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Patent Searching and Data


Title:
COMBUSTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/022449
Kind Code:
A1
Abstract:
A combustor in which damage by fire on a burner member is prevented by forming a flame holding region at a position remote from the burner, and a NOx emission level can be lowered by bringing premixed gas into leaner state through enhancement of flame holding performance. The combustor includes a heat chamber (12) having a cylindrical sidewall and forming a combustion chamber (10) on the inside, and a main burner (42) arranged at the top (12a) of the heat chamber (12) for jetting annular premixed gas into the heat chamber (12) to form a backflow region R in the downstream of the premixed gas flow along the axis center O of the heat chamber (12) toward the top (12a) wherein a pilot burner (44) is arranged on the top (12a) for jetting mixed gas of fuel and air only in the direction opposing the backflow region R in the heat chamber (12).

Inventors:
KASHIHARA HIROYUKI (JP)
YOSHINO YASUSHI (JP)
MATSUMOTO KIYOSHI (JP)
KIMURA TAKESHI (JP)
KITAJIMA JUNICHI (JP)
HORIKAWA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001989
Publication Date:
February 19, 2009
Filing Date:
July 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KAWASAKI HEAVY IND LTD (JP)
KASHIHARA HIROYUKI (JP)
YOSHINO YASUSHI (JP)
MATSUMOTO KIYOSHI (JP)
KIMURA TAKESHI (JP)
KITAJIMA JUNICHI (JP)
HORIKAWA ATSUSHI (JP)
International Classes:
F23R3/30; F02C7/232; F23R3/02; F23R3/12; F23R3/28; F23R3/32; F23R3/34; F23R3/44
Foreign References:
JP2005030667A2005-02-03
JP2002168449A2002-06-14
JP2002174425A2002-06-21
JP2000274611A2000-10-03
JPH07190373A1995-07-28
JP2005351616A2005-12-22
Other References:
See also references of EP 2187128A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMOTO, Shuji (10-2 Edobori 1-chome, Nishi-ku, Osaka-sh, Osaka 02, JP)
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Claims:
 筒状の側壁を有し、内側に燃焼室を形成する燃焼筒と、
 前記燃焼筒の頂部に配置されて前記燃焼室に環状に予混合気を噴射して、その予混合気流の下流部に燃焼室の軸心に沿って前記頂部に向かう逆流領域を形成させるメインバーナと、
 前記頂部に配置されて前記燃焼室内の逆流領域に対向する方向にのみ燃料と空気の混合気を噴射するパイロットバーナとを備えた燃焼装置。
 請求項1において、前記パイロットバーナが、多数の孔が形成された多孔体を備え、この多孔体を介して燃料と空気の予混合気を噴射する燃焼装置。
 請求項2において、前記パイロットバーナの予混合気通路に、混合を促進する多数の孔が形成された予混合体を備えた燃焼装置。
 請求項3において、前記予混合体は、前記パイロットバーナの軸心上に配置された支持棒と、複数の貫通孔を有し前記支持棒に軸心方向に離間して取り付けられた複数の通路板とを有する燃焼装置。
 請求項2、3または4において、前記メインバーナは環状の予混合気通路を有し、この予混合気通路の内周側に前記パイロットバーナの予混合気通路が配置されている燃焼装置。
 請求項1から5のいずれか一項において、前記パイロットバーナを、火炎の伝播速度よりも速い初期速度で混合気を噴射するように設定することにより、混合気の流速が火炎の伝播速度と同じ速度まで低下した位置で形成される保炎領域を、前記パイロットバーナから軸心方向に離れた位置に形成させる燃焼装置。
 請求項1から6のいずれか一項において、前記パイロットバーナが、その噴射ガスを前記燃焼室内に向けて案内するパイロットノズルを備えている燃焼装置。
 請求項1から7のいずれか一項において、前記メインバーナと前記パイロットバーナに燃料を供給する燃料供給系統が互いに独立して設けられており、それぞれ独立に燃料濃度の調節が可能な燃焼装置。
 請求項1から8のいずれか一項において、前記パイロットバーナが前記燃焼室からの火炎の侵入を防止する逆火防止構造を備えている燃焼装置。
 請求項9において、前記逆火防止構造は多数の貫通孔を有する多孔体により形成されている燃焼装置。
Description:
燃焼装置 関連出願

 本願は2007年8月10日出願の特願2007-210269の 先権を主張するものであり、その全体を参 により本出願の一部をなすものとして引用 る。

 本発明は、ガスタービンエンジン,ボイラ 等、高温ガスの供給を必要とする機器に使用 する燃焼装置に関する。

 ガスタービンエンジンにおいては、環境 全への配慮から、燃焼により排出される排 スの組成に関して厳しい環境基準が設けら ており、窒素酸化物(以下、NOxという)など 有害物質を低減することが求められている 一方、大型のガスタービンや航空機用エン ンでは、低燃費化および高出力化の要請か 、圧力比が高く設定される傾向にあり、そ に伴って燃焼装置入口における高温・高圧 が進み、この燃焼装置の入口温度の高温化 よって燃焼温度が高くなり易いことから、NO xをむしろ増加させる要因になることが懸念 れている。

 そこで、近年では、NOx発生量を効果的に 減できる希薄予混合燃焼方式と、着火性能 保炎性能に優れた拡散燃焼方式とを組み合 せた複合燃焼方式が提案されている(特許文 献1,2)。希薄予混合燃焼方式は、空気と燃料 を予め混合して燃料濃度を均一化した混合 として燃焼させるので、局所的に火炎温度 高温となる燃焼領域が存在せず、かつ燃料 希薄化により全体的にも火炎温度を低くで ることから、NOx発生量を効果的に低減でき 利点がある反面、大量の空気と燃料とを均 に混合することから、燃焼領域の局所燃料 度が非常に薄くなってしまい、特に低負荷 の燃焼安定性すなわち保炎性能が低下する 題がある。一方、拡散燃焼方式は、燃料と 気とを拡散・混合しながら燃焼させること ら、低負荷時にも吹き消えが起こり難く、 炎性能が優れている利点がある。したがっ 、複合燃焼方式は、始動時および低負荷時 おいては拡散燃焼により燃焼安定性を確保 ながら、高負荷時においては予混合燃焼に りNOx発生量の低減を図れるものである。

 従来の複合燃焼方式の燃焼装置では、例え 図6に示すように、燃焼装置80の燃焼筒81の 部に、拡散燃料を燃焼室に噴射する拡散燃 バーナ(パイロットバーナ)84を配置し、その 側を囲むように予混合気を燃焼室に噴射す 予混合燃料バーナ(メインバーナ)82を配置し たバーナユニット85を採用し、パイロットバ ナ84として、中心の燃料噴射口84aの周囲に スワーラ86を介して旋回流となった空気Aを 射する空気噴射口84bを備える旋回型のバー を用いている。

特開平8-28871号公報

特開平8-210641号公報

 しかし、上記のような旋回型のパイロッ バーナ84を使用した従来の燃焼装置におい は、保炎を強化しようとするときには旋回 を用いて予混合気流に生じる逆流R1が強くな るように設定するが、そうするとパイロット バーナ中心部の部材に燃焼ガスが吹き付けら れるため、パイロットバーナが焼損してしま う。焼損を回避するために旋回等を抑えて予 混合気流に生じる逆流R1を弱くした場合には 保炎性が低下する。つまり、焼損回避の観 から、旋回等を抑えて予混合気流に生じる 流R1を弱くする必要があるが、その場合に 保炎性が低下する。そのため、予混合燃料 度をあまり薄くすることができず、結果的 NOx排出レベルが高くなるということがあっ 。

 本発明は、パイロットバーナから離れた 置に保炎領域を形成することにより、パイ ットバーナの焼損を防止するとともに、保 性能の向上により予混合気をより希薄な状 としてNOx排出レベルを低下させることので る燃焼装置を提供することを目的とする。

 前記した目的を達成するために、本発明 係る燃焼装置は、筒状の側壁を有し、内側 燃焼室を形成する燃焼筒と、前記燃焼筒の 部に配置されて前記燃焼室に環状に予混合 を噴射して、その予混合気流の下流部に燃 室の軸心に沿って前記頂部に向かう逆流領 を形成させるメインバーナと、前記頂部に 置されて前記燃焼室内の逆流領域に対向す 方向にのみ燃料と空気の混合気を噴射する イロットバーナとを備えている。ここで、 逆流領域に対向する方向にのみ」とは、パ ロットバーナから噴射される混合気流が、 来のパイロットバーナが含む成分のような 己の逆流領域を形成する成分を含まない、 まり、燃焼室の軸心に沿った一様な流れの 分のみを含むことを意味する。

 この構成によれば、パイロットバーナか の混合気が逆流領域を形成しないので、バ ナから離れた位置に保炎領域を形成するこ ができるから、保炎を強化するために流速 大きくしても、バーナ中心部の部材に高温 燃焼ガスが吹き付けられてバーナ中心部の 材が焼損することがない。また、メインバ ナからの逆流した予混合気にパイロットバ ナからの混合気が吹き込まれることにより パイロットバーナからの混合気の流速が火 伝播速度まで低下されるので、一層保炎性 向上する。その結果、メインバーナおよび イロットバーナのいずれにおいても混合気 より希薄な状態にして運転することが可能 なり、断熱火炎温度を下げることができる で、低NOx燃焼が可能となる。

 本発明の燃焼装置に用いる前記パイロッ バーナは、多数の孔が形成された多孔体を え、この多孔体を介して燃料と空気の予混 気を噴射するものであってよい。この構成 よれば、従来の燃焼装置の構造に簡易な変 を加えるだけで、パイロットバーナの焼損 止および低NOx燃焼の実現という効果を得る とができる。また、あらかじめ燃料と空気 十分に混合させた燃料濃度にムラの少ない 混合気をパイロットバーナから噴射するた 、NOxの排出量をさらに低下させることがで る。

 本発明の燃焼装置は、前記パイロットバ ナの予混合気通路に、混合を促進する多数 孔が形成された予混合体を備えたものであ てよい。この構成によれば、前記パイロッ バーナの予混合気通路を流れる燃料と空気 の予混合気は、予混合体を通過する際に乱 を発生し、より均一に混合されるため、NOx 排出量をさらに低下させることができる。

 このようにパイロットバーナも予混合燃 方式とする場合、好ましくは、前記メイン ーナは環状の予混合気通路を有し、この予 合気通路の内周側に前記パイロットバーナ 予混合気通路を配置する。このような構成 することで、メインバーナの環状の予混合 通路の内側のスペースを有効利用してパイ ットバーナの予混合気通路を設けることが きるので、燃焼装置がコンパクトになる。

 本発明の燃焼装置では、前記パイロット ーナを、火炎の伝播速度よりも大きい初期 度で混合気を噴射するように設定すること より、混合気の流速が火炎の伝播速度と同 速度まで低下した位置で形成される保炎領 を、前記パイロットバーナから軸心方向に れた位置に形成させることが好ましい。こ により、パイロットバーナの焼損をより確 に防止することができる。火炎の伝播速度 燃料濃度の調整により制御が可能である。

 また、前記パイロットバーナは、その噴 ガスを前記燃焼室内に向けてほぼ一方向に 内するパイロットノズルを備えていること 好ましい。このようなパイロットノズルを えていれば、パイロットバーナからの混合 をより確実に一方向に噴射することができ 。

 上記燃焼装置においては、前記メインバ ナと前記パイロットバーナに燃料を供給す 燃料供給系統が互いに独立して設けられて それぞれ独立に燃料濃度の調節が可能であ ことが好ましい。燃料濃度の調整により、 炎伝播速度を制御することが可能であるが メインバーナからの予混合気の火炎伝播速 と、これに対向するパイロットバーナから 混合気の火炎伝播速度をそれぞれ別個に制 可能とすることにより、保炎領域の形成位 をより適正に制御することができるため、 り確実にパイロットバーナの焼損を防止し かつ低NOx燃焼を実現することができる。

 好ましくは、前記パイロットバーナは前 燃焼室からの火炎の侵入を防止する逆火防 機構を備えている。このような構成とする とにより、火炎がパイロットバーナの内部 逆流することを防ぎ、より効果的にパイロ トバーナの焼損を防止することができる。

 本発明は、添付の図面を参考にした以下の 適な実施形態の説明からより明瞭に理解さ るであろう。しかしながら、実施形態およ 図面は単なる図示および説明のためのもの あり、本発明の範囲を定めるために利用さ るべきでない。本発明の範囲は添付のクレ ムによって定まる。添付図面において、複 の図面における同一の部品番号は、同一部 を示す。
本発明の一実施形態に係る燃焼装置が 用されるガスタービンエンジンを示す概略 である。 同実施形態に係る燃焼装置を示す断面 である。 図2の燃焼装置の要部を示す断面図であ る。 図2の燃焼装置に用いる予混合体を示す 正面図である。 本発明の他の実施形態に係る燃焼装置 要部を示す断面図である。 従来の燃焼装置を示す断面図である。

 以下、本発明に係る実施形態を図面に従 て詳細に説明する。図1は本発明の一実施形 態に係る燃焼装置が適用されるガスタービン エンジンを示す簡略構成図である。ガスター ビンエンジンGTは圧縮機1、燃焼装置2および ービン3を主構成要素として構成されており 圧縮機1から供給される圧縮空気を燃焼装置 2で燃焼させ、それにより発生する高圧の燃 ガスをタービン3に供給する。圧縮機1は回転 軸5を介してタービン3に連結されて、このタ ビン3によって駆動される。このガスタービ ンエンジンGTの出力により、航空機のロータ たは発電機のような負荷4を駆動する。燃焼 装置2には、燃料供給装置9から送給される燃 が、燃料制御装置8を介して供給される。燃 焼装置2には、キャン型、アニュラー型があ が、本発明に係る実施形態については、主 キャン型について説明する。なお、本発明 アニュラー型にも適用可能である。

 図2は図1の実施形態に係る燃焼装置2を示 断面図である。この燃焼装置2は、エンジン 回転軸心の周りに環状に複数個配置されるも ので、内側に燃焼室10を形成する燃焼筒12と 燃焼筒12の頂部12aに取り付けられて燃焼室10 燃料と空気の混合気を噴射するバーナユニ ト14とを備えている。これら燃焼筒12および バーナユニット14は、燃焼装置2の外筒となる ほぼ円筒状のハウジングHに同心状に収容さ ている。ハウジングHは、その下流側に設け れたフランジ16を介して、圧縮機1およびタ ビン3を含むエンジン本体のメインハウジン グ(図示せず)にボルト(図示せず)により結合 れている。一方、ハウジングHの上流側端に エンドカバー18がボルト20により固定されて いる。なお、バーナユニット14の構成につい は後に詳述する。

 ハウジングHの上流側の内周壁に、環状の 内側フランジ24が形成されており、この内側 ランジ24に、燃焼筒12から筒状に延びる支持 筒26がボルト28で連結固定されることにより 燃焼筒12の上流側端部がハウジングHに取り けられている。燃焼筒12の下流端部は、ター ビン部への燃焼ガス導入路である遷移ダクト (図示せず)の入口部に支持されている。ハウ ングHと燃焼筒12との間に、圧縮機1からの圧 縮空気を矢印Aで示すように燃焼筒12に対し上 流側方向に導く空気通路30が形成されている さらに、この空気通路30に面して、支持筒26 の周壁に複数の空気導入孔32が周方向に設け れ、空気通路30を通って送られてきた圧縮 気Aが、支持筒26およびエンドカバー18によっ て形成される空気導入空間34に導入される。

 燃焼筒12の上流側の周壁には、1つ又は複 の点火プラグ36が、ハウジングHを貫通して ウジングHに固定されており、バーナユニッ ト14から噴射された混合気に点火して、燃焼 12の上流部において第1の燃焼領域S1を形成 せる。また、燃焼筒12における第1燃焼領域S1 よりも下流側には、短いパイプを貫通させて 形成された複数の希釈用空気孔38が配設され おり、ハウジングHにおける各希釈用空気孔 38に対向する部分には、第2のバーナである追 焚バーナ40が、各々の先端部を希釈用空気孔3 8に臨ませてハウジングHに取り付けられてい 。この追焚バーナ40は、燃料を希釈用空気 38を通じて燃焼筒12内に噴射して、燃焼室10 で第1燃焼領域S1の下流側に第2の燃焼領域S2 形成させる。

 図3は、図2の燃焼装置2の要部を示す断面 である。バーナユニット14は、旋回成分を む環状の予混合気流P1を噴射するメインバー ナ42と、メインバーナ42の内側に配置された イロットバーナ44とを備えている。このパイ ロットバーナ44は、主として燃焼装置2の軸心 O方向にのみ、すなわち図6に示す従来の旋回 のバーナによる逆流R1を生じさせない方向 、図3の予混合気流P2を噴射する。具体的に 、バーナユニット14は、燃焼筒12の軸心であ 燃焼装置2の軸心Oと同心の外周円筒部46aと この外周円筒部46aの上流側端から軸心Oに垂 な方向に円板状に延びる外周円板部46bとか なるバーナ外筒46を有し、さらに外周円筒 46aの径方向内側に同心に位置する内周円筒 48aと、内周円筒部48aの上流側端部付近から 周円板部46bの上流側で外周円板部46bに対し 平行に延びる内周円板部48bとからなるバー 内筒48を有している。バーナ外筒46とバーナ 筒48との間の空間が、メインバーナ42の環状 の第1予混合気通路42aを形成し、バーナ内筒48 の内方空間がパイロットバーナ44の第2予混合 気通路44aを形成している。したがって、燃焼 筒12,メインバーナ42およびパイロットバーナ4 4は軸心0を共有している。

 メインバーナ42の第1予混合気通路42aの最 流部、すなわち2つの円板部46b,48bの最外周 の間に、径方向外方に向いた第1導入口42bが 成されている。この第1導入口42bの径方向外 側に、燃料F1を供給するための第1燃料供給通 路52が、エンドカバー18を貫通して配置され いる。この第1燃料供給通路52における空気 入空間34内に位置する下流側部分は、エンド カバー18に連結されて軸心Oのまわりに等間隔 で配置された複数の第1燃料パイプ51により形 成されており、各第1燃料パイプ51の先端部に 、第1燃料噴射孔52aが設けられて、前記第1導 口42bに対向している。この第1導入口42bには 、固定羽根からなるスワーラ50が嵌め込み固 されており、このスワーラ50により第1予混 気通路42aに導入される空気と燃料に旋回が えられる。この旋回により第1予混合気通路 42a内で混合が進んで予混合気が生成され、燃 焼装置2の軸心Oを中心とする旋回流として、 1予混合気通路42aの下流側の開口よりなる噴 射口42cから燃焼室10へ噴射される。噴射され 予混合気流P1はその下流部に、燃焼室10の軸 心Oに沿って燃焼筒12の頂部12aに向かう逆流領 域Rを形成する。なお、予混合気の旋回流を 生させるために、本実施形態のスワーラ50に 代えて、バーナの出口部分にバッフル板を設 ける等してもよい。

 バーナ内筒48の上流端部から、パイロッ バーナ44の第2予混合気通路44aが径方向外側 円板状に延びている。この第2予混合通路44a 上流部は、パイロットバーナ44に支持され 環状の第1通路板53と、この第1通路板53にス ーサ54を介して軸方向に対向するようにボル ト55で取り付けられた円板状の第2通路板56と 間に形成されている。第2予混合気通路44a上 流端が第2導入口44bとなっており、この第2導 口44bの径方向外側に、燃料F2を供給するた の第2燃料供給通路57が、エンドカバー18を貫 通して配置されている。この第2燃料供給通 57も、第1燃料供給通路52の場合と同様に、下 流側部分が複数の第2燃料パイプ59により形成 され、各第2燃料パイプ59の先端部に、第2燃 噴射孔57aが設けられて、前記第2導入口44bに 向している。

 なお、第1予混合気通路42a,第1導入口42b,お よび噴射口42cを含むメインバーナ42に燃料を 給する第1燃料供給通路52と、第2予混合気通 路44a,第2導入口44b,およびパイロットノズル44c を含むパイロットバーナ44に燃料を供給する 2燃料供給通路57とは、互いに独立した燃料 給系統として設けられており、燃料流量を れぞれ個別に制御することにより混合気の 料濃度(空燃比)を独立に調節することが可 となっている。

 パイロットバーナ44の第2予混合気通路44a は、2つの予混合体58が軸心Oに垂直に設けら れている。各予混合体58は、図4に示すように 、平坦な金属板に複数の貫通孔58aを開けた板 材を用いている。2つの予混合体58は、図3の ーナユニット14の第2通路板56にナットで固定 された軸心O上の支持棒59に、軸心方向に互い に離間して取り付けられている。第2予混合 通路44aを流れる燃料と空気の混合気は、こ ら予混合体58の孔を通過する際に乱流を発生 し、より均一に混合される。なお、本実施形 態では2枚の予混合体58を用いたが、予混合体 58の数を1枚もしくは3枚以上としてもよく、 るいは予混合体58を省略してもよい。

 パイロットバーナ44の予混合気噴射部と るバーナ内筒48の最下流部には、下流部に向 かって拡径となる内周壁を有するパイロット ノズル44cが形成されている。パイロットノズ ル44cの上流側端に、多数の貫通孔が形成され た多孔体60が、第2予混合気通路44aの断面全体 を覆うように軸心Oに垂直に固定されている 本実施形態においては、多孔体60として、予 混合体58と同様の板材を用いている。パイロ トバーナ44の第2予混合気通路44aからの予混 気は、この多孔体60によって一様な流れに れたのち、パイロットノズル44c内に噴射さ 、さらにパイロットノズル44cのテーパ面に って案内されて、燃焼室10内に、逆流領域R 対向する方向に噴射される。このようにし 、パイロットバーナ44からの予混合気流P2は 旋回成分を含まずに、逆流領域Rに対向する 向きにのみ噴射される。なお、パイロットノ ズル44cの内周面はテーパ面ではなく円筒面と してもよい。また、パイロットノズル44cを設 けずに、多孔体60から直接燃焼室10に予混合 P2を噴射する構造としてもよい。

 多孔体60としては、逆流領域Rに対向する うに軸心O方向にほぼ平行に予混合気を通す 多数の孔を有する部材であればどのようなも のを使用してもよい。例えば、パンチングメ タル、ドリル、放電加工、レーザ、もしくは ウォータージェットによって孔が開けられた 板材、金属粉、金属繊維、金属網等を焼結し た多孔質焼結金属、ポーラス金属、平織りや 立体織りのメタルニット、または多孔質セラ ミックス等を使用することができる。形状も 平面状に限らず、曲面状の板であってもよい 。また、多孔体60の材質としては、耐熱性の る材料、たとえば、鋼、鋳鉄、耐熱金属(ハ ステロイ、HA188、フェクラロイ等)、あるいは セラミックスを用いることができる。

 予混合体58としては、予混合を促進する めに多数の孔を有する部材であれば、どの うなものを使用してもよい。例えば、パン ングメタル、放電加工、レーザ、もしくは ォータージェットによって孔が開けられた 材、金属粉、金属繊維、金属網等を焼結し 多孔質焼結金属、ポーラス金属、平織りや 体織りのメタルニット、または多孔質セラ ックス等を使用することができる。形状も 面状に限らず、曲面状の板であってもよい また、多孔体60の材質としては、耐熱性のあ る材料、たとえば、鋼、鋳鉄、耐熱金属(ハ テロイ、HA188、フェクラロイ等)、あるいは ラミックスを用いることができる。

 さらに、上記のように構成したパイロッ バーナ44では、多孔体60の孔の径および数を 変化させることにより、予混合気P2が噴射さ る際の初期速度を調節することができる。 方で、火炎の伝播速度は予混合気の燃料濃 を調整することにより調節することが可能 ある。したがって、パイロットバーナ44か 噴射される予混合気P2の初期速度を、火炎の 伝播速度よりも大きくなるように設定するこ とにより、予混合気P2の流速が火炎の伝播速 と同じ速度まで低下した位置で形成される 炎領域Bを、パイロットバーナ44から軸心O方 向に離れた位置に形成させることが可能であ る。

 また、本実施形態においては、多孔体60 孔径および孔の数を調整して、予混合気P2の 初期速度を火炎の伝播速度よりも大きい値に 設定することにより、保炎領域Bの火炎がバ ナユニット14の内部まで侵入する逆火現象を 防止している。すなわち、この場合、多孔体 60が燃焼装置2の逆火防止構造として機能して いる。また、多孔体60の孔径を、使用する条 に合った、火炎の伝播が可能な最小直径で る限界直径(例えばメタンを主成分とする燃 料の場合は3mm)以下になるようにすることに っても、火炎の内部侵入を防ぐことができ ので、多孔体60を逆火防止構造として機能さ せることが可能である。

 次に、本実施形態に係る燃焼装置2の動作 について説明する。図3に示すように、第1燃 供給通路52から供給される燃料F1は、燃焼筒 12の外側の空気通路30および空気導入孔32を経 て空気導入空間34に導入された圧縮空気Aとと もに、メインバーナ42の第1導入口42bから第1 混合気通路42aに導入され、スワーラ50を経る ことによって旋回しながら、希薄な予混合気 が生成され、メインバーナ42の噴射部42cから 予混合気流P1となって燃焼室10内に噴射され る。予混合気流P1は燃焼装置2の軸心Oを中心 する旋回流であるため、自身の遠心力によ て一端外周側に広がった後、圧力が低くな た軸心O側に向かって還流し、軸心Oに沿って 頂部12aに向かう。これにより、逆流領域Rが 心Oに沿って形成される。

 一方、第2燃料供給通路57から供給される 料F2は、メインバーナ42の場合と同様に、圧 縮空気Aとともに、パイロットバーナ44の第2 入口44bから第2予混合気通路44aに導入される この燃料F2と空気Aは、パイロットバーナ44 で旋回が付与されることなく、2枚の予混合 58の孔を通過する際に混合され、均一な予 合気となり、多孔体60の孔を通って一様な流 れにされたのち、パイロットノズル44cから、 そのテーパ状の内周面に案内されて燃焼室10 に噴射される。このとき、パイロットバー 44の第2予混合気通路44aが、メインバーナ42 環状の第1予混合気通路42aの内周側に配置さ ているため、多孔体60を介して軸心Oに沿っ 噴射される予混合気P2は、逆流領域Rに対向 るガス流となる。さらに、パイロットバー 44からの予混合気流P2が旋回成分を含まない ため、保炎性を高めるために予混合気流P2の 速を大きくしても逆流しないので、バーナ ニット14の主としてパイロットバーナ44に燃 焼ガスが吹き付けられることがなく、バーナ ユニット14の焼損を防ぐことができる。また 予混合気流P2の流速を低下させることなく 炎性を維持・向上することが可能であるこ から、予混合気の燃料濃度をより希薄にし も必要な保炎性を確保することができ、断 火炎温度を下げることができるので、結果 して排出されるNOxの低減も可能となる。

 この場合、パイロットバーナ44から噴射 れる予混合気流P2の初期速度を、火炎の伝播 速度よりも大きくなるように設定することが より効果的である。すなわち、多孔体60の孔 径および数の調整によって予混合気流P2の 期速度を制御し、他方、予混合気の燃料濃 の調整によって火炎の伝播速度を制御する とにより、パイロットノズル44cから燃焼室10 に流入する際の予混合気流P2の流速が、火炎 伝播速度より十分大きくなるように設定で る。このような初期速度を持つ、燃焼室10 に流入した予混合気流P2は、パイロットノズ ル44c内で下流に向かって通路面積が徐々に大 きくなり、さらに燃焼室10に入って通路面積 急激に大きくなることから流速が低下し、 らにメインバーナ42からの逆流である予混 気流P1とぶつかり合うことにより、火炎の伝 播速度まで流速が低下する。火炎が安定して 保持される保炎領域Bは、予混合気P2の流速が 火炎の伝播速度と同じ速さまで低下した位置 に形成されるため、バーナユニット14から軸 O方向に離れた位置にこの保炎領域Bが形成 れ、バーナユニット14の各部材が火炎の熱に よって焼損することが回避される。

 さらに、本実施形態においては、メイン ーナ42からの逆流した予混合気にパイロッ バーナ44からの予混合気が吹き込まれること により、パイロットバーナ44からの予混合気 流速が火炎伝播温度まで低下するので、一 保炎性が向上する。その結果、予混合気の 料濃度を希薄にして、燃焼によるNOx発生量 低減することが可能となる。本実施形態に る燃焼装置2と、図6に示した従来のバーナ 造を有する燃焼装置とで、燃焼によって排 されるガス中のNOx濃度を比較する実験を行 たところ、本実施形態の燃焼装置2では、従 の約半分のNOx濃度であった。

 なお、上記の実施形態においては、パイ ットバーナ44として、多孔体60を介して予混 合気P2を噴射する方式のものを用いたが、図5 に示す分散噴射型のパイロットバーナ44Bを用 いてもよい。このパイロットバーナ44Bは、複 数の第2燃料供給通路57Bから燃料F2を、パイロ ットノズル44Bcの上流端近傍に配置した複数 混合孔70にそれぞれ直接導入し、空気導入口 72および整流用の孔開きプレート74を経てこ 混合孔70に導入された圧縮空気Aとの混合気M 燃焼室10に噴射する。図4のパイロットバー 44Bを用いても、逆流領域Rに対向する方向に のみ混合気を噴射することにより、バーナユ ニット14から離れた位置に保炎領域Bを形成さ せて、バーナユニット14の焼損を防止すると もに、予混合気をより希薄な状態としてNOx 出レベルを低下させる効果を得ることがで る。

 また、上記実施形態においては、燃焼装 2をガスタービンエンジンGTに適用した例を 明したが、本発明に係る燃焼装置は、ガス ービンエンジンに限らず、ボイラなど高温 スの供給を必要とする他の機器に適用する とが可能である。

 以上のとおり、図面を参照しながら好適な 施例を説明したが、当業者であれば、本件 細書を見て、自明な範囲内で種々の変更お び修正を容易に想定するであろう。
 したがって、そのような変更および修正は 請求の範囲から定まる発明の範囲内のもの 解釈される。




 
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