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Patent Searching and Data


Title:
APPARATUS FOR MANUFACTURING THIN FILM SOLAR CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/148155
Kind Code:
A1
Abstract:
An apparatus for manufacturing a thin film solar cell includes a film-forming space (81) wherein a substrate (W) is arranged such that a film-forming surface of the substrate (W) and the gravity direction are substantially parallel to each other, and a desired film is formed on the film-forming surface by a CVD method; cathode units (68, 118, 128) having cathodes (75), which permit a voltage to be applied thereto and are arranged on the both sides of the cathode units, and two or more power-feeding points (88); and anodes (67) arranged to face the cathodes (75) arranged on the both sides of the cathode units (68, 118, 128) with spaces between the anodes and the cathodes.

Inventors:
SHIMIZU YASUO (JP)
OGATA HIDEYUKI (JP)
MATSUMOTO KOICHI (JP)
NOGUCHI TAKAFUMI (JP)
JIMBO YOSUKE (JP)
OKAYAMA SATOHIRO (JP)
MORIOKA YAWARA (JP)
SUGIYAMA NORIYASU (JP)
SHIGETA TAKASHI (JP)
KURIHARA HIROYUKI (JP)
HASHIMOTO MASANORI (JP)
WAKAMATSU SADATSUGU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060356
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC INC (JP)
SHIMIZU YASUO (JP)
OGATA HIDEYUKI (JP)
MATSUMOTO KOICHI (JP)
NOGUCHI TAKAFUMI (JP)
JIMBO YOSUKE (JP)
OKAYAMA SATOHIRO (JP)
MORIOKA YAWARA (JP)
SUGIYAMA NORIYASU (JP)
SHIGETA TAKASHI (JP)
KURIHARA HIROYUKI (JP)
HASHIMOTO MASANORI (JP)
WAKAMATSU SADATSUGU (JP)
International Classes:
H01L31/04; C23C16/505; H01L21/205
Foreign References:
JP2004335601A2004-11-25
JPH11340150A1999-12-10
JPH08325759A1996-12-10
JP2006261363A2006-09-28
JP2007329071A2007-12-20
JP2008149937A2008-07-03
JP2005158980A2005-06-16
Other References:
See also references of EP 2293343A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA Masatake et al. (JP)
Masatake Shiga (JP)
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Claims:
 薄膜太陽電池製造装置であって、
 基板の成膜面と重力方向とが略並行となるように前記基板が配置され、前記成膜面にCVD法により所望の膜を形成する成膜空間と;
 電圧が印加されるカソードと、2つ以上の給電ポイントとを有し、前記カソードが両側に配置されたカソードユニットと;
 前記カソードユニットの両側に配置された前記カソードと離間して対向するように配置されるアノードと;
 を含むことを特徴とする薄膜太陽電池製造装置。
 薄膜太陽電池製造装置であって、
 基板の成膜面と重力方向とが略並行となるように前記基板が配置され、前記成膜面にCVD法により所望の膜を形成する成膜空間と;
 同電位が印加される2つ以上の給電ポイントを有して電圧が印加されるカソードと、一対の前記カソードの間に設置される絶縁部材とを有し、前記カソードが両側に配置されたカソードユニットと;
 前記カソードユニットの両側に配置された前記カソードと離間して対向するように配置されるアノードと;
 を含むことを特徴とする薄膜太陽電池製造装置。
 薄膜太陽電池製造装置であって、
 基板の成膜面と重力方向とが略並行となるように前記基板が配置され、前記成膜面にCVD法により所望の膜を形成する成膜空間と;
 互いに異なる電位が印加される2つ以上の給電ポイントを有して電圧が印加されるカソードと、一対の前記カソードの間に設置される接地電位のシールド部材とを有し、前記カソードが両側に配置されたカソードユニットと;
 前記カソードユニットの両側に配置された前記カソードと離間して対向するように配置されるアノードと;
 を含むことを特徴とする薄膜太陽電池製造装置。
 薄膜太陽電池製造装置であって、
 基板の成膜面と重力方向とが略並行となるように前記基板が配置され、前記成膜面にCVD法により所望の膜を形成する成膜空間と;
 電圧が印加されるカソードと、前記カソードがその両側に設置され、かつ、その側面に2つ以上の給電ポイントが配置されたカソード中間部材とを有し、前記カソードが両側に配置されたカソードユニットと;
 前記カソードユニットの両側に配置された前記カソードと離間して対向するアノードと; 
 を含むことを特徴とする薄膜太陽電池製造装置。
Description:
薄膜太陽電池製造装置

 本発明は、薄膜太陽電池製造装置に関する
 本願は、2008年6月6日に出願された特願2008-14 9937号に基づき優先権を主張し、その内容を こに援用する。

 現在の太陽電池に用いられている材料にお ては、単結晶Si型および多結晶Si型の材料に より大半が占められており、Siの材料不足な が懸念されている。
 そこで、近年では、製造コストが低く、材 不足のリスクが小さい薄膜Si層が形成され 薄膜太陽電池の需要が高まっている。
 さらに、従来型のa-Si(アモルファスシリコ )層のみを有する従来の薄膜太陽電池に加え 、最近ではa-Si層とμc-Si(マイクロクリスタ シリコン)層とを積層することにより変換効 の向上を図るタンデム型薄膜太陽電池の需 が高まっている。
 この薄膜太陽電池の薄膜Si層(半導体層)を成 膜する装置としては、プラズマCVD装置が用い られることが多い。

 プラズマCVD装置は、成膜室を有しており、 が形成される基板をこの成膜室内に収容し 成膜室内を真空に減圧した後、成膜ガスを 膜室内に供給するように構成されている。
 また、成膜室内には、成膜ガスのプラズマ 発生する高周波電極(カソード)が設置され いる。
 そして、プラズマによって分解された成膜 ス(ラジカル)が基板の成膜面(膜が形成され 面)に到達することにより、加熱された基板 の成膜面に所望の膜が形成される。
 高周波電極は、高周波電源にマッチング回 を介して接続されている。
 高周波電源は、発振回路又は増幅回路を有 ており、交流又は直流の入力を受けて高周 電力を出力する。
 マッチング回路は、高周波電源と高周波電 とのマッチングを図る回路であって、この ッチング回路によって高周波電極に所望の 周波電力が入力される(例えば、特許文献1 照)。

特開2005-158980号公報

 ところで、上述のCVD装置の高周波電極にお ては、高周波電力を入力するための給電ポ ントを高周波電極の平面の略中央に1箇所設 ける場合が多い。
 給電ポイントを高周波電極の中央に配置す ことで、高周波電極全体に同電位の電力を 給しやすくなり、これにより、基板の成膜 全体に均一な膜を形成することができる。

 しかしながら、高周波電極が大型化すると この高周波電極における平面の略中央に給 ポイントを1箇所設けただけでは、高周波電 極の中央部と側面部(外周部)との間で電位差 生じてしまい、基板の成膜面全体に均一な が形成され難いという課題がある。
 また、たとえ高周波電極全体を均一に同電 にできたとしても、基板の温度が全ての箇 で均一にならない場合など、成膜を施す際 条件によって基板の成膜面全体に均一に膜 形成され難いという課題がある。

 そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて されたものであり、高周波電極が大型化し り、成膜を施す際の条件が変化したりして 、基板の成膜面に均一な膜を形成すること 可能な薄膜太陽電池製造装置を提供する。

 本件の発明者らにより、高品質の膜質を得 つ高い生産性を実現するため両面に放電面( カソード)を持つカソードユニットを中央に けて、カソードユニットの両面にアノード 離間して配置する薄膜太陽電池製造装置が 討されている。
 このような平行平板型プラズマCVD装置にお て、カソードユニットの両側に放電空間が 成される。
 この2つの放電空間のインピーダンスのバラ ンスが崩れたとき、放電がどちらかに偏り、 プラズマが不均一に発生する恐れがある。
 これを回避するためには電極間隔などのシ アな調整が必要であるという課題がある。

 本発明の第1態様の薄膜太陽電池製造装置 は、基板の成膜面と重力方向とが略並行とな るように前記基板が配置され、前記成膜面に CVD法により所望の膜を形成する成膜空間と; 圧が印加されるカソードと、2つ以上の給電 イントとを有し、前記カソードが両側に配 されたカソードユニットと;前記カソードユ ニットの両側に配置された前記カソードと離 間して対向するように配置されるアノードと ;を含む。

 本発明の第1態様の薄膜太陽電池製造装置に おいては、カソードに給電ポイントを2つ以 設けることによって、カソードが大型化し 場合であっても、カソード全体の電位を均 に設定することができる。
 また、基板に形成される膜の品質を確認し がら各給電ポイントに印加される電位を調 することが可能になる。
 このため、例えば、基板の温度が全ての箇 で均一にならない場合などがあっても、基 の成膜面に均一な膜を形成することができ 。
 さらに、カソードの各々の両面に対向する うに、アノードが配置されているので、省 ペースが実現された空間で、同時に2枚の基 板に膜を形成することが可能になる。

 本発明の第2態様の薄膜太陽電池製造装置 は、基板の成膜面と重力方向とが略並行とな るように前記基板が配置され、前記成膜面に CVD法により所望の膜を形成する成膜空間と; 電位が印加される2つ以上の給電ポイントを して電圧が印加されるカソードと、一対の 記カソードの間に設置される絶縁部材とを し、前記カソードが両側に配置されたカソ ドユニットと;前記カソードユニットの両側 に配置された前記カソードと離間して対向す るように配置されるアノードと;を含む。

 本発明の第2態様の薄膜太陽電池製造装置 においては、2つのカソードの間に誘電体(絶 部材)を挿入することにより浮遊容量が設け られているので、この浮遊容量によって2つ 電極(カソード)間の相互干渉を抑えることが できる。

 本発明の第3態様の薄膜太陽電池製造装置 は、基板の成膜面と重力方向とが略並行とな るように前記基板が配置され、前記成膜面に CVD法により所望の膜を形成する成膜空間と; いに異なる電位が印加される2つ以上の給電 イントを有して電圧が印加されるカソード 、一対の前記カソードの間に設置される接 電位のシールド部材とを有し、前記カソー が両側に配置されたカソードユニットと;前 記カソードユニットの両側に配置された前記 カソードと離間して対向するように配置され るアノードと;を含む。

 本発明の第3態様の薄膜太陽電池製造装置に おいては、一対のカソードに印加される電圧 が互いに干渉することなく、電圧を一対のカ ソードに印加することが可能になる。
 このため、2つの成膜空間の放電が相互に干 渉することなく行われ、均一で安定した成膜 することができる。

 本発明の第4態様の薄膜太陽電池製造装置 は、基板の成膜面と重力方向とが略並行とな るように前記基板が配置され、前記成膜面に CVD法により所望の膜を形成する成膜空間と; 圧が印加されるカソードと、前記カソード その両側に設置され、かつ、その側面に2つ 上の給電ポイントが配置されたカソード中 部材とを有し、前記カソードが両側に配置 れたカソードユニットと;前記カソードユニ ットの両側に配置された前記カソードと離間 して対向するアノードと;を含む。

 本発明の第4態様の薄膜太陽電池製造装置 においては、カソードが両面に設置されるカ ソード中間部材が給電ポイントを有し、かつ 、2つ以上の給電ポイントを有しているので カソード毎に給電ポイントを設ける必要が く、かつ、同電位・同位相の電圧が印加す ことが可能となる。

 本発明によれば、カソードに給電ポイント 2つ以上設けることによって、カソードが大 型化した場合であっても、カソード全体の電 位を均一に設定することができる。
 また、本発明では、基板に形成される膜の 質を確認しながら各給電ポイントに印加さ る電位を調整することが可能になる。
 このため、例えば、両電極のインピーダン が異なる場合であっても、安定な放電を発 することが可能となり、基板の成膜面に均 な膜を形成することができる。

本発明の第一実施形態における薄膜太 電池を示す概略断面図である。 本発明の第一実施形態における薄膜太 電池製造装置を示す概略構成図である。 本発明の第一実施形態における成膜室 を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態における成膜室 を別の角度から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態における成膜室 を示す側面図である。 本発明の第一実施形態における電極ユ ニットを示す斜視図である。 本発明の第一実施形態における電極ユ ニットを別の角度から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態における電極ユ ニットを示す分解斜視図である。 本発明の第一実施形態における電極ユ ニットのカソードユニットおよびアノードユ ニットの一部分を示す断面図である。 本発明の第一実施形態におけるカソー を示す平面図である。 本発明の第一実施形態における仕込・ 取出室を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態における仕込・ 取出室を別の角度から見た斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるプッシ -プル機構を示す概略構成図である。 本発明の第一実施形態における基板脱 着室の概略構成を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態における基板脱 着室の概略構成を示す正面図である。 本発明の第一実施形態における基板収 カセットを示す斜視図である。 本発明の第一実施形態におけるキャリ アを示す斜視図である。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(1)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(2)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(3)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(4)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(5)であ る。 本発明の第一実施形態におけるプッ ュ-プル機構の動きを示す説明図である。 本発明の第一実施形態におけるプッ ュ-プル機構の動きを示す説明図である。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(6)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(7)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(8)であ り、基板が電極ユニットに挿入されたときの 概略構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(9)であ る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(10)で る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(11)で り、基板が電極ユニットにセットされた構 を部分的に示す断面図である。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(12)で る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(13)で る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(14)で る。 本発明の第一実施形態における薄膜太 陽電池の製造方法の過程を示す説明図(15)で る。 本発明の第二実施形態におけるカソー ドユニットおよびアノードの一部を示す断面 図である。 本発明の第三実施形態におけるカソー ドユニットおよびアノードの一部を示す断面 図である。

 本発明の実施形態に係る薄膜太陽電池製造 置について、図1~図28に基づいて説明する。
(薄膜太陽電池)
 図1は、本発明の薄膜太陽電池製造装置によ って製造される薄膜太陽電池100の概略断面図 である。
 図1に示すように、薄膜太陽電池100は、その 表面を構成し、ガラスからなる基板Wと;この 板W上に設けられた透明導電膜からなる上部 電極101と;アモルファスシリコンからなるト プセル102と;このトップセル102と後述するボ ムセル104との間に設けられた透明導電膜か なる中間電極103と;マイクロクリスタルシリ コンからなるボトムセル104と;透明導電膜か なるバッファ層105と;金属膜からなる裏面電 106とが積層されている。
 つまり、薄膜太陽電池100は、a-Si/マイクロ リスタルSiタンデム型太陽電池である。
 このようなタンデム構造を有する薄膜太陽 池100では、短波長光をトップセル102で吸収 るとともに、長波長光をボトムセル104で吸 することで発電効率の向上を図ることがで る。

 トップセル102のp層(102p)、i層(102i)、n層(102n) 3層構造は、アモルファスシリコンで形成さ れている。
 また、ボトムセル104のp層(104p)、i層(104i)、n (104n)の3層構造は、マイクロクリスタルシリ コンで構成されている。

 このような構成を有する薄膜太陽電池100に いては、太陽光に含まれる光子というエネ ギー粒子がi層に当たると、光起電力効果に より、電子と正孔(hole)が発生し、電子はn層 向かって移動するとともに、正孔はp層に向 って移動する。
 この光起電力効果により発生した電子/正孔 を上部電極101と裏面電極106とにより取り出す ことで、光エネルギーを電気エネルギーに変 換することができる。

 また、トップセル102とボトムセル104との に中間電極103を設けることにより、トップ ル102を通過してボトムセル104に到達する光 一部が中間電極103で反射して再びトップセ 102に入射するため、セルの感度特性が向上 、発電効率の向上に寄与する。

 また、基板Wに入射した太陽光は、各層を通 過した後、裏面電極106によって反射される。
 薄膜太陽電池100においては、光エネルギー 変換効率を向上させるために、また、上部 極101に入射した太陽光の光路を伸ばすプリ ム効果と、光の閉じ込め効果を得るために 成されたテクスチャ構造を採用している。

(第一実施形態)
 次に、本発明の薄膜太陽電池製造装置につ て説明する。
(薄膜太陽電池製造装置)
 図2は薄膜太陽電池製造装置の概略構成図で ある。
 図2に示すように、薄膜太陽電池製造装置10 、成膜室11と、仕込・取出室13と、基板脱着 室15と、基板脱着ロボット17と、基板収容カ ット19と、を含む。
 成膜室11は、複数の基板Wに対して同時にマ クロクリスタルシリコンで構成されたボト セル104(半導体層)を成膜する。
 仕込・取出室13は、成膜室11に搬入される処 理前基板W1と、成膜室11から搬出された処理 基板W2とを同時に収容する。
 以下の説明において「処理前基板」とは、 膜処理が施される前の基板を意味し、「処 後基板」とは、成膜処理が施された後の基 を意味する。
 基板脱着室15おいては、処理前基板W1がキャ リア21(図10参照)に取り付けられたり、処理後 基板W2がキャリア21から取り外されたりする
 基板脱着ロボット17は、基板Wをキャリア21 取り付けたり、キャリア21から取り外したり する。
 基板収容カセット19は、薄膜太陽電池製造 置10とは異なる別の処理室に基板Wを搬送す 際に用いられ、基板Wを収容する。
 なお、第一実施形態の薄膜太陽電池製造装 10においては、成膜室11、仕込・取出室13お び基板脱着室15によって構成される基板成 ライン16が4つ設けられている。
 また、基板脱着ロボット17は床面に敷設さ たレール18上を移動可能であり、全ての基板 成膜ライン16への基板Wの受け渡し工程を1台 基板脱着ロボット17によって行なう。
 さらに、基板成膜モジュール14は、成膜室11 と仕込・取出室13とが一体化して構成されて り、運搬用のトラックに積載可能な大きさ 有する。

 図3A~図3Cは、成膜室11の概略構成図であり、 図3Aは斜視図、図3Bは図3Aとは別の角度から見 た斜視図、図3Cは側面図である。
 図3A~図3Cに示すように、成膜室11は箱型に形 成されている。成膜室11の仕込・取出室13に 続される側面23には、基板Wが搭載されたキ リア21が通過可能なキャリア搬出入口24が3箇 所形成されている。キャリア搬出入口24には ャリア搬出入口24を開閉するシャッタ25が設 けられている。シャッタ25を閉止した時には キャリア搬出入口24は気密性を確保して閉 される。側面23と対向する側面27には、基板W に成膜を施すための電極ユニット31が3基取り 付けられている。電極ユニット31は、成膜室1 1から着脱可能に構成されている。また、成 室11の側面下部28には成膜室11内が真空雰囲 となるように減圧するための排気管29が接続 されており、排気管29には真空ポンプ30が接 されている。

 図4A~図4Dは、電極ユニット31の概略構成図 であり、図4Aは斜視図、図4Bは図4Aとは別の角 度からの斜視図、図4Cは電極ユニット31の変 例を示す斜視図、図4Dはカソードユニットお よびアノード(対向電極)を部分的に示した断 図である。また、図5はカソードの平面図で ある。電極ユニット31は、成膜室11の側面27に 形成された3箇所の開口部26に着脱可能である (図3B参照)。電極ユニット31は、下部の四隅に 車輪61が1つずつ設けられており、床面上を移 動可能である。車輪61が取り付けられた底板 62上には、側板部63が鉛直方向に立設されて いる。この側板部63は、成膜室11の側面27の開 口部26を閉塞する大きさを有している。図4C 変形例に示すように、車輪61付の底板部62は 電極ユニット31と分離・接続可能な台車62A あってもよい。この場合、電極ユニット31を 成膜室11に接続した後に、電極ユニット31か 台車62Aを分離することができる。これによ 、複数の台車を用いずに、台車62Aを共通に いて、電極ユニット31の各々を移動すること ができる。

 側板部63は、成膜室11の壁面の一部を成して いる。
 側板部63の一方の面(成膜室11の内部に向く 、第1面)65には、成膜処理時に施す際に基板W の両面に位置するアノード67とカソードユニ ト68とが設けられている。第一実施形態の 極ユニット31は、カソードユニット68を間に み、カソードユニット68の両側に離間して 置された一対のアノード67を含む。この電極 ユニット31においては、一つの電極ユニット3 1を用いて2枚の基板Wを同時に成膜できる。し たがって、成膜処理時の各基板Wは、重力方 (鉛直方向)と略並行となるように、かつ、カ ソードユニット68と対向するように、カソー ユニット68の両側に配置されている。2枚の ノード67は、各基板Wに対向した状態で、各 板Wの厚さ方向外側に配置されている。

 また、側板部63の他方の面69(第2面)には、 アノード67を駆動させるための駆動機構71と 成膜を施す際にカソードユニット68に給電す るためのマッチングボックス72と、が取り付 られている。さらに、側板部63には、カソ ドユニット68に成膜ガスを供給する配管用の 接続部(不図示)が形成されている。

 アノード67には、基板Wの温度を調整する温 制御部として、ヒータHが内蔵されている。 また、2枚のアノード67,67は、側板部63に設け れた駆動機構71により、互いに近接・離間 る方向(水平方向)に移動可能であり、各基板 Wとカソードユニット68との距離を制御可能で ある。具体的には、基板Wの成膜を施す際に 2枚のアノード67,67がカソードユニット68の方 向に移動して基板Wと当接し、さらに、カソ ドユニット68に近接する方向に移動して基板 Wとカソードユニット68との距離を所望に調節 する。その後、成膜を行い、成膜終了後にア ノード67,67が、互いに離間する方向に移動す 。このように、駆動機構71が設けられてい ので、基板Wを電極ユニット31から容易に取 出すことができる。さらに、アノード67は、 駆動機構71にヒンジ(不図示)を介して取りつ られており、電極ユニット31を成膜室11から き抜いた状態で、アノード67のカソードユ ット68に対向する面67Aが側板部63の一方の面6 5と略平行になるまで回動できる(開く)。
 つまり、アノード67は、底板部62の鉛直方向 から見て略90°回動できるように構成されて る(図4A参照)。

 カソードユニット68は、シャワープレー 75(=カソード)、カソード中間部材76、排気ダ ト79、浮遊容量体82、及び給電ポイント88を している。カソードユニット68には、アノ ド67と対向する面であって、カソードユニッ ト68の両側に、シャワープレート75が配置さ ている。シャワープレート75には、小孔(不 示)が複数形成されており、成膜ガスを基板W に向かって噴出する。さらに、シャワープレ ート75,75は、マッチングボックスと接続され カソード(高周波電極)である。2枚のシャワ プレート75,75の間には、マッチングボック と接続されたカソード中間部材76が設けられ ている。すなわち、シャワープレート75は、 ソード中間部材76の両側に、このカソード 間部材76と接した状態で配置されている。カ ソード中間部材76とシャワープレート(カソー ド)75とは導電体で形成され、高周波はカソー ド中間部材76を介してシャワープレート(カソ ード)75に印加される。このため、2枚のシャ ープレート75,75には、プラズマを発生するた めの同電位・同位相の電圧が印加される。

 ここで、図4D、図5に示すように、カソード 間部材76は1枚の平板からなり、不図示の高 波電源にマッチングボックス72を介して接 されている。
 マッチングボックス72は、カソード中間部 76と高周波電源とのインピーダンス・マッチ ングを得るために用いられる装置であって、 電極ユニット31の側板部63の他方の面69(第2面) に1つ設けられている。
 また、給電ポイント88は、カソード中間部 76の高さ方向(側板部63の長手方向)における 下の側面(上側面及び下側面或いは上部及び 部)に各1つずつ、合計2つ配設されている。 れにより、マッチングボックス72を介して 周波電源から供給された電圧は、給電ポイ ト88を通じて、カソード中間部材76に印加さ る。
 これら給電ポイント88とマッチングボック 72との間には、両者88,72を電気的に接続する めの配線87が配索されている。

 配線87は、マッチングボックス72から延出し 、カソード中間部材76の外周に沿って、各給 ポイント88,88に至るまで配索されている。
 なお、カソード中間部材76の外周および、 電ポイント88および配線87は、例えばアルミ 又は石英などで構成される絶縁部材89によ て周囲が取り囲まれている。
 カソード中間部材76とシャワープレート(カ ード)75は導電体で形成され、高周波はカソ ド中間部材76を介してシャワープレート(カ ード)75に印加される。
 このため、2枚のシャワープレート75,75には プラズマを発生するための同電位・同位相 電圧が印加される。

 また、カソード中間部材76とシャワープレ ト75との間には空間部77が形成されている。 間部77は、カソード中間部材76で分離され、 それぞれのシャワープレート75、75毎に対応 て別々に形成されている。即ち、カソード ニット68には、一対の空間部77が形成されて る。 
 ガス供給装置(不図示)から空間部77の各々に 成膜ガスが導入されると、各シャワープレー ト75、75からガスが放出される。すなわち、 間部77は、ガス供給路の役割を有している。
 この第一実施形態においては、空間部77が れぞれのシャワープレート75、75毎に対応し 別々に形成されているので、カソードユニ ト68は、2系統のガス供給路を有している。 れによって、ガスの種類、ガスの流量、ガ の混合比等が系統毎に独立して制御される

 さらに、カソードユニット68の周縁部には 全周に亘って中空状の排気ダクト79が設けら れている。
 排気ダクト79には、成膜空間81の成膜ガス又 は反応生成物(パウダー)を吸引して除去する( 排気する)ための排気口80が形成されている。
 具体的には、成膜を施す際の基板Wとシャワ ープレート75との間に形成される成膜空間81 連通するように排気口80が形成されている。
 排気口80は、カソードユニット68の周縁部に 沿って複数形成されており、全周に亘って略 均等に成膜ガス又は反応生成物(パウダー)を 引して除去できるように構成されている。
 また、カソードユニット68の下部における 気ダクト79の成膜室11内へ向いた面には開口 (不図示)が形成されている。排気口80を通じ て除去された成膜ガス等は、この開口部を介 して成膜室11内へ排出することができる。
 成膜室11内へ排出されたガスは、成膜室11の 側面下部28に設けられた排気管29より外部へ 気される。
 また、排気ダクト79とカソード中間部材76の 間には、誘電体および/もしくは積層空間を する浮遊容量体82が設けられている。排気ダ クト79は、接地電位に接続されている。排気 クト79は、カソード75およびカソード中間部 材76からの異常放電を防止するためのシール 枠としても機能する。

 さらに、カソードユニット68の周縁部には 排気ダクト79の外周部からシャワープレート 75の外周部に至る部位を覆うようにマスク78 設けられている。
 このマスク78は、キャリア21に設けられた後 述する挟持部59の挟持片59A(図10、図22参照)を 覆すると共に、成膜を施す際に挟持片59Aと 体となって空間部77の成膜ガス又は反応生 物(パウダー)を排気ダクト79に導くためのガ 流路Rを形成している。
 すなわち、キャリア21(挟持片59A)を被覆する マスク78とシャワープレート75との間、およ 排気ダクト79との間にガス流路Rが形成され いる。

 図2に戻り、成膜室11と仕込・取出室13との 、および、仕込・取出室13と基板脱着室15と 間をキャリア21が移動できるように、移動 ール37が成膜室11と基板脱着室15との間に敷 されている。
 なお、移動レール37は、成膜室11と仕込・取 出室13との間で分離され、キャリア搬出入口2 4はシャッタ25を閉じることで密閉可能である 。

 図6A及び図6Bは、仕込・取出室13の概略構成 であり、図6Aは斜視図、図6Bは図6Aとは別の 度からの斜視図である。
 図6A及び図6Bに示すように、仕込・取出室13 、箱型に形成されている。
 側面33は成膜室11の側面23と気密性を確保し 接続されている。
 側面33には3つのキャリア21が挿通可能な開 部32が形成されている。
 側面33と対向する側面34は基板脱着室15に接 されている。
 側面34には基板Wが搭載されたキャリア21が 過可能なキャリア搬出入口35が3箇所形成さ ている。
 キャリア搬出入口35には気密性を確保でき シャッタ36が設けられている。なお、移動レ ール37は仕込・取出室13と基板脱着室15の間で 分離され、キャリア搬出入口35はシャッタ36 閉じることで密閉可能である。

 また、仕込・取出室13には、移動レール37に 沿って成膜室11と仕込・取出室13との間でキ リア21を移動させるためのプッシュ-プル機 38が設けられている。
 図7に示すように、このプッシュ-プル機構38 は、キャリア21を係止するための係止部48と; 止部48の両端に設けられ、移動レール37と略 平行に配された一対のガイド部材49と;係止部 48を両ガイド部材49に沿って移動させるため 移動装置50と;を含む。

 さらに、仕込・取出室13内においては、処 前基板W1および処理後基板W2を同時に収容す ために、キャリア21を平面視(仕込・取出室1 3が設置される面を鉛直方向から見て)におい 移動レール37の敷設方向と略直交する方向 所定距離移動させるための移動機構(不図示) が設けられている。
 そして、仕込・取出室13の側面下部41には、 仕込・取出室13内が真空雰囲気となるように 圧するための排気管42が接続されており、 気管42には真空ポンプ43が接続されている。

 図8A及び図8Bは基板脱着室の概略構成図であ り、図8Aは斜視図、図8Bは正面図である。
 図8A及び図8Bに示すように、基板脱着室15は 枠状に形成されており、仕込・取出室13の 面34に接続されている。
 基板脱着室15においては、移動レール37に配 されているキャリア21に対して処理前基板W1 取り付けることができ、処理後基板W2をキャ リア21から取り外すことができる。
 基板脱着室15には、3体のキャリア21が並列 て配置できるように構成されている。

 基板脱着ロボット17は、駆動アーム45を有し ており(図2参照)、駆動アーム45の先端に基板W を吸着する吸着部を有する。
 また、駆動アーム45は、基板脱着室15に配さ れたキャリア21と基板収容カセット19との間 駆動する。具体的に、駆動アーム45は、基板 収容カセット19から処理前基板W1を取り出し 、基板脱着室15に配されたキャリア21に処理 基板W1を取り付けることができ、処理後基 W2を基板脱着室15に戻ってきたキャリア21か 取り外し、基板収容カセット19へ搬送するこ とができる。

 図9は基板収容カセットの斜視図である。
 図9に示すように、基板収容カセット19は、 型に形成されており、基板Wを複数枚収容可 能な大きさを有している。
 基板収容カセット19内においては、基板Wの 膜面を水平にした状態で、上下方向に基板W が複数枚積層して収容される。
 また、基板収容カセット19の下部にはキャ ター47が設けられており、薄膜太陽電池製造 装置10とは異なる別の処理装置へと移動する とができる。

 図10は、キャリア21の斜視図である。図10に すように、キャリア21は、基板Wを搬送する めに用いられ、基板Wを取り付けることがで きる額縁状のフレーム51を2つ有する。つまり 、一つのキャリア21において、基板Wを2枚取 付けることができる。2つのフレーム51,51は その上部において連結部材52により一体化さ れている。
 また、連結部材52の上方には、移動レール37 に載置される車輪53が設けられている。移動 ール37上を車輪53が転がることにより、キャ リア21が移動レール37に沿って移動可能であ 。
 また、フレーム51の下部には、キャリア21が 移動する際に基板Wの揺れを抑制するために レームホルダ54が設けられている。フレーム ホルダ54の先端は各室の底面上に設けられた 面凹状のレール部材55(図19参照)に嵌合され いる。なお、レール部材55は平面視(レール 材55が設置される面を鉛直方向から見て)に いて移動レール37に沿う方向に配されてい 。
 また、フレームホルダ54が複数のローラで 成されていれば、更に安定してキャリア21を 搬送することが可能となる。

 フレーム51はそれぞれ、開口部56と、周縁部 57と、挟持部59とを有している。フレーム51に 基板Wが搭載された場合に、開口部56において は基板Wの成膜面が露出される。また、開口 56の周縁部57と、挟持部59とによって、基板W 両面が挟持され、基板Wはフレーム51に固定 れる。そして、基板Wを挟持している挟持部 59には、バネなどによる付勢力が働いている
 また、挟持部59は、基板Wの表面WO(成膜面)お よび裏面WU(背面)に当接する挟持片59A,59Bを有 ている(図22参照)。この挟持片59A,59Bの離隔 離は、バネなどを介して可変可能、つまり アノード67の移動に応じて挟持片59Aが挟持片 59Bに対して近接・離間する方向に沿って移動 可能に構成されている(詳細は後述する)。
 ここで、一つの移動レール37上には、1体の ャリア21が取り付けられている。即ち、一 (2枚)の基板を保持できる1体のキャリア21が 一つの移動レール37上に取り付けられている 。つまり、一組の薄膜太陽電池製造装置10に いては、3体のキャリア21が取り付けられ、 ち、3対(6枚)の基板が保持される。

 第一実施形態の薄膜太陽電池製造装置10 は、上述した成膜室11,仕込・取出室13,及び 板脱着室15によって構成される基板成膜ライ ン16が4つ配置構成され(図2参照)、一つの成膜 室に3つのキャリア21が収容されるため(図3A及 び図3B参照)、24枚の基板Wを略同時に成膜する ことができる。

(薄膜太陽電池の製造方法)
 次に、第一実施形態の薄膜太陽電池製造装 10を用いて、基板Wに成膜する方法を説明す 。なお、この説明においては、一つの基板 膜ライン16の図面を用いて説明するが、他 三つの基板成膜ライン16においても略同様に 方法により基板に成膜する。
 まず、図11に示すように、処理前基板W1を複 数枚収容した基板収容カセット19を所定の位 に配置する。

 次に、図12に示すように、基板脱着ロボッ 17の駆動アーム45を動かして、基板収容カセ ト19から処理前基板W1を一枚取り出し、処理 前基板W1を基板脱着室15内に設置されていた ャリア21に取り付ける。この時、基板収容カ セット19において水平方向に配置された処理 基板W1の配置方向は、鉛直方向に変わり、 理前基板W1がキャリア21に取り付けられる。 の動作をもう一度繰り返し、一つのキャリ 21に2枚の処理前基板W1を取り付ける。
 さらに、この動作を繰り返して、基板脱着 15に設置されている残り二つのキャリア21に も処理前基板W1をそれぞれ取り付ける。つま 、この段階で処理前基板W1が6枚取り付けら る。

 続いて、図13に示すように、処理前基板W1が 取り付けられた3個のキャリア21は、移動レー ル37に沿って略同時に移動し、仕込・取出室1 3内に収容される。仕込・取出室13にキャリア 21が収容された後、仕込・取出室13のキャリ 搬出入口35のシャッタ36が閉じる。
 その後、仕込・取出室13の内部を、真空ポ プ43を用いて真空状態に保持する。

 その後、図14に示すように、平面視(仕込 取出室13が設置される面を鉛直方向から見 )において、3個のキャリア21を移動レール37 敷設された方向と直交する方向に移動機構 用いてそれぞれ所定距離移動させる。

 次に、図15に示すように、成膜室11のシャッ タ25を開き、成膜室11で成膜が終了した処理 基板W2が取り付けられたキャリア21Aを仕込・ 取出室13内にプッシュ-プル機構38を用いて移 させる。
 この時、処理前基板W1が取り付けられたキ リア21と、処理後基板W2が取り付けられたキ リア21Aとが平面視において並列して配置さ る。
 そして、この状態を所定時間保持すること 、処理後基板W2に蓄熱されている熱が処理 基板W1に伝熱される。つまり、成膜前基板W1 加熱される。

 ここで、プッシュ-プル機構38の動きを説明 る。なお、ここでは成膜室11内に位置して るキャリア21Aを仕込・取出室13へ移動させる 際の動きを説明する。
 図16Aに示すように、プッシュ-プル機構38の 止部48に、処理後基板W2が取り付けられたキ ャリア21Aを係止する。そして、係止部48に取 付けられている移動装置50の移動アーム58を 揺動させる。この時、移動アーム58の長さは 変する。すると、キャリア21Aが係止された 止部48は、ガイド部材49に案内されながら移 動し、図16Bに示すように、仕込・取出室13内 と移動する。つまり、キャリア21Aは、成膜 11から仕込・取出室13へと移動される。
 このような構成によれば、キャリア21Aを駆 させるための駆動源(駆動機構)を成膜室11内 に設けることが不要になる。

 次に、図17に示すように、キャリア21およ びキャリア21Aを移動機構により移動レール37 直交する方向に移動させ、処理前基板W1を 持した各キャリア21を各々の移動レール37の 置まで移動させる。

 続いて、図18に示すように、プッシュ-プル 構38を用いて処理前基板W1を保持したキャリ ア21を成膜室11に移動させ、移動完了後に、 ャッタ25を閉める。なお、成膜室11内は、真 状態に保持されている。
 この時、キャリア21に取り付けられた処理 基板W1は、その面に平行な方向に沿って移動 し、成膜室11内において、アノード67とカソ ドユニット68との間に、表面WOが重力方向と 並行となるように鉛直方向に沿った状態で 入される(図19参照)。

 次に、図19から図20に示すように、駆動機 構71により、電極ユニット31の2枚のアノード6 7が互いに近接する方向に、アノード67を移動 させて、アノード67と処理前基板W1の裏面WUと を当接させる。

 更に、図21に示すように、駆動機構71を駆動 させると、アノード67に押されるように処理 基板W1がカソードユニット68に向かって移動 する。
 更に、処理前基板W1とカソードユニット68の シャワープレート75との隙間が所定距離(成膜 距離)になるまで、処理前基板W1を移動させる 。
 なお、この処理前基板W1とカソードユニッ 68のシャワープレート75との隙間(成膜距離) 5~15mmで、例えば5mm程度である。

 この時、処理前基板W1の表面WOに当接して いるキャリア21の挟持部59の挟持片59Aは、処 前基板W1の移動(アノード67の移動)に伴って 挟持片59Bから離れる方向に変位する。この 、成膜前基板W1は、アノード67と挟持片59Aと よって挟持される。なお、アノード67がカ ードユニット68から離れる方向に移動した際 に、挟持片59Aにはバネなどの復元力が作用す るため、挟持片59Aは、挟持片59Bに向かって変 位する。

 処理前基板W1がカソードユニット68に向かっ て移動すると、挟持片59Aがマスク78に当接し この時点でアノード67の移動が停止する(図2 2参照)。
 図22に示すように、マスク78は、挟持片59Aの 表面と基板Wの外縁部とを覆うと共に、挟持 59Aもしくは基板Wの外縁部と密接するように 成されている。成膜空間81は、マスク78と、 カソードユニット68のシャワープレート75と 処理前基板W1(基板W)とにより形成される。
 すなわち、マスク78は、キャリア21の挟持片 59Aのうち、成膜空間81に露呈する露出面85を 覆することで、成膜空間81に対して露出しな いように挟持片59Aを遮蔽する。
 さらに、マスク78と挟持片59Aとの合わせ面( 接面)及びマスク78と基板Wの外縁部との合わ せ面(当接面)は、シール部86として機能する これにより、マスク78と挟持片59Aとの間又は マスク78と基板Wの外縁部との間から成膜ガス が漏れることが防止されている。

 また、処理前基板W1の移動は、挟持片59Aも くは基板Wの外縁部がマスク78に当接するこ によって停止するので、マスク78とシャワー プレート75との間隙、及びマスク78と排気ダ ト79との間隙、つまり、ガス流路Rの厚さ方 (シャワープレート75の平面に対して鉛直方 )の流路高さは、処理前基板W1とカソードユ ット68との隙間が所定の距離となるように設 定されている。
 また、第一実施形態の変形例として、マス を排気ダクト79に弾性体を介して取り付け ことによって、基板とシャワープレート75(= ソード)との距離を駆動機構71のストローク よって任意に変更する構造を採用すること できる。
 上記の実施形態では、マスク78と基板Wとが 接する場合を述べたが、成膜ガス通過の通 を制限するような微少な間隔を空けてマス 78と基板Wとが配置されてもよい。

 続いて、カソードユニット68のシャワープ ート75から成膜ガスを噴出させるとともに、 マッチングボックス72を起動させて高周波電 からの電圧をマッチングボックス72とカソ ドユニット68のカソード中間部材76を介して ャワープレート(=カソード)75に印加する。 の時、マッチングボックス72によって、2つ 給電ポイント88における各々の電圧の位相を 合わせる。
 各給電ポイント88における電圧の位相が合 ことによって、シャワープレート(カソード) 75全体の電位を均一に設定することができる
 そして、カソードユニット68のシャワープ ート(カソード)75に電圧を印加することで処 前基板W1の表面WOに成膜を施す。
 なお、アノード67に内蔵されているヒータH より、処理前基板W1が所望の温度に加熱さ る。
 アノード67は、処理前基板W1が所望の温度に 達すると加熱を停止する。

 シャワープレート75に電圧が印加されるこ によって、成膜空間81内にプラズマが発生す る。時間の経過に伴うプラズマからの入熱に より、アノード67の加熱を停止しても処理前 板W1の温度が所望の温度よりも上昇してし うおそれがある。この場合、アノード67は、 温度上昇しすぎた処理前基板W1を冷却するた の放熱板として機能させることもできる。 たがって、処理前基板W1は、成膜処理時間 時間経過に関わらず所望の温度に調整され 。
 なお、シャワープレート75から供給される 膜ガス材料を所定時間毎に切り替えること より、一度の成膜処理工程において複数の を基板W上に成膜することができる。

 また、成膜中および成膜後に、カソードユ ット68の周縁部に形成された排気口80を通じ て、成膜空間81内のガス又は反応生成物(パウ ダー)は吸引され除去される(排気)。具体的に は、成膜空間81内のガス又は反応生成物は、 ス流路Rと排気口80とを介して、カソードユ ット68の周縁部の排気ダクト79に排気される 。その後、ガス又は反応生成物は、カソード ユニット68の下部における排気ダクト79の成 室11内へ向いた面に形成された開口部を通過 する。更に、ガス又は反応生成物は、成膜室 11の側面下部28に設けられた排気管29から成膜 室11の外部へと排気される。
 なお、成膜を施す際に発生した反応生成物( パウダー)を排気ダクト79の内壁面に付着・堆 積させることにより、この反応生成物は、回 収及び処分される。
 成膜室11内の全ての電極ユニット31において 、上述した処理と同じ処理が実行されるため 、6枚の基板に対して同時に成膜することが きる。

 そして、成膜が終了したら、駆動機構71 より2枚のアノード67が互いに離れる方向に ノード67を移動させ、処理後基板W2およびフ ーム51(挟持片59A)を元の位置に戻す(図20、図 22参照)。即ち、成膜が終了し、キャリア21を 動する段階になると、挟持片59Aの露出面85 らマスク78が外れる。更に、2枚のアノード67 が互いに離れる方向にアノード67を移動させ ことで、処理後基板W2がアノード67から離れ る(図19参照)。

 次に、図23に示すように、成膜室11のシャッ タ25を開き、キャリア21を仕込・取出室13へプ ッシュ-プル機構38を用いて移動させる。
 このとき仕込・取出室13内は、真空状態に 持されており、次に成膜される処理前基板W1 を取り付けたキャリア21Bが既に配置されてい る。
 そして、仕込・取出室13内で処理後基板W2に 蓄熱されている熱を処理前基板W1へ伝熱し、 理後基板W2の温度を下げる。

 続いて、図24に示すように、各キャリア21 Bが成膜室11内に移動された後、上記の移動機 構により、各キャリア21を移動レール37の位 に戻す。

 次に、図25に示すように、シャッタ25を閉 じた後、シャッタ36を開いて、キャリア21を 板脱着室15へと移動させる。

 次に、図26に示すように、基板脱着室15にお いて、処理後基板W2を基板脱着ロボット17に りキャリア21から取り外し、基板収容カセッ ト19へと搬送する。
 全ての処理後基板W2の取り外しが完了した 、基板収容カセット19を次工程が行なわれる 場所(装置)まで移動させることで、成膜処理 終了する。

 上記の成膜処理において、処理後基板W2上 膜が全体で均一に形成されていなかった場 、つまり、例えば、2つの成膜空間のプラズ が不均一または不安定であったことに起因 て、処理後基板W2に膜が不均一に形成され しまった場合、カソードユニット68に設けら れているマッチングボックス72の使用条件を 整することによって、カソード中間部材76 おける一方の給電ポイント88に入力される電 圧の位相と、他方の給電ポイント88に入力さ る電圧の位相とをずらしてもよい。この場 、マッチングボックス72の使用状況に応じ 、電極ユニット31に設けられているマッチン グボックス72の設置個数を2個以上にしてもよ い。
 上記の第一実施形態においては、カソード 間部材76に、給電ポイント88が高さ方向にお ける上下の側面に各1つずつ、合計2つ配設さ ている構成について述べた。
 このため、例えば、カソード中間部材76に 設された給電ポイント88の位置に対応するよ うに不均一な品質を有する膜が処理後基板W2 形成される場合には、一方の給電ポイント8 8に入力される電圧の位相と、他方の給電ポ ント88に入力される電圧の位相とをずらすこ とによって、処理後基板W2に形成される膜の 質を別々に調整することができる。

 したがって、上述の第一実施形態によれば シャワープレート(カソード75)が大型化した 場合であっても、カソード中間部材76に給電 イント88を2つ以上設けることによって、マ チングボックス72の使用条件を調整するこ によって、複数の給電ポイント88における電 圧の位相を調整することによって、シャワー プレート(カソード75)全体の電位を均一に設 することができる。
 また、処理後基板W2に形成される膜の品質 確認しながら、各給電ポイント88,88に印加さ れる電圧の位相を調整することが可能になる 。
 さらに、カソード中間部材76の両側に、ア ード67の各々が対向するように配置させるこ とにより、省スペースが実現された空間で、 同時に2枚の基板Wに膜を形成することが可能 なる。

(第二実施形態)
 次に、上記の図5を援用し、かつ、図27に基 いて、本発明の第二実施形態を説明する。 お、第一実施形態と同一部材には、同一符 を付して説明する(以下の実施形態でも同様 )。
 この第二実施形態において、薄膜太陽電池 造装置10が、複数の基板Wに対して同時にマ クロクリスタルシリコンで構成されたボト セル104(半導体層)を成膜可能な成膜室11と; 膜室11に搬入される処理前基板W1と、成膜室1 1から搬出された処理後基板W2と、を同時に収 容可能な仕込・取出室13と;処理前基板W1およ 処理後基板W2をキャリア21に脱着する基板脱 着室15と;基板Wをキャリア21から脱着するため の基板脱着ロボット17と;基板Wを別の処理室 の搬送のために収容する基板収容カセット19 と;を備えている点、成膜室11に電極ユニット 31が着脱可能に設けられている点;電極ユニッ ト31のアノード67にヒータHが内蔵されている ;電極ユニット31の側板部63に、アノード67を 駆動させるための駆動機構71と、マッチング ックス72とが取り付けられている点等の基 的構成は、前述の第一実施形態と同様であ (以下の実施形態でも同様)。

 第二実施形態のカソードユニット118は、2枚 のアノード67,67(アノードユニット90,90)の間に 配置されており、カソードユニット118の厚さ 方向(シャワープレート75の平面に対して鉛直 方向)において略中央に配された平板状の絶 部材120を有する。絶縁部材120は、一対のシ ワープレート75の間に設置されている。カソ ードユニット118においては、この絶縁部材120 を間に介在させて1対のRF印加部材119が互いに 略並行に配置されている。絶縁部材120は、例 えば、アルミナ又は石英などで形成されてい る。
 1対のRF印加部材119は、それぞれ平板状に形 された部材である。各RF印加部材119と対向 るように、シャワープレート75が配置されて いる。
 各シャワープレート75は、RF印加部材119とア ノード67との間に配置され、RF印加部材119の と接触している。各シャワープレート75と、 RF印加部材119とは、RF印加部材119の外周にお て接続されている。各シャワープレート75と 各RF印加部材119との間には、成膜ガスを導入 るための空間部77が形成されている。

 各RF印加部材119には、マッチングボックス72 を介して高周波電源の電圧が印加される給電 ポイント88が、RF印加部材119の高さ方向にお る上下の側面(上側面及び下側面或いは上部 び下部)に各1つずつ、合計2つ配設されてい 。これら給電ポイント88とマッチングボッ ス72との間には、両者88,72を電気的に接続す ための配線87が配索されている。
 給電ポイント88及び配線87の周囲は、例えば アルミナ又は石英などで構成される絶縁部材 121によって取り囲まれている(図5参照)。また 、図27に示されているように、2つのRF印加部 119の各々の給電ポイント88は、絶縁部材121 よって覆われている。給電部88の電位は、RF 加部材119の上側面及び下側面において同じ ある(同電位)。

 したがって、上述の第二実施形態によれ 、前述の第一実施形態と同様の効果に加え 2つのカソードの間に誘電体(絶縁部材120)を 入することにより浮遊容量が設けられてい ので、この浮遊容量によって2つの電極(カ ード)間の相互干渉を抑えることができる。

(第三実施形態)
 次に、本発明の第三実施形態を図28に基づ て説明する。
 第三実施形態のカソードユニット128と、前 の第二実施形態のカソードユニット118との 違点は、次の通りである。即ち、前述の第 実施形態のカソードユニット118においては1 対のRF印加部材119が絶縁部材120をその間に介 させて互いに略並行に配置されているのに し、第三実施形態のカソードユニット128に いては、1対のカソードRF印加部材119が電気 な導通を阻害する阻害機構130をその間に介 させて互いに略並行に配置されている。

 阻害機構130は、平板状のアース板131と、1対 のシールド部132,132とにより構成されている アース板131は、阻害機構130の厚さ方向(シャ ープレート75の平面に対して鉛直方向)にお て略中央に配されている。シールド部132,132 は、アース板131の両側に配置されている。ア ース板131は、各RF印加部材119,119の間に介在し ている。アース板131により、RF印加部材119,119 とシールド部132、132とが左側及び右側に分離 されている。すなわち、カソードユニット128 は、アース板131によって厚さ方向において両 側に電気的に区分けされている。1対のシー ド部132,132は、それぞれアース板131とRF印加 材119との間に介在している。2つのRF印加部 119,119各々とこのアース板との間に設置され シールド部132,132にある一定の浮遊容量を設 けることにより、2つのRF印加部材119,119間の 互干渉を防止する。
 2つのRF印加部材119,119の各々とアース板との 間に浮遊容量を形成する方法として、(A)誘電 体を挟む方法、又は(B)1~29mm程度の空間を形成 する方法が挙げられる。また、空間を形成す る方法としては、(1)電気的にフローティング な金属板を間隔を設けて重ねる方法、又は(2) 絶縁板を間隔を設けて重ねる方法が挙げられ る。

 したがって、上述の第三実施形態によれば 前述の第一実施形態と同様の効果に加え、1 対のRF印加部材119の間に電気的な導通を阻害 る阻害機構130が設けられているので、1対の RF印加部材119に印加される電圧が互いに干渉 ることなく印加することが可能になる。こ ため、2つの成膜空間81においては、放電が 互に干渉することなく、プラズマを発生す ことができる。
 また、シャワープレート(カソード)75と基板 Wとの間に形成される成膜空間81,81における成 膜条件をそれぞれ別個に設定することが可能 になり、2枚の基板Wに対してそれぞれ個別に ューニングされた成膜条件で基板Wを成膜す ることができる。よって、均一で安定な成膜 が行われる。

 なお、本発明の技術範囲は、上述した実施 態に限定されるものではなく、本発明の趣 を逸脱しない範囲において、上述した実施 態に種々の変更を加えたものを含む。すな ち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成 は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
 また、上述の実施形態では、カソード中間 材76、RF印加部材119には、マッチングボック ス72を介して高周波電源からの電圧が印加さ る給電ポイント88が高さ方向の上下の側面 各1つずつ、合計2つ配設されている場合につ いて説明した。
 しかしながら、これに限られるものではな 、カソード中間部材76、RF印加部材119の大き さや成膜を施す際の条件に応じて給電ポイン ト88を2つ以上設けてもよい。
 上記の実施形態においては、給電ポイント8 8が2つ配設されているカソード中間部材76及 RF印加部材119の構成について述べたが、給電 ポイント88の個数は限定されない。3つ以上の 給電ポイント88を設けてもよい。例えば、基 Wの4辺に対応するように、カソード中間部 76及びRF印加部材119の4箇所に給電ポイント88 設けてもよい。また、基板Wの4隅に対応す ように、カソード中間部材76及びRF印加部材1 19の4箇所に給電ポイント88を設けてもよい。 電ポイント88の個数及び給電ポイント88が設 置される位置は、処理後基板W2に形成される の品質に応じて適宜調整される。

 さらに、上述の第一実施形態においては、 ャワープレート(カソード)75及びカソード中 間部材76が独立した部材であり、これらの部 がカソードユニット68に組み込まれた構成 ついて説明した。しかしながら、この構成 限らず、シャワープレート(カソード)75とカ ード中間部材76とが一体に形成された構成 採用してもよい。
 上述の第二実施形態及び第三実施形態では シャワープレート(カソード)75及びRF印加部 119が独立した部材であり、これらの部材が ソードユニット68に組み込まれた構成につ て説明した。しかしながら、この構成に限 ず、シャワープレート(カソード)75とRF印加 材119とが一体に形成された構成を採用して よい。

 以上詳述したように、本発明は、高周波 極が大型化したり、成膜を施す際の条件が 化したりしても、基板の成膜面に均一な膜 形成することができる薄膜太陽電池製造装 に有用である。

 10…薄膜太陽電池製造装置 11…成膜室 67 …アノード 68,118,128…カソードユニット 75 シャワープレート(カソード)76…カソード中 部材 119…RF印加部材 81…成膜空間 88…給 ポイント 90…アノードユニット 102…トッ セル(膜) 104…ボトムセル(膜) 120…絶縁部  130…阻害機構(機構) 131…アース板 132…シ ールド部(シールド部材) H…ヒータ(温度制御 部)R…ガス流路 W…基板 W1…処理前基板 W2 処理後基板 WO…表面(成膜面) WU…裏面(背面 )