KONNO HARUO (JP)
SHINKURA HIROSHI (JP)
FUKUNAGA MASAAKI (JP)
HIROSHIGE KOUICHIRO (JP)
YAMADA YOSHITAKE (JP)
KONNO HARUO (JP)
SHINKURA HIROSHI (JP)
FUKUNAGA MASAAKI (JP)
HIROSHIGE KOUICHIRO (JP)
JP2002519540A | 2002-07-02 | |||
JP2005089867A | 2005-04-07 | |||
JP2006274469A | 2006-10-12 | |||
JPH02175998A | 1990-07-09 | |||
JPH11350381A | 1999-12-21 |
原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層を有する印刷用塗工紙において、コロナ放電処理した原紙に、少なくとも1層以上塗工層を設けることを特徴とする印刷用塗工紙。 |
コロナ放電処理が、片面当たり50J/m 2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の印刷用塗工紙。 |
原紙上に塗工する塗工量が片面当たり1~40g/m 2 であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷用塗工紙。 |
原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層を設けた塗工紙に、コロナ放電処理した後に、少なくとも1層以上塗工層を設けることを特徴とする印刷用塗工紙。 |
本発明は、優れた印刷適性を備えた印刷 塗工紙に関するものである。
塗工紙は、光沢塗工紙と艶消し塗工紙に 別される。光沢塗工紙は、従来高級印刷に いられてきたアート紙、スーパーアート紙 A2コート紙などであり、白紙光沢も印刷光 も高いグロス調のものを指す。艶消し塗工 は白紙光沢によりダル調、マット調がある マット調は、白紙面の光沢が低くフラット 落ち着いた感じの印刷仕上がりで、ダル調 、グロス調とマット調の中間のものである グロス調塗工紙、ダル調塗工紙、マット調 工紙いずれにおいても、近年、印刷物のビ ュアル化、高級化志向に伴い、印刷適性の れた紙が求められている。また、グロス調 光沢塗工紙においては、白紙光沢度、印刷 沢度が高い方がより価値があるため、高光 度であることが重要である。
従来の技術では、白紙光沢度を向上させる
めに微粒な顔料を高配合すると、顔料の比
面積が増加し、バインダー要求量が増加す
ことから、表面強度は低下する傾向にある
また、表面強度の向上を図るため、塗料中
ラテックスやスターチ等の接着剤成分を高
合すると、表面強度は向上するが、光沢度
低下する傾向にあり、白紙光沢度と表面強
は相反するものである。
近年の技術の進歩により、ポリスチレンを
体とする有機合成顔料の周囲をスチレン-ブ
タジエン共重合体ラテックスで被覆したバイ
ンダーピグメントを用いることにより、光沢
度と表面強度の両者を同時に向上させること
は可能となった。しかし、バインダーピグメ
ントを塗料に配合することにより塗料の粘着
性が高まるため、カレンダー処理を行う際に
塗工層がカレンダーに付着する、カレンダー
ロール汚れのトラブルの原因となっていた。
カレンダーロール汚れを防止する対策として
、ガラス転移温度25~50℃のラテックスと特定
澱粉を配合した塗料を塗工紙、特定条件で
燥する方法(特許文献1)や、平均粒子径が50~1
15nmで連続異組成型のスチレン-ブタジエン共
合体ラテックスを顔料100重量部に対して8~20
質量部配合する方法(特許文献2)が提案されて
いるが、一般的に顔料として使用されるクレ
ー、炭酸カルシウム等と比較するとバインダ
ーピグメントは非常に高価であり、汎用塗工
紙への適用は難しかった。
以上のような状況に鑑み、本発明の課題 、白紙光沢度、印刷光沢度が高く、表面強 が良好で優れた印刷適性を有した印刷用塗 紙を提供することである。
原紙上に顔料及び接着剤を含有する塗工層 有する印刷用塗工紙において、コロナ放電 理した原紙に、少なくとも1層以上塗工層を 設けることにより白紙光沢度及び印刷光沢度 が高く、表面強度が良好で優れた印刷用塗工 紙、及びその製造方法を得ることを見出した 。本発明においては、原紙のコロナ処理は50J /m 2 以上で行うことが好ましい。また、原紙に塗 工する塗工量は片面当たり1~40g/m 2 が好ましい。また、本発明においては、原紙 に顔料と接着剤を含有する塗工層を1層以上 けた塗工紙に、コロナ放電処理した後に、1 以上塗工層を設けても白紙光沢度、印刷光 度が高く、表面強度が良好になるものであ 。
本発明により、白紙光沢度及び印刷光沢 が高く、表面強度が良好で優れた印刷用塗 紙を得ることができる。
本発明においては、コロナ放電処理した 紙に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液 塗工して塗工層を設けることにより、印刷 塗工紙を得るものであり、優れた印刷用塗 紙の製造方法である。
本発明においては、原紙表面をコロナ放電 理し、表面改質することが重要である。原 あるいは塗工紙のコロナ処理による表面改 の効果をより向上させるには、50J/m 2 以上で行う必要があり、好ましくは1000J/m 2 以上、特に好ましくは3000J/m 2 以上であり、上限としては、100kJ/m 2 程度である。また、コロナ電極と、原紙ある いは塗工紙の間の間隙は、特に限定はないが 、操業に支障がない範囲で可能な限り狭くす ることがエネルギー効率的な観点から望まし く、具体的には原紙表面から0.1mm~100mm程度が ましい。本発明の光沢度が高く、表面強度 優れる理由は以下のように考えられる。本 明のコロナ放電処理は、大気中でコロナ放 を発生させ、それにより官能基が生成され と共にその電子を直接原紙表面に照射する のである。これにより原紙あるいは塗工紙 面が酸化し、水酸基、カルボニル基等の官 基が増加し、親水化することより、原紙あ いは塗工紙と、塗工液の化学的接合点が増 し、塗工液の紙中への浸透がしにくくなり 平滑性が向上し、白紙光沢度、印刷光沢度 高くなるものと思われる。また、原紙と塗 液の化学的接合点が増加することにより、 工紙の表面強度も良好で優れるものになる 思われる。また、本発明においては、原紙 顔料と接着剤を含有する塗工層を1層以上設 けた塗工紙に、コロナ放電処理した後に、塗 工層を設けても白紙光沢度、印刷光沢度が高 く、表面強度が良好になるものである。
本発明の原紙には、通常のパルプ、填料 が配合される。本発明において原紙に配合 れるパルプの種類等は特に限定されない。 えば広葉樹クラフトパルプ(以下、LBKPとす )、針葉樹クラフトパルプ(以下、NBKPとする) サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古 パルプ等が使用される。また、原紙に配合 れる填料としては、重質炭酸カルシウム、 質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム-シ リカ複合物、カオリン、クレー、タルク、水 和珪酸、無定型シリケート、ホワイトカーボ ン、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填 料を使用することができる。填料の使用量は 、パルプ重量当たり5~18重量%以上が好ましい さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ 、紙力増強剤、歩留向上剤、着色顔料、染 、消泡剤などを含有してもよい。
原紙の抄紙方法については特に限定される のではなく、トップワイヤー等を含む長網 シン、ギャップフォーマーマシン、丸網マ ン、二者を併用したマシン、ヤンキードラ ヤーマシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄 、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のい れであってもよく、新聞古紙から得られる 収古紙パルプを含む中質原紙も使用できる また、サイズプレス、ビルブレード、ゲー ロールコーター、プレメタリングサイズプ スを使用して、澱粉、ポリビニルアルコー などを予備塗工した原紙等も使用できる。 工原紙としては、一般の塗工紙に用いられ 坪量が30~400g/m 2 が適宜用いることができるが、30~200g/m 2 程度が好ましい。
本発明の塗工層に用いられる顔料として 、発明の目的を損なわない範囲で他の顔料 併用することができる。例えば、カオリン クレー、エンジニアードカオリン、重質炭 カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク 二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシ ム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダル リカ、サチンホワイトなどの無機顔料、プ スチックピグメントなどの有機顔料であり これらの無機顔料は必要に応じて単独また 2種類以上併用して使用できる。
本発明の塗工層に用いられる接着剤として
、発明の目的を損なわない範囲で複数の接
剤を併用することができる。接着剤として
塗工紙用に従来から用いられている、スチ
ン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系
エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メ
ルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチル
クリレート系等の各種共重合体、あるいは
水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチ
メタクリレート系共重合体等の合成接着剤;
カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白質
類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル
澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉な
のエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱
類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ース等のセルロース誘導体などの通常の塗
紙用接着剤1種以上を適宜選択して使用され
る。これらの接着剤の総量は、印刷適性、塗
工適性の点から、顔料100重量部に対して5~50
量部、より好ましくは10~30重量部程度の範囲
で使用される。
本発明の塗工液には、分散剤、保水剤、消
剤、耐水化剤等の通常使用される各種助剤
使用しても良い。本発明においては、保水
を向上させる場合は、アクリル系合成保水
、ヒドロキシエチルセルロースを用いるこ
が好ましく、会合型のアクリル系合成保水
を使用するのがより好ましい。会合型アク
ル系合成保水剤は、塗工液の保水性を向上
せ、かつ塗工液の高ずり粘度を低くする働
がある。そのため、高速塗工に適するとと
に、塗工時に塗料が塗工原紙内部に押し込
れず、原紙上の塗工層を嵩高にし、塗工層
クッション性が向上する。尚、アクリル系
成保水剤および/またはヒドロキシエチルセ
ルロースを用いる場合、配合量としては、顔
料100重量部に対して0.1~1.0重量部が好ましい
塗工原紙に調整された塗工液を塗工する方
としては、ブレードコーター、バーコータ
、ロールコーター、エアナイフコーター、
バースロールコーター、カーテンコーター
サイズプレスコーター、ゲートロールコー
ー、スプレーコーター等を用いて、一層も
くは二層以上を原紙上に片面あるいは両面
工する。塗工量は、所望の特性に応じて決
されるが、本発明の場合は片面当たり1~40g/m
2
が好ましく、より好ましくは5~35g/m 2
、更に好ましくは10~30g/m 2
の塗工量で、高い光沢度と印刷品質を得るこ
とができる。また、原紙に塗工層を設けた後
にコロナ放電処理する場合、コロナ放電処理
する前の塗工量は、原紙片面当たり1~15g/m 2
が好ましく、より好ましくは1~9g/m 2
である。
湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例
ば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライ
、ガスヒータードライヤ、電気ヒータード
イヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方
が単独もしくは併用して用いられる。
このようにして得られた印刷用塗工紙は、必
要に応じて、スーパーカレンダー、グロスカ
レンダー、ソフトカレンダー、ホットソフト
カレンダー等のカレンダー処理を行ってもよ
い。本発明においては、カレンダー処理を行
わなくても良好な被覆性を得ることができ、
白紙光沢度、印刷光沢度などの良好な印刷適
性を有する。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に
明するが、勿論これらの例に限定されるも
ではない。尚、特に断らない限り、例中の
および%はそれぞれ重量部および重量%を示
。尚、塗工液および得られた印刷用塗工紙
ついて以下に示すような評価法に基づいて
験を行った。
〈評価方法〉
(1)表面強度:ローランドオフセット平判印刷
(2色)に平判印刷用インキ(東洋インキ製造株
会社製ハイユニティーネオM)を用いて、A3サ
イズの版で印刷速度8000枚/時間で印刷し、得
れた印刷物の表面のピッキングの程度を肉
で評価した。結果は、5(全くピッキングを
こさないもの)から1(最も悪いもの)の5段階で
評価し、10回の試験の平均値で示した。
(2)白紙光沢度:JIS P 8142に基づいて測定した
(3)印刷光沢度:ローランドオフセット平判印
機(4色)に平判印刷用インキ(東洋インキ製造
式会社製ハイユニティーネオM)を用いて、A3
サイズの版で印刷速度8000枚/時間で印刷し、
られた印刷物(4色ベタ印刷部)の表面をJIS P
8142に基づいて測定した。
[実施例1]
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填
として軽質炭酸カルシウムを5部含有する坪
量56g/m 2
の原紙(密度0.7g/cm 3
)に、コロナ電極と原紙との間隙を1mmとし、
面当たり5000J/m 2
の条件でコロナ処理を行った後、顔料として
重質炭酸カルシウム(ファイマテック社製FMT-9
0)50部、カオリン(Huber社製ジャパングロス)50
、スチレン-ブタジエン共重合型ラテックス1
0部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉5部か
成る塗工液を、片面当たりの塗工量が固形
で12g/m 2
になるように、ブレード式ラボ用塗工機で両
面1層ずつの塗工を行い、紙水分が5%になるよ
うに乾燥し、塗工紙を得た。このように得ら
れた塗工紙を、テストスーパーカレンダーに
て、線圧100kg/cm、カレンダーニップ数2ニップ
の条件でカレンダー処理を行い、印刷用塗工
紙を得た。
[実施例2]
実施例1において、片面当たりのコロナ処理
を5000J/m 2
のかわりに、2500J/m 2
に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗
紙を得た。
[比較例1]
実施例1において、片面当たり5000J/m 2
のコロナ処理のかわりに、コロナ未処理に変
更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙
得た。
[実施例3]
実施例1において、片面当たりの塗工量が固
形分で12g/m 2
のかわりに、6g/m 2
に変更した以外は実施例1と同様の方法で塗
紙を得た。
[比較例2]
実施例3において、片面当たり5000J/m 2
のコロナ処理のかわりに、コロナ未処理に変
更した以外は実施例1と同様の方法で塗工紙
得た。
[実施例4]
実施例1において、顔料として重質炭酸カル
シウム(ファイマテック社製FMT-90)50部、カオ
ン(Huber社製ジャパングロス)50部、スチレン-
タジエン共重合型ラテックス10部、ヒドロ
シエチルエーテル化澱粉5部から成る塗料を
片面当たりの塗工量が固形分で12g/m 2
になるように両面1層ずつ塗工するかわりに
1層目の塗工として、顔料として重質炭酸カ
シウム(ファイマテック社製FMT-90)100部、ス
レン-ブタジエン共重合型ラテックス2部、ヒ
ドロキシエチルエーテル化澱粉8部からなる
料を片面当たりの塗工量が固形分で6g/m 2
になるように塗工し、その上に2層目の塗工
して、顔料として重質炭酸カルシウム(ファ
マテック社製FMT-90)50部、カオリン(Huber社製
ャパングロス)50部、スチレン-ブタジエン共
重合型ラテックス10部、ヒドロキシエチルエ
テル化澱粉5部から成る塗料を、片面当たり
の塗工量が固形分で6g/m 2
となるように塗工し、両面2層ずつの塗工を
った以外は実施例1と同様の方法で塗工紙を
た。
[実施例5]
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填
として軽質炭酸カルシウムを5部含有する坪
量56g/m 2
の原紙(密度0.7g/cm 3
)に、顔料として重質炭酸カルシウム(ファイ
テック社製FMT-90)100部、スチレン-ブタジエ
共重合型ラテックス2部、ヒドロキシエチル
ーテル化澱粉8部からなる塗工液を片面当た
りの塗工量が固形分で6g/m 2
になるように、ブレード式ラボ用塗工機で両
面1層ずつ塗工・乾燥し、塗工紙を得た後、
工紙とコロナ電極との間隙を1mmとし、片面
たり5000J/m 2
の条件でコロナ処理を行った。次に、顔料と
して重質炭酸カルシウム(ファイマテック社
FMT-90)50部、カオリン(Huber社製ジャパングロ
)50部、スチレン-ブタジエン共重合型ラテッ
ス10部、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉5
から成る塗料を、片面当たりの塗工量が固
分で6g/m 2
となるように両面1層ずつの塗工を行い、紙
分が5%になるように乾燥し、塗工紙を得た。
このように得られた塗工紙を、テストスーパ
ーカレンダーにて、線圧100kg/cm、カレンダー
ップ数2ニップの条件でカレンダー処理を行
い、印刷用塗工紙を得た。
[比較例4]
実施例4において、片面当たり5000J/m 2
のコロナ処理のかわりに、コロナ未処理に変
更した以外は実施例4と同様の方法で塗工紙
得た。
以上の結果を表1に示した。
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