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Title:
DENTAL FLASK, PROCESS FOR PRODUCING RESIN DENTURE BASE, AND DENTURE BASE MOLDING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/020156
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a flask (900) comprising two machined half parts (91, 92) of the flask. Each half part of the flask comprises a flat inner face (911, 921), a concaved site (904) into which a resin pouring tube is fitted, a wide concaved site (912, 922) for a plaster mold, which is provided on the inner face and has a wide flat face (913, 923) having a predetermined depth, and a resin pouring hole (906) for communicating the fitting concaved site with the wide concaved site. The edge (915, 925) in the concaved site for the plaster mold in the flat inner face has three side faces (S1, S2, Sb) corresponding respectively to partial line segments of three sides in a triangle, and arc-shaped three corner parts (Ct, Cb1, Cb2) for connecting adjacent side faces. The two side faces (S1, S2) are inclined so as to widen from the corner part (Ct) on the resin pouring hole side toward the two other corner parts (Cb1, Cb2). The wide concaved site has a shape suitable for such a construction that a front tooth-side part of a denture base is disposed on the corner part side of the resin pouring hole side, and the throat-side part of the denture base is disposed on the two other corner part sides.

Inventors:
TANIMOTO HIDENOBU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064136
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
D C L TANIMOTO CO LTD (JP)
TANIMOTO HIDENOBU (JP)
International Classes:
A61C13/007; A61C11/00; A61C13/01; A61C13/16; A61C13/34
Domestic Patent References:
WO2006090952A12006-08-31
Foreign References:
JPS60160953A1985-08-22
JP3112146U2005-08-04
GB562410A1944-06-30
JPH0956732A1997-03-04
JPH06285870A1994-10-11
JP2000274405A2000-10-03
US2192902A1940-03-12
Attorney, Agent or Firm:
KAWAKAMI, Koji et al. (9th Floor Iriye,Building, 76-2, Kyo-machi,Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 34, JP)
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Claims:
 切削加工された2つのフラスコ半部からなる樹脂製義歯床製造用の歯科用フラスコであって、
 前記2つのフラスコ半部の各々は、
 平坦な内面と、
 前記2つのフラスコ半部の共通の平面を形成する一面に形成されていて、樹脂注入管が嵌合する嵌合凹所と、
 前記内面に形成されていて、所定の深さの広い平坦面を有する広い石膏モールド用凹所と、
 前記内面に形成されていて、前記嵌合凹所と前記石膏モールド用凹所とを連通させる注入開孔と、
を具え、
 前記2つのフラスコ半部の少なくとも一方は、前記嵌合凹所が位置する前記一面とは反対側の面に形成されていて、前記石膏モールド用凹所と連通する石膏注入用の開口を具え、
 前記2つのフラスコ半部の各々の前記平坦な内面における前記石膏モールド用凹所の端縁は、3角形の3辺の部分的線分にそれぞれ実質的に対応する3つの側辺と、前記3つの側辺のそれぞれの隣接する側辺をつなぐ弧状の3つの隅部とを有し、
 前記3つの側辺のうちの2つの側辺は、前記注入開孔側の前記隅部から、前記反対側の面側にある前記3つの隅部のうちの他の2つの隅部に向かって広がるように傾斜していることを特徴とする、樹脂製義歯床製造用の歯科用フラスコ。
 前記2つのフラスコ半部の各々は、前記石膏モールド用凹所における前記嵌合凹所側の前記隅部と前記嵌合凹所の間の領域及びその付近には、前記注入開孔以外には、前記注入開孔より大きい外径を有し前記石膏モールド用凹所又はその付近から前記嵌合凹所が位置する前記一面又はその付近に達する空洞が、実質的に存在しないことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用フラスコ。
 前記3つの側辺のうちの前記2つの側辺は前記反対側の面に対して55度~65度の角度をなすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科用フラスコ。
 前記注入開孔及び前記内面を通る前記石膏モールド用凹所の軸において、前記嵌合凹所側の前記隅部の前記軸上での位置から、前記軸に垂直な方向の前記石膏モールド用凹所の最大幅の前記軸上での位置までの距離は、前記軸方向の前記石膏モールド用凹所の高さの3分の2より大きく、
 前記内面を含む平面において、前記石膏モールド用凹所の前記軸から前記石膏モールド用凹所の側辺及び隅部までの前記垂直な方向の距離は、前記嵌合凹所側の前記隅部から前記石膏モールド用凹所の最大幅の位置に近づくに従って実質的に単調に増加することを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれかに記載の歯科用フラスコ。
 前記2つのフラスコ半部の一方が、前記石膏モールド用凹所を含む内側部材と、前記内側部材が嵌入可能な凹所を有する外側部材とからなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の歯科用フラスコ。
 前記内側部材は、前記石膏モールド用凹所とは反対側の前記内側部材の外面に形成された取り付け構造を有することを特徴とする、請求項5に記載の歯科用フラスコ。
 前記内側部材は、外面から前記石膏モールド用凹所の平坦面に達する貫通開口を有することを特徴とする、請求項5に記載の歯科用フラスコ。
 切削加工された第1と第2のフラスコ半部からなる樹脂製義歯床製造用の歯科用フラスコであって、
 前記第1のフラスコ半部は、内側に凹所を有する外側部材と、前記凹所内に嵌入可能な内側部材と、を有し、
 前記第1のフラスコ半部の前記内側部材は、内側に所定の深さの広い平坦面を有する第1の石膏モールド用凹所を有し、
 前記第2のフラスコ半部は、前記第1の石膏モールド用凹所と対をなし、内側に所定の深さの広い平坦面を有する第2の石膏モールド用凹所を有することを特徴とする、歯科用フラスコ。
 前記内側部材は、前記石膏モールド用凹所とは反対側の前記内側部材の外面に形成された咬合器への取り付け構造を有することを特徴とする、請求項8に記載の歯科用フラスコ。
 前記内側部材は、外面から前記石膏モールド用凹所の平坦面に達する貫通開口を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載の歯科用フラスコ。
 請求項1乃至10のいずれかに記載の歯科用フラスコを用いて樹脂製義歯床を製造する方法であって、
 前記石膏モールド用凹所における前記注入開孔側の前記隅部側に、義歯が配置された蝋義歯床の前歯側の部分を配置し、かつ前記石膏モールド用凹所における前記他の2つの隅部側に前記蝋義歯床の喉側の部分を配置することによって、前記歯科用フラスコ内の前記空間に前記蝋義歯床を配置し、
 前記石膏注入用の開口から前記蝋義歯床の周囲に石膏を配置して硬化させ、
 前記蝋義歯床を溶融させて排出して、空洞を有する石膏モールドを形成し、
 ドウ状樹脂の入った前記注入管を前記嵌合凹所に配置し、
 前記注入管内の前記ドウ状樹脂を加圧して、前記注入開孔を介して前記石膏モールド内の前記空洞に前記ドウ状樹脂を注入し、
 それによって、前記蝋義歯床の前歯側の部分に対応する厚い空洞部分から前記蝋義歯床の喉側の部分に対応する薄い空洞部分へと前記ドウ状樹脂を流入させて前記ドウ状樹脂で前記空洞を充填すること
を特徴とする、樹脂製床有義歯を製造する方法。
 請求項1乃至10のいずれかに記載の歯科用フラスコとともに用いられる義歯床成型装置であって、
 ピストンを収容し、前記ピストンによって区画された第1と第2の可変チャンバを内部に有するシリンダと、
 前記ピストンに連結されていて、前記歯科用フラスコ上に配置された樹脂注入管内のドウ状樹脂を前記歯科用フラスコの注入開口を通して前記歯科用フラスコ内に注入するための加圧ロッドと、
 加圧気体が供給される加圧気体取入れ口、前記シリンダの第1の可変チャンバに連通する第1の開口、第2の開口、及び外気に通じる外部開口を有する第1のバルブと、
 前記第1のバルブの前記第2の開口に連通する第3の開口、及び前記シリンダの第2の可変チャンバに連通する第4の開口を有し、前記3の開口と前記第4の開口の間の流路の流通度を調整可能な第2のバルブと、
を具え、
 前記加圧気体取入れ口と前記第2の開口の間の流路が開かれ、前記第3の開口と前記第4の開口の間の流路が開かれることによって、前記第2の可変チャンバに加圧気体を加圧充填し、
 前記加圧気体取入れ口と前記第1の開口の間の流路が開かれることによって前記第2の可変チャンバに加圧気体を加圧供給し、前記加圧気体が充填された前記第2の可変チャンバに連通する前記第4の開口と外気に通じる前記第3の開口との間の流路の流通度が調整されることによって、前記ピストンの移動速度を調整することができることを特徴とする、義歯床成型装置。
Description:
歯科用フラスコ、樹脂製義歯床 製造方法、及び義歯床成型装置

 本発明は、樹脂製義歯床を製造するのに いられる歯科用フラスコ、及びそのフラス を用いて樹脂製義歯床を製造する方法に関 る。

 樹脂製(レジン)の義歯床を作製するため は、先ず、患者の口腔内形状を表す石膏模 及びその上に取り付けた蝋(パラフィン等の ックス)製の咬合床を咬合器に配置し、咬合 床に合わせて蝋に人工歯(義歯)を配列し、仮 歯床が作製され、その仮床試適が行われる

 その後、2つの半部(ハーフ)からなる金属 歯科用フラスコを用意する。各フラスコ半 は、通常、キャスティングによって鋳造さ る。その後、金属製の歯科用フラスコの中 その仮床義歯を配置して、仮床義歯の周囲 未硬化の歯科用石膏を充填して硬化させて 膏型(モールド)を作製する。その際、未硬 石膏を、硬化後にフラスコ半部に対応した2 の型半部(モールド・ハーフ)に分離できる うにする。その後、2つのフラスコ半部を一 的に分離してその蝋製の仮床義歯を加熱溶 して排出する。それによって、フラスコ内 石膏型内に義歯床成型用の空洞を形成する

 義歯床材料用の樹脂には、典型的には、 温重合タイプのものと、加熱重合タイプの のと、熱可塑性タイプのものとがある。義 床材料として、例えばアクリル樹脂の粉末 アクリル酸エステルを、充分混合し、ドウ すなわち餅状化させた上で、樹脂注入管又 シリンダ容器に入れ、歯科用フラスコ内の 洞に加圧充填し、硬化させて樹脂製の義歯 を成形する。義歯床材料として、例えばポ カーボネートのような熱可塑性樹脂を、樹 注入管又はシリンダ容器に入れて、加熱し 融状態にして、歯科用フラスコ内の空洞に 圧充填し、硬化させて樹脂製の義歯床を成 する。

 従来、義歯床成型において、樹脂注入管 のドウ化した樹脂材料は油圧式の加圧ロッ によって歯科用フラスコ内の空洞に加圧充 される。

 公知の義歯床等の製造方法では、樹脂とし ポリカーボネートを使用する。これを加熱 化させておいてから、フラスコ内に形成さ た義歯床の石膏型内に圧入する。圧入され 樹脂は自然硬化し、義歯床が得られる。

特開平7-227400号公報

 義歯床成型装置に配置された従来の歯科 フラスコ内において、仮床義歯は、その奥 側すなわち喉側の薄い仮床部分がフラスコ 上側にあるドウ状樹脂の注入口側に配置さ 、その前歯側すなわち口側の仮床部分がフ スコの下側に配置される。そのフラスコに いて、その注入口上にドウ状樹脂を収容し 注入管を配置しその樹脂を下向きに加圧し その注入口を通して石膏モールド内の空洞 注入する。その樹脂は、その石膏モールド の2分岐スプールを通してその空洞に流入し 、その空洞では上側の薄い空洞部分から下側 の厚い空洞部分へと流入する。

 発明者の分析によれば、歯科用フラスコ に注入されたドウ状樹脂は、石膏モールド( 型)内の樹脂注入口付近の薄い又は狭い空洞 分において速く放熱して早く硬化する傾向 あり、下側の厚い又は広い空洞部分におい ゆっくり放熱して後で硬化する傾向がある

  発明の概要
 本発明の特徴によれば、樹脂製義歯床製造 のフラスコは切削加工された2つのフラスコ 半部からなる。その2つのフラスコ半部の各 は、平坦な内面と、その2つのフラスコ半部 共通の平面を形成する一面に形成されてい 、樹脂注入管が嵌合する嵌合凹所と、その 面に形成されていて、所定の深さの広い平 面を有する広い石膏モールド用凹所と、そ 内面に形成されていて、その嵌合凹所とそ 石膏モールド用凹所とを連通させる注入開 と、を具えている。その2つのフラスコ半部 の少なくとも一方は、その嵌合凹所が位置す るその一面とは反対側の面に形成されていて 、その石膏モールド用凹所と連通する石膏注 入用の開口を具えている。その2つのフラス 半部の各々のその平坦な内面におけるその 膏モールド用凹所の端縁は、3角形の3辺の部 分的線分にそれぞれ実質的に対応する3つの 辺と、その3つの側辺のそれぞれの隣接する 辺をつなぐ弧状の3つの隅部とを有する。そ の3つの側辺のうちの2つの側辺は、その注入 孔側のその隅部から、その反対側の面側に るその3つの隅部のうちの他の2つの隅部に かって広がるように傾斜している。それに って、その石膏モールド用凹所は、その注 開孔側のその隅部側に、義歯床の前歯側の 分を配置し、その反対側の面側にあるその の2つの隅部側に、その義歯床の喉側の部分 配置するのに適した形状を有する。

 実施形態において、その2つのフラスコ半 部の各々は、その石膏モールド用凹所におけ るその嵌合凹所側のその隅部とその嵌合凹所 の間の領域及びその付近には、その注入開孔 以外には、その注入開孔より大きい外径を有 しその石膏モールド用凹所又はその付近から その嵌合凹所が位置するその一面又はその付 近に達する空洞が実質的に存在しないよう構 成することができる。

 実施形態において、その3つの側辺のうち のその2つの側辺はその反対側の面に対して55 度~65度の角度をなすよう構成することができ る。

 実施形態において、その注入開孔及びそ 内面を通るその石膏モールド用凹所の中心 において、その嵌合凹所側のその隅部のそ 軸上での位置から、その軸に垂直な方向の の石膏モールド用凹所の最大幅のその軸上 の位置までの距離は、その軸方向のその石 モールド用凹所の高さの3分の2より大きく また、その内面を含む平面において、その 膏モールド用凹所の中心軸からその石膏モ ルド用凹所の側辺及び隅部までのその垂直 方向の距離は、その嵌合凹所側のその隅部 らその石膏モールド用凹所の最大幅の位置 近づくに従って実質的に単調に増加するよ 構成することができる。

 本発明のさらに別の特徴によれば、樹脂 義歯床製造用の歯科用フラスコは、切削加 された第1と第2のフラスコ半部からなる。 の第1のフラスコ半部は、内側に凹所を有す 外側部材と、その凹所内に嵌入可能な内側 材と、を有する。その第1のフラスコ半部の その内側部材は、内側に所定の深さの広い平 坦面を有する第1の石膏モールド用凹所を有 る。その第2のフラスコ半部は、その第1の石 膏モールド用凹所と対をなし、内側に所定の 深さの広い平坦面を有する第2の石膏モール 用凹所を有する。

 本発明の別の特徴によれば、上述のフラ コを用いて樹脂製義歯床を製造する方法は その石膏モールド用凹所におけるその注入 孔側のその隅部側に蝋義歯床の前歯側の部 を配置し、かつその石膏モールド用凹所に けるその他の2つの隅部側にその蝋義歯床の 喉側の部分を配置することによって、その歯 科用フラスコ内のその空間にその蝋義歯床を 配置し、その石膏注入用の開口からその蝋義 歯床の周囲に石膏を配置して硬化させ、その 蝋義歯床を溶融させて排出して、空洞を有す る石膏モールドを形成し、ドウ状樹脂の入っ たその注入管をその嵌合凹所に配置し、その 注入管内のそのドウ状樹脂を加圧して、その 注入開孔を介してその石膏モールド内のその 空洞にそのドウ状樹脂を注入し、それによっ て、その蝋義歯床の前歯側の部分に対応する 厚い空洞部分からその蝋義歯床の喉側の部分 に対応する薄い空洞部分へとそのドウ状樹脂 を流入させてそのドウ状樹脂でその空洞を充 填する。

 本発明の実施形態を、図面を参照して説 する。図面において、同様の構成要素には じ参照番号が付されている。

 発明者の分析によれば、歯科用フラスコ に注入されたドウ状樹脂は、石膏モールド( 型)内の樹脂注入口付近の薄い又は狭い空洞 分において速く放熱して早く硬化する傾向 あり、下側の厚い又は広い空洞部分におい ゆっくり放熱して後で硬化する傾向がある 従って、ドウ状樹脂の注入中に、注入口付 の薄い空洞部分において薄いドウ状樹脂が に硬化するので、その硬化部分によって、 で流入するドウ状樹脂の空洞内への流入が 止され、下側の厚い空洞部分では、充分な のドウ状樹脂が、充分な圧力で充填される となく、冷えて硬化する傾向がある。それ よって、完成した樹脂製義歯床に歪みが生 、その樹脂製義歯床の寸法形状の精度が低 なる傾向がある。従って、完成した義歯床 は有床義歯と患者の口腔内形状の適合性が くなる傾向がある。

 また、発明者の分析によれば、ドウ状樹 は、注入口を通って石膏内の2分岐スプール を通して流入して充填されるので、その2つ 分岐から薄い空洞部分の中央へ流れてその 央位置において出会って界面を形成する傾 がある。その界面では、樹脂の2つの部分の 合又は重合の度合いが低く、材料の密度が かに低く、それによって作製された有床義 を長年使用しているとその界面に沿って義 床が裂けて破断しやすい。

 さらに、フラスコ内の空洞形状は、ドウ 樹脂注入口付近に位置する上側の水平方向 空洞幅が広く、従ってフラスコの上側壁が 対的に薄くなり、逆に下側の水平方向の空 幅がより狭く、従ってフラスコの下側の側 がより厚い。従って、発明者の分析によれ 、フラスコ内へのドウ状樹脂の注入中に注 管内のドウ状樹脂に加えられる強い圧力が の薄いフラスコの上側壁に加わるので、そ 上側壁が不均一に歪む傾向がある。従って それがドウ状樹脂注入口付近の石膏部分に みを生じさせ、それによって石膏モールド の空洞形状に歪みが生じさせ、それによっ も、義歯床に内部応力及び歪みが生じ、完 した義歯床の精度が低くなる。

 さらに、咬合器の石膏模型上に形成され は再装着された人工歯付き仮義歯床は、咬 器から外されて、フラスコ内に配置して未 化の石膏に埋没させて石膏を硬化させる。 合状態を確認するために、人工歯付きの樹 製義歯床を咬合器の石膏模型上に再配置す ことは、完成した樹脂製義歯床の形状誤差 によって困難であることが多い。また、そ 再配置には余分な手間がかかる。

 発明者は、精度が高く耐久性の高い樹脂 義歯床を製造する必要があると認識した。

 本発明の目的は、より高い精度の樹脂製 歯床を作製することができる内部構造を有 るフラスコを実現することである。

 本発明の別の目的は樹脂製義歯床の作製 効率化できるフラスコを実現することであ 。

 本発明によれば、フラスコの内部形状配 によってより高い精度の樹脂製義歯床を作 することができる。

 図1は、義歯床成型器1及び歯科用フラス 900を用いた義歯床の成型の手順を示してい 。図2は、義歯床成型器1におけるエア配管及 び動作原理を示している。

 図1において、義歯床成型器1は、概略的 、クランプ部200、ドウ状レジン(樹脂)加圧注 入部300、エア流調整部400及びスイッチ制御部 500を具えている。構成要素300、400及び500の主 要部分は、ハウジング10内に収容されている

 歯科用フラスコ900は、2つのフラスコ半部 91及び92からなる。フラスコ900のフラスコ半 91と92は、互いに概ね面対称であり、それぞ の平坦な内面(図7、911、921)を互いに向かい わせに接触結合させ、その両者の貫通開口 通る例えばボルト及びナットのような固定 930によって互いに固定される。フラスコ900 、2つのフラスコ半部91及び92が結合される とによって、その内部に空洞が形成される

 義歯床を作製するときには、その結合の に、フラスコ半部91又は92の一方の凹所に未 硬化の石膏と仮床義歯を配置し、次いでフラ スコ半部91及び92を、内面を接触させて互い 結合させ、その空洞内の仮床義歯を包囲す ようにさらに泥状石膏を流し込み、石膏全 を硬化させる。石膏は、硬化後においてフ スコ半部91側の石膏モールド半部940とフラス コ半部92側の石膏モールド半部とに分割でき ように分離面が処理される。蝋製の仮床義 は、フラスコ半部92及び92を一時的に分離し て加熱溶融して排出させる。その仮床義歯が 溶融排出されることによって形成された空洞 部分又は隙間に、後で詳しく説明するように 、義歯床成型器1でドウ状レジンを加圧注入 て、義歯床を成型する。

 図2において、シリンダ320は断面図で示さ れている。義歯床成型器1において、外部の ンプレッサ又はガスボンベから加圧又は圧 されたエア又は空気又は不活性ガスの気体 、エア供給管600を介して圧力調節部400に供 され、さらにエア流調整部400からレジン加 注入部300に供給される。エア供給管600はバ ブ412の後の位置でエア供給管700へ分岐させ その気体は、エア供給管700を介してクラン 部200にも供給される。

 エア供給管600からの加圧又は圧縮気体は、 ィルタ・レギュレータ410を通り、バルブ420 おいて流路が決定され、分流されることも る。その1つの流路は、バルブ420から上側エ ア流通開口322を通してシリンダ320の上側チャ ンバS 1 への流路である。その別の流路は、バルブ420 からバルブ430を通り下側エア流通開口324を通 してシリンダ320のチャンバS 2 への流路である。バルブ420において設定され た流路に応じて、上側チャンバS 1 及び/又は下側チャンバS 2 内の加圧エアは、バルブ420において外気に排 出することができる。

 エア供給管700からのエアは、エア・シリ ダ210に供給され、そのピストン・ロッド220 よってフラスコ固定板222を押圧し、フラス 固定板222はフラスコ900の両側面を押圧して 定する。

 クランプ部200は、円筒状の左右2つのエア ・シリンダ210、エア・シリンダ210に取り付け られ水平往復運動可能なそれぞれのピストン 及びロッド220、及びフラスコ900の両側面と接 触する2つのフラスコ固定板222を具えている クランプ部200は、図示のようにフラスコ900 左右反対向きの両側面を加圧エアによって ランプすることによってフラスコ900を固定 る。クランプ部200の動作は、スイッチ制御 500によって制御される。

 レジン加圧注入部300は、クランプ部200の上 位置し、フラスコ900の上面に配置されたレ ン注入管100の真上に位置する。加圧ロッド3 10は、下降しながら所要の圧力でレジン注入 100に収容されたドウ状レジンをフラスコ900 部に注入する。ピストン312は、レジン注入 100の内径に対応する外径とその外径より薄 厚さとを有する円柱状である。ピストン312 び加圧ロッド310は、上側及び下側エア流通 口322及び324を通して上側チャンバS 1 及び/又は下側チャンバS 2 に供給されそのチャンバから排出されるエア の量及び圧力に応じて、対応する速度で下降 又は上昇する。ピストン312及び加圧ロッド100 は、上側チャンバS 1 におけるエア圧力が下側チャンバS 2 におけるエア圧力より大きい場合に下降し、 上側チャンバS 1 におけるエア圧力が下側チャンバS 2 におけるエア圧力より小さい場合に上昇する 。

 エア流調整部400は、ハウジング10の外部に 分的に露出した、フィルタ及びレギュレー 手段410、エア量調節及び流路切換用のバル 420及び下降速度調節用のバルブ430を具え、 らに、ガス圧力計416を具えている。エア流 整部400は、導管を通してレジン加圧注入部30 0に連結され、レジン加圧注入部300にエアを 給し及び/又はレジン加圧注入部300からエア 排出して、シリンダ320内のチャンバS 1 及びS 2 の圧力を調節する。

 フィルタ/レギュレータ410は、バルブ412及 びフィルタ414を具えている。バルブ412は、エ ア供給管600から供給されるエアの圧力を調節 する。圧力計416は、ハウジング10の外面に表 器を有し、エア供給管600から供給されるエ の圧力を表示する。この場合、バルブ412は レノイドにより電気的に動作する電磁式バ ブである。代替構成として、バルブ412は、 動式の開閉バルブであってもよい。フィル 414は、バルブ412の下側に脱着可能に結合さ ており、外部から供給される加圧気体中の 分を分離して、気体だけがレジン加圧注入 300に供給される。

 バルブ420は、フィルタ/レギュレータ410と 上側下側エア流通開口322及び324との間に導管 を介して結合され、フィルタ/レギュレータ41 0から供給されるエアの量を調節し、その調 されたエアをそれぞれシリンダ320の上側及 下側のエア流通開口322、324に分配する。バ ブ420は、同様にソレノイドによって開閉し の流路の開口度を調整する。代替構成とし 、バルブ420として複合開閉バルブ(複数のバ ブの組み合わせ)を用いてもよく、それは手 動式のものであってもよい。バルブ420は、さ らにエア流通開口322及び/又は324からのエア 外気へ排出するための排出口又は開口を有 る。バルブ420において、エア供給管600から エア流路を閉じ、その排出口を開くことに って、エア流通開口322及び/又は324からエア 外気中へ排出することもできる。

 バルブ430は、バルブ420の出口と下側エア流 開口324の間に連結されて配置され、シリン 320内のピストン312の下降速度を調節する。 側チャンバS 2 が完全に外気に通じた状態のとき、加圧エア がバルブ420から上側エア流通開口322を通して 上側チャンバS 1 に急激に大量に流入すると、加圧ロッド310は 高速で下降する。しかし、下側チャンバS 2 に加圧エアが充填されている状態でバルブ420 から上側チャンバS 1 に加圧エアを供給する一方で、バルブ430の流 路の流通度又は開口度を調整してバルブ430を 開いて下側チャンバS 2 から外気への流路を形成すると、バルブ430の 流路の流通度又は開口度に応じて、下側チャ ンバS 2 から加圧エアが徐々に排出され、上側及び下 側チャンバS 1 、S 2 内のエアのクッション(弾性)効果又はダンピ グ効果によって、加圧ロッド310の下降速度 低くすることができる。

 レジン加圧注入部300は、シリンダ320内に収 されていてシリンダ320の内面と周面が接触 た状態で垂直往復運動可能なピストン312と ピストン312に連結された加圧ロッド310と、 ストン312によって上下に分割され隔てられ 上側の可変チャンバ(室、空間)S 1 及び下側の可変チャンバS 2 と、チャンバS 1 及びS 2 にそれぞれ対応してシリンダ320の左側面の上 下部分に形成された上側エア流通開口322及び 下側エア流通開口324と、を具えている。上側 の可変チャンバS 1 は、主として加圧ロッド310に下降する力を与 えるためのものである。上側の可変チャンバ S 2 は、主として内部のエアのクッション作用に よって加圧ロッド310の下降速度を低くするた めのものである。

 スイッチ制御部500は、電源スイッチ510、 ルブ420用の流路設定及びエア量調整用の切 スイッチ530、及びバルブ430用の下降速度調 用の連続的又は多状態開口度可変切換スイ チ540を含んでいる。スイッチ制御部500は、 ランプ部200及びエア流調整部400の電磁バル と電気的に接続され、クランプ部200の駆動 レジン加圧注入部300の昇降速度及びエア流 整部400のエア圧力を制御する。代替構成と て、切換スイッチ530及び540は、非電気的な 動式のものであってもよい。バルブ430は、 動で開口度が調整可能なバルブであっても い。

 電源スイッチ510のオン/オフ動作によって 、外部電源からスイッチ530、540への給電が制 御される。電源スイッチ510のオン動作でクラ ンプ部200が駆動され、フラスコ900の両側面を 固定し、電源スイッチ510のオフ動作でフラス コ900の固定状態を解放する。

 初期状態では、ピストン312はシリンダ320内 最も上の位置をとり、上側チャンバS 1 の容積は最も小さく、下側チャンバS 2 の容積は最も大きい。従って、加圧ロッド310 も最も高い位置にある。バルブ420の流路及び その開口度は制御することができ、上側及び /又は下側エア流通開口322、324へのエアの流 及び供給量を制御することができる。

 初期状態では、下側チャンバS 2 に加圧エアが充填され、上側チャンバS 1 は外気に通じている。次いで、スイッチ530を 手動操作してスイッチ530に電気的に接続され たバルブ420を制御し、それによって上側チャ ンバS 1 から外気への流路を閉じ、バルブ412から下側 チャンバS 2 への流路を閉じ、下側チャンバS 2 から外気への流路を開き、バルブ412から上側 チャンバS 1 への流路を開き、加圧エアを上側チャンバS 1 に供給する。それによって、下側チャンバS 2 から外気へエアが排出されて、加圧ロッド310 に充分な下降圧力が加わり、シリンダ320及び 加圧ロッド310を降下させることができる。一 方、スイッチ540を手動操作してスイッチ540に 電気的に接続されたバルブ430の流路の開口度 を調整することによって、下側チャンバS 2 から外気への加圧エアの流出速度を調整する ことができ、それによって加圧ロッド310の下 降速度を低くするように調整することができ る。このように、上側チャンバS 1 への加圧エアの流入速度を調整せずに、下側 チャンバS 2 から外気へのエアの流出速度を調整すること によって、加圧ロッド310の下降動作を制御し やすくなり加圧動作も安定する。

 スイッチ540によってバルブ430の流路の開口 を調整して下側チャンバS 2 から外気への流路の開口度をより大きく調整 することによって、加圧ロッド310の下降速度 をより速くすることができる。下降速度を速 くするために、さらに、スイッチ530によって バルブ420の流路の開口度を調整してバルブ420 からエア流通開口322側への加圧エアの流入速 度をより大きくしてもよい。

 ピストン312及び加圧ロッド310が下降した後 上側チャンバS 1 を外気に開放してその加圧エアを外気に排出 し、下側チャンバS 2 に加圧エアを供給することによって、ピスト ン312を上に移動させて、初期状態に戻す。

 このように、スイッチ540によってバルブ4 30の開口度を可変に調整し、それによって粘 の異なる様々な特性のレジンに応じた適切 注入圧力と注入速度を、ピストン312及び加 ロッド310に与えることができる。また、ピ トン作動媒体として気体を用いることによ て、気体のクッション作用によって、充填 のドウ状レジンに歪みや過度な内部応力が じるのを防止できる。それによって、完成 た樹脂製義歯床の形状精度及び安定性を高 することができる。

 図3Aは、手動式バルブ420及び430とシリン 320の間の配管の別の例を示している。バル 420は、手動スイッチ530の設定位置によって エア供給管600、上側エア流通開口322、バル 430、排出口422の間の連通関係又は流路が切 換えられる。手動スイッチ530は複数のバル 切換器であってもよい。バルブ430は、その 路の流通度又は開口度に応じてバルブ420と 側エア流通開口324の間を適度に連通させ、 動で回転輪(ハンドル)によって開口度が0%~100 %まで調整される。

 図3Bは、バルブ420と430の配置及び構成の例 示している。バルブ420は、バルブ412に連通 ていて加圧気体が供給される加圧気体取入 口423、可変チャンバS 1 の上側エア流通開口322に連通する開口424、バ ルブ430に連通する開口425、及び外気に通じる 外部開口422を有する。開口412と424の間にはバ ルブ420aが配置されている。開口412と425の間 はバルブ420bが配置されている。開口424と422 間にはバルブ420cが配置されている。開口425 と422の間にはバルブ420dが配置されている。 ルブ430は、バルブ420の開口425に連通する開 432、及び可変チャンバS 2 の下側エア流通開口324に連通する開口434を有 し、開口432と開口434の間の流路の流通度又は 開口度を調整することができる。

 次に、義歯床成型器1の使用法を説明する 。ユーザは、レジン注入管100の底面に薄い円 形のアルミ板又はシートを当ててそのレジン 注入管100を溶解炉800に配置し、レジン注入管 100内に粉末レジンを収容する。次に、使用者 は、溶解炉800の電源を投入し、レジン注入管 100内のレジンを融解させ、レジン注入管100の 開口底面をアルミ板で塞いた状態のままフラ スコ900上面の凹所に嵌合させ、クランプ部200 の2つの固定板222の間にフラスコ900を配置し 電源スイッチ510を入れる。その際、フラス 900上に配置されたレンジ注入管100を加圧ロ ド310の下端面に位置合わせして配置する。 いで、ユーザは、エア供給管600及び700を通 てエア流調整部400及びクランプ部200にそれ れ連結されたエア・コンプレッサ(図示せず) を作動させて、加圧エアを供給する。

 次いで、クランプ部200の固定板222が、エ 供給管700を通して流入したエアによってフ スコ900の両側面に接触してフラスコ900を固 する。使用者は、圧力計416で加圧エアの圧 を確認しながら、スイッチ530及び540でバル 420及び430(特にバルブ430)の開口度を調節し 、レジン加圧注入部300の加圧ロッド310を下 させる。

 加圧ロッド310は、一定速度で下降しなが 一定の圧力でレジン注入管100内に収容され ドウ状レジンRを、フラスコ900上面の開孔を 通してフラスコ900内の石膏内の空洞に流入さ せて充填する。ドウ状レジンはレジン注入管 100の底面に配置した薄いアルミ板を突き破っ て流入する。空洞内のレジンの硬化後、使用 者は固定具930を外して、フラスコ半部91及び9 2の結合を開放し、フラスコ900から成型が完 した樹脂製義歯床を分離し、それによって 歯床の成型が完了する。

 表1は、義歯床材料の種類、ピストン圧力 、バルブ開口度、所定の距離(例、13cm)におけ るピストン下降時間又は速度の間の最適な関 係の例を示している。

 義歯床成型器1を用いると、義歯床材料の 種類に応じて、バルブ412、530及び430、特にバ ルブ430を電気的に又は手動で可変に制御する ことによって、ピストン310の下降圧力及び下 降速度を最適な条件に調整することができる 。

 図4A及び4Bは、従来のフラスコ900’の、患 者の上顎側のフラスコ半部91’の内部形状と その反対の舌側のフラスコ半部92’の内部 状とを示している。フラスコ半部91’及び92 はそれぞれ鋳物として成型によって作製さ 、従って、フラスコ半部91’及び92’の外面 、内面及び内部の壁面の表面は滑らかでなく 粗い。

 フラスコ900’のフラスコ半部91’及び92’ は、泥状石膏注入用の開口902’、レジン注入 管100の底部が嵌入される凹所904’、ドウ状レ ジン注入用の開孔906’、空気抜き及び液体排 出のための開孔908’、及びフラスコ半部91’ び92’を固定するための4つの貫通開孔932’ 具えている。フラスコ半部91’は、石膏を 容するための概ね所定の深さの大きい石膏 ールド用凹所912’を嵌合側の内面に有する フラスコ半部92’は、石膏モールドを収容す るための概ね所定の深さの大きい石膏モール ド用凹所922’を嵌合側の内面に有する。石膏 モールド用凹所922’の内面には、舌状の丘状 部が形成されている。フラスコ半部91’の2つ の嵌合凹所934’は、フラスコ半部92’の嵌合 部935’と嵌合する。フラスコ半部91’及び92 ’の内面が互いに対面接触することによって 、内部に石膏全体を収容するための空洞空間 が形成される。

 石膏モールド用凹所912’及び922’は、凹 904’付近の上側が左右に幅広く形成され(水 平破線矢印の長さ)、凹所904’とは反対側に るその下側が左右に幾分狭く形成されてい (水平破線矢印の長さ)。それによって、樹脂 製義歯床の口腔内の喉側又は奥歯(左右2列の 歯の間の顎)側の薄い部分が凹所904’側に配 置され、樹脂製義歯床の口腔内の口側又は前 歯側の厚い部分が凹所904’とは反対側に配置 される。

 図5及び6は、義歯床成型器1においてレジ 注入管100から固定されたフラスコ900’内の 膏モールド半部940’内の空洞又は隙間980’ ドウ状レジンRが注入される様子を示してい る。ここで、図5は、フラスコ900’内の状態 、フラスコ半部92’を外してフラスコ半部91 の内面を見る形で示している。図6は、フラ スコ900’内の状態を、フラスコ半部91’の内 に対して垂直な断面VI-VIに沿って切断した 態のフラスコ900’の断面図として示してい 。図5及び6において、ドウ状レジンRの流れ 矢印で示されている。

 従来のフラスコ900’では、ドウ状レジンR は、レジン注入管100から硬化石膏モールド半 部940’及び950’内に形成された2つの分岐流 (スプール)を通って左右に分流し、石膏内の 空洞980’の上側の薄い隙間を通って下向きに 流れ、石膏内の空洞980’の下側の厚い隙間へ と達する。上側の薄い狭い隙間は、樹脂製義 歯床981’の口腔内の喉側又は奥歯(左右2列の 歯の間の顎)側の薄い部分に対応する。下側 の厚い広い隙間は、樹脂製義歯床981’の口腔 内の口側又は前歯側の厚い部分に対応する。

 発明者は、ドウ状レジンRが、石膏モール ド半部940’及び950’内におけるドウ状レジン 注入開孔906’付近の薄い空洞部分において速 く放熱して早く硬化する傾向があり、下側の 厚い空洞部分においてゆっくり放熱して後で 硬化する傾向があること、を発見した。従っ て、ドウ状レジンの注入の期間において、注 入開孔906’付近の薄い空洞部分においてドウ 状レジンRが先に硬化するので、その硬化し レジンによって、後で注入されたドウ状レ ンRの空洞内への流入が阻止され、下側の厚 空洞部分では、充分な量のドウ状レジンが 充分な圧力で充填されずに、時間経過とと に硬化する傾向がある。それによって、下 の厚い空洞部分におけるレジンの量的不足 び加圧不足によって、成型された義歯床に みや過度な内部応力が生じ、表面状態が乱 て粗くなり、義歯床の精度が低くなる。従 て、完成した義歯床と患者の口腔内形状の 合性が低くなる。

 また、石膏モールド半部940’内の左右2つ の分岐流路を通して流入して充填されたドウ 状レジンは、薄い空洞部分の中央の位置で出 会って破線で示されたような界面を形成し、 その界面ではレジンの左右の部分の融合、重 合又は交絡の度合いが低く、材料の密度が幾 分低く、それによって作製された有床義歯を 長年使用しているとその界面の位置で破断し やすくなる。

 さらに、フラスコ900’内の空洞980’の寸 形状は、ドウ状レジン注入開孔906’付近に 置する上側の水平方向(左右)の空洞幅が広 、従って、垂直方向の双頭の実線矢印で示 れているように、フラスコ900’の上側壁が く、下側の空洞幅がより狭く、従って空洞 側のフラスコ側壁がより厚い。従って、フ スコ900’内にドウ状レジンRを注入している 間において、シリンダ容器内のドウ状レジ Rに加えられる圧力Fが上側のその薄いフラ コ上側壁に集中的に加わるので、2つの開口9 02’の間にある上側のフラスコ壁のドウ状レ ン注入開孔906’付近のフラスコ壁部分に強 圧力Fが加わって、フラスコ上側壁が不均一 に歪む。従って、それがドウ状レジン注入開 孔906’付近の石膏部分に歪みを生じさせ、そ れによって空洞980’の寸法形状に歪みが生じ 、それによっても、樹脂製義歯床に内部応力 及び歪みが生じ、義歯床の精度が低くなる。

 図7A及び7Bは、本発明の実施形態によるフ ラスコ900の、患者の上顎又は下顎側のフラス コ半部91の内部形状と、その反対の舌側のフ スコ半部92の内部形状とを示す、フラスコ 部91、92の側面図である。図8は、互いに分離 した状態の2つのフラスコ半部91及び92の斜視 を示している。フフラスコ半部91及び92は、 直方体状の金属製(例えばステンレス鋼製)ブ ック(バルク)を工作機械及び工具を用いて 削又は切り出すことによって加工され、従 て、加工後の内外表面、特に内面及び内部 壁面の表面は滑らかで、寸法形状の精度が 常に高い。

 フラスコ900のフラスコ半部91及び92は、2 のフラスコ半部91及び92にまたがる共通の下 面901側に互いに隔てて配置された石膏注入 の2つの開口902、2つのフラスコ半部91及び92 またがる共通の上側面903側にレジン注入管1 00の底部が嵌入される円形又は円柱状(それぞ れは半円形状)の嵌合凹所904、フラスコ半部91 及び92の内面911、921に形成されたドウ状レジ 注入用の開孔906、及びフラスコ半部91及び92 を固定するための4つの貫通開孔932を具えて る。上側の2つの貫通開孔932の間隔は下側の2 つの貫通開孔932の間隔より狭い。

 フラスコ半部91の接合側の内面911には広 石膏モールド用凹所912が形成されており、 の凹所912は、石膏モールドを収容するため 空間を形成し所定の深さの(例、21mm)広い平 面913を有する。フラスコ半部92の嵌合側の内 面921には広い石膏モールド用凹所922が形成さ れており、その凹所922は石膏モールドを収容 するための空間を形成し所定の深さの(例、21 mm)広い平坦面923を有する。石膏モールド用凹 所912、922は、周側面914、924における上側の隅 部Ctにおいて開孔906を通して凹所904と連通し 下側の2つの隅部Cb1、Cb2において2つの開口90 2と連通する。

 平坦な内面911及び921における石膏モール 用凹所912、922の各端縁915、925は、2等辺3角 の3辺の中央の部分的線分にそれぞれ実質的 対応する3つの側辺S1、S2、Sbと、その3つの 辺のそれぞれの隣接する各2側辺の間に位置 その3つの側辺のそれぞれの隣接する各2側 をつなぐ弧状(アーチ状)の3つの隅部Ct、Cb1、 Cb2とを有する。また、石膏モールド用凹所912 、922の各々の奥の底面にある広い平坦面913、 923は、滑らかで平坦であり、同様に、2等辺3 形の3辺の中央の部分的線分にそれぞれ実質 的に対応する3つの側辺S1、S2、Sbと、その3つ 側辺のそれぞれの隣接する各2側辺の間に位 置しその3つの側辺のそれぞれの隣接する各2 辺をつなぐ弧状の3つの隅部Ct、Cb1、Cb2とを する。換言すれば、2つの石膏モールド用凹 所912及び922によって形成される空間は概略三 角おにぎり(おむすび)型の形状を有し、平坦 913、923は、3頂点又は3頂部が丸められた概 三角形状の輪郭端縁915及び925を有する。そ 3つの側辺のうちの2つの側辺S1、S2は、レジ 注入開孔906側の隅部Ctから、その反対側にあ る開口902側にある他の2つの隅部Cb1、Cb2に向 って、広がるように傾斜している。その2つ 側辺S1、S2の傾斜角度θは55度~65度(例、60度) 範囲内の角度であることが好ましい。石膏 ールド用凹所912、922の周側面914、924は、奥 底面913、923から接合内面911、921側に向けて がるように僅かに傾斜し、内面911、921に垂 な方向に対して約5度~9度だけ(例、傾斜角7 )傾斜している。従って、図7A及び7Bの側面図 において、内面911、921側からは傾斜した周側 面914、924が見える。

 フラスコ半部91の2つの嵌合凹所934は、フ スコ半部92の2つの嵌合突部935と嵌合し、そ によってフラスコ半部91及び92の2つの石膏 ールド用凹所912、922が正確に位置合わせさ る。フラスコ半部91及び92の内面911、921が互 に対面接触することによって、2つの石膏モ ールド用凹所912及び922によってフラスコ900の 内部に石膏モールド全体を収容するための大 きい空洞空間が形成される。フラスコ半部91 び92は、2つの嵌合凹所934及び嵌合突部935が なる以外は、実質的に同じ寸法形状を有す 。

 石膏モールド用凹所912、922は、円形状凹 904側の水平方向Hの幅が左右に狭く形成され 、凹所904とは反対側の水平方向Hの幅が左右 幅広く形成されている。それによって、石 モールド用凹所912及び922は、樹脂製義歯床98 1の口腔内の口側又は前歯側の厚い部分が凹 904側に配置され、義歯床981の口腔内の喉側 は奥歯(左右2列の奥歯の間の顎)側の薄い部 が凹所904とは反対側に配置されるのに適し 形状を有する。

 図9は、フラスコ半部91及び92の各々の寸 を示している。図9において、各フラスコ半 91、92は、高さLv=90~110mm(例、100mm)、横幅Lh=95~ 115mm(例、105mm)、厚さLd=30~40mm(例、35mm)(図11)の 法を有する。従って、フラスコ900は、高さL v=90~110mm(例、100mm)、横幅Lh=95~115mm(例、105mm)、 さ2Ld=60~80mm(例、70mm)の寸法の外形を有する フラスコ半部91及び92の各々における石膏モ ルド用凹所912、922は、深さMd=19~23mm(例、21mm) (図11)、高さMv=67~83mm(例、75mm)、横幅Mh=90~110mm( 、100mm)の寸法を有する。従って、フラスコ9 00の内部に、高さLv=90~110mm(例、100mm)、横幅Lh=9 5~115mm(例、105mm)、厚さ2Ld=60~80mm(例、70mm)の寸 の空洞空間が形成される。

 フラスコ900の上側面903における円形状凹 904は、直径(内径)Rd=30~38mm(例、34mm)、及び深 Rh=4~6mm(例、5mm)の寸法を有する。フラスコ900 のレジン注入用の開孔906は、直径(内径)Pd=8~12 mm(例、10mm)、及び長さPh=8~12mm(例、10mm)の寸法 有する。フラスコ900の石膏注入用の開口902 、直径Ad=8~17mm(例、一方(隅部Cb1側)が10mm、他 方(隅部Cb2側)が15mm)、及び長さ10~15mm(例、13mm) 寸法を有する。

 石膏モールド用凹所912、922における頂部 凹所904側の隅部Ctの壁面(914、924)の曲面は、 フラスコ半部91及び92の内面911、921に平行な 面(断面)上において概ね円弧状又はアーチ状 である。凹所912、922における底部にある他の 2つの隅部Cb1、Cb2における壁面(914、924)の曲面 も、内面911、921に平行な各面(断面)上におい 概ね円弧状又はアーチ状である。凹所912、9 22の周側面914、924における、内面911、921に平 な各平面上の2つの側辺S1、S2は、傾斜角θ=55 ~65度(例、60度)を有する。

 石膏モールド用凹所912、922全体がレジン 入用の開孔906の下にあり、即ち凹所912、922 周側面は開孔906の下端部の高さより上には 在しない。石膏モールド用凹所912、922の凹 904側の隅部Ct(壁面)の円弧状の曲面と凹所904 の間の領域及びその近傍領域には、レジン注 入開孔906以外には、凹所912、922及び/又はそ 付近からフラスコ900の上側面903及び/又はそ 付近に到達する空洞が実質的に存在しない とが好ましく、特に、レジン注入開孔906よ 大きい外径を有するそのような空洞が実質 に存在しないことが好ましい。

 図9において、水平方向Hは、開口902側の ラスコ900の下側面901と内面911、921の交線と 行である。下側面901及び水平方向Hに対して 直な 凹所912、922の中心軸Cvは、レジン注入 開孔906の中心軸と内面911、921を含む平面とを 通る。垂直な中心軸Cv上において、隅部Ctの 置から 凹所912、922の水平方向Hの最大幅Mhの 位置xまでの距離Thは、凹所912、922の高さMvの2 分の1より大きく、好ましくは3分の2より大き い(例、4分の3)。内面911、921を含む平面にお て、中心軸Cv上の距離Thの範囲では、石膏モ ルド用凹所912、922の中心軸Cvから、凹所912 922の側辺S1、S2及び隅部Ct、Cb1、Cb2までの(水 方向Hの)距離Dは、凹所904側の隅部Ctから水 方向Hの最大幅Mhの位置Xに近づくに従って実 的に単調に増加する。

 図10及び11は、義歯床成型器1においてレ ン注入管100から固定されたフラスコ900内の 膏モールド半部940内の空洞又は隙間980にド 状レジンRが注入される様子を示している。 こで、図10は、フラスコ900内の状態を、フ スコ半部92を外してフラスコ半部91の内面911 見る形で示している。図11は、フラスコ900 の状態を、フラスコ半部91の内面911に対して 垂直な断面XI-XIに沿って切断した状態のフラ コ900の断面図として示している。図10、11に おいて、ドウ状レジンRの流れが矢印で示さ ている。

 本発明の実施形態によるフラスコ900では ドウ状レジンRは、レジン注入管100からレジ ン注入開孔906を通りさらにそれらと同軸的な 硬化石膏モールド940及び950内に形成された1 の中央の流路907を通って流れ、石膏内の空 980の上側の厚い隙間を通って下向きに流れ 石膏内の空洞980の下側の薄い隙間へと達す 。上側の厚い広い隙間は、樹脂製義歯床981 口腔内の口側又は前歯側の厚い部分に対応 る。下側の厚い広い隙間は、樹脂製義歯床98 1の口腔内の喉側又は奥歯(左右2列の奥歯の間 の顎)側の薄い部分に対応する。

 ドウ状レジンRは、石膏モールド半部940及 び950内における下側の(ドウ状レジン注入開 906と反対側にある)薄い空洞部分において速 放熱して早く硬化し、ドウ状レジン注入開 906付近の上側の厚い空洞部分においてゆっ り放熱して後で硬化する傾向がある。従っ 、その下側の薄い空洞部分においてドウ状 ジンRが先に硬化する前に、ドウ状レジンR 下側の薄い空洞部分へ充分な量、充分な圧 で流入し、下側の薄い空洞部分は、充分な のドウ状レジンRが短時間で充分な量充填さ て充分に加圧された状態で硬化する。また 上側の厚い空洞部分にも、後で注入された ウ状レジンRが、充分な量、充分な圧力で充 填され遅く後で硬化する。それによって、成 型された義歯床に歪みや過大な内部応力が生 じにくく、その表面が乱れて粗くなることも なく、義歯床の精度が高くなる。従って、完 成した義歯床と患者の口腔内形状の適合性が 高くなる。

 また、石膏モールド(940及び950)内の中央 流路907を通して流入して充填されたドウ状 ジンRは、空洞980の下側へ円滑に比較的速く れ、石膏モールドの空洞の下側から上側へ 順次に密に充填され、従来のように義歯床 内部中央に界面を形成することがなく、そ 薄い部分で容易に破断することがない。

 さらに、フラスコ900内部の空洞980の寸法 状は、ドウ状レジン注入開孔906付近に位置 る上側の水平方向(左右)の空洞幅がより狭 、従って、双頭の矢印で示されているよう 、フラスコ上側壁が厚い。また、下側の水 方向の空洞幅がより広く、従って、下側の 右のフラスコ側壁がより狭い。従って、フ スコ900内にドウ状レジンRを注入している期 において、レジン注入管100内のドウ状レジ Rに圧力Fが加えられ、それによってレジン 入開孔906付近のフラスコ壁の部分に強い圧 Fが加わっても、フラスコ900のフラスコ上側 が不所望な形で歪むことがない。従って、 れによってレジン注入開孔906付近に位置す 石膏部分に歪みが生じることがなく、成型 れる樹脂製義歯床に歪みが生じることがな 、義歯床の精度が高くなる。

 図16は通常の咬合器800の例の概略的構成 示している。咬合器800は、支柱802、ヒンジ80 4を介して支柱802に回転可能に取り付けられ 上顎弓805、上顎弓805に取り付けられた切歯 ン808、従来の取り付け部材810を上顎弓805に 定する雄ネジを有する固定ネジ806、下顎弓80 7上の基部821によって支持された咬合平面板82 0を具えている。上顎弓805は取り付け部材810 凹所に嵌合する嵌合突部824を有する。取り け部材810は、その底面に環状の永久磁石が 定されていて、石膏を固定するための鉄製 金具812を磁力で固定する。

 図17Aは、仮床義歯981を作成するために、 合床978を取り付けた石膏模型941を用いて通 の取り付け部材810を咬合器800に取り付けた 態を示している。図17Bは、人工歯付きの蝋 の仮床義歯981を配置した石膏模型941が取り けられた取り付け部材810を咬合器800に固定 た状態を示している。

 図17Aを参照すると、仮床義歯981を作成す ために、咬合床978付きの上顎の石膏模型941 上部に金具812を埋め込んだ石膏部分を形成 る。次いで、石膏模型941の金具812を取り付 部材810の永久磁石に固定し、咬合床978を咬 平面板820の上に載せて、石膏模型941を固定 た取り付け部材810を咬合器800の上顎弓805に 定ネジ806で固定する。次に、図17Bに示され いるように、咬合床978の形状に合わせてそ 蝋に人工歯を配列し上側の蝋製の仮床義歯9 81(図17B)を作製する(図示せず)。咬合床付きの 下顎の石膏模型も、咬合器の下部に取り付け て、同様に、人工歯を配列し下側の蝋製の仮 床義歯を作製する。その後、上側の仮床義歯 981は石膏模型941から分離される。同様に、下 側の仮床義歯も石膏模型から分離される。

 分離された上側の仮床義歯981はフラスコ に配置されて蝋製スプールが付加され未硬 の石膏中に埋め込まれる。同様に、下側の 床義歯も、別のフラスコに埋め込まれ、義 床成形器を用いて樹脂製の義歯床が作製さ る。

 完成した義歯床981の適合性を確認するた に、義歯床981を図18Bの石膏模型941上に再び 定するのは手間がかかり、その配置には誤 が生じやすい。

 発明者は、石膏模型を通常の取り付け部 に固定する代わりに、石膏模型をフラスコ 一部を構成する内側部材の凹所に固定すれ 、仮床義歯をフラスコ半部内に固定する作 が不要になり、石膏模型をそのまま石膏モ ルド半部の一部として使用することができ 石膏モールド半部の形状の精度を高くする とができる、と認識した。また、発明者は 石膏模型上に完成した義歯床が固定された 側部材を咬合器に再び設定することによっ 、完成した義歯床の咬合適合性を高い精度 簡単に確認することができる、と認識した

 図12A及び12Bは、図7A、7B及び8のフラスコ90 0の変形形態を示しており、本発明の別の実 形態によるフラスコ900bの、患者の上顎又は 顎側のフラスコ半部93の内部形状と、その 対側の舌側のフラスコ半部92の内部形状とを 示す、フラスコ半部93、92の側面図である。 の場合、フラスコ半部93は、図7Aのフラスコ 部91の変形である。図12Bのフラスコ半部92は 、図7Bのものと同様である。

 図12Aにおいて、フラスコ半部93は、図7Aの フラスコ半部91のものと同じ石膏モールド用 所912を有する内側部材917と、内側部材917を 入させて収容する外側部材910とに分離され いる。外側部材910及び内側部材917も切削加 によって形成される。内側部材917は、内面 対して概ね所定の厚さを有し、好ましくは5 mm~8mmの厚さ、例えば6mmの厚さを有する。内側 部材917を外側部材910の凹所に嵌入させると、 内側部材917の外面は外側部材910の凹所内面に 実質的に密着し、それによって高温の溶融樹 脂の放熱のための良好な熱結合が得られ、フ ラスコ半部93は図7Aのフラスコ半部91と同様に 扱える。但し、泥状石膏注入用の開口902は、 フラスコ半部91にのみ形成されており、フラ コ半部93には形成されていない。フラスコ 部91のみの2つの開口902だけでも泥状石膏注 には充分である。内側部材917は、外側部材91 0から分離されて、咬合器に取り付けられる う適合化されている。

 図13Aは、フラスコ半部93の外側部材910の 部形状を示す外側部材910の側面図である。 13Bは、図13Aの線XIIIB-XIIIBに沿った外側部材910 の断面図である。

 外側部材910は、その主要底面943が、内側 材917の石膏モールド用凹所912の底面913から 定の距離だけ深い位置にあり、例えば6mmだ 深く、その周側面944が、石膏モールド用凹 912の周側面914から所定の距離、例えば6mmだ 外側に位置する。周側面944は、周側面914と 様に、底面943から接合内面911側に向けて広 るように僅かに傾斜し、内面911に垂直な方 に対して約5度~9度だけ(例、傾斜角7度)傾斜 ている。外側部材910の底面943の中央には円 形状の凹所946が形成されている。凹所946の 面は、底面943より所定の距離だけ深い位置 あり、好ましくは2mm~4mm、例えば3mmだけ深い 位置にある。

 図14A、14B、14C及び14Dは、それぞれ、フラ コ半部93の内側部材917の内面側から見た側 図、右側の側面図、上面図及び背面図を示 ている。

 内側部材917は、その壁の厚さが、内部底 913及び内部周側面914から所定の厚さ、例え 6mmの厚さを有する。内側部材917は、平坦な 部主要背面919を有し、外周側面918は、平坦 外部背面919から接合内面941側に向けて広が ように僅かに傾斜し、内面941に垂直な方向 対して約5度~9度だけ(例、傾斜角7度)傾斜し いる。

 内側部材917は、背面919の中央に、咬合器 取り付けるための所定の高さ、好ましくは2 mm~4mm、例えば3mmの丘状の概ね平坦な円柱形状 の取り付け部947を有する。但し、取り付け部 947は、背面919から突出していなくてもよく、 取り付け部947の背面949の高さは背面919と同じ 高さであってもよい。内側部材917には、円形 状の取り付け部947の概ね中央に咬合器の固定 用雄ネジに取り付けるための所定の深さの雌 ネジ凹所962が形成されており、取り付け部947 の雌ネジ凹所962の上側と下側には咬合器の嵌 合突部と嵌合する円柱状の2つの嵌合凹所964 形成されている。内側部材917には、取り付 部947の中央の雌ネジ凹所962の右側と左側に 面949から内側部材917の内部底面913まで貫通 る2つの開口966が形成されている。開口966は 好ましくは雌ネジが形成されており、石膏 型を内側部材917に固定し支持する雄ネジ(ボ ルト)を通す。内側部材917の内面941は、外側 材910の凹所942に嵌入されると、内面911と同 平面をなす。内側部材917は、平坦な外部背 919と円筒状の外部周側面918で形成される円 端縁が面取りされていてもよく、その取り け部947の平坦背面949と円筒状の外部周側面94 8とで形成される円形端縁が面取りされてい もよい。

 図15は、互いに分離した状態の2つのフラ コ半部93及び92の斜視図を示している。内側 部材917は外側部材910から分離した形で示され ている。次に、内側部材917の使用のしかたを 説明する。

 図18Aは、咬合床978を取り付けた石膏模型9 42が取り付けられた図14A~14Cの内側部材917を咬 合器800に固定した状態を示している。図18Bは 、人工歯付きの蝋製の仮床義歯981又は人工歯 付きの完成した樹脂製義歯床981を配置した石 膏模型942が取り付けられた内側部材917を咬合 器800に固定した状態を示している。

 図18Aを参照すると、仮床義歯981を作成す ために、図14A~14Dの内側部材917の雌ネジ凹所 966に雄ネジ956を螺合挿入して、内側部材917の 凹所912に未硬化の石膏を用いて石膏模型942を 固定し硬化させ、内側部材917の取り付け部947 を図18Aのように咬合器800の上顎弓805に固定ネ ジ806で固定する。上顎弓805の嵌合突部824は、 内側部材917の取り付け部947の凹所964に嵌合す る。次いで、咬合器800に固定された石膏模型 912上に咬合床978を形成する。咬合床978は、い ったん外されて、患者の口腔内形状との適合 性が確認される。適合性が確認された咬合床 978は、咬合器800上の石膏模型942に再度固定し て、図18Bに示されているように、咬合床978の 形状に合わせてその蝋に人工歯を配列し蝋製 の仮床義歯981(図18B)を作製する。その後、仮 義歯981が固定された石膏模型941を収容する 側部材917が咬合器800から外されて、蝋スプ ルが形成され、外側部材910の凹所922に収容 れてフラスコ半部93が形成される。上述の 順で、そのフラスコ半部93と別のフラスコ半 部92を用いて、義歯床成形器10を用いて樹脂 の義歯床が成型される。

 次いで、図18Bを再び参照すると、その後 フラスコ半部93及び92を分離し、さらにフラ スコ半部93から内側部材917を分離し、内側部 917の凹所912内の石膏モールド半部に形成さ た義歯床981を露出させる。石膏模型942上に 歯床981を有する内側部材917を再び咬合器800 上顎弓805に固定ネジ806で固定して、咬合器8 00を用いて義歯床981の咬合の適合性を確認す ことができる。従って、簡略化された工程 高い精度で、義歯床981を作製することがで 、簡単にその適合性が確認できる。

 図18A及び18Bには、咬合器800の上顎弓805に り付けた内側部材917の凹所に配置された上 の石膏模型942と仮床義歯又は有床義歯とし 示されていないが、咬合器800の下顎弓907に 、同様に、別の内側部材の凹所に配置され 下側の石膏模型と仮床義歯又は有床義歯を り付けることができる。それによって、咬 器800を用いて下側の義歯床の咬合の適合性 確認することができ、簡略化された工程で い精度で、下側の義歯床を作製することが き、簡単にその適合性が確認できる。

 以上説明したように、図7A及び7Bのフラス コ900又は図12A及び12Bのフラスコ900bを用いて 精度の高い義歯床を成型することができる

 以上説明した実施形態は典型例として挙 たに過ぎず、その各実施形態の構成要素を み合わせること、その変形及びバリエーシ ンは当業者にとって明らかであり、当業者 あれば本発明の原理及び請求の範囲に記載 た発明の範囲を逸脱することなく上述の実 形態の種々の変形を行えることは明らかで る。

図1は、有床義歯成型器及び歯科用フラ スコを用いた有床義歯の成型の手順を示して いる。 図2は、有床義歯成型器におけるエア配 管及び動作原理を示している。 図3Aは、手動式バルブとシリンダの配 の別の例を示している。図3Bは、2つのバル の配置及び構成の例を示している。 図4A及び4Bは、従来のフラスコの、患者 の上顎側のフラスコ半部の内部形状と、その 反対の舌側のフラスコ半部の内部形状とを示 している。 図5及び6は、有床義歯成型器において ジン注入管から固定されたフラスコ内の石 内の空洞又は隙間にドウ状レジンが注入さ る様子を示している。 . 図7A及び7Bは、本発明の実施形態による フラスコの、患者の上顎又は下顎側のフラス コ半部の内部形状と、その反対の舌側のフラ スコ半部の内部形状とを示すフラスコ半部の 側面図である。 図8は、互いに分離した状態の2つのフ スコ半部の斜視図を示している。 図9は、フラスコ半部の各々の寸法を示 している。 図10及び11は、有床義歯成型器におい レジン注入管から固定されたフラスコ内の 膏内の空洞又は隙間にドウ状レジンが注入 れる様子を示している。 . 図12A及び12Bは、図7A、7B及び8のフラス の変形を示しており、本発明の別の実施形 によるフラスコの、患者の上顎又は下顎側 フラスコ半部の内部形状と、その反対側の 側のフラスコ半部の内部形状とを示す、フ スコ半部の側面図である。 図13Aは、フラスコ半部の外側部材の内 部形状を示す外側部材の側面図である。図13B は、図13Aの線XIIIB-XIIIBに沿った外側部材の断 図である。 図14A、14B、14C及び14Dは、それぞれ、フ ラスコ半部の内側部材917の内面側から見た側 面図、右側の側面図、上面図、及び背面図を 示している。 . 図15は、互いに分離した状態の2つのフ ラスコ半部の斜視図を示している。 図16は通常の咬合器の例の概略的構成 示している。 図17Aは、仮床義歯を作成するために、 咬合床を取り付けた石膏模型が通常の取り付 け部材を用いて咬合器に取り付けた状態を示 している。図17Bは、人工歯付きの蝋製の仮床 義歯を配置した石膏模型が取り付けられた取 り付け部材を咬合器に固定した状態を示して いる。 図18Aは、咬合床を取り付けた石膏模型 が取り付けられた図14A~14Cの内側部材を咬合 に固定した状態を示している。図18Bは、人 歯付きの蝋製の仮床義歯又は人工歯付きの 成した樹脂製義歯床を配置した石膏模型が り付けられた内側部材を咬合器に固定した 態を示している。

符号の説明

 900 フラスコ
 91、92 フラスコ半部
 904 嵌合凹所
 906 ドウ状レジン注入用の開孔
 911、921 平坦な内面
 912、922 広い石膏モールド用凹所
 913、923 広い平坦面
 915、925 端縁
 S1、S2、Sb 側辺
 Ct、Cb1、Cb2 隅部
 940、950 石膏モールド半部