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Patent Searching and Data


Title:
BOOT MOUNTING STRUCTURE FOR CONSTANT-SPEED UNIVERSAL JOINT, AND SILICONE BOOT FOR THE CONSTANT-SPEED UNIVERSAL JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051118
Kind Code:
A1
Abstract:
This aims to provide a boot mounting structure for a constant-speed universal joint and a silicone boot for a constant-speed universal joint, which can hold a stable salability thereby to prevent a cracking due to an interference with a boot band. A boot band (69) is fitted in the fitting groove of a silicone boot (65), and is radially shrunken in the fitted state thereby to fix the silicone boot (65). The boot band (69) is formed into an annular shape having no folded portion. The boot mounting structure comprises non-interacting structure means (S) for avoiding the interferences in the radially shrunken state of the boot band between the axially outer circumference edges (69a and 69b) of the band (69) and the corresponding bottom ends (82a and 82b) of a fitting groove (75).

Inventors:
WATANABE YUKIHIRO (JP)
NISHIO KEISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068606
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
WATANABE YUKIHIRO (JP)
NISHIO KEISUKE (JP)
International Classes:
F16D3/84; F16J3/04; F16J15/52
Foreign References:
JPH05180350A1993-07-20
JP2005009641A2005-01-13
JPH0322576Y21991-05-16
JP2005121122A2005-05-12
Other References:
See also references of EP 2204590A4
None
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome,Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 シリコーン製ブーツの嵌合溝にブーツバンドを嵌着し、この装着状態でブーツバンドを縮径させてシリコーン製ブーツを固定する等速自在継手用ブーツ取付構造であって、
前記ブーツバンドを折り返し部を有さない円環状体とするとともに、ブーツバンド縮径状態において、バンドの軸方向外周縁部と、これに対応する嵌合溝の底部端部との干渉を回避する非干渉構造手段を設けたことを特徴とする等速自在継手用ブーツ取付構造。
 前記非干渉構造手段は、バンドの軸方向外周縁部を外径側へ折り曲げることによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ取付構造。
 前記非干渉構造手段は、バンドの軸方向外周縁部を外径側へ湾曲させることによって構成したことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手用ブーツ取付構造。
 前記非干渉構造手段は、嵌合溝の底部端部の周方向溝を形成することによって構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の等速自在継手用ブーツ取付構造。
 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置されて、山部と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備え、前記請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ取付構造を介して、前記小径部をシャフトに固定したことを特徴とする等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 等速自在継手の外側継手部材に装着される大径部と、等速自在継手の内側継手部材に連結されたシャフトに装着される小径部と、大径部と小径部との間に配置されて、山部と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備え、前記請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の等速自在継手用ブーツ取付構造を介して、前記大径部を等速自在継手の外側継手部材をに固定したことを特徴とする等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 前記等速自在継手が、軸線方向の変位と作動角の変位とを許容する摺動式等速自在継手であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
 前記等速自在継手が、作動角の変位のみを許容する固定式等速自在継手であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の等速自在継手用シリコーン製ブーツ。
Description:
等速自在継手用ブーツ取付構造 び等速自在継手用シリコーン製ブーツ

 本発明は、等速自在継手用ブーツ取付構 及び等速自在継手用シリコーン製ブーツに する。

 自動車や各種産業機械における動力の伝 に用いられる等速自在継手には、継手内部 の塵埃等の異物浸入防止や継手内部に封入 れたグリースの漏れ防止を目的とし、蛇腹 のブーツが装着される。等速自在継手用ブ ツの材料としては、シリコーン材、CR材(ク ロプレン)、VAMAC材(エチレンアクリルゴム) CM材(塩素化ポリエチレン)等が知られている

 等速自在継手には、軸線方向の変位と作 角の変位とを許容する摺動式等速自在継手 、作動角の変位のみを許容する固定式等速 在継手とがある。例えば、摺動式等速自在 手であるトリポード型等速自在継手は、図6 に示すように、外側継手部材としての外輪1 、内側継手部材としてのトリポード部材2と トルク伝達部材としてのローラ3を主要な構 成要素としている。

 外側継手部材1はマウス部5と図示省略の テム部とからなる。マウス部5は反ステム部 に開口したカップ状で、その内径面に周方 に沿って120度ピッチで配設されるトラック 6が形成される。

 トリポード部材2はボス8と脚軸9とからな 。ボス8にはシャフト10とトルク伝達可能に 合するスプラインまたはセレーション孔11 形成してある。脚軸9はボス8の円周方向三等 分位置から半径方向に突出している。トリポ ード部材2の各脚軸9は前記ローラ3を担持して いる。

 ブーツ15は、外輪1に固定される大径部16 、トリポード部材2に連結されたシャフト10 固定される小径部17と、大径部16と小径部17 の間に設けられる蛇腹部18とを有する。そし て、大径部16と小径部17とはそれぞれブーツ ンド20,20が装着されることによって固定され る(特許文献1参照)。なお、蛇腹部18は、谷部1 8bと山部18aとが交互に形成されてなる。

外輪1の外径面の開口側端部には、ブーツ 合凹部21が設けられ、このブーツ嵌合凹部21 大径部16の内径部が嵌合し、この状態で、 ーツバンド20が、大径部16の外径面に形成さ たバンド嵌合用溝22に嵌合されて装着され 。これによって、ブーツ15の大径部16が外輪1 に固定される。

 また、シャフト10には、トリポード部材2 ら所定量突出した位置に、周方向に沿った ーツ取付用溝23を有するブーツ嵌合部24が設 けられ、小径部17がブーツ嵌合部24に外嵌さ る。そして、ブーツ15の小径部17の外周面に 成された嵌合溝25にブーツバンド20を嵌着す ることによって、小径部17をシャフト10に固 している。

 ブーツバンドとしては、いわゆるワンタ チバンドと呼ばれるものやロープロファイ バンドと呼ばれるもの等がある。

 ワンタッチバンドと呼ばれるブーツバン 20は、図7に示すように、帯状の金属材から るバンド部材30を輪状に湾曲させてその両 を重ね合わせた状態で結合したものである バンド部材30の重ね合わせ部31の一方にレバ 部材32を固着している。

 このブーツバンド20にて、ブーツ15の小径 部17をシャフト10に装着するには、まず、輪 のバンド部材30を、ブーツ15の小径部17の嵌 溝25に対して遊嵌状に外嵌し、この状態で、 レバー部材32をてこ作用を利用して折り返す これによって、図8に示すように、ブーツ15 小径部17の嵌合溝25に嵌合されたバンド部材 30が縮径してブーツ15の小径部17を締め付ける ことになる。なお、レバー部材32の端部が、 ね合わせ部31の近傍に配置される止め具33( 7参照)に係止される。

 ロープロファイルバンドは円環状体からな 、小径部17の外径面に形成された嵌合溝25等 に嵌合させた後、縮径させることによって小 径部17を締め付けることになる。

特開平10-299789号公報

 近年の車両の高性能化・省スペース化に い、等速ジョイントの運転環境も厳しくな ており、要求される性能も高くなっている 特に高温条件下で用いられる等速自在継手 ブーツには、耐熱性向上を目的としてシリ ーン材やCM(塩素化ポリエチレン)材の適用が 考えられる。また、140℃以上の高温雰囲気と 、-40℃以下の低温雰囲気の両方に耐えうる材 料としては、シリコーン材が有効な材料とし て知られている。

 しかしながら、シリコーン材はその材料 性から、一旦亀裂が発生すると亀裂が進展 易い。このため、等速自在継手用ブーツに 用する場合には、CR材等のその他材料に比 、より亀裂を発生させない設計が求められ 。

 ところが、図7に示すようなバンドを使用 すれば、前記したようにバンドの折り返し部 を有することによって、この折り返し部がブ ーツ(この場合、小径部17)を挟み込み、亀裂 発生するおそれがある。

 また、ブーツバンドは断面が扁平の矩形 であり、図8に示すように、エッジ部20a、20b を有することになる。このため、このエッジ 部20a、20bとの干渉部位に亀裂が発生するおそ れがある。

 本発明は、上記課題に鑑みて、安定した ール性を保持した上で、バンドとの干渉に る亀裂を防止することが可能な等速自在継 用ブーツ取付構造及び等速自在継手用シリ ーン製ブーツを提供する。

 本発明の等速自在継手用ブーツ取付構造 、シリコーン製ブーツの嵌合溝にブーツバ ドを嵌着し、この装着状態でブーツバンド 縮径させてシリコーン製ブーツを固定する 速自在継手用ブーツ取付構造であって、前 ブーツバンドを折り返し部を有さない円環 体とするとともに、ブーツバンド縮径状態 おいて、バンドの軸方向外周縁部と、これ 対応する嵌合溝の底部との干渉を回避する 干渉構造手段を設けたものである。

 本発明の等速自在継手用ブーツ取付構造 は、非干渉構造手段によって、バンドの軸 向外周縁部と、これに対応する嵌合溝の底 との干渉を回避することができる。しかも 前記ワンタッチバンドのような折り返し部 有さない。

 非干渉構造手段は、バンドの軸方向外周 部を外径側へ湾曲させたり、バンドの軸方 外周縁部を外径側へ折り曲げたりすること よって構成することができる。このように 湾曲させたり、折り曲げたりすることによ て、軸方向外周縁部と嵌合溝の底部との間 隙間を形成することができて、これらの干 を回避することができる。

 また、非干渉構造手段としては、嵌合溝 底部端部に周方向溝を形成することも可能 ある。この場合も、嵌合溝の底部端部のバ ドの軸方向外周縁部との間に隙間を形成す ことができて、これらの干渉を回避するこ ができる。

 本発明の等速自在継手用シリコーン製ブ ツは、等速自在継手の外側継手部材に装着 れる大径部と、等速自在継手の内側継手部 に連結されたシャフトに装着される小径部 、大径部と小径部との間に配置されて、山 と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備 、前記請求項1~請求項4のいずれか1項に記載 の等速自在継手用ブーツ取付構造を介して、 前記小径部をシャフトに固定したものである 。

 本発明の等速自在継手用シリコーン製ブ ツは、等速自在継手の外側継手部材に装着 れる大径部と、等速自在継手の内側継手部 に連結されたシャフトに装着される小径部 、大径部と小径部との間に配置されて、山 と谷部とが交互に形成される蛇腹部とを備 、前記請求項1~請求項4のいずれか1項に記載 の等速自在継手用ブーツ取付構造を介して、 前記大径部を等速自在継手の外側継手部材を 固定したものである。

 等速自在継手が、軸線方向の変位と作動 の変位とを許容する摺動式等速自在継手で っても、作動角の変位のみを許容する固定 等速自在継手であってもよい。

 本発明は、バンドの軸方向外周縁部と、 れに対応する嵌合溝の底部との干渉を回避 ることができ、バンドの軸方向外周縁部に るブーツの亀裂を防止することができる。 かも、折り返し部を有さないので、このよ な折り返し部によるブーツの亀裂を防止す ことができる。このため、ブーツ材料とし 、シリコーン製を用いることができ、高温 囲気および低温雰囲気下において安定して いることができる。しかも、ブーツの亀裂 防止することができることによって、長期 わたって安定したシール機能を発揮するこ ができる。

 バンドの軸方向外周縁部を、外径側へ湾 させたり、外径側へ折り曲げたりすること よって、簡単かつ安定して非干渉構造手段 構成することができる。この場合、既存の ーツを、嵌合溝の形状や大きさ等を変形さ ることなく使用することができ、コスト低 を図ることができる。

 嵌合溝の底部端部の周方向溝を形成する とによって、簡単かつ安定して非干渉構造 段を構成することができる。この場合、既 のバンドを、変形させることなく使用する とができコスト低減を図ることができる。

 前記等速自在継手用ブーツ取付構造を用 て、ブーツ大径部を等速自在継手の外側継 部材と固定すれば、このブーツ大径部にお て、長期にわたって安定したシール機能を 揮することができる。また、前記等速自在 手用ブーツ取付構造を用いて、ブーツ小径 をシャフトと固定すれば、このブーツ小径 において、長期にわたって安定したシール 能を発揮することができる。

 等速自在継手としては、摺動式等速自在 手であっても、固定式等速自在継手であっ もよく、適用範囲は広く種々の等速自在継 に用いることができる。

本発明の実施形態を示す等速自在継手 シリコーン製ブーツを使用した等速自在継 の断面図である。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ーツの小径部の拡大断面図である。 本発明の等速自在継手用シリコーン製 ーツの大径部の拡大断面図である。 嵌合溝の第1変形例を示し、軸方向端 に折曲を有さないバンドを使用した場合の 面図である。 嵌合溝の第1変形例を示し、軸方向端 に折曲を有するバンドを使用した場合の断 図である。 嵌合溝の第2変形例を示し、軸方向端 に折曲を有さないバンドを使用した場合の 面図であり、 嵌合溝の第2変形例を示し、軸方向端 に折曲を有するバンドを使用した場合の断 図である。 従来の等速自在継手用シリコーン製ブ ツを使用した断面図である。 従来のブーツバンドの簡略図である。 従来のブーツバンドの要部拡大簡略図 ある。

符号の説明

 60  シャフト
 65  ブーツ
 66  大径部
 67  小径部
 68  蛇腹部
 69  ブーツバンド
 69a、69b 軸方向外周縁部
 70  ブーツバンド
 70a,70b 軸方向外周縁部
 75  嵌合溝
 82  嵌合溝
 82a,82b 底部端部
 83 ブーツ嵌合凹部
 S   非干渉構造手段

 以下本発明の実施の形態を図1~図6に基づ て説明する。

 摺動式等速自在継手であるトリポード型 速自在継手は、図1に示すように、外側継手 部材としての外輪51と、内側継手部材として トリポード部材52と、トルク伝達部材とし のローラ53を主要な構成要素としている。

 外輪51はマウス部55と図示省略のステム部 とからなる。マウス部55は反ステム部側に開 したカップ状で、その内径面に周方向に沿 て120度ピッチで配設されるトラック溝56が 成される。

 トリポード部材52はボス58と脚軸59とから る。ボス58にはシャフト60とトルク伝達可能 に結合するスプラインまたはセレーション孔 61が形成してある。脚軸59はボス58の円周方向 三等分位置から半径方向に突出している。ト リポード部材52の各脚軸59は前記ローラ53を担 持している。

 この場合のローラ53はいわゆるダブルロ ラタイプであって、内側ローラ53aと、外側 ーラ53bと、内側ローラ53aと外側ローラ53bと 間に介在される針状ころ53cとを備える。な 、ローラ53としては、内側ローラと外側ロー ラとの2つのローラを有さないシングルロー タイプであってもよい。

 外輪51の開口部はブーツ65にて塞がれる。 ブーツ65は、外輪51に固定される大径部66と、 トリポード部材52に連結されたシャフト60に 定される小径部67と、大径部66と小径部67と 間に設けられる蛇腹部68とを有する。そして 、大径部66と小径部67とはそれぞれブーツバ ド69,70が装着されることによって固定される 。なお、蛇腹部68は、谷部68bと山部68aとが交 に形成されてなる。

 ブーツ65はシリコーンにて形成される。 リコーンは、シロキサン結合を骨格とした 分子有機化合物(ポリマー)の総称である。シ リコーンは無色・無臭で撥水性があり、重合 度などの違いによりグリース、ワックス、オ イル、ゴム(エラストマー)、ゲルなどの形態 製品が提供される。いずれも、相当する炭 骨格ポリマーに比べて耐油性・耐酸化性・ 熱性が高く、不導体である。

 大径部66とブーツバンド69とが本発明に係 る等速自在継手用ブーツ取付構造Mを介して 定され、小径部67とブーツバンド70とが本発 に係る等速自在継手用ブーツ取付構造Mを介 して固定される。

 小径部67側の等速自在継手用ブーツ取付 造Mは、図2に示すように、バンド70は円環状 金属製であって、その断面形状が扁平矩形 なす。また、その軸方向外周縁部70a、70aが 径側へ折曲げられている。これによって、 ンド70の軸方向外周縁部70a、70bと、これに 応する嵌合溝75の底部端部75a、75bとの干渉を 回避する非干渉構造手段Sを構成することが きる。

 シャフト60には、トリポード部材2から所 量突出した位置に、周方向に沿ったブーツ 付用溝73を有するブーツ嵌合部74が設けられ 、小径部67がブーツ嵌合部74に外嵌される。 の場合、小径部67は、その内径面にブーツ嵌 合部74のブーツ取付用溝73に嵌合する突隆部80 が設けられるとともに、その外径面にバンド 70が嵌合する前記嵌合溝75が設けられている なお、ブーツ取付用溝73は、底面73aと、傾斜 状の側面73b、73cとからなる断面台形状である 。このため、小径部67がブーツ嵌合部74に嵌 されて、後述するようにバンド70が装着され た状態では、突隆部80がこのブーツ嵌合部74 形状に対応した形状となる。なお、小径部67 の突隆部80の内径面には、周方向に沿って形 される一対の小突起81,81が形成され、バン 70の締め付けによって、この小突起81,81は圧 状となる。このため、シール性の向上を図 ことができる。

 また、大径部66側の等速自在継手用ブー 取付構造Mも、図3に示すように、ブーツバン ド69は折り返し部を有さない円環状体とし、 の断面形状が扁平矩形をなす。また、その 方向外周縁部69a、69aが外径側へ折曲げられ いる。これによって、バンド69の軸方向外 縁部69a、69bと、これに対応する嵌合溝82の底 部端部82a、82bとの干渉を回避する非干渉構造 手段Sを構成することができる。

 外輪51の外径面の開口側にブーツ嵌合凹 83が設けられる。また、大径部66は、その内 面にブーツ嵌合凹部83に嵌合する膨出部84が 設けられるとともに、その外径面にバンド69 嵌合する前記嵌合溝82が設けられている。 お、ブーツ嵌合凹部83は、底面83aと、傾斜状 の側面83b、83cとからなる断面台形状である。 このため、大径部66がブーツ嵌合凹部83に嵌 されて、後述するようにバンド69が装着され た状態では、膨出部84がこのブーツ嵌合凹部8 3の形状に対応した形状となる。

 次にブーツ65の装着方法を説明する。ま 、小径部67の装着方法を説明する。シャフト 60のブーツ嵌合部74に小径部67を外嵌させる。 その後、ブーツバンド70を小径部67に外嵌さ 、この状態で、ブーツバンド70を縮径させる 。これによって、ブーツバンド70をブーツ嵌 部74に嵌合させて、小径部67を締め付けて、 小径部67をシャフト60に固定する。

 次に、大径部66の装着方法を説明する。 輪51のブーツ嵌合凹部83に大径部66を外嵌さ る。その後、ブーツバンド69を大径部66に外 させ、この状態で、ブーツバンド69を縮径 せる。これによって、ブーツバンド69を嵌合 溝82に嵌合させて、大径部66を締め付けて、 径部66を外輪51に固定する。

 本発明によれば、バンド69(70)の軸方向外 縁部69a、69b(70a、70b)と、これに対応する嵌 溝75(82)の底部、つまり底部端部75a、75b(82a、8 2b)との干渉を回避することができ、バンド69( 70)の軸方向外周縁部69a、69b(70a、70b)によるブ ツの亀裂を防止することができる。しかも 折り返し部を有さないので、このような折 返し部によるブーツの亀裂を防止すること できる。このため、ブーツ材料として、シ コーン製を用いることができ、高温雰囲気 よび低温雰囲気下において安定して用いる とができる。しかも、ブーツ65の亀裂を防 することができることによって、長期にわ って安定したシール機能を発揮することが きる。

 ところで、非干渉構造手段Sを構成する場 合、前記実施形態では、バンド69(70)の軸方向 外周縁部69a、69b(70a、70b)を外径側へ折曲げて る、つまり屈曲させているが、屈曲部を有 ない様に円弧状に湾曲させてもよい。

 図4と図5は、小径部67の嵌合溝82の断面形 を相違させている。図4に示す嵌合溝82では 底部端部に周方向溝90,90を形成し、これに って、非干渉構造手段Sを構成している。こ 場合の周方向溝90は、底面91が軸方向外方か ら軸方向中央に向かって外径側へ傾斜する傾 斜面とされた断面三角形状の凹溝からなる。 このため、図4Aでは、軸方向外周縁部70a,70bを 外径側へ折り曲げたり、湾曲させたりしてい ない既存のバンド70を使用することができる

 この図4Aに示す非干渉構造手段Sであって 、バンド70の軸方向外周縁部70a、70bと、こ に対応する嵌合溝82の底部端部82a、82bとの干 渉を回避することができ、前記図1に示す非 渉構造手段Sと同様の作用効果を奏する。

 また、図4Aに示す形状の嵌合溝82であって も、図4Bに示すように、バンド70として、軸 向外周縁部70a、70bを外径側へ折曲げたり、 曲させたりしたものを使用してもよい。こ 場合、バンド70の軸方向外周縁部70a、70bと、 これに対応する嵌合溝82の底部端部82a、82bと 干渉を一層回避することができる。

 なお、図4Bに示す形状とすることで、バ ド69(70)の軸方向外周縁部69a、69b(70a、70b)が嵌 合溝75(80)の底部に干渉する従来技術に対して 、応力が60%程度減少した。

 図5に示す嵌合溝82では、周方向溝90,90間 中央凹溝92が形成され、嵌合溝82の底面に一 の突起部93、93が設けられている。このため 、図5Aでは、図4Aと同様、軸方向外周縁部70a,7 0bを外径側へ折り曲げたり、湾曲させたりし いない既存のバンド70を使用することがで 、図5Bに示すように、バンド70として、軸方 外周縁部70a、70bを外径側へ折曲げたり、湾 させたりしたものを使用してもよい。

 この図5に示す非干渉構造手段Sであって 、バンド70の軸方向外周縁部70a、70bと、これ に対応する嵌合溝の底部端部との干渉を回避 することができ、前記図1に示す非干渉構造 段Sと同様の作用効果を奏する。特に、図5B 示すように、軸方向外周縁部70a、70bを外径 へ折曲げたり、湾曲させたりしたものを使 するのが好ましい。

 本発明のブーツが適用される等速自在継 には、高作動角を取ることのできるタイプ( 例えばツェッパ型、バーフィールド型などの ボールを用いた固定式等速自在継手)や、作 角はそれ程大きく取ることはできないが外 継手部材の軸線方向にスライドする機構を ね備えたタイプ(例えばダブルオフセット型 トリポード型、クロスグルーブ型などの摺 式等速自在継手)等がある。このため、本発 明のブーツは、これらの種々の等速自在継手 に適用することができる。これにより、耐亀 裂性に優れた等速自在継手用シリコーン製ブ ーツを装着した、耐久性に優れる等速自在継 手を構成することができる。

 本発明のブーツは、特に自動車用のドラ ブシャフトに用いられるデファレンシャル ア側に使用する摺動式等速自在継手への適 が好ましい。これは、この等速自在継手が 温雰囲気中に曝される頻度が高いためであ 。

 以上、本発明の実施形態につき説明した 、本発明は前記実施形態に限定されること く種々の変形が可能であって、例えば、バ ド69(70)の軸方向外周縁部70a、70bを折り曲げ 場合、その折り曲げ角度、折り曲げ位置と ては、嵌合溝75,82の底部と干渉せず、しか ブーツ65の締め付けも安定できる範囲で変更 できる。また、円弧状に湾曲させる場合、そ の曲率半径等も嵌合溝の底部と干渉せず、し かもブーツの締め付けも安定できる範囲で変 更できる。

図4と図5の等速自在継手用ブーツ取付構造 は、小径部67側であったが、大径部66側にお いても、図4や図5に示す形状の嵌合溝であっ もよい。また、ブーツ65の蛇腹部68の山部68a と谷部68bの数も前記実施形態に限定されるも のではなく、長さ寸法(軸方向長さ)としても 用する等速自在継手等に種々変更できる。

 なお、前記実施形態では、小径部67の突 部80に小突起81,81を形成していたが、このよ な小突起81,81の数の増減は任意であり、ま 小突起81を省略してもよい。小突起81を設け 場合、シャフト60側にこの小突起81が嵌合す る小溝を設けてもよい。また小突起は大径部 66に設けることも可能である。

 ツェッパ型、バーフィールド型などのボ ルを用いた固定式等速自在継手や、ダブル フセット型、トリポード型、クロスグルー 型などの摺動式等速自在継手に適用できる これにより、耐亀裂性に優れた等速自在継 用シリコーン製ブーツを装着した、耐久性 優れる等速自在継手を構成することができ 。




 
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