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Patent Searching and Data


Title:
CERAMICS-COVERED HEATER FOR IMPULSE SEALER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/141925
Kind Code:
A1
Abstract:
An impulse heat sealer has a short heater wire and a large width so that it requires a heavy transformer. If the band-shaped heater wire is slit thinly in its two sides and made thin and long in a zigzag shape, the transformer can be eliminated. In order that the impulse heat sealer may also be used without danger in countries of 200 - 400 V, however, the impulse heat sealer has to be so constituted that the hand need not touch the naked heater wire semipermanently, and that the generated heat appears and disappears quickly on and from the surface. This constitution is satisfied by laying a thin plate of a highly heat-conductive but electrically inconductive material such as aluminum nitride of 0.6 mm over the heating unit of the zigzag heater wire of the metal resistor thin plate, and by covering the whole periphery of the thin plate other than the upper face with a thermal and electrical insulator such as glass cloth. These components are bonded by an adhesive or the like and fixed on a radiation bed.

Inventors:
SAKAMOTO ATSUNOBU (JP)
SAKAMOTO KAZUKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067865
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
October 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SAKAMOTO ATSUNOBU (JP)
SAKAMOTO KAZUKO (JP)
International Classes:
B29C65/38; B65B51/10; H05B3/10; H05B3/20
Domestic Patent References:
WO2000075018A12000-12-14
Foreign References:
JP2005007606A2005-01-13
JPH01267126A1989-10-25
JPS57167004U1982-10-21
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Claims:
少なくともプレス機構とその開口部に設けられたヒーター、そのヒーターに結線された電源回路とからなり、その電源回路に外部電源より電力を受けて、プレス機構に熱可塑性樹脂を用いた対象物を挟んで圧力を掛けながら、短時間に大電流を流してヒーターを瞬間的に加熱し対象物を溶融し、引き続き圧力を掛けながら直ちに冷却して固めるインパルスヒートシーラーにおいて、上記ヒーターは
A.プレス機構の開口部に設けられた金属の放熱台の上に、又は放熱台を兼ねた開口部の上に、適当な大きさ、厚さの熱電気絶縁体の薄板を重ね、
B.その熱電気絶縁体の上に、電極で電源回路に結線された、発熱部を細長い帯状又は目的の形状とした金属抵抗体薄板の1又はそれ以上のヒーター線を重ね、
C.その発熱部の上に、適当な厚さの熱良導・電気絶縁体の薄板を重ね、
D.発熱部の側面が露出しないように、平面的に言えば熱良導・電気絶縁体の全周囲を適当な巾で、断面的に言えば下は放熱台の表面から又は放熱台に既に熱電気絶縁体が貼ってあればその表面から又はそれと一体に、上は熱良導・電気絶縁体の表面又はそれ以下の高さまでを、熱電気絶縁体で囲い、
E.それらの必要な箇所を接着剤又は粘着剤を用いて密着させて固定し、
F.常時又は必要な時に、熱良導・電気絶縁体の表面に薄い離型層を設けるために、離型材をその表面に予め塗布するか、粘着剤付き離型材の薄膜テープを貼付した、
構造を特徴とするインパルスヒートシーラー。
金属抵抗体薄板のヒーター線が、発熱部に長さ方向を横切るスリットを入れて、長さ方向の伸縮を抑える形状とした構造であることを特徴とする請求項1のインパルスヒートシーラー。
発熱部の側面が露出しないように、平面的に言えば熱良導・電気絶縁体の全周囲を適当な巾で囲う熱電気絶縁体の高さと形状は、その熱良導・電気絶縁体と同じ高さの平面か、又はそれよりも0.1~0.2mm前後低い平行面であることを特徴とする請求項1又は請求項2のインパルスヒートシーラー。
放熱台に固定した又は固定する前の、ヒーター線を熱良導・電気絶縁体と熱電気絶縁体で覆い、粘着剤又は接着剤を用いて密着させて固定した、上記請求項1又は請求項2のインパルスヒートシーラーのヒーター又は主要なエレメント
熱良導・電気絶縁体が、窒化アルミ又は炭化珪素又はそれらを主成分とするセラミックスである請求項1又は請求項2のインパルスヒートシーラー。
Description:
インパルスシーラーのセラミッ でカバーされたヒーター

 インパルスヒートシーラーに関するもの 、特にヒーターに関する。

 インパルスヒートシーラーは、ヒーター が例えば標準的な長さが20cmで幅2mmの場合、 20V10Aといった低電圧大電流が必要で、100Vの 業電源で使用する場合は重いトランスが必 であった。しかし本発明者らは従来の帯状 ヒーター線に、両側から細いスリットを入 、均一な細幅でジグザグにして、電気的に く長くしたので、先程の例では100V2Aといっ 高電圧低電流を流せばよくなったので、商 電源に直結出来るようにもなった。それに り重いトランスは不要になり、軽い、省エ ルギーのインパルスヒートシーラーを作る とが出来た。

 そのヒーター線に電流が流れる場合、感 の恐れがあるのでそれを防止するため、プ ス機構が開いている時はヒーター線に電流 全く流れないように安全装置も付けた。し しヒーター線のジグザグを伸ばしたり、断 したヒーター線の端が飛び出した時には、 レス機構を閉じてもその締め口からヒータ 線の一部が外に出るので、その状態でスイ チを押して通電したりすると、それに手が れて感電する危険性があった。

 本発明者がその対策として考えたものは 600℃に耐えられるポリイミド樹脂のフィル をヒーター線の上に貼り付けるものであっ 。これによりジグザグ線が延びたり、断線 た端部が飛び出したりということが無くな 、改良された。しかし長い使用時間の間に いつも全幅の袋を挟む訳ではないので、両 に近い、プレスが弱くなり多少浮きぎみに りやすい部分のヒーター線が高温になる回 が増えると、フィルムが焦げて炭化して皮 が弱くなることもあった。

その対策として単純に考えられるのはそのフ ィルムの厚さを増すことであるが、一番薄い 60ミクロンのフィルムですら貼り付けること より、発生した熱が大分弱くなってしまう であるから、厚くなればシーラーとしての 用性を失うものであった。しかも一部がオ バーヒートして炭化する現象は改善されな 。

特許第3943934号

 従来のインパルスシーラーのヒーター線 は電圧の低い電流しか流れていないし、ヒ ター線の上に何を置いても熱が短時間に伝 らないことが経験上分かっていたので、ポ エチレン等が融けて付着いてしまうことを ぐフッ素樹脂テープを載せるだけであった しかしトランスの不要なジグザグ線を利用 たヒートシーラーを、商業電源の電圧が100V の国だけでなく、200~240Vの国でも全く危険な 使えるよう、ヒーター線の熱でも半永久的 劣化しないで、しかも発生した熱が素早く 面に出てくるカバーが欲しかった。

 ヒーター線の発熱部の上に、例えば0.6mm 窒化アルミといった、熱は良く伝えるが電 的には絶縁体(以後熱良導・電気絶縁体とい )のセラミックス薄板を重ねた。さらにその 上面以外の周りをガラスクロス等の熱と電気 の絶縁体(以後熱電気絶縁体という)で囲い、 れらを粘着剤又は接着剤で貼り付けて密着 せ、放熱台上に固定した。

 ヒーター線は完全にカバーされ、そのカ ーの寿命も半永久的に長くなったので、感 の危険性は皆無に近くなった。しかもヒー ー線から発生した熱はその熱良導・電気絶 体の薄板を通して素早く表面に現れ、電流 OFFにして加熱を止めると素早く冷えた。

図1は本発明のヒーターの1例とプレス 構の断面図である。 図2はそのヒーターの平面図である。 図3はそのヒーター線の平面図である。 図4はリブとヒーターの応用例の断面図 である。 図5はヒーター線と窒化アルミの発熱中 の温度グラフである。 図6は熱電気絶縁体の応用例の断面図で ある。 図7はヒーター補助具の1例の断面図で る。 図8はジグザグ状ヒーター線の他の例を 示す、一部を拡大した平面図である。 図9は本発明のヒーター線の他の例を示 す、一部を拡大した平面図である。 図10もヒーター線の他の例を示す、一 を拡大した平面図である。

符号の説明

 1  プレス機構
 2  放熱台
 3  リブ
 4  サーコンテープ
 5  ヒーター線
6  窒化アルミ薄板
 7  ガラスクロステープ
 8  フッ素樹脂テープ
 9  ヒーター線発熱部
10  発熱しない部分及び電極
11  シリコンゴム
12  台
13  ポリエチレン袋
14  ヒーター線スリット
15  リブになる縁を持った開口部
16  一体型の熱電気絶縁体
17  低い斜めの熱電気絶縁体
18  山型のヒーター補助具

 実施例1は図1~図6により本発明の目的であ るヒーター線の全周囲を電気的に絶縁したヒ ーター構造を説明するもので、実施例2はそ 応用例を図7で説明する。

 図1は本発明のヒーターの一例とそれをセ ットしたプレス機構の断面図である。プレス 機構の開口部1(図は一部)に固定した、角パイ プ状のアルミの押し出し材による放熱台2の 面の両側の縁に設けた高さ1.7mmのリブ3の間 、底部に敷いて放熱台との間の熱と電気の 縁体として0.45mm厚のサーコンテープ4(シリコ ンゴムにガラスクロスを入れ、窒化アルミや アルミナの粉末を混入したもの。富士高分子 工業製)を貼り、その上に0.1mm厚、幅2mmのジグ ザグ状の鉄クロムヒーター線5を重ね、その に0.6mm厚、幅2mmの窒化アルミの薄板6を載せ 。その両側にリブ3との間に窒化アルミ6に隣 接して、0.6mm厚、幅0.8mmのガラスクロステー 7を載せる。そしてヒーター線も含めてそれ と窒化アルミの薄板6の境界を接着剤で接着 した。最後に窒化アルミ薄板6の上に0.1mm厚の 粘着剤付きフッ素樹脂テープ8を貼った。

平面的には図2、図3で説明する。図2は図1 ヒーターの平面図で、分かりやすいように 着剤付きフッ素樹脂テープ8を貼る前のもの ある。図3はヒーター線の平面図である。窒 化アルミ薄板6はヒーター線5のジグザグ状の くなって発熱する部分9と同じ大きさ、形状 の細長い四角形となり、窒化アルミ薄板6の 手方向の両側の、放熱台のリブ3との間に幅0 .8mmの熱電気絶縁体としてガラスクロステー 7を置く。さらにヒーター線5の発熱しない部 分と電極10は、図には無いが電源回路の電極 結線されていて、露出していると感電の恐 があるので、図2のようにガラスクロステー プ7を載せ、それらの境界を接着剤で接着し 。これらによって表から触れて感電する恐 のある部分は全てセラミックやガラスクロ 、サーコンテープでカバーされ、接着剤又 粘着剤で固められた。これらの上にフッ素 脂テープ8を貼り付けるので、感電防止はさ に強化される。

 動作及び機能を説明すると、プレス機構 もう一方の開口部1には従来のとおり2mm厚、 幅3.4mmの柔らかいシリコンゴム11を貼り付け 台12を固定した。その開口部に厚さ0.05mm程度 のポリエチレンフィルムによる袋13を差し入 、挟んでプレスして、通電時間を、窒化ア ミ薄板6が無い場合に0.8秒であったものを1 に少し長くするときれいにシールされた。 却時間にあまり差は無い。

ヒーター線5から発生した熱は速やかに窒 アルミ薄板6に伝わるので、窒化アルミ薄板6 がシール可能な温度に達したときでも、ヒー ター線5の温度はそれよりも数度しか高くな ない。そして窒化アルミ薄板6は、シール温 は100~130℃であるし、ポリエチレン袋14がヒ ターの幅よりも小さい場合、端に近い箇所 浮いた部分即ち熱を利用しない部分が出て るが、そこの熱も速やかに中央方向に移動 るので、瞬間的にも150℃を超える箇所は発 しない。従って市販のシリコン系の高温用 着剤ならば普通使用で250℃に耐えるものも るので、充分長持ちするし、多少柔軟性も るので各部材の熱膨張の違いに追従できる

 このヒーター線5は図3の平面図のように 寸法的には正確ではないが、0.1mm厚の広い面 積の鉄クロム薄板をエッチングして、発熱部 9は2mmの細長い帯の側面から幅0.15mm程度の垂 なスリット14を交互に入れ、ヒーター線自体 はほぼ0.4mm前後の均一な幅のジグザグの形状 してある。その両端の電極10を、熱膨張で びる程度、又はその半分程の長さを互いに っ張って、放熱台2に設けた電極(図は省略) 固定すれば、ヒーター線5の伸縮を無視出来 。ジグザグになったヒーター線が太く短い 合には困難であるが、上記のように細く長 場合には長さ方向にたわみやすいので、先 のように引っ張らなくても、このヒーター 5をサーコンテープ4や窒化アルミ薄板6にし かり接着すると、加熱時に動かないように 出来る。

ヒーター線5をジグザグにすることで、従 の同じ外形寸法のリボン線よりも細く、長 なるので、上記の例ではリボン線のままで 2ωであった電気抵抗が、25ωにもなる。それ より100Vの商業電源をそのまま流すと2ωでは 瞬時に切れてしまうのが、25ωならば半波整 すれば丁度良い電流となるのでトランスを わなくても良くなった。ヒーター線へのス ットの入れ方はこのように目的の電圧に合 せることが出来、さらにジグザグ線が多少 均一な細幅であっても、ある程度の範囲で れば窒化アルミ薄板4が熱の不揃いを直ちに 均化してきれいなシールが可能である。従 て本発明のヒーターは自在な目的に合わせ ことが出来、直線だけでなく四角形、円等 形状にも製作可能で、又後で述べるがヒー ー線が1つばかりでなく複数存在する場合に も使える。

 窒化アルミ薄板6は、ヒーター線の発熱部 9と同形、同面積とするのが無理もない。し し熱源よりも広い面積にすると温度が下が し、断面を台形にして熱を受ける面よりも 面を狭くすれば温度が上がるので、それら うまく使えばヒーター線発熱部と多少異な 形状も取れる。又後から述べるが、山型の ーター補助具を一体に作ることも出来るの 、多少の凹凸を持つ窒化アルミ薄板も作れ 。しかしヒーター線と密着する一面を持ち 本発明と同じ働きをする限り請求の範囲に める。また厚さは熱伝導が非常に良いので に薄くする必要は無く、丈夫さを考慮して 0.6mm前後で充分である。

窒化アルミのつなぎや割れ目は、有っても それが0.1~0.2mm程度ならば、本発明者らのジグ ザグヒーター線の特許明細書にあるように、 貼ってあるフッ素樹脂テープや袋自身の熱の 拡散によりシールに影響は出ない。従って短 い材料を継ぎ足せばよいのでいくら長いヒー ターでも製作可能である。その場合窒化アル ミ薄板は、求められる形状が細く長いので、 使用中にさらに割れることが必ずある。しか し割れても破片が飛んで孔が開くようなこと さえ無ければよいので、ヒーター線5や両側 ガラスクロステープ7と接着剤で貼り付ける である。さらに予め割れやすい線をレーザ 等で入れておく方法もある。それにより思 がけず強い力が働いてもその線に沿って割 、むやみに細かい破片になったり、鋭角が 来たりすることを防ぐことが出来る。

 さらに積極的に窒化アルミや絶縁体を守 ために設けたものが放熱台の縁に設けた細 い突起即ちリブ3である。不注意で袋の中身 の硬いものがシールする袋の口まで来てしま って、プレス機構が閉じた時にヒーターがダ メージを受けるといった事故を防ごうとする ものである。例えば消毒袋に入ったメスの柄 が飛び出しているなどである。図1のように 熱台2にリブ3が設けられている形状がヒータ ー単独の取り扱い上も便利であるが、図4の 面図にあるように、ヒーターにリブが無く も、プレス機構の開口部1にヒーターを取り けたときに、その開口部の縁15が飛び出し いる構造でも同様に機能すると言える。リ は少なくとも袋を差し込む側の片方だけで 機能する。その高さは低くても横からの事 を防ぐが、上からの事故にも耐えるよう高 ほうが良い。

 ヒーター線と窒化アルミ薄板の熱の移動 グラフにしたものが図5である。縦軸に温度 、横軸に時間を取り、不必要ではあるが300℃ 近くまで加熱したものである。センサーは薄 いテープ状の熱電対で、図1の断面図で示す 、測定点Aはヒーター線の底部で絶縁体のサ コンテープ4との間、測定点Bは熱良導・電 絶縁体である窒化アルミ薄板6の表面で、プ ス機構を閉じて柔らかいシリコンゴム11で えた状態で測定した。このグラフによれば10 0℃~150℃ではA点、B点の温度差は殆ど無いと える。つまりヒーター線5の表面と窒化アル 薄板6は同じ温度で推移するくらいに窒化ア ルミ内の熱の移動は素早いと言える。

そして250℃~300℃ではA点のグラフが頂点を えた時が電流を切って加熱を止めた時点で るが、その時点からなお0.5秒近くB点が温度 上昇すると言う現象をB点のグラフで見るこ が出来る。これはそれらセンサーが、A点は 部の熱伝導率の高い、つまり熱の逃げる絶 体のサーコンテープ(熱伝導率0.9W/m・K)と接 ており、B点は熱伝導率の低い、つまり熱の 逃げない絶縁体の普通のシリコンゴム11(熱伝 導率0.16W/m・K)と接している違いで起きる現象 であると言える。そしてそれは鉄クロムとい う熱伝導率の低いヒーター線が熱の分断を行 っていることを表わしている。

窒化アルミ薄板6以外にも同様に機能する 良導・電気絶縁体は、炭化珪素、酸化ベリ ウム、cBN等があり、コストが見合えばダイ モンドでも良いし、それらが主成分のセラ ックスでも良いし、複合したものでも良い これらはセラミックスで今まで述べてきた 化アルミ薄板と全く同じ扱いで使用できる 熱の伝導率で言えば窒化アルミは150~250W/m・K であるが、最低はヒーター線の材質の鉄クロ ムやニクロム等と同じ伝導率24W/m・K前後のア ルミナセラミックスまでを本発明では請求の 範囲に含める。このアルミナは窒化アルミに 比べて、同じ発熱量でもシールが弱くなるし 、熱の衝撃度も小さいが何とか使える。しか しアルミナ以下ではニクロム線から発生した 熱を全て吸収出来ずに、その分ヒーター線が 異常に高温になる傾向があるので使えない。

熱伝導率は熱良導・電気絶縁体を囲む熱電 気絶縁体の場合も重要である。インパルスシ ーラーは冷却が始まったら迅速な熱の放出、 アルミ台座への伝熱が必要になる。しかしあ まり熱伝導性が高いと使えない。磁器として 代表的なステアタイトは熱伝導率が2.5W/m・K あるが、0.6mmの薄板にして使用すると、底部 の放熱台に逃げるために、通常の強さの電流 を通して加熱しても、窒化アルミを通じて表 面まで充分な熱が出てこないのである。0.9W/m ・Kのサーコンテープならば熱が出てきてシ ルが出来た。この数値付近が、加える電力 により多少の違いは生ずるが、使える絶縁 の上限であろう。

逆に熱伝導率の低い方は使用不能になるこ とはない。低いガラスクロス(0.23W/m・K)やシ コンゴムでも、熱は大気に放出され、数秒 内にシール温度から、収縮しない温度まで 下するので、使用は可能である。しかし連 使用すると累積した熱でヒーターが徐々に 温になる。従ってこの場合は温度が上昇す につれて電流を制御する必要性がより大き 。従ってヒートシーラーを設計する時、熱 導性の高い絶縁体を使って熱を自然に放熱 に逃がしながら使用するか、低い絶縁体を って高度な制御を行いながら使用するか選 することになる。

表面の絶縁体と底部に使用する絶縁体とを 分けても、熱を逃がすという意味ではあまり 重要ではないので、製法上、図4又は図7のよ に同一材料の絶縁体16で断面がコの字にな ように、一体にすることも出来る。例えば リコンゴムのサーコンテープとか、気泡を れたコージライト(磁器の一種)などで一体に 作れる。従って請求の範囲では、底部に貼る 絶縁体とその他の表面まで囲む絶縁体との加 工の時間差は無く、同時つまりは一体の場合 も含む。逆に複数の絶縁体を重ねても良い。 又シリコン系の絶縁体は隙間に充填して固め る方法もあるので、その場合絶縁体自身が接 着剤を兼ねると言える。

細かいことであるが図2のヒーター線の発 しない部分と電極10をカバーするガラスクロ ステープ7は、窒化アルミ薄板6の両端の辺に する部分は熱の断熱であり、電極部分の感 に対する、つまり電気の絶縁とは機能的に なる。しかしガラスクロスだから両方を兼 たのであって、ステアタイトでは電気的に 良いが、熱的には先に記述したように伝導 が良すぎて、窒化アルミ薄板6に隣接しては 使えない。

電気絶縁性の主目的は、電気を流さないこ とであるが、耐圧とか難燃性、強度等その国 の法律又は基準があるので、それを満たす必 要がある。ガラステープやシリコンゴムは厚 さが0.6mmあれば二重絶縁の基準も満たしてい し、0.6mmの窒化アルミ薄板や0.45mmのサーコ テープは電子部品の放熱材として基準を満 すように作られているが、正確にはその関 する国の基準に当てはめて見なければなら い。従って請求の範囲で絶縁体が適当な幅 という表現の厚さは、熱の他にこの電気の 準も満たす意味も含んでいる。

表面の熱電気絶縁体7の高さも重要である 図1のガラスクロス7や図4の一体型絶縁体16の 上面のように、高さが同じ平面か、0.1~0.2mm低 い程度の平行な平面をなすと、従来のシーラ ーと同じくプレス機構1のシリコンゴム11とで 袋やフィルムを挟んで押えるので、しわが少 なく仕上がり、見た目がきれいで商品価値が 上がる。逆にその高さが低い場合は挟めない ので、シールとの境界にしわがよるし、加熱 時間が長ければエッジ切れの原因となる。し かし通常の加熱ではシール強度にあまり影響 は無いので、図6のように絶縁体17が低くても 斜めでも請求の範囲に入れる。ただし図には 無いが逆の絶縁体7が窒化アルミ6よりも高く 張っている形状ではシールが出来ず、使え い。

 窒化アルミ薄板6の上に、フッ素樹脂テー プの下に、シールの目的に合わせた形のもの 、言わばヒーター補助具を載せることにより 、今までに無いシールが出来る。例えば図7 断面図のように、窒化アルミ又はアルミを 料にして断面が山型の、高さは0.3mm、底面の 幅0.6mm、長さはヒーターと同様の補助具18を せるのである。これによりシール及びヒー カットが出来る。図には無いが数字の補助 を用いて日付をシールすることも出来るし これはインパルス・ホットスタンプとでも え、日付以外に色々応用も考えられる。

ヒーター補助具も熱の伝導性の良いものが 適している。従って窒化アルミ等の熱良導・ 電気絶縁体が使えるし、さらに窒化アルミ等 で電気的に絶縁しているので、アルミや銅も 使える。但しセラミックスと金属では膨張率 が違うので、長いものは注意が必要である。 又窒化アルミ等に同じものを載せるのであれ ば最初から塊として製作してもよい。

放熱台の素材はアルミ、銅、それらの合金 がよいが、ヒーターが熱伝導の低い絶縁体で 覆われれば放熱の効果は薄れるので、機能と しては単なる台又は補強板であり、その場合 熱伝導性は悪いが強度の強い鉄でも使用でき る。しかし熱が伝わっていくことは確かなの で、それらも含めて放熱台と称する。また本 発明のヒーターはその放熱台に囲われている のが強度や取り扱い上ベストの状態であるが 、図6、図7のヒーターの断面図のように熱電 絶縁体16,17と熱良導・電気絶縁体6とヒータ 線5が接着剤で固められていれば、それら主 要エレメントだけでも交換用部品として取り 扱いができるので、請求の範囲に含める。

従来のヒーター線は伸縮をするので、フッ 素樹脂テープを粘着剤で貼り付けると、使用 している間にそのテープに細かいしわが寄っ てしまう。その為粘着剤のない広幅のテープ を用い、その両縁を機械的に押える方法で固 定していた。しかし本発明のヒーターは殆ど 伸縮しないので、簡単に粘着剤付きフッ素樹 脂テープを貼り付けるだけでよくなった。フ ッ素樹脂テープと表現した中には基材にガラ スクロス討を用いたテープも含む。さらに本 発明のヒーターは異常高温にならないで、フ ッ素樹脂テープの寿命が非常に長くなったの で、例えば熱良導・電気絶縁体の表面に薄く 塗布することも出来る。また薄く塗布すると なれば離型剤としてシリコンゴムも使える。

離形剤としてのフッ素樹脂やシリコンゴム は熱の伝導率が非常に低い、つまり熱を伝え 辛い。0.1mm程度に薄くするから伝わるので、 形剤の層が薄ければ薄いほどよく、無いの 一番よい。ナイロンや紙、不織布などが表 になるラミネートフィルムは融けてヒータ にくっ付かないので、それらばかりのシー に用いる場合は不要である。従って離形剤 しで使う場合も請求の範囲に含める。

本発明に適したヒーター線は図3のジグザ 線だけではない。スリットはヒーター線の さ方向を横切りさえすれば長さ方向の動き ある程度吸収するので、垂直だけでなくて めや、図8のように円弧にしても効果は同じ ある。また図9、図10のようなヒーター線も えるが、中心線でカットすると図3のジグザ グ線が2つ出来るので、合成した変形と考え ことも出来る。しかし図10のヒーター線はス リットが大きすぎて隙間が熱で埋められるま でのあいだ、時間と発熱量が必要になり、ま た線幅が均一ではないので、細い部分に余分 に発熱させることになる。つまりヒーター線 に無理が掛かる。従って滑らかに加熱するた めには、スリットは出来るだけ小さく、線幅 は均一な方がよい。

ヒーター線が図3のような撓み易いジグザ 線ならば接着剤で伸縮を抑えられるので、 れを利用して極薄のヒーター線を製作する とが出来る。0.09~0.01mmといった極薄板を、先 にセラミックスやガラスクロステープ等の熱 良導・電気絶縁体や熱電気絶縁体に貼り付け てからエッチングすればよい。薄ければより 電気抵抗を増し、より高い外部電源に直結で きる可能性が増えるからである。この場合薄 くても金属板自身によるジグザグ線は、熱良 導・電気絶縁体のセラミック薄板に酸化物等 を焼き付けたヒーター線とは違い、それなり の大電流を流すことが出来るし、絶縁体等が 割れても直ちに切れるということはない。こ の製法は、重ねて貼り付けてジグザグにする ので、請求の範囲とは加工順位が逆になる。 従って請求の範囲には時間的な順位は無い。

熱良導・電気絶縁体でヒーター線をカバー する利点は、ジグザグ線だけでなく一般のリ ボン線にも応用して生かすことができる。窒 化アルミ等のセラミックスは膨張率が小さい ので、膨張率の小さな金属、例えばニッケル 鉄合金のインバール等を材料としたヒーター 線が適する。2mとか3mの長いシーラーの場合 ヒーター線に掛かる電圧は200Vや300Vになるの で、それを安全に絶縁するとか、3mのヒータ を1mのヒーター線3本で構成しその繋ぎ目を からなくして、100Vで切り替えながら利用す ることも出来る。水や腐食性の液体のシール の場合にヒーター線を保護することも出来る 。

膨張率が大きいヒーター線の場合でも短い 場合は簡単である。例えばチューブシーラー のような2cm前後のシーラーに応用して、細い チューブの場合にチューブから外れてオーバ ーヒートしやすい両端のフッ素樹脂テープの 焦げるのを防ぐことが出来る。長いシーラー の場合は熱良導・電気絶縁体も膨張率が大き くなることが都合よい。例えばヤスリのよう に、鉄合金ヒーター線の表面にダイヤモンド の薄い層を形成して熱良導・電気絶縁体とし て使うとか、逆に補助具としての帯状のアル ミ板の表面にアルミナ層や、将来は厚手の窒 化アルミを形成する等である。熱電気絶縁体 は膨張率の大きい物のほうが多い。

ヒーター線としての金属抵抗板は、鉄クロ ム、ニクロム等の鉄合金の他に、タングステ ン等、通常ヒーター線として使われるものな ら何でも使用出来る。また本発明のシーラー は軽く手に持って使うことが簡単になるので 、ヒーター側だけでシリコンゴム側が無いシ ーラーの場合もある。プレス機構としては人 が手でヒーター側のみを持って、作業台の上 の袋をシールする、言わば人体も含めたプレ ス機構も本発明には含める。

 ヒーター線や電極が、熱に強く丈夫な割 にくい窒化アルミやガラスクロス等で完全 カバーされるので、絶縁が完全になった。 れにより200~240Vといった商業電圧の高い国 も安全なトランスレスのインパルスシーラ が出来るようになったので、鉄と銅を大量 消費する重いトランスが不要になった。

 ヒーター線や窒化アルミ薄板が殆ど伸縮 ないので、フッ素樹脂テープやコートした ープを、単に粘着剤で貼ればよいので、従 の機種に必須であったヒーター線の伸張装 や、フッ素樹脂テープ固定装置は不必要に り、構造が非常に簡単になった。

さらに熱良導・電気絶縁体では素早く熱が 移動するので、異常な高温箇所が発生しない ので、ヒーター線、フッ素樹脂テープ共に長 持ちするようになり、保守点検が長期間不要 になった。

漬物のように水や酸性の液体の袋をシール するとか、作業場の酸性の雰囲気とかでは、 従来のむき出しのヒーター線は腐食する欠点 があったが、本発明のヒーターならばほぼ密 閉されているので、耐久性が増した。

 装置が軽く、保守に手間が掛からなくな 、耐久性が増したので、例えば介護用とし 汚物の処理や臭気止めに、ポリエチレンで 封するといった包装以外の用途がさらに増 する可能性が出てきた。




 
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