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Title:
COMBUSTION GAS BLEEDING PROBE, AND METHOD FOR RUNNING THE PROBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113440
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a combustion gas bleeding probe, which is elongated in lifetime and improved in chlorine removing ability and so on. The combustion gas bleeding probe (1) comprises a cold gas discharge means having a plurality of discharge ports (2b) for discharging a cold gas (C) substantially perpendicularly of the suction direction (S) of a combustion gas (G) and toward the center of the combustion gas flow. A vector (A), which is composed of momentum vectors (MV) of the cold gas (C) discharged individually from the plural discharge ports, has a vertically downward component. This vertically downward component of the synthesized vectors is made the larger, as the angle made between the suction direction of the combustion gas and the flow direction of the combustion gas before sucked by the probe becomes the closer to a right angle. The vertically downward component of the synthesized vectors is made the smaller, as the suction direction of the combustion gas and the flow direction of the combustion gas before sucked by the probe becomes the closer to parallel. Two to six discharge ports can be arranged in a plane normal to the sucking direction of the combustion gas by the probe.

Inventors:
WADA HAJIME (JP)
SAITO SHINICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054148
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TAIHEIYO CEMENT CORP (JP)
WADA HAJIME (JP)
SAITO SHINICHIRO (JP)
International Classes:
F27D17/00; C04B7/60
Domestic Patent References:
WO2005050114A12005-06-02
WO2000012444A12000-03-09
WO2005050114A12005-06-02
Foreign References:
JP2008056548A2008-03-13
JPH1135355A1999-02-09
JPH09301751A1997-11-25
JPH02116649A1990-05-01
Other References:
See also references of EP 2251629A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAI, JUN (JP)
Nakai 潤 (JP)
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Claims:
 燃焼ガスの吸引方向に対して略々直角方向、かつ該燃焼ガス流れの中心方向に低温ガスを吐出する複数の吐出口を備える低温ガス吐出手段を有する燃焼ガス抽気プローブであって、
 前記複数の吐出口の各々から吐出される低温ガスの運動量ベクトルを合成したベクトルが鉛直方向下向きの成分を有することを特徴とする燃焼ガス抽気プローブ。
 前記燃焼ガスの吸引方向と、該燃焼ガスの該プローブによる吸引前の流れ方向とのなす角度が直角に近づく程、前記合成ベクトルの鉛直方向下向きの成分を大きくし、前記燃焼ガスの吸引方向と、該燃焼ガスの該プローブによる吸引前の流れ方向とが平行に近づく程、前記合成ベクトルの鉛直方向下向きの成分を小さくすることを特徴とする請求項1に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
 前記吐出口は、該プローブの前記燃焼ガスの吸引方向に対して垂直な面内の2乃至6箇所に配置され、各々の吐出口から前記低温ガスの全量の10%以上50%以下の低温ガスが吐出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
 前記吐出口は、該プローブの前記燃焼ガスの吸引方向に対して垂直な面内の2箇所に配置され、該2箇所に配置された吐出口の各々は、該プローブの物理的中心位置から前記燃焼ガスの速度分布の重心位置方向へ移動した位置に配置されることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
 前記吐出口の各々の移動量の最大値を、該プローブの内径の30%とすることを特徴とする請求項4に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
 請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼ガス抽気プローブの運転方法であって、
 前記低温ガスの吐出後の該プローブ内の温度分布を測定し、付近の温度が最も高温である吐出口からより多くの低温ガスを吐出することを特徴とする燃焼ガス抽気プローブの運転方法。
 前記複数の吐出口の各々の吐出口から吐出される低温ガスの吐出速度を、5m/s以上100m/s以下の範囲で調節することを特徴とする請求項6に記載の燃焼ガス抽気プローブの運転方法。
Description:
燃焼ガス抽気プローブ及びその 転方法

 本発明は、燃焼ガス抽気プローブ及びそ 運転方法に関し、特に、セメントキルンの 尻から最下段サイクロンに至るまでのキル 排ガス流路より、燃焼ガスの一部を抽気し 塩素を除去するためのセメントキルン塩素 イパス設備等に使用される燃焼ガス抽気プ ーブと、その運転方法に関する。

 従来、セメント製造設備におけるプレヒ ターの閉塞等の問題を引き起こす原因とな 塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特 問題となることに着目し、セメントキルン 入口フード付近より、燃焼ガスの一部を抽 して塩素を除去する塩素バイパス設備が用 られている。また、近年の塩素含有リサイ ル資源の活用量の増加に伴い、セメントキ ンに持ち込まれる塩素の量が増加し、塩素 イパス設備の能力の増大が不可避となって る。

 この塩素バイパス設備には、上記入口フ ド付近より燃焼ガスの一部を抽気するため 入口フード付近にプローブを突設し、この ローブの後段に抽気ガス処理設備が設けら ている。このプローブの先端は、入口フー 付近で1000℃程度の高温に晒されるため、耐 熱度の高い鋳鋼を使用したり、入口フードの 外部から取り入れた冷風等によって冷却して プローブを保護する必要がある。

 また、キルン排ガス中の塩素等の揮発性 分は、プローブで450℃程度以下に急冷する とによって、バイパスダストの微粉部分に 縮されるため、後段のガス抽気排出設備に イクロン等の分級手段を配置し、バイパス ストを揮発性成分濃度の低い粗粉ダストと 揮発性成分濃度の高い微粉ダストに分級し 粗粉ダストはキルン系に戻し、微粉ダスト み塩素バイパス設備を介して系外に排出す ことにより、バイパスダスト量を低減する とができる。そのため、この点からも、プ ーブにおいてキルン排ガスを急冷すること 必要である。

 上記の点に鑑み、特許文献1には、高温の 燃焼ガスが流れる内筒と、内筒を囲繞する外 筒と、内筒に穿設された低温のガスの吐出口 と、内筒と外筒との間に低温のガスを供給し 、吐出口から低温のガスを、高温の燃焼ガス の吸引方向に対して略々直角中心方向に吐出 させる低温ガス供給手段とを備える燃焼ガス 抽気プローブが記載されている。

国際公開WO2005/050114号パンフレット

 しかし、特許文献1に記載の燃焼ガス抽気 プローブ等、高い塩素除去能力を有する直交 流冷却型プローブを用いた場合でも、プロー ブの設置角度等の設置条件によっては、抽気 対象の燃焼ガスや、該燃焼ガスに含まれるダ ストがプローブ内又は二次混合冷却器におい て偏流を起こし、プローブの摩耗や、プロー ブ内のガス温度の偏分布を誘発し、プローブ の寿命の短縮化や、性能の低下の原因となっ ていた。

 また、プローブの摩耗や、プローブ内の ス温度の偏分布を防止するため、摩擦防止 や偏流防止板を設置することも行われてい が、期待された程の効果を得ることができ かった。

 そこで、本発明は、上記従来の技術にお る問題点に鑑みてなされたものであって、 焼ガス抽気プローブの長寿命化、及び該プ ーブの塩素除去能力等の性能の向上を図る とを目的とする。

 上記目的を達成するため、本発明は、燃 ガスの吸引方向に対して略々直角方向、か 該燃焼ガス流れの中心方向に低温ガスを吐 する複数の吐出口を備える低温ガス吐出手 を有する燃焼ガス抽気プローブであって、 記複数の吐出口の各々から吐出される低温 スの運動量ベクトルを合成したベクトルが 直方向下向きの成分を有することを特徴と る。

 そして、本発明によれば、複数の吐出口 各々から吐出される低温ガスの運動量ベク ルを合成したベクトルが鉛直方向下向きの 分を有するように構成したため、燃焼ガス ダストの偏流の程度に合わせて低温ガスを 給することができ、ダストの偏流や、プロ ブの構成部品へのダストの衝突を最小限に えることができるとともに、プローブ内の ス温度の偏分布を抑えることもでき、プロ ブの長寿命化、性能の向上を図ることがで る。

 上記燃焼ガス抽気プローブにおいて、前 燃焼ガスの吸引方向と、該燃焼ガスの該プ ーブによる吸引前の流れ方向とのなす角度 直角に近づく程、前記合成ベクトルの鉛直 向下向きの成分を大きくし、前記燃焼ガス 吸引方向と、該燃焼ガスの該プローブによ 吸引前の流れ方向とが平行に近づく程、前 合成ベクトルの鉛直方向下向きの成分を小 くすることができる。燃焼ガスの吸引方向 、燃焼ガスのプローブによる吸引前の流れ 向とのなす角度が直角に近づく程、燃焼ガ の速度分布の重心位置が該プローブの物理 中心位置から大きく変化するため、重心位 の変化の大きさに合わせて吐出口の位置を 切に調整することができる。

 上記燃焼ガス抽気プローブにおいて、前 吐出口を、該プローブの前記燃焼ガスの吸 方向に対して垂直な面内の2乃至6箇所に配 し、各々の吐出口から前記低温ガスの全量 10%以上50%以下の低温ガスが吐出されるよう 構成することができる。これにより全体的 バランスよくプローブ内に低温ガスを吐出 ることができ、プローブ内のガス温度の偏 布等を効果的に低減することができる。尚 各吐出口の位置は、燃焼ガスの冷却状況(プ ーブ内の温度分布)をシミュレーションして 決定することができ、各吐出口から吐出する 冷風量は、温度分布の測定結果から調整する ことが好ましい。

 上記燃焼ガス抽気プローブにおいて、前 吐出口を、該プローブの前記燃焼ガスの吸 方向に対して垂直な面内の2箇所に配置し、 該2箇所に配置した吐出口の各々を、該プロ ブの物理的中心位置から前記燃焼ガスの速 分布の重心位置方向へ移動した位置に配置 ることができる。また、この燃焼ガス抽気 ローブにおいて、前記吐出口の各々の移動 の最大値を、該プローブの内径の30%とする とができ、プローブの内径の30%を超える変 を与えた場合には、該プローブの物理的中 位置から見て、燃焼ガスの速度分布の重心 置方向とは逆方向への低温ガスの供給量が 足する場合があるので、プローブの出口温 設定による最適値をシミュレーションなど より決定していくことが好ましい。

 また、本発明は、上記各々の燃焼ガス抽 プローブの運転方法であって、前記低温ガ の吐出後の該プローブ内の温度分布を測定 、付近の温度が最も高温である吐出口から り多くの低温ガスを吐出することを特徴と る。これにより、吐出口付近の温度に応じ 該吐出口からの低温ガス吐出量を調整する とができ、効果的にプローブ内のガス温度 偏分布等を低減することができる。

 上記燃焼ガス抽気プローブの運転方法に いて、複数の吐出口の各々の吐出口から吐 される低温ガスの吐出速度を、5m/s以上100m/s 以下の範囲で調節することができる。吐出速 度が5m/sに達しない場合には、吐出した低温 スがプローブの中心部まで届かないため、 ローブ内のガス温度の偏分布等を効果的に 減することができず、吐出速度が100m/sを超 ると、プローブによる燃焼ガスの円滑な吸 を阻害する虞があるため好ましくない。

 以上のように、本発明によれば、プロー の長寿命化、及び塩素除去能力等の性能の 上を図ることが可能な燃焼ガス抽気プロー 及びその運転方法を提供することができる

  次に、本発明の実施の形態について、 面を参照しながら説明する。

 図1(a)は、本発明にかかる燃焼ガス抽気プ ローブ(以下、「プローブ」と略称する)の一 施の形態を示し、このプローブ1は、円筒状 の内筒2と、内筒2を囲繞する円筒状の外筒3と 、外筒3の先端部に固定された、リング状の 状部材としての鏡板6と、内筒2と外筒3との に形成された冷却空気通路8と、冷却ファン( 不図示)からの一次冷却空気を冷却空気通路8 供給する一次冷却空気供給口9等を備え、セ メントキルンの立上り部5に取付座4を介して 置される。プローブ1の下流側のダクト11に 、均一な温度に冷却するための二次冷却空 供給口10が設けられる。

 内筒2は、立上り部5を流れる高温の燃焼 スGを、吐出口2bから導入された一次冷却空 (以下、「冷却空気」という)Cによって冷却 ながら矢印S方向に抽気するために備えられ 。この内筒2の入口部2aは、セメントキルン 立上り部5の燃焼ガス流路に面する。吐出口 2bは、内筒2の中心Oを通る鉛直線Pを対称軸と て線対称の位置に2つ設けられる。

 外筒3は、内筒2を囲繞するように、断面 内筒2と同心円状の円筒状に形成される。こ 外筒3は、フランジ部3aを介して取付座4に固 定される。外筒3の内面と、内筒2の外面との には、冷却空気通路8が形成され、この冷却 空気通路8に、一次冷却空気供給口9(以下、「 供給口」という)から冷却空気Cが供給され、 出口2bを介して内筒2の内部に導入される。

 次に、本発明の特徴部分である吐出口2b 取付位置について、図1(b)を参照しながら説 する。尚、図1(b)は、プローブ1のA-A矢視図 あって、図1(a)における軸線Lが、図1(b)にお て紙面に垂直になるように描いている。

 図1(b)に示すように、吐出口2bは、吐出口2 bの中心2cと内筒2の中心Oとを結ぶ直線L1と、 筒2の中心Oを通る水平線Hとのなす角が15°に るように左右に各々1つずつ配置される。こ のような配置としたのは、以下の理由による 。

 図2は、上述のプローブ1の内部の温度分 のシミュレーション結果を示す。(a)は、ブ ンクテストとして、冷却空気Cの吐出口2bの 心を内筒2の中心Oを通る水平線H上に左右に 々1つずつ配置し、内筒2の中心Oに向かって 却空気Cを吐出した場合、(b)は、冷却空気Cの 吐出口2bの中心と内筒2の中心Oとを結ぶ直線 、内筒2の中心Oを通る水平線Hとのなす角が30 °になるように左右に各々1つずつ配置し、内 筒2の中心Oに向かって冷却空気Cを吐出した場 合、(c)は、冷却空気Cの吐出口2bの中心と内筒 2の中心Oとを結ぶ直線と、内筒2の中心Oを通 水平線Hとのなす角が60°になるように左右に 各々1つずつ配置し、内筒2の中心Oに向かって 冷却空気Cを吐出した場合、(d)は、冷却空気C 吐出口2bの中心と内筒2の中心Oとを結ぶ直線 と、内筒2の中心Oを通る水平線Hとのなす角が 30°になるように左右に各々1つずつ配置し、 平方向に冷却空気Cを吐出した場合を示す。

 図2(a)~(d)において、立上り部5の内部と、 ローブ1の立上り部5近傍の黒色部分は、高 部(1100℃程度)であって、高温部に隣接する 色部Yは、上記黒色部より低温の部分(600℃程 度)であって、プローブ1の内部の模様部分Zは 、低温部(400℃~600℃程度)を示し、低温部は色 が濃い程温度が低いことを示す。

 図2(a)のブランクでは、プローブ1の上方 強く淡色部Yが現れ、下方には弱く現れてい ことから、プローブ1の上方の燃焼ガスGの 却が不十分であることが判る。また、模様 分Zに複数の異なる色の模様ができているこ から、プローブ1内のガス温度が偏分布して いることが判る。

 次に、図2(b)の場合には、プローブ1の下 に強く淡色部Yが現れ、上方には弱く現れて ることから、プローブ1の下方の燃焼ガスの 冷却が不十分であることが判る。但し、模様 部分Zが現れているものの、単色の模様のみ あるため、プローブ1内のガス温度の偏分布 僅かであることが判る。この結果から、図2 (a)と図2(b)の中間的な位置、すなわち、冷却 気Cの吐出口2bの中心と内筒2の中心Oとを結ぶ 直線と、内筒2の中心Oを通る水平線Hとのなす 角が15°程度になるように、左右に各々1つず 吐出口2bを配置した場合には良好な結果が られることが推測される。

 次に、図2(c)の場合には、プローブ1の下 に強く淡色部Yが現れ、上方には全く現れて ないことから、明らかにプローブ1の下方の 燃焼ガスの冷却が不十分であることが判る。 また、模様部分Zの領域も広く、複数の異な 色の模様ができ、特に中心部には濃い部分 存在するため、プローブ1内のガス温度の偏 布が強いことも判る。

 次に、図2(d)の場合にも、プローブ1の下 に強く淡色部Yが現れ、上方には全く現れて ないことから、明らかにプローブ1の下方の 燃焼ガスの冷却が不十分であることが判る。 また、模様部分Zの領域は狭いものの、複数 異なる色の模様ができ、特に中心部には濃 部分も存在するため、プローブ1内のガス温 の偏分布が強いことも判る。この結果と、 2(b)の結果を比較することにより、吐出口2b 位置を調整しても、図1に示した内筒2の中 Oに向かって冷却空気Cを吐出しなければ、良 好な結果が得られないことが判る。

 上記シミュレーション結果より、図1に示 したプローブ1を用いた場合には、冷却空気C 吐出口2bの中心と内筒2の中心Oとを結ぶ直線 と、内筒2の中心Oを通る水平線Hとのなす角が 15°程度になるように吐出口2bを配置するとと もに、内筒2の中心Oに向かって吐出口2bから 却空気Cを吐出することにより良好な結果が られることが判った。これは、図1に示すよ うに、プローブ1内の抽気ガスの速度分布13を 見ると、上側に速度の大きい部分が集まり、 速度分布13の重心位置14がプローブ1の物理的 心位置(軸線L上に存在する)より上側に存在 るため、冷却空気Cを吐出するための吐出口 2bも、これに合わせてプローブ1の物理的中心 位置より上方に配置することで好結果が得ら れるものと推察される。

 次に、立上り部5へのプローブ1の取付角 と、吐出口2bの取付位置との関係について、 図1及び図3を参照しながら説明する。

 図3は、図1に示したプローブ1と同様の構 を有するプローブ21を立上り部5の表面に対 る角度θ2が図1におけるθ1より小さくなるよ うに取り付けた場合を示している。尚、以下 、プローブ21の構成要素についての詳細説明 省略する。

 プローブ21は、その軸線Lが立上り部5の表 面に対する角度θ2、すなわち、燃焼ガスGの ローブ21による吸引前の流れ方向との関係が 図1よりも平行に近づいている分、プローブ21 内での抽気ガスの偏流の程度が小さくなり、 プローブ21内の抽気ガスの速度分布22の重心 置23の、プローブ21の物理的中心位置(軸線L に存在する)から上方へのずれ量δ2が、図1の プローブ1の上方へのずれ量δ1よりも小さく る。そのため、この重心位置23のずれ量を考 慮し、プローブ21においては、プローブ1の場 合と比較して吐出口2bをプローブ1の物理的中 心位置に近づくように配置する。

 尚、上述のように、プローブ1、21の立上 部5に対する取付角度θ1、θ2により吐出口2b 取付位置も変更する必要があるが、吐出口2 bの取付位置のプローブ1、21の物理的中心位 からの変位X(図1(b)参照)がプローブ1、21の内 の30%を超える場合には、プローブ1、21の物 的中心位置から見て、燃焼ガスGの速度分布 13、22の重心位置14、23の方向とは逆方向(内筒 2の底面側)への冷却空気Cの供給量が不足する 場合があるので、プローブ1、21の出口温度設 定による最適値をシミュレーションなどによ り決定していくことが好ましい。

 上記実施の形態においては、吐出口2bを プローブ1、21の燃焼ガスの吸引方向Sに対し 垂直な面内の2箇所に配置したが、3箇所以 に配置することも可能である。この場合の 置例について、図4を参照しながら説明する 図4(a)~(e)は、各々吐出口2bを2~6箇所に配置し た例を示し、各図とも、プローブ31の燃焼ガ の吸引方向に対して垂直な断面を示してい 。

 図4(a)は、吐出口を2箇所に配置した例で り、この場合、上述のように、吐出口2bをプ ローブ31の物理的中心位置Oから燃焼ガスの速 度分布の重心位置Gの方向へ移動した位置に 置している。ここで、吐出口2bからの冷却空 気Cの吐出方向は、プローブ31の物理的中心位 置Oであるため、各吐出口2bから各々質量Mの 却空気Cが速度Vで吐出された場合、運動量ベ クトルMVは、図示のような大きさと方向を有 る。そこで、2つの運動量ベクトルMVを合成 ると、ベクトルAとなり、このベクトルAの 向は鉛直方向下向きとなる。従って、吐出 2bを2箇所に配置した場合、吐出口2bをプロー ブ31の物理的中心位置Oから燃焼ガスの速度分 布の重心位置Gの方向へ移動させることは、 い換えれば、各吐出口2bから吐出される冷却 空気Cの運動量ベクトルMVの合成ベクトルAを 直方向下向きとすることに相当する。

 図4(b)は、吐出口を3箇所に配置した例で り、この場合、吐出口2bは、プローブ31の物 的中心位置Oと同じレベルに2個、天井部に1 配置している。ここで、各吐出口2bから各 質量Mの冷却空気Cが速度Vで吐出された場合 運動量ベクトルMVは、図示のような大きさと 方向を有する。そこで、3つの運動量ベクト MVを合成すると、ベクトルAとなり、このベ トルAの方向も鉛直方向下向きとなる。

 図4(c)~(e)は、吐出口を4~6箇所に配置した であり、各吐出口2bから吐出された冷却空気 Cの運動量ベクトル(各吐出口2bにおいて矢印 示す)を合成して得られたベクトルAの方向は 、図4(d)、(e)において鉛直方向下向きとなる 一方、図4(c)は、吐出口を4箇所に配置した例 であるが、この場合セメントキルンの奥側( 印Yの方向)の燃焼ガス量が多いため、奥側に 吐出口2b’を設けている。このため、各吐出 2b、2b’から吐出された冷却空気Cの運動量 クトルを合成して得られたベクトルAの方向 、鉛直方向下向きではなく、右下方向とな 、ベクトルAは、鉛直方向下向きの成分を有 する。

 以上のように、本発明では、配置する吐 口2b(2b’も含む)の数に関わらず、各吐出口2 bから吐出される冷却空気Cの運動量ベクトル 合成したベクトルAが鉛直方向下向きの成分 を有することを特徴としている。尚、各吐出 口2bから吐出される冷却空気Cの量は、同一で ある必要はなく、また同速度で吐出しなくと もよい。いずれの場合でも、各吐出口から吐 出される冷却空気の運動量ベクトルを合成し て得られるベクトルが鉛直方向下向きの成分 を有することで同様の効果を得ることができ る。

 次に、プローブの取付角度、すなわちプ ーブによる燃焼ガスの吸引方向と、吸引前 燃焼ガスの流れ方向とのなす角と、吐出口 取付位置との関係について説明する。

 図1と図3において、吐出口2bを2箇所に配 した場合の立上り部5へのプローブ1の取付角 度と、吐出口2bの取付位置との関係について 明し、図3では、燃焼ガスの吸引方向Sと、 焼ガスGのプローブ21による吸引前の流れ方 との関係が図1よりも平行に近づいている分 プローブ21内の抽気ガスの速度分布22の重心 位置23の、プローブ21の物理的中心位置から 方へのずれ量δ2が、図1のプローブ1の上方へ のずれ量δ1よりも小さくなるため、この重心 位置のずれ量を考慮し、プローブ21において 、プローブ1の場合と比較して吐出口2bをプ ーブ1の物理的中心位置に近づくように配置 した。これは、言い換えれば、図3では、各 出口2bからの冷却空気Cの運動量ベクトルを 成したベクトルの鉛直方向下向きの成分を さくしたことに相当する。吐出口2bを3箇所 上に配置した場合も同様に、燃焼ガスの吸 方向と、プローブによる吸引前の燃焼ガス 流れ方向とのなす角度が平行に近づく程、 却空気Cの運動量ベクトルの合成ベクトルの 直方向下向きの成分を小さくする必要があ 。

 上記プローブ1、21、31を運転する際には 冷却空気Cの吐出後のプローブ内の温度分布 測定し、測定温度に応じて各々の吐出口2b らの冷却空気供給量を制御することが好ま い。例えば、付近の温度が最も高温である 出口2bからより多くの冷却空気Cを吐出する 吐出口2bからの冷却空気Cの吐出速度は、吐 した冷却空気Cがプローブ1、21、31の内筒の 心部まで届くように5m/s以上とし、過度の速 上昇は円滑な燃焼ガスの吸引を阻害する虞 あるため、100m/s以下の吐出速度となるよう 調節する。

 また、上記実施の形態においては、高温 燃焼ガスGをプローブ1、21、31の周囲から取 入れた空気によって冷却する場合について 明したが、セメント焼成設備において廃棄 (例えば、都市ごみ焼却灰、下水汚泥、建設 発生処理土等)を乾燥する際に発生する悪臭 含む換気空気等を冷却用ガスとして用いる ともできる。

本発明にかかる燃焼ガス抽気プローブ 一実施の形態を示す一部破断断面図である 燃焼ガス抽気プローブの内部の温度分 のシミュレーション結果を示す図である。 本発明にかかる燃焼ガス抽気プローブ 他の実施の形態を示す一部破断断面図であ 。 本発明にかかる燃焼ガス抽気プローブ 吐出口の配置例を説明するための概略図で る。

符号の説明

1 プローブ
2  内筒
2a  入口部
2b(2b’) 吐出口
2c (吐出口の)中心
3  外筒
3a フランジ部
4  取付座
5  立上り部
6  鏡板
8  冷却空気通路
9  一次冷却空気供給口
10 二次冷却空気供給口
11  ダクト
13  (抽気ガスの)速度分布
14  速度分布の重心位置
21  プローブ
22  (抽気ガスの)速度分布
23  速度分布の重心位置
31  プローブ