Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
CLAMP SLEEVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108171
Kind Code:
A1
Abstract:
A long life clamp sleeve of a layout device producing a desired clamp force without raising the fluid pressure so much. The clamp sleeve (34a) has a through hole (34a7) and an annular groove (34a1) continuous around the outer circumference and constituting a part of a pressure chamber (34d). The annular groove (34a1) has a pair of inside end faces (34e6, 34e6'), and a groove bottom face (34e0) extending in parallel with the through hole (34a7). First arcuate relaxation faces (34e1, 34e1') are formed between the inside end faces (34e6, 34e6') and the groove bottom face (34e0), and the annular groove (34a1) is provided such that the region where the groove bottom face (34e0) is provided has a deformable thickness (t1). Furthermore, second relaxation faces (34e2, 34e2') having a curvature more relaxed than the first relaxation faces are provided between the groove bottom face (34e0) and at least one of the first relaxation faces (34e1, 34e1').

Inventors:
TATSUDA YOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052825
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
February 20, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TSUDAKOMA KOGYO KABUSHIKIKAISH (JP)
TATSUDA YOSHINORI (JP)
International Classes:
B23Q16/10; B23Q1/28
Foreign References:
JP2000107963A2000-04-18
JPH04105832A1992-04-07
JPH01175135U1989-12-13
Other References:
See also references of EP 2116329A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAGAWA, Kunio (Famille Shinjuku Grand-suite Tower 130321-8, Yoyogi 2-chom, Shibuya-ku Tokyo 53, JP)
Download PDF:
Claims:
 貫通孔(34a7)と外周周りに連続され圧力流体が供給される圧力室(34d)の一部を構成する環状溝(34a1)とを有し、回転軸(39)と前記回転軸(39)の外側のフレーム(31b、34b)との間に配置されるクランプスリーブ(34a)であって、
 前記環状溝(34a1)は、軸線に対して半径方向に延びかつ互いに離間して対向される一対の内側端面(34e6,34e6’)と、前記貫通孔(34a7)に対して平行に延びる溝底面(34e0)とを有するともに、前記内側端面(34e6,34e6’)と前記溝底面(34e0)との間には、円弧状の第1の緩和面(34e1,34e1’)がそれぞれ設けられており、
 前記溝底面(34e0)が設けられる領域における肉厚t1が前記圧力室(34d)への流体供給によって変形可能な肉厚を有するように、前記環状溝(34a1)が設けられるクランプスリーブ(34a)において、
 前記2つの内側端面(34e6,34e6’)のうち少なくともいずれか一方の側における前記第1の緩和面(34e1,34e1’)と前記溝底面(34e0)との間には、前記第1の緩和面(34e1,34e1’)よりも緩和された曲率を有する第2の緩和面(34e2,34e2’)が設けられることを特徴とする、クランプスリーブ(34a)。
 前記第2の緩和面(34e2,34e2’)は、前記溝底面(34e0)側の始点から終点側に進むにつれて前記貫通孔(34a7)との間の距離が徐々に増大されるように設けられることを特徴とする、請求項1に記載のクランプスリーブ(34a)。
 前記第2の緩和面(34e2,34e2’)は、前記溝底面(34e0)側の始点から終点までの軸方向長さL1が4mm以上に、かつ前記溝底面(34e0)の始点から終点までの区間における前記貫通孔(34a7)との間の距離の増大量L2が0.5mm以上6mm以下となるように設けられることを特徴とする、請求項2に記載のクランプスリーブ(34a)。
 前記第2の緩和面(34e2,34e2’)は、前記溝底面(34e0)側の始点から終点までの区間にわたって連続される直線状の傾斜面、あるいは凹状の円弧面のうちいずれかにより設けられることを特徴とする、請求項3に記載のクランプスリーブ(34a)。
 さらに前記溝底面(34e0)と前記第2の緩和面(34e2,34e2’)との間には、前記第2の緩和面(34e2,34e2’)よりもさらに緩和された曲率を有する第3の緩和面(34e3,34e3’)が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のクランプスリーブ(34a)。
Description:
クランプスリーブ

 本発明は、工作機械に用いられる割出装 、より具体的には、5軸加工機(同時5軸制御 能な加工機)や多面加工機(工作機械)で使用 れる割出装置を備えた加工用ヘッド、ある はワークが載置される回転テーブルを角度 に割り出す割出装置(いわゆる円テーブル装 置)に関するものであり、より詳しくは、割 操作後の回転軸の位置を、圧力流体の供給 よって保持するクランプスリーブに関する

 割出装置として、例えば工作機械のベッ に載置され、ワークが載置される円テーブ を割り出し可能な装置(円テーブル装置)が られている。例えば特許文献1に示される円 ーブル装置は、中央に貫通孔を有するフレ ムと、前記貫通孔に挿入されて前記フレー に対して回転可能に支持される回転軸を有 るとともに、ワークを載置するテーブル面 前記回転軸と一体に設けられる回転テーブ とを備える。そして、前記フレーム内には 前記回転テーブルに対して一体のウオーム イールが収容されており、またウオームホ ールには、サーボモータなどのアクチュエ タに連結されるウオームスピンドルが、そ に噛合されるように同じく収容されている そしてサーボモータを回転駆動することに って、回転軸と一体の回転テーブルを所望 角度に回転させて割出動作を行うことがで る。

 一方、特許文献1の円テーブル装置には、 回転テーブルの割出操作後の角度(位置)を保 するクランプ機構(クランプスリーブ)が組 込まれている。そして、前記回転テーブル は、フレーム側の貫通孔に沿って並行に延 るシリンダ部が前記回転テーブルと一体に けられるとともに、シリンダ部とフレーム の間の空間には、リング状に設けられるク ンプスリーブが配置される。クランプスリ ブは、その内側に貫通孔を有する一方、外 側には、回転テーブルのシリンダ部の外側 嵌り合う円筒部と、前記円筒部に連続して けられフレーム側への取付部として機能す フランジ部とを有しており、円筒部の外側 は、環状溝が外周周りに連続して形成され いて、収容されるフレームの貫通孔との間 、圧力室を構成する。

 ここで、円テーブル装置に用いられる従 のクランプスリーブについて、その周辺部 拡大図示する図11を用いて以下詳説する。

 回転テーブル103には、フレーム101側の貫 孔102に沿って平行に延びるシリンダ部104が 図示しないネジ部材を介して前記回転テー ル103と一体に設けられるとともに、シリン 部104とフレーム101の貫通孔102との間の空間 は、リング状に設けられるクランプスリー 105が配置される。クランプスリーブ105は、 転テーブル103のシリンダ部104の外側に嵌り う円筒部106と、前記円筒部106に連続すると もに半径方向外側に向かって延在して設け れ、フレーム101側への取付部として機能す フランジ部107とを有する一方、連続される 筒部106ならびにフランジ部107に対してその 側に貫通孔(内周端110)を有している。クラ プスリーブ105のフランジ部107は、ネジ部材11 5を介してフレーム101の図示しない取付座に 着され、フレーム101に対して取付けられて る。

 円筒部106には、その外周端109a,109a’より 没して設けられ、その外周周りに連続され 環状溝108が形成される。より詳しくは、環 溝108は、図示しない回転軸の半径方向内側 向けて延び、かつ互いに離間して対向され 一対の内側端面109b、109b’と、前記貫通孔( 周端110)に対して平行に延びる溝底面109cと 有するとともに、前記内側端面109b、109b’と 溝底面109cとの間には、数mm程度の曲率半径を 有する円弧状のR面109d、109d’が連続して形成 されており、このように設けられる環状溝108 と、収容されるフレーム101の貫通孔102とによ り、圧力室112が構成される。またクランプス リーブ105の環状溝108は、溝底面109cが設けら る領域q1において、圧力室112に供給される圧 力流体の供給によって変形可能な肉厚の薄肉 部(直線延在部)111を有している。

 一方、貫通孔102には、シール部材113,113’ を収容するための図示しない環状溝が設けら れる。シール部材113,113’は、環状溝に挿入 れて貫通孔102に対して相対的移動不能に、 つ円筒部の外周端109a,109a’に当接するよう 配置されて、環状溝108と収容されるフレー 101の貫通孔102とにより構成される圧力室112 気密あるいは液密状態に維持している。他 、フレーム101には、図示しない流体供給源 通ずる流路114が前記圧力室112に連通するよ に設けられる。そして、クランプ動作時に 、例えば圧縮空気や圧油などの圧縮流体が 記圧力室112に供給され、これにより薄肉部11 1が回転軸の半径方向内側に膨出して、回転 ーブル103のシリンダ部104を押圧する。この うにして、先に角度的に位置決めされた回 テーブル103をフレーム101に対して回転不能 保持することができる。

 このような円テーブル装置について、回転 ーブルを回転駆動するために、電動モータ 回転を内蔵されるウオーム機構によって回 テーブル側に伝達する特許文献1のような装 置もあるが、近年いわゆるDDモータと呼ばれ 直接駆動型モータをその内部に組み込んだ テーブル装置も開発されており、そのよう 装置としては、本出願人が提案する特願2005 -319586号の装置もある。

特開2002-103181号(図1、図3)

 クランプスリーブは、円テーブル装置の 部に組み込まれて用いられるがゆえ、クラ プスリーブの全体の外形寸法は可能な限り 型化(コンパクト化)が要求される。一方、 ランプスリーブは、搭載される工作機械上 、ワーク加工時のように回転テーブルに大 な力が加わるときにも、上記割り出された 度をそのまま強固に保持する必要があり、 要なクランプ力を発生させるには、薄肉部11 1の軸方向の長さ(図11に示す領域q1の区間長さ )についてある程度の長さが必要であり、こ 区間長さを極力確保するために、内側端面10 9b、109b’と外周端109cとに連続される第1の緩 面としてのR面109d、109d’の曲率半径r1は、 記したように数mm程度の小さな値にされる。

 そのようなクランプスリーブで構成され 圧力室112に圧力流体が供給されると、薄肉 111は、図面上に点線図示されるように第1の 緩和面としてのR面109d、109d’と溝底面109cと 連結点p1、p1’近傍の比較的に狭い領域(すな わち図示領域q7)において大きく変形する。こ のため、クランプ動作およびアンクランプ動 作を繰り返すうちに、この狭い領域において 集中的に疲労が進行してやがて底部に亀裂が 発生してしまい、クランプ機能が損なわれる という問題がある。このような従来のクラン プスリーブは、実際には1年~1.5年程度で交換 必要となり、比較的に短命である。

 この対策として、第1の緩和部としてのR について、その曲率半径をより大きくする とも考えられる。しかし、上記したように ランプスリーブの外形寸法が制約を受ける め、肉厚t1が一定とされる薄肉部111を必要充 分な長さを確保することは難しい。このよう な事情から、圧力流体の供給圧力を高めるこ とによって、所望のクランプ力を得ることに なる。しかしながら、液密あるいは気密状態 に維持するための圧力室112や流路114、流体回 路について気密あるいは液密状態に維持する ためのシール材113,113’などがよりダメージ 受けることになって、これらの部材が逆に 命化するという新たな問題も生じる。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たものであり、本発明の目的は、角度割出 行った後圧力流体によってクランプスリー を膨出させて回転軸を回転不能に保持する 出装置で、クランプスリーブに供給する流 圧力をさほど高めなくても所望のクランプ を得ることができ、しかも長命であるクラ プスリーブを提供することにある。

 そこで、本発明は、貫通孔と外周周りに 続され圧力流体が供給される圧力室の一部 構成する環状溝とを有し、回転軸と前記回 軸の外側のフレームとの間に配置されるク ンプスリーブであって、前記環状溝は、軸 に対して半径方向に延びかつ互いに離間し 対向される一対の内側端面と、前記貫通孔 対して平行に延びる溝底面とを有するとも 、前記内側端面と前記溝底面との間には、 弧状の第1の緩和面がそれぞれ形成されてお り、前記溝底面が設けられる領域における肉 厚t1が前記圧力室への流体供給によって変形 能な肉厚を有するように、前記環状溝が設 られるクランプスリーブを前提とする。そ て本発明であるクランプスリーブの特徴点 して、前記2つの内側端面のうち少なくとも いずれか一方の側における前記第1の緩和面 前記溝底面との間には、前記第1の緩和面よ も緩和された曲率を有する第2の緩和面が設 けられることを、その要旨とする。

 上記要旨によれば、クランプ動作時に圧 流体が圧力室に供給されると、フレーム側 取付けられるクランプスリーブの環状溝は 第2の緩和面が設けられる領域から溝底面が 設けられる領域にかけて撓むように変形し、 少なくとも溝底面が設けられる領域では回転 軸側に膨出して回転軸を押圧するため、回転 軸をフレームに対して回転不能に保持するこ とができる。さらに第2の緩和面は、前記溝 面側の始点から終点側に進むにつれて前記 通孔との間の距離すなわち肉厚が徐々に増 されるように、換言すれば、第2の緩和面が けられる領域では、溝底面が設けられる領 に近づくにつれて、その肉厚が溝底面と貫 孔とで画定される薄肉部における変形可能 肉厚t1に徐々に近づくように薄肉に形成さ る。このため、圧力室への圧力流体の供給 ともない環状溝の変形量は、第2の緩和面が けられる領域において、溝底面が設けられ 領域である薄肉部に近づくにつれて、圧力 への圧力流体の供給にともなう環状溝の変 量は徐々に増大され、また溝底面が設けら る領域ではその変形量は一定となる。

 つまり、第2の緩和面が、前記溝底面側の 始点から終点側に進むにつれて前記貫通孔と の間の距離が徐々に増大されるように設けら れることにより、第2の緩和面が設けられる 域では、上記した変形量が軸方向内側に進 につれて徐々に増加され、クランプスリー の底部が全体的に緩やかに撓むように変形 れる。従来のような曲率が急である緩和面 よって溝底面に連続されるクランプスリー のように、特定の狭い領域で大きく変形す 箇所は存在しない。従ってクランプ動作・ ンクランプ動作によってそのような変形が り返されたとしても、環状溝の底部での疲 の進行は従来に比べて遅れることになるか 、より長命になる。

 そのように第1の緩和面よりも緩和された 曲率を有する第2の緩和面として、より具体 には、前記溝底面側の始点から終点までの 間にわたって連続される直線状の傾斜面(つ り無限大に近い曲率半径を有するテーパ面) 、あるいは凹状の円弧面(始点と終点を結ぶ 分に対して回転軸側に下に凸の円弧面)のう いずれかにより設けることができる。また 適には、第2の緩和面は、溝底面側の始点か ら終点までの軸方向長さL1が4mm以上に、かつ 底面の始点から終点までの区間における前 貫通孔との間の距離の増大量L2が0.5mm以上6mm 以下となるように設ければよい。

 さらに好適には、前記溝底面と前記第2の 緩和面との間には、前記第2の緩和面よりも らに緩和された曲率を有する第3の緩和面が けられる。これにより、前記溝底面と前記 2の緩和面とが直接連結される形態のように 、環状溝の底部において、上記2つの面の連 点近傍の領域で集中的に疲労が進行するこ はなく、クランプスリーブはより長命にな 。なお上記第3の緩和面についても、具体的 は、ほぼ直線状の傾斜面(つまり無限大に近 い曲率半径を有するテーパ面)、あるいは第2 緩和面の曲率半径に比べて大なる曲率半径 有する凹状の円弧面のうちいずれかにより 成可能である。

 上記クランプスリーブが用いられる工作 械用の割出装置としては、工具が取付けら るスピンドルユニットの割出機構として、 作機械用の加工用ヘッドに組み込まれるも に適用してもよいし、ワークが載置される 転テーブルを角度的に割り出す割出装置(す なわち回転テーブルが一体の回転軸によって フレーム側に支承されている円テーブル装置 )とすることもできる。

本発明の割出装置が適用される工作機 (加工用ヘッド)の一例を示す斜視図である 本発明の加工用ヘッドにおける支持ヘ ドの一実施形態を示す正面部分断面図であ 。 本発明の加工用ヘッドにおける支持ヘ ドの一実施形態を示す2つの側面図であって 、図3(A)には、脚部30aからカバー18aを取り外 た状態で、反脚部30b側より見た図を示し、 3(B)には、脚部30bからカバー18bを取り外した 態で、反脚部30a側より見た図を示す。 本発明の加工用ヘッドの一実施形態を す正面部分断面図である。 本発明の加工用ヘッドにおけるクラン 機構を拡大した正面部分断面図である。 本発明のクランプ機構を構成するクラ プスリーブの第1の実施例で、その要部(薄 部付近)全体を示すべく拡大された断面図で る。 図6に対して、クランプスリーブの第2 緩和面付近をさらに拡大した断面図である 本発明の第1実施例であるクランプスリ ーブで、曲げ応力解析を行った際に用いた有 限要素モデルの斜視図であり、クランプスリ ーブの変形(歪み)状態を示している。 本発明の第1実施例であるクランプスリ ーブで、応力解析の結果を示すグラフである 。 本発明の第1実施例であるクランプス ーブで、第2の緩和面を他の形態を示す拡大 れた断面図である。 円テーブル装置に組み込まれた従来の クランプスリーブで、その要部(薄肉部付近) 体を示す拡大された断面図である。

符号の説明

 1    工作機械
 10   加工用ヘッド
 20   スピンドルユニット
 21   スピンドル
 25   DDモータ
 25a  ロータ
 25b  ステータ
 30   支持ヘッド(第1の支持ヘッド)
 30a、30b  脚部
 30c  支持部
 31a、31b  ハウジング
 32   回転軸
 33   DDモータ
 33a  ロータ
 33b  ステータ
 34   クランプ機構
 34a  クランプスリーブ
 34a1 環状溝
 34a2 円筒部
 34a3 フランジ部
 34a4 流路
 34a5 薄肉部(直線延在部)
 34a7 内周端
 34b  受圧部材
 34b1 流路
 34b2 外周端
 34b3 内周端
 34d  圧力室
 34e0 溝底面
 34e1,34e1’ 第1の緩和面
 34e2、34e2’、34e7,34e7’ 第2の緩和面
 34e3 第3の緩和面
 34e5 外周端
 34e6 内側端面
 34f1 隙間
 34g1 シール部材
 35、36  軸受
 37   ロータリジョイント
 37a  ディストリビュータ
 37b  シャフト
 38   ロータリジョイント
 38a  ディストリビュータ
 38b  シャフト
 39   回転軸
 41、44  回転検出器
 41a、44a  検出器ステータ
 41b、44b  検出器ロータ
 50   第2の支持ヘッド
 51   ハウジング
 52   回転軸
 53   DDモータ
 53a  ステータ
 53b  ロータ
 54   クランプスリーブ
 55   ディストリビュータ
 56   軸受(3列円筒ころ軸受)
 57   軸受

 本発明である割出装置について、工具が 付けられるスピンドルユニットの割出機構 して、工作機械用の加工用ヘッドに組み込 れる装置を一例として、以下説明する。

 図1は、上記した複合加工機の一例として 、門型工作機械(いわゆるマシニングセンタ)1 を示している。この種の門型工作機械1は、 ッド4上に付設された左右のコラム2、2と、 ラム2、2上を上下方向(Z軸方向)に移動するク ロスレール6と、クロスレール6上を水平に左 方向(Y軸方向)に移動するサドル7と、サドル 7上をZ軸方向に移動するラム8と、ベッド4上 前後方向(X軸方向)に移動するテーブル5とを む。さらに、ラム8には、工具が取り付けら れるスピンドルを備えたスピンドルユニット 20を含む加工用ヘッド10が取り付けられてい 。

 上記門型工作機械1は、ワークの加工時に おいて、予め設定されたプログラムに基づく 数値制御により、上記テーブル5、クロスレ ル6、サドル7及びラム8を移動させると共に 加工用ヘッド10がスピンドルユニット20の角 位置の割出しを行う。これにより、上記工 機械では、ワークの各加工面に対して工具 最適な角度で当てて加工を行うことができ 複雑な形状のワークの切削加工等を可能と ている。

 このため、上記加工用ヘッドは、スピン ルユニットの角度位置を割り出すための割 し機構を備えている。そして、この割出し 構の駆動手段として、そのモータステータ びモータロータが加工用ヘッド10のハウジ グ内に配置され、ロータが、スピンドルユ ットを支持する支持軸に連結された直接駆 型の駆動モータ(以下、「DDモータ」という) 採用した加工用ヘッドである。そのような 工用ヘッドは、スピンドルユニット(ヘッド )およびスピンドルユニットを支持する支持 ッド(ヘッド支持部)で構成され、駆動手段と して、ステータの内周面にロータが対向する インナーロータ型のDDモータを支持ヘッド内 備えている。なお、このような加工用ヘッ としては、例えば特開平2-116437号公報に示 れるものがある。

 このような加工用ヘッド10について、図2~ 図4を用いて、以下詳細に説明する。

 図2~4に示すのは本発明の一実施形態であ て、図示の加工用ヘッド10は、工具が取り けられるスピンドル21を有するスピンドルユ ニット20と、スピンドルユニット20を支持す 第1の支持ヘッド30(本発明の「支持ヘッド」 相当)と、第1の支持ヘッド30を支持する第2 支持ヘッド50とを含む。(図4)

 スピンドルユニット20は、駆動モータ内 型のスピンドルヘッドであって、内蔵され 駆動モータによってスピンドル21を高速回転 駆動するものである。(図2)

 このスピンドルユニット20のハウジング23 内には、スピンドル21が挿通配置されており このスピンドル21を囲繞するようにして駆 モータ25が内蔵されている。駆動モータ25は スピンドル21に外嵌固定されたロータ25aと ロータ25aの外周面に対向するように設けら たステータ25bとから成っている。スピンド 21は、駆動モータ25の前後(図の上下)に複数 配置された軸受(例えば、アンギュラコンタ トベアリング)27によって回転自在に支持さ ている。そして、ステータ25bに励磁電流を 給すると、ロータ25aとの間に励磁力が発生 、その励磁力によってロータ25aが回転して ピンドル21が回転駆動される。

 第1の支持ヘッド30は、上記スピンドルユ ット20を支持すると共に、スピンドルユニ ト20を、上記スピンドル21の回転軸線と直交 る軸線(以下、「A軸」という)を中心に回転 せてその角度位置を割り出すためのもので る。

 第1の支持ヘッド30は、支持部30cに一対の 部30a、30bを組み付けたフォーク形に構成さ ており、その脚部30a、30b間で上記スピンド ユニット20を支持する。スピンドルユニッ 20は、脚部30a、30bのそれぞれの内部に回転自 在に組み込まれた支持軸によって支持されて いる。なお、図示の支持ヘッドは、スピンド ルユニット20を回転駆動するためのDDモータ( 発明の「駆動モータ」に相当)が、一対の脚 部30a、30bのうちの脚部30aにのみ設けられた構 成となっている。従って、以下では、両脚部 30a、30bの各支持軸について、脚部30a側の支持 軸を駆動支持軸(本発明の「支持軸」に相当) いい、脚部30b側の支持軸を従動支持軸とい 。

 以下に、脚部30aの構成を詳細に説明する

 脚部30aは、ハウジング31aを主体とし、そ 内部に、DDモータ33を構成するロータ(モー ロータ)33a及びステータ(モータステータ)33b スピンドルユニット20を支持する駆動支持軸 、この駆動支持軸を回転自在に支持するため の軸受(例えば、クロスローラベアリング)35 及びスピンドルユニット20へ加工用の流体( 下、単に「流体」という)を供給するための ータリジョイント37、等が組み込まれてい 。

 ハウジング31aは、DDモータ33及び後述の回 転軸を挿入するために、脚部30b側が大きく開 口した形状となっている。また、ハウジング 31aには、反脚部30b側の側面からA軸方向に伸 る円筒部31a1が形成されている。そして、円 部31a1には、A軸方向にロータリジョイント37 が挿入される貫通孔31a2が形成されている。 た、ハウジング31aの反脚部30b側の端面には 後述の流体供給用のパイプや電流を供給す ためのケーブルが通される凹部31a3が形成さ ている。さらに、脚部30aの反脚部30b側には 側面カバー18aが取り付けられており、凹部3 1a3がこの側面カバー18aによって覆われている 。なお、図3には、この側面カバー18aを外し 状態を示しており、より詳しくは、図3(A)に 、脚部30aからカバー18aを取り外した状態で 反脚部30b側より見た図を示し、図3(B)には、 脚部30bからカバー18bを取り外した状態で、反 脚部30a側より見た図を示す。

 ロータリジョイント37は、ハウジング31a 対して固定されたディストリビュータ37aと ディストリビュータ37aの円筒部37a1の外周面 回転可能に嵌装されたシャフト37bとで構成 れている。

 ディストリビュータ37aは、ハウジング31a 貫通孔31a2に挿入された状態で、そのフラン ジ部37a2において、円周方向に配設された複 のネジ部材37cによってハウジング31aに取り けられている。また、ディストリビュータ37 aの中心には、スピンドルユニット20に向けて のケーブル等の通過を許容するための貫通孔 37a4が形成されている。

 また、ディストリビュータ37aには、流体 供給又は排出するための複数の流体流路37a3 が円周方向に位置をずらして形成されている 。一方、シャフト37bには、ディストリビュー タ37aの各流体流路37a3に対応する複数の流体 路37b1が形成されている。なお、図2では、複 数の流体流路37a3及び流体流路37b1は、その1つ のみが代表的に示されている。

 そして、各流体流路37a3とそれに対応する 各流体流路37b1とは、ディストリビュータ37a シャフト37bとの嵌合周面に全周に形成され 環状溝を介して連通しており、シャフト37b 回転した場合でもその連通状態が維持され ように構成されている。また、流体流路37b1 、スピンドルユニット20の流体供給用又は 出用のポート24に連通されている。さらに、 ディストリビュータ37aとシャフト37bとの間に は、各環状溝の間に密封用のシール部材が介 装されている。

 また、ディストリビュータ37aには、その 周方向に位置をずらして複数の流体供給用 は排出用のポート37dが形成されており、各 ート37dに流体供給用又は排出用のパイプ12 接続されている。そして、供給用のパイプ12 を介し図示しない流体制御回路から供給され た流体が、ロータリジョイント37からポート2 4を介してスピンドルユニット20へ供給される 。また、流体を循環させる場合には、スピン ドルユニット20内を循環した流体が、ロータ ジョイント37を介して排出用のパイプ12へ排 出される。因みに、このスピンドルユニット 20へ供給される流体としては、例えば、高速 回転するDDモータ25やスピンドル21を冷却す ための冷却用の油、スピンドルユニット20( ピンドル21の回転部分)への切り粉の侵入を ぐためのシール用のエア、加工時に回転工 等を冷却するための冷却用の水、等がある

 DDモータ33は、ハウジング31aに対し固定的 に配設されたステータ33bと、ステータ33の内 面に対向するように配設されたロータ33aと らなり、ロータ33aは回転軸32の円筒部32aの 周に嵌り合うようにかつ円筒部32aと一体に 付けられている。すなわち、インナーロー 型のモータとして構成される図示のDDモータ 33は、例えば、ロータ33aが希土金属類等を材 とする永久磁石によって構成された磁極で って円周方向に隣接する複数の磁極が互い 反転するように円周方向に並び設けられて り、他方ステータ33は、通電によって磁力 発生する複数の電磁石がロータの磁極に対 して周方向に並び設けられていて、ステー 33における電磁石の選択的な通電によってロ ータ33aを回転させる、いわゆる永久磁石同期 型ブラシレスDCモータとして構成される。

 ステータ33bは、ハウジング31aに固定され ステータスリーブ33cの内周面に内嵌固定さ ている。このステータスリーブ33cの外周面 は、環状溝33c1が形成されている。一方、ハ ウジング31aには、この環状溝33c1に連通する 体供給路31a4及び流体排出路31a5が形成されて いる。そして、上記環状溝33c1に対し、流体 給路31a4からDDモータ33を冷却するための冷却 用の流体(例えば、油)が供給され、ロータ33a 回転に伴うDDモータ33の発熱を抑えるように なっている。なお、環状溝33c1は、流体供給 31a4から供給された流体が、環状溝33c1を循環 して流体排出路31a5から排出されるように、 旋状に形成されている(図示略)。

 ロータ33aは、ハウジング31a内に回転可能 設けられた回転軸32の外周面に外嵌固定さ ている。この回転軸32は、前述のロータリジ ョイント37のシャフト37bに対しその回転軸線 ついて同心的に配置されており、円周方向 配設された複数のネジ部材によってシャフ 37bに固定されている。そして、ロータ33aは その外周面がステータ33bの内周面に対向す 配置で、回転軸32に形成された円筒部32aの 周面に外嵌固定され、回転軸32に対し相対回 転不能に設けられている。

 また、回転軸32には、その脚部30b側の端 32bに対し、円周方向に配設された複数のネ 部材14によってスピンドルユニット20が固定 れる。すなわち、スピンドルユニット20は 回転軸32の端面32bに対して固定されることに より、回転軸32と一体とされて支持される。 って、脚部30a側では、回転軸32及びこれと 体的に回転するロータリジョイント37のシャ フト37bが、スピンドルユニット20のための駆 支持軸を構成している。

 回転軸32の円筒部32aは、回転軸32をロータ リジョイント37のシャフト37bに組み付けた状 で、僅かな隙間を介して前記したハウジン 31aの円筒部31a1を囲繞するように形成されて いる。言い換えると、回転軸32をシャフト37b 組み付けた状態で、円筒部32aの内周面の内 、すなわち、円筒部32aに外嵌固定されたロ タ33aの半径方向内側には、ハウジング31aの 筒部31a1が存在している。

 一方、ハウジング31aの円筒部31a1と円筒部 31a1の貫通孔31a2内に位置するロータリジョイ ト37のシャフト37bとの間には、軸受35が介装 されている。そして、この軸受35によってシ フト37bがハウジング31aに対し回転自在に支 された状態となっている。

 このように、図示の例では、駆動支持軸( ロータリジョイント37のシャフト37b+シャフト 37bに組み付けられた回転軸32)は、DDモータ33 ロータ33aが外嵌固定される大径部(回転軸32 円筒部32a)と、この大径部の半径方向内側で 受35によって回転自在に支持される軸部(ロ タリジョイント37のシャフト37b)とを有して る。そして、この大径部と軸部との間には ウジング31aに形成された円筒部31a1が配設さ れ、この円筒部31a1と支持軸との間に軸受35が 介装される構成となっている。これにより、 支持軸が、ハウジング31aに対し回転自在に支 持される構成となっている。しかも、図示の ように、軸受35のA軸方向に関する配置は、A 方向におけるDDモータ33の存在範囲内となっ いる。

 次に、脚部30aと対向する位置でスピンド ユニット20を支持する脚部30bの構成につい 、以下で詳細に説明する。

 脚部30bは、ハウジング31bを主体とし、そ 内部に、スピンドルユニット20の角度位置 保持するクランプ機構34、スピンドルユニッ ト20を支持する従動支持軸、この従動支持軸 回転自在に支持するための軸受36、及びロ タリジョイント38、等が組み込まれている。

 ハウジング31bは、A軸方向に貫通する貫通 孔31b1が形成されており、その貫通孔31b1内に 記クランプ機構34、従動支持軸、軸受36、及 びロータリジョイント38が組み込まれている また、ハウジング31bの反脚部30a側の端面に 、脚部30aと同様に凹部が形成されており(図 示略)、これが側面カバー18bによって覆われ いる。

 ロータリジョイント38は、脚部30a側のロ タリジョイント37と同様のものであって、ハ ウジング31bに固定されたディストリビュータ 38aと、ディストリビュータ38aの円筒部38a1の 周面に回転可能に嵌装されたシャフト38bと 構成されている。

 ディストリビュータ38aは、上記の円筒部3 8a1と、円筒部38a1の反脚部30b側の端部で半径 向に広がるように形成されたフランジ部38a2 からなっている。そして、ディストリビュ タ38aは、このフランジ部38a2において、円周 方向に配設された複数のネジ部材38cによって ハウジング31bに対し組み付けられている。ま た、ディストリビュータ38aの中心には、A軸 向に貫通する貫通孔38a4が形成されている。

 このディストリビュータ38aには、円周方 に位置をずらして複数の流体流路38a3が形成 されている。また、シャフト38bには、ディス トリビュータ38aの各流体流路38a3に対応する 数の流体流路38b1が形成されている。そして 各流体流路38a3とそれに対応する各流体流路 38b1とは、ディストリビュータ38aとシャフト38 bとの嵌合周面に形成された環状溝を介して 通しており、シャフト38bが回転した場合で その連通状態が維持されるように構成され いる。

 脚部30bにおいて、脚部30aの回転軸32に対 する回転軸39は、軸受36を受け入れるため、 部材39aとフランジ部材39bとの2つの部材で構 成されている。この回転軸39(軸部材39a及びフ ランジ部材39b)は、その回転軸線が、脚部30a 回転軸32の回転軸線(=A軸)と一致するように 設される。

 回転軸39の軸部材39aは、ディストリビュ タ38aの貫通孔38a4内に配置されており、ディ トリビュータ38aに対し、軸受36を介して回 自在に支持されている。従って、軸部材39a ディストリビュータ38aとは、A軸に関して同 的に配設された状態となっている。

 また、回転軸39のフランジ部材39bは、脚 30b側に、脚部30aにおける回転軸32の端面32bと 平行な端面39b1を有しており、この端面39b1に し、円周方向に配設された複数のネジ部材1 5によってスピンドルユニット20が固定される 。従って、この回転軸39が、脚部30bにおける ピンドルユニット20のための従動支持軸と て機能する。なお、回転軸39は、フランジ部 材39bにおいて、ロータリジョイント38のシャ ト38bに固定されており、シャフト38bと一体 に回転する。従って、ロータリジョイント3 8のシャフト38bも、従動支持軸の一部に相当 る。

 スピンドルユニット20の回転位置(角度位 )を保持するためのクランプ機構34は、リン 状に設けられるクランプスリーブ34aを主要 として構成している(図2,図5)。クランプス ーブ34aは、圧力室となる環状溝34a1が形成さ た円筒部34a2と、この円筒部34a2の脚部30a側 部で半径方向に広がるように形成されたフ ンジ部34a3とを有している。また、円筒部34a2 は、回転軸39と一体的に回転するロータリジ イント38のシャフト38bを、その回転を許容 る状態で囲繞している。

 一方、ハウジング31bには、貫通孔31b1に挿 入されるクランプスリーブ34aを受けるため、 A軸方向に対して半径方向外側に向かって延 る平面を有する取付座31b3が貫通孔31b1に連続 して設けられる。他方、クランプスリーブ34a のフランジ部34a3には、後述する受圧部材34b 取付ける際にネジ部材34c2を挿入するための 通孔、ならびにクランプスリーブ34aをハウ ング31bに対して取付ける際にネジ部材34c1を 挿入するための貫通孔が、円周方向に間隔を おいて、それぞれ複数設けられる。

 クランプスリーブ34aの円筒部34a2とハウジ ング31bの貫通孔31b1との間には、ハウジング31 b1に内嵌固定された円筒形状の受圧部材34bが 装されている。より詳しくは、受圧部材34b は、前記フランジ部34a3の前記設けられる複 数の貫通孔に対応して複数のネジ穴が設けら れる。そして円筒状の受圧部材34bが、クラン プスリーブ34aの円筒部34a2の外側に嵌り合う うに挿入されるとともに、フランジ部34aの 記複数の貫通孔よりネジ部材34c2を上記受圧 材34bの対応するネジ穴にそれぞれ螺入され 。このように受圧部材34bは、クランプスリ ブ34aに対して外嵌固定されている。またク ンプスリーブ34aは、装着した受圧部材34bが 通孔31b1に内嵌されるように挿入される。一 方、ハウジング31bの取付座31b3には、上記受 部材34bの円周方向に設けられる複数の貫通 に対応して複数のネジ穴が設けられており クランプスリーブ34aは、フランジ部34aの貫 孔よりネジ部材34c1を挿入し対応するネジ穴 螺入することによって取付座31b3に対して取 り付けられ、これによりハウジング31bに対し て内嵌固定されている。

 受圧部材34bの軸端34b4、34b5は、半径方向 直交する方向に延びる平面を円周方向に連 して形成し、その一方の軸端34b4がクランプ リーブ34aのフランジ部34a3に係合するように 配設されている。そして、受圧部材34bの内周 面31b3には、全周方向にわたって図示しないO ングが環状溝34a1を挟んで軸方向の両側の位 置にそれぞれ配置されており、これにより、 圧力室34dは、気密あるいは液密状態を維持可 能にされている。さらに、この圧力室34dには 、受圧部材34bに形成された流体流路34b1が連 している(図2)。この流体流路34b1は、クラン スリーブ34aのフランジ部34a3に形成された流 体流路34a4を介し、ハウジング31bに形成され 流体流路31b2に連通している。

 そして、このクランプ機構34では、これ の流体流路を介して圧力流体(例えば、圧油) が圧力室34dに供給されることにより、クラン プスリーブ34aの円筒部34a2における環状溝34a1 よって設けられた薄肉部34a5が縮径方向(半 方向内側)に変形する。その結果、シャフト3 8bに対して締付け力が作用して、シャフト38b びこれに組み付けられた回転軸39の回転が 止された状態(クランプ状態)となる。

 また、流体制御回路を介して圧力室に供 する流体(圧油)の圧力を解放することによ 、円筒部34a2の薄肉部の変形状態が解消され シャフト38aに対する締付け力が消失される とによって、回転軸39に対するクランプ状 が解除される。

 さらに、図示の例では、脚部30b内に、回 軸39の回転角度(=スピンドルユニット20の角 位置)を検出するための回転検出器41、及び ピンドルユニット20の回転範囲を制限する めの角度検出器42が設けられている。

 回転検出器41は、ロータリジョイント38に おけるディストリビュータ38aの貫通孔38a4内 、貫通孔38a4の内周面から半径方向に突出す 円盤状の支持部の所定位置に取り付けられ 一対の検出ヘッド41a、41aと、検出器ヘッド4 1a、41aの内側に対向するように配置され、回 軸39の軸部材39aに取り付けられた検出リン 41bとで構成されている。この回転検出器41に よるスピンドルユニット20の角度位置の検出 号は、本発明の加工用ヘッド10が搭載され 工作機械の制御装置(図示せず)に送られ、ス ピンドルユニット20の回転制御(数値制御)に いられる。

 また、角度検出器42は、例えばリミット イッチであって、ディストリビュータ38aの 通孔38a4内に設けられた支持板上に取り付け れ、回転軸39の端部に取り付けられた円盤 の部材43の周面に対向するように設けられて いる。この部材43の周面には、許容角度範囲 対応するドグが形成され、このドグに対向 た状態では、リミットスイッチ42は不作動 態におかれる。従って、制御の異常等によ 、スピンドルユニット20が許容角度以上に回 転した場合、それがリミットスイッチ42によ て検出され、その検出信号が、例えば非常 止信号として工作機械の制御装置へ送られ 。

 つまり、上記したスピンドルユニット20 その両側より回転可能に保持する脚部30a,30b 、いわゆるスピンドルユニット20をA軸を回 中心とする割出装置を構成し、脚部30bは、 らに圧力流体によるクランプ機構を備えた 出装置が構成される。

 より詳しくは、脚部30bには、中央に貫通 31b1を有するハウジング31bと、前記ハウジン グ31bの貫通孔31b1に挿入され、前記ハウジン 31bに対して回転可能に支持される回転軸39( ランジ部材39b+回転軸39a)と、前記回転軸39aと 一体に設けられその回転中心(A軸)より半径方 向に離間しかつ軸方向に延在されるシャフト 38bと、シャフト38bの外周端に嵌り合うリング 状の円筒部34a2を有するクランプスリーブ34a 、円筒形状に形成される受圧部材34bとを含 。

 そして、リング状に設けられるクランプ リーブ34aは、環状溝34a1が設けられる円筒部 34a2と、円筒部34a2の端部より半径方向外側に かって延在し、かつ円筒部34a2に一体に形成 されるフランジ部34a3とを有する一方、上記 続される円筒部34a2ならびにフランジ部34a3に 対してその内側に貫通孔としての内周端34a5 有している。一方、ハウジング31b1には、ク ンプスリーブ34aのフランジ部34a3を収容すべ く貫通孔31b1より半径方向外側に向かって延 る係合面を有する取付部31b3が設けられてい 。受圧部材34bは、その軸端34b4がクランプス リーブ34aのフランジ部34a3に係合するように 軸に挿入されるとともに、フランジ部34a3に けられた複数のネジ穴に螺入される複数の 付け部材34c2を介してフランジ部34a3に対し 取付けられる。またクランプスリーブ34aの ランジ部34a3がハウジング31bの取付部31b3に固 着されることにより、いわゆるフレームとし て機能するハウジング31b側に移動不能に取付 けられている。このようにして受圧部材34bは 、フランジ部34b3を介してハウジング31bに取 けられており、クランプスリーブ34aは、回 軸39aに対して一体のシリンダ部38bとシリン 部38bの外側に設けられるハウジング31bとの に配置されている。

 さらに、クランプスリーブ34aの円筒部34a2 には、その軸方向断面において、軸端側の外 周端34e5、34e5’より軸方向内側の領域におい 、軸線の半径方向内側に陥没される環状溝3 4a1が外周周りに連続して形成される。そこで 、本発明の特徴点であるクランプスリーブ34a について、その要部を拡大する図6を用いて 説する。なお、図6は、図5を右側に90°回転 せた状態で、かつ環状溝34a1の周辺部(軸方向 断面図)を拡大した図であり、図示の都合上 クランプスリーブ34a以外の部材は、一点鎖 で図示している。

 また、図6に示す第1の実施例は、クラン スリーブの内側端面に連なる第1の緩和面と 底面との間に、直線状の第2の緩和面および 曲率の緩和された第3の緩和面が連続的に設 られる実施例である。

 図6ないし図7を参照するに、クランプス ーブ34aの円筒部34a2は、その外周周りに環状 34a1が、外周端34e5,34e5’よりも回転軸の半径 方向内側に向かって延在されかつ軸方向内側 の図示領域q5にわたって形成される。環状溝3 4a1は、大まかに言えば、軸端両側の外周端34e 5,34e5’より回転軸(A軸)の半径方向内側に向か って延び、かつ回転軸方向に互いに離間して 設けられる一対の内側端面34e6、34e6’と、内 端34a7に対して平行に延びる溝底面34e0と、 の一端が内側端面34e6、34e6’に連続される第 1の緩和面34e1,34e1’とを形成するとともに、 2の緩和面34e2,34e2’および第3の緩和面34e3,34e3 ’とを、前記第1の緩和面34e1,34e1’と前記溝 面34e0との各間にそれぞれ連続して形成して る。

 また、溝底面34e0が設けられる領域におけ る溝底面34e0と内周端34a7との間の距離である 厚t1が、後述される圧力室34dへの圧力流体 供給によって変形可能な肉厚を有するよう 、環状溝34e0が設けられていて、溝底面34e0と 内周端34a7とで画定される、図示領域q1にわた り肉厚t1の薄肉部(直線延在部34a5)を構成する また、内周端34a7とシリンダ部38bとの間には 、シリンダ部38bの回転を妨げないように、か つ後述されるクランプ動作時には直線延在部 34a5が変形してシリンダ部38bを押圧保持可能 程度の所定の隙間34f1を有している。

 上記直線延在部34a5を構成する溝底面34e0 両端p1,p1’は、いずれも軸端方向に進むにつ れて、図示領域q3、q3’の第3の緩和面34e3,34e3 、図示領域q2,q2’の第2の緩和面34e2,34e2’な びに第1の緩和面34e1,34e1’を経て内側端面34e 6,34e6’にそれぞれ連続されており、これら連 続される複数の面によって、環状溝34a1が構 される。なお、直線状に設けられる第2の緩 面34e2,34e2’は、第1の緩和面34e1、34e1’の始 と終点p3,p3’とを結ぶ各直線に対して、回 軸方向に対する傾斜角度が緩やかになるよ に設けられており、また円弧面として設け れる第3の緩和面34e3,34e3’は、その始点p1,p1 と終点p2,p2’とを結ぶ各直線が第2の緩和面34 e2,34e2’の回転軸方向に対する傾斜角度より より緩やかな角度となるようにされ、円弧 はこの直線に対して凹状(下に凸)に設けられ る。

 第2の緩和面34e2,34e2’は、その始点p2と終 p3との間の領域q2、ならびに始点p2’と終点p 3’の間の領域q2’にわたって、終点p3、p3’ 方向に進むにつれて一定の勾配で内周端34a7 の距離(すなわち肉厚)が増大される直線状 傾斜面としてそれぞれ設けられる。また、 2の緩和面34e2,34e2’の各始点p2、p2’は、第2 緩和面よりも大なる曲率半径R1を有する円弧 面とされる第3の緩和面34e3,34e3’を経由して 溝底面34e0の両端p1,p1’にそれぞれ連続され いる。他方、第2の緩和面34e2,34e2’の終点p3,p 3’は、数mm程度(より具体的には2~8mm程度)の 率半径を有する円弧面(R面)とされる第1の緩 面34e1、34e1’を経由して、内側端面34e6,34e6 の端部に連続されている。

 言い換えれば、第2の緩和面34e2,34e2’は、 始点から終点までの回転軸方向の長さL1とそ 区間における内周端との間で増大された長 (すなわち肉厚増加量L2)との割合、すなわち 曲率が、第1の緩和面34e1,34e1’よりも緩和さ た曲率を有しており、また第3の緩和面34e3,34 e3’は、始点から終点までの回転軸方向の長 (図示領域q3の長さ)とその区間における内周 端との間で増大された長さ(すなわち肉厚増 量δt=t2-t1)との割合、すなわち曲率が、第2の 緩和面34e2,34e2’よりも緩和された曲率を有し ている。なお、内側端面34e6,34e6’の前記他方 の端部は、図示しないテーパ面(c面)を介して 外周端34e5,34e5’に連続されている。

 溝底面34e0の端部p1,p1’で画定される領域q 1すなわち直線延在部34a5の肉厚t1、第2の緩和 34e2,34e2’の始点p2,p2’における内周端34a7と 距離である肉厚t2、ならびに終点p3,p3’にお ける内周端34a7との距離である肉厚t3の各大小 関係は、肉厚t1≦肉厚t2<肉厚t3の関係にな ている。また、肉厚t1は、後述される圧力室 への圧力流体供給によって回転軸の半径方向 内側に変形可能な値にされており、肉厚t2は 第2の緩和面が設けられる領域の少なくとも 一部が、後述される圧力流体供給によって変 形可能な値にされている。このようにして、 第2の緩和面34e2,34e2’は、溝底面34e0の端部p1,p 1’から軸端方向の終点p3,p3’側に進むにつれ て、内周端34a7との距離である肉厚が徐々に 加されるように設けられている。

 円筒部34a2に形成された上記複数の面で構 成される環状溝34a1と受圧部材34bとで囲まれ 空間によって、圧力室34dを構成する。また 圧部材34bの内周端34b3には、一対のシール部 34g1,34g1’を収容するための図示しない環状 が、内周端側全周にわたって設けられる。 ール部材34g1,34g1’は、対応される上記環状 に挿入されて受圧部材34bに対して相対的移 不能に、かつ円筒部34a2,34a2'の外周端34e5,34e5 ’に当接するように配置されていて、圧力室 34dを気密あるいは液密状態に維持している。 一方、受圧部材34bの内周端34b3には、流路34b1 前記圧力室34dに通ずるように設けられ、ま 流路34b1は、クランプスリーブ34aのフランジ 部34a3に対向して設けられる流路34a4に連通さ 、図示しない流体供給源にも連通されてい 。

 ハウジング31bの貫通孔31b1の内周面31b4と 圧部材34bの外周面34b2との間には、所定の隙 34d2が設けられる。なお、クランプスリーブ 34aの材料としては、鋳物に比べて弾性を有す る材料であれば良く、例えばニッケル、クロ ム、モリブデンなどを含有する機械構造用合 金鋼とし、回転軸やハウジングさらには受圧 部材34bの材料としては、例えば機械構造用炭 素鋼などの鋼材とすることができる。また、 隙間34d2の具体的な数値範囲としては、具体 には、千分の数十mm~1mmである。

 次に、図示の加工用ヘッド10における第2 支持ヘッド50について、その詳細を以下に 明する。(図4)

 前述のように、本実施例における加工用 ッド10は、上記で説明した第1の支持ヘッド3 0に加え、この第1の支持ヘッド30を支持する 2の支持ヘッド50を備えている。そして、第1 支持ヘッド30は、第2の支持ヘッド50を介し 工作機械の主軸ヘッドを支持するラム8に取 けられる。この第2の支持ヘッド50は、第1の 支持ヘッド30を鉛直方向の軸線(工作機械のZ と平行な軸線/以下、「C軸」という)を中心 回転駆動させるために設けられている(図4)

 第2の支持ヘッド50は、C軸方向に貫通する 貫通孔51aを有するハウジング51を主体として り、軸部52aが貫通孔51a内に配設された回転 52を備えている。そして、第1の支持ヘッド3 0は、この回転軸52を介して第2の支持ヘッド50 に対し組み付けられている。また、第2の支 ヘッド50は、ハウジング51に取り付けられた 状の支持体51bを介し、工作機械の主軸ヘッ を支持するラム8に取り付けられる。

 第2の支持ヘッド50は、ハウジング51の貫 孔51a内に、回転軸52を回転駆動するためのDD ータ53、回転軸52の回転位置を保持するため のクランプスリーブ54、及び第1の支持ヘッド 30へ流体を供給するためのロータリジョイン 55を備えている。

 DDモータ53は、ステータスリーブ53cを介し てハウジング51に固定されたステータ53aと、 テータ53aの内周面に対向するように設けら 、回転軸52に固定されたロータ53bとで構成 れている。また、DDモータ53を駆動するため 励磁電流の供給は、コネクタ17aを介してス ータ53aに接続されたケーブル17を介して行 れる。

 回転軸52は、ハウジング51の貫通孔51a内で 回転可能に設けられた軸部材52aと、軸部材52a の第1の支持ヘッド30側の端部に取り付けられ て半径方向(C軸と直交する方向)へ広がるフラ ンジ部材52bとを含んでいる。また、回転軸52 は、ロータリジョイント55が挿通される貫 孔52cが形成されている。

 なお、図示の例では、回転軸52の軸部材52 aとフランジ部材52bとの間に軸受ハウジング52 dが形成されている。そして、この軸受ハウ ング52dとハウジング51との間に軸受56が介装 れ、この軸受56により回転軸52がハウジング 51に対し回転自在に支持された状態となって る。因みに、図示の例における軸受56は、 合ころ形式の旋回軸受の1つである3列円筒こ ろ軸受(3列ローラベアリング/アキシアル・ラ ジアルローラベアリング)であって、アキシ ル方向及びラジアル方向の大きい荷重を受 ることができるものである。

 軸部材52aの外周面には、DDモータ53のロー タ53bが外嵌固定されており、ロータ53bの回転 に伴って軸部材52aがC軸を中心として回転駆 される。また、フランジ部材52bは、円周方 に配設された複数のネジ部材52eによって軸 材52aに組み付けられており、軸部材52aと一 的に回転する。さらに、フランジ部材52bに 、円周方向に複数のネジ部材19が螺挿されて おり、このネジ部材19によって、第1の支持ヘ ッド30の支持部30cが、フランジ部材52bに組み けられる。従って、回転軸52がDDモータ53に って回転駆動されることにより、第1の支持 ヘッド30が回転軸52と共に回転する。

 ロータリジョイント55は、第1の支持ヘッ 30のロータリジョイント37、38と同様のもの あって、ハウジング51に固定されたディス リビュータ55aと、ディストリビュータ55aに 成された貫通孔55a1に回転可能に嵌装され、C 軸に対しディストリビュータ55aと同心的に配 設されたシャフト55bとで構成されている。

 ディストリビュータ55aは、回転軸52の貫 孔52c内に配置される円筒部55a2と、円筒部55a2 の反第1の支持ヘッド30側の端部で半径方向に 広がるように形成されたフランジ部55a3とか なっており、そのフランジ部55a3において、 周方向に配設された複数のネジ部材により ハウジング51に組み付けられている。

 また、シャフト55bには、第1の支持ヘッド 30側の端部に、円盤状のフランジ部材57が組 付けられており、シャフト55bは、このフラ ジ部材57を介して回転軸52のフランジ部材52b 対し組み付けられている。従って、回転軸5 2の回転に伴い、シャフト55bも共に回転する なお、フランジ部材57は、第1の支持ヘッド30 の支持部30cに形成された円形の凹部30c1に嵌 込まれる形状となっており、このフランジ 材57と支持部30cの凹部30c1とにより、第1の支 ヘッド30と第2の支持ヘッド50とを組み付け 際の位置決めが行われる。

 ディストリビュータ55aには、外部から流 を取り入れるための流体流路55a4が、円周方 向に位置をずらして複数形成されている。一 方、シャフト55bにも、ディストリビュータ55a の各流体流路55a4に対応する複数の流体流路55 b1が、円周方向に位置をずらして形成されて る。

 そして、各流体流路55a4とそれに対応する 各流体流路55b1とは、ディストリビュータ55a シャフト55bとの嵌合周面に形成された環状 を介して連通しており、シャフト55bが回転 た場合でもその連通状態が維持されるよう 構成されている。また、シャフト55bに形成 れた複数の流体流路55b1は、それぞれ第1の支 持ヘッド30におけるロータリジョイント37又 38のディストリビュータ37a、38aに形成された 対応する流体流路37a3又は38a3に連通されてい 。従って、外部からロータリジョイント55 ディストリビュータ55aに供給された流体は シャフト55bを介し、第1の支持ヘッド30のロ タリジョイント37、38へ供給される。

 ハウジング51に固定されたディストリビ ータ55aと回転軸52の軸部材52aとの間には、回 転軸52の回転位置を保持するためのクランプ リーブ54が設けられている。このクランプ リーブ54は、そのフランジ部54aにおいて、複 数のネジ部材によってディストリビュータ55a に組み付けられると共に、回転軸52との相対 転が許容されるように設けられている。ま 、クランプスリーブ54の円筒部54bには、デ ストリビュータ55aの円筒部55a2側に開口する 状溝54cが形成されており、この環状溝54cと ィストリビュータ55aの円筒部55a2の外周面と により圧力室が形成される。

 そして、この圧力室に対し、ディストリ ュータ55aに形成された流体流路54dを介して 力流体を供給することにより、円筒部54bの 状溝54cに対応する薄肉部が拡径方向に変形 る。その結果、回転軸52に対し拡径方向の 付け力が作用し、回転軸52の回転が阻止され た状態(クランプ状態)となる。

 また、図示の例では、ロータリジョイン 55の上端部に、回転軸52の回転量、すなわち 、第1の支持ヘッド30の回転量を検出するため の回転検出器44が設けられている。この回転 出器44は、ディストリビュータ55a上の所定 置に配置された一対の検出器ヘッド44a、44a 、この検出ヘッド44a、44aに対向する配置で 回転軸52と共に回転するシャフト55bに取り付 けられた検出リング44bとからなっている。こ の回転検出器44の検出信号は、第1の支持ヘッ ド30における回転検出器41と同様に、工作機 の制御装置に送られ、第1の支持ヘッド30の 転制御に用いられる。

 以上の構成からなる加工用ヘッド10では スピンドルユニット20を支持する支持ヘッド (第1の支持ヘッド30)は、スピンドルユニット2 0を、一対の脚部30a、30bの各支持軸に挟み込 かたちで、両支持軸に相対回転不能に固定 て支持している。そして、脚部30a側の駆動 持軸をDDモータ33によって回転駆動すること より、スピンドルユニット20を、支持軸の 転軸線(=スピンドル21の回転軸線に直交する 線/A軸)を中心として、所望の角度位置へ向 て回転駆動する。

 さて、スピンドルユニット20のスピンド 軸を、A軸を中心として所望の角度に位置決 駆動する際、回転軸32(回転軸39)は、工作機 の制御装置によってその回転量が制御され DDモータ33を介して回転駆動される。DDモー 33の駆動は、予め設定されたプログラムに づく数値制御に従って行われ、ステータ33b 構成する図示しない電磁石を選択的に励磁 てロータ33aの回転を制御することにより、 動支持軸を介してスピンドルユニット20の角 度位置が制御される。従って、図示の例では 、脚部30a内に設けられたDDモータ33及びDDモー タ33に連結された駆動支持軸(回転軸32+シャフ ト37b)が、スピンドルユニット20のための割出 し機構として機能する。なお、DDモータ33を 動するための励磁電流は、コネクタ16aによ てDDモータ33(ステータ33a)に接続されたケー ル16によって供給される。

 そのような回転軸32(回転軸39)の割出駆動 終了されると、クランプ動作として、圧力 34dには、圧力流体供給源や開閉弁等で構成 れる図示しない流体制御回路から流体流路3 1b2を介して圧油が供給される。その際には、 圧力室34dを構成する薄肉部34a5は、A軸に対し 半径方向内側に向かって膨出してシャフト3 8bの外周端38b2を押圧することにより、回転軸 39はハウジング31bに対して回転不能に保持さ る。

 なお、クランプ動作にともなう圧力流体 供給によって、圧力室34dの一部を構成する 圧部材34bにも圧力が加わるため、受圧部材3 4bも、回転軸半径方向外側に膨出することに るが、ハウジング31bの貫通孔31b1の内周面31b 4と受圧部材34bの外周面34b2との間に、所定の 間34d2が設けられているため、膨出する受圧 部材34bの外周面34b2が少なくとも貫通孔31b1の 周面31b4に当接するまでは、ハウジング31bの 貫通孔31b1への押圧力(作用力)は作用しない。 このような構造とすることにより、角度割出 された回転軸を、クランプ動作によって傾き が発生しないようにすることができる。しか し、そのような不都合が生じなければ、貫通 孔との間に所定の隙間を有する受圧部材34bを 設ける必要はなく、図11に示す円テーブル装 のようにように、貫通孔102が圧力室112の一 として機能するように設けることも可能で る。

 本発明の特徴点である第2の緩和面34e2,34e2 ’を有するクランプスリーブ34aでは、クラン プ動作時に圧力流体が圧力室34dに供給される と、クランプスリーブ34aの底部は、第2の緩 面34e2,34e2’が設けられる領域q3,q3’、第3の 和面34e3,34e3’が設けられる領域q3,q3’および 溝底面34e0で画定される肉厚t1の直線延在部34a 5が設けられる領域q1とからなる領域全体、す なわち実質的に変形される図示領域q5の薄肉 形部が全体的に撓むように変形し、シリン 部38bの外周端側に膨出してこれを押圧する このため、クランプスリーブ34aは、シリン 部38bと一体の回転軸39aを、ハウジング31bに して回転不能に保持することができる。

 さらに、第2の緩和面34e2,34e2’は、直線延 在部34a5より軸端側の終点p3,p3’に近づくにつ れて、その肉厚が徐々に肉厚t3に向けて徐々 増加されるように、換言すれば、第2の緩和 面が設けられる領域q3,q3’では、内側の始点p 2,p2’に近づくにつれて、その肉厚が直線延 部34a5の肉厚t1に近づくように徐々に薄肉に 成されている。このため、圧力室への圧力 体供給時において、第2の緩和面34e2,34e2’が けられる領域q3,q3’における変形量は、軸 側より内側に進むにつれて(直線延在部34a5に 近づくにつれて)徐々に増大し、また溝底面34 e0が設けられる領域q1ではその変形量は一定 なり、クランプスリーブ34aの底部は、図6に 線図示するように、図示領域q5にわたり全 的に緩やかに撓むように変形して、シリン 部38bを全周方向から押圧する。つまり、曲 が急である緩和面によって溝底面に連続さ る従来のクランプスリーブ(図8)のように、 定の狭い領域で大きく変形する箇所は存在 ない。従って本発明のクランプスリーブに れば、圧力流体の供給によってそのような 形が繰り返されたとしても、環状溝34a1の底 での疲労の進行は従来に比べて遅れること なるから、より長命になる。

 本発明者は、クランプスリーブの実際の 計品の断面形状をもとに、また第2の緩和面 の寸法が異なる値に設定して生成した複数の モデルに対して、曲げ応力(von Mises応力)解析 をそれぞれ実施した。そして、各モデルの最 大応力値の状況により、クランプスリーブに おける第2の緩和面の各寸法の許容範囲を以 得ることができた。このような曲げ応力解 について、例えば電子計算機上で実行され 有限要素法などの公知の解析方法を用いる

 より詳しくは、この解析には、その断面 例えば数十個の多面体要素にメッシュ分割 た有限要素モデルを用い、しかも直線状に けられる第2の緩和面34e2の軸方向の区間長 L2,および第1の緩和面に至るまでの間の肉厚 加量L1のうちいずれかが異なるように設定 たものを用いる。この有限要素モデルには 解析の際の条件として、実際の金属材料の 性係数(縦弾性係数、横弾性係数、ポアソン など)が設定される一方、環状溝(圧力室)を 成する第1の緩和面、第2の緩和面および直 延在部の外周面の各節点に対し、供給され 流体圧力に対応する荷重が加わるように設 されており、そのような有限要素法による 力解析によって、各多面体要素に働く応力 (von Mises応力)が各多面体要素毎に求められ 。求めた応力値が、金属材料、支持形態を とに決定される所定の限界値未満であれば 設定された有限要素モデル(クランプスリー )、言い換えれば第2の緩和面34e2の区間長さL 2,肉厚増加量L1は、条件をクリアしたと判断 ることとする。なお、図7は、解析のもとに ったクランプスリーブでの寸法(区間)を示 ものであり、図8は、有限要素法による応力 析の過程で副次的に得られたクランプスリ ブの変形(歪み)状態を視覚的に示すもので る。

 クランプスリーブ34aの実際の寸法、環状 の実際の寸法ならびに第1の緩和面および第 3の緩和面の設定の有無、解析のために設定 た第2の緩和面の寸法、さらには応力解析の 界条件に関する具体的な設定等について、 つの解析事例として、以下説明する。

(1)クランプスリーブ34aの実際の寸法について
 ア)クランプスリーブ34aの内周端34a7の内径 363mmとし、嵌り合うシャフト38bの外周端の外 径も363mmとする。なお、内周端34a7とシャフト 38bの外周端との間の隙間34f1は、0.05mmの隙間 あるように、外周端は幾分小径に設けられ 。
 イ)クランプスリーブ34aの軸方向の全長は135 mmとし、フランジ部34a3の外径は490mm、円筒部3 4a2の外周端34e5の外径は380mmとする。

(2)環状溝の各寸法について
 ア)クランプスリーブ34aの環状溝34a1の幅L0は 64mmとし、外周端34e5から溝底面34e0までの距離 である環状溝の深さL3は55mmとする。このよう な関係から、直線延在部34a5の肉厚t1は1.5mmと る。
 イ)いわゆるR面として設けられる第1の緩和 34e1の曲率半径R1は4mmとする。

(3)解析のために設定した第2の緩和面34e2の寸 、ならびに第1の緩和面34e1および第3の緩和 34e3の設定の有無について
 ア)第2の緩和面34e2が設けられる領域の軸方 長さL1は、0.2mm,0.5mm,1mm,2mm,3mm,4mm,5mmおよび6mm 8通りとする。
 イ)第2の緩和面34e2が設けられる領域の始点p 2から終点p3との間で増大される肉厚増大量L2 、3mm,4mm,5mm,10mm,15mm,20mmおよび25mmの7通りとす る。
 ウ)第1の緩和面34e1の曲率半径R1は4mmである また、第3の緩和面34e3は設けることとし、そ の曲率半径R2は、第2の緩和面に対応して数十 mm~数mmとする。

(4)応力解析の境界条件に関する具体的な設定 について
 ア)環状溝に加える荷重について、想定され る油圧の最大値100kgf/cm2とし、環状溝の面に して直交する方向に荷重を加えるものとす 。
 イ)クランプスリーブの金属材料について、 ニッケル、クロム、モリブデンなどを含有す る機械構造用合金鋼(例えば日本工業規格に ける、SCM435)とし、材料の弾性係数としてヤ グ率は21088kgf/mm3、ポアソン比は0.29、また材 料の比重は7.8としてそれぞれ設定する。
 ウ)解析の都合上、クランプスリーブの両軸 端付近の内周端が拘束状態として設定する。
 エ)クランプスリーブ34aの内周端34a7と、こ に嵌り合うシャフトの外周端との間の隙間 、0.05mmに設定する。

 このような条件のもとで、有限要素法に る応力解析を行い、得られた応力値(von Mise s応力)の最大値を実験データとして図9に示す 。図9は、直線状に設けられる第2の緩和面34e2 の長さL1を横軸とし、得られた最大応力値を 軸とし、さらに、肉厚増大量L2毎にそれぞ グラフ化したものである。また、最大応力 (von Mises応力)の限界値として、金属材料の 有の疲労限界、荷重の加わり方(片振り荷重) や材質のバラツキ、解析精度の不確実性など を考慮して決定される安全率を考慮して、限 界値は30kgf/cm2とする。

 実験結果によれば、第2の緩和面における 肉厚増大量L2がいずれの場合においても、第2 の緩和面が設けられる軸方向の長さL1が4mmよ 小さくなるにつれて、最大応力値σは、急 に増大し、また、長さL1が5mmを超えるとほぼ 一定になる傾向が見られる。また、上記導出 された限界値に満たない数値範囲としては、 第2の緩和面の長さL1は、4mm以上であり、第2 緩和面による肉厚増加量L2は、0.5mm以上のと 、範囲内にあることが導き出される。

 第2の緩和面が形成される軸方向の長さL1 長くすれば、応力が緩和されるため良好で るが、第2の緩和面を必要以上長く設けるこ とは、逆にクランプ力(保持力)が低下するこ になる。なぜならば、上記したようにクラ プスリーブ全体の大きさ(具体的には、軸方 向の長さ、換言すれば環状溝の幅L0)が制約を 受ける関係上、長さL1を延ばすことは、逆に 2の緩和面よりも薄肉である肉厚t1の直線延 部の長さを短くすることになるからである 本発明者らの研究によれば、円テーブル装 のテーブル径等の仕様を考慮すれば、長さL 1について15mm以下であっても実用上問題はな ことを確認した。従って長さL1の好適な範 としては、5mm以上15mm以下(言い換えれば、環 状溝の幅L0に対する割合が3分の1以下の長さ ある)とすることが望ましい。

 また、肉厚増大量L2についても、増大さ るほど応力がより緩和されるのでより良好 あるが、肉厚が増大されるにつれて、圧力 体供給時において実質的に変形する領域の さが短くなり、逆にクランプ力が低下する とが考えられる。本発明者の現在の実験で 、肉厚増加量L2を7mm以上とした解析は行って いないが、現在の円テーブル装置などの仕様 等を考慮すれば、その上限は、10mm程度と考 られる。言い換えれば、環状溝の深さに対 る割合が5分の1以下とすることが望ましい。

 そのように導出された第2の緩和面が設け られる領域の軸方向長さL1、ならびにその領 における肉厚増加量L2に関し、本願発明の ンプル品1と従来品について、第1および第2 検証としての、クランプ力の実測および耐 試験を実施した。

 この比較実験で用いたサンプル品および従 品の緩和面の詳細については、以下である
 ア)本願発明のサンプル品1について、第2の 和面の長さL1は8mm、また肉厚増加量L2は1.5mm ある。また弧面形成される第3の緩和面34e3 設けない。
 イ)サンプル品1および従来品の第1の緩和面 曲率半径R1は、いずれも4mmである。また直 延在部の肉厚t1はいずれも1.5mmとする。それ 外のクランプスリーブの寸法については、 記応力解析で採用した実際品寸法そのもの ある。

 第1の検証では、クランプ力を実測し、サ ンプル品1のクランプ力(クランプトルク)が従 来品に対しどの程度低下するかを検証するこ ととする。そこで、標準的な圧力である35kg f/cm2の圧油を圧力室に供給したときのクラン プ力(クランプトルク)を実測したところ、従 品では3400Nm、サンプル品1では3060Nmとなり、 サンプル品1は従来品に対してクランプ力が10 %程度低下することが確認された。また、や 高めの圧力である50kg・f/cm2の圧力を供給し ときには、従来品では4900Nm、サンプル品1で 4650Nmとなり、サンプル品1は従来品に対して クランプ力が5%程度低下することが確認され 。なお、この程度のクランプ力の低下は、 用上支障を及ぼさないものである。

 第2の検証では、耐久試験として、圧力室 への圧油供給による加圧、圧油放出による減 圧を1サイクルとするいわゆるクランプ動作 ンクランプ動作を継続的に実行し、薄肉部 亀裂が発生する時点(言い換えれば亀裂に起 する油漏れを検出時)の積算サイクル数によ り、サンプル品1の寿命が従来品に対しどの 度長命になったかを検証することとする。 件としては、やや高めの圧力である50kg・f/cm 2の圧油を供給するものとし、5秒間圧油の供 、その後5秒間圧油の開放を1サイクルとし 、数十万~百数十万サイクルを目安に実行す 。

 その結果、従来品では、40万サイクル付 でクランプスリーブの底部から油漏れが発 したのに対し、サンプル品1では、120万サイ ルに達しても油漏れは発生しなかった。こ によりサンプル品1は、従来品に対して寿命 が3倍以上延びることが確認された。

 第2の緩和面を備えるクランプスリーブに ついて、以下変形することができる。

 上記した第1の実施例では、第2の緩和面 ついて、肉厚t1の直線延在部の両側に設けて いるが、クランプ力の低下を極力抑えるため に、例えばフランジ部34a3側(内側端面34e6側) みに設けたり、反フランジ部側(内側端面34e6 ’側)のみに設けるようにしてもよい。また 線延在部34a5の肉厚t1について、1.5mmとしたが 、これよりも薄く(具体的には0.8mm程度まで) けることも可能である。

 第2の緩和面について、上記第1の実施例 は、その断面形状が直線状(平面)に設けられ る例だが、曲線状(弧面等)に設けるようにし も良い。図10に示す第2の実施例は、上記第1 実施例のような直線状の第2の緩和面34e2に代 て、曲率半径R2を有しかつその始点および 点とを結ぶ直線に対して凹状(下に凸)の円弧 面を、軸端側に進むにつれてその肉厚が徐々 に増大される第2の緩和面34e7として設け、溝 面34e0と第1の緩和面34e1とに連続させる例で り、また第3の緩和面が省略された例でもあ る。円弧面として図示領域q4にわたって形成 れる第2の緩和面の軸方向長さL1、および肉 増加量L2の好適な範囲は、上記した第1の実 例と同様であり、より具体的には、円弧面 曲率半径R2は、数mmとされる第1の緩和面の 率半径R1よりも大きい値として、数十mm以上( 具体的には20mm以上)とすることができる。し し、第3の緩和面を省略しない形態、つまり 第2の緩和面ならびに第3の緩和面をいずれも 弧面として設け、しかも第3の緩和面が第2 緩和面に対して大なる曲率半径を有するよ に設けることも可能である。

 第1の実施例では、直線状の第2の緩和面34 e2、34e2’と直線延在部34a5との間に、第3の緩 面34e3、34e3’が設けられているが、その曲 半径は、第2の緩和面の曲率半径よりも大き なるようにして、その曲率がより緩やかに るよう設ければよい。また第3の緩和面につ いて、第1の実施例では、数十mm程度の曲率半 径を有する円弧面として形成したが、これに 代えて、直線状のテーパ面としても良い。こ の場合、第2の緩和面よりも緩やかになるよ にその傾斜角度が決定される。

 上記した2つの実施例では、第1の緩和面34 e1,34e1’を、曲率半径を有する円弧面として けたが、直線状の傾斜面として設けること 可能である。

 上記実施例では、回転軸39の駆動源がい ゆるDDモータで構成される例であるが、これ 以外のモータ、回転駆動機構で構成すること も可能である。

 また上記実施例では、工具が取付けられ スピンドルユニット20の割出機構として、 作機械用の加工用ヘッドに組み込まれる装 を一例として説明したが、これ以外の割出 置に適用可能である。例えば、ワークが載 されるテーブルの角度を割り出すための前 回転軸を備える割出装置(すなわち円テーブ 装置)とすることもできる。例えば、第1の 施例(図5)を例として考えれば、スピンドル ニット20が省略され、また回転軸を構成する フランジ部材39bの端面39b1が段差のない平面 形成され、また軸部材39aと軸受36とフランジ 部材39bとを結合するネジ部材15は、フランジ 材39bの端面39b1側より埋め込まれる形で軸部 材39aに対して螺入するように設けられる。フ ランジ部材39bに平面として設けられる端面39b 1には、ワークを固着する図示しない治具が 置される、いわゆる円テーブル装置のテー ル面として機能する。

 なお、第1の実施例(図5)では、テーブル面 と一体の回転軸39を回転駆動する機構が構成 れていないが、公知の円テーブル装置のよ に、回転軸39aに対してウオームホイールを 体に設けるとともに、例えば回転量を制御 能なサーボモータに連結されるウオームス ンドルを、上記ウオームホイールに噛合す ように構成したり、第1実施例における脚部 30aに倣ってDDモータによって回転軸39を回転 動するように構成される。

 また円テーブル装置は、工作機械のベッ に対して直交する回転軸のみを有する装置 限らない。具体的には、2軸以上の回転軸の 割出機能を有する円テーブル装置に適用し、 それの1軸以上の各クランプ機構に本発明を 用可能である。

 なお、本発明は上記のいずれの実施形態 も限定されるものではなく、本発明の請求 囲を逸脱しない限りにおいて種々に変更す ことが可能である。