勢を維持させた状態で、 眼 球のみを上下左右に動作させ、 眼球を動かしにくい方向である眼球の 不動方向を特定する眼球の不動方向特定ステップと、 前記眼球の不動方向特定ステップにおいて特定された眼球の不動方 向に向けて、 眼球の動きを促進するプリズムレンズを選択するレンズ 選択ステップと、 を実行するプリズム眼鏡におけるレンズの選定方法 [請求項 21 ] 請求項 2 0に記載のレンズの選定方法を用いて選定されたプリズム レンズを備えるプリズム眼鏡。 |
発明の名称 :
視覚情報変更装置、 プリズム眼鏡、 およびプリズム眼鏡におけるレンズの 選定方法
技術分野
[0001 ] 本発明は、 プリズム眼鏡、 およびプリズム眼鏡におけるレンズの選定方 法 に関する。
背景技術
[0002] 従来、 入射した光を屈折させるプリズムレンズの性 質を利用したプリズム 眼鏡が知られている。
このようなプリズム眼鏡として、 下記特許文献 1 には、 斜位や眼筋の筋力 低下、 又は筋力不足などに起因する眼精疲労を低減 するために、 プリズムレ ンズを用いて、 左右両方の視線が、 左右方向の内側に寄るように、 入射光を 屈折させる構成が開示されている。
先行技術文献
特許文献
[0003] 特許文献 1 :特開 2 0 1 7 _ 1 1 6 8 9 2号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004] ここで、 従来のプリズム眼鏡は、 あくまで装用者が対象物を視認する際の 見えやすさ (視認性) について作用するものであり、 視覚を通して受け取る 視覚情報が、 装用者の脳や体、 メンタルに対して与える影響にまで作用する ものではなかった。
[0005] そこで本発明は、 視覚を通して受け取る視覚情報が、 装用者の脳や体、 メ ンタルに対して与える影響を調整することが できる視覚情報変更装置を提供 することを目的とする。 \¥0 2020/175591 2 卩(:170? 2020 /007874
課題を解決するための手段
[0006] 上記課題を解決するために、 本発明に係る視覚情報変更装置は、 装用者の 眼を覆うように装用されるとともに、 外界からの光の向きを変更して、 装用 者の眼に入力する。
[0007] また、 視覚情報変更装置は、 プリズム構造体により構成されてもよい。
[0008] また、 視覚情報変更装置は、 外界からの光を用いて撮像する撮像部と、 撮 像部が撮像した撮像データに対して座標変換 処理を行って、 座標変換データ を生成する処理部と、 処理部が生成した座標変換データを表示する 表示部と 、 を備えてもよい。
[0009] また、 プリズム構造体は、 フレームと、 フレームに左右方向に並べて配置 され、 それぞれに入射する入射光を、 同じ方向に向けて屈折させる一対のプ リズムレンズと、 を備えている。
[0010] また、 プリズムレンズの屈折角は、 0 . 5 ° 〜 2 0 ° であってもよい。
[001 1 ] また、 プリズムレンズは、 有色透明であってもよい。
[0012] また、 _ 対のプリズムレンズにおける屈折角は同 _ であってもよい。
[0013] また、 一対のプリズムレンズは、 下方から上方に向けて厚みが厚くなって もよい。
[0014] また、 一対のプリズムレンズは、 上方から下方に向けて厚みが厚くなって もよい。
[0015] また、 一対のプリズムレンズは、 装用者が使用する際に、 装用者から見て 右側から左側に向けて厚みが厚くなってもよ い。
[0016] また、 一対のプリズムレンズは、 装用者が使用する際に、 装用者から見て の左側から右側に向けて厚みが厚くなっても よい。
[0017] また、 本発明のプリズム眼鏡におけるレンズの選定 方法は、 フレームと、 フレームに左右方向に並べて配置され、 それぞれに入射する入射光を、 同じ 方向に向けて屈折させる一対のプリズムレン ズと、 を備えているプリズム眼 鏡におけるレンズの選定方法であって、 被験者に、 歩行時における立脚中期 の姿勢を維持させた状態で、 眼球のみを上下左右に動作させ、 眼球を動かし \¥0 2020/175591 3 卩(:170? 2020 /007874
にくい方向である眼球の不動方向を特定す る眼球の不動方向特定ステップと 、 眼球の不動方向特定ステップにおいて特定さ れた眼球の不動方向に向けて 、 眼球の動きを促進するプリズムレンズを選択 するレンズ選択ステップと、 を実行する。
発明の効果
[0018] 本発明のプリズム眼鏡では、 一対のプリズムレンズが、 それぞれに入射す る入射光を、 同じ方向に向けて屈折させることができる。 このため、 視覚を 通して装用者の脳に入力される視覚情報が変 更され、 装用者の空間認識が変 更されることで、 視覚情報が装用者の脳や体に対して与える影 響を調整する ことができる。
図面の簡単な説明
[0019] [図 1]本発明のプリズム眼鏡の外観図である。
[図 2]本発明の視覚情報変更装置としてのプリ ム眼鏡 (プリズム構造体) の 第 1実施形態において、 入射光の屈折の様子を示す図である。
[図 3]本発明の第 2実施形態に係るプリズム眼鏡において、 入射光の屈折の様 子を示す図である。
[図 4]本発明の第 3実施形態に係るプリズム眼鏡において、 入射光の屈折の様 子を示す図である。
[図 5]本発明の第 4実施形態に係るプリズム眼鏡において、 入射光の屈折の様 子を示す図である。
[図 6]プリズムレンズの選定方法における第 1姿勢を示す図である。
[図 7]プリズムレンズの選定方法における第 2姿勢を示す図である。
[図 8]本発明のプリズム構造体の第 1変形例を示す図である。
[図 9]本発明のプリズム構造体の第 2変形例を示す図である。
[図 10]本発明の第 5実施形態に係る視覚情報変更装置の外観図 ある。
[図 1 1]図 1 0に示す視覚情報変更装置の表示部を示す図 ある。
[図 12]図 1 0に示す視覚情報変更装置の構成を示すブロ ク図である。
[図 13]図 1 0にしめす視覚情報変更装置を使用する状態 示す図である。 \¥0 2020/175591 卩(:17 2020 /007874
4
[図 14] ( ) は、 プリズムレンズ眼鏡の一例を示す斜視図であ る。 (匕) は 、 プリズムレンズ眼鏡の天面図である。 (〇) は、 プリズムレンズ眼鏡の天 面図であってプリズムレンズを回転させてい る様子を示す図である。 (〇1) は、 回転後のプリズムレンズ眼鏡の天面図である 。
[図 15] (3) は、 プリズムレンズ眼鏡のネジによるフロント部 とプリズムレ ンズの接続部分の拡大断面図である。 (1〇) は、 プリズムレンズの斜視図で ある。 (〇) は、 プリズムレンズの側面図である。 ( ) は、 プリズムレン ズ眼鏡のフロント部の拡大斜視図である。
[図 16] (3) は、 プリズムレンズ眼鏡の側面図である。 (!〇) は、 プリズム レンズ眼鏡の天面図であってプリズムレンズ を回転させている様子を示す図 である。 (〇) は、 回転後のプリズムレンズ眼鏡の側面図である 。
[図 17] ( 3 ) は、 プリズムレンズ及びフロント部を長方形に形 成したプリズ ムレンズ眼鏡の斜視図である。 (13) は、 プリズムレンズを横回転させてい る様子を示す図である。 (〇) は、 プリズムレンズを縦回転させている様子 を示す図である。
[図 18] (3) は、 上下方向自在で使用可能なプリズムレンズ眼 鏡の一例を示 す斜視図である。 (匕) は、 装用者側から見たプリズムレンズ眼鏡の一例 を 示す背面図である。 ((;) は、 プリズムレンズの断面図である。 (£〇 は、 プリズムレンズ眼鏡のノーズパッド部分の側 面図である。
[図 19] (3) は、 ノーズパッドの他の例を示す図である。 (I〇) 〜 ( ) は、 ノーズパッドの他の例を示す図であって、 ノーズパッドをブリッジに対 して回転可能に構成した例を示す図である。
[図 20] (3) は、 プリズムレンズ眼鏡の一例を示す斜視図であ る。 (匕) は 、 プリズムレンズ眼鏡の側面から見たレンズ部 分の断面図である。 (0) は 、 プリズムレンズ眼鏡のフロント部分の分解斜 視図である。 ((〇 は、 プリ ズムレンズ眼鏡の受け側フロント部分の正面 図である。
[図 21]べゼル型のプリズムレンズ眼鏡の他の態 を示す斜視図である。
発明を実施するための形態
訂正 れた箱毅(¾¾_ \¥0 2020/175591 5 卩(:170? 2020 /007874
[0020] (第 1実施形態)
本発明の第 1実施形態に係る視覚情報変更装置としての リズム眼鏡 1 に ついて、 図 1および図 2を参照して説明する。 図 1は、 本発明のプリズム眼 鏡 1の外観図であり、 図 2は、 本発明の第 1実施形態に係るプリズム眼鏡 1 において、 入射光の屈折の様子を示す図である。
[0021 ] 視覚情報変更装置は、 装用者の眼を覆うように装用されるとともに 、 外界 からの光の向きを変更して、 装用者の眼に入力する機能を有している。
本実施形態では、 視覚情報変更装置は、 プリズム構造体、 特にプリズム眼 鏡により構成されている。 なお、 この説明において、 プリズム構造体とは、 プリズムレンズ等の光を屈折する性質を備え た構造物を指す。
[0022] 図 1 に示すように、 本実施形態に係るプリズム構造体としてのプ リズム眼 鏡 1は、 フレーム 1 0と、 フレーム 1 0に左右方向に並べて配置され、 それ それに入射する入射光を、 同じ方向に向けて屈折させる一対のプリズム レン ズ 1 1 と、 を備えている。
[0023] —対のプリズムレンズ 1 1 における屈折角は同一である。 ここで、 図 2に 示すように、 レンズの屈折角とは、 レンズに入射する光の屈折角であり、 レ ンズへの入射光とレンズからの出射光とがな す角度 0を指している。 プリズ ムレンズ 1 1の屈折角は、 0 . 5 ° 〜 2 0 ° であることが想定され、 特に 0 . 5 ° 〜 2 ° であることが好ましい。
プリズムレンズ 1 1は、 装用者側の面が平坦面となっており、 装用者の前 方側の面が、 平坦面に対して傾斜する傾斜面となっている 。 これにより、 プ リズムレンズの厚みは、 単調に増減している。
[0024] プリズムレンズ 1 1は、 屈折させる方向により、 ベースレフトプリズム 1
1 八、 ベースライ トプリズム 1 1 巳、 ベースダウンプリズム 1 1 〇、 および ベースアッププリズム 1 1 口に区別される。 この第 1実施形態では、 ベース レフトプリズム 1 1 八について説明する。
[0025] プリズムレンズ 1 1は、 無色透明であってもよいが、 有色透明であっても よい。 例えばプリズムレンズ 1 1 を赤色透明にした場合には、 装用者 1 ( \¥0 2020/175591 6 卩(:170? 2020 /007874
図 2参照) の交感神経を、 副交感神経に対して優位にしてアドレナリン の分 泌を促すことが期待できる。
また、 このようなアドレナリンの分泌により、 装用者 1の脈拍や呼吸数 を増加させることができる。 これにより、 体感温度の上昇や血流増進の効果 が期待される。 このため、 体の冷えを感じるとき、 さらに元気や自信が欲し い場合や、 エネルギーを活発にしたい場合に推奨される 。
[0026] また、 例えばプリズムレンズ 1 1 を黄色透明にした場合には、 装用者 1 の左脳を刺激し、 頭の回転を良くすることができる。 これにより、 ポジティ ブシンキングを導きコミュニケーシヨン能力 を高めることができ、 例えば人 前に立つときなどに推奨される。
さらに、 食欲増進など、 消化器系の動きを活発にする効果も期待でき る。 これは、 内分泌系に働きかけて成長ホルモンの分泌を 促すことができるから である。
[0027] また、 例えばプリズムレンズ 1 1 を緑色透明にした場合には、 暖色と寒色 の間の中間色になり、 刺激が少ない分落ち着きや安心感を得ること ができる 。 また、 昔から緑色は目を休める効果があるとされ、 緑色透明のプリズムレ ンズを通して前方を見つめることで、 疲労の軽減が期待される。
[0028] また、 例えばプリズムレンズ 1 1 を青色透明にした場合には、 副交感神経 を優位にして、 神経の興奮を鎮静することが期待できる。 このため、 血圧 · 脈拍 ·体温を下げ、 心身をリラックスすることが期待できる。 不眠に悩んで いる場合や、 冷静な判断力、 観察力を高め、 じっくり物事と向き合いたい場 合に推奨される。
[0029] また、 例えばプリズムレンズ 1 1 をピンク色透明にした場合には、 女性ホ ルモンの分泌を促進することが期待できる。 このため、 女性らしさを感じた い場合や恋愛をしている場合、 婦人科系のトラブルに悩んでいる場合に推奨 される。
また、 例えばプリズムレンズ 1 1 を紫色透明にした場合には、 赤と青とい う色調が大きく異なる色が混ざった色であり 、 癒しの力や直感力を向上させ \¥0 2020/175591 7 卩(:170? 2020 /007874
る働きがあり、 心が葛藤状態にある場合に推奨される。
[0030] また、 図 2に示すように、 本実施形態では、 一対のプリズムレンズ 1 1は 、 装用者 P 1が使用する際に、 装用者 P 1から見て右側から左側に向けて厚 みが厚くなっている。 このようなプリズムレンズ 1 1 をべースレフトプリズ ム 1 1 Aと呼ぶ。
ベースレフトプリズム 1 1 Aの場合、 装用者 P 1の視覚情報は、 実際の空 間よりも右側に移動した状態で入力される。 このため、 眼球の右方向への回 転運動を促進することができる。
[0031 ] この点について詳述すると、 視線は歩行動作を先導するので、 目標となる 対象物が右側に移動した状態では、 右方向への歩行動作が促進されるととも に、 眼球が右側に回転する。
これから向かう先の視覚情報を得るという機 能と、 そちら側に視線を向け るために眼球をどの程度動かしたのか (眼球を回転運動させたか) という情 報を利用して、 体幹の回旋を正確にコントロールする機能が 重要となる。 つ まり、 人は無意識の中で視覚から得られる様々な情 報を用いて歩行している 。 また、 これらの変化によりオブティックフローが変 化するということは、 歩行が変化するということである。 歩行が変化することにより、 インターナ ルループとエクスターナルループの再構築が 期待できる。
[0032] また、 装用者 P 1の身体は、 歩行時には右加重が促進される。 これにより 、 右半身は坂道を上っているような屈曲した緊 張状態、 左半身は坂道を下っ ているような伸張した弛緩状態となる。 これを歩行による相反性交互運動と いう。 これは、 右側と反対側の左大脳皮質の活性化 ( P M R F : Pontomedu l l ary Ret i cu lar Format i on) によるものである。
[0033] 以上説明したように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1 によれば、 一対の プリズムレンズ 1 1が、 それぞれに入射する入射光を、 同じ方向に向けて屈 折させることができる。 このため、 視覚を通して装用者 P 1の脳に入力され る視覚情報が変更され、 装用者 P 1の空間認識が変更されることで、 視覚情 報が装用者 P 1の脳や体に対して与える影響を調整するこ ができる。 この \¥0 2020/175591 8 卩(:170? 2020 /007874
点について以下に詳述する。
[0034] 一般に、 人間は視覚情報、 前庭感覚、 体性感覚によって自身の立ち位置を 決めている。 このため、 視覚から入力される各種の情報は、 大脳皮質に影響 を与え、 身体の姿勢機能の変化を生み出す。 さらに言えば、 視覚情報を変更 し、 空間の認識を変化させる事で、 偏った姿勢感覚を、 本来あるべき正常な 姿勢感覚に向けて変化を与えることができる 。
すなわち、 視覚情報として認識するインプッ ト情報により、 視覚を通して 入力される外部の空間が変位することで、 アウトプッ ト情報としての身体の 姿勢を、 無意識レベルで変化させることが期待できる 。
[0035] 例えば、 斜視による患者が歩行時の腰痛を訴えるケー スにおいて、 患者の 歩行周期に分けて歩行動作を分析した結果、 プリズムレンズ 1 1の着用時に 代償動作の減少が確認されている。 この場合の代償動作とは、 斜視であるこ とを補うために行う姿勢変化等の動作のこと を指す。
これまで、 歩行動作に見られる機能異常に対して、 運動指導者やセラピス 卜は、 筋肉による出力としての歩行動作の異常を修 正することを第一に考え 、 筋力の改善を中心に取り組んできた。
[0036] しかしながら、 歩行制御には視覚情報、 前庭感覚情報、 体性感覚が関わっ ている。 また、 理想的な動作を遂行できる様にする身体制御 システムととも に、 繰り返し行われる身体制御システムからの動 作パターンの乱れに対して 、 未然に対処する機能にも視覚情報は最大限利 用されていることが近年確認 されている。 このため、 斜視眼患者対して、 プリズムレンズ 1 1 を用いて空 間認知機能を変化させるアプローチは、 非常に大きな効果が期待できる。
[0037] また、 眼球運動の滑走性の確保は後頭下筋群の緊張 抑制になる。 この為、 眼球運動と、 頭部の運動と、 を分離独立して行えることが重要である。 本発 明のプリズム眼鏡 1のように、 プリズムレンズ 1 1 を使用し、 眼球への負荷 を最小限に抑えることで、 適正な眼球アライメントの確保を獲得するこ とが 期待できる。 ここで、 眼球アライメントとは、 眼球の眼窩内での位置を指す \¥0 2020/175591 9 卩(:170? 2020 /007874
[0038] また、 歩行での緊張は、 グラウンディングと地面認知以外に視覚情報 を得 るための、 身体による代償行為ともいえる。 すなわち、 眼球の動きを、 頭部 (眼窩) の動きに対して分離させることは、 視覚を獲得するために、 他の感 覚器官の犠牲や伸展筋群の筋緊張を減らすこ とができる。
[0039] また、 本実施形態のプリズム眼鏡 1のようにべースレフトプリズム 1 1 八 を使った場合には、 目標物とともに右側に移動した空間を利用し て、 目標物 に手を伸ばす行為を繰り返し学習させる。 これにより、 装用者 1が、 怪我 や疾患等により、 認識できなくなってしまった空間を、 プリズムレンズ 1 1 で変化させることで、 日常生活における各種動作の改善につなげる ことがで きる。
[0040] 具体的には、 脳の損傷による半空間無視の患者は、 視野の半分を認識でき なくなってしまうため、 生活の質を大きく損なってしまう。 視野の半分が認 識できないため歩行や動作に大きな影響がお よぶ。 脳損傷による半空間無視 にプリズムレンズ 1 1 を使用することにより、 クライアントの〇〇!_ (クオ リティオブライフ) の改善に役立てることが可能である。
[0041 ] また、 無意識下での口の中における舌のポジション は、 眼球アライメント と繫がっている。 脳幹による同時発火作用によるものである。 この為プリズ ムレンズ 1 1 によって舌のポジションに変化をもたらすこ とが可能となる。 ベースレフトプリズム 1 1 八の場合、 装用者の舌は右側に寄ることとなる
[0042] (第 2実施形態)
次に、 本発明の第 2実施形態に係るプリズム眼鏡 1 について、 図 3を参照 して説明する。 なお、 以下の説明では、 第 1実施形態と同一の構成、 および 同一の効果についてはその説明を省略する。 図 3は、 第 2実施形態に係るプ リズム眼鏡 1 において、 入射光の屈折の様子を示す図である。
[0043] 図 3に示すように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1 における一対のプリ ズムレンズ 1 1は、 装用者 1が使用する際に、 装用者 1から見ての左側 から右側に向けて厚みが厚くなっている。 このようなプリズムレンズ 1 1 を \¥0 2020/175591 10 卩(:170? 2020 /007874
ベースライ トプリズム 1 1 巳と呼ぶ。
[0044] ベースライ トプリズム 1 1 巳の場合、 装用者 1の視覚情報は、 実際の空 間よりも左側に移動した状態で入力される。 このため、 眼球の左方向への回 転運動を促進することができる。
また、 装用者 の身体は、 歩行時には左加重が促進される。 これにより 、 左半身は坂道を上っているような屈曲した緊 張状態、 右半身は坂道を下っ ているような伸張した弛緩状態となる。 これは、 左側と反対側の右大脳皮質 の活性化によるものである。
[0045] 以上説明したように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1のようにべースラ イ トプリズム 1 1 巳を使った場合には、 目標物とともに左に移動した空間を 利用して、 目標物に手を伸ばす行為を繰り返し学習させ る。 これにより、 認 識できなくなってしまった空間の偏りを、 プリズムレンズ 1 1で変化させる ことで、 日常生活における各種動作の改善に繫げるこ とができる。
[0046] 人は本来、 右周辺視野が、 左周辺視野よりも優位になっている。 これは右 重心であることと関係があり、 左脳大脳皮質の働きが右脳大脳皮質の働きよ りも活発であることと関係している。
また、 ベースライ トプリズム 1 1 巳の場合、 装用者 1の舌は左側に寄る こととなる。
[0047] (第 3実施形態)
次に、 本発明の第 3実施形態に係るプリズム眼鏡 1 について、 図 4を参照 して説明する。 なお、 以下の説明では、 第 1実施形態と同一の構成、 および 同一の効果についてはその説明を省略する。 図 4は、 第 3実施形態に係るプ リズム眼鏡 1 において、 入射光の屈折の様子を示す図である。
[0048] 図 4に示すように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1 における一対のプリ ズムレンズ 1 1は、 上方から下方に向けて厚みが厚くなっている 。 このよう なプリズムレンズ 1 1 をべースダウンプリズム 1 1 〇と呼ぶ。
ベースダウンプリズム 1 1 <3の場合、 装用者 1の視覚情報は、 実際の空 間よりも上側に移動した状態で入力される。 このため、 眼球の上転運動を促 \¥0 2020/175591 1 1 卩(:170? 2020 /007874
進することができる。 また、 装用者 1の身体のうち、 頭の位置は後ろに変 化する。 また、 歩行時には、 踵接地、 および屈筋群の屈曲が促進される。
[0049] 以上説明したように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1 によれば、 頭が前 方に向けて頸部が傾く状態であるフォワード へッ ドを抑制することで、 頭頸 部の前方頭位を抑制し、 頸部への負担を減らすことが可能になる。
[0050] 例えば、 頭が中立位置から 1 0〇〇!前方に位置するように頸部が傾くと、 首への負担は約 1 〇 1< 9 増加する。 この為、 頸部のニュートラリティー (適 切な姿勢) が確保できなくなってしまい、 首の痛みや肩こり、 頸動脈の流れ が阻害され脳への血流量が低下する。
これにより、 持続的な血液循環の機能が維持出来ず、 眠気や疲労を感じや すくなる。 フォワードヘッ ドは、 呼吸機能への影響も大きい為、 これを解消 することは、 目の機能維持、 頸部の機能維持のためにも非常に重要である 。 これらの機能維持にベースダウンプリズム 1 1 <3を使用することができる。
[0051 ] また、 現代病を予防するために、 ベースダウンプリズム 1 1 〇による空間 認知療法を使用する効果が期待できる。 眼球は下方回旋、 もしくはフォワー ドへッ ドやうつ伏せといった眼球が下方に向いてい る場合、 眼軸の延長につ ながる眼圧の上昇を引き起こす。
ベースダウンプリズム 1 1 〇によれば、 眼球の上転機能をサポートして、 眼軸の延長を作らない、 すなわち近視になりにくい環境をつくること ができ る。
[0052] 昨今デジタルデバイスの影響もあり、 近くで物を見る環境が多く、 眼球は もっぱら下転運動をする傾向にある。 眼球の下方回旋は、 咬合動作、 特に上 顎の適正な発達を阻害する可能性が発表され ている為、 ベースダウンプリズ ム 1 1 <3を使用することで、 眼球の上転を促進し適正な上顎の発達を促進 さ せることが期待できる。
[0053] また一般に、 デジタルデバイスを見ている姿勢の多くは眼 球下転である。
眼球下転とは、 眼窩内で眼球が下方に向けて回転する動作を 指す。 眼球下転 時には眼窩後方に若干のスペースが生まれる 。 このスペースが生まれた状態 \¥0 2020/175591 12 卩(:170? 2020 /007874
で眼圧が上昇(デジタルデバイスの刺激) すると眼軸が延長し、 近視となる眼 球に変化する可能性がある。
[0054] また、 一般に人体において、 6 より近いものを見る場合には、 水晶体に よる調節作用が働き、 水晶体の前後軸が長くなる。 水晶体の前後軸とは、 水 晶体の最も厚い中心部分の前後方向の厚みを 指す。
この為、 房水の流れを阻害し眼圧が上昇する。 さらに、 眼球の下転はフォ ワードへッ ドの原因でもあり、 この姿勢が続くと内頸動脈への負担から眼球 への血流が阻害され、 血流量の低下十眼圧の上昇といった最悪の組 み合わせ が、 緑内障につながり、 進行すると失明につながる問題に発展する。
このような問題に対して、 眼球を上転運動させ、 頭頸部の前方頭位を抑制 するベースダウンプリズム 1 1 <3に効果が期待される。
[0055] また、 スマートフォンやパソコンによるデスクワー クといった作業下では 眼圧上昇が懸念される。 ベースダウンプリズム 1 1 <3を処方することにより 、 空間の水平方向の基準線を上げることができ る。 これにより、 眼球の下方 回旋ならびに眼球自体が下方に向くことによ って引き起こされる眼圧の上昇 を抑制し、 緑内障などの眼病から目の機能を守ることが 期待できる。
[0056] また、 ベースダウンプリズム 1 1 〇の場合、 装用者 1の舌は上側に寄る こととなる。 舌と眼の動きは関係性があり、 この場合、 眼を上転させること で、 無意識下で舌は口腔内で口蓋に触れやすくな る。 これにより、 口の中に おける舌のポジションが適正な位置となり、 口呼吸から鼻呼吸に変化させる ことのアプローチに繫がる。 これにより、 体幹 ·下肢筋力の安定化、 フォワ —ドへッ ドの改善、 および低舌位における無呼吸症候群の解消が 期待できる
[0057] また、 ベースダウンプリズム 1 1 <3を使い、 無意識化において自律神経を 調整することができる。
現代人は、 主に眼球下転となる眼の使い方をすることが 多い。 眼球下転の 動作は、 滑車神経と動眼神経に支配されている。 このうち、 より優位性の高 い第四脳神経の滑車神経は、 交感神経に支配されているので、 眼球下転時に \¥0 2020/175591 13 卩(:170? 2020 /007874
は交感神経は常に過活動となっている。
[0058] これに対して、 ベースダウンプリズム 1 1 〇は眼球上転をサボートする。
眼球上転の動作は第三脳神経の動眼神経に支 配されており、 動眼神経は副交 感神経支配である。 このため、 眼球上転の動作を行うことで、 副交感神経の 活動を増やす効果を期待することができる。
[0059] また、 ベースダウンプリズム 1 1 〇を使い、 舌ポジションの適正化を無意 識化にてサボートすることができる。 すなわち、 眼球上転の動作により、 舌 が口蓋に接触するように上方に変位する。 この位置に舌があるとき、 人は無 意識的に鼻呼吸を促進する為、 副交感神経優位となる。
[0060] また、 脳の前頭葉は、 口呼吸では、 鼻呼吸よりも酸素を消費しやすく、 活 動が休まらない。 逆に、 鼻呼吸を行うと、 呼吸回数を低下させることができ 、 副交感神経優位の効果が更に期待できる。
[0061 ] また、 ベースダウンプリズム 1 1 〇を使い屈筋群の屈曲を優位にする姿勢 は、 後縦隔の緊張を抑制する効果が期待できる。 後縦隔は交感神経節の集ま りである為、 後縦隔の緊張を抑制することで、 呼吸時の吸気を促進する効果 が期待できる。
前述した眼球上転、 舌ポジションの変化、 後縦隔の緊張抑制という 3つの 作用により、 現代人の特徴である、 常に交感神経優位の状態から、 副交感神 経優位の状態を作ることで、 自律神経のバランス調整に非常に大きな効果 が 期待できる。
[0062] (第 4実施形態)
次に、 本発明の第 4実施形態に係るプリズム眼鏡 1 について、 図 5を参照 して説明する。 なお、 以下の説明では、 第 1実施形態と同一の構成、 および 同一の効果についてはその説明を省略する。 図 5は、 第 4実施形態に係るプ リズム眼鏡 1 において、 入射光の屈折の様子を示す図である。
[0063] 図 5に示すように、 本実施形態に係るプリズム眼鏡 1 における一対のプリ ズムレンズ 1 1は、 下方から上方に向けて厚みが厚くなっている 。 このよう なプリズムレンズ 1 1 をべースアッププリズム 1 1 口と呼ぶ。 \¥0 2020/175591 14 卩(:170? 2020 /007874
ベースアッププリズム 1 1 口の場合、 装用者 1の視覚情報は、 実際の空 間よりも下側に移動した状態で入力される。 このため、 眼球の下転運動を促 進することができる。 また、 装用者 1の身体のうち、 頭の位置は前に変化 する。 また、 歩行時には、 踵接地の抑制、 および伸筋群の伸展が促進される
[0064] 本実施形態に係るベースアッププリズム 1 1 口の場合、 装用者 1の舌は 下側に寄ることとなる。 舌と眼の動きは関係性があり、 下肢筋群の過緊張に つながり、 例えばあえて安定した状態を崩すことができ る可能性がある。 こ のような効果が期待される場面としては、 例えば伸筋群の進展が苦手な人が 、 スポーツの場面等で選択的に使用する用途等 が想定される。
[0065] (プリズムレンズ 1 1の選定方法)
次に、 第 1実施形態から第 4実施形態に係るプリズムレンズ 1 1のうち、 どのプリズムレンズ 1 1 を使用するべきかを判断するプリズムレンズ 1 1の 選定方法について、 図 6および図 7を用いて説明する。
図 6は、 プリズムレンズ 1 1の選定方法における第 1姿勢を示す図である 。 図 7は、 プリズムレンズ 1 1の選定方法における第 2姿勢を示す図である
[0066] プリズム眼鏡 1 におけるレンズの選定方法では、 被験者 2の眼球の不動 方向を特定する眼球の不動方向特定ステップ と、 不動方向に基づいてプリズ ムレンズ 1 1 を選択するレンズ選択ステップと、 を実行する。
[0067] 不動方向特定ステップでは、 図 6および図 7に示すように、 被験者 2に 、 歩行時における立脚中期の姿勢を維持させた 状態で、 頭部 (眼窩) に対し て眼球のみを上下左右に動作すること (分離動作という) が可能かどうかを 確認する。 これにより、 眼球を動かしにくい方向である眼球の不動方 向を特 定する。
次に、 レンズ選択ステップでは、 不動方向特定ステップにおいて特定され た眼球の不動方向に向けて、 眼球の動きを促進するプリズムレンズ 1 1 を選 択する。 これらについて、 詳細を説明する。 \¥0 2020/175591 15 卩(:170? 2020 /007874
[0068] まず、 不動方向特定ステップとして、 被験者 2に、 図 6に示すように、 右立脚中期 (第 1姿勢) となる姿勢を維持させる。 右立脚中期とは、 体の右 側が屈曲 (緊張) し、 左側が伸展 (弛緩) している状態である。 この姿勢を 具体的に説明すると、 右下肢が左下肢より後ろに位置するように立 つ。 この 際、 右の膝は固定しない。 左の上肢は後方、 右の上肢は前方に位置させる ( 歩行運動の交互性を再現させる) 。 また、 右股関節を左股関節よりも後方に 位置させる。 なお、 この姿勢が取れない場合は評価外であり、 プリズムレン ズ 1 1 を使用できる状態ではない。 また、 評価中は呼吸を止めることなく姿 勢を維持させる。
[0069] 次に、 図 6の状態で、 八) 眼球のみを下方に向けて動かして、 下方を見な がら姿勢を維持できるかどうか、 を確認する。 また、 巳) 眼球のみで右を見 ながら姿勢を維持できるかどうか、 を確認する。
仮に、 八) 、 巳) の判定が N 0の場合には、 眼球の不動方向が右側という ことになる。 この場合には、 ベースレフトプリズム 1 1 八により、 右視空間 認知を高めるプランを製作する。
[0070] 次に、 図 6の状態で、 0) 眼球のみを左側に向けて動かして、 左側を見な がら姿勢を維持できるかどうかを確認する。 仮に、 口) の判定が N 0の場合 には、 不動方向が左側ということになる。 この場合には、 レンズ選択ステッ プにおいて、 左側に向けて、 眼球の動きを促進するプリズムレンズ 1 1であ る、 ベースライ トプリズム 1 1 巳を選択する。
[0071 ] 次に、 図 6の状態で、 巳) 眼球のみを上方に向けて動かして、 上方を見な がら姿勢を維持できるかどうかを確認する。 仮に、 巳) の判定が N 0の場合 には、 眼球の不動方向が上方ということになる。 この場合には、 レンズ選択 ステップにおいて、 上方に向けて、 眼球の動きを促進するプリズムレンズ 1 1である、 ベースダウンプリズム 1 1 〇を選択する。
[0072] 次に、 図 6の状態から、 巳) 頭部を左回旋させ、 眼球のみで右側を見る。
この動作において、 眼球の動きと頭頸部の動きを分離することが できない場 合には、 既に行った ) 〜0) の評価が適切ではなかった可能性がある。 こ \¥0 2020/175591 16 卩(:170? 2020 /007874
のため、 再度八) 〜0) の評価を行う。
[0073] また、 被験者 2に、 図 7に示すように、 左立脚中期となる姿勢 (第 2姿 勢) を維持させる。 左立脚中期とは、 体の左側が屈曲 (緊張) し、 右側が伸 展 (弛緩) している状態である。
そして、 ) 眼球のみを下方に向けて動かして、 下方を見ながら姿勢を維 持できるかどうか、 を確認する。 また、 ◦) 眼球のみで右を見ながら姿勢を 維持できるかどうか、 を確認する。 更に、 !· I) 眼球のみで左を見ながら姿勢 を維持できるかどうか、 を確認する。
仮に、 ) 、 〇) 、 1 ~ 1) の判定が N 0の場合には、 眼球の不動方向が左側 ということになる。 この場合には、 ベースライ トプリズム 1 1 巳により、 左 視空間認知を高めるプランを製作する。
[0074] また、 図 7の状態で、 I) 眼球のみを上方に向けて動かして、 上方を見な がら姿勢を維持できるかどうか、 を確認する。 仮に 丨) の判定が N 0の場合 には、 眼球の不動方向が上側ということになる。 この場合には、 ベースダウ ンプリズム 1 1 〇により、 上視空間認知を高めるプランを製作する。
[0075] また、 図 7の状態で、 頭部を右回旋させ、 眼球のみで左側を見る。 この動 作において、 眼球と頭頸部を独立して動かすことができな い場合には、 既に 行った ) 〜丨) の評価が適切ではなかった可能性がある。 このため、 再度 ) 〜丨) の評価を行う。
[0076] (変形例)
次に、 プリズム構造体の変形例について、 図 8および図 9を用いて説明す る。 図 8は、 本発明のプリズム構造体の第 1変形例を示す図、 図 9は、 本発 明のプリズム構造体の第 2変形例を示す図である。
図 8に示す第 1変形例に係るプリズム構造体 2 0は、 既存の眼鏡 2 1 に着 脱可能なアタッチメント構造のプリズムレン ズとなっている、 また、 このよ うなアタッチメント構造に代えて、 例えばシール状のプリズムシートを、 既 存の眼鏡 2 1 に貼付するような構成であってもよい。
[0077] 図 9に示す第 2変形例に係るプリズム構造体 3 0は、 装用者 1の頭に巻 \¥0 2020/175591 17 卩(:170? 2020 /007874
きつけることで、 プリズムレンズを頭部に固定可能なゴーグル 構造となって いる。 プリズムレンズは、 左右一対でもよいし、 左右でひとつのレンズであ ってもよい。
[0078] (第 5実施形態)
次に、 第 5実施形態に係る視覚情報変更装置 4 0について、 図 1 0から図 1 3を参照して説明する。 この実施形態では、 プリズム構造体に代えて、 V ゴーグルにより、 視覚情報変更装置 4 0が実現されて いる。
図 1 0は、 本発明の第 5実施形態に係る視覚情報変更装置 4 0の外観図、 図 1 1は、 視覚情報変更装置 4 0の表示部 4 4を示す図である。 また、 図 1 2は、 視覚情報変更装置 4 0の構成を示すブロック図、 図 1 3は、 視覚情報 変更装置 4 0を使用する状態を示す図である。
[0079] 図 1 0に示すように、 視覚情報変更装置 4 0は、 左右一対のフレーム 4 1 と、 フレーム 4 1 に支持される装置本体と、 を備えている。 左右一対のフレ —ム 4 1 を耳にかけることで、 装置本体 4 2により装用者 1の眼を覆うよ うに装用することができる。
装置本体 4 2の前面には、 前方を向く撮像部 4 3が配置されている。 撮像 部 4 3は、 外界からの光を用いて撮像する機能を有し、 左右に間隔をあけて —対配置されている。 なお、 撮像部 4 3は、 一つであってもよいし、 3つ以 上であってもよい。
[0080] 図 1 1 に示すように、 装置本体 4 2の後面 (装用者 1の前方) には、 表 示部 4 4 (モニタ) が設けられている。 表示部 4 4は、 左側の第 1表示部 4 4八と右側の第 2表示部 4 4巳から構成されている。 第 1表示部 4 4八と第 2表示部 4 4巳には、 それぞれ両眼視差に対応した画像が表示され る。 なお 、 表示部 4 4は左右共通の 1つのモニタで構成されてもよい。
[0081 ] 図 1 2に示すように、 視覚情報変更装置 4 0は、 処理部 4 5を備えている 。 処理部 4 5は、 撮像部 4 3が撮像した撮像データに対して座標変換処 を 行って、 座標変換データを生成する。 \¥0 2020/175591 18 卩(:170? 2020 /007874
処理部 4 5は、 視覚情報変更装置 4 0の各部を制御するものであり、 例え ば、 中央処理装置 (〇 11) である。 また、 処理部 4 5は、 マイクロプロセ ツサ、 八3 丨 〇、 〇八などであってもよいし、 視覚情報変更装置 4 0の 各部を制御できるものであれば、 これらの例に限られず、 どのような構成で あってもよい。 さらに、 処理部 4 5は、 1以上のコンビュータにより構成さ れるクラウドコンピューティングにより実現 され、 装置本体 4 2とは異なる 装置に実装されてもよい。
[0082] そして、 表示部 4 4が、 処理部 4 5が生成した座標変換データを表示する 。 この点について、 以下に詳述する。
図 1 3に示すように、 左右一対の撮像部 4 3は、 それぞれが正面の外界か らの光を用いて撮像を行って、 撮像データを 2種類取得する。 2種類の撮像 データは、 一対の撮像素子の位置により生じる視差に基 づいて、 データ内容 が異なっている。
[0083] 次に、 処理部 4 5はこれらのデータに基づいて、 装用者 1の視覚の焦点 となる基準点 Xを想定する。 この基準点 Xに対して、 予め設定された変位差 △ Iに基づいて、 基準点 Xが変位点 X’ となるように、 2種類の画像データ それぞれに対して座標変換処理を行う。 この処理により、 2つの座標変換デ —夕それぞれが有する空間情報が、 撮像データに対して変位差△ Iだけ右側 にずれた状態となる。 なお、 変位差△ Iは寸法として管理している例を説明 しているが、 角度の変化量により管理してもよい。
[0084] そして、 第 1表示部 4 4八および第 2表示部 4 4巳が、 それぞれの眼に 2 種類の座標変換データのうち、 対応する一方を表示することで、 空間情報が 変化した状態で装用者 1 に入力される。
これにより、 外界からの光の向きを変更して、 装用者 1の眼に入力する ことが可能になり、 前述した第 1実施形態に係るベースレフトプリズム 1 1 八と同様の効果を奏することができる。
[0085] また、 空間情報を変化させる方向は、 上下左右のいずれであってもよく、 任意に変位差△ 1の向きと大きさを設定することができる。 \¥0 2020/175591 19 卩(:170? 2020 /007874
このような場合には、 例えば処理部 4 5に対して入力を行う設定部を、 装 置本体 4 2に設け、 この設定部を操作することで、 前述したプリズムの屈折 角に対応するように、 変位差△ 1:を調整してもよい。
[0086] なお、 上述の実施形態は、 本発明の代表的な実施形態を単に例示したも の にすぎない。 したがって、 本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、 上述の 実施形態に対して種々の変形を行ってもよい 。
[0087] 例えば、 上記各実施形態においては、 プリズムレンズ 1 1の屈折角は、 0 . 5 ° 〜 2 0 ° である構成を示したが、 このような態様に限られない。 プリ ズムレンズ 1 1の屈折角は、 任意に設定することができる。
また、 プリズムレンズ 1 1は、 近視、 遠視、 または乱視等を解消する視力 矯正のための所定の度数を有していてもよい し、 度数を有していなくてもよ い。
[0088] また、 前述した変形例に限られず、 これらの変形例を選択して適宜組み合 わせてもよいし、 その他の変形を施してもよい。
[0089] (第 6実施形態)
上記実施形態においては、 一端の厚みを他端の厚みよりも厚く したプリズ ムレンズを用いて、 装用者がプリズムレンズメガネをかけていな い状態では 見えていない (認識できていない) 領域を、 プリズムレンズ眼鏡によって見 えるようにすることで、 脳に刺激を与え、 使用されていない脳の領域を活性 化させる例を説明した。 なお、 ここでいう 「見えていない (認識できていな い) 領域」 というのは、 実際に脳の障害等により起こる視空間認知能 力の低 下や、 健常者であっても、 環境による視空間の癖によって偏る、 視空間マツ プに於けるあまり使われていない空間情報を 含む。
[0090] 本第 6実施形態においては、 プリズムレンズ眼鏡の利便性を向上させる態 様について説明する。 即ち、 一つのプリズムレンズ眼鏡で、 装用者の視界に 対する入力方向を変更することができる態様 を説明する。
[0091 ] 図 1 4は、 本第 6実施形態におけるプリズムレンズ眼鏡の一 様を示す図 である。 図 1 4 (3) は、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0の斜視図であり、 図 \¥0 2020/175591 20 卩(:170? 2020 /007874
1 4 (b) 〜図 1 4 (〇〇 は、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0の天面図である 。 図 1 4 (a) に示すように、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0は、 フレームと 、 上記実施形態に示したようなプリズムレンズ 1 1 を備える。 フレームは、 プリッジ 1 4 0 1 と、 プリッジ 1 4 0 1 により接続され、 プリズムレンズ 1 1 を挟持するフロント咅0 1 4 0 2と、 フロント部 1 4 0 2から延伸するテン プル 1 4 0 3と、 テンプルの先端に設けられるモダン 1 4 0 4と、 フロント 部 1 4 0 2に設けられ、 装用者の鼻に接触してプリズムレンズ眼鏡を 支持す るノーズパッ ド 1 4 0 5と、 を備える。
[0092] 第 6実施形態においては、 図 1 4 (匕) 〜図 1 4 ( ) に示すように、 左 右のプリズムレンズ 1 1は、 それぞれフロント部に対して回動可能に接続 さ れている。 図 1 4 (匕) は、 回転前の状態を示し、 図 1 4 (〇) は、 回転途 中の状態を示し、 図 1 4 ( は回転後の状態を示している。 なお、 図 1 4 (¢0 が回転前、 図 1 4 (匕) が回転後であってもよく、 図 1 4 (〇) の回 転の向きは逆であってもよい。 なお、 ノーズパッ ド 1 4 0 5は、 プリズムレ ンズ 1 1の回転を妨げないように構成されている。
[0093] 具体的には、 図 1 5 (a) に示すように、 プリズムレンズ 1 1 とは、 それ それ、 天頂部と底部とで、 ネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2により、 フロント部 1 4 0 2に対して回動可能に接続されている。 図 1 5 (3) は、 フロント部 1 4 0 2におけるネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2が設けられている箇所の拡大断面図で ある。
[0094] 図 1 5 (a) に図示されるように、 フロント部 1 4 0 2には、 めねじが設 けられ、 ネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2のネジ山と嵌合するように構成されている 。 また、 プリズムレンズ 1 1 には、 ネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2の先端が揷入さ れる孔 1 5 0 1、 1 5 0 2が設けられている。 ネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2は共 に、 その先端部分であって、 孔 1 5 0 1、 1 5 0 2と嵌合する箇所にはネジ 山が設けられていない半ねじである。 したがって、 プリズムレンズ 1 1は、 フロント部 1 4 0 2に対して回動可能に接続される。 なお、 フロント部 1 4 0 2に半球状の凹部を設けるとともに、 プリズムレンズ 1 1の縁に、 その凹 \¥0 2020/175591 21 卩(:170? 2020 /007874
部と嵌合する半球状の凸部を設ける構成で あっても、 プリズムレンズ 1 1 を フロント部 1 4 0 2に対して回動可能に接続することができる
[0095] 図 1 5 ( 、 (〇) に示すように、 プリズムレンズ 1 1は、 その縁に沿 って、 溝 1 5 0 3が設けられている。 図 1 5 (匕) は、 プリズムレンズ 1 1 の斜視図であり、 図 1 5 (〇) は、 プリズムレンズ 1 1の側面図である。 そ して、 図 1 5 (〇〇 に示すように、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0のフロント 部 1 4 0 2は、 その内側に、 プリズムレンズ 1 1の溝 1 5 0 3に嵌合するた めの凸部 1 5 0 4が設けられている。 図 1 5 (〇〇 は、 フロント部 1 4 0 2 であって、 プリズムレンズ 1 1 を嵌めていない状態のフロント部 1 4 0 2を 示している。 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0のフレームは、 一定以上の剛性を 有するとともに、 プリズムレンズ 1 1の回転を許容し、 人力で溝 1 5 0 3に 凸部 1 5 0 4を嵌め込む程度の弾性を有することで、 プリズムレンズ 1 1が 、 所定以上の力を加えない限りは回転しないよ うに構成されている。 したが って、 装用者が、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0を装用しているときに独りで に回転することを防止できる。 なお、 溝 1 5 0 3をフロント部 1 4 0 2に設 け、 凸部 1 5 0 4をプリズムレンズ 1 1 に設ける構造としてもよい。
[0096] プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0は、 図 1 4 (匕) に示す態様では、 ベースレ フトプリズムとして機能し、 図 1 4 (¢0 に示す態様では、 ベースライ トプ リズムとして機能する。 このように、 プリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0は、 左右 の 2方向に像をずらして装用者の眼に入力する とができる。 装用者は、 プ リズム眼鏡 1 4 0 0を一定時間以上 (例えば、 半日であるが、 これに限定す るものではない) 装着しながら、 生活することで、 像をずらして眼に入力す ることで、 通常とは異なる脳の領域を刺激することがで きる。 また、 上記実 施形態に示したように、 その結果として、 装用者の姿勢の矯正等にも用いる ことができる。
[0097] このように、 第 6実施形態に係るプリズムレンズ眼鏡 1 4 0 0によれば、 装用者は、 右から左、 あるいは、 左から右に像をずらした視界入力を受け付 けることができるので、 装用者の脳を 2方向で刺激するようにして使用する \¥02020/175591 22 卩(:170? 2020 /007874
ことができる。
[0098] (第 6実施形態変形例 1 )
上記図 1 4、 図 1 5に示す例では、 プリズムレンズ 1 1 を、 鉛直方向を回 転軸として回転させる例を示したが、 これは、 鉛直方向を回転軸に限定する ものではない。 水平方向を回転軸として回転させてもよい。
[0099] 図 1 6 (3) 〜図 1 6 (〇) は、 プリズムレンズ眼鏡 1 600の側面図を 示す図である。 図 1 4 (a) に示すプリズムレンズ眼鏡 1 400と異なり、 フロント 1 402に対して垂直方向にネジ 1 4 1 1、 1 4 1 2が設けられた のに対して、 本変形例では、 フロント 1 602およびプリズムレンズ 1 1 に 対して、 水平方向にネジ 1 6 1 1が、 接続される点が異なる。
[0100] 図 1 6 (a) に示されるように、 プリズムレンズ眼鏡 1 600は、 フロン 卜 1 602によりプリズムレンズ 1 1が挟持される。 プリズムレンズ 1 1は 、 テンプル 1 603のフロント 1 602側の端部で、 ネジ 1 62 1 により、 フロント 1 603に対して回動可能に接続されている。
[0101] 図 1 6 (a)〜図 1 6 (〇) に示すように、 左右のプリズムレンズ 1 1は 、 それぞれフロント部 1 602に対して回動可能に接続されている。 図 1 6 (3) は、 回転前の状態を示し、 図 1 6 ( ) は、 回転途中の状態を示し、 図 1 6 (〇) は回転後の状態を示している。 なお、 図 1 6 (〇) が回転前、 図 1 6 (a)が回転後であってもよく、 図 1 6 (b) の回転の向きは逆であ ってもよい。 なお、 ノーズパッ ド 1 605は、 プリズムレンズ 1 1の回転を 妨げないように構成されているに対して縦回 転する。 したがって、 図 1 6 ( a) に示すように、 変形例 1 に係るプリズムレンズ眼鏡 1 600は、 ベース アップ態様の眼鏡、 並びに、 図 1 6 (〇) に示すようにベースダウン態様の 眼鏡の双方の利用の仕方が可能となる。
[0102] なお、 回転可能であれば、 プリズムレンズ 1 1の回転軸は、 フロント部に 対して斜め方向に設けられてもよい。
[0103] (第 6実施形態変形例 2 )
上記第 6実施形態および第 6実施形態変形例 1では、 プリズムレンズ眼鏡 \¥0 2020/175591 23 卩(:170? 2020 /007874
のプリズムレンズの形として、 円形のものを一例として示した。 しかし、 プ リズムレンズ 1 1が、 プリズムレンズ眼鏡のフロントに対して回転 可能にな っていれば、 その形状は、 円形に限定するものではない。
[0104] 図 1 7は、 プリズムレンズ 1 1 を円形ではなく、 辺が湾曲した略長方形に 構成したプリズムレンズ眼鏡 1 7 0 0を示している。
[0105] 図 1 7 (3) は、 プリズムレンズ眼鏡 1 7 0 0の斜視図である。 図 1 7 (
a) に示すように、 プリズムレンズ眼鏡 1 7 0 0は、 フロント 1 7 0 2及び プリズムレンズ 1 1の形状が略長方形に構成されている。 プリズムレンズ 1 1は、 フレームのフロント部 1 7 0 2の天頂部及び底部で、 ネジ 1 7 1 1、 1 7 1 2により回動可能に接続されている。 したがって、 プリズムレンズ眼 鏡 1 7 0 0のプリズムレンズ 1 1は、 図 1 7 (匕) に示すように、 フレーム のフロント部 1 7 0 2に対して、 横回転可能に構成されている。 したがって 、 図 1 4 (13) と図 1 4 (¢1) とで示した場合と同様に、 ベースレフトのプ リズムレンズ眼鏡およびべースライ トのプリズムレンズ眼鏡として機能する プリズムレンズ眼鏡 1 7 0 0を提供することができる。
[0106] —方、 図 1 7 (〇) は、 プリズムレンズ 1 1 をフレームのフロント部 1 7
0 2の左右方向から、 回動可能に接続した例を示している。 図 1 7 (〇) に 示されるように、 プリズムレンズ 1 1は、 フロントの外側 (右外端部および 左外端部) からねじ 1 7 2 1 によりフロント 1 7 0 2に対して、 水平に接続 される。 同様に、 プリズムレンズ 1 1は、 フロントの内側 (ブリツジ側) か らねじ 1 7 2 2により、 フロント 1 7 0 2に対して水平に接続される。 ねじ 1 7 2 1 とねじ 1 7 2 2の軸は、 同一の軸である。 したがって、 同じ回動軸 でプリズムレンズ 1 1は、 フロント部 1 7 0 2に対して回動する。 ねじ 1 7 2 1、 1 7 2 2の形状およびフロント部 1 7 0 2への接続態様は、 図 1 5 ( a) に示す態様と同様である。
[0107] なお、 図 1 7 (匕) は、 プリズムレンズ 1 1 を横回転させている例を示し 、 図 1 7 (〇) は、 プリズムレンズ 1 1 を縦回転させた例を示しているが、 回転の方向は、 図 1 7 (13) 、 図 1 7 (〇) に示す矢印の方向とは逆方向で \¥0 2020/175591 24 卩(:170? 2020 /007874
あつてもよい。
[0108] このように、 プリズムレンズ 1 1は、 フレームに対して回転可能で、 左右 、 上下で、 プリズムレンズ 1 1が嵌合すれば、 どのような形であってもよい 。 即ち、 横回転させる場合には、 左右の形状が回転軸を中心に対象であり、 縦回転させる場合には、 上下の形状が回転軸を中心に対象となる形状 であれ ば、 プリズムレンズ 1 1の外観はどのような形状でもよい。 なお、 プリズム レンズ 1 1の厚みに関しては、 一端から他端に向かってその厚みが厚く (薄 く) なるようになっていればよい。 したがって、 円形以外の形状のプリズム レンズ 1 1 を有するプリズムレンズ眼鏡も提供すること ができ、 装用者の眼 鏡をファッションアイテムとして見た場合の 満足感も充足させることができ る。
[0109] (第 6実施形態変形例 3)
上記第 6実施形態、 変形例 1、 変形例 2では、 プリズムレンズ 1 1 をフレ —ムのフロントに対して回転させることで、 光の屈折方向を変更し、 装用者 の刺激される脳の部位を変更できる例を示し た。 本変形例 3においては、 装 用者のプリズムレンズ眼鏡の使用態様を変更 することで、 ベースレフトのプ リズムレンズ眼鏡を、 ベースライ トのプリズムレンズ眼鏡にすることができ る例を説明する。
[01 10] 図 1 8 (3) は、 本変形例 3に係るプリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0の外観を 示す斜視図である。 プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0は、 図 1 8に示す態様並び に、 その天地を逆にした態様での使用も可能とす る眼鏡である。 そのために 、 図 1 8 (a) に示すように、 プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0は、 フロント部 に接続するテンプル 1 8 0 3の先のモダン 1 8 0 4は、 直線状に構成される 。 また、 図 1 8 (匕) は、 プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0を装用者が使用する 際に見る側、 すなわち、 プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0の背面図であるが、 こ の図 1 8 (1〇) および図 1 8 (¢1) に示されるように、 フロント部 1 8 0 2 には、 その上下方向にノーズパッ ド 1 8 0 5が設けられる。 なお、 プリズム レンズ眼鏡 1 8 0 0においても、 これまでの実施形態や変形例に示すように \¥0 2020/175591 25 卩(:170? 2020 /007874
、 そして、 図 1 8 (〇) に示すように、 一端から他端に向けて、 その厚みが 増す (減じる) プリズムレンズ 1 1 を用いる。 なお、 図 1 8 (a) に示すプ リズムレンズ眼鏡 1 8 0 0において、 プリズムレンズ 1 1の厚みの増す方向 は、 左右方向でも上下方向でもよく、 さらには、 脳の刺激を与えたい領域に よっては、 斜め方向であってもよい。
[01 1 1 ] 図 1 9は、 ノーズパッ ドの他の例を示す図である。 図 1 9 (3) は、 一般 的なノーズパッ ドを、 上下方向に設けた例を示す図である。 このような、 態 様であっても、 プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0を、 上下方向のいずれの方向で も、 装用者の顔に固定することができる。
[01 12] また、 図 1 9 (匕) 〜 ( ) は、 ノーズパッ ド 1 9 0 5が、 プリズムレン ズ眼鏡 1 9 0 0フロント部 1 9 0 2を接続するプリッジ 1 9 0 1 に対して、 軸 1 9 0 6により、 回動自在に設けられた例を示している。 ノーズパッ ド 1 9 0 5は、 図示されるように、 左右に対象に一連の部材で構成され、 その端 部に装用者の鼻に接触するパッ ドが設けられている。 そして、 その中央部分 で、 軸 1 9 0 6により、 ブリッジ 1 9 0 1 に回動自在に接続される。
[01 13] そして、 図 1 9 (匕) 〜図 1 9 (〇〇 の変化に示されるように、 プリズム レンズ眼鏡 1 9 0 0は、 ノーズパッ ド 1 9 0 5を回転させることで、 図 1 9 (匕) の場合には、 紙面下方を下側として使用することができ、 図 1 9 ( ) の場合には、 紙面上方を下側として使用することができる 。 したがって、 —対のノーズパッ ドのみで、 上下方向の双方向での使用に耐えるプリズム レ ンズ眼鏡 1 9 0 0を提供することができる。
[01 14] プリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0やプリズムレンズ眼鏡 1 9 0 0を上下のどち らでも使用可能にする工夫としては、 これらに限定するものではない。 例え ば、 図 1 8 (a) に示すプリズムレンズ眼鏡 1 8 0 0のモダンをテンプルに 対して曲げた状態で耳に掛けやすく構成する 場合に、 上下逆に使用した場合 にも装用者の耳にかけることができるように 、 モダンをテンプルに対して回 動可能に構成するように構成してもよい。 また、 あるいは、 プリズムレンズ 眼鏡 1 8 0 0のモダンをテンプルに対して曲げた状態で に掛けやすく構成 \¥0 2020/175591 26 卩(:170? 2020 /007874
する場合に、 その上下のいずれの側からでも装用者の耳に かけることができ るように、 モダンをテンプルに対して上下に分離させた 二股構造にしてもよ い。
[01 15] (第 6実施形態変形例 4)
上記第 6実施形態、 変形例 1、 変形例 2では、 プリズムレンズ 1 1 をフレ —ムのフロントに対して、 縦回転あるいは横回転させることで、 視野をずら す方向を変える例を示した。 本変形例 4では、 プリズムレンズ 1 1 を、 フレ —ムのフロントに沿って回転させる例を説明 する。
[01 16] 図 2 0 (3) は、 プリズムレンズ眼鏡 2 0 0 0の斜視図である。 図 2 0 (
a) に示されるように、 プリズムレンズ眼鏡 2 0 0 0は、 フレームと、 上記 実施形態に示したようにプリズムレンズ 1 1 を備える。 フレームは、 ブリツ ジ 2 0 0 1 と、 プリツジ 2 0 0 1 により接続され、 プリズムレンズ 1 1 を挟 持するフロント部 2 0 0 2 (2 0 0 2 3、 2 0 0 2匕) と、 フロント部 2 0 0 2匕から延伸するテンプル 2 0 0 3と、 テンプルの先端に設けられるモダ ン 2 0 0 4と、 フロント部 2 0 0 2に設けられ、 装用者の鼻に接触してプリ ズムレンズ眼鏡を支持するノーズパツ ド 2 0 0 5と、 を備える。
[01 17] 図 2 0 (匕) は、 プリズムレンズ 1 1のフロント部 2 0 0 2を側面視した 際の断面図である。 プリズムレンズ 1 1は、 上記実施形態に示したように、 入射する入射光を、 同じ方向に向けて屈折させることにより、 前記眼鏡を前 記装用者が装用していない場合に対して前記 装用者の眼に入力する視覚情報 を変更することができるプリズムレンズであ り、 図 2 0 (匕) に図示される ように、 一端から他端に向けて、 その厚みが増す (減じる) 構成を有する。 なお、 図 2 0 (1〇) では、 分かり易くするために、 図面上部が最も厚みが有 り、 下側が最も厚みがない (薄い) 部分になっている場合のプリズムレンズ 1 1の例を示しているが、 上述したように、 プリズムレンズ 1 1は、 フロン 卜部に対して回動可能に構成されていること から、 その回動角により、 厚み が最も厚くなる場所 (方向) を適宜変更することができ、 偏光方向を変更す ることができる。 \¥0 2020/175591 27 卩(:170? 2020 /007874
[01 18] 図 2 0 (〇) は、 プリズムレンズ 1 1のフロント部 2 0 0 2の分解斜視図 である。 図 2 0 (a) 〜図 2 0 (〇) に示されるように、 フロント部 2 0 0 2は、 前側フロント部 2 0 0 2 3 と、 後側フロント部 2 0 0 2匕と、 からな る。 前側フロント部 2 0 0 2 3 は、 後側フロント部 2 0 0 2匕に対して、 回 動自在に構成されている。 前側フロント部 2 0 0 2 3 は、 折り返し部 2 0 1 0があり、 折り返し部 2 0 1 0が後側フロント部 2 0 0 2匕に設けられた溝 に嵌合することで、 後側フロント部 2 0 0 2 13に対して回動可能になってい る。
[01 19] 図 2 0 (〇) に示されるように、 フロント部 2 0 0 2は、 いわゆる、 べゼ ル機構により、 前側フロント部 2 0 0 2 3 が後側フロント部 2 0 0 2匕に対 して回動可能になるとともに、 所定の角度で固定できるように構成されてい る。 即ち、 前側フロント部 2 0 0 2 3は、 フロント部 2 0 0 2の縁に沿って 湾曲させた針金 2 0 1 1 を備え、 針金 2 0 1 1は、 一部を山形に構成した突 出部 2 1 0 2を有する。 図 2 0 (〇) 、 ( ) に示されるように、 後側フロ ント部 2 0 0 2 は、 その外縁に沿って、 内側に向かって突出する山を有す る、 湾曲型のラック 2 0 2 2を備える。 突出部 2 1 0 2が、 ラック 2 0 2 2 の谷部と嵌合することで、 前側フロント部 2 0 0 2 3は、 後側フロント部 2 0 0 2 に対して、 回動しないように固定することができる。 その一方で、 針金 2 0 1 1は、 人力で前側フロント部 2 0 0 2 3を回した場合には、 たわ む程度の柔軟性を有するので、 人力を加えた場合には、 前側フロント部 2 0 0 2 3を回すことができる。 なお、 図 2 0 (〇) においては、 針金 2 0 1 1 が、 後側フロント部 2 0 0 2匕のラック 2 0 2 2の各山と嵌合することが理 解しやすいように、 折り返し部 2 0 1 0は省略している。
[0120] なお、 図 2 0では、 針金 2 0 1 1 により回動を固定する構造を実現してい るが、 針金 2 0 1 1以外によって実現してもよい。 例えば、 前側フロント部 2 0 0 2 3にもラックを設けて、 前側フロント部 2 0 0 2 3のラックの凸部 (山) が、 後側フロント部 2 0 0 2匕のラック 2 0 2 2の凹部 (谷) と嵌合 することで、 独りでに回動するのを防止することができる 。 このとき、 一方 \¥0 2020/175591 28 卩(:170? 2020 /007874
のラックの山を、 他方よりも浅く (低く) することで、 人力での回動をより やりやすく、 即ち、 より少ない力で回動させることができるよう になる。 ま た、 一方のラックの山の頂点の位置を偏らせるこ とで、 前側フロント部 2 0 0 2 3の回動方向を、 時計回り、 又は、 反時計回りの一方向のみに限定する 構造とすることもできる。 また、 ラックの山の感覚を調整することで、 プリ ズムレンズ 1 1が止まる位置、 即ち、 回動角を任意の角度に定めることがで きる。
[0121 ] 図 2 1は、 プリズムレンズ 1 1 をフレームのフロント部 2 1 0 2に対して 、 フロント部に沿って回動させる例であって、 プリズムレンズ 1 1 自体は図 2 0と同様に円形ではあるものの、 フレームを円形以外とした例を示す図で ある。
[0122] 図 2 1 に示すように、 フレームのフロント部 2 1 0 2は、 略長方形とした 例を示している。 このような形状であっても、 プリズムレンズ 1 1 自体は円 形であるとともに、 フレーム自体を円形以外の形状で構成するこ とができ、 装用者にとって満足のいく形態のプリズムレ ンズ眼鏡 2 1 0 0を使用するこ とができる。
[0123] なお、 本第 6実施形態に係る各態様のプリズムレンズ眼 は、 オーバーレ ンズ眼鏡として使用することができる。 即ち、 視力矯正用の眼鏡を装着して いる装用者が更にそのうえからプリズムレン ズ眼鏡を装用する態様をとって もよい。 そのために、 眼鏡のテンプル部に、 テンプル部が装用者側に付勢す るように、 バネ構造を採用する、 即ち、 いわゆるバネ蝶番フレームを用いる こととしてもよい。
[0124] また、 才ーバーレンズ眼鏡として使用する場合には 、 プリズムレンズ眼鏡 にはテンプルを設けず、 例えば、 図 8に示すように、 装用者の視力矯正用の 眼鏡に取り付けられる取付部を有する構成と してもよい。 また、 例えば、 ク リップオンタイプの眼鏡として、 プリズムレンズ眼鏡を構成することとして もよい。
[0125] 以上に示したように、 第 6実施形態に係る各態様のプリズムレンズ眼 に \¥0 2020/175591 29 卩(:170? 2020 /007874
よれば、 その装用の仕方により、 少なくとも 2方向に入射光を偏光させるこ とができるので、 様々な方向で装用者の視野を刺激することで 、 装用者の脳 の様々な個所に脳刺激を加えることができる 。 即ち、 視空間の刺激は視空間 座標における、 自己と空間あるいは物体との時空的、 空間的関係性を環境に 合わせて適切に保つことを可能にする。 また、 視空間マッピングのニュート ラリテイーは、 身体バランスのニュートラリテイーでもある 。 そのため、 意 図的な視空間刺激は前庭覚や体性感覚に影響 を与え、 脳や脊髄を介したルー プに対して無意識で入力刺激を加えることが できる。 その結果、 普段使用し ていない領域に脳刺激を加えることで、 脳神経の活性化を図ったり、 普段見 えない視野を見えるようにしたり、 見えてはいるものの意識していないため に気づいていない領域を見える (気づく) ようにすることができる。 そして 、 装用者が、 一定時間以上、 プリズムレンズ眼鏡を装用していることで、 装 用者の普段の姿勢に変化を与えたりすること ができる。 より具体的には、 視 空間マップ(視空間座標)を介して身体座標 との適合を図ったり、 脳神経の活 性化を図ったり、 普段活用されていない感覚を使い、 視野の変化で認識しや すい視覚の発生を図ったりすることができる 。 また、 実際には見えている情 報であっても、 視空間マッビングに対して入力された変化で 見える領域とす ることも可能である。 また、 見える空間の変化が作る錯視効果を利用した 身 体動作パターンは、 装用者が一定時間以上、 プリズムレンズ眼鏡を装用して いることで、 装用者の身体パターンに対して変化を与えた りすることができ る、 即ち、 プリズムレンズ眼鏡を装用しなくなったとし ても身体バターンに 変化を与えることができる。 これが感覚器を利用した脳への入力と身体に 出 力される刺激効果である。
符号の説明
[0126] 1 プリズム眼鏡
1 0 フレーム
1 1 プリズムレンズ
1 1 八 ベースレフ トプリズム \¥0 2020/175591 30 卩(:17 2020 /007874
1 1 巳 ベースライ トプリズム
1 1 0 ベースダウンプリズム
1 1 0 ベースアッププリズム