Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
CHOCOLATE ADDITIVE AND METHOD OF PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060809
Kind Code:
A1
Abstract:
To obtain stable fat crystals required for chocolate additives, it is unavoidable in the conventional techniques to employ a prolonged crystal transformation step under controlling temperature or a special apparatus. Thus, it has been required to simplify the stable crystal transformation step and thus reduce the production cost. A chocolate additive comprising a fat which contains an SUS type triglyceride (wherein S represents a saturated fatty acid residue having 16 to 24 carbon atoms; and U represents an unsaturated fatty acid residue having 18 or more carbon atoms) and a saturated fatty acid having 4 to 12 carbon atoms in an amount of 50% by weight or more.

Inventors:
YAMADA KAZUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070001
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 04, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
FUJI OIL CO LTD (JP)
YAMADA KAZUHISA (JP)
International Classes:
A23G1/00; A23G1/30
Foreign References:
JP2007267716A2007-10-18
JPH02406A1990-01-05
JPH1198952A1999-04-13
JP2008206490A2008-09-11
Download PDF:
Claims:
炭素数4~12の飽和脂肪酸を50重量%以上含む油脂(油脂A)とSUS型トリグリセリド(Sは炭素数16~24の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数18以上の不飽和脂肪酸残基)を含有するチョコレート添加剤。
SUS型トリグリセリドが1,3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリドである請求項1記載のチョコレート添加剤。
油脂Aが炭素数4~12の飽和脂肪酸を75重量%以上含む油脂である請求項1記載のチョコレート添加剤。
油脂Aが炭素数4~10の飽和脂肪酸を75重量%以上含む油脂である請求項3記載のチョコレート添加剤。
油脂Aが炭素数4~10の飽和脂肪酸からなるトリ飽和グリセリドである請求項4記載のチョコレート添加剤。
(油脂A)/(SUS型トリグリセリド)が重量比率で0.2~3である請求項1記載のチョコレート添加剤。
油脂A及びSUS型トリグリセリドを融解混合し、結晶化させることを特徴とする請求項1~6いずれか記載のチョコレート添加剤の製造方法。
請求項1~6いずれか記載のチョコレート添加剤をチョコレート生地の冷却過程で添加することを特徴とするチョコレートの製造方法。
Description:
チョコレート添加剤およびその 造方法

本発明は、従来の製造方法よりも簡便な方 法で製造することが可能な、テンパリング促 進効果及びファットブルーム抑制効果を有す るチョコレート添加剤およびその製造方法に 関するものである。

一般に、ココアバターやココアバターに代 用して使用されるハードバターを使用した、 いわゆるテンパリング型チョコレートの製造 には、テンパリング処理により、チョコレー ト中のココアバター等の油脂を安定な結晶型 に移行させ固化させることが重要であり、テ ンパリングが不十分であると、保存中にファ ットブルームと呼ばれるチョコレート表面の 白化現象が起き、チョコレートの口溶け、滑 らかさ等の食感が著しく損なわれてしまう。

そのため、チョコレートの工業的生産にお いて、融解したチョコレートを冷却し、さら に再度加温(リヒート)しなければならないテ パリング工程は、非常に複雑な工程のため テンパリングが不十分となり、製造後のチ コレート製品が流通、保存段階において極 な温度変化をうけると、ファットブルーム 発生し、商品価値を著しく損なうといった 題がしばしば発生する。

さらに、チョコレートが体温を越えるよう な高温に一定時間曝される場合には、いかに 良好なテンパリング処理を行ってもファット ブルームの発生を防止することは困難である 。

そこで、従来から、このような複雑なテン パリング工程を省略ないしは簡略化したチョ コレート製造方法として、微粉砕化したチョ コレートの粉末、ココアバターの粉末、また は、特定のトリグリセリド組成をもつ油脂の 粉末を、溶融したチョコレート組成物に添加 混合して製造する方法がある。このようなチ ョコレートの製造法は、通常シーディング法 と呼ばれており、近年、ココアバターのトリ グリセリド組成に類似させた特定のグリセリ ド組成物を添加する方法が開発されており、 また、製品チョコレートが体温付近の高温に 、一定時間曝される場合のファットブルーム を防止する方法として、粉末状粒子のチョコ レート添加剤を用いる方法も提案されている 。(特許文献1~3)

しかしながら、これら粉末状のチョコレー ト添加剤は、みかけ比重が軽いため、十分な 攪拌を行わないと、粘性のあるチョコレート 中にはチョコレート添加剤が均一に分散せず 、テンパリングが不十分となることもあり、 改善の余地があった。

この問題を改善する方法として、チョコレ ートに添加した際に、容易に分散できるよう な、液状油ベースのチョコレート添加剤が提 案されている(特許文献4)が、液状油ベースの チョコレート添加剤の場合、その製造工程に おいて、液状の油に油脂結晶を均一に分散さ せることは容易でなく、チョコレート添加剤 の製造効率に問題があった。

また、チョコレート添加剤がテンパリング 促進機能を発揮するためには、チョコレート 添加剤中に、安定型結晶に転移した状態で油 脂結晶が存在していることが必要であるが、 従来のチョコレート添加剤の製造方法では、 あらかじめ安定型に転移した油脂結晶粉末を 調製する工程が必要であった。

油脂結晶を安定型に転移させるためには、 油脂結晶を安定型結晶の融点より少し低い温 度で、長い時間をかけて転移させる工程が必 須である。特に油脂を構成する脂肪酸が炭素 数20以上の長鎖飽和脂肪酸を含む場合、その 向は著しく、安定型結晶を得るためには、 温かつ長時間の結晶転移工程を経ることに り、製造コストの上昇をもたらしている。

油脂結晶の安定化を促進させる方法として 、油脂の結晶化直前に5MPa/秒以上の加圧速度 10~50MPaまで急速に加圧することで、微細で 定な結晶を短時間で得る方法(特許文献5)や 脂の結晶化工程でパルス磁場処理を行い、 脂の結晶化を促進または安定化させる方法( 許文献6)が提案されているが、これらの方 はいずれも、高圧処理や強力なパルス磁場 行う装置が必要となるため、経済的にも安 面においても好ましくない。

特公平4-58941号公報

特公平6-95879号公報

特公平7-108185号公報

特許第2733286号公報

特開2001-321080号公報

特開2005-312416号公報

このように、チョコレート添加剤に必要な 、油脂の安定型結晶を得るためには、温調に よる長時間の結晶転移工程や特殊な装置を利 用しなければならず、安定結晶転移工程の簡 便化による製造コストの低減が望まれていた 。

本発明者らは、前記課題を解決するため鋭 意研究を重ねた結果、SUS型トリグリセリド(S 炭素数16~24の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数18 上の不飽和脂肪酸残基)に炭素数4~12の飽和脂 肪酸を含む油脂を配合することにより、安定 型結晶への転移が常温、短時間で完了すると いう知見を見出し、本発明を完成するに至っ た。

即ち、本発明の第一は、炭素数4~12の飽和 肪酸を50重量%以上含む油脂(油脂A)とSUS型ト グリセリド(Sは炭素数16~24の飽和脂肪酸残基 Uは炭素数18以上の不飽和脂肪酸残基)を含有 するチョコレート添加剤である。第二は、SUS 型トリグリセリドが1,3-ジベヘノイル-2-オレ ルグリセリドである第一記載のチョコレー 添加剤である。第三は、油脂Aが炭素数4~12の 飽和脂肪酸を75重量%以上含む油脂である第一 記載のチョコレート添加剤である。第四は、 油脂Aが炭素数4~10の飽和脂肪酸を75重量%以上 む油脂である第三記載のチョコレート添加 である。第五は、油脂Aが炭素数4~10の飽和 肪酸からなるトリ飽和グリセリドである第 記載のチョコレート添加剤である。第六は (油脂A)/(SUS型トリグリセリド)が重量比率で0. 2~3である第一記載のチョコレート添加剤であ る。第七は、油脂A及びSUS型トリグリセリド 融解混合し、結晶化させることを特徴とす 第一~六いずれか記載のチョコレート添加剤 製造方法である。第八は、第一~六いずれか 記載のチョコレート添加剤をチョコレート生 地の冷却過程で添加することを特徴とするチ ョコレートの製造方法である。

本発明におけるチョコレート添加剤は、従 来のチョコレート添加剤に必須であった油脂 の安定型結晶粉末を別途調製し添加する工程 が必要なく、また、従来油脂を安定型結晶に 転移させるために必須であった、高温かつ長 時間の結晶転移工程を必要としないため、常 温、短時間で安定型結晶への転移を完了させ ることができ、製造工程の短縮化、製造コス トの低減に大きく寄与する。さらに、得られ たチョコレート添加剤は、ペースト状である ため、チョコレートへの分散性がよく、テン パリング作業の効率化をも図ることが出来る 。

以下、本発明をより詳細に説明する。

本発明におけるチョコレート添加剤に含有 する、SUS型トリグリセリドとは、Sは炭素数16 ~24の飽和脂肪酸残基、Uは炭素数18以上の不飽 和脂肪酸残基からなる1、3-ジ飽和―2-不飽和 リセリドのことを表し、上記飽和脂肪酸Sと しては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラ キジン酸、ベヘン酸などがあり、上記不飽和 脂肪酸Uとしては、オレイン酸、リノール酸 どが挙げられ、上記脂肪酸を含むSUS型トリ リセリドとして、1,3-ジステアロイル-2-オレ ルグリセリド、1-ステアロイル-2-オレイル-3 -パルミトイルグリセリド、1,3-ジパルミトイ -2-オレイルグリセリドを含むココアバター ココアバター代用脂、ココアバター改質脂 どを挙げることができる。

本発明におけるチョコレート添加剤は、フ ァットブルーム抑制効果として、比較的高温 のブルームに耐える性質のため、或いは、体 温を超えるような高温に曝された後に艶のあ るチョコレートに復帰する機能を期待するに はSUS型トリグリセリドが1,3-ジベヘノイル-2- レイルグリセリドであることがより好まし 。

本発明におけるチョコレート添加剤は、炭 素数4~12の飽和脂肪酸を50重量%以上含む油脂( 脂A)を上記SUS型トリグリセリドと混合する とにより、SUS型トリグリセリドの安定型結 への転移を短縮することが可能とするもの あり、炭素数が4未満の飽和脂肪酸や炭素数 12を超える飽和脂肪酸あるいは炭素数4~12の 和脂肪酸を50重量%未満しか含まない油脂で 、SUS型トリグリセリドの安定型結晶への転 を促進する効果は得られない。炭素数4~12の 飽和脂肪酸を50重量%以上含む油脂としては、 パーム核油、ヤシ油、乳脂等のラウリン酸、 及び中短鎖脂肪酸を含む油脂の分別軟質部等 が挙げられる。

また、本発明におけるチョコレート添加剤 に含有する油脂Aは、炭素数4~12の飽和脂肪酸 75重量%以上含む油脂、さらには炭素数4~10の 飽和脂肪酸を75重量%以上含む油脂であること が好ましい。炭素数4~12の飽和脂肪酸を75重量 %以上含む油脂としては、パーム核油、ヤシ 、乳脂等のラウリン酸、及び中短鎖脂肪酸 含む油脂の分別軟質部、あるいは炭素数4~10 飽和脂肪酸からなるトリ飽和グリセリドの なくとも1種と液状油脂との金属エステル交 換油、酵素エステル交換油等が挙げられる。

さらに、本発明におけるチョコレート添加 剤に含有する油脂Aは、炭素数4~10の飽和脂肪 からなるトリ飽和グリセリドであることが も好ましく、これによりSUS型トリグリセリ の安定型結晶への転移をより短縮させるこ が可能となる。

さらに本発明におけるチョコレート添加剤 は、(油脂A)/(SUS型トリグリセリド)が重量比率 で0.2~3の範囲にあることが好ましく、より好 しくは0.3~2である。SUS型トリグリセリドに する油脂Aの重量比率が低すぎると、安定化 進効果が弱く、高すぎる場合は、シード機 を発揮させるために本発明のチョコレート 加剤の添加量を極端に増やす必要があり、 果的にチョコレート油分が高くなり、チョ レートの硬さが低下してしまうため好まし ない。

本発明におけるチョコレート添加剤は、上 記SUS型トリグリセリド及び油脂Aの他に任意 油脂を配合することで、チョコレート添加 の物性を任意に調整することができるが、 脂としては、液状油であることが好ましく ヒマワリ油、菜種油、大豆油、米糠油、及 これらの混合油、金属エステル交換油、酵 エステル交換油などを例示することができ これら液状油と油脂Aの金属エステル交換油 酵素エステル交換油をSUS型トリグリセリド 配合しても良い。

本発明におけるチョコレート添加剤の製造 方法は、SUS型トリグリセリドと炭素数4~12の 和脂肪酸を50重量%以上含む油脂Aの混合物を 解状態で容器中に充填(例えばピロー包装) 、これを常温付近の温度に冷却して油脂結 を析出せしめ、SUS型トリグリセリドの結晶 安定型へ転移させることで添加剤を得るこ ができる。安定型へ転移させるために、チ コレート添加剤が完全に固化しない程度の20 ℃付近の温度域で、数日間保存しておくだけ でも転移させることができるが、25~50℃、よ 好ましくは30~40℃に温調することにより、 定型への転移をより促進させる事ができ好 しい。その際、25~50℃にて温調する時間は24 間程度あればよく、従来、安定型への転移 必要であった温度や時間と比較すると大幅 結晶転移工程を短縮、簡略化することが可 である。

本発明におけるチョコレート添加剤のSUS型 トリグリセリドの安定型結晶とは、X線回折 ペクトルで短面間隔(側面間隔)のピークが4 以上あらわれる結晶型であり、好ましくは R.L.WilleおよびE.S.Luttonがココアバターの結晶 について命名している方法[J.A.O.C.S.,43,491-496 (1966)]での、V型以上の安定な結晶型、およびT .Koyano等が1,3-ジステアロイル-2-オレイルグリ リド、1,3-ジパルミトイル-2-オレイルグリセ リドの結晶型に使用しているβ2以上の安定な 結晶型[J.O.C.S.,66,no5,664-674(1989)]をいう。

上記製造方法により得られた、本発明のチ ョコレート添加剤は、ペースト状であるため 、従来の粉末状のチョコレート添加剤と比較 すると、粘性のあるチョコレートに添加する 際に、容易に均一に分散させることが出来、 チョコレート製造工程において、テンパリン グ作業の効率化を図ることができるという効 果も有する。

本発明におけるチョコレート添加剤は、チ ョコレートの原料油脂として、ココアバター や、ココアバターに代用して使用されるハー ドバターを使用したいわゆるテンパリング型 チョコレート類に好ましく適用でき、チョコ レート類への本発明のチョコレート添加剤の 添加量としては0.1~10重量%が好ましい。また 本発明のチョコレート添加剤のチョコレー 類への添加方法としては、チョコレート生 の冷却工程において、品温27~37℃で添加する ことが好ましく、当該添加後、チョコレート 生地はリヒートなしに成型又はエンロービン グすることができる。かかる使用方法は従来 のシーディング法と呼ばれる方法に準じて実 施することができる。

以下に本発明の実施例を示し、本発明をよ り詳細に説明する。なお、例中、%および部 いずれも重量基準を意味する。

(1、3-ジステアロイル-2-オレイルグリセリド 有油脂の調製)
オレイン酸エチルエステルと高オレイン酸ヒ マワリ油とを用い、1-、3-位選択性を有する 素剤にて既知の方法によりエステル交換反 を行い、さらに溶剤分別により高融点画分 分取した。この画分には64.5%の1、3-ジステア ロイル-2-オレイルグリセリド(StOSt)が含まれ おり、SUS型トリグリセリドの合計は85.2%であ った。これをStOSt脂とした。

(1、3-ジベヘノイル-2-オレイルグリセリド含 油脂の調製)
高エルシン酸菜種油の極度硬化油を加水分解 して得た脂肪酸またはその低級アルコールエ ステルとエステル交換し、さらには精溜する ことにより得られる炭素数20~24個が豊富であ 飽和脂肪酸エステルと高オレイン酸ヒマワ 油とを用い、1-、3-位選択性を有する酵素剤 にて既知の方法によりエステル交換反応を行 い、さらに溶剤分別により高融点画分を分取 した。この画分には、68.0%の1、3-ジベヘノイ -2-オレイルグリセリド(BOB)が含まれており SUS型トリグリセリドの合計は84.4%であった。 これをBOB脂とした。

(実施例1)
油脂Aとして精製パーム核分別軟質部(脂肪酸 成:炭素数6含量1.1%、炭素数8含量9.5%、炭素 10含量4.6% 炭素数12含量38.4% 炭素数14含量10.1 % 炭素数16含量7.7% 炭素数18含量2.1% 炭素数18 :1含量23.1% 炭素数18:2含量3.4%)50部とBOB脂50部 融解状態で混合し、70℃にて完全融解混合後 、水温15℃の水槽中で油脂の品温が32℃にな まで冷却して結晶を析出させた。これをピ ーに充填し、20℃で24時間保存後、40℃で24時 間静置した。このチョコレート添加剤のX線 析を測定した結果、安定型のβ2に転移して た。この品温40℃のチョコレート添加剤3部 、完全融解後33℃に保温したチョコレート97 に添加、混合し、リヒート無しで、モール に流し、5℃で30分間冷却固化後デモールド たところ、ブルームの発生は無くシード機 は良好であった。尚、この品温40℃のチョ レート添加剤はペースト状であり、チョコ ートに簡単に混合分散が可能であった。

(実施例2)
実施例1の精製パーム核分別軟質部50部と「ス コレー8」(日清オイリオグループ社製、脂肪 組成:炭素数8含量99.9%、炭素数10含量0.1%)50部 を混合し、常法によりナトリウムメチラート を用い金属エステル交換を行った後、脱色、 脱臭して得られた油脂を油脂Aとした。この 脂Aの炭素数4~12の飽和脂肪酸含量は76.8%であ た。この油脂A50部とBOB脂50部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が32℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で24時間保存後、40℃で24時間静置した。 このチョコレート添加剤のX線回析を測定し 結果、安定型のβ2に転移していた。この品 40℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解 33℃に保温したチョコレート97部に添加、混 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ で30分間冷却固化後デモールドしたところ、 ルームの発生は無くシード機能は良好であ た。尚、この品温40℃のチョコレート添加 はペースト状であり、チョコレートに簡単 混合分散が可能であった。

(実施例3)
実施例2で使用した「スコレー8」80部とハイ レイックヒマワリ油(脂肪酸組成:炭素数16含 3.8% 炭素数18含量4.2% 炭素数20含量0.5% 炭素 数18:1含量79.7% 炭素数18:2含量10.4% 炭素数18:3 量0.4% 炭素数22:1含量1.0%)20部を混合し、常 によりナトリウムメチラートを用い金属エ テル交換を行った後、脱色、脱臭して得ら た油脂を油脂Aとした。この油脂Aの炭素数4~1 0の飽和脂肪酸含量は79.9%であった。この油脂 A50部とBOB脂50部を融解状態で混合し、70℃に 完全融解混合後、水温15℃の水槽中で油脂の 品温が32℃になるまで冷却して結晶を析出さ た。これをピローに充填し、20℃で24時間保 存後、40℃で24時間静置した。このチョコレ ト添加剤のX線回析を測定した結果、安定型 β2に転移していた。この品温40℃のチョコ ート添加剤3部を、完全融解後33℃に保温し チョコレート97部に添加、混合し、リヒート 無しで、モールドに流し、5℃で30分間冷却固 化後デモールドしたところ、ブルームの発生 は無くシード機能は良好であった。尚、この 品温40℃のチョコレート添加剤はペースト状 あり、チョコレートに簡単に混合分散が可 であった。

(実施例4)
油脂Aとして実施例2で使用した「スコレー8」 25部とBOB脂50部及びStOSt脂25部を融解状態で混 し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の水 槽中で油脂の品温が32℃になるまで冷却して 晶を析出させた。これをピローに充填し、2 0℃で24時間保存後、40℃で24時間静置した。 のチョコレート添加剤のX線回析を測定した 果、安定型のβ2に転移していた。この品温4 0℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解後3 3℃に保温したチョコレート97部に添加、混合 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ 30分間冷却固化後デモールドしたところ、ブ ルームの発生は無くシード機能は良好であっ た。尚、この品温40℃のチョコレート添加剤 ペースト状であり、チョコレートに簡単に 合分散が可能であった。

(実施例5)
油脂AとしてMCT-B(不二製油株式会社製、脂肪 組成:炭素数8含量55.1%、炭素数10含量44.2%、炭 素数14含量0.7%)25部とBOB脂75部を融解状態で混 し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の水 槽中で油脂の品温が38℃になるまで冷却して 晶を析出させた。これをピローに充填し、2 0℃で24時間保存後、45℃で24時間静置した。 のチョコレート添加剤のX線回析を測定した 果、安定型のβ2に転移していた。この品温4 5℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解後3 3℃に保温したチョコレート97部に添加、混合 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ 30分間冷却固化後デモールドしたところ、ブ ルームの発生は無くシード機能は良好であっ た。尚、この品温45℃のチョコレート添加剤 ペースト状であり、チョコレートに簡単に 合分散が可能であった。

(実施例6)
油脂Aとして「スコレー8」25部とBOB脂50部、お よび実施例3で使用したハイオレイックヒマ リ油25部を融解状態で混合し、70℃にて完全 解の後、水温15℃の水槽中で油脂の品温が33 ℃になるまで冷却して結晶を析出させた。こ れをピローに充填し、20℃で24時間保存後、40 ℃で24時間静置した。このチョコレート添加 のX線回析を測定した結果、安定型のβ2に転 移していた。この品温40℃のチョコレート添 剤3部を、完全融解後33℃に保温したチョコ ート97部に添加、混合し、リヒート無しで モールドに流し、5℃で30分間冷却固化後デ ールドしたところ、ブルームの発生は無く ード機能は良好であった。尚、この品温40℃ のチョコレート添加剤はペースト状であり、 チョコレートに簡単に混合分散が可能であっ た。

(実施例7)
油脂AとしてMCT-B50部とBOB脂50部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が33℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で24時間保存後、40℃で24時間静置した。 このチョコレート添加剤のX線回析を測定し 結果、安定型のβ2に転移していた。この品 40℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解 33℃に保温したチョコレート97部に添加、混 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ で30分間冷却固化後デモールドしたところ、 ルームの発生は無くシード機能は良好であ た。尚、この品温40℃のチョコレート添加 はペースト状であり、チョコレートに簡単 混合分散が可能であった。

(実施例8)
油脂Aとして「スコレー8」50部とBOB脂50部を融 解状態で混合し、70℃にて完全融解混合後、 温15℃の水槽中で油脂の品温が33℃になるま で冷却して結晶を析出させた。これをピロー に充填し、20℃で24時間保存後、40℃で24時間 置した。このチョコレート添加剤のX線回析 を測定した結果、安定型のβ2に転移していた 。この品温40℃のチョコレート添加剤3部を、 完全融解後33℃に保温したチョコレート97部 添加、混合し、リヒート無しで、モールド 流し、5℃で30分間冷却固化後デモールドし ところ、ブルームの発生は無くシード機能 良好であった。尚、この品温40℃のチョコレ ート添加剤はペースト状であり、チョコレー トに簡単に混合分散が可能であった。

(実施例9)
油脂Aとしてトリブチリン(Sigma-Aldrich社製、脂 肪酸組成:炭素数4含量100%)50部とBOB脂50部を融 状態で混合し、70℃にて完全融解混合後、 温15℃の水槽中で油脂の品温が36℃になるま 冷却して結晶を析出させた。これをピロー 充填し、20℃で24時間保存後、40℃で24時間 置した。このチョコレート添加剤のX線回析 測定した結果、安定型のβ2に転移していた この品温40℃のチョコレート添加剤3部を、 全融解後33℃に保温したチョコレート97部に 添加、混合し、リヒート無しで、モールドに 流し、5℃で30分間冷却固化後デモールドした ところ、ブルームの発生は無くシード機能は 良好であった。尚、この品温40℃のチョコレ ト添加剤はペースト状であり、チョコレー に簡単に混合分散が可能であった。

(実施例10)
油脂AとしてMCT-B65部とBOB脂35部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が31℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で24時間保存後、40℃で24時間静置した。 このチョコレート添加剤のX線回析を測定し 結果、安定型のβ2に転移していた。この品 40℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解 33℃に保温したチョコレート97部に添加、混 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ で30分間冷却固化後デモールドしたところ、 ルームの発生は無くシード機能は良好であ た。尚、この品温40℃のチョコレート添加 はペースト状であり、チョコレートに簡単 混合分散が可能であった。

(実施例11)
油脂AとしてMCT-B65部とBOB脂35部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が31℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で8日間保存した。このチョコレート添 剤のX線回析を測定した結果、安定型のβ2に 移していた。この品温20℃のチョコレート 加剤3部を、完全融解後33℃に保温したチョ レート97部に添加、混合し、リヒート無しで 、モールドに流し、5℃で30分間冷却固化後デ モールドしたところ、ブルームの発生は無く シード機能は良好であった。尚、この品温20 のチョコレート添加剤はペースト状であり チョコレートに簡単に混合分散が可能であ た。

(実施例12)
油脂AとしてMCT-B75部とBOB脂25部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が29℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で24時間保存後、30℃で24時間静置した。 このチョコレート添加剤のX線回析を測定し 結果、安定型のβ2に転移していた。この品 30℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解 33℃に保温したチョコレート97部に添加、混 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ で30分間冷却固化後デモールドしたところ、 ルームの発生は無くシード機能は良好であ た。尚、この品温30℃のチョコレート添加 はペースト状であり、チョコレートに簡単 混合分散が可能であった。

(比較例1)
BOB脂を70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が40℃になるまで冷却して 結晶を析出させた。これをピローに充填し、 20℃で24時間保存後、45℃で24時間静置した。 のチョコレート添加剤のX線回析を測定した 結果、不安定型のp-β’であり、安定型のβ2 は転移しなかった。
この品温45℃のチョコレート添加剤3部を、完 全融解後33℃に保温したチョコレート97部に 加、混合し、リヒート無しで、モールドに し、5℃で30分間冷却固化後デモールドした ころ、ブルームが発生し、シード機能は無 った。また、45℃の添加剤は硬く、チョコレ ートに混合分散し難い状態であった。

(比較例2)
比較例1と同様に、BOB脂を70℃にて完全融解混 合後、水温15℃の水槽中で油脂の品温が40℃ なるまで冷却して結晶を析出させた。これ ピローに充填し、20℃で24時間保存後、45℃ 静置し、経時的にX線回析を測定した結果、1 4日目でβ2に転移が認められた。この品温45℃ のチョコレート添加剤3部を、完全融解後33℃ に保温したチョコレート97部に添加、混合し リヒート無しで、モールドに流し、5℃で30 間冷却固化後デモールドしたところ、ブル ムの発生は無くシード機能は良好であった しかし、45℃の添加剤は硬く、チョコレー に混合分散し難い状態であった。

(比較例3)
油脂Aとしてトリアセチン(東京化成工業株式 社製、脂肪酸組成:炭素数2含量100%)50部とBOB 50部を融解状態で混合し、70℃にて完全融解 混合後、水温15℃の水槽中で油脂の品温が36 になるまで冷却して結晶を析出させた。し し、固液分離が起こり、均一なペースト状 はならなかった。また、固液分離した結晶 分だけをピローに充填し、20℃で24時間保存 、40℃で24時間静置した。このチョコレート 添加剤のX線回析を測定した結果、不安定型 p-β’であり、安定型のβ2には転移しなかっ 。この品温40℃のチョコレート添加剤3部、 完全融解後33℃に保温したチョコレート97部 に添加、混合し、リヒート無しで、モールド に流し、5℃で30分間冷却固化後デモールドし たところ、ブルームが発生しシード機能は無 かった。また、40℃の添加剤は硬く、チョコ ートに混合分散し難い状態であった。

(比較例4)
実施例3で使用したハイオレイックヒマワリ 50部とBOB脂50部を融解状態で混合し、70℃に 完全融解混合後、水温15℃の水槽中で油脂の 品温が33℃になるまで冷却して結晶を析出さ た。これをピローに充填し、20℃で24時間保 存後、40℃で24時間静置した。このチョコレ ト添加剤のX線回析を測定した結果、安定型 β2のピークも認められたが、不安定型のp-β ’のピークがメインピークであった。この品 温40℃のチョコレート添加剤3部を、完全融解 後33℃に保温したチョコレート97部に添加、 合し、リヒート無しで、モールドに流し、5 で30分間冷却固化後デモールドしたところ ブルームが発生し、シード機能は無かった 尚、この品温40℃のチョコレート添加剤はペ ースト状ではあるが、やや硬く、チョコレー トへやや混合分散し難い状態であった。

(比較例5)
油脂AとしてMCT-B10部とBOB脂90部を融解状態で 合し、70℃にて完全融解混合後、水温15℃の 槽中で油脂の品温が38℃になるまで冷却し 結晶を析出させた。これをピローに充填し 20℃で24時間保存後、40℃、45℃、48℃の各温 でそれぞれ24時間静置した。この3種のチョ レート添加剤のX線回析を測定した結果、不 安定型のp-β’であり、安定型のβ2には転移 なかった。また、各温度の添加剤は硬く、 用し難い状態であった。この品温40℃/45℃/48 ℃の各チョコレート添加剤3部を、完全融解 33℃に保温したチョコレート97部に添加、混 し、リヒート無しで、モールドに流し、5℃ で30分間冷却固化後デモールドしたところ、 ルームが発生した。また、各添加剤はやや く、チョコレートにやや混合分散し難い状 であった。

(自動復帰能テスト)
実施例1~12および比較例1~5で得られたチョコ ート添加剤を用いてテンパリングしたチョ レートを、20℃~37℃/24時間1サイクルのサイ ルテストに供した。
実施例及び比較例のチョコレート添加剤の評 価、チョコレートテストの結果を表に示す。

(表)
*1 結晶型:○/β2安定型、×/p-β’不安定型
*2 分散性:○/良好、△/やや分散性悪い、×/ 散しにくい
*3 シード機能評価:○/ブルーム発生なし、×/ 直後にブルーム発生
*4 自動復帰機能評価:○/5サイクル後もブル ム発生なし、△/3サイクル後にブルーム発生 、×/1サイクル後にブルーム発生