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Title:
COLD-WORK DIE STEEL AND DIES FOR COLD PRESSING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088027
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a cold-work die steel useful as material for dies for cold pressing which is excellent in basic characteristics such as hardness, toughness and dimensional change by heat treatment and which is also unproblematic with respect to roughness on machined surface and machine life; and dies made of the steel for cold pressing. A cold-work die steel which contains by mass C: 0.5 to 0.7%, Cr: 5.0 to 7.0%, Si: 0.5 to 2.0%, Mn: 0.1 to 2.0%, Al: 0.001 to 0.010%, Cu: 0.25 to 1.00%, Ni: 0.25 to 1.00%, Mo+0.5xW: 0.5 to 3.0%, V: 0.5% or below; P: 0.05% or below, S: 0.1% or below, and O: 0.005% or below and satisfies the requirements: [C]x[Cr]<4, FP=[Si]/5+[Cr]/5+ 2x[Mo]+[W]+2x[V]+10x[Al]<5.0, and AP=[Mn]+3x([Cu]+[Ni])<2.5; and dies for cold pressing which are made by using the steel.

Inventors:
MURAKAMI SHOGO
TONOMURA TSUYOSHI
Application Number:
PCT/JP2009/050097
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 07, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KOBE STEEL LTD (JP)
NIPPON KOSHUHA STEEL CO LTD (JP)
MURAKAMI SHOGO
TONOMURA TSUYOSHI
International Classes:
C22C38/00; B21D37/01; C22C38/58; C21D9/00
Foreign References:
JP2005194563A2005-07-21
JPH11181549A1999-07-06
JPH10273756A1998-10-13
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei (7-13 Nishi-Shimbashi 1-chome,Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 C:0.5~0.7質量%;
 Cr:5.0~7.0質量%;
 Si:0.5~2.0質量%;
 Mn:0.1~2.0質量%;
 Al:0.001~0.010質量%;
 Cu:0.25~1.00質量%;
 Ni:0.25~1.00質量%;
 N:0.003~0.025質量%;
 P:0より大きく0.05質量%以下;
 S:0より大きく0.1質量%以下;
 O:0より大きく0.005質量%以下;及び
 Mo及びWのうち少なくとも一つを含有し、
 残部が鉄及び不可避的不純物を含み、
 且つ、0.5≦[Mo]+0.5×[W]≦3.0;及び
 [C]×[Cr]≦4という要件を満足し、
 更に、FP(フェライト生成元素からなるパラメータ)が、[Si]/5+[Cr]/5+2×[Mo]+[W]+2×[V]+10×[Al]≦5.0という要件を満足し、
 AP(オーステナイト生成元素からなるパラメータ)が、[Mn]+3×([Cu]+[Ni])≦2.5という要件を満足することを特徴とする冷間金型用鋼。
 但し、上式で[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示す。
 更に、V:0より大きく0.5質量%以下を含有する請求項1記載の冷間金型用鋼。
 更に、Ti、Zr、Hf、Ta、Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素を、合計で0より大きく0.5質量%以下含有する請求項1または2記載の冷間金型用鋼。
 更に、Coを0より大きく10質量%以下含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の冷間金型用鋼。
 請求項1乃至4のいずれかに記載の冷間金型用鋼を加工し、表面処理を施すことによって製造される冷間プレス用金型。
Description:
冷間金型用鋼および冷間プレス 金型

 本発明は、自動車用鋼板や家電用鋼板な を、冷間等でプレス成形(打ち抜き、曲げ、 絞り、トリミングなど)する際に用いられる 間プレス用金型の素材として有用な冷間金 用鋼と、その冷間プレス用金型に関するも である。

 自動車用鋼板や家電用鋼板などのプレス 形に用いられる冷間プレス用金型は、鋼板 高強度化に伴い、その寿命の改善が求めら ている。特に自動車用鋼板では、環境問題 考慮され、自動車の燃費を向上するために 引っ張り強度が590MPa以上のハイテン鋼板が 用されることが多くなってきており、今後 の需要が益々高くなることが予想されてい 。

 そのハイテン鋼板をプレス成形するにあ り、表面処理を施された冷間プレス用金型 表面皮膜が、早期に損傷することで、型カ リやカジリと呼ばれるプレス成形時に焼き く現象が発生し、冷間プレス用金型の金型 命が極端に短くなるといった問題の発生が 加している。

 冷間プレス用金型は、母材となる冷間金 用鋼の表面に硬質皮膜処理を施すことで製 される。母材となる冷間金型用鋼は、一般 、焼鈍、切削加工及び焼入焼戻処理という 程をこの順に経て製造される。

 冷間金型用鋼として、従来から、JIS SKD11 などの高C高Crの合金工具鋼や、更に耐摩耗性 が改善されたJIS SKH51などの高速度工具鋼が 用されている。これらの工具鋼では、Cr系炭 化物やMo、W、V系炭化物の析出硬化により硬 の向上を図っている。更には、JIS SKH51が含 するC、Mo、W、Vなどの合金元素を低減する とで、靭性、耐摩耗性の両方を向上させた トリックスハイスと呼ばれる低合金高速度 具鋼も、冷間金型用鋼に使用されている。 た、これら冷間金型用鋼の更なる特性の改 を図ったものとして特許文献1に記載の技術 、特許文献2に記載の技術も提案されている 。

 特許文献1には、被削性や耐摩耗性といっ た必要特性を阻害せずに、優れた変寸抑制特 性と高硬度特性、耐カジリ性を得ることを目 的として、適正量のNiやAlを添加し、それに じた適正量のCuを添加すると共に、更にC及 Crの含有量を調整して組織中の炭化物分布を 微細に分散した冷間ダイス鋼が開示されてい る。

 また、特許文献2には、従来のマトリックス ハイスより焼き入れ温度を低くしても、熱処 理後の硬さ、靭性などの特性が従来のマトリ ックスハイスと同程度の特性が得られること を目的として、焼き戻し状態でM 23 C 6 型炭化物が2~5vol%生成する組織を有し、かつMC 型炭化物及びM 6 C型炭化物の少なくともいずれかが分散析出 た焼入れ焼戻し組織を有する合金工具鋼が 示されている。

特開2006-169624号公報

特開2004-169177号公報

 冷間プレス用金型は、母材となる冷間金 用鋼の表面に硬質皮膜処理を施すことで製 される。この硬質皮膜処理としては、熱拡 によってVCでなる皮膜を形成するTD処理、主 にTiCでなる皮膜を形成するCVD処理、主にTiNで なる皮膜を形成するPVD処理等がある。これら の硬質皮膜処理は、金型ユーザーやプレスメ ーカーの事情に応じて適宜採用されている。 そのため、何れの硬質皮膜処理にも対応する ことができる冷間金型用鋼が開発されること が求められている。また、当然のことではあ るが、冷間プレス用金型には、硬さや靭性、 熱処理変寸といった基本特性を確保すること も求められている。

 更には、冷間プレス用金型には、切削加工 のむしれ発生といった問題もある。むしれ 発生すると切削仕上げ面粗さが大きくなる め、熱処理後のラッピング作業が困難とな 、更には金型寿命の低減を招く。また、切 工具寿命も短くなり、製造コストが増大す 。これらの問題を解消するためには、問題 発生原因であるAl系介在物(Al 2 O 3 、AlN)の析出を抑制する必要があるが、Al系介 在物を析出する元素であるAlの含有量を低減 ると、逆に、硬さ低下、靭性低下、熱処理 寸量の増大といった基本特性に悪影響を及 すおそれがある。よって、これらの基本特 を確保した上で、切削仕上げ面粗さや切削 具寿命といった面でも問題がない冷間プレ 用金型が開発されることが待ち望まれてい 。

 本発明は、これら従来の問題を解決せん してなされたもので、硬さ、靭性、熱処理 寸といった求められる基本特性を備えた上 、様々な硬質皮膜処理にも対応することが き、更には、切削仕上げ面粗さや切削工具 命といった面でも問題のない冷間プレス用 型の素材として有用な冷間金型用鋼と、そ 冷間プレス用金型を提供することを課題と るものである。

 本発明の要旨を以下に示す。
[1] C:0.5~0.7質量%;
 Cr:5.0~7.0質量%;
 Si:0.5~2.0質量%;
 Mn:0.1~2.0質量%;
 Al:0.001~0.010質量%;
 Cu:0.25~1.00質量%;
 Ni:0.25~1.00質量%;
 N:0.003~0.025質量%;
 P:0より大きく0.05質量%以下;
 S:0より大きく0.1質量%以下;
 O:0より大きく0.005質量%以下;及び
 Mo及びWのうち少なくとも一つを含有し、
 残部が鉄及び不可避的不純物を含み、
 且つ、0.5≦[Mo]+0.5×[W]≦3.0;及び
 [C]×[Cr]≦4という要件を満足し、
 更に、FP(フェライト生成元素からなるパラ ータ)が、[Si]/5+[Cr]/5+2×[Mo]+[W]+2×[V]+10×[Al]≦5 .0という要件を満足し、
 AP(オーステナイト生成元素からなるパラメ タ)が、[Mn]+3×([Cu]+[Ni])≦2.5という要件を満 することを特徴とする冷間金型用鋼。
 但し、上式で[ ]は、各元素の含有量(質量%) を示す。
[2] 更に、V:0より大きく0.5質量%以下を含有す る[1]記載の冷間金型用鋼。
[3] 更に、Ti、Zr、Hf、Ta、Nbからなる群から選 択される少なくとも1種の元素を、合計で0よ 大きく0.5質量%以下含有する[1]または[2]記載 の冷間金型用鋼。
[4] 更に、Coを0より大きく10質量%以下含有す [1]乃至[3]のいずれかに記載の冷間金型用鋼
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載の冷間金型用 を加工し、表面処理を施すことによって製 される冷間プレス用金型。

 本発明の冷間金型用鋼を冷間プレス用金 の素材に用いることで、硬さ、靭性、熱処 変寸といった求められる基本特性を備えた に、様々な硬質皮膜処理にも対応すること でき、更には、切削仕上げ面粗さや切削工 寿命といった面でも問題のない冷間プレス 金型を得ることができる。また、その冷間 型用鋼を用いて得られる冷間プレス用金型 、特に、引っ張り強度が590MPa以上のハイテ 鋼板の成形用として好適に用いることがで る。

Cr系炭化物によるTiN皮膜の損傷のメカ ズムを示すもので、(a)は元の冷間プレス用 型を示す縦断面図、(b)は冷間プレス用金型 TiN皮膜にクラックが発生した状態を示す縦 面図、(c)はそのクラックが起点となってTiN 膜に剥離が発生した状態を示す縦断面図で る。 実施例のシャルピー衝撃値の測定で用 たシャルピー衝撃試験片を示す説明図であ 。 実施例最大熱処理変寸量の測定で用い 試験体に、熱処理を施す際の熱処理条件を す説明図である。

符号の説明

1…冷間金型用鋼
2…TiN皮膜
3…Cr系炭化物
4…クラック

 以下、本発明を実施形態に基づいて更に 細に説明する。

 本発明者は、まず、従来のJIS SKD11やマト リックスハイスを素材に用いた冷間プレス用 金型において、PVD処理によって形成されたTiN 皮膜が損傷して、カジリが発生する原因を鋭 意探求した。

 探求の結果、TiN皮膜にカジリが発生する 因は、母材となる冷間金型用鋼に生成され 粗大なCr系炭化物であり、そのCr系炭化物が 起点となって、カジリが発生することを見出 した。そのCr系炭化物によるTiN皮膜の損傷の カニズムは、図1に示す通りである。

 まず、図1(a)に示すように、母材となる冷 間金型用鋼1の表面に硬質皮膜処理を施すこ で、表面にTiN皮膜2を形成した冷間プレス用 型を準備する。この冷間金型用鋼1が、JIS S KD11やマトリックスハイスを素材として形成 れている場合、母材である冷間金型用鋼1の 面には粗大なCr系炭化物3が析出している。 の冷間プレス用金型を用いてプレス成形す 際に、図1(b)に示すように、被成形物が矢印 方向に摺動すると、TiN皮膜2にはクラック4が 生する。このクラック4が発生する部位は、 TiN皮膜2の下方の母材にCr系炭化物3が析出し いる部位である。更に、被成形物を摺動す と、図1(c)に示すように、そのクラック4が起 点となって、TiN皮膜2に剥離が生じ、カジリ 発生する。

 以上説明したように、TiN皮膜のカジリ発 の原因はCr系炭化物である。本発明者は、 のCr系炭化物の生成を抑制することで、TiN皮 膜の剥離を防止でき、金型寿命が極端に短く なるといった問題を発生することを抑制でき ることを見出した。

 母材となる冷間金型用鋼の表面に析出す 粗大なCr系炭化物3の生成を抑制して、PVD処 によって形成したTiN皮膜の寿命を長くする めには、鋼中のCの含有量とCrの含有量を低 させれば良い。しかし、Cの含有量を低減さ せ過ぎると、冷間金型用鋼の表面に、TD処理 よるVC皮膜や、CVD処理によるTiC皮膜を形成 ることが難しくなる。そこで、本発明では Cの含有量を0.5~0.7質量%、Crの含有量を5.0~7.0 量%とした上で、それらの含有量の積を規定 ることによって、冷間金型用鋼の表面に粗 なCr系炭化物3を析出させず、且つ一方で、 要とする十分な厚みのVC皮膜やTiC皮膜を形 することを可能とした。

 また、本発明では、Si、Cr、Mo、W、V、Alと いったフェライト生成元素からなるパラメー タと、Mn、Cu、Niといったオーステナイト生成 元素からなるパラメータも規定した。

 Si、Cr、Mo、W、V、Alといったフェライト生 成元素の合計含有量が多過ぎた場合、冷間金 型用鋼の硬さと靭性のバランスが崩れると共 に、切削加工仕上げ面精度も悪化する。そこ で、本発明では、フェライト生成元素により 規定されるパラメータ(FP)を数式化し、その を満足するようにフェライト生成元素の合 含有量を規定することで、冷間金型用鋼の さと靭性のバランスを良好にする共に、切 加工仕上げ面精度も向上させた。

 また、Mn、Cu、Niといったオーステナイト 成元素の合計含有量が多過ぎた場合、残留 ーステナイトが多くなることにより熱処理 寸量のばらつきが増大すると共に、切削時 工具寿命が短くなる。そこで、本発明では オーステナイト生成元素により規定される ラメータ(AP)を数式化し、その式を満足する ようにオーステナイト生成元素の合計含有量 を規定することで、鋼中の残留オーステナイ トを少なくして熱処理変寸量のばらつきを減 少させると共に、切削時の工具寿命を長くし た。

 以下、本発明の冷間金型用鋼中の化学成 の含有量の範囲限定理由について、元素毎 詳細に説明する。尚、本明細書中に記載す %は全て質量%を示す。

 C:0.5~0.7%
 Cは、硬さ及び耐摩耗性を確保し、HAZ軟化の 抑制にも寄与する元素である。また、金型母 材の表面に、TD処理によるVC皮膜や、CVD処理 よるTiC皮膜といった炭化物皮膜を形成する 合、Cの含有量が少ないと皮膜の厚さが薄く るなどの問題もある。これらを勘案し、上 作用を有効に発揮させるためにCの含有量の 下限を0.5%とした。また、その下限は0.55%であ ることが好ましい。但し、その含有量が過剰 であると、粗大なCr系炭化物が生成して、PVD 理で形成されるTiN皮膜が剥離し易くなる。 た、Cの含有量が過剰であると、残留オース テナイトが増加し、高温で焼戻処理を行わな いと所望の硬さが得られないほか、焼戻処理 後に膨張するなどして変寸が大きくなる。更 に、Cの含有量が過剰であると靭性にも悪影 を及ぼす。よって、Cの含有量の上限を0.7%と した。また、その上限は0.65%であることが好 しい。

 Cr:5.0~7.0%
 Crは、所定の硬さを確保するために有用な 素である。詳しくは、Crの含有量が少な過ぎ ると、焼入性が不足してベイナイトが一部生 成するため、硬さが低下し、耐摩耗性を確保 することができない。更に、Crは金型の耐食 を確保するためにも有用な元素である。そ でCrの含有量の下限を5.0%とした。また、そ 下限は5.5%であることが好ましい。但し、そ の含有量が過剰であると、粗大なCr系炭化物 多量に生成して、PVD処理で形成されるTiN皮 が剥離し易くなる。また、Crの含有量が過 であると、熱処理後の収縮によって硬質皮 の耐久性が低下する。更に、Crの含有量が過 剰であると靭性にも悪影響を及ぼす。そこで Crの含有量の上限を7.0%とした。また、その上 限は6.5%であることが好ましい。

 Si:0.5~2.0%
 Siは、製鋼時の脱酸元素として有用であり 硬さの向上と被削性確保に寄与する元素で る。また、Siはマトリックスのマルテンサイ トの焼戻し軟化を抑え、HAZ軟化の抑制に有用 である。このような作用を有効に発揮するた め、Siの含有量の下限を0.5%とした。その含有 量は、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1. 2%以上である。但し、その含有量が過剰であ と靭性が低下する。また、偏析が大きくな 、熱処理後の変寸が大きくなる。よってSi 含有量の上限を2.0%とした。その含有量は、 ましくは1.85%以下である。

 Mn:0.1~2.0%
 Mnは、焼入性確保に有用な元素である。し し、その含有量が過剰であると、残留オー テナイトが増加するため、高温で焼戻処理 行わないと所望の硬さが得られなくなるほ 、靭性も低下する。これらを勘案して、Mnの 含有量を0.1~2.0%の範囲に定めた。Mnの含有量 下限は、好ましくは0.15%であり、その上限は 、好ましくは1.0%、より好ましくは0.5%、更に ましくは0.35%である。

 Al:0.001~0.010%
 Alは、脱酸剤として有用な元素である。し し、含有量が0.001%未満であると、その効果 十分に得ることはできない。従って、Alの含 有量の下限を0.001%とした。その下限は好まし くは0.002%である。一方、Al 2 O 3 や粗大なAlNといったAl系介在物は、切削中に しれの原因となり、切削仕上げ面精度を低 させるため、Alの含有量の上限を0.010%とし 。その上限は、好ましくは0.008%である。

 Cu:0.25~1.00%
 Cuは、ε-Cuの析出強化による硬さ向上を図る ために必要な元素であり、HAZ軟化の抑制にも 寄与する。但し、その含有量が過剰であると 、靭性が低下し、また、鍛造割れが発生し易 くなる。そこでCuの含有量の上限を1.00%とし 。また、その上限は0.80%であることが好まし い。また、Cuの含有量の下限は0.25%である。 た、その下限は0.30%であることが好ましい。

 Ni:0.25~1.00%
 Niは、Ni 3 AlなどのAl-Ni系金属間化合物の析出強化によ 硬さ向上を図るために必要な元素であり、HA Z軟化の抑制にも寄与する。また、NiはCuと併 することにより、Cuの過剰添加による熱間 性を抑制し、鍛造時の割れを防止すること できる。但し、その含有量が過剰であると 残留オーステナイトが増加して高温で焼戻 理をしないと所定の硬さを確保できないほ 、熱処理後に膨張してしまう。また、Niの含 有量が過剰であると、靭性も低下する。これ らを勘案して、Niの含有量を0.25~1.00%の範囲に 定めた。Niの含有量の下限は、好ましくは0.30 %であり、その上限は、好ましくは0.80%である 。

 N:0.003~0.025%
 Nは、Alと共にAlN析出物を形成して、焼入時 結晶粒粗大化を防止して、優れた靭性を達 するために重要な元素である。優れた靭性 達成するためにNの含有量の下限を0.003%とし た。その下限は0.004%であることが好ましい。 また、Nの含有量の上限を0.025%とした。その 限は0.017%であることが好ましい。

 Mo+0.5W:0.5~3.0%
 MoとWは、何れもM 3 C型炭化物、M 6 C型炭化物を形成するほか、Ni 3 Mo系金属間化合物などを形成し、析出強化に 与する元素である。但し、これらの含有量 過剰であると、前記の炭化物などが過剰に 成し、靭性の低下を招くほか、熱処理後の 寸が大きくなる。そこで、Mo+0.5×Wの式に当 はめた場合のMoとWの合計含有量を0.5~3.0%の 囲に定めた。Mo単独の含有量も、0.5~3.0%の範 が好ましい。また、W単独の含有量は、2.0% 下(0%を含む)であることが好ましい。即ち、M oが必須元素、Wが選択元素である。但し、W単 独の含有量の下限は、0.02%であることがより ましい。また、Mo単独の含有量の下限は0.7% 上限は2.5%であることが更に好ましい。W単 の含有量の下限は0.05%、上限は1.5%であるこ が更に好ましい。

 P:0より大きく0.05%以下
 Pは、溶解原料中に不可避的に存在する元素 であり、靭性を阻害する元素である。そのた め、Pの含有量の上限を0.05%とした。その上限 は、好ましくは0.02%である。なお、Pの含有量 は少ないほど好ましいが、不可避的に含まれ ているため、実質的にその下限は0.005%程度と なる。

 S:0より大きく0.1%以下
 Sは、被削性確保に有用な元素である。被削 性確保の観点からはSを、好ましくは0.002%以 、より好ましくは0.004%以上の含有量とする とが推奨される。しかし、その含有量が過 であると溶接割れが発生する。そこでSの含 量の上限を0.1%とした。Sの含有量の上限は 好ましくは0.07%、より好ましくは0.05%、更に ましくは0.025%である。

 O:0より大きく0.005%以下
 Oは、溶鋼中に含まれる元素で、不可避的に 鋼中に含まれる。Oの含有量が高いと、Si、Al どと反応し、酸化物系の介在物を形成する そのため、Oの含有量の上限を0.005%とした。 その上限は、好ましくは0.003%、より好ましく は0.002%である。なお、Oの含有量は少ないほ 好ましいが、不可避的に含まれてくるため 実質的にその下限は0.0005%程度である。

 更に、本発明は、先に説明した各数式を 足することを必須要件としている。尚、各 式に示す[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示 す。

 [C]×[Cr]≦4
 上記数式は、粗大なCr系炭化物の生成抑制 目的として設定した数式である。Cの含有量 Crの含有量の積が4を超えると、硬質皮膜の 久性が低下するほか、熱処理後の変寸が大 くなる。尚、粗大なCr系炭化物の生成抑制 、熱処理後の変寸抑制の観点からは、Cの含 量とCrの含有量の積は出来るだけ小さいこ が好ましいが、CやCrの添加による上記作用 有効に発揮させることなども勘案すると、 の積の下限は、概ね0.8であることが好まし 。

 FP=[Si]/5+[Cr]/5+2×[Mo]+[W]+2×[V]+10×[Al]≦5.0
 上記数式は、Si、Cr、Mo、W、V、Alといったフ ェライト生成元素の合計含有量をパラメータ 化し規定した数式である。このパラメータ(FP )が、5.0より大きくなると、冷間金型用鋼の さと靭性のバランスが崩れると共に、切削 工仕上げ面精度も悪化する。このパラメー (FP)は、4.8以下であることがより好ましい。S i、Crなど本発明にかかる冷間金型用鋼に必須 で含有される元素の下限値から定まるFP値2.11 が実質的な本パラメータ(FP)の下限値である

 AP=[Mn]+3×([Cu]+[Ni])≦2.5
 上記数式は、Mn、Cu、Niといったオーステナ ト生成元素の合計含有量をパラメータ化し 定した数式である。このパラメータ(AP)が、 2.5より大きくなると、残留オーステナイトが 多くなり、熱処理変寸量のばらつきが増大す ると共に、切削時の工具寿命が短くなる。こ のパラメータ(AP)は、2.3以下であることがよ 好ましい。Mn、Cu、Niの下限値から定まるAP値 1.6が実質的に本パラメータ(AP)の下限値であ 。

 本発明の冷間金型用鋼中の基本成分に関 る要件は以上の通りである。残部は鉄及び 可避的不純物を含む。不純物としては、例 ば、Sn、Pbなどが挙げられる。また、本発明 では、他の特性改善を目的として、更に以下 の選択成分を含有させても良い。

 V:0~0.5%
 Vは、VCなどの炭化物を形成して硬さ向上に 与するほか、HAZ軟化の抑制に有効な元素で る。また、母材表面に、ガス窒化、塩溶窒 、プラズマ窒化などの窒化処理を施して拡 硬化層を形成する場合に、表面硬さの向上 硬化層深さの上昇に有効な元素である。こ ような作用を有効に発揮させるためには、V の含有量は、概ね0.05%以上添加することが好 しい。但し、その含有量が過剰であると、 溶C量が低下し、母相であるマルテンサイト 組織の硬さ低下を招くほか、靭性が低下する 。そこでVの含有量の上限を0.5%とした。Vの含 有量の上限は、好ましくは0.4%、より好まし は0.3%である。

 Ti、Zr、Hf、Ta、Nbからなる群から選択される 少なくとも1種の元素:合計0.5%以下
 これらの元素は、何れも窒化物形成元素で り、これら元素の窒化物及びAlNの微細分散 に寄与し、その結果、結晶粒の粗大化を防 して靭性の向上に寄与する元素である。以 のような作用を有効に発揮させるため、概 、Tiを0.01%以上、Zrを0.02%以上、Hfを0.04%以上 Taを0.04%以上、Nbを0.02%以上、含有させるこ が好ましい。但し、これらの合計含有量が 剰であると、固溶C量が低下してマルテンサ トの硬さ低下を招く。そこでこれらの元素 合計含有量を0.5%以下とした。これらの元素 の合計含有量は、好ましくは0.4%以下、更に ましくは0.3%以下である。尚、これらの元素 、単独で含有させても良く、2種以上を併せ て含有させても良い。

 Co:10%以下
 Coは、Ms点を高め、残留オーステナイトの低 減化に有効な元素であり、これにより硬さを 向上させることができる。この作用を有効に 発揮させるため、Coの含有量を、概ね、1%以 とすることが好ましい。但し、その含有量 過剰であると、コストなどの上昇を招くた 、上限を10%とした。Coの含有量の上限は、好 ましくは5.5%である。ここで、Ms点とは、変態 温度(相変化の起こる温度で、変態が温度範 にわたって起こるときは、変態が開始する 度、又は終了する温度)の一つであり、冷却 間にオーステナイトがマルテンサイトに変 し始める温度のことを意味する。

 以上記載した要件を満足した冷間金型用 を用いて、冷間プレス用金型が製造される この冷間プレス用金型の製造方法の一例を 明すると、例えば、本発明の冷間金型用鋼 溶製後、熱間鍛造してから、焼鈍(例えば、 約700℃で7時間保持した後、約17℃/hrの平均冷 却速度で約400℃まで炉冷した後、放冷)を行 て軟化した後、切削加工などによって所定 形状に粗加工を行ってから、950~1150℃の温度 で焼入処理し、更に400~530℃で焼戻処理を行 て所望の硬さを付与することで、冷間プレ 用金型を製造する。

 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的 説明するが、本発明はこれらの例によって 定されるものではない。
 本実施例では、表1に記載した計26種の成分 成の鋼種(No.1は、冷間金型用鋼として従来 ら用いられているJIS SKD11)を用い、真空誘導 溶解炉で150kgのインゴットを溶製した後、900~ 1150℃に加熱し、40mmT×75mmW×約2000mmLの板を鍛 し、その後、約60℃/hrの平均冷却速度で徐冷 を行った。100℃以下の温度まで冷却した後、 再び、約850℃の温度まで加熱し、約50℃/hrの 均冷却速度で徐冷を行った(焼鈍)。以上の うにして得られた焼鈍材を用いて、以下の 々の試験を行った。

 (1)最大硬さの測定
 前記した焼鈍材から、20mmT×20mmW×15mmLサイズ の試験片を切り出して硬さ測定用試験片とし 、この試験片に、熱処理、具体的には、焼入 処理(1030℃で120分間加熱)、空冷、焼戻処理(45 0~520℃で180分間保持)及び放冷をこの順に行う 処理を施した。焼戻温度を450~520℃範囲内で 化させたときの硬さをビッカーズ硬度計(AKAS HI社製の規格AVK、荷重5kg)で測定し、その最大 硬さを調べた。本試験では、測定で得られた 最大硬さが650HV以上のものを合格とした。そ 試験結果を表2に示す。

 (2)シャルピー衝撃値の測定(靭性の測定)
 上記した焼鈍材に対し、熱処理、具体的に 、焼入処理(1030℃で120分間加熱)、空冷、焼 処理(450~520℃で180分間保持)及び空冷または 冷をこの順に行う処理を施した。次に、図2 に示すような、10mmRのRノッチ部を有する試験 片を切り出して靭性測定用試験片(シャルピ 衝撃試験片)とした。この試験片を用いてシ ルピー衝撃試験を実施し、室温での吸収エ ルギー(シャルピー衝撃値)を測定した。シ ルピー衝撃試験片は各の鋼種毎に3本ずつ採 し、これらの平均値をシャルピー衝撃値と た。本試験では、測定で得られたシャルピ 衝撃値が20J以上のものを合格とした。その 験結果を表2に示す。

 (3)切削仕上げ面粗さの調査
 前記した焼鈍材を試験体とし、ボールエン ミルで仕上げ加工を行い、切削仕上げ面粗 を調べた。試験条件は以下の通りである。
  機械:MORI(BT40、5.5kw)
  工具:三菱 SRFH30S32M φ30
  チップ:三菱 SRFT30 VP10MF φ30
  突出長:118mm
  切削方向:ダウンカット
  切削速度:250mm/min
  送り速度:0.31mm/rev
  切込み:Ad0.3mm、Rd0.7mm
  切削油:なし(エアブロー)
  加工距離:257.1m

 切削仕上げ面粗さRaは、試験体の10mmの長 範囲を5箇所調査して得られた値の平均値と した。本試験では、試験で得られた切削仕上 げ面粗さRaが0.40mm以下のものを合格とした。 の試験結果を表2に示す。

 (4)切削工具寿命の判定
 前記した焼鈍材を試験体とし、高送りカッ による粗加工を行い、切削工具の寿命を調 した。試験条件は以下の通りである。
  機械:OKK(BT50、7.5kw)
  工具:三菱 AJX148R503SA42S φ50
  チップ:JOMW140520ZDSR-FT VP15TF
  切削速度:10m/min
  送り量:1.0mm/rev
  切込み:Ad1mm、Rd35mm
  突出長:80mm
  切削油:なし(エアブロー)
  寿命判定:工具摩耗、チッピング

 切削工具寿命は、JIS SKD11を素材とした試 験体(No.1)を用いて粗加工を行ったときの切削 工具の寿命を「1」とした場合、各々の試験 を用いて粗加工を行ったときの切削工具の 命が、SKD11を素材とした試験体(No.1)を用いて 粗加工を行ったときの切削工具の寿命の何倍 になるかで判定した。この判定値が4.0以上に なるものを合格とした。その試験結果を表2 示す。

 (5)最大熱処理変寸量の測定
 前記した焼鈍材から、40mmT×75mmW×100mmLのブ ックを、焼鈍材毎に6個ずつ切り出して最大 処理変寸量測定用の試験体とし、この試験 に、図3に示すような条件で熱処理を施した 。最大熱処理変寸量は、6個の試験体の熱処 前後の寸法変化量から求めた。試験体毎に 交する3方向(x方向、y方向、z方向)の寸法変 量を夫々求め、得られた3方向×6個の絶対値 うち最大の数値を、最大熱処理変寸量とし 。本試験では、この最大熱処理変寸量が0.08 以下のものを合格とした。その試験結果を表 2に示す。

 表1及び表2に記載したように、各化学成 の含有量、Cの含有量とCrの含有量の積、フ ライト生成元素からなるパラメータ、オー テナイト生成元素からなるパラメータの全 が本発明の要件を満足する発明例であるNo.7~ 9、11、14~20は、最大硬さ、シャルピー衝撃値 切削仕上げ面粗さ、切削工具寿命、最大熱 理変寸量の全てが合格判定基準の範囲内と った。これに対し、本発明の要件を1つでも 満たさない比較例であるNo.1~6、10、12~13、21~26 は、合格判定基準を最低1つは外し、何らか 不具合を有している。

 No.1~6、10、12~13、21~26の比較例は、前記し 本発明の要件のうち、1つ或いは2つ以上の 件を外すことで、何らかの不具合を有して るが、前記に記載した要件毎に特徴のある のを比較例とした。以下、本発明に規定し 要件毎に該当する比較例を説明する。

 Cの含有量とCrの含有量が多過ぎる比較例 No.1とNo.2、逆にCの含有量とCrの含有量が少 過ぎる比較例がNo.3とNo.4である。これらの含 有量が多過ぎる比較例、少な過ぎる比較例と もに、シャルピー衝撃値(靭性)、切削仕上げ 粗さ、切削工具寿命、最大熱処理変寸量の て、或いは何れかで合格判定基準を外れた

 Siの含有量が多過ぎる比較例がNo.21、逆に 少な過ぎる比較例がNo.1である。特にその含 量が過剰であるNo.21では、靭性が大きく低下 し、シャルピー衝撃値で合格判定基準を外れ た。また、合格判定基準の範囲内ではあるが 、熱処理後の変寸が比較的大きくなった。

 Mnの含有量が多過ぎる比較例がNo.22である 。この比較例では、靭性が大きく低下し、シ ャルピー衝撃値で合格判定基準を外れた。更 に、切削工具寿命、最大熱処理変寸量でも合 格判定基準を外れている。

 Alの含有量が多過ぎる比較例がNo.10、逆に 少な過ぎる比較例がNo.6である。Al含有量が多 過ぎる比較例のNo.10では、ボールエンドミル 仕上げ加工をした際にむしれが発生し、切 仕上げ面精度が悪化した。また、少な過ぎ 比較例のNo.6では、シャルピー衝撃値で合格 判定基準を外れた。

 Cuの含有量が多過ぎる比較例がNo.23、逆に 少な過ぎる比較例がNo.5である。その含有量 過剰であるNo.23では、靭性が低下し、シャル ピー衝撃値で合格判定基準を外れた。更に、 切削工具寿命、最大熱処理変寸量でも合格判 定基準を外れている。一方、含有量が少な過 ぎる比較例のNo.5でも、シャルピー衝撃値、 大熱処理変寸量で合格判定基準を外れた。

 Niの含有量が多過ぎる比較例がNo.23、逆に 少な過ぎる比較例がNo.1である。その含有量 過剰であるNo.23では、シャルピー衝撃値、最 大熱処理変寸量で合格判定基準を外れた。ま た、切削工具寿命でも合格判定基準を外れて いる。

 Mo+0.5Wから求められる数値が小さ過ぎる比 較例がNo.24であり、その数値が本発明の範囲 ではあるが、境界値である最大の3.0%にあた る事例がNo.25である。No.24では、最大硬さと ャルピー衝撃値で合格判定基準を外れた。 た、No.25では、他の要件を外した影響はある が、シャルピー衝撃値が低下している。

 Vの含有量が多過ぎる比較例がNo.26である この比較例のNo.26では、Vの含有量が過剰で ったため、靭性が低下し、シャルピー衝撃 で合格判定基準を外れた。また、切削仕上 面粗さでも合格判定基準を外れた。

 Cの含有量とCrの含有量の積が多過ぎる比 例が、No.1とNo.2である。No.1とNo.2は、この影 響で、切削工具の寿命が著しく短くなったと 共に、熱処理後の変寸が大きくなった。

 Nの含有量が多過ぎる比較例がNo.27である その結果、靭性が低下し、シャルピー衝撃 で合格判定基準を外れた。

 フェライト生成元素からなるパラメータ 大き過ぎる比較例が、No.1~4とNo.25である。 の影響で、これらの比較例では、靭性のバ ンスが崩れたり、切削加工仕上げ面精度が 化したりしている。特にこの要件のみを外 たNo.25では、靭性が大きく低下し、シャルピ ー衝撃値で合格判定基準を外れた。

 オーステナイト生成元素からなるパラメ タが大き過ぎる比較例が、No.2~5、No.12、13、 22、23である。この影響で、これらの比較例 は、残留オーステナイトが多くなり、熱処 変寸量が増大すると共に、切削時の工具寿 が短くなっている。特にこの要件のみを外 たNo.12とNo.13では、切削工具寿命と最大熱処 変寸量のみで合格判定基準を外れている。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2008年1月10日出願の日本特許出願 (特願2008-003524)に基づくものであり、その内 はここに参照として取り込まれる。

 本発明の冷間金型用鋼を冷間プレス用金 の素材に用いることで、硬さ、靭性、熱処 変寸といった求められる基本特性を備えた に、様々な硬質皮膜処理にも対応すること でき、更には、切削仕上げ面粗さや切削工 寿命といった面でも問題のない冷間プレス 金型を得ることができる。また、その冷間 型用鋼を用いて得られる冷間プレス用金型 、特に、引っ張り強度が590MPa以上のハイテ 鋼板の成形用として好適に用いることがで る。