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Title:
ELECTRIC MOTOR DRIVE DEVICE AND CONTROL METHOD THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113452
Kind Code:
A1
Abstract:
A control device (30) controls the switching operation of switching elements (Q3) to (Q8) so that the AC voltage at which an AC motor (M1) can output torque according to a torque instruction value is applied to each phase coil winding (20U), (20V) and (20W). The control device (30) variably sets the gate resistance between a first pulse voltage and the remaining pulse voltages when the polarity of the AC voltage is reversed, in a drive circuit that turns the switching elements (Q3) to (Q8) on or off in response to respective switching control signals (S3) to (S8). The occurrence of a partial discharge between individual phase coil winding gaps can be limited by extending the rise time of the first pulse voltage when polarity is reversed.

Inventors:
TAKEUCHI SHIGETO (JP)
TAIRA TOMOTSUGU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054268
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 06, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
TAKEUCHI SHIGETO (JP)
TAIRA TOMOTSUGU (JP)
International Classes:
H02P27/06; H02P21/05; H02P23/04; H02P23/07; H02P27/08
Foreign References:
JP2008022624A2008-01-31
JP2007240160A2007-09-20
JP2007295749A2007-11-08
JP2008301685A2008-12-11
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (JP)
Hisao Fukami (JP)
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Claims:
 電力用半導体素子のスイッチング動作によって交流電圧を発生する電力変換装置と、
 前記電力変換装置からの交流電圧が印加されるコイル巻線(20U,20V,20W)を有する電動機(M1)と、
 前記電力変換装置のスイッチング動作を制御する制御装置(30)とを備え、
 前記制御装置(30,30A,30B)は、前記交流電圧が所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時における電圧変化率が相対的に小さくなるように、前記電力変換装置のスイッチング動作を制御する、電動機駆動装置。
 前記電力変換装置は、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)を含み、
 前記制御装置(30)は、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルス電圧の極性反転時における立ち上がり時間が相対的に長くなるように、前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第1項に記載の電動機駆動装置。
 前記インバータ(14)は、各前記電力用半導体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達する経路を含み、
 前記制御装置(30)は、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルスの極性反転時において、前記経路の遅延インピーダンスを相対的に高く設定する、請求の範囲第2項に記載の電動機駆動装置。
 前記電力変換装置は、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)を含み、
 前記制御装置(30)は、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルスの立ち上がり時間が相対的に長くなるように、前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第1項に記載の電動機駆動装置。
 前記インバータ(14)は、各前記電力用半導体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達する経路を含み、
 前記制御装置(30)は、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記経路の遅延インピーダンスを相対的に高く設定する、請求の範囲第4項に記載の電動機駆動装置。
 前記電力変換装置は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)と、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記インバータ(14)への入力電圧を可変制御可能に構成された直流電源とを含み、
 前記制御装置(30A)は、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時における前記入力電圧が相対的に低くなるように、前記直流電源のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第1項に記載の電動機駆動装置。
 前記直流電源は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって蓄電機構(B)からの直流電圧を電圧変換するコンバータ(12)と、
 前記蓄電機構(B)と前記インバータ(14)との間に前記コンバータをバイパスするように電流経路を形成するためのバイパス用スイッチング素子(Qb)とを含み、
 前記制御装置(30A)は、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時において、前記バイパス用スイッチング素子(Qb)をオンする、請求の範囲第6項に記載の電動機駆動装置。
 前記電力変換装置は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)と、
 前記コイル巻線に対して前記インバータ(14)と並列に接続され、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記コイル巻線にパルスを印加可能に構成されたパルス発生装置(31)をさらに備え、
 前記制御装置(30B)は、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時において、前記交流電圧が零電位であるときに、前記交流電圧よりも相対的に小さい電圧振幅を有するパルスを前記コイル巻線に印加するように、前記パルス発生装置(31)を制御する、請求の範囲第1項に記載の電動機駆動装置。
 電力用半導体素子のスイッチング動作によって交流電圧を発生する電力変換装置と、前記電力変換装置からの交流電圧が印加されるコイル巻線を有する電動機(M1)とを備えた電動機駆動装置の制御方法であって、
 前記交流電圧を取得するステップと、
 前記交流電圧が所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時における電圧変化率が相対的に小さくなるように、前記電力変換装置のスイッチング動作を制御するステップとを備える、電動機駆動装置の制御方法。
 前記電力変換装置は、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)を含み、
 前記電力変換装置のスイッチング動作を制御するステップは、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルス電圧の極性反転時における立ち上がり時間が相対的に長くなるように、前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第9項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記インバータ(14)は、各前記電力用半導体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達する経路を含み、
 前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御するステップは、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルスの極性反転時において、前記経路の遅延インピーダンスを相対的に高く設定する、請求の範囲第10項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記電力変換装置は、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)を含み、
 前記電力変換装置のスイッチング動作を制御するステップは、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記両極性パルス電圧の立ち上がり時間が相対的に長くなるように、前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第9項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記インバータ(14)は、各前記電力用半導体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達する経路を含み、
 前記インバータ(14)のスイッチング動作を制御するステップは、前記所定の電圧振幅が前記所定値を超えるときには、前記経路の遅延インピーダンスを相対的に高く設定する、請求の範囲第12項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記電力変換装置は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)と、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記インバータ(14)への入力電圧を可変制御可能に構成された直流電源とを含み、
 前記電力変換装置のスイッチング動作を制御するステップは、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時における前記入力電圧が相対的に低くなるように、前記直流電源のスイッチング動作を制御する、請求の範囲第9項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記直流電源は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって蓄電機構(B)からの直流電圧を電圧変換するコンバータ(12)と、
 前記蓄電機構(B)と前記インバータ(14)との間に前記コンバータ(12)をバイパスするように電流経路を形成するためのバイパス用スイッチング素子(Qb)とを含み、
 前記直流電源のスイッチング動作を制御するステップは、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時において、前記バイパス用スイッチング素子(Qb)をオンする、請求の範囲第14項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
 前記電力変換装置は、
 前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記交流電圧として、所定の電圧振幅および所定のパルス幅を有する両極性パルス電圧を発生するインバータ(14)と、
 前記コイル巻線に対して前記インバータ(14)と並列に接続され、前記電力用半導体素子のスイッチング動作によって、前記コイル巻線にパルスを印加可能に構成されたパルス発生装置(31)をさらに備え、
 前記電力変換装置のスイッチング動作を制御するステップは、前記交流電圧が前記所定値を超えるときには、前記交流電圧の極性反転時において、前記交流電圧が零電位であるときに、前記交流電圧よりも相対的に小さい電圧振幅を有するパルスを前記コイル巻線に印加するように、前記パルス発生装置(31)を制御する、請求の範囲第9項に記載の電動機駆動装置の制御方法。
Description:
電動機駆動装置およびその制御 法

 この発明は、電動機駆動装置およびその 御方法に関し、より特定的には、インバー により電動機を駆動する構成の電動機駆動 置における相間絶縁破壊防止技術に関する

 車両駆動用の電動機(モータ)を駆動制御 るための電力変換装置として、たとえば特 平10-127064号公報(特許文献1)は、直流電源電 を、正(高電位)、中(零電位)および負(低電位 )の3つの電圧レベルを有する交流相電圧に変 する電力変換装置を開示する。

 これによれば、電力変換装置は、PWM制御と て、出力電圧の一周期にわたりパルスを正 交互に出力するダイポーラ変調モードと、 力電圧の半周期中に同一極性のパルスを出 するユニポーラ変調モードとを有しており 力行または回生運転モードに応じて、ダイ ーラ変調モードを使い分ける手段を備えて る。これによれば、装置の運転モードに応 てダイポーラ変調モードを選択的に使用不 能とすることにより、スイッチング損失を 均的に低減することができる。特許文献1は 、このようにして、スイッチング素子の熱発 生を抑制し、装置全体の小型軽量化と装置の 高効率化とを図っている。

特開平10-127064号公報

 しかしながら、上記特許文献1に記載の電 力変換装置では、ユニポーラ変調モードの実 行中において、電動機のコイル巻線の空隙( ャップ)に部分放電が発生し易いという問題 ある。

 すなわち、電動機のコイル巻線において 、巻線/コア間の対地絶縁のみならず、相間 絶縁が問題となる。特に、コイル巻線のギャ ップで部分放電が発生することを起点として 、絶縁材の劣化が進行することにより最終的 には相間絶縁が短絡して機器故障に至ってし まう可能性がある。

 この部分放電は、電動機の動作環境によ てその起こり易さが異なっている。特に、 ニポーラ変調モードのように、コイル巻線 印加される交流電圧の極性が反転する場合 は、コイル巻線表面(厳密には絶縁膜表面) 誘起される表面電荷によって、コイル巻線 の空隙部(ギャップ)に生じる電界が強められ ることにより、当該ギャップに部分放電が発 生し易くなる。しかしながら、上記特許文献 1には、相間絶縁破壊に至る可能性がある部 放電を防止するための電動機の駆動制御に いては何ら言及されていない。

 それゆえ、この発明は、かかる課題を解 するためになされたものであり、その目的 、インバータにより電動機を駆動する構成 電動機駆動装置において、コイル巻線間の 間絶縁破壊に至る部分放電の発生を防止す ようにインバータを制御可能な電動機駆動 置および制御方法を提供することである。

 この発明によれば、電動機駆動装置は、 力用半導体素子のスイッチング動作によっ 交流電圧を発生する電力変換装置と、電力 換装置からの交流電圧が印加されるコイル 線を有する電動機と、電力変換装置のスイ チング動作を制御する制御装置とを備える 制御装置は、交流電圧が所定値を超えると には、交流電圧の極性反転時における電圧 化率が相対的に小さくなるように、電力変 装置のスイッチング動作を制御する。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータを含む。制御装置は、所定の電圧 幅が所定値を超えるときには、両極性パル 電圧の極性反転時における立ち上がり時間 相対的に長くなるように、インバータのス ッチング動作を制御する。

 好ましくは、インバータは、各電力用半 体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達す 経路を含む。制御装置は、所定の電圧振幅 所定値を超えるときには、両極性パルスの 性反転時において、経路の遅延インピーダ スを相対的に高く設定する。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータを含む。制御装置は、所定の電圧 幅が所定値を超えるときには、両極性パル の立ち上がり時間が相対的に長くなるよう 、インバータのスイッチング動作を制御す 。

 好ましくは、インバータは、各電力用半 体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達す 経路を含む。制御装置は、所定の電圧振幅 所定値を超えるときには、経路の遅延イン ーダンスを相対的に高く設定する。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータと、電力用半導体素子のスイッチ グ動作によって、インバータへの入力電圧 可変制御可能に構成された直流電源とを含 。制御装置は、交流電圧が所定値を超える きには、交流電圧の極性反転時における入 電圧が相対的に低くなるように、直流電源 スイッチング動作を制御する。

 好ましくは、直流電源は、電力用半導体 子のスイッチング動作によって蓄電機構か の直流電圧を電圧変換するコンバータと、 電機構とインバータとの間にコンバータを イパスするように電流経路を形成するため バイパス用スイッチング素子とを含む。制 装置は、交流電圧が所定値を超えるときに 、交流電圧の極性反転時において、バイパ 用スイッチング素子をオンする。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータと、コイル巻線に対してインバー と並列に接続され、電力用半導体素子のス ッチング動作によって、コイル巻線にパル を印加可能に構成されたパルス発生装置を らに備える。制御装置は、交流電圧が所定 を超えるときには、交流電圧の極性反転時 おいて、交流電圧が零電位であるときに、 流電圧よりも相対的に小さい電圧振幅を有 るパルスをコイル巻線に印加するように、 ルス発生装置を制御する。

 この発明の別の局面に従えば、電力用半 体素子のスイッチング動作によって交流電 を発生する電力変換装置と、電力変換装置 らの交流電圧が印加されるコイル巻線を有 る電動機とを備えた電動機駆動装置の制御 法は、交流電圧を取得するステップと、交 電圧が所定値を超えるときには、交流電圧 極性反転時における電圧変化率が相対的に さくなるように、電力変換装置のスイッチ グ動作を制御するステップとを備える。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータを含む。電力変換装置のスイッチ グ動作を制御するステップは、所定の電圧 幅が所定値を超えるときには、両極性パル 電圧の極性反転時における立ち上がり時間 相対的に長くなるように、インバータのス ッチング動作を制御する。

 好ましくは、インバータは、各電力用半 体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達す 経路を含む。インバータのスイッチング動 を制御するステップは、所定の電圧振幅が 定値を超えるときには、両極性パルスの極 反転時において、経路の遅延インピーダン を相対的に高く設定する。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータを含む。電力変換装置のスイッチ グ動作を制御するステップは、所定の電圧 幅が所定値を超えるときには、両極性パル 電圧の立ち上がり時間が相対的に長くなる うに、インバータのスイッチング動作を制 する。

 好ましくは、インバータは、各電力用半 体素子の制御電極に駆動制御信号を伝達す 経路を含む。インバータのスイッチング動 を制御するステップは、所定の電圧振幅が 定値を超えるときには、経路の遅延インピ ダンスを相対的に高く設定する。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータと、電力用半導体素子のスイッチ グ動作によって、インバータへの入力電圧 可変制御可能に構成された直流電源とを含 。電力変換装置のスイッチング動作を制御 るステップは、交流電圧が所定値を超える きには、交流電圧の極性反転時における入 電圧が相対的に低くなるように、直流電源 スイッチング動作を制御する。

 好ましくは、直流電源は、電力用半導体 子のスイッチング動作によって蓄電機構か の直流電圧を電圧変換するコンバータと、 電機構とインバータとの間にコンバータを イパスするように電流経路を形成するため バイパス用スイッチング素子とを含む。直 電源のスイッチング動作を制御するステッ は、交流電圧が所定値を超えるときには、 流電圧の極性反転時において、バイパス用 イッチング素子をオンする。

 好ましくは、電力変換装置は、電力用半 体素子のスイッチング動作によって、交流 圧として、所定の電圧振幅および所定のパ ス幅を有する両極性パルス電圧を発生する ンバータと、コイル巻線に対してインバー と並列に接続され、電力用半導体素子のス ッチング動作によって、コイル巻線にパル を印加可能に構成されたパルス発生装置を らに備える。電力変換装置のスイッチング 作を制御するステップは、交流電圧が所定 を超えるときには、交流電圧の極性反転時 おいて、交流電圧が零電位であるときに、 流電圧よりも相対的に小さい電圧振幅を有 るパルスをコイル巻線に印加するように、 ルス発生装置を制御する。

 この発明によれば、インバータにより電 機を駆動する構成の電動機駆動装置におい 、コイル巻線間の相間絶縁破壊に至る部分 電の発生を防止するようにインバータを制 することができる。

この発明の実施の形態1による電動機駆 動装置の構成を説明する概略ブロック図であ る。 図1における制御装置のブロック図であ る。 スイッチング素子Q3~Q8のスイッチング 作により発生する交流電圧(モータ駆動電圧) Vmの出力波形図である。 図3のモータ駆動電圧Vmが各相コイル巻 に印加されたときの部分放電の測定波形を す図である。 モータ駆動電圧Vmと交流モータM1の各相 コイル巻線の絶縁寿命との関係を示す図であ る。 モータ駆動電圧Vmの極性反転時におけ 1番目のパルス電圧、および当該パルス電圧 各相コイル巻線に印加されたときの部分放 の測定波形である。 パルス電圧の立ち上がり時間を可変に るドライブ回路の一例を示す電気回路図で る。 この発明の実施の形態1に従う電動機駆 動装置におけるインバータのスイッチング制 御処理を説明するためのフローチャートであ る。 この発明の実施の形態1の変更例に従う 電動機駆動装置におけるインバータ14のスイ チング制御処理を説明するためのフローチ ートである。 この発明の実施の形態2に従う電動機 動装置の構成を説明する概略ブロック図で る。 図10における制御装置のブロック図で る。 実施の形態2に従うスイッチング素子Q3 ~Q8のスイッチング動作により発生する交流電 圧Vmの出力波形図である。 この発明の実施の形態2に従う電動機 動装置におけるインバータのスイッチング 御処理を説明するためのフローチャートで る。 この発明の実施の形態3に従う電動機 動装置の構成を説明する概略ブロック図で る。 実施の形態3に従うインバータのスイ チング動作により交流モータの各相コイル 線に印加される電圧の出力波形図である。 この発明の実施の形態3に従う電動機 動装置におけるインバータ14および31のスイ チング制御処理を説明するためのフローチ ートである。

符号の説明

 5 アースライン、6,7 電源ライン、10,13  圧センサ、12,12A 昇降圧コンバータ、14,31  ンバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、20U U相コイル巻線、20V V相コイ 巻線、20W W相コイル巻線、24 電流センサ、 30,30A,30B 制御装置、40 モータ制御用相電圧 算部、42 インバータ用PWM信号変換部、50 イ ンバータ入力電圧指令演算部、52 コンバー 用デューティー比演算部、54,54A コンバータ 用PWM信号変換部、100,100A,100B 電動機駆動装置 、B 蓄電機構、BL 電流供給ライン、C2 平滑 ンデンサ、D1~D8 逆並列ダイオード、L1 リ クトル、M1 交流モータ、Q1~Q8,Q11,Q12,Qb スイ チング素子、R1 放電抵抗、RG1,RG2 抵抗、SR1 ,SR2 システムリレー。

 以下、この発明の実施の形態について図 を参照して詳しく説明する。なお、図中同 符号は同一または相当部分を示す。

 [実施の形態1]
 図1は、この発明の実施の形態1による電動 駆動装置100の構成を説明する概略ブロック である。

 図1を参照して、この発明の実施の形態1 よる電動機駆動装置100は、蓄電機構Bと、電 センサ10,13と、システムリレーSR1,SR2と、昇 圧コンバータ12と、放電抵抗R1と、平滑コン デンサC2と、インバータ14と、電流センサ24と 、交流モータM1と、制御装置30とを備える。

 交流モータM1は、たとえばハイブリッド 動車または電気自動車の駆動輪を駆動する めのトルクを発生するための駆動モータで る。あるいは、このモータはエンジンにて 動される発電機の機能を持つように、そし 、エンジンに対して電動機として動作し、 とえば、エンジン始動を行ない得るような のとしてハイブリッド自動車に組み込まれ ようにしてもよい。

 蓄電機構Bは、たとえばニッケル水素また はリチウムイオン等の二次電池を含んで構成 され、電源ライン6およびアースライン5の間 直流電圧を出力する。電圧センサ10は、蓄 機構Bから出力される直流電圧(バッテリ電圧 )Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御 置30へ出力する。

 システムリレーSR1は、蓄電機構Bの正極端 子および電源ライン6の間に接続され、シス ムリレーSR2は、蓄電機構Bの負極端子および ースライン5の間に接続される。システムリ レーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEにより ン/オフされる。

 昇降圧コンバータ12は、一例として、昇 圧チョッパ回路により構成され、リアクト L1と、電力用半導体スイッチング素子(以下 単にスイッチング素子とも称する)Q1,Q2と、 イオードD1,D2とを含む。

 スイッチング素子Q1およびQ2は、電源ライ ン7とアースライン5との間に直列接続される リアクトルL1は、電源ライン6とスイッチン 素子Q1およびQ2の接続ノードとの間に接続さ れる。各スイッチング素子Q1,Q2のエミッタ/コ レクタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ 電流を流すように、逆並列ダイオードD1,D2が れぞれ接続されている。

 スイッチング素子Q1およびQ2のオン・オフは 、制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S 2によって制御される。この実施の形態にお るスイッチング素子としては、たとえばIGBT( Insulated
Gate Bipolar Transistor)が適用される。

 平滑コンデンサC2は、電源ライン7および ースライン5の間に接続される。また、電源 ライン7およびアースライン5の間には、電動 駆動装置100の停止時等において平滑コンデ サC2の残留電荷を抜くための放電抵抗R1が、 平滑コンデンサC2に並列に接続される。

 インバータ14は、電源ライン7およびアー ライン5の間に並列に接続される、U相アー 15、V相アーム16およびW相アーム17から成る。 各相アームは、電源ライン7およびアースラ ン5の間に直列接続されたスイッチング素子 ら構成される。たとえば、U相アーム15は、 イッチング素子Q3,Q4から成り、V相アーム16 、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相アー 17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また スイッチング素子Q3~Q8のコレクタ/エミッタ には、逆並列ダイオードD3~D8がそれぞれ接 されている。

 スイッチング素子Q3~Q8のオン・オフは、 御装置30からのスイッチング制御信号S3~S8に って制御される。より具体的には、スイッ ング素子Q3~Q8は、その制御電極への電気的 力に応じてオンまたはオフされる。たとえ 、IGBTは、ゲート(制御電極)の電圧に応じて ンまたはオフされる。スイッチング素子Q3~Q8 の制御電極(ゲート)へは、スイッチング制御 号S3~S8が、図示しないドライブ回路を経て 力される。

 各相アーム15~17の中間点は、交流モータM1 のU相コイル巻線20U、V相コイル巻線20VおよびW 相コイル巻線20Wの一端側とそれぞれ電気的に 接続される。たとえば、交流モータM1は、U相 コイル巻線20U、V相コイル巻線20VおよびW相コ ル巻線20Wが中性点に共通接続されて構成さ た、3相永久磁石モータである。U相コイル 線20U、V相コイル巻線20VおよびW相コイル巻線 20Wは、本発明における「コイル巻線」に対応 する。また、交流モータM1は、本発明におけ 「電動機」に対応する。

 交流モータM1には、電流センサ24が設けら れる。電流センサ24は、3相分のモータ電流MCR T(U相電流、V相電流およびW相電流)を検出し、 検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ送出す る。なお、三相電流の瞬時値の和は零である ので、電流センサ24は2相分のモータ電流を検 出するように配設すれば足りる。

 昇降圧コンバータ12は、昇圧動作時には 蓄電機構Bから供給された直流電圧を昇圧し インバータ14へ供給する。より具体的には 制御装置30からのスイッチング制御信号S1,S2 応答して、スイッチング素子Q1のオン期間 よびQ2のオン期間が交互に設けられ、昇圧比 はこれらのオン期間の比に応じたものとなる 。

 また、昇降圧コンバータ12は、降圧動作 には、平滑コンデンサC2を介してインバータ 14から供給された直流電圧を降圧して蓄電機 Bを充電する。より具体的には、制御装置30 らのスイッチング制御信号S1,S2に応答して スイッチング素子Q1のみがオンする期間とス イッチング素子Q1,Q2の両方がオフする期間と 交互に設けられ、降圧比は上記オン期間の ューティー比に応じたものとなる。

 平滑コンデンサC2は、昇降圧インバータ12 からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した 直流電圧をインバータ14へ供給する。電圧セ サ13は、平滑コンデンサC2の両端の電圧VH、 なわち、昇降圧コンバータ12の出力電圧(イ バータ14の入力電圧に相当する。以下同じ )を検出し、その検出した電圧VHを制御装置30 へ出力する。

 インバータ14は、平滑コンデンサC2から直 流電圧が供給されると、制御装置30からのス ッチング制御信号S3~S8に応答した、スイッ ング素子Q3~Q8のスイッチング動作により直流 電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆 する。

 また、インバータ14は、電動機駆動装置10 0が搭載されたハイブリッド自動車または電 自動車の回生制動時、スイッチング制御信 S3~S8に応答したスイッチング動作により、交 流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に 換し、その変換した直流電圧を平滑コンデ サC2を介して昇降圧コンバータ12へ供給する 。

 なお、ここで言う回生制動とは、ハイブ ッド自動車または電気自動車を運転するド イバーによるフットブレーキ操作があった 合の回生発電を伴なう制動や、フットブレ キを操作しないものの、走行中にアクセル ダルをオフすることで回生発電をさせなが 車速を減速(または加速を中止)させること 含む。

 制御装置30は、外部に設けられたECU(Electri cal Control Unit)からトルク指令値TRおよびモー タ回転数MRNを受け、電圧センサ10から直流電 Vbを受け、電圧センサ13から電圧VHを受け、 流センサ24からモータ電流MCRTを受ける。制 装置30は、これらの入力信号に基づいて、 述する方法により交流モータM1がトルク指令 値TRに従ったトルクを出力するように、昇降 コンバータ12およびインバータ14の動作を制 御する。すなわち、昇降圧コンバータ12およ インバータ14を上記のように制御するため スイッチング制御信号S1~S8を生成して、昇降 圧コンバータ12およびインバータ14へ出力す 。

 このとき、制御装置30は、交流モータM1が トルク指令値TRに従ったトルクを出力できる うな交流電圧が各相コイル巻線20U,20Vおよび 20Wに印加されるように、スイッチング素子Q3~ Q8のスイッチング動作を制御する。すなわち 制御装置30は、このようなスイッチング動 に対応するようなスイッチング制御信号S3~S8 を生成する。以下では、各相コイル巻線20U,20 V,20Wに印加される交流電圧を、「モータ駆動 圧」とも称する。

 なお、制御装置30により生成されたスイ チング制御信号S3~S8は、図示しないドライブ 回路へ与えられる。ドライブ回路は、スイッ チング制御信号S3~S8に応答して、スイッチン 素子Q3~Q8をそれぞれオンまたはオフさせる めのゲート電圧を発生する。

 図2は、図1における制御装置30のブロック図 である。
 図2を参照して、制御装置30は、モータ制御 相電圧演算部40と、インバータ用PWM信号変 部42と、インバータ入力電圧指令演算部50と コンバータ用デューティー比演算部52と、 ンバータ用PWM信号変換部54とを含む。

 モータ制御用相電圧演算部40は、外部ECU らトルク指令値TRを受け、電圧センサ13から 降圧コンバータ12の出力電圧VH、すなわち、 インバータ14の入力電圧を受け、電流センサ2 4からモータ電流MCRTを受ける。そして、モー 制御用相電圧演算部40は、これらの入力信 に基づいて、交流モータM1の各相コイル巻線 に印加する電圧(モータ駆動電圧)の操作量(以 下、電圧指令とも称する)Vu*,Vv*,Vw*を計算し、 その計算した結果をインバータ用PWM信号変換 部42へ出力する。

 インバータ用PWM信号変換部42は、モータ 御用相電圧演算部40から受けた各相コイル巻 線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、実際にイ バータ14の各スイッチング素子Q3~Q8をオン/ フするためのスイッチング制御信号S3~S8を生 成してインバータ14へ出力する。

 これにより、各スイッチング素子Q3~Q8は スイッチング制御され、交流モータM1が指令 されたトルクを出力するように交流モータM1 各相コイル巻線に流す電流を制御する。こ ようにして、モータ駆動電流が制御され、 ルク指令値TRに応じたモータトルクが出力 れる。

 インバータ入力電圧指令演算部50は、外 ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数 MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値( 標値)、すなわち、電圧指令Vdc_comを演算し、 その演算した電圧指令Vdc_comをコンバータ用 ューティー比演算部52へ出力する。

 コンバータ用デューティー比演算部52は インバータ入力電圧指令演算部50から電圧指 令Vdc_comを受け、電圧センサ10から直流電圧Vb( 以下、バッテリ電圧Vbとも称す)を受けると、 電圧センサ13からの出力電圧VHを電圧指令Vdc_c omに設定するためのデューティ比を演算する そして、コンバータ用デューティー比演算 52は、その演算したデューティー比をコン ータ用PWM信号変換部54へ出力する。

 コンバータ用PWM信号変換部54は、コンバ タ用デューティー比演算部52からのデューテ ィ比に基づいて昇降圧コンバータ12のスイッ ング素子Q1,Q2をオン/オフするためのスイッ ング制御信号S1,S2を生成して昇降圧コンバ タ12へ出力する。

 なお、昇降圧コンバータ12の下側のスイ チング素子Q2のオンデューティを大きくする ことによりリアクトルL1の電力蓄積が大きく るため、より高電圧の出力を得ることがで る。一方、上側のスイッチング素子Q1のオ デューティを大きくすることにより電源ラ ンの電圧が下がる。そこで、スイッチング 子Q1,Q2のデューティ比を制御することで、イ ンバータ14の入力電圧VHを、蓄電機構Bの出力 圧を下限として、スイッチング素子の素子 圧などを基に設定された上限値までの任意 電圧に制御可能である。

 そして、このような昇降圧コンバータ12 制御を行なうことによってインバータ14の入 力電圧VHを交流モータM1の動作状態に応じて 変させることにより、電動機駆動装置100で 生する損失(モータ損失、インバータ損失お び昇圧コンバータ損失を含む)を最小限に抑 え、モータ駆動効率を高めることができる。

 そして、インバータ14は、蓄電機構Bの出 電圧以上の高電圧に変換された入力電圧VH 、スイッチング素子Q3~Q8のスイッチング動作 によって交流電圧(モータ駆動電圧)に変換し 交流モータM1を駆動する。

 図3は、スイッチング素子Q3~Q8のスイッチ グ動作により発生する交流電圧(モータ駆動 電圧)Vmの出力波形図である。

 図3を参照して、モータ駆動電圧Vmは、半 期ごとに極性が反転する両極性パルス電圧 ある。半周期中における同一極性のパルス 圧は、所定の電圧振幅と所定のパルス幅と 有している。このときの所定の電圧振幅は 上述した交流モータM1の各相コイル巻線の 圧指令Vu*,Vv*,Vw*に応じた大きさとなる。また 、所定のパルス幅は、インバータ14のスイッ ング制御信号S3~S8を生成するためのキャリ 信号のキャリア周波数に応じたものとなる

 そして、図3に示すモータ駆動電圧Vmが交 モータM1の各相コイル巻線に印加されると 各相コイル巻線では、モータ駆動電圧Vmの極 性反転時において、コイル巻線間の空隙(ギ ップ)に部分放電が発生する可能性がある。 の結果、コイル巻線の導線を被膜する絶縁 の劣化が進行することにより、最終的には 間絶縁が短絡して機器故障に至ってしまう ースが起きてしまう。

 図4は、図3のモータ駆動電圧Vmが各相コイ ル巻線に印加されたときの部分放電の測定波 形を示す図である。なお、図4には、モータ 動電圧Vmが図3の領域RGN1内の特性を示すとき 測定される部分放電の波形を抽出して示さ る。

 図4を参照して、モータ駆動電圧Vmは、上 したように、半周期中において所定の電圧 幅およびパルス幅を有する同一極性のパル 電圧から構成されている。なお、モータ駆 電圧Vmは、時刻t1以前においては負電位に設 定されており、零電位を経由した後、時刻t1 おいて正電位に設定される。

 そして、このモータ駆動電圧Vmの極性反 時における1番目のパルス電圧が立ち上がる イミングである時刻t1において、コイル巻 間のギャップには部分放電が発生している このときの部分放電は、時刻t1よりも後であ って、2番目以降のパルス電圧が立ち上がる イミングである時刻t2,t3等で発生する微小放 電に比べて著しく大きくなっている。

 このようにモータ駆動電圧の極性反転時 は、極性反転前および極性反転後と比較し 、相対的に部分放電が発生し易くなってい 。これは、モータ駆動電圧の極性反転時に 、コイル巻線表面に誘起される電荷(表面電 荷)が発生し易く、コイル巻線のギャップに 面電荷により生じる電界が相対的に強めら ることに起因する。

 特に、図4のようにモータ駆動電圧Vmがパ ス電圧である場合には、モータ駆動電圧Vm 極性反転が短時間に行なわれるため、極性 転前において相対的に正電位に設定された 方のコイル巻線の導線の絶縁膜表面に誘起 れた表面電荷が拡散できずに残った状態で 反転時において新たに負電位から正電位に 定された他方のコイル巻線の導線の絶縁膜 面に表面電荷が誘起され始める。これによ 、コイル巻線間のギャップに表面電荷によ て生じる電界により、コイル巻線間のギャ プ電圧が高められる。この結果、絶縁を構 している間隔が短い当該ギャップ部分に放 (部分放電)が発生し易くなる。すなわち、ギ ャップに表面電荷によって生じる電界が強く なることによって、部分放電開始電圧が低下 する。これにより、絶縁膜の劣化が進行する ことによって、最終的には相間絶縁が短絡し て絶縁寿命が短くなってしまう可能性がある 。

 図5は、モータ駆動電圧Vmと交流モータM1 各相コイル巻線の絶縁寿命との関係を示す である。

 図5を参照して、交流モータM1の各相コイ 巻線の絶縁寿命は、モータ駆動電圧Vmが低 なるに従って長くなる傾向を示している。 れは、各相コイル巻線間のギャップに発生 る部分放電が、モータ駆動電圧Vmの大きさに 応じて、3つの発生パターンに大別されるこ に起因する。

 具体的には、モータ駆動電圧Vmが相対的 高い場合には、各相コイル巻線間のギャッ には、モータ駆動電圧Vmの極性反転時だけで なく、同一極性の全てのパルス電圧の立ち上 がり時において部分放電が発生している。そ の結果、各相コイル巻線の絶縁寿命は、相対 的に短くなっている。

 これに対して、モータ駆動電圧Vmが相対 に低い場合には、各相コイル巻線間のギャ プには微小放電が発生するに留まっており その結果、各相コイル巻線の絶縁寿命は相 的に長くなっている。

 そして、モータ駆動電圧Vmがこれら2つの 圧レベルの間にある場合には、図4で述べた ように、各相コイル巻線間のギャップにはモ ータ駆動電圧Vmの極性反転時において部分放 が発生する。なお、交流モータM1の通常運 時には、このような極性反転時の部分放電 比較的多く発生する。

 ここで、モータ駆動電圧Vmの極性反転時 おけるギャップでの部分放電を発生し難く るためには、モータ駆動電圧Vmの極性反転時 にコイル巻線の絶縁膜表面に誘起された表面 電荷が拡散する時間を確保する必要がある。 これには、モータ駆動電圧Vmの極性反転を緩 かにすることが有効である。すなわち、極 反転時のモータ駆動電圧Vmの電圧変化率を さくすることによって、ギャップに表面電 によって生じる電界を弱くすることができ 。その結果、部分放電開始電圧の低下を防 できる。

 そこで、実施の形態1では、このようなモ ータ駆動電圧Vmの極性反転時における電圧変 率を小さくするための方策として、極性反 時における1番目のパルス電圧(図4の領域RGN2 参照)の立ち上がり時間が、後続する残余の ルス電圧よりも相対的に長くなるように、 ンバータ14のスイッチング動作を制御する構 成とする。

 図6は、モータ駆動電圧Vmの極性反転時に ける1番目のパルス電圧および当該パルス電 圧が交流モータM1の各相コイル巻線に印加さ たときに発生する部分放電の測定波形であ 。

 図6において、ラインLN1およびLN3はそれぞ れ、通常のスイッチング制御により発生した モータ駆動電圧Vmの極性反転時における1番目 のパルス電圧および部分放電の測定波形を示 している。一方、図中のラインLN2およびLN4は それぞれ、極性反転時のモータ駆動電圧Vmの 圧変化率を小さくする制御を行なうことに り発生した極性反転時における1番目のパル ス電圧および部分放電の測定波形を示してい る。

 図6からは、極性反転時における1番目の ルス電圧の立ち上がり時間を長くすること よって、各相コイル巻線のギャップ間では 分放電の発生が抑えられているのが分かる すなわち、コイル巻線のギャップに残存す 表面電荷により生じる電界がギャップ電圧 強めて部分放電が発生し易くなるような状 が回避されている。これにより、部分放電 発生を抑制して、コイル巻線間の相間絶縁 壊の発生を防止することが可能となる。

 なお、このような極性反転時における1番 目のパルス電圧の立ち上がり時間を長くする 構成は、実際には、スイッチング制御信号S8~ S8に応答して、スイッチング素子Q3~Q8をそれ れオンまたはオフさせるためのゲート電圧 発生するドライブ回路を、1番目のパルス電 と残余のパルス電圧との間でゲート抵抗を 変に設定可能な構成とすることにより実現 ることができる。

 図7は、パルス電圧の立ち上がり時間を可 変にするドライブ回路の一例を示す電気回路 図である。

 図7を参照して、ドライブ回路は、抵抗RG1 ,RG2と、スイッチング素子Q11,Q12と、電流供給 インBLとを含む。抵抗RG1,RG2は、インバータ1 4のスイッチング素子(たとえばQ3とする)のベ スに一端が接続され、スイッチング素子Q11, Q12のエミッタにそれぞれ他端が接続される。 スイッチング素子Q11,Q12は、電流供給ラインBL にコレクタが接続され、抵抗RG1,RG2にそれぞ エミッタが接続され、制御装置30からのスイ ッチング制御信号をそれぞれベースに受ける 。

 抵抗RG1,RG2については、抵抗RG1の抵抗値が 抵抗RG2の抵抗値よりも大きい。したがって、 モータ駆動電圧Vmの極性反転時には、抵抗値 相対的に大きい抵抗RG1を選択することによ 、各スイッチング素子Q3~Q8においては、タ ンオンおよびターンオフ時におけるコレク -エミッタ間電圧が相対的に緩やかな波形と る。この結果、モータ駆動電圧Vmの極性反 時における立ち上がり時間が相対的に長く ることができる。

 そして、モータ駆動電圧Vmの極性が反転 た後の2番目以降のパルス電圧については、 抗値が相対的に小さい抵抗RG2を選択するこ により、各スイッチング素子Q3~Q8において 、ターンオンおよびターンオフ時における レクタ-エミッタ間電圧が相対的に急峻な波 となる。なお、抵抗RG2を、各スイッチング 子Q3~Q8においてターンオンおよびターンオ 時に発生する損失を低減するのに最適な抵 値とすることにより、図4に示すような立ち がり波形が急峻なパルス電圧が生成される その結果、各スイッチング素子Q3~Q8におい ターンオンおよびターンオフ時に発生する 失を低く保つことができる。

 図8は、この発明の実施の形態1による電 機駆動装置100におけるインバータ14のスイッ チング制御処理を説明するためのフローチャ ートである。図8に示したフローチャートに う制御処理は、制御装置30が予め格納された プログラムを所定周期毎に実行することによ り実現される。

 図8を参照して、インバータ用PWM信号変換 部42として機能する制御装置30は、モータ制 用相電圧演算部40として機能する制御装置30 ら各相コイル巻線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を取 すると(ステップS01)、これらの電圧指令Vu*,Vv *,Vw*が予め設定された所定の閾値Vth1以上であ るか否かを判定する(ステップS02)。なお、所 の閾値Vth1は、図5に示すモータ駆動電圧Vmと 交流モータM1の各相コイル巻線の絶縁寿命と 関係に基づいて、各相コイル巻線間のギャ プに微小放電が発生するときのモータ駆動 圧Vmを上回るように設定される。

 電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定の閾値Vth1を下回 場合(ステップS02にてNOの場合)には、インバ ータ用PWM信号変換部42として機能する制御装 30は、インバータ14を構成するスイッチング 素子Q3~Q8に対して、通常のスイッチング制御 実行することにより、実際にインバータ14 各スイッチング素子Q3~Q8をオン/オフするた のスイッチング制御信号S3~S8を生成する(ス ップS04)。この場合、図7に示すドライブ回路 においては抵抗RG2が選択されている。

 これに対して、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定 閾値Vth1以上となる場合(ステップS02にてYESの 場合)には、インバータ用PWM信号変換部42とし て機能する制御装置30は、モータ駆動電圧Vm 極性反転時における1番目のパルス電圧の立 上がり時間が相対的に長くなるように、ス ッチング制御信号S3~S8を生成する(ステップS 03)。具体的には、制御装置30は、図7に示すド ライブ回路を用いて、モータ駆動電圧Vmの極 反転時における1番目のパルス電圧と残余の パルス電圧との間でゲート抵抗を可変に設定 する。この結果、部分放電の発生の防止によ り、コイル巻線間の相間絶縁破壊の発生を防 止することができる。

 なお、実施の形態1では、インバータ14の イッチング動作におけるゲート抵抗を、極 反転時1番目のパルス電圧と残余のパルス電 圧との間で可変に設定する構成としたが、ゲ ート抵抗に限定されることなく、制御装置30 らのスイッチング制御信号S3~S8が各スイッ ング素子Q3~Q8のゲート(制御電極)へ伝達され 経路における遅延インピーダンスを、極性 転時1番目のパルス電圧と残余のパルス電圧 との間で可変設定すればよいことは明らかで ある。すなわち、当該伝達経路における抵抗 成分(ゲート抵抗)に代えて、付加される容量 またはインダクタンス値を可変に設定する 成としても、同様の効果を得ることができ 。

 さらに、実施の形態1では、ゲート抵抗に 代表される遅延インピーダンスの可変設定を 、極性反転時1番目のパルス電圧と残余のパ ス電圧とに応じて2段階としたが、極性反転 1番目のパルス電圧については、さらに細分 化して3以上の複数段階に遅延インピーダン を可変設定してもよい。または、モータ駆 電圧Vmの上昇に従って遅延インピーダンスが 徐々に延長されるように、遅延インピーダン スを連続的に可変設定する構成としてもよい 。これによれば、各スイッチング素子Q3~Q8に 生する損失を抑えつつ、部分放電の発生を 果的に防止することが可能となる。

 [変更例]
 図9は、この発明の実施の形態1の変更例に る電動機駆動装置におけるインバータ14のス イッチング制御処理を説明するためのフロー チャートである。図9に示したフローチャー に従う制御処理は、制御装置30が予め格納さ れたプログラムを所定周期毎に実行すること により実現される。

 図9を参照して、インバータ用PWM信号変換 部42として機能する制御装置30は、モータ制 用相電圧演算部40として機能する制御装置30 ら各相コイル巻線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を取 すると(ステップS01)、これらの電圧指令Vu*,Vv *,Vw*が予め設定された所定の閾値Vth2以上であ るか否かを判定する(ステップS021)。なお、所 定の閾値Vth2は、図5に示したモータ駆動電圧V mと交流モータM1の各相コイル巻線の絶縁寿命 との関係に基づいて、同一極性の全てのパル ス電圧の立ち上がり時において部分放電が発 生するときのモータ駆動電圧Vmを下限値を含 ように設定されている。

 電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定の閾値Vth2を下回 場合(ステップS021にてNOの場合)には、イン ータ用PWM信号変換部42として機能する制御装 置30は、インバータ14を構成するスイッチン 素子Q3~Q8に対して、通常のスイッチング制御 を実行することにより、実際にインバータ14 各スイッチング素子Q3~Q8をオン/オフするた のスイッチング制御信号S3~S8を生成する(ス ップS04)。この場合、図7に示すドライブ回 においては抵抗RG2が選択される。

 これに対して、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定 閾値Vth2以上となる場合(ステップS021にてYES 場合)には、インバータ用PWM信号変換部42と て機能する制御装置30は、モータ駆動電圧Vm 構成する同一極性の全てのパルス電圧の立 上がり時間が相対的に長くなるように、ス ッチング制御信号S3~S8を生成する(ステップS 031)。具体的には、制御装置30は、図7に示す ライブ回路を用いて、同一極性の全てのパ ス電圧に対して、ゲート抵抗を相対的に高 抵抗値に設定する。この結果、モータ駆動 圧Vmが相対的に高く、部分放電がより発生し 易い状況においても、部分放電の発生を確実 に防止できるため、コイル巻線間の相間絶縁 破壊の発生を防止することができる。

 なお、本変更例のように、同一極性の全 のパルス電圧の立ち上がり時間が相対的に くするには、ゲート抵抗を高くする構成以 に、インバータ14の入力側に設けられる平 コンデンサC2の容量および放電抵抗R1の抵抗 を調整することによっても行なうことがで る。

 [実施の形態2]
 図10は、この発明の実施の形態2に従う電動 駆動装置100Aの構成を説明する概略ブロック 図である。

 図10を参照して、実施の形態2に従う電動 駆動装置100Aは、図1に示す電動機駆動装置10 0と比較して、昇降圧コンバータ12に代えて、 昇降圧コンバータ12Aを備える点で異なる。電 動機駆動装置100Aのその他の部分の構成は図1 示した電動機駆動装置100と同様であるので 細な説明は繰り返さない。

 昇降圧コンバータ12Aは、昇降圧チョッパ 路により構成された昇降圧コンバータ12に して、電源ライン6および電源ライン7の間を 、リアクトルL1およびスイッチング素子Q1を さず直接的に接続するためのスイッチング 子Qbをさらに含むものである。

 スイッチング素子Qbは、制御装置30Aから スイッチング制御信号Sbによりオンまたはオ フされる。スイッチング素子Qbがオンされた 合には、蓄電機構Bからの直流電流はスイッ チング素子Qbを介して電源ライン7に流れる。 そのため、リアクトルL1には電流が供給され いために昇圧動作が行なわれず、インバー 14の入力電圧VHは蓄電機構Bの出力電圧と略 じ電圧レベルとなる。

 これに対して、スイッチング素子Qbがオ された場合には、スイッチング素子Q1,Q2のデ ューティー比を制御することにより、インバ ータ14の入力電圧VHは、蓄電機構Bの出力電圧 下限とする任意の電圧に制御される。

 なお、図10の構成において、スイッチン 素子Qbは、本発明における「バイパス用スイ ッチング素子」に対応する。

 図11は、図10における制御装置30Aのブロック 図である。
 図11を参照して、制御装置30Aは、図2に示す 御装置30と比較して、コンバータ用PWM信号 換部54に代えて、コンバータ用PWM信号変換部 54Aを備える点で異なる。制御装置30Aのその他 の部分の構成は図2に示した制御装置30と同様 であるので詳細な説明は繰り返さない。

 コンバータ用PWM信号変換部54Aは、コンバ タ用デューティー比演算部52からデューテ ー比を受け、電圧センサ13からインバータ14 入力電圧VHを受け、インバータ用PWM信号変 部42から各相コイル巻線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw* 受ける。そして、コンバータ用PWM信号変換 54Aは、デューティー比に基づいて昇降圧コ バータ12Aのスイッチング素子Q1,Q2をオン/オ するためのスイッチング制御信号S1,S2を生 して昇降圧コンバータ12Aへ出力する。

 さらに、コンバータ用PWM信号変換部54Aは 電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定の閾値Vth1以上であ か否かを判定する。電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所 の閾値Vth1以上である場合には、コンバータ PWM信号変換部54Aは、バイパス用スイッチン 素子を構成するスイッチング素子Qbをオン るためのスイッチング制御信号Sbを生成して スイッチング素子Qbへ出力する。これにより スイッチング素子Qbがオンされ、インバー 14の入力電圧VHは、蓄電機構Bの出力電圧と略 等しくなる。

 このとき、コンバータ用PWM信号変換部54A 、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づいてモータ駆動 圧Vmの極性が反転するタイミングを検知し、 その検知したタイミングにおいて一時的にス イッチング制御信号Sbを生成してスイッチン 素子Qbへ出力する。これにより、モータ駆 電圧Vmの極性反転時において、インバータ14 は、一時的に蓄電機構Bの出力電圧に略等し い電圧が入力されることになる。

 図12は、実施の形態2に従うスイッチング 子Q3~Q8のスイッチング動作により発生する 流電圧(モータ駆動電圧)Vmの出力波形図であ 。

 図12を参照して、モータ駆動電圧Vmは、先 の実施の形態1と同様に、半周期ごとに極性 反転する両極性パルス電圧である。本実施 形態2では、上述したスイッチング素子Qbの イッチング制御により、モータ駆動電圧Vmの 極性反転時における1番目のパルス電圧の電 振幅(図中の符号60参照)が、後続する残余の ルス電圧の電圧振幅よりも相対的に小さく っている。このことは、実質的に、モータ 動電圧Vmの極性反転時における電圧変化率 小さくなることに等しい。したがって、実 の形態2においても、各相コイル巻線のギャ プ間に部分放電が発生するのが抑制され、 イル巻線間の相間絶縁破壊の発生を防止す ことができる。

 図13は、この発明の実施の形態2による電 機駆動装置100Aにおけるインバータ14のスイ チング制御処理を説明するためのフローチ ートである。図13に示したフローチャート 従う制御処理は、制御装置30Aが予め格納さ たプログラムを所定周期毎に実行すること より実現される。

 図13を参照して、コンバータ用PWM信号変 部54Aとして機能する制御装置30Aは、インバ タ用PWM信号変換部42として機能する制御装置 30Aから各相コイル巻線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を 得すると(ステップS01)、これらの電圧指令Vu *,Vv*,Vw*が予め設定された所定の閾値Vth1以上 あるか否かを判定する(ステップS02)。なお、 所定の閾値Vth1は、実施の形態1と同様に、図5 に示すモータ駆動電圧Vmと交流モータM1の各 コイル巻線の絶縁寿命との関係に基づいて 各相コイル巻線間のギャップに微小放電が 生するときのモータ駆動電圧Vmを上回るよう に設定される。

 電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定の閾値Vth1を下回 場合(ステップS02にてNOの場合)には、コンバ ータ用PWM信号変換部54Aとして機能する制御装 置30Aは、昇降圧コンバータ12を構成するスイ チング素子Q1,Q2に対して、通常の電圧変換 御を実行することにより、スイッチング素 Q1,Q2をオン/オフするためのスイッチング制 信号S1,S2を生成する(ステップS042)。この場合 、図10に示す電動機駆動装置100Aにおいてはス イッチング素子Qbはオフ状態に維持されてい 。

 これに対して、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定 閾値Vth1以上となる場合(ステップS02にてYESの 場合)には、コンバータ用PWM信号変換部54Aと て機能する制御装置30Aは、モータ駆動電圧Vm の極性反転時における1番目のパルス電圧の 圧振幅が相対的に小さくなるように、スイ チング制御信号S1,S2,Sbを生成する(ステップS0 32)。具体的には、制御装置30Aは、スイッチン グ素子Qbをオン/オフすることにより、モータ 駆動電圧Vmの極性反転時における1番目のパル ス電圧と残余のパルス電圧との間で電圧振幅 を可変に設定する。この結果、部分放電の発 生の防止により、コイル巻線間の相間絶縁破 壊の発生を防止することができる。

 [実施の形態3]
 図14は、この発明の実施の形態3に従う電動 駆動装置100Bの構成を説明する概略ブロック 図である。

 図14を参照して、実施の形態3に従う電動 駆動装置100Bは、図1に示す電動機駆動装置10 0と比較して、交流モータM1に対してインバー タ14と並列に接続されるインバータ31をさら 備える点で異なる。電動機駆動装置100Bのそ 他の部分の構成は図1に示した電動機駆動装 置100と同様であるので詳細な説明は繰り返さ ない。

 インバータ31は、図示は省略するが、イ バータ14と同様の構成からなる。すなわち、 インバータ31は、電源ライン7およびアースラ イン5の間に並列に設けられたU相アーム、V相 アームおよびW相アームからなる。各相アー は、直列接続されたスイッチング素子から る。そして、各相アームの中間点は、交流 ータM1の各相コイル巻線20U,20V,20Wの各相端に 続されている。

 インバータ31は、平滑コンデンサC2から直 流電圧VHが供給されると、制御装置30Bからの イッチング制御信号S13~S18に応答した、スイ ッチング素子Q3~Q8(図示せず)のスイッチング 作により直流電圧VHからパルス電圧を生成す る。そして、その生成したパルス電圧を交流 モータM1の各相コイル巻線に印加する。

 これにより、交流モータM1の各相コイル 線にはそれぞれ、インバータ14から供給され るモータ駆動電圧Vmに加えて、インバータ31 らのパルス電圧が印加されることになる。

 図15は、実施の形態3に従うインバータ14,3 1のスイッチング動作により交流モータM1の各 相コイル巻線に印加される電圧の出力波形図 である。

 図15を参照して、各相コイル巻線には、 ンバータ14からのモータ駆動電圧Vmが印加さ る。モータ駆動電圧Vmは、先の実施の形態1 同様に、半周期ごとに極性が反転する両極 パルス電圧である。本実施の形態3では、こ のモータ駆動電圧Vmの極性が反転するときに 電位を経由する期間において、インバータ3 1からパルス電圧(図中の符号62参照)がさらに 加される。

 すなわち、インバータ31は、モータ駆動 圧Vmの半周期ごとにパルス電圧を発生するよ うにスイッチング動作が制御される。このパ ルス電圧の電圧振幅は、モータ駆動電圧Vmを 成するパルス電圧の電圧振幅よりも小さい に設定される。

 そして、モータ駆動電圧Vmとパルス電圧 を重ね合わせることにより、各相コイル巻 に印加される交流電圧は、総合的に、極性 転時の電圧立ち上がりが緩やかな波形とな 。この結果、モータ駆動電圧Vmの極性反転時 における電圧変化率を小さくすることができ るため、実施の形態3においても、各相コイ 巻線のギャップ間に部分放電が発生するの 抑制することができ、コイル巻線間の相間 縁破壊の発生を防止することができる。

 図16は、この発明の実施の形態3による電 機駆動装置100Bにおけるインバータ31のスイ チング制御処理を説明するためのフローチ ートである。図16に示したフローチャート 従う制御処理は、制御装置30Bが予め格納さ たプログラムを所定周期毎に実行すること より実現される。

 図16を参照して、インバータ用PWM信号変 部42として機能する制御装置30Bは、モータ制 御用相電圧演算部40として機能する制御装置3 0Bから各相コイル巻線の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*を 得すると(ステップS01)、これらの電圧指令Vu* ,Vv*,Vw*が予め設定された所定の閾値Vth1以上で あるか否かを判定する(ステップS02)。なお、 定の閾値Vth1は、実施の形態1と同様に、図5 示すモータ駆動電圧Vmと交流モータM1の各相 コイル巻線の絶縁寿命との関係に基づいて、 各相コイル巻線間のギャップに微小放電が発 生するときのモータ駆動電圧Vmを上回るよう 設定される。

 電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定の閾値Vth1を下回 場合(ステップS02にてNOの場合)には、インバ ータ用PWM信号変換部42として機能する制御装 30Bは、インバータ31の運転を停止する(ステ プS043)。具体的には、インバータ用PWM信号 換部42は、インバータ31を構成するスイッチ グ素子Q3~Q8の各々がスイッチング動作を停 (すべてオフ)するように、スイッチング制御 信号S13~S18を生成する。

 これに対して、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*が所定 閾値Vth1以上となる場合(ステップS02にてYESの 場合)には、インバータ用PWM信号変換部42とし て機能する制御装置30Bは、モータ駆動電圧Vm 極性が反転するときに零電位を経由する期 において、インバータ31からパルス電圧が 生するように、スイッチング制御信号S13~S18 生成してインバータ31へ出力する(ステップS 033)。

 なお、ステップS033、S043の処理に並行し 、インバータ用PWM信号変換部42として機能す る制御装置30Bは、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に基づい 、実際にインバータ14の各スイッチング素 Q3~Q8をオン/オフするためのスイッチング制 信号S3~S8を生成する。

 これにより、交流モータM1の各相コイル 線には、モータ駆動電圧Vmとパルス電圧とが 合成された交流電圧が印加される。この交流 電圧は、モータ駆動電圧Vmと比較して、極性 転時の電圧変化率が小さいことから、コイ 巻線のギャップ間に部分放電が発生するの 抑制することができる。この結果、部分放 の発生の防止により、コイル巻線間の相間 縁破壊の発生を防止することができる。

 今回開示された実施の形態はすべての点 例示であって制限的なものではないと考え れるべきである。本発明の範囲は上記した 明ではなく、請求の範囲によって示され、 求の範囲と均等の意味および範囲内でのす ての変更が含まれることが意図される。

 この発明は、ハイブリッド車両に搭載さ た電源装置に適用することができる。