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Title:
BOARD SEPARATING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050953
Kind Code:
A1
Abstract:
A board separating apparatus (1) is provided with a separating holder (4) for bringing up at least an end portion of a board material (2) of a topmost layer; an ultrasonic vibrator (5) for applying ultrasonic vibration to the end portion of the board material (2) of the topmost layer; and an air nozzle (6) for blowing a gas by ultrasonic vibration into a space generated between the board material (2) of the topmost layer and a board material (2) directly below. The board material (2) of the topmost layer (first board) is separated from the board material (2) directly below (second board) by having a fine space generated between the board material (2) and the board material (2) directly below and blowing the gas into such space.

Inventors:
MAENO JUN (JP)
II KENJI (JP)
MURAYAMA HIROSHI (JP)
UEMATSU HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065862
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
September 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IHI CORP (JP)
MAENO JUN (JP)
II KENJI (JP)
MURAYAMA HIROSHI (JP)
UEMATSU HIROYUKI (JP)
International Classes:
B65H3/62; B65H3/08; B65H3/48; B65H3/50
Foreign References:
JP2004002044A2004-01-08
JPH04317935A1992-11-09
JPH0616479A1994-01-25
JPH0338182B21991-06-07
JP2002336923A2002-11-26
Attorney, Agent or Firm:
HOTTA, Minoru (4F Kenchiku-Kaikan,26-20, Shiba 5-chome, Minato-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
 複数の板材が積層されたスタックにおける最上層の板材をその直下の板材から分離する板分離装置であって、
 最上層の板材の少なくとも端部を持ち上げる分離用保持器と、
 最上層の板材の端部に超音波振動を与える超音波振動子と、
 前記超音波振動によって最上層の板材とその直下の板材の間に生じた隙間に気体を吹き込むエアノズルと、を備えることを特徴とする板分離装置。
 前記超音波振動子は、最上層の板材の側面に接触する請求項1記載の板分離装置。
 前記超音波振動子の先端よりもさらに水平方向に突出した突出部を有し、該突出部の下面が最上層の板材の上面に当接することにより該最上層の板材に対する超音波振動子の高さを規制する高さ規制部材を備え、
 該高さ規制部材は、その下面から超音波振動子の先端下面までの距離が、最上層の板材の厚さ以下となるように前記超音波振動子に対して固定されている、請求項2記載の板分離装置。
 前記超音波振動子の先端に凹凸部が形成されている請求項2記載の板分離装置。
 前記超音波振動子は、最上層の板材の上面端部に接触する請求項1記載の板分離装置。
 前記分離用保持器、前記超音波振動子及び前記エアノズルは、前記スタックの周囲に複数ずつ設けられる請求項1記載の板分離装置。
 前記各超音波振動子は、位相を互いに同期させた超音波を発振する、請求項6記載の板分離装置。
 前記板材の辺に沿って端から順に、前記各分離用保持器により最上層の板材の端部を持ち上げるとともに前記各超音波振動子から時間間隔を空けて超音波を発振する、請求項6記載の板分離装置。
Description:
板分離装置 発明の背景

 本発明は、複数の板材が積層されたスタ クのうち最上層の板材をその直下の板材か 分離する板分離装置に関する。

 たとえば金属板のプレス加工を実施する 産ラインにおいては、金属製の板材(ブラン ク材)をプレス機械へ供給する場合、プレス 械の上流側にディスタックフィーダを設置 て、このディスタックフィーダにより、板 が複数積層されたスタックから板材を1枚ず 取り出してプレス機械に搬入する。

 従来、スタックの中の最上層(1枚目)の板 をその直下(2枚目)の板材から分離させるた に、鉄の板材の場合は、例えば、磁力を利 したマグネットセパレータを用いていた。 グネットセパレータは、スタックの側面上 にマグネットを当て、最上層の板材とその 下の板材の端部を同じ磁極に磁気誘導し、 の反発力によって分離する方式の板分離装 である(例えば下記特許文献1参照)。

 上述したマグネットセパレータは、鉄の うな強磁性体からなる板材を板分離するこ はできるが、例えばアルミニウムのような 磁性体(非磁性体)からなる板材を板分離す ことはできない。このような問題に対処す ため、下記特許文献2では、常磁性体からな 板材の板分離を可能とするための技術が提 されている。

 図1は、特許文献2に開示された板材分離 置100の構成を示す図である。板材分離装置10 0の本体101は、円柱形状の支点シャフトKを用 て、背面板111に連結されつつ背面板111に対 て回動可能に支持固定されている。背面板1 11と本体101との間にはバネ106が伸縮自在に保 されており、このバネ106は上記の回動動作 支配している。鋸歯状の凹凸が形成された2 つの接触部材102は、各並進体103に固定されて いる。ピストンバイブレータ107によって並進 体103は鉛直方向に振動する。並進体103の動き と一体となって接触部材102が振動することに よって、1枚目の板材W1と2枚目の板材W2の間に 上記の凹凸の凸部が介入されて隙間が形成さ れる。板材分離装置100は、さらに上記の隙間 に空気を送り込む図示しないエアノズルを備 えており、このエアノズルからの空気によっ て上記の隙間が拡大される。

特開2000-62991号公報

特開2006-143468号公報

 しかしながら、上述した特許文献2の技術 によっても板分離の確実性が低いため、効率 よく1枚ずつ確実に板分離する技術が要望さ ている。

発明の要約

 本発明は、上記の問題に鑑みてなされた のであり、常磁性体からなる板材を対象と る場合であっても、効率よく1枚ずつ確実に 板分離することができる板分離装置を提供す ることを課題とする。

 上記課題を解決するため、本発明は、以下 技術的手段を採用する。
(1)本発明は、複数の板材が積層されたスタッ クにおける最上層の板材をその直下の板材か ら分離する板分離装置であって、最上層の板 材の少なくとも端部を持ち上げる分離用保持 器と、最上層の板材の端部に超音波振動を与 える超音波振動子と、前記超音波振動によっ て最上層の板材とその直下の板材の間に生じ た隙間に気体を吹き込むエアノズルと、を備 えることを特徴とする。

 上記の本発明の装置によれば、超音波振 によって最上層(一枚目)の板材とその直下( 枚目)の板材の間に微小隙間が生じ、その隙 間に気体を吹き込むことによって、最上層の 板材をその直下の板材から分離することがで きる。すなわち、超音波を、板材間に隙間を 生じさせるきっかけとして用いることにより 、最上層の板材とその直下の板材との分離を 確実に行うことができる。したがって、常磁 性体からなる板材を対象とする場合であって も、効率よく1枚ずつ確実に板分離すること できる

(2)また、上記(1)の板分離装置において、前 記超音波振動子は、最上層の板材の側面に接 触する。

 超音波振動子を最上層の板材の上面に接 させた場合には、超音波振動子の押し付け と分離用保持器の持ち上げ力の方向が互い 反対方向となり干渉するため、両者のバラ スの調整が煩雑となる。これに対し、本発 では、超音波振動子を最上層の板材の側面 接触させるので、超音波振動子の押し付け と分離用保持器の持ち上げ力の方向が直交 るため、両者の力が干渉しない。

(3)また、上記(2)の板分離装置において前記 超音波振動子の先端よりもさらに水平方向に 突出した突出部を有し、該突出部の下面が最 上層の板材の上面に当接することにより該最 上層の板材に対する超音波振動子の高さを規 制する高さ規制部材を備え、該高さ規制部材 は、その下面から超音波振動子の先端下面ま での距離が、最上層の板材の厚さ以下となる ように前記超音波振動子に対して固定されて いる。

 板材が積層したスタックの端部が揃って ない場合でも、上記の高さ規制部材が最上 の板材の上面に当接して最上層の板材がガ ドとして機能することにより、超音波振動 を最上層の板材の側面に確実に当接するこ ができる。

(4)また、上記(2)の板分離装置において、前 記超音波振動子の先端に凹凸部が形成されて いる。

 このように超音波振動子の先端に凹凸部 形成されることにより、端部が突出してい 板材に超音波振動子が当接しやすく、超音 振動子に当接した板材から順次下方に落下 るので、最終的に最上層の板材の側面に超 波振動子を当接することができる。

(5)また、上記(1)の板分離装置において、前 記超音波振動子は、最上層の板材の上面端部 に接触する。

 超音波探触子が最上層の板材の上面端部 接触することにより、最上層の板材に確実 超音波振動を与えることができる。

(6)また、上記(1)の板分離装置において、前 記分離用保持器、前記超音波振動子及び前記 エアノズルは、前記スタックの周囲に複数ず つ設けられる。

 このように、分離用着装置、超音波振動 及び気体吹込装置を、板材の周囲に複数ず 設けることにより、大型の板材にも対応す ことができる。

(7)また、上記(6)の板分離装置において、前 記各超音波振動子は、位相を互いに同期させ た超音波を発振する。

 このように各超音波振動子において発振 る超音波の位相を同期させることにより、 接する超音波振動子からの超音波が干渉し って減衰するなどの不安定な現象を防止す ことができる。したがって、板材の分離を 定して行うことができる。

(8)また、上記(6)の板分離装置において、前 記板材の辺に沿って端から順に、前記各分離 用保持器により最上層の板材の端部を持ち上 げるとともに前記各超音波振動子から時間間 隔を空けて超音波を発振する。

 このように各超音波振動子が時間間隔を空 て超音波を順次発振するので、超音波同士 干渉し合って減衰するなどの不安定な現象 防止することができる。したがって、板材 分離を安定して行うことができる。
 本発明によれば、常磁性体からなる板材を 象とする場合であっても、効率よく1枚ずつ 確実に板分離することができるという優れた 効果が得られる。

特許文献1に開示された従来技術の構成 図である。 本発明の実施形態にかかる板分離装置 基本構成を示す図である。 押し付け機構の構成を示す図である。 分離用保持器、超音波振動子及びエア ズルをスタックの周囲に複数ずつ設けた構 例を示す図である。 各超音波振動子同士の配置間隔の説明 である。 超音波同士の干渉による悪影響を防止 る手段の説明図である。 超音波同士の干渉による悪影響を防止 する他の手段の超音波振動子の配置を示す図 である。 図7Aにおける各超音波振動子の超音波 発振タイミングを示す図である。 図7Aにおいて、各分離用保持器により 上層の板材を端から順に持ち上げている様 を示す図である。 最上層の板材に対する超音波振動子の 当接を説明する第1図である。 最上層の板材に対する超音波振動子の 当接を説明する第2図である。 最上層の板材に対して超音波振動子を 当接する手段1を説明する平面図である。 最上層の板材に対して超音波振動子を 当接する手段1を説明する側面図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段1を説明する別の第1図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段1を説明する別の第2図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段1を説明する別の第3図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段2を説明する第1図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段2を説明する第2図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段2を説明する第3図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段3を説明する第1図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段3を説明する第2図である。 最上層の板材に対して超音波振動子 当接する手段3を説明する第3図である。 最上層の板材に対して超音波振動子を 当接する手段4を説明する図である。

 以下、本発明の好ましい実施形態を添付 面に基づいて詳細に説明する。なお、各図 おいて共通する部分には同一の符号を付し 重複した説明を省略する。

 図2は、本発明の実施形態にかかる板分離 装置1の基本構成を示す図である。この板分 装置1は、複数の板材2が積層されたスタック 3における最上層の板材2をその直下の板材2か ら分離するための装置である。対象となる板 材2は、例えば、鉄やアルミニウムなどの金 板である。以下、本実施形態では、主にプ スラインに用いられるディスタックフィー に搭載される板分離装置1について説明する

 図2に示すように、板分離装置1は、最上 の板材2の少なくとも端部を持ち上げる分離 保持器4と、最上層の板材2の端部に超音波 動を与える超音波振動子5と、超音波振動に って最上層の板材2とその直下の板材2の間 生じた隙間に気体を吹き込むエアノズル6と 備える。

 分離用保持器4は、例えばバキュームカッ プ(吸盤)であり、図示しない適宜の移動機構 よって、昇降動作及び板材2に対する進退動 作(水平方向移動)ができるように構成されて る。分離用保持器4は、上記の進退動作によ り、最上層の板材2の上方位置と、上方位置 ら退避した位置とを移動でき、上方位置に 下降することにより最上層の板材2の上面端 に吸着し、吸着したまま上昇することによ 最上層の板材2の端部を持ち上げることがで きる。

 超音波振動子5は、最上層の板材2に接触 て押し付けられ、最上層の板材2の端部に超 波振動を与える。図2に示した構成例では、 超音波振動子5は、最上層の板材2の側面に接 して押し付けられる。超音波振動子5には高 周波電源7が接続されている。高周波電源7は 高周波電圧を超音波振動子5に印加する。

 超音波振動子5を最上層の板材2の側面に し付けるための機構としては、例えば、図3 示すような押し付け機構12を適用すること できる。この押し付け機構12は、水平方向に 延びるガイドレール13と、ガイドレール13上 移動可能なスライダ14と、スライダ14をガイ レール13に沿って移動させる駆動装置15とを 備える。駆動装置15は、図3に示すような空圧 式または油圧式のシリンダ装置のほか、駆動 モータとこの駆動モータの回転運動を直線運 動に変換する機構(ラックアンドピニオン機 、ボールネジ機構、ベルト機構など)とから 成される装置、或いはリニアモータであっ もよい。

 エアノズル6は、スタック3の側方に配置 れ、超音波振動によって最上層の板材2とそ 直下の板材2の間に生じた隙間に気体を吹き 込む。吹き込む気体は、空気のほか、窒素な どの不活性ガスなどであってもよい。エアノ ズル6にはエアホース8を介して気体供給源9( えばコンプレッサ)が接続されている。

 上記のスタック3から板材2が順次取り出さ ていくと、最上層の板材2の位置が段々低く っていく。したがって、板分離装置1は、さ らに、超音波振動子5を上下移動させて高さ 変更する手段と、エアノズル6を上下移動さ て高さを変更する手段とを備えることが好 しい。超音波振動子5を上下移動させて高さ を変更する手段と、エアノズル6を上下移動 せて高さを変更する手段は、別々に構成さ た機構に限られず、一体に構成されたもの あってもよい。
 また、板分離装置1は、板材2の取り出しに じてスタック3を持ち上げ、スタック3の上面 の高さを一定に保持する手段を備えても良い 。この場合、上述した超音波振動子5の高さ 変更する手段と、エアノズル6の高さを変更 る手段を省略することができる。

 上記のように構成された板分離装置1は、 以下の動作によって最上層の板材2とその直 の板材2とを分離する。

 まず、分離用保持器4を最上層の板材2の 面端部に吸着させる。次に、超音波振動子5 最上層の板材2の側面に接触させ押し付ける 。超音波振動子5により最上層の板材2の端部 超音波振動を与え、エアノズル6により最上 層の板材2とその直下の板材2の間に生じた隙 に気体を吹き込み、分離用保持器4により吸 着した最上層の板材2を持ち上げる。この場 、分離用保持器4により最上層の板材2の端部 を持ち上げてから、超音波振動子5により最 層の板材2の端部に超音波振動を与え、エア ズル6により最上層の板材2とその直下の板 2の間に生じた隙間に気体を吹き込んでもよ 。

 2枚目の板材2から分離された最上層の板 2は、ディスタックフィーダのワーク把持具( バキュームカップ)10によって所定の高さまで 持ち上げられた後、水平移動して所定の場所 まで搬送される。なお、板材2がワーク把持 10によって持ち上げられるとき、分離用保持 器4は、板材2と干渉しないように、板材2の外 側に退避する。

 上記の如く構成された板分離装置1によれ ば、超音波振動によって最上層(一枚目)の板 2とその直下(二枚目)の板材2の間に微小隙間 が生じ、その隙間に気体を吹き込むことによ って、最上層の板材2をその直下の板材2から 離することができる。すなわち、超音波を 板材2間に隙間を生じさせるきっかけとして 用いることにより、最上層の板材2とその直 の板材2との分離を確実に行うことができる したがって、アルミニウムのような常磁性 からなる板材2を対象とする場合であっても 、効率よく1枚ずつ確実に板分離することが きる。

 また、超音波振動子5を最上層の板材2の 面に接触させた場合には、超音波振動子5の し付け力と分離用保持器4の持ち上げ力の方 向が互いに反対方向となり干渉するため、両 者のバランスの調整が煩雑となる。これに対 し、本発明では、超音波振動子5を最上層の 材2の側面に接触させるので、超音波振動子5 の押し付け力と分離用保持器4の持ち上げ力 方向が直交するため、両者の力が干渉しな 。

 図4は、分離用保持器4、超音波振動子5及び アノズル6をスタック3の周囲に複数ずつ設 た構成例を示す図である。図4の構成例では 分離用保持器4、超音波振動子5及びエアノ ル6を、板材2の両側にそれぞれ4台ずつ設置 ている。このように構成することにより、 型の板材2にも対応することができる。
 この場合、各分離用保持器4は板材2に対し 互いに独立に進退移動できることが好まし 、各超音波振動子5は板材2に対して互いに独 立に進退移動できることが好ましく、各エア ノズル6は板材2に対して互いに独立に進退移 できることが好ましい。この構成により、 々の大きさ及び形状の板材2に対応すること ができる。
 なお、板材2の片側のみの板分離で十分に板 分離が可能である場合は、分離用保持器4、 音波振動子5及びエアノズル6を板材2の片側 みに設置してもよい。

 図5において、板材2の同一側面で、隣接す 各超音波振動子5同士の配置間隔が広すぎる 、図中の破線で示すように超音波振動子5の 間に板材2がはまり込むおそれがある。
 したがって、各超音波振動子5を、隣接する 各超音波振動子5同士の配置間隔bが、板材2に おける超音波振動子5が押し付けられる辺の 定最小長さaの1/2以下となるように設置する が好ましい。あるいは、隣接する超音波振 子5同士の配置間隔を調整するための間隔調 整手段を設け、板材2の大きさが変わる毎に 間隔調整手段により、隣接する各超音波振 子5同士の配置間隔bを、板材2における超音 振動子5が押し付けられる辺の長さの1/2以下 調整するのが好ましい。
 この構成により、超音波振動子5の間に板材 2がはまり込むのを回避することができる。

 図6に示すように、板材2の同一側面に設置 れた各超音波振動子5において、超音波の影 範囲(板材2内において超音波が伝播する範 )が重なる場合、発振する超音波の位相を互 に同期させることが好ましい。なお、図6で は、超音波の伝播イメージを破線で示してい る。
 このように各超音波振動子5において発振す る超音波の位相を同期させることにより、隣 接する超音波振動子5からの超音波が干渉し って減衰するなどの不安定な現象を防止す ことができる。したがって、板材2の分離を 定して行うことができる。

 図7A~図7Cは、超音波同士の干渉による悪影 を防止する他の手段を説明する図である。 7Aは超音波振動子5の配置状態を示している この超音波振動子5を、左側から順にNo.1~No.4 する。図7Bは各超音波振動子5の超音波の発 タイミングを示している。図7Cは各分離用 持器4により最上層の板材2を端から順に持ち 上げている様子を示す図である。
 超音波同士の干渉による悪影響を防止する の手段では、図7A~図7Cに示すように、板材2 辺に沿って端から順に、各分離用保持器4に より最上層の板材2の端部を持ち上げるとと に各超音波振動子5から時間間隔を空けて超 波を発振する。
 このように各超音波振動子5が時間間隔を空 けて超音波を順次発振するので、超音波同士 が干渉し合って減衰するなどの不安定な現象 を防止することができる。したがって、板材 2の分離を安定して行うことができる。

 次に、最上層の板材2に対して超音波振動子 5を簡易かつ的確に当接する手段について説 する。図8Aに示すように、板材2の厚さが超 波振動子5の先端の厚さと比べて非常に薄く かつスタック3において板材2の端部の位置 不揃いの状態で積層されている場合、超音 振動子5をスタック3の側面上部に当接しただ けでは、最上層の板材2の側面に超音波振動 5を当接することができない。最上層の板材2 とその直下の板材2とを分離するためには、 8Bに示すように、最上層の板材2の側面に超 波振動子5を確実に当接することが必要であ 。
 ここで、サーボモータを用いた位置制御に って超音波振動子5の高さを位置決め制御す る手法を採用しても、板材2が非常に薄い場 (例えば1.0mm以下)では精密で的確な位置決め 困難である。したがって、最上層の板材2に 対して超音波振動子5を簡易かつ的確に当接 るための手段が必要である。以下、手段1~手 段4について説明する。

[手段1]
 図9Aと図9Bは、最上層の板材2に対して超音 振動子5を簡易かつ的確に当接するための手 1の構成例であり、図9Aは平面図、図9Bは側 図である。
 図9Aと図9Bにおいて、超音波振動子5には高 規制部材18が取り付けられている。高さ規制 部材18は、超音波振動子5の先端よりもさらに 水平方向に突出した突出部18aを有し、この突 出部18aの下面が最上層の板材2の上面に当接 ることにより最上層の板材2に対する超音波 動子5の高さを規制する機能を有する。高さ 規制部材18は、その下面から超音波振動子5の 先端下面までの距離が、最上層の板材2の厚 以下となるように超音波振動子5に対して固 されている。図9Aと図9Bにおいて、高さ規制 部材18は、高さ規制部材18を上下から挟む取 部品19によって超音波振動子5に対して固定 れている。

 図10A~図10Cは、高さ規制部材18が取り付け れた超音波振動子5の動作を説明する図であ る。まず、図10Aに示すように、高さ規制部材 18の先端が最上層の板材2の端部の真上位置に くるように超音波振動子5を水平方向に移動 せる。次に、図10Bに示すように、上記の真 位置から超音波振動子5を下降させ、高さ規 部材18の突出部18aの下面を最上層の板材2の 部上面と接触させたら、超音波振動子5を最 上層の板材2の方向に押し込む。

 このとき、高さ規制部材18の下面よりも下 に出た超音波振動子5の先端下面までの距離 、最上層の板材2の厚さ以下であるので、板 材2が積層したスタック3の端部が揃っていな 場合でも、上記の高さ規制部材18が最上層 板材2の上面に当接して最上層の板材2がガイ ドとして機能することにより、超音波振動子 5の先端を最上層の板材2の側面に確実に当接 ることができる。
 なお、図10Cに示すように、最上層の板材2を 分離用保持器4により持ち上げるときは、板 2と高さ規制部材18が干渉しないように、高 規制部材18は超音波振動子5とともに板材2の 側に退避する。

[手段2]
 図11A~図11Cに示す手段2では、分離用保持器4 より最上層の板材2を吸着して持ち上げ(こ とき何枚かの板材2も一緒に持ち上げられる) 、超音波振動子5を最上層の板材2に向かって のまま押し込む。すると、超音波振動子5に 当たった板材2から順次下方に落下していく とにより、図11Bに示すように、最上層の板 2の側面に超音波振動子5が当接し、最終的に は図11Cに示すように、最上層の板材2とその 下の板材2が分離する。

[手段3]
 図12A~図12Cに示す手段3では、超音波振動子5 先端に凹凸部5aが形成されている。具体的 は、この凹凸部5aは、超音波振動子5の先端 おける鉛直面内の断面輪郭形状が凹凸に形 されたものである。
 分離用保持器4により最上層の板材2を吸着 て持ち上げ(このとき何枚かの板材2も一緒に 持ち上げられる)、超音波振動子5を最上層の 材2に向かってそのまま押し込む。すると、 超音波振動子5に当たった板材2から順次下方 落下していくことにより、図12Bに示すよう 、最上層の板材2の側面に超音波振動子5が 接し、最終的には図12Cに示すように、最上 の板材2とその直下の板材2が分離する。手段 3は手段2の変形例であり、凹凸部5aによって 飛び出ている板材2の端部が超音波振動子5に 当接しやすくなる。

[手段4]
 図13に示す手段4では、超音波振動子5を、最 上層の板材2の上面端部に接触させることに り、最上層の板材2に確実に超音波振動を与 ることができる。

 なお、上記において、本発明の実施形態に いて説明を行ったが、上記に開示された本 明の実施の形態は、あくまで例示であって 本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に 定されない。上述した実施形態では、板材2 は鉄やアルミニウムなどの金属板として説明 したが、金属板以外であってもよい。例えば 、板材はシリコンウエハであってもよい。
 本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に って示され、さらに特許請求の範囲の記載 均等の意味および範囲内でのすべての変更 含むものである。