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Patent Searching and Data


Title:
COMBINED USE OF CHOLESTANOL DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110235
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cancer chemotherapeutic agent having reduced side effects and excellent effectiveness. Specifically disclosed is a cancer chemotherapeutic agent which is obtained by combining a cholestanol derivative represented by general formula (1) or a cyclodextrin clathrate thereof with an antitumor agent. [In the formula, G represents GlcNAc-Gal-, GlcNAc-Gal-Glc-, Fuc-Gal-, Gal-Glc-, Gal- or GlcNAc-.]

Inventors:
YAZAWA SHIN (JP)
NISHIMURA TOYO (JP)
ASAO TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000985
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
OTSUKA PHARMA CO LTD (JP)
UNIV GUNMA NAT UNIV CORP (JP)
YAZAWA SHIN (JP)
NISHIMURA TOYO (JP)
ASAO TAKAYUKI (JP)
International Classes:
A61K31/704; A61K31/282; A61K31/337; A61K31/7072; A61K33/243; A61K45/00; A61P35/00; A61P43/00; C07J9/00
Domestic Patent References:
WO2005007172A12005-01-27
WO2007026869A12007-03-08
WO2005118071A22005-12-15
WO2005007172A12005-01-27
WO2007026869A12007-03-08
Foreign References:
JP2000191685A2000-07-11
JPH1160592A1999-03-02
JP2000191685A2000-07-11
JPH1160592A1999-03-02
JPS5782310A1982-05-22
JPS6012127A1985-01-22
JPS6058915A1985-04-05
JPH01117824A1989-05-10
JPH01167218A1989-06-30
JPH0429925A1992-01-31
JPH0987168A1997-03-31
Other References:
METHODS OF BIOCHEMICAL ANALYSIS, vol. 33, 1988, pages 337
See also references of EP 2251014A4
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (JP)
Patent business corporation Alga patent firm (JP)
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Claims:
 下記一般式(1):
[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせてなる癌化学療法剤。
 一般式(1)中、GがGlcNAc-Gal-又はGlcNAc-である請求項1記載の癌化学療法剤。
 抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、白金錯体抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である請求項1又は2記載の癌化学療法剤。
 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、アリムタ、5-FU、シスプラチン及びオキサリプラチンからなる群から選択される1種以上である請求項3記載の癌化学療法剤。
 配合剤である請求項1~4記載の癌化学療法剤。
 コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキットである請求項1~4記載の癌化学療法剤。
 コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤がリポソーム製剤である請求項6記載の癌化学療法剤。
 癌化学療法剤を製造するための、下記一般式(1):
[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤との組み合わせの使用。
 下記一般式(1):
[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせて投与することを特徴とする癌化学療法。
 コレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを同時にあるいは時間を置いて別々に投与する請求項9記載の癌化学療法。
Description:
コレスタノール誘導体の併用用

 本発明は癌化学療法剤、より詳しくはコ スタノール誘導体と抗癌剤とを併用してな 癌化学療法剤に関する。

 癌治療の一環である化学療法のための抗癌 は、種々研究開発がなされ、構造・作用機 などにより分類されている。しかし、単剤 の有効性は満足されるものではなく、また 作用との関係から、近年、複数の抗癌剤を 用する多剤併用療法が主体とされ、その治 効果が評価されている。
 従って、従来の化学療法をしのぐ、さらな 副作用の軽減とより優れた有効性を有する 新しい併用化学療法及びそのための化学療 剤の開発が要望されている。

 一方、コレステロールのB環の二重結合が飽 和されたコレスタノールに、GlcNAc-Gal-、GlcNAc- Gal-Glc-、Fuc-Gal-、Gal-Glc-、Gal-、GlcNAc-などの糖 が結合したコレスタノール化合物は、優れ 抗腫瘍活性を有することが見出されている( 特許文献1~4)。
 しかしながら、当該化合物が他の抗癌剤と 用された例は全く報告されていない。

特開2000-191685号公報

特開平11-60592号公報

国際公開第2005/007172号パンフレット

国際公開第2007/026869号パンフレット

 本発明は、副作用が軽減され且つ優れた 効性を発揮する癌化学療法剤を提供するこ に関する。

 本発明者らは、上記課題に鑑み検討した ころ、下記式(1)で表されるコレスタノール 導体又はそのシクロデキストリン包接体を 知の化学療法剤(抗癌剤)と組み合わせて使 すると、抗癌効果が顕著に増強され、当該 剤の併用が癌化学療法として極めて有用で ることを見出した。

 すなわち、本発明は、以下の1)~10)に係るも である。
 1) 下記一般式(1):

[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、 Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシ クロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合 わせてなる癌化学療法剤。
 2) 一般式(1)中、GがGlcNAc-Gal-又はGlcNAc-であ 前記1)の癌化学療法剤。
 3) 抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、白金錯体 抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロ ウラシルからなる群より選択される1種以上 ある前記1)又は2)の癌化学療法剤。
 4) 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセ ル、アリムタ、5-FU、シスプラチン及びオキ リプラチンからなる群から選択される1種以 である前記3)の癌化学療法剤。
 5) 配合剤である前記1)~4)のいずれかの癌化 療法剤。
 6) コレスタノール誘導体を含有してなる薬 剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキッ トである前記1)~4)のいずれかの癌化学療法剤
 7) コレスタノール誘導体を含有してなる薬 剤がリポソーム製剤である前記6)の癌化学療 剤。
 8) 癌化学療法剤を製造するための、下記一 般式(1):

[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、 Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシ クロデキストリン包接体と抗癌剤との組み合 わせの使用。
 9) 下記一般式(1):

[式中、Gは、GlcNAc-Gal-、GlcNAc-Gal-Glc-、Fuc-Gal-、 Gal-Glc-、Gal-又はGlcNAc-を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシ クロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合 わせて投与することを特徴とする癌化学療法 。
 10) コレスタノール誘導体又はそのシクロ キストリン包接体と抗癌剤とを同時にある は時間を置いて別々に投与する前記9)の癌化 学療法。

 本発明の癌化学療法剤及び癌化学療法を いれば、安全で、より効率的な癌の予防又 治療が可能となる。

CDDPおよびGC-CDの単独または併用での、c olon26細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC-CDの単独または併用での、M KN45細胞、NCIH226細胞及びcolo201細胞に対する増 殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGGC-CDの単独または併用での、 colon26細胞、MKN45細胞、NCIH226細胞及びcolo201細 に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC-CDの単独または併用による 回投与での、マウス腹膜播種におけるcolon26 に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC-CDの単独または併用による 数回投与での、マウス腹膜播種におけるcolo n26に対する増殖抑制効果を示すグラフ 腹腔内接種した癌細胞による腹膜播種 認後のCDDPおよびGC-CDの単独または併用によ 単回投与での、マウス腹膜播種におけるcolo n26に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC-CDの単独または併用による 与での、colon26マウス腹膜播種におけるマウ スの生存率を示すグラフ CDDPおよびGGC-CDの単独または併用による 単回投与での、マウス皮下投与におけるcolon2 6の癌体積増加抑制あるいは癌体積縮小効果 示すグラフ CDDPおよびGC-CD或いはGGC-CDの単独または 用による単回投与での、colon26の肺転移抑制 効果を示すグラフ

発明を実施するための形態

 本発明に用いられるコレスタノール誘導体( 1)は、いずれも公知化合物である。
 斯かるコレスタノール誘導体(1)のうち、Gが GlcNAc-Gal-であるものは、好ましくはGlcNAcβ1,3-G alβ-又はGlcNAcβ1,4-Galβ-であり、GlcNAc-Gal-Glc-で るものは、好ましくはGlcNAcβ1,3-Galβ1,4-Glc-で あり、Fuc-Gal-であるものは、好ましくはFucα1, 3Gal-であり、Gal-Glc-であるものは、好ましく Galβ1,4Glcβ-であり、Gal-であるものは、好ま くはGalβ-であり、GlcNAc-であるものは、好ま くはGlcNAcβ-である。
 このうち、GがGlcNAc-Gal-、GlcNAc-であるものが より好ましく、GlcNAcβ1,4-Galβ-、GlcNAcβ-である ものが更に好ましい。
 上記コレスタノール誘導体は、例えば、前 特許文献1-4に記載の方法又はこれに準じる 法により製造することができる。

 コレスタノール誘導体(1)は、シクロデキ トリン類又はその誘導体により容易に包接 され、複合体を形成することから、本発明 おいては、コレスタノール誘導体として当 シクロデキストリン包接体を用いることが きる。シクロデキストリンは、包接すべき スト分子の径、又はゲスト分子とのVan der  Waals力やシクロデキストリン由来ヒドロキシ 基との水素結合が関与していると考えられ いるため、不溶性化合物ならすべて適応で るものではないが、本発明のコレスタノー 誘導体については、良好な包接複合体が形 される。

 本発明のシクロデキストリン包接体にお るシクロデキストリンとしては、α-シクロ キストリン、β-シクロデキストリン、γ-シ ロデキストリン等のシクロデキストリン類 他、例えばメチル-β-シクロデキストリン、 2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン 、モノアセチル-β-シクロデキストリン、2-ヒ ドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン等 シクロデキストリン誘導体が包含される。 のうち、溶解性向上の点から、2-ヒドロキシ プロピル-β-シクロデキストリンが好適であ 。

 斯かるシクロデキストリン包接体は、例 ばシクロデキストリン類又はその誘導体の 当な水溶液(例えば20~40%)を調製し、これに 発明のコレスタノール誘導体を添加し、攪 することにより調製することができる。

 ここで用いるコレスタノール誘導体(1)の 度は、コレスタノール誘導体がシクロデキ トリンと包接体を形成できる濃度であれば く、通常1~50質量%、好適には10~30質量%程度 ある。

 斯くして得られるシクロデキストリン包 体は、水に易溶性であることから生体内に いて効率的に効果を発揮できる。また、イ ビトロの試験系において安定した評価を行 ことができるという利点もある。

 また、コレスタノール誘導体(1)は、リポソ ム製剤とすることにより、より効率的に作 発現部位に到達させることが可能となる。 た、インビトロの試験系において、安定し 評価を行うことも可能である。
 斯かるリポソーム製剤は、本発明のコレス ノール誘導体、膜成分物質及び脂肪族又は 香族アミンを含有するリポソームであるの 好ましい。
 リポソーム製剤中のコレスタノール誘導体 含有量は、膜成分物質1モルに対して、0.3~2. 0モル、好ましくは0.8~1.5モルであるのが望ま い。

 膜成分物質としては、リン脂質が挙げら 、例えばホスファチジルコリン、ホスファ ジルエタノールアミン、ホスファチジルセ ン、ホスファチジルイノシトール及びホス ァチジン酸等の天然及び合成のリン脂質類 びにこれらの混合物の他、水性レシチン等 加工した天然リン脂質を好ましく用いるこ ができる。より好適には、ホスファチジル リン類の1αジパルミトイルフォスファチジ コリン(DPPC)が挙げられる。

 脂肪族又は芳香族アミンは、主として脂質 の表面を正に荷電させるために添加される 質である。斯かるアミンとしては、例えば テアリルアミン、オレイルアミン等の脂肪 アミン、フルオレンエチルアミン等の芳香 アミンが挙げられ、特にステアリルアミン 好適に用いることができる。
 当該アミンは、膜成分物質(リン脂質)1モル 対して、0.04~0.15モル、好ましくは0.1~0.15モ 含有するのが好ましい。

 当該リポソームには、この他にも膜構造 安定剤としてコレステロール、脂肪酸、ジ セチルホスフェート等を必要に応じて添加 てもよい。

 膜成分を分散させる水溶液としては、水 生理食塩水、各種緩衝液、糖類の水溶液及 これらの混合物が好ましく用いられる。緩 液としては、有機系、無機系問わず体液水 イオン濃度付近に緩衝作用を有する緩衝液 好適に用いられ、例えばリン酸緩衝液を挙 ることができる。

 リポソームの調製は、特に限定されるも ではなく汎用の方法が使用できるが、例え 特開昭57-82310号公報、特開昭60-12127号公報、 特開昭60-58915号公報、特開平1-117824号公報、 開平1-167218号公報、特開平4-29925号公報、特 平9-87168号公報、Methods of Biochemical Analysis(19 88)33,p337 或いは「リポソーム」(南江堂)に記 の方法等に従うことができる。

 コレスタノール誘導体(1)又はそのシクロデ ストリン包接体と組み合わせて用いられる 癌剤は、癌化学療法剤として知られている 種の抗癌剤を用いることができ、治療対象 ある癌において確立されている標準治療薬 好適に使用できる。
 具体的には、サイクロフォスファミド(Cyclop hosphamide)、イフォスファミド(Ifosfamide)、メル ァラン(Melphalan, L-PAM)、ブスルファン(Busulfan )、カルボキノン(Carboquone)等のアルキル化剤;6 -メルカプトプリン(6-Mercaptopurine, 6-MP)、メト レキサート(Methotrexate, MTX)、5-フルオロウラ シル(5-Fluorouracil, 5-FU)、テガファー(Tegafur)、 ノシタビン(Enocitabine, BHAC)、葉酸代謝拮抗 (ペメトレキセド(Alimta, MTA)等)等の代謝拮抗 ;アクチノマイシンD (Actinomycin D)、ダウノ ビシン(Daunorubicin)、ブレオマイシン(Bleomycin) ペプレオマイシン(Peplomycin)、マイトマイシ C(Mitomycin C)、アクラルビシン(Aclarubicin)、ネ オカルチノスタチン(Neocarzinostatin, NCS)等の抗 癌性抗生物質;ビンクリスチン(Vincristine)、ビ デシン(Vindesine)、ビンブラスチン (Vinblastine )、タキサン系抗癌剤(タキソテール(Docetaxel,  ドセタキセル)、タキソール(Paclitaxel, TXL, パ クリタキセル)等)等の植物アルカロイド;シス プラチン(Cisplatin, CDDP)、カルボプラチン(Carbo platin)、オキサリプラチン(Oxaliplatin, L-OHP)等 白金化合物等が挙げられ、これらを1種又は2 種以上組み合わせて用いることができる。

 コレスタノール誘導体(1)又はそのシクロデ ストリン包接体と抗癌剤を併用すると、後 実施例に示すように、それぞれを単独で投 した場合に比べ、各種癌細胞の増殖が強力 抑制される。従って、これらを組み合わせ 化学療法は有効性及び副作用軽減を向上で 極めて有用であり、これらを含有する医薬 、癌化学療法剤として有用である。
 本発明の癌化学療法剤の適用により有効に 療可能な癌は、制限されるものではないが 特に胃癌、大腸癌、膵臓癌、子宮癌、卵巣 、肺臓癌、胆嚢癌、食道癌、肝臓癌、乳癌 中皮腫、前立腺癌などの悪性腫瘍が挙げら る。

 本発明の癌化学療法剤は、配合剤として 上記各成分それぞれの有効量を適当な配合 において一の剤型に製剤化したもの(1剤型 態)でも、上記各成分のそれぞれの有効量を 有する薬剤を単独に製剤化したものを同時 又は間隔を空けて別々に使用できるように たキット(2剤型形態)であってもよい。

 上記製剤の剤形は、一般的医薬製剤と同様 特に限定されず、錠剤等の固形製剤や注射 等の液剤、乾燥粉末等の用時溶解剤のいず であってもよい。
 斯かる製剤の投与形態も限定されるもので なく、剤形に応じて適切な経路により投与 ればよく、例えば、注射剤は静脈内、筋肉 、皮下、皮内腹腔内投与され、固形製剤は 口、経腸投与され得る。

 各製剤の調製は常法に従って行うことがで 、その際用い得る製剤担体としても慣用さ る充填剤、増量剤、結合剤等の賦形剤乃至 釈剤を全て利用できる。
 例えば、経口用固形製剤を調製する場合は 本発明の薬効成分に賦形剤、必要に応じて 合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、 臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆 剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造す ことができる。そのような添加剤としては 当該分野で一般的に使用されるものでよく 例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩 ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カ シウム、カオリン、微結晶セルロース、珪 等を、結合剤としては、水、エタノール、 ロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デ プン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセ ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、 ドロキシプロピルスターチ、メチルセルロ ス、エチルセルロース、シェラック、リン カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、 壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸 トリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウ 、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウ 、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を 滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸 、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、 味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石 等を挙げることができる。

 経口用液体製剤を調製する場合は、本発 の薬効成分に、矯味剤、緩衝剤、安定化剤 矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シ ップ剤、エリキシル剤等を製造することが きる。この場合矯味剤としては、上記に挙 られたもので良く、緩衝剤としては、クエ 酸ナトリウム等が、安定化剤としては、ト ガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げ れる。

 注射剤を調製する場合は、本発明の薬効 分にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等調化 、局所麻酔剤等を添加し、常法により、皮 、筋肉内及び静脈内注射剤を製造すること できる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤とし てはクエン酸ナトリウム、EDTA、チオグリコ ル酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔 としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイ 等が挙げられる。等調化剤としては、塩化 トリウム、ブドウ糖等が挙げられる。

 坐剤を調製する場合は、本発明の薬効成 に、公知の製剤用担体、例えば、ポリエチ ングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪 トリグリセライド等を、更に必要に応じて イーン(登録商標)のような界面活性剤等を えた後、常法により製造することができる

 軟膏剤を調製する場合は、本発明の薬効 分に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤 保存剤等が必要に応じて配合され、常法に り混合、製剤化される。基剤としては、流 パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロ 、オクチルドデシルアルコール、パラフィ 等が挙げられる。保存剤としては、パラオ シ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エ ル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げ れる。

 貼付剤を製造する場合は、通常の支持体 前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を 法により塗布すれば良い。支持体としては 綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布 軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレ ン等のフィルム或いは発泡体シートが適当 ある。

 尚、上記製剤中におけるコレスタノール 導体及び抗癌剤の配合量は、一般には、製 中に有効成分量が0.0001~80重量%となる製剤形 態に調製されるのが好ましい。

 本発明の癌化学療法剤をキットとする場 、以上のごとく製剤化されたコレスタノー 誘導体(1)又はそのシクロデキストリン包接 と抗癌剤を含有してなる薬剤をそれぞれ別 にパッケージして、投与時にそれぞれのパ ケージから各々の医薬品製剤を取り出して 用するように設計することができる。また それぞれの医薬品製剤を、1回毎の併用投与 に適した形態でパッケージしておくこともで きる。

 本発明の癌化学療法剤の投与量は、患者の 重、年齢、性別、症状、投与形態及び投与 数等によって異なるが、通常は成人に対し 、コレスタノール誘導体(1)として、一日成 一人当り約0.1~30mg/kg、好適には3~10mg/kgの範 が挙げられ、抗癌剤は、既に確立されてい それらの各投与量或いはそれらより低用量 挙げられる。
 投与回数は、特に限定されず、一日1回或い は数回に分けて投与することができるが、一 日1回投与するのが好ましい。また、キット する場合は、それぞれ単独の製剤を同時に いは間隔を空けて投与してもよい。

 以下、本発明を更に詳しく説明するため 実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定 れるものではない。

実施例1  癌細胞の増殖抑制における薬剤添加効果
 colon26細胞(マウス大腸癌由来)を、96穴ウェ に蒔き(1x10 4  cells/50μl、10%FCS-RPMI medium/well)、37 o Cで16時間培養した。シスプラチン(「CDDP」と す)および/または式(1)においてGがGlcNAcβ-で るコレスタノール誘導体(「GC」と略す)のシ クロデキストリン包接体(「GC-CD」と略す)を ウェルに加え(FCS(-)-mediumで倍数希釈:終濃度  500μM以下、50μl)、37 o Cで2日間培養する。尚、GC-CDは、前記特許文 4の実施例1の(2)に記載の方法に準じて製造し た。すなわち、ヒドロキシプロピル-β-シク デキストリンの水溶液(40%)を調整し、GCを添 して、攪拌・混合(80℃、30分)して作製した
 また、コントロールとして、FCS(-)-mediumのみ を加えたものを準備した。Cell counting kit(Doji n)で生細胞を測定した。
 細胞増殖抑制率(Cell proliferation inhibition(CPI)  rate)(%)を、次式で求めた。結果を図1に示す

実施例2  各種癌細胞の増殖抑制効果
 実施例1のcolon26細胞をMKN45(ヒト胃癌由来)、N CIH226(ヒト肺癌由来)及びColo201(ヒト大腸癌由 )に変えて、実施例1と同様に実験を行い、CPI  rate(%)を測定した。結果を図2に示す。
 また、コレスタノール誘導体として、式(1) おいてGがGlcNAcβ1,4-Galβ-である化合物(「GGC と略す)のシクロデキストリン包接体(コレス タノール化合物をGCCに変えた以外は、上記GC- CDの製造方法と同様にして製造した;「GGC-CD」 と略す)を用いた場合の、上記癌細胞に対す CPI rateを測定した結果を図3に示す。

実施例3  生体内での癌細胞増殖抑制における薬剤添 効果
 以下の実施例では、対象動物として、Balb/c ウス(6週齢、メス)を使用した。
(1)Colon26細胞を、1x10 4 cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後1 目に、それぞれCDDPおよび/またはGC-CDを生理 食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μl 腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。 種後19日目に解剖し、その腸間膜および大網 重量を測定した。コントロール群には、生理 的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
 結果を図4に示す。

(2)Colon26細胞を、1x10 4 cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後1 、2日、3日、6日、7日および8日目に、それぞ れCDDPおよび/またはGC-CDを生理的食塩水(大塚 食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与し て、そのまま飼育を続けた。接種後21日目に 剖し、その腸間膜および大網重量を測定し 。コントロール群には、生理的食塩水のみ 500μl投与した。(n=10;各群10匹)
 結果を図5に示す。

(3)Colon26細胞を、1x10 4 cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後7 目に、それぞれCDDPおよび/またはGC-CDを生理 食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μl 腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。 種後18日目に解剖し、その腸間膜および体網 重量を測定した。コントロール群には、生理 的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
 結果を図6に示す。

実施例4  薬剤添加による抗腫瘍効果
 対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス) 使用した。Colon26細胞を、1x10 4 cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後2 目および/または3日目(投与スケジュールは 7の凡例参照)に、それぞれCDDPおよび/またはG C-CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整 し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を 続け、接種後43日目までの生存日数を比較し 。コントロール群には、生理的食塩水のみ 500μl投与した。(n=10;各群10匹)
 結果を図7に示す。

実施例5  薬剤添加による抗腫瘍効果
 対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス) 使用した。Colon26細胞を、5x10 4 cells/匹にて皮下注射にて投与した(0日)。腫瘍 の径が4mm程度になったことを確認し(接種後7- 10日目)、それぞれCDDPおよび/またはGGC-CDを生 的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、200μ lを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け、 種後21日目までの腫瘍径を経時的に測定し、 体積を求めた。コントロール群には、生理食 塩水のみを200μl投与した。(n=7;各群7匹)
 結果を図8に示す。

実施例6  薬剤添加による癌転移抑制効果
 対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス) 使用した。Colon26細胞を、5x10 4 cells/匹にて腹腔内投与した(0日)。接種後に、 それぞれCDDPおよび/またはGC-CDあるいはGGC-CD 生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、 200μlを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け 、接種後14日目に解剖し、肺の腫瘍結節数を 定した。コントロール群には、何も投与し かった。(n=10;各群10匹)
 結果を図9に示す。

 以上のことから、本発明のコレスタノー 誘導体又はそのシクロデキストリン包接体 抗癌剤を併用すると、各種癌細胞の増殖が 力に抑制され、相乗効果及び/又は既知抗癌 剤の抗癌作用の増強効果が得られることが分 かった。