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Title:
ELECTRODE FOR SOLID POLYMER FUEL CELL, MEMBRANE ELECTRODE ASSEMBLY, AND PROCESS FOR PRODUCING CATALYST LAYER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075357
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an electrode for a solid polymer fuel cell comprising a catalyst layer having a high level of gas diffusibility, a membrane electrode assembly, and a process for producing a nonwoven fabric for a catalyst layer that can realize the production of the membrane electrode assembly in a low-cost and easy manner. A catalyst layer (11) for an electrode includes a nonwoven fabric of ion exchanging fluoride polymer fibers. The fibers have a diameter of 0.1 to 30 μm, and the nonwoven fabric has a bulk density of 0.1 to 1.1 g/cc. The nonwoven fabric is produced by forming fibers from a spinning stock solution containing an ion exchanging fluoride polymer by an electrospinning method and accumulating the fibers. The catalyst is mixed into the spinning stock solution or attached to the nonwoven fabric.

Inventors:
KOTERA SEIGO (JP)
FUJII KATSUYA (JP)
TERADA ICHIRO (JP)
UYAMA HIROSHI (JP)
MATSUBARA CHIE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072678
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 12, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI GLASS CO LTD (JP)
KOTERA SEIGO (JP)
FUJII KATSUYA (JP)
TERADA ICHIRO (JP)
UYAMA HIROSHI (JP)
MATSUBARA CHIE (JP)
International Classes:
H01M4/86; D01F1/02; D04H1/42; H01M4/88; H01M4/92; H01M8/02; H01M8/10
Domestic Patent References:
WO2006054636A12006-05-26
Foreign References:
JP2007220416A2007-08-30
JP2001185163A2001-07-06
JP2002110202A2002-04-12
JP2006179412A2006-07-06
JP2005240224A2005-09-08
JPH11204114A1999-07-30
Attorney, Agent or Firm:
SENMYO, Kenji et al. (SIA Kanda Square17, Kanda-Konyach, Chiyoda-ku Tokyo, JP)
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Claims:
 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電極であって、
 前記触媒層が、イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒とを含む繊維の不織布を有し、
 前記繊維の繊維径が、0.1~30μmであり、
 前記触媒層のかさ密度が、0.1~1.1g/ccである、固体高分子形燃料電池用電極。
 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電極であって、
 前記触媒層が、イオン交換性フッ素系ポリマーを含む繊維の不織布と、前記繊維に付着した触媒とを有し、
 前記繊維の繊維径が、0.1~30μmであり、
 前記触媒層のかさ密度が、0.1~1.1g/ccである、固体高分子形燃料電池用電極。
 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電極であって、
 前記触媒層が、イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒とを含む繊維と、イオン交換性フッ素系ポリマーを含みかつ触媒を含まない繊維との不織布を有し、
 前記繊維の繊維径が、0.1~30μmであり、
 前記触媒層のかさ密度が、0.1~1.1g/ccである、固体高分子形燃料電池用電極。
 前記イオン交換性フッ素系ポリマーが、テトラフルオロエチレンに基づく繰り返し単位と、下式(1)で表される繰り返し単位とを有する共重合体である、請求項1~3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電極。
 ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、mは0~3の整数であり、nは1~12の整数であり、pは0または1である。
 前記イオン交換性フッ素系ポリマーのイオン交換容量が、1.1~1.8ミリ当量/g乾燥樹脂である、請求項4に記載の固体高分子形燃料電池用電極。
 前記触媒が、カーボン担体に白金または白金合金を担持した触媒である、請求項1~5のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用電極。
 カソードとアノードと両者の間に配置された固体高分子電解質膜とを備える、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体であって、前記カソードと前記アノードの少なくとも一方が請求項1~6のいずれかに記載の電極からなる、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
 固体高分子形燃料電池用電極の触媒層となる触媒含有不織布を製造する方法であって、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒とを含む紡糸原液から、繊維径が0.1~30μmの繊維が集積したかさ密度が0.1~1.1g/ccの触媒含有不織布を製造することを特徴とする製造方法。
 固体高分子形燃料電池用電極の触媒層となる触媒含有不織布を製造する方法であって、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素系ポリマーを含む紡糸原液から、繊維径が0.1~30μmの繊維が集積したかさ密度が0.1~1.1g/ccの不織布を製造するとともに該不織布に触媒を担持させることを特徴とする製造方法。
 固体高分子形燃料電池用電極の触媒層となる触媒含有不織布を製造する方法であって、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒とを含む紡糸原液とイオン交換性フッ素系ポリマーを含みかつ触媒を含まない紡糸原液とから各々紡糸して、繊維径が0.1~30μmである各繊維が集積したかさ密度が0.1~1.1g/ccの触媒含有不織布を製造することを特徴とする製造方法。
 前記紡糸原液が、さらにポリアルキレンオキシドまたはポリビニルアルコールを含む、請求項8~10のいずれかに記載の製造方法。
 前記紡糸原液として、n種類(ただし、nは2以上の整数である。)の紡糸原液を用い、
 該紡糸原液を電界紡糸法により繊維にする際に、下記紡糸ノズルを用いる、請求項8~11のいずれかに記載の製造方法。
 n本の流路と、該流路の終端で多層流の状態で合流したn種類の紡糸原液を多層流の状態のまま吐出する1本のノズルとを有する紡糸ノズル。
 前記紡糸原液として、n種類(ただし、nは2以上の整数である。)の紡糸原液を用い、
 該紡糸原液を電界紡糸法により繊維にする際に、下記紡糸ノズルを用いる、請求項8~11のいずれかに記載の製造方法。
 それぞれ径の異なるn本のノズルを同心円状に、かつ各ノズル間の間隙に流路が形成されるように配置した多重ノズルを有する紡糸ノズル。
 固体高分子電解質膜の上に繊維を集積させる、請求項8~13のいずれかに記載の製造方法。
 ガス拡散層用シートの上に繊維を集積させる、請求項8~13のいずれかに記載の製造方法。
Description:
固体高分子形燃料電池用電極、 電極接合体および触媒層の製造方法

 本発明は、固体高分子形燃料電池用電極 膜電極接合体および触媒層の製造方法に関 る。

 固体高分子形燃料電池としては、触媒層を する2つの電極の間に固体高分子電解質膜を 配置した膜電極接合体を備えたものが知られ ている。
 固体高分子形燃料電池には、水素および酸 の利用率の高い運転条件、高いエネルギー 率および高い出力密度が要求される。
 固体高分子形燃料電池が該要求を満たすた には、該電池を構成する要素のうち、触媒 におけるガス拡散性が特に重要である。

 従来の膜電極接合体は、たとえば、下記方 にて製造される。
 (i)触媒およびイオン交換性フッ素系ポリマ をアルコール類(エタノール等。)の溶媒に 解または分散した液状混合物を、固体高分 電解質膜の表面に直接塗布して触媒層を形 する方法。
 (ii)前記液状混合物を基材フィルムに塗布し て触媒層を形成し、該触媒層を固体高分子電 解質膜の表面に転写または接合する方法。
 しかし、該方法で得られた膜電極接合体で 、触媒層における細孔の形成が不充分であ 、ガス拡散性が低い。そのため、該膜電極 合体を備えた固体高分子形燃料電池を高電 密度で用いた場合、出力電圧の低下が生じ 。

 ガス拡散性が高い触媒層を有する膜電極接 体の製造方法としては、下記方法が提案さ ている。
 (1)触媒およびイオン交換性フッ素系ポリマ を溶媒に分散または溶解した液状混合物か 溶媒を除去して平均粒径が0.1~100μmの粒子を 造粒し、該粒子を固体高分子電解質膜の表面 に散布し、加熱圧着することにより触媒層を 形成する方法(特許文献1)。
 (2)触媒およびイオン交換性フッ素系ポリマ を、アルコール類(エタノール等。)および フッ素アルコール類を含む溶媒に加えて液 混合物を調製し、該液状混合物を用いて触 層を形成する方法(特許文献2)。

 しかし、(1)、(2)の方法で形成された触媒層 あっても、ガス拡散性が充分ではない。ま 、含フッ素アルコール類は、通常のアルコ ル類に比べ高価であり、また、液状混合物 塗膜の乾燥によって蒸発した際には回収し ければならない。

特開2001-185163号公報

特開2002-110202号公報

 本発明は、ガス拡散性の高い触媒層を有 る固体高分子形燃料電池用電極、膜電極接 体、および該触媒層を低コストでかつ容易 製造できる製造方法を提供する。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極は 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電 であって、前記触媒層が、イオン交換性フ 素系ポリマーと触媒とを含む繊維の不織布 有し、前記繊維の繊維径が、0.1~30μmであり 前記触媒層のかさ密度が、0.1~1.1g/ccである とを特徴とする。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極は 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電 であって、前記触媒層が、イオン交換性フ 素系ポリマーを含む繊維の不織布と、前記 維に付着した触媒とを有し、前記繊維の繊 径が、0.1~30μmであり、前記触媒層のかさ密 が、0.1~1.1g/ccであることを特徴とする。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極は 触媒層を有する固体高分子形燃料電池用電 であって、前記触媒層が、イオン交換性フ 素系ポリマーと触媒とを含む繊維と、イオ 交換性フッ素系ポリマーを含みかつ触媒を まない繊維との不織布を有し、前記繊維の 維径が、0.1~30μmであり、前記触媒層のかさ 度が、0.1~1.1g/ccであることを特徴とする。

 前記イオン交換性フッ素系ポリマーは、 トラフルオロエチレンに基づく繰り返し単 と、下式(1)で表される繰り返し単位とを有 る共重合体であることが好ましい。

 ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオ ロメチル基であり、mは0~3の整数であり、nは1 ~12の整数であり、pは0または1である。

 前記イオン交換性フッ素系ポリマーのイオ 交換容量は、1.1~1.8ミリ当量/g乾燥樹脂であ ことが好ましい。
 前記触媒は、カーボン担体に白金または白 合金を担持した触媒であることが好ましい

 本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極 合体は、カソードとアノードと両者の間に 置された固体高分子電解質膜とを備える、 体高分子形燃料電池用膜電極接合体であっ 、前記カソードと前記アノードの少なくと 一方が前記本発明の電極からなることを特 とする。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極の 媒層となる触媒含有不織布を製造する方法 、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素 ポリマーと触媒とを含む紡糸原液から、繊 径が0.1~30μmの繊維が集積したかさ密度が0.1~ 1.1g/ccの触媒含有不織布を製造することを特 とする。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極の 媒層となる触媒含有不織布を製造する方法 、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素 ポリマーを含む紡糸原液から、繊維径が0.1~ 30μmの繊維が集積したかさ密度が0.1~1.1g/ccの 織布を製造するとともに該不織布に触媒を 持させることを特徴とする。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極の 媒層となる触媒含有不織布を製造する方法 、電界紡糸法により、イオン交換性フッ素 ポリマーと触媒とを含む紡糸原液とイオン 換性フッ素系ポリマーを含みかつ触媒を含 ない紡糸原液とから各々紡糸して、繊維径 0.1~30μmである各繊維が集積したかさ密度が0 .1~1.1g/ccの触媒含有不織布を製造することを 徴とする。

 前記紡糸原液は、さらにポリアルキレン キシドまたはポリビニルアルコールを含む とが好ましい。

 本発明の触媒層となる触媒含有不織布の製 方法においては、前記紡糸原液として、n種 類(ただし、nは2以上の整数である。)の紡糸 液を用い、該紡糸原液を電界紡糸法により 維にする際に、下記紡糸ノズルを用いるこ が好ましい。
 n本の流路と、該流路の終端で多層流の状態 で合流したn種類の紡糸原液を多層流の状態 まま吐出する1本のノズルとを有する紡糸ノ ル。

 本発明の触媒層となる触媒含有不織布の製 方法においては、前記紡糸原液として、n種 類(ただし、nは2以上の整数である。)の紡糸 液を用い、該紡糸原液を電界紡糸法により 維にする際に、下記紡糸ノズルを用いるこ が好ましい。
 それぞれ径の異なるn本のノズルを同心円状 に、かつ各ノズル間の間隙に流路が形成され るように配置した多重ノズルを有する紡糸ノ ズル。
 本発明の触媒層となる触媒含有不織布の製 方法においては、固体高分子電解質膜の上 繊維を集積させることが好ましい。
 本発明の触媒層となる触媒含有不織布の製 方法においては、ガス拡散層用シートの上 繊維を集積させることが好ましい。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極は、 ス拡散性の高い触媒層を有する。よって、 電極を備えた固体高分子形燃料電池は、高 流密度で運転した場合であっても、良好な 性を発揮できる。
 本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接 体は、ガス拡散性の高い触媒層を有する。 って、該膜電極接合体を備えた固体高分子 燃料電池は、高電流密度で運転した場合で っても、良好な特性を発揮できる。
 本発明の触媒層となる触媒含有不織布の製 方法によれば、ガス拡散性の高い触媒層を コストでかつ容易に製造できる。

本発明の固体高分子形燃料電池用膜電 接合体の一例を示す断面図である。 本発明の固体高分子形燃料電池用膜電 接合体の他の例を示す断面図である。 電界紡糸法による不織布製造装置の一 を示す構成図である。 電界紡糸法による不織布製造装置の他 例を示す構成図である。 紡糸ノズルの一例を示す断面図である 紡糸ノズルの他の例を示す断面図であ 。 例4の不織布を構成する繊維の繊維径分 布を示すグラフである。 例5の不織布を構成する繊維の繊維径分 布を示すグラフである。

符号の説明

 10 膜電極接合体
 11 触媒層
 13 アノード
 14 カソード
 15 固体高分子電解質膜
 40 紡糸ノズル
 43 ノズル
 44 内液流路
 45 外液流路
 50 紡糸ノズル
 53 外側ノズル
 54 内側ノズル
 60 内液流路
 61 外液流路

 本明細書においては、式(2)で表される化 物を化合物(2)と記す。他の式で表される化 物も同様に記す。

<膜電極接合体>
 図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜 電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の 例を示す断面図である。膜電極接合体10は 触媒層11およびガス拡散層12を有するアノー 13と、触媒層11およびガス拡散層12を有する ソード14と、アノード13とカソード14との間 、触媒層11に接した状態で配置される固体 分子電解質膜15とを具備する。
 2つの触媒層11のうち少なくとも一方は、以 に説明する本発明における触媒層であり、 ましくは2つの触媒層11のいずれも以下に説 する本発明における触媒層である。一方が の触媒層である場合、他の触媒層としては 来知られている触媒層とすることができる 例えば、イオン交換性フッ素系ポリマーと 媒とを含む分散液からコーティング法など 形成した触媒層とすることができる。しか 、本発明の特徴を充分に発揮させるために 2つの触媒層11のいずれも以下に説明する本 明における触媒層であることが好ましい。 下の説明では、この2つの触媒層11のいずれ 以下に説明する本発明における触媒層であ 場合について説明する。

(触媒層)
 触媒層11としては、下記触媒層が挙げられ 。
 (A)イオン交換性フッ素系ポリマーおよび触 を含む繊維を含む不織布を有する触媒層(以 下、触媒層(A)と記す。)。
 (B)イオン交換性フッ素系ポリマーを含む繊 を含む不織布と、前記不織布に担持された 媒とを有する触媒層(以下、触媒層(B)と記す 。)。
 (C)イオン交換性フッ素系ポリマーおよび触 を含む繊維と、イオン交換性フッ素系ポリ ーを含みかつ触媒を含まない繊維とを含む 織布を有する触媒層(以下、触媒層(C)と記す 。)。

 イオン交換性フッ素系ポリマーとしては、 ルホン酸基を有するパーフルオロカーボン リマー(以下、スルホン酸型パーフルオロカ ーボンポリマーと記す。)が挙げられる。
 スルホン酸型パーフルオロカーボンポリマ としては、パーフルオロオレフィン(テトラ フルオロエチレン(以下、TFEと記す。)、ヘキ フルオロプロピレン等。)、クロロトリフル オロエチレン、およびパーフルオロ(アルキ ビニルエーテル)からなる群から選ばれる1種 以上に基づく繰り返し単位と、スルホン酸基 を有する繰り返し単位とを有する共重合体(H) が好ましく、TFEに基づく繰り返し単位と、下 式(1)で表される繰り返し単位とを有する共重 合体(H1)が特に好ましい。

 ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオ ロメチル基であり、mは0~3の整数であり、nは1 ~12の整数であり、pは0または1である。

 共重合体(H)は、-SO 2 F基を有する化合物およびTFEを共重合して前 体ポリマー(F)を得た後、前駆体ポリマー(F) の-SO 2 F基をスルホン酸基に変換することにより得 れる。-SO 2 F基のスルホン酸基への変換は、加水分解お び酸型化処理により行われる。

 -SO 2 F基を有する化合物としては、化合物(2)が好 しい。
 CF 2 =CF-(OCF 2 CFX) m -O p -(CF 2 ) n -SO 2 F ・・・(2)。
 ただし、Xはフッ素原子またはトリフルオロ メチル基であり、mは0~3の整数であり、nは1~12 の整数であり、pは0または1である。

 化合物(2)としては、化合物(21)~(24)が好まし 。
 CF 2 =CFO(CF 2 ) q SO 2 F ・・・(21)、
 CF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )O(CF 2 ) r SO 2 F ・・・(22)、
 CF 2 =CF(CF 2 ) s SO 2 F ・・・(23)、
 CF 2 =CF(OCF 2 CF(CF 3 )) t O(CF 2 ) 2 SO 2 F ・・・(24)。
 ただし、qは1~8の整数であり、rは1~8の整数 あり、sは1~8の整数であり、tは1~5の整数であ る。

 イオン交換性フッ素系ポリマーのイオン 換容量は、導電性およびガス拡散性の点か 、1.1~1.8ミリ当量/g乾燥樹脂が好ましく、1.25 ~1.65ミリ当量/g乾燥樹脂がより好ましい。

 触媒としては、カーボン担体に白金または 金合金を担持した触媒が好ましい。
 カーボン担体としては、カーボンブラック 末が挙げられ、耐久性の点から、熱処理等 グラファイト化したカーボンブラック粉末 好ましい。
 カーボン担体の比表面積は、50~1500m 2 /gが好ましい。カーボン担体の比表面積が該 囲であれば、白金または白金合金が分散性 くカーボン担体に担持され、長期にわたっ 電極反応の活性が安定する。

 白金または白金合金は、アノード13におけ 水素酸化反応およびカソード14における酸素 還元反応に対して高活性である。また、白金 合金とすることで、触媒としての安定性や活 性をさらに付与できる場合もある。
 白金合金としては、白金以外の白金族の金 (ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス ミウム、イリジウム。)、金、銀、クロム、 、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル モリブデン、タングステン、アルミニウム ケイ素、亜鉛およびスズからなる群から選 れる1種以上の金属と白金との合金が好まし 。白金合金には、白金と合金化される金属 白金との金属間化合物が含まれていてもよ 。
 カソード14の触媒としては、耐久性の点か 、カーボン担体に白金-コバルト系合金を担 した触媒が好ましい。

 不織布を構成する繊維の繊維径は、0.1~30μm あり、0.1~10μmが好ましい。繊維径が0.1μm以 であれば、電界紡糸法において繊維の切断 を生じることなく、安定して紡糸できる。 維径が30μm以下であれば、該不織布からな 触媒層11のガス拡散性が充分に高くなる。
 繊維の繊維径は、不織布を電子顕微鏡で観 し、無作為に選択した100本以上の繊維の幅 測定し、これらを平均化して求める。また 、不織布の断面を電子顕微鏡にて観察し、 察される100本以上の繊維の直径を測定し、 れらを平均化して求める。

 不織布を構成する繊維のアスペクト比は、1 000以上が好ましい。アスペクト比が1000以上 あれば、実質上連続繊維とみなしてよく、 織布において繊維同士の接触する部分が充 に存在できる。よって、該不織布からなる 媒層11の形態維持性が良好となり、かつかさ 密度が低下するため、触媒層11のガス拡散性 充分に高くなる。
 繊維のアスペクト比は、不織布を構成する 維を、電子顕微鏡、光学顕微鏡等によって 察し、繊維の繊維径および長さを測定して める。

 触媒層11のかさ密度は、0.1~1.1g/ccである。 触媒層11のかさ密度が該範囲であれば、ガス 散性が充分に高くなり、かつ触媒層11の形 維持性にも優れる。よって、該触媒層11を備 えた固体高分子形燃料電池は、高電流密度で 運転した場合であっても、出力電圧が高い。

 触媒層11のかさ密度は、触媒層11の単位面 積あたりの質量と、触媒層11の厚さとから計 される。触媒層11の単位面積あたりの質量 、質量既知の基材(ガス拡散層12、固体高分 電解質膜15等。)の上に、触媒層11を構成する 不織布を形成した際の、不織布の面積および 増加質量から求める。触媒層11の厚さは、電 顕微鏡等によって断面を観察して測定する

 触媒層(B)においては、触媒は繊維の表面の なくとも一部に付着していればよい。ただ 、該触媒は、電極反応を担うために触媒層 体にわたって導電性を有する必要があるた 、島状に離隔して存在するのではなく、触 の粒子同士が接触して存在していることが ましく、さらには、繊維全体を覆っている とが好ましい。触媒の担持は、触媒を含む 散液を不織布や繊維化された直後の繊維に 付ける方法、触媒を含む分散液を不織布に 浸する方法などで行うことができる。
 触媒層(C)においては、組成の異なる繊維が れぞれ均一に存在し、かつ充分に絡み合っ いることが好ましい。

 なお、不織布を構成する繊維は、本発明の 果を損なわない範囲で、イオン交換性フッ 系ポリマー以外のポリマーを含んでいても い。
 また、触媒層11を構成する不織布は、本発 の効果を損なわない範囲で、イオン交換性 ッ素系ポリマーを含まない繊維を含んでい もよい。
 また、触媒層11は、本発明の効果を損なわ い範囲で、不織布および触媒以外の成分を んでいてもよい。

(ガス拡散層)
 ガス拡散層12の構成材料としては、カーボ ペーパー、カーボンクロス、カーボンフェ ト等の多孔質カーボンシートが挙げられる ガス拡散層12は、ポリテトラフルオロエチレ ン(以下、PTFEと記す。)等によって撥水化処理 されていることが好ましい。ガス拡散層12は 記カーボンペーパー等のガス拡散層用シー を触媒層に積層することにより形成される なお、紡糸された繊維をこのシートの上で 積させることにより、このシートに積層さ た触媒含有不織布を形成することができる

(固体高分子電解質膜)
 固体高分子電解質膜15は、イオン交換ポリ ーを含む膜である。
 イオン交換ポリマーとしては、イオン交換 フッ素系ポリマーまたはイオン交換性非フ 素系ポリマーが挙げられ、耐久性の点から イオン交換性フッ素系ポリマーが好ましく 上述した共重合体(H1)がより好ましい。なお 、紡糸された繊維をこの固体高分子電解質膜 の上で集積させることにより、この固体高分 子電解質膜に積層された触媒含有不織布を形 成することができる。

 イオン交換性非フッ素系ポリマーとして 、スルホン酸基を有しかつフッ素原子を含 ないポリマーが挙げられる。該ポリマーと ては、たとえば、芳香環を有し、該芳香環 スルホン酸基が導入された構造を有するポ マーであって、イオン交換容量が0.8~3.0ミリ 当量/g乾燥樹脂であるポリマーが挙げられる 具体的には、スルホン化ポリアリーレン、 ルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホ 化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリ ンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホ 、スルホン化ポリエーテルスルホン、スル ン化ポリエーテルエーテルスルホン、スル ン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化 リフェニレンオキシド、スルホン化ポリフ ニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェ レンサルファイド、スルホン化ポリフェニ ンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエ テルケトン、スルホン化ポリエーテルエー ルケトン、スルホン化ポリエーテルケトン トン、スルホン化ポリイミド等が挙げられ 。

 固体高分子電解質膜15は、補強材を含ん いてもよい。補強材としては、多孔体、繊 、織布、不織布等が挙げられる。補強材の 料としては、PTFE、テトラフルオロエチレン- ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ フルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビ ルエーテル)共重合体、ポリエチレン、ポリ プロピレン、ポリフェニレンスルフィド等が 挙げられる。

(カーボン層)
 膜電極接合体10は、図2に示すように、触媒 11とガス拡散層12との間にカーボン層16を有 ていてもよい。カーボン層16を配置するこ により、触媒層11の表面のガス拡散性が向上 し、固体高分子形燃料電池の発電特性が大き く向上する。
 カーボン層16は、カーボンと非イオン性含 ッ素ポリマーとを含む層である。
 カーボンとしては、繊維径1~1000nm、繊維長10 00μm以下のカーボンナノファイバーが好まし 。非イオン性含フッ素ポリマーとしては、P TFE等が挙げられる。

 以上説明した固体高分子形燃料電池用電 (アノード13およびカソード14)にあっては、 媒層11が、イオン交換性フッ素系ポリマー 繊維を含む不織布を有し、繊維の繊維径が0. 1~30μmであり、触媒層11のかさ密度が、0.1~1.1g/ ccであるため、ガス拡散性が高い。よって、 電極を備えた固体高分子形燃料電池は、高 流密度で運転した場合であっても、良好な 性を発揮できる。

 また、以上説明した膜電極接合体10は、 ス拡散性の高い触媒層11を有する。よって、 膜電極接合体10を備えた固体高分子形燃料電 は、高電流密度で運転した場合であっても 良好な特性を発揮できる。なお、前記のよ にアノード13およびカソード14の一方の触媒 層は他の材料から構成される触媒層であって もよく、その場合であっても本発明における 触媒層による特徴を充分発揮できる。

<膜電極接合体の製造方法>
 膜電極接合体10は、たとえば、下記方法に 製造される。
 (I)固体高分子電解質膜15上に触媒層11を形成 して膜触媒層接合体とし、該膜触媒層接合体 をガス拡散層12で挟み込む方法。
 (II)ガス拡散層12となるシート上に触媒層11 形成して電極(アノード13、カソード14)とし 固体高分子電解質膜15を該電極で挟み込む方 法。

 また、膜電極接合体10がカーボン層16を有す る場合、膜電極接合体10は、たとえば、下記 法にて製造される。
 (III)ガス拡散層12上に、カーボンおよび非イ オン性含フッ素ポリマーを含む分散液を塗布 し、乾燥させてカーボン層16を形成し、前記( I)の方法における膜触媒層接合体を、カーボ 層16を有するガス拡散層12で挟み込む方法。

 (I)~(III)の方法で用いる固体高分子電解質膜1 5およびガス拡散層12は、枚葉の状態であって もよく、ウェブ(連続体)の状態であってもよ 。
 触媒層11が本発明における触媒含有不織布 らなる場合、予め基材上で形成した触媒含 不織布を上記固体高分子電解質膜やガス拡 層用シートなどに積層し、その後基材を剥 して触媒層11を形成することができる。触媒 層11が本発明における触媒含有不織布をさら 加工したもの(例えば他の材料を含浸させる 加工や他の材料を用いた表面処理加工など) ある場合も基材上で加工を施した後に、そ 触媒含有不織布を固体高分子電解質膜やガ 拡散層用シートなどに積層し、その後基材 剥離して触媒層11を形成することができる。 一方、基材として固体高分子電解質膜やガス 拡散層用シートを使用した場合は基材の剥離 が不要となる。したがって、触媒含有不織布 は、固体高分子電解質膜やガス拡散層用シー トなどの膜電極接合体10を構成するシート状 料の表面上に繊維を集積させて形成される とが好ましい。

(電界紡糸法)
 触媒層11となる触媒含有不織布は、イオン 換性フッ素系ポリマーを含む紡糸原液を電 紡糸法により繊維化し、該繊維を基材上に 積させることにより製造される。前記(I)~(III )の方法においては、イオン交換性フッ素系 リマーを含む紡糸原液から繊維を形成し、 体高分子電解質膜((I)の場合)、ガス拡散層用 シート((II)の場合)、または、カーボン層を形 成したガス拡散層用シート((III)の場合)、の にその繊維を集積させて不織布とする。以 、このような膜電極接合体を構成するシー 状材料の表面上で不織布を形成する場合を にして電界紡糸法により不織布を形成する 法を説明する。

 電界紡糸法とは、紡糸原液に高電圧を印加 ることによって電気的に繊維を紡糸する方 である。
 電界紡糸法は、下記特徴を有する。
 (i)他の方法に比べ、簡便な装置で製造でき 。
 不織布を製造する方法としては、メルトブ ーン法、スパンボンド法、抄紙法等が知ら ているが、いずれも大掛かりな不織布製造 置が必要となる、原料繊維を準備するため 別に繊維製造装置が必要である等、装置コ トがかかる。
 (ii)極細の繊維が得られる。
 通常の紡糸設備を用いて極細の繊維で構成 れる不織布を製造することは、条件的にも しく、原料の粘度、延伸性等、多くの制約 ある。一方、電界紡糸法は、溶液を用いた 糸法であるため、その乾燥過程において体 収縮が起こること、および原料自体が低粘 あるため、極細ノズルでの紡糸が可能であ ことにより、極細の繊維を得やすい。
 (iii)繊維の集積体は、通常、繊維同志が結 した不織布として得られる。
 電界紡糸法においては、溶液からの固化と 伸による紡糸とが同時に、または、逐次的 起こるため、繊維の集積体は、繊維同士が 合した不織布として得られる。

(紡糸原液)
 紡糸原液としては、目的とする触媒層11の 態に応じて、下記のものを用いる。
 触媒層(A)となる触媒含有不織布の製造には イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒とを む紡糸原液(a)を用いる。
 触媒層(B)となる触媒含有不織布の製造には イオン交換性フッ素系ポリマーを含み、触 を含まない紡糸原液(b)を用いる。
 触媒層(C)となる触媒含有不織布の製造には 紡糸原液(a)および紡糸原液(b)を用いる。

紡糸原液(a):
 紡糸原液(a)は、イオン交換性フッ素系ポリ ーおよび触媒を分散媒に分散させた分散液 ある。
 分散媒としては、水酸基を有する有機溶媒 水との混合溶媒が好ましい。
 水酸基を有する有機溶媒としては、主鎖の 素数が1~4の有機溶媒が好ましく、たとえば メタノール、エタノール、n-プロパノール イソプロパノール、tert-ブタノール、n-ブタ ール等が挙げられる。水酸基を有する有機 媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上 混合して用いてもよい。

 水の割合は、混合溶媒(100質量%)のうち、1 0質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好 しい。また、水の割合は100質量%であっても よいが、99質量%以下が好ましく、80質量%以下 がより好ましい。水の割合が10質量%以上であ れば、繊維を形成しやすい。水の割合が99質 %以下であれば、紡糸原液の粘度を調整しや すい。水とエタノールの混合溶媒の場合、水 の割合は、混合溶媒(100質量%)のうち、15~100質 量%が好ましい。

 イオン交換性フッ素系ポリマーと触媒との 計の割合は、適切な粘度レベルを発現する から、紡糸原液(a)(100質量%)のうち、1~30質量 %が好ましく、5~15質量%がより好ましい。
 また、紡糸原液(a)中のイオン交換性フッ素 ポリマーと触媒との質量比(ポリマー/触媒) 、0.2~4.0が好ましい。質量比が該範囲である と、触媒層11の導電性およびガス拡散性が良 となる。

 紡糸原液(a)は、安定して繊維を形成でき 点から、ポリアルキレンオキシド(以下、PAO と記す。)またはポリビニルアルコール(以下 PVAと記す。)を含むことが好ましい。PAOとし ては、ポリエチレンオキシド(以下、PEOと記 。)が好ましい。

 PEOの分子量は、10万以上が好ましく、20万 以上がより好ましい。また、PEOの分子量は、 1000万以下が好ましく、800万以下がより好ま く、500万以下がさらに好ましい。PEOの分子 が該範囲であれば、安定して繊維を形成で る。PEOの分子量は、Brookfield粘度計を用いた1 %~5%程度の水溶液の粘度値から判定される粘 平均分子量である。

 PAOまたはPVAの割合は、紡糸原液(a)(100質量 %)のうち、0.05質量%以上が好ましく、0.5質量% 上がより好ましい。また、その上限は20質 %が好ましく、10質量%がより好ましい。PAOま はPVAの割合が該範囲であれば、安定して繊 を形成できる。

 紡糸原液(a)の粘度は、100mPa・s以上が好まし く、200mPa・s以上がより好ましい。また、該 度は、5000mPa・s以下が好ましく、2500mPa・s以 がより好ましい。紡糸原液(a)の粘度が該範 であれば、繊維を形成しやすい。
 紡糸原液の粘度は、コーンプレートタイプ( ロータコード:01、ロータNo.:1°34’XR24)を装着 たTV-20型粘度計(東機産業社製)を用い、25℃ 測定する。

紡糸原液(b):
 紡糸原液(b)は、イオン交換性フッ素系ポリ ーを分散媒に分散させた分散液である。
 分散媒としては、水酸基を有する有機溶媒 水との混合溶媒が好ましい。
 水酸基を有する有機溶媒としては、上述の 機溶媒が挙げられる。

 水の割合は、混合溶媒(100質量%)のうち、1 0質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好 しい。また、水の割合は、99質量%以下が好 しく、80質量%以下がより好ましい。水の割 が10質量%以上であれば、繊維を形成しやす 。水の割合が99質量%以下であれば、紡糸原 の粘度を調整しやすい。

 イオン交換性フッ素系ポリマーの割合は 紡糸原液(b)(100質量%)のうち、20質量%以上が ましく、25質量%以上がより好ましい。また イオン交換性フッ素系ポリマーの割合は、4 0質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好 しい。イオン交換性フッ素系ポリマーの割 が該範囲であれば、繊維を形成しやすい。

 紡糸原液(b)は、安定して繊維を形成できる から、PAOまたはPVAを含むことが好ましい。P AOとしては、PEOが好ましい。
 PEOの分子量は、紡糸原液(a)と同様であるこ が好ましい。

 PAOまたはPVAの割合は、紡糸原液(b)(100質量 %)のうち、0.01質量%以上が好ましく、1質量%以 上がより好ましい。また、その上限は20質量% が好ましく、10質量%がより好ましい。PAOまた はPVAの割合が該範囲であれば、安定して繊維 を形成できる。

 紡糸原液(b)の粘度は、100mPa・s以上が好ま しく、200mPa・s以上がより好ましい。また、 粘度は、5000mPa・s以下が好ましく、2500mPa・s 下がより好ましい。紡糸原液(b)の粘度が該 囲であれば、繊維を形成しやすい。

(触媒含有不織布の形成)
触媒層(A)となる触媒含有不織布の製造:
 触媒層(A)となる触媒含有不織布の製造には たとえば、図3に示す、電界紡糸法による不 織布製造装置20を用いる。不織布製造装置20 、紡糸原液が充填されるシリンジ22と、シリ ンジ22の先端に取り付けられたノズル24に対 するように設置された、回転自在のコレク ードラム26と、ノズル24とコレクタードラム2 6との間に高電圧を印加する高電圧電源28と、 シリンジ22のプランジャー部分を吐出方向に 定速度で動かすことで一定の流量で紡糸原 をノズル24から吐出させるシリンジポンプ( 示略)とを具備する。
 ノズル24としては、針等が用いられる。

 まず、シリンジ22内に紡糸原液(a)を充填す 。また、コレクタードラム26上に基材(固体 分子電解質膜やガス拡散層用シートなど)を 置する。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル24とコレクタードラ 26との間に高電圧を印加する。シリンジポ プを作動させ、ノズル24から紡糸原液(a)を一 定の速度で吐出させる。ノズル24の先端に電 を印加した際、静電的な引力が紡糸原液(a) 表面張力を超えると、紡糸原液(a)がノズル2 4の先端においてTaylor coneと呼ばれる円錐状 変形し、さらに該coneの先端は引き伸ばされ 。引き伸ばされた紡糸原液(a)は、正に帯電 た紡糸原液の静電反発により微細化する。 細化した紡糸原液(a)から溶媒が瞬時に蒸発 、極細の繊維が形成される。正に帯電した 維は、負に帯電したコレクタードラム26上 配置された基材上に付着する。該繊維が回 するコレクタードラム26上に配置された基材 上にしだいに集積することにより不織布とな る。

 紡糸原液(a)の吐出量は、0.5mL/時以上が好 しく、1mL/時以上がより好ましい。また、紡 糸原液(a)の吐出量は、20mL/時以下が好ましく 10mL/時以下がより好ましい。紡糸原液(a)の 出量が0.5mL/時以上であれば、ノズル24が詰ま りにくく、また繊維が切れにくい。紡糸原液 (a)の吐出量が20mL/時以下であれば、細い繊維 形成できる。

 ノズル24の先端の内径は、0.05mm以上が好 しく、0.1mm以上がより好ましい。また、該内 径は、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ま しい。ノズル24の先端の内径が0.05mm以上であ ば、ノズル24が詰まりにくい。ノズル24の先 端の内径が2mm以下であれば、細い繊維を形成 できる。

 ノズル24の先端からコレクタードラム26ま での距離は、3cm以上が好ましく、5cm以上がよ り好ましい。また、該距離は30cm以下が好ま く、20cm以下がより好ましい。該距離が3cm以 であれば、放電が抑えられる。該距離が30cm 以下であれば、繊維を形成しやすい。

 ノズル24とコレクタードラム26との間に印 加する電圧は、3kV以上が好ましく、10kV以上 より好ましい。該印加電圧は50kV以下が好ま く、30kV以下がより好ましい。該電圧が3kV以 上であれば、繊維を形成しやすい。該電圧が 50kV以下であれば、放電が抑えられる。

触媒層(B)となる触媒含有不織布の製造:
 触媒層(B)となる触媒含有不織布の製造には たとえば、図4に示す、電界紡糸法による不 織布製造装置30を用いる。不織布製造装置30 、不織布製造装置20におけるシリンジ22の代 りに、ノズル34が先端に取り付けられた第1 シリンジ32と、ノズル38が先端に取り付けら れた第2のシリンジ36とを具備するものである 。

 まず、第1のシリンジ32内に紡糸原液(b)を充 し、第2のシリンジ36内に触媒を含む触媒液( c)を充填する。また、コレクタードラム26上 基材(固体高分子電解質膜やガス拡散層用シ トなど)を配置する。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル34およびノズル38と レクタードラム26との間に高電圧を印加する 。
 第1のシリンジ32のシリンジポンプ(図示略) 作動させ、ノズル34から紡糸原液(b)を一定の 速度で吐出させ、極細の繊維を形成する。正 に帯電した繊維は、負に帯電したコレクター ドラム26上に配置された基材上に付着する。 繊維が回転するコレクタードラム26上に配 された基材上にしだいに集積することによ 不織布となる。
 同時に、第2のシリンジ36のシリンジポンプ( 図示略)を作動させ、ノズル38から触媒液(c)を 一定の速度で吐出させ、触媒液(c)を、ノズル 34とコレクタードラム26との間で形成された 後の繊維、および基材上に集積した繊維(不 布)に吹き付けることにより、触媒を含む不 織布が形成される。触媒の担持は吹付けに限 られず、例えば触媒液(c)を不織布に含浸して 乾燥する方法などによっても担持できる。

 紡糸原液(b)の吐出量は、上述した紡糸原液( a)の吐出量と同じ範囲が好ましい。
 触媒液(c)の吐出量は、0.1mL/時以上が好まし 、1mL/時以上がより好ましい。また、触媒液 (c)の吐出量は、100mL/時以下が好ましく、20mL/ 以下がより好ましい。

 ノズル34およびノズル38の先端の内径は、上 述したノズル24の先端の内径と同じ範囲が好 しい。
 ノズル34およびノズル38の先端からコレクタ ードラム26までの距離は、上述したノズル24 らコレクタードラム26までの距離と同じ範囲 が好ましい。
 ノズル34およびノズル38とコレクタードラム 26との間に印加する電圧は、上述したノズル2 4とコレクタードラム26との間に印加する電圧 と同じ範囲が好ましい。

触媒層(C)となる触媒含有不織布の製造:
 触媒層(C)となる触媒含有不織布の製造には たとえば、図4に示す、電界紡糸法による不 織布製造装置30を用いる。

 まず、第1のシリンジ32内に紡糸原液(a)を充 し、第2のシリンジ36内に紡糸原液(b)を充填 る。また、コレクタードラム26上に基材(固 高分子電解質膜やガス拡散層用シートなど) を配置する。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル34およびノズル38と レクタードラム26との間に高電圧を印加する 。
 第1のシリンジ32のシリンジポンプを作動さ 、ノズル34から紡糸原液(a)を一定の速度で 出させ、極細の繊維を形成する。正に帯電 た繊維は、負に帯電したコレクタードラム26 上に配置された基材上に付着する。
 同時に、第2のシリンジ36のシリンジポンプ 作動させ、ノズル38から紡糸原液(b)を一定 速度で吐出させ、極細の繊維を形成する。 に帯電した繊維は、負に帯電したコレクタ ドラム26上に配置された基材上に付着する。
 該2種の繊維が回転するコレクタードラム26 に配置された基材上にしだいに集積するこ により不織布となる。

 紡糸原液(a)の吐出量は、上述した紡糸原液( a)の吐出量と同じ範囲が好ましい。
 紡糸原液(b)の吐出量は、上述した紡糸原液( b)の吐出量と同じ範囲が好ましい。

(紡糸ノズル)
 上述のシリンジの代わりに、下記紡糸ノズ を用いてもよい。該紡糸ノズルを用いるこ により、繊維の断面中心から繊維の周面に かって組成が連続的または段階的に変化す 繊維を紡糸できる。

 (x)n本の流路と、該流路の終端で多層流の状 態で合流したn種類の紡糸原液を多層流の状 のまま吐出する1本のノズルとを有する紡糸 ズル(以下、紡糸ノズル(x)と記す。)。nは2~4 好ましい。
 (y)それぞれ径の異なるn本のノズルを同心円 状に、かつ各ノズル間の間隙に流路が形成さ れるように配置した多重ノズルを有する紡糸 ノズル(以下、紡糸ノズル(y)と記す。)。nは2~4 が好ましい。

紡糸ノズル(x):
 図5は、紡糸ノズル(x)の一例を示す断面図で ある。紡糸ノズル40は、内側ブロック41と、 側ブロック41を収納する外側ブロック42と、 ズル43とを具備する。
 内側ブロック41は、一方の端面がしだいに 径する円錘形をなす略円柱体である。内側 ロック41には、他方の端面から一方の端面の 円錐の頂点まで軸方向に貫通する内液流路44 形成されている。
 外側ブロック42は、内側ブロック41との間に 外液流路45となる隙間が形成されるような大 さ、形状の凹部46を有する有底円筒体であ 。外側ブロック42には、周面側から外液流路 45に外液を供給する外液供給口47と、底部の 央を貫通する吐出口48とが形成されている。
 ノズル43は、管状体であり、基端が外側ブ ック42の吐出口48に接続している。

 紡糸ノズル40においては、内液流路44の基端 から供給され、内液流路44の終端から吐出さ る内液(紡糸原液)と、外液供給口47から供給 され、終端の吐出口48に向かって外液流路45 流れる、内液とは組成の異なる外液(紡糸原 )とが、吐出口48にて合流し、内液の周囲を 液が囲むように2層流を形成する。該2層流 状態を保ったまま内液および外液は、ノズ 43内を流れ、ノズル43の先端から吐出される この際、ノズル43とコレクタードラム(図示 )との間に高電圧を印加することにより、繊 維の断面中心と繊維の周面とで組成の異なる 、いわゆる芯鞘繊維が形成される。
 紡糸ノズル40の各流路においては、内液お び外液は、層流状態であることが好ましい

紡糸ノズル(y):
 図6は、紡糸ノズル(y)の一例を示す断面図で ある。紡糸ノズル50は、第1のブロック51と、 1のブロック51に隣接する第2のブロック52と 外側ノズル53と、内側ノズル54と、第1のブ ック51を第2のブロック52に固定するボルト55 を具備する。
 第1のブロック51は、円板状のブロックであ 。第1のブロック51には、第1のブロック51を 通する内液供給管56および外液供給管57が設 けられている。
 第2のブロック52は、外液供給管57と連通す 外液貯留部58となる凹部を有する有底円筒体 である。第2のブロック52には、第2のブロッ 52の底部を貫通する吐出管59が設けられてい 。
 外側ノズル53は、管状体であり、基端が第2 ブロック52の吐出管59に接続している。
 内側ノズル54は、外側ノズル53より径の小さ い管状体であり、基端が第1のブロック51の内 液供給管56に接続し、第2のブロック52の吐出 59内および外側ノズル53内に挿入され、先端 が外側ノズル53の先端から突出している。

 外側ノズル53と内側ノズル54とは、同心円状 に、かつ各ノズル間の間隙に流路が形成され るように配置されて、二重ノズルを構成する 。
 紡糸ノズル50においては、内側ノズル54内が 内液流路60となる。また、内側ノズル54と吐 管59との間の間隙および内側ノズル54と外側 ズル53との間の間隙が外液流路61となる。
 紡糸ノズル50においては、内液供給管56から 供給された内液が、内液流路60を流れ、内側 ズル54の先端から吐出されると同時に、外 供給管57から供給された外液が、外液貯留部 58を経て外液流路61を流れ、外側ノズル53の先 端から吐出される。この際、外側ノズル53と レクタードラム(図示略)との間に高電圧を 加することにより、繊維の断面中心と繊維 周面とで組成の異なる、いわゆる芯鞘繊維 形成される。

 該紡糸ノズルを用いて形成される芯鞘繊維 しては、たとえば、下記繊維が挙げられる
 (α)内液として紡糸原液(b)を用い、外液とし て紡糸原液(a)を用いて形成された芯鞘繊維( 下、芯鞘繊維(α)と記す。)。
 (β)内液として紡糸原液(a)を用い、外液とし て紡糸原液(b)を用いて形成された芯鞘繊維( 下、芯鞘繊維(β)と記す。)

 芯鞘繊維(α)は、繊維の周面側に触媒が偏在 し、断面中心は主としてイオン交換性フッ素 系ポリマーからなる繊維である。芯鞘繊維(α )は、長さ方向へのプロトン伝導性に優れ、 つ外部から供給される原料ガスとの反応性 優れる。
 芯鞘繊維(β)は、繊維の断面中心に触媒が偏 在し、周面側は主としてイオン交換性フッ素 系ポリマーからなる繊維である。芯鞘繊維(β )は、長さ方向への電子伝導性に優れ、かつ 応場(周面側)へのプロトン供給が容易となる 。
 たとえば、触媒層11において、固体高分子 解質膜15側に芯鞘繊維(β)が偏在し、ガス拡 層12側に芯鞘繊維(α)が偏在するように不織 を形成することにより、固体高分子電解質 15からのプロトン供給を容易にし、かつ触媒 層11の反応性を高めることできる。該不織布 形成する際には、性能向上の点から、不織 を加圧、圧縮することにより、繊維間の物 移動界面をより多く形成することが好まし 。

 以上説明した製造方法により製造された 織布を使用して触媒層11を形成することに り、ガス拡散性の高い触媒層11を形成できる 。また、含フッ素アルコール類を用いる必要 がないので、触媒層11を低コストで製造でき 。また、紡糸原液から形成した繊維を固体 分子電解質膜やガス拡散層用シートなどの に集積させて不織布とすることができるこ より、触媒層11の形成操作が簡略化され、 れにより膜電極接合体10製造が容易となる。

<固体高分子形燃料電池>
 本発明の膜電極接合体は、固体高分子形燃 電池に用いられる。固体高分子形燃料電池 、たとえば、2つのセパレータの間に膜電極 接合体を挟んでセルを形成し、複数のセルを スタックすることにより製造される。
 セパレータとしては、燃料ガスまたは酸素 含む酸化剤ガス(空気、酸素等。)の通路と る溝が形成された導電性カーボン板等が挙 られる。
 固体高分子形燃料電池の種類としては、水 /酸素型燃料電池、直接メタノール型燃料電 池(DMFC)等が挙げられる。

 以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらの例によって限 されない。
 例1~5は実施例であり、例6は比較例である。

(粘度)
 溶液の粘度は、E型粘度計(TOKI産業社製)を用 い、1秒 -1 のせん断速度で測定した。

(平均繊維径)
 例1~3については、不織布の電子顕微鏡写真 撮影し、無作為に選択した140本の繊維の幅 測定し、これらを平均化した。
 例4、5については、不織布をエポキシ樹脂 て包埋し、ミクロトームを用いて断面カッ を行った後、該断面を電子顕微鏡にて観察 、観察される繊維の直径を測定した。測定 象の繊維は140本とした。

(電極層の厚み)
 汎用の接触式マイクロメーター ミツトヨ 製 ID-F125 5mmφの平坦接触子を用いて測定し 。測定の際には、高分子電解質等を含む電 形成を行う基材の厚みを前もって測定して き、電極形成後に全体を測定し、その増加 を電極層の厚みとした。
(繊維長)
 不織布の電子顕微鏡写真を2mmまたは3mmの範 で連続的に撮影し、該範囲内で両端部が確 できうる繊維がないことを確認した。

(発電性能)
 膜電極接合体を、汎用のサーペンタイン型 路を有する面積25cm 2 の燃料電池評価セルに挿入し、両面から0.5MPa の圧力で加圧し、アノードに水素ガスを0.5L/ で供給し、かつカソードに空気を、酸素ガ が1.2L/分となるように供給し、セル温度80℃ にて出力電圧を測定した。ガス加湿温度は80 とした。

〔例1〕
固体高分子電解質膜の作製:
 エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体 (以下、ETFEと記す。)フィルム(旭硝子社製、 さ:100μm)上に、TFEに基づく繰り返し単位と下 式(11)で表される繰り返し単位とを有する共 合体(H11)(旭硝子社製、Flemion(R)、イオン交換 量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)のエタノール溶液 (固形分:9質量%)を流延し、市販の循環式乾燥 の中にて80℃で30分間乾燥させ、厚さ10μmの 体高分子電解質膜を得た。さらに、同じ操 を2回繰り返し、ETFEフィルムつきの厚さ30μm の固体高分子電解質膜(MA1)を得た。さらに、 販の循環式乾燥機にて160℃で30分間加熱し アニール処理を施した。

触媒液(c1)の調製:
 密封できる円筒型ポリエチレン製瓶(内容積 :100cc)の中に、白金担持カーボン(田中貴金属 製、TEC10E50E、白金担持率:50質量%)5g、蒸留水 25.7gを入れ、撹拌し、さらにエタノール5.4gを 加えた。ついで、共重合体(H11)のエタノール 液(固形分:9質量%)の22.2gを加えた。さらに、 直径5mmのZrO 2 粒子を40cc程度占有するように入れた後、ポ エチレン製瓶を市販のボールミル回転台の で24時間回転させ、触媒液(c1)を得た。

PEO溶液(d1)の調製:
 フラスコの中に、PEO(質量平均分子量:100万)9 g、水91gを入れ、撹拌しながら80℃で還流し、 PEOを溶解させ、PEO水溶液を得た。PEO水溶液を 室温まで冷却した後、エタノール100gを加え 24時間撹拌して、PEO溶液(d1)を得た。PEO溶液(d 1)の粘度は、23250mPa・sであった。

紡糸原液(a1)の調製:
 密封できる円筒型ポリエチレン製瓶(内容積 :100cc)の中に、触媒液(c1)20g、PEO溶液(d1)8gを入 、さらに、直径5mmのZrO 2 粒子を20cc程度占有するように入れた後、ポ エチレン製瓶を市販のボールミル回転台の で2時間回転させ、紡糸原液(a1)を得た。

触媒層(A1)の形成:
 図3に示す不織布製造装置20を用意した。ノ ル24としては、内径0.8mm、外径1.2mmの注射針 用いた。ノズル24の先端からコレクタード ム26までの最短距離は、10cmとした。

 まず、シリンジ22内に紡糸原液(a1)を充填し 。また、コレクタードラム26上に固体高分 電解質膜(MA1)を巻き付けた。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル24とコレクタードラ 26との間に10kVの直流電圧を印加した。シリ ジポンプを作動させ、ノズル24から紡糸原 (a1)を5mL/時で吐出させ、極細の繊維を形成し た。該繊維を回転するコレクタードラム26上 固体高分子電解質膜(MA1)上に集積させ、不 布とすることにより、触媒層(A1)を形成し、 触媒層接合体(MC1)を得た。

 不織布を構成する繊維の平均繊維径は2μmで あった。繊維長が2mm以下の繊維は観察されな かった。
 触媒層(A1)の厚さは、19.5μmであり、かさ密 は0.58g/ccであった。触媒層(A1)の単位面積あ りの白金量は、0.4mg/cm 2 であった。

〔例2〕
紡糸原液(b1)の調製:
 共重合体H(11)の水/エタノール溶液(溶媒組成 :水/エタノール=4/6質量比、固形分:27質量%)に PEO(質量平均分子量:100万)を、0.1質量%となる ように加えた後、マグネティックスターラを 用いて室温で1時間混合し、紡糸原液(b1)を得 。

触媒層(B1)の形成:
 図4に示す不織布製造装置30を用意した。ノ ル34およびノズル38としては、内径0.8mm、外 1.2mmの注射針を用いた。各ノズルの先端か コレクタードラム26までの最短距離は、10cm した。

 まず、第1のシリンジ32内に紡糸原液(b1)を充 填し、第2のシリンジ36内に例1の触媒液(c1)を 填した。また、コレクタードラム26上に例1 固体高分子電解質膜(MA1)を巻き付けた。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル34およびノズル38と レクタードラム26との間に10kVの直流電圧を 加した。
 第1のシリンジ32のシリンジポンプを作動さ 、ノズル34から紡糸原液(b1)を2.5mL/時で吐出 せ、極細の繊維を形成した。該繊維を回転 るコレクタードラム26上の固体高分子電解 膜(MA1)上に集積させ、不織布とした。
 同時に、第2のシリンジ36のシリンジポンプ 作動させ、ノズル38から触媒液(c1)を2.5mL/時 吐出させた。触媒液(c1)は繊維状をなさず、 粒滴状でコレクタードラム26上の固体高分子 解質膜(MA1)および不織布に付着した。不織 を構成する繊維には、触媒の粒子が付着し いた。
 このようにして、触媒液(c1)を固体高分子電 解質膜(MA1)上に集積した不織布に吹き付ける とにより、触媒層(B1)を形成し、膜触媒層接 合体(MC2)を得た。

 不織布を構成する繊維の平均繊維径は3μmで あった。繊維長が3mm以下の繊維は観察されな かった。
 触媒層(B1)の厚さは、40μmであり、かさ密度 0.33g/ccであった。触媒層(B1)の単位面積あた の白金量は、0.4mg/cm 2 であった。

〔例3〕
ガス拡散層(GDL1)の準備:
 マイクロポーラス層コート付の200μmの高拡 性カーボンペーパー(SGL カーボン ジャパ (株)販売、商品名「GDL25BC」)を使用し、この に不織布を形成して、ガス拡散層(GDL1)-触媒 層の接合体を製造した。

触媒層(C1)の形成:
 図4に示す不織布製造装置30を用意した。ノ ル34およびノズル38としては、内径0.8mm、外 1.2mmの注射針を用いた。各ノズルの先端か コレクタードラム26までの最短距離は、10cm した。

 まず、第1のシリンジ32内に例1の紡糸原液(a1 )を充填し、第2のシリンジ36内に例2の紡糸原 (b1)を充填した。また、コレクタードラム26 にガス拡散層用の上記カーボンペーパーを き付けた。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によってノズル34およびノズル38と レクタードラム26との間に10kVの直流電圧を 加した。
 第1のシリンジ32のシリンジポンプを作動さ 、ノズル34から紡糸原液(a1)を2.5mL/時で吐出 せ、極細の繊維を形成した。
 同時に、第2のシリンジ36のシリンジポンプ 作動させ、ノズル38から紡糸原液(b1)を2.5mL/ で吐出させ、極細の繊維を形成した。
 該2種の繊維を回転するコレクタードラム26 のカーボンペーパー上に集積させ、不織布 することにより、触媒層(C1)を形成し、ガス 拡散層(GDL1)-触媒層接合体からなるカソード(C A1)を得た。
 また、同様にしてアノード(AN1)を得た。

 不織布を構成する繊維の平均繊維径は2μmで あった。繊維長が2mm以下の繊維は観察されな かった。
 触媒層(C1)の厚さは、30μmであり、かさ密度 0.37g/ccであった。触媒層(C1)の単位面積あた の白金量は、0.4mg/cm 2 であった。

膜電極接合体(MEA3)の製造:
 アノード(AN1)の触媒層(C1)側と、例1のETFEフ ルムつきの厚さ30μmの固体高分子電解質膜(MA 1)の電解質膜側とを対向させた後、市販の平 プレス装置を用いて、温度130℃、圧力3MPa、 時間5分のプレス条件にて積層し、膜アノー 接合体を得た。
 膜アノード接合体からETFEフィルムを剥がし た後、膜アノード接合体の電解質膜側とカソ ード(CA1)の触媒層(C1)側とを対向させ、市販の 平板プレス装置を用いて、温度130℃、圧力3MP a、時間5分のプレス条件にて積層し、膜電極 合体(MEA3)を得た。
 膜電極接合体(MEA3)の発電性能を評価した。 果を表1に示す。

〔例4〕
紡糸原液(a2)の調製:
 密封できる円筒型ポリエチレン製瓶(内容積 :100cc)の中に、白金担持カーボン(田中貴金属 製、TEC36P42、白金担持率:40質量%)の4g、蒸留 の10.4gを入れ、撹拌し、さらにエタノール 9.0gを加えた。ついで、共重合体H(11)の水/エ ノール溶液(固形分:28.8質量%)の6.99gを加えた 。さらに、直径5mmのZrO 2 粒子を40cc程度占有するように入れた後、ポ エチレン製瓶を市販のボールミル回転台の で24時間回転させ、紡糸原液(a2)を得た。

触媒層(A2)の形成:
 図3に示す不織布製造装置20を用意した。た し、シリンジ22の代わりに図6に示す紡糸ノ ル50を用いた。外側ノズル53としては、内径 :1.5mm、外径:2.0mmの注射針を用いた。内側ノズ ル54としては、内径:0.25mm、外径:0.5mmの注射針 を用いた。外側ノズル53の先端からコレクタ ドラム26までの最短距離は、10cmとした。

 まず、コレクタードラム26上に例1の固体高 子電解質膜(MA1)を巻き付けた。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によって外側ノズル53とコレクター ラム26との間に10kVの直流電圧を印加した。 リンジポンプ(図示略)を作動させ、外側ノ ル53から例1のPEO溶液(d1)を1mL/時で吐出させる と同時に、内側ノズル54から紡糸原液(a2)を1mL /時で吐出させ、極細の芯鞘繊維を形成した 該繊維を回転するコレクタードラム26上の固 体高分子電解質膜(MA1)上に集積させ、不織布 することにより、触媒層(A2)を形成し、膜触 媒層接合体(MC4)を得た。

 不織布を構成する繊維は、図7に示す繊維径 分布を有し、平均繊維径は2μmであった。繊 長が2mm以下の繊維は観察されなかった。
 触媒層(A2)の厚さは、30μmであり、かさ密度 0.35g/ccであった。触媒層(A2)の単位面積あた の白金量は、0.1mg/cm 2 であった。

ガス拡散層(GDL2)の準備:
 前記マイクロポーラス層コート付高拡散性 ーボンペーパー(SGL カーボン ジャパン(株) 販売、商品名「GDL25BC」)を用意し、ガス拡散 (GDL2)とした。

アノード(AN2)の作製:
 例1の触媒液(c1)を、固形分が12質量%となる うに、水/エタノールの混合溶媒(1/1質量比) 希釈し、例1と同様にしてボールミルで24時 撹拌して触媒層形成用塗工液を得た。
 上記ガス拡散層用カーボンペーパーのマイ ロポーラス層(MPL)上に、触媒層形成用塗工 を、ダイコート法にて流延し、80℃で30分間 燥させて触媒層を形成し、アノード(AN2)を た。

膜電極接合体(MEA4)の製造:
 膜触媒層接合体(MC4)からETFEフィルムを剥が た後、膜触媒層接合体(MC4)の触媒層(A2)側と 記ガス拡散層用カーボンペーパーのMPL側と 貼り合わせ、かつ膜触媒層接合体(MC4)の電 質膜側とアノード(AN2)の触媒層側とを貼り合 わせて膜電極接合体(MEA4)を得た。
 膜電極接合体(MEA4)の発電性能を評価した。 果を表1に示す。

〔例5〕
紡糸原液(b2)の調製:
 共重合体H(11)の水/エタノール溶液(固形分:28 .8質量%)の50gに、例1のPEO溶液(d1)の1.5g加え、 糸原液(b2)を得た。

触媒層(A3)の形成:
 例4で用いた不織布製造装置を用意した。
 まず、コレクタードラム26上に例1の固体高 子電解質膜(MA1)を巻き付けた。
 コレクタードラム26を回転させながら、高 圧電源28によって外側ノズル53とコレクター ラム26との間に10kVの直流電圧を印加した。 リンジポンプを作動させ、外側ノズル53か 紡糸原液(b2)を1mL/時で吐出させると同時に、 内側ノズル54から例4の紡糸原液(a2)を1mL/時で 出させ、極細の芯鞘繊維を形成した。
該繊維を回転するコレクタードラム26上の固 高分子電解質膜(MA1)上に集積させ、不織布 することにより、触媒層(A3)を形成し、膜触 層接合体(MC5)を得た。

 不織布を構成する繊維は、図8に示す繊維径 分布を有し、平均繊維径は3μmであった。繊 長が3mm以下の繊維は観察されなかった。
 触媒層(A3)の厚さは、90μmであり、かさ密度 0.11g/ccであった。触媒層(A3)の単位面積あた の白金量は、0.18mg/cm 2 であった。

ガス拡散層(GDL3)の準備:
 ガス拡散層用カーボン不織布(NOK社製、H2315T 10A MPL層なし)を用意し、ガス拡散層(GDL3)とし た。

膜電極接合体(MEA5)の製造:
 膜触媒層接合体(MC5)からETFEフィルムを剥が た後、膜触媒層接合体(MC5)の触媒層(A3)側と ス拡散層用カーボン不織布とを貼り合わせ かつ膜触媒層接合体(MC5)の電解質膜側と例4 アノード(AN2)の触媒層側とを貼り合わせて 電極接合体(MEA5)を得た。
 膜電極接合体(MEA5)の発電性能を評価した。 果を表1に示す。

〔例6〕
 例1の触媒液(c1)を、固形分が12質量%となる うに、水/エタノールの混合溶媒(1/1質量比) 希釈し、例1と同様にしてボールミルで24時 撹拌して触媒層形成用塗工液を得た。
 ETFEフィルム(旭硝子社製、厚さ:100μm)上に、 触媒層形成用塗工液を、ダイコート法にて流 延し、80℃で30分間乾燥させて触媒層を形成 た。触媒層の単位面積あたりの白金量は、0. 4mg/cm 2 であった。

 該触媒層と例1の固体高分子電解質膜(MA1)と 重ね、温度130℃、圧力3MPaのプレス条件にて 積層し、膜触媒層接合体を得た。触媒層のか さ密度は、1.2g/ccであった。
 該膜触媒層接合体からETFEフィルムを剥がし た後、膜触媒層接合体の触媒層側と前記マイ クロポーラス層コート付高拡散性カーボンペ ーパー(SGL カーボン ジャパン(株)販売、商 名「GDL25BC」)とを貼り合わせ、かつ膜触媒層 接合体の電解質膜側と例4のアノード(AN2)の触 媒層層とを貼り合わせて膜電極接合体(MEA6)を 得た。
 膜電極接合体(MEA6)の発電性能を評価したが 電流密度1.2A/cm 2 では発電できなかった。

 本発明の固体高分子形燃料電池用電極およ 膜電極接合体は、低作動温度、高電流密度 よび高ガス利用率の条件下でも高エネルギ 効率、高出力密度の性能を発揮する固体高 子型燃料電池用の電極および膜電極接合体 して有用である。

 なお、2007年12月13日に出願された日本特許 願2007-321772号の明細書、特許請求の範囲、図 面及び要約書の全内容をここに引用し、本発 明の明細書の開示として、取り入れるもので ある。