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Title:
COAXIAL CABLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041115
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a high-frequency coaxial cable comprising an inner conductor and an insulator layer covering the surface of the inner conductor. In the coaxial cable, the insulator layer has satisfactory side pressure resistance, and the attenuation level in the transmission is low. An insulating layer having a higher foaming level and a higher mechanical strength as compared with the conventional insulating layer can be formed by foam molding a resin composition comprising a cyclic olefin resin, a high-density polyethylene, and a low-density polyethylene and/or a linear low-density polyethylene. As a result, the insulator layer covered on the inner conductor in the coaxial cable has lowered dielectric loss tangent and lowered permittivity and possesses excellent transmission characteristics and mechanical properties.

Inventors:
TANIKITA MASUMI (JP)
SERIZAWA HAJIME (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059566
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
May 23, 2008
Export Citation:
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Assignee:
POLYPLASTICS CO (JP)
TANIKITA MASUMI (JP)
SERIZAWA HAJIME (JP)
International Classes:
H01B7/02; H01B3/44; H01B11/18
Foreign References:
JPH11189743A1999-07-13
JP2003217364A2003-07-31
JP2001200085A2001-07-24
JPH0836920A1996-02-06
JP2000297172A2000-10-24
JP2000311519A2000-11-07
JPH05234430A1993-09-10
JPH08157652A1996-06-18
JP2000297172A2000-10-24
JP2000311519A2000-11-07
JPS58127728A1983-07-29
JPS58129013A1983-08-01
Other References:
See also references of EP 2202756A4
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki et al. (25-8 Higashi-ikebukuro 1-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 環状オレフィン系樹脂と、高密度ポリエチレンと、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む樹脂組成物を発泡成形させた層を絶縁層として備え、
 前記絶縁層の発泡度が80%から90%である同軸ケーブル。
 前記樹脂組成物は、前記環状オレフィン系樹脂を15質量%から30質量%、
 前記高密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとの合計量として70質量%から85質量%含有する請求項1に記載の同軸ケーブル。
 前記低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンとの合計量として20質量%から40質量%含有する請求項2に記載の同軸ケーブル。
 前記絶縁層の圧縮強度が800N/cm 2 以上、減衰量が24dB/100m以下である請求項1から3のいずれかに記載の同軸ケーブル。
 前記絶縁層の水分透過量が0.55g/m 2 ・d以下である請求項1から4のいずれかに記載の同軸ケーブル。
 前記絶縁層は、1GHzから10GHzの周波数領域における比誘電率が1.20以下である請求項1から5のいずれかに記載の同軸ケーブル。
 前記環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンとα-オレフィンとの共重合体又はその水素添加物である請求項1から6のいずれかに記載の同軸ケーブル。
 前記環状オレフィン系樹脂は、1GHzから10GHzの周波数領域における比誘電率が2.3以下、誘電正接が4×10 -4 以下、室温における曲げ弾性率が2.0GPa以上である請求項1から7のいずれかに記載の同軸ケーブル。
Description:
同軸ケーブル

 本発明は、環状オレフィン系樹脂を用い 同軸ケーブルに関する。

 近年、携帯電話、インターネット、無線L AN等、通信のブロードバンド化への要望はま ます高まっている。そして、情報をより高 かつ大量に伝送するために、電気信号の高 波化が著しく進んでいる。このため、高周 帯域で減衰量が少なくかつ信号遅延の少な 同軸ケーブルが求められている。

 ところで、同軸ケーブルは主に、中心導 と、その上に設けられる絶縁体層と、その 周に設けられる外部導体と、から構成され 。高周波帯域での低減衰量が重視されてお 高周波同軸ケーブルの実現には絶縁体層の 電正接を低減するのが最も効果的である。 た、さらに低減衰化のためには発泡させる とが効果的である。ただし、発泡させるこ により絶縁層の耐側圧性が低下し、発泡体 形状を維持しにくい問題が生じることがあ 。

 絶縁層の誘電率を小さくするためには、 縁層の発泡度を高くすることが効果的であ ことが知られている。また、誘電正接の小 い絶縁材料としては、環状オレフィン系樹 が挙げられる。環状オレフィン系樹脂は、 泡成形性が良好であるとともに、高剛性に 来する耐側圧性にも優れる特性も期待され 。

 このため、特許文献1には、ノルボルネン樹 脂を用いた高周波用同軸ケーブルが開示され ている。また、特許文献2には、環状オレフ ン-エチレン共重合体とポリオレフィン等と ブレンドすることにより耐側圧性に優れた 縁材料が開示されている。

特開2000-297172号公報

特開2000-311519号公報

 しかし、高周波帯域で減衰量がさらに小 い同軸ケーブルが求められており、特許文 1、特許文献2の同軸ケーブルよりもさらに 性能な同軸ケーブルになるような改良が必 である。特許文献1、特許文献2の実施例から 分かるように、絶縁体層の発泡度は前者が約 62%、後者が約72%である。従って、高周波帯域 で減衰量のより小さい同軸ケーブルの実現に は、絶縁体層の発泡度を上げることで改善す る方法が考えられる。しかし、通常発泡度を 上げると、発泡セルの膨張により耐側圧性が 悪化する。さらに膨張によって発泡セルが破 断すると低誘電率の絶縁層を得ることはでき なくなる。このため発泡度を上げても発泡セ ルの独立が保たれ、同軸ケーブルとして十分 に使用可能な耐側圧性を有する同軸ケーブル が求められている。

 本発明は、以上のような課題を解決する めになされたものであり、その目的は、絶 体層が、同軸ケーブルとして十分使用可能 耐側圧性を有し、絶縁体層の発泡度がより い同軸ケーブルを提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意研究を重ねた。その結果、環状オレフ ン系樹脂と、高密度ポリエチレンと、低密 ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエ チレンと、を含む樹脂組成物を発泡成形させ ることにより上記課題を解決できることを見 出し、本発明を完成するに至った。より具体 的には、本発明は以下のようなものを提供す る。

 (1) 環状オレフィン系樹脂と、高密度ポ エチレンと、低密度ポリエチレン及び/又は 鎖状低密度ポリエチレンと、を含む樹脂組 物を発泡成形させた層を絶縁層として備え 前記絶縁層の発泡度が80%から90%である同軸 ーブル。

 (1)の発明によれば、本発明の同軸ケーブ 内の絶縁層は、環状オレフィン系樹脂を含 。環状オレフィン樹脂は、低誘電正接、低 電率、良好な発泡成形性があり、さらに高 弾性率を有する特徴により、発泡成形体の 側圧性の向上が期待される。従がって、本 明の同軸ケーブル内の絶縁層はこれらの特 を有するので、本発明の同軸ケーブルは高 波用として好ましく用いることができる。 方、環状オレフィン系樹脂には可撓性に欠 るという欠点がある。しかし、本発明の同 ケーブル内の絶縁層には、可撓性に優れた 密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポ リエチレンが含まれている。このため、環状 オレフィン系樹脂の欠点を補い、可撓性に優 れた絶縁層を作ることができる。

 さらに、低密度ポリエチレン等は、良好 発泡成形性も有するため、絶縁層の発泡度 上げる点からも含むことが好ましい。とこ で、低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低 密度ポリエチレンは、誘電正接が比較的高い という欠点がある。しかし、本発明の同軸ケ ーブル内の絶縁層には、高密度ポリエチレン が含まれている。高密度ポリエチレンは低誘 電正接であるため、環状オレフィン系樹脂と ともに、低密度ポリエチレンの欠点である高 誘電正接を補うことができる。

 なお、高密度ポリエチレンにも発泡成形 が悪いという欠点があるが、環状オレフィ 系樹脂と低密度ポリエチレン及び/又は直鎖 状低密度ポリエチレンでその欠点を補うこと ができる。上記、三成分又は四成分の長所を 生かすことにより、高周波用に好適な同軸ケ ーブルを得ることができる。

 発泡度とは、絶縁層に含まれる気泡の程 を示すものである。気泡が多ければ絶縁層 は、誘電率の低いガスが占める割合が多く る。このため、発泡度は高いほうが同軸ケ ブル内の絶縁層の誘電正接及び誘電率が下 り、高周波でも減衰量の小さい同軸ケーブ を得ることができる。本発明の同軸ケーブ における絶縁層は、従来のものよりも高い 泡度を実現することができる。これは、環 オレフィン系樹脂の良好な耐側圧性と、環 オレフィン系樹脂と低密度ポリエチレン及 /又は直鎖状低密度ポリエチレンの有する良 好な発泡成形性と、によるためである。発泡 成形性が良好であれば、発泡度を上げても発 泡セルは独立して存在できるからである。な お、本明細書中の発泡度とは、下記式(1)によ り求めた発泡度をいう。

 (2) 前記樹脂組成物は、前記環状オレフ ン系樹脂を15質量%から30質量%、前記高密度 リエチレンと前記低密度ポリエチレン及び/ は直鎖状低密度ポリエチレンとの合計量と て70質量%から85質量%含有する(1)に記載の同 ケーブル。

 (2)の発明によれば、同軸ケーブル内の絶 層に含まれる環状オレフィン系樹脂の含有 が、上記範囲であることにより、環状オレ ィン系樹脂の持つ良好な発泡成形性、低誘 率、耐側圧性等の効果を十分発揮すること できる。また、環状オレフィン系樹脂の含 量が上記範囲であることにより、やや可撓 に欠けるという欠点をポリエチレンによっ 十分に補うことができる。このため、上記 縁層を同軸ケーブルに用いることにより、 らに高周波用に適した同軸ケーブルを得る とができる。

 (3) 前記低密度ポリエチレン及び/又は直 状低密度ポリエチレンとの合計量として20 量%から40質量%含有する(2)に記載の同軸ケー ル。

 (3)の発明によれば、同軸ケーブル内の絶 層に含まれる低密度ポリエチレン及び/又は 直鎖状低密度ポリエチレンとの合計量が上記 範囲であることにより、上記ポリエチレンの 可撓性に優れるという効果を十分に発揮した 上で、誘電率が高いという欠点を、高密度ポ リエチレンや環状オレフィン系樹脂で十分に 補うことができる。このため、より高周波用 に適した同軸ケーブルを得ることができる。

 (4) 前記絶縁層の圧縮強度が800N/cm 2 以上、減衰量が24dB/100m以下である(1)から(3)の いずれかに記載の同軸ケーブル。

 (4)の発明によれば、同軸ケーブル内の絶縁 の発泡度を上げて、絶縁層内の空孔を増や ことにより、絶縁層の誘電率を下げて、減 量を24dB/100m以下にしても、圧縮強度が800N/cm 2 以上であるため機械的強度が十分に優れた同 軸ケーブルを得ることができる。また、本発 明の同軸ケーブル内の絶縁層は、低密度ポリ エチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレ を含む。このため、同軸ケーブルにおける の材料は全て可撓性に優れるから、絶縁層 可撓性に優れたものとなることで、同軸ケ ブル全体としても可撓性に優れたものとな 、同軸ケーブルとしてより好ましいものに る。

 圧縮強度とは、圧縮荷重に対し、材料が持 こたえることができる最大応力のことをい 、同軸ケーブルにおける絶縁層の耐側圧性 表す指標のひとつである。圧縮強度が低い 縁層は、同軸ケーブルの作製時、使用時等 加わる力で破損するため、高周波用同軸ケ ブルの絶縁層として好ましくない。本発明 おいて使用される絶縁層は、圧縮強度が800N /cm 2 以上であるため、同軸ケーブル用の絶縁層と して好適に用いることができる。

 本発明の同軸ケーブル内の絶縁層の圧縮強 は800N/cm 2 以上であることが好ましい。800N/cm 2 以上であると十分な機械的強度を有するため 、同軸ケーブル用の絶縁層として好適に利用 できる。

 本発明の同軸ケーブル内の絶縁層は、減 量が24dB/100m以下であることが好ましい。減 量が24dB/100m以上であると、伝達損失が大き なり、電子機器等の正常な作動が損なわれ 場合がある。

 一般に誘電正接が大きいと高周波が減衰 てしまう。特に、高周波帯域においては、 電正接は減衰量に大きな影響を与えてしま 。このため、高周波帯域での同軸ケーブル 減衰量を小さくするためには、絶縁層の誘 正接が小さい必要がある。

 (5) 前記絶縁層の水分透過量が0.55g/m 2 ・day・atm以下である(1)から(4)のいずれかに記 載の同軸ケーブル。

 (5)の発明によれば、本発明の同軸ケーブ 内の絶縁層は、減衰量増加の原因となる高 電率の水分子をほとんど透過させないため より高周波用に適する。また、水分が絶縁 を透過することにより、内部導体が腐食す ことを防ぐことができる。このため長期間 用可能な同軸ケーブルを得ることができる

 本発明の同軸ケーブルに用いる絶縁層の水 透過率は、0.55g/m 2 ・day・atm以下であることが好ましい。0.55g/m 2 ・day・atmを超えると水分を付着しやすくなり 、著しい場合は腐食等が発生し導通不良を発 生するおそれがある。

 (6) 前記絶縁層は、1GHzから10GHzの周波数 域における比誘電率が1.20以下である(1)から( 5)のいずれかに記載の同軸ケーブル。

 (6)の発明によれば、本発明の同軸ケーブ に用いられる絶縁材料の誘電率の低誘電率 を図ることにより、同軸ケーブル中の伝送 おいて信号の遅延時間が少なくなり通信の 速大容量化に対応できる同軸ケーブルが得 れる。

 本発明の同軸ケーブル内の絶縁層は、1GHz から10GHzの周波数領域における比誘電率が1.2 下であることが好ましい。上記周波数領域 おける比誘電率が1.2以下であると信号の遅 が少ないので好ましい。

 (7) 前記環状オレフィン系樹脂が、環状 レフィンとα-オレフィンとの共重合体又は の水素添加物である(1)から(6)のいずれかに 載の同軸ケーブル。

 (7)の発明によれば、環状オレフィン系樹 が上記の組成を有することにより、環状オ フィン系樹脂が上記の組成を有することに り、同軸ケーブルとしての信号伝達特性、 撓性、圧縮強度、水分透過特性等のバラン に優れるという効果がある。

 (8) 前記環状オレフィン系樹脂は、1GHzから1 0GHzの周波数領域における比誘電率が2.3以下 誘電正接が4×10 -4 以下、室温における曲げ弾性率が2.0GPa以上で ある(1)から(7)のいずれかに記載の同軸ケーブ ル。

 (8)の発明によれば、本発明の同軸ケーブ 内の絶縁層に含まれる環状オレフィン系樹 の誘電正接が低いので、この環状オレフィ 系樹脂を用いれば、誘電正接の低い絶縁層 作ることができる。絶縁層の誘電正接が低 れば、同軸ケーブルの減衰量が小さくなる このため、この誘電正接の低い絶縁層を有 る同軸ケーブルは高周波用に適する。

 また、比誘電率が小さい環状オレフィン 脂を用いることにより信号の遅延時間が小 くなり高周波用同軸ケーブルとして優れた 性が得られる。

 曲げ弾性率とは、曲げ応力に対する材料 変形抵抗度のことをいう。曲げ弾性率が高 材料のほうが、曲げ応力による耐性に優れ から機械的強度が強くなるので好ましい。 明細書中の曲げ応力は、ISO 178に即して測 された曲げ弾性率である。なお、本発明の 軸ケーブルにおける絶縁層は低密度ポリエ レン等の可撓性を有する材料を含む。この め、もろい材料になることを防ぐことがで る。

 環状オレフィン系樹脂の曲げ弾性率は2GPa 以上であることが好ましく、より好ましくは 2GPa以上3.5GPa以下である。曲げ弾性率が2GPa未 であると耐側圧性が損なわれ、3.5GPaを超え と可撓性を損ない配合範囲を狭めることに る。

 本発明によれば、同軸ケーブルとして十 使用可能な耐側圧性を有し、絶縁体層の発 度がより高い絶縁層を備えた同軸ケーブル 得ることができる。同軸ケーブル内の絶縁 の発泡度が高いことで、絶縁層の誘電正接 誘電率が低くなり、高周波用の同軸ケーブ として好ましく利用することができる。

押出装置を示す図である。 同軸ケーブル製造装置を示す図である

符号の説明

 1  第一押出機
 2  第二押出機
 3  ホッパー
 4  発泡剤圧入口
 5  導体送出機
 6  導体加熱機
 7  クロスヘッドダイ
 8  冷却装置
 9  引取り機
 10 巻取り機
 11 内部導体
 12 電線

 以下、本発明の同軸ケーブルの実施形態 ついて詳細に説明するが、本発明は、以下 実施形態に何ら限定されるものではなく、 発明の目的の範囲内において、適宜変更を えて実施することができる。なお、説明が 複する箇所については、適宜説明を省略す 場合があるが、発明の要旨を限定するもの はない。

 <環状オレフィン系樹脂>
 以下、本発明の同軸ケーブルの必須成分と る環状オレフィン系樹脂について説明する 環状オレフィン系樹脂は、低誘電正接、低 電率、発泡成形性、低吸水性、耐側圧性等 性質を有するため、同軸ケーブルに用いる 縁層に含む材料として好ましい。本発明に いられる環状オレフィン系樹脂は、環状オ フィン成分を共重合成分として含むもので り、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリ レフィン系樹脂であれば、特に限定される のではない。例えば、
 (a1)環状オレフィンの付加重合体又はその水 素添加物、
 (a2)環状オレフィンとα-オレフィンの付加共 重合体又はその水素添加物、
 (a3)環状オレフィンの開環(共)重合体又はそ 水素添加物、を挙げることができる。

 また、本発明に用いられる環状オレフィン 分を共重合成分として含む環状オレフィン 樹脂としては、
 (a4)上記(a1)~(a3)の樹脂に、極性基を有する不 飽和化合物をグラフト及び/又は共重合した の。

 極性基としては、例えば、カルボキシル 、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エ テル基、ヒドロキシル基等を挙げることが き、極性基を有する不飽和化合物としては (メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレ ン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)ア クリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素 数1~10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数 1~10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ) アクリル酸-2-ヒドロキシエチル等を挙げるこ とができる。

 本発明においては、上記の環状オレフィ 成分を共重合成分として含む環状オレフィ 系樹脂(a1)~(a4)は、1種単独であっても、二種 以上を混合使用してもよい。本発明において は、(a2)環状オレフィンとα-オレフィンの付 共重合体又はその水素添加物を好ましく用 ることができる。

 また、本発明に用いられる環状オレフィ 成分を共重合成分として含む環状オレフィ 系樹脂としては、市販の樹脂を用いること 可能である。市販されている環状オレフィ 系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(TO PAS ADVANCED POLYMER社製)、アペル(登録商標)(三 化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼ オン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン 製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げる ことができる。

 本発明の組成物に好ましく用いられる(a2)環 状オレフィンとα-オレフィンの付加共重合体 としては、特に限定されるものではない。特 に好ましい例としては、〔1〕炭素数2~20のα- レフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示さ れる環状オレフィン成分と、を含む共重合体 を挙げることができる。
(式中、R 1 ~R 12 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基 からなる群より選ばれるものであり、R 9 とR 10 、R 11 とR 12 は、一体化して2価の炭化水素基を形成して よく、R 9 又はR 10 と、R 11 又はR 12 とは、互いに環を形成していてもよい。また 、nは、0又は正の整数を示し、nが2以上の場 には、R 5 ~R 8 は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞ れ同一でも異なっていてもよい。)

〔〔1〕炭素数2~20のα-オレフィン成分〕
 本発明に好ましく用いられる環状オレフィ 成分とエチレン等の他の共重合成分との付 重合体の共重合成分となる炭素数2~20のα-オ レフィンは、特に限定されるものではない。 例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1 -ペンテン、1-へキセン、3-メチル-1-ブテン、3 -メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4- チル-1-ペンテン、4-メチル-1-へキセン、4,4- メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン 、4-エチル-1-へキセン、3-エチル-1-ヘキセン 1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラ デセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1- エイコセン等を挙げることができる。また、 これらのα-オレフィン成分は、1種単独でも2 以上を同時に使用してもよい。これらの中 は、エチレンの単独使用が最も好ましい。

〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン 分〕
 本発明に好ましく用いられる環状オレフィ 成分とエチレン等の他の共重合成分との付 重合体において、共重合成分となる一般式( I)で示される環状オレフィン成分について説 する。

 一般式(I)におけるR 1 ~R 12 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、 水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基 からなる群より選ばれるものである。

 R 1 ~R 8 の具体例としては、例えば、水素原子;フッ 、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、 チル基、プロピル基、ブチル基等の低級ア キル基等を挙げることができ、これらはそ ぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっ いてもよく、また、全部が同一であっても い。

 また、R 9 ~R 12 の具体例としては、例えば、水素原子;フッ 、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、 チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ ル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステア ル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等の シクロアルキル基;フェニル基、トリル基、 チルフェニル基、イソプロピルフェニル基 ナフチル基、アントリル基等の置換又は無 換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネ ル基、その他アルキル基にアリール基が置 したアラルキル基等を挙げることができ、 れらはそれぞれ異なっていてもよく、部分 に異なっていてもよく、また、全部が同一 あってもよい。

 R 9 とR 10 、又はR 11 とR 12 とが一体化して2価の炭化水素基を形成する 合の具体例としては、例えば、エチリデン 、プロピリデン基、イソプロピリデン基等 アルキリデン基等を挙げることができる。

 R 9 又はR 10 と、R 11 又はR 12 とが、互いに環を形成する場合には、形成さ れる環は単環でも多環であってもよく、架橋 を有する多環であってもよく、二重結合を有 する環であってもよく、またこれらの環の組 み合わせからなる環であってもよい。また、 これらの環はメチル基等の置換基を有してい てもよい。

 一般式(I)で示される環状オレフィン成分 具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エ ン(慣用名:ノルボルネン)、5-メチル-ビシクロ [2.2.1]ヘプタ-2-エン、5,5-ジメチル-ビシクロ[2. 2.1]ヘプタ-2-エン、5-エチル-ビシクロ[2.2.1]ヘ タ-2-エン、5-ブチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2- エン、5-エチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2- ン、5-ヘキシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン 5-オクチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5- クタデシル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5- メチリデン-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5- ニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-プロペ ル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン等の2環の環 オレフィン;

トリシクロ[4.3.0.1 2,5 ]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエ )、トリシクロ[4.3.0.1 2,5 ]デカ-3-エン;トリシクロ[4.4.0.1 2,5 ]ウンデカ-3,7-ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0 .1 2,5 ]ウンデカ-3,8-ジエン又はこれらの部分水素添 加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキ ンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.1 2,5 ]ウンデカ-3-エン;5-シクロペンチル-ビシクロ[ 2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキシル-ビシク ロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-シクロヘキセニルビ シクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン、5-フェニル-ビシ ロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンといった3環の環状オレ フィン;

テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン(単にテトラシクロドデセンと いう)、8-メチルテトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-エチルテトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-メチリデンテトラシクロ[4. 4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-エチリデンテトラシクロ[4. 4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-ビニルテトラシクロ[4,4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-プロペニル-テトラシクロ[4 .4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エンといった4環の環状オレフィン;

8-シクロペンチル-テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキシル-テトラシ ロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-シクロヘキセニル-テトラ クロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン、8-フェニル-シクロペンチル- トラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]ドデカ-3-エン;テトラシクロ[7.4.1 3,6 .0 1,9 .0 2,7 ]テトラデカ-4,9,11,13-テトラエン(1,4-メタノ-1,4 ,4a,9a-テトラヒドロフルオレンともいう)、テ ラシクロ[8.4.1 4,7 .0 1,10 .0 3,8 ]ペンタデカ-5,10,12,14-テトラエン(1,4-メタノ-1, 4,4a,5,10,10a-へキサヒドロアントラセンともい );ペンタシクロ[6.6.1.1 3,6 .0 2,7 .0 9,14 ]-4-ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0 2,7 .0 9,13 ]-4-ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.0 2,7 .1 3,6 .1 10,13 ]-4-ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.1 2,9 .1 4,7 .1 11,17 .0 3,8 .0 12,16 ]-5-エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.1 2,9 .0 3,8 .1 4,7 .0 12,17 .1 13,l6 ]-14-エイコセン;シクロペンタジエンの4量体 の多環の環状オレフィンを挙げることがで る。

 これらの環状オレフィン成分は、1種単独 でも、また2種以上を組み合わせて使用して よい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプ -2-エン(慣用名:ノルボルネン)、テトラシク ドデセンが好ましく用いられる。

 〔1〕炭素数2~20のα-オレフィン成分と〔2 一般式(I)で表される環状オレフィン成分と 重合方法及び得られた重合体の水素添加方 は、特に限定されるものではなく、公知の 法に従って行うことができる。ランダム共 合であっても、ブロック共重合であっても いが、ランダム共重合であることが好まし 。

 また、用いられる重合触媒についても特 限定されるものではなく、チーグラー・ナ タ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等 従来周知の触媒を用いて周知の方法により ることができる。本発明に好ましく用いら る環状オレフィンとα-オレフィンの付加共 合体又はその水素添加物は、メタロセン系 媒やチーグラー・ナッタ系触媒を用いて製 されることが好ましい。

 メタセシス触媒としては、シクロオレフ ンの開環重合用触媒として公知のモリブデ 又はタングステン系メタセシス触媒(例えば 、特開昭58-127728号公報、同58-129013号公報等に 記載)が挙げられる。また、メタセシス触媒 得られる重合体は無機担体担持遷移金属触 等を用い、主鎖の二重結合を90%以上、側鎖 芳香環中の炭素-炭素二重結合の98%以上を水 添加することが好ましい。

〔その他共重合成分〕
 本発明の組成物に特に好ましく用いられる( a2)環状オレフィンとα-オレフィンの付加共重 合体は、上記の〔1〕炭素数2~20のα-オレフィ 成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレ フィン成分以外に、本発明の目的を損なわな い範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不 飽和単量体成分を含有していてもよい。

 任意に共重合されていてもよい不飽和単 体としては、特に限定されるものではない 、例えば、炭素-炭素二重結合を1分子内に2 以上含む炭化水素系単量体等を挙げること できる。炭素-炭素二重結合を1分子内に2個 上含む炭化水素系単量体の具体例としては 1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチ ル-1,5-ヘキサジエン、4-メチル-1,5-ヘキサジエ ン、5-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5- プタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の 鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジ クロペンタジエン、メチルテトラヒドロイ デン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-エチリデ -2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネ 、5-イソプロピリデン-2-ノルボンネン、6-ク ロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン 4,9,5,8-ジメタノ-3a,4,4a,5,8,8a,9,9a-オクタヒド -1H-ベンゾインデン等の環状非共役ジエン;2,3 -ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン;2-エチ デン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン;2- ロペニル-2,2-ノルボルナジエン等を挙げるこ とができる。これらのうちでは、1,4-ヘキサ エン、1,6-オクタジエン、及び環状非共役ジ ン、とりわけ、ジシクロペンタジエン、5- チリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボ ルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキ サジエン、1,6-オクタジエンが好ましい。

 絶縁層における環状ポリオレフィン系樹 の含有量は、15質量%~30質量%であることが好 ましい。15質量%未満であると同軸ケーブルと しての信号伝達特性、圧縮強度、水分透過性 等に劣り、30質量%を超えると十分な可撓性が 得られない可能性がある。

 <ポリエチレン>
 本発明の同軸ケーブルの必須成分となる高 度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直 状低密度ポリエチレンについて説明する。 密度ポリエチレンは、誘電正接が小さいた 、同軸ケーブル内の絶縁層に用いる材料と て好ましい。低密度ポリエチレン及び直鎖 低密度ポリエチレンは、可撓性を有するた 、同軸ケーブル内の絶縁層に用いる材料と て好ましい。

 高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ 、直鎖状低密度ポリエチレンはJIS K6922-1で 定されるMFRが1.0~10.0g/10minであることが好ま く、より好ましくは2.0~8.0g/10minである。1.0g/ 10minより低い場合は可撓性を得る事ができる 、流動性が悪くなり良好な成形加工性が得 れない可能性があり、10.0g/10minを超えると 形加工性は良好となるが、可撓性が得られ い可能性がある。

 同軸ケーブルの絶縁層における高密度ポ エチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖 低密度ポリエチレンの合計の含有量が、70 量%~85質量%であることが好ましい。

 特に、低密度ポリエチレンと直鎖状低密 ポリエチレンの合計の含有量が20質量%~40質 %であることが好ましい。20質量%未満だと、 十分な可撓性が得られない可能性があり、40 量%を超えると、絶縁層の誘電率を低く保て ない可能性がある。

 <その他成分>
 本発明の同軸ケーブル内の絶縁層には、そ 特性を損なわない範囲で、必要に応じて、 の他の熱可塑性樹脂、各種配合剤等を添加 ることができる。他の樹脂としては、例え 、他のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレ 系樹脂、フッ素樹脂等が例示される。これ の他の樹脂は単独で又は2種以上組み合わせ てもよい。更に、同軸ケーブルの可撓性が必 要とされる場合には、エラストマーを環状ポ リオレフィン系樹脂に添加すると好ましい。 添加されるエラストマーは同軸ケーブルの減 衰量等の特性を損なわないものであれば特に 限定されないが、例えば、ポリオレフィン系 エラストマーやスチレン系エラストマーが好 ましい。特に、ポリオレフィン系エラストマ ーは減衰量と可撓性のバランスを取る上で好 ましい。また、配合剤としては、安定剤(酸 防止剤又は抗酸化剤、耐重金属安定剤、紫 線吸収剤、熱安定剤等)、帯電防止剤、難燃 、難燃助剤、着色剤(染料や顔料等)、潤滑 、可塑剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、ドリ ピング防止剤、架橋剤等が例示される。同 ケーブルの絶縁層は導体である銅等の金属 接触するので、耐重金属安定剤を添加する とが好ましい。耐重金属安定剤としては、 リチル酸誘導体(例えば、商品名ADKSTAB CDA6) ヒドラジド誘導体(例えば、商品名Irganox MD10 24)、シュウ酸アミド誘導体(例えば、商品名Na ugard XL-1)、イオウ含有ホスファイト化合物( えば、商品名Hostanox OSP-1)等が例示されるが 同軸ケーブルの特性を損なわないものであ ば耐重金属安定剤の種類は特に限定されな 。耐重金属安定剤の添加量についても特に 定されないが、通常は、樹脂成分に対して0 .3質量%以下の添加量が好ましく用いられる。 添加方法については特に限定されないが、環 状ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレン樹脂 、他の添加樹脂等に予め添加すると更に好ま しい。

 <同軸ケーブル>
 同軸ケーブルの構成は特に限定されないが 例えば、最も一般的な例として内部導体と 絶縁層と、外部導体と、シースと、からな 同軸ケーブルが挙げられる。本明細書中の 樹脂組成物を発泡成形させた層を絶縁層と て備え」とは、内部導体上に被覆形成され 絶縁層である。一般的な同軸ケーブルでは その絶縁層上に電磁シールド等のための外 導体を被覆形成し、さらにその上にシース 被覆形成する。

 内部導体とは、導電性を有するものであ ば特に限定されないが、例えば銅又は銅合 等の導電性金属が挙げられる。なお、内部 体は複数本の導電性金属素線を撚り合わせ 撚り線を用いてもよい。

 外部導体は、例えば複数本の導体素線が 目状に編まれてなる導体編祖として構成さ る。外部導体に用いられる導体素線として 、例えば銅線や銅合金が用いられる。なお 編祖として構成する以外には、テープ状の 体を螺旋巻き、二重巻き等する方法が挙げ れる。

 本発明における樹脂組成物の発泡成形の 法は、所望の発泡度を実現できるものであ ば特に限定されない。好ましい発泡成形の 法としてはガス発泡を挙げることができる

 ガス発泡とは、発泡剤を溶融押出機内で 入し、絶縁材料を導体に被覆して押出と同 に発泡させる方法をいう。発泡剤としては 窒素、アルゴン、炭酸ガス等の不活性ガス; メタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキ サン、フルオロカーボン等の気体を挙げるこ とができる。さらに、発泡助剤を併用しても よい。例えば尿素、尿素系化合物、亜鉛華、 ステアリン酸亜鉛等の発泡助剤を挙げること ができる。発泡剤、発泡助剤はこれらに限定 されるものではない。また、これらの発泡剤 等は単独で使用しても2種類以上の組み合わ で使用してもよい。

 発泡剤は予め被発泡有機高分子と混合し おいてもよく、あるいは押出機のバレルに けた発泡剤供給口から押出機内に供給して よい。

 発泡度は80%~90%であることが好ましい。発 泡度が80%未満であると、絶縁層の誘電率、誘 電正接が高くなり高周波同軸ケーブルとして の特性が不十分となる場合がある。発泡度が 90%を超えると絶縁層の十分な機械的強度が維 持できない可能性がある。

 <同軸ケーブルの製造方法>
 本発明の同軸ケーブルを製造する方法は特 限定されず一般的な方法を用いることがで る。例えば、押出機による同軸ケーブルの 造が挙げられる。なお、押出機の種類は例 ば、二軸押出機、単軸押出機、あるいはこ らを連結してガス注入と被覆の機能を付与 せることも可能である。

 同軸ケーブルの製造は、例えば、押出機 て発泡剤を使用して、内部導体上に押出発 成形し、内部導体の外周に発泡絶縁層を被 形成する。発泡絶縁層を内部導体に被覆す 際にクロスヘッドダイ等の被覆装置を通常 いている。内部導体の被覆装置への導入は 気中でも同軸ケーブルの特性を損なわない 通常は製造することができる。減衰量が非 に低い同軸ケーブルの製造の場合に、内部 体導入部を窒素等の不活性ガスを充満する の被覆装置の工夫をすると空気による樹脂 分の酸化抑制が出来て、特性安定化の目的 好ましい場合がある。その発泡絶縁層上に らに外部導体を通常の方法で被覆成形し、 後に外部導体上にシースを通常の方法で被 成形する。

 以下、実施例及び比較例を示し、本発明 具体的に説明するが、本発明はこれらの実 例に限定されるものではない。

 <各種材料>
 [環状オレフィン樹脂]
 ・TOPAS ADVANCED POLYMER社製、商品名:TOPAS8007F-0 4、TOPAS6013S-04、TOPAS6015S-04
 ・日本ゼオン社製、商品名:ZEONOR 1060R

 上記環状オレフィン樹脂の弾性率、比重 誘電率、誘電正接を測定した。弾性率はISO1 78に即して測定した。誘電特性(誘電率、誘電 正接)はAgilent社製ネットワークアナライザー8 757D及び関東電子株式会社製空洞共振器複素 電率測定装置を用い、1GHz、3GHz、10GHzにおけ 比誘電率を空洞共振器摂動法により23℃で 定した。なお、測定の際に、絶縁層を所定 形状(φ2.5mm、長さ80mm)にして、空洞共振器に 入した。各々の測定結果を表1に示す。

 表1から、上記環状オレフィンは、弾性率が 2.0GPa以上3.5GPa以下の範囲にあるので、十分な 耐側圧性と適度な可撓性を備えることを確認 した。また、誘電率2.3以下、誘電正接が4×10 -4 以下であることから、発泡成形後の絶縁層の 比誘電率が、材料部分の比誘電率のために高 い値になることを防ぐことができる。

 [ポリエチレン]
 高密度ポリエチレン; 東ソー株式会社製、 品名:ニポロンハード4010 MFR5.5g/10min(JIS K6922 -1)
 低密度ポリエチレン; 住友化学株式会社製 商品名:スミカセン G401、MFR 4.0g/10min(JIS K69 22-1)
 直鎖状低密度ポリエチレン; 住友化学株式 社製、商品名:スミカセン L GA401 MFR 3.0g/10 min(JIS K6922-1)

 <測定・評価方法>
 下記表2に示す樹脂配合で、発泡度、圧縮強 度、水分透過率、比誘電率、減衰量を測定し た。

 [発泡度の測定]
 発泡度は下記で説明する同軸ケーブルの製 段階で、比重法で測定した。発泡前の樹脂 度と、発泡体の密度を測定し上記式(1)を用 て測定した。

 [圧縮強度]
 表2に示した樹脂組成物をブレンドし、シリ ンダーCの温度を200℃、ダイスDの温度195℃に 定した押出装置(図1)を用いて窒素ガスで発 させたシートを押出成形した。ブレンドし 組成物はホッパーAより投入し、シリンダー 中央部のミキシング部Bより窒素ガスを注入 た。シート厚みは5mmとなるように成形した

 得られた5mmの厚みのシートを30mm×100mmに 断し、厚み方向に荷重をかけて圧縮強度を 定した。測定にはオリエンテック製テンシ ン UTA-50KNを用い、試験速度1mm/minで行った。

 [水分透過量の測定]
 ISO 10156-1(差圧法)に即して、測定器にLabthink 社製 VAC-V2 差圧法気体浸透装置を用いて測 した。

 [同軸ケーブルの製造方法]
 図2に示す同軸ケーブル製造装置を用いて、 内部導体(銅線)への発泡絶縁層を形成した。 初に、導体加熱機6側のクロスヘッドダイ7 内部導体挿入口を閉じて、表2に示す樹脂配 で第一押出機のホッパー3に樹脂を投入し、 樹脂を溶融混練しながら発泡剤圧入口4から 素ガスを圧入して、その混合物を第二押出 2に注入した。第二押出機2でさらに溶融混練 した混合物はクロスヘッドダイ7に注入され 冷却装置8、引取り機9を通して内部導体を含 まない発泡絶縁体を得た。その発泡絶縁体の 密度測定を行い、所定の発泡度になるように 窒素ガスの圧力を調整して、発泡絶縁体の発 泡条件を決定した。なお、第一押出機1及び 二押出機2の設定温度はTOPAS8007F-04とZEONOR 1060 Rを含む樹脂配合の場合と比較例の場合は200 に、TOPAS6013S-04を含む樹脂配合の場合は215℃ 、TOPAS6015S-04を含む樹脂配合の場合は230℃に それぞれ設定した。発泡度の調整は高密度ポ リエチレン単体を用いた比較例1を除いて、80 %~90%の発泡度を設定できたが、比較例1の場合 は発泡度が上がらず発泡度を40%にした。ここ で得られた内部導体を含まない発泡絶縁体は 比誘電率測定に用いた。

 次に導体加熱機6側のクロスヘッドダイ7 内部導体挿入口を開いて、1.4mm径の内部導体 11(銅線)を導体送出機5から出して、導体加熱 6、クロスヘッドダイ7、冷却装置8、引取り 9へと順に設置した。先に決定した発泡絶縁 体の押出条件と同じ条件で押出した混合物を クロスヘッドダイ7で内部導体11に被覆して、 冷却装置8、引取り機9へと順に移送して、内 導体11に発泡絶縁層が被覆した電線12の外径 が4.8mmになるように引取り速度を調整した。 整後、巻取り機にこの電線12を巻き取った その後、外部導体として銅コルゲートで電 11を覆い、さらに、ポリエチレンのシースで 覆って同軸ケーブルを得た。得られた同軸ケ ーブルの減衰量を測定した。なお、導線12の 部導体11を取り除いて発泡絶縁層の密度を 定したところ、内部導体に被覆させずに同 押出条件で作製した発泡絶縁体と同じ密度 あること確認した。

 表2から、実施例1~14は、発泡度が80%~90%の範 にあり、圧縮強度が800(kPa)以上、水分透過 が0.55(g/m 2 ・day・atm)以下、比誘電率が1.20以下、減衰量 24(dB/100mm)であることを確認した。従って、 施例1~14の同軸ケーブルは高周波用に好適な 同軸ケーブルである。これに対し、環状オレ フィンを含まない比較例1は発泡度が低いた に比誘電率が高くなり、その結果、減衰量 大きくなる。さらに、水分透過量も高いた 、高周波用に適していないことを確認した 比較例1と同様に環状オレフィンを含まない 較例2、3は、発泡度は80%であるため、比誘 率は低くなったが、圧縮強度が小さくなり 周波用同軸ケーブルとして好適に用いるこ はできない。