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Patent Searching and Data


Title:
COPPER PHOSPHONATE COMPOUND, AND INFRARED ABSORPTION MATERIAL AND LAMINATE CONTAINING THE COPPER PHOSPHONATE COMPOUND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123016
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a copper phosphonate compound that can exhibit broad and excellent light absorption in a near infrared region and, at the same time, when mixed with a resin, can realize excellent transparency to visible light. The copper phosphonate compound comprises a copper ion, a first phosphonic acid having a fluorine-containing side chain, and a second phosphonic acid having a side chain of an alkyl structure.

Inventors:
KATOHNO MASATAKA (JP)
MACHIDA KATSUICHI (JP)
FUKUSHIMA YUICHI (JP)
SANO RUMI (JP)
SATO KEISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056156
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
March 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KUREHA CORP (JP)
KATOHNO MASATAKA (JP)
MACHIDA KATSUICHI (JP)
FUKUSHIMA YUICHI (JP)
SANO RUMI (JP)
SATO KEISUKE (JP)
International Classes:
C09K3/00; B32B7/02; B32B27/18; C07F1/08; C07F9/38; C08L101/12; G02B5/22
Domestic Patent References:
WO2005111170A12005-11-24
WO2005030898A12005-04-07
Foreign References:
JP2004109904A2004-04-08
JP2006103069A2006-04-20
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (JP)
Yoshiki Hasegawa (JP)
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Claims:
銅イオンと、
 フッ素を含む側鎖を有する第1のホスホン酸と、
 アルキル構造からなる側鎖を有する第2のホスホン酸と、
 を含有することを特徴とするホスホン酸銅化合物。
前記第1のホスホン酸が、下記一般式(1)で表される化合物である、ことを特徴とする請求項1記載のホスホン酸銅化合物。
[式中、mは0~6の整数であり、nは1~10の整数である。]
前記第2のホスホン酸が、下記一般式(2)で表される化合物である、ことを特徴とする請求項1又は2記載のホスホン酸銅化合物。
[式中、pは1~24の整数である。]
請求項1~3のいずれか一項に記載のホスホン酸銅化合物と、樹脂と、を含有する、ことを特徴とする赤外吸収材料。
紫外光吸収剤を更に含有する、ことを特徴とする請求項4記載の赤外吸収材料。
透光性基板と、
 前記透光性基板の少なくとも一側に設けられた、請求項4又は5記載の赤外吸収材料からなる赤外吸収層と、
 を備えることを特徴とする積層体。
紫外光を吸収する紫外吸収層を更に備える、ことを特徴とする請求項6記載の積層体。
 
 
 
 
 
Description:
ホスホン酸銅化合物、並びにこ を含む赤外吸収材料及び積層体

本発明は、ホスホン酸銅化合物、並びにこ れを含む赤外吸収材料及び積層体に関する。

金属イオンは、特定波長光に対する吸収特性 を示すことができ、その特性を利用して光学 材料に応用されている。なかでも、銅イオン は、赤外又はその近傍領域の波長の光(以下 「近赤外光」という)を吸収する特性を有し いることが知られている。そこで、銅イオ を合わせガラス用の中間膜に含有させるこ で、近赤外光吸収特性を付与することが試 られている。このような銅イオンの特性を 用した光学材料としては、例えば、銅イオ と、ホスホン酸又はホスフィン酸とが、溶 又は樹脂中に含有されてなるものが開示さ ている。

特開2002-006101

上述したような光学材料を合わせガラスの 中間膜等として適用する場合は、優れた近赤 外光吸収特性を有する一方、合わせガラスを 通した視認性を十分に得るために、優れた可 視光の透過性を有することも求められる。と ころが、上記特許文献1に記載した光学材料 、熱的な安定性に優れ、しかも近赤外領域 おいて幅広く且つ高い光吸収が可能なもの はあったが、本発明者らの研究によると、 視光に対する透明性が不十分となり易い傾 にあることを見出した。

そこで、本発明はこのような事情に鑑みて なされたものであり、近赤外領域で幅広く且 つ優れた光の吸収性を発揮することができ、 しかも、樹脂と混合した際に優れた可視光の 透過性をも得ることができるホスホン酸銅化 合物を提供することを目的とする。本発明は また、かかるホスホン酸銅化合物を用いた赤 外吸収材料及び合わせガラスを提供すること を目的とする。

上記目的を達成するため、本発明のホスホ ン酸銅化合物は、銅イオンと、フッ素を含む 側鎖を有する第1のホスホン酸と、アルキル 造からなる側鎖を有する第2のホスホン酸と 含有することを特徴とする。

本発明のホスホン酸銅化合物は、ホスホン 酸として、フッ素を含む側鎖を有するホスホ ン酸及びアルキル構造からなる側鎖を有する ホスホン酸を組み合わせて有するものである 。このようなホスホン酸銅化合物は、まず、 銅イオンとホスホン酸との組み合わせによっ て、近赤外領域で幅広く且つ高い吸収性を有 するものとなる。また、かかるホスホン酸銅 化合物は、上記の2種類のホスホン酸化合物 組み合わせて含むことから、合わせガラス 中間膜に用いられるような透明性の高い樹 との屈折率が近いものとなり得る。そのた 、樹脂と組み合わせた場合に優れた可視光 過性を発揮し得る。また、通常、フッ素を む側鎖を有するホスホン酸は、単独では耐 性が低い傾向があるにも関わらず、本発明 ホスホン酸銅化合物は、アルキル構造から る側鎖を有するホスホン酸を組み合わせて むことによって、このアルキル構造からな 側鎖を有するホスホン酸を用いた場合に得 れるのと同等の高い耐熱性を発揮すること できる。

上記本発明のホスホン酸銅化合物としては、 第1のホスホン酸が、下記一般式(1)で表され 化合物であるものが好適である。また、第2 ホスホン酸が、下記一般式(2)で表される化 物であるものが好適である。第1及び第2の スホン酸がこれらの化合物であると、優れ 可視光透過性及び耐熱性が一層得られ易く る。
[式中、mは0~6の整数であり、nは1~10の整数で る。]
[式中、pは1~24の整数である。]

本発明はまた、上記本発明のホスホン酸銅 化合物と、樹脂とを含有することを特徴とす る赤外吸収材料を提供する。かかる赤外吸収 材料は、上記本発明のホスホン酸銅化合物を 含むことから、近赤外領域において幅広く且 つ高い光の吸収性を示し、しかも、可視光透 過性、耐熱性に優れるものとなる。

本発明はさらに、透光性基板と、この透光 性基板の少なくとも一側に設けられた上記本 発明の赤外吸収材料からなる赤外吸収層とを 備える積層体を提供する。かかる積層体は、 本発明の赤外吸収材料からなる赤外吸収層を 例えば中間膜等として有することから、赤外 光の遮蔽性に優れ、また、可視光透過性も高 く、しかも高温、高湿条件で優れた耐久性を 有しており、合わせガラスとして好適である 。

本発明によれば、近赤外領域で幅広く且つ 優れた光の吸収性を発揮することができ、し かも、樹脂と混合した際に優れた可視光の透 過性をも得ることができるホスホン酸銅化合 物を提供することが可能となる。また、この ようなホスホン酸銅化合物を用いた赤外吸収 材料及び積層体を提供することが可能となる 。

合わせガラスの断面構成を模式的に示 図である。 反射層を有する合わせガラスの断面構 の一例を模式的に示す図である。 透光性基板間に設けられた複数の層間 反射層を有する合わせガラスの断面構造の 例を模式的に示す図である。 紫外吸収層を有する合わせガラスの断 構造の一例を模式的に示す図である。 比較例1の合わせガラスの分光特性を示 す図である。 比較例2の合わせガラスの分光特性を示 す図である。 比較例3の合わせガラスの分光特性を示 す図である。 比較例4の合わせガラスの分光特性を示 す図である。 比較例5の合わせガラスの分光特性を示 す図である。 比較例6の合わせガラスの分光特性を す図である。 比較例7の合わせガラスの分光特性を す図である。 実施例1の合わせガラスの分光特性を す図である。 実施例2の合わせガラスの分光特性を す図である。 実施例3の合わせガラスの分光特性を す図である。 実施例4の合わせガラスの分光特性を す図である。 実施例5の合わせガラスの分光特性を す図である。

符号の説明

1…透光性基板、2…中間膜、10…合わせガ ス、20…合わせガラス、21…透光性基板、22 赤外吸収層、23…反射層、30…合わせガラス 31…透光性基板、32…赤外吸収層、33…反射 、34…樹脂層、40…合わせガラス、41…透光 基板、42…赤外吸収層、43…紫外吸収層。

以下、本発明の好適な実施の形態について 説明する。

(ホスホン酸銅化合物)
 まず、好適な実施形態のホスホン酸銅化合 について説明する。

ホスホン酸銅化合物は、銅イオン、フッ素 を含む側鎖を有するホスホン酸(以下、「第1 ホスホン酸」という。)、及び、アルキル構 造からなる側鎖を有するホスホン酸化合物( 下、「第2のホスホン酸」という。)を含有す るものであり、例えば、銅イオンに、第1の スホン酸及び/又は第2のホスホン酸が配位し た銅錯体(銅塩)の形態となっている。

ホスホン酸銅化合物における銅イオンは、 2価の銅イオンである。この銅イオンは、銅 の形態で第1及び第2のホスホン酸と混合され 、ホスホン酸銅化合物を形成する。この銅塩 の具体例としては、酢酸銅、蟻酸銅、ステア リン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅 、ピロリン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅 等の有機酸の銅塩無水物、水和物若しくは水 化物、或いは、酸化銅、塩化銅、硫酸銅、硝 酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩の無水 物、水和物若しくは水化物、又は、水酸化銅 が挙げられる。これらのなかでは、酢酸銅、 酢酸銅一水和物、安息香酸銅、水酸化銅、塩 基性炭酸銅が好ましく用いられる。なお、銅 イオン源であるこれらの銅塩は、単独で用い てもよく、複数組み合わせて用いてもよい。

第1のホスホン酸は、フッ素を含む側鎖を するホスホン酸である。ここで、側鎖とは ホスホン酸におけるリン原子に結合した基 うちのヒドロキシル基及び酸素原子以外の である。第1のホスホン酸は、かかる側鎖の なくとも一部にフッ素原子を有しており、 鎖に複数のフッ素原子を有するものがより ましい。

第1のホスホン酸としては、特に、アルキル 造における水素原子の1つ以上、好ましくは2 つ以上がフッ素原子によって置換された構造 の側鎖を有するものが好ましく、このアルキ ル構造が直鎖状であるものがより好ましい。 第1のホスホン酸としては、下記一般式(1)で される化合物が特に好適である。

上記式(1)中、mは0~6の整数であり、2~6の整 であると好ましい。また、nは1~10の整数であ り、2~8の整数であると好ましい。このような アルキル構造にフッ素原子が置換した側鎖を 有する第1のホスホン酸においては、側鎖は 対応する無置換のアルキル構造における水 原子の好ましくは20%以上、より好ましくは40 %以上がフッ素原子に置換された構造を有す と好適である。このような条件を満たす第1 ホスホン酸は、第2のホスホン酸との組み合 わせにより好適な屈折率となり易い。

第1のホスホン酸としては、具体的には、 リフルオロメチルホスホン酸、パーフルオ エチルホスホン酸、パーフルオロプロピル スホン酸、パーフルオロブチルホスホン酸 パーフルオロペンチルホスホン酸、パーフ オロヘキシルホスホン酸、パーフルオロヘ チルホスホン酸、パーフルオロオクチルホ ホン酸、パーフルオロノニルホスホン酸、 ーフルオロデシルホスホン酸、1-(トリフル ロメチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ エチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオロ プロピル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ ブチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオロ ンチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオロ ヘキシル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ ヘプチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ オクチル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ ロノニル)メチルホスホン酸、1-(パーフルオ デシル)メチルホスホン酸、2-(トリフルオロ チル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロエ チル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロプ ピル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロブ ル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロペン チル)メチルホスホン酸、2-(パーフルオロヘ シル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロヘ チル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロオ クチル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロ ニル)エチルホスホン酸、2-(パーフルオロデ ル)エチルホスホン酸、3-(トリフルオロメチ ル)プロピルホスホン酸、3-(パーフルオロエ ル)プロピルホスホン酸、3-(パーフルオロプ ピル)プロピルホスホン酸、3-(パーフルオロ ブチル)プロピルホスホン酸、3-(パーフルオ ペンチル)プロピルホスホン酸、3-(パーフル ロヘキシル)プロピルホスホン酸、3-(パーフ ルオロヘプチル)プロピルホスホン酸、3-(パ フルオロオクチル)プロピルホスホン酸、3-( ーフルオロノニル)プロピルホスホン酸、3-( パーフルオロデシル)プロピルホスホン酸、4- (トリフルオロメチル)ブチルホスホン酸、4-( ーフルオロエチル)ブチルホスホン酸、4-(パ ーフルオロプロピル)ブチルホスホン酸、4-( ーフルオロブチル)ブチルホスホン酸、4-(パ フルオロペンチル)ブチルホスホン酸、4-(パ ーフルオロヘキシル)ブチルホスホン酸、4-( ーフルオロヘプチル)ブチルホスホン酸、4-( ーフルオロオクチル)ブチルホスホン酸、4-( パーフルオロノニル)ブチルホスホン酸、4-( ーフルオロデシル)ブチルホスホン酸、5-(ト フルオロメチル)ペンチルホスホン酸、5-(パ ーフルオロエチル)ペンチルホスホン酸、5-( ーフルオロプロピル)ペンチルホスホン酸、5 -(パーフルオロブチル)ペンチルホスホン酸、 5-(パーフルオロペンチル)ペンチルホスホン 、5-(パーフルオロヘキシル)ペンチルホスホ 酸、5-(パーフルオロヘプチル)ペンチルホス ホン酸、5-(パーフルオロオクチル)ペンチル スホン酸、5-(パーフルオロノニル)ペンチル スホン酸、5-(パーフルオロデシル)ペンチル ホスホン酸、6-(トリフルオロメチル)ヘキシ ホスホン酸、6-(パーフルオロエチル)ヘキシ ホスホン酸、6-(パーフルオロプロピル)ヘキ シルホスホン酸、6-(パーフルオロブチル)ヘ シルホスホン酸、6-(パーフルオロペンチル) キシルホスホン酸、6-(パーフルオロへキシ )ヘキシルホスホン酸、6-(パーフルオロヘプ チル)ヘキシルホスホン酸、6-(パーフルオロ クチル)ヘキシルホスホン酸、6-(パーフルオ ノニル)ヘキシルホスホン酸、6-(パーフルオ ロデシル)ヘキシルホスホン酸等が挙げられ 。なお、第1のホスホン酸としては、複数種 の化合物を組み合わせて用いてもよい。

なかでも、下記化学式(3a)、(3b)又は(3c)で表さ れるホスホン酸が、近赤外光吸収材料とした 場合の可視光透過性、耐熱性を向上できるこ とから特に好ましい。

一方、第2のホスホン酸は、アルキル構造 らなる側鎖を有するホスホン酸であり、こ アルキル構造からなる側鎖がフッ素原子そ 他の基によって置換されていないものであ 。側鎖のアルキル構造は、直鎖状でも分岐 状であってもよいが、直鎖状であると、第1 ホスホン酸との組み合わせによって好適な 折率が得られ易くなる。

第2のホスホン酸としては、具体的には、下 一般式(2)で表される構造を有するものが好 しい。

式中、pは1~24の整数であり、2~20の整数であ ると好ましく、2~18の整数であるとより好ま い。

このような第2のホスホン酸としては、メ ルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピ ホスホン酸、ブチルホスホン酸、ペンチル スホン酸、ヘキシルホスホン酸、ヘプチル スホン酸、オクチルホスホン酸、ノニルホ ホン酸、デシルホスホン酸、ウンデシルホ ホン酸、ドデシルホスホン酸、トリデシル スホン酸、テトラデシルホスホン酸、ペン デシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン 、ヘプタデシルホスホン酸、オクタデシル スホン酸等が挙げられる。なお、第2のホス ン酸としては、複数種類の化合物を組み合 せて用いてもよい。

なかでも、下記化学式(4a)、(4b)又は(4c)で表さ れるホスホン酸が、近赤外光吸収材料とした 場合の可視光透過性、耐熱性を向上できるこ とから特に好ましい。

本実施形態におけるホスホン酸銅化合物に おいては、第1のホスホン酸と第2のホスホン との組み合わせが、良好な可視光透過性、 熱性等を得る観点から重要である。第1のホ スホン酸と第2のホスホン酸との組み合わせ しては、例えば、次のような組み合わせが 適である。すなわち、パーフルオロプロピ ホスホン酸とエチルホスホン酸、パーフル ロプロピルホスホン酸とヘキシルホスホン 、パーフルオロプロピルホスホン酸とオク デシルホスホン酸、1-(パーフルオロプロピ )メチルホスホン酸とエチルホスホン酸、1-( ーフルオロプロピル)メチルホスホン酸とヘ キシルホスホン酸、1-(パーフルオロプロピル )メチルホスホン酸とオクタデシルホスホン 、1-(パーフルオロヘキシル)メチルホスホン とエチルホスホン酸、1-(パーフルオロヘキ ル)メチルホスホン酸とヘキシルホスホン酸 、1-(パーフルオロヘキシル)メチルホスホン とオクタデシルホスホン酸、2-(パーフルオ ブチル)エチルホスホン酸とエチルホスホン 、2-(パーフルオロブチル)エチルホスホン酸 とヘキシルホスホン酸、2-(パーフルオロブチ ル)エチルホスホン酸とオクタデシルホスホ 酸、2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホ 酸とエチルホスホン酸、2-(パーフルオロヘ シル)エチルホスホン酸とヘキシルホスホン 酸、2-(パーフルオロヘキシル)エチルホスホ 酸とオクタデシルホスホン酸、2-(パーフル ロオクチル)エチルホスホン酸とエチルホス ン酸、2-(パーフルオロオクチル)エチルホス ホン酸とヘキシルホスホン酸、2-(パーフルオ ロオクチル)エチルホスホン酸とオクタデシ ホスホン酸、3-(パーフルオロブチル)プロピ ホスホン酸とエチルホスホン酸、3-(パーフ オロブチル)プロピルホスホン酸とヘキシル ホスホン酸、3-(パーフルオロブチル)プロピ ホスホン酸とオクタデシルホスホン酸、3-( ーフルオロヘキシル)プロピルホスホン酸と チルホスホン酸、3-(パーフルオロヘキシル) プロピルホスホン酸とヘキシルホスホン酸、 3-(パーフルオロヘキシル)プロピルホスホン とオクタデシルホスホン酸、3-(パーフルオ オクチル)プロピルホスホン酸とエチルホス ン酸、3-(パーフルオロオクチル)プロピルホ スホン酸とヘキシルホスホン酸、3-(パーフル オロオクチル)プロピルホスホン酸とオクタ シルホスホン酸、4-(パーフルオロブチル)ブ ルホスホン酸とエチルホスホン酸、4-(パー ルオロブチル)ブチルホスホン酸とヘキシル ホスホン酸、4-(パーフルオロブチル)ブチル スホン酸とオクタデシルホスホン酸、4-(パ フルオロヘキシル)ブチルホスホン酸とエチ ホスホン酸、4-(パーフルオロヘキシル)ブチ ルホスホン酸とヘキシルホスホン酸、4-(パー フルオロヘキシル)ブチルホスホン酸とオク デシルホスホン酸、4-(パーフルオロオクチ )ブチルホスホン酸とエチルホスホン酸、4-( ーフルオロオクチル)ブチルホスホン酸とヘ キシルホスホン酸、4-(パーフルオロオクチル )ブチルホスホン酸とオクタデシルホスホン 、5-(パーフルオロブチル)ペンチルホスホン とエチルホスホン酸、5-(パーフルオロブチ )ペンチルホスホン酸とヘキシルホスホン酸 、5-(パーフルオロブチル)ペンチルホスホン とオクタデシルホスホン酸、5-(パーフルオ ヘキシル)ペンチルホスホン酸とエチルホス ン酸、5-(パーフルオロヘキシル)ペンチルホ スホン酸とヘキシルホスホン酸、5-(パーフル オロヘキシル)ペンチルホスホン酸とオクタ シルホスホン酸、5-(パーフルオロオクチル) ンチルホスホン酸とエチルホスホン酸、5-( ーフルオロオクチル)ペンチルホスホン酸と ヘキシルホスホン酸、5-(パーフルオロオクチ ル)ペンチルホスホン酸とオクタデシルホス ン酸、6-(パーフルオロブチル)ヘキシルホス ン酸とエチルホスホン酸、6-(パーフルオロ チル)ヘキシルホスホン酸とヘキシルホスホ ン酸、6-(パーフルオロブチル)ヘキシルホス ン酸とオクタデシルホスホン酸、6-(パーフ オロへキシル)ヘキシルホスホン酸とエチル スホン酸、6-(パーフルオロへキシル)ヘキシ ルホスホン酸とヘキシルホスホン酸、6-(パー フルオロへキシル)ヘキシルホスホン酸とオ タデシルホスホン酸、6-(パーフルオロオク ル)ヘキシルホスホン酸とエチルホスホン酸 6-(パーフルオロオクチル)ヘキシルホスホン 酸とヘキシルホスホン酸、6-(パーフルオロオ クチル)ヘキシルホスホン酸とオクタデシル スホン酸といった組み合わせが好適である

ホスホン酸銅化合物において、銅イオンと 第1及び第2のホスホン酸との比率は、第1及び 第2のホスホン酸の合計/銅イオンが、モル比 0.1~10であると好ましく、0.1~2であるとより ましい。このような割合で銅イオンと第1及 第2のホスホン酸とが含まれると、ホスホン 酸銅化合物による近赤外光の吸収性が優れる ほか、良好な屈折率が得られ易くなる。

また、第1のホスホン酸及び第2のホスホン は、ホスホン酸銅化合物中のフッ素原子の 有率が、5~50%となるような割合で含まれて ると好ましく、10~30%となるような割合で含 れていると好ましい。なお、ホスホン酸銅 合物中のフッ素原子の含有率とは、ホスホ 酸銅化合物の合計質量に対するフッ素原子 質量の割合(%)である。このような条件を満 すように第1及び第2のホスホン酸が含まれて いると、屈折率が良好な範囲となり、しかも 、耐熱性等の特性が向上する傾向にある。な お、良好な可視光透過性を得る観点からは、 ホスホン酸銅化合物の樹脂との屈折率の差が 、±0.01の範囲であると好ましく、±0.005の範 であるとより好ましい。ホスホン酸銅化合 のフッ素原子の含有率を指標とすることで このような屈折率差に調整することができ 。

ホスホン酸銅化合物は、例えば、まず、第 1及び第2のホスホン酸を溶媒に溶解した後、 られた溶液に銅イオンの原料である銅塩を え、必要に応じて加熱しながら攪拌等する とによって製造することができる。ホスホ 酸銅化合物は、通常、溶媒に対する溶解性 極めて低いため、このような製造方法では 溶物として析出する。溶媒としては、第1及 び第2のホスホン酸を溶解できるものであれ 特に制限されないが、ジメチルホルムアミ (DMF)、メタノール、エタノール、THF、クロロ ホルムや、これらを更にトルエンや酢酸エチ ルと混合した混合溶媒等が好適である。

なお、第1のホスホン酸及び第2のホスホン を別に用いて上記の製造方法を行い、各ホ ホン酸の銅化合物をそれぞれ形成した後、 れらを混合することでも、銅イオン、第1及 び第2のホスホン酸を含むホスホン酸銅化合 を得ることはできるが、このような製造方 では、第1及び第2のホスホン酸の組み合わせ による効果が十分に得られない場合がある。 したがって、ホスホン酸銅化合物としては、 上記の方法のように、第1及び第2のホスホン の混合物に、銅イオンの原料を加えて得ら たものがより好ましい。

(赤外吸収材料)
 次に、好適な実施形態の赤外吸収材料につ て説明する。

本実施形態の赤外吸収材料は、上述した実 施形態のホスホン酸銅化合物と、樹脂とを含 有する。赤外吸収材料において、ホスホン酸 銅化合物は、樹脂への溶解性を殆ど有してい ないため、主に粒子状で分散された状態とな る。赤外吸収材料中におけるホスホン酸銅化 合物は、好ましくは0.01~100μm程度、より好ま くは0.1~10μm程度の平均粒径を有するもので ると、樹脂への分散性に優れ、高い可視光 過性が得られ易くなる傾向にある。なお、 スホン酸化合物を単独で用いた従来のホス ン酸銅塩粒子の場合、高い可視光透過率を るためには通常100nm以下程度に少粒径化す 必要があった。これに対し、本実施形態の スホン酸銅化合物によれば、第1及び第2のホ スホン酸を組み合わせて有することで良好な 屈折率を有していることから、100nmを超える うな粒径、特に10μm程度の粒径まで大粒子 しても、高い透明性を維持することが可能 なる。

樹脂は、上述したホスホン酸銅化合物を良 好に分散(場合によっては溶解)でき、しかも 可視光を透過する性質に優れているものが ましい。このような樹脂としては、例えば ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸 ビニル共重合体(EVA)、(メタ)アクリル樹脂、 リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化 ニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカー ネート樹脂、ノルボルネン樹脂等が挙げら る。

これらの樹脂のなかでも、ポリビニルアセ タール樹脂が好ましく、特にポリビニルブチ ラール(PVB)が好ましい。これらは、後述する 層体(合わせガラス)における透光性基板に する接着性に優れるほか、柔軟であり、し も温度に依存して変形し難いという特性を している。このため、ポリビニルアセター 樹脂を用いることにより、積層体を製造す 際の成形加工が容易となる。また、得られ 中間膜の透明性、耐侯性、ガラスに対する 着性等が優れるようになる。さらに、ポリ ニルアセタール樹脂は、上述した赤外吸収 料を特に分散等し易いという特性も有して る。このため、上記赤外吸収材料とポリビ ルアセタール樹脂との組み合わせによれば 優れた可視光透過性及び耐久性を有する合 せガラスが得られるようになる。

ポリビニルアセタール樹脂は、必要な物性 に応じて、適当な組み合わせにてブレンドさ れたものであってもよく、アセタール化時に アルデヒドを組み合わせてアセタール化する ことにより得られるポリビニルアセタール樹 脂であってもよい。上記ポリビニルアセター ル樹脂の分子量、分子量分布及びアセタール 化度は特に限定されないが、アセタール化度 は、一般に40~85%であり、その好ましい下限は 60%、上限は75%である。

ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニル アルコール樹脂をアルデヒドによりアセター ル化することにより得ることができる。上記 ポリビニルアルコール樹脂は、一般にポリ酢 酸ビニルを鹸化することにより得られるもの であり、鹸化度80~99.8モル%のポリビニルアル ール樹脂が一般的に用いられる。上記ポリ ニルアルコール樹脂の粘度平均重合度は好 しい下限は200、上限は3000である。200未満で あると、得られる合わせガラスの耐貫通性が 低下する。3000を超えると、樹脂膜の成形性 悪くなり、しかも樹脂膜の剛性が大きくな 過ぎ、加工性が悪くなる。より好ましい下 は500、上限は2500である。なお、ポリビニル ルコール樹脂の粘度平均重合度、及び鹸化 は、例えば、JISK 6726「ポリビニルアルコー ル試験方法」に基づいて測定することができ る。

アルデヒドとしては特に限定されず、例え ば、炭素数が1~10のアルデヒド等が挙げられ より具沐的には、例えば、n-ブチルアルデヒ ド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデ ド、2-エチルブチルアルテヒド、n-へキシル アルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニ アルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムア ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデ ヒド等が挙げられる。なかでも、n-ブチルア デヒド、n-へキシルアルデヒド、n-バレルア ルデヒド等が好ましい。より好ましくは、炭 素数が4のブチルアルデヒドである。

このような構成を有する赤外吸収材料は、 樹脂中にホスホン酸銅化合物を直接分散等さ せる方法や、樹脂の単量体中にホスホン酸銅 化合物を分散等させた後、この単量体を重合 させる方法等によって調製することができる 。

前者の方法は、例えば、樹脂が熱可塑性を 有するものである場合に有効である。具体的 には、樹脂を加熱溶融した後、ホスホン酸銅 化合物を混練する方法や、ホスホン酸銅化合 物及び樹脂のいずれか一方を溶媒に分散等さ せた後、得られた混合液中にもう一方を添加 ・混合した後、溶媒を除去する方法によって 実施することができる。

また、後者の方法は、樹脂が熱硬化性を有 するものである場合に有効である。重合方法 としては、ラジカル重合が一般的であり、こ の場合、ホスホン酸銅化合物と樹脂の単量体 からかなる混合物中に、更に重合開始剤を含 有させてもよい。なお、このような重合反応 は、単量体と近赤外光吸収材料を混合した後 すぐに実施する必要はなく、例えば、所定の 基材上に塗布した後に実施することもできる 。

さらに、赤外吸収材料は、上述したホスホ ン酸銅化合物及び樹脂に加え、樹脂との相溶 性に優れる可塑剤を含有していると好ましい 。可塑剤を含有していると、ホスホン酸銅化 合物の樹脂への分散性が高められ、近赤外光 の吸収特性や可視光透過性が向上する傾向に ある。樹脂中にホスホン酸銅化合物を直接分 散して赤外吸収材料を調製する場合、まず、 ホスホン酸銅化合物を可塑剤に分散させ、こ れをそのまま又は溶媒に分散させた後、樹脂 と混合することが好ましい。こうすれば、ホ スホン酸銅化合物の樹脂への分散が更に良好 となる。

可塑剤としては、中間膜用に一椴的に用い られている公知の可塑剤が挙げられる。例え ば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸系可 塑剤、脂肪酸系可塑剤、グリコール系可塑剤 等が例示できる。より具体的には、例えば、 一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エ ステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系、有 亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が好適に いられる。これらの可塑剤は、単独で用い れてもよく、2種以上が併用されてもよく、 脂の種類に応じて相溶性等を考慮して使い けられる。

一塩基性有機酸エステルとしては、例えば 、トリエチレングリコール、テトラエチレン グリコール又はトリプロピレングリコール等 のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン 酸、2-エチル酪酸、ヘプタン酸、n-オクタン 、2-エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸(n-ノニ ル酸)又はデシル酸等の一塩基性有機酸との 応によって得られるグリコール系エステル が挙げられる。より具体的には、トリエチ ングリコールジ-2-エチルヘキサノエート(3GO) 、トリエチレングリコールジ-2エチルブチレ ト(3GH)、ジヘキシルアジペート(DHA)、テトラ エチレングリコールジヘプタノエート(4G7)、 トラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサ エート(4GO)、トリエチレングリコールジヘ タノエート(3G7)等が例示できる。なかでも、 3GO、3GH、3G7等が好ましい。

多塩基性有機酸エステルとしては特に限定 されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又 はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素 数4~8の直鎖状又は分枝状アルコールとの反応 によって得られるエステル等が挙げられる。 例えば、ジブチルセバシン酸エステル、ジオ クチルアゼライン酸エステル、ジブチルカル ビトールアジピン酸エステル等が好適である 。

有機リン酸系可塑剤としては、例えば、ト リブトキシエチルホスフェート、イソデシル フェニルホスフェート、トリイソプロピルホ スフェート等が挙げられる。

赤外吸収材料における可塑剤の含有量は、 樹脂100質量部に対して、1~120質量部であるこ が好ましく、1~100質量部であることがより ましく、2~80質量部であることが更に好まし 。可塑剤の含有量が、樹脂材料100質量部に して1質量部未満であると、ホスホン酸銅化 合物の分散性が低下して可視光透過性が不十 分となる場合がある。一方、120質量部を超え ると基材である樹脂が柔軟になり過ぎ、例え ば合わせガラスにおける中間膜としての使用 が困難となる傾向にある。

また、赤外吸収材料には、接着力調整剤が 含有されていてもよい。なお、接着力調整剤 は、後述する中間膜(赤外吸収層)の表面に塗 されてもよい。接着力調整剤としては、例 ば、有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又 アルカリ土類金属塩、変成シリコーンオイ 等が挙げられる。上記有機酸としては特に 定されず、例えば、オクタン酸、ヘキサン 、酪酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸等が挙 られる。上記無機酸としては特に限定され 、例えば、塩酸、硝酸等が挙げられる。上 アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩と ては特に限定されず、例えば、カリウム、 トリウム、カルシウム、マグネシウム等の が挙げられる。

上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又 はアルカリ土類金属塩のなかでも、炭素数2~1 6の有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土 金属塩が好ましく、より好ましくは、炭素 2~16のカルボン酸のカリウム塩及びマグネシ ム塩である。

上記炭素数2~16のカルボン酸のカリウム塩 びマグネシウム塩としては特に限定されな が、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリ ム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオ 酸カリウム、2-エチルブタン酸マグネシウム 、2-エチルブタン酸カリウム、2-エチルへキ ン酸マグネシウム、2-エチルへキサン酸カリ ウム等が好適である。これらは単独で用いら れてもよく、2種以上が供用されてもよい。

上記有機酸又は無機酸のアルカリ金属塩又 はアルカリ土類金属塩の配合量の好ましい下 限は、樹脂100重量部に対して0.001重量部、上 は0.5重量部である。0.001重量部未満である 、高湿度雰囲気下で周辺部の接着力が低下 ることがある。0.5重量部を超えると、膜の 明性が失われることがある。より好ましい 限は0.01重量部、上限は0.2重量部である。

変成シリコーンオイルとしては、例えば、 エポキシ変成シリコーンオイル、エーテル変 性シリコーンオイル、エステル変性シリコー ンオイル、アミン変性シリコーンオイル、カ ルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げら れる。これらは、単独で用いられてもよく、 2種以上が併用されてもよい。なお、これら 変性シリコーンオイルは、一般にポリシロ サンに、変性させるべき化合物を反応させ ことにより得られる。

変性シリコーンオイルの分子量の好ましい 下限は800、上限は5000である。800未満である 、表面への局在化が不充分なことがある。50 00を超えると、樹脂との相溶性が低下し、膜 面にブリードアウトしてガラスとの接着力 低下することがある。より好ましい下限は1 500、上限は4000である。

変性シリコーンオイルの配合量の好ましい 下限は、樹脂100重量部に対して0.01重量部、 限は0.2重量部である。0.01重量部未満である 、吸湿による白化を防止する効果が不充分 なることがある。0.2重量部を超えると、樹 との相溶性が低下し、膜表面にブリードア トして樹脂とガラスとの接着力が低下する とがある。より好ましい下限は0.03重量部、 上限は0.1重量部である。

赤外吸収材料は、上記可塑剤や接着力調整 剤のほか、他の添加剤を更に含有していても よい。このような添加剤としては、例えば、 色調を調整するための成分、物性を調整する ための成分、赤外吸収材料を安定化するため の成分、後述する積層体を形成させる際に透 光性基板との密着性を向上するための成分等 が挙げられる。その他、必要に応じて、押出 機中での熱による変質を防止するための酸化 防止剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、 耐湿剤等の添加剤が添加されていてもよい。

例えば、色調を調整するための成分として は、染料、顔料、金属化合物等が挙げられる 。また、物性を調整するための成分としては 、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル等のα, β-不飽和結合を有する(メタ)アクリル系モノ ー、(メタ)アクリル系の樹脂と相溶性に優 るオリゴマーやポリマー等が挙げられる。

さらに、安定化するための成分としては、 光安定剤、熱安定剤、抗酸化剤、紫外光吸収 剤等が挙げられる。またさらに、透光性基板 との密着性を向上するための成分としては、 例えば、透光性基板としてガラス基板を用い る場合、ビニルシラン、アクリルシラン、エ ポキシシラン等のシランカップリング剤等の カップリング剤が例示できる。

紫外光吸収剤としては、ベンゾエート系化 合物、サリシレート系化合物、ベンゾフェノ ン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、 シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニ リド系化合物、トリアジン系化合物等が挙げ られる。

より具体的には、ベンゾエート系化合物と しては、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3’,5’-ジ-t- ブチル-4’-ヒドロキシベンゾエート等が挙げ られる。サリシレート系化合物としては、フ ェニルサリシレートやp-t-ブチルフェニルサ シレートが挙げられる。

ベンゾフェノン系化合物としては、2,4-ジ- ドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- トキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メト キシベンゾフェノン-5-スルホン酸、2-ヒドロ シ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒ ドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン 2,2’,4,4’-テトラヒドロベンゾフェノン、 ス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフ ニル)メタン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメ キシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4, 4’-ジメトキシベンゾフェノン-5,5’-ジスル ン酸ナトリウム、2,2’-ジヒドロキシ-5-メト シベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メタク ロイルオキシエチルベンゾフェノン、4-ベン ゾイルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、 2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン が挙げられる。

ベンゾトリアゾール系化合物としては、2-( 2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾト リアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5 ’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフ ェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’- ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベン ゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5-t-オク ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒ ロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾ ル、2-[2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’ ,6’’-テトラヒドロフタリミドメチル)-5’- チルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2’- ドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベン トリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5-t-オクチ フェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒド キシ-3’,5’-ビス(α,α-ジメトキシベンゾイ )フェニル]ベンゾトリアゾール、2,2’-メチ ンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2N- ンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、2-(2 -ヒドロキシ-5’-メタクリロイルオキシエチ フェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒ ドロキシ-3’-ドデシル-5’-メチルフェニル) ンゾトリアゾール、メチル-3-[3-t-ブチル-5-(2H -ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフ ニル]プロピオネートとポリエチレングリコ ールとの縮合物等が挙げられる。

シアノアクリレート系化合物としては、エ チル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレートや クチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレー が挙げられ、シュウ酸アニリド系化合物と ては、2-エトキシ-2’-エチルオキサリック酸 ビスアニリドや2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エ ルオキサリック酸ビスアニリドが挙げられ 。また、トリアジン系化合物としては、2-(4, 6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-[(ヘキ シル)オキシ]-フェノールが挙げられる。

また、光安定剤としては、ヒンダードアミ ン系光安定剤(HALS)や、Ni系化合物を適用可能 ある。特に、上述した紫外光吸収剤とこれ の光安定剤を併用すると、光に対する安定 が極めて良好となる傾向にある。

より具体的には、HALSとしては、ビス(2,2,6,6 -テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビ (1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケ ド、1-[2-[3-(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニ )プロピオニルオキシ]エチル]-4-[3-(3,5-ジ-t- チル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオ シ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベン イルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1 ,3,8-トリアザスピロ[4,5]デカン-2,4-ジオン、ビ ス-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-(3,5- ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチル マロネート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチ -4-ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキ シレート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシ ート、(Mixed 1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリ ル/トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキ シレート、Mixed {1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペ リジル/β,β,β’,β’-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10 -テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ }-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、(Mix ed 2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル/トリデ ル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、M ixed {2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル/β,β,β ’,β’-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキ スピロ(5,5)ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4-ブタ テトラカルボキシレート、2,2,6,6-テトラメ ル-4-ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペ タメチル-4-ピペリジルメタクリレート、ポ [(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5- リアジン-2,4-ジイル)][(2,2,6,6-テトラメチル-4 -ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6- トラメチル-4-ピペリジル)イミノール]、ジメ チルサシネートポリマ-with-4-ヒドロキシ-2,2,6, 6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノール、N,N ,N’’,N’’’-テトラキス-(4,6-ビス-(ブチル -(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4- ル)アミノ)-トリアジン-2-イル)-4,7-ジアザデ ン-1,10-ジアミン、ジブチルアミン-1,3,5-トリ ジン-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペ ジル-1,6-ヘキサメチレンジアミンとN-(2,2,6,6- トラメチルピペリジル)ブチルアミンの重縮 合物、デカン二酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-1- (オクチルオキシ)-4-ピペリジニル)エステル等 が挙げられる。

また、Ni系の光安定剤としては、[2,2’-チ -ビス(4-t-オクチルフェノレート)]-2-エチルヘ キシルアミン-ニッケル(II)、ニッケルジブチ ジチオカーボネート、[2,2’-チオ-ビス(4-t- クチルフェノレート)]-ブチルアミン-ニッケ (II)等が挙げられる。

(光学部材)
 上述した赤外吸収材料を用いることにより 近赤外光を遮断する特性に優れる光学部材 得ることができる。このような光学部材と ては、以下に示す第1及び第2の形態が挙げ れる。
第1の形態:赤外吸収材料を加工して得られる ート状成形物。
第2の形態:透光性基板と、この透光性基板の なくとも一側に設けられた赤外吸収材料か なる赤外吸収層とを有する積層体。

まず、第1の形態について説明する。第1の 態の光学部材は、上述した赤外吸収材料か なるシート状の成形物であり、具体的には シートやフィルムが挙げられる。ここで、 ートとは、250μmを超える厚さを有する薄板 のものである。また、フィルムとは、厚さ5 ~250μmの薄い膜状のものである。これらのシ ト又はフィルムは、公知のシート又はフィ ム形成方法を用いて作製可能である。かか シート又はフィルム形成方法としては、溶 押出成形法、延伸成形法、カレンダー成形 、プレス成形法、溶液キャスト法等が挙げ れる。

次に、第2の形態について説明する。第2の 態の光学部材は、透光性基板と、この透光 基板に隣接して設けられた赤外吸収材料か なる赤外吸収層とを有する積層体である。

透光性基板は、可視光に対する透過性を有 する基板であり、例えば、波長550nmの光を90% 度以上透過できる基板である。この透光性 板を構成する材料は、可視光透過性を有す 材料であれば特に限定されず、光学部材の 途に応じて適宜選択可能である。良好な硬 、耐熱性、耐薬品性、耐久性等を得る観点 らは、ガラスやプラスチックが好適に使用 れる。ガラスとしては、無機ガラス、有機 ラス等が挙げられる。プラスチックとして 、例えば、ポリカーボネート、アクリロニ リル-スチレン共重合体、ポリメチルメタク リレート、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、 ポリエステル、ポリオレフィン、ノルボルネ ン樹脂等が例示できる。なお、透光性基板が 複数存在する場合には、各基板は、同じ種類 の材料で構成されたものであってもよく、異 なる材料で構成されたものであってもよい。

このような積層体は、例えば、上述した第 1の形態の光学部材と同様のシートやフィル を形成した後、これらのシート等と透光性 板とを貼り合わせることによって製造する とができる。これらを貼り合わせる方法と ては、プレス法、マルチロール法、減圧法 の加圧又は減圧により接着する手段、オー クレーブ等を用いて加熱することにより接 する手段、又は、これらを組み合わせた手 を用いることができる。

また、積層体の製造方法としては、予め形 成したシートを貼り合わせる方法以外に、透 光性基材上に、赤外吸収層を直接形成する方 法も適用できる。かかる方法としては、例え ば、上述した赤外吸収材料を適宜の溶媒に分 散等させてコーティング剤とし、この溶液を 透光性基板に塗布した後、溶媒を蒸発させる ことによって、透光性基材上に、赤外吸収材 料からなる薄膜、被覆物又は薄層を形成する 方法が例示できる。こうして形成された薄膜 等は、コーティングと呼ばれるものである。 このような方法を用いて赤外吸収層を形成す る場合には、当該層の平坦性を高める目的で 、レベリング剤、消泡剤といった各種の界面 活性剤等の溶解補助剤を、上述したコーティ ング剤中に添加してもよい。

さらに、透光性基材上に赤外吸収層を直接 形成する他の方法としては、樹脂の単量体に 赤外吸収材料を分散等させた組成物を調製し 、この組成物を透光性基材上に塗布した後、 当該基材の表面上で単量体の重合反応を生じ させる方法も挙げられる。この場合、上記組 成物中には更に溶媒を添加してもよい。

第2の形態の光学部材、すなわち積層体は 上述したような透光性基板と赤外吸収層と 一層ずつ備えるものに限定されず、これら 層を複数備えるものであってもよい。具体 には、一対の透光性基板と、この透光性基 間に配置された上記赤外吸収材料からなる 間膜(赤外吸収層)とを備えるものが挙げられ る。このような積層体は、いわゆる合わせガ ラスと呼ばれるものである。

ここで、図1を参照して、好適な実施形態 合わせガラスについて説明する。

図1は、合わせガラスの断面構成を模式的 示す図である。図1に示される合わせガラス1 0は、一対の透光性基板1と、この一対の透光 基板1に挟持された中間膜2(赤外吸収層)とを 備えるものである。中間膜2は、上記赤外吸 材料からなるものであり、透光性基板1とし は、上述したものと同様のものが適用でき 。

かかる構造の合わせガラス10は、例えば、 組の透光性基板の間に、上述した赤外吸収 料からなるシート状成形物を挟み、これを 備圧着して各層間に残存した空気を除去し 後、本圧着してこれらを密着させる方法に って製造することができる。

なお、このような製造方法により合わせガ ラス10を製造する場合、中間膜2に、その保管 時においてシート同士が合着して塊状となる 、いわゆるブロッキング現象が生じていない ことや、予備圧着における脱気性が良好であ ることが要求される。これらの要求を満たし ている場合、透光性基材1とシートとを重ね わせる際の作業性が良好となるほか、例え 脱気が不十分であるために生じた気泡等に る可視光透過性の低下を防ぐことができる

合わせガラス10には、近赤外光を遮断する 性のほか、可視光領域の光を透過する特性 優れることが求められる。このように優れ 可視光透過性を得るためには、上述したよ に、透光性基板1と中間膜2との間に極力気 を有していないことが好ましい。

このように気泡を低減する手段の一つとし て、表面にエンボスと呼ばれる多数の微小な 凹凸を有している中間膜2を用いる方法が知 れている。このようなエンボスが施された 間膜2によれば、上述した予備圧着工程等に ける脱気性が極めて良好となる。その結果 合わせガラス10は、気泡による可視光透過 の低下が少ないものとなる。

このようなエンボスの形態としては、例え ば、多数の凸部とこれらの凸部に対する多数 の凹部とからなる各種凸凹模様、多数の凸条 とこれらの凸条に対する多数の凹溝とからな る各種の凸凹模様、粗さ、配置、大きさ等の 種々の形状因子に関し多様な値を有するエン ボス形状がある。

これらのエンボスとしては、例えば、特開 平6-198809号公報に記載された、凸部の大きさ 変え、その大きさ、配置を規定したもの、 開平9-40444号公報に記載された、表面の粗さ を20~50μmとしたもの、特開平9-295839号公報に 載された、凸条が交差するように配置され もの、或いは、特開2003-48762号公報に記載さ た、主凸部の上に更に小さな凸部を形成さ たものが挙げられる。また、エンボス形状 施す方法として、特表2003-528749には、樹脂 形時に発生するメルトフラクチャーを利用 る方法、特表2002-505211、特表平9-502755には架 PVB粒子や造核剤を用いる方法等が提案され いる。

また、近年、合わせガラス10に求められる の特性として、遮音性がある。遮音性が優 る合わせガラスによれば、例えば、窓材に いた場合に、周囲の騒音等の影響を低減で るようになり、更に室内環境を向上させ得 。一般に、遮音性能は、周波数の変化に応 た透過損失量として示され、その透過損失 は、JISA 4708では、500Hz以上において遮音等 に応じてそれぞれ一定値で規定されている

ところが、合わせガラスの透光性基板とし て一般的に用いられるガラス板の遮音性能は 、2000Hzを中心とする周波数領域ではコインシ デンス効果により著しく低下する傾向にある 。ここで、コインシデンス効果とは、ガラス 板に音波が入射した時、ガラス板の剛性と慣 性によって、ガラス板状を横波が伝播してこ の横波と入射音とが共鳴し、その結果、音の 透過が起こる現象をいう。よって、一般的な 合わせガラスでは、2000Hzを中心とする周波数 領域において、かかるコインシデンス効果に よる遮音性能の低下を避け難く、この点の改 善が求められている。

これに関し、人間の聴覚は、等ラウドネス 曲線から、1000~6000Hzの範囲では他の周波数領 に比べ非常に良い感度を示すことが知られ いる。従って、コインシデンス効果による 記遮音性能の落ち込みを解消することは、 音性能を高める上で重要となる。このよう 観点から、合わせガラス10の遮音性能を高 るには、上記コインシデンス効果による遮 性能の低下を緩和し、コインシデンス効果 よって生じる透過損失の極小部の低下を防 必要がある。

合わせガラス10に遮音性を付与する方法と ては、合わせガラス10の質量を増大させる 法、透光性基板1となるべきガラスを複合化 る方法、このガラス面積を細分化する方法 ガラス板支持手段を改善する方法などがあ 。また、遮音性能は、中間膜2の動的粘弾性 により左右され、特に貯蔵弾性率と損失弾性 率との比である損失正接に影響されることが あることから、この値を制御することによっ ても合わせガラス10の遮音性能を高めること できる。

後者のように損失正接の値を制御する手段 としては、例えば、特定の重合度を有する樹 脂膜を用いる方法、特開平4-2317443号公報に記 載されるような樹脂の構造を規定する方法、 特開2001-220183号公報に記載されるような樹脂 の可塑剤量を規定する方法等が挙げられる また、異なる2種以上の樹脂を組み合わせて 中間膜を形成することによっても、広い温度 範囲にわたって合わせガラス10の遮音性能を め得ることが知られている。例えば、特開2 001-206742号公報に記載された、複数種の樹脂 ブレンドする方法、特開2001-206741号公報、特 開2001-226152号公報に記載された、複数種の樹 を積層する方法、特開2001-192243号公報に記 された、中間膜中の可塑剤量に偏向を持た る方法等が挙げられる。これらの技術を採 し、樹脂構造の改質、可塑剤の添加、2種以 の樹脂の組み合わせ等といった手段を適宜 み合わせて実施することで、中間膜2を形成 すべき樹脂材料の損失正接の値、すなわち遮 音性を制御することが可能となる。

さらに、合わせガラス10は、上述したよう 近赤外光を吸収すること以外によって遮熱 を発揮し得る特性を更に有していると好ま い。このように合わせガラス10の遮熱性を める方法としては、中間膜2中に、遮熱機能 有する金属、酸化物微粒子、金属ホウ素化 等を更に含有させるか、またはこれらを含 層を合わせガラスの積層構造中に導入する 法が挙げられる。このような方法としては 例えば、特開2001-206743号公報、特開2001-261383 号公報、特開2001-302289号公報、特開2004-244613 公報、国際公開第02/060988号パンフレット等 記載された方法を適用できる。

遮熱性を高め得る酸化物微粒子としては、錫 ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドー 酸化錫(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(A ZO)等が挙げられる。また、ホウ化物微粒子と してはYB 6 、LaB 6 、CeB 6 、PrB 6 、NdB 6 、SmB 6 、EuB 6 、GdB 6 、TbB 6 、DyB 6 、HoB 6 、ErB 6 、TmB 6 、YbB 6 、LuB 6 、ZrB 6 、BaB 6 、SrB 6 、CaB 6 等の6ホウ化物微粒子が挙げられる。なお、 述した酸化物微粒子が含有された中間膜2は 可視光透過性が低下しやすい傾向にあるこ から、酸化物微粒子の粒径を規定したり(特 許第271589号公報、特開2002-293583号公報)、分散 性を高めたりして、透光性を良好に維持する ための方法を適用してもよい。後者のように 酸化物微粒子の分散性を高めるための方法と しては、当該微粒子を機械的に分散させるこ とや、分散剤を用いること等の公知の微粒子 分散技術が適用できる。

なお、合わせガラスの遮熱性を高める方法 としては、上述した酸化物微粒子等を含有さ せる方法以外に、例えば、有機系の遮熱機能 を有する染料・顔料を含有させる方法や、遮 熱性能を有する透光性基板を用いる方法も挙 げられる。前者の有機系の遮熱機能を有する 染料・顔料を含有させる方法としては、特開 平7-157344号公報、特許第319271号公報に記載さ た方法が挙げられる。このような染料・顔 としては、具体的には、フタロシアニン系 アントラキノン系、ナフトキノン系、シア ン系、ナフタロシアニン系、ピロール系、 モニウム系、ジチオール系、メルカプトナ トール系等の染料・顔料が挙げられる。

また、後者のような遮熱性能を有する透光 性基板としては、例えば、特開2001-151539号公 に記載されているようなFe含有ガラス(例え 、グリーンガラス等)、特開2001-261384号公報 特開2001-226148号公報に記載されているよう 金属、金属酸化物を積層したガラス板が挙 られる。

このように、上述した実施形態の合わせガ ラスは、中間膜に含まれる赤外吸収材料が近 赤外光領域の光線を吸収することによって、 熱線である近赤外光を遮断する特性を発揮す るものであるが、本発明の合わせガラス(積 体)は、更なる近赤外光遮断特性の向上を目 として、近赤外光吸収層に加えて、近赤外 を反射する特性を有する層(反射層)を更に していてもよい。

図2は、反射層を有する合わせガラスの断 構造の一例を模式的に示す図である。合わ ガラス20は、透光性基板21、赤外吸収層22、 射層23及び透光性基板21をこの順に備える構 を有している。透光性基板21及び赤外吸収 22は、上述した合わせガラス10におけるもの 同様のものが適用できる。

反射層23としては、金属や金属酸化物から 成される層が挙げられ、具体的には、例え 、金、銀、銅、錫、アルミニウム、ニッケ 、パラジウム、ケイ素、クロム、チタン、 ンジウム、アンチモン等の金属単体、合金 混合物又は酸化物が例示できる。

このような反射層23を有する合わせガラス2 0は、例えば、以下のようにして製造するこ ができる。すなわち、まず、透光性基板21の 一面に反射層23を設けたものを準備する。こ で、透光性基板21上に反射層23を形成する方 法としては、金属や金属酸化物を透光性基板 21上に蒸着する方法等が挙げられる。次に、 外吸収層22となるべきシートの一方の面側 、反射層23が形成された透光性基板21をその 射層23が接するように配置するとともに、 方の面側に透光性基板21のみを配置する。そ して、これらを圧着することによって、合わ せガラス20を得ることができる。

ところで、このように透光性基板21と赤外 収層22との間に反射層23を形成すると、反射 層23と赤外吸収層22との接着性が低下してし う場合がある。こうなると、例えば合わせ ラス20が破損した場合に透光性基板21が剥離 飛散し易くなり、安全性の点で問題が生じ こととなる。かかる問題を避ける観点から 、例えば、赤外吸収層22と反射層23との間に 、両者の接着力を向上させ得る層を更に設け ることが好ましい。こうすることで、反射層 23と赤外吸収層22との接着性を改善すること 可能となる。

このように接着力を向上させる手段として は、例えば、赤外吸収層22に含まれる樹脂成 がポリビニルアセタールである場合、赤外 収層22よりも高いアセタール度を有するポ ビニルアセタールからなる層(特開平7-187726 公報、特開平8-337446号公報)、所定の割合の セトキシ基を有するPVBからなる層(特開平8-33 7445号公報)、所定のシリコーンオイルからな 層(特開平7-314609号広報)等を形成する方法が 採用できる。

また、反射層23としては、上述したような 属や金属酸化物を含む層以外に、特表平09-5 06837、特表2000-506082、特表2000-506084、特表2004-5 25403、特表2003-515754、特開2002-231038、特表2004-5 03402等で示されるような、光の干渉を利用し 特定波長を反射する高分子多層フィルムを いることも出来る。

なお、反射層は、合わせガラスにおいて、 必ずしも上述したように透光性基板と赤外吸 収層との間に設けられている必要はなく、例 えば、透光性基板の間に複数の樹脂からなる 層が形成されている場合は、これらの層の間 に設けられた形態であってもよい。

図3は、透光性基板間に設けられた複数の 間に反射層を有する合わせガラスの断面構 の一例を模式的に示す図である。合わせガ ス30は、透光性基板31、赤外吸収層32、反射 33、樹脂層34、赤外吸収層32、透光性基板31を この順に備える構造を有している。かかる合 わせガラス30において、透光性基板31、赤外 収層32及び反射層33としては、上述したのと 様のものが適用できる。また、樹脂層34と ては、公知の樹脂材料からなるものが適用 き、このような樹脂材料としては、例えば ポリエチレンテレフタレートやポリカーボ ート等が挙げられる。なお、このような構 の合わせガラス30においては、赤外吸収層32 少なくとも一層設けられていればよいため 例えば、上述した赤外吸収層32のうちの一 は、近赤外光を吸収する特性を有しない樹 材料からなる層であってもよい。

このように、赤外吸収層(中間膜)に加えて に反射層を設けることで、両層の効果によ 、合わせガラスに対して更に優れた近赤外 を遮断する特性を付与することができる。 た、上述したような、反射層と赤外吸収層 の接着性を改善する方法を採用すれば、こ ような近赤外光の遮断特性に加え、優れた 度を有する合わせガラスを得ることも可能 なる。

さらに、合わせガラスは、赤外吸収層のほ か、紫外光を吸収する層(紫外吸収層)を更に していてもよい。紫外吸収層を有すること 、合わせガラスに紫外光をカットする特性 付与できるほか、赤外吸収層の紫外線等に る劣化を抑制することもでき、一層優れた 光性が得られ、長期にわたってより安定し 赤外吸収特性が得られるようになる。紫外 収層としては、例えば、樹脂中に上述した うな紫外光吸収剤を分散させた構成を有す 層が挙げられる。このような紫外吸収層は 合わせガラスの表面に設けてもよく、透光 基板間の任意の位置に設けてもよい。赤外 収層の劣化を効果的に防止する観点からは 紫外吸収層は、合わせガラスにおいて赤外 収層よりも光が入射される側に位置してい と好適である。

 図4は、紫外吸収層を有する合わせガラス の断面構造の一例を模式的に示す図である。 合わせガラス40は、透光性基板41、赤外吸収 42、紫外吸収層43及び透光性基板41をこの順 備える構造を有している。透光性基板41及び 赤外吸収層42は、上述した合わせガラス10に けるものと同様のものが適用できる。この うな合わせガラス40は、紫外光による赤外吸 収層42の劣化を抑制するため、紫外吸収層43 形成されている側が光の入射側となるよう 用いることが好適である。なお、紫外吸収 43は、このような形態に限られず、透光性基 板41の外側表面上に設けられてもよく、また 光性基板41間に赤外吸収層42以外の層が複数 ある場合、そのいずれであってもよい。

上述した構成を有する合わせガラス等の積 層体においては、太陽光等の熱線成分を含む 光が入射すると、中間膜である赤外吸収層が 発現する近赤外光の吸収特性によって、近赤 外光領域(波長700~1200nm程度)の熱線が遮断され る。一般に、この波長領域の光線は、肌が焼 きつくようなジリジリとした刺激的な暑さを 感じさせる傾向にあるが、上述した積層体を 透過する光線は、このような近赤外光が遮断 されているため主として可視光線となる。よ って、かかる積層体を窓材等に用いれば、可 視光を効率良く取り込みつつ、室内や屋内の 温度上昇を抑えることができる。

なお、可視光の取り込みを十分に行う観点 から、合わせガラスは、そのヘーズが50%以下 であると好ましく、40%以下であるとより好ま しく、35%以下であると更に好ましい、このヘ ーズが50%を超えると、合わせガラスの透光性 が低下し、可視光の取り込みが不十分となる 傾向にある。

このように、上述した実施形態の積層体( わせガラス)は、優れた近赤外光の遮断性能 有していることから、太陽光等の自然光そ 他の外光を取り入れるための建材(建築物の 部材に限定されない)、例えば、自動車、船 、航空機又は電車(鉄道)車両の窓材、アーケ ード等の通路の天蓋材、カーテン、カーポー トやガレージの天蓋、サンルームの窓又は壁 材、ショーウィンドウやショーケースの窓材 、テント又はその窓材、ブラインド、定置住 宅や仮設住宅等の屋根材や天窓その他窓材、 道路標識等の塗装面の被覆材、パラソル等の 日除け具材、その他熱線の遮断が必要とされ る種々の部材に好適に用いることができる。

以下、本発明を実施例により更に詳細に説 明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ れるものではない。

[第1のホスホン酸の合成]
((パーフルオロブチル)エチルホスホン酸(PFBEP A)の合成)
 まず、50mlのナスフラスコに、8.97g(54.0mmol)の 亜リン酸トリエチル、20.1g(53.9mmol)の1-(パーフ ルオロブチル)-2-ヨードエタンを入れ、160℃ 油浴中で2時間加熱還流した。次いで、8.90g(5 3.6mmol)の亜リン酸トリエチルを添加し、2.5時 加熱還流した。得られた反応液を減圧蒸留( 99-105℃/8mmHg)して、(パーフルオロブチル)エチ ルホスホン酸ジエチルとエチルホスホン酸ジ エチルとの混合物(3:1)を無色油状物として得 。生成物の収量は7.15g(収率26%)であった。上 記混合物を 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,CDCl 3 ):1.32(t,J=8.0Hz,6H),1.90-2.00(m,2H),2.32-2.38(m,2H),4.04-4. 15(m,4H)
31 P‐NMR(162MHz,CDCl 3 ):27.9

次に、ジムロートを付した200mlのナスフラス に、4.01g(7.8mmol)の上記で得られた(パーフル ロブチル)エチルホスホン酸ジエチルとエチ ルホスホン酸ジエチルとの混合物(3:1)、及び 100mlの濃塩酸を入れ、加熱還流下、17時間撹 拌した。これを室温で一晩静置した後、析出 した結晶を濾別し、(パーフルオロブチル)エ ルホスホン酸(PFBEPA)を無色固体として得た 生成物の収量は2.29g(収率89%)であった。得ら た生成物を 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,CD 3 OD):1.75-1.84(m,2H),2.26-2.32(m,2H)
31 P‐NMR(162MHz,CD 3 OD):24.9

((パーフルオロオクチル)エチルホスホン酸(PF OEPA)の合成)
 まず、50mlのナスフラスコに5.90g(35.5mmol)の亜 リン酸トリエチル、20.1g(35.0mmol)の1-(パーフル オロオクチル)-2-ヨードエタンを入れ、170℃ 油浴中で4時間加熱還流した。次いで、5.90g(3 5.5mmol)の亜リン酸トリエチルを添加し、2時間 加熱還流した。得られた反応液を減圧蒸留(12 7-144℃/5mmHg)し、(パーフルオロオクチル)エチ ホスホン酸ジエチルとエチルホスホン酸ジ チルの混合物(3:1)を無色油状物として得た 生成物の収量は8.15g(収率30%)であった。上記 合物を 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,CDCl 3 ):1.33(t,J=8.0Hz,6H),1.91-2.00(m,2H),2.28-2.41(m,2H),4.07-4. 17(m,4H)
31 P‐NMR(162MHz,CDCl 3 ):28.0

次に、ジムロートを付した200mlのナスフラス に、4.11g(5.3mmol)の上記で得られた(パーフル ロオクチル)エチルホスホン酸ジエチルとエ チルホスホン酸ジエチルとの混合物(3:1)、及 、100mlの濃塩酸を入れ、加熱還流下、11時間 撹拌した。これを室温で一晩静置した後、析 出した結晶を濾別し、さらにクロロホルムで 洗浄した後、乾燥して(パーフルオロオクチ )エチルホスホン酸(PFOEPA)を無色固体として た。生成物の収量は2.88g(収率100%)であった。 得られた生成物を 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,CD 3 OD):1.80-1.90(m,2H),2.25-2.42(m,2H)
31 P‐NMR(162MHz,CD 3 OD):24.9

((パーフルオロブチル)ブチルホスホン酸(PFBBP A)の合成)
 まず、50mlのナスフラスコに2.26g(13.6mmol)の亜 リン酸トリエチル、5.47g(13.6mmol)の1-(パーフル オロブチル)-4-ヨードブタンを入れ、160℃の 浴中で3時間加熱還流した。次いで、2.26g(13.6 mmol)の亜リン酸トリエチルを添加し、2時間加 熱還流した。減圧蒸留によりエチルホスホン 酸ジエチルを分離し、残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製 て(パーフルオロブチル)ブチルホスホン酸 エチルを無色油状物として得た。生成物の 量は2.53g(収率45%)であった。得られた生成物 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,DMSO-d6):1.22(t,J=7.1Hz,6H),1.56-1.62(m,4H),1 .76-1.82(m,2H),2.19-2.31(m,2H),3.91-4.03(m,4H)
31 P‐NMR(162MHz,DMSO-d6):32.6

次に、ジムロートを付した100mlのナスフラス に、2.53g(6.1mmol)の上記で得られた(パーフル ロブチル)ブチルホスホン酸ジエチル、及び 、25mlの濃塩酸を入れ、加熱還流下、7時間撹 した。これを室温で一晩静置した後、析出 た結晶を濾別し、さらにクロロホルムで洗 した後、乾燥して(パーフルオロブチル)ブ ルホスホン酸(PFBBPA)を無色固体として得た。 生成物の収量は1.22g(収率56%)であった。得ら た生成物を 1 H‐NMR及び 31 P‐NMRで分析した結果は次の通りである。
1 H‐NMR(400MHz,DMSO-d6):1.53-1.62(m,6H),2.18-2.28(m,2H)
31 P‐NMR(162MHz,DMSO-d6):27.2

[比較例1;EPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 ジムロートを付した3Lのナスフラスコに、34 .0g(0.309mol)のエチルホスホン酸(EPA)と1.02LのTHF 入れて溶解させた。そこへ61.7g(0.309mol)の酢 銅(II)一水和物を添加し、4時間加熱還流し 。不溶物を濾別し、乾燥して、ホスホン酸 化合物であるEPA銅塩を水色固体として得た 生成物の収量は51.4g(収率97%)であった。このE PA銅塩は、ホスホン酸と銅イオンとの比率(ホ スホン酸/銅イオン、モル比)が1.0であるもの ある。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、82.4mg(0.748mmol)のEPA 量り取り、1gのDMFを入れて溶解させた(A液) また、50mlのナスフラスコに、149mg(0.748mmol)の 酢酸銅(II)一水和物と4.5gのDMFを入れて溶解さ た後、2.43gの3GOを添加した。この混合物に 室温で攪拌しながら、上記A液をゆっくりと 下し、さらにバイアルに0.5gのDMFを洗浄用に 添加した後、3時間攪拌を続けて、EPA銅塩及 3GOを含む混合液を得た。反応により生じた 酸及び溶媒であるDMFを、90℃の湯浴を用いた エバポレーターにより減圧留去した後、反応 液の入ったフラスコごと90℃で2時間減圧乾燥 して、EPA銅塩及び3GOを含む混合液を得た。

次いで、300mlビーカーに300gの塩化メチレン を量り取り、これをスターラーで攪拌した。 この塩化メチレン中に、上記混合液を滴下し 、さらに20gの塩化メチレンを洗浄用に添加し た後、6.38gのPVBを添加して30分間攪拌を続け 、赤外吸収材料の粘性溶液を得た。

それから、得られた粘性溶液をテフロン板 上に広げ、室温で一晩放置して揮発成分を除 去した後、さらに90℃で3時間減圧乾燥した。 これにより形成された薄膜をテフロン板から 剥がし、このうちの8gを取り出して120℃、15MP aでプレスし、ホスホン酸銅化合物及びPVBを む赤外吸収材料からなる0.76mm厚のシートを 成した。

得られたシートを70℃に温め、2枚のスライ ドガラスで挟んだ後、アルミ箔に包んだ。そ して、これをオートクレーブに入れ、窒素圧 を1.5MPaとして、130℃で30分加熱した後、冷却 て、合わせガラスを得た。

[比較例2;HPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 300mlの三角フラスコに、3.99g(20.0mmol)の酢酸 (II)一水和物と200gのEtOHを入れて溶解させた(A 液)。また、500mlの三角フラスコに3.32g(20.0mmol) のヘキシルホスホン酸(HPA)、50gのEtOHを入れて 溶解させた。この溶液に、室温で攪拌しなが ら、上記A液をゆっくりと滴下し、3時間攪拌 続けた。不溶物を濾別し、ホスホン酸銅化 物であるHPA銅塩を水色固体として得た。生 物の収量は4.39g(収率96%)であった。このHPA銅 塩は、ホスホン酸と銅イオンとの比率(ホス ン酸/銅イオン、モル比)が1.0であるものであ る。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、124mg(0.748mmol)のHPA 量り取り、1gのDMFを入れて溶解させた(A液)。 また、50mlのナスフラスコに、149mg(0.748mmol)の 酸銅(II)一水和物と4.5gのDMFを入れて溶解さ た後、2.43gの3GOを添加した。この混合物に、 室温で攪拌しながら、上記A液をゆっくりと 下し、さらにバイアルに0.5gのDMFを洗浄用に 加した後、4.5時間攪拌を続け、HPA銅塩及び3 GOを含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[比較例3;ODPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 ジムロートを付した50mlのナスフラスコに、 0.98g(2.93mmol)のオクタデシルホスホン酸(ODPA)と 20mlのTHFを入れて攪拌した。そこへ0.61g(3.06mmol )の酢酸銅(II)一水和物を添加し、2.5時間加熱 流した。不溶物を濾別し、ホスホン酸銅化 物であるODPA銅塩を淡緑色固体として得た。 生成物の収量は0.67g(収率58%)であった。このOD PA銅塩は、ホスホン酸と銅イオンとの比率(ホ スホン酸/銅イオン、モル比)が1.0であるもの ある。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、250mg(0.748mmol)のODPA 量り取り、2gのEtOH、1.5gのTHFを入れて溶解さ せた(A液)。また、50mlのナスフラスコに、149mg (0.748mmol)の酢酸銅(II)一水和物と7.5gのEtOHを入 て溶解させた後、2.43gの3GOを添加した。こ 混合物に、室温で攪拌しながら、上記A液を っくりと滴下し、さらにバイアルに0.5gのTHF を洗浄用に添加した後、4時間攪拌を続けて ODPA銅塩及び3GOを含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[比較例4;PFBEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 ジムロートを付した50mlのナスフラスコに、 1.66g(5.06mmol)のPFBEPA、20mlのTHFを入れて溶解さ た。そこへ1.00g(5.00mmol)の酢酸銅(II)一水和物 添加して、4時間加熱還流した。不溶物を濾 別し、ホスホン酸銅化合物であるPFBEPA銅塩を 水色固体として得た。生成物の収量は0.78g(収 率40%)であった。このPFBEPA銅塩は、ホスホン と銅イオンとの比率(ホスホン酸/銅イオン、 モル比)が1.0であるものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、155mg(0.472mmol)のPFBEP Aを量り取り、1gのDMFを入れて溶解させた(A液) 。また、50mlのナスフラスコに、94.3mg(0.472mmol) の酢酸銅(II)一水和物と3gのDMFを入れて溶解さ せた後、可塑剤として2.43gの3GO(トリエチレン グリコールジ2-エチルヘキサノエート)を添加 した。この混合物に、室温で攪拌しながら、 上記A液をゆっくりと滴下し、さらにバイア に0.5gのDMFを洗浄用に添加した後、3.5時間攪 を続けて、PFBEPA銅塩を含む混合液を得た。

次いで、300mlビーカーに300gの塩化メチレン を量り取り、これをスターラーで攪拌した。 この塩化メチレン中に、上記混合液を滴下し 、さらに20gの塩化メチレンを洗浄用に添加し た後、6.38gのPVBを添加して30分間攪拌を続け 、赤外吸収材料の粘性溶液を得た。

それから、得られた粘性溶液をテフロン板 上に広げ、室温で一晩放置して揮発成分を除 去した後、さらに90℃で3時間減圧乾燥した。 これにより形成された薄膜をテフロン板から 剥がし、このうちの8gを取り出して120℃、15MP aでプレスし、ホスホン酸銅化合物及びPVBを む赤外吸収材料からなる0.76mm厚のシートを 成した。

得られたシートを70℃に温め、2枚のスライ ドガラスで挟んだ後、アルミ箔に包んだ。そ して、これをオートクレーブに入れ、窒素圧 を1.5MPaとして、130℃で30分加熱した後、冷却 て、合わせガラスを得た。

[比較例5;PFOEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 ジムロートを付した50mlのナスフラスコに、 1.32g(2.50mmol)のPFOEPA、15mlのTHF、5mlのMeOHを入れ 溶解させた。そこへ0.50g(2.50mmol)の酢酸銅(II) 一水和物を添加して、50℃で4時間加熱した。 不溶物を濾別し、ホスホン酸銅化合物である PFOEPA銅塩を水色固体として得た。生成物の収 量は1.30g(収率88%)であった。このPFOEPA銅塩は ホスホン酸と銅イオンとの比率(ホスホン酸/ 銅イオン、モル比)が1.0であるものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、171mg(0.324mmol)のPFOEP Aを量り取り、2gのDMFを入れて溶解させた(A液) 。また、50mlのナスフラスコに、64.6mg(0.324mmol) の酢酸銅(II)一水和物と2gのDMFを入れて溶解さ せた後、2.43gの3GOを添加した。この混合物に 室温で攪拌しながら、上記A液をゆっくりと 滴下し、さらにバイアルに1gのDMFを洗浄用に 加した後、2時間攪拌を続けた。反応により 生じた酢酸及び溶媒であるDMFを、90℃の湯浴 用いたエバポレーターにより減圧留去した 、反応液の入ったフラスコごと90℃で2時間 圧乾燥して、PFOEPA銅塩及び3GOを含む混合液 得た。

次いで、300mlビーカーに300gの塩化メチレン を量り取り、これをスターラーで攪拌した。 この塩化メチレン中に、上記混合液を20gの塩 化メチレンで希釈した分散液を滴下し、さら に6.38gのPVBを添加して30分間攪拌を続けて、 外吸収材料を含む粘性溶液を得た。

そして、この粘性溶液を得た以後は、比較 例1と同様にしてシート及び合わせガラスを 製した。

[比較例6;PFBBPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 10mlのバイアルに、84.1mg(0.421mmol)の酢酸銅(II) 一水和物と4.2gのEtOHを入れて溶解させた(A液) また、20mlの試験管に150mg(0.421mmol)のPFBBPA及 1gのEtOHを入れて溶解させた。この溶液に、 温で攪拌しながら、上記A液をゆっくりと滴 し、さらにバイアルに0.5gのEtOHを洗浄用に 加した後、3時間攪拌を続けた。不溶物を遠 分離し、乾燥して、ホスホン酸銅化合物で るPFBBPA銅塩を淡青色固体として得た。生成 の収量は123mg(収率70%)であった。このPFBBPA銅 塩は、ホスホン酸と銅イオンとの比率(ホス ン酸/銅イオン、モル比)が1.0であるものであ る。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、150mg(0.421mmol)のPFBBP Aを量り取り、0.5gのDMFを入れて溶解させた(A )。また、50mlのナスフラスコに、84.1mg(0.421mmo l)の酢酸銅(II)一水和物と2.5gのDMFを入れて溶 させた後、2.43gの3GOを添加した。この混合物 に、室温で攪拌しながら、上記A液をゆっく と滴下し、さらにバイアルに0.5gのDMFを洗浄 に添加した後、4時間攪拌を続けて、PFBBPA銅 塩及び3GOを含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[比較例7;PFEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 ジムロートを付した50mlのナスフラスコに、 0.89g(4.45mmol)のパーフルオロエチルホスホン酸 (PFEPA)と15mlのTHFを入れて溶解させた。そこへ0 .89g(4.45mmol)の酢酸銅(II)一水和物を添加し、4 間加熱還流した。不溶物を濾別し、ホスホ 酸銅化合物であるPFEPA銅塩を水色固体として 得た。生成物の収量は0.81g(収率69%)であった このPFEPA銅塩は、ホスホン酸と銅イオンとの 比率(ホスホン酸/銅イオン、モル比)が1.0であ るものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、98.7mg(4.93mmol)のPFEPA と1gのDMFを入れて溶解させた(A液)。また、50ml のナスフラスコに、98.5mg(4.93mmol)の酢酸銅(II) 水和物と3gのDMFを入れて溶解させた後、2.43g の3GOを添加した。この混合物に、室温で攪拌 しながら、上記A液をゆっくりと滴下し、そ 後、3時間攪拌を続けた。反応により生成し 酢酸及び溶媒であるDMFを、90℃の湯浴を用 たエバポレーターにより減圧留去して、PFEPA 銅塩及び3GOを含む混合液を得た。

次いで、300mlビーカーに280gのクロロホルム を量り取り、これを攪拌羽根で攪拌した。こ のクロロホルム中に、上記PFEPA銅塩の3GO分散 を滴下し、さらに6.38gのPVBを添加し30分間攪 拌を続けて、赤外吸収材料を含む粘性溶液を 得た。

そして、この粘性溶液を得た以後は、比較 例1と同様にしてシート及び合わせガラスを 製した。

[実施例1;EPA-PFBEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 20mlのバイアルに、0.27g(2.4mmol)のEPA、0.40g(1.2m mol)のPFBEPA、5gのEtOHを入れて溶解させた(A液) また、200mlのナスフラスコに0.73g(3.7mmol)の酢 銅(II)一水和物と37gのEtOHを入れて溶解させ 。この溶液に、室温で攪拌しながら、上記A をゆっくりと滴下し、さらにバイアルに1.7g のEtOHを洗浄用に添加した後、2時間攪拌を続 た。不溶物を遠心分離し、乾燥して、ホス ン酸銅化合物であるEPA-PFBEPA銅塩(EPA:PFBEPA=2:1 )を淡青色固体として得た。生成物の収量は0. 80g(収率89%)であった。このEPA-PFBEPA銅塩は、ホ スホン酸と銅イオンとの比率(ホスホン酸/銅 オン、モル比)が1.0であるものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、54.9mg(0.499mmol)のEPA 81.8mg(0.249mmol)のPFBEPAを量り取り、1gのDMFを入 れて溶解させた(A液)。また、50mlのナスフラ コに、149mg(0.748mmol)の酢酸銅(II)一水和物と4.5 gのDMFを入れて溶解させた後、2.43gの3GOを添加 した。この混合物に、室温で攪拌しながら、 上記A液をゆっくりと滴下し、さらにバイア に0.5gのDMFを洗浄用に添加した後、3.5時間攪 を続け、EPA-PFBEPA銅塩(EPA:PFBEPA=2:1)及び3GOを む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[実施例2;HPA-PFBEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 10mlのバイアルに、45.6mg(0.274mmol)のHPA、90.0mg( 0.274mmol)のPFBEPA、0.5gのEtOHを入れて溶解させた (A液)。また、20mlの試験管に109mg(0.548mmol)の酢 銅(II)一水和物と5.5gのEtOHを入れて溶解させ 。この溶液に、室温で攪拌しながら、上記A 液をゆっくりと滴下し、さらにバイアルに0.5 gのEtOHを洗浄用に添加した後、4時間攪拌を続 けた。不溶物を遠心分離し、乾燥して、HPA-PF BEPA銅塩(HPA:PFBEPA=1:1)を淡青色固体として得た 生成物の収量は144mg(収率85%)であった。この HPA-PFBEPA銅塩は、ホスホン酸と銅イオンとの 率(ホスホン酸/銅イオン、モル比)が1.0であ ものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、62.1mg(0.374mmol)のHPA 123mg(0.374mmol)のPFBEPAを量り取り、0.5gのDMFを れて溶解させた(A液)。また、50mlのナスフラ コに、149mg(0.748mmol)の酢酸銅(II)一水和物と4. 5gのDMFを入れて溶解させた後、2.43gの3GOを添 した。この混合物に、室温で攪拌しながら 上記A液をゆっくりと滴下し、さらにバイア に0.5gのDMFを洗浄用に添加した後、2.5時間攪 拌を続けて、HPA-PFBEPA銅塩(HPA:PFBEPA=1:1)及び3GO 含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[実施例3;ODPA-PFBEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 10mlのバイアルに、81.5mg(0.244mmol)のODPA、80.0mg (0.244mmol)のPFBEPA、0.5gのEtOH、0.7gのTHFを入れ、 熱して溶解させた(A液)。また、20mlの試験管 に97.4mg(0.488mmol)の酢酸銅(II)一水和物と4.9gのEt OHを入れて溶解させた。この溶液に、室温で 拌しながら、上記A液をゆっくりと滴下し、 さらにバイアルに0.7gのTHFを洗浄用に添加し 後、4時間攪拌を続けた。不溶物を遠心分離 、乾燥して、ODPA-PFBEPA銅塩(ODPA:PFBEPA=1:1)を淡 青色固体として得た。生成物の収量は128mg(収 率67%)であった。このODPA-PFBEPA銅塩は、ホスホ ン酸と銅イオンとの比率(ホスホン酸/銅イオ 、モル比)が1.0であるものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、125mg(0.374mmol)のODPA 123mg(0.374mmol)のPFBEPAを量り取り、0.5gのEtOH、1 gのTHFを入れて加熱溶解させた(A液)。また、50 mlのナスフラスコに、149mg(0.748mmol)の酢酸銅(II )一水和物と7.5gのEtOHを入れて溶解させた後、 2.43gの3GOを添加した。この混合物に、30℃の 浴中で、上記A液をゆっくりと滴下し、さら バイアルに0.5gのTHFを洗浄用に添加した後、 2時間攪拌を続けて、ODPA-PFBEPA銅塩(ODPA:PFBEPA=1: 1)及び3GOを含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[実施例4;EPA-PFOEPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 10mlのバイアルに、150mg(1.36mmol)のEPA、180mg(0.3 41mmol)のPFOEPA、3.3gのEtOHを入れ、加熱して溶解 させた(A液)。また、50mlのナスフラスコに340mg (1.70mmol)の酢酸銅(II)一水和物と17gのEtOHを入れ て溶解させた。この溶液に、室温で攪拌しな がら、上記A液をゆっくりと滴下し、さらに イアルに1gのEtOHを洗浄用に添加した後、2時 攪拌を続けた。不溶物を遠心分離し、乾燥 て、EPA-PFOEPA銅塩(EPA:PFOEPA=4:1)を淡青色固体 して得た。生成物の収量は401mg(収率92%)であ た。このEPA-PFOEPA銅塩は、ホスホン酸と銅イ オンとの比率(ホスホン酸/銅イオン、モル比) が1.0であるものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、65.9mg(0.598mmol)のEPA 79.0mg(0.150mmol)のPFOEPAを量り取り、1gのDMFを入 れて溶解させた(A液)。また、50mlのナスフラ コに、149mg(0.748mmol)の酢酸銅(II)一水和物と4.5 gのDMFを入れて溶解させた後、2.43gの3GOを添加 した。この混合物に、室温で攪拌しながら、 上記A液をゆっくりと滴下し、さらにバイア に0.5gのDMFを洗浄用に添加した後、4時間攪拌 を続けて、EPA-PFOEPA銅塩(EPA:PFOEPA=4:1)及び3GOを む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[実施例5;EPA-PFBBPA銅塩]
(ホスホン酸銅化合物の合成)
 10mlのバイアルに、46.4mg(0.421mmol)のEPA、100mg(0 .281mmol)のPFBBPA、0.5gのEtOHを入れて溶解させた( A液)。また、20mlの試験管に140mg(0.702mmol)の酢 銅(II)一水和物と7gのEtOHを入れて溶解させた この溶液に、室温で攪拌しながら、上記A液 をゆっくりと滴下し、さらにバイアルに0.5g EtOHを洗浄用に添加した後、2.5時間攪拌を続 た。不溶物を遠心分離し、乾燥して、EPA-PFB BPA銅塩(EPA:PFBBPA=1.5:1)を淡青色固体として得た 。生成物の収量は156mg(収率82%)であった。こ EPA-PFBBPA銅塩は、ホスホン酸と銅イオンとの 率(ホスホン酸/銅イオン、モル比)が1.0であ ものである。

(合わせガラスの作製)
 まず、10mlのバイアルに、49.4mg(0.449mmol)のEPA 106mg(0.299mmol)のPFBBPAを量り取り、0.5gのDMFを れて溶解させた(A液)。また、50mlのナスフラ コに、149mg(0.748mmol)の酢酸銅(II)一水和物と4. 5gのDMFを入れて溶解させた後、2.43gの3GOを添 した。この混合物に、室温で攪拌しながら 上記A液をゆっくりと滴下し、さらにバイア に0.5gのDMFを洗浄用に添加した後、2時間攪 を続けて、EPA-PFBBPA銅塩(EPA:PFBBPA=1.5:1)及び3GO 含む混合液を得た。

そして、この混合液を得た以後は、比較例 1と同様にして、シート及び合わせガラスを 製した。

[実施例6;EPA-PFBEPA銅塩(ブラベンダー法による わせガラスの製造)]
(合わせガラスの作製)
 まず、20mlのバイアルに、324mg(2.94mmol)のEPA、 482mg(1.47mmol)のPFBEPAを量り取り、5gのDMFを入れ 溶解させた(A液)。また、200mlのナスフラス に880mg(4.41mmol)の酢酸銅(II)一水和物と26gのDMF 入れて溶解させた後、14.3gの3GOを添加した この混合物に、室温で攪拌しながら、上記A をゆっくりと滴下し、さらにバイアルに1g DMFを洗浄用に添加した後、2.5時間攪拌を続 た。反応により生じた酢酸及び溶媒であるDM Fを、90℃の湯浴を用いたエバポレーターによ り減圧留去した。その後、反応液の入ったフ ラスコごと90℃で3時間減圧乾燥して、EPA-PFBEP A銅塩(EPA:PFBEPA=2:1)及び3GOを含む混合液を得た このEPA-PFBEPA銅塩は、ホスホン酸と銅イオン との比率(ホスホン酸/銅イオン、モル比)が1.0 であるものである。

得られた混合液を塩化メチレンを用いてプ ラスチック容器に移し替え、室温で一晩放置 して揮発成分を除去した後、40℃で1時間減圧 乾燥した。そこへ、37.4gのPVBを添加し、薬さ で十分かき混ぜた後、200℃に設定したブラ ンダーに6分かけて添加した。添加終了後、 15分間混練し(内温210℃まで上昇)、その後、 られた赤外吸収材料を取り出した。

この赤外吸収材料を得た後は、比較例1と 様にしてシート及び合わせガラスを作製し 。

[特性評価]
(屈折率の測定)
 実施例1~5及び比較例1~7で合成した各ホスホ 酸銅塩について、偏光顕微鏡(OLYMPAS DP12)を い、ベッケ法によりそれぞれの屈折率を測 した。得られた結果を表1に示す。

(分光測定)
 実施例1~5及び比較例1~7で作製した各合わせ ラスについて、分光光度計『U-4000』((株)日 製作所製)を用い、波長250~2500nmにおける分 透過度を測定した。これに基づいて、各合 せガラスの分光特性及び黄色度(YI)を評価し 。比較例1~7の合わせガラスで得られた分光 性を図5~11に、実施例1~5の合わせガラスで得 られた分光特性を図12~16にそれぞれ示す。

分光特性は、日射透過率(Ts)により評価し、Ts <60%であった場合をA、Ts≧60であった場合を Bとした。このTs値が小さいほど、赤外吸収特 性が高いことを意味する。また、YI値は、分 光度計を用いた測定により、JIS Z8701に準拠 した方法で求められるXYZ表色系の三刺激値(X, Y,Z)に基づいて、下記式(A)に従って算出する とができる。得られた評価結果を表1に示す
YI値=100×(1.28X-1.06Z)/Y  …(A)

(ヘイズの測定)
 実施例1~5及び比較例1~7で作製した各合わせ ラスについて、濁り度計(NDH-1001DP,日本電色 業社製)を用いてそれぞれのヘイズを測定し た。得られた結果を表1に示す。

(耐熱性評価)
 実施例1~5及び比較例1~7の各合わせガラスの 造過程で作製した近赤外吸収材料のシート 一部を切り取り、それぞれについて200℃10MP aで15分間の加熱・加圧処理を施した。その後 、かかる処理後の各シートを用いて、同様に して合わせガラスを作製した。そして、各実 施例又は比較例に対応する合わせガラスにつ いて、シートの加熱・加圧処理を行わなかっ た場合に得られたYI値(YI n )と、行った場合に得られたYI値(YI P )との差(δYI=YI P -YI n )を求めた。得られた結果を表1に示す。この が小さいほど、加熱・加圧処理によるシー の劣化が小さく、耐熱性が優れることを意 している。また、この加熱・加圧処理後の 合わせガラスの分光特性を上記と同様に測 し、図5~16中に併せて示した。図中、「200℃ 」の表記が付されたものがこれに該当する。

なお、表中、F(フッ素原子)含有量とは、ホ スホン酸銅塩(ホスホン酸銅化合物)中の、フ 素原子の含有率(%)である。また、銅塩含有 は、シート中のホスホン酸銅塩の含有率(%) ある。

表1に示すように、側鎖にフッ素原子を含 ホスホン酸銅化合物及びアルキル構造から る側鎖を有するホスホン酸銅化合物を組み わせて用いた実施例の合わせガラスは、分 特性が良好であることから赤外吸収性に優 、ヘイズが小さいことから可視光透過性も く、YI値が低いことから着色も少なく、しか もδYI値も低いことから、耐熱性にも優れて ることが確認された。これに対し、ホスホ 酸銅化合物を単独で用いた比較例の合わせ ラスは、上記の特性が不十分な傾向にある とが判明した。また、図5~図16に示されるよ に、実施例の合わせガラスは、比較例の合 せガラスに比して、加熱・加圧処理前後の 光特性の変化が少ないことも判明した。

[実施例7;紫外光吸収剤を含む赤外吸収層を有 する合わせガラスの作製]
(赤外及び紫外光吸収シートの作製)
 10mLのバイアルに、54.9mgのEPA、81.8mgのPFBEPAを 量り取り、1gのDMFを入れて溶解させた(A液)。 た、50mlのナスフラスコに149mgの酢酸銅(II)一 水和物と4.5gのDMFを入れて溶解させた後、2.43g の3GOを添加した。この混合物を100℃で加熱攪 拌しながら、上記A液をゆっくりと滴下し、 らにバイアルに0.5gのDMFを洗浄用に添加した 、2時間攪拌を続けた。反応により生じた酢 酸及び溶媒であるDMFを、90℃の湯浴を用いた バポレーターにより減圧留去した。その後 反応液の入ったフラスコごと90℃で2時間減 乾燥して、EPA-PFBEPA銅塩及び3GOを含む混合液 を得た。

また、300mLのビーカーに270gの塩化メチレン を量り取り、スターラーで攪拌した。そこに 、13mgのTinuvin-234(紫外光吸収剤)を添加して溶 させた。

上記で得られたEPA-PFBEPA銅塩及び3GOを含む 合液を、50gの塩化メチレンで希釈した後、 の希釈液を、Tinuvin-234を含む塩化メチレン溶 液中に滴下し、さらに6.38gのPVBを添加して30 間攪拌を続けた。得られた溶液をテフロン( 録商標)板上に広げ、室温で一晩放置して揮 発成分を除去した後、90℃で3時間減圧乾燥し た。得られた薄膜を板から剥がして、紫外光 吸収剤を更に含む赤外吸収材料からなる赤外 及び紫外光吸収シートを得た。

(合わせガラスの作製)
 得られた赤外及び紫外光吸収シートを、赤 吸収材料からなるシートに代えて用いたこ 以外は、比較例1と同様にして、スライドガ ラス、赤外及び紫外光吸収シート(紫外光吸 剤を含む赤外吸収層)及びスライドガラスを の順に有する合わせガラスを得た。

[実施例8;紫外吸収層を表面に有する合わせガ ラスの作製]
(紫外光吸収シートの準備)
 紫外光吸収シートとして、株式会社クレハ KFCフィルムFT-50Y(表面層(4μmのPVDF)と基材層(P MMA中にTinuvin-234を含有させた46μmのシート)と 積層構造を有する)を準備した。

(合わせガラスの作製)
 実施例6で作製した合わせガラスの表面上に 、上記の紫外光吸収シートを貼り付けて、ス ライドガラス、赤外吸収層、スライドガラス 及び紫外光吸収シート(紫外吸収層)をこの順 備える合わせガラスを得た。

[実施例9;紫外吸収層を内側に有する合わせガ ラスの作製]
(紫外光吸収シートの作製)
 4.2g(100phr)のPVB、1.6g(38phr)の3GO、及び0.15g(3.5ph r)のTinuvin234(紫外光吸収剤)を混合し、120℃で1 分加熱した後、120℃、15MPaで3分間プレスした 。この操作を5回繰り返すことにより混練を った。得られた混練品を、50×50×1mmのSUS型枠 を使用して、プレス温度120℃で、1分余熱後 15MPaで3分の条件でプレスして、紫外光吸収 ートを得た。

(赤外吸収材料からなるシートの作製)
 実施例6と同様にして混練までを行い、EPA-PF BEPA銅塩を含む赤外吸収材料を調製した後、 れを50×50×1mmのSUS型枠を使用してプレス温度 120℃で、1分余熱後、15MPaで3分の条件でプレ して、赤外吸収材料からなるシートを得た

(合わせガラスの作製)
 50×50×1.5mmのSUS型枠を使用し、紫外光吸収シ ート及び赤外吸収材料からなるシートを1枚 つこの型枠にはめ込み、プレス温度120℃で 1分余熱後、15MPaで3分の条件でプレスして、 層体を作製した。

得られた積層体を70℃に加熱し、これを2枚 のスライドガラスで挟んだ後、アルミ箔に包 んだ。これをオートクレーブに入れ、窒素圧 を1.5MPaとして130℃で30分加熱した後、冷却し 、スライドガラス、赤外吸収材料からなる ート(赤外吸収層)、紫外光吸収シート(紫外 収層)及びスライドガラスをこの順に有する 合わせガラスを得た。

[特性評価]
(耐光性の評価)
 まず、実施例6~9で得た合わせガラスについ 、上記と同様にして分光測定を行い、これ 基づいて可視光透過率(Tv(%))を評価するとと もに、上記と同様にしてヘイズ(H)を測定した 。これらの値を、合わせガラスの作製直後の 値とする。

次いで、各合わせガラスに対し、キセノンウ ェザーメーター(アトラスC135、東洋精機械製 所社製;照射強度:0.75W/m 2 、ブラックパネル温度63℃)を用い、100時間の 紫外光照射を行った。なお、紫外光は、実施 例6、7の合わせガラスについては、任意の一 のスライドガラスの側の面から照射し、実 例8、9の合わせガラスについては、紫外光 収層に近い側の面から照射した。

それから、紫外光照射後の各合わせガラス に付いて、上記と同様に分光測定を行い、こ れに基づいて可視光透過率及びヘイズを評価 した。これらの値を、紫外光照射後の値とす る。

そして、可視光透過率(Tv)及びヘイズ(H)につ て、それぞれ作製直後の値と紫外光照射後 値との差を求め、得られた値をそれぞれδTv びδHとした。得られた結果をまとめて表2に 示す。

表2に示すように、紫外光吸収剤を含む赤 吸収層を備える実施例7、紫外光吸収層を別 設けた実施例8及び9によれば、紫外光の照 による特性の変化が更に小さくなり、一層 れた耐光性が得られるようになることが確 された。




 
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