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Patent Searching and Data


Title:
POWDER INHALER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142306
Kind Code:
A1
Abstract:
A powder inhaler which does not require shaking and can be efficiently operated. The powder inhaler is provided with a housing equipped with an inhaling opening; a containing section provided in the housing and containing medicament powder; a medicament conveying section provided in the housing , having at least one recess for receiving therein a predetermined amount of the medicament powder, and capable of taking, relative to the containing section, both a receiving position at which the medicament conveying section receives the medicament powder from the containing section and an inhaling position at which a user can inhale the medicament powder from the inhaling opening; a stirring member provided in the containing section and stirring the contained medicament powder; and an operating button mounted to the housing and capable of moving between an initial position and a pushed-in position.  When the operating button reciprocates between the initial position and the pushed-in position, the recess in the medicament conveying member moves from the receiving position to the inhaling position and, at the same time, the stirring member operates.

Inventors:
SATO TETSUYA (JP)
NISHIBAYASHI TORU (JP)
OGAWA YUSUKE (JP)
NAKAO TAKAAKI (JP)
ADACHI SHINTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059463
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OTSUKA PHARMA CO LTD (JP)
OTSUKA TECHNO CORP (JP)
SATO TETSUYA (JP)
NISHIBAYASHI TORU (JP)
OGAWA YUSUKE (JP)
NAKAO TAKAAKI (JP)
ADACHI SHINTARO (JP)
International Classes:
A61M15/00; B01F27/906
Domestic Patent References:
WO2008001744A12008-01-03
WO2004007007A12004-01-22
WO2008001744A12008-01-03
Other References:
See also references of EP 2279772A4
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA & PARTNERS (JP)
Patent business corporation 3 Edakuni [Hajime] patent firm (JP)
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Claims:
 吸入口が設けられたハウジングと、
 前記ハウジング内に設けられ、粉末薬剤が収容される収容部と、
 前記ハウジング内に設けられ、所定量の粉末薬剤を受ける少なくとも1つの凹部を有し、当該凹部が、前記収容部から粉末薬剤を受け入れる受け入れ位置と、前記吸入口から吸引可能な吸引位置とを、前記収容部に対して相対的にとり得る薬剤搬送部材と、
 前記収容部に設けられ、収容される粉末薬剤をかき混ぜる攪拌部材と、
 前記ハウジングに設けられ、初期位置と押し込み位置との間を移動可能な操作ボタンと、を備え、
 前記操作ボタンが初期位置と押し込み位置との間を往復するときに、前記薬剤搬送部材の凹部が前記受け入れ位置から吸引位置へ移動するとともに、前記攪拌部材が動作する、粉末吸入器。
 前記操作ボタンは、前記初期位置から押し込み位置へ移動するときに、前記攪拌部材が回転される一方、前記押し込み位置から初期位置へ移動するときに、前記薬剤搬送部材の凹部が前記受け入れ位置から吸引位置へ移動する、請求項1に記載の粉末吸入器。
 前記収容部は、粉末薬剤の排出口を有し、
 前記薬剤搬送部材は、前記受け入れ位置において、前記凹部を含む領域が前記排出口を塞ぎ、
 前記凹部が、前記受け入れ位置から吸引位置に相対的に移動する間に、前記排出口の内壁面が、前記凹部からあふれた粉末薬剤を掻き取る、請求項1または2に記載の粉末吸入器。
 前記薬剤搬送部材は、前記排出口の内部へ突出する突出部を有しており、前記薬剤搬送部材の移動中、前記突出部は、前記凹部の後に続いて移動する、請求項3に記載の粉末吸入器。
 前記攪拌部材は、回転軸と、当該回転軸から放射状に延びる複数の羽根を有している、請求項1から4のいずれかに記載の粉末吸入器。
 前記攪拌部材は、回転軸と、当該回転軸から放射状に延びる複数の羽根を有し、当該羽根の少なくとも1つは、前記排出口と対応する位置を移動するように構成されている、請求項3または4に記載の粉末吸入器。
 前記薬剤搬送部材は、前記収容部に対して相対的に往復動しつつ、前記受け入れ位置と吸引位置との間を移動する、請求項1から6のいずれかに記載の粉末吸入器。
 前記薬剤搬送部材は、前記収容部に対して一方向に相対的に回転しつつ、前記受け入れ位置と吸引位置との間を移動する、請求項1から6のいずれかに記載の粉末吸入器。
Description:
粉末吸入器

 本発明は、粉末薬剤を患者に投与するた の粉末吸入器に関する。

 この種の粉末吸入器としては、例えば、 許文献1に開示されたものがある。この粉末 吸入器は、収容された粉末薬剤を、患者がマ ウスピースを介して吸入するように構成され ている。すなわち、使用に際して、吸入器の 操作ボタンを押圧すると、定量の粉末薬剤が 吸引位置に配置され、この状態で患者がマウ スピースをくわえて吸気すると、定量の粉末 薬剤を吸引することができる。

国際公開第2008/1744号公報

 ところで、上記のような粉末吸入器で用 られる粉末薬剤は流動性が悪いもしくは固 りやすいため、使用する際には、一旦、吸 器を振とうさせるという事前処理が必要で った。そのため、この操作が患者にとって 面倒であった。

 本発明は、上記問題を解決するためにな れたものであり、振とう操作が不要で、効 的に操作可能な利便性の高い粉末吸入器を 供することを目的とする。

 本発明に係る粉末吸入器は、上記問題を 決するためになされたものであり、吸入口 設けられたハウジングと、前記ハウジング に設けられ、粉末薬剤が収容される収容部 、前記ハウジング内に設けられ、所定量の 末薬剤を受ける少なくとも1つの凹部を有し 、当該凹部が、前記収容部から粉末薬剤を受 け入れる受け入れ位置と、前記吸入口から吸 引可能な吸引位置とを、前記収容部に対して 相対的にとり得る薬剤搬送部材と、前記収容 部に設けられ、収容される粉末薬剤をかき混 ぜる攪拌部材と、前記ハウジングに設けられ 、初期位置と押し込み位置との間を移動可能 な操作ボタンと、を備え、前記操作ボタンが 初期位置と押し込み位置との間を往復すると きに、前記薬剤搬送部材の凹部が前記受け入 れ位置から吸引位置へ移動するとともに、前 記攪拌部材が動作する。

 この構成によれば、ハウジングに粉末薬 をかき混ぜる攪拌部材、及び薬剤を吸引可 な位置に相対移動させる操作ボタンが設け れている。そして、操作ボタンの押し込み び初期位置への復帰操作中に、攪拌部材も 時に動作するように構成されている。その め、薬剤の吸引を行う前に、収容された薬 をかき混ぜることができ、薬剤の詰まりを 止することができる。その結果、凹部に正 な量の薬剤を収容できるとともに、確実に 引位置へ配置することができる。なお、薬 搬送部材は、収容部に対して相対的に移動 能となっている。すなわち、薬剤搬送部材 移動してもよいし、収容部が移動してもよ 、この相対移動の間に、凹部が受け入れ位 と、吸引位置との間を移動できればよい。

 上記操作ボタンは、次のように構成する とができる。つまり、操作ボタンが初期位 から押し込み位置へ移動する際に、攪拌部 が回転される一方、押し込み位置から初期 置へ移動する際に、薬剤搬送部材の凹部が 記受け入れ位置から吸引位置へ移動するよ にすることができる。こうすることで、薬 が吸引位置に移動する前に薬剤がかき混ぜ れるので、移動前の薬剤の詰まりを確実に 止することができる。このほか、次の操作 備え、薬剤が吸引位置に移動した後に、攪 部材が動作するようにすることもできる。

 上記吸入器において、収容部から所定量 薬剤を排出するには種々の方法があるが、 えば、次のように構成することもできる。 なわち、収容部に、粉末薬剤の排出口を形 し、薬剤搬送部材における凹部を含む領域 、受け入れ位置において排出口を塞ぐよう し、凹部が、受け入れ位置から吸引位置に 対的に移動する間に、排出口の内壁面が、 部からあふれた粉末薬剤を掻き取るように ることができる。

 この構成により、凹部からあふれた粉末 剤が掻き取られるため、凹部には所定量の 剤しか収容されない。こうして収容された 剤が吸引位置に移動するため、操作時には 回同じ量の薬剤を確実に計量して吸引する とが可能になる。

 このとき、薬剤搬送部材において、凹部 りも回転方向の下流側に、排出口の内部へ 出する突出部を設けることができる。この うにすると、薬剤搬送部材が収容部に対し 相対移動する際に、突出部によって排出口 の薬剤を回転方向に押し出すことができる これにより、凹部内に薬剤を収容しやすく る。突出部の形状及び数は特には限定され いが、例えば、少なくとも1つの立方体状の 突出片で構成することができる。

 攪拌部材は、種々の態様を採ることがで るが、例えば、回転軸と、この回転軸から 射状に延びる複数の羽根とで、構成するこ ができる。この場合、羽根の回転によって 末薬剤をかき混ぜることができる。

 また、攪拌部材を、回転軸と、当該回転 から放射状に延びる複数の羽根とで構成し 場合、羽根の少なくとも1つが、排出口と対 応する位置を移動するように構成することが 好ましい。こうすることで、排出口の近傍で 羽根が移動するため、粉末薬剤を羽根によっ て排出口へ導くことができ、粉末薬剤を確実 に薬剤搬送部材の凹部へ供給することができ る。なお、羽根の移動範囲は、排出口と対応 する範囲内であってもよいし、排出口と対応 する範囲外から排出口上を通過するように移 動させてもよい。

 薬剤搬送部材は、種々の機構で収容部に して動作可能であるが、例えば、収容部に して相対的に往復動しつつ、受け入れ位置 吸引位置との間を移動するように構成する とができる。この場合、回転運動をしつつ 復動させることができる。或いは、薬剤搬 部材は、収容部に対して一方向に相対的に 転しつつ、受け入れ位置と吸引位置との間 移動するように構成することもできる。こ とき、複数の凹部を形成しておき、順に受 入れ位置から吸引位置へ移動するようにし もよい。また、薬剤搬送部材に上述した突 部を設ける場合、突出部が、排出口の内壁 、収容部、または他の部材と干渉しないよ に、突出部が出没可能となるように構成す こともできる。

 本発明によれば、使用に際して、粉末薬 をほぐすための振とう操作が不要になり、 作性を向上することができる。

本発明の第1実施形態に係る粉末吸入器 の斜視図である。 図1の状態からキャップが開けられたと きの粉末吸入器の斜視図である。 図1のA-A線断面図である。 本発明の第1実施形態における粉末吸入 器の一部斜視図である。 図4の平面図及びその動作説明図である 。 ハウジングの内部構造を示す図4の側面 図である。 第1実施形態に係る収容部の一部切欠斜 視図である。 第1実施形態に係る収容部の一部切欠斜 視図である。 第1実施形態に係る収容部の斜視図であ る。 第1実施形態に係る収容部の斜視図で る。 第1実施形態に係る収容部の一部切欠 視図である。 第1実施形態に係る収容部及び薬剤搬 部材の平面図である。 第1実施形態に係る薬剤の流れを推察 る断面図である。 第1実施形態に係る薬剤搬送部材の下 側から見た往復回転機構の平面図である。 第1実施形態に係る薬剤搬送部材の往 回転運動の動作説明図である。 第1実施形態に係る薬剤搬送部材の往 回転運動の動作説明図である。 第1実施形態に係る薬剤搬送部材の往 回転運動の動作説明図である。 本発明の第2実施形態に係る粉末吸入 の内部構造を示す斜視図である。 図18の分解斜視図である。 図18の粉末吸入器における収容部の一 切欠斜視図である。 図20の平面図である。 図21の側面図である。 図21の斜視図である。 第2実施形態に係る粉末吸入器の内部 造を示す他の平面図である。 図24の側面図である。 第2実施形態に係る粉末吸入器の内部 造を示す他の平面図である。 図26の側面図である。

 (第1実施形態)
 以下、本発明に係る粉末吸入器の第1実施形 態について図面を参照しつつ説明する。図1 この粉末吸入器の斜視図、図2はキャップが けられたときの粉末吸入器の斜視図である

 図1及び図2に示すように、本実施形態に る粉末吸入器は、薄型の直方体状に形成さ ており、一端部にマウスピース(吸入口)11が けられたハウジング1と、マウスピース11を う透明のキャップ2とを備えている。キャッ プ2は、ハウジング1に対して揺動自在に取り けられており、図1に示すようにマウスピー ス11を覆う初期位置と、図2に示すようにマウ スピース11を露出させ患者がくわえることの きる使用位置との間を揺動するようになっ いる。また、ハウジング1において、キャッ プ2によって覆われる位置には、操作ボタン3 設けられている。

 次に、この粉末吸入器の内部構造につい 説明する。まず、粉末薬剤の吸引経路につ て図3を参照しつつ説明する。図3は図1のA-A 断面図である。

 同図に示すように、この粉末吸入器では ハウジング1の内部に設けられた円形カップ 状の収容部4に粉末薬剤が収容される。そし 、粉末薬剤は収容部4の底面に形成された排 口41(図7~図11を参照)から排出され、排出口41 の下方に配置された薬剤搬送部材5によって 引位置に移動される。吸引位置は、マウス ース11と連通するハウジング1内の流路S上に り、患者がマウスピース11をくわえて吸気 ると、粉末薬剤が流路Sを通過して患者に吸 されるようになっている。

 続いて、収容部4と薬剤搬送部材5の構造 ついて図4~図6を参照しつつ説明する。図4は の粉末吸入器の一部斜視図、図5は図4の平 図(a)及びその動作説明図(b)~(e)、図6はハウジ ングの内部構造を示す図4の側面図である。

 図4~図6に示すように、上述した収容部4に は、円形の攪拌部材7が回転可能に嵌め込ま ている。この攪拌部材7は粉末薬剤をかき混 るためのものであり、収容部4の周縁に回転 可能に係合する環状フレーム71と、収容部4の 底部の中心に回転可能に支持された回転軸72 を備え、これらが4本の棒状の羽根73によっ 連結されている。4本の羽根73は、回転軸72 ら放射状に延びて環状フレーム71に連結され ている。また、環状フレーム71の外周面には 歯車が形成されており、これを利用して、 拌部材7は、操作ボタン3の押し込み操作に って回転するようになっている。そこで、 ず、操作ボタン3について説明する。

 操作ボタン3は、棒状に形成されており、 ハウジング1内に設けられたバネ(図示省略)に よって付勢され、マウスピース11の側部から 部が突出している。ハウジング1内に配置さ れた部分は、ラック31が形成されており、こ ラック31が第1歯車32に噛合している。また この第1歯車32と同軸状に、第2歯車33が回転 能に取り付けられており、この第2歯車33が 状フレーム71の歯車と噛合している。より詳 細に説明すると、図6に示すように、第1歯車3 2は、操作ボタン3のラック31と噛合する歯車 321と、これと同軸に連結されて第2歯車33に 合する円形状の係合部322とで構成されてい 。図5(a)に示すように、係合部322は、外周の 向する2箇所に、径方向に突出し弾性変形可 能な係合片3221を有している。そして、第2歯 33には、第1歯車32側に突出する2個の突出部3 31が一体的に設けられており、この突出部331 上述した第1歯車32の係合部322の各係合片3221 と係合可能となっている。

 この構成により、攪拌部材7は次のように 動作する。すなわち、操作ボタン3をバネに して押圧すると、ラック31と第1歯車32との噛 合により、第1歯車32が回転する。このとき、 図5(b)及び図5(c)に示すように、第1歯車32の回 によって、各突出部331が各係合片3221によっ て周方向に押し遣られ、各突出部331とともに 第2歯車33が回転する。これにより、第2歯車33 と噛合する攪拌部材7が収容部4内で回転する 一方、操作ボタン3が押し込み位置からバネ によって初期位置に復帰する際には、第1歯 32が反対方向に回転するのであるが、各突出 部331は、各係合片3221とは接触しないため、 2歯車33は回転しない。図5(d)に示すように、 1歯車32が逆回転し、初期位置に戻る際には 各突出部331がそれぞれもう一方の係合片3221 と接触するが、逆回転が進むと各係合片3221 各突出部331によって径方向内方へ押圧され 。その結果、各突出部331は、弾性変形する 係合片3221を径方向外方から乗り越え、図5(e) に示す位置に配置される。この位置が初期位 置となり、再度操作ボタン3が押し込まれる 、各突出部331は各係合片3221によって押され 2歯車33が回転する。

 上記のような操作ボタン3の動作中、攪拌 部材7は、一方向にのみ約90度回転するように なっている。攪拌部材7の回転により、収容 4内の粉末薬剤は、4つの羽根73によってかき ぜられ、固まりをほぐすことができる。こ ほか、図示を省略するが、第2歯車33は、カ ンター用の歯車と噛合している。カウンタ は、操作ボタン3を押した回数をカウントす るものであり、第2歯車33が所定角度回転する と、カウンターの数字が1ずつ減るようにな ている。そして、カウンターの数字は、ハ ジングの外部から視認することができる。 お、攪拌部材7を一方向に回転させる機構は 上記のものに限定されず、その他の機構で よい。また、攪拌部材7の一回の回転角度は 、90度に限定されず、薬剤の種類などによっ 適宜決定することができる。その際、回転 度は、歯車32,33の減速比、操作ボタン3の押 込みストロークなどによって調整すること できる。

 続いて、収容部から流路への薬剤の供給 ついて図7~図13を参照しつつ説明する。図7~ 11は収容部の少なくとも一部を含む斜視図 図12はハウジングの内部構造を示す平面図(a) 及び薬剤搬送部材の平面図(b)、図13は薬剤の れを推察する断面図である。

 図7~図12に示すように、収容部4の底面に 、中心を挟む2箇所に円弧状の排出口41が形 されている(図12参照)。各排出口41は、周方 に約90度に亘って延びるように形成されてい る。図8に示すように、上述した攪拌部材7の 根73の少なくとも1つは、排出口41上を通る うになっており、羽根73の回転により、粉末 薬剤を排出口41内へ落とし込むようになって る。収容部4の下方には、排出口41を塞ぐよ に、円形の薬剤搬送部材が配置されている 薬剤搬送部材は、収容部と同軸に配置され 往復回転するようになっている。この往復 転の機構については後述する。

 図11及び図12に示すように、薬剤搬送部材 5において、排出口41から臨む領域には、2つ 箇所に半球状の凹部51が形成されている。各 凹部51は、患者が1回の吸引に必要な粉末薬剤 の必要量が計量可能な容積になっている。そ して、各凹部51は、周方向に沿って約90度離 た位置に配置されている。また、各凹部51か ら周方向に約45度離れた位置には、粉末薬剤 押し出すための突出部52がそれぞれ形成さ ている。両突出部52は、薬剤搬送部材5の中 を挟んだ位置に配置されている。各突出部52 は、それぞれ、隣接する2つの突出片521(図9及 び図10参照)からなり、立方体状に形成されて いる。各突出片521は角部が周方向を向くよう に配置され、両者は径方向にわずかな隙間を 介して配置されている。このように配置され た凹部51及び突出部52は、薬剤搬送部材5が回 する際に、上記排出口41から収容部4内を臨 ように、排出口41に沿って回転する。この き、突出部52は、回転の前後において、常に 排出口41内に突出した状態となっているが、 部51は、図9に示す薬剤の受け取り位置にお ては排出口41から露出しているが、図10,図11 と薬剤搬送部材5の回転が進むと、排出口41を 通過し収容部4の底面の下に配置される。こ 位置が粉末薬剤を吸引可能な吸引位置とな 。

 薬剤搬送部材5と収容部4との位置関係に いて更に説明すると、図10の状態では、凹部 51が排出口41から露出する位置から、収容部4 底面の下方へと移動している。ここで、薬 搬送部材5の表面と、排出口41の側壁面411の 端縁とは、接触している。そのため、薬剤 送部材5が回転すると、排出口41の側壁面411 下端縁は、薬剤搬送部材5の表面にある粉末 薬剤を掻き取っていく。これにより、凹部51 らあふれている粉末薬剤は掻き取られてい 、凹部51には定量の粉末薬剤が収容された 態で収容部4の下方、つまり吸引位置へと移 していく。このとき、突出片521は、回転に って粉末薬剤を回転方向に押し出す役割を たし、これによって、図13に示すように、 末薬剤を確実に凹部51側へ押し遣るとともに 、粉末薬剤のかき混ぜの役割も果たす。なお 、両突出片521間に隙間を形成しているのは、 その隙間を薬剤が通過できるようにし、薬剤 が一方向に偏らないようにするためである。 また、突出片521の角部を周方向に向けること で、薬剤が突出部52にせき止められることな 、スムーズに突出片521の側面を通過させる とができる。

 なお、薬剤搬送部材5には、2つの凹部51が 形成されているが、いずれか一方の凹部51が 操作ボタン3が押し込まれた位置から初期位 置に復帰するまでの間に、排出口41から露出 る薬剤の受け取り位置から吸引位置へ移動 る。他方の凹部51はこの動作の間に吸引位 から受け取り位置へ移動し、次のボタン操 時の薬剤の供給に備える。

 続いて、薬剤搬送部材の往復回転機構に いて図14~図17を参照しつつ説明する。図14は 、薬剤搬送部材の下面側から見た往復回転機 構の平面図であり、図15~図17は、その動作説 図である。

 図14に示すように、操作ボタン3の下面に 、板状の基板61が一体的に取り付けられて り、操作ボタン3の移動に伴ってこの基板61 移動する。基板61には、平面視略L字形の駆 レバー62が、揺動自在に取り付けられている 。駆動レバー62の一端部には、突出部621が設 られており、この突出部621が基板61に形成 れた円弧状の貫通孔611に移動自在に嵌め込 れている。これにより、駆動レバー62の揺動 の範囲が制限される。また、駆動レバー62の 端部には、バネ(図示省略)が取り付けられ いる。一方、駆動レバー62の他端部にも突出 部622が設けられており、この突出部622は、薬 剤搬送部材5の下面に形成された円弧状のガ ド穴53に係合している。さらに、薬剤搬送部 材5の周縁には、切欠54が形成されており、こ の切欠54には、ハウジング1内に設けられた弾 性変形可能な突片12が係合している。この突 12の係合により、薬剤搬送部材5は、操作ボ ン3が押し込まれている間は回転しないよう になっている。但し、後述するように、基板 61には、突片12に向けて突出する解除凸部613 形成されており、操作ボタン3が押し込まれ ときに、突片12を押し遣り、切欠54との係合 を解除するようになっている。

 続いて、図15~図17を参照しつつ、往復回 機構について説明する。図14に示す初期位置 から操作ボタン3を押し込むと、図15(a)に示す ように、基板61も押し込まれ、これに伴って 動レバー62が揺動する。このとき、薬剤搬 部材5は、突片12によって固定されているた 、回転することはなく、駆動レバー62の他端 部の突出部622は、薬剤搬送部材5のガイド穴53 に沿って移動するだけである。そして、図15( b)に示すように、操作ボタン3が完全に押し込 まれた状態では、基板61の解除凸部613が上述 た突片12を押し遣り、切欠54と突片12との係 状態が解除される。これにより、薬剤搬送 材5は回転可能な状態となる。そして、駆動 レバー62の他端部の突出部622は、ガイド穴53 一端部に位置する。この状態から操作ボタ 3を初期状態に復帰させると、図16に示すよ に、駆動レバー62の他端部の突出部622が、操 作ボタン3の移動にとともに、薬剤搬送部材5 引っ張り、回転させる。これにより、一方 凹部51が受け取り位置から吸引位置へ移動 るとともに、他方の凹部51が吸引位置から受 け取り位置へ移動する。そして、操作ボタン 3が初期位置へ戻ったときには、ハウジング1 突片12が弾性的に変形して再び上記とは別 切欠54と係合し、薬剤搬送部材5を固定する

 続いて、さらに操作ボタン3を押し込むと 、図17(a)に示すように、駆動レバー62の他端 が、ガイド穴53に沿って、その他端部まで移 動するが、薬剤搬送部材5は、回転しない。 して、操作ボタン3を初期位置に復帰させる 、図17(b)に示すように、駆動レバー62の他端 部がガイド穴53の他端部を引っ張り、薬剤搬 部材を回転させる。この結果、薬剤搬送部 は、図14に示す状態に戻る。このときの回 は、図16で示したように、1回前のボタン操 時とは反対の回転である。このように、ボ ン操作を行うと、一回ごとに薬剤搬送部材5 回転方向が相違するようになり、その結果 往復回転運動を行うことができる。

 続いて、上記のように、構成された粉末 入器の動作についてまとめると、患者が薬 を吸入したい場合には、まず、キャップ2を 取り外し、マウスピース11及び操作ボタン3を 露出させる。次に、操作ボタン3を押し込む 、押し込み時に攪拌部材7が回転して収容さ た薬剤がかき混ぜられる。これにより、薬 の詰まりが防止される。そして、操作ボタ 3が押し込み位置から初期位置に復帰する過 程では、受け取り位置より凹部51が粉末薬剤 収容しながら吸引位置へと移動する。この 態で、患者がマウスピース11をくわえて吸 すると、凹部51の粉末薬剤が流路Sを通過し マウスピース11を介して吸引される。

 以上のように、本実施形態によれば、ハ ジング1に粉末薬剤をかき混ぜる攪拌部材7 及び薬剤を吸引可能な位置に相対移動させ 操作ボタン3が設けられている。そして、操 ボタン3の押し込み及び初期位置への復帰操 作中に、攪拌部材も同時に動作するように構 成されている。そのため、薬剤の吸引を行う 前に、収容された粉末薬剤をかき混ぜること ができ、薬剤の詰まりを防止することができ る。その結果、凹部51に正確な量の薬剤を収 できるとともに、確実に吸引位置へ配置す ことができる。

 (第2実施形態)
 次に、本発明に係る粉末吸入器の第2実施形 態について図面を参照しつつ説明する。第2 施形態に係る粉末吸入器が第1実施形態と異 るのは、攪拌部材7及び薬剤搬送部材5の駆 機構と、カウンターの駆動機構であるので 以下では、主としてこれらの説明を行い、 複する構成についてはその説明を省略する 図18はこの粉末吸入器の内部構造を示す平面 図、図19は図18の分解斜視図、図20はこの粉末 吸入器における収容部の一部切り欠き斜視図 、図21は図20の平面図、図22は図21の側面図、 23は図21の斜視図である。

 まず、攪拌部材7の回転機構について説明 する。図18~図23に示すように、この実施形態 おいても、第1実施形態と同様に、操作ボタ ン3は、ハウジング1内に設けられたバネ(図示 省略)によって付勢され、マウスピース11の側 部から一部が突出している。ハウジング1内 配置された部分には、ラック31が形成されて おり、このラック31が第3歯車35に噛合してい 。また、第3歯車35と同軸に、これよりも径 大きい第4歯車36が一体的に形成されている この第4歯車36は扇形に形成されており、第3 歯車35と一体的に回転する。また、第4歯車36 、ハウジング1の後端側に設けられた第5歯 37に噛合している。この第5歯車37には、同軸 状に第6歯車38が回転可能に取り付けられてい る。そして、この第6歯車38は、第5歯車37より も径が大きく、環状フレーム71の歯車と噛合 ている。

 第5歯車37は、第1実施形態の第1歯車32と同 様の構成をしている。すなわち、第5歯車37は 、第4歯車36と噛合する歯車部371と、これと同 軸に連結されて第6歯車38に係合する係合部372 とで構成されている。係合部372は、軸部3721 、その外周を囲むように設けられた円弧状 2個の係合片3722とで構成されている。各係合 片3722は、上下方向(第6歯車38の方向に)に弾性 変形可能となっており、周方向の端部が上方 に突出している。また、第6歯車38は、第1実 形態の第2歯車33と同様の構造を有しており 第5歯車37側に突出する2個の突出部381が一体 に設けられており、この突出部381が上述し 第5歯車37の各係合片3722の端部と係合可能と なっている。

 以上の構成により、操作ボタン3が往復動 すると、これによって、第3、第4及び第5歯車 35、36,37は往復回転するが、第1実施形態の第2 歯車33と同様に、第6歯車38は一方向に回転す 。これに伴って、環状フレーム71も一方向 回転するため、操作ボタン3の往復動に伴っ 、攪拌部材7は一方向に回転して、薬剤を攪 拌する。

 続いて、薬剤搬送部材の往復回転機構に いて図24、図25を参照しつつ説明する。図24 この粉末吸入器の内部構造を示す平面図、 25は図24の側面図である。

 図24及び図25に示すように、操作ボタン3 下面には、板状の基板65が一体的に取り付け られており、ハウジング1の後端に向かって びている。第1実施形態と同様に、操作ボタ 3の移動に伴ってこの基板65も移動する。基 65には、直線状に延びる駆動レバー66が、揺 動自在に取り付けられている。駆動レバー66 マウスピース側の端部には、バネ(図示省略 )が取り付けられている。一方、駆動レバー66 の他端部には突出部662が設けられており、こ の突出部662は、ハウジング1の後端部側に配 された回転レバー8に係合している。この回 レバー8は、円板状に形成され、ハウジング 1内に回転可能に支持されている。そして、 の表面には、駆動レバー66の突出部662が係合 する円弧状のガイド穴81が形成されている。

 さらに、回転レバー8の薬剤搬送部材5側 側面の一部には歯車82が形成されており、こ れら歯車が薬剤搬送部材5の底面に形成され 歯車と係合している。したがって、回転レ ー8の回転により、薬剤搬送部材5も回転する 。

 このように、第2実施形態においても、操 作ボタン3の往復動によって、図14~図16と同様 に、一回ごとに薬剤搬送部材5の回転方向が 違するようになり、その結果、往復回転運 を行うことができる。

 特に、本実施形態においては、ガイド穴8 1を有する回転レバー8を別途設け、薬剤搬送 材5への動力伝達を可能な限りに同一平面化 して、第1実施形態に比較して薬剤搬送部5の 作時のねじれをなくす事により、摩擦によ 力のロスを少なくしている。加えて、駆動 バー66の支点と突出部662との距離を第1実施 態の機構に比べて長くしている。そのため 駆動レバー66の揺動角度が小さくなり、力 ロスが少なくなっている。これにより、駆 レバー66を揺動させるための力の伝達率が良 くなり、薬剤搬送部材5の回転をより小さい で行うことが可能となる。

 続いて、カウンターの駆動機構について 26及び図27を参照しつつ説明する。図26はこ 粉末吸入器の内部構造を示す平面図、図27 図26のマウスピース側からの側面図である。 図26及び図27に示すように、カウンターは、1 位の数字が印字された円板状の第1計数部91 、10の位および100の位の数字が印字された 板状の第2計数部92とで構成されている。す わち、第1計数部91の表面には0~9の数字が周 向に沿って印字され、第2計数部92の表面に 、例えば1~20の数字が周方向に沿って印字さ ている。したがって、このカウンターでは 1~200までをカウントすることができる。但 、カウンターの数字は、これに限定されず 最大表示値よりカウントできればよい。そ て、これらの数字が、ハウジングに設けら た窓から露出し、残りの使用回数を表示す 。また、これら計数部91,92は、外周面に歯車 が形成されており、第1計数部91が一回転する たびに、第2計数部92の数字が1つカウントダ ンされるように歯車比が決められている。 た、第3歯車35と一体的に設けられた係合片39 が、第1計数部91の周縁に沿って設けられた突 部911と係合している。この係合片39は、第5歯 車37に設けられたものとほぼ同じであり、操 ボタン3の往復動に伴って、係合片39が往復 転しても、第1計数部91は一方向に回転する うになっている。したがって、操作ボタン3 が押し込まれたときに、係合片39を介して第1 計数部91は一方向に回転するようになってお 、これによって一の位の数字がカウントダ ンされる。そして、第1計数部91が一回転し ときに、第2計数部92が所定角度回転し、十 位または百の位の数字が1つカウントダウン され、残りの使用回数が表示される。

 上記のように、第2実施形態においても、 第1実施形態と同様に、操作ボタン3の押し込 及び初期位置への復帰操作中に、攪拌部材7 も同時に動作するように構成されている。そ のため、薬剤の吸引を行う前に、収容された 粉末薬剤をかき混ぜることができ、薬剤の詰 まりを防止することができる。

 以上、本発明の二つの実施形態について 明したが、本発明は上記実施形態に限定さ るものではなく、その趣旨を逸脱しない限 において種々の変更が可能である。例えば 上記実施形態においては、4本の棒状の羽根 73によって薬剤を攪拌しているが、これとは に、またはこれに代えてスクリュー型の羽 を設け、攪拌効率をさらに向上することも きる。また、羽根の枚数を増やすこともで る。このようにすると、一回の操作で排出 上部を通過する羽根の数を増やすことがで 、撹拌効率をさらに向上することもできる すなわち、羽根の形状や枚数は特には限定 れず、薬剤の性質に合わせて適宜決定する とができる。

 また、羽根73は、収容部4において、薬剤 送部材5に近い位置に設けるのが好ましい。 こうすることで、収容部4に収容された薬剤 うち、薬剤搬送部材5に近い位置にある薬剤 攪拌されつつ排出口41を通して薬剤搬送部 5に送られる。

 また、上記実施形態において用いた攪拌 材7のように羽根が4本の棒状になっている 合には、収容部4をカバーするホッパーキャ プ45(図3、図19参照)に厚みを持たせることに より、収容部の体積を調節し、薬剤の攪拌及 び受け入れ位置にある薬剤搬送部材5の凹部51 への配送をよりスムーズにすることも可能で ある。

 また、カウンターは、上記のような数値 表示するタイプ以外に、残量を表示するイ ジケーターでもよい。また、ハウジングの には乾燥剤を保持してもよい。

 また、薬剤搬送部材、収容部、攪拌部材 歯車、マウスピース等の薬剤との接粉部あ いは部品同士の摺動部には、導電性を付与 うる添加剤(例えば、カーボン等の導電性フ ィラーや化学系の化合物)を加えて導電性を 与し、静電気を漏洩させるようにしても良 。なお、導電性を付与する部品は、上記に 定されない。

1 ハウジング
3 操作ボタン
4 収容部
41 排出口
5 薬剤搬送部材
51 凹部
52 突出部
7 攪拌部材