Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
AIRCRAFT ASSEMBLY AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143092
Kind Code:
A1
Abstract:
An aircraft assembly exhibiting good thunder resistance while enhancing durability. The aircraft assembly (1) comprises an outer board (5) composed of a fiber reinforced resin material for outer board as a principal element, a structure material (7) for supporting the outer board (5) from the inside, and a fastener (3) for coupling these outer board (5) and structure material (7), and further provided with an insulator layer (23) arranged to cover at least the head (17) of the fastener (3), and a conductor layer (25) arranged to cover at least the insulator layer (23) and formed of a resin material for conductive layer containing powder of conductive copper.

Inventors:
OGURI KAZUYUKI (JP)
SEKIGAWA TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058856
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 14, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
OGURI KAZUYUKI (JP)
SEKIGAWA TAKAHIRO (JP)
International Classes:
B64D45/02; B64C1/00; H05F1/02
Foreign References:
US7050286B22006-05-23
JP2007005442A2007-01-11
JP2001093336A2001-04-06
US5845872A1998-12-08
US4755904A1988-07-05
US4681497A1987-07-21
US4630168A1986-12-16
US4502092A1985-02-26
US4630168A1986-12-16
US5845872A1998-12-08
Other References:
See also references of EP 2147855A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome, Nishi-ku, Yokohama-sh, Kanagawa 12, JP)
Download PDF:
Claims:
 繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品であって、
 少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように設置された絶縁性を有する絶縁体層と、
 少なくとも該絶縁体層を覆うように設置され、導電性を有する導電材を含有する第二の樹脂材料で形成された導電体層と、を備えている航空機組立品。
 前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成されている請求項1に記載された航空機組立品。
 前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成させられている請求項1または請求項2に記載された航空機組立品。
 前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料は同じ種類の樹脂である請求項2または請求項3に記載された航空機組立品。
 繊維で強化された第一の樹脂材料を主たる要素として構成された外板と、この外板を内側から支持する構造材と、これら外板と構造材とを結合するファスナとを備えている航空機組立品の製造方法であって、
 少なくとも前記ファスナの頭部を覆うように絶縁性を有する絶縁体層を設置し、
 導電性を有する導電材を含有する第二の樹脂材料で形成された導電体層を、少なくとも前記絶縁体層を覆うように設置する航空機組立品の製造方法。
 前記絶縁層は、絶縁性を有する第三の樹脂材料で形成される請求項5に記載された航空機組立品の製造方法。
 前記第二の樹脂材料および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化する程度の温度によって焼成される請求項5または請求項6に記載された航空機組立品の製造方法。
 前記第二の樹脂材料および前記第三の樹脂材料はそれぞれペースト状で塗布された後で、一体として焼成される請求項7に記載された航空機組立品の製造方法。
Description:
航空機組立品およびその製造方

 本発明は、航空機組立品およびその製造 法に関するものである。

 航空機の機体(外板)材料は、軽量で、高強 で、耐久性を備えているものが求められて り、近年繊維で強化された樹脂材料(複合材 )の使用が増加している。
 この複合材料としては、たとえば、炭素繊 をエポキシ樹脂などで固めた炭素繊維強化 脂(CFRP)、ガラス繊維をエポキシ樹脂などで めたガラス繊維強化樹脂(GFRP)がよく用いら ている。
 これらの複合材料は、金属に比べて落雷に する抵抗力が小さいという問題がある。ま 、外板を内部の構造材に取付けるファスナ 金属製(たとえば、チタン合金)であるため 落雷がファスナを通って内部で、たとえば 火花を発生する恐れがある。

 このため、外板に複合材料を用いる場合に 、耐雷性を考慮した構造とすること、特に ファスナに雷が通るのを防止する構造とす ことが求められている。
 このような、耐雷性の構造として、たとえ 、特許文献1および特許文献2に記載された のがある。
 特許文献1に示されるものは、ファスナの頭 部の外側端に絶縁性のキャップを装着してい るものであり、このようにファスナの構造を 工夫して雷の通過を防止するものは多く提案 されている。
 特許文献2に示されるものは、ファスナの頭 部の周囲に金属製のストラップ(導電層)を取 付け、頭部の上方に絶縁層を設置し、落雷 外板面に逃がすものである。

米国特許第4,630,168号明細書

米国特許第5,845,872号明細書

 特許文献1に示されたものは、ファスナの構 造が複雑となり、かつ、それに伴い多数ある ファスナの取り付けに時間を要するという問 題がある。
 また、外板の表面に絶縁性のキャップが位 することとなり、落雷による雷撃電流を外 の表面に沿って流そうとした場合、雷撃電 がこれら絶縁性のキャップを迂回して流れ ければならず、雷撃電流の流れが阻害され しまうといった問題がある。
 また、特許文献2に示されたものは、絶縁層 が塗装膜によって保持されているので、取付 強度が十分とは言えず、耐久性に問題がある 。そして、導電層とファスナとの絶縁を確実 にする必要がある。

 特許文献2には、ファスナを覆う絶縁層(ガ ス繊維)を設けるに当って、それを覆うよう 導電層(アルミニウム)を設けるものの記載 ある。
 しかしながら、ガラス繊維およびアルミニ ムを外板に強固に接着するのが難しいので 耐久性に問題がある。
 また、たとえば、溶射を用いると接着強度 増加するが、この場合には溶射による高熱 外板に加わるので、外板自体の強度が劣化 る恐れがあるという問題がある。

 本発明は、上記の事情に鑑みてなされた ので、耐久性が向上するとともに良好な耐 性を備え得る航空機組立品およびその製造 法を提供することを目的としている。

 本発明は、上記課題を解決するため、以下 手段を採用した。
 本発明の第一態様は、繊維で強化された第 の樹脂材料を主たる要素として構成された 板と、この外板を内側から支持する構造材 、これら外板と構造材とを結合するファス とを備えている航空機組立品であって、少 くとも前記ファスナの頭部を覆うように設 された絶縁性を有する絶縁体層と、少なく も該絶縁体層を覆うように設置され、導電 を有する導電材を含有する第三の樹脂材料 形成された導電体層と、を備えている航空 組立品を提供する。

 本態様によれば、外板および導電体層がそ ぞれ樹脂材料で形成されているので、相互 密着性を向上させることができる。これに り、最外層の導電体層が外板に強く保持さ るので、耐雷構造の耐久性を向上させるこ ができる。
 また、導電体層とファスナとの間には、絶 体層が配置されているので、仮に、導電体 に雷が直撃したとしても絶縁体層がファス 本体の方へ流れようとする雷撃電流を完全 遮断して、導電体層に雷撃電流を安全に逃 すことができる。そして、最外層に導電体 が備えられているので、雷撃電流を滑らか 流すことができる。
 なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に 設けるようにしてもよいし、その周辺を含め て覆うように設けるようにしてもよいし、複 数のファスナに対してそれらをまとめて覆う ように設置するようにしてもよい。複数のフ ァスナをまとめて覆うようにすると、施工が より簡単となる。
 なお、また、絶縁体層としては、たとえば 絶縁性を有する有機化合物あるいはセラミ クスとされることが望ましい。

 また、上記態様では、前記絶縁層は、絶縁 を有する第三の樹脂材料で形成されている 成が望ましい。
 このようにすると、絶縁層と、外板および 電体層との密着性が向上するので、耐雷構 の耐久性を一層向上させることができる。

 また、本態様では、前記第二の樹脂材料 よび/または前記第三の樹脂材料は熱硬化性 樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化す る程度の温度によって焼成させられている構 成が望ましい。

 このように第二の樹脂材料および/または 第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペー スト状で塗布され、硬化する程度の温度によ って焼成させられているので、施工時に外板 を構成する第一の樹脂に対して高熱が作用す ることはない。このため、第一の樹脂が熱に よって劣化することがないので、外板の強度 が劣化することを防止することができる。

 また、上記各構成では、前記第二の樹脂 料および前記第三の樹脂材料は同じ種類の 脂であることが望ましい。

 このように第二の樹脂材料および第三の樹 材料は同じ種類の樹脂であるので、相互に 染みやすくなり、密着性を一層向上させる とができる。
 なお、第一の樹脂材料の種類を合わせるよ にするとより密着性を向上させることがで る。

 本発明の第二態様は、繊維で強化された 一の樹脂材料を主たる要素として構成され 外板と、この外板を内側から支持する構造 と、これら外板と構造材とを結合するファ ナとを備えている航空機組立品の製造方法 あって、絶縁体層を、少なくとも前記ファ ナの頭部を覆うように設置し、導電性を有 る導電材を含有する第二の樹脂材料で形成 れた導電体層を、少なくとも前記絶縁体層 覆うように設置する航空機組立品の製造方 を提供する。

 本態様によれば、第一の樹脂材料で構成さ た外板を覆って第二の樹脂材料で形成され 導電体層が形成されるので、相互に密着し 耐雷構造を形成することができる。これに り、最外層の導電体層が外板に強く保持さ るので、耐雷構造の耐久性を向上させるこ ができる。
 また、この耐雷構造では、導電体層とファ ナとの間には、絶縁体層が配置されている で、仮に、導電体層に雷が直撃したとして 絶縁体層がファスナ本体の方へ流れようと る雷撃電流を完全に遮断して、導電体層に 撃電流を安全に逃がすことができる。そし 、最外層に導電体層が備えられているので 雷撃電流を滑らかに流すことができる。
 なお、絶縁体層は、1個のファスナの頭部に 設けるようにしてもよいし、その周辺を含め て覆うように設けるようにしてもよいし、複 数のファスナに対してそれらをまとめて覆う ように設置するようにしてもよい。複数のフ ァスナをまとめて覆うようにすると、施工が より簡単となる。

 また、上記態様では、前記絶縁層は、絶縁 を有する第三の樹脂材料で形成されている とが望ましい。
 このようにすると、絶縁層と、外板および 電体層との密着性が向上するので、耐雷構 の耐久性を一層向上させることができる。

 また、上記態様では、前記第二の樹脂材 および/または前記第三の樹脂材料は熱硬化 性樹脂であり、ペースト状で塗布され、硬化 する程度の温度によって焼成される構成が望 ましい。

 このように第二の樹脂材料および/または 第三の樹脂材料は熱硬化性樹脂であり、ペー スト状で塗布され、硬化する程度の温度によ って焼成させられているので、施工時に外板 を構成する第一の樹脂に対して高熱が作用す ることはない。このため、第一の樹脂が熱に よって劣化することがないので、外板の強度 が劣化することを防止することができる。

 また、上記構成では、前記第二の樹脂材 および前記第三の樹脂材料はそれぞれペー ト状で塗布された後で、一体として焼成さ ることが望ましい。

 このようにすると、焼成工程が1回で済む ので、その分製造時間が短縮できるし、製造 コストを安価にすることができる。

 本発明によれば、外板、絶縁体層および導 体層がそれぞれ樹脂材料で形成されている で、耐雷構造の耐久性を向上させることが きる。
 また、導電体層とファスナとの間には、絶 体層が配置されているので、仮に、導電体 に雷が直撃したとしても導電体層に雷撃電 を安全に逃がすことができる。

本発明の第一実施形態にかかる航空機 立品を示し、ファスナにより外板と構造材 が結合された状態を示す部分縦断面図であ 。 本発明の第二実施形態にかかる航空機 立品を示し、ファスナにより外板と構造材 が結合された状態を示す部分縦断面図であ 。

符号の説明

 1 航空機組立品
 2 耐雷構造
 3 ファスナ
 5 外板
 7 構造材
 9 本体
17 頭部
23 絶縁体層
25 導電体層

 以下に、本発明にかかる実施形態について 図面を参照して説明する。
〔第一実施形態〕
 以下、本発明による耐雷構造を備えた航空 組立品、たとえば、主翼、胴体の第一実施 態を、図1を参照しながら説明する。
 図1は、ファスナ3により外板5と構造材7とが 結合された状態を示す航空機組立品1の縦断 図である。
 航空機組立品(例えば、主翼組立品、尾翼組 立品、胴体組立品等)1は、図1に示すように外 板5と、構造材(例えば、リブ、ストリンガ等) 7とが、ファスナ3によって結合されて組み立 られる。

 外板5の本体9は、主として導電性(アルミニ ムの1/100~1/1000程度の導電性)を有する外板用 樹脂材料(第一の樹脂材料)で形成されている
 外板用樹脂材料は、たとえば、炭素繊維を ポキシ樹脂で固めた炭素繊維強化樹脂(CFRP) されている。
 本体9の内側面(組み立て後、内側に位置す 面)全体には、絶縁性を有する樹脂材料(たと えば、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固定した ガラス繊維強化樹脂(GFRP))で形成された内側 縁層11が形成されている。

 構造材7は、たとえば、アルミ合金やチタン 材、またはCFRPからなり、内側絶縁層11の内面 (組み立て後、内側に位置する面)上の所定位 に配置されている。
 内側絶縁層11の裏面上に構造材7が配置され 構造物の所定位置には、それぞれこれら外 5および構造材7を板厚方向に貫通するとと に、ファスナ3を受け入れることができる複 の孔13が掘設されている。

 ファスナ3は、たとえば、チタン(Ti-6Al-4V:ア ール材)やインコネル等の合金で一体に形成 されている。
 ファスナ3は、円柱形状の軸部(シャンク:Shan k)15、および軸部15の一端側に設けられ、軸部 15から遠ざかるにつれて拡径する略円錐台形 の頭部(フラッシュ・ヘッド:Flush Head)17が設 けられている。軸部15の頭部17に対して反対 には、後述するカラー(ナット)の雌ネジ部と 螺合する雄ネジ部19が形成されている。
 頭部17の最大外径は軸部15の外径の例えば2 程度以上の寸法となるように形成されてい 。

 ファスナ3は外板5および構造材7に設けられ 孔13に挿入される。この挿入状態で、雄ネ 部19は構造材7の内面から内側に突出し、た えば、チタンやインコネル等の合金を用い 作製されたカラー(ナット)21が締結される。
 また、雄ネジ部19にカラー21が締結された状 態で、頭部17の外端面は本体9の外側面と略面 一になるようになっている。

 この状態で、外板5およびファスナ3の外側 (組み立て後、外側に位置する面)には耐雷構 造2が形成される。
 耐雷構造2は、絶縁体層23と、導電体層25と 形成されている。
 絶縁体層23は、絶縁層用樹脂材料(第三の樹 材料)で形成されている。
 なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶 性を有する有機化合物あるいはセラミック で形成されるようにしてもよい。
 絶縁樹脂材料としては、熱硬化性で、絶縁 を有する樹脂、たとえば、フェノール樹脂 エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いら る。本実施形態ではフェノール樹脂が用い れている。
 絶縁体層23は、ファスナ3の頭部17およびそ 周辺を覆うように形成されている。
 絶縁体層23は、ファスナ3の1個毎に1層設け ようにしてもよいし、複数のファスナ3に対 て1層設けるようにしてもよい。

 絶縁体層23は、その厚さが、たとえば、1.0mm とされており、MIL-STD-1757A-Zone1の雷撃試験電 (約40kv)に対しても十分な絶縁耐力を有する うに構成されている。絶縁体層23としてフェ ノール樹脂を使用した場合、フェノール樹脂 の絶縁耐力は安全サイドで見積っても50kv/mm あるから、板厚1.0mmでMIL-STD-1757A-Zone1の雷撃 験電圧(約40kv)を受けたとしても十分な絶縁 力を有することとなる。
 なお、より絶縁性の高い樹脂材料、たとえ ポリイミド樹脂を用いれば、絶縁体層の厚 を薄くすることができ、ファスナ周囲の盛 上がりを少なくするとともに、重量も軽減 ることができる。

 導電体層25は、銅(導電材)の粉末を含有する 導電層用樹脂材料(第二の樹脂材料)で形成さ ている。
 導電層用樹脂材料としては、熱硬化性の樹 、たとえば、フェノール樹脂、エポキシ樹 、等が用いられる。本実施形態ではフェノ ル樹脂が用いられている。
 導電材としては、銅以外にも、銀、金、ア ミニウム等を用いてもよい。これらの20℃ おける抵抗値(単位:μω・cm)は、銅が1.70、銀 1.61、金が2.20、アルミニウムが2.74である。

 導電体層25は、絶縁体層23を覆い、外板5の 側面の略全域に亘り形成されている。なお 導電体層25は、絶縁体層23を覆うことは必要 あるが、外板5の外側面の略全域に亘り設け る必要はない。
 導電体層25は、絶縁体層23を覆う部分が、他 の部分に対して外側に突出するようになって いるが、絶縁体層23の厚さは、たとえば、0.2m m程度とされており、また、導電体層25の表面 には、最終的に塗装(ペイント)が施されるこ となるため、塗装後における外板5の表面は 略面一な状態となる。
 なお、要すれば、スプレー法等により絶縁 層を施工する際に、導電体層端部の厚さを 々に薄くすることにより、容易に段差の発 を防ぐこともできる。

 以上説明した航空機組立品1における耐雷構 造2は、以下の手順で製造される。
(1)外板5と構造体7とをファスナ3によって結合 し、航空機組立品1を組み立てる。(2)フェノ ル樹脂の粉末を溶媒と混合し、絶縁層用樹 材料のペーストを作成する。(3)絶縁層用樹 材料のペーストを、外板5におけるファスナ3 の頭部17およびその周辺を覆う所定位置に塗 する。

(4)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒 と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作 成する。
(5)導電層用樹脂材料のペーストを、絶縁層用 樹脂材料のペーストを覆い、外板5の略全域 亘り塗布する。
(6)フェノール樹脂が硬化する温度で塗布した ペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化さ せる。この焼成温度は、航空機組立品1に悪 響を及ぼさない程度の温度、たとえば、80℃ 以下、好ましくは60℃程度とされる。

 なお、本実施形態では、絶縁層用樹脂材料 ペーストおよび導電層用樹脂材料のペース を塗布した後で、それらを同時に焼成する うにしているが、たとえば、焼成条件が異 る等で一緒に行なえない場合等では、絶縁 層23の焼成と、導電体層25の焼成とを別個に 行ってもよい。
 本実施形態のように、絶縁層用樹脂材料の ーストおよび導電層用樹脂材料のペースト 焼成を同時に行うようにすれば、焼成工程 1回減るので、その分製造時間が短縮できる し、製造コストを安価にすることができる。

 このようにして製造された航空機組立品1で は、外板5の本体9、絶縁体層23および導電体 25がそれぞれ樹脂材料で形成されているので 、相互の密着性を向上させることができる。 これにより、耐雷構造2の耐久性を向上させ ことができる。
 また、絶縁層用樹脂材料および導電層用樹 材料はともにフェノール樹脂なので、相互 馴染みやすくなり、密着性を一層向上させ ことができる。
 絶縁層用樹脂材料および導電層用樹脂材料 エポキシ樹脂とすれば、外板5の本体9と絶 体層23および導電体層25との密着性を向上さ ることができるので、密着性を一層向上さ ることができる。

 また、導電体層25とファスナ3の頭部17との には、絶縁体層23が配置されているので、仮 に、導電体層25に雷が直撃したとしても絶縁 層23がファスナ3の方へ流れようとする雷撃 流を完全に遮断して、導電体層25に雷撃電 を安全に逃がすことができる。
 そして、最外層に導電体層25が連続的に設 られているので、導電体層25に沿って雷撃電 流を滑らかに流すことができる。

 絶縁層用樹脂材料のペーストおよび導電 用樹脂材料のペーストは、航空機組立品1に 悪影響を及ぼさない程度の温度、たとえば、 80℃以下、好ましくは60℃程度によって焼成 せられているので、焼成時に外板5の本体9を 構成する外板樹脂材料に対して高熱が作用す ることはない。このため、外板樹脂材料が熱 によって劣化することがないので、外板5の 度が劣化することを防止することができる

〔第二実施形態〕
 次に、本発明の第二実施形態に係る航空機 立品1について、図2を用いて説明する。
 本実施形態は、基本的な構成は第一実施形 のものと同じで、絶縁体層23の構成が異な だけであるので、ここではこの異なる部分 ついて主として説明し、前述した第一実施 態と同じ部分については重複した説明を省 する。
 なお、第一実施形態と同じ部材には同じ符 を付している。

 本実施形態では、絶縁体層23は、その外径 頭部17の外径と略同じ寸法となるように形成 された円盤状の部材であり、たとえば、ガラ ス繊維をエポキシ樹脂などで固めたガラス繊 維強化樹脂(GFRP)を用いて作成されている。
 絶縁体層23は、硬化する前(プリプレグ状態) のガラス布を積層して、エポキシ樹脂を用い て含浸させた後、加熱硬化させて作成する。
 絶縁体層23は、その板厚が、たとえば、1.0mm とされており、MIL-STD-1757A-Zone1の雷撃試験電 (約40kv)に対しても十分な絶縁耐力を有する うに構成されている。絶縁体層23としてGFRP 使用した場合、GFRPの絶縁耐力は安全サイド 見積っても40kV/mmであるから、板厚1.0mmでMIL- STD-1757A-Zone1の雷撃試験電圧(約40kv)を受けたと しても十分な絶縁耐力を有することとなる。
 なお、絶縁体層23としては、たとえば、絶 性を有する有機化合物あるいはセラミック で形成されるようにしてもよい。

 以上説明した航空機組立品1における耐雷構 造2は、以下の手順で製造される。
(1)ファスナ3の頭部17に絶縁体層23を取付ける すなわち、ファスナ3の頭部17の一端面(表面 )に投射材粒子(たとえば、金属、セラミック 、ガラス等の硬質粒子で、平均粒径が200μm 下のもの(より好ましくは10μm以上100μm以下 もの))を投射して、頭部17の表面を粗面化さ せるための前処理を行う(このような処理は 般に「ショットブラスト」とも呼ばれる)。 お、ショットブラストの代わりに、サンド ーパー等を用いて頭部17の表面を粗面化さ ることもできる。
 頭部17の一端面上に接着剤(エポキシ系接着 (たとえば、Hysoi-Dexter社製のエポキシ系接着 剤EA9396))を塗布した後、その上に絶縁体層23 載せ、接着剤を硬化させることにより絶縁 層23を頭部17に固定する。
 絶縁体層23としては、主に樹脂系の材料を いるが、より絶縁性の高い樹脂材料、たと ばポリイミド樹脂を用いれば、ファスナ3の 部17に接着する絶縁体層23の厚さを薄くする ことができ、ファスナ穴の深さを浅くするこ とが可能となる。
(2)外板5と構造体7とを絶縁体層23をファスナ3 よって結合し、航空機組立品1を組み立てる 。
(3)銅粉末およびフェノール樹脂の粉末を溶媒 と混合し、導電層用樹脂材料のペーストを作 成する。
(4)導電層用樹脂材料のペーストを、ファスナ 3部分を含めた外板5の略全域に亘り塗布する
(5)フェノール樹脂が硬化する温度、で塗布し たペーストを焼成し、フェノール樹脂を硬化 させる。

 このようにして製造された航空機組立品1で は、外板5の本体9、絶縁体層23および導電体 25がそれぞれ樹脂材料で形成されているので 、相互の密着性を向上させることができる。 これにより、耐雷構造2の耐久性を向上させ ことができる。
 また、導電体層25とファスナ3の頭部17との には、絶縁体層23が配置されているので、仮 に、導電体層25に雷が直撃したとしても絶縁 層23がファスナ3の方へ流れようとする雷撃 流を完全に遮断して、導電体層25に雷撃電 を安全に逃がすことができる。
 そして、最外層に導電体層25が連続的に設 られているので、導電体層25に沿って雷撃電 流を滑らかに流すことができる。

 なお、本発明は上記各実施形態に限定さ るものではなく、本発明の要旨を逸脱しな 範囲内において適宜変更することができる