SANO MICHIHIRO (JP)
KATO HIROYUKI (JP)
KOTANI HIROSHI (JP)
YAMAMURO TOMOHUMI (JP)
OGAWA AKIO (JP)
SANO MICHIHIRO (JP)
KATO HIROYUKI (JP)
KOTANI HIROSHI (JP)
YAMAMURO TOMOHUMI (JP)
JP2002118328A | 2002-04-19 | |||
JP2002016285A | 2002-01-18 | |||
JP2003081698A | 2003-03-19 | |||
JP2004128106A | 2004-04-22 | |||
JPH11238914A | 1999-08-31 | |||
JPH10270799A | 1998-10-09 |
ZnO 1-x1
S x1
からなる第1の半導体層と、 前記第1の半導体層の上方に形成され、ZnO 1-x2 S x2 からなる第2の半導体層と、 前記第2の半導体層の上方に形成され、ZnO 1-x3 S x3 からなる第3の半導体層と を有し、前記第1の半導体層の伝導帯の下端のエネルギ、及び、前記第3の半導体層の伝導帯の下端のエネルギの双方よりも、前記第2の半導体層の伝導帯の下端のエネルギの方が低くなり、かつ、前記第1の半導体層の価電子帯の上端のエネルギ、及び、前記第3の半導体層の価電子帯の上端のエネルギの双方よりも、前記第2の半導体層の価電子帯の上端のエネルギの方が高くなるように、前記第1の半導体層のS組成x1と、前記第2の半導体層のS組成x2と、前記第3の半導体層のS組成x3とが選択されたZnO系半導体発光素子。 |
前記第1の半導体層のS組成x1と前記第3の半導体層のS組成x3とが0であり、前記第2の半導体層のS組成x2が0.25<x2<0.6の範囲内である請求項1に記載のZnO系半導体発光素子。 |
前記第2の半導体層の表面の、原子間力顕微鏡で測定した算術平均粗さRaが1.1nm以下である請求項1に記載のZnO系半導体発光素子。 |
量子井戸構造の発光層を有し、前記第1及び第3の半導体層が該発光層の障壁層であり、前記第2の半導体が該発光層の井戸層である請求項1に記載のZnO系半導体発光素子。 |
前記第1の半導体層は、第1の導電型を有し、前記第3の半導体層は、該第1の導電型と反対の第2の導電型を有し、該第1及び第3の半導体層がクラッド層であり、前記第2の半導体層が発光層であるダブルへテロ構造を有する請求項1に記載のZnO系半導体発光素子。 |
さらに、+c面の露出したZnO基板を有し、該ZnO基板の+c面の上方に、前記第1~第3の半導体層が形成されている請求項1に記載のZnO系半導体発光素子。 |
(a)ZnO 1-x1
S x1
からなる第1の半導体層を形成する工程と、 (b)前記第1の半導体層の上方に、ZnO 1-x2 S x2 からなる第2の半導体層を形成する工程と、 (c)前記第2の半導体層の上方に、ZnO 1-x3 S x3 からなる第3の半導体層を形成する工程と を有し、前記第1の半導体層の伝導帯の下端のエネルギ、及び、前記第3の半導体層の伝導帯の下端のエネルギの双方よりも、前記第2の半導体層の伝導帯の下端のエネルギの方が低くなり、かつ、前記第1の半導体層の価電子帯の上端のエネルギ、及び、前記第3の半導体層の価電子帯の上端のエネルギの双方よりも、前記第2の半導体層の価電子帯の上端のエネルギの方が高くなるように、前記第1の半導体層のS組成x1と、前記第2の半導体層のS組成x2と、前記第3の半導体層のS組成x3とを選択するZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
前記第1の半導体層のS組成x1と前記第3の半導体層のS組成x3とを0とし、前記第2の半導体層のS組成x2を0.25<x2<0.6の範囲内とする請求項7に記載のZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
前記工程(b)は、前記第2の半導体層を、500℃より低い温度で形成する請求項7に記載のZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
さらに、(c)前記工程(b)で形成された第2の半導体層を、500℃以上1000℃未満の温度でアニールする工程を有する請求項9に記載のZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
前記工程(b)は、分子線エピタキシで前記第2の半導体層を形成する請求項7に記載のZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
さらに、(d)+c面の露出したZnO基板を準備する工程を有し、前記工程(a)は、該ZnO基板の+c面の上方に、前記第1の半導体層を形成する請求項7に記載のZnO系半導体発光素子の製造方法。 |
本発明は、ZnO系半導体発光素子とその製 方法に関する。
酸化亜鉛(ZnO)のバンド間遷移エネルギは 約370nmの紫外領域の発光エネルギに相当する 。これは、産業上の利用価値が高い400nm以上 可視光領域よりも短波長であるので、400nm りも長波長の発光を得るため、ZnOのバンド ャップを狭くする(ナローギャップ化する)研 究が進められている。
ZnOのバンドギャップをナローギャップ化 る技術として、Znの一部をCdで置換したZnCdO 晶が提案されており、Cd組成に応じてバン ギャップを3.4eV~1.5eVの範囲で調整することが できる。しかし、Cdは毒性の強い元素である め、ZnCdO混晶の採用は安全性の面から難し 。
例えば日本特開2002-16285号公報に、VI族の 素である硫黄(S)やセレン(Se)でOの一部を置 して混晶とすることにより、ZnOのバンドギ ップをナローギャップ化する技術が開示さ ている。この技術は、Cdを導入する技術に比 べ、安全性の面で優れている。
特許文献1は、また、ナローギャップ化し たZnO系化合物半導体層(ZnOS層、ZnOSe層)を、ZnMg Oクラッド層により挟んだ発光素子を開示す 。
B.K. Mayer et al: Appl. Phys. Lett. 85(2004)4929に
よると、ZnO 1-x
S x
(0≦x≦1)におけるS組成xとバンドギャップと
関係は、E ZnOS
、E ZnS
、及びE ZnO
を、それぞれ、ZnO 1-x
S x
、ZnS、及びZnOのバンドギャップとし、bをボ
イングパラメータとして、
E ZnOS
=xE ZnS
+(1-x)E ZnO
-b(1-x)x
と表され、ZnO 1-x
S x
のバンドギャップは、2.6eVまでナローギャッ
化することができるとされている。なお、
こで、ボーイングパラメータb=3eVである。
発光層にZnO 1-x S x を用いたZnO系半導体発光素子の、発光効率向 上に適用可能な技術が望まれる。
本発明の一目的は、発光層にZnO 1-x S x を用い、発光効率の向上が図られたZnO系半導 体発光素子、及び、このような半導体発光素 子の製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、ZnO 1-x1 S x1 からなる第1の半導体層と、前記第1の半導体 の上方に形成され、ZnO 1-x2 S x2 からなる第2の半導体層と、前記第2の半導体 の上方に形成され、ZnO 1-x3 S x3 からなる第3の半導体層とを有し、前記第1の 導体層の伝導帯の下端のエネルギ、及び、 記第3の半導体層の伝導帯の下端のエネルギ の双方よりも、前記第2の半導体層の伝導帯 下端のエネルギの方が低くなり、かつ、前 第1の半導体層の価電子帯の上端のエネルギ 及び、前記第3の半導体層の価電子帯の上端 のエネルギの双方よりも、前記第2の半導体 の価電子帯の上端のエネルギの方が高くな ように、前記第1の半導体層のS組成x1と、前 第2の半導体層のS組成x2と、前記第3の半導 層のS組成x3とが選択されたZnO系半導体発光 子が提供される。
本発明の他の観点によれば、(a)ZnO 1-x1 S x1 からなる第1の半導体層を形成する工程と、(b )前記第1の半導体層の上方に、ZnO 1-x2 S x2 からなる第2の半導体層を形成する工程と、(c )前記第2の半導体層の上方に、ZnO 1-x3 S x3 からなる第3の半導体層を形成する工程とを し、前記第1の半導体層の伝導帯の下端のエ ルギ、及び、前記第3の半導体層の伝導帯の 下端のエネルギの双方よりも、前記第2の半 体層の伝導帯の下端のエネルギの方が低く り、かつ、前記第1の半導体層の価電子帯の 端のエネルギ、及び、前記第3の半導体層の 価電子帯の上端のエネルギの双方よりも、前 記第2の半導体層の価電子帯の上端のエネル の方が高くなるように、前記第1の半導体層 S組成x1と、前記第2の半導体層のS組成x2と、 前記第3の半導体層のS組成x3とを選択するZnO 半導体発光素子の製造方法が提供される。
第1及び第3の半導体層の伝導帯の下端の ネルギよりも、第2の半導体層の伝導帯の下 のエネルギの方が低く、かつ、第1及び第3 半導体層の価電子帯の上端のエネルギより 、第2の半導体層の価電子帯の上端のエネル の方が高い。これにより、第2の半導体層に キャリアを閉じ込めることが可能となり、ZnO 系半導体発光素子の発光効率向上を図ること ができる。
まず、図1を参照し、ZnO系化合物半導体層 を成長させるための成膜装置の例について説 明する。成膜方法として、分子線エピタキシ (MBE)が用いられる。
超高真空容器1内に、基板ヒータ7が配置さ 、基板8が、基板ヒータ7に保持される。基板 8として、サファイア(Al 2 O 3 )基板、SiC基板、GaN基板、ZnO基板等が用いら る。結晶性の良いZnO系化合物半導体層を得 ためには、格子不整合の小さな基板ほどよ ので、ZnO基板を用いることが最も好ましい
超高真空容器1が、Znソースガン2、Oソー ガン3、ZnSソースガン4、Nソースガン5、及び Gaソースガン6を備える。Znソースガン2、ZnS ースガン4、及びGaソースガン6は、それぞれ 、Zn、ZnS、及びGaの固体ソースを収容するク ーセンセルを含み、それぞれ、Znビーム、ZnS ビーム、及びGaビームを出射する。
なお、ZnSソースガンの代わりに、固体ソー として単体のSを用いたSソースガンを用い こともできる。また、H 2 S等の他の硫黄化合物を硫黄源とすることも 能である。
Oソースガン3及びNソースガン5は、それぞ れ、高周波(例えば13.56MHz)を用いる無電極放 管を含む。Oソースガン3及びNソースガン5は それぞれ、無電極放電官内で酸素ガス及び 素ガスをラジカル化して、Oラジカルビーム 及びNラジカルビームを出射する。基板8上に 所望のタイミングで所望のビームを供給す ことにより、所望の組成のZnO系化合物半導 層を成長させることができる。
超高真空容器1にはまた、反射高速電子線 回折(RHEED)用のガン9、及び、RHEEDの回折像を すスクリーン10が取り付けられている。RHEED 回折像から、基板8上に形成されたZnO系化合 物半導体層の結晶性を評価できる。ZnO系化合 物半導体層が、平坦な表面を有する(2次元成 した)単結晶である場合は、RHEED回折像がス リークパタンを示し、平坦でない表面を有 る(3次元成長した)単結晶である場合は、RHEE D回折像がスポットパタンを示す。なお、ZnO 化合物半導体層が、多結晶である場合は、RH EED回折像がリングパタンを示す。
真空ポンプ11が、超高真空容器1の内部を真 排気する。なお、超高真空とは、圧力が1×1 0 -7 Torr以下の真空を示す。
次に、第1~第5の実施例、及び、第1~第6の比 例によるZnO 1-x S x 単層膜の形成方法について説明する。これら の実施例及び比較例で、S組成xを様々に変化 せた。
まず、第1の比較例について説明する。第1 比較例では、Sの導入されていないZnO層(すな わち、x=0としたZnO 1-x S x 層)を作製した。まず、洗浄されたc面ZnO基板 、+c面が露出するように、成膜装置の基板 ータに保持し、さらに、サーマルアニール 施して基板表面を洗浄した。サーマルアニ ルは、1×10 -9 Torrの高い真空下において、900℃で30分行った 。
続いて、ZnO基板の+c面に、Znビーム及びOラ カルビームを同時に照射して、ZnO層を形成 た。基板温度は700℃とした。Znビームの照射 は、固体ソースとして純度7NのZnを用い、2.0× 10 -7 Torr(超高真空容器内での圧力)のビーム量で行 った。Oラジカルビームの照射は、純度6Nの純 酸素ガスを1sccmで導入してプラズマ化し、3×1 0 -5 Torrのビーム量で行った。
このような方法により、厚さ1μm程度まで 成長させたサンプル(厚いサンプル)と、厚さ1 00nm程度まで成長させたサンプル(薄いサンプ )の2種類のサンプルを作製した。
厚いサンプルに対して、エネルギ分散型X 線分光(EDX)による組成分析、及び、バンドギ ップ測定を行った。バンドギャップエネル は、吸収係数測定より得た。薄いサンプル 対して、原子間力顕微鏡(AFM)による表面粗 (算術平均粗さRa)測定、イオン化ポテンシャ 測定、及び、成長中のRHEED測定を行った。 オン化ポテンシャル測定には、大気中光電 分光を用いた。なお、表面粗さRaが1.1nm以下 あれば、その表面は平坦であると評価され 。
成長したZnOの結晶は透明であり、平坦性 よい膜が形成された。
上記手法で評価した結果、第1の比較例の ZnO層は、Sを含まず、バンドギャップエネル が3.3eVであり、表面粗さRaが0.65nmであり、イ ン化ポテンシャルが5.15eVであった。
次に、第1の実施例について説明する。第1 比較例と同様な方法でサーマルアニールま が施されたZnO基板の+c面に、Znビーム、Oラジ カルビーム、及びZnSビームを同時に照射して 、ZnO 1-x S x 層を形成した。基板温度は400℃とした。Znビ ム及びOラジカルビームの照射は、第1の比 例と同様の条件で行った。ZnSビームの照射 、固体ソースとして純度5NのZnS単結晶を用い 、2.0×10 -7 Torrのビーム量で行った。ZnO 1-x S x 層の形成後、500℃で10分のアニールを行った
このような方法により、厚さ1μm程度まで 成長させたサンプル(厚いサンプル)と、厚さ1 00nm程度まで成長させたサンプル(薄いサンプ )の2種類のサンプルを作製した。第1の比較 と同様に、厚いサンプルに対して、EDXによ 組成分析、及び、バンドギャップ測定を行 、薄いサンプルに対して、AFMによる表面粗 測定、イオン化ポテンシャル測定、及び、 長中のRHEED測定を行った。
成長したZnO 1-x S x の結晶は非常に薄い黄色の透明であり、平坦 性のよい膜が形成された。
上記手法で評価した結果、第1の実施例のZnO 1-x S x 層は、S組成xが0.1であり、バンドギャップエ ルギが2.93eVであり、表面粗さRaが1.0nmであり 、イオン化ポテンシャルが5.3eVであった。ま 、薄いサンプルの、ZnO 1-x S x 層のアニール後のRHEED回折像が、ストリーク タンを示した。このように、結晶性及び平 性が良好なZnO 1-x S x 層が得られた。
次に、第2の比較例について説明する。第1 実施例と同様な方法で、厚さ100nmのZnO 1-x S x 層を成長させた。ただし、第1の実施例と異 り、成膜後のアニールを行わなかった。
AFMによる表面粗さ測定、及び、成長中のRHEE D測定を行った。第2の比較例のZnO 1-x S x 層は、表面粗さRaが1.09nmであり、RHEED回折像 ストリークパタンを示した。S濃度が低いた 、アニールを行わなくても、比較的良好な 晶性及び平坦性が得られたと考えられる。
次に、第2の実施例について説明する。ZnSビ ームのビーム量を、4.0×10 -7 Torrとした以外は、第1の実施例と同様な方法 サンプル(厚いサンプル及び薄いサンプル) 作製した。成長したZnO 1-x S x の結晶は薄い黄色の透明であり、平坦性のよ い膜が形成された。
第1の実施例と同様にして、組成等を評価し た。第2の実施例のZnO 1-x S x 層は、S組成xが0.15であり、バンドギャップエ ネルギが2.82eVであり、表面粗さRaが0.67nmであ 、イオン化ポテンシャルが5.3eVであった。 た、薄いサンプルの、ZnO 1-x S x 層のアニール後のRHEED回折像が、ストリーク タンを示した。このように、結晶性及び平 性が良好なZnO 1-x S x 層が得られた。
次に、第3の比較例について説明する。第2 実施例と同様な方法で、厚さ100nmのZnO 1-x S x 層を成長させた。ただし、第2の実施例と異 り、成膜後のアニールを行わなかった。
AFMによる表面粗さ測定、及び、成長中のRHEE D測定を行った。第3の比較例のZnO 1-x S x 層は、表面粗さRaが2.06nmであり、RHEED回折像 スポットパタンを示し、結晶性及び平坦性 悪かった。なお、3次元成長(スポットパタン のRHEED回折像に対応)では、2次元成長(ストリ クパタンのRHEED回折像に対応)に比べると、 えば、転移が消滅せずに成長しやすいと考 られるので、結晶性が比較的悪いと判断し いる。
次に、第3の実施例について説明する。Znビ ムのビーム量を3×10 -7 Torrとし、ZnSビームのビーム量を4.0×10 -7 Torrとし、成膜後のアニールを700℃で20分行っ たこと以外は、第1の実施例と同様な方法で ンプル(厚いサンプル及び薄いサンプル)を作 製した。成長したZnO 1-x S x の結晶は黄色の透明であり、平坦性のよい膜 が形成された。
第1の実施例と同様にして、組成等を評価し た。第3の実施例のZnO 1-x S x 層は、S組成xが0.25であり、バンドギャップエ ネルギが2.64eVであり、表面粗さRaが0.77nmであ 、イオン化ポテンシャルが5.15eVであった。 た、薄いサンプルの、ZnO 1-x S x 層のアニール後のRHEED回折像が、ストリーク タンを示した。このように、結晶性及び平 性が良好なZnO 1-x S x 層が得られた。
次に、第4の比較例について説明する。第3 実施例と同様な方法で、厚さ100nmのZnO 1-x S x 層を成長させた。ただし、第3の実施例と異 り、成膜後のアニールを行わなかった。
AFMによる表面粗さ測定、及び、成長中のRHEE D測定を行った。第4の比較例のZnO 1-x S x 層は、表面粗さRaが2.68nmであり、RHEED回折像 リングパタンを示し、結晶性及び平坦性が かった。
次に、第4の実施例について説明する。ZnO 1-x S x 層成長時の基板温度を300℃とし、Znビームの ーム量を3×10 -7 Torrとし、ZnSビームのビーム量を4.0×10 -7 Torrとし、成膜後のアニールを700℃で20分行っ たこと以外は、第1の実施例と同様な方法で ンプル(厚いサンプル及び薄いサンプル)を作 製した。成長したZnO 1-x S x の結晶は黄褐色の透明であり、平坦性のよい 膜が形成された。
第1の実施例と同様にして、組成等を評価し た。第4の実施例のZnO 1-x S x 層は、S組成xが0.45であり、バンドギャップエ ネルギが2.5eVであり、表面粗さRaが0.95nmであ 、イオン化ポテンシャルが5.0eVであった。ま た、薄いサンプルの、ZnO 1-x S x 層のアニール後のRHEED回折像が、ストリーク タンを示した。このように、結晶性及び平 性が良好なZnO 1-x S x 層が得られた。
次に、第5の比較例について説明する。第4 実施例と同様な方法で、厚さ100nmのZnO 1-x S x 層を成長させた。ただし、第4の実施例と異 り、成膜後のアニールを行わなかった。
AFMによる表面粗さ測定、及び、成長中のRHEE D測定を行った。第5の比較例のZnO 1-x S x 層は、表面粗さRaが2.88nmであり、RHEED回折像 リングパタンを示し、結晶性及び平坦性が かった。
次に、第6の比較例について説明する。第6 比較例は、成膜後のアニールの温度を300℃ した以外は、第4の実施例と同様である。成 したZnO 1-x S x の結晶は黄褐色の透明であった。
第1の実施例と同様にして、組成等を評価し た。第6の比較例のZnO 1-x S x 層は、第4の実施例と同様に、S組成xが0.45で り、バンドギャップエネルギが2.5eVであった 。しかし、表面粗さRaが2.58nmであり、アニー 後のRHEED回折像がリングパタンを示し、結 性及び平坦性が悪かった。
次に、第5の実施例について説明する。第5 実施例では、ZnS層(すなわち、x=1としたZnO 1-x S x 層)を作製した。第1の比較例と同様な方法で ーマルアニールまでが施されたZnO基板の+c に、ZnSビームを照射して、ZnS層を形成した 基板温度は300℃とした。ZnSビームの照射は 固体ソースとして純度5NのZnSを用い、2.0×10 -7 Torrのビーム量(超高真空容器内での圧力)で行 った。ZnSビーム照射の後、500℃で10分のアニ ルを行った。第1の実施例等と同様に、厚い サンプルと薄いサンプルを作製した。成長し たZnSの結晶は無色透明であり、平坦性のよい 膜が形成された。
第1の実施例と同様にして、組成等を評価 した。第5の実施例のZnS層は、バンドギャッ エネルギが3.76eVであり、表面粗さRaが1.00nmで あり、イオン化ポテンシャルが4.5eVであった また、薄いサンプルの、ZnS層のアニール後 RHEED回折像が、ストリークパタンを示した このように、結晶性及び平坦性が良好なZnS が得られた。
図2に示す表に、第1~第5の実施例、及び、 第1~第6の比較例の結果をまとめる。また、図 3A~図3Cに、それぞれ、第1の実施例、第3の比 例、及び第4の比較例のRHEED回折像を示す。 1の実施例のRHEED回折像はストリークパタン 示し、第3の比較例のRHEED回折像はスポット タンを示し、第4の比較例のRHEED回折像はリ グパタンを示す。
図4は、第1の比較例、及び、第1~第5の実施 の結果から得られたZnO 1-x S x 及びZnOのバンドラインナップである。横軸が S組成xを示し、縦軸がバンドエネルギ(電子に 対するエネルギ)をeV単位で示す。
点線L1が、ZnOの価電子帯の上端のエネルギ 示し、点線L2が、ZnOの伝導帯の下端のエネル ギを示す。曲線C1が、ZnO 1-x S x の価電子帯の上端のエネルギを示し、曲線C2 、ZnO 1-x S x の伝導帯の下端のエネルギを示す。
価電子帯の上端のエネルギは、イオン化 テンシャルに対応し、伝導帯の下端のエネ ギは、イオン化ポテンシャルからバンドギ ップエネルギを差し引いて得られた値に対 する。
S組成xが0<x<0.6の範囲で、ZnOの伝導帯の 端のエネルギよりも、ZnO 1-x S x の伝導帯の下端のエネルギの方が低い。従っ て、ZnO 1-x S x 層をZnO層で挟んだ構造を考えたとき、S組成x 0<x<0.6の範囲であれば、電子をZnO 1-x S x 層中に閉じ込めることができる。
S組成xが0.25<x≦1の範囲で、ZnOの価電子帯 上端のエネルギよりも、ZnO 1-x S x の価電子帯の上端のエネルギの方が高い。従 って、ZnO 1-x S x 層をZnO層で挟んだ構造を考えたとき、S組成x 0.25<x≦1の範囲であれば、正孔(ホール)をZ nO 1-x S x 層中に閉じ込めることができる。
以上より、S組成xを0.25<x<0.6とすれば、Z nO 1-x S x 層をZnO層で挟んだ構造のバンドダイアグラム が、図5に示すようにタイプI型となり、キャ ア(電子及びホール)をZnO 1-x S x 層に閉じ込めることができることがわかる。 なお、電子閉じ込めの観点及び成膜の容易さ の観点からは、S組成xをやや小さくすること 好ましく、例えば、0.25<x≦0.5とすること 好ましい。
次に、上記考察を一般化して、ZnO 1-x S x 層を3層重ねた構造のバンドダイアグラムに いて考察する。第2のZnO 1-x S x 層が、第1及び第3のZnO 1-x S x 層で挟まれているとする。第1~第3のZnO 1-x S x 層のS組成を、それぞれx1~x3とする。図4のバ ドラインナップに示したように、第1~第3のZn O 1-x S x 層のS組成x1~x3が、それぞれのZnO 1-x S x 層の伝導帯の下端のエネルギ、及び、価電子 帯の上端のエネルギに対応する。
図4のバンドラインナップに基づけば、第1 ZnO 1-x S x 層の伝導帯の下端のエネルギ、及び、第3のZn O 1-x S x 層の伝導帯の下端のエネルギの双方よりも、 第2のZnO 1-x S x 層の伝導帯の下端のエネルギの方が低くなり 、かつ、第1のZnO 1-x S x 層の価電子帯の上端のエネルギ、及び、第3 ZnO 1-x S x 層の価電子帯の上端のエネルギの双方よりも 、第2のZnO 1-x S x 層の価電子帯の上端のエネルギの方が高くな るように、第1~第3のZnO 1-x S x 層のS組成x1~x3を選択することができる。すな わち、第2のZnO 1-x S x 層が第1及び第3のZnO 1-x S x 層で挟まれた構造のバンドダイアグラムを、 タイプI型にできる。
なお、第1と第3のZnO 1-x S x 層のS組成x1とx3とを等しくしないことも可能 ある。第1と第3のZnO 1-x S x 層のS組成x1及びx3の範囲は、0≦x1<0.25、0≦x 3<0.25とすることができる。第2のZnO 1-x S x 層のS組成x2の範囲は、第1と第3のZnO 1-x S x 層のS組成x1及びx3に応じて定まる。
例えば、ZnOでZnOS混晶を挟んだ構造では、第 1と第3のZnO 1-x S x 層のS組成x1及びx3がともに0であり、第2のZnO 1-x S x 層のS組成x2の範囲が、上述のように、0.25<x 2<0.6となる。
図6は、ZnO 1-x
S x
のバンドギャップエネルギのS組成xに対する
存性を示すグラフである。横軸がS組成xを
し、縦軸がバンドギャップエネルギをeV単位
で示す。バンドギャップエネルギyが、S組成x
を用いて、
y=3.8731x 2
-3.3437x+3.2308
という式でフィッティングされている。
S組成xを0.25<x<0.6の範囲で制御するこ により、バンドギャップエネルギを2.5eV~2.65 eVの範囲で制御することができる。S組成xが0. 4近傍で、バンドギャップエネルギが最小値2. 5eVとなる。バンドギャップエネルギ2.5eV~2.65eV に対応する発光波長は、468nm~496nmの、青~青緑 色となる。
なお、図6に示すグラフの作成のために行 ったバンドギャップエネルギの測定は、第1 比較例、及び、第1~第5の実施例の測定とは の測定であるが、両者は整合している。例 ば、第4の実施例において、S組成x=0.45でバン ドギャップエネルギ2.5eVが得られている。
第1~第5の実施例では、ZnO 1-x S x 層の成膜後にアニールを行うことにより、S 度が高くなっても、平坦性の良いZnO 1-x S x 層を得ることができた。AFMで測定された表面 粗さRaを、例えば1nm以下とすることができた
一方、ZnO 1-x S x 層の成膜後のアニールを行わなかった第2~第5 の比較例では、S濃度の低い第2の比較例につ ては比較的平坦性の良いZnO 1-x S x 層が得られたものの、S濃度が高くなると、 坦性の悪いZnO 1-x S x 層しか得られなかった。
ZnO 1-x S x 層の成膜温度が高すぎると、Sの蒸気圧がZnO それに比べて非常に高いことに起因して、S 度を高めることが難しくなると考えられる Sを良好に導入するために、成膜温度は充分 に低くすることが好ましい。上記実施例では 、400℃または300℃とした。S濃度が高いほど 成膜温度を低くした。ZnO 1-x S x 層の成膜温度は、500℃未満とすることが好ま しいであろう。
しかし、成膜温度を500℃未満とすると、こ に起因して、成膜時にZnO 1-x S x 層中で原子がマイグレーションしにくく、平 坦な膜が形成されにくいと考えられる。ZnO 1-x S x 層の成膜後のアニールを行うことにより、ZnO 1-x S x 層の平坦性を向上させることができる。
第6の比較例は、第4の実施例と等しいS組成x (x=0.45)であり、第4の実施例と同様にZnO 1-x S x 層成膜後のアニールを行った。しかし、アニ ール温度を700℃とした第4の実施例では平坦 ZnO 1-x S x 層が得られたのに対し、アニール温度を300℃ とした第6の比較例では平坦なZnO 1-x S x 層が得られなかった。
アニール温度を500℃以上とすると、ZnO 1-x S x 層中の原子がマイグレーションしやすくなり 、平坦化が促進されると考えられる。ただし 、アニール温度を1000℃以上とすると、ZnO 1-x S x 層の再蒸発が生じ、結晶性及び平坦性が悪化 すると考えられる。アニール温度は、500℃以 上1000℃未満とするのが好ましいであろう。
次に、第6の実施例、及び、第7の比較例に る多重量子井戸(MQW)構造の形成方法について 説明する。まず、第6の実施例について説明 る。洗浄されたc面ZnO基板を、+c面が露出す ように、成膜装置の基板ヒータ上に保持し さらに、サーマルアニールを施して基板表 を洗浄した。サーマルアニールは、1×10 -9 Torrの高い真空下において、900℃で30分行った 。
続いて、ZnO障壁層を形成するため、ZnO基板 +c面に、Znビーム及びOラジカルビームを同 に照射した。基板温度は400℃とした。Znビー ムの照射は、固体ソースとして純度7NのZnを い、2.0×10 -7 Torrのビーム量で行った。Oラジカルビームの 射は、純度6Nの純酸素ガスを1sccmで導入して プラズマ化し、3×10 -5 Torrのビーム量で行った。ZnO障壁層1層の厚さ 、20nmとした。
続いて、ZnO 1-x S x (x=0.28)井戸層を形成するため、ZnO障壁層上に Znビーム、Oラジカルビーム、及びZnSビーム 同時に照射した。基板温度は400℃とした。Z nビームの照射は、固体ソースとして純度7Nの Znを用い、3.0×10 -7 Torrのビーム量で行った。Oラジカルビームの 射は、純度6Nの純酸素ガスを1sccmで導入して プラズマ化し、3×10 -5 Torrのビーム量で行った。ZnSビームの照射は 固体ソースとして純度5NのZnS単結晶を用い、 5.0×10 -7 Torrのビーム量で行った。ZnS x O 1-x 井戸層1層の厚さは、5nmとした。
ZnS x O 1-x (x=0.28)井戸層形成の後、障壁層及び井戸層の 成温度(400℃)より高い温度である800℃に基 を加熱した。800℃となった時点から、温度 定とし、5分のアニールを施した。
その後、上述の条件での障壁層形成工程、 戸層形成工程、及びアニール工程を1セット とした工程を繰り返して、5周期のZnS x O 1-x (x=0.28)/ZnO MQW構造を作製した。
次に、第7の比較例について説明する。第7 比較例は、第6の実施例からアニール工程を いたものである。すなわち、ZnO 1-x S x (x=0.28)井戸層の形成後にアニールを行うこと く、5周期のZnS x O 1-x (x=0.28)/ZnO MQW構造を作製した。
次に、第6の実施例及び第7の比較例のZnS x O 1-x (x=0.28)/ZnO MQW構造の、X線回折(XRD)の2θ-ω測定 結果について説明する。
ZnO障壁層とZnS x O 1-x 井戸層との界面が平坦であれば、ZnO障壁層と ZnS x O 1-x 井戸層の屈折率の違いを反映して、2θ-ω測定 の回折パタンに、MQW構造の1周期分の厚み(障 層及び井戸層を1層ずつ積層した厚み)に相 する回折ピークが観測される。この回折ピ クは、サテライトピークと呼ばれる。サテ イトピークの次数が多いほど、界面の平坦 が高いと判断される。
図7及び図8が、それぞれ、第6の実施例及 第7の比較例の回折パタンを示す。各グラフ の横軸が回折角2θを度単位で示し、縦軸が回 折強度をログスケールのcps(counts/second)単位で 示す。2θ-ω測定は、(002)面で行っている。
第6の実施例の回折パタンでは、驚くべきこ とに、サテライトピークが5次の項まで観測 れ、障壁層と井戸層との界面が非常に平坦 ある。一方、第7の比較例では、明瞭なサテ イトピークが見られず、障壁層と井戸層と 界面があまり平坦でない。比較例では、膜 の不均一性が生じていると思われる。実施 のように、ZnO 1-x S x 井戸層の成膜後にアニールを行うにより、障 壁層と井戸層との界面の平坦性が高い(膜厚 均一性の高い)MQW構造を得られる。
次に、図9A~図9Cを参照して、第7の実施例 よるZnO系発光ダイオードの製造方法につい 説明する。基板8として、n型の導電型を有 るc面ZnO基板を用いる。まず、洗浄された基 8を、+c面が露出するように、成膜装置の基 ヒータに保持し、さらに、900℃で30分のサ マルアニールを施して基板表面を洗浄する
次に、サーマルアニールを施した基板8上 に、n型ZnOバッファ層20を形成する。n型ZnOバ ファ層20は、300℃~500℃に加熱した基板に、Zn ビーム、及びOラジカルビームを同時に照射 ることにより成長させ、さらに800℃~900℃で3 0分程度のアニールを行うことで得られる。n ZnOバッファ層20の厚さは、10nm~30nm程度が望 しい。なお、アニールによりn型ZnOバッファ 20からO原子が抜けて、n型の導電型が得られ ると考えられる。
次に、n型ZnOバッファ層20の上に、Gaをドー ングしたn型ZnO層21を形成する。n型ZnO層21は 500℃~1000℃に加熱した基板に、Znビーム、Oラ ジカルビーム、及びGaビームを同時に照射す ことにより成長させる。n型ZnO層21の厚さは1 μm~2μmで、Ga密度は1×10 18 cm -3 以上であることが好ましい。
続いて、n型ZnO層21の上に、発光層22を形成 る。発光層22は、ZnS x O 1-x (0.25<x<0.6)層を井戸層とし、ZnO層を障壁層 とする量子井戸構造を有する。
ZnS x O 1-x (0.25<x<0.6)井戸層は、500℃未満に加熱した 基板にZnビーム、Oラジカルビーム、及びZnSビ ームを同時に照射することにより成長させる 。ZnS x O 1-x (0.25<x<0.6)井戸層の成長後は、500℃以上100 0℃未満に基板温度を上昇させてアニールを う。ZnO障壁層は、基板温度を500℃~1000℃とし 、基板にZnビーム、Oラジカルビームを同時に 照射することにより成長させる。
なお、発光層22は、図9Bに示すように、ZnS x O 1-x (0.25<x<0.6)井戸層22w及びZnO障壁層22bを1周 積層した構造としてもよい。図9Cに示すよう に、ZnS x O 1-x (0.25<x<0.6)井戸層22w及びZnO障壁層22bを複数 周期積層した多重量子井戸構造としてもよい 。なお、(後に発光層上方にZnO層を形成する で、)最上層のZnO障壁層を形成しない構造と てもよい。
なお、発光層を単層のZnS x O 1-x 層とすることもできる。すなわち、単層のZnS x O 1-x 発光層を、クラッド層であるn型ZnO層及びp型Z nO層で挟んだダブルヘテロ構造を有する発光 子を形成することもできる。量子井戸構造 場合と同様に、ZnS x O 1-x 発光層の形成後にアニールを行うことにより 、発光層の平坦性が向上する。
次に、発光層22の上に、Nをドーピングしたp 型ZnO層23を形成する。p型ZnO層23は、500℃~1000 に加熱した基板に、Znビーム、Oラジカルビ ム、及びNラジカルビームを同時に照射する とにより成長させる。p型ZnO層23の厚さは100n m~200nmで、N密度は1×10 19 cm -3 以上であることが好ましい。Nが膜中に均一 ドープされたp型ZnO層23が得られる。
なお、クラッド層として、n型及びp型のZn MgO層を用いることも可能であるが、n型及びp ZnO層をクラッド層とする方が、作製が容易 ある。特に、p型ZnMgO層の作製は難しい。
次に、電極を形成する。基板8の下面上に n側電極30を形成する。n側電極30は、例えば、 基板8の下面上に厚さ2nm~10nmのTi層を形成し、 のTi層に厚さ300nm~500nmのAl層を積層すること より形成される。
また、p型ZnO層23の上面上に、p側電極31を 成する。p側電極31は、例えば、p型ZnO層23の に厚さ0.5nm~1nmのNi層を形成し、このNi層に、 厚さ10nmのAu層を積層することにより形成され る。さらに、p側電極31上にボンディング電極 32を形成する。ボンディング電極32は、例え 、厚さ500nmのAu層からなる。
これらの電極を形成した後、例えば400℃~ 800℃の酸素雰囲気中で、電極合金化処理を行 う。合金処理時間は、例えば1分~10分である このようにして、第7の実施例による発光素 が作製される。なお、基板8として、n型の 電型を有するZnO基板を用いたが、n型の導電 を有するSiC基板やGaN基板を用いることもで る。
次に、図10を参照して、第8の実施例によ 発光素子の作製方法について説明する。基 として絶縁性のサファイア基板8aを用いる とと、それに伴い、電極の形成工程とが、 7の実施例と異なる。
第7の実施例と同様にして、基板8a上に、n 型ZnOバッファ層20からp型ZnO層23までを形成す 。p型ZnO層23までが形成されたウエハを成膜 置から取り出した後、p型ZnO層23上に、レジ ト膜または保護膜等を設けてパタニングし n側電極が形成される領域に対応する切り欠 き窓を有するエッチングマスクを形成する。 このエッチングマスクを用いて、例えばウエ ットエッチングやリアクティブイオンエッチ ングにより、p型ZnO層23及び発光層22をエッチ グして、n型ZnO層21を露出させる。
次に、露出したn型ZnO層21の表面に、例え 、厚さ2nm~10nmのTi層を形成し、このTi層に厚 300nm~500nmのAl層を積層することにより、n側 極30aを形成する。n側電極30aの形成後、エッ ングマスクを除去する。
次に、p型ZnO層23の表面に、例えば、厚さ0 .5nm~1nmのNi層を形成し、このNi層に厚さ10nmのAu 層を積層することにより、p側電極31aを形成 る。さらに、p側電極31aの上に、例えば厚さ5 00nmのAu層からなるボンディング電極32aを形成 する。なお、p側の電極の材料がn側電極30a上 積層されないように、適宜マスクを用いて p側電極31a及びボンディング電極32aを形成す る。
これらの電極を形成した後、第7の実施例 と同様に、例えば400℃~800℃の酸素雰囲気中 、電極合金化処理を行う。合金処理時間は 例えば1分~10分である。このようにして、第8 の実施例による発光素子が作製される。
第8の実施例による発光素子では、基板と して絶縁性のサファイア基板を用いることが できる。なお、ZnO基板、SiC基板、またはGaN基 板を用いることもできる。
なお、上記実施例ではc面ZnO基板を用い、 +c面上に半導体素子を形成する例を説明した 、-c面上に半導体素子を形成することもで る。また、a面やm面を有するZnO基板上に半導 体素子を形成することもできる。
以上説明したように、ZnS x O 1-x 層をZnO層で挟んだ構造において、0.25<x<0. 6とすることにより、ZnS x O 1-x 層にキャリアを閉じ込めることが可能となる 。これにより、例えば、発光効率の高められ た青色発光素子を作製することができるであ ろう。ZnS x O 1-x 層の成膜後に、500℃以上1000℃未満の温度で ニールすることにより、ZnS x O 1-x 層の平坦性を向上させることができる。
なお、図4を参照して考察したように、ZnS x O 1-x 層をZnS x O 1-x 層で挟んだ構造でも、キャリアの閉じ込めは 可能である。このような構造を発光素子に用 いることもできるであろう。
なお、上記実施例では、成膜方法としてM BEを用いたが、他の成膜方法、例えば、有機 属化学気相堆積(MOCVD)や、パルスレーザ堆積 (PLD)を用いることもできるであろう。なお、M OCVDに比べると、MBE及びPLDは、膜の組成の制 が容易となる。
なお、発光ダイオード(LED)を作製する例 説明したが、例えば、へき開でキャビティ 形成して、レーザダイオード(LD)を作製する ともできるであろう。さらに、これらの発 素子の応用製品、例えば、各種インジケー や、ディスプレイ、光ディスク用の光源等 作ることもできる。
また、LEDを、その発光波長の補色を生成 る蛍光体と組み合わせて、白色LEDを作るこ もできる。さらに、白色LEDの応用製品、例 ば、照明器具、各種インジケータ、ディス レイ、各種表示器のバック照明等を作るこ もできる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが 本発明はこれらに制限されるものではない 例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等 可能なことは当業者に自明であろう。
Next Patent: BEARING DEVICE FOR WHEEL AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME