UCHIDA KATSUICHI (JP)
ONO SEIGO (JP)
UCHIDA KATSUICHI (JP)
JPS416645B1 | ||||
JP3310239B2 | 2002-08-05 | |||
JPS6213866A | 1987-01-22 | |||
JPS5473305A | 1979-06-12 | |||
JP3310239B2 | 2002-08-05 |
Akichika Takano (JP)
ケーシング内に一対のヘリカル歯車を備え、該ヘリカル歯車の回転により流量を計測する容積流量計であって、 前記一対のヘリカル歯車は、2葉以下のオーバルピッチ曲線を基準ラック歯形の曲線とし、該オーバルピッチ曲線の動径は、 ρ=a/(1-bcosnθ) (但し、ρは動径で回転中心からオーバルピッチ曲線までの距離、aは相似係数、bは扁平度、n(n≦2)は葉数、θは偏角)で表されることを特徴とする容積流量計。 |
請求項1に記載の容積流量計において、葉数n=2の場合、ピッチ点における工具圧力角をα 0
、ピッチ点における偏角をθ 0
、1/4基準ピッチをS 0
、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線との距離をg 0
、歯高率をhとすると、 θ 0 +α 0 -tan ―1 |-(1-bcosnθ 0 )/nbsinnθ 0 |=0 a=S 0 (1-bcosnθ 0 )/sinθ 0 g 0 =acosθ 0 /(1-bcosnθ 0 ) h=a/(1-b)-g 0 において、歯高率hがπm/4(mは歯形モジュール)となるように、相似係数a,扁平度b,距離g 0 を決定することを特徴とする容積流量計。 |
請求項1に記載の容積流量計において、葉数n=2、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線との距離g 0
を0とした場合、ピッチ点における工具圧力角をα 0
、ピッチ点における偏角をθ 0
、1/4基準ピッチをS 0
、ピッチ線からの直線の高さをh 0
、歯高率をhとすると、 |
請求項1に記載の容積流量計において、葉数n=1の場合、ピッチ点における工具圧力角をα 0
、ピッチ点における偏角をθ 0
、1/4基準ピッチをS 0
、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線との距離をg 0
、歯高率をhとすると、 |
請求項1に記載の容積流量計において、葉数n=1、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線との距離g 0
を0とした場合、ピッチ点における工具圧力角をα 0
、ピッチ点における偏角をθ 0
、1/4基準ピッチをS 0
、ピッチ線からの直線の高さをh 0
、歯高率をhとすると、 |
請求項3又は5に記載の容積流量計において、前記距離g o
=0の場合、前記オーバルピッチ曲線の極がピッチ線上に有り、 前記ピッチ線からの直線の高さh 0 は、0≦h 0 ≦Z/2sin 2 α 0 (Zはヘリカル歯車の歯数)となることを特徴とする容積流量計。 |
請求項2乃至6のいずれか1項に記載の容積流量計において、前記工具圧力角α 0 を10°以上としたことを特徴とする容積流量計。 |
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の容積流量計において、前記一対のヘリカル歯車は、少なくとも一部の歯面が凸凹の噛み合いとなることを特徴とする容積流量計。 |
一対で構成されたヘリカル歯車であって、 該一対のヘリカル歯車は、2葉以下のオーバルピッチ曲線を基準ラック歯形の曲線とし、該オーバルピッチ曲線の動径は、 ρ=a/(1-bcosnθ) (但し、ρは動径で回転中心からオーバルピッチ曲線までの距離、aは相似係数、bは扁平度、n(n≦2)は葉数、θは偏角)で表されることを特徴とするヘリカル歯車。 |
本発明は、容積流量計及びヘリカル歯車 より詳細には、基準ラック歯形としてオー ルピッチ曲線を用いた一対のヘリカル歯車 び該ヘリカル歯車を持つ容積流量計に関す 。
従来、ヘリカルギア式容積流量計は、ほ の回転子型流量計と比べて、回転子の回転 等速回転、等流量、等トルクであるため、 脈動で振動、騒音の発生が極めて少ないと う特徴を有している。そして、回転子とし 、比較的歯数の少ない歯車(歯数Z=2~4)におい て、歯車歯形の全面にわたり噛み合いが行わ れる連続接触歯形は、閉じ込み現象がなく、 流量計の回転子として適正があり、種々実用 化されている。
例えば、特許文献1に記載のヘリカルギア式
容積流量計の歯形は、基準ラック歯形にイン
ボリュート曲線(工具圧力角α 0
≧21.3°)を用いた一点連続接触歯形であるが
通常の状態(単一曲線の場合)での歯高率はh
0.665m(mはモジュール)、また、ピッチ点での
具圧力角をα 0
=15°としてピッチ点付近を直線でつないだ組
合わせ曲線の場合でも歯高率は、h≒0.724mで
ある。ただし、直線の高さの最大は、h 0
=Zsin 2
α 0
/2とした。
従って、この歯形の歯高率は一点連続接触
形の限界の歯高率であるh=πm/4=0.7854mよりも
く、これ以上の歯高を得ることはできない
また、サイクロイド歯形は、滑り率が一 という特徴がある反面、ピッチ点の工具圧 角がゼロ、また、単一曲線で一点連続接触 形とするためには、歯高率h=0.5mが限界であ 。ただし、ピッチ点における工具圧力角ゼ を回避するためにピッチ点近傍に直線を挿 することもできるが、一点連続接触歯形と て成立するためには、歯高率h=0.5mが限界と る。
また、一般にノビコフ歯形と称される円弧 形であるが、ピッチに円弧の中心をおいた 合には、一点連続接触歯形の最大の歯高率h =πm/4=0.7854mを得ることができる。ただし、こ ときのピッチ点の工具圧力角はサイクロイ 歯形と同様にゼロとなるために、円弧の中 をずらすことによりピッチ点における工具 力角をα 0 =14.5°とすると、このときの歯高率はh=0.6081m なる。また、ピッチ点近傍に直線を挿入す ことにより歯高率を高めることも可能であ 。この場合、直線の高さの範囲は0≦h 0 ≦Zsin 2 α 0 /2を満足しなければならず、そのときの工具 力角は約α 0 ≧21.5°となる。
上記において、直線の工具圧力角をα 0
≧21.5°として試算すると、直線の高さはh 0
=0.2678となり、直線の高さの最大h 0
=0.2686を満足しており、このときの歯高率はh=
0.7307mとなる。ただし、この場合の歯車歯形
インボリュートと円弧の組み合わせ曲線歯
となり、円弧曲線部分は連続接触ではなく
瞬の面接触である。
しかしながら、一般のインボリュート歯 の場合の歯高率(全歯高は2hとする)は、1.0m( 歯)が標準であり、容積流量計やギアポンプ の回転子として使用する場合には噛み合い率 や吐出量の関係で歯高率が低いものは不利と なる。
そこで、一対のヘリカル歯車を組み込ん 容積流量計において、基準ラック歯形とし オーバルピッチ曲線を用いると、一点連続 触歯形の理論限界である歯高率0.7854mを設定 することができる。しかし、従来の容積流量 計においては、基準ラック歯形としてオーバ ルピッチ曲線を用いるという上記のような技 術的思想はなく、これまで実現されていない 。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてな れたものであり、基準ラック歯形としてオ バルピッチ曲線を用いた一対のヘリカル歯 を持ち、少ない歯数でも一点連続接触歯形 理論限界の歯高率πm/4(0.7854m)を設定可能と 、歯形間の閉じ込み現象のない理想的な容 流量計及びヘリカル歯車を提供すること、 目的とする。
上記課題を解決するために、第1の技術手段
は、ケーシング内に一対のヘリカル歯車を備
え、該ヘリカル歯車の回転により流量を計測
する容積流量計であって、前記一対のヘリカ
ル歯車は、2葉以下のオーバルピッチ曲線を
準ラック歯形の曲線とし、該オーバルピッ
曲線の動径は、
ρ=a/(1-bcosnθ)
(但し、ρは動径で回転中心からオーバルピッ
チ曲線までの距離、aは相似係数、bは扁平度
n(n≦2)は葉数、θは偏角)で表されることを
徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において
葉数n=2の場合、ピッチ点における工具圧力
をα 0
、ピッチ点における偏角をθ 0
、1/4基準ピッチをS 0
、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線と
の距離をg 0
、歯高率をhとすると、
θ 0
+α 0
-tan ―1
|-(1-bcosnθ 0
)/nbsinnθ 0
|=0
a=S 0
(1-bcosnθ 0
)/sinθ 0
g 0
=acosθ 0
/(1-bcosnθ 0
)
h=a/(1-b)-g 0
において、歯高率hがπm/4(mは歯形モジュール)
となるように、相似係数a,扁平度b,距離g 0
を決定することを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第1の技術手段において 葉数n=2、前記オーバルピッチ曲線の極とピ チ線との距離g 0 を0とした場合、ピッチ点における工具圧力 をα 0 、ピッチ点における偏角をθ 0 、1/4基準ピッチをS 0 、ピッチ線からの直線の高さをh 0 、歯高率をhとすると、
において、歯高率hがπm/4(mは歯形モジュー )となるように、相似係数a,扁平度bを決定す ることを特徴としたものである。
第4の技術手段は、第1の技術手段において 葉数n=1の場合、ピッチ点における工具圧力 をα 0 、ピッチ点における偏角をθ 0 、1/4基準ピッチをS 0 、前記オーバルピッチ曲線の極とピッチ線と の距離をg 0 、歯高率をhとすると、
において、歯高率hがπm/4(mは歯形モジュール) となるように、相似係数a,扁平度b,距離g 0 を決定することを特徴としたものである。
第5の技術手段は、第1の技術手段において 葉数n=1、前記オーバルピッチ曲線の極とピ チ線との距離g 0 を0とした場合、ピッチ点における工具圧力 をα 0 、ピッチ点における偏角をθ 0 、1/4基準ピッチをS 0 、ピッチ線からの直線の高さをh 0 、歯高率をhとすると、
において、歯高率hがπm/4(mは歯形モジュー )となるように、相似係数a,扁平度bを決定す ることを特徴としたものである。
第6の技術手段は、第3又は第5の技術手段に いて、前記距離g o =0の場合、前記オーバルピッチ曲線の極がピ チ線上に有り、前記ピッチ線からの直線の さh 0 は、0≦h 0 ≦Z/2sin 2 α 0 (Zはヘリカル歯車の歯数)となることを特徴と したものである。
第7の技術手段は、第2乃至第6のいずれか1の 技術手段において、前記工具圧力角α 0 を10°以上としたことを特徴としたものであ 。
第8の技術手段は、第1乃至第7のいずれか1 の技術手段において、前記一対のヘリカル歯 車は、少なくとも一部の歯面が凸凹の噛み合 いとなることを特徴としたものである。
第9の技術手段は、一対で構成されたヘリカ
ル歯車であって、該一対のヘリカル歯車は、
2葉以下のオーバルピッチ曲線を基準ラック
形の曲線とし、該オーバルピッチ曲線の動
は、
ρ=a/(1-bcosnθ)
(但し、ρは動径で回転中心からオーバルピッ
チ曲線までの距離、aは相似係数、bは扁平度
n(n≦2)は葉数、θは偏角)で表されることを
徴としたものである。
本発明によれば、基準ラック歯形としてオ
バルピッチ曲線(楕円曲線)を用いた一対の
リカル歯車を組み込むことにより、一点連
接触歯形の理論限界である歯高率πm/4(0.7854m)
を設定することができる。
また、歯面が凸凹の噛み合いとなるため、
面強度の高い歯車歯形となり、歯形間の滑
率も小さいことから磨耗にも強い歯形とす
ことができる。
さらに、少ない歯数でも十分な歯形強度を
し、ピッチ点において工具圧力角を設定で
ることから、工具の設計あるいは歯切加工
有利となる。特に、容積流量計の回転子と
て用いる場合は、歯高率を一点連続接触歯
の理論限界のπm/4に設定することにより、
じ込み現象のない理想的な回転子を提供す
ことができる。
1,2…ヘリカル回転子、3…ケーシング、4,5 軸心、6,9…仮想のピッチ円、7,10…歯先円、8 ,11…歯低円。
本発明に係る容積流量計の主たる特徴部分
、下記の通りである。すなわち、
(1)限界の歯高率h=πm/4(mは歯形モジュール)を
現できること
(2)工具製作上あるいは寿命等に有利なピッチ
点で工具圧力角を有すること
(3)流量計回転子として閉込現象のない一点連
続接触歯形であること
(4)面圧強度を高めるために噛合歯面の少なく
とも一部が凸凹の噛合いとなること
以下、添付図面を参照しながら、本発明に
る容積流量計の好適な実施の形態について
明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る容積流 量計の構成例を示す図である。図中、1,2はヘ リカル形状の一対のヘリカル歯車(ヘリカル 転子という)、3はケーシング、4,5はそれぞれ ヘリカル回転子1,2の軸心、6はヘリカル回転 1のピッチ円、7はヘリカル回転子1の歯先円 8はヘリカル回転子1の歯低円、9はヘリカル 転子2のピッチ円、10はヘリカル回転子2の歯 円、11はヘリカル回転子2の歯低円を示す。 対のヘリカル回転子1,2として、ねじれ方向 異なり、同形同大で構成され、歯数を4(Z=4) したヘリカルギアを例示し、このヘリカル 転子1,2は、流量計本体のケーシング3内で軸 心4,5を中心として、流体Fの中で互いに噛み いながら図中矢印の向きに回転可能に設け れている。
(第1の実施形態)
本実施形態に係るヘリカル回転子1,2は、2葉
以下のオーバルピッチ曲線を基準ラック歯形
の曲線としたもので、オーバルピッチ曲線の
動径は、下記の式(1)で表される。
ρ=a/(1-bcosnθ) …式(1)
但し、ρは動径で回転中心からオーバルピッ
曲線までの距離、aは相似係数、bは扁平度
nは葉数、θは偏角(動角)である。
以下、基準ラック歯形の軌跡を(X j
,Y j
)で表し、この基準ラック歯形の曲線として2
形オーバルピッチ曲線(n=2)を用いた場合を
表例として説明する。ここで、ピッチ円半
をR、回転子歯数をZ、歯形モジュールをm、1/
4基準ピッチをS 0
とし、以下の諸元を与える。
ピッチ円半径R=2
回転子歯数 Z=4
歯形モジュールm=2R/Z=1
1/4基準ピッチS 0
=πm/4=πR/2Z
基準ラック歯形として、上記式(1)で示され
2葉系(n=2)のオーバルピッチ曲線の極座標(ρ,
θ)を与える。動径ρは長径から始まるものと
る。
また、オーバルピッチ曲線の接線角τ(但し
鋭角とする)は、以下の式により求めること
ができる。
τ=tan ―1
|ρ/(dρ/dθ)| …式(2)
dρ/dθ=-nabsinnθ/(1-bcosnθ) 2
…式(3)
上記式(1)~(3)より、
τ=tan ―1
|-(1-bcosnθ)/nbsinnθ| …式(4)
ここで、ピッチ点P 0
の工具圧力角をα 0
、オーバルピッチ曲線の極の移動量をg 0
、歯高率をhとすると、以下の条件式が成立
る。なお、極の移動量g 0
とは、オーバルピッチ曲線の極とピッチ線と
の距離のことである。
θ 0
+α 0
-tan ―1
|-(1-bcosnθ 0
)/nbsinnθ 0
|=0…式(5)
a=S 0
(1-bcosnθ 0
)/sinθ 0
…式(6)
g 0
=acosθ 0
/(1-bcosnθ 0
) …式(7)
h=a/(1-b)-g 0
…式(8)
但し、θ 0
はピッチ点P 0
における偏角である。
上記式(5)において、工具圧力角α 0 を14.5°に設定し、扁平度bをパラメータとし シミュレーションを行った結果、扁平度bが0 .2850、偏角θ 0 が46.1033°のときに、式(6)~(8)により一点連続 触歯形の理論上の限界値である歯高率h=πm/4= 0.7854mを得ることができる。なお、式(6)によ 相似係数aが1.1019、式(7)により極の移動量g 0 が0.7557と求まる。
n=2,g 0
≠0,h 0
=0の場合において、上記により求めたオーバ
ピッチ曲線で構成された基準ラック歯形の
を図2に示す。図中、20は基準ラック歯形を
し、この基準ラック歯形20は、歯高率h=0.7854
m,工具圧力角α 0
=14.5°、極の移動量(距離)g 0
=0.7557で構成されている。
図2において、曲線P 1
P 0
は基準ラックのアデンダム歯形、曲線P 0
P 2
は基準ラックのデデンダム歯形で、ピッチ点
P 0
に対して点対称となっている。直線Q 1
Q 2
はピッチ線を示す。点K 1
,K 2
はオーバルピッチ曲線の極を示し、ピッチ線
Q 1
Q 2
より距離g 0
だけシフトしている。
ここで、実際の基準ラック歯形の工具座標 、中心に位置するオーバルピッチ曲線の極 含む側を工具の実質側と考えて、右側のピ チ点P 0 を原点として、XY座標を変換した基準ラック 形の例を図3に示す。
図3において、基準ラック歯形上の点P j
における接線の法線とピッチ線Q 1
Q 2
とが交わる点をC j
とすると、原点P 0
-点C j
-点P j
の成す角度φ j
は、
φ j
=τ-θ …式(9)
また、点P j
から点C j
までの距離r j
は、
r j
=(ρcosθ-g 0
)/sinφ j
…式(10)
また、原点P 0
から点C j
までの距離S j
は、
s j
=r j
cosφ j
+S 0
-ρsinθ …式(11)
これより、基準ラック歯形20の座標(X j
,Y j
)は、
として求めることができる。
図4は、第1の実施形態に係る容積流量計に いられる基準ラック歯形と回転子歯形の一 を示す図で、図中、21は回転子歯形を示す。 本例では、工具歯形となる基準ラック歯形20 回転子歯形21との略直角断面を示す。なお 基準ラック歯形20をピッチ円に沿ってころが したときにできる曲線群の包絡線が回転子歯 形21の輪郭となる。ヘリカル回転子のアデン ム座標系において、回転子歯形の軌跡を(X k ,Y k )で表し、ヘリカル回転子の軸心Oから回転子 形21上の点までの動径をr k 、その回転角をθ k とする。動径r k 及び回転角θ k は、以下の式で求められる。なお、Rはヘリ ル回転子のピッチ円半径である。
r k 2 =R 2 +r j 2 -2Rr j cos(π/2+φ j )より、
また、θ k =-{S j /R-cos -1 ((R 2 +r k 2 -r j 2 )/2Rr k )}より、
但し、S 1 P 0 を回転子歯形のアデンダム側、P 0 S 2 を回転子歯形のデデンダム側とする。
従って、回転子歯形の輪郭座標(X k
,Y k
)は、下記の式で表される。
X k
=r k
cosθ k
-R …式(16)
Y k
=r k
sinθ k
…式(17)
図5は、第1の実施形態に係る容積流量計に いられる回転子歯形の噛合状態の一例を示 図である。回転子歯形21は軸心O 1 を持つヘリカル回転子の歯形、回転子歯形22 軸心O 2 を持つヘリカル回転子の歯形を示す。基準ラ ック歯形20を工具歯形とする一対のヘリカル 転子歯形は、歯高率h=0.7854m,工具圧力角α 0 =14.5°で構成されている。
図6は、第1の実施形態に係る容積流量計に
いられる一対の回転子歯形の接触点の軌跡
一例を示す図である。ここでは、ピッチ点
原点とする極座標(r,θ)によって一対のヘリ
ル回転子の接触点の軌跡を示すものとする
ピッチ点P 0
を原点、また、一対のヘリカル回転子の軸心
をO 1
,O 2
とし、O 1
P 0
O 2
を基線に定める。接触点(r,θ)は、刻々と位置
を変え、その軌跡はrとθとの関係によって決
定される。
r=r(θ) …式(18)
図6において、一対のヘリカル回転子歯形の
接触点の軌跡l 1
,l 2
を示す。この軌跡l 1
,l 2
は下記の式により求められる。
X i
=r j
sinφ j
…式(19)
Y i
=r j
cosφ j
…式(20)
接触点の軌跡l 1
,l 2
は、完全なレムニスケート状となっており、
一対の回転子歯形21,22は、アデンダム側が凸
デデンダム側が凹の噛合いとなる完全な一
連続接触歯形を構成していることがわかる
(第2の実施形態)
本実施形態の基準ラック歯形は、極の移動
g o
=0としているため、第1の実施形態における基
準ラック歯形と異なり、オーバルピッチ曲線
の極がピッチ線上に有り、基準ラック歯形の
ピッチ点近傍に直線部分を設けて構成される
。
以下、基準ラック歯形の軌跡を(X j
,Y j
)で表し、この基準ラック歯形の曲線として2
形オーバルピッチ曲線(n=2)を用いた場合を
表例として説明する。ここで、第1の実施形
と同様に、ピッチ円半径をR、回転子歯数を
Z、歯形モジュールをm、1/4基準ピッチをS 0
とし、以下の諸元を与える。
ピッチ円半径R=2
回転子歯数 Z=4
歯形モジュールm=2R/Z=1
1/4基準ピッチS 0
=πm/4=πR/2Z
基準ラック歯形として、前述の式(1)で示さ
る2葉系(n=2)のオーバルピッチ曲線の極座標(
ρ,θ)を与える。動径ρは長径から始まるもの
する。
また、オーバルピッチ曲線の接線角τ(但し
鋭角とする)は、前述の式(2)~(4)により求め
ことができる。
歯高率hとして、一点連続接触歯形の限界で
あるh=πm/4、ピッチ点P 0
の工具圧力角をα 0
とすると、その範囲は、
α 0
≧21.4°
また、ピッチ線からの直線の高さをh 0
とすると、その範囲は、
0≦h 0
≦Z/2sin 2
α 0
ここでは、最大となるh 0
=Z/2sin 2
α 0
を用いるものとする。
相似係数aは、下記の式により求めること ができる。
ここで、オーバルピッチ曲線の極の移動量
g 0
=0とし、工具圧力角α 0
をパラメータとして、前述の式(5)を用いて計
算した結果、工具圧力角α 0
が26.3000°、扁平度bが0.0712、相似係数aが0.7294
ときに、前述の式(8)、すなわち、h=a/(1-b)に
り一点連続接触歯形の理論上の限界値であ
歯高率h=πm/4=0.7854mを得ることができる。な
、ピッチ点の偏角θ 0
は、下記の式により求めることができる。
θ 0
=tan -1
((S 0
-h 0
tanα 0
)/h 0
) …式(22)
n=2,g 0
=0,h 0
≠0の場合において、上記により求めたオー
ルピッチ曲線で構成された基準ラック歯形
例を図7に示す。基準ラック歯形20は、歯高
h=0.7854m,工具圧力角α 0
=26.3000°、極の移動量g 0
=0で構成されている。
図7において、曲線P 1
P 0
は基準ラックのアデンダム歯形、曲線P 0
P 2
は基準ラックのデデンダム歯形で、ピッチ点
P 0
に対して点対称となっている。直線Q 1
Q 2
はピッチ線を示す。点K 1
,K 2
はオーバルピッチ曲線の極でピッチ線Q 1
Q 2
上に設けられる。
ここで、実際の基準ラック歯形の工具座標 、中心に位置するオーバルピッチ曲線の極 含む側を工具の実質側と考えて、右側のピ チ点P 0 を原点として、XY座標を変換した基準ラック 形の例を図8に示す。
図8において、基準ラック歯形上の点P j
における接線の法線とピッチ線Q 1
Q 2
とが交わる点をC j
とすると、原点P 0
-点C j
-点P j
の成す角度φ j
は、前述の式(9)により求めることができる。
また、点P j
から点C j
までの距離r j
は、
r j
=ρcosθ/sinφ j
…式(23)
また、原点P 0
から点C j
までの距離S j
は、前述の式(11)により求めることができる
これより、直線部20aを除く基準ラック歯形2
0の座標(X j
,Y j
)は、
として求めることができる。
ピッチ点P 0
の近傍に挿入する直線部20aについては、直線
の高さh 0
をパラメータとして分割すると、
Z/2sin 2
α 0
≧h 0
≧0 …式(26)
φ j
=α 0
=const. …式(27)
r j
=h 0
/sinα 0
…式(28)
s j
=r j
/cosα 0
…式(29)
図9は、第2の実施形態に係る容積流量計に いられる基準ラック歯形と回転子歯形の他 例を示す図である。本例では、工具歯形と る基準ラック歯形20と回転子歯形21との略直 断面を示す。ヘリカル回転子のアデンダム 標系において、回転子歯形の軌跡を(X k ,Y k )で表し、ヘリカル回転子の軸心Oから回転子 形21上の点までの動径をr k 、その回転角をθ k とする。動径r k 及び回転角θ k は、前述の式(14),(15)により求められる。なお 、Rはヘリカル回転子のピッチ円半径である
従って、回転子歯形の輪郭座標(X k
,Y k
)は、前述の式(16),(17)、すなわち、X k
=r k
cosθ k
-R, Y k
=r k
sinθ k
で表される。但し、S 1
P 0
を回転子歯形のアデンダム側、P 0
S 2
を回転子歯形のデデンダム側とする。
図9において、回転子歯形21のうち、直線で
成されるインボリュート曲線21aと、オーバ
ピッチ曲線で創成される曲線21bとを示し、
ッチ点P 0
の近傍はインボリュート曲線21aで構成されて
いる。
図10は、第2の実施形態に係る容積流量計に
いられる一対の回転子歯形の接触点の軌跡
他の例を示す図である。ここでは、ピッチ
を原点とする極座標(r,θ)によって一対のヘ
カル回転子の接触点の軌跡を示すものとす
。ピッチ点P 0
を原点、また、一対のヘリカル回転子の軸心
をO 1
,O 2
とし、O 1
P 0
O 2
を基線に定める。接触点(r,θ)は、刻々と位置
を変え、その軌跡はrとθとの関係によって決
定される。
図10において、一対のヘリカル回転子歯形
接触点の軌跡l 1
,l 2
を示す。この軌跡l 1
,l 2
は前述の式(19),(20)により求められる。
このように、上記各実施形態によれば、基
ラック歯形としてオーバルピッチ曲線(楕円
曲線)を用いた一対のヘリカル回転子を組み
むことにより、一点連続接触歯形の理論限
である歯高率πm/4(0.7854m)を設定することがで
きる。
また、歯面が凸凹の噛み合いとなるため、
面強度の高い歯車歯形となり、歯形間の滑
率も小さいことから磨耗にも強い歯形とす
ことができる。
さらに、少ない歯数でも十分な歯形強度を
し、ピッチ点において工具圧力角を設定で
ることから、工具の設計あるいは歯切加工
有利となる。特に、容積流量計の回転子と
て用いる場合は、歯高率を一点連続接触歯
の理論限界のπm/4に設定することにより、
じ込み現象のない理想的な回転子を提供す
ことができる。
図11は、回転子歯数Z=4とした場合の一対 ヘリカル回転子1,2の噛合い状態の遷移例を す図である。図11(A)から図11(F)の順に、ヘリ ル回転子1,2が0°から45°まで回転する際の噛 合い状態の遷移を示す。ヘリカル回転子1,2は 軸心4,5を中心として回転可能にケーシング3 に収容されているが、ケーシング3の記載は 略する。
図11(A)はヘリカル回転子1の角度θを0°の場
を示し、図11(B)はヘリカル回転子1の角度θを
10°の場合を示し、図11(C)はヘリカル回転子1
角度θを20°の場合を示す。
さらに、図11(D)はヘリカル回転子1の角度θ
30°の場合を示し、図11(E)はヘリカル回転子1
角度θを40°の場合を示し、図11(F)はヘリカ
回転子1の角度θを45°の場合を示す。
以上の説明では、基準ラック歯形として、2
葉系(n=2)のオーバルピッチ曲線を用いた場合
例示して説明したが、1葉系(n=1)のオーバル
ッチ曲線(すなわち、楕円曲線)についても
様に適用することができる。
なお、1葉系オーバルピッチ曲線として同様
に解析した場合、オーバルピッチ曲線の極を
ピッチ線上から移動させる第1の実施形態(g 0
≠0,h 0
=0)では、下記の条件式に基づいて、歯高率h=
m/4(但し、工具圧力角α 0
=14.5°とする)を実現することができる。
n=1,g 0
≠0,h 0
=0の場合において、上記により求めたオーバ
ピッチ曲線で構成された基準ラック歯形の
を図12に示す。基準ラック歯形20は、歯高率
h=0.7854m,工具圧力角α 0
=14.5°、極の移動量g 0
=1.4223で構成されている。
図12において、曲線P 1
P 0
は基準ラックのアデンダム歯形、曲線P 0
P 2
は基準ラックのデデンダム歯形で、ピッチ点
P 0
に対して点対称となっている。直線Q 1
Q 2
はピッチ線を示す。点K 1
,K 2
はオーバルピッチ曲線の極を示し、ピッチ線
Q 1
Q 2
より距離g 0
だけシフトしている。
このときの各パラメータは、相似係数aが0.5 690,扁平度bが0.7422,偏角θ 0 が28.9068°と求めることができる。
また、オーバルビッチ曲線の極をピッチ線 におく第2の実施形態(g 0 =0,h 0 ≠0)では、下記の条件式に基づいて、歯高率h =πm/4(但し、工具圧力角α 0 =29.1°とする)を実現することができる。
n=1,g 0
=0,h 0
≠0の場合において、上記により求めたオー
ルピッチ曲線で構成された基準ラック歯形
例を図13に示す。基準ラック歯形20は、歯高
h=0.7854m,工具圧力角α 0
=29.1°、極の移動量g 0
=0で構成されている。
図13において、曲線P 1
P 0
は基準ラックのアデンダム歯形、曲線P 0
P 2
は基準ラックのデデンダム歯形で、ピッチ点
P 0
に対して点対称となっている。直線Q 1
Q 2
はピッチ線を示す。点K 1
,K 2
はオーバルピッチ曲線の極でピッチ線Q 1
Q 2
上に設けられる。
このときの各パラメータは、相似係数aが0.5 820,扁平度bが0.2590,偏角θ 0 が47.8224°,直線の高さh 0 が0.4730と求めることができる。
以上の説明では、本発明に係るヘリカル 車を容積流量計に適用した場合を代表例と て説明したが、このヘリカル歯車を歯車ポ プなどに適用できることは言うまでもない
Next Patent: HIGH FREQUENCY ANTENNA UNIT AND PLASMA PROCESSING APPARATUS