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Title:
WATER-SOLUBLE WORKING FLUID
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142162
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a synthetic water-soluble working fluid which is applicable to the cutting, grinding or polishing of metal members of steel, alloy steel, aluminum or the like; brittle materials such as quartz, silicon or ceramics; or composite materials such as vitreous carbon.  The working fluid exerts excellent lubricating properties even in high-load regions, brings about improvement in working speed, and inhibits tool wear, thus attaining high productivity.  Further, the working fluid has excellent cost merit.  Furthermore, the working fluid is free from mineral oils and extreme-pressure agents such as chlorine compounds or sulfur compounds, and is extremely reduced in the contents of oiliness improver and synthetic oil, thus resulting in low environmental load. The water-soluble working fluid contains a poly(meth)- acrylamidoalkylcarboxylic acid or a (meth)acrylamidoalkyl- carboxylic acid copolymer.  An example of the poly(meth)acryl- amidoalkylcarboxylic acid is poly(meth)acrylamidododecanoic acid, while an example of the (meth)acrylamidoalkylcarboxylic acid copolymer is a (meth)acrylamidododecanoic acid/acrylic acid copolymer.

Inventors:
TERAMOTO KOUJI (JP)
HIRATA IWAMINE (JP)
MARUYAMA TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059085
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KOHJIN CO (JP)
TERAMOTO KOUJI (JP)
HIRATA IWAMINE (JP)
MARUYAMA TAKASHI (JP)
International Classes:
C10M149/06; C10M173/02; C10N30/00; C10N30/06; C10N40/22
Foreign References:
JP2001507724A2001-06-12
JPH07179876A1995-07-18
JP2005113039A2005-04-28
JPS4640549B1
JPH09176146A1997-07-08
Attorney, Agent or Firm:
HANABUSA, Tsuneo et al. (JP)
Sepal Tsuneo (JP)
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Claims:
 (メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸の単独重合物、または(メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸とビニルモノマーとの共重合物を含有する、水溶性加工油剤。
 前記ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミドの群より選ばれる1種以上のモノマーを含むものである、請求項1に記載の水溶性加工油剤。
 前記(メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸が下記の一般式[1]で表される、請求項1または2に記載の水溶性加工油剤。
(式中、RはH若しくはCH 3 、nは5~11の整数を示す。)
Description:
水溶性加工油剤

 本発明は、水系潤滑剤に関し、詳しくは 属部材、脆性材の切削、研削加工に於いて 用される水溶性金属加工油剤に関する。

 切削 、研削加工分野に広く使用される 剤には鉱油を含有する不水溶性油剤と、鉱 、界面活性剤、有機アミン等を含有し、水 希釈して使用される水溶性加工油剤がある 水溶性切削油剤、水溶性研削油剤は加工内 に応じて個別の油剤が使用されていた。し しながら、地球環境悪化防止あるいは資源 節約等の観点から、加工油剤においても、 来と比較し、環境負荷が低い油剤、できる け長期間使用できる、油剤の開発が求めら てきている。更に、再生使用を念頭に置き 切削加工、研削加工どちらにも使用可能な 剤が求められてきた。

 そこで、鉱油を含まず、耐腐敗性に優れ 長期使用可能なシンセティック型の加工油 が提案されている。シンセティック型(水溶 性)加工油剤は水に完全溶解する成分から構 されており、水で完全に洗浄ができること ら洗浄性に優れ、さらにはオイルミストの 生が無く、作業場環境の改善にも効果を示 ている。かかる水溶性加工油剤として、例 ば、基油としてポリオキシアルキレングリ ール化合物を用いる潤滑剤組成物(例えば、 許文献1)などが知られている。

 更に、近年、コスト面から加工工具の寿命 下の抑制・防止、生産面から加工不良の低 、加工速度向上が望まれていることから、 油のみでは潤滑性が不十分であり、油脂、 物油、脂肪酸、脂肪酸エステル類等の油性 (特許文献2)や塩素、硫黄を含む極圧剤等(特 許文献3)を配合しているものの満足な性能を られていない。
 また、油性剤は添加量の増大に伴い、加工 の脱脂、洗浄、摺動油との乳化促進、発泡 の不具合を生じる。
 さらに、極圧剤としては、含塩素化合物、 硫黄化合物、含モリブデン化合物が挙げら 、使用後の廃油を焼却処理した場合には、 素ガス、塩化水素ガス、硫黄酸化物ガス等 発生を生じる。一方、モリブデン化合物は PRTR法の規制対象となったため厳重な管理が 必要となり、近年の資源節約、環境悪化防止 の観点から、従来よりも環境汚染が少ないも のが望まれており、窒化硼素微粉末を分散さ せた水溶性加工油剤等が検討されている(特 文献4)。
 一方、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリ( タ)アクリルアミド誘導体等の高分子化合物 は水系潤滑油・加工油に於いてオイルミスト 防止剤(特許文献5)や防錆剤、油性剤、極圧剤 の作用向上(特許文献6)、アルミ合金の冷間領 域、熱間領域で押し出し、プレス等の塑性加 工時の潤滑性、離形性改善剤(特許文献7)、摺 動油や作動油等との乳化抑制剤(特許文献8)と して利用されている。また、ポリカルボン酸 等の高分子化合物も、金属の切削、研削、付 形用の金属工作用組成物(特許文献9)として使 用されている。
 本発明は、上記の様な状況下において達成 れたものである。

特開平10-324888号公報

特開2006-082278号公報、特開2004-224814号公

特開2005-187650号公報

特開2004-182879号公報

特表2003-507569号公報

特開平7-179876号公報

特開平11-50083号公報

特開平4-277598号公報

特表2001-507724号公報

 本発明は、鉄鋼、合金鋼、アルミ等の金 部材、石英、シリコン、セラミックス、カ ボン等の脆性材の切削、研削加工に於いて 高負荷領域でも潤滑性に優れ、加工速度の 上、工具摩耗を防止することで生産性が高 、コストメリットにも優れ、さらに鉱油や 油性剤、合成油の含有量を極力減量し、塩 化合物、硫黄化合物等の極圧剤を含まない 境負荷の低いシンセティック型の水溶性加 油剤を提供することを目的とする。

 本発明者らは、かかる課題を解決するため 究の結果、金属加工液に(メタ)アクリルア ドアルキルカルボン酸の単独重合物または 重合物を配合することで課題を解決できる とを見出し、本発明に到達した。
 すなわち本発明は、
(1)(メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸 単独重合物、または(メタ)アクリルアミド ルキルカルボン酸とビニルモノマーとの共 合物を含有する、水溶性加工油剤、
(2)前記ビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸 (メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアクリ アミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イ プロピルアクリルアミドの群より選ばれる1 種以上のモノマーを含むものである、上記(1) に記載の水溶性加工油剤、
(3)前記(メタ)アクリルアミドアルキルカルボ 酸が下記の一般式[1]で表される、上記(1)ま は(2)に記載の水溶性加工油剤、
(式中、RはH若しくはCH 3 、nは5~11の整数を示す。)
を提供するものである。

 本発明の水溶性金属加工油剤は、鉱油を まず、火災の危険性が無く、耐腐敗性に優 、水で完全に洗浄ができることから洗浄性 優れ、さらにはオイルミストの発生が無く 作業場環境の改善にも効果を示す。また、 い負荷領域でも潤滑性を維持できることか 、加工工具の摩耗を低減し、コスト削減、 産能率向上が可能で、かつ、塩素系、硫黄 極圧剤を含まず、環境負荷が低い。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明は、(メタ)アクリルアミドアルキル ルボン酸の単独重合物または共重合物を含 する、鉄鋼、合金鋼、アルミ等の金属部材 石英、シリコン、セラミックス、カーボン の脆性材の切削、研削加工用の水溶性金属 工油剤にかかるものであり、ポリアクリル ミドアルキルカルボン酸の単独重合物また 共重合物を含有することで金属の切削・研 加工液の潤滑性を向上させ、具体的には摩 係数の低減、耐荷重能の向上を実現するも である。

 本発明のポリ(メタ)アクリルアミドアル ルカルボン酸の単独重合物は、(メタ)アクリ ルアミドアルキルカルボン酸を単独で重合し たポリマーであり、以下、ポリ(メタ)アクリ アミドアルキルカルボン酸とも言う。(メタ )アクリルアミドアルキルカルボン酸は、ア キル基の炭素数が4以上のもので、例えば(メ タ)アクリルアミドヘキサン酸、(メタ)アクリ ルアミドドデカン酸等が挙げられる。

 本発明の(メタ)アクリルアミドアルキル ルボン酸とビニルモノマーとの共重合物に いて、該ビニルモノマーとしては、N-アクリ ロイルピペリジン、N-3-イソプロポキシプロ ル(メタ)アクリルアミド、N-8-アクイロイル-1 ,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4,5]デカン、N-1-メト キシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、( メタ)アクリロイル-L-プロリンメチルエステ 、N-2-メトキシエチル-N-n-プロピルアクリル ミド、N-2-メトキシエチル-N-イソプロピルア リルアミド、N-メチル-N-n-プロピル(メタ)ア リルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルア ド、N-メチル-N-イソプロピルアクリルアミ 、N-3-エトキシプロピル(メタ)アクリルアミ 、N-テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリル ミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド 、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジメチル ミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-1-メ ル-2-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド N-2-エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N- 2-メトキシエチル-N-エチルアクリルアミド、N ,N-ビス(2-メトキシエチル)アクリルアミド、N- 3-メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N- シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N-エ ル(メタ)アクリルアミド、N-(1,3-ジオキソラ -2-イルメチル)-N-メチルアクリルアミド、N- チル-N-エチルアクリルアミド、N-アクリロイ ルピロリジン、N-(2,2-ジメトキシエチル)-N-メ ルアクリルアミド、N-3-(2-メトキシエトキシ )プロピル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキ メチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチ アクリルアミド、アミノ酸基を含むアクリ アミド化合物などのN-置換(メタ)アクリルア ド誘導体、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニ ルイソブチルアミド、N-ビニル-N-メチルアセ アミドなどのN-ビニル置換アミド誘導体、2- モルホリノエチル(メタ)クリレート、2-(2-モ ホリノエトキシ)エチル(メタ)クリレート、2- モルホリノプロピル(メタ)クリレート、モル リンテトラエチレンオキシ(メタ)クリレー 、3,5-ジメチルモルホリンテトラエチレンオ シ(メタ)クルレート、メトキシポリエチレ グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ シポリエチレングリコール・ポリプロピレン グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ ポリエチレングリコール・ポリブチレング コールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー ト、エトキシポリエチレングリコール・ポリ プロピリングリコールモノ(メタ)アクリレー 、エトキシポリエチレングリコール・ポリ チレングリコールモノ(メタ)アクリレート ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ) アクリレート、フェノキシポリエチレングリ コールモノ(メタ)アクリレート、ベンジルオ シポリエチレングリコールモノ(メタ)アク レート、ヒドロキシプロピルアクリレート どのエステル型ビニルモノマー、ビニルメ ルエーテル、メトキシエチルビニルエーテ 、エトキシエチルビニルエーテルなどのエ テル型ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸、 2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンス ホン酸、p-スチレンスルホン酸、ビニルスル ホン酸、アンモニウム塩、メタアリルスルホ ン酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエタンス ホン酸、モノ(2-(メタ)アクリロイルオキシエ チル)アシッドホスフェート、マレイン酸、 タコン酸などのアニオン性ビニルモノマー 第3級アミノ基を有する(メタ)アクリレート 導体由来の各種4級アンモニウム塩、第3級ア ミノ基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体 来の各種4級アンモニウム塩などのカチオン 性ビニルモノマー、第3級アミノ基を有する( タ)アクリレート誘導体由来の各種両性イオ ン基を持つ分子内塩形成性単量体、第3級ア ノ基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体由 来の各種両性イオン基を持つ分子内塩形成性 単量体などの両性ビニルモノマー、アミノ酸 塩を含むアクリルアミド誘導体などが挙げら れ、特に限定されるものではないが、(メタ) クリル酸、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエ ルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルア ミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジ メチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメ ルアミノプロピルアクリルアミド、アクリ イルモルフォリンが好ましい。

 前記共重合物を構成するモノマーの比率 しては、重合させるモノマー全体のうち、( メタ)アクリルアミドアルキルカルボン酸の める割合が質量比で20%以上であることが望 しい。

 本発明に用いられるポリ(メタ)アクリルア ドアルキルカルボン酸または(メタ)アクリル アミドアルキルカルボン酸共重合物の分子量 は200~100万、更に好ましくは1000~10万である。 子量が100万以上となると溶解性の低下、極 な粘度上昇を招く。
 このポリマーの塩は、ナトリウム、カリウ 等のアルカリ金属塩、アンモニア中和塩、 ルカノールアミン塩であることが好ましい

 ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルカル ン酸または(メタ)アクリルアミドアルキルカ ルボン酸共重合物の添加量としては、使用状 態の加工液100重量部に対して、0.001~30重量部 好ましくは0.01~3重量部、更に好ましくは0.05 ~0.2重量部である。添加が0.001重量部未満であ ると潤滑性の向上が見られず、30重量部以上 は他添加剤との相溶性が低下するのみなら 、粘度上昇を来すことから調製が困難とな 。

 本発明の水溶性金属加工液においては、 要に応じて慣用の添加剤、例えば、金属防 剤、油性剤、極圧剤、消泡剤、非鉄金属防 剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、界面活性 を含むことができる。

 金属防錆剤としては、有機酸とアルカリ成 が挙げられるが、有機酸として
[モノアルキルカルボン酸]
酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、 ヘキサン酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン 、ノナン酸、カプロン酸、エナント酸、カ リン酸、カプリル酸、ウンデカン酸、ウン シレン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ペ タデカン酸、ヘプタデカン酸、ノナデカン 、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン 、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、 ソステアリン酸、エライジン酸、オレイン 、リノール酸、リノレイン酸、リシノレイ 酸、乳酸、ヒドロキシラウリル酸、ヒドロ シミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸 ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシアラ ン酸、ヒドロキシベヘン酸、ヒドロキシオ タデセン酸、ドデシルコハク酸、ラウリル ハク酸、ステアリルコハク酸、イソステア ルコハク酸、ナフテン酸、安息香酸、パラ ーシャリーブチル安息香酸、フタル酸、サ チル酸、
[ジカルボン酸]
リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、 コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリ ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン 二酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の有機 カルボン酸、及びリン酸、ホスホン酸、スル ホン酸が挙げられる。
更に、リン酸塩、珪酸塩、重炭酸塩などの無 機系防錆剤を併用しても良い。
中でも、炭素数6~12のモノカルボン酸(ヘキサ 酸、カプリル酸、デカン酸、ラウリン酸等) 、ジカルボン酸(アゼライン酸、セバシン酸 ドデカン二酸等)、あるいは安息香酸誘導体( tert-ブチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等) 、リン酸及びホスホン酸誘導体としては、エ チレンジアミンテトラメチレンスルホン酸、 ヒドロキシエタンジホスホン酸が好ましい。
 アルカリ成分として、アルカリ金属、アン ニア、アルカノールアミンが挙げられる。 ルカリ金属としてはナトリウム、カリウム が挙げられ、アルカノールアミンとしては ノエタノールアミン、モノ(イソ)プロパノ ルアミン、モノブタノールアミン、ジエタ ールアミン、ジ(イソ)プロパノールアミン、 ジブタノールアミン、モノエタノールモノ( ソ)プロパノールアミン、モノエタノールモ ブタノールアミン、モノ(イソ)プロパノー モノブタノールアミン、トリエタノールア ン、トリイソプロパノールアミン等が挙げ れる。
 これら金属防錆剤は、良好な防錆性を得る に有機酸とアルカリ成分の混合時にpHを8.0~1 2.0に保つ必要がある。

 油性剤としては油脂類が挙げられ、炭素数8 ~36の長鎖脂肪酸、例えばオクチル酸、ラウリ ル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリ ン酸及びこれらの脂肪酸と一価及び多価アル コールからなるエステル、例えば、オクチル アルコール、ラウリルアルコール、パルミチ ルアルコール、オレイルアルコール、ステア リルアルコールからなるエステル類、又はア ルキルアミンからなるアミド、例えば、オク チルアミン、ラウリルアミン、パルミチルア ミン、オレイルアミン、ステアリルアミンか らなるアミド類が挙げられる。
 極圧剤としては、ジオクチルジチオリン酸 鉛、ジラウリルジプロピオネート等が挙げ れる。
 消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、有 系消泡剤が挙げられる。

 非鉄金属防食剤としては、メタケイ酸ナト ウム、オルトケイ酸ナトリウム、1,2,3-ベン トリアゾール、1-{N,N-ビス(2-エチルへキシル )アミノメチル}ベンゾトリアゾール、カルボ シベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾ アゾールが挙げられる。
 なお、非鉄金属防食剤は、1種類、あるいは 2種以上を併用することもできる。
 防腐剤としてはo-フェニルフェノール、ベ ゾチアゾリン、トリアジン化合物等が挙げ れる。

 金属イオン封鎖剤として、エチレンジアミ 四酢酸塩、ニトリロトリ酢酸塩、1-ヒドロ シエチリデン-1,1-ジホスホン酸塩、クエン酸 塩等が例示される。
 界面活性剤としては、ポリオキシエチレン ルキルエーテル、カルボン酸アルカノール ミドなどの非イオン炭化水素系界面活性剤 が挙げられる。

 本発明の加工油剤は、そのまま加工液と て使用してもよく、また、濃度の濃い加工 剤を調製し、使用前に水(水道水)で希釈し 使用することもできる。希釈して使用する 合には、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキル カルボン酸の濃度が0.001%重量以下にならない ように、かつ防錆剤等の添加剤の効果に支障 をきたさない濃度になるようにする。

 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体 に説明するが、本発明は以下の実施例に限 されるものではない。

 なお、潤滑性評価方法は下記の通りである
<潤滑性評価条件>
装置:摩耗試験システム(JTトーシ(株)製、型式 FPD-005/3000H―1X)
試験方式:曾田式四球(鋼球材質SUJ-2、3/4)
荷重:300~5000N(ステップ法、ステップ幅300N)
ステップ時間:1分
すべり速度:48m/min

[製造例1]
ポリアクリルアミドヘキサン酸の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドヘキサン酸200g、エタノール572gを加えて、 60℃下で加熱溶解しモノマー溶液を作製した 該モノマー調製液を、マグネチックスター ーで攪拌しながら、60℃を保ちながら、窒 ガスを1時間通気した。そこで、重合開始剤 して2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリ ル)の5重量%エタノール溶液28gを投入し、60℃ 、10時間保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の 2L中に投入し、水あめ状の沈殿物を得た。 の沈殿物を少量の水で数回洗浄し、60℃下で 減圧乾燥を行った。得られた固形物を乳鉢で 粉砕し、分子量約10000(GPC測定)のポリアクリ アミドヘキサン酸の白色粉末を得た。

[製造例2]
ポリアクリルアミドウンデカン酸の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドウンデカン酸200g、エタノール580gを加えて 、60℃下で加熱溶解しモノマー溶液を作製し 。該モノマー調製液を、マグネチックスタ ラーで攪拌しながら、60℃を保ちながら、 素ガスを1時間通気した。そこで、重合開始 として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニト リル)の5重量%エタノール溶液20gを投入し、60 下、10時間保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の セトン2L中に投入し、水あめ状の沈殿物を た。その沈殿物を少量のアセトンで数回洗 し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られた固 形物を乳鉢で粉砕し、分子量約30000(GPC測定) ポリアクリルアミドウンデカン酸の白色粉 を得た。

[製造例3]
ポリアクリルアミドドデカン酸の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドドデカン酸200g、エタノール580gを加えて、 60℃下で加熱溶解しモノマー溶液を作製した 該モノマー調製液を、マグネチックスター ーで攪拌しながら、60℃を保ちながら、窒 ガスを1時間通気した。そこで、重合開始剤 して2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオニトリ ル)の5重量%エタノール溶液20gを投入し、60℃ 、10時間保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の セトン2L中に投入し、水あめ状の沈殿物を た。その沈殿物を少量のアセトンで数回洗 し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られた固 形物を乳鉢で粉砕し、分子量約40000(GPC測定) ポリアクリルアミドドデカン酸の白色粉末 得た。

[製造例4]
アクリルアミドヘキサン酸-アクリル酸共重 物の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドヘキサン酸100g、アクリル酸100g、エタノー ル572gを加えて、60℃下で加熱溶解しモノマー 溶液を作製した。該モノマー調製液を、マグ ネチックスターラーで攪拌しながら、60℃を ちながら、窒素ガスを1時間通気した。そこ で、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチ プロピオニトリル)の5重量%エタノール溶液28 gを投入し、60℃下、10時間保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の 酸エチル2L中に投入し、水あめ状の沈殿物 得た。その沈殿物を少量の酢酸エチルで数 洗浄し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られ た固形物を乳鉢で粉砕し、分子量約30000(GPC測 定)のアクリルアミドヘキサン酸-アクリル酸 重合物(以下、ポリアクリルアミドヘキサン 酸共重合物1という)の白色粉末を得た。

[製造例5]
アクリルアミドヘキサン酸-N,N-ジメチルアク ルアミド共重合物の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドヘキサン酸80g、N,N-ジメチルアクリルアミ  120g、エタノール572gを加えて、60℃下で加 溶解しモノマー溶液を作成した。該モノマ 調製液を、マグネチックスターラーで攪拌 ながら、60℃を保ちながら、窒素ガスを1時 通気した。そこで、重合開始剤として2,2’- アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)の5重量% エタノール溶液28gを投入し、60℃下、10時間 持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の 酸エチル2L中に投入し、水あめ状の沈殿物 得た。その沈殿物を少量の酢酸エチルで数 洗浄し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られ た固形物を乳鉢で粉砕し、分子量約30000(GPC測 定)のアクリルアミドヘキサン酸-N,N-ジメチル アクリルアミド共重合物(以下、ポリアクリ アミドヘキサン酸共重合物2という)の白色粉 末を得た。

[製造例6]
アクリルアミドドデカン酸-アクリル酸共重 物の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドドデカン酸100g、アクリル酸100g、エタノー ル580gを加えて、60℃下で加熱溶解しモノマー 溶液を作製した。該モノマー調製液を、マグ ネチックスターラーで攪拌しながら、60℃を ちながら、窒素ガスを1時間通気した。そこ で、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチ プロピオニトリル)の5重量%エタノール溶液20 gを投入し、60℃下、10時間保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の 酸エチル2L中に投入し、水あめ状の沈殿物 得た。その沈殿物を少量の酢酸エチルで数 洗浄し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られ た固形物を乳鉢で粉砕し、分子量約30000(GPC測 定)のアクリルアミドドデカン酸-アクリル酸 重合物(以下、ポリアクリルアミドドデカン 酸共重合物1という)の白色粉末を得た。

[製造例7]
アクリルアミドドデカン酸-N,N-ジメチルアク ルアミド共重合物の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドドデカン酸90g、N,N-ジメチルアクリルアミ 110g、エタノール580gを加えて、60℃下で加熱 溶解しモノマー溶液を作製した。該モノマー 調製液を、マグネチックスターラーで攪拌し ながら、60℃を保ちながら、窒素ガスを1時間 通気した。そこで、重合開始剤として2,2’- ゾビス(2-メチルプロピオニトリル)の5重量% タノール溶液20gを投入し、60℃下、10時間保 した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の セトン2L中に投入し、水あめ状の沈殿物を た。その沈殿物を少量のアセトンで数回洗 し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られた固 形物を乳鉢で粉砕し、分子量約40000(GPC測定) アクリルアミドドデカン酸-N,N-ジメチルアク リルアミド共重合物(以下、ポリアクリルア ドドデカン酸共重合物2という)の白色粉末を 得た。

[製造例8]
アクリルアミドドデカン酸-N-イソプロピルア クリルアミド共重合物の合成
 1L容量のセパラブルフラスコにアクリルア ドドデカン酸80g、N-イソプロピルアクリルア ミド120g、エタノール580gを加えて、60℃下で 熱溶解しモノマー溶液を作成した。該モノ ー調製液を、マグネチックスターラーで攪 しながら、60℃を保ちながら、窒素ガスを1 間通気した。そこで、重合開始剤として2,2 -アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)の5重 %エタノール溶液20gを投入し、60℃下、10時間 保持した。
 重合反応後のエタノール溶液を、攪拌下の セトン2L中に投入し、水あめ状の沈殿物を た。その沈殿物を少量のアセトンで数回洗 し、60℃下で減圧乾燥を行った。得られた固 形物を乳鉢で粉砕し、分子量約40000(GPC測定) アクリルアミドドデカン酸-N-イソプロピル クリルアミド共重合物(以下、ポリアクリル ミドドデカン酸共重合物3という)の白色粉 を得た。

[実施例1][実施例2][実施例3][実施例4][実施例5] [実施例6][実施例7][実施例8][比較例1][比較例2]
 製造例1~8で合成したポリアクリルアミドア キルカルボン酸若しくはポリアクリルアミ ヘキサン酸共重合物1~2、ポリアクリルアミ ドデカン酸共重合物1~3を用いて、表1に示し た組成で、加工油剤を調製し、評価液とした 。

[比較例3][比較例4][比較例5]
 比較例3は、水溶性切削油剤のユシローケン FX-10(ユシロ社製)を10倍水道水で希釈したもの を評価液とした。
 比較例4は、水溶性切削油剤のシンタイロ997 4BF(カストロール社製)を10倍水道水で希釈し ものを評価液とした。
 比較例5は、水溶性切削油剤のスギカットCS- 58XJ(スギムラ化学社製)を10倍水道水で希釈し ものを評価液とした。

 潤滑性評価試験
 実施例1~8、比較例1~5の加工液につき、荷重6 00N、5000N下での摩擦係数と焼き付き荷重の測 結果を表2に示した。

 なお、工具摩耗評価方法は下記の通りであ 。
<加工装置条件>
加工装置:旋盤(豊和産業製、STRONG650)
工作物:S-45C(φ50mm、長さ200mm)
工具:TNMG160408MS、UTi20T(三菱マテリアルズ製)
加工条件:切削速度 150m/min、送り 0.25mm/rev、 り込み 0.4mm
加工距離:1500m
送液量:300ml/min

<工具摩耗評価装置条件>
評価装置:マイクロスコープ VHX-100(KEYENCE)
測定条件:×100倍

 工具摩耗評価試験
 実施例1、比較例2、3の加工液につき、加工 離1500mに於ける工具逃げ面の摩耗幅を評価 た。

 表2、3によれば、実施例1~8の加工油剤は、 較例1に対して高い荷重領域でも焼き付かず 良好な潤滑性を示し、工具摩耗を抑制する とが分かる。
 また、比較例3~5は市販されている汎用な水 性金属加工液であるが、実施例3はそれらに 対しても高い荷重領域で焼き付かず、各荷重 領域で摩擦係数も低く良好な潤滑性を示すこ と、工具摩耗を抑制することが分かる。

 以上述べてきた通り、本発明の(メタ)ア リルアミドアルキルカルボン酸を構成単位 有する高分子化合物を含有することを特徴 する水溶性加工液は、高い荷重領域に於い も焼き付かず、良好な潤滑性を維持できる とから、工具の摩耗を低減し、また、加工 度を上げることが可能であり、コスト削減 生産能率を向上させることができる。また 本発明の高分子化合物は塩素、硫黄元素を まず、また、塩素極圧剤、油性剤の添加量 低減することができ、環境負荷が低い。