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Patent Searching and Data


Title:
ELECTRONIC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157461
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electronic device capable of making full use of the characteristics in terms of design and flexibility of a dye-sensitized solar cell. A solar cell/display unit (61) functions both as a solar battery and as a display unit for displaying a predetermined display, causes a predetermined character string such as “POMY” to be identified, generates electric power from illumination light or solar light and stores the electric power in a storage cell (62).  A light source (63) such as a fluorescent lamp applies light to the solar cell/display unit (61) by the electric power stored in the storage cell (62), whereby the characteristics of the dye-sensitized solar cell can be made full use thereof.  The present invention is applicable to a device comprising the dye-sensitized solar cell.

Inventors:
TAKADA HARUMI (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
YONEYA REIKO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
ZHU CHENG (JP)
SUZUKI YUSUKE (JP)
NODA KAZUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061449
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
TAKADA HARUMI (JP)
MOROOKA MASAHIRO (JP)
YONEYA REIKO (JP)
ORIHASHI MASAKI (JP)
ZHU CHENG (JP)
SUZUKI YUSUKE (JP)
NODA KAZUHIRO (JP)
International Classes:
G09F13/00; G09F13/02; G09F13/04; H01L31/04; H01M14/00
Foreign References:
JP2005346934A2005-12-15
JP2005324517A2005-11-24
JPH10256576A1998-09-25
JP2001176565A2001-06-29
Attorney, Agent or Firm:
INAMOTO YOSHIO (JP)
Yoshio Inemoto (JP)
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Claims:
 所定の色素を半導体電極上に吸着させることによって所定の表示体が形成された光電変換素子を備える
 電子装置。
 前記表示体を照射する光源をさらに備え、
 前記光電変換素子は、前記光源によって照射された光から電力を発生させて、その電力を前記光源に供給し、
 前記光源は、前記光電変換素子からの前記電力によって駆動する
 請求項1に記載の電子装置。
 前記光電変換素子によって発生された電力を蓄える蓄電部をさらに備え、
 前記光電変換素子は、前記光源によって照射された光から電力を発生させて、その電力を前記蓄電部に蓄え、
 前記光源は、前記蓄電部に蓄えられた前記電力によって駆動する
 請求項2に記載の電子装置。
 前記表示体は、文字、数字、記号、若しくは図形又はこれらの任意の組み合わせである 請求項1に記載の電子装置。
 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電池である
 請求項1に記載の電子装置。
 所定の形状を有する物体に貼りはがし可能な基板上に形成される光電変換素子を備える 電子装置。
 前記基板は、何度でも貼りはがし可能なフィルムである
 請求項6に記載の電子装置。
 前記光電変換素子は、前記基板によって窓又はタイルに貼り付けられ、太陽光又は照明光から電力を発生させて、その電力を、接続された前記携帯用の機器に搭載された蓄電部に供給する
 請求項6に記載の電子装置。
 前記光電変換素子によって発生された電力を蓄える蓄電部をさらに備える
 請求項6に記載の電子装置。
 前記光電変換素子には、所定の色素を半導体電極上に吸着させることによって所定の表示体が形成されている
 請求項6に記載の電子装置。
 前記表示体は、文字、数字、記号、若しくは図形又はこれらの任意の組み合わせである 請求項10に記載の電子装置。
 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電池である
 請求項6に記載の電子装置。
Description:
電子装置

 本発明は、光電変換素子を用いた電子装 に関する。

 近年、シリコン(Si)系などに替わる次世代 の太陽電池として、色素増感型太陽電池につ いての研究が広く行われている。

 この色素増感型太陽電池は、その特徴と て、製造プロセスが簡便であることや、デ イン性の付与が可能であることが挙げられ 。デザイン性の一例としては、複数の色を する太陽電池であれば、設置する装置、建 等の外観を損なうことなく、設置すること でき、太陽電池の一層の普及につながるも と考えられる。

 この種の色素増感型太陽電池としては、 とえば、特許文献1及び2が知られている。

特開2006-221965号公報

特開2005-182076号公報

 ところで、色素増感型太陽電池は、従来 り用いられてきたシリコンなどの太陽電池 はないデザイン性やフレキシブルである等 特徴を有しているため、それらの特徴を生 した用途での使用の要求が高まっている。

 たとえば、特許文献1に開示されている発 明では、道路標識等の表示部に色素増感型太 陽電池からなる太陽電池部を取り付けて使用 する場合において、単に、表示部の上面に太 陽電池部を付加しているので、太陽電池部と 表示部とが全く別々に構成されていることに なる。そのため、全体としての体積が大きく なってしまい、またその構造も複雑になると いった問題や景観に違和感があるといった問 題があり、色素増感型太陽電池の特徴を生か しているとは言えなかった。

 また、特許文献2に開示されている発明に おいても、太陽電池と、液晶表示装置とが別 々に接続されて機能するものであるため、上 記の文献の発明と同様に色素増感型太陽電池 の持つ特徴を生かしているとは言えない。

 本発明はこのような状況に鑑みてなされ ものであり、色素増感型太陽電池の特徴で るデザイン性やフレキシブル性等に対応す ことができるようにするものである。

 本発明の第1の側面の電子装置は、所定の 色素を半導体電極上に吸着させることによっ て所定の表示体が形成された光電変換素子を 備える。

 前記表示体を照射する光源をさらに備え 前記光電変換素子は、前記光源によって照 された光から電力を発生させて、その電力 前記光源に供給し、前記光源は、前記光電 換素子からの前記電力によって駆動する。

 前記光電変換素子によって発生された電 を蓄える蓄電部をさらに備え、前記光電変 素子は、前記光源によって照射された光か 電力を発生させて、その電力を前記蓄電部 蓄え、前記光源は、前記蓄電部に蓄えられ 前記電力によって駆動する。

 前記表示体は、文字、数字、記号、若し は図形又はこれらの任意の組み合わせであ 。

 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電 である。

 本発明の第2の側面の電子装置は、所定の 形状を有する物体に貼りはがし可能な基板上 に形成される光電変換素子を備える。

 前記基板は、何度でも貼りはがし可能な ィルムである。

 前記光電変換素子は、前記基板によって 又はタイルに貼り付けられ、太陽光又は照 光から電力を発生させて、その電力を、接 された前記携帯用の機器に搭載された蓄電 に供給する。

 前記光電変換素子によって発生された電 を蓄える蓄電部をさらに備える。

 前記光電変換素子には、所定の色素を半 体電極上に吸着させることによって所定の 示体が形成されている。

 前記表示体は、文字、数字、記号、若し は図形又はこれらの任意の組み合わせであ 。

 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電 である。

 以上のように、本発明の一側面によれば 色素増感型太陽電池の持つ特徴を生かすこ ができる。

本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための断面図である。 本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための図である。 本発明を適用した色素吸着処理の工程 説明するための図である。 本発明を適用した太陽電池兼表示装置 一実施の形態の構成を示す図である。 太陽電池兼表示部の例を示す図である 本発明を適用した太陽電池兼表示装置 一実施の形態の他の構成を示す図である。 太陽電池兼表示部の例を示す図である 本発明を適用したフィルム状太陽電池 一実施の形態の構成を示す図である。 本発明を適用したフィルム状太陽電池 一実施の形態の他の構成を示す図である。 フィルム状太陽電池の例を示す図であ る。

 以下、図面を参照しながら本発明の実施 形態について説明する。

 ところで、色素増感型太陽電池の製造プ セスであるが、たとえば、下記の(1)ないし( 7)の工程に沿って行われる。

(1)レーザスクライブ加工処理
(2)スクリーン印刷処理
(3)アニール処理
(4)色素吸着処理
(5)貼り合せ処理
(6)電解液注液処理
(7)注液口の封止処理

 簡単に説明すると、かかる製造プロセス は、まず、(1)レーザスクライブ加工処理に って、導電性ガラス等の透明基板をレーザ 工することで、パターン化された透明基板 得られる。次に、(2)スクリーン印刷処理で 、スクリーン印刷法により所定のペースト 透明基板上に塗布し、続いて、(3)アニール 理によって、たとえば、電気炉において100 ~600℃での加熱焼成を約1時間行うことで、 導体電極が得られる。

 そして、(4)色素吸着処理において、半導 電極に所定の色素が吸着され、(5)対極との り合せや反射防止フィルム等が行われた後 (6)電解液注液処理によって、所定の電解溶 が注液され、(7)注液口を封止することで、 素増感型太陽電池が得られる。

 以上のような製造プロセスを経ることで 素増感型太陽電池が製造されるが、本発明 色素増感型太陽電池を製造する際には、特 、(4)色素吸着処理の工程が特徴的な工程と る。そこで、以下、かかる色素吸着処理に いて、[実施例1]ないし[実施例5]によって具 例を挙げながら説明する。

 (4)色素吸着処理の前段の工程(1),(2),(3)によ て、市販のFTOガラス(15ω/□)上に、市販のTiO 2  ペーストがスクリーン印刷法によって塗布 れ、500℃で1時間焼成されることにより、短 冊状のパターンを有する酸化チタン電極(平 膜厚20μm)が得られる。

 次に、工程は、(4)色素吸着処理に進み、図1 の(4)色素吸着処理の工程の断面図に示す処理 が行われる。なお、図1においては、(1)ない (3)の工程により得られる短冊状の酸化チタ 電極を、半導体電極12 1 ないし12 3 として記述している。

 図1のAに示すように、器具21は、底部を持つ 容器状(トレイ状)の形状からなる。また、器 21は、所定の形状の隔壁を有しており、そ 隔壁で仕切られた区画ごとにそれぞれ異な 色素溶液を入れることできる。たとえば、 1のAにおいては、器具21は3つの区画に分けら れており、それらの区画には、異なる3種の 素溶液が入れられる。すなわち、たとえば N719,Black dye,D149の3種類の色素をそれぞれ、CH 3CN/t-BuOH混合溶液に溶解させることで、0.3mMの 色素溶液(色素溶液S 1 ,S 2 ,S 3 )が得られるので、この色素溶液を、図1の器 21の3つの区画にそれぞれ注ぐことができる

 そして、図1のBに示すように、異なる3種の 素溶液S 1 ないしS 3 がそれぞれ入れられた器具21の隔壁による上 部(開口上縁部側)に透明基板11を、半導体電 極12 1 ないし12 3 (酸化チタン電極)の形成された面が下側(器具 21側)となるように設置することで、器具21を 閉する。このとき、図中の黒色の丸印で示 接着剤22によって、透明基板11と器具21とを 着することで貼り合せて固定する。

 なお、かかる貼り合せの手法としては、U V硬化接着剤等の接着剤22を用いる手法の他、 たとえば、シリコンゴムのようなガスケット として機能するような材料を用いて圧着する 手法を用いることもできる。この場合、シリ コンゴムは器具21と接着されていても構わな し、シート状のものを用いても構わない。 た、透明基板11としては、たとえば、導電 ガラス等のガラス基板、透明プラスチック 板、金属板などが用いられる。

 そして、透明基板11と器具21とが接着されて いる状態で、その密閉された器具21の上下を 転させると、図1のCに示すような状態とな 。すなわち、器具21の上下が反転されること で、器具21の底部側にあった色素溶液S 1 ないしS 3 が、透明基板11側に流れ込むと同時に、半導 電極12 1 ないし12 3 が色素溶液S 1 ないしS 3 でそれぞれ満たされることになる。これによ り、半導体電極12 1 ないし12 3 には、それぞれ色素が吸着される。このとき 、半導体電極12 1 は色素溶液S 1 により色素が吸着され、半導体電極12 2 は色素溶液S 2 により色素が吸着され、半導体電極12 3 は色素溶液S 3 により色素が吸着される。このことは、言い 換えれば、半導体電極上の任意の位置に、任 意の色素を吸着させていると言え、さらに、 器具21を用意するだけで色素の塗り分けが可 となるため、簡便であるとも言える。

 その後、図1のCの状態のまま24時間静置した 後、器具21を透明基板11からはがすことによ て、図1のDに示すように、透明基板11上には 色素溶液S 1 ないしS 3 による色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。

 なお、(4)色素吸着処理の工程で用いられ 、器具21の形状であるが、隔壁の高さとし は少なくとも3mm以上必要である。これは、 れ以下であると、半導体電極12に注がれる色 素溶液に含まれる色素の量が不十分となるた めである。隔壁の高さの上限は3mm以上であれ ば特にない。また、隔壁の幅についても特に 制限はないが、実用上は10mm以下であること 望ましい。それ以上である場合には、太陽 池面積のうち、発電に寄与する面積が減少 るため、実用に耐えうるレベルではないか である。

 また、図1のCの状態で静置しておく時間で るが、これは半導体電極12 1 ないし12 3 の膜厚で変わるものであって、膜厚が薄けれ ばたとえば、10分,15分,30分などの短時間での 着が可能となるし、逆に、膜厚が厚いと、 とえば、48時間やそれ以上の時間を吸着に すこととなる。また、静置しておく時間は 度にも影響を受けるため、膜厚と作業を行 場所の温度の両方を考慮して、かかる時間 決めると好適である。また、加熱、攪拌と った操作を必要に応じて用いても構わない

 そして、(4)色素吸着処理が終了すると、 の後段の工程(5),(6),(7)が行われることで、(4 )の工程により得られた色素付半導体電極が 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せられ、そこに電解溶液が注入されるこ とで、色素増感型太陽電池が得られる。した がって、これにより、所定の位置に、所定の 色素が吸着された色素増感型太陽電池が得ら れたことになる。

 なお、この[実施例1]の手法を用いて、異 る色を塗り分けるだけでなく、1色(1種類)の 色素の濃淡を塗り分けることも可能である。 この場合、吸着時間、色素溶液の濃度、溶媒 の種類などを各ユニットごとに変更すること で、濃淡を制御することが可能となる。また 、器具21によって異なる色を塗り分けること 、たとえば、文字、数字、記号、若しくは 形又はこれらの任意の組み合わせを表す色 を半導体電極上に吸着させることが可能と る。これらについては、後述する他の実施 においても同様である。

 上記の[実施例1]では、器具21の貼り合せ 手法として、接着剤22を用いる例の他、ガス ケットにより圧着させる例について説明した が、圧着手法としては、機械的に圧着させる 手法の他、真空中で貼り合わせた上で大気中 に戻すなどの、大気圧を利用して圧着させる 手法を採用することも可能である。

 具体的には、[実施例1]と同様の3種類の色素 溶液S 1 ないしS 3 が注液された隔壁を有し、その外周にシリコ ンゴム層を設けた器具21を、[実施例1]と同様 手法(工程(1)ないし(3))で作製された半導体 極12 1 ないし12 3 に対し機械的に貼り合わせる。その後、貼り 合わされたることで密閉状態となった器具21 内部空間を、真空ポンプを用いて減圧する とにより十分に接着させ、これを[実施例1] 同様にして、その状態で上下を反転させた 、24時間静置した。

 その後、反転されて器具21の下側に位置し いる半導体電極12 1 ないし12 3 を再度上側に戻し、さらに、その内部を大気 圧に戻して透明基板11をはがすことにより、3 種類の色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。その後、[実施例1]と同様の手法 (工程(5),(6),(7))にて、この色素付半導体電極 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せ、電解溶液を注入することで、色素増 感型太陽電池が得られる。

 上記の[実施例1]では、図1の器具21の上下を 転させることで、半導体電極12 1 ないし12 3 に色素を吸着させる構成について説明したが 、図2の治具31を用いることで、部材を反転さ せなくとも、色素を吸着させることが可能と なる。なお、図2において、下側の図は治具31 の斜視図を表し、上側の図はシリコンゴム32 上面図を表している。

 具体的には、[実施例1]と同様の手法(工程(1) ないし(3))で作製した半導体電極12 1 ないし12 3 に対して、中空の形状を有する治具31を、そ 中空部H 1 ないしH 3 に対応する形状の穴部h 1 ないしh 3 を有するシリコンゴム32を介して機械的に圧 させる。すなわち、このとき、半導体電極1 2 1 ないし12 3 は、中空の形状を有する治具31の底部に位置 ることになる。その後、[実施例1]と同様の3 種類の色素溶液S 1 ないしS 3 を、それぞれ治具31に設けられた3つの中空部 H 1 ないしH 3 のそれぞれに注液すると、治具31の底部とし シリコンゴム32を介して圧着されている半 体電極12 1 ないし12 3 に色素が吸着される。

 そして、そのままの状態で24時間静置する とにより、治具31の中空の形状に対応する3 類の色素で塗り分けられた半導体電極12 1 ないし12 3 が得られる。そして、[実施例1]と同様の手法 (工程(5),(6),(7))にて、この色素付半導体電極 白金スパッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼 り合せ、電解溶液を注入することで、色素増 感型太陽電池が得られる。

 上記の[実施例1]では色素の吸着のすべて 一度に行っていたが、それらを複数回に分 て行うことも可能である。ここでは、図3を 参照して、たとえば、[実施例1]と同様の手法 により、5cm×5cmの一面に、酸化チタン電極が られた場合を例に挙げて説明する。

 なお、図3においては、[実施例1]と同様の 工程(1)ないし(3)により得られた酸化チタン電 極を、その大きさである5cm×5cmに対応させた5 ×5個の格子状のマス目(1つのマス目が1cm四方) からなる半導体電極12として記述している。 た、図3には、治具41及び治具42、並びに半 体電極12の上面図が示されており、図中の矢 印で示すように、半導体電極12は、図中左上 ら図中右下に向かう方向に時系列で並んで る。そこで、図3では、図中左上から図中右 下に向かって時系列で並んでいる3つの半導 電極12の状態を、それぞれ、図中左上から順 に、状態1,状態2,状態3と称して説明する。

 ここでは、図3に示すように、パターン1(図3 では穴部H 4 及び穴部H 5 )の形状を有する治具41と、パターン1とは異 るパターン2(図3では穴部H 6 )の形状を有する治具42のうち、はじめに、治 具41を、状態1の半導体電極12上に設置する。

 そして、工程(1)ないし(3)によって得られた 態1の半導体電極12上の5×5のマス目のうち、 治具41に設けられた穴部H 4 及び穴部H 5 に対応する位置にある図中左から1,2列目のマ ス目と、図中左から4,5列目のマス目に、それ ぞれ色素溶液S 1 ,S 2 を注液する。より具体的には、治具41を半導 電極12に貼り合わせた後、N719とBlack dyeの色 素溶液S 1 ,S 2 をそれぞれ穴部H 4 及び穴部H 5 に注液し、そのまま24時間静置することによ 、半導体電極12には治具41の穴部H 4 及び穴部H 5 に対応する形状の色素が吸着される。

 そして、治具41をはがすことで、図3の状態2 の半導体電極12に示すように、1,2列目のマス には色素溶液S 1 により色素が吸着され(図中右下がり斜線で すマス目上の領域)、4,5列目のマス目には色 溶液S 2 により色素が吸着される(図中左下がり斜線 表すマス目上の領域)。このとき、状態2の半 導体電極12からも分かるように、真ん中の3列 目のマス目は、色素が吸着されていない状態 となる。

 続いて、治具42を用いて、半導体電極12のう ち、残った真ん中の3列目に所定の色素を吸 させる。具体的には、アセトニトリルを用 てリンスした後、治具42を半導体電極12に貼 合わせて、D149の色素溶液S 3 を穴部H 6 に注液し、そのまま24時間静置することで、 導体電極12には治具42の穴部H 6 に対応する形状の色素が吸着される。

 そして、治具42をはがすことで、図3の状態3 の半導体電極12に示すように、3列目のマス目 には、色素溶液S 3 により色素が吸着される(図中幅広の右下が 斜線で表すマス目上の領域)。すなわち、治 41と、治具42を用いた2段階での色素の塗り けによって、3種類の色素で塗り分けられた 導体電極12が得られたことになる。

 その後、[実施例1]と同様の手法(工程(5),(6 ),(7))にて、この色素付半導体電極を白金スパ ッタ対極とUV硬化接着剤を用いて貼り合せ、 解溶液を注入することで、色素増感型太陽 池が得られる。

 このように、色素の吸着を行う際、全体 一度に吸着させる他に、部分ごとに何段階 に分けて吸着させることができるので、た えば、塗り分けの区間同士が隣接している あるいは隔壁を設けるのに十分なだけ離れ いないといった場合にも、[実施例4]のよう して数段階に分けて吸着させることにより 簡便に色素の塗り分けを行うことが可能と る。

 上記の[実施例1]ないし[実施例4]において 、[実施例1]で説明した工程(1)ないし(3)によ て作製された酸化チタン電極に対し、(4)色 吸着処理の工程を行う例について説明した 、酸化チタン電極は他の手法により作製し もよい。

 すなわち、(4)色素吸着処理の前段の工程 ある工程(1)ないし(3)において、市販の酸化 タンP25を、ガンマブチロラクトンに対して2 0wt%分散させ、さらに酸化チタンに対して30wt% のPVDF-HFP(ポリフッカビニリデン-ヘキサフル ロプロピレン)共重合体を加え、約60℃に加 しながら、攪拌することにより、均一な溶 が得られる。これをITOつきのPEN基板上にブ ードコーティング法により塗布し、120℃で1 間乾燥させ、さらに、この基板を、ロール レス機を用いてプレスすることにより、PEN 板上に、5cm×5cmの酸化チタン電極が得られ 。

 そして、これを、たとえば、上記の[実施 例4]と同様の手法により処理することで、3種 類の色素で塗り分けられた酸化チタン電極が 得られ、その後、[実施例1]と同様の手法(工 (5),(6),(7))により処理することで、色素増感 太陽電池が得られる。すなわち、この[実施 5]では、たとえばPEN基板等のフレキシブル 基板上に酸化チタン電極が形成されるので より柔軟性の高い色素増感型太陽電池を作 できる。

 以上のようにして、色素増感型太陽電池 製造プロセスの工程(1)ないし(7)のうち、(4) 素吸着処理において、上記の[実施例1]ない [実施例5]で説明した処理のいずれかが行わ るが、次に、かかる工程を経ることで製造 れる色素増感型太陽電池の詳細について説 する。

 図4には、[実施例1]ないし[実施例4]で説明 した工法のいずれかを用いて、(4)色素吸着処 理を行った場合に製造される色素増感型太陽 電池の例が示されている。

 なお、図4の左側の断面図において、太陽電 池としての機能と、表示部としての機能の両 方を有している太陽電池兼表示部61は、上記 工程(1)ないし(7)により製造された色素増感 太陽電池に相当する。この太陽電池兼表示 61には、図4の右側の正面図に示すように、 POMY」の文字が識別可能となるように色素が 吸着されており、見る者には太陽電池である ことの意識をさせることなく、文字を識別さ せることが可能となる。
つまり、見る者にとって、太陽電池兼表示部 61は、ただ「POMY」の文字が表示されている自 然な景観となっている。

 また、図4に示すように、太陽電池兼表示 装置51において、太陽電池兼表示部61によっ 発生された電力は、接続されている蓄電池62 に蓄えられる。そして、この蓄電池62に蓄え れた電力が蛍光灯等からなる光源63に供給 れることで、光源63によって光が太陽電池兼 表示部61に照射される。これにより、太陽電 兼表示装置51においては、太陽光の他に、 源63により光を照射して、その光から生成し た電気エネルギーを照明光に利用するといっ た自己完結型の発電が可能となり、省エネル ギーにも大変効果的となる。

 具体的には、たとえば、図5に示すように 、駅のホームに設置してある駅名表示板とし て、太陽電池兼表示装置51を使用する場合、 の利用者にとってはただの駅名を表してい 表示板にしか見えないが、太陽電池兼表示 置51は、図4に示した構成を有しているため 実際には太陽電池としての機能も有してい 。図5の例の場合、太陽電池兼表示部61には 上記の[実施例1]ないし[実施例4]の工法のい れかを用いて、「南東線 自由の森駅」等 文字を表す色素が吸着されている。

 すなわち、図5の駅名表示板の内部では、 光源63によって太陽電池兼表示部61が照射さ ることにより表示板の駅名が照らされ、そ 照明光は、太陽電池兼表示部61によって、電 力に変換される。そして、その電力が蓄電池 62に蓄えられるので、光源63は、蓄電池62に蓄 えられた電力によって表示板の駅名を照らす ことになる。なお、このとき、太陽電池兼表 示部61は、光源63からの照明光の他に、太陽 からも電力を発生させて、それにより得ら る電力を蓄電池62に蓄えるようにしてもよい 。

 また、太陽電池兼表示装置51は、図4に示 ように、その内部に光源63を設けるのでは く、図6に示すように、太陽電池兼表示部61 表示部面側に設置された光源63による照明光 から電力を発生させて、蓄電池62に蓄えるよ にしてもよい。この場合、図6の左側の断面 図で示すように、太陽電池兼表示部61は、光 63からの照射光の他に、太陽光からも電力 発生させ、その電力を蓄電池62に蓄える。ま た、図6の右側の正面図に示すように、太陽 池兼表示部61には、図4と同様に、上記の[実 例1]ないし[実施例4]の工法のいずれかを用 て、「POMY」の文字が識別可能となるように 素が吸着されている。

 具体的には、たとえば、図7の広告板に示 すように、太陽電池兼表示部61には、たとえ 、「これからは仲良しです ・・・」等の 字列が形成されるように、所定の色素が半 体電極に吸着されている。そして、これら 文字列が形成された表示部面が太陽電池と ての機能も有していることから、図6に示す うに、太陽電池兼表示部61は、光源63による 照明光又は太陽光から電力を発生させ、その 電力を蓄電池62に蓄えることが可能となる。

 なお、本実施の形態では、太陽電池兼表 装置51の具体例として、図5の駅名表示板と 7の広告板について説明したが、それ以外の ものに適用することも勿論可能であり、たと えば、車内広告、駅の広告標識、自動販売機 、オフィスの壁や柱、内照式表示装置、警告 表示装置、誘導表示装置、道路標識、自発光 式表示装置などにも適用することができる。 すなわち、太陽電池兼表示装置51において、 陽電池兼表示部61の表示部面には、使用の 態に応じた、文字、数字、記号、若しくは 形又はこれらの任意の組み合わせからなる 示体が形成される。

 また、図4及び図6の太陽電池兼表示装置51 においては、太陽電池兼表示部61によって発 された電力が蓄電池62に蓄積されるとして 明したが、蓄電池62を設けずに、太陽電池兼 表示部61からの電力を直接、光源63に供給す ようにしてもよい。

 以上のように、太陽電池兼表示装置51に いて、太陽電池兼表示部61は、1枚若しくは2 のガラス基板又は透明プラスチック基板等 透明基板の大きさの厚みのみで、表示部と 陽電池の発電部の両方を兼ね備えることが きる。その結果、それらを別々に構成した 合と比べて構造が複雑にならず、さらに、 の表示部を見ても太陽電池が存在している とに気がつかないような大変自然な景観と ることが可能となる。

 また、色素増感型太陽電池の製造プロセ の(4)色素吸着処理の工程において、[実施例 1]ないし[実施例4]を採用することで、形状、 調の自由なデザイン性の優れた太陽電池兼 示装置51を製造することが可能となる。

 さらには、室内光において、シリコン系 陽電池と比較して発電効率の良好な色素増 型太陽電池を用いることで、太陽光のみな ず、照明光を利用することが可能である。 って、太陽電池兼表示装置51は、室外の他 室内にも設置可能となる。

 以上、[実施例1]ないし[実施例4]のいずれ の工法を用いて処理を行った場合に製造さ る色素増感型太陽電池の例について説明し が、次に、残りの[実施例5]の工法を用いて 理を行った場合に製造される色素増感型太 電池について説明する。

 図8と図9には、上記の[実施例5]で説明し 工法を用いて、(4)色素吸着処理を行った場 に製造される色素増感型太陽電池の例が示 れている。

 図8において、太陽電池81とフィルム82か なるフィルム状太陽電池71は、上記の工程(1) ないし(7)により製造された色素増感型太陽電 池に相当する。すなわち、フィルム状太陽電 池71は、[実施例5]で説明したように、たとえ 、PEN基板等のフィルム基板上に酸化チタン 極を作製し、それを各種の色素で塗り分け ものである。したがって、フィルム状太陽 池71は、何度でも貼りはがし可能なフィル 上に色素増感型太陽電池を形成しているこ になるので、たとえば、窓やタイルなどに 由に貼り付けて、発電させることが可能と る。

 このフィルム状太陽電池71は、図8に示す うに、フィルム82が太陽電池81を形成する基 板の一部となるように作製してもよいし、図 9に示すように、それらをさらに、蓄電池83と 組み合わせた構成とすることもできる。すな わち、図9のフィルム状太陽電池71においては 、フィルム82上の太陽電池81によって、太陽 又は照明光から電力が発生され、その電力 蓄電池83に蓄えられる。

 具体的には、たとえば、図10に示すよう 、フィルム状太陽電池71を、窓91に貼り付け 能な充電用太陽電池シールとすることで、 帯電話機92を、窓91に貼り付けられたフィル ム状太陽電池71(充電用太陽電池シール)と接 して、携帯電話機92の充電池の充電を行うこ とができる。ここで、窓91としては、住宅等 建物の窓は勿論、たとえば、バスや電車等 乗り物の窓ガラスにフィルム状太陽電池71 貼ることで、乗車中の乗客がバス等の乗り に乗っている間に、その時間を利用して、 帯電話機92の充電を行うことができる。この 場合、場所もとらないため、乗車中であって も、スペースを気にすることなく、また他の 乗客の迷惑にならずに、機器の充電が可能と なる。

 なお、発電効率が光の入射角度に依存し くく、さらに、室内光での発電効率が高い 素増感型太陽電池は、窓ガラスに貼り付け 室内光を利用する太陽電池として適してお 、フィルム状太陽電池71は、上記の充電用 陽電池シールのように、窓91に貼り付けて使 用すると好適である。

 このように、携帯電話機等の充電の必要 携帯用の機器の充電を行いたい場合に、フ ルム状太陽電池71を所望の場所に貼り付け ことで、機器の充電を行うことが可能であ 。また、フィルム状太陽電池71は、貼ったも のをはがして何度でも再利用することができ る。

 さらにまた、図10の例に示すように、フ ルム状太陽電池71は、たとえば、窓91に貼る とができることから、室内からの光と太陽 の両方の光を用いた発電が可能となる。ま 、フィルム状太陽電池71を窓91に貼るだけで よいため、使用後には、窓91を汚さずに貼り えることが可能となるといった利点もある

 また、フィルム状太陽電池71は、上記の[ 施例5]で説明した手法により色素を塗り分 ることが可能であるので、その色素が塗り けられたフィルム状太陽電池71を、たとえば 、車やお店の窓に貼ることにより、広告とし ての機能を発揮させることも可能となる。す なわち、フィルム状太陽電池71において、太 電池兼表示部81の表示部面には、使用の形 に応じた、文字、数字、記号、若しくは図 又はこれらの任意の組み合わせからなる表 体が形成される。

 以上のように、フィルム状太陽電池71は 何度でも貼りはがし可能なフィルムから作 されているため、窓やタイル等に貼ること 、太陽光や照明光を利用して発電すること 可能となる。この発電した電力は、たとえ 携帯機器の充電池の充電に用いることがで る。また、フィルム状太陽電池71は、床に置 くことなく、窓などの側壁に貼り付けること ができるので、少ないスペースを有効に活用 することができる。

 また、色素増感型太陽電池の製造プロセ の(4)色素吸着処理の工程において、[実施例 5]を採用することで、形状、色調の自由なデ イン性の優れたフィルム形成が可能となり インテリアグッズの他、広告、標識などに 使用できる。さらには、室内光において、 リコン系太陽電池と比較して発電効率の良 な色素増感型太陽電池を用いることで、太 光のみならず、照明光を利用することが可 である。よってフィルム状太陽電池71は、 外の他、室内にも設置可能となる。

 さらにまた、色素増感型太陽電池を利用 ることで、たとえば、シースルーや多色な 池を作製することが可能となることから、 陽電池という概念を越えてインテリアとし も充分に機能することができる。また、フ ルム状太陽電池71を持ち運ぶ際には、折り たんだり、丸めたりすることが可能となる め、場所をとらずに、簡単に持ち運びがで るといった利点もある。

 なお、本実施の形態では、色素増感型太 電池によって発電された電力は、蓄電池に えるとして説明したが、それ以外のものに 電してもよく、たとえば、キャパシタに蓄 させることも可能である。

 また、本発明の実施の形態は、上述した 施の形態に限定されるものではなく、本発 の要旨を逸脱しない範囲において種々の変 が可能である。たとえば、本実施の形態に いて挙げた、数値、構造、形状、材料、原 、プロセス等は、あくまでも一例に過ぎず 必要に応じてこれらと異なる数値、構造、 状、材料、原料、プロセスを用いてもよい

 さらに、本実施の形態においては、光電 換素子として、色素増感型太陽電池を例に げて説明したが、本発明は、色素増感型以 の太陽電池や、太陽電池以外の光電変換素 についても適用可能である。

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