RUSLIM CHRISTIAN (JP)
SUDA JUNKO (JP)
ZHAO CHANGMING (JP)
SUZUKI MARIKO (JP)
RUSLIM CHRISTIAN (JP)
SUDA JUNKO (JP)
ZHAO CHANGMING (JP)
WO2006088200A1 | 2006-08-24 | |||
WO2008020618A1 | 2008-02-21 |
JP2008001997A | 2008-01-10 | |||
JP3475252B2 | 2003-12-08 |
ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含有する組成物であって、 前記ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなり、 前記環状分子は、光反応性基及び前記ポリロタキサンを親水性とする親水性化基を有し、 前記ポリロタキサンが前記多成分分散媒体に溶解する、上記組成物。 |
架橋ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含有する組成物であって、 前記架橋ポリロタキサンは、2分子以上のポリロタキサンが架橋してなり、 前記ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなり、 前記環状分子は、光反応性基及び前記ポリロタキサンを親水性とする親水性化基を有し、 前記架橋ポリロタキサンは、前記ポリロタキサンに紫外線及び/又は可視光線を照射することにより前記光反応性基が反応して得られる、上記組成物。 |
前記架橋ポリロタキサンが前記多成分分散媒体に溶解するか、分散するか又は懸濁する請求項2記載の組成物。 |
前記親水性化基が、-O-R 1 、-O-CO-R 2 、-O-CO-NH-R 3 及び-O-CO-OR 4 (R 1 ~R 4 は各々独立に、炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基;少なくとも1個のエーテル基を含む炭素数2~12の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基;炭素数3~12の環状アルキル基;又は炭素数2~12の環状アルキルエーテル基又は炭素数2~12の環状アルキルチオエーテル基であり、前述の「アルキル」の水素原子のうち少なくとも1つが水酸基、-NH 2 基、-NHR 5 基(R 5 は炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である)、-NR 6 R 7 基(R 6 及びR 7 は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である)、-N + R 8 R 9 R 10 基(R 8 ~R 10 は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である)、-COOHまたはその塩、-SO 3 Hまたはその塩に置換されていてもよい)からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか1項記載の組成物。 |
前記光反応性基が、不飽和結合基又は感光性基である請求項1~4のいずれか1項記載の組成物。 |
前記多成分分散媒体が、水中油型乳液である請求項1~5のいずれか1項記載の組成物。 |
前記多成分分散媒体が、親水性懸濁液である請求項1~5のいずれか1項記載の組成物。 |
前記組成物中、A)多成分分散媒体とB)i)ポリロタキサン及び/又はii)架橋ポリロタキサンとの合計100重量部とした場合、前記B)成分が0.01~40重量部である請求項1~7のいずれか1項記載の組成物。 |
前記環状分子が水酸基を有し、該水酸基の一部が前記光反応性基及び前記親水性化基で置換される請求項1~8のいずれか1項記載の組成物。 |
前記環状分子は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキストリンからなる群から選択される請求項1~9のいずれか1項記載の組成物。 |
前記環状分子の置換前の水酸基の数を1とする場合、前記光反応性基の数が該水酸基数1のうち0.001~0.150で置換される請求項9又は10記載の組成物。 |
前記環状分子の置換前の水酸基の数を1とする場合、前記親水性化基の数が該水酸基数1のうち0.04~0.35で置換される請求項9~11のいずれか1項記載の組成物。 |
前記直鎖状分子は、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリビニルメチルエーテルからなる群から選ばれる請求項1~12のいずれか1項記載の組成物。 |
前記直鎖状分子は、その分子量が1万以上である請求項1~13のいずれか1項記載の組成物。 |
前記封鎖基が、ジニトロフェニル基類、シクロデキストリン類、アダマンタン基類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレン類、置換ベンゼン類、置換されていてもよい多核芳香族類、及びステロイド類からなる群から選ばれる請求項1~14のいずれか1項記載の組成物。 |
前記環状分子がα-シクロデキストリン由来であり、前記直鎖状分子がポリエチレングリコールである請求項1~15のいずれか1項記載の組成物。 |
前記環状分子が前記直鎖状分子により串刺し状に包接される際に環状分子が最大限に包接される量を1とした場合、前記環状分子が0.001~0.6の量で直鎖状分子に串刺し状に包接される請求項1~16のいずれか1項記載の組成物。 |
請求項1~17のいずれか1項記載の組成物を含有する材料。 |
ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含有する組成物の製造方法であって、 a)ポリロタキサンを準備する工程であって、該ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離しないように封鎖基を配置してなり、該環状分子は、光反応性基及び前記ポリロタキサンを親水性とする親水性化基を有する上記工程;及び b)前記ポリロタキサンを前記多成分分散媒体に溶解する工程; を有する、上記方法。 |
架橋ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含有する組成物の製造方法であって、 c)請求項19記載の組成物に紫外線及び/又は可視光線を照射する工程を有し、該工程により架橋ポリロタキサンを得る、上記方法。 |
前記組成物中、架橋ポリロタキサンが前記多成分分散媒体を包含及び/又は保持する請求項20記載の方法。 |
前記a)工程が、i)前記光反応性基を前記環状分子に導入する工程;及びii)前記親水性化基を前記環状分子に導入する工程;を有し、 i)工程後に、ii)工程を有するか、 ii)工程後に、i)工程を有するか、又は i)工程とii)工程をほぼ同時に行う、請求項19~21のいずれか1項記載の方法。 |
前記i)工程及び前記ii)工程を、ポリロタキサン調製後に行う請求項22記載の方法。 |
本発明は、ポリロタキサン及び多成分分 媒体を含有する組成物、又は架橋ポリロタ サン及び多成分分散媒体を含有する組成物 関する。
水、ジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒と た架橋ポリロタキサンが開発されている(特 許文献1)。この特許文献1には、環状分子とし てα-シクロデキストリン、直鎖状分子として ポリエチレングリコールを用いるポリロタキ サンを用いてゲルシートを作製する場合、ゲ ル化するために、溶液の塩基性を調整し、架 橋剤を独立に添加することを要すると、記載 されている。その後、得られたゲルシートの 精製には、未反応の架橋剤、残存する塩基を ゲル内から除去することを要する。また、フ ェイスマスクのような化粧品材料として使用 する場合、精製のみならず、さらに美容成分 や乳液をゲルに付与するか、または含浸させ ることが必要である。
一方、エマルション、サスペンションに 表される不均一系の溶媒、いわゆる多成分 散媒体に、安定に分散、溶解できるポリロ キサン及び/又は架橋ポリロタキサンの例は 未だその報告を見ない。
架橋ポリロタキサンは、その粘弾性などの
性から、該架橋ポリロタキサンを化粧品な
に応用することが期待されている。この場
、乳液を溶媒としてポリロタキサンから架
ポリロタキサンを得ることが考えられるが
ポリロタキサンを乳液などの媒体中で架橋
せると、用いる架橋条件及び/又は得られた
架橋体の物性により、該乳液が不安定化する
可能性がある。
そこで、本発明の目的は、多成分分散媒体
例えば乳液、懸濁液などに、安定に分散、
解できるポリロタキサン及び/又は架橋ポリ
ロタキサンを提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的以外に、
は上記目的に加えて、多成分分散媒体とポ
ロタキサン及び/又は架橋ポリロタキサンと
を含有する組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的以外に
又は上記目的に加えて、多成分分散媒体と
リロタキサン及び/又は架橋ポリロタキサン
とを含有する組成物の製造方法を提供するこ
とにある。
本発明者らは、次の発明を見出した。
<1> ポリロタキサン及び多成分分散媒
を含有する組成物であって、
ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖
状分子によって串刺し状に包接されてなる擬
ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離し
ないように封鎖基を配置してなり、
環状分子は、光反応性基及びポリロタキサン
を親水性とする親水性化基を有し、
ポリロタキサンが多成分分散媒体に溶解する
、上記組成物。
<2> 架橋ポリロタキサン及び多成分分
媒体を含有する組成物であって、
架橋ポリロタキサンは、2分子以上のポリロ
キサンが架橋してなり、
ポリロタキサンは、環状分子の開口部が直鎖
状分子によって串刺し状に包接されてなる擬
ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱離し
ないように封鎖基を配置してなり、
環状分子は、光反応性基及びポリロタキサン
を親水性とする親水性化基を有し、
架橋ポリロタキサンは、ポリロタキサンに紫
外線及び/又は可視光線を照射することによ
光反応性基が反応して得られる、上記組成
。
<3> 上記<1>又は<2>において、
橋ポリロタキサンが多成分分散媒体に溶解
るか、分散するか又は懸濁するのがよい。
<4> 上記<1>~<3>のいずれかにお
て、親水性化基が、-O-R 1
、-O-CO-R 2
、-O-CO-NH-R 3
及び-O-CO-OR 4
(R 1
~R 4
は各々独立に、炭素数1~12の直鎖状または分
鎖状のアルキル基;少なくとも1個のエーテル
基を含む炭素数2~12の直鎖状又は分岐鎖状ア
キル基;炭素数3~12の環状アルキル基;又は炭
数2~12の環状アルキルエーテル基又は炭素数2
~12の環状アルキルチオエーテル基であり、前
述の「アルキル」の水素原子のうち少なくと
も1つが水酸基、-NH 2
基、-NHR 5
基(R 5
は炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアル
ル基である)、-NR 6
R 7
基(R 6
及びR 7
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-N +
R 8
R 9
R 10
基(R 8
~R 10
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-COOHまたはその塩
-SO 3
Hまたはその塩に置換されていてもよい)から
る群から選ばれる少なくとも1種であるのが
よい。
<5> 上記<1>~<4>のいずれかにお
て、光反応性基が、不飽和結合基又は感光
基であるのがよい。
<6> 上記<1>~<5>のいずれかにお
て、多成分分散媒体が、水中油型乳液であ
のがよい。
<7> 上記<1>~<5>のいずれかにお
て、多成分分散媒体が、親水性懸濁液であ
のがよい。
<8> 上記<1>~<7>のいずれかにお
て、組成物中、A)多成分分散媒体とB)i)ポリ
タキサン及び/又はii)架橋ポリロタキサンと
の合計100重量部とした場合、前記B)成分(即ち
、i)ポリロタキサン、ii)架橋ポリロタキサン
又はi)とii)との混合物)が0.01~40重量部、好ま
しくは0.03~30重量部、より好ましくは0.1~20重
部であるのがよい。
<9> 上記<1>~<8>のいずれかにお
て、環状分子が水酸基を有し、該水酸基の
部が前記光反応性基及び前記親水性化基で
換されるのがよい。
<10> 上記<1>~<9>のいずれかにお
いて、環状分子は、α-シクロデキストリン、
β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキスト
リンからなる群から選択されるのがよい。
<11> 上記<1>~<10>のいずれかに
いて、環状分子の水酸基数を1とする場合、
記光反応性基の数が該水酸基数1のうち0.001~
0.150、好ましくは0.002~0.100、より好ましくは0.
005~0.050で置換されるのがよい。
<12> 上記<1>~<11>のいずれかに
いて、環状分子の水酸基数を1とする場合、
記親水性化基の数が該水酸基数1のうち0.04~0
.35、好ましくは0.10~0.25、より好ましくは0.15~0
.20で置換されるのがよい。
<13> 上記<1>~<12>のいずれか おいて、直鎖状分子が、ポリビニルアルコ ル、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アク リル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチ セルロース、ヒドロキシエチルセルロース ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリア リルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポ エチレングリコール、ポリプロピレングリ ール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ ニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエ レンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷ 等及び/またはこれらの共重合体、ポリエチ レン、ポリプロピレン、およびその他オレフ ィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレ フィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化 ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリ ル-スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系 脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アク リル酸エステル共重合体、アクリロニトリル -メチルアクリレート共重合樹脂などのアク ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ タン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹 、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれら の誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、ポ リテトラヒドロフラン、ポリアニリン、アク リロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体( ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポ イミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエ などのポリジエン類、ポリジメチルシロキ ンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン 、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿 類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼ 類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポ ハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体 らなる群から選ばれるのがよく、例えばポ エチレングリコール、ポリイソプレン、ポ イソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロ レングリコール、ポリテトラヒドロフラン ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、 リプロピレン、ポリビニルアルコール及び リビニルメチルエーテルからなる群から選 れるのがよく、より具体的にはポリエチレ グリコール、ポリプロピレングリコール、 リテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロ サン、ポリエチレン、及びポリプロピレン らなる群から選ばれるのがよく、特にポリ チレングリコールであるのがよい。
<14> 上記<1>~<13>のいずれかに
いて、直鎖状分子は、その分子量が1万以上
好ましくは2万以上、より好ましくは3.5万以
上であるのがよい。
<15> 上記<1>~<14>のいずれかに
いて、封鎖基が、ジニトロフェニル基類、
クロデキストリン類、アダマンタン基類、
リチル基類、フルオレセイン類、ピレン類
置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、
ルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シ
ノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、
ェニルなどを挙げることができるがこれら
限定されない。置換基は1つ又は複数存在し
てもよい。)、置換されていてもよい多核芳
族類(置換基として、上記と同じものを挙げ
ことができるがこれらに限定されない。置
基は1つ又は複数存在してもよい。)、及び
テロイド類からなる群から選ばれるのがよ
。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデ
ストリン類、アダマンタン基類、トリチル
類、フルオレセイン類、及びピレン類から
る群から選ばれるのが好ましく、より好ま
くはアダマンタン基類又はトリチル基類で
るのがよい。
<16> 上記<1>~<15>のいずれかに
いて、環状分子がα-シクロデキストリン由
であり、直鎖状分子がポリエチレングリコ
ルであるのがよい。
<17> 上記<16>において、親水性化基
が-OCOCH 3
、-OCONHCH 2
CH 3
又は-OCH 2
CH(CH 3
)OHであり、光反応性基が-OCONHCH 2
CH 2
OCOCH=CH 2
、-OCONHCH 2
CH 2
OCOC(CH 3
)=CH 2
又は-OCOC(CH 3
)=CH 2
であり、多成分分散媒体がエマルション、特
に油状物質が水媒体に分散した水中油型乳液
、又はサスペンション、特に水媒体に難溶な
物質が水媒体に分散した親水性懸濁液である
のがよい。
<18> 上記<17>又は<18>において
多成分分散媒体とポリロタキサン及び/又は
橋ポリロタキサンとの合計を100重量部とし
場合、ポリロタキサン及び/又は架橋ポリロ
タキサンが0.01~40重量部、好ましくは0.03~30重
部、より好ましくは0.1~20重量部であるのが
い。
<19> 上記<1>~<18>のいずれかに
いて、環状分子が直鎖状分子により串刺し
に包接される際に環状分子が最大限に包接
れる量を1とした場合、環状分子が0.001~0.6、
ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.05~0.4の量
で直鎖状分子に串刺し状に包接されるのがよ
い。
<20> 上記<1>~<19>のいずれかの
成物を含有する材料。
<21> ポリロタキサン及び多成分分散媒
を含有する組成物の製造方法であって、
a)ポリロタキサンを準備する工程であって
該ポリロタキサンは、環状分子の開口部が
鎖状分子によって串刺し状に包接されてな
擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱
しないように封鎖基を配置してなり、該環
分子は、光反応性基及びポリロタキサンを
水性とする親水性化基を有する上記工程;及
b)ポリロタキサンを多成分分散媒体に溶解
る工程;
を有する、上記方法。
<22> 架橋ポリロタキサン及び多成分分
媒体を含有する組成物の製造方法であって
c)上記<21>記載の組成物に紫外線及び/又
は可視光線を照射する工程を有し、該工程に
より架橋ポリロタキサンを得る、上記方法。
<23> 上記<22>において、組成物中、
架橋ポリロタキサンが多成分分散媒体を包含
及び/又は保持するのがよい。
<24> 上記<21>~<23>のいずれかに
いて、a)工程が、i)光反応性基を環状分子に
導入する工程;及びii)親水性化基を環状分子
導入する工程;を有し、
i)工程後に、ii)工程を有するか、
ii)工程後に、i)工程を有するか、又は
i)工程とii)工程をほぼ同時に行う、のがよ
。
<25> 上記<24>において、i)工程及びi
i)工程を、ポリロタキサン調製後に行うのが
い。
<26> 上記<22>、<24>又は<25>
おいて、架橋ポリロタキサンが多成分分散
体に溶解するか、分散するか又は懸濁する
がよい。
<27> 上記<21>~<26>のいずれかに
いて、親水性化基が、-O-R 1
、-O-CO-R 2
、-O-CO-NH-R 3
及び-O-CO-OR 4
(R 1
~R 4
は各々独立に、炭素数1~12の直鎖状または分
鎖状のアルキル基;少なくとも1個のエーテル
基を含む炭素数2~12の直鎖状又は分岐鎖状ア
キル基;炭素数3~12の環状アルキル基;又は炭
数2~12の環状アルキルエーテル基又は炭素数2
~12の環状アルキルチオエーテル基であり、前
述の「アルキル」の水素原子のうち少なくと
も1つが水酸基、-NH 2
基、-NHR 5
基(R 5
は炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアル
ル基である)、-NR 6
R 7
基(R 6
及びR 7
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-N +
R 8
R 9
R 10
基(R 8
~R 10
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-COOHまたはその塩
-SO 3
Hまたはその塩に置換されていてもよい)から
る群から選ばれる少なくとも1種であるのが
よい。
<28> 上記<21>~<27>のいずれかに
いて、光反応性基が、不飽和結合基又は感
性基であるのがよい。
<29> 上記<21>~<28>のいずれかに
いて、多成分分散媒体が、水中油型乳液で
るのがよい。
<30> 上記<21>~<29>のいずれかに
いて、多成分分散媒体が、親水性懸濁液で
るのがよい。
<31> 上記<21>~<30>のいずれかに
いて、組成物中、A)多成分分散媒体とB)i)ポ
ロタキサン及び/又はii)架橋ポリロタキサン
との合計100重量部とした場合、前記B)成分(即
ち、i)ポリロタキサン、ii)架橋ポリロタキサ
、又はi)とii)との混合物)が0.01~40重量部、好
ましくは0.03~30重量部、より好ましくは0.1~20
量部であるのがよい。
<32> 上記<21>~<31>のいずれかに
いて、環状分子が水酸基を有し、該水酸基
一部が前記光反応性基及び前記親水性化基
置換されるのがよい。
<33> 上記<21>~<32>のいずれかに
いて、環状分子は、α-シクロデキストリン
β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキス
リンからなる群から選択されるのがよい。
<34> 上記<21>~<33>のいずれかに
いて、環状分子の水酸基数を1とする場合、
前記光反応性基の数が該水酸基数1のうち0.001
~0.150、好ましくは0.002~0.100、より好ましくは0
.005~0.050で置換されるのがよい。
<35> 上記<21>~<34>のいずれかに
いて、環状分子の水酸基数を1とする場合、
前記親水性化基の数が該水酸基数1のうち0.04~
0.35、好ましくは0.10~0.25、より好ましくは0.15~
0.20で置換されるのがよい。
<36> 上記<21>~<35>のいずれか おいて、直鎖状分子が、ポリビニルアルコ ル、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)ア リル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチ セルロース、ヒドロキシエチルセルロース ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリア クリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポ リエチレングリコール、ポリプロピレングリ コール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ ビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエ チレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷ ん等及び/またはこれらの共重合体、ポリエ レン、ポリプロピレン、およびその他オレ ィン系単量体との共重合樹脂などのポリオ フィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩 ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニト ル-スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系 脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)ア リル酸エステル共重合体、アクリロニトリ -メチルアクリレート共重合樹脂などのアク ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ タン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹 脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及びこれ の誘導体又は変性体、ポリイソブチレン、 リテトラヒドロフラン、ポリアニリン、ア リロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体 (ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類、ポ イミド類、ポリイソプレン、ポリブタジエ などのポリジエン類、ポリジメチルシロキ ンなどのポリシロキサン類、ポリスルホン 、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポリ尿 類、ポリスルフィド類、ポリフォスファゼ 類、ポリケトン類、ポリフェニレン類、ポ ハロオレフィン類、並びにこれらの誘導体 らなる群から選ばれるのがよく、例えばポ エチレングリコール、ポリイソプレン、ポ イソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロ レングリコール、ポリテトラヒドロフラン ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、 リプロピレン、ポリビニルアルコール及び リビニルメチルエーテルからなる群から選 れるのがよく、より具体的にはポリエチレ グリコール、ポリプロピレングリコール、 リテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロ サン、ポリエチレン、及びポリプロピレン らなる群から選ばれるのがよく、特にポリ チレングリコールであるのがよい。
<37> 上記<21>~<36>のいずれかに
いて、直鎖状分子は、その分子量が1万以上
、好ましくは2万以上、より好ましくは3.5万
上であるのがよい。
<38> 上記<21>~<37>のいずれかに
いて、封鎖基が、ジニトロフェニル基類、
クロデキストリン類、アダマンタン基類、
リチル基類、フルオレセイン類、ピレン類
置換ベンゼン類(置換基として、アルキル、
アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、シ
アノ、スルホニル、カルボキシル、アミノ、
フェニルなどを挙げることができるがこれら
に限定されない。置換基は1つ又は複数存在
てもよい。)、置換されていてもよい多核芳
族類(置換基として、上記と同じものを挙げ
ることができるがこれらに限定されない。置
換基は1つ又は複数存在してもよい。)、及び
テロイド類からなる群から選ばれるのがよ
。なお、ジニトロフェニル基類、シクロデ
ストリン類、アダマンタン基類、トリチル
類、フルオレセイン類、及びピレン類から
る群から選ばれるのが好ましく、より好ま
くはアダマンタン基類又はトリチル基類で
るのがよい。
<39> 上記<21>~<38>のいずれかに
いて、環状分子がα-シクロデキストリン由
であり、直鎖状分子がポリエチレングリコ
ルであるのがよい。
<40> 上記<39>において、親水性化基
が-OCOCH 3
、-OCONHCH 2
CH 3
又は-OCH 2
CH(CH 3
)OHであり、光反応性基が-OCONHCH 2
CH 2
OCOCH=CH 2
、-OCONHCH 2
CH 2
OCOC(CH 3
)=CH 2
又は-OCOC(CH 3
)=CH 2
であり、多成分分散媒体がエマルション、特
に油状物質が水媒体に分散した水中油型乳液
、又はサスペンション、特に水媒体に難溶な
物質が水媒体に分散した親水性懸濁液である
のがよい。
<41> 上記<39>又は<40>において
多成分分散媒体とポリロタキサン及び/又は
橋ポリロタキサンとの合計を100重量部とし
場合、ポリロタキサン及び/又は架橋ポリロ
タキサンが0.01~40重量部、好ましくは0.03~30重
部、より好ましくは0.1~20重量部であるのが
い。
<42> 上記<21>~<41>のいずれかに
いて、環状分子が直鎖状分子により串刺し
に包接される際に環状分子が最大限に包接
れる量を1とした場合、環状分子が0.001~0.6、
好ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.05~0.4の
で直鎖状分子に串刺し状に包接されるのが
い。
<43> 上記<21>~<42>のいずれかの
法により得られる組成物。
<44> 上記<43>で得られた組成物を含
有する材料。
本発明により、多成分分散媒体に、安定に
散、溶解できるポリロタキサン及び/又は架
橋ポリロタキサンを提供することができる。
また、本発明により、上記効果以外に、又
上記効果に加えて、多成分分散媒体とポリ
タキサン及び/又は架橋ポリロタキサンとを
含有する組成物を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果以外に、
は上記効果に加えて、多成分分散媒体とポ
ロタキサン及び/又は架橋ポリロタキサンと
を含有する組成物の製造方法を提供すること
ができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ポリロタキサン及び多成分分散
体を含有する組成物及びその製造方法を提
する。
また、本発明は、架橋ポリロタキサン及び
成分分散媒体を含有する組成物及びその製
方法を提供する。なお、組成物が、ポリロ
キサンと架橋ポリロタキサンとの双方を含
する場合も本発明に含まれる。
以下、「ポリロタキサン及び多成分分散媒
を含有する組成物」、「架橋ポリロタキサ
及び多成分分散媒体を含有する組成物」、
れらの製造方法の順に説明する。
<ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含
する組成物>
本発明の組成物は、ポリロタキサン及び多
分分散媒体を含有する。
<<ポリロタキサン>>
本発明の組成物中、ポリロタキサンは、環
分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し
に包接されてなる擬ポリロタキサンの両端
、環状分子が脱離しないように封鎖基を配
してなる。
また、環状分子は、光反応性基と、ポリロ
キサンを親水性とする親水性化基とを有す
。
<<光反応性基>>
本発明の環状分子は、光反応性基を有する
該光反応性基は、紫外線及び/又は可視光線
を照射することにより、互いが反応して結合
する基であれば、特に制限されない。
例えば、光反応性基として、不飽和結合基
は感光性基を挙げることができるが、これ
に限定されない。より具体的には、光反応
基として、アクリロイル基、2-アクリロイ
オキシエチルカルバモイル基、メタクリロ
ル基、2-メタクリロイルオキシエチルカルバ
モイル基、3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロ
シプロピル基、2-(2-メタクリロイルオキシ
チルオキシ)エチルカルバモイル基、ビニー
エーテル基、スチリル基、とそれらの誘導
に代表されるオレフィニル基、などの不飽
結合基;シンナモイル基、シンナミリデン基
、カルコン残基、クマリン残基、スチルベン
残基、スチルピリジニウム残基、チミン残基
、α-フェニルマレイミド残基、アントラセン
残基、2-ピロン残基に代表される感光性基を
げることができる。好ましくはアクリロイ
基、2-アクリロイルオキシエチルカルバモ
ル基、メタクリロイル基、2-メタクリロイル
オキシエチルカルバモイル基であるのがよく
、より好ましくは2-アクリロイルオキシエチ
カルバモイル基、2-メタクリロイルオキシ
チルカルバモイル基であるのがよい。
環状分子が元来、水酸基を有する場合、本
明において、該水酸基を光反応性基で置換
たものを用いるのが好ましい。
<<親水性化基>>
本発明の環状分子は、ポリロタキサンを親
性とする親水性化基を有する。なお、ここ
、「ポリロタキサンを親水性とする」とは
修飾化ポリロタキサン0.02gを水1mlに入れ、2
間攪拌後、該修飾化ポリロタキサンが溶解
る場合、該修飾化のことをいう。
該親水性化基は、ポリロタキサンを親水性
する基であれば、特に限定されない。した
って、該親水性化基は、疎水性を示す基で
る場合もあれば、親水性を示す基である場
もある。また、イオン性の置換基である場
もある。
より具体的には、親水性化基は、環状分子
してα-シクロデキストリンなどのシクロデ
ストリン類を用いた場合、該シクロデキス
リン類同士の強い相互作用、より具体的に
水素結合から解放する役割を有する基であ
のがよい。なお、親水性化基として疎水性
を用いる場合、一般に、ポリロタキサンを
水性化するための最適な導入量(置換率)が
在する。
例えば、親水性化基として、-O-R 1
、-O-CO-R 2
、-O-CO-NH-R 3
及び-O-CO-OR 4
(R 1
~R 4
は各々独立に、炭素数1~12の直鎖状または分
鎖状のアルキル基;少なくとも1個のエーテル
基を含む炭素数2~12の直鎖状又は分岐鎖状ア
キル基;炭素数3~12の環状アルキル基;又は炭
数2~12の環状アルキルエーテル基又は炭素数2
~12の環状アルキルチオエーテル基であり、前
述の「アルキル」(ここで、「アルキル」と
、上述の「炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖
のアルキル基」、「少なくとも1個のエーテ
ル基を含む炭素数2~12の直鎖状又は分岐鎖状
ルキル基」、「炭素数3~12の環状アルキル基
、「炭素数2~12の環状アルキルエーテル基」
に含まれる「アルキル」、「炭素数2~12の環
アルキルチオエーテル」に含まれる「アル
ル」をいう)の水素原子のうち少なくとも1つ
が水酸基、-NH 2
基、-NHR 5
基(R 5
は炭素数1~12の直鎖状または分岐鎖状のアル
ル基である)、-NR 6
R 7
基(R 6
及びR 7
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-N +
R 8
R 9
R 10
基(R 8
~R 10
は各々独立に炭素数1~12の直鎖状または分岐
状のアルキル基である)、-COOHまたはその塩
-SO 3
Hまたはその塩に置換されていてもよい)から
る群から選ばれる少なくとも1種であるのが
よい。
親水性化基は、好ましくは-O-アセチル基、-
O-プロピオニル基、-O-(2-ヒドロキシプロピル)
基、エチルカルバモイル基であるのがよく、
より好ましくは-O-アセチル基であるのがよい
。
環状分子が元来、水酸基を有する場合、本
明において、該水酸基を親水性化基で置換
たものを用いるのが好ましい。
<<多成分分散媒体>>
本発明の組成物は、多成分分散媒体を有す
。
多成分分散媒体は、多成分が分散している
状媒体であれば、特に限定されない。
多成分分散媒体として、水中油型乳液、又
親水性懸濁液であるのがよい。
<<<水中油型乳液>>>
水中油型乳液は、水が主成分(なお、ここで
「主成分」とは、該乳液が多成分からなる場
合、水の量が第1であることを意味する)とす
、水中油型乳液である。水中油型乳液とし
、特に限定されないが、例えば、化粧水、
容液、乳液(ここでの「乳液」は化粧品業界
で用いられる狭義の乳液)、洗顔液、クリー
、ボディローション、整髪料、ヘアコンデ
ショナーであるのがよく、好ましくは化粧
、美容液であるのがよく、より好ましくは
容液であるのがよい。
<<<親水性懸濁液>>>
親水性懸濁液は、水が主成分(なお、ここで
「主成分」とは、該乳液が多成分からなる場
合、水の量が第1であることを意味する)とす
、懸濁液である。親水性懸濁液として、特
限定されないが、例えば、懸濁状化粧水、
濁状美容液、懸濁状ボディローションであ
のがよく、好ましくは懸濁状化粧水、懸濁
美容液であるのがよく、より好ましくは懸
状美容液であるのがよい。
<<ポリロタキサンと多成分分散媒体の重
比>>
本発明の組成物中、ポリロタキサンと多成
分散媒体との合計の重量を100重量部とした
合、ポリロタキサンが0.01~40重量部、好まし
くは0.03~30重量部、より好ましくは0.1~20重量
であるのがよい。
以下、ポリロタキサンを構成する要素につ
て、それぞれ説明する。
<<環状分子、並びに光反応性基及び親水
化基>>
本発明のポリロタキサンの環状分子は、そ
開口部に直鎖状分子が串刺し状に包接され
分子であれば、特に限定されない。
環状分子は、上述のように、光反応性基と
水性化基とを有する。光反応性基が複数種
在してもよく、親水性化基が複数種存在し
もよい。
環状分子は、水酸基を有する環状分子であ
のがよく、例えば、α-シクロデキストリン
β-シクロデキストリン及びγ-シクロデキス
リンからなる群から選択されるのがよい。
状分子が、上述のように、水酸基を有する
合、該水酸基の一部が、光反応性基及び親
性化基により置換されてなるのがよい。
光反応性基の量は、環状分子の水酸基数を1
とする場合、光反応性基の数が該水酸基数1
うち0.001~0.150、好ましくは0.002~0.100、より好
しくは0.005~0.050で置換されるのがよい。
親水性化基の量は、環状分子の水酸基数を1
とする場合、親水性化基の数が該水酸基数1
うち0.04~0.35、好ましくは0.10~0.25、より好ま
くは0.15~0.20で置換されるのがよい。
光反応性基及び親水性化基の数は、次のよ
に測定することができる。例として環状分
にα-シクロデキストリン及び直鎖分子にポ
エチレングリコールを用いた場合について
以下、説明する。
環状分子にα-シクロデキストリン、直鎖分
にポリエチレングリコールを用いた場合、
-シクロデキストリン一分子の水酸基の数が1
8個であることを基準とする。 1
H-NMR(DMSO-d 6
)の4.0~6.0ppm(α-シクロデキストリンの水酸基お
よびα-シクロデキストリンの糖ユニットのC1
プロトンに由来)と3.0~4.0ppm(ポリエチレング
コールのプロトンに由来)の積分値の比率が
一定である(例えば、1:3.1)。
親水性化基が-O-アセチル基の場合、-O-アセチ
ル基のプロトンが2.0ppmで現れる。この2.0ppmと
3.0~6.0ppmの積分値の比率から元の水酸基の数(
置換ポリロタキサンのα-シクロデキストリ
の水酸基)に対して、置換された-O-アセチル
基の数が算出される。例えば、2.0ppmと3.0~6.0pp
mの積分値の比率が1.0:8.97の場合、約20%の水酸
基が置換されたことになる。
さらに、得られたアセチル化ポリロタキサ
を、光反応性基である2-アクリロイルオキ
エチルカルバモイル基で置換する場合、2-ア
クリロイルオキシエチルカルバモイル基のプ
ロトンは、他のプロトンと重なるが、3.0~6.0pp
mの範囲内で現れる。従って、元のアセチル
ポリロタキサンのスペクトルに対して2.0ppm
3.0~6.0ppmの積分値の比率の変化から、2-アク
ロイルオキシエチルカルバモイル基の量が
出できる。例えば、上述の20%アセチル化ポ
ロタキサンに、さらに2-アクリロイルオキシ
エチルカルバモイル基を置換し、2.0ppmと3.0~6.
0ppmの積分値の比率が1.0:9.70の場合、約0.7%の
酸基が2-アクリロイルオキシエチルカルバモ
イル基で置換されたことになる。
<<直鎖状分子>>
本発明のポリロタキサンの直鎖状分子は、
状分子の開口部に串刺し状に包接され得る
のであれば、特に限定されない。
例えば、直鎖状分子として、ポリビニルア
コール、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ
)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ス、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポ
リアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド
、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、
ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポ
リエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、で
んぷん等及び/またはこれらの共重合体、ポ
エチレン、ポリプロピレン、およびその他
レフィン系単量体との共重合樹脂などのポ
オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロ
トリル-スチレン共重合樹脂等のポリスチレ
系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ
)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニ
リル-メチルアクリレート共重合樹脂などの
クリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
ウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重
合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等;及び
れらの誘導体又は変性体、ポリイソブチレ
、ポリテトラヒドロフラン、ポリアニリン
アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重
合体(ABS樹脂)、ナイロンなどのポリアミド類
ポリイミド類、ポリイソプレン、ポリブタ
エンなどのポリジエン類、ポリジメチルシ
キサンなどのポリシロキサン類、ポリスル
ン類、ポリイミン類、ポリ無水酢酸類、ポ
尿素類、ポリスルフィド類、ポリフォスフ
ゼン類、ポリケトン類、ポリフェニレン類
ポリハロオレフィン類、並びにこれらの誘
体からなる群から選ばれるのがよい。例え
ポリエチレングリコール、ポリイソプレン
ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリ
ロピレングリコール、ポリテトラヒドロフ
ン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレ
、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール
びポリビニルメチルエーテルからなる群か
選ばれるのがよい。より具体的にはポリエ
レングリコール、ポリプロピレングリコー
、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチル
ロキサン、ポリエチレン、及びポリプロピ
ンからなる群から選ばれるのがよく、特に
リエチレングリコールであるのがよい。
直鎖状分子は、その分子量が1万以上、好ま
しくは2万以上、より好ましくは3.5万以上で
るのがよい。
本発明のポリロタキサンにおいて、環状分
がα-シクロデキストリン由来であり、直鎖
分子がポリエチレングリコールであるのが
い。
環状分子が直鎖状分子により串刺し状に包
される際に環状分子が最大限に包接される
を1とした場合、前記環状分子が0.001~0.6、好
ましくは0.01~0.5、より好ましくは0.05~0.4の量
直鎖状分子に串刺し状に包接されるのがよ
。
なお、環状分子の最大包接量は、直鎖状分
の長さと環状分子の厚さとにより、決定す
ことができる。例えば、直鎖状分子がポリ
チレングリコールであり、環状分子がα-シ
ロデキストリン分子の場合、最大包接量は
実験的に求められている(Macromolecules 1993, 2
6, 5698-5703を参照こと。なお、この文献の内
はすべて本明細書に組み込まれる)。
<<封鎖基>>
本発明のポリロタキサンの封鎖基は、擬ポ
ロタキサンの両端に配置され、環状分子が
離しないように作用する基であれば、特に
定されない。
例えば、封鎖基として、ジニトロフェニル基
類、シクロデキストリン類、アダマンタン基
類、トリチル基類、フルオレセイン類、ピレ
ン類、置換ベンゼン類(置換基として、アル
ル、アルキルオキシ、ヒドロキシ、ハロゲ
、シアノ、スルホニル、カルボキシル、ア
ノ、フェニルなどを挙げることができるが
れらに限定されない。置換基は1つ又は複数
在してもよい。)、置換されていてもよい多
核芳香族類(置換基として、上記と同じもの
挙げることができるがこれらに限定されな
。置換基は1つ又は複数存在してもよい。)、
及びステロイド類からなる群から選ばれるの
がよい。なお、ジニトロフェニル基類、シク
ロデキストリン類、アダマンタン基類、トリ
チル基類、フルオレセイン類、及びピレン類
からなる群から選ばれるのが好ましく、より
好ましくはアダマンタン基類又はトリチル基
類であるのがよい。
<架橋ポリロタキサン及び多成分分散媒体
含有する組成物>
本発明の組成物は、架橋ポリロタキサン及
多成分分散媒体を含有する。該組成物は、
述のように、組成物に求められる条件に依
して、未架橋ポリロタキサンを含有しても
い。
架橋ポリロタキサンは、上述のポリロタキ
ンの環状分子に存在する光反応性基により2
分子以上のポリロタキサンが該光反応性基を
介して架橋したものである。
したがって、上述の組成物との違いは、ポ
ロタキサンが未架橋であるか又は架橋であ
かの点である。よって、本組成物の説明は
上述のポリロタキサンの説明及び多成分分
媒体の説明と重複するので省略する。
<<架橋ポリロタキサンと多成分分散媒体
重量比>>
本発明の組成物中、架橋ポリロタキサンと
成分分散媒体との合計の重量を100重量部と
た場合、架橋ポリロタキサンが0.01~40重量部
、好ましくは0.03~30重量部、より好ましくは0.
1~20重量部であるのがよい。
<<<架橋ポリロタキサンが多成分分散媒
体を包含及び/又は保持>>>
本発明の組成物中、架橋ポリロタキサンと
成分分散媒体との合計の重量を100重量部と
た際、架橋ポリロタキサンが10~30重量部で
る場合、組成物は、該架橋ポリロタキサン
多成分分散媒体を包含及び/又は保持する状
となる。この組成物は、例えば、架橋ポリ
タキサン(ゲル)が、多成分分散媒体、例え
乳液を保持することができ、且つ十分な機
的強度を有する製品、例えばシート状製品
提供することができる。このため、本発明
組成物は、化粧品など、ゲルが多成分分散
体を包含及び/又は保持することを要する製
などに応用することができる。
<<<懸濁液の安定化剤>>>
本発明の組成物中、架橋ポリロタキサンと
成分分散媒体との合計の重量を100重量部と
た際、架橋ポリロタキサンが0.1~5重量部で
る場合、該組成物は、多成分分散媒体の状
を保持する、いわゆる多成分分散媒体の安
化剤としての効果を奏することができる。
に、多成分分散媒体が懸濁液の場合、組成
は、懸濁液の懸濁状態を保持する、いわゆ
懸濁液の安定化剤としての効果を奏するこ
ができる。
上述の組成物は、例えば、次のように製造
ることができる。
<<ポリロタキサン及び多成分分散媒体を
有する組成物の製造方法>>
ポリロタキサン及び多成分分散媒体を含有
る組成物は、
a)ポリロタキサンを準備する工程であって
該ポリロタキサンは、環状分子の開口部が
鎖状分子によって串刺し状に包接されてな
擬ポリロタキサンの両端に、環状分子が脱
しないように封鎖基を配置してなり、該環
分子は、光反応性基及びポリロタキサンを
水性とする親水性化基を有する上記工程;及
b)ポリロタキサンを多成分分散媒体に溶解
る工程;
を有することにより得ることができる。
<<架橋ポリロタキサン及び多成分分散媒
を含有する組成物の製造方法>>
また、架橋ポリロタキサン及び多成分分散
体を含有する組成物は、
c)上記で得られた組成物に紫外線及び/又は
視光線を照射する工程;
を有することに架橋ポリロタキサンを得られ
、これにより架橋ポリロタキサン及び多成分
分散媒体を含有する組成物を得ることができ
る。
なお、上記の方法において、「ポリロタキ
ン」の各要素、「多成分分散媒体」は、上
したものを用いることができる。
a)工程は、所望の特性を有するポリロタキ
ンを準備する工程である。
a)工程は、i)光反応性基を環状分子に導入す
る工程;及びii)親水性化基を前記環状分子に
入する工程;を有する。
これらの工程は、i)工程後に、ii)工程を有
るか、
ii)工程後に、i)工程を有するか、又は
i)工程とii)工程をほぼ同時に行うことがで
る。
b)工程は、ポリロタキサンを多成分分散媒
に溶解する工程;である。要するに、本発明
おいて、ポリロタキサンと多成分分散媒体
は、該ポリロタキサンが該多成分分散媒体
「溶解する」ことを要する。
なお、ここで「溶解する」とは、多成分分
媒体の分散状態を破壊することなく、連続
体中にポリロタキサンが溶解して、媒体と
一相を形成することをいう。
a)及びb)工程により、「ポリロタキサン及び
多成分分散媒体を含有する組成物」を得るこ
とができる。
また、a)及びb)工程後、c)工程を設けること
より、「架橋ポリロタキサン及び多成分分
媒体を含有する組成物」を得ることができ
。
c)工程は、紫外線又は可視光を照射させて
上述の光反応性基を反応させ、該光反応性
を介して2分子以上のポリロタキサンを架橋
る工程である。
c)工程は、従来公知の手法により反応を生
させることができる。例えば、光架橋反応
始剤を用いる場合、該光架橋反応開始剤と
て、キノン類、芳香族ケトン類、ベンゾイ
、ベンゾインエーテル類、ビイミダゾール
合物及びその誘導体、N-フェニルグリシン類
、チオキサントン類とアルキルアミノ安息香
酸との組み合わせ、ビイミダゾール化合物及
びその誘導体とミヒラーズケトンとの組み合
わせ、アクリジン類、及びオキシムエステル
類からなる群から選ばれる少なくとも1種を
げることができる。具体的には、2-エチルア
ントラキノン、オクタエチルアントラキノン
、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアン
ラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-
フェニルアントラキノン、1-クロロアント
キノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナント
キノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメ
チルアントラキノン、3-クロロ-2-メチルアン
ラキノンなどのキノン類、ベンゾフェノン
ミヒラーズケトン[4,4’-ビス(ジメチルアミ
)ベンゾフェノン]、4,4’-ビス(ジエチルアミ
ノ)ベンゾフェノン、4-(2-ヒドロキシエトキシ
)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトンな
どの芳香族ケトン類、ベンゾイン、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインフェニルエー
テル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン
などのベンゾインエーテル類、ベンジルジメ
チルケタール、ベンジルジエチルケタール、
トリアリールイミダゾリル二量体等のビイミ
ダゾール化合物及びその誘導体、N-フェニル
リシン、N-メチル-N-フェニルグリシン、N-エ
チル-N-フェニルグリシン等のN-フェニルグリ
ン類、チオキサントン類とアルキルアミノ
息香酸の組み合わせ、例えばエチルチオキ
ントンとジメチルアミノ安息香酸エチル、2
-クロルチオキサントンとジメチルアミノ安
香酸エチル、イソプロピルチオキサントン
ジメチルアミノ安息香酸エチルとの組み合
せ、また、トリアリールイミダゾリル二量
等のビイミダゾール化合物及びその誘導体
ミヒラーズケトンとの組み合わせ、9-フェニ
ルアクリジン等のアクリジン類、1-フェニル-
1,2-プロパンジオン-2-o-ベンゾインオキシム、
1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシ
ルボニル)オキシム等のオキシムエステル類
あるのがよい。好ましくは、ジエチルチオ
サントン、クロルチオキサントン等のチオ
サントン類、ジメチルアミノ安息香酸エチ
等のジアルキルアミノ安息香酸エステル類
ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミ
)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミ
)ベンゾフェノン、トリアリールイミダゾリ
二量体等のビイミダゾール化合物及びその
導体、9-フェニルアクリジン、N-フェニルグ
リシン類、及びこれらの組み合わせであるの
がよい。なお、トリアリールイミダゾリル二
量体等のビイミダゾール化合物及びその誘導
体としては、例えば、2-(o-クロロフェニル)-4,
5-ジフェニルイミダゾリル二量体、2,2’,5-ト
ス-(o-クロロフェニル)-4-(3,4-ジメトキシフェ
ニル)-4’,5’-ジフェニルイミダゾリル二量体
、2,4-ビス-(o-クロロフェニル)-5-(3,4-ジメトキ
フェニル)-ジフェニルイミダゾリル二量体
2,4,5-トリス-(o-クロロフェニル)-ジフェニル
ミダゾリル二量体、2-(o-クロロフェニル)-ビ
-4,5-(3,4-ジメトキシフェニル)-イミダゾリル
量体、2,2’-ビス-(2-フルオロフェニル)-4,4’
,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-イミ
ゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,3-ジフルオロメ
チルフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メト
シフェニル)-イミダゾリル二量体、2,2’-ビ
-(2,4-ジフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ
キス-(3-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量
体、2,2’-ビス-(2,5-ジフルオロフェニル)-4,4’
,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-イミ
ゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,6-ジフルオロフ
ェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフ
ニル)-イミダゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,3,4
-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキ
-(3-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体
2,2’-ビス-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-4,4
,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-イミ
ダゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,3,6-トリフルオ
ロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキ
フェニル)-イミダゾリル二量体、2,2’-ビス-
(2,4,5-トリフルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テト
キス-(3-メトキシフェニル)-イミダゾリル二
体、2,2’-ビス-(2,4,6-トリフルオロフェニル)
-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-
イミダゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,3,4,5-テト
フルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3
-メトキシフェニル)-イミダゾリル二量体、2,2
’-ビス-(2,3,4,6-テトラフルオロフェニル)-4,4
,5,5’-テトラキス-(3-メトキシフェニル)-イミ
ダゾリル二量体、2,2’-ビス-(2,3,4,5,6-ペンタ
ルオロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラキス-(3-メ
トキシフェニル)-イミダゾリル二量体等が挙
られる。
(実施例)
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに
細に説明するが、本発明は本実施例に限定
れるものではない。
(合成例1)
<1-1.ヒドロキシプロピル化ポリロタキサン
合成、置換率35%>
直鎖分子:ポリエチレングリコール(PEG)(平均
分子量:10万)、環状分子:α-シクロデキストリ
(α-CD)、封鎖基:アダマンタン基からなるア
マンタンポリロタキサン(以下、アダマンタ
ポリロタキサンを「APR」と略記し、PEGの平
分子量を10万の場合を「APR100」と略記する)
WO2005/052026に記載される方法と同様に調製し
た(α-CD充填率:0.28)。
三口フラスコでAPR100 50gを1.5N NaOH水溶液500m
lに溶解した後、プロピレンオキシド125gをゆ
くり滴下した。容器を密閉したまま室温で2
4時間撹拌した後、6N塩酸で中和した。反応溶
液を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48
間水道水流水下で透析した。さらに、精製
中で3時間2回行った。濾過(桐山5A)後、凍結
燥を行い、α-CDの-OH基を一部ヒドロキシプロ
ピル化したヒドロキシプロピル化APR100(以下
ヒドロキシプロピル化を「H」で略し、ヒド
キシプロピル化APR100を「HAPR100」と略記する
場合がある)の収量は43gであった。
1
H-NMRにより、ヒドロキシプロピル置換率は35%
あることを確認した。また、ゲル透過クロ
トグラフィ(GPC)により、平均重量分子量Mwは
440,000、分子量分布Mw/Mnは3.0であった。差動型
示差熱天秤(TG/DTA)による熱分析結果、分解温
は334℃(空気中)であった。
<1-2.HAPR100への光架橋基の導入;H=35%、AOI=1.5%&
gt;
上記1-1で調製したHAPR100(ヒドロキシプロピ
化率35%)10.0gを脱水DMSO125mlに溶解し、2,6-Ditert-
butyl-4-methylphenol(BHT)10mgを添加した。溶解後、
媒としてTin(II)2-ethylhexanoateを数滴添加し、
クリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)
0.3g(全ヒドロキシ基に対して1.5mol%)を滴下し
室温で5時間撹拌した。反応溶液を透析チュ
ブ(分画分子量12,000)にて、48時間水道水流水
下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回
った。濾過(桐山5A)後、凍結乾燥を行い、-OH
基を一部アクリロイルオキシエチルカルバモ
イル(AOI)基で置換した生成物(HAPRにAOIを導入
たものであり、以下、「HAPRに光架橋基AOIを
入したもの」を一般に「AOI-HAPR」と略記す
場合がある)10gを得た。GPCにより、平均重量
子量Mwは600,000、分子量分布Mw/Mnは3.0であっ
。
1
H-NMRにより、全水酸基数に対するAOI化率、即
α-CD由来の水酸基の数を100%とした場合のAOI
率は1.5%であった。
(合成例2)
<AOI-HAPR100の合成;H=17%、AOI=1.5%>
合成例1-1のプロピレンオキシドの量を50gに
えた以外、合成例1と同様な方法により、HAP
R100を調製した。得られた生成物は51gであっ
。GPCにより、平均重量分子量Mwは370,000、分
量分布Mw/Mnは3.2であった。 1
H-NMRにより、ヒドロキシプロピル置換率は17%
あることを確認した。
得られたHAPRを用いて、合成例1-2と同様の方
法により、AOI-HAPR100を調製した。得られた生
物は10gであった。GPCにより、平均重量分子
Mwは660,000、分子量分布Mw/Mnは3.1であった。 1
H-NMRにより、全水酸基数に対するAOI化率は1.5%
であった。
(合成例3)
<3-1.APR100のアセチル化合物の合成;E2=17%>
三口フラスコにAPR100(充填率28%)10gを脱水ジ
チルホルムアミド(DMF)の4%塩化リチウム溶液2
00mlに溶解した。得られた溶液に4-ジメチルア
ミノピリジン(DMAP)1.7gを溶解した後、トリエ
ルアミン4.3ml、無水酢酸2.6ml(APRの水酸基に対
して20mol%)を順番に加え、室温で5時間反応さ
た。
反応溶液を透析チューブ(分画分子量12,000)
て、48時間水道水流水下で透析した。さらに
、精製水中で3時間2回行った。濾過(桐山5A)後
、凍結乾燥を行い、α-CDの-OH基を一部アセチ
(E2)基で置換した生成物(APRにアセチル基を
入したものであり、以下、「APRにアセチル
を導入したもの」を一般に「E2-APR」と略記
る場合がある)9.1gを得た。
1
H-NMRにより、アセチル化率は17%であった。GPC
より、平均重量分子量Mwは610,000、分子量分
Mw/Mnは3.4であった。
<3-2.AOI-E2-APR100の合成;E2=17%、AOI=0.5%>
上記3-1で調製したE2-APR100(アセチル化率17%)2.
0gを脱水DMSO30mlに溶解し、BHT2mgを添加した。
解後、AOI0.02g(全ヒドロキシル基に対して0.5mo
l%)を滴下し、室温で3時間撹拌した。反応溶
をメタノール300mlに滴下し、沈殿物を回収、
減圧乾燥を行い、α-CDの-OH基を一部アクリロ
ルオキシエチルカルバモイル(AOI)基で置換
た生成物(E2-APRに光架橋基AOIを導入したもの
以下、「E2-APRに光架橋基AOIを導入したもの
を一般に「AOI-E2-APR」と略記する場合がある
)1.2gを得た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは660,000、分子
分布Mw/Mnは2.7であった。 1
H-NMRにより、全水酸基数に対するAOI化率、即
α-CD由来の水酸基の数を100%とした場合のAOI
率は0.5%であった。
(合成例4)
<AOI-E2-APR100の合成;E2=17%、AOI=2.7%>
合成例3-2のAOIの量を0.12g(全ヒドロキシル基
対して3.0mol%)に変えた以外、合成例3と同様
方法により、AOI-E2-APR100を合成した。得られ
た生成物は1.9gであった。GPCにより、平均重
分子量Mwは610,000、分子量分布Mw/Mnは3.9であっ
た。 1
H-NMRにより、全水酸基数に対するAOI化率、即
α-CD由来の水酸基の数を100%とした場合のAOI
率は2.7%であった。
(合成例5)
<5-1.APR35のアセチル化合物の合成;E2=19%>
直鎖分子:PEG(平均分子量:3.5万)、環状分子:α
-シクロデキストリン(α-CD)、封鎖基アダマン
ン基からなるアダマンタンポリロタキサン(
以下、アダマンタンポリロタキサンを「APR35
と略記する)をWO2005/052026に記載される方法
同様に調製した(α-CD充填率:0.28)。
合成例3-1のAPR100をAPR35(α-CD充填率28%)10gに変
た以外、合成例3と同様な方法により、E2-APR
35を調製した。得られた生成物は31gであった
1
H-NMRにより、アセチル化率は19%であった。GPC
より、平均重量分子量Mwは90,000、分子量分
Mw/Mnは1.4であった。
<5-2.AOI-E2-APR35の合成;E2=19%、AOI=1.5%>
上記5-1で調製したE2-APR100(アセチル化率19%)5.
0gを脱水DMSO50mlに溶解し、BHT5mgを添加した。
解後、AOI0.15g(全ヒドロキシル基に対して1.5mo
l%)を滴下し、室温で5時間撹拌した。反応溶
を透析チューブ(分画分子量12,000)にて、48時
水道水流水下で透析した。さらに、精製水
で3時間2回行った。濾過(桐山5A)後、凍結乾
を行い、生成物AOI-E2-APR35を4.8g得た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは90,000、分子
分布Mw/Mnは1.4であった。 1
H-NMRにより、AOI化率は1.5%であった。
(合成例6)
<6-1.ヒドロキシプロピル化ポリロタキサン
合成、置換率25%>
合成例1-1の直鎖分子:PEGの平均分子量を3.5万
に、プロピレンオキシドの量を45gに変えた以
外、合成例1と同様の方法により、HAPR35を調
した。得られた生成物は、44gであった(α-CD
填率:0.27)。
1
H-NMRにより、ヒドロキシプロピル置換率は25%
あることを確認した。GPCにより、平均重量
子量Mwは90,000、分子量分布Mw/Mnは1.3であった
。TG/DTAによる熱分析結果、分解温度は339℃(
気中)であった。
<6-2.HAPR35への光架橋基の導入;H=25%、AOI=1.5%&g
t;
上記6-1で調製したHAPR35(ヒドロキシプロピル
化率25%)10.0gを合成例1-2と同様な方法により、
AOI-HAPR35を調製した。得られた生成物は9.3gで
った。
GPCにより、平均重量分子量Mwは100,000、分子
分布Mw/Mnは1.4であった。 1
H-NMRにより、全水酸基数に対するAOI化率は1.5%
であった。
(合成例7)
<7-1.HAPR35のアセチル化;E2=20%>
合成例3-1のAPR100を合成例6-1で調製したHAPR35
変えた以外、合成例3と同様な方法により、
E2-HAPR35を調製した。得られた生成物は10gであ
った。 1
H-NMRにより、アセチル化率は20%であった。GPC
より、平均重量分子量Mwは100,000、分子量分
Mw/Mnは1.4であった。
<7-2.AOI-E2-HAPR35の合成;E2=20%、AOI=1.5%>
上記7-1で調製したE2-HAPR35(アセチル化率20%)
、合成例1-2と同様な方法により、AOI-E2-HAPR35
調製した。得られた生成物は9.6gであった。
GPCにより、平均重量分子量Mwは160,000、分子量
分布Mw/Mnは1.3であった。 1
H-NMRにより、AOI化率は1.5%であった。
(合成例8)
<AOI-E2-APR100の合成;AOI=0.6%、E2=17%>
APR100(α-CD充填率:0.23)1.0gを脱水DMFの4%塩化リ
ウム溶液20mlに溶解した。BHT2mgを添加し、DMA
P0.16gを溶解した後、トリエチルアミン0.4ml、
水酢酸0.25ml(APRの水酸基に対して20mol%)を順
に加え、AOI0.19g(全ヒドロキシ基に対して10.0m
ol%)を滴下したのち室温で3時間反応させた。
反応溶液をアセトン200mlに滴下し、沈殿物
回収、減圧乾燥した。この乾燥物を少量の
で溶解し、アセトン100mlに再び再沈させた。
沈殿物を回収、減圧乾燥し、生成物AOI-E2-APR10
0 1.1gを得た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは680,000、分子
分布Mw/Mnは3.9であった。 1
H-NMRにより、アセチル化率は17%であった。ま
、AOI化率は0.6%であった。
(合成例9)
<MOI-E2-APR100の合成;MOI=5.6%、E2=18%>
APR100(α-CD充填率:0.23)3.0gを脱水DMFの4%塩化リ
ウム溶液50mlに溶解した。BHT3mgを添加し、DMA
P0.05gを溶解した後、トリエチルアミン1.2ml、
水酢酸0.79ml(APRの水酸基に対して20mol%)を順
に加え、室温で3時間反応させた。続いて、M
OI(メタクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト)0.6g(全ヒドロキシル基に対して10.0mol%)を滴
下したのち室温で3時間反応させた。反応溶
をエタノール500mlに滴下し、沈殿物を回収、
減圧乾燥し、生成物MOI-E2-APR100(APR100に光架橋
MOIとアセチル基を導入したもの。以下、「
架橋基MOIとアセチル基を導入したもの」を
般に「MOI-E2-APR」と略記する場合がある)3.0g
得た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは880,000、分子
分布Mw/Mnは4.3であった。 1
H-NMRにより、MOI化率は5.6%、アセチル化率は18%
であった。
(合成例10)
<E2-MA-APR100の合成>
APR100(α-CD充填率:0.23)1.0gを脱水DMFの4%塩化リ
ウム溶液20mlに溶解した。BHT1mgを添加し、無
水メタクリル酸(methacrylic anhydride)0.1g(全ヒド
キシル基に対して5.0mol%)を滴下したのち室
で1.5時間反応させた。続いて、DMAP0.16gを溶
した後、トリエチルアミン0.4ml、無水酢酸0.3
ml(APRの水酸基に対して20mol%)を順番に加え、
温で4時間反応させた。反応溶液をアセトン2
00mlに滴下し、沈殿物を回収、減圧乾燥し、
成物E2-MA-APR100(APR100にメタクリロイル基とア
チル基を導入したもの。以下、「メタクリ
イル基とアセチル基を導入したもの」を一
に「E2-MA-APR」と略記する場合がある)0.7gを
た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは800,000、分子
分布Mw/Mnは4.2であった。 1
H-NMRにより、メタクリロイル修飾率は3.6%、ア
セチル化率は4%であった。
(合成例11)
<EI-AOI-APR100の合成>
APR100(α-CD充填率:0.23)1.0gを脱水DMSO20mlに溶解
た。BHT1mgを添加し、AOI0.09g(全ヒドロキシル
に対して5.0mol%)、エチルイソシアネート0.26m
l(APRの水酸基に対して25mol%)を順に滴下、触媒
としてTin(II)2-ethylhexanoateを0.27g(5.0mol%)添加し
温で5時間反応させた。反応溶液を透析チュ
ブ(分画分子量12,000)にて、48時間水道水流水
下で透析した。さらに、精製水中で3時間2回
った。濾過(桐山5A)後、凍結乾燥を行い、生
成物EI-AOI-APR100(APRに光架橋基AOIとエチルイソ
アネート反応させたもの。以下、「APRに光
橋基AOIとエチルイソシアネート反応させた
の」を一般に「EI-AOI-APR」と略記する場合が
ある)0.6gを得た。
GPCにより、平均重量分子量Mwは630,000、分子
分布Mw/Mnは3.4であった。 1
H-NMRにより、EI化率は9.3%であり、AOI率は3.3%で
あった。
<AOI-HAPR100(H=35%、AOI=1.5%)の化学架橋体>
合成例1-2で得たAOI-HAPR100(H=35%、AOI=1.5%)150mgを
エマルションA(エマルションAの組成は下記表
2を参照のこと)0.75mlに溶解し、ポリロタキサ
とエマルションAとから組成物を得た。
この組成物に、光重合開始剤(チバスペシャ
ルティケミカル社製Irgacure2959(登録商標)(4-(2-
ドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2
-プロピル)ケトン))0.9mgを添加し、厚み0.5mmの
ールドに流し込んだ。これをUV照射装置(照
強度30mW/cm 2
)で10秒間照射し、粘弾性のあるゲルを得た。
得られたゲルを長さ30mm、幅4mmに調整し、粘
性を測定した結果、ヤング率は46kPa、伸長率
は277%、最大強度は133kPaであった。なお、用
たエマルションAは、すべて得られたゲル中
包含・保持された。
(比較例1)
実施例1の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率は70kPa、伸長率は187%、最大強度は114kPaであ
った。
<AOI-HAPR100(H=17%、AOI=1.5%)の化学架橋体>
合成例2で得られたAOI-HAPR100(H=17%、AOI=1.5%)を
い、実施例1と同様な方法で組成物を調製し
、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
41kPa、伸長率484%、最大強度153kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
たゲル中に包含・保持された。
(比較例2)
実施例2の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率55kPa、伸長率207%、最大強度85kPaであった。
<AOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.5%)の化学架橋体>
合成例3-2で得られたAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.5%
)を用い、実施例1と同様な方法で組成物を調
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
13kPa、伸長率626%、最大強度80kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例3)
実施例3の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率17kPa、伸長率368%、最大強度55kPaであった。
<AOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=2.7%)の化学架橋体>
合成例4で得られたAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=2.7%)
用い、実施例1と同様な方法で組成物を調製
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
78kPa、伸長率301%、最大強度142kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
たゲル中に包含・保持された。
(比較例4)
実施例4の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率75kPa、伸長率155%、最大強度85kPaであった。
<AOI-E2-APR35(E2=19%、AOI=1.5%)の化学架橋体>
合成例5-2で得られたAOI-E2-APR35(E2=19%、AOI=1.5%)
を用い、実施例1と同様な方法で組成物を調
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
57kPa、伸長率168%、最大強度72kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例5)
実施例5の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率57kPa、伸長率109%、最大強度58kPaであった。
<AOI-HAPR35(H=25%、AOI=1.5%)の化学架橋体>
合成例6-2で得られたAOI-HAPR35(H=25%、AOI=1.5%)を
用い、実施例1と同様な方法で組成物を調製
、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
50kPa、伸長率184%、最大強度68kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例6)
実施例6の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率62kPa、伸長率118%、最大強度56kPaであった。
<AOI-E2-HAPR35(H=25%、E2=20%、AOI=1.5%)の化学架橋
>
合成例7-2で得られたAOI-E2-HAPR35(H=25%、E2=20%、
AOI=1.5%)を用い、実施例1と同様な方法で組成
を調製し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
59kPa、伸長率154%、最大強度73kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例7)
実施例7の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率88kPa、伸長率119%、最大強度92kPaであった。
<AOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.6%)の化学架橋体>
合成例8で得られたAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.6%)
用い、実施例1と同様な方法で組成物を調製
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
59kPa、伸長率154%、最大強度73kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例8)
実施例8の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率88kPa、伸長率119%、最大強度92kPaであった。
<MOI-E2-APR100(E2=18%、MOI=5.6%)の化学架橋体>
合成例9で得られたMOI-E2-APR100(E2=18%、MOI=5.6%)
用い、実施例1と同様な方法で組成物を調製
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
131kPa、伸長率288%、最大強度255kPaであった。
なお、用いたエマルションAは、すべて得ら
たゲル中に包含・保持された。
(比較例9)
実施例9の溶媒を水に変えた以外、同様にゲ
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤング
率65kPa、伸長率158%、最大強度95kPaであった。
<E2-MA-APR100(MA=3.6%、E2=4.0%)の化学架橋体>
合成10で得られたE2-MA-APR100(MA=3.6%、E2=4.0%)を
い、実施例1と同様な方法で組成物を調製し
、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
14kPa、伸長率738%、最大強度91kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
ゲル中に包含・保持された。
(比較例10)
実施例10の溶媒を水に変えた以外、同様に
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤン
率9kPa、伸長率99%、最大強度12kPaであった。
<EI-AOI-APR100(AOI=3.3%、EI=9.3%)の化学架橋体>
合成例11で得られたEI-AOI-APR100(AOI=3.3%、EI=9.3%
)を用い、実施例1と同様な方法で組成物を調
し、その後、ゲルを作製した。
そのゲルの粘弾性を測定した結果、ヤング
70kPa、伸長率390%、最大強度148kPaであった。
お、用いたエマルションAは、すべて得られ
たゲル中に包含・保持された。
(比較例11)
実施例11の溶媒を水に変えた以外、同様に
ルを作製し、粘弾性を測定した結果、ヤン
率80kPa、伸長率206%、最大強度129kPaであった
エマルションを溶媒として得られた実施 1~11のポリロタキサンゲルは、水を溶媒とし て得られた比較例1~11のポリロタキサンゲル 比べて、同等なヤング率、より優れた伸長 と破壊強度を示すことがわかった。なお、 ング率は、含めるポリロタキサン量によっ 、容易に調節できる物性であるが、伸長率 よび破壊強度はゲルの三次元的な構造体に 著に依存する。この結果を考慮すると、実 例1~11のゲルが、伸長率および破壊強度の点 、比較例1~11のゲルより優れたのは、ポリロ タキサンがエマルションに溶解する際、エマ ルション媒体に分散状態を破壊せずに均一相 を形成し、その状態で光照射してゲル化する ことで、ゲルの三次元的な構造が均等に媒体 の中に存在し、環状分子であるα-CDが直鎖状 子であるPEG上をなめらかに移動する効果、 わゆる滑車効果を効率よく発揮できたから 考えられる。したがって、この効果を有す ゲルは、化粧品、例えば、エマルション含 フェイスマスクへの応用に非常に有効であ 。
<市販化粧品を溶媒とした架橋体>
合成例3で合成したAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.5mol
%)を用い、溶媒をエマルションAの代わりに表
3にNo.1~No.8としてリストアップした市販化粧
を用いた以外、実施例1と同様な方法で組成
を得て、その後、該組成物を光照射した結
、粘弾性のある架橋体を得た。なお、表3中
、No.4、5及び7は、親水性懸濁液(サスペンシ
ン)であった。また、用いたNo.1~No.8の市販化
品は各々、用いた量すべてが得られた架橋
(ゲル)中に包含・保持された。
実施例1と同様な方法で、粘弾性を測定した
。
溶媒として上記No.1を用いた場合、ヤング率
17kPa、伸長率440%、最大強度90kPaであった。
溶媒として上記No.3を用いた場合、ヤング率
15kPa、伸長率550%、最大強度87kPaであった。
溶媒として上記No.6を用いた場合、ヤング率
19kPa、伸長率444%、最大強度101kPaであった。
なお、親水性懸濁液(サスペンション)であ
No.4、5及び7を用いて調製された架橋体(ゲル)
も、No.1~3、6及び8(エマルション)と同様に、
械的強度を有するシート状に安定して調製
きることを確認した。
<少量のポリロタキサンによるサスペンシ
ン分散安定化>
サスペンションの分散安定化を観察するた
、以下の3種類、即ちi)~iii)の液状物を調製
た。
i)合成例3で合成したAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.5mol
%)0.015gを懸濁液(マンダム社、「氷冷水-ギャ
ツビーアイスデオドラント」)0.75mlに溶解し
光重合開始剤(チバスペシャルティケミカル
社製Irgacure2959(登録商標)(4-(2-ヒドロキシエト
シ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケト
))0.1mgを添加し、UV照射装置(照射強度;30mW/cm 2
)で20秒間、溶液を激しく撹拌しながら照射し
た。
ii)合成例3で合成したAOI-E2-APR100(E2=17%、AOI=0.5mo
l%)0.015gを懸濁液(マンダム社、「氷冷水-ギャ
ツビーアイスデオドラント」)0.75mlに溶解し
た。
iii)懸濁液(マンダム社、「氷冷水-ギャッツビ
ーアイスデオドラント」)0.75mlのみ。
i)~iii)のサスペンションを均一に分散させた
後、室温で静置し、その後のサスペンション
の様子を観察した。
10分後:iii)では粒子が沈降し、溶媒との境界
がはっきり観察できた。i)又はii)に変化は見
れなかった。
30分後:ii)でも粒子の沈降が見られ、溶媒と
境界が観察できた。
1時間後:i)に変化(粒子の沈降)は観察されな
った。
この結果から、本発明の組成物、即ち上記i
)又はii)の組成物、特に上記i)の組成物は、懸
濁液の安定化剤としての効果を有することが
わかった。