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Patent Searching and Data


Title:
COUPLER FOR FUEL CELL AND FUEL CELL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063611
Kind Code:
A1
Abstract:
A coupler (1) for a fuel cell has a socket (1s) provided to the fuel cell (2) and having a valve (40) and urging means (53) for urging the valve (40) in the direction in which the valve (40) is closed, and also has a nozzle (1n) provided to a fuel cartridge (3), which receives liquid fuel for the fuel cell, and having a valve (14) and urging means (18) for urging the valve (14) in the direction in which the valve (14) is closed. The coupler (1) connects the socket (1s) and the nozzle (1n) to each other to cause the valves (14, 40) to make contact with each other to open the valves, and the coupler (1) is used to supply the liquid fuel, received in the fuel cartridge (3), to the fuel cell (2). The coupler (1) is constructed such that at least one (40 (14)) of the valves on the socket (1s) side and the nozzle (1n) side has both a head (40a (14a)) and rods (40b, 40c (14b, 14c)) arranged at opposite ends axially of the head (40a (14a)) and such that the rod (40b (14b)) on the contacting side is mainly constructed from a metal member.

Inventors:
TAKAHASHI KENICHI (JP)
KAWAMURA KOICHI (JP)
KANNO MINORU (JP)
YOSHIHIRO KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/003255
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
TOYO SEIKAN KAISHA LTD (JP)
TAKAHASHI KENICHI (JP)
KAWAMURA KOICHI (JP)
KANNO MINORU (JP)
YOSHIHIRO KENJI (JP)
International Classes:
H01M8/04
Foreign References:
JP2007273219A2007-10-18
JP2006093001A2006-04-06
JP2006286364A2006-10-19
JP2005172131A2005-06-30
JPH11344185A1999-12-14
JP3413111B22003-06-03
JP2004171844A2004-06-17
JP2004127824A2004-04-22
Other References:
See also references of EP 2214244A4
Attorney, Agent or Firm:
SUYAMA, Saichi (1 Kandata-cho 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 46, JP)
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Claims:
 燃料電池に設けられ、バルブとこれを閉方向に付勢する付勢手段とを備えるソケットと、燃料電池用の液体燃料を収容する燃料カートリッジに設けられ、バルブとこれを閉方向に付勢する付勢手段とを備えるノズルとを具備し、前記ソケットと前記ノズルとを接続することにより前記両バルブを当接させて開放し、前記燃料カートリッジ内に収容された前記液体燃料を前記燃料電池へと供給するために用いられる燃料電池用カップラーであって、
 前記ソケット側および前記ノズル側から選ばれる少なくとも一方のバルブが、ヘッド部とその軸方向の両端に設けられたロッド部とを有し、かつ前記当接側のロッド部が主として金属部材からなることを特徴とする燃料電池用カップラー。
 前記ヘッド部および前記当接側とは反対側に設けられたロッド部の少なくとも表面部が樹脂材料からなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記樹脂材料がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2項記載の燃料電池用カップラー。
 前記金属部材がSUS304、SUS316またはチタンもしくはチタン合金からなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記当接側のロッド部は、前記液体燃料に対する燃料耐性を向上させるための表面処理が行われていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記当接側のロッド部は、表面部に軸方向に沿って延びる燃料流路を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記当接側のロッド部は、軸心から外径側に向けて突出する2以上の凸部を有し、前記凸部どうしの間隙が前記燃料流路となっていることを特徴とする請求項6記載の燃料電池用カップラー。
 前記当接側のロッド部は、軸方向視における断面形状が十字型、三方型、星型または歯車型となるように前記凸部が設けられていることを特徴とする請求項7記載の燃料電池用カップラー。
 前記当接側のロッド部は、円筒状であり、かつその側面部に孔部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記金属部材は前記ロッド部を形成するロッド形成部と前記ヘッド部に埋設される埋設部とを有し、かつ前記埋設部には前記ヘッド部からの前記金属部材の脱落を抑制するアンカー部を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記金属部材は、2枚以上の金属板が嵌め合わされることによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 前記金属部材は、2以上の金属材が溶接されることによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カップラー。
 請求項1記載の燃料電池用カップラーにおける当接側のロッド部が主として金属部材からなるバルブを備えるソケットと、
 前記ソケットを通して供給される液体燃料を収容する燃料収容部と、
 前記液体燃料を用いて発電動作を行う起電部と
 を具備することを特徴とする燃料電池。
Description:
燃料電池用カップラーおよび燃 電池

 本発明は燃料電池用カップラーとそれを いた燃料電池に関する。

 近年、ノートパソコンや携帯電話等の各 携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可 とするために、これら携帯用電子機器の電 に燃料電池を用いる試みがなされている。 料電池は燃料と空気を供給するだけで発電 ることができ、燃料を補給すれば連続して 時間発電することができる。このため、燃 電池を小型化できれば、携帯用電子機器の 源として極めて有利なシステムといえる。

 特に、エネルギー密度の高いメタノール 料を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC:d irect methanol fuel cell)は小型化が可能であり さらに燃料の取り扱いも容易であるため、 帯機器用の電源として有望視されている。DM FCにおける液体燃料の供給方式としては、気 供給型や液体供給型等のアクティブ方式、 た燃料タンク内の液体燃料を電池内部で気 させて燃料極に供給する内部気化型等のパ シブ方式が知られている。これらのうち、 ッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利であ る。

 内部気化型等のパッシブ型DMFCにおいては 、燃料収容部内の液体燃料を例えば燃料含浸 層や燃料気化層等を介して気化させ燃料極に 供給する(例えば特許文献1~2参照)。また、燃 収容部への液体燃料の供給は例えば燃料カ トリッジを用いて行われる。サテライトタ プ(外部注入式)の燃料カートリッジを用い 場合、バルブ機構を内蔵する一対のソケッ とノズルとで構成されるカップラーを利用 、DMFCの燃料収容部等にソケットを装着する 共に、燃料カートリッジにノズルを装着し DMFCの燃料収容部等に装着されたソケットに 燃料カートリッジに装着されたノズルを接続 し、それらのバルブ機構内に配置されたバル ブを当接させて開放状態とすることで液体燃 料の供給を行う(例えば特許文献3参照)。

 内部気化型等のパッシブ型DMFCは、例えば 携帯用電子機器に搭載するために小型化が進 められており、その結果としてDMFCの燃料収 部等に装着されるソケットや、燃料カート ッジに装着されるノズルも小型化されてい 。また、このようなソケットやノズルの小 化に伴い、それらの内部に設けられるバル についても小型、小径化されている。この うなバルブとしては、例えばロッド部の直 が1mm程度のものが使用されており、より一 の小型、小径化から直径が0.8mm程度のものも 検討されている。

 しかしながら、従来のバルブは樹脂材料か 形成されており、必ずしも強度が高くなく また上記したような小型、小径化に伴って り一層強度が低下する傾向にある。このよ な強度の低いバルブについては、ソケット ノズルとの接続や取り外しの際、過度な荷 が加わることによって変形または破損する それがある。バルブはソケットやノズルに けるバルブ機構を主として構成するもので ることから、変形または破損によりバルブ 構を適切に作動させることが困難となり、 えば接続時においては燃料カートリッジか DMFCへの液体燃料の供給が困難となり、また 非接続時においてはDMFCや燃料カートリッジ らの液体燃料の漏出のおそれがある。

特許第3413111号明細書

特開2004-171844公報

特開2004-127824公報

 本発明は、例えばソケットとノズルとの 続や取り外しの際におけるバルブの変形や 損が抑制され、信頼性に優れる燃料電池用 ップラーとそれを用いた燃料電池を提供す ことを目的としている。

 本発明の燃料電池用カップラーは、燃料 池に設けられ、バルブとこれを閉方向に付 する付勢手段とを備えるソケットと、燃料 池用の液体燃料を収容する燃料カートリッ に設けられ、バルブとこれを閉方向に付勢 る付勢手段とを備えるノズルとを具備し、 記ソケットと前記ノズルとを接続すること より前記両バルブを当接させて開放し、前 燃料カートリッジ内に収容された前記液体 料を前記燃料電池へと供給するために用い れるものであって、前記ソケット側および 記ノズル側から選ばれる少なくとも一方の ルブが、ヘッド部とその軸方向の両端に設 られたロッド部とを有し、かつ前記当接側 ロッド部が主として金属部材からなること 特徴としている。

 本発明の燃料電池は、上記した燃料電池 カップラーにおける当接側のロッド部が主 して金属部材からなるバルブを備えるソケ トと、前記ソケットを通して供給された液 燃料を収容する燃料収容部と、前記液体燃 を用いて発電動作を行う起電部とを具備す ことを特徴としている。

本発明の燃料電池用カップラーとそれ 用いた燃料電池を示す概略図。 本発明の燃料電池用カップラーの一例 示す断面図(非接続状態)。 図2に示されるソケットを拡大して示す 断面図。 図2に示される燃料電池用カップラーの 接続状態を示す断面図。 本発明に用いられるバルブの一例を示 外観図。 図5に示されるバルブの上面図、平面図 、下面図、A-A線断面図およびB-B線断面図。 図5に示されるバルブの変形例を示す断 面図。 当接側ロッド部の軸方向視における断 形状が三方型であるバルブを示す外観図。 当接側ロッド部の軸方向視における断 形状が星型であるバルブを示す外観図。 当接側ロッド部の軸方向視における断 面形状が歯車型であるバルブを示す外観図。 当接側ロッド部が円筒状であるバルブ を示す外観図。 当接側ロッド部が円筒状であるバルブ の他の例を示す外観図。 金属部材の製造方法の一例を示す図。 金属部材の他の製造方法を示す図。 本発明の燃料電池の一例を示す断面図 。

符号の説明

 1…燃料電池用カップラー、1n…ノズル、1 s…ソケット、2…燃料電池、3…燃料カートリ ッジ、4…燃料電池セル、5…燃料収容部、6… 燃料受容部、7…燃料カートリッジ本体、11… ノズルヘッド、13…キー部、14…バルブ、14a ヘッド部、14b…ロッド部(当接側)、14c…ロッ ド部(後端側)、15…バルブホルダ、16…バルブ シート、17…Oリング、18…弾性体、20…キー ング、21…コンテナノズル、31…外筒部、32 内筒部、34…Oリング、35…ガイド部材、36… ズル保持機構、37…ゴムホルダ、40…バルブ 、40a…ヘッド部、40b…ロッド部(当接側)、40c ロッド部(後端側)、40d…凸部、40e…燃料流 、40f…切り欠き部、40g…孔部、41…金属部材 、41a…ロッド形成部、41b…埋設部、41c…アン カー部、41m…第1の金属板、41n…第2の金属板 41p…切り欠き部、41q…切り欠き部、41r…第1 の金属材、41s…第2の金属材、42…樹脂材料部 、51…バルブシート、52…Oリング、53…弾性 、54…キー溝、61…気体選択透過膜、62…ア ード触媒層、63…アノードガス拡散層、64… ソード触媒層、65…カソードガス拡散層、66 …電解質膜、67…アノード導電層、68…カソ ド導電層、69、70…Oリング、71…保湿層、72 表面層、73…カバー

 以下、本発明を実施するための形態につい 、図面を参照して説明する。
 図1は本発明の燃料電池用カップラー1(以下 単にカップラーと呼ぶ)と、それを用いた燃 料電池2および燃料カートリッジ3(以下、単に カートリッジと呼ぶ)を示したものである。 ップラー1は、カートリッジ3から燃料電池2 と液体燃料の供給を行う際に用いられる接 機構であって、燃料電池2側の接続機構であ ソケット1sとカートリッジ側の接続機構で るノズル1nとから構成されている。

 また、燃料電池2は、起電部となる燃料電 池セル4と、この燃料電池セル4に供給する液 燃料を収容する燃料収容部5と、この燃料収 容部5に液体燃料を供給するための燃料受容 6とから構成されており、カップラー1の一方 を構成するソケット1sはこの燃料受容部6に設 けられている。なお、ソケット1sは後述する うにバルブ機構を内蔵しており、液体燃料 供給されるとき以外は閉状態とされている なお、燃料電池2は燃料収容部5を経ずに燃 受容部6から直接燃料電池セル4に液体燃料を 供給する構造であってもよい。

 一方、カートリッジ3は、液体燃料を収容 する容器であるカートリッジ本体7を有し、 の先端にカートリッジ本体7に収容された液 燃料を吐出するものであってカップラー1の 他方を構成するノズル1nが設けられている。 ズル1nについても後述するようにバルブ機 を内蔵しており、液体燃料を吐出するとき 外は閉状態とされている。このようなカー リッジ3は、燃料電池2に液体燃料を注入する ときのみ接続されるものであり、いわゆるサ テライトタイプ(外部注入式)のカートリッジ ある。

 カートリッジ本体7には、燃料電池2に応 た液体燃料、例えば直接メタノール型燃料 池(DMFC)であれば各種濃度のメタノール水溶 や純メタノール等のメタノール燃料が収容 れる。なお、カートリッジ本体7に収容され 液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限ら るものではなく、例えばエタノール水溶液 純エタノール等のエタノール燃料、プロパ ール水溶液や純プロパノール等のプロパノ ル燃料、グリコール水溶液や純グリコール のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ 、その他の液体燃料であってもよい。いず にしても、燃料電池2に応じた液体燃料が収 容される。

 次に、カップラー1の具体的な構成につい て、図2および図3を参照して説明する。図2は 、カップラー1を構成するソケット1sとノズル 1nとを示す一部断面図であり、接続前の状態 示したものである。また、図3は、図2に示 れるソケット1sを拡大して示したものである 。なお、以下の説明において先端側とは、ソ ケット1sについてはノズル1nが挿入される端 側(図中、上側)を指し、ノズル1nについては ケット1sに挿入される端部側(図中、下側)を 指す。

 ノズル1nは、オス側カップラーまたはプ グとも呼ばれるものであり、カートリッジ 体7の先端側の開口部を覆うようにして設け れている。ノズルヘッド11は、カートリッ 本体7の先端側が嵌め込まれる筒状のベース 11aと、その先端側に設けられた細径な軸部1 1bとから主として構成されており、軸部11bに 軸孔が設けられており、その先端側にこの 孔と繋がるノズル口11cが設けられている。

 軸部11bの先端部表面である頂面には凹部1 1dが設けられている。凹部11dは軸部11bの頂面 へこませるようにして設けられており、こ 凹部11dの底面にノズル口11cが開口している 凹部11dはノズル1nの先端側に残留(付着)した 液体燃料の収容部として機能するものであり 、操作者が液体燃料に触れないようにするも のである。また、ノズルヘッド11の軸部11bの 周には、後述するソケット1sのノズル保持 構36と嵌め合わされる凹部である周溝11eが設 けられている。さらに、ノズルヘッド11の主 して軸部11bの外周には、後述するキーリン 20を介して燃料識別手段として機能するキ 部13が設けられている。後述するように、燃 料識別手段はキー部13とソケット1s側のキー 54とで構成される。

 ベース部11aの内側には、バルブ14を内部 保持するカップ状のバルブホルダ15が配置さ れている。バルブホルダ15はバルブ室を規定 るものであり、その先端側外縁部がカート ッジ本体7とベース部11aとで挟み込まれて固 定され、また後端部に液体燃料の流路となる 連通孔15aが設けられている。バルブ14はヘッ 部14aと、その軸方向の両端に設けられたロ ド部14b、14cとを有するものである。ここで 先端側のロッド部14bが後述するソケット1s のロッド部40bと当接するロッド部(当接側の ッド部)である。ヘッド部14aはバルブホルダ 15で規定されたバルブ室内に配置され、ロッ 部14bは軸部11bの軸孔内に収容され、これら よってバルブ14は軸方向に進退可能に保持 れている。

 ヘッド部14aとベース部11aの内側に取り付 られたバルブシート16との間にはOリング17 配置されている。バルブ14には圧縮スプリン グ等の弾性体18でヘッド部14aをバルブシート1 6に押し付ける力が加えられており、これら よってOリング17は押圧されている。

 非接続状態においては、ヘッド部14aによ てOリング17がバルブシート16に押し付けら ることによって、ノズル1n内の燃料流路が閉 状態とされている。一方、ノズル1nをソケッ 1sに接続すると、バルブ14が後退してヘッド 部14aおよびOリング17がバルブシート16から離 、ノズル1n内の燃料流路が開状態とされる バルブホルダ15の内部にはカートリッジ本体 7から連通孔15aを介して液体燃料が流入して るため、ノズル1n内の燃料流路が開状態とさ れることにより、ソケット1sへの液体燃料の 給が可能となる。

 ノズルヘッド11の外側には、カム機構を えたリング状部材であるキーリング20やコン テナノズル21等が配置されている。キーリン 20は、通常の使用の際は圧入によりノズル ッド11に係止されている。カートリッジ3を 料電池2に接続した際に、曲げや捻り等の力 加わるとキーリング20がカム機構を利用し 回転浮上することにより接続状態が解除さ 、ソケット1sからノズル1nが離脱するように っている。また、コンテナノズル21はカー リッジ本体7に例えば螺着されており、これ よりノズルヘッド11やバルブ14等を有するノ ズル1nがカートリッジ本体7の先端部に固着さ れている。

 一方、ソケット1sは、メス側カップラー も呼ばれるものである。図3に拡大して示さ るように、ソケット1sは、円筒状の外筒部31 を有し、その先端側が断面略凹状のノズル挿 入口32となっている。外筒部31は、例えば略 筒状の先端側外筒部31aと、略円筒状の後端 外筒部31bとから構成されており、先端側外 部31aは後端側外筒部31bの上方外側に固着さ ている。

 外筒部31の内側にはバルブ室を規定する 筒部33が設けられており、この内筒部33は例 ば中間内筒部33aと後端側内筒部33bとから構 されている。これら中間内筒部33aと後端側 筒部33bとの間にはOリング34が設けられてお 、バルブ室の密閉性を高めている。

 先端側外筒部31aは、ノズル1nを挿入して 続した際に、ノズルヘッド11の外周面をガイ ドする機能を有している。なお、ノズルヘッ ド11の先端部は完全には先端側外筒部31aでガ ドされておらず、それらの間には隙間が生 ている。そのため、ソケット1s内にはノズ 1n(ノズルヘッド11)の先端部をガイドするよ にリング状のガイド部材35が配置されている 。

 ガイド部材35は、先端側外筒部31aの内側 あって、後端側外筒部31bの先端側に配置さ ている。ガイド部材35は、先端側に複数の切 り欠き部35aを有しており、後述するノズル保 持機構36の内径側に突出するフック部36aはこ 切り欠き部35aを通過するように設けられる 共に、ガイド部材35はこのノズル保持機構 よって後端側外筒部31bに押さえつけられ、 ケット1sからの脱落が防止されている。

 ガイド部材35はノズルヘッド11の先端部の 形状に対応した内側形状を有しており、これ によりソケット1sに接続されたノズル1nの先 部をガイドし、ノズル1nの接続状態における 傾きを制限する。すなわち、ノズル1nをソケ ト1sに接続した状態において、ノズルヘッ 11の先端部に位置する部分にガイド部材35を 置することによって、接続時におけるノズ 1nのガイド効果ならびにそれに基づく芯出 効果を得ることができる。これによって、 ズル1nの接続状態における傾きを制限するこ とができる。

 中間内筒部33a上には、ゴムホルダ等の弾 体ホルダ37が設置されている。弾性体ホル 37は、蛇腹形状と材料特性(ゴム弾性)に基づ て軸方向に弾性が付与された円筒形状のホ ダ本体37aと、その後端側に設けられたフラ ジ部37bとを有している。弾性体ホルダ37は ランジ部37bが後端側外筒部31bに設けられた ング状凸部31cと中間内筒部33aとで挟み込ま て固定されている。

 弾性体ホルダ37は、その先端側をノズル ッド11の凹部11dに嵌め合わせることによって 、ノズルヘッド11との間で接触シール面を形 するシール部材であり、その内側が液体燃 流路とされている。すなわち、弾性体ホル 37はソケット1sのバルブ機構を解放した際に 外部との間をシールするシール部材である。 なお、ノズルヘッド11の軸部11bに設けられた 部11dについても、弾性体ホルダ37の先端と め合わされて接触シール面を形成してシー を行う機能を併せ持つものである。

 ソケット1s内にはバルブ40が配置されてい る。バルブ40はヘッド部40aと、その軸方向の 端に設けられたロッド部40b、40cとを有して る。ここで、先端側のロッド部40bがノズル1 n側であるバルブ14のロッド部14bと当接するロ ッド部(当接側のロッド部)である。ヘッド部4 0aは中間内筒部33aと後端側内筒部33bとで規定 れたバルブ室内に配置され、ロッド部40bは 性体ホルダ37内に収納され、これらによっ バルブ40は軸方向に進退可能とされている。

 ヘッド部40aと中間内筒部33aの先端側内面 形成されたバルブシート51との間にはOリン 52が配置されている。バルブ40には圧縮スプ リング等の弾性体53によってヘッド部40aを先 側へと押しつける力が常時加えられており これによりOリング52が押圧され、ソケット1 s内の燃料通路が閉状態とされている。一方 ノズル1nをソケット1sに接続すると、バルブ4 0が後退してヘッド部40aおよびOリング52がバ ブシート51から離れることで、ソケット1s内 燃料流路が開状態とされる。

 後端側内筒部33bには、燃料受容部6を介し て燃料収容部5に接続される連通孔33cが設け れている。従って、ソケット1sにノズル1nを 続し、それらのバルブ14、40を開状態とする ことで、ノズル1nからソケット1sへと繋がる 続した燃料流路が形成され、カートリッジ3 収容された液体燃料を燃料電池2の燃料収容 部5内へと供給することができる。

 先端側外筒部31aには、ソケット1sにノズ 1nが接続されたときにその接続状態を保持す るノズル保持機構36が設けられている。ノズ 保持機構36は、先端側外筒部31aの内径側に 出したフック部36aと、ノズル1nを保持するよ うにフック部36aに押圧力を付与する弾性体36b とを有している。

 フック部36aは、先端側外筒部31aの外側に 置された弾性体36bの弾性力によってその内 側に向けて押圧力が付与されると共に、外 側に後退可能とされている。ノズル保持機 36は、ノズル1nをソケット1sに接続した際に フック部36aをノズルヘッド11の周溝11eに係 させ、ノズル1nとソケット1sとの接続状態を 持するものである。接続状態においては、 ック部36aでノズル1nを弾性的に狭持し、ノ ル1nに過度な曲げや捻り等の力が加わった場 合、フック部36aが後退してノズル1nとソケッ 1sとの接続状態が解除される。

 先端側外筒部31aの内径側には、燃料識別 段として機能する軸方向に沿って延びる溝 あるキー溝54が設けられている。キー溝54は 前述したノズル1nのキー部13と係合する形状 有している。キー部13とキー溝54とは一対の 状をなすため、例えば液体燃料に応じて形 を規定することによって、液体燃料の誤注 等を防止することができる。すなわち、キ 部13の形状を液体燃料の種別(種類や濃度等) に応じた形状とし、さらにキー溝54をキー部1 3に対応した形状とすることで、燃料電池2に 応した液体燃料を収容するカートリッジ3の みを接続可能とすることができる。これによ って、液体燃料の誤注入による動作不良や特 性低下等を防止することが可能となる。

 このようなカップラー1における接続およ び取り外しは以下のようにして行われる。ま ず、接続に際しては、ソケット1sに設けられ いるキー溝54とノズル1nに設けられているキ ー部13とが一致するようにして、ソケット1s ノズル1nを挿入する。ソケット1sにノズル1n 挿入していくと、まずソケット1sのゴムホル ダ37の先端にノズルヘッド11の凹部11dが嵌め わされることによってそれらの間に接触シ ル面が形成され、バルブ14、40が開状態とな 前に液体燃料の流路周辺のシールが確立さ る。

 さらに、ソケット1sにノズル1nを挿入して いくと、ソケット1sのロッド部40bとノズル1n ロッド部14bとが先端部において当接する。 らに、ソケット1sにノズル1nを挿入していく 、ソケット1sのバルブ40が後退して開放され た後、ノズル1nのバルブ14が後退して開放さ 、両者の間の液体燃料流路が確立し、カー リッジ3に収容された液体燃料が燃料電池2の 燃料収容部5に供給される。図4に、ソケット1 sとノズル1nとを接続した状態を示す。このよ うな接続状態においては、ソケット1sのノズ 保持機構36がノズルヘッド11の周溝11eと係合 し、ノズル1nとソケット1sとの接続状態が保 される。

 一方、ソケット1sからノズル1nを取り外す 場合、上記接続動作と反対の動作が行われる 。すなわち、ソケット1sからノズル1nを引き いていくと、まずノズル保持機構36とノズル ヘッド11の周溝11eとの係合が外れる。そして ノズル1nを引き抜いていくと、ノズル1nのバ ルブ14が先端側へと移動し、ノズル1n内の液 燃料流路が閉じられる。さらに、ノズル1nを 引き抜いていくと、ソケット1sのバルブ40も 端側へと移動し、ソケット1s内の液体燃料流 路が閉じられる。そして、最終的にノズル1n ロッド部14bとソケット1sのロッド部40bとが れ、さらにゴムホルダ37からノズルヘッド11 凹部11dが離れシールが解除され、図2に示さ れるような非接続状態へと戻る。

 本発明のカップラー1においては、上記し たノズル1n側のバルブ14およびソケット1s側の バルブ40から選ばれる少なくとも一方のバル における当接側のロッド部、すなわちロッ 部14bおよびロッド部40bから選ばれる少なく も一方が主として金属部材からなることを 徴としている。なお、当接側のロッド部が として金属部材からなるものとされたバル については、ヘッド部および当接側とは反 側のロッド部(後端側のロッド部)の少なく も表面部が非金属材料からなるものとされ いることが好ましく、具体的には樹脂材料 らなるものとされていることが好ましい。 下では、ソケット1s側のバルブ40におけるロ ド部40bを主として金属部材からなるものと た場合について説明する。

 図5、6は、ロッド部40bを主として金属部 からなるものとしたバルブ40の一例を示した ものである。ここで、図5はバルブ40の外観図 であり、図6(a)~(c)はそれぞれバルブ40の上面 、平面図、下面図であり、図6(d)、(e)はそれ れ図6(a)におけるA-A線断面図、B-B線断面図で ある。

 図5および図6(a)~(c)に示されるように、バ ブ40は軸方向の略中間位置に設けられるヘ ド部40aと、その軸方向の両端に設けられる ッド部40b、40cとを有している。ヘッド部40a 、例えば三段構造とされており、当接側(図 、上側)に径大な大径部を有し、反対側(図 、下側)に向かって大径部よりも小径な中径 、さらに中径部よりも小径な小径部を有し いる。

 ロッド部40b、40cは、例えば軸心から外径 に向けて4つの凸部40dが突出するように設け られており、軸方向視における断面形状が十 字型のものである。そして、隣接する凸部40d の間隙が液体燃料の流路である燃料流路40eと なり、この燃料流路40eは軸方向に沿って延び ている。

 図6(d)、(e)に示されるように、バルブ40は えば金属部材41と樹脂材料部42とから構成さ れている。金属部材41は少なくとも当接側の ッド部40bを形成するロッド形成部41aを有す ものであり、その後端側には例えばヘッド 40aへの固定に用いられる埋設部41bが設けら ている。

 ロッド形成部41aは、ほぼそのままの状態 ロッド部40bを形成するものであり、例えば 記したような軸方向視における断面形状が 字型のものである。なお、ロッド部40bの付 根部分については樹脂材料部42によって覆 れていてもよく、このようなロッド部40bの け根部分については必ずしもロッド形成部41 aのみから形成されていなくてもよい。また 埋設部41bは、例えば板状であり、主として ッド部40a内に配置されている。

 一方、樹脂材料部42は、金属部材41の埋設 部41bを覆うように形成されており、ヘッド部 40aと後端側のロッド部40cとを形成している。 また、樹脂材料部42は、上記したようにロッ 部40bの付け根部分においてロッド形成部41a 周囲を覆うように形成されていてもよい。

 このようにバルブ40におけるロッド部40b 主として金属部材41からなるものとすること で、従来の樹脂材料のみからなるバルブに比 べて強度を向上させ、ソケット1sとノズル1n の接続や取り外しの際における変形または 損を抑制することができる。また、ロッド 40bは、ソケット1sとノズル1nとを接続した時 み、すなわち燃料カートリッジ3から燃料電 池2へと液体燃料を供給する時のみ液体燃料 接触し、それ以外の時は液体燃料に接触し いことから、金属部材41からなるものとする ことによる腐食の問題も発生しにくい。

 一方、ヘッド部40aから後端側の部分、す わちヘッド部40aおよびロッド部40cについて 、燃料収容部5や燃料受容部6と繋がるソケ ト1s内に配置され、常に液体燃料が接触する ため腐食しやすい部分であるが、少なくとも 表面部が樹脂材料部42とされていることで、 のような腐食の問題も起きにくくすること できる。

 このような金属部材41としては耐メタノ ル性等の燃料耐性に優れるものが好ましく 例えば18%のクロムと8%のニッケルを含むステ ンレス鋼であるSUS304や、18%のクロムと12%のニ ッケルを含むと共に、モリブデン(Mo)を含み り一層耐食性に優れるステンレス鋼であるSU S316、またはチタンもしくはチタン合金から るものが好適なものとして挙げられるが、 ずしもこれらのものに限られるものではな 。

 また、金属部材41、特にロッド形成部41a 表面には耐メタノール性等の燃料耐性を向 させるための表面処理が行われていること 好ましい。このような表面処理としては、 えば不動態化処理、金コーティング、フッ 樹脂コーティング等が好ましいものとして げられる。

 樹脂材料部42についても耐メタノール性 の燃料耐性に優れる樹脂材料からなること 好ましく、例えばポリエチレンテレフタレ ト(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、 リアセタール(POM)等の汎用エンジニアプラ チック、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリ マー(LCP)等のスーパーエンジニアプラスチッ からなることが好ましい。

 また、金属部材41の埋設部41bには樹脂材 部42からの引き抜けを抑制するため、例えば 幅広のアンカー部41cが設けられていることが 好ましい。アンカー部41cとしては、必ずしも 幅広とされたものに限られず、例えば図7(a) (b)に示されるような円形状の貫通孔であっ もよく、樹脂材料部42からの金属部材41の引 抜けを有効に抑制できるものであればその 状は特に限定されるものではない。

 図8~12は、バルブ40の変形例を示した外観 である。本発明におけるバルブ40は、図8~10 示されるようにロッド部40bの軸方向視にお る断面形状、すなわち凸部40dの配置が三方 、星型、歯車型等であってもよい。また、 発明におけるバルブ40は、図11、12に示され ように、ロッド部40bが円筒状であり、その 接側の端部に切り欠き部40fを有すると共に その後端側の側面に孔部40gを有するもので ってもよい。

 図11、12に示されるバルブ40の場合、円筒 のロッド部40bの内部が燃料流路40eとなり、 体燃料は切り欠き部40fからロッド部40b内の 料流路40eへと流入し、最終的に孔部40gから 形側へと流出する。後端側の側面に設けら る孔部40gは、図11に示されるような円形状 ものであってもよいし、図12に示されるよう な四角形状のものであってもよい。例えば、 孔部40gを図12に示されるような四角形状のも とすることで、ロッド部40bに孔部40gを形成 る際、ロッド部40bの一方の側面部(例えば、 図中右側)から他方の側面部(例えば、図中左 )へと切削加工などが可能な加工用ツールを 水平に移動させ、それらの間の側面部(例え 、図中手前側の側面部)を削り取るようにす ことで容易に孔部40gを形成することができ 製造性に優れたものとすることができる。

 図8~12に示されるバルブ40についても、図5 、6に示されるものと略同様にロッド部40bを として金属部材41からなるものとすることで 、強度を向上させ、ソケット1sとノズル1nと 接続や取り外しの際における変形または破 を抑制することができる。

 このようなバルブ40は、例えばロッド形 部41aと埋設部41bとを有する金属部材41を形成 した後、その埋設部41bの外周に樹脂材料部42 形成することで製造することができる。金 部材41は、金属材料の溶湯を金型内に注入 て一体的に形成する方法の他、各部を分割 て製造した後、それらを嵌め合わせたり、 たは溶接等により接合したりすることで製 することができる。

 図13は、嵌め合わせによって金属部材41を 製造する方法の一例を示したものである。図 13(a)に示すように、金属部材41は、例えば第1 金属板41mと第2の金属板41nとから構成される 。第1の金属板41mは、例えばロッド形成部41a なる部分と埋設部41bとなる部分とを有する のであり、その当接側となる部分には軸心 沿って切り欠き部41pが設けられている。ま 、第2の金属板41nは、例えばロッド形成部41a なる部分のみを有するものであり、その後 側の部分には軸心に沿って切り欠き部41qが けられている。

 第1の金属板41mにおける切り欠き部41pの幅 (軸心に垂直な方向の長さ)は、例えば第2の金 属板41nの板厚と同様またはそれよりも若干小 さく形成されており、第2の金属板41nにおけ 切り欠き部41qの幅についても、例えば第1の 属板41mの板厚と同様またはそれよりも若干 さく形成されている。そして、第1の金属板 41mの切り欠き部41pと第2の金属板41nの切り欠 部41qとを合わせて圧入することで、第1の金 板41mと第2の金属板41nとが互いの切り欠き部 41p、41qによって固定され、図13(b)に示される うな軸方向視における断面形状が十字型の 属部材41を得ることができる。

 また、図14は、金属部材41を溶接によって 製造する方法の一例を示したものである。図 14(a)に示すように、この金属部材41は、例え 第1の金属材41rと第2の金属材41sとから構成さ れる。第1の金属材41rおよび第2の金属材41sは 例えば図5、6に示されるような軸方向視に ける断面形状が十字型の金属部材41を軸心を 通る平面で2つに分割したような形状とされ いる。そして、このような第1の金属材41rと 2の金属材41sとを溶接により接合することで 、図14(b)に示されるような金属部材41とする とができる。なお、図14では埋設部41bを図示 していないが、通常はロッド形成部41aの後端 側に適宜な埋設部41bが設けられる。

 このようにして得られた金属部材41には 例えばその埋設部41bの外周にヘッド部40aや ッド部40cとなる樹脂材料部42を形成すること でバルブ40とすることができる。埋設部41bに 脂材料部42を設ける手段としては、例えば ンサート成形法等を適用することができ、 体的には金型内にインサート部材である金 部材41を装填した後、溶融させた樹脂材料を 注入し、金属部材41の埋設部41bを溶融させた 脂材料で包み込み、固化させることで、金 部材41と樹脂材料部42とが一体化された複合 部材であるバルブ40を得ることができる。

 以上、バルブ40のロッド部40bを主として 属部材41からなるものとする例について説明 したが、既に説明したようにロッド部40bは必 ずしも全てが金属部材41(ロッド形成部41a)か 構成されている必要はなく、例えば図6(d)、( e)に示されるようにその付け根部分の表面部 ついては樹脂材料部42からなるものであっ もよい。また、このような付け根部分の樹 材料部42によって金属部材41(ロッド形成部41a )が有効に固定される場合には、必ずしも金 部材41には埋設部41bが設けられていなくても よい。また、金属部材41に埋設部41bを設ける 合についても、その形状は必ずしも図6(d)、 (e)に示されるような板状のものに限られず、 例えばロッド形成部41aと同様な形状であって もよく、またその大きさ等についても適宜変 更することができる。

 さらに、本発明のカップラー1では、ソケ ット1s側のバルブ40におけるロッド部40bを主 して金属部材41からなるものとする代わりに 、ノズル1n側のバルブ14におけるロッド部14b 主として金属部材からなるものとしてもよ 。バルブ14におけるロッド部14bを主として金 属部材からなるものとする場合についても、 バルブ40におけるロッド部40bを主として金属 材41からなるものとする場合と略同様な構 とすることができる。本発明のカップラー1 は、その信頼性を向上させる観点から、バ ブ14におけるロッド部14bを主として金属部 からなるものとすると共に、バルブ40におけ るロッド部40bを主として金属部材41からなる のとすればより好ましい。

 次に、本発明の燃料電池2について説明す る。本発明の燃料電池2は、上記したカップ ー1における当接側のロッド部40bが主として 属部材41によって構成されたバルブ40を備え るソケット1sと、このソケット1sを通して供 された液体燃料を収容する燃料収容部5と、 の液体燃料を用いて発電動作を行う起電部 ある燃料電池セル4とを具備するものである 。本発明の燃料電池2における燃料電池セル4 しては、特に限定されるものではなく、例 ばサテライトタイプのカートリッジ3が必要 時に接続されるパッシブ型やアクティブ型の DMFCが挙げられる。

 以下、本発明の燃料電池2について、内部 気化型のDMFCを例に挙げて説明する。図15は、 本発明の燃料電池2の一例を示す断面図であ 。燃料電池2は、起電部を構成する燃料電池 ル4と、燃料収容部5と、図示を省略したソ ット1sを有する燃料受容部6とから主として 成されている。なお、図示が省略されたソ ット1sを有する燃料受容部6は、例えば図1に されるように燃料収容部5の下面側に設けら れている。

 燃料電池セル4は、アノード触媒層62およ アノードガス拡散層63からなるアノード(燃 極)と、カソード触媒層64およびカソードガ 拡散層65からなるカソード(酸化剤極/空気極 )と、アノード触媒層62とカソード触媒層64と 挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の 解質膜66とから構成される膜電極接合体(MEA:M embrane Electrode Assembly)を有している。アノー 触媒層62およびカソード触媒層64に含有され る触媒としては、例えば、Pt、Ru、Rh、Ir、Os Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有 する合金等が挙げられる。

 具体的には、アノード触媒層62にメタノ ルや一酸化炭素に対して強い耐性を有するPt -RuやPt-Mo等を、カソード触媒層64に白金やPt-Ni 等を用いることが好ましい。また、炭素材料 のような導電性担持体を使用する担持触媒、 あるいは無担持触媒を使用してもよい。電解 質膜66を構成するプロトン伝導性材料として 、例えばスルホン酸基を有するパーフルオ スルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナ フィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオ (商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を する炭化水素系樹脂、タングステン酸やリ タングステン酸等の無機物等が挙げられる ただし、これらに限られるものではない。

 アノード触媒層62に積層されるアノード ス拡散層63は、アノード触媒層62に燃料を均 に供給する役割を果たすと同時に、アノー 触媒層62の集電体も兼ねている。一方、カ ード触媒層64に積層されるカソードガス拡散 層65は、カソード触媒層64に酸化剤を均一に 給する役割を果たすと同時に、カソード触 層64の集電体も兼ねている。アノードガス拡 散層63にはアノード導電層67が積層され、カ ードガス拡散層65にはカソード導電層68が積 されている。

 アノード導電層67およびカソード導電層68 は、例えば金のような導電性金属材料からな るメッシュや多孔質膜、あるいは薄膜等で構 成されている。なお、電解質膜66とアノード 電層67との間、および電解質膜66とカソード 導電層68との間には、ゴム製のOリング69、70 介在されており、これらによって燃料電池 ル4からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止して る。

 燃料収容部5の内部には、液体燃料Fとし 例えばメタノール燃料が充填されている。 た、燃料収容部5は燃料電池セル4側が開口さ れており、この燃料収容部5の開口部と燃料 池セル4との間に気体選択透過膜61が設置さ ている。気体選択透過膜61は、液体燃料Fの 化成分のみを透過し、液体成分は透過させ い気液分離膜である。このような気体選択 過膜61の構成材料としては、例えばポリテト ラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂が挙 げられる。ここで、液体燃料Fの気化成分と 、液体燃料Fとしてメタノール水溶液を使用 た場合にはメタノールの気化成分と水の気 成分からなる混合気、純メタノールを使用 た場合にはメタノールの気化成分を意味す 。

 カソード導電層68上には保湿層71が積層さ れており、さらにその上には表面層72が積層 れている。表面層72は酸化剤である空気の 入れ量を調整する機能を有し、その調整は 面層72に形成された空気導入口72aの個数やサ イズ等を変更することで行う。保湿層71はカ ード触媒層64で生成された水の一部が含浸 れて、水の蒸散を抑制する役割を果たすと に、カソードガス拡散層65に酸化剤を均一に 導入することで、カソード触媒層64への酸化 の均一拡散を促進する機能も有している。 湿層71は例えば多孔質構造の部材で構成さ 、具体的な構成材料としてはポリエチレン ポリプロピレンの多孔質体等が挙げられる

 そして、燃料収容部5上に気体選択透過膜 61、燃料電池セル4、保湿層71、表面層72を順 積層し、さらにその上から例えばステンレ 製のカバー73を被せて全体を保持することに よって、この燃料電池2が構成されている。 バー73には表面層72に形成された空気導入口7 2aと対応する部分に開口73aが設けられている また、燃料収容部5にはカバー73の爪73bを受 るテラス5aが設けられており、このテラス5a に爪73bをかしめることで燃料電池2全体をカ ー73で一体的に保持している。

 上述したような構成を有する燃料電池2にお いては、燃料収容部5内の液体燃料F(例えばメ タノール水溶液)が気化し、この気化成分が 体選択透過膜61を透過して燃料電池セル4に 給される。燃料電池セル4内において、液体 料Fの気化成分はアノードガス拡散層63で拡 されてアノード触媒層62に供給される。ア ード触媒層62に供給された気化成分は、下記 の(1)に示すメタノールの内部改質反応を生じ させる。
  CH 3 OH+H 2 O → CO 2 +6H + +6e -  …(1)

 なお、液体燃料Fとして純メタノールを使 用した場合には、燃料収容部5から水蒸気が 給されないため、カソード触媒層64で生成し た水や電解質膜66中の水をメタノールと反応 せて上記(1)式の内部改質反応を生起するか あるいは上記(1)式の内部改質反応によらず 水を必要としない他の反応機構により内部 質反応を生じさせる。

 内部改質反応で生成されたプロトン(H + )は電解質膜66を伝導し、カソード触媒層64に 達する。表面層72の空気導入口72aから取り れられた空気(酸化剤)は、保湿層71、カソー 導電層68、カソードガス拡散層65を拡散して 、カソード触媒層64に供給される。カソード 媒層64に供給された空気は、次の(2)式に示 反応を生じさせる。この反応によって、水 生成を伴う発電反応が生じる。
  (3/2)O 2 +6H + +6e -  → 3H 2 O …(2)

 上述した反応に基づく発電反応が進行す にしたがって、燃料収容部5内の液体燃料F( えばメタノール水溶液や純メタノール)は消 費される。燃料収容部5内の液体燃料Fが空に ると発電反応が停止するため、その時点で しくはそれ以前の時点で燃料収容部5内にカ ートリッジ3から液体燃料を供給する。カー リッジ3からの液体燃料の供給は、前述した うにカートリッジ3側のノズル1nを燃料電池2 側の図示しないソケット1sに挿入して接続す ことにより実施される。

 以上、本発明の燃料電池用カップラーお び燃料電池について説明したが、本発明の 料電池用カップラーおよび燃料電池は上記 施形態そのものに限定されるものではなく 実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で 成要素を変形して具体化できる。また、上 実施形態に開示されている複数の構成要素 適宜な組み合わせにより、種々の発明を形 できる。例えば、実施形態に示される全構 要素から幾つかの構成要素を削除してもよ 。また、例えば燃料電池としては小型化が められているパッシブ型DMFCが好適であるが 、少なくとも本発明の燃料電池用カップラー における特定のバルブを有するソケットを具 備し、液体燃料が該ソケットを介して供給さ れるものであれば、その方式や機構等につい ては何等限定されるものではない。

 本発明の燃料電池用カップラーは、ソケ ト側およびノズル側から選ばれる少なくと 一方のソケットのバルブをヘッド部とその 方向の両端に設けられたロッド部とを有す ものとし、かつこれらのロッド部のうち他 のバルブと当接するロッド部を主として金 部材からなるものとしている。従って、ソ ットとノズルとの接続や取り外しの際、該 ルブの変形や破損を抑制し、信頼性に優れ ものとすることができる。このような燃料 池用カップラーは、携帯型電子機器を始め する各種電子機器の電源としての燃料電池 有用に用いられる。

 また、該バルブのヘッド部および当接側 は反対側のロッド部の少なくとも表面部を 脂材料からなるものとすることで、ソケッ とノズルとの接続や取り外しの際における バルブの変形や破損を抑制しつつ、液体燃 の接触による該バルブの腐食も最低限度に 制することができ、より一層信頼性に優れ ものとすることができる。このため、携帯 電子機器を始めとする各種電子機器の電源 しての燃料電池にさらに有用に用いられる

 本発明の燃料電池は、燃料電池用カップ ーのうちソケットを具備するものであって そのバルブのヘッド部とその軸方向の両端 設けられたロッド部とのうちノズル側のバ ブと当接する側のロッド部を主として金属 材からなるものとしている。従って、燃料 ートリッジの接続や取り外しの際における バルブの変形や破損を抑制し、信頼性に優 たものとすることができる。このような燃 電池は、携帯型電子機器を始めとする各種 子機器の電源として有用に用いられる。