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Patent Searching and Data


Title:
CUTTING TOOL HAVING SURFACE COATED WITH HARD LAYER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066772
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cutting tool which comprises: a base material comprising a tungsten carbide-based super-hard alloy or a titanium carbo-nitride-based cermet; and (a) an Al-Ti composite nitride layer which has an average layer thickness of 0.5 to 5 μm and which fulfils the following formula: (Al1-XTiX)N [wherein X fulfils the following formula: 0.3≤X≤0.7 in terms of atomic ratio] as a lower layer, (b) an Al-Cr composite nitride layer which has an average layer thickness of 0.5 to 5 μm and which fulfils the following formula: (Al1-αCrα)N [wherein α fulfils the following formula: 0.2≤α≤0.6 in terms of atomic ratio] as an intermediate layer, and (c) an Al-Ti composite nitride layer which has an average layer thickness of 0.2 to 0.6 μm and which fulfils the following formula: (Al1-XTiX)N [wherein X fulfils the following formula: 0.3≤X≤0.7 in terms of atomic ratio] as an upper layer, all of which are arranged on the surface of the base material.

Inventors:
SATO KAZUNORI (JP)
MASUNO TOMOYUKI (JP)
OGAMI TSUYOSHI (JP)
SHIKADA SHINICHI (JP)
KAZAMI DAISUKE (JP)
TANAKA YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071252
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
SATO KAZUNORI (JP)
MASUNO TOMOYUKI (JP)
OGAMI TSUYOSHI (JP)
SHIKADA SHINICHI (JP)
KAZAMI DAISUKE (JP)
TANAKA YUSUKE (JP)
International Classes:
B23B27/14; B23B51/00; B23C5/16; C23C14/06
Domestic Patent References:
WO2006070730A12006-07-06
Foreign References:
JP2006082210A2006-03-30
JP2005262388A2005-09-29
JP2005305576A2005-11-04
JP2008093760A2008-04-24
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、下記の複合窒化物層(a)~(c)で構成された硬質被覆層を備える切削工具。
(a)下部層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比)を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物層
(b)中間層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-α Cr α )N
で表した場合、0.2≦α≦0.6(但し、α値は原子比)を満足する平均組成のAlとCrとの複合窒化物層
(c)上部層として、0.2~0.6μmの平均層厚を有し、
 組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比)を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物層
Description:
表面を硬質な層で被覆された切 工具

 本発明は、軟鋼、ステンレス鋼などのよ に溶着性が高い被削材の切削加工を、高い 熱を伴い、かつ、切刃に対して高負荷が作 する高送り、高切り込みなど高速重切削条 で行った場合にも、硬質被覆層がすぐれた 欠損性と耐摩耗性を発揮する切削工具に関 る。

 一般に、切削工具には、各種の鋼や鋳鉄 どの被削材の旋削加工や平削り加工にバイ の先端部に着脱自在に取り付けて用いられ スローアウエイチップ、前記被削材の穴あ 切削加工などに用いられるドリルやミニチ アドリル、さらに前記被削材の面削加工や 加工、肩加工などに用いられるソリッドタ プのエンドミルなどがあり、また前記スロ アウエイチップを着脱自在に取り付けて前 ソリッドタイプのエンドミルと同様に切削 工を行うスローアウエイエンドミル工具な が知られている。

 従来、切削工具の一つとして、例えば、炭 タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金ま たは炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメ ットで構成された基体(以下、工具基体とい )の表面に、下記(a)、(b)からなる硬質被覆層 蒸着形成した切削工具が知られている。
(a)組成式:(Al 1-X Ti X )N(ただし、原子比で、0.3≦X≦0.7)、
を満足するAlとTiの複合窒化物[以下、(Al,Ti)N 示す]層からなる下部層
(b)組成式:(Al 1-α Cr α )N(ただし、原子比で、0.2≦α≦0.6)、を満足す るAlとCrの複合窒化物[以下、(Al,Cr)Nで示す]層 らなる上部層
 この切削工具は、各種の鋼や鋳鉄などの連 切削や断続切削加工に用いた場合にすぐれ 耐欠損性を発揮することも知られている。

 さらに、上記の切削工具が、物理蒸着装置 一種であるアークイオンプレーティング装 (例えば、図2および図3を参照)を使って製造 されることも知られている。具体的には、ア ークイオンプレーティング装置に上記の工具 基体を装入し、ヒータで装置内を、例えば500 ℃の温度に加熱した状態で、アノード電極と 所定組成のAl-Ti合金がセットされたカソード 極(蒸発源)との間に、例えば電流:90Aの条件 アーク放電を発生させ、同時に装置内に反 ガスとして窒素ガスを導入して、例えば2Pa 反応雰囲気とし、一方上記工具基体には、 えば-100Vのバイアス電圧を印加した条件で 前記工具基体の表面に、上記(Al,Ti)N層を下部 層として蒸着形成した後、Al-Cr合金がセット れたカソード電極(蒸発源)とアノード電極 の間にアーク放電を発生させ、上記下部層 表面に、(Al,Cr)N層を上部層として蒸着形成す ることにより製造される。

特開2005-262388号公報

特開2005-305576号公報

 近年の切削加工装置のFA化はめざましく 一方で切削加工に対する省力化および省エ 化、さらに低コスト化の要求は強く、これ 伴って切削加工は一段と高速化する傾向に るが、上記従来の切削工具においては、こ を各種鋼、鋳鉄などの通常の切削条件下で 切削加工に用いた場合には問題はないが、 に、軟鋼、ステンレス鋼などのように溶着 が高い被削材の、高熱発生を伴い、かつ、 刃に対して高負荷が作用する高速重切削加 に用いた場合には、硬質被覆層は切削時に 生する高熱によって過熱され、かなりの温 上昇が避けられず、その結果、硬質被覆層 熱塑性変形をおこしたり、あるいは、偏摩 を生じたりして、摩耗進行が促進され、比 的短時間で使用寿命に至るのが現状である

 そこで、本発明者等は、上述のような観点 ら、特に軟鋼、ステンレス鋼等の溶着性が い被削材の切削加工を、高い発熱を伴うと もに、切刃に対して高負荷が作用する高送 、高切込みなどの高速重切削条件で行った 合にも、硬質被覆層がすぐれた耐欠損性と 摩耗性を発揮する切削工具を開発すべく、 記従来の切削工具に着目し研究を行った。 の結果、硬質被覆層の下部層が(Al,Ti)N層、 た、上部層が(Al,Cr)N層で構成されている上記 従来の切削工具において、下部層の構成成分 であるAlは高温硬さと耐熱性を向上させ、Ti 高温強度を向上させる。このことから、(Al,T i)N層からなる下部層は、すぐれた耐摩耗性、 耐欠損性を備え、また、(Al,Cr)N層からなる上 層はすぐれた高温硬さ、高温強度とともに ぐれた高温耐酸化性を備え、特に軟鋼、ス ンレス鋼などの溶着性の高い被削材に対す 耐溶着性を向上させる。
 上記従来の切削工具において、上記(Al,Cr)N を中間層とし、この上に、さらに上部層と て、層厚の薄い(Al,Ti)N層を蒸着形成すると、 この層厚の薄い(Al,Ti)N層からなる上部層は、 記(Al,Cr)N層からなる中間層に比して、高温 さにすぐれかつ耐熱性にも優れている。そ ため、高熱発生を伴い、しかも、切刃部に 負荷がかかる軟鋼、ステンレス鋼などの溶 性の高い被削材の高速重切削加工に際して 上記(Al,Cr)N層からなる中間層の有する耐溶着 性を何ら損なうことなく、硬質被覆層全体と しての耐摩耗性、耐欠損性をより一層向上さ せる、という知見を得た。

 本発明は、上記知見に基づいてなされたも であって、
 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化 タン基サーメットで構成された工具基体の 面に、下記の複合窒化物層(a)~(c)で構成され た硬質被覆層を備える切削工具である。
(a)下部層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比 )を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物
(b)中間層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-α Cr α )N
で表した場合、0.2≦α≦0.6(但し、α値は原子 )を満足する平均組成のAlとCrとの複合窒化 層
(c)上部層として、0.2~0.6μmの平均層厚を有し
 組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比 )を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物

 つぎに、本発明の切削工具の各層について 詳細に説明する。
(a)下部層
 下部層は、AlとTiとの複合窒化物層((Al,Ti)N層 )で構成されており、その構成成分であるAl成 分、Ti成分のうち、Al成分には高温硬さ、耐 性を向上させる作用があり、Ti成分には高温 強度を向上させる作用がある。下部層では、 Al成分の含有割合を多くして高い高温硬さを 上させている。
 下部層の平均組成において、組成式を(Al 1-X Ti X )Nで表した場合、Alとの合量に占めるTiの含有 割合を示すX値が割合(原子比、以下同じ)で0.3 未満では、相対的にAlの割合が多くなって、 ぐれた高温硬さは得られるものの十分な高 強度を確保することができないため、耐欠 性が低下する。一方、Tiの割合を示す同X値 同0.7を越えると、相対的にAlの割合が少な なり過ぎて、高温硬さが急激に低下し、こ 結果、摩耗進行が急激に促進する。そこで X値を0.3~0.7と定めた。
 また、その平均層厚が0.5μm未満では、自身 もつすぐれた高温硬さ、高温強度を硬質被 層に長期に亘って付与できず、工具寿命短 の原因となり、一方、その平均層厚が5μmを 越えると、チッピングが発生し易くなること から、下部層の平均層厚を0.5~5μmと定めた。

(b)中間層
 中間層は、AlとCrとの複合窒化物層((Al,Cr)N層 )で構成されており、その構成成分であるAl成 分、Cr成分のうち、その構成成分であるAl成 には、高温硬さと耐熱性を向上させる作用 あり、Cr成分には高温強度を向上させる作用 がある。また、CrとAlとの共存含有によって 温耐酸化性を向上させる作用がある。

 中間層の平均組成において、組成式を(Al 1-α Cr α )Nで表した場合、Alとの合量に占めるCrの含有 割合を示すα値(原子比)が、0.2未満であると 溶着性の高い被削材の高速重切削加工に際 て、被削材および切粉に対する耐溶着性を 保することができず、高温強度も低下する そのため、溶着、欠損を発生し易くなる。 方、α値(原子比)が0.6を超えると、相対的なA l含有割合の減少により、高温硬さの低下、 熱性の低下が生じ、偏摩耗の発生、熱塑性 形の発生等により耐摩耗性が低下する。そ で、Alとの合量に占めるCrの含有割合(α値)( し、原子比)を、0.2≦α≦0.6と定めた。
 さらに、中間層の平均層厚が0.5μm未満では 自身のもつすぐれた耐溶着性を長期に亘っ 発揮するには不十分である。一方、その平 層厚が5μmを越えると、高速重切削加工で切 刃部に欠損が発生し易くなる。そこで、その 平均層厚は0.5~5μmと定めた。

(c)上部層
 中間層の表面に、層厚の薄い(Al,Ti)N層を上 層として蒸着形成する。上部層は、AlとTiと 複合窒化物層((Al,Ti)N層)で構成されている。 この層厚の薄い(Al,Ti)N層は、上記(Al,Cr)N層か なる中間層に比して、高温硬さにすぐれか 耐熱性にも優れている。そのため、高熱発 を伴い、しかも、切刃部に高負荷がかかる 鋼、ステンレス鋼などの溶着性の高い被削 の高速重切削加工に際して、上記(Al,Cr)N層か らなる中間層の有する耐溶着性を何ら損なう ことなく、硬質被覆層全体としての耐摩耗性 、耐欠損性をより一層向上させることができ る。
 上部層の平均組成は、下部層のそれと同じ よい。すなわち、上部層の平均組成におい 、組成式を(Al 1-X Ti X )Nで表した場合、X値(但し、原子比)は、0.3≦X ≦0.7を満足する値とする。X値が、この範囲 ら外れた場合には、下地層の場合と同様、 欠損性あるいは耐摩耗性が低下する。
 また、上部層の層厚は、中間層の層厚より く、かつ、0.2~0.6μmとすることが必要である 。なぜなら、上部層の層厚が0.2μm未満では、 耐摩耗性、耐欠損性の向上を期待することは できない。一方、上部層の層厚が0.6μmを超え ると、溶着性の高い被削材に対する耐溶着性 が低下し、欠損の原因となるからである。

 本発明の切削工具は、硬質被覆層の下部 を構成する(Al,Ti)N層が、すぐれた高温硬さ 耐熱性、高温強度を有し、中間層を構成す (Al,Cr)N層が、すぐれた高温硬さ、高温強度、 高温耐酸化性と耐溶着性を具備し、また、上 部層を構成する層厚の薄い(Al,Ti)N層が、耐溶 性を損なうことなく、耐摩耗性、耐欠損性 向上させるので、硬質被覆層は全体として すぐれた高温硬さ、高温強度、耐熱性、高 耐酸化性および耐溶着性を備える。その結 、軟鋼、ステンレス鋼のような溶着性の高 被削材を、高い発熱を伴い、かつ、切刃に して高負荷が作用する高速重切削条件下で 削加工した場合にも、被削材および切粉と 溶着の発生が起きない。しかも、硬質被覆 に熱塑性変形、偏摩耗、欠損が生じること なく、長期に亘ってすぐれた耐欠損性、耐 耗性を発揮する。

本発明の切削工具にかかる実施形態を す図であって、同切削工具の層構造を示す 面図である。 硬質被覆層を形成するのに用いたアー イオンプレーティング装置の概略図である 硬質被覆層を形成するのに用いたアー イオンプレーティング装置の概略図であっ 、図2中のIII-III線に沿う矢視断面図である

符号の説明

 100…工具基体、
110,120,130…複合窒化物層

 本発明の切削工具の実施形態を図1に示す。 本実施形態の被覆チップは、炭化タングステ ン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメッ トで構成された工具基体100の表面に、下部層 としてのAlとTiとの複合窒化物層110と、中間 としてのAlとCrとの複合窒化物層120と、上部 としてのAlとTiとの複合窒化物層130とを備え ている。
 複合窒化物層110は、0.5~5μmの平均層厚を有 る。複合窒化物層110の平均組成は、組成式 (Al 1-X Ti X )Nで表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子 )を満足する。
 複合窒化物層120は、0.5~5μmの平均層厚を有 る。複合窒化物層120の平均組成は、組成式 (Al 1-α Cr α )Nで表した場合、0.2≦α≦0.6(但し、α値は原 比)を満足する。
 複合窒化物層130は、0.2~0.6μmの平均層厚を有 する。複合窒化物層130の平均組成は、組成式 を(Al 1-X Ti X )Nで表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子 )を満足する。
 つぎに、本発明の切削工具を実施例により 体的に説明する。

 次に、切削工具の製造に使用するアークイ ンプレーティング装置の構造について説明 る。このアークイオンプレーティング装置 、図2および図3に示すように、チャンバ20と 、円形の回転テーブル22と、回転テーブル22 一方側に設置された第一カソード電極24と、 第一カソード電極24の脇に設置された第一ア ード電極26と、回転テーブル22の他方側に設 置された第二カソード電極28と、第二カソー 電極28の脇に設置された第二アノード電極30 と、回転テーブル22の背後に設けられたヒー 32とを備えている。
 回転テーブル22は、チャンバ20の外に配置さ れたバイアス電源38に接続されており、テー ル上に載置された超硬基体にバイアス電圧 印可される。回転テーブル22には、工具本 10などの超硬基体が載置され、超硬基体を載 置した回転テーブル22は、図示しない駆動機 により回転する。
 第一カソード電極24は、Al-Ti合金からなる。 第一カソード電極24および第一アノード電極2 6は、チャンバ20の外に配置された第一アーク 電源34に接続されており、アーク電源34から 電されることにより、両者間にアーク放電 発生させる。

 第二カソード電極28は、Al-Cr合金からなる。 第二カソード電極28および第二アノード電極3 0は、チャンバ20の外に配置された第二アーク 電源36に接続されており、アーク電源36から 電されることにより、両者間にアーク放電 発生させる。
 回転テーブル22、第一、第二カソード電極24 ,28、第一、第二アノード電極26,30、およびヒ タ32は、チャンバ20に収容されている。チャ ンバ20の上部には、チャンバ20内部に反応ガ を供給するための供給孔21aが設けられてお 、チャンバ20の底部には、反応後のガスを排 出するための排出孔21bが設けられている。ヒ ータ32は、チャンバ20内部の雰囲気を加熱す 。

 本発明の切削工具としての表面被覆スロー ウエイチップ(以下、被覆チップと云う)Tx1~T x16を、以下の手順で製造した。
 原料粉末として、いずれも1~3μmの平均粒径 有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC 粉末、NbC粉末、Cr 3 C 2 粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意 、これら原料粉末を、表1に示される配合組 成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し 乾燥した後、100MPa の圧力で圧粉体にプレ 成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400 ℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切 部分にR:0.03のホーニング加工を施してISO規 ・CNMG120408のチップ形状をもったWC基超硬合 製の工具基体A-1~A-10を形成した。

 また、原料粉末として、いずれも0.5~2μmの 均粒径を有するTiCN(質量比で、TiC/TiN=50/50)粉 、Mo 2 C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co 末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉 を、表2に示される配合組成に配合し、ボー ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、100MP aの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉 を2kPaの窒素雰囲気中、温度:1500℃に1時間保 の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.03 ホーニング加工を施してISO規格・CNMG120408の チップ形状をもったTiCN基サーメット製の工 基体B-1~B-6を形成した。

(a)上記の工具基体A-1~A-10およびB-1~B-6のそれぞ れを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した 状態で、図2および図3に示されるアークイオ プレーティング装置内の回転テーブル上の 心軸から半径方向に所定距離離れた位置に 周部にそって装着し、また、カソード電極( 蒸発源)として、所定組成のAl-Ti合金およびAl- Cr合金を配置した。
(b)次に、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に 持しながら、ヒータで装置内を500℃に加熱 た後、前記回転テーブル上で自転しながら 転する工具基体に-1000Vの直流バイアス電圧 印加し、かつAl-Ti合金からなるカソード電 とアノード電極との間に100Aの電流を流して ーク放電を発生させ、もって工具基体表面 ボンバード洗浄した。
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを 導入して4Paの反応雰囲気とすると共に、前記 回転テーブル上で自転しながら回転する工具 基体に-100Vの直流バイアス電圧を印加し、か 、上記Al-Ti合金からなるカソード電極(蒸発 )とアノード電極との間に120Aの電流を流し アーク放電を発生させ、前記工具基体の表 に、表3、表4に示される目標平均組成、目標 平均層厚の(Al,Ti)N層からなる下部層を蒸着形 した。
(d)次に、同じく4Paの窒素ガス雰囲気中で、前 記回転テーブル上で自転しながら回転する工 具基体に-100Vの直流バイアス電圧を印加し、 つ、上記Al-Cr合金からなるカソード電極(蒸 源)とアノード電極との間に120Aの電流を流 てアーク放電を発生させ、前記下部層の表 に、同じく表3、表4に示される目標平均組成 、目標平均層厚の(Al,Cr)N層からなる中間層を 着形成した。
(e)次に、装置内雰囲気を窒素ガス雰囲気とし たまま、4Paのアルゴンガス雰囲気中で、上記 Al-Ti合金からなるカソード電極(蒸発源)とア ード電極との間に120Aの電流を流してアーク 電を発生させて、表3、表4に示される目標 均組成および目標平均層厚の(Al,Ti)N層からな る上部層を蒸着形成した。

 被覆チップTx1~Tx16との比較のために、表面 覆スローアウエイチップ(以下、比較被覆チ プと云う)Ty1~Ty16を、以下の手順で製造した
(a)上記工具基体A-1~A-10およびB-1~B-6を、アセト ン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図2 よび図3に示されるアークイオンプレーティ グ装置内の回転テーブル上の中心軸から半 方向に所定距離離れた位置に外周部にそっ 装着し、また、カソード電極(蒸発源)とし 、所定組成のAl-Ti合金およびAl-Cr合金を配置 た。
(b)次に、装置内を排気して0.1Pa以下の真空に 持しながら、ヒータで装置内を500℃に加熱 た後、前記回転テーブル上で自転しながら 転する工具基体に-1000Vの直流バイアス電圧 印加し、かつAl-Ti合金からなるカソード電 とアノード電極との間に100Aの電流を流して ーク放電を発生させ、もって工具基体表面 ボンバード洗浄した。
(c)次に、装置内に反応ガスとして窒素ガスを 導入して4Paの反応雰囲気とすると共に、前記 回転テーブル上で自転しながら回転する工具 基体に-100Vの直流バイアス電圧を印加し、か 、上記Al-Ti合金からなるカソード電極(蒸発 )とアノード電極との間に120Aの電流を流し アーク放電を発生させ、前記工具基体の表 に、表5、表6に示される目標平均組成、目標 平均層厚の(Al,Ti)N層からなる下部層を蒸着形 した。
(d)次に、同じく4Paの窒素ガス雰囲気中で、前 記回転テーブル上で自転しながら回転する工 具基体に-100Vの直流バイアス電圧を印加し、 つ、上記Al-Cr合金からなるカソード電極(蒸 源)とアノード電極との間に120Aの電流を流 てアーク放電を発生させ、前記下部層の表 に、同じく表5、表6に示される目標平均組成 、目標平均層厚の(Al,Cr)N層からなる上部層(表 3、表5中で、(注)を付した中間層がこれに相 )を蒸着形成した。

 つぎに、上記の各種の被覆チップを、いず も工具鋼製バイトの先端部に固定治具にて ジ止めした状態で、本発明の被覆チップTx1~ Tx16と、それらとの比較のための被覆チップTy 1~Ty16について、
 被削材:JIS・S10Cの丸棒、
 切削速度: 230 m/min.、
 切り込み: 1.6 mm、
 送り: 0.45 mm/rev.、
 切削時間: 10 分、
の条件(切削条件A)での軟鋼の乾式高速連続高 送り切削加工試験(通常の切削速度、送りは それぞれ、150m/min.、0.3mm/rev.)を行った。また 、
 被削材:JIS・SUS304の長さ方向等間隔4本縦溝 り丸棒、
 切削速度: 270 m/min.、
 切り込み: 2.4 mm、
 送り: 0.3 mm/rev.、
 切削時間: 5 分、
の条件(切削条件B)でのステンレス鋼の湿式高 速断続高切込み切削加工試験(通常の切削速 、切込みは、それぞれ、180m/min.、1.5mm)を行 た。さらに、
 被削材:JIS・S55Cの丸棒、
 切削速度: 300 m/min.、
 切り込み: 1.5 mm、
 送り: 0.5 mm/rev.、
 切削時間: 10 分、
の条件(切削条件C)での炭素鋼の乾式高速連続 高送り切削加工試験(通常の切削速度、送り 、それぞれ、180m/min.、0.3mm/rev.)を行った。
 いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩 幅を測定した。この測定結果を表7に示した 。

 なお、被覆チップTy1~Ty10の上部層は、被覆 ップTx1~Tx16の中間層に相当する。

 なお、被覆チップTy1~Ty16の各切削条件にお る切削試験結果には、欠損が原因で使用寿 に至るまでの切削時間(分)を示す。

 原料粉末として、平均粒径:5.5μmを有する中 粗粒WC粉末、同0.8μmの微粒WC粉末、同1.3μmのTa C粉末、同1.2μmのNbC粉末、同1.2μmのZrC粉末、 2.3μmのCr 3 C 2 粉末、同1.5μmのVC粉末、同1.0μmの(Ti,W)C[質量 で、TiC/WC=50/50]粉末、および同1.8μmのCo粉末 用意し、これら原料粉末をそれぞれ表8に示 れる配合組成に配合し、さらにワックスを えてアセトン中で24時間ボールミル混合し 減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形状の 種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉 を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で 1370~1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、こ の温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結し 、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の工具基 形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3 の丸棒焼結体から、研削加工にて、表8に示 される組合せで、切刃部の直径×長さがそれ れ6mm×13mm、10mm×22mm、および20mm×45mmの寸法 並びにいずれもねじれ角30度の4枚刃スクエ 形状をもったWC基超硬合金製の工具基体(エ ドミル)C-1~C-8をそれぞれ製造した。

 ついで、これらの工具基体(エンドミル)C- 1~C-8の表面をアセトン中で超音波洗浄し、乾 した状態で、同じく図2および図3に示され アークイオンプレーティング装置に装入し 上記実施例1と同一の条件で、表9に示される 目標平均組成および目標平均層厚の(Al,Ti)N層 下部層として、同じく表9に示される目標平 均組成および目標平均層厚の(Al,Cr)N層を中間 として、同じく表9に示される目標平均組成 、目標平均層厚の(Al,Ti)N層を上部層として蒸 形成することにより、本発明の切削工具と ての表面被覆超硬製エンドミル(以下、被覆 エンドミルと云う)Ex1~Ex8をそれぞれ製造した

 比較の目的で、上記の工具基体(エンドミ ル)C-1~C-8の表面をアセトン中で超音波洗浄し 乾燥した状態で、同じく図2および図3に示 れる一つのカソード電極(蒸発源)を備えたア ークイオンプレーティング装置に装入し、上 記比較例1と同一の条件で、表10に示される目 標平均組成および目標平均層厚の(Al,Ti)N層か なる下部層、(Al,Cr)N層からなる上部層(本発 の中間層に相当)を蒸着することにより、比 較のための被覆工具としての表面被覆超硬製 エンドミル(以下、被覆エンドミルと云う)Ey1~ Ey8をそれぞれ製造した。

 つぎに、上記被覆エンドミルEx1~Ex8および被 覆エンドミルEy1~Ey8のうち、被覆エンドミルEx 1~Ex3および被覆エンドミルEy1~Ey3については、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ SUS304の板材、
 切削速度: 90 m/min.、
 溝深さ(切り込み): 4.5 mm、
 テーブル送り: 130 mm/分、
の条件でのステンレス鋼の乾式高速高切込み 溝切削加工試験(通常の切削速度および切り みは、それぞれ、50m/min.、3mm)を行った。
 被覆エンドミルEx4~Ex6および被覆エンドミル Ey4~Ey6については、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ S55Cの板材、
 切削速度: 150 m/min.、
 溝深さ(切り込み): 5 mm、
 テーブル送り: 380 mm/分、
の条件での炭素鋼の乾式高速高送り溝切削加 工試験(通常の切削速度および送りは、それ れ、100m/min.、240mm/分)を行った。
 被覆エンドミルEx7、Ex8および被覆エンドミ Ey7、Ey8については、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ S10Cの板材、
 切削速度: 160 m/min.、
 溝深さ(切り込み): 18 mm、
 テーブル送り: 250 mm/分、
の条件での軟鋼の乾式高速高切込み溝切削加 工試験(通常の切削速度および切り込みは、 れぞれ、100m/min.、12mm)を行った。
 いずれの高速溝切削加工試験でも切刃部の 周刃の逃げ面摩耗幅が使用寿命の目安とさ る0.1mmに至るまでの切削溝長を測定した。 の測定結果を表9、10にそれぞれ示した。

 なお、被覆エンドミルEy1~Ey8の上部層は、被 覆エンドミルEx1~Ex8の中間層に相当する。

 上記の実施例2で製造した直径が8mm(工具 体C-1~C-3形成用)、13mm(工具基体C-4~C-6形成用) および26mm(工具基体C-7、C-8形成用)の3種の丸 焼結体を用い、この3種の丸棒焼結体から、 研削加工にて、溝形成部の直径×長さがそれ れ4mm×13mm(工具基体D-1~D-3)、8mm×22mm(工具基体 D-4~D-6)、および16mm×45mm(工具基体D-7、D-8)の寸 、並びにいずれもねじれ角30度の2枚刃形状 もったWC基超硬合金製の工具基体(ドリル)D-1 ~D-8をそれぞれ製造した。

 ついで、これらの工具基体(ドリル)D-1~D-8 切刃に、ホーニングを施し、アセトン中で 音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2お よび図3に示されるアークイオンプレーティ グ装置に装入し、上記実施例1と同一の条件 、表12に示される目標平均組成および目標 均層厚の(Al,Ti)N層を下部層として、同じく表 11に示される目標平均組成および目標平均層 の(Al,Cr)N層を中間層として、同じく表11に示 される目標平均組成および目標平均層厚の(Al ,Ti)N層を上部層として蒸着形成することによ 、本発明の切削工具としての表面被覆超硬 ドリル(以下、被覆ドリルと云う)Dx1~Dx8をそ ぞれ製造した。

 比較の目的で、上記の工具基体(ドリル)D- 1~D-8の表面に、ホーニングを施し、アセトン で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく 2および図3に示されるアークイオンプレー ィング装置に装入し、上記比較例1と同一の 件で、表12に示される目標平均組成および 標平均層厚の(Al,Ti)N層を下部層として、同じ く表12に示される目標平均組成および目標平 層厚の(Al,Cr)N層からなる上部層(本発明の中 層に相当)を蒸着形成することにより、比較 のための切削工具としての比較表面被覆超硬 製ドリル(以下、被覆ドリルと云う)Dy1~Dy8をそ れぞれ製造した。

 つぎに、上記被覆ドリルDx1~Dx8および被覆ド リルDy1~Dy8のうち、被覆ドリルDx1~Dx3および被 ドリルDy1~Dy3については、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ S55Cの板材、
 切削速度: 150 m/min.、
 送り: 0.25 mm/rev、
 穴深さ: 8 mm、
の条件での炭素鋼の湿式高速高送り穴あけ切 削加工試験(通常の切削速度および送りは、 れぞれ、80m/min.、0.15mm)を行った。
 被覆ドリルDx4~Dx6および被覆ドリルDy4~Dy6に いては、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ S10Cの板材、
 切削速度: 130 m/min.、
 送り: 0.40 mm/rev、
 穴深さ: 15 mm、
の条件での軟鋼の湿式高速高送り穴あけ切削 加工試験(通常の切削速度および送りは、そ ぞれ、80m/min.、0.25mm)を行った。
 被覆ドリルDx7、Dx8および被覆ドリルDy7、Dy8 ついては、
 被削材-平面寸法:100mm×250mm、厚さ:50mmのJIS・ SUS304の板材、
 切削速度: 140 m/min.、
 送り: 0.35 mm/rev、
 穴深さ: 28 mm、
の条件でのステンレス鋼の湿式高速高送り穴 あけ切削加工試験(通常の切削速度および送 は、それぞれ、80m/min.、0.20mm)を行った。
 いずれの湿式高速穴あけ切削加工試験(水溶 性切削油使用)でも先端切刃面の逃げ面摩耗 が0.3mmに至るまでの穴あけ加工数を測定した 。この測定結果を表11、12にそれぞれ示した

 なお、被覆ドリルDy1~Dy8の上部層は、被覆ド リルDx1~Dx8の中間層に相当する。

 この結果得られた本発明の切削工具とし の被覆チップTx1~Tx16、被覆エンドミルEx1~Ex8 よび被覆ドリルDx1~Dx8の硬質被覆層の下部層 を構成する(Al,Ti)N層、中間層を構成する(Al,Cr) N層、上部層を構成する(Al,Ti)N層の組成、透過 型電子顕微鏡を用いてのエネルギー分散X線 析法により測定した。さらに、比較用の切 工具としての被覆チップTy1~Ty16、被覆エンド ミルEy1~Ey8および被覆ドリルDy1~Dy8の下部層を 成する(Al,Ti)N層、上部層(本発明の中間層に 当)を構成する(Al,Cr)N層の組成を、透過型電 顕微鏡を用いてのエネルギー分散X線分析法 により測定した。その測定によれば、それぞ れの目標組成と実質的に同じ組成を示した。

 また、上記本発明の切削工具および比較 の切削工具の硬質被覆層を構成する前記各 の平均層厚を、走査型電子顕微鏡を用いて 面測定したところ、いずれも目標層厚と実 的に同じ平均値(5ヶ所の平均値)を示した。

 表7、表9~12に示される結果から、本発明 切削工具においては、軟鋼やステンレス鋼 ような溶着性の高い被削材を、高い発熱を い、かつ、切刃に対して高負荷が作用する 速重切削条件で切削加工した場合でも、所 組成の(Al,Ti)N層からなる下部層が、すぐれた 高温硬さ、耐熱性および高温強度を有する。 所定組成の(Al,Cr)N層あるいは(Al,Cr,M)N層からな る中間層が、すぐれた高温硬さ、高温強度お よび高温耐酸化性を有する。さらに、層厚の 薄い(Al,Ti)N層からなる上部層が、中間層の耐 着性を損なうことなくすぐれた耐欠損性、 摩耗性を示し、硬質被覆層に摩耗、熱塑性 形が発生することはなく、しかも、被削材 切粉との溶着を発生することもなく、長期 亘ってすぐれた耐欠損性、耐摩耗性を発揮 る。これに対して、硬質被覆層が(Al,Ti)N層 らなる下部層、(Al,Cr)N層からなる上部層(本 明の中間層に相当)で構成された比較用の切 工具においては、高速重切削時に発生する 熱によって摩耗が進行しやすく耐摩耗性に るため、比較的短時間で使用寿命に至るこ が明らかである。

 上述のように、本発明の切削工具は、一 鋼や普通鋳鉄など通常条件での切削加工は 論のこと、軟鋼、ステンレス鋼などのよう 溶着性が高い被削材の切削加工を、高い発 を伴い、かつ、切刃に対して高負荷が作用 る高送り、高切り込みなど高速重切削条件 行った場合においても、長期に亘ってすぐ た切削性能を示す。したがって、切削加工 置のFA化、並びに切削加工の省力化および エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対 できる。

 本発明は、炭化タングステン基超硬合金ま は炭窒化チタン基サーメットで構成された 具基体の表面に、下記の複合窒化物層(a)~(c) で構成された硬質被覆層を備える切削工具に 関する。
(a)下部層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比 )を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物
(b)中間層として、0.5~5μmの平均層厚を有し、
  組成式:(Al 1-α Cr α )N
で表した場合、0.2≦α≦0.6(但し、α値は原子 )を満足する平均組成のAlとCrとの複合窒化 層
(c)上部層として、0.2~0.6μmの平均層厚を有し
 組成式:(Al 1-X Ti X )N
で表した場合、0.3≦X≦0.7(但し、X値は原子比 )を満足する平均組成のAlとTiとの複合窒化物
 本発明によれば、軟鋼、ステンレス鋼など ように溶着性が高い被削材の切削加工を、 い発熱を伴い、かつ、切刃に対して高負荷 作用する高送り、高切り込みなど高速重切 条件で行った場合にも、硬質被覆層がすぐ た耐欠損性と耐摩耗性を発揮する。