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Title:
BAND SEAL FOR HARD CAPSULES HAVING PEG ENCAPSULATED THEREIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099835
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to produce a band seal for hard capsules having PEG (in particular, low-molecular weight PEG such as PEG 200 to 600) encapsulated therein, in which the leakage of the contents from the space between the body part and the cap part can be effectively prevented; and a solution for preparing the same. It is also intended to provide hard capsules having PEG (in particular, low-molecular weight PEG such as PEG 200 to 600) encapsulated therein which is free from the problem of the leakage of the contents from the space between the body part and the cap part, and a method of preparing the same. The band seal as described above can be prepared by using, as the main component, polyvinyl alcohol, a polyvinyl alcohol copolymer or a mixture of the same.

Inventors:
TOCHIO SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052309
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
QUALICAPS CO LTD (JP)
International Classes:
A61J3/07; A61K9/48; A61K47/10; A61K47/32; A61K47/34
Domestic Patent References:
WO2006070578A12006-07-06
WO2006082842A12006-08-10
WO2002017848A12002-03-07
WO2006070578A12006-07-06
Foreign References:
JP2007015949A2007-01-25
JP2004035569A2004-02-05
JPH06157916A1994-06-07
JP2003327270A2003-11-19
JP2000202003A2000-07-25
JP2005137935A2005-06-02
JP2001170137A2001-06-26
Other References:
See also references of EP 2111837A4
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi,Chuo-ku,Osaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
 ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物を充填してなる硬質カプセル剤のためのバンドシールであって、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を、バンドシール性を発揮する割合で含有することを特徴とするバンドシール。
 上記ポリエチレングリコールが、平均分子量が200~600の低分子量ポリエチレングリコールである、請求項1記載のバンドシール。
 ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、ソルビトールを、バンドシール性を発揮する割合で含有する請求項1または2に記載するバンドシール。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項1乃至3のいずれかに記載するバンドシール。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、さらにゲル化剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項4に記載するバンドシール。
 ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を、バンドシール性を発揮する割合で含有する水溶液である、請求項1または2に記載するバンドシールの調製液。
 ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、ソルビトールを、バンドシール性を発揮する割合で含有する水溶液である、請求項3に記載するバンドシールの調製液。
 B型回転粘度計(粘度500mPa・s未満はローター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満はローター番号3、粘度2000mPa・s以上はローター番号4)を用いて、23℃、回転数60rpm、測定時間1分の条件下で、粘度が100~5000mPa・sであることを特徴とする、請求項6または7に記載するバンドシール調製液。
 ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物を充填してなる硬質カプセル剤であって、ボディ部とキャップ部の嵌合部が、請求項1乃至5のいずれかに記載するバンドシールで封緘されてなることを特徴とする硬質カプセル剤。
 上記ポリエチレングリコールが、平均分子量が200~600の低分子量ポリエチレングリコールである、請求項9記載の硬質カプセル剤。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項9に記載する硬質カプセル剤。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、さらにゲル化剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項11に記載する硬質カプセル剤。
 硬質カプセル内にポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含む組成物を充填した後、キャップ部とボディ部を嵌合し、形成された嵌合部に請求項6~8のいずれかに記載するバンドシール調製液を塗布し、乾燥して封緘することを特徴とする硬質カプセル剤の調製方法。
 上記ポリエチレングリコールが、平均分子量が200~600の低分子量ポリエチレングリコールである、請求項13に記載する調製方法。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項13に記載する調製方法。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、さらにゲル化剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項13に記載する調製方法。
 内部にポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールを含有する組成物を充填してなる硬質カプセル剤の、当該キャップ部とボディ部の嵌合部に、請求項6乃至8のいずれかに記載するバンドシール調製液で塗布して乾燥することを特徴とする、硬質カプセル剤の封緘方法。
 上記ポリエチレングリコールが、平均分子量が200~600の低分子量ポリエチレングリコールである、請求項17に記載する封緘方法。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項17に記載する封緘方法。
 硬質カプセルが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール共重合体またはこれらの混合物に加えて、さらにゲル化剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有するフィルムから形成されてなるものである請求項17に記載する封緘方法。
Description:
PEG充填硬質カプセル剤のバンド ール 発明の属する技術分野

 本発明は、硬質カプセル剤のバンドシー 、特に内部にポリエチレングリコール(以下 、「PEG」ともいう)を充填してなる硬質カプ ル剤のためのバンドシールおよびその調製 に関する。また、本発明は、かかるバンド ールで封緘されてなるPEG充填硬質カプセル 、およびその調製方法に関する。

 医薬、健康食品を始めとする食品、化粧 、農薬などの硬質カプセル剤については、 来より内部に充填した内容物が外部に液漏 しない硬質カプセル剤が求められている。 た内容物が固形物であって液漏れの問題が い硬質カプセル剤の場合、内容物が酸素や 分に弱いものであれば、カプセルのボディ とキャップ部との隙間から酸素や水がはい 、内容物が変質する恐れがある。このため ボディ部とキャップ部との隙間から酸素や が侵入しない硬質カプセル剤が求められて る。

 こうした問題を解消する方法として、従 よりバンドシールが用いられている。バン シールは、硬質カプセルに内容物を充填し 後、そのカプセルのボディ部とキャップ部 の嵌合部の封緘に用いられるシール剤(封緘 剤)である。

 一方、ポリエチレングリコール(PEG)、特 平均分子量が200~600などの低分子量のPEGは、 れた溶解作用と吸収性を有しているため、 形剤として医薬品、医薬部外品および食品 どに広く使用されている。しかしながら、P EGは吸湿性が高いため、これを低水分下にお る強度に乏しいゼラチン製の硬質カプセル 充填すると、カプセル皮膜の含水量が低下 て皮膜が脆弱化し、経時的に割れが発生す 可能性が高くなる。また、こうしたゼラチ 製の硬質カプセルの欠点を解消し得る非ゼ チン硬質カプセルとして、皮膜成分に水溶 セルロース誘導体、特にヒドロキシプロピ メチルセルロース(HPMC)を用いたカプセルが 案されている。かかるHPMC製の硬質カプセル は、低水分下でも良好な強度を維持するもの であるが、かかる硬質カプセルに上記のPEGを 充填すると、PEGがカプセル皮膜を通過して漏 れ出すことが報告されており、内部にPEGまた はこれを含む組成物を充填するための硬質カ プセルとしては適切ではない。

 こうした問題を解消するために、PEGの充 に適した硬質カプセルとして、プルラン、 ミセルロース、コーンスターチ、カルボキ メチルセルロース、およびこれらの水溶性 から選ばれる1種または2種以上の多糖類の ルからなる硬質カプセル(特許文献1)、プル ンにゲル化剤を配合してゲル化させたゲル らなる硬質カプセル(特許文献2)、ポリビニ アルコールを基材とするフィルムからなる 質カプセル(特許文献3)が提案されている。

 しかしながら、いずれの文献にも、これら 硬質カプセルのボディ部とキャップ部との 間から漏出するPEGの問題を解消する方法に いては記載されていない。

特開2000-202003号公報

特開2005-137935号公報

特開2001-170137号公報

 本発明の目的は、内部にポリエチレング コール(PEG)、特に平均分子量が200~600の低分 量PEGを充填した硬質カプセルについて、ボ ィ部とキャップ部との隙間から生じる内容 漏出を効果的に防止することのできるバン シール、およびその調製液を提供すること 目的とする。また、本発明は、硬質カプセ 内にPEG、特に平均分子量が200~600の低分子量 PEGを充填した硬質カプセル剤であって、ボデ ィ部とキャップ部との隙間から内容物が漏出 するといった不都合が防止された硬質カプセ ル剤およびその調製方法を提供することを目 的とする。

 本発明者らは、上記目的を達成するため 日夜鋭意検討していたところ、内部にポリ チレングリコール(PEG)またはそれを含有す 組成物を充填してなる硬質カプセル剤につ て、バンドシールとしてポリビニルアルコ ル(以下、「PVA」ともいう)、ポリビニルアル コール共重合体(以下、「PVA共重合体」とも う)、またはこれらの混合物を用いることに って、硬質カプセルのボディ部とキャップ との隙間から上記PEGを含む内容物が外部に 出するという問題が解消できることを見出 、かかるバンドシールを用いることにより 期保存によっても良好な品質を保持してな 硬質カプセル剤が提供できることを見出し 。

 本発明はかかる知見に基づいて完成され ものであり、下記の態様を含むものである

  (I)バンドシールおよびその調製液
(I-1)PEGまたはPEGを含む組成物を充填してなる 質カプセル剤のためのバンドシールであっ 、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニル ルコール共重合体(PVA共重合体)またはこれら の混合物を、バンドシール性を発揮する割合 で含有することを特徴とするバンドシール。

 (I-2)上記PEGが、平均分子量が200~600の低分 量PEGである、(I-1)記載のバンドシール。

 (I-3)PVA、PVA共重合体またはこれらの混合 に加えて、ソルビトールを、バンドシール を発揮する割合で含有する(I-1)または(I-2)に 載するバンドシール。

 (I-4)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物を含有するフィルムか 形成されてなるものである(I-1)乃至(I-3)のい れかに記載するバンドシール。

 (I-5)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物に加えて、ゲル化剤ま はゲル化剤とゲル化補助剤を含有するフィ ムから形成されてなるものである(I-4)に記載 するバンドシール。

 (I-6)PVA、PVA共重合体またはこれらの混合 を、バンドシール性を発揮する割合で含有 る水溶液である、(I-1)または(I-2)に記載する ンドシールの調製液。

 (I-7)PVA、PVA共重合体またはこれらの混合 に加えてソルビトールを、バンドシール性 発揮する割合で含有する水溶液である、(I-3) に記載するバンドシールの調製液。

 (I-8)B型回転粘度計(粘度500mPa・s未満はロ ター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満は ーター番号3、粘度2000mPa・s以上はローター 号4)を用いて、23℃、回転数60rpm、測定時間1 分の条件下で、粘度が100~5000mPa・sであること を特徴とする、(I-6)または(I-7)に記載するバ ドシール調製液。

  (II) バンドシール封緘硬質カプセ ル剤、およびその調製方法
(II-1)PEGまたはPEGを含む組成物を充填してなる 硬質カプセル剤であって、ボディ部とキャッ プ部との嵌合部が、(I-1)乃至(I-5)のいずれか 記載するバンドシールで封緘されてなるこ を特徴とする硬質カプセル剤。

 (II-2)上記PEGが、平均分子量が200~600の低分 子量PEGである、(II-1)記載の硬質カプセル剤。

 (II-3)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物を含有するフィルムか 形成されてなるものである(II-1)または(II-2) 記載する硬質カプセル剤。

 (II-4)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物に加えて、さらにゲル 剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有す フィルムから形成されてなるものである(II- 3)に記載する硬質カプセル剤。

  (III) バンドシール封緘硬質カプ ル剤の調製方法
(III-1)硬質カプセル内にPEGまたはPEGを含む組 物を充填した後、キャップ部とボディ部を 合し、形成された嵌合部に(I-6)乃至(I-8)のい れかに記載するバンドシール調製液を塗布 、乾燥して封緘することを特徴とする硬質 プセル剤の調製方法。

 (III-2)上記PEGが、平均分子量が200~600の低 子量PEGである、(III-1)記載の硬質カプセル剤 調製方法。

 (III-3)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 またはこれらの混合物を含有するフィルムか ら形成されてなるものである、(III-1)または(I II-2)に記載する硬質カプセル剤の調製方法。

 (III-4)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 またはこれらの混合物に加えてさらにゲル化 剤またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有する フィルムから形成されてなるものである、(II I-3)に記載する硬質カプセル剤の調製方法。

  (IV)硬質カプセル剤の封緘方法
(IV-1)内部にPEGまたはPEGを含有する組成物を充 填してなる硬質カプセル剤の、当該ボディ部 とキャップ部との嵌合部に、(I-6)乃至(I-8)の ずれかに記載するバンドシール調製液で塗 して乾燥することを特徴とする、硬質カプ ル剤の封緘方法。

 (IV-2)上記PEGが、平均分子量が200~600の低分 子量PEGである、(IV-1)記載の硬質カプセル剤の 封緘方法。

 (IV-3)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物を含有するフィルムか 形成されてなるものである(IV-1)または(IV-2) 記載する硬質カプセル剤の封緘方法。

 (IV-4)硬質カプセル剤が、PVA、PVA共重合体 たはこれらの混合物に加えてさらにゲル化 またはゲル化剤とゲル化補助剤を含有する ィルムから形成されてなるものである(IV-3) 記載する硬質カプセル剤の封緘方法。

 本発明のバンドシールによれば、PEG、特 平均分子量が200~600の低分子量PEGを含む組成 物を内部に充填した硬質カプセル剤であって も、ボディ部とキャップ部との隙間から内容 物が漏出することを防止することができ、ま た当該隙間を通じてカプセル内の内容物が空 気や水に触れることによる変質を防止するこ とができる。

 また本発明の硬質カプセル剤は、ボディ とキャップ部との嵌合部が上記バンドシー で封緘されており、このため、内部にPEG、 に平均分子量が200~600の低分子量PEGを含む組 成物を含んでいても、ボディ部とキャップ部 との隙間から当該内容物が漏出することがな く、また当該隙間を通じて内容物が空気や水 に触れることによって生じる変質も防止する ことができる。このため、PEG、特に平均分子 量が200~600の低分子量PEGを賦形剤として含む 物、医薬部外品、化粧料、または食品を内 に充填するための硬質カプセル剤として有 である。

 本発明のバンドシールは、ポリビニルア コール(PVA)、ポリビニルアルコール共重合 (PVA共重合体)またはこれらの混合物を、バン ドシール性を発揮する割合で含有することを 特徴とする。

 ここで「バンドシール」とは、ボディ部( 符号2)とキャップ部(符号1)を組み合わせて作 した硬質カプセル剤のキャップ部の切断部( 端縁部)(符号a)を略中心として、それをまた ように幅をもって、ボディ部(符号2)の外周 面とキャップ部(符号1)の外周表面に、バン シール調製液を塗布して乾燥することによ て形成される帯状の封緘フィルム(符号5)を 味する(図1参照)。また、本発明で「バンド ール調製液」とは、当該バンドシールを形 するための調製液、すなわちバンドシール 形成する成分を、水を主成分とした溶媒に 解した溶液を意味する。

 PVAは、ポリ酢酸ビニルをけん化して得ら る重合物であり、通常、けん化度が97mol%以 で下式(1)で表される完全けん化物と、けん 度が78~96mol%で下記式(2)で表される部分けん 物とがある。本発明では、上記完全けん化 及び部分けん化物のいずれも使用すること できる。特に制限されるものではないが、 ん化度78~90mol%、特に87~90mol%程度の部分けん 物が好ましく用いられる。

 PVAの平均重合度(n)は、フィルム形成能を 揮し得る範囲であればよく、特に制限され ものではないが、通常は400~3300、特に400~2000 程度であることが好ましい。なお、上記平均 重合度とけん化度から、かかるPVAの重量平均 分子量を算出すると約18000~約175000になるが、 特にこれに制限されるものではない。

 PVA共重合体としては、前述するPVAまたは の誘導体に重合性ビニル単量体を共重合さ て得られるPVA共重合体を挙げることができ 。ここでPVAの誘導体としては、アミン変性P VA,エチレン変性PVA、末端にチオール基を有す るPVA(末端チオール変性PVA)などの公知のPVA誘 体を挙げることができる。好ましくは末端 オール変性PVAである。

 重合性ビニル単量体としては、(1)アクリ 酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸 イタコン酸;(2)上記(1)記載の化合物のナトリ ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩または アルキルアミン塩;(3)メチルメタクリレート メチルアクリレート、エチルメタクリレー 、エチルアクリレート、ブチルメタクリレ ト、ブチルアクリレート、イソブチルメタ リレート、イソブチルアクリレート、シク ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシル クリルレート、2-エチルヘキシルメタクリレ ート、2-エチルヘキシルアクリルレート、ア リロニトリル、アクリルアミド、ジメチル クリルアミド、スチレン、酢酸ビニル、ヒ ロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ チルアクリレート、ポリエチレングリコー とメタクリル酸とのエステル、ポリエチレ グリコールとアクリル酸とのエステル、ポ プロピレングリコールとメタクリル酸との ステル、ポリプロピレングリコールとアク ル酸とのエステル、N-ビニルピロリドン、 たはアクリロイルモルホリン;(4)下式で示さ る化合物:

を挙げることができる。重合性ビニル単量 体として好ましくは、(1)および(2)からなる群 から選択される少なくとも1種の化合物と(3)  からなる群から選択される少なくとも1種の 合物とを組み合わせて使用される。特に好 しくは、アクリル酸またはメタクリル酸と チルメタクリレートとの併用である。

 PVA共重合体として好ましくは、前述する 分けん化PVAを骨格として、アクリル酸とメ ルメタクリレートを共重合化した高分子共 合体である。より好ましくは、平均重合度 約300~500の部分けん化PVAと上記重合性ビニル 単量体(特にアクリル酸及びメチルメタクリ ート)とを重量比で約6:4~9:1の割合で共重合さ せて得られる、PVA共重合体である。なお、こ こで重合性ビニル単量体は、部分けん化PVAと 共重合させる際にアクリル酸とメチルメタク リレートを重量比で約3:7~0.5:9.5の割合で使用 れることがより好ましい。特に好ましいPVA 重合体は、平均重合度300~500の部分けん化PVA 、メチルメタクリレートおよびアクリル酸を 60~90:7~38:0.5~12(重量比)で共重合させて得られ PVA共重合体である。具体的には、後述する 験例および実施例で使用するポバコート(POVA COAT(登録商標)Type F、Type RおよびType L;大同 成社製)を例示することができる。このポリ ニルアルコール共重合体は、国際公開パン レットWO02/17848に記載された方法で製造する ことができる。

 本発明のバンドシールは、上記PVAおよびP VA共重合体をそれぞれ単独で含むものであっ もよいが、両者を混合して含むものであっ もよい。バンドシール中のPVAとPVA共重合体 配合割合は特に制限されず、PVA:PVA共重合体 =100:0~0:100(重量比)、好ましくは99.9:0.1~0.1:99.9 なるいずれの割合でも用いることができる

 本発明のバンドシールには、上記のPVAお び/またはPVA共重合体の他に、可塑剤として ソルビトールを配合することもできる。かか る可塑剤を配合することによって、柔軟性の 増加という効果を得ることができる。バンド シール中のソルビトールの配合割合としては 、PVAおよび/またはPVA共重合体が有するバン シール性を損なわない範囲であれば特に制 されないものの、上記効果の点から、バン シール(100重量%)中の濃度として0.01~70重量%、 好ましくは0.01~35重量%、より好ましくは0.01~30 重量%、特に好ましくは1~30重量%を挙げること ができる。

 なお、本発明において「バンドシール性 とは、硬質カプセルのボディ部とキャップ を封緘(シール)するためのフィルムを形成 ることができ(フィルム形成能)、且つ、この フィルムによる封緘によってボディ部とキャ ップ部との嵌合部から内容物が漏出すること を防止し得る(漏出防止能)、バンドシールの 質を意味する。

 当該「バンドシール性」の有無は、対象と るバンドシール調製液を用いて、平均分子 400のポリエチレングリコール(PEG400)を充填 たカプセルのキャップ部とボディ部の嵌合 を封緘(バンドシール)し、これを25℃、相対 度40%の環境下に白色コピー用紙の上に12時 放置した場合に、バンドシール部から内容 の漏出があるか否かで評価することができ 。なお、内容物の漏出の有無は、実験例4に すように、下記の基準から判断することが きる:
 (a) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤と接 していた白色コピー用紙面に、内容物(PEG400) 付着しているか否か。
(b) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤を白 コピー用紙上で転がしたときに、白色コピ 用紙面に内容物(PEG400)が付着するか否か。

 この場合、(a)と(b)のいずれの場合も、白 コピー用紙への内容物の付着がない、すな ち内容物の漏出が認められない場合を「バ ドシール性あり」、(a)と(b)のいずれかの場 で内容物の漏出が認められる場合を「バン シール性なし」と判断することができる。

 なお、当該バンドシール性の評価試験に 用するカプセルとしては、後述する実施例1 に記載するPVA共重合体を基材とする硬質カプ セルまたは実施例3に記載するPVAを基材とす 硬質カプセルを挙げることができる。また に充填するPEG400の量としては、硬質カプセ が日本薬局方で定めるサイズ0号のカプセル 場合は600μL、サイズ1号のカプセルの場合は 470μLを挙げることができる。

 なお、バンドシールには、本発明の効果 すなわちバンドシール性を妨げないことを 度として、上記成分に加えて、任意に着色 (例えば、酸化チタン、ベンガラ、タール系 色素など)、不透明化剤、または香料など、 質カプセルの調製に通常使用される添加剤 配合することもできる。バンドシールに対 るこれらの添加剤の配合割合は、通常0.1~7重 量%の範囲からバンドシール性を考慮して適 選択することができる。

 硬質カプセル剤においてバンドシールを 成するにあたっては、通常バンドシール調 液が使用される。当該バンドシール調製液 、上記のバンドシール成分を、水、親水性 媒または水と親水性溶媒との混合液に、室 または加温下(約30~60℃)で溶解することによ って調製することができる。好ましくは水と 親水性溶媒との混合液が使用される。ここで 親水性溶媒としては、水と相溶性のある有機 溶媒を挙げることができ、具体的には、エタ ノールやイソプロパノールなどの炭素数1~6、 好ましくは炭素数1~4の低級アルコールを挙げ ることができる。好ましくはエタノールであ る。バンドシール調製液の調製に水と親水性 溶媒との混合液を用いる場合、当該混合液100 重量%中の親水性溶媒の割合として、5~80重量% 、好ましくは8~65重量%、より好ましくは10~50 量%を挙げることができる。

 バンドシール調製液は、調製液の最終粘 が通常100~5000mPa・sの範囲になるように調整 れる。なお、本発明で規定する粘度は、B型 回転粘度計で、粘度500mPa・s未満の場合はロ ター番号2、粘度500mPa・s以上2000mPa・s未満の 合はローター番号3、粘度2000mPa・s以上の場 はローター番号4を用いて、23℃、回転数60rp m、測定時間1分の条件で測定した場合の粘度 意味する。

 粘度がかかる範囲にあるバンドシール調 液によれば、硬質カプセル剤のボディ部と ャップ部の嵌合部にシール力(封緘力)の大 い強固なバンドシールを形成することがで 、しかも製造時における糸曳きがなく、製 における取り扱いも容易である。なお、バ ドシール調製液の粘度が上記範囲(100~5000mPa s)よりも著しく低い場合、硬質カプセル剤の 嵌合部表面にバンドシール調製液を液だれし ないで塗布するということができず、本発明 の効果を満たす封緘力に優れたバンドシール が形成できない可能性がある。一方、バンド シール調製液の粘度が上記範囲(100~5000mPa・s) りも著しく高い場合、粘度が高すぎて機械 バンドシールを形成できない可能性がある バンドシール調製液の好ましい粘度は125~470 0mPa・sであり、より好ましくは150~4500mPa・sで る。

 なお、バンドシール調製液の粘度は、後 する実験例3に示すように、バンドシール調 製液に配合するPVAおよび/またはPVA共重合体 濃度を調節することによって簡便に調整す ことができる。

 具体的には、配合するPVAおよび/またはPVA 共重合体の種類やその重合度によっても異な るが、例えば、PVAを単独で用いる場合、バン ドシール調製液中のPVAの濃度として、通常4~3 1重量%、好ましくは5~30重量%、より好ましく 6~29重量%を;またPVA共重合体を単独で用いる 合、バンドシール調製液中のPVA共重合体の 度として、通常5~27重量%、好ましくは6~26重 %、より好ましくは7~25重量%を挙げることが きる。PVAとPVA共重合体とを併用する場合は 上記各成分の割合を基準として、粘度(100~500 0mPa・s)を考慮して調整することができる。

 またバンドシールにソルビトールを配合 る場合、そのバンドシール調製液中の濃度 、前述するバンドシール中のソルビトール 配合割合に沿って決定することができる。 体的には、バンドシール調製液の粘度が100~ 5000mPa・sの範囲になるように考慮しながら、 ンドシール(100重量%)中のソルビトールの濃 が0.01~70重量%、好ましくは0.01~35重量%、より 好ましくは0.01~30重量%、特に好ましくは1~30重 量%となるように、バンドシール調製液を調 することが好ましい。

 本発明のバンドシールは、中にポリエチ ングリコール(PEG)またはこれを含む組成物 充填した硬質カプセル剤のバンドシールと て好適に使用される。

 ここでPEGとしては、特に制限されず、お その平均分子量が20000以下のPEG、具体的に 、当該平均分子量が200、400、600、800、1000、1 500、2000、3000、4000、6000、8000または20000のPEG 挙げることができる。なお、これら各平均 子量を有するPEGは、各社メーカーから「ポ エチレングリコール○○○」(ここで○○○ 、上記するPEGのおよその平均分子量を示す) といった共通した表示で販売されている。か かるPEGは、1種単独でまたは2種以上を組み合 せて使用することができる。中でも、平均 子量が200~600のPEG(「PEG200~600」ともいう)など の低分子量PEGは、本発明のバンドシールの使 用において硬質カプセル剤の充填成分として 好適に用いられるPEGである。すなわち、本発 明のバンドシールによれば、PEG200~600を充填 ても滲みだしという問題がなく、本発明の 果をより効果的に享受することが可能とな 。

 なお、上記においてPEGの平均分子量は、 本国厚生労働省が定める「日本薬局方」お び「医薬品添加物規格」で規定される下記 試験法に従って測定することができる。

 (平均分子量試験)
 無水フタル酸42gをとり、新たに蒸留したピ ジン300mLを正確に量って入れた1Lの遮光した 共栓瓶に加え、強く振り混ぜて溶かした後、 16時間以上放置する。この液25mLを正確に量り 、約200mLの耐圧共栓瓶に入れ、これに測定す PEG試料約0.8~15gを精密に量って加え、密栓し 、これを丈夫な布で包み、あらかじめ98±2℃ 加熱した水浴中に入れる。この際、瓶の中 液が水浴の液の中に浸るようにする。98±2 で30分間保った後、水浴から瓶を取り出し、 室温になるまで空気中で放冷する。次に0.5mol /L 水酸化ナトリウム液 50mLを正確に加え、 にフェノールフタレインのピリジン溶液(1→ 100)5滴を加え、この液につき、0.5mol/L 水酸化 ナトリウム液で滴定する。但し、滴定の終点 は液が15秒間持続する淡赤色を呈するときと る。同様の方法で空試験を行う。

 硬質カプセル剤の内容物は、前述するよ にPEG、または少なくともPEGを含む組成物で ればよく、かかる組成物としてはPEGを含む トまたは動物の医薬品、医薬部外品、化粧 、および食品を、制限なく挙げることがで る。かかる組成物に含まれるPEGの割合は特 制限されないが、通常0.01~99.99重量%、好ま くは0.05~99.95重量%を挙げることができる。

 なお、内容物の形状も特に問わない。例 ば、液状物、ゲル状物、粉末状、顆粒状、 剤状、ペレット状、またこれらの混合形状( ハイブリッド状)であってもよい。

 硬質カプセル剤の内容物としては、医薬 の場合は、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮 消炎薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、 眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代 改善剤、脳循環改剤、抗てんかん剤、交感 経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮 去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張 、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、抗ヒス ミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬。血 降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張剤、末梢 管拡張薬、抗高脂血症用剤、利胆剤、抗生 質、化学療法剤、糖尿病治療薬、骨粗鬆症 剤、抗リウマチ薬、骨格筋弛緩薬、鎮痙剤 ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルフ 剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性 瘍剤などから選ばれる1種または2種以上の 物成分を挙げることができる。なお、これ の薬効成分は、特に制限されず公知のもの 広く挙げることができるが、具体的には、WO 2006/070578号パンプレットの段落[0055]~ [0060]に 載されている各成分を例示として挙げるこ ができる。

 また、食品の場合は、例えばドコサヘキ エン酸、エイコサペンタエン酸、α-リポ酸 ローヤルゼリー、イソフラボン、アガリク 、アセロラ、アロエ、アロエベラ、ウコン エルカルニチン、オリゴ糖、カカオ、カテ ン、カプサイシン、カモミール、寒天、ト フェロール、リノレン酸、キシリトール、 トサン、GABA、クエン酸、クロレラ、グルコ サミン、高麗人参、コエンザイムQ10、黒糖、 コラーゲン、コンドロイチン、サルノコシカ ケ、スクワレン、ステビア、セラミド、タウ リン、サポニン、レシチン、デキストリン、 どくだみ、ナイアシン、納豆菌、にがり、乳 酸菌、ノコギリヤシ、ハチミツ、はとむぎ、 梅肉エキス、パントテン酸、ヒアルロン酸、 ビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、ビタミン D、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビ ミンB12、ケルセチン、プロテイン、プロポ ス、モロヘイヤ、葉酸、リコピン、リノー 酸、ルチン、霊芝などの機能性成分などを げることができる。但し、これらに限定さ るものではない。

 かかる内容物の硬質カプセル内への充填 、それ自体公知のカプセル充填機、例えば 自動カプセル充填機(型式名:LIQFILsuper80/150、 クオリカプス社製)、カプセル充填・シール (型式名:LIQFILsuperFS、クオリカプス社製)等を いて実施することができる。

 本発明のバンドシールを適用する硬質カ セル剤は、前述するように、中にPEGまたは れを含む組成物を充填したカプセル剤であ て、カプセルを形成するフィルムがPEGに対 て物理化学的に安定であり、ゼラチンのよ に低水分化によって脆弱化するものや水溶 セルロース誘導体にようにPEGが皮膜を透過 て滲み出るといった不都合のないものであ 。

 かかる硬質カプセルとしては、前述するP VA、PVA共重合体またはこれらの混合物を含有 るフィルムから形成されるものを挙げるこ ができる。また、特開2000-202003号公報およ 特開2005-137935号公報に記載されているように 、プルラン、ヘミセルロース、コーンスター チ、カルボキシメチルセルロースおよびこれ らの水溶性塩からなる群から選択される少な くとも1種の多糖類を含有するゲルから形成 れる硬質カプセルも用いることができる。

 ここでプルラン、ヘミセルロース、コー スターチ、およびカルボキシメチルセルロ スはいずれも従来から食品、医薬品、化粧 等の添加物として広く使用されており、商 的に入手できるものである。ヘミセルロー は、好ましくは大豆由来のヘミセルロース あり、特に不二製油株式会社製の「ヘミロ ス」を好適に用いることができる。なお、 れらの水溶性塩としては、水に溶解する塩 あればよく、例えばナトリウムやカリウム どのアルカリ金属塩を挙げることができる

 硬質カプセルは、通常、射出成型法やデ ッピング法などによって製造することがで る。ディッピング法は、硬質カプセルのフ ルム(皮膜)を形成する基剤(硬質カプセル調 液)が、温度差によってゲル化することを利 用したカプセルの製造方法であるが、当該基 剤にゲル化能力がない場合には、ゲル化剤が 併用される。

 ゲル化剤は、硬質カプセルの基材として 用される上記のPVA、PVA共重合体、プルラン ヘミセルロース、コーンスターチ、カルボ シメチルセルロースまたはこれらの水溶性 との相溶性に応じて適宜選択することがで るが、具体的には、カラギーナン、タマリ ド種子多糖、ペクチン、キサンタンガム、 ーカストビーンガム、カードラン、ゼラチ 、ファーセレラン、寒天、およびジェラン ムなどを例示することができる。なお、こ らは1種単独で使用しても、2種以上を任意 組み合わせて使用することもできる。

 上記ゲル化剤のなかでもカラギーナンは ゲル強度が高く、しかも特定イオンとの共 下で少量の使用で優れたゲル化性を示すこ から最適なゲル化剤である。なお、カラギ ナンには、一般にカッパ-カラギーナン、イ オタ-カラギーナンおよびラムダ-カラギーナ の3種が知られている。本発明では、ゲル化 能を有するカッパおよびイオタ-カラギーナ を好適に使用することができる。またペク ンはエステル化度の違いでLMペクチンとHMペ チンとに分類でき、ジェランガムもアシル の有無によってアシル化ジェランガム(ネイ ティブジェランガム)と脱アシル化ジェラン ムに分類することができるが、本発明では ずれも区別することなく使用することがで る。

 また硬質カプセルの調製には、使用する ル化剤の種類に応じてゲル化補助剤を使用 ることもできる。ゲル化剤としてカラギー ンを使用する場合に組み合わせて用いるこ ができるゲル化補助剤としては、カッパ-カ ラギーナンについては水中でカリウムイオン 、アンモニウムイオンおよびカルシウムイオ ンの1種又は2種以上を与えることのできる化 物、例えば塩化カリウム、リン酸カリウム 塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩 カルシウムを挙げることができる。またイ タ-カラギーナンについては水中でカルシウ ムイオンを与えることのできる、例えば塩化 カルシウムを挙げることができる。またゲル 化剤としてジェランガムを使用する場合に組 み合わせて用いることができるゲル化補助剤 としては、水中でナトリウムイオン、カリウ ムイオン、カルシウムイオンおよびマグネシ ウムイオンの1種又は2種以上を与えることの きる化合物、例えば塩化ナトリウム、塩化 リウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウ を挙げることができる。加えて有機酸やそ 水溶性塩としてクエン酸またはクエン酸ナ リウムを使用することもできる。

 硬質カプセルの成分としてPVA、PVA共重合 またはこれらの混合物を用いる場合、併用 るゲル化剤としては、カラギーナン、タマ ンド種子多糖、キサンタンガム、ローカス ビーンガム、およびジェランガムが好まし 、特に好ましくはカラギーナンを挙げるこ ができる。またこれと併用するゲル化補助 としては塩化カリウムを好適に例示するこ ができる。

 なお、本発明で用いる硬質カプセル(カプ セルフィルム)が上記ゲル化剤を含む場合、 の含有量としては、水分を除いたカプセル ィルムの重量を100重量%とした場合、0.05~10重 量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0. 2~2.5重量、さらに好ましくは0.3~2重量%を挙げ ことができる。さらに塩化カリウムなどの ル化補助剤を含む場合、その含有量として2 .2重量%以下の範囲、好ましくは0.1~1.5重量%、 り好ましくは0.2~1重量%、さらに好ましくは0 .3~0.8重量%を挙げることができる。

 なお、硬質カプセル(カプセルフィルム) は、上記成分(PVA、PVA共重合体またはこれら 混合物など、必要に応じてゲル化剤やゲル 補助剤)に加えて、必要に応じて、可塑剤、 金属封鎖剤、不透明化剤、着色料または香料 などを配合することもできる。

 ここで可塑剤としては、医薬品または食 に使用できるものであれば特に制限されな が、例えば、アジピン酸ジオクチル,アジピ ン酸ポリエステル,エポキシ化ダイズ油,エポ シヘキサヒドロフタル酸ジエステル,カオリ ン,クエン酸トリエチル,グリセリン,グリセリ ン脂肪酸エステル,ゴマ油,ジメチルポリシロ サン・二酸化ケイ素混合物,D-ソルビトール, 中鎖脂肪酸トリグリセリド,トウモロコシデ プン由来糖アルコール液,トリアセチン,濃グ リセリン,ヒマシ油,フィトステロール,フタル 酸ジエチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジ チル,ブチルフタリルブチルグリコレート, ロピレングリコール,ポリオキシエチレン(105 )ポリオキシプロピレン(5)グリコール,ポリソ ベート80,平均分子量が1500,400,4000,600,6000のポ リエチレングリコール(PEG1500、PEG400、PEG4000、 PEG600、PEG6000),ミリスチン酸イソプロピル,綿 油・ダイズ油混合物,モノステアリン酸グリ リン,リノール酸イソプロピルなどを挙げる ことができる。なお、可塑剤を用いる場合、 本発明で用いる硬質カプセル(カプセルフィ ム)中の含有量として、水分を除いたカプセ フィルムの重量を100重量%とした場合、通常 15重量%以下の範囲を挙げることができる。好 ましくは13重量%以下、より好ましくは11重量% 以下、さらに好ましくは8重量%以下の範囲で る。

 金属封鎖剤としては、エチレンジアミン 酢酸、酢酸、ホウ酸、クエン酸、グルコン 、乳酸、リン酸、酒石酸、またはこれらの 、メタホスフェート、ジヒドロキシエチル リシン、レシチン、β-シクロデキストリン またはこれらの組み合わせを挙げることが きる。

 また不透明化剤および香料としては、医 品または食品に使用できるものであれば特 制限されない。

 本発明で用いる硬質カプセルは、定法の 漬法を利用して製造することができる。具 的には前述する成分を含有する水溶液(以下 「カプセル調製液」という)を浸漬液とし、 れにカプセル成型用ピンを浸漬し、次いで き上げてカプセル成型用ピンの外表面に形 されたカプセル調製溶液からなる皮膜を冷 してゲル化させ、乾燥させる工程を経て製 することができる。なお、上記水溶液は、 を溶媒とするものに限らず、0.5~40容量%の割 でエタノールを含有する水溶液であっても い。

 カプセル調製液中に含まれる上記各成分 濃度は、前述する硬質カプセルフィルム(皮 膜)を形成する各成分の割合に従って適宜調 することができる。具体的には、成分(必須 分)として用いるPVA、PVA共重合体、プルラン 、ヘミセルロース、コーンスターチ、カルボ キシメチルセルロースまたはこれらの水溶性 塩(以下、これらを単に「必須成分」ともい )の配合割合としては、1~60重量%、好ましく 5~50重量%、より好ましくは10~30重量%を挙げる ことができる。なかでも硬質カプセルフィル ム(皮膜)を形成する成分としてPVA、PVA共重合 、またはこれらの混合物を用いる場合は、 のカプセル調製液に含まれる上記各成分の 度は、PVAとPVA共重合体の総量として、5~30重 量%、10~28重量%、16~24重量%を挙げることがで る。

 またゲル化剤を用いる場合、そのカプセ 調製液中の濃度として0.01~2重量%、好ましく は0.02~1重量%、より好ましくは0.03~0.5重量%を げることができる。また、ゲル化補助剤を いる場合は、そのカプセル調製液中の濃度 して0.01~0.5重量%、好ましくは0.02~0.3重量%、 り好ましくは0.03~0.2重量%を挙げることがで る。

 カプセル調製液中に含まれる溶媒(水また は含水エタノール)の量は、制限されないが カプセル成型用ピンの浸漬時に採用される 度(浸漬液の温度)条件下(30~80℃、好ましくは 40~60℃)で、カプセル調製液の粘度が100~20000mPa ・s、好ましくは300~10000mPa・sとなるような割 を挙げることができる。好ましくは、52℃ 温度条件でのカプセル調製液の粘度が300~3600 mPa・s、より好ましくは500~3100mPa・s、さらに ましくは500~2600mPa・s、よりさらに好ましく 500~2000mPa・s、特に好ましくは500~1500mPa・sと るような割合である。なお、本発明で規定 る粘度は、B型回転粘度計で、粘度500mPa・s未 満の場合はローター番号2、粘度500mPa・s以上2 000mPa・s未満の場合はローター番号3、粘度2000 mPa・s以上の場合はローター番号4を用いて、 定温度で、回転数60rpm、測定時間1分の条件 測定した場合の粘度を意味する(以下、同じ )。通常、溶媒含有量として60~90重量%、好ま くは70~85重量%を挙げることができる。

 カプセル調製液の調製に際して、上記各 分の溶解順序に制限はなく、上記必須成分 先に溶解しても、ゲル化剤やゲル化補助剤 先に溶解してもよい。また、溶解温度も特 制限されないが、通常60℃以上とすること 各成分の溶解性等から好ましい。このカプ ル調製液は、減圧脱泡,超音波脱泡あるいは 置により微細な泡を取り除き、50~60℃に保 した状態で、浸漬法によるカプセル成型に することが好ましい。

 カプセル成型ピンを調製液から引き上げ 後のゲル化は、用いるゲル化剤の特性に応 て加熱又は冷却により行うことができる。 えばゲル化剤としてカラギーナンを用いた 合には放冷により速やかにゲル化させるこ ができる。そして、ゲル化した上記調製液 風乾等により乾燥させて完全に固化させ、 れを成型ピンから剥離回収し、所定の長さ 切断調整することにより硬質カプセル(ボデ ィ部とキャップ部)が得られるが、この場合 乾燥は50~80℃程度に加熱して乾燥させること もできる。また、予め食用油等を剥離剤とし て成型ピンに塗布しておくことにより、得ら れたカプセル(ボディ部とキャップ部)の離型 を向上させておき、得られた硬質カプセル 剥離回収を容易ならしめることができる。

 一般に硬質カプセルのサイズとしては、0 0号、0号、1号、2号、3号、4号、5号等がある 、本発明ではいずれのサイズの硬質カプセ も使用することができる。

 斯くして調製される硬質カプセルのボデ 部とキャップ部は、前述する内容物(PEGまた はPEGを含有する組成物)をボディ部に充填し のち、該ボディ部にキャップ部を被覆して 者を嵌合させることによりボディ部とキャ プ部を接合させる。次いで、キャップ部の 縁部を中心として、それを跨ぐように一定 でボディ部の表面とキャップ部の表面に、 ディ部とキャップ部との円周方向に、前述 る本発明のバンドシール調製液を1回~複数回 、好ましくは1~2回塗布して嵌合部を封緘する ことによって、硬質カプセルのボディ部とキ ャップ部の嵌合部にバンドシールを形成する ことができる(図1参照)。

 硬質カプセルのボディ部とキャップ部の 者を嵌合させる際に、ボディ部の外周とキ ップ部の内周とが重なっている嵌合巾はカ セルの軸線方向の距離で3号カプセルで約4.5 ~6.5mm、4号カプセルで約4~6mmが一般的に好まし い。また、封緘(シール)巾は、3号カプセルで 約1.5~3mm、4号カプセルで約1.5~2.8mmが一般的に ましい。

 バンドシール調製液は、一般に室温ある は加温下で使用することができる。硬質カ セルの液漏れ防止という観点から、好まし は約23~45℃、さらに好ましくは約23~35℃、最 も好ましくは約25~35℃の温度範囲内にあるシ ル調製液を用いることが望ましい。なお、 ール調製液の温度調節は、パネルヒーター 温水ヒーター等のそれ自体公知の方法で実 することができるが、例えば循環式温水ヒ ターあるいは前記一体型カプセル充填シー 機のシールパンユニットを循環式温水ヒー ー型に改造したもの等で調節するのが、温 幅が微妙に調節できるので好ましい。なお シール調製液中のアルコール、例えばエタ ールは温度条件によっては揮発することが るので、シール調製液の成分組成が一定す ように適宜、補充するのがよい。

 硬質カプセルの封緘は、それ自体公知の プセル充填シール機、例えば前記カプセル 填・シール機またはカプセルシール機(型式 名:HICAPSEAL 40/100、クオリカプス社製)等を使 して実施することができる。

 斯くして得られる本発明の硬質カプセル 、PEG,特にPEG200~600の低分子量PEGを充填して これらが滲み出すようなことがなく、稼働 に優れているといった利点を備えている。 た、かかる低分子PEGのグリセリン脂肪酸エ テルや中鎖脂肪酸トリグリセライドを充填 ても皮膜が脆弱化することがないので、こ らの低分子量PEGやそのグリセリン脂肪酸エ テル及び中鎖脂肪酸トリグリセライドを賦 剤として含む薬剤などにも良好に適用する とができる。また、皮膜中の水分低下によ ても良好な強度を維持し得、割れ等の不都 を生じることがないので、吸水性を有する 剤や低水分下での保存が推奨される薬剤に 好適に使用され、更に、水蒸気や酸素がほ んど透過することがないので、水反応性物 や被酸化性物質にも好ましく用いられる。

 以下、実験例および実施例を示して本発 を説明するが、本発明はかかる実施例など よって制限されるものではない。なお、特 言及しない限り、下記でいう「%」は重量% 意味する。

  実験例1   バンドシール原料の選定(その1)
 ポリエチレングリコール(PEG)の例として平 分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を 用いて、下記方法により、PEGに非溶解性のフ ィルム形成能を有する高分子化合物と可塑剤 を探索した。

 表1に示すように、高分子化合物としては 、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、メ チルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、 ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒド ロキシプロピルセルロース、プルラン、寒天 、PVA共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F、 5%水溶液の25℃における粘度5.5mPa・s)、および PVA(日本酢ビ・ポバール社製のJP-05、平均重合 度500、部分けん化型PVA:けん化度87-89mol%)を、 た可塑剤としては、グリセリン、クエン酸 リエチル、プロピレングリコール、トリア チン、ポリソルベート80、ソルビトール、 鎖脂肪酸トリグリセリド、およびごま油を いた。

 これらの各高分子化合物および可塑剤を0 .5g、それぞれ別々の試験管に入れ、これらの 各試験管にPEG400を5mL添加し、ミキサーで攪拌 した後、PEG400に対する溶解性の有無を目視で 評価・確認した。なお、目視で観察して、固 形物あるいは液状の分離物が無い場合に「溶 解する」、固形物あるいは液状の分離物があ る場合を「溶解しない(非溶解性)」と判断し 。結果を表1に併せて示す。

 この結果からわかるように、上記フィル 形成性高分子化合物のうち、ゼラチン、ヒ ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ シプロピルセルロース、プルラン、寒天、P VA共重合体、およびPVAはPEGに対して非溶解性 あり、また上記可塑剤のうち、ソルビトー 、中鎖脂肪酸トリグリセリド、およびごま はPEGに対して非溶解性であった。このため これらのフィルム形成性高分子化合物およ 可塑剤が、バンドシール原料として使用可 な物質(候補物質)であると判断された。

  実験例2  バンドシール原料の選定(その2)
 実験例1の結果を踏まえて、上記バンドシー ル原料の候補物質(表2参照)を対象として、PVA 共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F、5%水 液の25℃の粘度5.5mPa・s)の水溶液およびPVA( 本酢ビ・ポバール社製のJP-05、平均重合度500 )の水溶液に対して溶解する物質を探索した

 具体的には、各フィルム形成性高分子化 物および可塑剤(各0.5g)を、それぞれ別々の 験管に入れ、これらの各試験管にPVA共重合 の10重量%水溶液またはPVAの10重量%水溶液を れぞれ添加し、ミキサーで攪拌した後、PVA 重合体の水溶液およびPVAの水溶液に対する 解性を目視で評価・確認した。なお、目視 観察して固形物あるいは液状の分離物が無 場合に「溶解する」、固形物あるいは液状 分離物がある場合を「溶解しない(非溶解性 )」と判断した。

 結果を表2に示す。

 この結果から、フィルム形成性高分子化 物としてはPVA共重合体とPVAが、また可塑剤 してはソルビトールが、バンドシール原料 して使用可能であると判断された。

  実験例3  粘度適正試験
 実験例2において、バンドシール原料(フィ ム形成性高分子化合物)として決定されたPVA 重合体およびPVAの各水溶液について、下記 記載する方法に従ってバンドシール液とし 適正な粘度を決定した。

 なお、PVA共重合体として、大同化成社製 POVACOAT Type F(5%水溶液の25℃での粘度5.5mPa・ s)とPOVACOAT Type R(5%水溶液の25℃での粘度20mPa s)を用いた。またPVAとして、日本酢ビ・ポ ール社製のJP-04(平均重合度400、部分けん化 PVA:けん化度86-90mol%)、JP-05(平均重合度500、部 分けん化型PVA:けん化度87-89mol%)、JP-10(平均重 度1000、部分けん化型PVA:けん化度86-90mol%)、J P-15(平均重合度1500、部分けん化型PVA:けん化 86-90mol%)、JP-18(平均重合度1800、部分けん化型 PVA:けん化度87-89mol%)、JP-20(平均重合度2000、部 分けん化型PVA:けん化度87-89mol%)、JP-33(平均重 度3300、部分けん化型PVA:けん化度86.5-89.5mol%) を用いた。なお粘度は、B型回転粘度計(粘度5 00mPa・s未満の場合はローター番号2、粘度500mP a・s以上2000mPa・s未満の場合はローター番号3 粘度2000mPa・s以上の場合はローター番号4)を 用いて、23℃、回転数60rpm、測定時間1分の条 で測定した。

 具体的には、各PVA共重合体およびPVAの水 液を表3~11に示す濃度に調整し、粘度を測定 するともに、液だれ、曳糸性および流動性と いった硬質カプセルに塗布する場合の取り扱 い性の点から、粘度適正性を評価した。具体 的には、液だれ、曳糸性および流動性の全て の点から硬質カプセルに塗布する取り扱い条 件を満たしている場合を「適正:○」と評価 、一つでも条件を満たしていない場合を「 適正:×」と評価した。

 結果を表3~11に併せて示す。

 この結果からわかるように、いずれのPVA 重合体の水溶液も、またPVAの水溶液も、粘 100~5000mPa・s(23℃)の範囲で、液だれがなく、 曳糸性および流動性といった点から取り扱い 性に優れていた。以上のことから、PVA共重合 体およびPVAを用いて各水溶液の濃度を調整す ることによって、硬質カプセルに塗布するう えで取り扱い性に優れた適正な粘度(100~5000mPa ・s、23℃)を備えたバンドシール液が得られ ことが確認された。

  実験例4
 下記に記載するように各種の封緘硬質カプ ル剤を調製し(実施例1~5)、使用した各バン シールについて、取り扱い性(液だれの有無 曳糸性および流動性)およびバンドシール性 を評価した。

  (1)封緘硬質カプセル剤の調製
(1-1)実施例1
 PVA共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F)25% 、水50.7%、および無水エタノール24.3%からな 溶液(粘度3100mPa・s、実験例3の測定条件を採 。以下同じ。)を調製し、これをバンドシー ル調製液とした。全自動カプセル充填・シー ル機(クオリカプス社製)を用いて、PVA共重合 を基材とするサイズ0号の硬質カプセルに、 約600μLの平均分子量400のポリエチレングリコ ール(PEG400)を充填するとともに、上記のバン シール調製液で硬質カプセルのボディ部と ャップ部の嵌合部を封緘し、PEG入りの硬質 プセル剤を調製した。

 なお、PVA共重合体を基材とするサイズ0号の 硬質カプセルは、下記の方法により調製した :
あらかじめ60℃に加温した22.9%のPVA共重合体(P OVACOAT Type L、5%水溶液の粘度が25℃で20mPa・s 大同化成(株)製)の水溶液87.34kgに、10%塩化カ リウム水溶液0.8kg、2%カラギーナン水溶液8kg よび精製水3.86kgを加えて攪拌した。この溶 を24時間穏やかに攪拌しながら脱泡した。斯 くして調製した水溶液(カプセル調製液)を浸 液として、浸漬法による慣用のカプセル製 装置に仕込み、浸漬液の温度を50~55℃に保 しながら、常法に従ってサイズ0号の硬質カ セル(キャップ、ボディ)を調製した。

  (1-2)実施例2
 PVA共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F)20% 、ソルビトール2%、および水50.7%、および無 エタノール27.3重量%からなる溶液(粘度500mPa s)を調製し、これをバンドシール調製液とし た。全自動カプセル充填・シール機(クオリ プス社製)を用いて、PVA共重合体を基材とす サイズ0号の硬質カプセル(実施例1参照)に、 約600μLのPEG400を充填するととともに、上記の バンドシール調製液で硬質カプセルのボディ 部とキャップ部の嵌合部を封緘し、PEG入りの 硬質カプセル剤を調製した。

  (1-3)実施例3
 PVA共重合体(大同化成社製のPOVACOAT Type F)10% 、PVA(日本酢ビ・ポバール社製のJP-05)10%、ソ ビトール2%、水50.7%、および無水エタノール2 7.3%からなる溶液(粘度160mPa・s)を調製し、こ をバンドシール調製液とした。全自動カプ ル充填・シール機(クオリカプス社製)を用い て、PVA共重合体を基材とするサイズ0号の硬 カプセル(実施例1参照)に、約600μLのPEG400を 填するとともに、上記のバンドシール調製 で、硬質カプセルのボディ部とキャップ部 嵌合部を封緘し、PEG入りの硬質カプセル剤 調製した。

  (1-4)実施例4
 PVA(日本酢ビ・ポバール社製のJP-05)20%、ソル ビトール2%、水50.7%、および無水エタノール27 .3%からなる溶液(粘度920mPa・s)を調製し、これ をバンドシール調製液とした。全自動カプセ ル充填・シール機(クオリカプス社製)を用い 、PVAを基材とするサイズ1号の硬質カプセル に、約470μLのPEG400を充填するとともに、上記 のバンドシール調製液で、硬質カプセルのボ ディ部とキャップ部の嵌合部を封緘し、PEG入 りの硬質カプセル剤を調製した。

 なお、PVAを基材とするサイズ1号の硬質カプ セルは、下記の方法により調製した:
40℃の精製水71.2LにPVA(平均重合度1000、けん化 度86-90mol%、和光純薬工業社製)を20kg加えて分 させ、82℃まで加温してPVAを溶解させた。 れを60℃まで冷却しPVA水溶液を調製した。PVA 水溶液に、10%塩化カリウム水溶液0.8kg、2%カ ギーナン水溶液8kgを加えて攪拌した。この 液を24時間穏やかに攪拌しながら脱泡した。 斯くして調製した水溶液(カプセル調製液)を 漬液として、浸漬法による慣用のカプセル 造装置に仕込み、浸漬液の温度を50~55℃に 持しながら、常法に従ってサイズ1号の硬質 プセル(キャップ、ボディ)を調製した。

  (1-5)実施例5
 PVA(日本酢ビ・ポバール社製のJP-05)20%、水50. 7%、および無水エタノール29.3%からなる溶液( 度500mPa・s)を調製し、これをバンドシール 製液とした。全自動カプセル充填・シール (クオリカプス社製)を用いて、PVAを基材とす るサイズ1号の硬質カプセル(実施例4参照)に 約470μLのPEG400を充填するとともに、上記の ンドシール調製液で、硬質カプセルのボデ 部とキャップ部の嵌合部を封緘し、PEG入り 硬質カプセル剤を調製した。

  (2)取り扱い性およびバンドシール 性の評価
 (2-1)取り扱い性(液だれの有無、 糸性および流動性)の評価
 実施例1~5の封緘硬質カプセル剤の調製に使 した各バンドシール調製液について、粘度 測定するとともに、液だれ、曳糸性および 動性を評価した。具体的には、液だれ、曳 性および流動性の全ての点から硬質カプセ に塗布する取り扱い条件を満たしている場 を「適正:○」と評価し、一つでも条件を満 たしていない場合を「不適正:×」と評価した 。結果を下記表12に示す。この結果からわか ように、いずれのバンドシール調製液も糸 きせず、またカプセルの嵌合部周囲に塗布 ても液だれせずに、簡便にしかも綺麗にバ ドシールを形成することができた。

  (2-2) バンドシール性の評価
 実施例1~5で調製した封緘硬質カプセルを、2 3℃、RH43%の条件で1日間放置して、外観上の 化、特に嵌合部周囲に形成したバンドシー の状態を観察した。その結果、実施例1~5で 製した封緘硬質カプセル剤は、いずれも内 物の漏出は認められず、封緘部分(バンドシ ル部)にも外観上の異状は認められなかった 。

 またさらに実施例1~5で調製した封緘硬質 プセル剤を、温度25℃、相対湿度40%の環境 で、白色コピー用紙の上に12時間放置した。 12時間後、バンドシール部からの内容物(PEG400 )の漏出の有無を、下記の方法および基準に り確認した。

 (a) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤と接 していた白色コピー用紙面に、内容物(PEG400) 付着しているか否か。
(b) 12時間放置後、封緘硬質カプセル剤を白 コピー用紙上で転がしたときに、白色コピ 用紙面に内容物(PEG400)が付着するか否か。

 (a)と(b)のいずれの場合も、白色コピー用 への内容物の付着、すなわち内容物の漏出 認められない場合を「バンドシール性あり: ○」、(a)と(b)のいずれかの場合で内容物の漏 出が認められた場合を「バンドシール性なし :×」と判定した。

 結果を下記表12に示す。これからわかる うに、いずれの封緘硬質カプセル剤(実施例1 ~5)も内容物の漏出がなく、使用したバンドシ ールはバンドシール性を備えていることが確 認できた。

  実験例5
 バンドシール原料として、PVA共重合体(大同 化成社製のPOVACOAT Type F)、PVA(日本酢ビ・ポ ール社製のJP-05)、およびソルビトールを用 て表13の処方からなるバンドシール調製液( 方例1~19)を、実施例1~5の方法に従って作成し た。なお、表中の括弧内は、乾燥後のバンド シールの重量(乾燥重量)を100重量%とした場合 のPVA共重合体、PVAおよびソルビトールの重量 比を示す。各バンドシール調製液について、 粘度を測定するとともに、実験例4の方法に って、液だれ、曳糸性および流動性の点か 硬質カプセルに塗布するうえでの取り扱い を評価した。

 次いで得られたバンドシール調製液を、 自動カプセル充填・シール機(クオリカプス 社製)を用いて、PVAを基材とするサイズ1号の 質カプセル(実施例3参照)に、約470μLのPEG400 充填するとともに、上記のバンドシール調 液で、硬質カプセルのボディ部とキャップ の嵌合部を封緘し、硬質カプセル剤を調製 た。この封緘硬質カプセル剤の外観を目視 察して漏出物やソルビトールの析出の有無 観察するととともに、実験例4と同様に、温 度25℃、相対湿度40%の環境下で、白色コピー 紙の上に12時間放置して、内容物の漏出の 無からバンドシール性を評価した。

 結果を表13に併せて示す。

 以上の結果から、PVAおよびPVA共重合体は 単独またはその混合物としてバンドシール 料として好適に使用することができること さらにこれにソルビトールを70重量%以下の 合で配合した場合も、バンドシールとして 適に使用できることがわかった。なお、ソ ビトールの配合割合は、バンドシール性と う点からは70重量%以下であれば特に問題は いものの、ソルビトールの析出という点か は40重量%未満、好ましくは35重量%以下、よ 好ましくは30重量%以下であることが好まし 。

図1は、硬質カプセルを本発明のバンド シールで封緘(シール)する工程を示した概略 である。符号1は硬質カプセルの「キャップ 部」、符号2は硬質カプセルの「ボディ部」 符号3は硬質カプセルに充填する内容物、符 4は硬質カプセルに内容物を充填するための 充填具、符号5は「バンドシール」(封緘フィ ム)、符号aは硬質カプセル剤のキャップ部 切断部(端縁部)を、おのおの意味する。