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Patent Searching and Data


Title:
DISCHARGE LAMP AND LIGHTING SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090705
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a discharge lamp which is less likely to undergo a tensile strain in a bead glass and a glass bulb and consequently is less likely to cause cracking in the seal part in the manufacture of the lamp. A discharge lamp (1) satisfies a relationship requirement represented by formulae: α1-α2 ≥ 3 Œ 10-7/K and α2> α3, wherein α1, α2, and α3 respectively represent the coefficients of thermal expansion of materials for lead wires (5b, 6b), bead glasses (3, 4), and a glass bulb (2), and satisfies a relationship requirement represented by S1 < S2 wherein S1 and S2 respectively represent the strain points of the materials for the bead glasses (3, 4) and the glass bulb (2), °C.

Inventors:
MOTOYA ATSUSHI
MASUDA NAOMI
Application Number:
PCT/JP2007/074632
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
December 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
MOTOYA ATSUSHI
MASUDA NAOMI
International Classes:
H01J61/36; F21S2/00; H01J61/30; F21Y103/00
Foreign References:
JP2003234067A2003-08-22
JP2005108534A2005-04-21
JPS6369732A1988-03-29
JPH09110467A1997-04-28
JP2002068776A2002-03-08
JP2004221069A2004-08-05
Attorney, Agent or Firm:
NAKAJIMA, Shiro et al. (2-1 Toyosaki 3-chome,Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 72, JP)
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Claims:
 電極本体とリード線とからなる電極と、前記リード線が取り付けられたビードガラスと、当該ビードガラスによって端部が封止されたガラスバルブとを備え、
 前記リード線、ビードガラスおよびガラスバルブの各材質の熱膨張係数をそれぞれα 1 、α 2 およびα 3 としたとき、α 12 ≧3×10 -7 /K、かつ、α 23 、なる関係を満たし、さらに、
 前記ビードガラスおよびガラスバルブの各材質の歪点[℃]をそれぞれS 1 およびS 2 としたとき、S 1 <S 2 、なる関係を満たすこと特徴とする放電ランプ。
 1×10 -7 /K≦α 23 ≦4×10 -7 /K、かつ、20≦S 2 -S 1 ≦40、なる関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の放電ランプ。
 2×10 -7 /K≦α 23 ≦3×10 -7 /K、かつ、20≦S 2 -S 1 ≦30、なる関係を満たすことを特徴とする請求項2記載の放電ランプ。
 前記リード線の材質は、タングステン、モリブデン、コバールまたはジュメットであることを特徴とする請求項2記載の放電ランプ。
 請求項1記載の放電ランプを備えることを特徴とする照明装置。
Description:
放電ランプおよび照明装置

 本発明は、ガラスバルブの端部がビード ラスで封止された放電ランプ、および当該 電ランプを備えた照明装置に関する。

 上記のような構成の放電ランプでは、ビ ドガラスの材質の熱膨張係数と、当該ビー ガラスに取り付けられた給電用のリード線 材質の熱膨張係数とが近似していることが ましい。さらに、ガラスバルブの材質の熱 張係数と、ビードガラスの材質の熱膨張係 とが近似していることが好ましい。すなわ 、リード線、ビードガラスおよびガラスバ ブの各材質の熱膨張係数がいずれも同程度 あることが好ましい。

 リード線の材質の熱膨張係数とビードガ スの材質の熱膨張係数とが近似していれば ガラスバルブの端部をビードガラスで封止 る封止工程においてビードガラスに歪が生 難い。また、ビードガラスの材質の熱膨張 数とガラスバルブの材質の熱膨張係数とが 似していれば、前記封止工程においてガラ バルブに歪が生じ難い。その結果、ランプ 造時に封止部分にクラックが生じ難い。

 例えば、特許文献1には、リード線の材質が タングステンである放電ランプにおいて、ビ ードガラスを形成するガラスの熱膨張係数を タングステンの熱膨張係数に近似させること が開示されている。また、特許文献2には、 ード線の材質がコバールである放電ランプ おいて、ガラスバルブを形成するガラスの 膨張係数をコバールの熱膨張係数に近似さ ることが開示されている。

特開平6-203800号公報

特開平10-69887号公報

 しかしながら、単に熱膨張係数を近似させ だけでは、ビードガラスやガラスバルブに じる歪を十分に抑制することができず、そ ためランプ製造時に封止部分にクラックが じてしまうことがある。
 本発明の目的は、ビードガラスおよびガラ バルブに歪が生じ難く、ランプ製造時に封 部分にクラックが生じ難い放電ランプを提 することにある。さらには、そのような放 ランプを備えた生産性の高い照明装置を提 することにある。

 上記目的を達成するために、本発明に係る 電ランプは、電極本体とリード線とからな 電極と、前記リード線が取り付けられたビ ドガラスと、当該ビードガラスによって端 が封止されたガラスバルブとを備え、前記 ード線、ビードガラスおよびガラスバルブ 各材質の熱膨張係数をそれぞれα 1 、α 2 およびα 3 としたとき、α 1 2 ≧3×10 -7 /K、かつ、α 2 3 、なる関係を満たし、さらに、前記ビードガ ラスおよびガラスバルブの各材質の歪点[℃] それぞれS 1 およびS 2 としたとき、S 1 <S 2 、なる関係を満たすこと特徴とする。

 本発明に係る照明装置は、上記放電ラン を備えることを特徴とする。

 本発明に係る放電ランプは、第1に、リード 線の材質の熱膨張係数α 1 とビードガラスの材質の熱膨張係数α 2 とが、α 1 2 ≧3×10 -7 /K、なる関係を満たす。すなわち、リード線 材質の熱膨張係数α 1 の方がビードガラスの材質の熱膨張係数α 2 よりも3×10 -7 /K以上大きい。第2に、ビードガラスの材質の 熱膨張係数α 2 とガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 とが、α 2 3 、なる関係を満たす。すなわち、ビードガラ スの材質の熱膨張係数α 2 の方がガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 よりも大きい。第3に、ビードガラスの材質 歪点S 1 とガラスバルブの材質の歪点S 2 とが、S 1 <S 2 、なる関係を満たす。すなわち、ガラスバル ブの材質の歪点S 2 の方がビードガラスの材質の歪点S 1 よりも大きい。

 ガラスバルブの端部をビードガラスで封止 る封止工程では、バーナーなどを用いてガ スバルブの外側から封止部分を加熱するた 、ガラスバルブはビードガラスよりも高温 なり、ビードガラスはリード線よりも高温 なる。したがって、リード線とビードガラ の材質の熱膨張係数α 2 が同じであれば、ビードガラスの膨張量はリ ード線の膨張量よりも大きくなる。また、ビ ードガラスとガラスバルブの材質の熱膨張係 数α 3 が同じであれば、ガラスバルブの膨張量はビ ードガラスの膨張量よりも大きくなる。この ように膨張量に差が生ずれば、ビードガラス やガラスバルブに歪が生じて封止部分にクラ ックが生じる原因となる。加えて、加熱後の ガラスバルブおよびビードガラスを冷却する 際にも、ガラスバルブがビードガラスより高 温である関係は維持されるため、ビードガラ スとガラスバルブの材質の歪点S 2 が同じであれば、先に温度の低いビードガラ スが歪点に達して応力を緩和できない程度に 硬化してしまう。このようにビードガラスだ けが先に硬化すると歪がより生じ易くなる。

 これに対して本発明に係る放電ランプは 第1の条件を満たしているため、リード線と ビードガラスの膨張量に差が生じ難い。また 、第2の条件を満たしているため、ビードガ スとガラスバルブの膨張量に差が生じ難い さらに、第3の条件を満たしているため、加 後のガラスバルブおよびビードガラスを冷 する際にそれらがより近いタイミングで歪 に到達する。

 したがって、封止工程においてビードガラ およびガラスバルブに歪が生じ難く、その 果封止部分にクラックが発生し難い。詳細 ついては後述する。
 なお、本願において、熱膨張係数とは、30~3 80℃の範囲における平均線膨張係数を意味す 。また、歪点[℃]とは、ガラスの粘度ηがlog η=14.5となるときの温度をいう。

 本発明に係る照明装置は、光源として上 のようなランプ製造時に封止部分にクラッ が生じ難い放電ランプが使用されるため生 性が高い。

本発明の一実施形態に係る放電ランプ 示す一部破断平面図 実施例に係る放電ランプの材質特性お び熱衝撃試験の評価結果を示す図 実施例に係る放電ランプの材質特性お び熱衝撃試験の評価結果を示す図 ビードガラスに電極を取り付ける工程 説明する図 ガラスバルブの端部をビードガラスで 止する封止工程を説明する図 本発明の一実施形態に係る照明装置の 部構成を示す概略図 封止部分に生じる歪について説明する めの図 比較例に係る放電ランプの材質特性お び熱衝撃試験の評価結果を示す図

符号の説明

 1 放電ランプ
 2 ガラスバルブ
 3,4 ビードガラス
 5,6 電極
 5a,6a 電極本体
 5b,6b リード線

 以下、本発明の実施の形態に係る放電ラン および照明装置について、図面に基づき説 する。
 <放電ランプ>
 図1は、本発明の一実施形態に係る放電ラン プを示す一部破断平面図である。図1に示す うに、本発明に係る放電ランプ1は、バック イトユニットなどの照明装置で光源として 用される冷陰極蛍光ランプであって、ガラ バルブ2と、当該ガラスバルブ2の両端部を 止する一対のビードガラス3,4と、それらビ ドガラスに取り付けられた一対の電極5,6と 備える。

 ガラスバルブ2は、例えば外径が1.4~7mm、肉 が0.2~0.7mmの直管状であって、その内周面に 例えば10~30μmの蛍光体層7が形成されている また、ガラスバルブ2の内部には図示しない 銀および希ガスが封入されている。
 ビードガラス3,4は、例えば円筒形であって ラスバルブ2の端部にそれぞれ溶着されてい る。なお、ビードガラス3,4の形状は円筒形に 限定されず、例えば球形であっても良い。

 電極5,6は、電極本体5a,6aと給電用のリード 5b,6bとからなる。電極本体5a,6aは、ニッケル( Ni)またはニオブ(Nb)などで形成された棒状で って、ガラスバルブ2の内部において互いに 向配置されている。なお、電極本体5a,6aは 状に限定されず、例えば有底筒状をした所 ホロー電極であっても良い。
 リード線5b,6bは、その一端が電極本体5a,6aに 例えば溶接により接続されており、他端はビ ードガラス3,4を気密に貫通してガラスバルブ 2の外側まで延出している。リード線5b,6bの材 質は、熱膨張係数が43×10 -7 /Kのタングステン(W)である。なお、リード線5 b,6bの材質はタングステンに限定されず、例 ば、熱膨張係数が51×10 -7 /Kのモリブデン(Mo)、或いは、熱膨張係数が53 10 -7 /Kのコバール(鉄-ニッケル-コバルトの合金)な どであっても良い。また、ビードガラス3,4や ガラスバルブ2の材質が軟質ガラスである場 は、半径方向の熱膨張係数が94×10 -7 /Kのジュメットであっても良い。

 次に、ビードガラス3,4およびリード線5b,6b 材質であるガラスについて説明する。
 ビードガラス3,4のガラスの熱膨張係数α 2 はリード線の材質の熱膨張係数α 1 よりも3×10 -7 /K以上小さい。例えば、リード線の材質がタ グステン(熱膨張係数は43×10 -7 /K)の場合、ビードガラス3,4のガラスの熱膨張 係数α 2 は40×10 -7 /K以下となる。

 ガラスバルブ2のガラスの熱膨張係数α 3 はビードガラス3,4のガラスの熱膨張係数α 2 よりも小さい。また、ガラスバルブ2のガラ の歪点S 2 は、ビードガラス3,4のガラスの歪点S 1 よりも大きい。
 図2および図3は、実施例に係る放電ランプ 材質特性および熱衝撃試験の評価結果を示 図である。リード線5b、6bの材質がタングス ンの場合は、一例として、ガラスバルブ2お よびビードガラス3,4を図2および図3に示す実 例1~13のような材質特性にすることが考えら れる。リード線5b、6bの材質がジュメットの 合は、一例として、ガラスバルブ2およびビ ドガラス3,4を図3に示す実施例14のような材 特性にすることが考えられる。

 次に、放電ランプ1の製造方法について説明 する。図4は、ビードガラスに電極を取り付 る工程を説明する図である。
 ビードガラス3,4に電極5,6を取り付ける工程 は、まず、図4(a)に示すようにリード線5b、6 bをビードガラス3,4の孔部に挿入し、水素雰 気下において加熱処理する。具体的には、 素炉中で900~1200℃(例えば1150℃)で5~6分間加熱 する。このように水素雰囲気下において加熱 処理した場合、ビードガラス3,4とリード線5b 6bとに温度差が生じ難いため、ビードガラ 3,4に歪が生じ難い。なお、ビードガラス3,4 リード線5b、6bを取り付ける方法は、水素雰 気下において加熱処理する方法に限らず、 えばバーナーで加熱して取り付ける方法な でもよい。

 ビードガラス3,4は、加熱処理により溶融し リード線5b,6bに溶着する。図4(b)に示すよう 、ビードガラス3,4とリード線5b,6bとは、リ ド線5b,6bがビードガラス3,4を気密に貫通した 状態で一体化する。その後、図4(c)に示すよ に、リード線5b、6bの一端に電極本体5a、6aを 溶接する。
 リード線5b、6bを取り付けた後のビードガラ ス3,4の外径d(図4(c)に示す)は、ガラスバルブ2 内径の60~80%になることが好ましい。ビード ラス2の外径dの大きさが過小である場合に 、強度の高い封止部分を形成することが困 となる場合がある。一方、ビードガラス3,4 外径dの大きさが過大である場合は、その後 封止工程におけるガラスバルブ2内の通気性 確保が困難となる。

 図5は、ガラスバルブの端部をビードガラ スで封止する封止工程を説明する図である。 封止工程では、図5(a)に示すように、電極5,6 取り付けられたビードガラス3,4をガラスバ ブ2の端部内に挿入し、図5(b)に示すように、 例えばバーナー8,9で前記端部をガラスバルブ 2の外側から900~1200℃の範囲で5~10秒間加熱し ガラスバルブ2およびビードガラス3,4を軟化 せてそれらガラスバルブ2とビードガラス3,4 とを溶着させる。その後、650℃で3秒間アニ ルを行う。これにより、リード線5b、6bが気 に貫通した状態の封止部分が形成される。

 以上、本発明に係る放電ランプの構成と製 方法について実施の形態に基づいて具体的 説明してきたが、本発明の内容は、上記の 施の形態に限定されない。
 例えば、本発明に係る放電ランプは、冷陰 型蛍光ランプに限定されず、電極本体にフ ラメントを有する熱陰極型蛍光ランプであ ても構わない。
 また、ガラスバルブは、直管形のものに限 されず、環形、U字形またはスパイラル形な どであってもよく、ガラスバルブの断面形状 は円形ではなく扁平していてもよい。

 また、ガラスバルブの材質は、以下に説明 るような性能のガラスであることが好まし 。
 ガラスバルブに遷移金属の酸化物をその種 によって所定量をドープすることにより254n mや313nmの紫外線を吸収することができる。例 えば、前記酸化物が酸化チタン(TiO 2 )の場合は、組成比率0.05mol%以上ドープするこ とにより254nmの紫外線を吸収し、組成比率2mol %以上ドープすることにより313nmの紫外線を吸 収することができる。ただし、酸化チタンを 組成比率5mol%より多くドープした場合には、 ラスが失透してしまうため、組成比率0.05mol %以上5mol%以下の範囲でドープすることが好ま しい。

 前記酸化物が酸化セリウム(CeO 2 )の場合は、組成比率0.05mol%以上ドープするこ とにより254nmの紫外線を吸収することができ 。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5mol%よ り多くドープした場合には、ガラスが着色し てしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05mo l%以上0.5mol%以下の範囲でドープすることが好 ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化ス ズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウ によるガラスの着色を抑えることができる め、酸化セリウムを組成比率5mol%以下まで ープすることができる。この場合、酸化セ ウムを組成比率0.5mol%以上ドープすれば313nm 紫外線を吸収することができる。ただし、 の場合においても酸化セリウムを組成比率 5mol%より多くドープした場合には、ガラスが 失透してしまう。

 前記酸化物が酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成 率2mol%以上ドープすることにより254nmの紫外 を吸収することができる。ただし、酸化亜 を組成比率10mol%より多くドープした場合に 、ガラスの熱膨張係数が大きくなってしま 。リード線の材質がタングステンの場合は タングステンの熱膨張係数とビードガラス 材質の熱膨張係数α 2 とに差が生じて取り付けが困難となるため、 酸化亜鉛を2mol%以上10mol%以下の範囲でドープ ることが好ましい。なお、リード線の材質 モリブデンやコバールの場合、モリブデン コバールの熱膨張係数はタングステンの熱 張係数よりも大きいため、酸化亜鉛を組成 率14mol%以下までドープすることができる。 だし、酸化亜鉛を組成比率20mol%より多くド プした場合、ガラスが失透してしまうおそ があるため、酸化亜鉛を2mol%以上20mol%以下 範囲でドープすることが好ましい。

 前記酸化物が酸化鉄(Fe 2 O 3 )の場合は、組成比率0.01mol%以上ドープするこ とにより254nmの紫外線を吸収することができ 。ただし、酸化鉄を組成比率2mol%より多く ープした場合には、ガラスが着色してしま ため、酸化鉄を組成比率0.01mol%以上2mol%以下 範囲でドープすることが好ましい。
 ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率 数Xは、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8 以下の範囲となるように調整することが好ま しい。赤外線透過率係数Xが1.2以下であれば 外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍 ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれ 誘電正接が十分に小さくなって、さらに高 圧印加ランプに適用可能となる。

 なお、赤外線透過率係数Xは、以下の式1で すことができる。
  X=(log(a/b))/t  ・・・式1
  a:3840cm -1 付近の極小点の透過率%
  b:3560cm -1 付近の極小点の透過率%
  t:ガラスの厚み
 <照明装置>
 図6は、本発明の一実施形態に係る照明装置 の要部構成を示す概略図である。本発明の一 実施形態にかかる照明装置10は、直下方式の ックライトユニットであって、その構造は 本的に従来技術によるバックライトユニッ の構造に準じるものである。

 図6に示すように、照明装置10は、複数の放 ランプ1、外囲器11、拡散板12、拡散シート13 およびレンズシート14を備える。
 外囲器11は、白色のPET(ポリエチレンテレフ レート)樹脂によって形成された箱形であり 、反射板としての役割を果たす略方形の底板 と、当該底板を囲むように配された側板とか らなる。外囲器11の内部には、それぞれ等間 に並列配置された複数の放電ランプ1が格納 されている。外囲器11には、放電ランプ1を挟 んで底板とは反対側の位置に開口部が設けら れており、当該開口部側が光放出側となる。

 拡散板12は、PC樹脂製であって、外囲器11の 口部を塞ぐように配置されている。さらに 拡散板12の前記光放出側には、PC樹脂によっ て形成された拡散シート15、およびアクリル 脂によって形成されたレンズシート16が互 に重ね合わされた状態で配置されている。
 以上のような照明装置10を備えた液晶テレ では、当該液晶テレビのLCDパネル20が、レン ズシート14の前記光放出側に設置される。

 照明装置10の典型的な例として、画面サイ が32インチの液晶テレビに用いられる照明装 置10の場合、外囲器11は、横幅寸法が約728mm、 縦幅寸法が約408mm、奥行き寸法が約19mmに設定 されている。また、外囲器11には、16灯の放 ランプ1が、それぞれ約25.7mmの間隔をあけて 置されている。
 <封止部分に生じる歪について>
 封止工程において、ガラスバルブ2とビード ガラス3,4とを加熱した際、ガラスバルブ2は ードガラス3,4よりも高温になる。その理由 、ガラスバルブ2には直接バーナー8,9の炎が たる一方で、ビードガラス3,4にはガラスが 較的熱伝導が悪い材料であることからバー ー8,9からの熱が伝わり難いからである。し がって、ガラスバルブ2とビードガラス3,4と が同じ熱膨張係数であれば、ビードガラス3,4 よりもガラスバルブ2の方が膨張量が大きく る。そのため、冷却時はビードガラス3,4よ もガラスバルブ2の方が収縮量が大きくなり ガラスバルブ2がビードガラス3,4を締め付け るかたちでガラスバルブ2に歪が残留する。

 また、バーナー8,9の火に近いビードガラ 3,4はリード線5b,6bよりも高温になる。した って、ビードガラス3,4とリード線5b、6bとが じ熱膨張係数であれば、リード線5b、6bより もビードガラス3,4の方が膨張量が大きくなる 。そのため、冷却時はリード線5b、6bよりも ードガラス3,4の方が収縮量が大きくなり、 ードガラス3,4がリード線5b、6bを締め付ける たちでビードガラス3,4に歪が残留する。

 図7は、封止部分に生じる歪について説明す るための図である。従来の放電ランプでは、 放電ランプの封止部分に歪が生じることを十 分に抑制することができなかった。
 通常、歪は、ガラスバルブ2とビードガラス 3,4との界面のガラスバルブ側の部分、および 、ビードガラス3,4とリード線5b、6bとの界面 ビードガラス側の部分に生じる。それら歪 、図7に示すような、ガラスバルブ2の長手方 向つまり管軸方向の引張応力A 1 、ビードガラス3,4の前記長手方向の引張応力 A 2 、ガラスバルブ2の円周方向の引張応力B 1 、ビードガラス3,4の円周方向の引張応力B 2 、ガラスバルブ2の半径方向の圧縮応力C 1 、ビードガラス3,4の半径方向の圧縮応力C 2 によって生じる。これら応力A 1 、A 2 、B 1 、B 2 、C 1 およびC 2 は、ガラスバルブ2がビードガラス3,4を外側 ら締め付け、ビードガラス3,4がリード線5b、 6bを外側から締め付けるかたちで残留する。

 ガラスは本来圧縮応力には強い特性を持つ 、引張応力に対して弱い特性を有する。そ ため、主として引張応力A 1 およびB 1 によってビードガラス3,4とガラスバルブ2と 界面のガラスバルブ側の部分に引っ張り歪 生じ、ガラスバルブ2にクラックが生じる。 た、引張応力A 2 およびB 2 によってリード線5b、6bとビードガラス3,4と 界面のビードガラス側の部分に引っ張り歪 生じ、ビードガラス3,4にクラックが生じる 特に、ガラスバルブ2の肉厚は0.2~0.7mmと薄い め、ガラスバルブ2に引っ張り歪が生じると 、封止部分の破損の原因となり封止信頼性が 低下する。

 リード線5b、6bとビードガラス3,4との界面 のビードガラス側の部分に生じる引っ張り歪 については、ビードガラス3,4がリード線5b、6 bを適度に締め付ける引っ張り歪として残留 ている場合、リード線5b、6bとビードガラス3 ,4の界面における接合強度が向上し、封止部 の封止信頼性が向上する。しかし、その引 張り歪が強く残留し過ぎると、円周方向の っ張り歪が封止部分におけるクラックの原 となるため封止信頼性が低下する。

 本発明に係る放電ランプ1は、ビードガラス 3,4とリード線5b,6bとの関係において、リード 5b,6bの材質の熱膨張係数α 1 とビードガラス3,4の材質の熱膨張係数α 2 とが、α 1 2 ≧3×10 -7 /K、なる関係を満たしているため、ビードガ ス3,4に生じる歪が顕著に抑制されている。 えて、リード線5b,6bとビードガラス3,4の界 には半径方向に適度な圧縮歪を残留させる め、封止信頼性が向上している。もし、α 1 2 ≧3×10 -7 /K、なる関係を満たさない場合、リード線5b 6bとビードガラス3,4の界面の歪が大きくなる ため、ビードガラス3,4にクラックが発生する おそれがある。

 また、ガラスバルブ2とビードガラス3,4との 関係においても、ガラスバルブより低温とな るビードガラス3,4の材質の熱膨張係数がガラ スバルブ2の材質の熱膨張係数よりも大きい め、ガラスバルブ2とビードガラス3,4との膨 量が近似し、ガラスバルブ2に生じる歪が顕 著に抑制されている。ビードガラス3,4の材質 の熱膨張係数は、ガラスバルブ2の材質の熱 張係数より大きくなくてはならず、その差 2×10 -7 /K~4×10 -7 /Kの範囲であることが好ましい。

 ところで、封止工程では、ビードガラス3,4 りもガラスバルブ2の方が高温になるため、 ガラスバルブ2にはビードガラス3,4よりも歪 の高い材質が使用されている。これにより 膨張量だけでなく硬化速度も等しくなり、 り歪が生じ難い。
 すなわち、ガラスバルブ2とビードガラス3,4 の材質の歪点が同じであれば、より低温のビ ードガラス3,4の方が先に硬化してしまうため 、いくらガラスバルブ2とビードガラス3,4の 質の熱膨張係数が調整されていても、既に 化したビードガラス3,4を後から硬化するガ スバルブ2が締め付けることになってしまい が残留する。ところが、歪点に到達するタ ミングが近ければ、ガラスバルブ2とビード ガラス3,4とが同じタイミングで収縮するため 歪が生じ難い。

 ここでいう硬化速度とは、同じ粘度になる めに必要な時間を表す。ガラスバルブ2の材 質の歪点は、ビードガラス3,4の材質の歪点よ りも大きくなくてはならず、その差は20~40℃ 範囲であることが好ましい。この範囲を満 さない場合は、ガラスバルブ2に強い引っ張 り歪が形成される。
 ガラスバルブ2、ビードガラス3,4およびリー ド線5b,6bの材質が、以上の特性を全て満たす とで、封止信頼性が非常に高い放電ランプ1 を得ることができる。

 <放電ランプの評価>
 本発明に係る放電ランプを種々作製し、封 部分の残留歪およびクラックについての評 を行った。評価方法について以下に説明す 。
 図2および図3に示す実施例1~13の放電ランプ 、ガラスバルブおよびビードガラスの材質 硬質ガラスである。また、リード線は、材 がタングステンであって、外径が0.3mmであ 。電極本体は、材質がニッケルであって、 長が4mm、外径が1.2mmである。蛍光体層は、材 質が三波長蛍光体であって、厚みが15μmであ 。希ガスは、封入圧が80Torrのネオン-アルゴ ン混合ガスであり、水銀は封入量が2mgである 。

 図3に示す実施例14の放電ランプは、ガラス ルブおよびビードガラスの材質が軟質ガラ であり、リード線の材質がジュメットであ 。その他の構成は実施例1~13と同様である。
 図8は、比較例に係る放電ランプの材質特性 および熱衝撃試験の評価結果を示す図である 。図8に示す比較例1~5の放電ランプの構成は 実施例1~13と同様である。

 各放電ランプのガラスバルブおよびビード ラスは、ガラス原料を所定の材質特性を有 るように調合し、ガラス溶融窯に投入して1 500~1600℃で溶融してガラス化し、ダンナ-法等 の管引き法を用いて管状に成型し、所定の寸 法に切断加工して得られるガラス管を用いて 作製した。
 封止部分の残留歪は、ビードガラスとリー 線の界面の応力、および、ビードガラスと ラスバルブの界面の応力に基づき評価した それら応力は、第1に、ビードガラスとリー ド線の界面の歪、および、ビードガラスとガ ラスバルブの界面の歪を測定し、第2に、得 れた結果を式2に当てはめて位相差を算出し 第3に、算出した位相差を式3に当てはめる とにより算出した。

  R=θ・λ/180  ・・・式2
   R:位相差
   θ:歪角度(°)
   λ:単色光の波長(nm)
  F=R/(c・t)  ・・・式3
   F:応力(kg/cm 2 )
   c:光弾性定数(kgf/cm 2 )
   t:試料厚み(cm)
 歪角度θの測定は、ポーラリメーター(神鋼 機株式会社製:SPII型)を使用して測定した。 お、使用したポーラリメータの単色光の波 λは589nmであった。

 測定用の試料として、図1において管軸方向 に幅Lで示す範囲だけを放電ランプから切り ったものを使用した。当該試料は、放電ラ プからリード線の外側に突出する部分を切 落としたあと封止部分だけを放電ランプか 切り離し、円筒形のものを得た。
 歪角度θは、試料に対して光を管軸方向に 入させて測定した。実験用の放電ランプは て前記幅Lが0.3cmであったため、試料厚みtは0 .3cmである。

 実施例1~13および比較例1~5の放電ランプに使 用しているような硬質ガラスは光弾性定数c 3.87であり、実施例14に使用しているような 質ガラスは光弾性定数cが2.71であり、鉛フリ ーガラスの光弾性定数cは2.65である。
 図2、図3および図8に示す応力Fの値について は、図7において矢印で示す方向に応力Fが形 されている場合は歪角度θが正の数値で得 れ、反対の方向に応力Fが形成されている場 は歪角度θが負の数値で得られる。したが て、応力Fが正の数値である場合、前記矢印 示す方向に応力Fが形成されており、応力F 負の数値である場合、前記矢印で示す方向 は反対の方向に応力Fが形成されている。ま 、応力Fの数値が大きいほど残留している応 力が大きいことを表している。

 また、封止部分を対象に熱衝撃試験を実 した。封止部分への熱衝撃は、当該封止部 を低温の氷水槽中に3秒間浸漬させた後、300 ℃に保持した半田槽中に3秒間浸漬させて与 た。これを1サイクルとし、何サイクルで封 部分にクラックが生じるかを評価した。20 イクル後もクラックが生じなかった場合は 良であると評価し、図中には「○」と記載 た。

 実施例1~4は、ビードガラスの材質の熱膨張 数α 2 がガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 よりも大きく、その差が2×10 -7 /K~3×10 -7 /Kの範囲であり、ガラスバルブの材質の歪点S 2 がビードガラスの材質の歪点S 1 よりも高く、その差が20~30℃の範囲であり、 ードガラスの材質の熱膨張係数α 2 がタングステンの熱膨張係数(43×10 -7 /K)よりも3×10 -7 /K以上小さい40×10 -7 /K以下であるため、ビードガラスとガラスバ ブの界面のガラスバルブ側の歪が完全に抑 されており、応力Fが0である。このような 止部分を有する放電ランプは、熱衝撃試験 20サイクル行ってもクラックは発生しない。 また、ガラスバルブにTiO 2 が所定量含有されているため紫外線漏れも起 こらない。

 実施例5~9は、ビードガラスの材質の熱膨張 数α 2 がガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 よりも大きく、その差が1×10 -7 /K~4×10 -7 /Kの範囲であり、ガラスバルブの材質の歪点S 2 がビードガラスの材質の歪点S 1 よりも高く、その差が20~40℃の範囲であり、 ードガラスの材質の熱膨張係数α 2 が40×10 -7 /K以下であるため、ビードガラスとガラスバ ブの界面の応力Fが著しく小さい(応力Fの絶 値が20kg/cm 2 以下である)。

 実施例10~13は、ビードガラスの材質の熱膨 係数α 2 がガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 よりも大きく、ガラスバルブの材質の歪点S 2 がビードガラスの材質の歪点S 1 よりも高い。しかし、実施例10~12は、ビード ラスの材質の熱膨張係数α 2 とガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 との差が1×10 -7 /K~4×10 -7 /Kの範囲を満たさず、また、実施例11~13は、 ラスバルブの材質の歪点S 2 とビードガラスの材質の歪点S 1 との差が20~40℃の範囲を満たさないため、ビ ドガラスとガラスバルブの界面の応力Fが多 少大きい(応力Fの絶対値が20~35kg/cm 2 の範囲内である)。しかし、実施例10~13は、い ずれも熱衝撃試験を20サイクル行ってもクラ クが発生せず、上記応力Fは許容範囲である といえる。

 以上のように、実施例1~13は、いずれもビー ドガラスの材質の熱膨張係数α 2 がガラスバルブの材質の熱膨張係数α 3 よりも大きく、ガラスバルブの材質の歪点S 2 がビードガラスの材質の歪点S 1 よりも高いため、ビードガラスとガラスバル ブの界面の応力Fが35kg/cm 2 以下の許容範囲内である。また、ビードガラ スの材質の熱膨張係数α 2 がタングステンの熱膨張係数(43×10 -7 /K)よりも3×10 -7 /K以上小さい40×10 -7 /K以下であるため、ビードガラスとリード線 界面の応力Fが35kg/cm 2 以下の許容範囲内である。このように、ビー ドガラスとガラスバルブの界面の応力F、お び、ビードガラスとリード線の界面の応力F いずれもが許容範囲内であるため、強い歪 生じておらず、20サイクル後もクラックが じていない。

 比較例1は、ビードガラスの材質の熱膨張係 数α 2 が40×10 -7 /Kより大きいため、ビードガラスとリード線 界面に強い応力が残留している。そのため 強い歪が生じている。さらに、ガラスバル の材質の歪点S 2 とビードガラスの材質の歪点S 1 との差が20~40℃の範囲を満たさないため、ビ ドガラスとガラスバルブの界面にも強い応 が残留している。そのため、強い歪が生じ いる。

 比較例2は、ビードガラスの材質の熱膨張係 数α 2 が40×10 -7 /Kより大きいため、ビードガラスとリード線 界面に強い応力が残留している。そのため 強い歪が生じている。
 比較例3,4は、ガラスバルブの材質の熱膨張 数α 3 がビードガラスの材質の熱膨張係数α 2 よりも大きいため、ガラスバルブとビードガ ラスの界面に強い応力が残留している。その ため、強い歪が生じている。さらに比較例4 、ビードガラスの材質の歪点S 1 がガラスバルブの材質の歪点S 2 よりも高いため、より強い応力が残留してい る。そのため、強い歪が生じている。

 比較例5は、熱膨張係数は所定の特性を有す るが、ビードガラスの材質の歪点S 1 がガラスバルブの材質の歪点S 2 より大きいため、ビードガラスとガラスバル ブの界面に強い応力が残留している。そのた め、強い歪が生じている。
 比較例1~5は、いずれも強い応力が残留して るため、強い歪が生じている。そのため、 衝撃試験で20サイクル以上耐えることがで ない。

 本発明は、直管型蛍光ランプ、環状型蛍 ランプ、二重環状型蛍光ランプ、スクエア 蛍光ランプ、二重スクエア型蛍光ランプ、 イン蛍光ランプなどの蛍光ランプや、蛍光 ンプ以外の水銀蒸気放電ランプなど放電ラ プ全般に利用可能である。