YAGISHITA KAZUHIRO (JP)
WO2006099057A2 | 2006-09-21 | |||
WO2007114132A1 | 2007-10-11 |
JP2004346327A | 2004-12-09 |
Yoriyuki Morita (JP)
100℃の動粘度が0.5~3mm 2
/s、%C A
が3以下、および硫黄分含有量が0.05質量%以下である鉱油、合成油およびこれらの混合物から選ばれる潤滑油基油に、一般式(1)で表されるリン含有化合物の金属塩を組成物全量基準で10~90質量%含有してなることを特徴とする潤滑油用添加剤組成物。 |
リン含有化合物がモノエステルとジエステルの混合物であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油用添加剤組成物。 |
100℃の動粘度が0.5~3mm 2 /s、%C A が3以下、および硫黄分含有量が0.05質量%以下である鉱油、合成油およびこれらの混合物から選ばれる潤滑油基油に、一般式(1)で表されるリン含有化合物の金属塩を組成物全量基準で10~90質量%溶解させることを特徴とする潤滑油用添加剤組成物の製造方法。 |
請求項1または2に記載の潤滑油用添加剤組成物を含有することを特徴とする潤滑油組成物。 |
本発明は、リン含有化合物の金属塩を含 潤滑油用添加剤組成物に関する。
常温で固体のチオリン酸エステルあるいは
ン酸エステル等のリン含有化合物の金属塩
、製造・運搬時のハンドリング性が悪い、
るいは常温の基油に短時間に溶解すること
できない、溶解させた後の貯蔵安定性が悪
等の問題を有するため、アミン化合物等に
らかじめ溶解させ液状化する技術が提案さ
ている(特許文献1参照)。しかし、これらの
合物に溶解させたリン含有化合物の金属塩
潤滑油に添加した場合、ゴムシールを膨潤
せる等の悪影響を与えるおそれがあるため
使用には大きな制限があった。
本発明は、ゴムシールを膨潤させる等の 影響がなく、しかも貯蔵安定性に優れた、 温で固体のチオリン酸エステルあるいはリ 酸エステル等のリン含有化合物の金属塩を 有する潤滑油用添加剤組成物を提供するも であり、併せて上記化合物を60℃以下の比 的低温で短時間に基油に溶解する潤滑油用 加剤組成物の製造方法を提供するものであ 。
本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、特定の潤滑油基油を用 ることにより、リン含有化合物の金属塩を 高濃度でしかも60℃以下の比較的低温で短 間に溶解させることができ、また溶解後の 蔵安定性も良好であることを見出し、本発 を完成するに至った。
すなわち、本発明は、100℃の動粘度が0.5~3mm
2
/s、%C A
が3以下、および硫黄分含有量が0.05質量%以下
である鉱油、合成油およびこれらの混合物か
ら選ばれる潤滑油基油に、一般式(1)で表され
るリン含有化合物の金属塩を組成物全量基準
で10~90質量%含有してなることを特徴とする潤
滑油用添加剤組成物に関する。
本発明で用いるリン含有化合物としては モノエステルとジエステルの混合物である とが好ましい。
また、本発明は、100℃の動粘度が0.5~3mm 2 /s、%C A が3以下、および硫黄分含有量が0.05質量%以下 である鉱油、合成油およびこれらの混合物か ら選ばれる潤滑油基油に、一般式(1)で表され るリン含有化合物の金属塩を組成物全量基準 で10~90質量%溶解させることを特徴とする潤滑 油用添加剤組成物の製造方法に関する。
さらに、本発明は、上記潤滑油用添加剤 成物を含有することを特徴とする潤滑油組 物に関する。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、60℃ 下の比較的低温で短時間に製造することが き、ゴムシールを膨潤させる等の悪影響が く、しかも貯蔵安定性に優れている。
以下、本発明について詳述する。
本発明の潤滑油用添加剤組成物に用いる基
としては、100℃の動粘度が0.5~3mm 2
/s、%C A
が3以下、および硫黄分含有量が0.05質量%以下
である鉱油、合成油およびこれらの混合物が
使用できる。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧 留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得 れた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出 水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の 理を1つ以上行って精製したもの、あるいは ワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシ ュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガスト ゥリキッドワックス)を異性化する手法で製 される潤滑油基油が例示できる。
合成油としては、ポリブテン又はその水 化物;1-オクテンオリゴマー、1-デセンオリ マー等のポリ-α-オレフィン又はその水素化 ;アルキルナフタレン、アルキルベンゼン等 の芳香族系合成油又はこれら2種以上の混合 が例示できる。
本発明に用いる基油としては、鉱油、合 油又はこれらの中から選ばれる2種以上の基 油の任意混合物が使用できる。例えば、1種 上の鉱油、1種以上の合成油、1種以上の鉱油 と1種以上の合成油との混合油が挙げられる
本発明において用いる潤滑油基油の100℃に ける動粘度は0.5~3mm 2 /sであることが必要であり、好ましくは0.7~2.9 mm 2 /s、より好ましくは1.0~2.8mm 2 /sであり、最も好ましくは1.2~2.7mm 2 /sである。潤滑油基油の100℃における動粘度 0.5mm 2 /s未満の場合、蒸発損失の点で好ましくない また、100℃における動粘度が3mm 2 /sを超える場合には、リン含有化合物に対す 溶解力が不十分であるため好ましくない。
本発明において用いる潤滑油基油の%C A
は3以下であることが必要であり、好ましく
2.5以下、より好ましくは2.0以下、更に好ま
くは1.5以下である。潤滑油基油の%C A
が3を超えると、リン含有化合物に対する溶
力が低下する傾向にあり好ましくない。な
、本発明において用いる潤滑油基油の%C A
は0であってもよい。
本発明でいう%C A
とは、ASTM D 3238-85に準拠した方法(n-d-M環分
)により求められる、芳香族炭素数の全炭素
に対する百分率を意味する。
本発明において用いる潤滑油基油の硫黄分
有量は0.05質量%以下であることが必要であ
、好ましくは0.04質量%以下、より好ましくは
0.03質量%以下、特に好ましくは0.02質量%以下
ある。潤滑油基油の硫黄分含有量が0.05質量%
を超える場合には、リン含有化合物に対する
溶解力が低下するおそれがあるため好ましく
ない。 通常、潤滑油基油の硫黄分含有量は
その原料の硫黄分の含有量に依存する。例
ば、フィッシャートロプシュ反応等により
られる合成ワックス成分のように実質的に
黄を含まない原料を用いる場合には、実質
に硫黄を含まない潤滑油基油を得ることが
きる。また、潤滑油基油の精製過程で得ら
るスラックワックスや精ろう過程で得られ
マイクロワックス等の硫黄を含む原料を用
る場合には、得られる潤滑油基油中の硫黄
は通常0.01質量%以上となる。本発明におい
は、硫黄分含有量は0.05質量%以下であること
が必要である。
なお、本発明でいう硫黄分とは、JIS K 2541-
1996に準拠して測定される硫黄分を意味する
本発明において用いる潤滑油基油の粘度 数については特に制限はないが、低温から 温まで優れた粘度特性が得られるようにそ 値は80以上が好ましく、100以上がより好ま く、120以上が最も好ましい。粘度指数の上 については特に制限はなく、ノルマルパラ ィン、スラックワックスやGTLワックス等、 るいはこれらを異性化したイソパラフィン 鉱油のような135~180程度のものも使用するこ ができる。基油の粘度指数が80未満では、 ン含有化合物に対する溶解力が悪化するお れがある。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、上記 た特定の潤滑油基油に、下記一般式(1)で表 れるリン含有化合物の金属塩(以下、単にリ ン含有化合物の金属塩という。)の1種または2 種以上の混合物を組成物全量基準で10~90質量% 含有する。
一般式(1)において、X 4 、X 5 、X 6 及びX 7 は、それぞれ個別に、酸素または硫黄原子を 示し、このうちの少なくとも一つは酸素原子 である。また、R 1 、R 2 及びR 3 は、それぞれ個別に、水素または炭素数が3~1 8、好ましくは4~16、より好ましくは4~14、最も 好ましくは4~12の炭化水素基(酸素、窒素また 硫黄を含有するものも含む)を示す。炭化水 素基の炭素数が3未満の場合には溶解性に劣 おそれがあり、一方18を超える場合には製造 が困難となるおそれがある。なお、R 1 、R 2 及びR 3 のうちの少なくとも1個は水素ではない。
炭化水素基としては、アルキル基、シクロ
ルキル基、アルキルシクロアルキル基、ア
ール基、アルキルアリール基及びアリール
ルキル基などが挙げられるが、アルキル基
特に好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、
ニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシ
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペン
デシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
、オクタデシル基(これらアルキル基は直鎖
状でも分枝状でもよい)等が挙げられる。
一般式(1)の具体例としては、モノヒドロカ
ビルリン酸エステル、ジヒドロカルビリル
ン酸エステル、モノヒドロカルビルジチオ
ン酸エステル、ジヒドロカルビルジチオリ
酸エステル、あるいはこれらの混合物を挙
ることができる。より具体的には、ジブチ
リン酸エステル、モノ-2-エチルへキシルリ
酸エステル、ジ-2-エチルへキシルリン酸エ
テル、モノ-2-エチルブチルリン酸エステル
ジ-2-エチルブチルリン酸エステル等、ある
はこれらの混合物を挙げることができる。
本発明においては、モノエステルとジエス
ルの混合物であることが好ましく、特に、
ノ-2-エチルへキシルリン酸エステルとジ-2-
チルへキシルリン酸エステル混合物、モノ-
2-エチルブチルリン酸エステルとジ-2-エチル
チルリン酸エステル混合物が好ましい。モ
エステルとジエステルの混合割合について
特に限定はないが、質量比で80:20~20:80が好
しく、60:40~40:60がより好ましい。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、上記 般式(1)で表されるリン含有化合物の金属塩 含有する。金属の具体例としては、亜鉛、 、ニッケル、コバルト、カルシウム、マグ シウム等を挙げることができるが、亜鉛が も好ましい。
潤滑油基油に対するリン含有化合物の金 塩の混合割合は組成物全量基準で10~90質量% あり、好ましくは30~85質量%、より好ましく 35~80質量%、最も好ましくは40~75質量%である 混合割合が10質量%より少ない場合は、潤滑 製造時の配合量が多くなり、潤滑油の蒸発 が増加するおそれがあり、混合割合が90質 %より多い場合には貯蔵中添加剤の分離を起 すおそれがある。
本発明の潤滑油用添加剤組成物の100℃にお る動粘度は、好ましくは0.5~3mm 2 /sであるが、より好ましくは1.0~3mm 2 /s、更に好ましくは1.5~2.5mm 2 /sである。
本発明の潤滑油用添加剤組成物は、例え 、30~60℃に加温した潤滑油基油中に、細か 砕いたリン含有化合物の金属塩を添加し、 転数約300rpm程度で攪拌することにより、あ いはリン含有化合物の金属塩をヘキサン等 有機溶剤に溶解させた後、潤滑油基油と混 し溶剤を留去することにより容易に得るこ ができる。
発明の潤滑油用添加剤組成物は、各種潤 油の添加剤として用いられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明 更に具体的に説明するが、本発明は以下の 施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1~8、比較例1~16]
下記の基油にリン含有化合物の金属塩を配
して、表1および表2に示す組成を有する潤
油用添加剤組成物を調製した(実施例1~8、比
例1~16)。
(1)基油
基油1:水素化分解鉱油(100℃における動粘度:
2.7mm 2
/s、%C A
:0、硫黄分:0.00質量%)
基油2:ポリ-α-オレフィン(PAO)(100℃における
粘度:2.0mm 2
/s、%C A
:0、硫黄分:0.00質量%)
基油3:パラフィン系溶剤精製鉱油(100℃にお
る動粘度:2.1mm 2
/s、%C A
:5、硫黄分:0.08質量%)
基油4:パラフィン系溶剤精製鉱油(100℃にお
る動粘度:4.4mm 2
/s、%C A
:5、硫黄分:0.09質量%)
基油5:水素化分解鉱油(100℃における動粘度:
4.0mm 2
/s、%C A
:0、硫黄分:0.00質量%)
基油6:ポリ-α-オレフィン(100℃における動粘
度:4.0mm 2
/s、%C A
:0、硫黄分:0.00質量%)
(2)リン含有化合物の金属塩
A-1:モノおよびジ-2-エチルブチルリン酸エス
テル亜鉛塩混合物(リン含量:11.6質量%、亜鉛
量:16.2質量%)
A-2:モノおよびジ-2-エチルヘキシルリン酸エ
ステル亜鉛塩混合物(リン含量:10.2質量%、亜
含量:15質量%)
実施例1~8及び比較例1~16の潤滑油用添加剤組
成物について、常温での貯蔵試験を行い、1
間後、2週間後、3週間後および4週間後の不
分析出の有無を観察した。得られた結果を
1および表2に示す。
Next Patent: LAYOUT STRUCTURE FOR COOLING DUCT FOR STEPLESS TRANSMSIION OF STRADDLE-RIDING TYPE VEHICLE