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Patent Searching and Data


Title:
AID FOR IRRIGATING GASTROINTESTINAL TRACT COMPRISING BUTYRIC ACID BACTERIA AND/OR LACTIC ACID BACTERIA
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026444
Kind Code:
A1
Abstract:
An aid for irrigating the gastrointestinal tract capable of reducing the dosage of an oral agent for irrigating the gastrointestinal tract and achieving an excellent irrigating effect when the oral agent for irrigating the gastrointestinal tract is used is provided. Means for resolution is an aid for irrigating the gastrointestinal tract comprising butyric acid bacteria (such as Clostridium butyricum and the like) and/or lactic acid bacteria (such as lactic acid bacteria belonging to the genus Lactobacillus and Bifidobacterium, and the like).

Inventors:
KUMAGAI SHINJI (JP)
TANAKA MAMORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/065779
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 10, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MIYARISAN PHARMA (JP)
KUMAGAI SHINJI (JP)
TANAKA MAMORU (JP)
International Classes:
A61K35/74; A61K35/742; A61K35/744; A61K35/745; A61K35/747; A61K49/00; A61P1/00; A61P3/04
Domestic Patent References:
WO2004004747A12004-01-15
WO2004052338A12004-06-24
Foreign References:
JPH05255097A1993-10-05
JP2000007555A2000-01-11
JPS63500523A1988-02-25
JPH01125319A1989-05-17
JPH01132527A1989-05-25
JPH02292223A1990-12-03
US5124144A1992-06-23
JPH0225424A1990-01-26
US5077048A1991-12-31
JPH03284620A1991-12-16
JP2006230810A2006-09-07
Other References:
NAGASHIMA M. ET AL.: "Mosapride Cirtrate o Heiyo shita Keiko Chokan Senjoeki ni yoru Daicho Naishikiyo Kensamae Shochi no Kento", GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY, DAI 60 KAI JAPAN GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY SOCIETY SOKAI, vol. 42, no. SUPPL. 2, 20 September 2000 (2000-09-20), pages 1704 + ABSTR. NO. P-217, XP003021346
WAKABAYASHI N. ET AL.: "Daicho Naishikyo Kensamae Shochi no Itopride Hydrochloride Toyo ni yoru Chokan Senjo Koka no Kento", GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY, DAI 65 KAI JAPAN GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY SOCIETY SOKAI SHOROKUSHU, vol. 45, no. SUPPL. 1, 10 April 2003 (2003-04-10), pages 596 + ABSTR. NO. O-209, XP003021347
SHIBUTANI Y. ET AL.: "Keiko Chokan Senjozai Genryo ni yoru Daicho Naishikyo Maeshochiho no Koyo Hikaku", ABSTRACTS OF THE JAPAN SOCIETY OF NURSING, ADULT NURSING 1, DAI 32 KAI ABSTRACTS OF THE JAPAN SOCIETY OF NURSING, ADULT NURSING I, vol. 32, 25 September 2001 (2001-09-25), pages 79, XP003021348
KODA T. ET AL.: "Mosapride Citrate o Mochiita Daicho Naishikyo Maeshochi ni Okeru Hojo Senjo Koka no Kento", GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY, DAI 62 KAI JAPAN GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY SOCIETY SOKAI SHOROKUSHU, vol. 43, no. SUPPL. 2, 15 September 2001 (2001-09-15), pages 1637 + ABSTR. NO. P-23, XP003021349
See also references of EP 2057991A4
Attorney, Agent or Firm:
HATTA, Mikio et al. (11-9 Nibancho,Chiyoda-k, Tokyo 84, JP)
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Claims:
 酪酸菌及び/又は乳酸菌を含有してなる消化管洗浄助剤。
 前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)である請求項1に記載の消化管洗浄助剤。
 前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリ 588(Clostridium butyricum MIYAIRI 588、FERM BP-2789)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11869)、及びクロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11870)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の消化管洗浄助剤。
 前記乳酸菌が、ラクトバシラス属(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)に属する乳酸菌からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載の消化管洗浄助剤。
 前記乳酸菌が、ラクトバシラス・アシドフィラス(Lactobacillus aciddophilus)、ラクトバシラス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス・バルガリカス(Lactobacillus buigericus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、及びビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項に記載の消化管洗浄助剤。
 前記消化管が、上部消化管及び/又は下部消化管である請求項1~5のいずれか1項に記載の消化管洗浄助剤。
 前記消化管が大腸である請求項1~5のいずれか1項に記載の消化管洗浄剤。
 消化管洗浄剤の使用前に、酪酸菌及び/又は乳酸菌を含有してなる消化管洗浄助剤を使用する消化管の洗浄方法。
 前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)である請求項8に記載の消化管の洗浄方法。
 前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリ 588(Clostridium butyricum MIYAIRI 588、FERM BP-2789)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11869)、及びクロストリジウム・ブチリカム(FERM P-11870)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8に記載の消化管の洗浄方法。
 前記乳酸菌が、ラクトバシラス属(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)属に属する乳酸菌からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8~10のいずれか1項に記載の消化管の洗浄方法。
 前記乳酸菌が、ラクトバシラス・アシドフィラス(Lactobacillus aciddophilus)、ラクトバシラス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラス・バルガリカス(Lactobacillus buigericus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、及びビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8~10のいずれか1項に記載の消化管の洗浄方法。
 前記消化管が、上部消化管及び/又は下部消化管である請求項8~12のいずれか1項に記載の消化管の洗浄方法。
 前記消化管が大腸である請求項8~12のいずれか1項に記載の消化管の洗浄方法。
Description:
酪酸菌及び/又は乳酸菌を含有し てなる消化管洗浄助剤

 本発明は、消化管X線検査、消化管内視鏡 検査、消化管手術等の前処置として行われる 消化管洗浄に使用するための消化管洗浄助剤 に関する。

 従来、消化管X線検査、消化管内視鏡検査 、消化管手術等の前処置として行われる消化 管洗浄に使用する消化管洗浄剤が知られてい る。当該消化管洗浄剤としては、例えば、ポ リエチレングリコール(PEG)及び電解質の組み わせからなるもの(例えば、特開昭63-500523号 公報、特開平1-125319号公報、特開平1-132527号 報、特開平2-292223号公報(米国特許第5124144号 細書)等参照)、ポリエチレングリコール、 キストラン、デキストリン、ヒドロキシエ ルスターチ、ポリデキストロース、アラビ ゴム、及びペクチンから選択される少なく も1種の水溶性高分子並びに電解質の組み合 せからなるもの(例えば、特開平2-25424号公 (米国特許第5077048号明細書)、特開平3-206046号 公報等参照)、エリトリトール及び/又はキシ トールと電解質との組み合わせからなるも (例えば、特開平3-284620号公報等参照)等が知 られている。

 これら従来の消化管洗浄剤は、その使用時 おいて、通常、2~4L(2~4×10 -3 m 3 )服用する必要があるが、多量に服用するに 味覚上難点があり、さらには、服用後の吐 気等、患者に苦痛を強いることから、当該 浄剤を一般的に使用するには問題点を有し いる。

 したがって、本発明の目的は、経口消化 洗浄剤の服用量を低減可能であり、当該経 消化管洗浄剤の使用時に、吐き気等を伴う となく、優れた洗浄効果を具現可能な、消 管洗浄助剤を提供することである。

 本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭 検討を重ねた結果、経口消化管洗浄剤の服 前に、酪酸菌及び/又は乳酸菌を含有してな る消化管洗浄助剤を服用することにより、経 口消化管洗浄剤の服用量を低減可能であり、 当該経口消化管洗浄剤による洗浄時に、残渣 や気泡の低減等の優れた洗浄効果を具現可能 であることを見いだし本発明を完成させるに 至った。

 すなわち、本発明は、
 (1)酪酸菌及び/又は乳酸菌を含有してなる消 化管洗浄助剤、
 (2)前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチ カム(Clostridium butyricum)である(1)の消化管洗 助剤、
 (3)前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチ カム・ミヤイリ 588(Clostridium butyricum MIYAIRI  588、FERM BP-2789)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11869)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11870)からなる群より選択される なくとも1種である(1)の消化管洗浄助剤、
 (4)前記乳酸菌が、ラクトバシラス属(Lactobaci llus)及びビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium )属に属する乳酸菌からなる群より選択され 少なくとも1種である(1)~(3)のいずれかの消化 管洗浄助剤。

 (5)前記乳酸菌が、ラクトバシラス・アシ フィラス(Lactobacillus aciddophilus)、ラクトバ ラス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシ ス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラ トバシラス・バルガリカス(Lactobacillus buigeri cus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifi dobacterium bifidum)、及びビフィドバクテリウム ・インファンティス(Bifidobacterium infantis)から なる群より選択される少なくとも1種である(1 )~(3)のいずれかの消化管洗浄助剤。

 (6)前記消化管が、上部消化管及び/又は下部 消化管である(1)~(5)のいずれかの消化管洗浄 剤、
 (7)前記消化管が大腸である(1)~(5)のいずれか の消化管洗浄助剤、
 (8)消化管洗浄剤の使用前に、酪酸菌及び/又 は乳酸菌を含有してなる消化管洗浄助剤を使 用する消化管の洗浄方法、
 (9)前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチ カム(Clostridium butyricum)である(8)の消化管の 浄方法、
 (10)前記酪酸菌が、クロストリジウム・ブチ リカム・ミヤイリ 588(Clostridium butyricum MIYAIR I 588、FERM BP-2789)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11868)、クロストリジウム・ブチ カム(FERM P-11869)、及びクロストリジウム・ チリカム(FERM P-11870)からなる群より選択さ る少なくとも1種である(8)の消化管の洗浄方 法。

 (11)前記乳酸菌が、ラクトバシラス属(Lacto bacillus)及びビフィドバクテリウム属(Bifidobacte rium)属に属する乳酸菌からなる群より選択さ る少なくとも1種である(8)~(10)のいずれかの 化管の洗浄方法。

 (12)前記乳酸菌が、ラクトバシラス・アシ ドフィラス(Lactobacillus aciddophilus)、ラクトバ ラス・カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシ ラス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラ トバシラス・バルガリカス(Lactobacillus buiger icus)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bif idobacterium bifidum)、及びビフィドバクテリウ ・インファンティス(Bifidobacterium infantis)か なる群より選択される少なくとも1種である( 8)~(10)の消化管洗浄助剤。

 (13)前記消化管が、上部消化管及び/又は下 消化管である(8)~(12)のいずれかの消化管の洗 浄方法、及び、
 (14)前記消化管が大腸である(8)~(12)のいずれ の消化管の洗浄方法、
である。

 本発明によれば、経口消化管洗浄剤の服 量を低減可能であり、当該経口消化管洗浄 の使用時に、吐き気等を伴うことなく、残 や気泡の低減等の優れた洗浄効果を具現可 である。

 以下、本発明の実施の形態を詳細に説明 る。

 本発明の消化管洗浄助剤は、酪酸菌及び/ 又は乳酸菌を含有してなり、酪酸菌及び乳酸 菌からなる群より選択される少なくとも1種 菌体を、必要に応じて添加物を加えて、散 、顆粒剤、細粒剤、錠剤等の固体製剤に調 したもの等が挙げられる。また、本発明の 化管洗浄助剤は、酪酸菌及び乳酸菌からな 群より選択される少なくとも1種の菌体及び 要に応じて他の添加物を水等に分散した分 液を、アルミ缶、可撓性容器、剛性又は準 性の容器等に充填した形態をとってもよい この場合、当該分散液は、常法により殺菌 は滅菌する。

 本発明において使用する酪酸菌としては 例えば、病原性を有しないクロストリジウ (Clostridium)属に属する酪酸菌等が挙げられ、 具体例としては、クロストリジウム・ブチリ カム(Clostridium butyricum)菌株等が挙げられる。 当該クロストリジウム・ブチリカムの具体例 としては、クロストリジウム・ブチリカム・ ミヤイリ 588(Clostridium butyricum MIYAIRI 588、FER M BP-2789)、クロストリジウム・ブチリカム(FER M P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FER M P-11868)、クロストリジウム・ブチリカム(FER M P-11869)、クロストリジウム・ブチリカム(FER M P-11870)等が挙げられ、これらはいずれも独 行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生 寄託センターに寄託・保管されている。

 本発明において使用する乳酸菌としては 例えば、病原性を有しないラクトバシラス (Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム属(Bif idobacterium)に属する乳酸菌等が挙げられ、具 例としては、ラクトバシラス・アシドフィ ス(Lactobacillus aciddophilus)、ラクトバシラス・ カセイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシラス・ ランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシ ラス・バルガリカス(Lactobacillus buigericus)、ビ フィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacteriu m bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファ ティス(Bifidobacterium infantis)等が挙げられる これらはいずれも公知の乳酸菌であり常法 より入手可能である。

 本発明で使用する酪酸菌及び乳酸菌を大 に得る方法としては、公知の培養方法を用 る方法等が挙げられ、例えば、上記のクリ トリジウム・ブチリカム・ミヤイリ 588は コーンスターチ、粉アメ、バレイショデン ン、可溶性デンプン、ブドウ糖等の炭素源; エキス、ペプトン、カザミノ酸、アミノ酸 合液、コーンスティープリカー、酵母エキ 等の窒素源;及び硫酸マンガン、硫酸鉄、炭 酸カルシウム等の無機塩を培地とし、120℃で 高圧蒸気滅菌した培養器を用い、培地に種菌 を接種して、37℃にて20~50時間培養した後、 体を遠心分離等により収穫し、乾燥するこ により得ることができる。

 上記の添加剤としては、本発明の消化管 浄助剤に悪影響を及ぼさない限り特に制限 なく、例えば、乳糖、トウモロコシデンプ 、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシ ム、沈降炭酸カルシウム、白糖、トレハロ ス等が挙げられる。

 なお、本発明の趣旨を損なわない限りに いて、市販の酪酸菌製剤を使用してもよい かかる酪酸菌製剤としては、例えば、クロ トリジウム・ブチリカム・ミヤイリを含む 剤(商品名「ミヤBM」(登録商標)、ミヤリサ 製薬株式会社製)等が挙げられる。

 本発明の消化管洗浄助剤は、消化管X線検 査、消化管内視鏡検査、消化管手術等の前処 置として行われる消化管洗浄剤を用いた消化 管洗浄の助剤として使用するものであり、当 該消化管洗浄助剤は、前記消化管洗浄剤の使 用に先立って使用する。

 本発明の消化管洗浄助剤は、消化管を有 る動物に適用可能であり、具体的にはヒト 含む各種哺乳類等を挙げることができる。

 本発明の消化管洗浄助剤の使用量は、適 対象等に応じて適宜決定することができる 例えば、ヒトに適用する場合、通常、0.1~0.3 g/kgの範囲であるのが好ましく、0.25~0.1g/kgの 囲であるのがより好ましい。投与方法とし は、通常、経口投与であるが、経鼻的又は 腸的に用いることもできる。投与時期とし は、消化管洗浄の2日程度前から消化管洗浄 前日まで投与するのが好ましい。当該消化 洗浄は、公知の消化管洗浄剤(例えば、商品 名「ニフレック」((登録商標)、味の素ファル マ株式会社製)等)を用い常法により行うこと できる。

 本発明によれば、当該消化管洗浄剤の投 に先立って消化管洗浄助剤を投与している とにより、消化管洗浄剤の服用量を低減す ことが可能であり、当該消化管洗浄剤の使 時に、吐き気等を伴うことなく、残渣や気 の低減が可能である等優れた洗浄効果を具 可能である。

 なお、本明細書において、上部消化管と 、食道、胃、及び十二指腸を指し、下部消 管とは、小腸及び大腸(虫垂、盲腸、上行結 腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、 門管)を指す。これらの中でも、下部消化管 適用するのが好ましく、大腸に適用するの より好ましい。

 [実施例1]ラットにおける本発明の消化管洗 助剤の併用による腸管洗浄効果
 ラット(Wister、18週齢、オス)を5匹ずつ8群に け、それぞれ、酪酸菌:クロストリジウム・ ブチリカム・ミヤイリを含有してなる消化管 洗浄助剤を投与する群(以下、これを「酪酸 群」と略記することがある)、乳酸菌:ラクト バシラス・アシドフィラスを含有してなる消 化管洗浄助剤を投与する群(以下、これを「 酸菌群」と略記することがある)、乳酸菌:ビ フィドバクテリウム・ビフィダムを含有して なる消化管洗浄助剤を投与する群(以下、こ を「ビフィズス菌群」と略記することがあ )、及び生理食塩水を投与する群(以下、これ を「対照群」と略記することがある)とした

 腸管洗浄剤の投与の2日前から、上記の各群 に、酪酸菌、及び各乳酸菌を10 8 /cm3含む液を1日2回、1匹当たり2cm 3 ずつ経口投与し、対照群には同様にして同量 の生理食塩水を経口投与した。腸管洗浄剤の 投与の前日から24時間絶食させた後、経口腸 洗浄剤(商品名「ニフレック」(登録商標)、 の素ファルマ株式会社製)を各4群に20cm 3 /kgを、また、残りの各4群には10cm 3 /kgをそれぞれ10分間隔で10回経口投与して腸 を洗浄した。最終投与から60分後、ラットを 屠殺し、直ちに盲腸から肛門の手前までを鉗 子で止めて摘出した。腸管内容物は盲腸と大 腸に分けて採取した。採取した内容物をそれ ぞれ6000rpmで15分間遠心分離し、沈殿物(内容 残渣)を凍結乾燥した後、質量を測定した。 の結果を以下の表1に示す。

 表1より、腸管洗浄剤を20cm 3 /kg使用した場合、腸管洗浄助剤を使用した各 群、すなわち、酪酸菌群、乳酸菌群、ビフィ ズス菌群においてはいずれの場合も対照群に 比して内容物残渣量が約15%~20%も減少したこ がわかる。

 次に、腸管洗浄剤を10cm 3 /kg使用した場合においても、腸管洗浄助剤を 使用した各群、すなわち、酪酸菌群、乳酸菌 群、ビフィズス菌群においてはいずれの場合 も対照群に比して内容物残渣が減少したこと がわかる。特に、酪酸菌群における内容物残 渣量は、腸管洗浄剤を20cm 3 /kg使用した対照群に比してもより少ないこと がわかる。

 以上の結果より、消化管の洗浄において 本発明の消化管洗浄助剤を併用することに り、従来に比して優れた消化管洗浄効果が られ、特に、酪酸菌を含有してなる消化管 浄助剤を併用することにより、消化管洗浄 の使用量を大幅に低減可能であることがわ る。

 [実施例2]ヒトにおける本発明の消化管洗浄 剤の併用による腸管洗浄効果
 (1)試験方法
 大腸内視鏡検査を受験する20歳以上の被験 72人を、毎日排便がある者(Aコース)、毎日排 便がない者(Bコース)に分類した。次いで、封 筒法を用いて、1)消化管洗浄助剤として酪酸 製剤(クロストリジウム・ブチリカム・ミヤ イリを含む製剤、商品名「ミヤBM」、ミヤリ ン製薬株式会社製)3gを大腸内視鏡検査の前 日から2日間服用する群(男女比7:3、ABコース 比9:1、平均年齢54.6歳、以下、これを「2日群 と略記することがある)、2)上記酪酸菌製剤3 gを大腸内視鏡検査の前日に服用する群(男女 8:3、ABコース比9:2、平均年齢53.1歳、以下、 れを「1日群」と略記することがある)、3)上 記酪酸菌製剤を服用しない群(男女比28:23、AB ース比41:10、平均年齢55.1歳、以下、これを 対照群」と略記することがある)の3群に無 為に分類した。

 Aコースに属する被験者は、大腸内視鏡検査 前日に、下剤:ピコスルファートナトリウム 服用し、検査当日に、経口腸管洗浄剤(商品 「ニフレック」、味の素ファルマ株式会社 )2L(2×10 -3 m 3 )を服用した。一方、Bコースに属する被験者 、検査前日に大腸検査食を摂取し、さらに 剤:ピコスルファートナトリウムを服用し、 検査当日に、経口腸管洗浄剤(商品名「ニフ ック」、味の素ファルマ株式会社製)2L(2×10 -3 m 3 )を服用した。

 (2)評価方法
 腸管洗浄効果の評価は、大腸を、直腸、S状 結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸 に分類し、部位ごとの洗浄効果及び気泡の存 在につき、内視鏡での観察結果に基づき、下 記の評価基準を用いて評価した。

 1.腸管洗浄効果
  良好:1・・・洗浄液はほとんど透明であり 吸引により良好な観察が可能。

  普通:2・・・残渣が少し認められるが、 吸引や洗浄等により観察に支障なし。

  不良:3・・・残渣の存在が観察に支障を きたす。

  不可:4・・・残渣が多く観察が不可能。

 2.気泡の存在
  良好:1・・・気泡がほとんど認められず良 好な観察が可能。

  普通:2・・・わずかに気泡が認められる が観察に支障なし。

  不良:3・・・気泡が認められ観察に支障 をきたす。

  不可:4・・・多くの気泡が認められ観察 が不可能であり、消泡剤投与が必要。

 (3)評価結果
 部位ごとの洗浄効果及び気泡の存在の評価 果(平均値)を、それぞれ以下の表2及び表3に 示す。本結果より、本発明の消化管洗浄助剤 を服用した群、すなわち2日群及び1日群にお ては、当該消化管洗浄助剤を服用していな 対照群に比して、全ての部位で顕著な洗浄 果が認められ、また、気泡の存在について 、横行結腸及び上行結腸を除き、いずれの 位においても気泡の低減が認められた。

 産業上の利用可能性
 本発明の消化管洗浄助剤は、消化管X線検査 、消化管内視鏡検査、消化管手術等の前処
置として行われる消化管洗浄に使用するため の消化管洗浄助剤として有用である。

 なお、本出願は、2006年8月28日に出願され た日本国特許出願第2006-230810号に基づいてお 、その開示内容は、参照により全体として 用されている。