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Patent Searching and Data


Title:
COLORED WOVEN CLOTH
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/099830
Kind Code:
A1
Abstract:
A woven cloth such as denim cloth woven by jacquard in which more realistic decoloration pattern can be obtained and the process is simplified. A woven cloth (10) is woven by jacquard, all parts of a jean are cut out from the woven cloth and sewn as a jean. The parts (12-34) of a jean are distributed such that the outline is woven in a section with a predetermined length of the cloth, and the parts are cut out from one woven cloth section along its outlines (12-34) and then sawn as a product. Decoloration patterns (40, 42, 44, 46) in the parts (12-34) of a jean are woven by jacquard. The decoloration pattern sets a texture in which an original image is scanned, light and dark regions are formed, and the embossing ratio of indigo blue is varied depending on the shading.

Inventors:
TOSHIO FUJIWARA (JP)
MOTOHASHI SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052302
Publication Date:
August 21, 2008
Filing Date:
February 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MIYAKE DESIGN JIMUSHO KK (JP)
TOSHIO FUJIWARA (JP)
MOTOHASHI SHIGERU (JP)
International Classes:
D03D15/00; A41H3/08; A41H43/00
Foreign References:
JPS497038A1974-01-22
JP2005350787A2005-12-22
JP2006161189A2006-06-22
JP2001011748A2001-01-16
JP3063431U1999-11-05
Attorney, Agent or Firm:
MITSUI, Takao (Villa Sennichi1716-7, Imaizumi, Fuji-shi, Shizuoka 01, JP)
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Claims:
 ジャカード組織にて形成される織布であって、織布を構成する縦糸と緯糸とは異なった色彩をなし、前記織布の面上に、布製品の夫々のパーツとなる多数の区域が分布し、各パーツにおける模様がジャカード織組織により視覚化されていることを特徴とする着色織布。
 請求項1に記載の発明において、布製品の夫々のパーツとなる多数の区域の輪郭線若しくは切断線がジャカード織組織により視覚化されていることを特徴とする着色織布。
 請求項1若しくは2に記載の発明において、縦糸若しくは緯糸の一方がインディゴにて染色された綿糸であり、縦糸若しくは緯糸の他方は生成りの綿糸であることを特徴とする着色織布。
 請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、織布は長手方向に沿った所定長さの区画に分けられ、各区画に一つの布製品の全てのパーツとなる区域が分布せしめられていることを特徴とする着色織布。
 請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、各パーツにおける模様の視覚化のため、各パーツにおける各部位が、各パーツの模様デザイン原画における濃淡に基づき数値化されており、各パーツの各部位における組織がこの数値に応じて定められていることを特徴とする着色織布。
 請求項5に記載の発明において、各パーツの各部位における組織は数値化された濃淡に応じて綾組織における飛数が変化されていることを特徴とする着色織布。
 ジャカード組織にて形成される布製品用の織布であって、織布を構成する縦糸と緯糸とは異なった色彩を呈し、前記織布の一区画上に、布製品の夫々のパーツとなる多数の区域が分布し、各パーツにおける脱色模様がデザイン画からの画像処理によるデジタイズされた濃度区分に応じ、夫々の区分において縦糸と緯糸との一方の、他方に対する浮き状態を変化せしめることにより視覚化されていることを特徴とする着色織布。
 ジャカード組織にて形成されるジーンズ用の織布であって、織布を構成する縦糸と緯糸とは異なった色彩を呈し、前記織布の一区画上に、ジーンズの夫々のパーツとなる多数の区域が分布し、各パーツにおける脱色風模様がデザイン画からの画像処理によるデジタイズされた濃度区分に応じ、夫々の区分において縦糸と緯糸との一方の、他方に対する浮き状態を変化せしめることにより視覚化されていることを特徴とする着色織布。
 請求項7若しくは8に記載の発明において、縦糸と緯糸との一方はインディゴにより染色された綿糸であり、縦糸と緯糸との他方は生成りの綿糸であることを特徴とする着色織布。
 請求項9に記載の発明において、濃度最小値の区分の全幅において生成りの綿糸は少なくとも一部が浮き構造とされる着色織布。
 請求項1~10の織布からの布製品の製造方法であって、各パーツが織布上の視覚化された輪郭線若しくは切断線に沿って切断され、切断されたパーツの縫製により布製品とする織布からの布製品の製造方法。
 請求項1~11の織布からの布製品であって、各パーツが織布上の視覚化された輪郭線若しくは切断線に沿って切断され、切断されたパーツの縫製により得られた布製品。
 緯糸と縦糸とが異なる色彩の糸条を使用したジャカード織りにおける織り組織決定方法であって、デザイン原画の濃淡に基づき光学的に数値化することで織布の各部を濃淡値に応じて区分けし、区分けされた部位毎に織り組織を定めるようにしたことを特徴とするジャカード織りにおける織り組織決定方法。
 請求項13に記載の発明において、各部位における織り組織は濃淡値に応じて縦糸若しくは緯糸の浮き状態が変化する綾織に設定することを特徴とするジャカード織りにおける織り組織決定方法。
Description:
着色織布

 この発明はジャカードにて織製されるデ ム生地等の織布に関し、より詳しくは脱色 様を織布上に織り組織として視覚化させた 布に関するものである。

 ジーンズ等のデニム生地からなる布製品 しくは衣類の商品性を高めるため、脱色模 を模した模様若しくは柄を付した織布が提 されている。脱色模様を付すための技術と ては、ストーンウォッシュやサンドブラス 等の物理的な衝撃によるものや、次亜塩素 による漂白などの化学的の作用によるもの 工業的には最も広範に採用されている。し しながら、これらの物理的若しくは化学的 段によるものは織布若しくは布製品上に形 される柄は多くはなりゆきで、意図通りの を精密に生成することは困難である。そこ 、レーザを用いることにより、レーザがあ た部位を脱色せさることにより所望の脱色 様を得るようにするものが提案されている( 特許文献1)。

 その他に、布帛に電解により酸化活性種を 成する物質を所定パターンにてしみ込ませ この布帛を電極間に挟んで選択的に通電す ことで脱色を行い、所期の脱色模様を得る うにした技術も提案されている(特許文献2)

特開平10-102386号公報

特開2002-201576号公報

 特許文献1の従来技術はレーザ光を織布若 しくは布製品に照射することにより脱色パタ ーンを得ている。しかしながら、レーザ光を 照射する脱色ではレーザ装置として大出力の ものを使用しないと行い得ず、装置コストが 嵩むし、微妙・精細な脱色模様を得ることは 困難である。また、作業環境的にも劣悪とな りやすい問題点があった。

 特許文献2の技術では任意の形状の電極を 使用することにより、所期の形態の脱色模様 化することは可能である。しかしながら、現 実の洗いざらしのジーンズのような微妙に( ラデーション調に)変化する脱色模様を得る とはできず、また、工程的にも酸化活性種 生成する物質の浸漬作業が必要であり、工 として複雑化していた。

 この発明はこのような従来技術の問題点 鑑みてなされたものであり、よりリアルな 色模様を得ることができしかも工程的にも り単純化することを目的とする。

 本発明における織布はジャカードにて織 され、そのため、織幅の実質的に全体で縦 一本一本若しくは数本のグループの個別的 口が可能となっている。ジーンズ等の衣類 布製品の好ましくは全てのパーツ(身頃等) 織布の所定長さの1区画内に分布されており 1つの織布区画からパーツをその輪郭に沿っ て切り出し縫製することで製品として完成さ せることができる。原画は織布における1区 に対応しており、原画には一枚の布製品、 えば、ジーンズの全てのパーツが織り組織 して描かれている。ジーンズの場合、基本 にはカラーはインディゴブルーであり、縦 しくは緯糸の一方がインディゴブルーで染 した綿糸であり、縦若しくは緯糸の他方は 成りの綿糸であり、基本的には3/1といった 組織にて織製し、インディゴブルーを浮か ることにより青色の表面色を出させ、裏側 生成りの糸色が現れる。この発明では織り 織によりパーツの輪郭線若しくは切断線の ならず脱色模様を表すことを特徴とするも である。即ち、脱色模様は、ジーンズでは の部位等の特定部位に強く現れるが、この 明では原画として脱色模様がデザインされ 実物大の原画をスキャナなどにより取り込 ことで、光学的に処理し、織布の1区画にお る各座標位置について濃淡に応じた数値化 理を行う。そして、濃淡の数値範囲毎に脱 模様を区分けし、濃淡の順序に応じて綾組 における縦糸の浮き状態、例えば、綾組織 おける飛び数を順次変化させ、濃淡の変化 応じた織り組織とする。即ち、地組織を3/1 綾組織として表面に青が出るように組織し とすると2/1, 1/1(平),1/2,1/3と表面での縦(イ ディゴ)糸の出方(表面積に対し青糸が占める 割合)変えてゆくことにより青の出方が弱く りそれに連れて白の出方が多くなってゆく そのため、地組織と脱色模様との境界付近 3/1から2/1, 1/1,1/2,1/3と順次組織を変えて行く ことによりグラデーションを表現することが でき、よりリアルな脱色模様を得ることがで きる。そして、この発明ではジャカードを採 用することにより任意の形態でかつ織り幅の 全体にわたるような大柄の模様でも縦糸開口 動作が可能である。

 ジャカード組織によりパーツの輪郭線若 くは切断線及び脱色模様をその形状や大き にかかわらず境界部分でもグラデーション の変化も含めて織り組織として表現するこ ができ、かつジャカードにより脱色模様が ラデーション様に微妙に表現することがで 、脱色表現の精細性も高めることができる また、織り上がり同時に脱色模様を付した のが得られ、脱色のための後加工が一切不 となり、効率化を実現することができる。

図1はこの所定の長さの部分にジャケッ トの全パーツとなる区域を分布させたこの発 明の織布の1区画(織布の所定長さの繰返し部 )の最初の部分を示す。 図2は図1の1区画Lの部位のデザイン画に おけるA部分を示す図である。 図3は図2をスキャンニングし、デジタ ズすることにより夫々の濃度値範囲の領域 丸付き数字にて表示した図である。 図4は図3に丸付き数字にて表示される 域の夫々の組織図を示す。 図5は別実施形態における脱色部分の部 分的組織図を示す。 図6は織布の所定の長さの部分にハンド バッグのパーツとなる区域を分布させた別実 施形態におけるこの発明の織布の1区画を示 。 図7は図6のVII-VII線に沿った断面図を示 。 図8は図6のパーツより組み立てられた ンドバッグの斜視図を示す。 図9はこの発明の別の実施形態における 座布団の平面図を示す。 図10は図9のX-X線に沿った断面図を示す 。 図11はこの発明の別実施形態としての バーを備えたソファーの斜視図を示す。 図12はこの発明の別の実施形態におけ スニーカーの甲皮の平面図を示す。

符号の説明

10…織布
12…左足後身頃
14…左足前身頃
16…右足前身頃
18…右足後身頃

 図1はこの発明の布製品としの衣類におけ る各パーツを切り出すための織布の実施形態 を示しており、この実施形態においては衣類 はジーンズであり、縦糸はインディゴにて染 色された綿糸であり、緯糸は生成りの綿糸で ある。ここにインディゴは狭義の合成インデ ィゴのみならず天然藍をも包含した意である ことは言うまでもない。縦糸を生成りとし、 緯糸をインディゴ染色糸とすることも勿論可 能である。縦糸と緯糸との一方をインディゴ にて染色された綿糸とし、縦糸と緯糸との他 方の生成りの綿糸とすることで、繰り返し的 な洗濯により染料が僅かであるが離脱し、こ の離脱された染料によって生成りの綿糸が微 妙に着色を受けるという所謂移染効果を得る ことができる。また、本発明としてはインデ ィゴ以外の染料にて染色した糸にて織製する ことも可能であり、縦糸と緯糸とが異なった 色彩で染色されたものであれば所期の作用効 果を奏し得る。織布の織り組織は、基本的に は、即ち、地組織は3/1といった綾組織であり 、表に縦糸が多く浮くため表はインディゴの 青が強調された色調をなし、裏が生成りの綿 糸の色が強調された白に近い色調となる。基 本的な綾組織のみであれば織製には通常織機 で開口動作が可能でであるが、この発明では ジャカード組織とすることにより、織布の全 幅に分布されたジーンズの各パーツの輪郭線 や輪郭線及びパーツ内における脱色模様を織 製により表示するようにしている。従って、 この発明の織布の織製は経糸開口装置として ジャカード機構を備えた織機により行われる 。ジャカード機構としてはこの実施形態では 例えば10,000を超える多数の口数を備えたもの (例えばストーブリ(STAUBLI)社の型番LX3200)が使 され、そのため全織幅において経糸一本一 の独立的な開口制御をなしうるようになっ いる。必要に応じてより口数がより少ない ャカードを使用することは勿論可能である 、

 図1には織布10の長手方向に繰り返される所 長さLの区画(1リピート)を示しており、織布 のこの所定長さのに切り出されたとき衣類の パーツとなる領域が分布するように配置され ている。そして、この実施形態においてはこ の所定長さの織布の区画から衣類(この実施 態ではジャケット)の実質的に全てのパーツ 切り出すようになっている。布10のこの1リ ートに分布される各区域を輪郭線に沿って 断することにより得られるこれらパーツを ストすると:
 12:左足後身頃
 14:左足前身頃
 16:右足前身頃
 18:右足後身頃
 20:左フクロ布
 22:右フクロ布
 24:左ヨーク 
 26:右ヨーク
 28:左尻ポケット 
 30:右尻ポケット
 32:前コインポケット
 34:ベルト

 次に、織布上に分布され、切り離された き衣類のパーツとなる各区域12~34はその輪 線若しくは切断線が織り組織(パターン)を構 成しているため外部から視認可能である。即 ち、織布10は地組織としては3/1等の綾組織で るため、上面からは縦糸のインディゴが強 された青となるが、各区域12~34の輪郭線に った所定幅の領域においては生成りの緯糸 浮く組織とし、そのため、輪郭線に沿って い色調となり、織布からの各パーツの切り しを輪郭線を案内にしながら効率的に行う とができる。このような各パーツの輪郭線 織布組織上は折柄であり、少なくとも、パ ツの幅分の縦糸の独立開口は必須である。 の発明の実施形態では織布の全幅に異なっ パーツを分布させており、基本的には全幅 亘って縦糸1本1本若しくは数本の縦糸グルー プ毎の独立開口は必要である。

 次に、この発明に従って衣類のパーツと る区域に付す脱色風模様について説明する 、図1において、ジーンズにおいて左足の後 身頃となる区域12、前身頃となる区域14及び 足の前身頃となる区域16、後身頃となる区域 18については模様40, 42, 42, 44(脱色模様領域 斜線にて表示)が付されている。左右の前身 頃となる区域14, 16における模様42, 44は膝の 側における脱色模様を模したものであり、 右の後身頃となる区域12, 18における模様40,  46と膝の後側における脱色模様を模したも である。膝の前側の脱色模様42, 44は膝の皿 いつも当たる生地の部分が最も脱色が激し 、そこから四方に散って行くような模様で り、膝の後側の脱色模様40, 46はこの部分で は生地がいつも折り畳まれるため皺になり、 横方向に多段に脱色される。この発明では、 ジーンズの各パーツとなる区域について適当 な脱色模様をデザインし、そのデザインに応 じた脱色模様が得られるように脱色すべき区 域40, 42, 42, 44の組織を決めている。即ち、 ーンズのパーツとなる各区域12から14につい て地となる部分はジーンズの地組織のまま、 上述の例では3/1の綾組織であり、視覚に現れ る色は縦糸のインディゴの色彩を基調とする 青の色彩である。そして、脱色模様の区域40,  42, 42, 44は生成りの糸の色を基調とする白 最も強く出る1/3の綾組織を基調とする。そ て、地組織である3/1の綾組織から脱色を表 する1/3の綾組織に急に切り替えると、即ち 脱色模様としては不自然であり、その間は 々にグラデーションを持ってインディゴを 調とする色彩から生成りの色彩に移行させ ようにしている。

 脱色模様については身頃となるパーツ12, 14, 16, 18の膝の部位の脱色模様40, 42, 44, 46 についてのみ説明したが、パーツ12, 14, 16,  18のその他の部位についても任意の脱色模様 原画に付すことが可能であり、また、パー 12, 14, 16, 18以外の20~34のどのパーツについ ても任意のグラデーション様の脱色模様をデ ザインすることができ、以下の手法で織り組 織とすることができる。 

 次に、脱色模様をジャカードの織りによ て得るためのこの発明の方法について説明 ると、ジーンズの各パーツ20~40のデザイン 際に、各パーツに付す脱色パターンのデザ ンも行う。そのようなデザインの一例とし 、図1における左足前身ごろのパーツに対応 た区域14における脱色模様44を含んだ領域A ついて説明すると、図2は部分Aについてスキ ャンニング後の白黒による濃淡表示を示して おり、最も濃い色彩は脱色がない地組織の青 色に対応しており、最も濃くなっており、こ こから脱色模様44の中心に向かうに従って脱 が進み、完全に脱色された中心部では白と っている。このような、脱色模様のデザイ 原画の作成はジーンズを構成する全てのパ ツ12~34について行われる。

 次に、デザイン原画に応じた脱色模様を したパーツに対応した区域12~34を備えた織 として織製するための織り組織の設定につ て説明すると、デザイン原画は図1において ジーンズの全パーツとなる区域20~40につい 、夫々の輪郭線及び各区域おける脱色模様 含まれており、1対1の原寸にて描かれている 。デザイン原画において地組織の部分、即ち 、区域20~40以外の部分及び区域20~40内におけ 非脱色部分はインディゴ青の部分で最も濃 表示され、脱色模様40, 42, 42, 44等について は地組織の境界部分から中心部分に向けてグ ラデーション様に脱色の度合いが大きくなっ てゆくデザインとされる。また、ジーンズの パーツとなる区域20~40の輪郭に沿った所定幅 部分については織布からの切り出しの容易 ため生成りの綿糸を多く浮かせ、白の境界 が目立つようにジャカード組織が決定され いる。

 次に、1対1に描かれたデザイン原画につ てスキャンニングが行われ、デザイン原画 部における濃淡値がデザイン画のx, y座標値 と対応させて取得される。スキャンニング後 の濃淡値による織り組織の設定方法について 以下説明すると、スキャンニング後の濃淡値 は原画のx, y座標値と対応して取得されてい り、地組織のインディゴ色の部分が最も濃 側の値となり、脱色パターンの中心部が最 薄い側の値となる。この実施形態において 、最も濃い濃淡値は無脱色として3/1の綾組 によるインディゴ青を対応させ、最も薄い 淡値は完全脱色として1/3の綾組織による生 りの綿糸の色彩を対応させ、中間の濃淡値 ついては濃い側から薄い側に2/1の綾組織、1 /1(平)、1/2の綾組織に設定する。即ち、濃い から薄い側に全体で5段階の濃淡値の範囲を 定し、スキャンニングされた濃淡値から5段 階うちのどの濃淡値範囲かを決定(デジタイ )し、織り組織を定めている。これを図1の脱 色模様44を含む領域Aを例に説明すると、領域 Aのスキャンニング(原画デザインの濃淡表示) 結果は上述のように図2に示され、図2の濃淡 示から設定される濃淡値範囲を図3に示して おり、最も濃い領域(地組織のインディゴ青) 丸付き数字の1、その次に濃い領域を丸付き 数字の2、その次を丸付き数字3で示し、その を丸付き数字4で示し、完全脱色領域を丸付 き数字5にて示す。図3において領域1と領域2 の境界線42A, 42Bがデジタイズ後の非脱色領 と脱色領域との境界線となり、図2のスキャ 図に示すようにこの境界線は明瞭ではなく これにより脱色模様はリアル化されている であるが、図1では簡明のため脱色模様40, 4 2, 42, 44の境界線は明瞭な線として描かれて ることに留意されたい。即ち、図1の境界線 42が図3では42A, 42Bに相当する。

 このようにして、デザイン原画の前面に いてスキャン結果からのデジタイズによっ 丸付き数字1~5の濃淡領域を決定し、その結 、織布の1区画Lの各部について、3/1綾(組織 は図4の丸付き数字1),2/1綾(組織図は図4の丸 き数字2)、1/1平(組織図は図4の丸付き数字3) 1/2綾(組織図は図4の丸付き数字4)、1/3綾(組 図は図4の丸付き数字5)のいずれかが決定さ る。そして、コンピュータによるジャカー の柄データが作成され、ジャカード織機に る織製が行われる。また、この発明ではジ ンズの各パーツの輪郭線も織り組織により 覚化されている。即ち、各パーツの輪郭線 しくは裁断線に沿って白糸が浮くような組 に設定されている。このような、輪郭線を かせる組織設定についても柄データとして ャカードに出力されるようになっている。

 織製後のジーンズへの縫製工程は従来と 様であり、一区画Lの織布からそれぞれの輪 郭線に沿ってパーツ12~34が切り出され、通常 縫製によりジーンズとなる。そして、この 明ではジーンズの各パーツの輪郭線若しく 切断線が織り組織として表示されているた 、各パーツの裁断を効率的に行うことがで る。そして、通常の手法に従って各パーツ 縫製によりジーンズとすることができる。

 この発明では織布の長手方向の一区画Lに 縫製によりジーンズとなる全てのパーツが織 り込まれている。インディゴは染色時に浸し てから空気に触れることで発色される。従っ て、発色状態を人工的に管理し難く、ロット 間で発色が異なってくることが多いが、この 発明では一つのジーンズのパーツは織布の短 い長さの部位に含まれているため、発色の管 理がし易いという利点がある。

 第1の実施形態においては、脱色模様を織 り出すため、濃淡に応じてデジタイズされた 値に応じて白糸の浮く割合が変化するように 綾組織の飛び数を変化させているが、より脱 色模様を強調するように脱色部位において生 成り糸(緯糸)を長く浮かせる(1リピート内で 糸と実質的に交錯させない)組織とすること できる。即ち、第1の実施形態では膝の前側 の脱色模様42, 44の中心の脱色が最も進んだ 付き数字5で表示された部位は1/3綾であるが この部位において緯糸を数本毎に縦糸(染色 糸)と実質的に交錯しないような組織とする とで、膝が抜けた組織を模すことができる 図5はそのような組織を示しており、この組 は図4において丸付き数字5で表示した組織 代替して使用するもので、よこ二重組織と っている。地組織は図4において丸付き数字5 で表示した組織と同様1/3綾であるが、5本目 の緯糸は縦糸と実質的に交錯せず、浮き構 となっている。即ち、この浮き構造の緯糸 外観的に緯糸が相当長く浮いた状態が目視 きるように5~30本(図5の例では11本)といった 当本数の縦糸と連続的に非交錯である(即ち 浮き構造部位における緯糸は地組織のそれ 比較して長く浮いている)。図5において、 号50は浮き構造の緯糸の交錯点を示し、綾組 織等の所定組織に準じて配置することができ る。

 以上説明の実施形態においては、織布の 定長さの部位にジーンズの各パーツとなる 域を形成し、各パーツを切り出し縫製しジ ンズとしているが、この発明はジーンズ以 の衣類にも応用できるし、衣類以外の布製 にも応用することができる。図6及び図7は の発明の布製品としてのハンドバッグの例 示し、織布の長さ方向における一区画Lには ンドバッグの本体部分52と取手部分54-1, 54-2 が織製され、この織製方法は特開2001-115357号 報に準じている。即ち、ハンドバッグの本 部分52は図7に示す様に上下層52A, 52Bより成 二重織構造で、本体部分52の輪郭52Cの外側 一重織組織となっている。そのため、輪郭52 Cに沿って上下層の接結部分を幾分残して織 の切り出しを行うことで左右及び下側の側 に沿って接結され、中間においては上下層 分離したハンドバッグの本体部分を得るこ ができる。また、織布からの切り出しは、 ンドバッグの開口部分となる部位52Dは上下 52A, 52Bが非接結となるように行う。織布か 切り出されたパーツ52, 54-1, 54-2は縫製(図8 破線55は縫製ラインを示す)等により一体化 ることによって図8のようなハンドバッグが 成する。パーツ52, 54-1, 54-2における斜線の 部位は退色模様を模した部位である。即ち、 本体部分52の外周に沿った部位や取手におけ 握りとなる部位は使用による退色が出やす 部位であるが、退色模様を模するためこれ の部位は退色模様が出現するよう織製され いる。すなわち、ジーンズの場合と同様、 糸を色糸、緯糸を生成りとした場合に退色 様の部位で緯糸が多く浮くような組織にて ャカードによる織製が行われる。また、図2 及び図3にて説明したものと同様に退色部分 適宜のグラデーションを施すことができる

 図9及び図10はこの発明の布製品としての 布団を示し、袋体60の内部に充填体62を充填 ・封止して構成される。袋体60は本出願人と 一の出願人にかかる特開2002-018162号公報と 様に多重組織の織布中に織り込まれ,袋体60 輪郭に沿って多重組織の織布の上下層が接 され、その接結部を残して輪郭に沿って織 の切り出しを行うことで袋体60を得ることが でき、このようにして得られた袋体60の内部 洞に充填材62が充填されることにより座布 が得られる。袋体60の織製の際に輪郭線に沿 った部位及び着座部分は使用による退色が出 やすい部位であるが、退色模様を模するため これらの部位(図の斜線領域)は退色模様が出 するよう織製されている。すなわち、ジー ズやハンドバッグの場合と同様、経糸を色 、緯糸を生成りとした場合に退色模様の部 で緯糸が多く浮きかつ適宜のグラデーショ も取り入れた組織にてジャカードによる織 が行われる。

 図11はソファーのカバーへの応用を示し この実施形態ではカバー68はソファーに使用 されるものであり、カバー68は70, 72, 74, 76, 78等のパーツからなり、これらのパーツ70, 7 2, 74, 76, 78は図1に示すジーンズの場合と同 に織布の所定長さの区分にパターン様に織 込まれており、各パーツはその輪郭に沿っ 織布から切り出される。切り出されたパー はソファーの形状に合わせて稜線に沿って 体的に縫合(縫合線を破線80にて示す)され、 ソファー本体に被覆せしめて使用される。ソ ファー本体の稜線に沿った部位とか背もたれ における背中があたる部分とかシートに着座 部分とか脹脛があたる部分とかは退色が進む 部分であるが、縫合後にこれら部分となる各 パーツの部位には織組織としての退色模様( 11の斜線領域)が出現するよう織製されてい 。すなわち、ジーンズの場合と同様、経糸 色糸、緯糸を生成りとした場合に退色模様 部位で緯糸が多く浮くような組織にてジャ ードによる織製が行われる。

 図12はこの発明の布製品のとしての別実 形態としての靴(スニーカー等)の織製による 片側の甲皮82を示しており、図示しない反対 の甲皮は対称の形態をなす。左右の甲皮及 その他の織製によるスニーカーのパーツは ーンズの場合と同様に織布の所定長さの区 にパターン様に織り込まれており、各パー はその輪郭に沿って織布から切り出される 図9において斜線部分は甲皮82における外周8 4や紐孔86の部位における退色模様を模した部 分であり、ジーンズ(図1)やソファーのシーツ (図9)の場合と同様、経糸を色糸、緯糸を生成 りとした場合に退色模様の部位で緯糸が多く 浮くような組織にてジャカードによる織製が 行われている。