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Title:
ANTHRACENE DERIVATIVE AND ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143229
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an anthracene derivative having a specific structure wherein a benzofuran or benzothiophene is bonded to anthracene through an arylene group. Also disclosed are a material for organic electroluminescent devices and a light-emitting material for organic electroluminescent devices, each containing the anthracene derivative. Further disclosed is an organic electroluminescent device having an organic thin film composed of one or more layers including at least a light-emitting layer and interposed between a cathode and an anode, wherein at least one layer of the organic thin film contains the anthracene derivative by itself or as a component of a mixture. This organic electroluminescent device is capable of producing light emission having high luminous efficiency and long life. The novel anthracene derivative enables to realize such an organic electroluminescent device.

Inventors:
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
OBIKAWA TAKASHI (JP)
MATSUNAMI SHIGEYUKI (JP)
TAKADA ICHINORI (JP)
KIJIMA YASUNORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059172
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
SONY CORP (JP)
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
OBIKAWA TAKASHI (JP)
MATSUNAMI SHIGEYUKI (JP)
TAKADA ICHINORI (JP)
KIJIMA YASUNORI (JP)
International Classes:
C07D307/91; C07D307/79; C07D333/76; C09K11/06; H01L51/50
Domestic Patent References:
WO2005054162A12005-06-16
WO2005113531A12005-12-01
WO2002038524A12002-05-16
WO2005054162A12005-06-16
WO2005061656A12005-07-07
WO2004018587A12004-03-04
WO2004053018A12004-06-24
WO2005113531A12005-12-01
Foreign References:
JP2007063501A2007-03-15
JP2000192028A2000-07-11
JP2007238500A2007-09-20
JP2004002351A2004-01-08
US20050089717A12005-04-28
US7056601B22006-06-06
JP2005314239A2005-11-10
JP2007063501A2007-03-15
Other References:
C. W. TANG; S. A. VANSLYKE, APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 51, 1987, pages 913
See also references of EP 2163550A4
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu (Bridgestone Toranomon Bldg.6F. 25-2, Toranomon 3-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表されるアントラセン誘導体。
[式中、R 1 ~R 10 は水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数1~12の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数5~60の芳香族複素環基を表し、R 1 ~R 10 のうち少なくとも一つが下記一般式(a)又は(a')で表される芳香族複素環誘導体である。
(式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリーレン基を表し、R 15 ~R 20 は水素原子又は置換基を表す。ただし、L 1 はアントリレン基を除く。Xは、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。)]
下記一般式(2)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
(式中、Lは置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフチレン基、置換もしくは無置換のフェナントリレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基、置換もしくは無置換のビフェニレン基を示す。Ra~Rcは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のアリール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数、rは1から7の整数を示す。)
下記一般式(3)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のアリール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数、rは1から7の整数、sは1から4の整数を示す。)
下記一般式(4)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のアリール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数、rは1から7の整数、sは1から6の整数を示す。)
下記一般式(5)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
(式中、Ra~Reは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のアリール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数、rは1から7の整数、sは1から6の整数,uは1から4の整数を示す。)
下記一般式(6)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のアリール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数、rは1から7の整数、sは1から8の整数を示す。)
 下記一般式(7)で表される請求項1に記載のアントラセン誘導体。
[式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリーレン基を表す。ただし、L 1 はアントリレン基を除く。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環を形成してもよい。R 31 ~R 37 、R 51 ~R 58 は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数7~20のアラルキル基、炭素数6~20のアリールオキシ基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数1~20のアルキルシリル基、核炭素数6~30のアリールシリル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数8~20のビニル基、核炭素数6~20のアリール基を表す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。]
 前記Xが酸素原子であることを特徴とする請求項1記載のアントラセン誘導体。
 請求項1記載のアントラセン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
 請求項1記載のアントラセン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料。
 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、該有機薄膜層の少なくとも一層が、請求項1記載のアントラセン誘導体を単独もしくは混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記発光層が、前記アントラセン誘導体を発光材料として含有する請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記発光層が、前記アントラセン誘導体をホスト材料として含有する請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記発光層が、さらに蛍光性又はりん光性のドーパントを含有する請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記蛍光性のドーパントが、アリールアミン化合物及び/又はアリールジアミン化合物である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記蛍光性のドーパントが、スチリルアミン化合物及び/又はスチリルジアミン化合物である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記蛍光性のドーパントが、芳香族アミン化合物及び/又は芳香族ジアミン化合物である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記蛍光性のドーパントが、縮合多環芳香族化合物(アミン化合物を除く)である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記りん光性のドーパントが、金属錯体化合物である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Description:
アントラセン誘導体及びそれを 用した有機エレクトロルミネッセンス素子

 本発明は、アントラセン誘導体及びそれ 利用した有機エレクトロルミネッセンス(EL) 素子に関し、特に、発光効率が高く、長寿命 な発光が得られる有機EL素子及びそれを実現 るアントラセン誘導体に関するものである

 有機EL素子は、電界を印加することにより 陽極より注入された正孔と陰極より注入さ た電子の再結合エネルギーにより蛍光性物 が発光する原理を利用した自発光素子であ 。イーストマン・コダック社のC.W.Tang等によ る積層型素子による低電圧駆動有機EL素子の 告(C. W. Tang, S. A. Vanslyke, アプライドフ ジックスレターズ(Applied Physics Letters),51巻 913頁、1987年等)がなされて以来、有
機材料を構成材料とする有機EL素子に関する 究が盛んに行われている。Tang等は、トリス (8-ヒドロキシキノリノールアルミニウム)を 光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正 輸送層に用いている。積層構造の利点とし は、発光層への正孔の注入効率を高めるこ 、陰極より注入された電子をブロックして 結合により生成する励起子の生成効率を高 ること、発光層内で生成した励起子を閉じ めること等が挙げられる。この例のように 機EL素子の素子構造としては、正孔輸送(注 )層、電子輸送性発光層の二層型、又は正孔 送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3 型等がよく知られている。こうした積層型 造素子では注入された正孔と電子の再結合 率を高めるため、素子構造や形成方法の工 がなされている。
 また、発光材料としてはトリス(8-キノリノ ート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、 クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン 誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オ キサジアゾール誘導体等の発光材料が知られ ており、それからは青色から赤色までの可視 領域の発光が得られることが報告されており 、カラー表示素子の実現が期待されている。

 また、最近では、燐光性化合物を発光材料 して用い、三重項状態のエネルギーをEL発 に用いる検討が多くなされている。例えば プリンストン大学のグループにより、イリ ウム錯体を発光材料として用いた有機EL素子 が、高い発光効率を示すことが報告されてい る。さらに、このような低分子材料を用いた 有機EL素子の他にも、共役系高分子を用いた 機EL素子が、ケンブリッジ大学のグループ より報告されている。この報告ではポリフ ニレンビニレン(PPV)を塗工系で成膜すること により、単層で発光を確認している。
 このように有機EL素子における最近の進歩 著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、 光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量 発光デバイス化が可能であることから、広 な用途への可能性を示唆している。
 有機発光素子における著しい進歩に伴い、 光材料に対する要求性能も高まっており、 えば、特許文献1~6には、アントラセン誘導 が開示されている。また、特許文献7~10には 、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンおよ びカルバゾール誘導体を含有するアントラセ ン誘導体が開示されている。これらの材料系 では、性能向上が認められるが、依然、発光 効率が低いなど問題点があり、さらなる高輝 度の光出力あるいは高変換効率が必要とされ る発光材料に対する要求特性を満たすには至 っていない。また、長時間の使用による経時 変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気などによ る劣化等の耐久性や、フルカラーディスプレ イ等への応用を考慮した高効率な青色発光へ の要求に対してまだ十分な有機EL素子用材料 特に発光材料は見出されていない。

US2005/0089717号公報

US7056601号

WO02/038524号公報

WO2005/054162号公報

WO2005/061656号公報

WO2004/018587号公報

WO04/053018号公報

特開2005-314239号公報

特開2007-063501号公報

WO2005/113531号公報

 本発明は、前記の課題を解決するために されたもので、発光効率が高く、長寿命な 光が得られる有機EL素子及びそれを実現す 新規なアントラセン誘導体を提供すること 目的とする。

 本発明者らは、前記目的を達成するため 鋭意研究を重ねた結果、ベンゾフラン又は ンゾチオフェンがアリーレン基を介してア トラセンに結合した下記一般式(1)で表され アントラセン誘導体を有機EL素子用材料と て用いることで前記の目的を達成すること 見出し本発明を完成したものである。

 すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表さ るアントラセン誘導体を提供するものであ 。

[式中、R 1 ~R 10 は水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数 1~12の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置 の核炭素数6~60のアリール基、又は置換もし は無置換の核炭素数5~60の芳香族複素環基を 表し、R 1 ~R 10 のうち少なくとも一つが下記一般式(a)又は(a' )で表される芳香族複素環誘導体である。

(式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリ レン基を表し、R 15 ~R 20 は水素原子又は置換基を表す。ただし、L 1 はアントリレン基を除く。Xは、酸素原子(O) は硫黄原子(S)を示す。)]

 また、本発明は、前記アントラセン誘導 を含む有機EL素子用材料及び有機EL素子用発 光材料、並びに、陰極と陽極間に少なくとも 発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄 膜層が挟持されている有機EL素子であって、 有機薄膜層の少なくとも一層が、前記アン ラセン誘導体を単独もしくは混合物の成分 して含有する有機EL素子を提供するもので る。

 本発明のアントラセン誘導体を有機EL素 用材料として用いた有機EL素子は、発光効率 が高く、長寿命である。

 本発明のアントラセン誘導体は、下記一般 (1)で表される。

[式中、R 1 ~R 10 は水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数 1~12の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置 の核炭素数6~60のアリール基、又は置換もし は無置換の核炭素数5~60の芳香族複素環基を 表し、R 1 ~R 10 のうち少なくとも一つが下記一般式(a)又は(a' )で表される芳香族複素環誘導体である。

(式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリ レン基を表し、R 15 ~R 20 は水素原子又は置換基を表す。ただし、L 1 はアントリレン基を除く。Xは、酸素原子(O) は硫黄原子(S)を示す。)]

 一般式(1)においてR 1 ~R 10 で表される核炭素数1~12の脂肪族炭化水素基 して、メチル基、n-プロピル基、イソプロピ ル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル 、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン ル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘ チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基 ビニル基、2-ブテニル基、3-ペンテニル基、 チニル基、プロパルギル基、3-ペンチニル 等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~6で り、さらに好ましくは、メチル基、プロピ 基、t-ブチル基、シクロヘキシル基である。

 また、R 1 ~R 10 で表される核炭素数6~60のアリール基として 、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基 1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、 3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9- フェナントリル基、1-ナフタセニル基、2-ナ タセニル基、9-ナフタセニル基、1-ピレニル 、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-ビフェニ イル基、3-ビフェニルイル基、4-ビフェニル イル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフ ニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m- ーフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イ 基、m-ターフェニル-2-イル基、o-トリル基、m -トリル基、p-トリル基、p-t-ブチルフェニル 、p-(2-フェニルプロピル)フェニル基、3-メチ ル-2-ナフチル基、4-メチル-1-ナフチル基、4- チル-1-アントリル基、4’-メチルビフェニル イル基、4”-t-ブチル-p-ターフェニル-4-イル 、フルオレニル基等が挙げられる。
 好ましくは、核炭素数6~14であり、さらに好 ましくは、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナ チル基、9-フェナントリル基、2-ビフェニル ル基、3-ビフェニルイル基、4-ビフェニルイ ル基である。

 また、R 1 ~R 10 で表される核炭素数5~60の芳香族複素環基と ては、1-ピロリル基、2-ピロリル基、3-ピロ ル基、ピラジニル基、2-ピリジニル基、3-ピ ジニル基、4-ピリジニル基、1-インドリル基 、2-インドリル基、3-インドリル基、4-インド リル基、5-インドリル基、6-インドリル基、7- インドリル基、1-イソインドリル基、2-イソ ンドリル基、3-イソインドリル基、4-イソイ ドリル基、5-イソインドリル基、6-イソイン ドリル基、7-イソインドリル基、2-フリル基 3-フリル基、2-ベンゾフラニル基、3-ベンゾ ラニル基、4-ベンゾフラニル基、5-ベンゾフ ニル基、6-ベンゾフラニル基、7-ベンゾフラ ニル基、1-イソベンゾフラニル基、3-イソベ ゾフラニル基、4-イソベンゾフラニル基、5- ソベンゾフラニル基、6-イソベンゾフラニ 基、7-イソベンゾフラニル基、2-キノリル基 3-キノリル基、4-キノリル基、5-キノリル基 6-キノリル基、7-キノリル基、8-キノリル基 1-イソキノリル基、3-イソキノリル基、4-イ キノリル基、5-イソキノリル基、6-イソキノ リル基、7-イソキノリル基、8-イソキノリル 、2-キノキサリニル基、5-キノキサリニル基 6-キノキサリニル基、1-カルバゾリル基、2- ルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバ ゾリル基、9-カルバゾリル基、1-フェナンス ジニル基、2-フェナンスリジニル基、3-フェ ンスリジニル基、4-フェナンスリジニル基 6-フェナンスリジニル基、7-フェナンスリジ ル基、8-フェナンスリジニル基、9-フェナン スリジニル基、10-フェナンスリジニル基、1- クリジニル基、2-アクリジニル基、3-アクリ ジニル基、4-アクリジニル基、9-アクリジニ 基、1,7-フェナンスロリン-2-イル基、1,7-フェ ナンスロリン-3-イル基、1,7-フェナンスロリ -4-イル基、1,7-フェナンスロリン-5-イル基、1 ,7-フェナンスロリン-6-イル基、1,7-フェナン ロリン-8-イル基、1,7-フェナンスロリン-9-イ 基、1,7-フェナンスロリン-10-イル基、1,8-フ ナンスロリン-2-イル基、1,8-フェナンスロリ ン-3-イル基、1,8-フェナンスロリン-4-イル基 1,8-フェナンスロリン-5-イル基、1,8-フェナン スロリン-6-イル基、1,8-フェナンスロリン-7- ル基、1,8-フェナンスロリン-9-イル基、1,8-フ ェナンスロリン-10-イル基、1,9-フェナンスロ ン-2-イル基、1,9-フェナンスロリン-3-イル基 、1,9-フェナンスロリン-4-イル基、1,9-フェナ スロリン-5-イル基、1,9-フェナンスロリン-6- イル基、1,9-フェナンスロリン-7-イル基、1,9- ェナンスロリン-8-イル基、1,9-フェナンスロ リン-10-イル基、1,10-フェナンスロリン-2-イル 基、1,10-フェナンスロリン-3-イル基、1,10-フ ナンスロリン-4-イル基、1,10-フェナンスロリ ン-5-イル基、2,9-フェナンスロリン-1-イル基 2,9-フェナンスロリン-3-イル基、2,9-フェナン スロリン-4-イル基、2,9-フェナンスロリン-5- ル基、2,9-フェナンスロリン-6-イル基、2,9-フ ェナンスロリン-7-イル基、2,9-フェナンスロ ン-8-イル基、2,9-フェナンスロリン-10-イル基 、2,8-フェナンスロリン-1-イル基、2,8-フェナ スロリン-3-イル基、2,8-フェナンスロリン-4- イル基、2,8-フェナンスロリン-5-イル基、2,8- ェナンスロリン-6-イル基、2,8-フェナンスロ リン-7-イル基、2,8-フェナンスロリン-9-イル 、2,8-フェナンスロリン-10-イル基、2,7-フェ ンスロリン-1-イル基、2,7-フェナンスロリン- 3-イル基、2,7-フェナンスロリン-4-イル基、2,7 -フェナンスロリン-5-イル基、2,7-フェナンス リン-6-イル基、2,7-フェナンスロリン-8-イル 基、2,7-フェナンスロリン-9-イル基、2,7-フェ ンスロリン-10-イル基、1-フェナジニル基、2 -フェナジニル基、1-フェノチアジニル基、2- ェノチアジニル基、3-フェノチアジニル基 4-フェノチアジニル基、10-フェノチアジニル 基、1-フェノキサジニル基、2-フェノキサジ ル基、3-フェノキサジニル基、4-フェノキサ ニル基、10-フェノキサジニル基、2-オキサ リル基、4-オキサゾリル基、5-オキサゾリル 、2-オキサジアゾリル基、5-オキサジアゾリ ル基、3-フラザニル基、2-チエニル基、3-チエ ニル基、2-メチルピロール-1-イル基、2-メチ ピロール-3-イル基、2-メチルピロール-4-イル 基、2-メチルピロール-5-イル基、3-メチルピ ール-1-イル基、3-メチルピロール-2-イル基、 3-メチルピロール-4-イル基、3-メチルピロー -5-イル基、2-t-ブチルピロール-4-イル基、3-(2 -フェニルプロピル)ピロール-1-イル基、2-メ ル-1-インドリル基、4-メチル-1-インドリル基 、2-メチル-3-インドリル基、4-メチル-3-イン リル基、2-t-ブチル1-インドリル基、4-t-ブチ 1-インドリル基、2-t-ブチル3-インドリル基 4-t-ブチル3-インドリル基が挙げられる。
 好ましくは、2-ピリジニル基、3-ピリジニル 基、4-ピリジニル基、2-キノリル基、3-キノリ ル基、4-キノリル基、5-キノリル基、6-キノリ ル基、7-キノリル基、8-キノリル基である。

 一般式(a)又は(a')においてL 1 で表される核炭素数6~30のアリーレン基とし 、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフ ニレン基、クォーターフェニレン基、ナフ レン基、フェナントリレン基、クリセニレ 基、ピレニレン基、ペリレニレン基、フル レニレン基等が挙げられる。好ましくは、 炭素数6~18であり、より好ましくは、フェニ ン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基 フルオレニレン基、ナフチレン基、クリセ レン基であり、さらに好ましくは、フェニ ン基、ビフェニレン基、ナフチレン基であ 。

 前記R 1 ~R 10 における置換基及びL 1 における置換基、又はR 15 ~R 20 で表される置換基として、アリール基(好ま くは核炭素数6~30、より好ましくは核炭素数6 ~15であり、例えばフェニル基、ナフチル基、 フェナントリル基、9,9-ジメチルフルオレン-2 -イル基等が挙げられる。)、アルキル基(好ま しくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12 特に好ましくは炭素数1~8であり、例えばメ ル、エチル、iso-プロピル、tert-ブチル、n- クチル、n-デシル、n-ヘキサデシル、シクロ ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル が挙げられる。)、アルキルシリル基(好ま くは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~10で あり、例えばトリメチルシリル基、トリエチ ルシリル基等が挙げられる。)、アリールシ ル基(好ましくは核炭素数6~50、より好ましく は核炭素数6~30であり、例えばトリフェニル リル基、トリナフチルシリル基等が挙げら る。)アルケニル基(好ましくは炭素数2~20、 り好ましくは炭素数2~12、特に好ましくは炭 数2~8であり、例えばビニル、アリル、2-ブ ニル、3-ペンテニル等が挙げられる。)、ア キニル基(好ましくは炭素数2~20、より好まし くは炭素数2~12、特に好ましくは炭素数2~8で り、例えばプロパルギル、3-ペンチニル等が 挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0 ~20、より好ましくは炭素数0~12、特に好まし は炭素数0~6であり、例えばアミノ、メチル ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、 フェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙 られる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数 1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に好まし は炭素数1~8であり、例えばメトキシ、エト シ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリール オキシ基(好ましくは炭素数6~20、より好まし は炭素数6~16、特に好ましくは炭素数6~12で り、例えばフェニルオキシ、2-ナフチルオキ シ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは 素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特に ましくは炭素数1~12であり、例えばアセチル ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙 られる。)、アルコキシカルボニル基(好ま くは炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~16、 特に好ましくは炭素数2~12であり、例えばメ キシカルボニル、エトキシカルボニル等が げられる。)、アリールオキシカルボニル基( 好ましくは炭素数7~20、より好ましくは炭素 7~16、特に好ましくは炭素数7~10であり、例え ばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられ る。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2~20 、より好ましくは炭素数2~16、特に好ましく 炭素数2~10であり、例えばアセトキシ、ベン イルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミ ノ基(好ましくは炭素数2~20、より好ましくは 素数2~16、特に好ましくは炭素数2~10であり 例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ が挙げられる。)、アルコキシカルボニルア ノ基(好ましくは炭素数2~20、より好ましく 炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2~12であり 、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げ られる。)、アリールオキシカルボニルアミ 基(好ましくは炭素数7~20、より好ましくは炭 素数7~16、特に好ましくは炭素数7~12であり、 えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が げられる。)、スルホニルアミノ基(好まし は炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特 に好ましくは炭素数1~12であり、例えばメタ スルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルア ノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好 ましくは炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~ 16、特に好ましくは炭素数0~12であり、例えば スルファモイル、メチルスルファモイル、ジ メチルスルファモイル、フェニルスルファモ イル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好 しくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~1 6、特に好ましくは炭素数1~12であり、例えば ルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチ カルバモイル、フェニルカルバモイル等が げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは 素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特に好 ましくは炭素数1~12であり、例えばメチルチ 、エチルチオ等が挙げられる。)、アリール オ基(好ましくは炭素数6~20、より好ましく 炭素数6~16、特に好ましくは炭素数6~12であり 、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、 ルホニル基(好ましくは炭素数1~20、より好ま しくは炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12 あり、例えばメシル、トシル等が挙げられ 。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1~20 より好ましくは炭素数1~16、特に好ましくは 炭素数1~12であり、例えばメタンスルフィニ 、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。) ウレイド基(好ましくは炭素数1~20、より好 しくは炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12 であり、例えばウレイド、メチルウレイド、 フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン アミド基(好ましくは炭素数1~20、より好まし くは炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12で り、例えばジエチルリン酸アミド、フェニ リン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキ シ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えば ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原 )、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、 トロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基 ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ま しくは炭素数1~30、より好ましくは炭素数1~12 あり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原 、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具 的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キ リル、フリル、チエニル、ピペリジル、モ ホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミ ゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭 数3~40、より好ましくは炭素数3~30、特に好ま しくは炭素数3~24であり、例えばトリメチル リル、トリフェニルシリル等が挙げられる )等が挙げられる。
 これらの置換基は更に置換されても良い。 た置換基が二つ以上ある場合は、同一でも なっていても良い。また、可能な場合には いに連結して環を形成していても良い。
これらの置換基の中でもアリール基、アルキ ル基、アルキルシリル基、アリールシリル基 、アルケニル基、アルキニル基であることが 好ましく、より好ましくは、アリール基、ア ルキル基、アルキルシリル基、アリールシリ ル基である。

 本発明のアントラセン誘導体は、下記一 式(2)~(7)で表される構造であると好ましい。 中でも一般式(2)~(6)で表されるアントラセン 導体が好ましい。さらには、一般式(3)又は(5 )で表されるアントラセン誘導体が好ましい

 (2)下記一般式(2)で表されるアントラセン誘 体。

(式中、Lは置換もしくは無置換のフェニレン 、置換もしくは無置換のナフチレン基、置 もしくは無置換のフェナントリレン基、置 もしくは無置換のフルオレニレン基、置換 しくは無置換のビフェニレン基を示す。Ra~R cは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のア ール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子( S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数 rは1から7の整数を示す。)
 Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基のうち炭素数が適合する例が挙 げられ、Lにおける置換基、Ra~Rcで表される置 換基、Ar 1 の置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基及びL 1 における置換基、又はR 15 ~R 20 で表される置換基と同様の例が挙げられる。

(3)下記一般式(3)で表されるアントラセン誘導 体。

(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のア ール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子( S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数 rは1から7の整数、sは1から4の整数を示す。)
 Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基の例のうち炭素数が適合する例 が挙げられ、Lにおける置換基、Ra~Rdで表され る置換基、Ar 1 の置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 好ましくは、以下の(3)-1~(3)-3のアントラセ 誘導体である。
(3)-1において、tは1から5の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(3)-2において、tは1から7の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(3)-3において、tは1から9の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(4)下記一般式(4)で表されるアントラセン誘導 体。

(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のア ール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子( S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数 rは1から7の整数、sは1から6の整数を示す。)
 Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基の例のうち炭素数が適合する例 が挙げられ、Ra~Rdで表される置換基、Ar 1 の置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 好ましくは、以下の(4)-1~(4)-3のアントラセ 誘導体である。
(4)-1において、tは1から5の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(4)-2において、tは1から7の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(4)-3において、tは1から9の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(5)下記一般式(5)で表されるアントラセン誘導 体。

(式中、Ra~Reは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のア ール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子( S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数 rは1から7の整数、sは1から6の整数、uは1か 4の整数を示す。) 
 Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基の例のうち炭素数が適合する例 が挙げられ、Ra~Rdで表される置換基、Ar 1 の置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 好ましくは、以下の(5)-1~(5)-3のアントラセ 誘導体である。
(5)-1において、tは1から5の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(5)-2において、tは1から7の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。
(5)-3において、tは1から9の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(6)下記一般式(6)で表されるアントラセン誘導 体。

(式中、Ra~Rdは水素原子、置換基を示す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~20のア ール基を示す。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子( S)を示す。pは1から4の整数、qは1から8の整数 rは1から7の整数、sは1から8の整数を示す。)
 Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基の例のうち炭素数が適合する例 が挙げられ、Ra~Rdで表される置換基、Ar 1 の置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 好ましくは、以下の(6)-1~(6)-3のアントラセ 誘導体である。
(6)-1において、tは1から5の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(6)-2において、tは1から7の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(6)-3において、tは1から9の整数を示す。ReはRa ~Rdと同様である。

(7) 下記一般式(7)で表されるアントラセン誘 体。

[式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリ レン基を表す。ただし、L 1 はアントリレン基を除く。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。R 31 ~R 37 、R 51 ~R 58 は、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基、 素数1~10のアルコキシ基、炭素数7~20のアラル キル基、炭素数6~20のアリールオキシ基、炭 数2~20のアルキニル基、炭素数1~20のアルキル シリル基、核炭素数6~30のアリールシリル基 炭素数2~20のアルケニル基、炭素数8~20のビニ ル基、核炭素数6~20のアリール基を表す。Xは 素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。]
 L 1 及びR 11 ~R 18 の具体例は、一般式(1)のL 1 及びR 15 ~R 20 と同様であり、R 31 ~R 37 、R 51 ~R 58 の具体例としては、一般式(1)のR 1 ~R 10 及びその置換基で説明したものが挙げられ、 L 1 における置換基、R 31 ~R 37 、R 51 ~R 58 における置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 本発明のアントラセン誘導体は、また下記 般式(8)~(12)で表されるアントラセン誘導体 好ましい。
(8) 一般式(8)で表されるアントラセン誘導体

 一般式(8)において、R 1 ~R 10 は水素原子、置換もしくは無置換の核炭素数 1~12の脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置 の核炭素数6~60のアリール基、又は置換もし は無置換の核炭素数5~60の芳香族複素環基を 表し、R 1 ~R 10 のうち少なくとも一つが下記一般式(a)又は(a' )で表される芳香族複素環誘導体である。
(式中、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリ レン基を表し(ただしL 1 はアントリレン基を除く)、R 15 ~R 20 は水素原子又は置換基を表す。R 15 ~R 20 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい(ただし、一般式(a)におい R 19 とR 20 が不飽和の環を形成する場合は除く、Xは、 素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。)
 R 1 ~R 10 、L 1 及びR 15 ~R 20 の具体例、それらの置換基としては、前記一 般式(1)のところで記したものが該当する。

(9)下記一般式(9)で表されるアントラセン誘導 体。

 一般式(9)において、R 51 ~R 58 は水素原子又は置換もしくは無置換の核炭素 数1~12の脂肪族炭化水素基を表す。Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のア ール基(ただし、アルキル基による1置換フェ ニル基、1-ナフチル基を除く)を表し、Ar 2 は下記一般式(b)で示される。

 一般式(b)において、L 1 はフェニレン基であり、Xは酸素原子(O)又は 黄原子(S)を示す。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。
 L 1 、R 11 ~R 18 の具体例は、一般式(1)のL 1 及びR 15 ~R 20 と同様であり、R 51 ~R 58 の具体例は、一般式(1)のR 1 ~R 10 と同様であり、Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基と同様の例が挙げられ、R 11 ~R 18 、R 51 ~R 58 における置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

(10)下記一般式(10)で表されるアントラセン誘 体。

 一般式(10)において、R 51 ~R 58 は水素原子又は置換もしくは無置換の核炭素 数1~12の脂肪族炭化水素基を表す。
 Ar 1 は、無置換の核炭素数6~60のアリール基又は 換の核炭素数6~60のアリール基(ただし、アル キル基による1置換フェニル基又はジベンゾ ラニル基による1置換ナフチル基、1-ナフチ 基を除く)を表し、Ar 2 は下記一般式(c)で示される。

 一般式(c)において、L 1 はナフチレン基であり、Xは酸素原子(O)又は 黄原子(S)を示す。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。
 R 11 ~R 18 の具体例は、一般式(1)のR 15 ~R 20 と同様であり、R 51 ~R 58 の具体例は、一般式(1)のR 1 ~R 10 と同様であり、Ar 1 のアリール基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 のアリール基と同様の例が挙げられ、Ar 1 、R 11 ~R 18 、R 51 ~R 58 における置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

(11)下記一般式(11)で表されるアントラセン誘 体。

 一般式(11)において、L 1 及びL 2 は置換もしくは無置換のフェニレン基を表す 。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。R 41 ~R 48 は水素原子又は置換基を表す。R 41 ~R 48 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。R 51 ~R 58 は水素原子又は置換もしくは無置換の核炭素 数1~12の脂肪族炭化水素基を表す。X及びX’は 、酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。ただし 、L 1 及びL 2 が共にナフチレン基であり、かつX及びX’が に酸素原子(O)である場合を除く。
 R 11 ~R 18 及びR 41 ~R 48 の具体例は、一般式(1)のR 15 ~R 20 と同様であり、R 51 ~R 58 の具体例は、一般式(1)のR 1 ~R 10 と同様であり、L 1 及びL 2 、R 11 ~R 18 、R 41 ~R 48 における置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

(12)下記一般式(12)で表されるアントラセン誘 体。

 一般式(12)において、L 1 は置換もしくは無置換の核炭素数6~30のアリ レン基を表す(ただしアントリレン基を除く) 。Xは酸素原子(O)又は硫黄原子(S)を示す。R 11 ~R 18 は水素原子又は置換基を表す。R 11 ~R 18 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい。R 21 ~R 25 は水素原子又は置換基を表す。R 21 ~R 25 は隣接する置換基同士で飽和又は不飽和の環 を形成してもよい(ただし、R 23 はt-ブチル基を除く。   R 51 ~R 58 は水素原子又は置換もしくは無置換の核炭素 数1~12の脂肪族炭化水素基を表す。
 L 1 における置換基、R 51 ~R 58 における置換基及びR 11 ~R 18 又はR 21 ~R 25 で表される置換基としては、前記一般式(1)の ところで記したものが該当する。
 L 1 の具体例は、一般式(1)のL 1 と同様であり、R 11 ~R 18 及びR 21 ~R 25 の具体例は、一般式(1)のR 15 ~R 20 と同様であり、R 51 ~R 58 の具体例は、一般式(1)のR 1 ~R 10 と同様であり、L 1 、R 11 ~R 18 、R 21 ~R 25 における置換基としては、前記一般式(1)のR 1 ~R 10 における置換基と同様の例が挙げられる。

 上記一般式において、隣接する置換基同士 形成しても良い環として、ベンゼン、ナフ レン、アントラセン、フェナントレン等が げられる。
 以下に本発明の化合物の具体例を示すが、 れらに限定されるものではない。

 本発明のアントラセン誘導体は、有機EL素 及び有機EL素子用材料に単独もしくは混合物 の成分として含有させることができ、本発明 の有機EL素子用材料及び有機EL素子用発光材 は、前記アントラセン誘導体を含有するも である。
 本発明の有機EL素子は、陰極と陽極間に少 くとも発光層を含む一層もしくは複数層か なる有機薄膜層が挟持されている有機EL素子 に関して、この有機薄膜層の少なくとも一層 に、本発明のアントラセン誘導体を単独もし くは混合物の成分として含有する。

 本発明のアントラセン誘導体は、上記有 薄膜層のいずれの層に含有させてもよいが 特に好ましくは発光帯域に用いた場合であ 、さらに好ましくは発光層に用いた場合に れた有機EL素子が得られる。また、本発明 アントラセン誘導体を発光材料として含有 ることが好ましく、ホスト材料として含有 ることがより好ましく、発光層中に10~100重 %含有していると好ましく、50~99重量%含有し いることがより好ましい。また、この発光 が、さらに蛍光性又はりん光性のドーパン を含有すると好ましい。

 蛍光性ドーパントとしては、アミン系化 物、芳香族化合物、トリス(8-キノリノラー )アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマ リン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導 体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサ ジアゾール誘導体等から、要求される発光色 に合わせて選ばれる化合物であることが好ま しく、特に、アリールアミン化合物、アリー ルジアミン化合物が挙げられ、その中でもス チリルアミン化合物、スチリルジアミン化合 物、芳香族アミン化合物、芳香族ジアミン化 合物がさらに好ましい。また、縮合多環芳香 族化合物(アミン化合物を除く)がさらに好ま い。これらの蛍光性ドーパントは単独でも た複数組み合わせて使用してもよい。

 このようなスチリルアミン化合物及びスチ ルジアミン化合物としては、下記一般式(A) 表されるものが好ましい。

(式中、Ar は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基 、ターフェニル基、スチルベン基、ジスチリ ルアリール基から選ばれる基であり、Ar 4 及びAr 5 は、それぞれ水素原子又は炭素数が6~20の芳 族炭化水素基であり、Ar 3 、Ar 4 及びAr 5 は置換されていてもよい。pは1~4の整数であ 、そのなかでもpは1~2の整数であるのが好ま い。Ar 3 ~Ar 5 のいずれか一つはスチリル基を含有する基で ある。さらに好ましくはAr 4 又はAr 5 の少なくとも一方はスチリル基で置換されて いる。)
 ここで、炭素数が6~20の芳香族炭化水素基と しては、フェニル基、ナフチル基、アントラ ニル基、フェナンスリル基、ターフェニル基 等が挙げられる。

 芳香族アミン化合物及び芳香族ジアミン化 物としては、下記一般式(B)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 6 ~Ar 8 は、置換もしくは無置換の核炭素数5~40のア ール基である。qは1~4の整数であり、そのな でもqは1~2の整数であるのが好ましい。)
 ここで、核炭素数が5~40のアリール基として は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アン トラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基 、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル 基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニ ル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾ リル基、ジフェニルアントラニル基、インド リル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ベン ゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナ フトフルオランテニル基、スチルベン基、ペ リレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ト リフェニレニル基、ルビセニル基、ベンゾア ントラセニル基、フェニルアントラニル基、 ビスアントラセニル基、又は下記一般式(C),(D )で示されるアリール基等が挙げられ、ナフ ル基、アントラニル基、クリセニル基、ピ ニル基、又は一般式(D)で示されるアリール が好ましい。

 (一般式(C)において、rは1~3の整数である。)

 なお、前記アリール基に置換する好まし 置換基としては、炭素数1~6のアルキル基(エ チル基、メチル基、i-プロピル基、n-プロピ 基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、 キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキ ル基等)、炭素数1~6のアルコキシ基(エトキ 基、メトキシ基、i-プロポキシ基、n-プロポ シ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペント キシ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキ シ基、シクロヘキシルオキシ基等)、核炭素 5~40のアリール基、核炭素数5~40のアリール基 で置換されたアミノ基、核炭素数5~40のアリ ル基を有するエステル基、炭素数1~6のアル ル基を有するエステル基、シアノ基、ニト 基、ハロゲン原子等が挙げられる。

 縮合多環芳香族化合物(アミン化合物を除 く)としては、ナフタレン、アントラセン、 ェナントレン、ピレン、コロネン、ビフェ ル、ターフェニル、ピロール、フラン、チ フェン、ベンゾチオフェン、オキサジアゾ ル、インドール、カルバゾール、ピリジン ベンゾキノリン、フルオランテニン、ベン フルオランテン、アセナフトフルオランテ ン、スチルベン、ペリレン、クリセン、ピ ン、トリフェニレニン、ルビセン、ベンゾ ントラセン等の縮合多環芳香族化合物およ その誘導体が好ましい。

 また、発光層に含有されるりん光性のド パントは、Ir、Ru、Pd、Pt、Os、及びReからな 群から選択される少なくとも一つの金属を む金属錯体化合物であることが好ましく、 位子は、フェニルピリジン骨格、ビピリジ 骨格及びフェナントロリン骨格からなる群 ら選択される少なくとも一つの骨格を有す ことが好ましい。このような金属錯体の具 例は、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウ ム、トリス(2-フェニルピリジン)ルテニウム トリス(2-フェニルピリジン)パラジウム、ビ (2-フェニルピリジン)白金、トリス(2-フェニ ルピリジン)オスミウム、トリス(2-フェニル リジン)レニウム、オクタエチル白金ポルフ リン、オクタフェニル白金ポルフィリン、 クタエチルパラジウムポルフィリン、オク フェニルパラジウムポルフィリン等が挙げ れるが、これらに限定されるものではなく 要求される発光色、素子性能、ホスト化合 との関係から適切な錯体が選ばれるもので る。

 以下、本発明の有機EL素子の素子構成につ て説明する。
 本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に一 もしくは多層の有機薄膜層を形成した素子 ある。一層型の場合、陽極と陰極との間に 光層を設けている。発光層は、発光材料を 有し、それに加えて陽極から注入した正孔 もしくは陰極から注入した電子を発光材料 で輸送させるために、正孔注入材料もしく 電子注入材料を含有しても良い。しかしな ら、発光材料は、極めて高い蛍光量子効率 高い正孔輸送能力及び電子輸送能力を併せ ち、均一な薄膜を形成することが好ましい
 多層型の有機EL素子は、(陽極/正孔注入層/ 光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極) (陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極) (陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子 送層/電子注入層/陰極)の多層構成で積層し ものがある。

 発光層には、必要に応じて、本発明の一般 のいずれかで表される発光材料に加えてさ なる公知の発光材料、ドーピング材料、正 注入材料や電子注入材料を使用することも きる。ドーピング材料としては、従来の蛍 発光性材料に加えて、りん光発光性のイリ ウムに代表される重金属錯体のいずれも使 することができる。有機EL素子は、多層構 にすることにより、クエンチングによる輝 や寿命の低下を防ぐことができる。必要が れば、発光材料、他のドーピング材料、正 注入材料や電子注入材料を組み合わせて使 することができる。また、他のドーピング 料により、発光輝度や発光効率の向上、赤 や白色の発光を得ることもできる。
 また、正孔注入層、発光層、電子注入層は それぞれ二層以上の層構成により形成され も良い。その際には、正孔注入層の場合、 極から正孔を注入する層を正孔注入層、正 注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔 輸送する層を正孔輸送層と呼ぶ。同様に、 子注入層の場合、電極から電子を注入する を電子注入層、電子注入層から電子を受け り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送 と呼ぶ。これらの各層は、材料のエネルギ 準位、耐熱性、有機薄膜層もしくは金属電 との密着性等の各要因により選択されて使 される。

 本発明の一般式で表されるアントラセン 導体と共に発光層に使用できる発光材料又 ホスト材料としては、アントラセン誘導体 アリールアントラセン誘導体、ナフタレン 導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導 、テトラセン誘導体、コロネン誘導体、ク セン誘導体、フルオレセイン誘導体、ペリ ン誘導体、フタロペリレン誘導体、ナフタ ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、フタロ リノン誘導体、ナフタロペリノン誘導体、 フェニルブタジエン誘導体、テトラフェニ ブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキ ジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビ ベンゾキサゾリン誘導体、ビススチリル誘 体、ピラジン誘導体、シクロペンタジエン 導体、キノリン金属錯体誘導体、アミノキ リン金属錯体誘導体、ベンゾキノリン金属 体誘導体、イミン誘導体、ジフェニルエチ ン誘導体、ビニルアントラセン誘導体、ジ ミノカルバゾール誘導体、ピラン誘導体、 オピラン誘導体、ポリメチン誘導体、メロ アニン誘導体、イミダゾールキレート化オ シノイド化合物、キナクリドン誘導体、ル レン誘導体、スチルベン系誘導体及び蛍光 素等が挙げられるが、これらに限定される のではない。

 正孔注入・輸送材料としては、正孔を輸 する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果 発光層又は発光材料に対して優れた正孔注 効果を有し、発光層で生成した励起子の電 注入層又は電子注入材料への移動を防止し かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好まし 。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナ タロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体 オキサゾール、オキサジアゾール、トリア ール、イミダゾール、イミダゾロン、イミ ゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、 トラヒドロイミダゾール、オキサゾール、 キサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒド ゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルア ン、スチリルアミン型トリフェニルアミン ジアミン型トリフェニルアミン等と、それ の誘導体、及びポリビニルカルバゾール、 リシラン、導電性高分子等の高分子材料が げられるが、これらに限定されるものでは い。

 本発明の有機EL素子において使用できる正 注入・輸送材料の中で、さらに効果的な材 は、芳香族三級アミン誘導体もしくはフタ シアニン誘導体である。
 芳香族三級アミン誘導体の具体例は、トリ ェニルアミン、トリトリルアミン、トリル フェニルアミン、N,N’-ジフェニル-N,N’-(3- チルフェニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジア ン、N,N,N’,N’-(4-メチルフェニル)-1,1’-フェ ニル-4,4’-ジアミン、N,N,N’,N’-(4-メチルフ ニル)-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン、N,N’ -ジフェニル-N,N’-ジナフチル-1,1’-ビフェニ -4,4’-ジアミン、N,N’-(メチルフェニル)-N,N -(4-n-ブチルフェニル)-フェナントレン-9,10- アミン、N,N-ビス(4-ジ-4-トリルアミノフェニ )-4-フェニル-シクロヘキサン等、もしくは れらの芳香族三級アミン骨格を有したオリ マーもしくはポリマーであるが、これらに 定されるものではない。
 フタロシアニン(Pc)誘導体の具体例は、H 2  Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAl Pc、ClGaPc、CllnPc、ClSnPc、Cl 2  SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc-O -GaPc等のフタロシアニン誘導体及びナフタロ アニン誘導体であるが、これらに限定され ものではない。

 電子注入・輸送材料としては、電子を輸 する能力を持ち、陰極からの電子注入効果 発光層又は発光材料に対して優れた電子注 効果を有し、発光層で生成した励起子の正 注入層への移動を防止し、かつ薄膜形成能 の優れた化合物が好ましい。具体的には、 ルオレノン、アントラキノジメタン、ジフ ノキノン、チオピランジオキシド、オキサ ール、オキサジアゾール、トリアゾール、 ミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、 レオレニリデンメタン、アントラキノジメ ン、アントロン等とそれらの誘導体が挙げ れるが、これらに限定されるものではない また、正孔注入材料に電子受容物質を、電 注入材料に電子供与性物質を添加すること より電荷注入性を向上させることもできる

 本発明の有機EL素子において、さらに効果 な電子注入材料は、金属錯体化合物もしく 含窒素五員環誘導体である。
 金属錯体化合物の具体例は、8-ヒドロキシ ノリナートリチウム、ビス(8-ヒドロキシキ リナート)亜鉛、ビス(8-ヒドロキシキノリナ ト)銅、ビス(8-ヒドロキシキノリナート)マ ガン、トリス(8-ヒドロキシキノリナート)ア ミニウム、トリス(2-メチル-8-ヒドロキシキ リナート)アルミニウム、トリス(8-ヒドロキ シキノリナート)ガリウム、ビス(10-ヒドロキ ベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10 -ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビ (2-メチル-8-キノリナート)クロロガリウム、 ビス(2-メチル-8-キノリナート)(o-クレゾラー )ガリウム、ビス(2-メチル-8-キノリナート)(1- ナフトラート)アルミニウム、ビス(2-メチル-8 -キノリナート)(2-ナフトラート)ガリウム等が 挙げられるが、これらに限定されるものでは ない。
 また、含窒素五員誘導体は、オキサゾール チアゾール、オキサジアゾール、チアジア ールもしくはトリアゾール誘導体が好まし 。具体的には、2,5-ビス(1-フェニル)-1,3,4-オ サゾール、ジメチルPOPOP、2,5-ビス(1-フェニ )-1,3,4-チアゾール、2,5-ビス(1-フェニル)-1,3,4 -オキサジアゾール、2-(4’-tert-ブチルフェニ )-5-(4”-ビフェニル)1,3,4-オキサジアゾール 2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール 1,4-ビス[2-(5-フェニルオキサジアゾリル)]ベ ゼン、1,4-ビス「2-(5-フェニルオキサジアゾ ル)-4-tert-ブチルベンゼン]、2-(4’-tertブチル ェニル)-5-(4”-ビフェニル)-1,3,4-チアジアゾ ル、2,5-ビス(1-ナフチル)-1,3,4-チアジアゾー 、1,4-ビス[2-(5-フェニルチアジアゾリル)]ベ ゼン、2-(4’-tert-ブチルフェニル)-5-(4”-ビ ェニル)-1,3,4-トリアゾール、2,5-ビス(1-ナフ ル)-1,3,4-トリアゾール、1,4-ビス[2-(5-フェニ トリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
 さらに、電子注入材料として、下記一般式( A)~(F)で表されるものも用いることができる。

(一般式(A)及び(B)中、A 1 ~A 3 は、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子 である。
 Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60のア ール基、又は置換もしくは無置換の核原子 5~60の複素環基であり、
 Ar 2 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 原子数5~60の複素環基、置換もしくは無置換 炭素数1~20のアルキル基、又は置換もしくは 無置換の炭素数1~20のアルコキシ基、あるい これらの2価の基である。
 但し、Ar 1 及びAr 2 のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核 炭素数10~60の縮合環基、又は置換もしくは無 換の核原子数5~60のモノヘテロ縮合環基であ る。
 L 1 、L 2 及びLは、それぞれ独立に、単結合、置換も くは無置換の核炭素数6~60のアリーレン基、 換もしくは無置換の核原子数5~60のヘテロア リーレン基、又は置換もしくは無置換のフル オレニレン基である。
 Rは、水素原子、置換もしくは無置換の核炭 素数6~60のアリール基、置換もしくは無置換 核原子数5~60の複素環基、置換もしくは無置 の炭素数1~20のアルキル基、又は置換もしく は無置換の炭素数1~20のアルコキシ基であり nは0~5の整数であり、nが2以上の場合、複数 Rは同一でも異なっていてもよく、また、隣 する複数のR基同士で結合して、炭素環式脂 肪族環又は炭素環式芳香族環を形成していて もよい。
 R 1 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60のヘテロアリール基、置換もしく 無置換の炭素数1~20のアルキル基、又は置換 もしくは無置換の炭素数1~20のアルコキシ基 又は-L 1 -Ar 1 -Ar 2 である。)で表される含窒素複素環誘導体。
     HAr-L-Ar 1 -Ar 2     (C)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭 数3~40の含窒素複素環であり、
 Lは、単結合、置換基を有していてもよい核 炭素数6~60のアリーレン基、置換基を有して てもよい核原子数5~60のヘテロアリーレン基 は置換基を有していてもよいフルオレニレ 基であり、
 Ar 1 は、置換基を有していてもよい核炭素数6~60 2価の芳香族炭化水素基であり、
 Ar 2 は、置換基を有していてもよい核炭素数6~60 アリール基又は置換基を有していてもよい 原子数5~60の複素環基である。)で表される含 窒素複素環誘導体。

(式中、X及びYは、それぞれ独立に炭素数1~6の 飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキ シ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキ シ基、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換の アリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環 又はXとYが結合して飽和又は不飽和の環を形 した構造であり、
 R 1 ~R 4 は、それぞれ独立に水素、ハロゲン原子、置 換もしくは無置換の炭素数1から6までのアル ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、 ーフルオロアルキル基、パーフルオロアル キシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基 アリールカルボニル基、アルコキシカルボ ル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ 、アルキルカルボニルオキシ基、アリール ルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ 、スルフィニル基、スルフォニル基、スル ァニル基、シリル基、カルバモイル基、ア ール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アル ニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ 、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シア ート基、イソシアネート基、チオシアネー 基、イソチオシアネート基もしくはシアノ 又は隣接した場合には置換若しくは無置換 環が縮合した構造である。)で表されるシラ シクロペンタジエン誘導体。

(式中、R 1 ~R 8 及びZ 2 は、それぞれ独立に、水素原子、飽和もしく は不飽和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、 ヘテロ環基、置換アミノ基、置換ボリル基、 アルコキシ基又はアリールオキシ基を示し、
 X、Y及びZ 1 は、それぞれ独立に、飽和もしくは不飽和の 炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基 、置換アミノ基、アルコキシ基又はアリール オキシ基を示し、
 Z 1 とZ 2 の置換基は相互に結合して縮合環を形成して もよく、nは1~3の整数を示し、nが2以上の場合 、Z 1 は異なってもよい。
 但し、nが1、X、Y及びR 2 がメチル基であって、R 8 が、水素原子又は置換ボリル基の場合、及び nが3でZ 1 がメチル基の場合を含まない。)で表される ラン誘導体。

[式中、Q 1 及びQ 2 は、それぞれ独立に、下記一般式(G)で示され る配位子を表し、
 Lは、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の アルキル基、置換もしくは無置換のシクロア ルキル基、置換もしくは無置換のアリール基 、置換もしくは無置換の複素環基、-OR 1 (R 1 は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキ ル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル 基、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換の複素環基である。)又は-O-Ga -Q 3 (Q 4 )(Q 3 及びQ 4 は、Q 1 及びQ 2 と同じ)で示される配位子を表す。]

[式中、環A 1 及びA 2 は、置換基を有してよい互いに縮合した6員 リール環構造である。] この金属錯体は、n 半導体としての性質が強く、電子注入能力 大きい。さらには、錯体形成時の生成エネ ギーも低いために、形成した金属錯体の金 と配位子との結合性も強固になり、発光材 としての蛍光量子効率も大きくなっている
 一般式(G)の配位子を形成する環A 1 及びA 2 の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s-ブ ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基 トリクロロメチル基等の置換もしくは無置 のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、3- メチルフェニル基、3-メトキシフェニル基、3 -フルオロフェニル基、3-トリクロロメチルフ ェニル基、3-トリフルオロメチルフェニル基 3-ニトロフェニル基等の置換もしくは無置 のアリール基、メトキシ基、n-ブトキシ基、 t-ブトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリ ルオロエトキシ基、ペンタフルオロプロポ シ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、6- (パーフルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の 換もしくは無置換のアルコキシ基、フェノ シ基、p-ニトロフェノキシ基、p-t-ブチルフ ノキシ基、3-フルオロフェノキシ基、ペン フルオロフェニル基、3-トリフルオロメチル フェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリ ールオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基 、t-ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチ チオ基、トリフルオロメチルチオ基等の置 もしくは無置換のアルキルチオ基、フェニ チオ基、p-ニトロフェニルチオ基、p-t-ブチ フェニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ 、ペンタフルオロフェニルチオ基、3-トリフ ルオロメチルフェニルチオ基等の置換もしく は無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニト ロ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジエチル アミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ 基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基 、ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換ア ミノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、 ス(アセトキシエチル)アミノ基、ビスアセ キシプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブ チル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基 シロキシ基、アシル基、メチルカルバモイ 基、ジメチルカルバモイル基、エチルカル モイル基、ジエチルカルバモイル基、プロ ピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル 、フェニルカルバモイル基等のカルバモイ 基、カルボン酸基、スルフォン酸基、イミ 基、シクロペンタン基、シクロヘキシル基 のシクロアルキル基、フェニル基、ナフチ 基、ビフェニル基、アントラニル基、フェ ントリル基、フルオレニル基、ピレニル基 のアリール基、ピリジニル基、ピラジニル 、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリ ジニル基、インドリニル基、キノリニル基 アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキ ニル基、ピペリジニル基、モルフォリジニ 基、ピペラジニル基、トリアチニル基、カ バゾリル基、フラニル基、チオフェニル基 オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ベ ゾオキサゾリル基、チアゾリル基、チアジ ゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾ ル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリ 基、プラニル基等の複素環基等がある。ま 、以上の置換基同士が結合してさらなる6員 リール環もしくは複素環を形成してもよい

 本発明の有機EL素子においては、有機薄 層中に、本発明の一般式で表されるアント セン誘導体の他に、発光材料、ドーピング 料、正孔注入材料及び電子注入材料の少な とも1種が同一層に含有されてもよい。また 本発明により得られた有機EL素子の、温度 湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のた に、素子の表面に保護層を設けたり、シリ ンオイル、樹脂等により素子全体を保護す ことも可能である。

 有機EL素子の陽極に使用される導電性材料 しては、4eVより大きな仕事関数を持つもの 適しており、炭素、アルミニウム、バナジ ム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステ 、銀、金、白金、パラジウム等及びそれら 合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化ス 、酸化インジウム等の酸化金属、さらには リチオフェンやポリピロール等の有機導電 樹脂が用いられる。
 陰極に使用される導電性物質としては、4eV り小さな仕事関数を持つものが適しており マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタ ウム、イットリウム、リチウム、ルテニウ 、マンガン、アルミニウム等及びそれらの 金が用いられるが、これらに限定されるも ではない。合金としては、マグネシウム/銀 、マグネシウム/インジウム、リチウム/アル ニウム等が代表例として挙げられるが、こ らに限定されるものではない。合金の比率 、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により 御され、適切な比率に選択される。
 これらの陽極及び陰極は、必要があれば二 以上の層構成により形成されていても良い 有機EL素子では、効率良く発光させるため 、少なくとも一方の面は素子の発光波長領 において充分透明にすることが望ましい。

 また、基板も透明であることが望ましい 透明電極は、上記の導電性材料を使用して 蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透 性が確保するように設定する。発光面の電 は、光透過率を10%以上にすることが望まし 。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明 を有するものであれば限定されるものでは いが、ガラス基板及び透明性樹脂フィルム ある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリ チレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エ チレン-ビニルアルコール共重合体、ポリプ ピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタア リレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルア コール、ポリビニルブチラール、ナイロン ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホ 、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオ エチレン-パーフルオロアルキルビニルエー ル共重合体、ポリビニルフルオライド、テ ラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テ トラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロ レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエ レン、ポリビニリデンフルオライド、ポリ ステル、ポリカーボネート、ポリウレタン ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイ ド、ポリプロピレン等が挙げられる。

 本発明に係わる有機EL素子の各層の形成 、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、 オンプレーティング等の乾式成膜法やスピ コーティング、ディッピング、フローコー ィング等の湿式成膜法のいずれの方法を適 することができる。膜厚は特に限定される のではないが、適切な膜厚に設定する必要 ある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を るために大きな印加電圧が必要になり効率 悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等 発生して、電界を印加しても充分な発光輝 が得られない。通常の膜厚は5nmから10μmの範 囲が適しているが、10nmから0.2μmの範囲がさ に好ましい。湿式成膜法の場合、各層を形 する材料を、エタノール、クロロホルム、 トラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な 媒に溶解又は分散させて薄膜を形成するが その溶媒はいずれであっても良い。また、 ずれの有機薄膜層においても、成膜性向上 膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や 加剤を使用しても良い。使用の可能な樹脂 しては、ポリスチレン、ポリカーボネート ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミ 、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメ ルメタクリレート、ポリメチルアクリレー 、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの 重合体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ ラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、 リピロール等の導電性樹脂を挙げられる。 た、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線 収剤、可塑剤等を挙げられる。

 本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビの ラットパネルディスプレイ等の平面発光体 複写機、プリンター、液晶ディスプレイの ックライト又は計器類等の光源、表示板、 識灯等に利用できる。

 次に、実施例を用いて本発明をさらに詳 く説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

[合成例X-1] 化合物X-1の合成

(1-1)2-(3-ブロモフェニル)ベンゾ[b]フランの合
アルゴン雰囲気下、4-ヨードブロモベンゼン2 8.3g(100mmol)、ベンゾフラン-2-ボロン酸17.0g(105mm ol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン) ラジウム(0) 2.31g(2.00mmol)にトルエン300mL、2M 酸ナトリウム水溶液150mLを加え、10時間加熱 還流した。
 反応終了後、直ちにろ過した後、水層を除 した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ 後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィで精製し、2-(3-ブロモフェニ )ベンゾ[b]フランの白色結晶22.1gを得た(収率8 1%)。
(1-2)化合物X-1の合成
アルゴン雰囲気下、2-(3-ブロモフェニル)ベン ゾ[b]フラン2.73g(10.0mmol)、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸3.83g(11.0mmol)、テトラキス( リフェニルフォスフィン)パラジウム(0) 0.23 1g(0.200mmol)にDME(ジメトキシエタン)30mL、2M炭酸 ナトリウム水溶液15mLを加え、10時間加熱還流 した。反応終了後、室温まで冷却した。析出 した固体を濾取し、メタノール、水、メタノ ールで順次洗浄し、減圧下、乾燥させた。得 られた個体をトルエンで再結晶させ、淡黄色 結晶4.20gを得た。このものは、マススペクト 分析の結果、目的物であり、分子量496.18に し、m/e=496であった。

[合成例X-2]化合物X-2の合成

 前記合成例X-1において、10-(2-ナフチル)ア ントラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフ チル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用 て同様の方法で合成した。このものは、マ スペクトル分析の結果、目的物であり、分 量572.21に対し、m/e=572であった。

[合成例X-3]化合物X-3の合成

(3-1)2,3-ジフェニルベンゾ[b]フランの合成
 ベンジルフェニルケトン39.2g、1,2-ジブロモ ンゼン46.7g、酢酸パラジウム2.24g、トリフェ ニルホスフィン10.5g、炭酸セシウム77.2g、o-キ シレン400mLをフラスコに仕込み、アルゴン雰 気下8時間加熱還流攪拌した。反応終了後、 反応溶液をエーテルで抽出しながらろ過した 。ろ液を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、 濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト グラフィで精製し、白色結晶43.2g(収率80%)を た。
(3-2)6-ブロモ-2,3-ジフェニルベンゾ[b]フランの 合成
 2,3-ジフェニルベンゾ[b]フラン43.2g、N-ブロ スクシンイミド31.3g、N,N-ジメチルホルムア ド400mLをフラスコに仕込み、70℃で8時間加熱 攪拌した。室温まで冷却後、反応溶液を水2L に注いだ。析出した結晶をろ別し、メタノ ル、水、メタノールで順次洗浄した後、シ カゲルカラムクロマトグラフィで精製し、 黄色結晶40.2g(収率72%)を得た。
(3-3)2,3-ジフェニルベンゾ[b]フラン-6-ボロン酸 の合成
 アルゴン雰囲気下、6-ブロモ-2,3-ジフェニル ベンゾ[b]フラン40.2gに無水THF400mLを加え、-40 で撹拌中に、1.6M n-ブチルリチウムのヘキサ ン溶液72mLを加えた。反応溶液を0℃まで加温 ながら1時間攪拌した。反応溶液を再び-78℃ まで冷却し、ホウ酸トリメチル54.0g(250mmol)の 燥THF50mL溶液を滴下した。反応溶液を室温で 5時間攪拌した。1N塩酸200mLを加え、1時間攪拌 後、水層を除去した。有機層を硫酸マグネシ ウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得ら れた固体をトルエンで洗浄し、2,3-ジフェニ ベンゾ[b]フラン-6-ボロン酸21.7g(収率60%)を得 。
(3-4)6-(3-ブロモフェニル)-2,3-ジフェニルベン [b]フランの合成
 アルゴン雰囲気下、4-ヨードブロモベンゼ 19.6g、ジベンゾフラン-4-ボロン酸21.7g、テト キス(トリフェニルフォスフィン)パラジウ (0) 1.59g(2.00mmol)にトルエン220mL、2M炭酸ナト ウム水溶液110mLを加え、10時間加熱還流した
 反応終了後、直ちにろ過した後、水層を除 した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ 後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィで精製し、6-(3-ブロモフェニ )-2,3-ジフェニルベンゾ[b]フランの白色結晶23 .5gを得た(収率80%)。
(3-5)化合物X-3の合成
 前記合成例X-1において、2-(3-ブロモフェニ )ベンゾ[b]フランの代わりに6-(3-ブロモフェ ル)-2,3-ジフェニルベンゾ[b]フランを用いて 様の方法で合成した。このものは、マスス クトル分析の結果、目的物であり、分子量64 8.25に対し、m/e=648であった。

[合成例X-4]化合物X-4の合成

 前記合成例X-1において、2-(3-ブロモフェ ル)ベンゾ[b]フランの代わりに6-(3-ブロモフ ニル)-2,3-ジフェニルベンゾ[b]フランを、10-(2 -ナフチル)アントラセン-9-ボロン酸の代わり 10-[4-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン-9- ロン酸を用いて同様の方法で合成した。こ ものは、マススペクトル分析の結果、目的 であり、分子量724.28に対し、m/e=724であった

[実施例1]
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラ ス基板(ジオマティック社製)をイソプロピル ルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後 、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の 明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装 の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラ ンが形成されている側の面上に前記透明電 を覆うようにして膜厚60nmの下記化合物A-1を 膜した。続けてこのA-1膜上に膜厚20nmの下記 化合物A-2を成膜した。
  さらに、このA-2膜上に膜厚40nmで本発明の 記化合物X-1と下記スチリルアミン誘導体D-1 40:2の膜厚比で成膜し青色系発光層とした。 化合物X-1はホスト、D-1はドーパントとして機 能する。
  この膜上に電子輸送層として膜厚20nmで下 構造のAlqを蒸着により成膜した。この後、L iFを膜厚1nmで成膜した。このLiF膜上に金属Al 150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL素子を 成した。
 得られた有機EL素子について、電流密度10mA/ cm 2 駆動時の素子性能及び初期輝度1000cd/m 2 における半減寿命を測定した結果を第1表に す。

[実施例2~4, 比較例1~8]
 実施例1における化合物X-1のかわりに、表中 に記した化合物を用いた以外は、実施例1と 様に行った。結果を第1表に示す。

[合成スキーム]
 合成スキーム(A-1)~(A-4)及び製造例1~6により 合成実施例で用いる中間体を製造した。
[合成スキーム(A-1)]アントラセンボロン酸誘 体の合成
 アントラセンボロン酸誘導体は、下記のス ームの通り、既知の方法にて合成した。
 なお、Arは一般式(1)におけるR 9 又はR 10 、Phはフェニル基、NBSはN-ブロモスクシンイ ド、DMFはジメチルホルムアミド、Meはメチル 基である。以下同様。

[合成スキーム(A-2)]4-(ブロモフェニル)ジベン フランの合成
[製造例1] 4-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフラ の合成
 アルゴン雰囲気下、4-ヨードブロモベンゼ 28.3g(100mmol)、ジベンゾフラン-4-ボロン酸22.3g( 105mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィ ン)パラジウム(0) 2.31g(2.00mmol)にトルエン300mL 2M炭酸ナトリウム水溶液150mLを加え、10時間 熱還流した。
 反応終了後、直ちにろ過した後、水層を除 した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ 後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィで精製し、4-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランの白色結晶26.2gを得た(収率8 1%)。
[製造例2] 4-(3-ブロモフェニル)ジベンゾフラ の合成
 アルゴン雰囲気下、3-ヨードブロモベンゼ 28.3g(100mmol)、ジベンゾフラン-4-ボロン酸22.3g( 105mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィ ン)パラジウム(0) 2.31g(2.00mmol)にトルエン300mL 2M炭酸ナトリウム水溶液150mLを加え、10時間 熱還流した。
 反応終了後、直ちにろ過した後、水層を除 した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ 後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィで精製し、4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランの白色結晶24.2gを得た(収率7 5%)。

[合成スキーム(A-3)] 2-(ブロモフェニル)ジベ ゾフランの合成
[製造例3] ジベンゾフラン-2-ボロン酸の合成
(i)2-ブロモジベンゾフランの合成
 ジベンゾフラン150g(892mmol)と酢酸1Lをフラス に仕込み、窒素置換し、加熱溶解させた。 素188g(1.18mol)を時々水冷しながら滴下した後 、空冷下20時間撹拌した。析出した結晶を濾 し、酢酸、水で順次洗浄し、減圧下乾燥さ た。得られた結晶を、減圧蒸留にて精製し た後、メタノールで数回再結晶を繰り返し 2-ブロモジベンゾフラン66.8g(収率31%)を得た
(ii)ジベンゾフラン-2-ボロン酸の合成
 アルゴン雰囲気下、2-ブロモジベンゾフラ 24.7g(100mmol)に無水THF(テトラヒドロフラン)400m Lを加え、-40℃で撹拌中に、1.6M n-ブチルリチ ウムのヘキサン溶液63mL(100mmol)を加えた。反 溶液を0℃まで加温しながら1時間攪拌した。 反応溶液を再び-78℃まで冷却し、ホウ酸トリ メチル26.0g(250mmol)の乾燥THF50mL溶液を滴下した 。反応溶液を室温で5時間攪拌した。1N塩酸200 mLを加え、1時間攪拌後、水層を除去した。有 機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を 減圧留去した。得られた固体をトルエンで洗 浄し、ジベンゾフラン-2-ボロン酸15.2g(収率72% )を得た。
[製造例4] 2-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフラ の合成
 製造例1において、ジベンゾフラン-4-ボロン 酸の代わりにジベンゾフラン-2-ボロン酸を用 い、2-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフランを合 成した。
[製造例5] 2-(3-ブロモフェニル)ジベンゾフラ の合成
 製造例2において、ジベンゾフラン-4-ボロン 酸の代わりにジベンゾフラン-2-ボロン酸を用 い、2-(3-ブロモフェニル)ジベンゾフランを合 成した。

[合成スキーム(A-4)] 4-(ブロモフェニル)ジベ ゾチオフェンの合成
[製造例6] 4-(4-ブロモフェニル)ジベンゾチオ ェンの合成
 製造例1において、ジベンゾフラン-4-ボロン 酸の代わりにジベンゾチオフェン-4-ボロン酸 を用い、4-(4-ブロモフェニル)ジベンゾチオフ ェンを合成した。
[製造例7] 4-(3-ブロモフェニル)ジベンゾチオ ェンの合成
 製造例2において、ジベンゾフラン-4-ボロン 酸の代わりにジベンゾチオフェン-4-ボロン酸 を用い、4-(3-ブロモフェニル)ジベンゾチオフ ェンを合成した。

[合成実施例1] 化合物1の合成
 アルゴン雰囲気下、4-(4-ブロモフェニル)ジ ンゾフラン3.22g(10.0mmol)、10-(2-ナフチル)アン トラセン-9-ボロン酸3.83g(11.0mmol)、テトラキス (トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0) 0. 231g(0.200mmol)にDME(ジメトキシエタン)30mL、2M炭 ナトリウム水溶液15mLを加え、10時間加熱還 した。反応終了後、室温まで冷却した。析 した固体を濾取し、メタノール、水、メタ ールで順次洗浄し、減圧下、乾燥させた。 られた個体をトルエンで再結晶させ、淡黄 結晶4.20gを得た。このものは、マススペク ル分析の結果、目的物であり、分子量546.20 対し、m/e=546であった。

[合成実施例2] 化合物2の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを用いて同様の方法で合成 した。このものは、マススペクトル分析の結 果、目的物であり、分子量546.20に対し、m/e=54 6であった。

[合成実施例3] 化合物3の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを用いて同様の方法で合成 した。このものは、マススペクトル分析の結 果、目的物であり、分子量546.20に対し、m/e=54 6であった。

[合成実施例4] 化合物4の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを用いて同様の方法で合成 した。このものは、マススペクトル分析の結 果、目的物であり、分子量546.20に対し、m/e=54 6であった。

[合成実施例5] 化合物5の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフチ )フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて 同様の方法で合成した。このものは、マスス ペクトル分析の結果、目的物であり、分子量 622.23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例6] 化合物6の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例7] 化合物7の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例8] 化合物8の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例9] 化合物9の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(2-ナフチ )フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて 同様の方法で合成した。このものは、マスス ペクトル分析の結果、目的物であり、分子量 622.23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例10] 化合物10の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例11] 化合物11の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例12] 化合物12の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例13] 化合物13の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフチ )フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて 同様の方法で合成した。このものは、マスス ペクトル分析の結果、目的物であり、分子量 622.23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例14] 化合物14の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例15] 化合物15の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例16] 化合物16の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例17] 化合物17の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフチ )フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて 同様の方法で合成した。このものは、マスス ペクトル分析の結果、目的物であり、分子量 622.23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例18] 化合物18の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。
このものは、マススペクトル分析の結果、目 的物であり、分子量622.23に対し、m/e=622であ た。

[合成実施例19] 化合物19の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例20] 化合物20の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量622 .23に対し、m/e=622であった。

[合成実施例21] 化合物21の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-(2-ビフェニ )アントラセン-9-ボロン酸を用いて同様の方 で合成した。このものは、マススペクトル 析の結果、目的物であり、分子量572.21に対 、m/e=572であった。

[合成実施例22] 化合物22の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-(2-ビフェニル) ントラセン-9-ボロン酸を用いて同様の方法 合成した。このものは、マススペクトル分 の結果、目的物であり、分子量572.21に対し m/e=572であった。

[合成実施例23] 化合物23の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(4-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-(2-ビフェニル) ントラセン-9-ボロン酸を用いて同様の方法 合成した。このものは、マススペクトル分 の結果、目的物であり、分子量572.21に対し m/e=572であった。

[合成実施例24] 化合物24の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-(2-ビフェニル) ントラセン-9-ボロン酸を用いて同様の方法 合成した。このものは、マススペクトル分 の結果、目的物であり、分子量572.21に対し m/e=572であった。

[合成実施例25] 化合物25の合成
 合成実施例1において、10-(2-ナフチル)アン ラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(ジベンゾ ラン-2-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロ 酸を用いて同様の方法で合成した。このも は、マススペクトル分析の結果、目的物で り、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例26] 化合物26の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(ジベンゾフ ン-2-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロン を用いて同様の方法で合成した。このもの 、マススペクトル分析の結果、目的物であ 、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例27] 化合物27の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(ジベンゾフ ン-2-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロン を用いて同様の方法で合成した。このもの 、マススペクトル分析の結果、目的物であ 、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例28] 化合物28の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(ジベンゾフ ン-4-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロン を用いて同様の方法で合成した。このもの 、マススペクトル分析の結果、目的物であ 、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例29] 化合物29の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(ジベンゾフ ン-4-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロン を用いて同様の方法で合成した。このもの 、マススペクトル分析の結果、目的物であ 、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例30] 化合物30の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(ジベンゾフ ン-4-イル)フェニル]アントラセン-9-ボロン を用いて同様の方法で合成した。このもの 、マススペクトル分析の結果、目的物であ 、分子量662.22に対し、m/e=662であった。

[合成実施例31] 化合物31の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(4-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例32] 化合物32の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例33] 化合物33の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(4-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例34] 化合物34の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例35] 化合物35の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(4-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例36] 化合物36の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを、10-(2-ナフチル)ア トラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[4-(1-ナフ ル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用い て同様の方法で合成した。このものは、マス スペクトル分析の結果、目的物であり、分子 量638.21に対し、m/e=638であった。

[合成実施例37] 化合物37の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(4-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを用いて同様の方法で 合成した。このものは、マススペクトル分析 の結果、目的物であり、分子量562.18に対し、 m/e=562であった。

[合成実施例38] 化合物38の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに4-(3-ブロモフェニ )ジベンゾチオフェンを用いて同様の方法で 合成した。このものは、マススペクトル分析 の結果、目的物であり、分子量562.18に対し、 m/e=562であった。

[合成実施例39] 化合物39の合成
(39-1)2-(4'-ブロモビフェニル-4-イル)ジベンゾ ランの合成
2-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフランの合成に おいて、4-ブロモヨードベンゼンの代わりに4 -ブロモ-4'-ヨードビフェニルを用いて同様の 法で合成した。
(39-2)化合物39の合成
合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ベンゾフランの代わりに2-(4'-ブロモビフェ ル-4-イル)ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル) アントラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(1-ナ フチル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を いて同様の方法で合成した。このものは、 ススペクトル分析の結果、目的物であり、 子量698.26に対し、m/e=698であった。

[合成実施例40] 化合物40の合成
(40-1)2-(7-ブロモ-9,9-ジメチルフルオレン-2-イ )ジベンゾフランの合成
2-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフランの合成に おいて、4-ブロモヨードベンゼンの代わりに2 -ブロモ-7-ヨード-9,9-ジメチルフルオレンを用 いて同様の方法で合成した。
(40-2)化合物34の合成
合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ベンゾフランの代わりに2-(7-ブロモ-9,9-ジメ ルフルオレン-2-イル)ジベンゾフランを、10- (2-ナフチル)アントラセン-9-ボロン酸の代わ に10-[3-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン-9- ボロン酸を用いて同様の方法で合成した。こ のものは、マススペクトル分析の結果、目的 物であり、分子量738.29に対し、m/e=738であっ 。

[合成実施例41] 化合物41の合成
 合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ジベンゾフランの代わりに2-(3-ブロモフェニ )ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル)アント セン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナフチル) ェニル]アントラセン-9-ボロン酸を用いて同 様の方法で合成した。このものは、マススペ クトル分析の結果、目的物であり、分子量672 .25に対し、m/e=672であった。

[合成実施例42] 化合物42の合成
(42-1)2-(6-ブロモナフタレン-2-イル)ジベンゾフ ランの合成
4-(4-ブロモフェニル)ジベンゾフランの合成に おいて、4-ブロモヨードベンゼンの代わりに2 ,6-ジブロモナフタレンを用いて同様の方法で 合成した。
(42-2)化合物42の合成
合成実施例1において、4-(4-ブロモフェニル) ベンゾフランの代わりに2-(6-ブロモナフタレ ン-2-イル)ジベンゾフランを、10-(2-ナフチル) ントラセン-9-ボロン酸の代わりに10-[3-(2-ナ チル)フェニル]アントラセン-9-ボロン酸を いて同様の方法で合成した。このものは、 ススペクトル分析の結果、目的物であり、 子量672.25に対し、m/e=672であった。

[実施例5]
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラ ス基板(ジオマティック社製)をイソプロピル ルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後 、UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の 明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装 の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラ ンが形成されている側の面上に前記透明電 を覆うようにして膜厚60nmの下記化合物A-1を 膜した。続けてこのA-1膜上に膜厚20nmの下記 化合物A-2を成膜した。
  さらに、このA-2膜上に膜厚40nmで本発明の 記化合物1と下記スチリルアミン誘導体D-1を 40:2の膜厚比で成膜し青色系発光層とした。 合物5はホスト、D-1はドーパントとして機能 る。
  この膜上に電子輸送層として膜厚20nmで下 構造のAlqを蒸着により成膜した。この後、L iFを膜厚1nmで成膜した。このLiF膜上に金属Al 150nm蒸着させ金属陰極を形成し有機EL素子を 成した。
得られた有機EL素子について、電流密度10mA/cm 2 駆動時の素子性能及び初期輝度1000cd/m 2 における半減寿命を測定した結果を第2表に す。

[実施例6~42]
 実施例5において、化合物1の代わりに上記 合物2~38を用いた以外は同様に有機EL素子を 製し、実施例5と同様に評価した結果を第2表 に示す。

[比較例9~16]
 実施例5において、化合物1の代わりに下記 合物A~Hを用いた以外は同様に有機EL素子を作 製し、実施例5と同様に評価した結果を第2表 示す。

[実施例43~80、比較例17~24]
 実施例5~42、比較例9~16において、電子輸送 料として下記ベンズイミダゾール誘導体E-1 、ドーパントとして下記クリセン誘導体D-2 用いて同様に有機EL素子を作製した。結果を 第3表に示す。



[実施例81]~[実施例84]
 実施例43において、化合物1の代わりに上記 合物39~化合物42を用いた以外は同様に有機EL 素子を作製した。結果を第4表に示す。

 上記結果より、ベンゾフラン、ベンゾチオ ェン誘導体を用いた化合物(実施例1~84)と、 ンゾフラン、ベンゾチオフェンを含まない 合物D~H(比較例1~24)とを比較すると、本発明 化合物を用いた場合、発光効率が高くなっ いることがわかる。また、これらの本発明 化合物を比較化合物A(比較例1)と比較すると 、アントラセンとジベンゾフランの間にアリ ーレン基が挿入されていることにより、特異 的に高効率化していることが明らかである。 さらに、アリーレン基をアントラセンとジベ ンゾフラン、ジベンゾチオフェンの間に挿入 することにより、長寿命化している。アリー レンを挿入した本発明の系統では、化合物の 最高被占軌道(HOMO)と最低不占軌道(LUMO)がアン トラセンとアントラセンに直結したアリーレ ン基上に留まっているのに対して、ジベンゾ フランがアントラセンに直結した系では、化 合物のHOMOとLUMOがジベンゾフラニル基にまで している。このことにより電流駆動時に、 ベンゾフラニル基が酸化還元に寄与し、当 置換基が分解することにより寿命が短くな ていると考えられる。
 また、化合物B(比較例2)と本発明の化合物と を比較すると、本発明の化合物の方が長寿命 であることが明らかである。これらの材料系 において、電流駆動時、化合物が励起状態と なり、アントラセンとその置換基が平面構造 を取ろうとするように変化することが知られ ている。この観点で、1-ナフチル基では、ア トラセンとナフチル基の水素原子の距離が くなり、励起状態が不安定なのに対して、 ェニル基、2-ナフチル基では、励起状態で 定である。このことにより、1-ナフチル基で は、寿命が短くなり、その効果は、本系統の 化合物において顕著に現れている。
 さらに、本発明の化合物群の中でも、ジベ ゾフラン系が特に長寿命である。これは、 ベンゾチオフェンよりもジベンゾフランの が、酸化還元に安定であるためと考えられ 。
 実施例43~実施例80より、低電圧な電子輸送 料を用いた場合、本系統の材料の中でもジ ェニルアントラセン骨格を持つ系統が特異 に高効率かつ長寿命である。
 また、本発明の材料は、WO2005/113531号公報で 開示されている化合物と比較して、特異的に 長寿命化が実現できる材料であることが明ら かである。
 以上より、本発明のアントラセン誘導体は 従来用いられてきた材料系よりも高効率で つ長寿命を実現できるため、有機EL素子用 料として有用である。

 以上詳細に説明したように、本発明のア トラセン誘導体を有機EL素子用材料として いた有機EL素子は、発光効率が高く、長寿命 である。このため、実用性の高い有機EL素子 して極めて有用である。