Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
WATER-BASED BINDER COMPOSITION FOR PAVING AND METHOD OF TREATING PAVEMENT SURFACE WITH THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113401
Kind Code:
A1
Abstract:
A water-based binder composition for paving, characterized by comprising a synthetic-resin emulsion containing a water-soluble or water-dispersible polyester as a protective colloid. The synthetic resin preferably is a styrene/(meth)acrylic ester copolymer or a (meth)acrylic ester copolymer. The amount of the water-soluble or water-dispersible polyester preferably is in the range of 2-50 mass% of the amount of the synthetic resin. The water-based binder composition for paving emits no odor during working, is friendly to the environment, and is excellent in wearing resistance and water resistance.

Inventors:
DOI MITSURU (JP)
FUJITA RYUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053571
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
February 26, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SHOWA HIGHPOLYMER (JP)
DOI MITSURU (JP)
FUJITA RYUICHI (JP)
International Classes:
E01C7/35; C09D5/02; C09D125/08; C09D133/04; C09D167/00
Foreign References:
JP2005282128A2005-10-13
JP2005008717A2005-01-13
JP2005098022A2005-04-14
JP2006124460A2006-05-18
JP2005256329A2005-09-22
JPH05222705A1993-08-31
Other References:
See also references of EP 2273011A4
Attorney, Agent or Firm:
SOGA, Michiharu et al. (JP)
Michiharu Soga (JP)
Download PDF:
Claims:
 水溶性または水分散性ポリエステルを保護コロイドとする合成樹脂エマルジョンを含有することを特徴とする舗装用水系バインダー組成物。
 前記合成樹脂が、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体または(メタ)アクリル酸エステル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の舗装用水系バインダー組成物。
 前記水溶性または水分散性ポリエステルが、カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1または2に記載の舗装用水系バインダー組成物。
 カルボキシル基と反応可能な官能基を二つ以上有する架橋剤により、前記水溶性または水分散性ポリエステルと前記合成樹脂とが架橋されていることを特徴とする請求項3に記載の舗装用水系バインダー組成物。
 前記官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項4に記載の舗装用水系バインダー組成物。
 前記水溶性または水分散性ポリエステルの量が、前記合成樹脂に対して2質量%~50質量%の範囲であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の舗装用水系バインダー組成物。
 舗装面に、請求項1~6のいずれか一項に記載の舗装用水系バインダー組成物を塗布し、乾燥させることを特徴とする舗装面の表面処理方法。
Description:
舗装用水系バインダー組成物お びそれを用いた舗装面の表面処理方法

 本発明は、舗装用水系バインダー組成物 よびそれを用いた舗装面の表面処理方法に する。

 公園、遊園地、遊歩道、車道等には、高意 性、区画の明確化および滑り防止のために 珪砂や着色骨材等の無機物とバインダーと らなるバインダー組成物をアスファルトま はコンクリート上に塗布、乾燥することに り形成した景観・カラー舗装が施行されて る。
 また、アスファルト舗装上に降雨が溜まる を防止する目的で、開粒度アスファルトで 隙率を向上させた排水性舗装が近年盛んに われている。このような舗装は通常のアス ァルト舗装に比べ表面が脆弱で、車両等が 行した際に骨材が脱離しやすいため、骨材 固着力を向上させる目的で表面に樹脂を塗 することが多い。

 これら道路舗装用バインダーとしては、 えば、ビニルエステル樹脂、ビニルウレタ 樹脂および不飽和ポリエステルと重合性単 体からなる組成物(例えば、特許文献1およ 2を参照)、エポキシ樹脂からなる組成物(例 ば、特許文献3を参照)、アクリルシラップ( えば、特許文献4を参照)等が数多く提案され ている。

特開2005-98022号公報

特開2006-124460号公報

特開2005-256329号公報

特開平5-222705号公報

 しかしながら、特許文献1~4に記載の組成物 、耐摩耗性、耐水性等の物性は良好である のの、溶剤や硬化剤としてアミンを含有す ことから、作業時の臭気等の衛生上の問題 環境上の問題がある。
 従って、本発明は、上記のような課題を解 するためになされたものであり、作業時に 気を発生せず、環境に優しく、耐摩耗性お び耐水性に優れる舗装用水系バインダー組 物を提供することを目的とする。

 そこで、本発明者らは、上記課題を解決す く鋭意検討を行なった結果、水溶性または 分散性ポリエステルを保護コロイドとする 成樹脂エマルジョンを舗装用水系バインダ に用いることで上記課題を解決することを 出し、本発明を完成するに至った。
 即ち、本発明は、水溶性または水分散性ポ エステルを保護コロイドとする合成樹脂エ ルジョンを含有することを特徴とする舗装 水系バインダー組成物である。
 本発明において、合成樹脂は、スチレン-( タ)アクリル酸エステル共重合体または(メタ )アクリル酸エステル共重合体であることが ましい。
 また、本発明において、水溶性または水分 性ポリエステルは、カルボキシル基を有す ことが好ましく、その水溶性または水分散 ポリエステルのカルボキシル基と合成樹脂 が、カルボキシル基と反応可能な官能基、 えばエポキシ基を二つ以上有する架橋剤に り架橋されていることが更に好ましい。
 水溶性または水分散性ポリエステルの量は 合成樹脂に対して2質量%~50質量%の範囲であ ことが好ましい。
 また、本発明は、上記した舗装用水系バイ ダー組成物を舗装面に塗布し、乾燥させる とを特徴とする舗装面の表面処理方法であ 。

 本発明によれば、作業時に臭気を発生せ 、環境に優しく、耐摩耗性および耐水性に れる舗装用水系バインダー組成物を提供す ことができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明による舗装用水系バインダー組成物 、水溶性または水分散性ポリエステルを保 コロイドとする合成樹脂エマルジョンを含 するものである。水溶性または水分散性ポ エステルの量としては、合成樹脂に対して2 質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~4 0質量%であることがより好ましい。水溶性ま は水分散性ポリエステルが2質量%未満であ と耐摩耗性が低下する場合があり、一方、50 質量%を超えると耐水性が低下する場合があ 。

 合成樹脂エマルジョンの不揮発分は、30 量%~60質量%の範囲であることが好ましい。不 揮発分が30質量%未満であると、乾燥性が遅く なるため好ましくなく、また、不揮発分が60 量%を超えると、合成樹脂エマルジョン粘度 が高くなり過ぎるため好ましくない。合成樹 脂エマルジョンの粘度は、舗装用水系バイン ダー組成物のハンドリング性や塗工性を考慮 すると、3,000mPa・s以下であることが好ましい 。

 本発明におけるこの合成樹脂エマルジョン 、水溶性または水分散性ポリエステルの存 下で、エチレン性不飽和単量体組成物をラ カル重合することで得ることができる。上 したように、水溶性または水分散性ポリエ テルの使用量としては、エチレン性不飽和 量体組成物に対して2質量%~50質量%であるこ が好ましく、5質量%~40質量%であることがよ 好ましい。
 本発明において使用するエチレン性不飽和 量体としては、少なくとも1個の重合可能な ビニル基を有するものであればよく、例えば 、直鎖状、分岐状または環状のアルキル鎖を 有する(メタ)アクリル酸エステル類、スチレ 、α-メチルスチレン等の芳香族ビニル化合 、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート アルキルアミノ(メタ)アクリレート、酢酸ビ ニルやアルカン酸ビニルに代表されるビニル エステル類、モノオレフィン類(エチレン、 ロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、α, -不飽和モノあるいはジカルボン酸(アクリル 酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸 、マレイン酸、フマル酸等)、ダイアセトン クリルアミド等のカルボニル基含有エチレ 性不飽和単量体、p-トルエンスルホン酸等の スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体が 挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量 体は、1種単独で使用してもよいし、2種以上 組み合わせて使用してもよい。これらの中 も、ラジカル重合の容易さや舗装用水系バ ンダー組成物の耐水性をより向上させると う点で、メチルメタクリレート、n-ブチル( タ)アクリレート、2-エチルヘキシルアクリ ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー およびスチレンが好ましい。すなわち、合 樹脂としては、これらのエチレン性不飽和 量体を用いて得られるスチレン-(メタ)アク ル酸エステル共重合体または(メタ)アクリル 酸エステル共重合体であることが好ましい。

 また、必要に応じて、グリシジル(メタ) クリレート等のエポキシ基含有α,β-エチレ 性不飽和化合物、ビニルトリエトキシシラ やγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシ ラン等の加水分解性アルコキシシリル基含 α,β-エチレン性不飽和化合物、多官能ビニ 化合物(エチレングリコールジ(メタ)アクリ ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア クリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジ ニルベンゼン、ジアリルフタレート等)等の 架橋性モノマーを共重合体に導入し、それ自 身同士を架橋をさせるか、もしくは活性水素 基を持つエチレン性不飽和化合物成分と組み 合わせて架橋させる、またはカルボニル基含 有α,β-エチレン性不飽和化合物(特にケト基 有のものに限る)等の架橋性モノマーを共重 体に導入し、ポリヒドラジン化合物(特に2 以上のヒドラジド基を有する化合物;シュウ ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ア ピン酸ジヒドラジド、ポリアクリル酸ヒド ジド等)と組み合わせて架橋させてもよい。 このように共重合体に架橋性モノマーを導入 することで、舗装用水系バインダー組成物の 耐磨耗性を向上させることができる。

 本発明において使用する水溶性または水分 性ポリエステルは、多塩基酸とポリオール を重合した重合体を中和して得られる公知 ものである。
 多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸 イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカ ボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン 、ドデカン二酸等が挙げられる。これらは1 種単独で使用してもよいし、2種以上を組み わせて使用してもよい。
 ポリオールとしては、エチレングリコール プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール 、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ ール、ジエチレングリコール、ジプロピレ グリコール、シクロヘキサンジメタノール ビスフェノール等が挙げられる。これらは1 単独で使用してもよいし、2種以上を組み合 わせて使用してもよい。

 また、ポリエステルの水溶性または水分散 を更に向上させるために、カルボキシル基 スルホン酸基等の親水性基を有する重合成 を共重合させてもよい。
 これらの具体例として、カルボキシル基を リエステル分子内に導入するためには、例 ば、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリ ット酸、トリメシン酸等を重合成分の一部に 用い、得られた重合体をアミノ化合物、アン モニア、アルカリ金属等で中和すればよい。 カルボキシル基を導入する場合、ポリエステ ルの酸価が1~100となるよう調整することが好 しい。酸価が100を超えると、ポリエステル 耐水性が不十分となって舗装用水系バイン ー組成物の耐水性を低下させる場合があり 一方、1未満であると、後述する架橋剤を添 加しても舗装用水系バインダー組成物の耐水 性を十分に向上させることができない場合が ある。
 また、スルホン酸基をポリエステル分子内 導入するには、例えば、5-スルホイソフタ 酸、スルホテレフタル酸、4-スルホフタル酸 、4-スルホナフタレン-2,7-ジカルボン酸等の ルカリ金属塩やアンモニウム塩を重合成分 一部として用い、得られた重合体をアミノ 合物、アンモニア、アルカリ金属等で中和 ればよい。

 上述した水溶性または水分散性ポリエス ルの中でも、官能基としてカルボキシル基 有するものが好ましい。カルボキシル基を する水溶性または水分散性ポリエステルを いることで、ラジカル重合中のエマルジョ 粒子の安定性が向上する。更に、カルボキ ル基は比較的容易に架橋反応を行うことが 能であるため、カルボキシル基と反応可能 架橋剤を添加することで水溶性または水分 性ポリエステルと合成樹脂とが架橋され、 装用水系バインダー組成物の耐摩耗性およ 耐水性をより向上させることができる。

 このようなカルボキシル基を有する水溶 または水分散性ポリエステルとしては、市 のものをそのまま使用してもよく、例えば プラスコートZ-561、Z-730およびRZ-142(互応化 工業株式会社製)、ペスレジンA-110、A-210およ びA-620(高松油脂株式会社製)、バイロナール( 録商標)MD-1200、MD-1220、MD-1250、MD-1335、MD-1400 MD-1480およびMD-1500(東洋紡績株式会社製)等が 挙げられる。

 本発明において使用する架橋剤としては 水溶性または水分散性ポリエステルのカル キシル基と反応可能な官能基、例えばエポ シ基を二つ以上有するものであればよい。 体的には、少なくとも二つのエポキシ基(脂 環式も含む)を含む架橋剤として、アジピン ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシ ルエステル、エチレングリコールジグリシ ルエーテル、ポリエチレングリコールジグ シジルエーテル、プロピレンレングリコー ジグリシジルエーテル、ポリプロピレング コールジグリシジルエーテル、グリセリン リグリシジルエーテル、ペンタエリスリト ルポリグリシジルエーテル、ソルビトール リグルシジルエーテル、トリメチルプロパ ポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグ コールグリシジルエーテル、ビスフェノー Aグリシジルエーテル等の多官能エポキシ化 物が挙げられる。これらは1種単独で使用し てもよいし、2種以上を組み合わせて使用し もよい。これらの中でも、エマルジョンへ 分散性に優れ、架橋効率が高いという点で グリセリンポリグリシジルエーテルが好ま い。

 架橋剤の使用量は、カルボキシル基を有 る水溶性または水分散性ポリエステルに対 て、1質量%~40質量%であることが好ましく、5 質量%~20質量%であることがより好ましい。架 剤の使用量が1質量%未満であると、舗装用 系バインダー組成物の耐水性を十分に向上 せることができない場合があり、一方、40質 量%を超えると、舗装用水系バインダー組成 中に未反応の架橋剤が残存して耐水性の低 を招く場合がある。

 架橋剤の添加方法としては、水溶性また 水分散性ポリエステルが有するカルボキシ 基との反応性をより高めるという点で、ラ カル重合中に添加することが好ましい。よ 具体的には、エチレン性不飽和単量体組成 中に架橋剤を予め溶解しておき、ラジカル 合時に均一な状態で重合系内に投入すれば い。

 先に述べたように、本発明における合成 脂エマルジョンは、水溶性または水分散性 リエステルの存在下で、エチレン性不飽和 量体組成物をラジカル重合することで得ら る。重合反応は、常圧反応器または耐圧反 器を用い、バッチ式、半連続式、連続式の ずれかの方法で行われる。反応温度は、通 、10℃~100℃で行われるが、30℃~90℃が一般 である。反応時間は、特に制限されること なく、各成分の配合量および反応温度など 応じて適宜調整すればよい。ラジカル重合 る際、保護コロイドである水溶性または水 散性ポリエステルがエマルジョン粒子の安 性に寄与するが、必要に応じてアニオン性 化剤、ノニオン性乳化剤、反応性乳化剤等 重合系内に添加してもよい。乳化剤の種類 使用量は、水溶性または水分散性ポリエス ルの使用量、エチレン性不飽和単量体の組 等に応じて適宜調節すればよい。

 このような乳化剤としては、例えば、ポ オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリ キシアルキレンアルキルフェノールエーテ 、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、 リオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エス ルなどのノニオン系界面活性剤、アルキル 酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォ 酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキ ジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポ オキシアルキレンアルキル硫酸塩、ポリオ シアルキレンアルキルリン酸エステルが挙 られる。これらは1種単独で使用してもよい し、2種以上を組み合わせて使用してもよい また、得られる舗装用水系バインダー組成 の耐水性を損なわない範囲で、ポリビニル ルコール、メチルセルロース、カルボキシ チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ ニルピロリドン等の水溶性高分子を重合系 に添加してもよい。

 ラジカル重合に際して使用される重合開 剤としては、公知慣用のものであればよく 例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム 過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t-ブ ルハイドロパーオキサイド等が挙げられる また、必要に応じて、これらの重合開始剤 ナトリウムスルホキシレートホルムアルデ ド、アスコルビン酸類、亜硫酸塩類、酒石 またはその塩類等と組み合わせてレドック 重合としてもよい。また、必要に応じて、 ルコール類、メルカプタン類等の連鎖移動 を使用してもよい。

 本発明の舗装用水系バインダー組成物に 、本発明の効果を損なわない範囲で、アク ル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル系樹脂、酢 酸ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂 、ウレタン系樹脂等の樹脂成分、イソシアネ ート系架橋剤、粘性改良剤、着色剤、ブロッ キング防止剤、消泡剤、成膜助剤等の各種添 加剤を添加してもよい。更に、本発明の舗装 用水系バインダー組成物を通常のアスファル ト舗装に塗布する場合には、着色骨材、珪砂 、セメント類等と混和して使用することも可 能である。

 本発明の舗装用水系バインダー組成物は、 剤やアミン硬化剤を含有しないので、作業 に臭気を発生せず且つ環境に優しく、耐摩 性および耐水性に優れるものである。本発 の舗装用水系バインダー組成物を通常のア ファルト、コンクリート等の舗装面に塗布 、常温で自然乾燥させることにより、耐摩 性、耐水性等の物性に優れ、区画の明確化 滑り防止に有用な層を形成することができ 。特に、本発明の舗装用水系バインダー組 物を排水性アスファルト舗装に塗布すると 舗装面を強固に補強することもできる。舗 用水系バインダー組成物の塗布方法として 、例えば、スプレー塗布、ローラー塗布、 ョウロによる散布、コテ塗り等を挙げるこ ができる。舗装用水系バインダー組成物の 布量は、舗装の種類に応じて適宜決定すれ よいが、好ましくは0.2kg/m 2 ~2.0kg/m 2 である。

 以下、実施例および比較例により本発明を らに具体的に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。なお、実施例お び比較例の樹脂エマルジョンの性状は下記 方法にて評価した。
(不揮発分)
 直径5cmのアルミ皿に樹脂エマルジョン約1g 秤量し、105℃で1時間乾燥させ、残分を秤量 ることで算出した。

(粘度)
 ブルックフィールド型回転粘度計を用いて 液温23℃、回転数60rpm、No.2ローターにて測 した。

(ガラス転移温度(Tg))
 樹脂エマルジョンを23℃、65%RHの条件下で1 間乾燥させた後、示差走査熱量計(DSC、セイ ーインスツルメンツ株式会社製SSC5200)にて 定した。

(最低成膜温度(MFT))
 JIS K 6828に準じて測定した。

(実施例1)
 スチレン150質量部、メチルメタクリレート1 15質量部、2-エチルヘキシルアクリレート81質 量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート7質 量部、アニオン性乳化剤(第一工業製薬株式 社製ハイテノール(登録商標)08E)3質量部およ イオン交換水110質量部をホモミキサーにて 合乳化し、エチレン性不飽和単量体乳化組 物を調製した。
 撹拌装置、温度計および還流冷却器を備え 四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエ テルとしてプラスコートZ-730(不揮発分25質 %、カルボキシル基含有タイプ、ガラス転移 度46℃、酸価58)138質量部、プラスコートZ-561 (不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ ガラス転移温度64℃、酸価2.5)207質量部およ イオン交換水33質量部を仕込み、80℃に昇温 た。次に、反応器に過硫酸カリウム0.4質量 を投入するとともに、先に調製したエチレ 性不飽和単量体乳化組成物の滴下を開始し 。このエチレン性不飽和単量体乳化組成物 、過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水4 6質量部で溶解したものとを3時間かけて滴下 た。なお、滴下中、反応器内の温度は80℃ 保った。滴下終了後、80℃で1時間保持した 、室温まで冷却した。成膜助剤として2,2,4- リメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチ レート(チッソ株式会社製CS-12)99質量部を添加 し、実施例1の樹脂エマルジョンを得た。得 れた樹脂エマルジョンの性状は、不揮発分50 .0質量%、粘度300mPa・s、pH7.2、ガラス転移温度 51℃、最低成膜温度0℃であった。合成樹脂に 対する水分散性ポリエステルの量(質量%)を表 1に示した。

(実施例2)
 スチレン150質量部、メチルメタクリレート1 15質量部、2-エチルヘキシルアクリレート81質 量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート7質 量部、アニオン性乳化剤(第一工業製薬株式 社製ハイテノール(登録商標)08E)3質量部、架 剤としてのグリセリンポリグリシジルエー ル3.5質量部およびイオン交換水110質量部を モミキサーにて混合乳化して調製したエチ ン性不飽和単量体乳化組成物を用いた以外 、実施例1と同様の方法で実施例2の樹脂エ ルジョンを得た。得られた樹脂エマルジョ の性状は、不揮発分50.1質量%、粘度290mPa・s pH7.2、ガラス転移温度52℃、最低成膜温度0℃ であった。合成樹脂に対する水分散性ポリエ ステルの量(質量%)および水分散性ポリエステ ルに対する架橋剤の添加量(質量%)を表1に示 た。

(実施例3)
 スチレン113質量部、メチルメタクリレート8 7質量部、2-エチルヘキシルアクリレート61質 部および2-ヒドロキシエチルメタクリレー 5質量部を混合し、エチレン性不飽和単量体 成物を調製した。
 撹拌装置、温度計および還流冷却器を備え 四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエ テルとしてプラスコートZ-730(不揮発分25質 %、カルボキシル基含有タイプ、ガラス転移 度46℃、酸価58)277質量部およびプラスコー Z-561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タ プ、ガラス転移温度64℃、酸価2.5)416質量部 仕込み、80℃に昇温した。次に、反応器に過 硫酸カリウム0.4質量部を投入するとともに、 エチレン性不飽和単量体組成物の滴下を開始 した。このエチレン性不飽和単量体組成物と 、過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水35 で溶解したものとを3時間かけて滴下した。 なお、滴下中、反応器内の温度は80℃に保っ 。滴下終了後、80℃で1時間保持した後、室 まで冷却した。成膜助剤として2,2,4-トリメ ル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレー (チッソ株式会社製CS-12)50質量部を添加し、 施例3の樹脂エマルジョンを得た。得られた 脂エマルジョンの性状は、不揮発分45.5質量 %、粘度30mPa・s、pH7.0、ガラス転移温度42℃、 低成膜温度0℃であった。合成樹脂に対する 水分散性ポリエステルの量(質量%)を表1に示 た。

(実施例4)
 メチルメタクリレート210質量部、2-エチル キシルアクリレート136質量部、2-ヒドロキシ エチルメタクリレート7質量部、アニオン性 化剤(第一工業製薬株式会社製ハイテノール( 登録商標)08E)3質量部、架橋剤としてのグリセ リンポリグリシジルエーテル2.0質量部および イオン交換水110質量部をホモミキサーにて混 合乳化し、エチレン性不飽和単量体乳化組成 物を調製した。
 撹拌装置、温度計および還流冷却器を備え 四つ口フラスコ反応器に、水分散性ポリエ テルとしてプラスコートZ-730(不揮発分25質 %、カルボキシル基含有タイプ、ガラス転移 度46℃、酸価58)138質量部、プラスコートZ-561 (不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイプ ガラス転移温度64℃、酸価2.5)207質量部およ イオン交換水33質量部を仕込み、80℃に昇温 た。次に、反応器に過硫酸カリウム0.4質量 を投入するとともに、先に調製したエチレ 性不飽和単量体乳化組成物の滴下を開始し 。このエチレン性不飽和単量体乳化組成物 、過硫酸カリウム0.8質量部をイオン交換水4 6質量部で溶解したものとを3時間かけて滴下 た。なお、滴下中、反応器内の温度は80℃ 保った。滴下終了後、80℃で1時間保持した 、室温まで冷却した。成膜助剤として2,2,4- リメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチ レート(チッソ株式会社製CS-12)36質量部を添加 し、実施例4の樹脂エマルジョンを得た。得 れた樹脂エマルジョンの性状は、不揮発分50 .0質量%、粘度110mPa・s、pH7.3、ガラス転移温度 18℃、最低成膜温度0℃であった。合成樹脂に 対する水分散性ポリエステルの量(質量%)を表 1に示した。

(比較例1)
 水分散性ポリエステルであるプラスコートZ -561(不揮発分25質量%、スルホン酸基含有タイ 、ガラス転移温度64℃、酸価2.5)100質量部に 成膜助剤として2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタ ジオールモノイソブチレート(チッソ株式会 製CS-12)4質量部を添加し、比較例1の樹脂エ ルジョンを得た。

(比較例2)
 スチレン-アクリル酸エステル共重合体(昭 高分子株式会社製ポリゾール(登録商標)AP-475 0、不揮発分46質量%、ガラス転移温度30℃、最 低成膜温度0℃)を比較例2の樹脂エマルジョン とした。

(比較例3)
 エチレン-酢酸ビニル共重合体(昭和高分子 式会社製ポリゾール(登録商標)P-3N、不揮発 50質量%、ガラス転移温度14℃、最低成膜温度 2℃)を比較例3の樹脂エマルジョンとした。

 実施例および比較例の樹脂エマルジョンを 記の方法にて評価した。
(耐磨耗性の評価)
 実施例および比較例の樹脂エマルジョンを いて下記表2の配合割合で舗装用水系バイン ダー組成物を調製した。なお、増粘剤の添加 量は、舗装用水系バインダー組成物の粘度が 約10,000mPa・sとなるように適宜調整した。
 得られた舗装用水系バインダー組成物をス ート板に1kg/m 2 塗布し、23℃、65%RHの条件で1週間放置後、JIS K 5600 テーバー試験(磨耗輪法、荷重500g、500 回転、回転数70rpm、磨耗輪CF-17)で磨耗量を測 した。磨耗量が1mgより少なければ、実用上 分な耐久性があると言える。結果を表3およ び4に示した。

(耐水性の評価)
 実施例および比較例の樹脂エマルジョンを6 milのアプリケーターでガラス板に塗布し、23 、65%RHの条件で1週間放置後、これを23℃の に浸漬した。ほとんど白化しない場合を○ わずかに白化した場合を△、著しく白化し 場合を×とした。結果を表3および4に示した

 表3および4の結果から分かるように、実 例1、2および4の舗装用水系バインダー組成 は、比較例2および3のものと比較して、耐水 性は同程度であるが、耐摩耗性は顕著に優れ ている。実施例3の舗装用水系バインダー組 物は、比較例2および3のものと比較すると耐 水性が若干劣るが、実用上は問題のないレベ ルである。