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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING INTRAOCULAR LENS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104516
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of producing an intraocular lens characterized by comprising: a step for using a molding tool having an optical unit molding part for molding a member to serve as an optical unit and a supporting unit molding part for molding a member to serve as a supporting unit, the optical unit molding part enabling a front optical surface and a rear optical surface that constitute a lens by molding to be obtained readily, the supporting unit molding part enabling the supporting unit to be obtained by performing a specified processing on the member obtained by molding; a step for injecting a intraocular lens material into the molding tool and then polymerizing or curing the material; a step for processing the member to serve as a supporting unit into the shape of the supporting unit while at least the front optical surface and rear optical surface in the polymerized or cured member are kept covered with the optical unit molding part of the molding tool; and then a step for releasing the optical unit molding part.

Inventors:
SHOJI NORIYUKI (JP)
INOUE MASANOBU (JP)
SUZUKI HIROFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052369
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HOYA CORP (JP)
SHOJI NORIYUKI (JP)
INOUE MASANOBU (JP)
SUZUKI HIROFUMI (JP)
International Classes:
B29C39/02; A61F2/16; A61L27/00; B29L11/00
Foreign References:
JPH03284258A1991-12-13
JPS6361225A1988-03-17
JPS6368668A1988-03-28
JPS6391230A1988-04-21
JP2005329712A2005-12-02
JP2007307771A2007-11-29
JPS6073836A1985-04-26
JP2000005203A2000-01-11
JPH06190942A1994-07-12
JPH04275110A1992-09-30
JPS6391230A1988-04-21
JPH04284258A1992-10-08
Other References:
See also references of EP 2248647A4
Attorney, Agent or Firm:
ANIYA, Setuo et al. (JP)
Ani store Setsuo (JP)
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Claims:
 レンズの表裏面を構成する前方光学面と後方光学面とを有する光学部と、この光学部を眼内に支持するためにこの光学部の外周部に設けられた支持部とを有する眼内レンズを製造する眼内レンズ製造方法であって、
 前記光学部になる部材を成形するための光学部成形部と、前記支持部になる部材を成形するための支持部成形部とを有する成形型であって、前記光学部成形部は、成形することによって前記前方光学面と後方光学面とが直ちに得られるものであり、前記支持部成形部は、成形によって得られた部材に一定の加工を加えることによって支持部が得られるものである成形型を用い、
 前記成形型内に眼内レンズの原料を注入後、重合もしくは硬化させ、
 次に、前記重合もしくは硬化させた部材における少なくとも前記前方光学面及び後方光学面が前記成形型の光学部成形部によって覆われた状態で前記支持部になる部材を支持部の形状に加工し、
 次に、前記光学部成形部を離型することを特徴とする眼内レンズ製造方法。
 前記成形型の支持部成形部は、前記光学部の光軸を含む切断面で切断した断面形状は完成した支持部の断面形状をなしたものであるが、前記光軸方向からみた形状は任意の形状をなしたものであり、前記支持部になる部材の加工は、この支持部になる部材を前記光軸方向から見た形状が完成された支持部の形状になるようにする加工であることを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ製造方法。
 前記成形型内に眼内レンズの原料を注入後、重合もしくは硬化させ、前記成形型の光学部成形部内及び支持部成形部内の双方に前記重合もしくは硬化させた部材が存在する状態で、前記光学部となる部材及び支持部となる部材における前記光軸方向からみた形状が、完成された眼内レンズの形状になるように、前記成形型と一緒に加工するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の眼内レンズ製造方法。
 前記成形型は上型と下型とを有するものであり、前記成形型内に眼内レンズの原料を注入後、重合もしくは硬化させた後、前記光学部となる部材及び/又は前記支持部となる部材をこれら部材が前記上型と下型との間に存在する状態でこの成形型と一緒に加工して、前記光学軸方向から見た形状が完成された形状になるようにする加工工程を有し、
 前記加工工程は、前記部材が内部に存在する状態の成形型に対し、前記光軸方向から見た形状が完成された形状になるように仕切る仮想の輪郭線に沿って前記光軸方向から前記成形型の上型もしくは下型の一方を所定の溝幅で掘り込んでいき、この一方の型を貫通させるとともに他方の型の所定の深さに至るまで掘り込んでいくようにして前記輪郭線の全周にわたって加工する工程であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の眼内レンズ製造方法。
 前記眼内レンズは軟性眼内レンズであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の眼内レンズ製造方法。
 前記成形型がプラスチック樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の眼内レンズ製造方法。
 前記プラスチック樹脂がポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、又は、ポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズ製造方法。
 前記軟性眼内レンズを構成する材料のガラス転移温度が35℃未満であることを特徴とする請求項5に記載の眼内レンズ製造方法。
 軟性眼内レンズを構成する材料がアクリル系モノマーの重合物であることを特徴とする請求項7の眼内レンズ製造方法。
 前記プラスチック樹脂製成形型の内面に、前記光学部を構成する材料との接着性を付与する処理を予め施しておくことを特徴とする請求項6に記載の眼内レンズ製造方法。
 前記接着性付与処理が、150~300nmの波長領域に発光ピークを有し、かつ酸素分子を分解してオゾンを生成すると共に、該オゾンを分解して活性酸素種を生成する機能を持つ活性光を、酸素の存在下に照射する処理であることを特徴とする請求項10に記載の眼内レンズ製造方法。
Description:
眼内レンズ製造方法

 本発明は、眼球の水晶体の代わりに眼内 挿入される眼内レンズを製造する眼内レン 製造方法に関する。

 白内障等で水晶体が白濁化するなどした 合に、この水晶体を取り除いてその代わり 眼内レンズが挿入される。この眼内レンズ して、近年、特に、超音波乳化吸引術など 普及にともない、術後乱視と手術侵襲の軽 を目的として、小切開創から挿入可能な眼 レンズが開発され、臨床に広く使用されて る。このレンズは光学部材質に軟性材料を 用することにより、その光学部を折曲げて 切開創からの挿入を可能にした軟性眼内レ ズである。

 軟性眼内レンズを構造的な面から大別す と、光学部と支持部が異種の材料から構成 れているタイプと光学部と支持部が同一の 料から構成されているタイプとに分けられ 。光学部と支持部が異種材料から構成され いるタイプの眼内レンズは、一般的に、折 たたみ可能なシリコン、アクリル樹脂、ハ ドロゲルなどの軟性材料からなる略円形の 学部と、それよりも比較的硬いポリプロピ ン、ポリメタクリル酸メチルなどの硬質材 からなる先端が開放された支持部から構成 れており、眼内での安定性は比較的良好で るが、製造工程が複雑なため製造コスト上 利であり、また、光学部と支持部とが異種 料であることからその接合箇所で不具合が ずる可能性が高い等の不利な要因がある。 れに対して、光学部と支持部とが同一材料 ら構成されている軟性眼内レンズではこの うな不利な要因がないことから、最近、注 されてきている。

 ところで、上記光学部と支持部とが同一 料から構成されている軟性眼内レンズの製 方法としては、眼内レンズ材料に光学面を めて機械的に切削加工を施し、所望の形状 成形するレースカッティング法と、眼内レ ズ形状を有する成形型内に原料モノマーを 入し、ついで該モノマーを重合させて成形 るキャストモールディング法とが挙げられ 。キャストモールディング法を利用した方 としては、例えば、特許文献1や特許文献2 記載された方法が知られている。

 特許文献1に記載の方法は、レンズ光学面の 片方の面をキャストモールディング法によっ て形成し、他方の面は切削加工によって形成 するようにしたものである。特許文献2に記 の方法は、レンズ光学面の両面をキャスト ールディング法によって形成し、支持部を 打ち抜き、レーザー加工、切削その他によ て形状加工するようにしたものである。

特開昭63-91230号公報

特開平3-284258号公報

 ところが、上述のレースカッティング法 よれば、軟性素材からなる眼内レンズの光 面を機械切削(レースカッティング)により 成させる必要があるが、そのためには、ワ クをガラス転移以下に冷却硬化させて切削 る等、工程が煩雑かつその管理も難しく、 に切削痕除去のため研磨も必要となる。近 、非球面レンズや回折レンズ等、非常に高 な光学デザインを要するレンズが開発され きているが、レンズが研磨を要する場合、 っかく高精度に形成された光学面が研磨に り崩されてしまい、所望する光学性能の発 は一般に困難となる。また、加工時に生じ 切削粉が光学部に貼り付いた場合、IOLの製 において頻用されるタンブリング研磨によ ても除去は難しい。

 これに対して、上述のキャストモールデ ング法を利用した方法では、上記レースカ ティング法のような問題がない点では好ま い。しかしながら、キャストモールディン 法の場合、特に支持部が細く薄いループタ プにおいては、モノマーの重合の際の収縮 より変形を生ずる場合がある等の問題、あ いは、所望の形状、大きさのものを得るこ が困難である等の問題がある。さらには、 ャストモールディング法を利用した場合で 、最終製品にする過程で切削加工が必要の 合が少なくない。その場合には、同様に切 粉が光学部に付着する問題も生ずる。本発 は、上述の課題を解決するためになされた のであり、加工時に生じる切削粉や塵の付 の虞を排除でき、所望の精度を有する眼内 ンズを比較的ローコストで安定して製造す ことが可能な眼内レンズ製造方法を提供す ことを目的とする。

 上述の課題を解決するための手段として第1 の手段は、
 レンズの表裏面を構成する前方光学面と後 光学面とを有する光学部と、この光学部を 内に支持するためにこの光学部の外周部に けられた支持部とを有する眼内レンズを製 する眼内レンズ製造方法であって、
 前記光学部になる部材を成形するための光 部成形部と、前記支持部になる部材を成形 るための支持部成形部とを有する成形型で って、前記光学部成形部は、成形すること よって前記前方光学面と後方光学面とが直 に得られるものであり、前記支持部成形部 、成形によって得られた部材に一定の加工 加えることによって支持部が得られるもの ある成形型を用い、
 前記成形型内に眼内レンズの原料を注入後 重合もしくは硬化させ、
 次に、前記重合もしくは硬化させた部材に ける少なくとも前記前方光学面及び後方光 面が前記成形型の光学部成形部によって覆 れた状態で前記支持部になる部材を支持部 形状に加工し、
 次に、前記光学部成形部を離型することを 徴とする眼内レンズ製造方法である。
 第2の手段は、
 前記成形型の支持部成形部は、前記光学部 光軸を含む切断面で切断した断面形状は完 した支持部の断面形状をなしたものである 、前記光軸方向からみた形状は任意の形状 なしたものであり、前記支持部になる部材 加工は、この支持部になる部材を前記光軸 向から見た形状が完成された支持部の形状 なるようにする加工であることを特徴とす 第1の手段にかかる眼内レンズ製造方法であ る。
 第3の手段は、
 前記成形型内に眼内レンズの原料を注入後 重合もしくは硬化させ、前記成形型の光学 成形部内及び支持部成形部内の双方に前記 合もしくは硬化させた部材が存在する状態 、前記光学部となる部材及び支持部となる 材における前記光軸方向からみた形状が、 成された眼内レンズの形状になるように、 記成形型と一緒に加工するようにしたこと 特徴とする第1又は第2の手段にかかる眼内 ンズ製造方法である。
 第4の手段は、
 前記成形型は上型と下型とを有するもので り、前記成形型内に眼内レンズの原料を注 後、重合もしくは硬化させた後、前記光学 となる部材及び/又は前記支持部となる部材 をこれら部材が前記上型と下型との間に存在 する状態でこの成形型と一緒に加工して、前 記光学軸方向から見た形状が完成された形状 になるようにする加工工程を有し、
 前記加工工程は、前記部材が内部に存在す 状態の成形型に対し、前記光軸方向から見 形状が完成された形状になるように仕切る 想の輪郭線に沿って前記光軸方向から前記 形型の上型もしくは下型の一方を所定の溝 で掘り込んでいき、この一方の型を貫通さ るとともに他方の型の所定の深さに至るま 掘り込んでいくようにして前記輪郭線の全 にわたって加工する工程であることを特徴 する第1~第3のいずれかの手段にかかる眼内 ンズ製造方法である。
 第5の手段は、
 前記眼内レンズは軟性眼内レンズであるこ を特徴とする第1~第4のいずれかの手段にか る眼内レンズ製造方法である。
 第6の手段は、
 前記成形型がプラスチック樹脂で構成され いることを特徴とする第1~第5のいずれかの 段にかかる眼内レンズ製造方法である。
 第7の手段は、
 前記プラスチック樹脂がポリオレフィン樹 、ポリエチレン樹脂、又は、ポリプロピレ 樹脂であることを特徴とする第6の手段にか かる眼内レンズ製造方法である。
 第8の手段は、
 前記軟性眼内レンズを構成する材料のガラ 転移温度が35℃未満であることを特徴とす 第6の手段にかかる眼内レンズ製造方法であ 。
 第9の手段は、
 軟性眼内レンズを構成する材料がアクリル モノマーの重合物であることを特徴とする 6の手段にかかる眼内レンズ製造方法である 。
 第10の手段は、
 前記プラスチック樹脂製成形型の内面に、 記光学部を構成する材料との接着性を付与 る処理を予め施しておくことを特徴とする 6の手段にかかる眼内レンズ製造方法である 。
 第11の手段は、
 前記接着性付与処理が、150~300nmの波長領域 発光ピークを有し、かつ酸素分子を分解し オゾンを生成すると共に、該オゾンを分解 て活性酸素種を生成する機能を持つ活性光 、酸素の存在下に照射する処理であること 特徴とする第10の手段にかかる眼内レンズ 造方法である。

 上述の手段によれば、加工時に生じる切 粉や塵の付着の虞を排除でき、また、これ 加えて材料を選定することなどにより、所 の精度を有する眼内レンズを比較的ローコ トで安定して製造することが可能になる。

 図1は本願発明の実施の形態にかかる眼内 レンズ製造方法によって製造される眼内レン ズを示す図であって図1(a)は平面図、図1(b)は 面図であり、図2は本願発明の実施の形態に かかる眼内レンズ製造方法に用いる成形型を 示す図であって図2(a)は上型と下型とを離間 た状態を示す断面図、図2(b)は上型と下型と 成形する状態で結合させた状態を示す断面 、図2(c)は平面図である。以下、まず、図1 図2を参照にしながら、本願発明の実施の形 にかかる眼内レンズ製造方法によって製造 れる眼内レンズ及び本願発明の実施の形態 かかる眼内レンズ製造方法に用いる成形型( モールド)を説明する。

 図1に示されるように、本願発明の実施の 形態にかかる眼内レンズ製造方法によって製 造される眼内レンズ10は、光学部11と、この 学部11を眼内に支持するためにこの光学部11 外周部に設けられた2本の支持部12a、12bとを 有する。光学部11は、レンズの表裏面を構成 る前方光学面11aと、後方光学面11bとを有す ものである。なお、この眼内レンズ10は、 形型成形等によって、中央部に光学部11が形 成され、その周辺部に円環状に形成された部 材であって支持部となる部材である支持部前 駆部材12(図1(a)に点線で示される部位)が形成 れた略円盤状の成形物を成形し、この成形 における支持部前駆部材11を、切削等の加 により、支持部12a、12bの形状に加工するこ によって得られる。

 また、図2に示されるように、本願発明の 実施の形態にかかる眼内レンズ製造方法に用 いる成形型100は、上型20と下型30とを有する 図2(a)に示されるように、上型20は、眼内レ ズ10の光学部11における前方光学面11aを形成 るための前方光学面成形部21と、支持部12a 12bになる部材を成形するための支持部成形 22と、これら成形部を仕切る部材としてのフ ランジ部23とを有する。下型30は、眼内レン 10の光学部11における後方光学面11bを形成す ための後方光学面成形部31と、支持部12a、12 bになる部材を成形するための支持部成形部32 と、前記上型20のフランジ部23を受けるフラ ジ受け部33とを有する。また、必要に応じ、 キャストモールディング法で通常用いるモノ マー溜まりやエア抜きを設けても良い。

 図2(b)に示されるように、上型20のフラン 部23が下型30のフランジ受け部32に嵌めこま るようにして上型20と下型30とを成形する状 態で結合させると、これら上型20と下型との に空隙が形成される。そして、その空隙の ちの中央部に形成される空隙が光学成形部1 01を構成し、その周辺に形成される空隙が支 部成形部102を構成する。したがって、例え 、下型30に成形用の原料を供給し、この下 30に上型22を結合させることにより、中央部 光学部11が形成され、その周辺部に円環状 支持部前駆部材12が形成された略円盤状の成 形物を成形することができる。

 上型20及び下型30としては、切削可能なプ ラスチック樹脂製成形型を用いる。成形型に は容易に切削が可能なプラスチック樹脂を用 いるが、レンズ素材の原料モノマーによる変 形を生じない耐溶剤性に優れたプラスチック 樹脂が好ましく、特にポリエチレン、ポリプ ロピレン等のポリオレフィン樹脂製の重合容 器が好ましい。更に、プラスチック樹脂製成 形型の内壁に、該成形型中で重合されるレン ズ素材との接着性付与処理を予め施しておい ても良い。適切な接着性付与処理は、重合後 得られるレンズ素材と成形型間の剥離を防ぎ 、成形型内面形状の確実な転写を可能とする だけでなく、レンズ素材と成形型間の接着性 を高め加工中の成形型からのレンズ素材の剥 がれ、飛び出しに有効である。この接着性付 与処理は、重合されるレンズ素材との接着性 が高められるのであれば特に制限はなく、例 えば、フレーム処理(焼炎処理)、プライマー 理、紫外線照射処理、電気的表面処理等が げられ、従来から知られている手法及び装 を用いることができる。成形型内面に設け れる光学面(前方光学面11a、後方光学面11b) 形状には球面、非球面、トーリック、バイ ォーカル、マルチフォーカル、更には屈折 、回折型等が挙げられるが眼内レンズの光 デザインとして有効であれば特に制限はな 、また、成形型の外形状についても製造上 した形であれば良く、特に制限はない。

 図3乃至図9は本願発明の実施の形態にか る眼内レンズ製造方法を説明するための図 ある。以下、これらの図面を参照にしなが 、本願発明の実施の形態にかかる眼内レン 製造方法を説明する。

 図3は成形型100に原料を注入して成形を行 う様子を示す図である。図3に示されるよう 、上型20に、原料注入器40により、レンズ素 の原料モノマー類50を注入し(図3(a)参照)、 れに下型30を組み付けて蓋をする(図3(b)参照) 。ここで用いられるレンズ素材の原料モノマ ー類は公知のものであれば特に制限はなく、 また、重合開始剤にも公知の熱重合開始剤、 光重合開始剤等を用いることができる。更に 得られる眼内レンズに紫外線吸収能を付与し たり、着色するために、共重合成分として、 例えば重合性紫外線吸収剤、重合性色素など を用いることができる。

 次に、上記上型20と下型30とで成形された 原料モノマー類をこれら成形型内において重 合させる。重合の方法としては、例えば、段 階的あるいは連続的に25~120℃の温度範囲で昇 温し、数時間~数十時間で重合を完結させる 熱重合がある。また、例えば、紫外線また 可視光線などの光開始剤の活性化の吸収に じた波長の光線を照射して重合を行う光重 がある。さらに、例えば、加熱重合と光重 とを組み合わせて重合を行う方法などがあ 。なお、このとき、重合を行う槽内、また 室内を窒素またはアルゴン等の不活性ガス 雰囲気とし、かつ大気圧または加圧状態で 合してもよい。これにより、前方光学面11a び後方光学面11bが形成された光学部11を中央 部に有し、その周囲に支持部前駆部材12を有 るディスク状重合物12が形成される。

 次に、こうして得られたディスク状重合物1 2を、成形型100から取り出さず、上型20及び下 型30に挟まれた状態のまま、すなわち、成形 100と一緒に機械的切削加工によりレンズ形 に加工する(図4~図6参照)。ここで、図4はデ スク状重合物12を固定治具60に固定して成形 型100と一緒にエンドミル70によって加工する 子を示す断面図、図5はディスク状重合物12 成形型100と一緒にエンドミル70によって加 する様子を示す斜視図、図6はディスク状重 物12を成形型100と一緒にエンドミル70によっ て加工した後の様子を示す図であって図6(a) 断面図であり図6
(b)は平面図である。

 図4に示されるように、上記加工の際、レ ンズ形状を加工するエンドミル70は加工方向 対して、上型20及び重合物12は貫通させるが 、下型30は貫通させず、下型30には若干溝を れる程度までの深さに留める。これにより 加工中、重合物12の上下面は成形型100で覆わ れた状態となり、前方光学面12a及び後方光学 面12bに、加工時に生じる切削粉や塵の付着を 防ぐことができる。

 なお、成形型100の厚みが比較的厚い場合 は、レンズ形状加工に先立って、旋盤等に り成形型100の上型20及び下型30の少なくとも いずれかの厚みを薄く(間に挟まれた重合物12 に達しない程度に)加工しておいても良い。 械的切削加工は当業者が通常行っている方 が採用されるが、通常、折り畳み可能な軟 眼内レンズ素材は常温では柔軟であること ら、常温での加工が困難な場合には該共重 物を冷却切削加工することにより所望の眼 レンズ形状に成形することができる。さら 、素材自体は冷却切削等により機械切削が 能であるにも関わらず、切削機械で把持で るだけの硬さを有していないようなレンズ 材の場合であっても、切削機械に把持可能 プラスチック製成形型(成形型)中で該素材を 重合させ、これを成形型と一緒に加工するこ とにより、煩雑な前加工等を施すことなく加 工が可能となる。

 ディスク状重合物12を成形型100と一緒に ンドミル70によって加工した後は、上型20や 型30の加工切片を除去し、加工が終了した 内レンズ10を取り出す。図7はディスク状重 物12を成形型100と一緒にエンドミル70によっ 加工した後の加工切片25を分離する除去す 様子を示す図であって図7(a)は平面図であり 7(b)は断面図である。また、図8はディスク 重合物12を成形型100と一緒にエンドミル70に って加工した後に下型30から眼内レンズ10を 加工切片24とともに引き剥がす様子を示す図 あって図8(a)は引き剥がされた眼内レンズ10 示す図であり図8(b)は眼内レンズ10が引き剥 された後の下型30の断面図である。

 図7に示されるように、上型30の一部を構 していた加工切片25が除去され、次に、図8 示されるように、上型30の一部を構成して た加工切片24が眼内レンズ10から引き剥がさ 、次いで、眼内レンズ10が下型30から引き剥 がされる。上型20等から眼内レンズ10を剥が 方法としては、物理的に直接、レンズを掴 で剥がしても良いが、レンズを覆っている 形型の切片を除去して片面をむき出しにし 後、レンズが貼り付いて残っている成形型( 型30)を、レンズが貼り付いていない側から 械的に押圧しても良い。これにより、レン を傷つけずに取り出すことができる。

 図9は下型30に貼り付いている眼内レンズ 剥がす方法の一例を示す図であり図9(a)は固 定治具80に眼内レンズ10を下向きにして下型30 を固定して裏側から押圧棒90によって下側に 圧する様子を示す図であり、図9(b)は眼内レ ンズ10が剥がされた様子を示す図である。こ ように、図9に示すような方法によって、眼 内レンズ10を傷つけずに取り出すことができ 。なお、この時、成形型ごとレンズを冷や 、レンズを適度に硬くすることは、成形型 らのレンズの離型を良くするために有効で る。

 また、レンズを覆っている成形型の切片 除去する際に、成形型切片だけがレンズか 剥がれ、レンズはもう一方の成形型に貼り いた状態を確実にするため、原料モノマー の注入前に、上下一組の成形型のうち、レ ズを貼り付けたい片方の成形型にのみ接着 付与処理を施す、或いは上下両方の成形型 接着性付与処理を施す場合であっても、レ ズを貼り付けたい片方の成形型を相対的に く処理しておいても良い。また、レンズが 形型に貼り付いた状態で、水やアルコール に入れ、レンズを膨潤させて成形型から剥 す方法もレンズを傷つけずに取り出すこと できるので好ましい。得られた眼内レンズ1 0は、光学面には成形型内面が転写された高 度かつ高度な光学デザインが付与されてお 、また、光学面に形状加工時に生じる切削 や塵の付着がなく、研磨不要の完成品とな 。

 以下、上述の実施の形態で説明した製造方 によって眼内レンズ10を製造する実施例を すが、本発明はこれらの実施例に限定され ものではない。なお、以下の実施例で用い 成形型等は、上述した成形型100等を用いる とは勿論である。
<実施例1>
 サンプル管に2-フェニルエチルアクリレー :65重量部、2-フェニルエチルメタクリレート :30重量部、架橋性モノマーとしてブタンジオ ールジアクリレートを3.2重量部、重合開始剤 として2,2’-アゾビス(イソブトロニトリル)を 0.3重量部の組成比で調合し、十分に撹拌する ことで均質なモノマー混合液を得た。この混 合液を、内面に光学面を有する上下一組のポ リプロピレン製成形型内に注入し、加圧重合 炉で圧力0.2MPaの窒素雰囲気中で所定の温度プ ログラムにて重合を行った。すなわち、室温 から30分で50℃まで昇温し、12時間保持した後 、300分で100℃まで昇温し、引き続き60分で120 まで昇温し、2時間保持した後に室温まで降 温して、軟性眼内レンズ素材を重合した。

 次に、得られた重合物を、成形型から取 出さず、成形型に挟まれたまま、機械的な ーリング加工によりレンズ形状にくり抜い 。この時、エンドミルは加工方向に対して 側の成形型、及び重合物は貫通させ、下側 成形型は貫通させず、成形型には若干溝を れる程度までの深さに留め、加工は-20℃に 定した冷却エアーを吹き付けながら実施し 。なお、レンズ形状加工の前に、エンドミ の加工方向に対して上側の成形型を、重合 に達しない程度に旋盤を用いて厚みを薄く 工した。

 レンズ形状加工後、レンズの片方の面を っている成形型の切片を除去して、片面は き出し、片面は成形型に貼り付いた状態に た後、成形型ごとレンズを10℃の冷蔵庫に れて冷やし、レンズを若干硬化させた。続 てレンズが貼り付いて残っている成形型を レンズが貼り付いていない側から機械的に 圧し、成形型からレンズを取り外した。得 れたレンズには形状加工時に生じる切削粉 塵の付着は認められず、成形型内面を転写 た光学面を有する、研磨不要の軟性眼内レ ズが得られた。

<実施例2>
 実施例1で用いた上下一組のポリプロピレン 製成形型の片方(レンズ形状加工時、エンド ルに対して下側となる成形型)の内面に、予 、空気中、低圧水銀ランプ(セン特殊光源株 式会社製「光表面処理装置・PL16-110」)で10秒 の活性光照射による接着性付与処理を行っ 他は実施例1と同様にして軟性眼内レンズを 得た。レンズ形状加工後、レンズの片方の面 を覆っている成形型の切片を除去する際、成 形型切片だけがレンズから剥がれ、レンズは 接着性付与処理を施したもう一方の成形型に 確実に貼り付いた状態となっていた。得られ たレンズには形状加工時に生じる切削粉や塵 の付着は認められず、成形型内面を転写した 光学面を有する、研磨不要の軟性眼内レンズ が得られた。

<実施例3>
 原料に2-フェニルエチルアクリレート:72重 部、メチルメタクリレート:3重量部、トリフ ルオロエチルメタクリレート:5重量部、1,4-ビ ス(2-ヒドロキシエトキシ)フェニルアクリレ ト:20重量部、架橋性モノマーとしてネオペ チルグリコールジアクリレートを4.5重量部 紫外線吸収成分として2-(2-ヒドロキシ-3-tert- チル-5-メチルフェニル)-5-(2-メタクリロイル オキシエチル)ベンゾトリアゾールを1.5重量 、黄色着色成分として4-(5-ヒドロキシ-3-メチ ル-1-フェニル-4-ピラゾリルメチレン)-3-メタ リルアミノ-1-フェニル-2-ピラリゾン-5-オン 0.03重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビス (イソブトロニトリル)を0.3重量部の組成比か 成るモノマー混合液を用いる他は実施例1と 同様にして軟性眼内レンズを得た。得られた レンズには形状加工時に生じる切削粉や塵の 付着は認められず、成形型内面を転写した光 学面を有する、研磨不要の軟性眼内レンズが 得られた。

<実施例4>
 原料に2-フェニルエチルメタクリレート:56 量部、n-ブチルアクリレート:35重量部、2-[2-( パーフルオロオクチル)エトキシ]-1-メチルエ ルメタクリレート:9重量部、架橋性モノマ としてエチレングリコールジメタクリレー を3重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビス (イソブトロニトリル)を0.3重量部の組成比か 成るモノマー混合液を用いる他は実施例2と 同様にして軟性眼内レンズを得た。得られた レンズには形状加工時に生じる切削粉や塵の 付着は認められず、成形型内面を転写した光 学面を有する、研磨不要の軟性眼内レンズが 得られた。

<比較例1>
 実施例1と同様にして軟性眼内レンズ素材を 重合した後、上下の成形型を組み外し、ディ スク状重合物の片面はむき出し、片面は成形 型に貼り付いた状態にした。これを-20℃に設 定した冷却エアーを吹き付けながら、重合物 は貫通させ、下側の成形型は貫通させず、成 形型には若干溝を入れる程度までの深さに留 め、機械的なミーリング加工によりレンズ形 状にくり抜いた。レンズ形状加工後、片面は 成形型に貼り付いた状態で、成形型ごとレン ズを10℃の冷蔵庫に入れて冷やし、レンズを 干硬化させた。続いてレンズが貼り付いて っている成形型を、レンズが貼り付いてい い側から機械的に押圧し、成形型からレン を取り外した。得られたレンズの、形状加 時にむき出しとなっていた面には、加工時 生じた切削粉や塵が多く付着しており、外 検査で合格となるようなレンズは得られな った。また、得られたレンズに、引き続き0 .8mmの粒径のガラスビーズを用いて、72時間の タンブリング研磨を実施したが、付着した切 削粉を完全に除去することはできなかった。

<比較例2>
 実施例3と同様にして軟性眼内レンズ素材を 重合した後、比較例1と同様にして軟性眼内 ンズを得た。
 得られたレンズの、形状加工時にむき出し なっていた面には、加工時に生じた切削粉 塵が多く付着しており、外観検査で合格と るようなレンズは得られなかった。また、 られたレンズに、引き続き0.8mmの粒径のガ スビーズを用いて、72時間のタンブリング研 磨を実施したが、付着した切削粉を完全に除 去することはできなかった。

<比較例3>
 実施例4と同様にして軟性眼内レンズ素材を 重合した後、比較例1と同様にして軟性眼内 ンズを得た。得られたレンズの、形状加工 にむき出しとなっていた面には、加工時に じた切削粉や塵が多く付着しており、外観 査で合格となるようなレンズは得られなか た。また、得られたレンズに、引き続き0.8mm の粒径のガラスビーズを用いて、72時間のタ ブリング研磨を実施したが、付着した切削 を完全に除去することはできなかった。

 本発明は、白内障等で水晶体が白濁化す などした場合に、この水晶体を取り除いて の代わりに眼内に挿入される眼内レンズの 造に利用することができる。

本願発明の実施の形態にかかる眼内レ ズ製造方法によって製造される眼内レンズ 示す図であって図1(a)は平面図、図1(b)は側 図である。 本願発明の実施の形態にかかる眼内レ ズ製造方法に用いる成形型を示す図であっ 図2(a)は上型と下型とを離間した状態を示す 断面図、図2(b)は上型と下型とを成形する状 で結合させた状態を示す断面図、図2(c)は平 図である。 成形型100に原料を注入して成形を行う 子を示す図である。 ディスク状重合物12を固定治具60に固定 して成形型100と一緒にエンドミル70によって 工する様子を示す断面図である。 ディスク状重合物12を成形型100と一緒 エンドミル70によって加工する様子を示す斜 視図である。 ディスク状重合物12を成形型100と一緒 エンドミル70によって加工した後の様子を示 す図であって図6(a)は断面図であり図6(b)は平 図である。 ディスク状重合物12を成形型100と一緒 エンドミル70によって加工した後の加工切片 25を除去する様子を示す図であって図7(a)は平 面図であり図7(b)は断面図である。 ディスク状重合物12を成形型100と一緒 エンドミル70によって加工した後に下型30か 眼内レンズ10を引き剥がす様子を示す図で って図8(a)は引き剥がされた眼内レンズ10を す図であり図8(b)は眼内レンズ10が引き剥が れた後の下型30の断面図である。 下型30に貼り付いている眼内レンズを がす方法の一例を示す図であり図9(a)は固定 具80に眼内レンズ10を下向きにして下型30を 定して裏側から押圧棒90によって下側に押 する様子を示す図あり9(b)は眼内レンズ10が がされた様子を示す図である。

符号の説明

10 眼内レンズ
11 光学部
11a 前方光学面
11b 後方光学面
12 支持部前駆部材
12a,12b 支持部
20 上型
30 下型
100 成形型