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Title:
ELECTRONIC OVERLOAD RELAY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139533
Kind Code:
A1
Abstract:
An electronic overload relay includes a contact mechanism that switches between a trip position and a reset position, a magnetic circuit in which a stator core, a permanent magnet, and an armature are circularly arranged, a contact-mechanism spring that separates the armature apart from the stator core so that the contact mechanism switches to the reset position, a coil that, when overload is detected, produces a magnetic flux in the same direction as that of the magnetic flux of the permanent magnet by the passage of electric current through the coil to switch the armature from the reset position to the trip position against the contact-mechanism spring, and after a lapse of predetermined time period from the detection of overload, produces a magnetic flux in a direction opposite to that of the permanent magnet by the passage of electric current in the opposite direction so that the armature held in the trip position by the attraction of the permanent magnet is moved apart from the stator core, a movable stopper that latches the contact mechanism against the urging force of the contact-mechanism spring at a position where the armature is slightly apart from the stator core, and a reset bar that switches the movable stopper between a latching position where the contact mechanism is latched and an unlatching position.

Inventors:
SUZUKI KENICHIROU (JP)
BABA SADAAKI (JP)
KAMIYAMA TOMOYUKI (JP)
SEKIGUCHI TSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/059249
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
April 27, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI ELECTRIC CORP (JP)
SUZUKI KENICHIROU (JP)
BABA SADAAKI (JP)
KAMIYAMA TOMOYUKI (JP)
SEKIGUCHI TSUYOSHI (JP)
International Classes:
H01H73/36
Domestic Patent References:
WO2006114870A12006-11-02
Foreign References:
JP2001520795A2001-10-30
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 ケース内に収容され、
 過負荷信号を発信するトリップ位置と待機信号を発信するリセット位置とに切替わる接点機構と、
 固定鉄心と、永久磁石と、前記接点機構に固定され前記固定鉄心に吸着されたトリップ位置と前記固定鉄心と離間するリセット位置とに切替わるアーマチュアと、を環状に配置した磁気回路と、
 前記アーマチュアを前記固定鉄心から離間させ前記磁気回路を開いて前記接点機構がリセット位置に切替わるように付勢する接点機構ばねと、
 前記磁気回路に配置され、過負荷検出時には、通電により前記永久磁石の磁束と同一方向の磁束を発生して前記接点機構ばねに抗して前記アーマチュアをリセット位置からトリップ位置に切替え、過負荷検出時から所定時間経過後に、逆方向通電により前記永久磁石の磁束と逆方向の磁束を発生して該永久磁石の吸着力により前記トリップ位置に保持されたアーマチュアを前記固定鉄心から開離させるコイルと、
 前記アーマチュアが前記固定鉄心から少し開離した位置で、前記接点機構ばねの付勢力に抗して前記接点機構を係止する可動ストッパと、
 前記可動ストッパを、前記接点機構を係止する係止位置と、非係止位置とに切替えるリセットバーと、
 を備えることを特徴とする電子式過負荷継電器。
 前記リセットバーは、トリップ状態にある前記接点機構を手動でリセットする手動リセットモードのとき、前記可動ストッパを前記係止位置に切替え、過負荷検出時から所定時間後に自動リセットする自動リセットモードのとき、前記可動ストッパを前記非係止位置に切替えることを特徴とする請求項1に記載の電子式過負荷継電器。
 前記リセットバーは、前記手動リセットモードのとき、前記ケース内に押込まれ、前記アーマチュアが前記固定鉄心から少し開離した位置で、前記接点機構ばねの付勢力に抗して前記接点機構を係止している可動ストッパの係止を解き、前記自動リセットモードのとき、前記ケース内に押込まれかつ回転されて、前記可動ストッパを前記非係止位置に切替えることを特徴とする請求項2に記載の電子式過負荷継電器。
 前記所定時間を、過負荷により加熱された機器が冷却される時間に対応させたことを特徴とする請求項1に記載の電子式過負荷継電器。
 前記接点機構は、接点ばねにより可動接触子を弾性的に保持するクロスバーを備え、該クロスバーは、前記ケースに設けられた窓に露出する表示部を備え、該表示部の前記窓に対する位置により、前記接点機構が前記リセット位置にあるかトリップ位置にあるかを表示することを特徴とする請求項1に記載の電子式過負荷継電器。
 前記表示部を操作することにより、無通電でテストトリップ及びリセットが行なえることを特徴とする請求項5に記載の電子式過負荷継電器。
 前記クロスバーは、前記接点ばね及び可動接触子を保持するばね支柱を有し、該ばね支柱は、前記可動接触子が二つの固定接触子と接触するとき、該二つの固定接触子間を結ぶ線に略垂直となるように前記クロスバーに設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電子式過負荷継電器。
Description:
電子式過負荷継電器

 本発明は、モータ等を過負荷から保護す 電子式過負荷継電器(以下、単に「過負荷継 電器」ともいう。)に関するものである。

 電子式過負荷継電器は、モータの負荷電 を電流検出デバイス(CT等)により検出し、検 出した負荷電流が設定値を超えると、電流検 出回路から有極電磁石に動作電流を流し、制 御回路接点を開閉するトリップ動作を行なう 。

 このトリップ動作によって、常開接点(a 点)を閉じて表示灯を点灯させたり、常閉接 (b接点)を開いてモータの負荷回路の電磁接 器の電磁石の励磁を解き、負荷回路を遮断 てモータの焼損等の事故を防ぐ。トリップ 作後は、再び、モータを始動させるために 過負荷継電器をトリップ動作前の状態(常開 接点を開き、常閉接点を閉じた状態)に戻す セット動作を行なう必要がある。

 このリセット動作には、リセットバーを 作して行なう手動リセットと、トリップ動 後、所定時間経過後に、電流検出回路から 力される動作電流により有極電磁石を動作 せて行なう自動リセットとがある。このリ ット動作は、モータの負荷回路の過負荷の 因を取り除いた後に行なうようにしなけれ ならない。

 また、過負荷継電器には、リセットバー 、何らかの原因、例えば、電線等がリセッ バーに当たってリセット操作がなされてい も、電流検出デバイスによりモータ(負荷) 過負荷が検出された場合には、支障なくト ップ動作が行えるトリップフリー機能と、 述のリセット動作の手動/自動切替機能と、 リップ後は、所定時間リセット動作を禁止 、モータの冷却や異常状態からの復旧が行 れる前にモータが再始動されることを禁止 る機能と、が必要とされる。

 上述の三つの機能を備えた従来の過負荷 電器として、磁気回路内に永久磁石とコイ とを備え、前記永久磁石の磁界によりばね に抗してアーマチュアをリセット位置に吸 保持するとともに、過負荷検出時には、前 永久磁石と逆向きの磁界を発生させるよう 前記コイルに通電することにより前記アー チュアを釈放する有極電磁石と、前記アー チュアと連動する接点機構と、釈放された 記アーマチュアを前記リセット位置に復帰 せるリセットバーとを有する過負荷継電器 おいて、ばね作用の死点越えによりリセッ 側とトリップ側の双方向に交互に反転し、 記接点機構を切り換える反転機構を設け、 の反転機構を釈放された前記アーマチュア 押して前記リセット側からトリップ側に反 させるとともに、トリップ側に反転した前 反転機構を前記リセットバーで前記リセッ 側に押すようにし、過負荷検出時に前記ア マチュアが釈放されたら、所定時間経過後 前記コイルに前記永久磁石と同じ向きに磁 を発生させるように通電し、釈放された前 アーマチュアをリセット位置に復帰させた 、前記リセットバーを押すことにより、前 反転機構をリセット側に反転させるように たものがある(例えば、特許文献1参照)。

 この過負荷継電器は、前記リセットバー 押込み状態でロックできるようにするとと に、この押込み状態で、前記反転機構が前 アーマチュアによりトリップ側に押される 、この反転機構が、リセットバーにより死 越えの手前で反転を阻止されるようにして 自動リセットを可能にしている。

特開2004-022203号公報

 しかしながら、上記の従来の過負荷継電 は、自動リセットモードにおいて、リセッ バーを押込み状態でロックしているときは アーマチュアと連動する接点機構の常開接 の接点ギャップ及び接点のオーバートラベ 量が、手動リセットモードにおける常開接 の接点ギャップ及び接点のオーバートラベ 量よりも小さくなっている。そのため、自 リセットモードでは、常開接点の耐圧性及 接点容量が小さくなる、という問題がある

 また、手動リセットモードでのリセット は、自動リセットモードのときと同様に、 流検出回路から、リセット電流を有極電磁 に供給し、有極電磁石を動作させる必要が り、無通電でテストトリップ/リセットを行 なうことができず、無通電で接点機構の動作 確認を行なうことができない、という問題が ある。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、自動リセットモードにおける常開接 の接点ギャップ及びオーバートラベル量が 手動リセットモードにおける接点ギャップ びオーバートラベル量と比べて小さくなら 、耐圧性及び接点容量が低下することのな 過負荷継電器を得ることを目的とする。

 上述した課題を解決し、目的を達成する めに、本発明は、ケース内に収容され、過 荷信号を発信するトリップ位置と待機信号 発信するリセット位置とに切替わる接点機 と、固定鉄心と、永久磁石と、前記接点機 に固定され前記固定鉄心に吸着されたトリ プ位置と前記固定鉄心と離間するリセット 置とに切替わるアーマチュアと、を環状に 置した磁気回路と、前記アーマチュアを前 固定鉄心から離間させ前記磁気回路を開い 前記接点機構がリセット位置に切替わるよ に付勢する接点機構ばねと、前記磁気回路 配置され、過負荷検出時には、通電により 記永久磁石の磁束と同一方向の磁束を発生 て前記接点機構ばねに抗して前記アーマチ アをリセット位置からトリップ位置に切替 、過負荷検出時から所定時間経過後に、逆 向通電により前記永久磁石の磁束と逆方向 磁束を発生して該永久磁石の吸着力により 記トリップ位置に保持されたアーマチュア 前記固定鉄心から開離させるコイルと、前 アーマチュアが前記固定鉄心から少し開離 た位置で、前記接点機構ばねの付勢力に抗 て前記接点機構を係止する可動ストッパと 前記可動ストッパを、前記接点機構を係止 る係止位置と、非係止位置とに切替えるリ ットバーと、を備えることを特徴とする。

 本発明にかかる過負荷継電器は、接点機 のリセット位置が常に同じであり、接点機 の常開接点の接点ギャップ及びオーバート ベル量が常に同一となり、自動リセットモ ドにおける常開接点の耐圧性及び接点容量 、手動リセットモードにおける常開接点の 圧性及び接点容量に比べて小さくなること ない、という効果を奏する。

図1は、本発明にかかる過負荷継電器の 実施の形態を示す斜視図である。 図2は、過負荷継電器のケースの実施の 形態を示す正面図である。 図3は、図2のA部詳細図である。 図4は、過負荷継電器のクロスバーの実 施の形態を示す斜視図である。 図5は、クロスバーの正面図である。 図6は、過負荷継電器のコイルの実施の 形態を示す斜視図である。 図7は、コイルの縦断面図である。 図8は、過負荷継電器の可動ストッパの 実施の形態を示す斜視図である。 図9は、可動ストッパの正面図である。 図10は、過負荷継電器のリセットバー 実施の形態を示す斜視図である。 図11は、リセットバーの正面図である 図12は、リセットバーの側面図である 図13は、過負荷継電器の手動リセット ードのリセット状態を示す正面図である。 図14は、手動リセットモードのリセッ 状態を示す上面図である。 図15は、手動リセットモードのトリッ 状態を示す正面図である。 図16は、手動リセットモードのトリッ 状態を示す上面図である。 図17は、手動リセットモードにおいて 接点機構が可動ストッパの係止位置まで小 離回動した状態を示す正面図である。 図18は、手動リセットモードにおいて 接点機構がトリップ状態でコイルの励磁前 リセットバーが押込まれた状態を示す正面 である。 図19は、手動リセットモードのリセッ 状態において、リセットバーが押込まれた 態を示す正面図である。 図20は、過負荷継電器の自動リセット ードのリセット状態を示す正面図である。 図21は、自動リセットモードのリセッ 状態を示す上面図である。 図22は、自動リセットモードのトリッ 状態を示す正面図である。

符号の説明

 1 ケース
 1a 支軸
 1b 板ばね保持部
 1c 角孔
 1d ばね保持部
 1e CT収容部
 1f リセット位置ストッパ
 1g ストッパ突起
 1h バーストッパ
 1i リブ
 1j 突起
 1k 窓
 1m L字溝
 1n 四角枠
 2 接点機構
 3 クロスバー
 3a,3b ばね支柱
 3c,3d,3e アーマチュア保持部
 3f ばね嵌合部
 3w 表示部
 3x 左凸条
 3y 右凸条
 4a 常開可動接触子
 4b 常閉可動接触子
 5a 常開接点ばね
 5b 常閉接点ばね
 6 アーマチュア
 7 第1固定鉄心
 8 永久磁石
 9 コイル
 9a 孔
 9b トリップコイル
 9c リセットコイル
 10 第2固定鉄心
 10a アーマチュア軸
 11 可動ストッパ
 11a 軸穴
 11b 傾斜端面
 11c 中間係止部
 12 ストッパ板ばね
 13 リセットバー
 13a 軸
 13b 傾斜面
 13c 下部突起
 13d 外周突起
 13e 矢印溝
 14 リセットバーばね
 15 固定接触子
 16 接点機構ばね
 20 正面カバー
 100 電子式過負荷継電器

 以下に、本発明にかかる過負荷継電器の 施の形態を図面に基づいて詳細に説明する なお、この実施の形態によりこの発明が限 されるものではない。

実施の形態
 図1は、本発明にかかる電子式過負荷継電器 の実施の形態を示す、正面カバーを取外した 状態の斜視図である。図1に示すように、電 式過負荷継電器100は、正面が開放された直 体状のケース1に収容されている。ケース1の 開放された正面は、過負荷継電器100の各部品 のケース1への組付け後、図14に示す、正面カ バー20によりカバーされる。

 図2は、過負荷継電器のケースの実施の形 態を示す正面図であり、図3は、図2のA部詳細 図であり、図4は、過負荷継電器のクロスバ の実施の形態を示す斜視図であり、図5は、 ロスバーの正面図である。

 図1に示す接点機構2は、図4及び図5に詳細 形状を示す略T字形のクロスバー3と、両端部 可動接点を有する常開可動接触子4aと、両 部に可動接点を有する常閉可動接触子4bと、 常開接点ばね5aと、常閉接点ばね5bと、を備 ている。

 常開可動接触子4a及び常閉可動接触子4bと 夫々接触、離間して常開回路及び常閉回路を 開閉する二対の固定接触子15が、図2に示すケ ース1の背面壁の上部に設けられた四つの角 1cに挿通されて固定されている。

 クロスバー3の右端に設けられたばね支柱 3aに、常開接点ばね5aが嵌め込まれ、常開接 ばね5aの上に常開可動接触子4aが嵌め込まれ 。同様に、クロスバー3の左側に設けられた ばね支柱3bに、常閉接点ばね5bが嵌め込まれ 常閉接点ばね5bの上に常閉可動接触子4bが嵌 込まれる。

 クロスバー3は、常開接点ばね5a及び常閉 点ばね5bにより、常開可動接触子4a及び常閉 可動接触子4bを弾性的に保持している。クロ バー3の下側の三つの鈎状のアーマチュア保 持部3c、3d、3e(図5参照)に、アーマチュア6を 入、固定し、接点機構2及びアーマチュア6を 仮組みする。

 図6は、コイルの斜視図であり、図7は、 イルの縦断面図であり、図8は、可動ストッ の斜視図であり、図9は、可動ストッパの正 面図であり、図10は、リセットバーの斜視図 あり、図11は、リセットバーの正面図であ 、図12は、リセットバーの側面図である。

 L字形板状の第1固定鉄心7の右端部に、厚 状の永久磁石8(図13参照)を吸着させ、図2に すケース1の中央部のL字溝1mに嵌め込んで保 持する。図6及び図7に詳細形状を示す直方体 に形成されたコイル9の孔9aに、L字形の第2 定鉄心10(図13参照)のアーマチュア軸10aを挿 させた状態で、コイル9をケース1の中央部の 四角枠1n(図2参照)内に嵌め込んで固定し、第2 固定鉄心10のアーマチュア軸10aから直角に屈 した水平板部(図13参照)を永久磁石8に吸着 せて保持する。

 次に、先に仮組みした接点機構2を、第1 定鉄心7の上端部及び第2固定鉄心10のアーマ ュア軸10aの上端部のピボットで支持するよ にして、ケース1内に組込む。接点機構2の ーマチュア6の中央部下側には、接点機構2が ピボットからずれないように、アーマチュア 軸10aのピボットに係合する穴が設けられてい る。

 以上の説明から分かるように、過負荷継 器100は、有極電磁石から成り、その磁気回 は、第1固定鉄心7、永久磁石8、第2固定鉄心 10及び第2固定鉄心10のピボットに支持された ーマチュア6を環状に配置して成り、磁気回 路にコイル9を配置した形態となっている。

 ケース1の左側に設けられた支軸1a(図2参 )に、図8及び図9に詳細形状を示す可動スト パ11の軸孔11aを嵌合し、ケース1の左側板の 央部に設けられた板ばね保持部1bに、ストッ パ板ばね12の下端部を挿入して保持し、スト パ板ばね12により可動ストッパ11を図1の右 へ押圧する。

 図10~図12に詳細形状を示すリセットバー13 の下部に設けられた軸13aに、リセットバーば ね14を嵌め込む。リセットバーばね14を嵌め んだリセットバー13を、ケース1の左上部に み込む。

 ケース1のばね保持部1d(図2参照)とクロス ー3のばね嵌合部3fとの間に、接点機構ばね1 6を装着する。接点機構ばね16は、アーマチュ ア6を第1固定鉄心7の上端部から離間させ磁気 回路を開いて接点機構2が、リセット位置に 替わるように付勢する。ケース1の下部には 電流検出用デバイスであるCT(図示せず)3個 収容するCT収容部1e(図2参照)が設けられてい 。

 次に、図13~図22を参照して、実施の形態 過負荷継電器100の作用について説明する。 13は、過負荷継電器の手動リセットモードの リセット状態(リセット位置)を示す正面図で る。

 手動リセットモードのリセット状態では 第1固定鉄心7の上端部から離間したアーマ ュア6に対する永久磁石8の吸引力及び圧縮さ れた常閉接点ばね5bの反撥力により発生する ーマチュア6の反時計回りの回転トルクより 、圧縮された接点機構ばね16の反撥力により 生するアーマチュア6の時計回りの回転トル クの方が大きい。

 そのため、接点機構2は、アーマチュア軸 10aの上端部のピボットを支点として時計回り に回動し、クロスバー3の左端上部がケース1 リセット位置ストッパ1fに当接したリセッ 位置で保持される。

 リセット状態では、常閉可動接触子4bの 動接点が固定接触子15の固定接点に当接して 常閉回路を閉じ、常開可動接触子4aの可動接 が固定接触子15の固定接点から離間して常 回路を開いている。このリセット状態では 接点機構2は、待機信号(常閉回路を閉、常開 回路を開)を発信する。

 可動ストッパ11は、ストッパ板ばね12によ り図13の右方へ押圧され、中間係止部11cをク スバー3の左方のアーマチャ保持部3e(図5参 )に当接させている。

 図14は、過負荷継電器の手動リセットモ ドのリセット状態を示す上面図である。図14 に示すように、手動リセットモードでは、リ セットバー13は、時計回りに捻られて、ケー 1の外へ円柱状の頭部を突出させている。頂 部に形成された矢印溝13e(図10参照;スクリュ ドライバー溝を兼用している。)の矢印は、 ース1の上面右側に印された矢印マークと同 一方向の“H”方向を向き、手動リセットモ ドにセットされていることを示している。

 また、クロスバー3に、指針状に立設され 、ケース1の天板に設けられた窓1kに露出する 表示部3wの左凸条3x(図4参照)が、窓1kの“RESET 位置に位置し、過負荷継電器100が、リセッ 状態であることを表示するようになってい 。図4に示す左凸条3xと右凸条3yとは、区別 きるように、異なる色に着色されている。

 図15は、過負荷継電器の手動リセットモ ドのトリップ状態を示す正面図である。過 荷継電器100が、図13に示すリセット状態にあ るとき、図示しない電流検出デバイスがモー タの過電流(過負荷)を検出し、電流検出回路 らコイル9のトリップコイル9b(図7参照)に作 電流が通電されると、永久磁石8による磁束 と同一方向に、トリップコイル9bから磁束が 生し、両磁束の和の吸引力がアーマチュア6 に作用し、アーマチュア6に作用する反時計 りのトルクが接点機構ばね16の反撥力による 時計回りのトルクを上回る。

 図15に示すように、接点機構2が、接点機 ばね16の反撥力に抗して反時計回りに回動 、アーマチュア6が第1固定鉄心7の上端部に 着され、過負荷継電器100は、手動リセット ードのトリップ状態(トリップ位置)へと切替 わる。

 トリップ状態では、常閉可動接触子4bの 動接点が固定接触子15の固定接点から離間し て常閉回路を開き、常開可動接触子4aの可動 点が固定接触子15の固定接点に当接して常 回路を閉じる。このトリップ状態では、接 機構2は、過負荷信号(常閉回路を開、常開回 路を閉)を発信する。

 このとき、リセット状態において、クロ バー3の左方のアーマチャ保持部3eに当接し いた可動ストッパ11の中間係止部11cの当接 外れ、可動ストッパ11の上部が、ストッパ板 ばね12の反撥力により、右方へ回動してケー 1のストッパ突起1g(図3参照)に当接する。

 第1固定鉄心7の上端部に吸着されたアー チュア6に対する永久磁石8の吸引力によるア ーマチュア6の反時計回りのトルクが、接点 構ばね16及び常開接点ばね5aの反撥力による 計回りのトルクを上回るので、トリップ状 が保持される。

 図16は、過負荷継電器の手動リセットモ ドのトリップ状態を示す上面図である。図16 に示すように、クロスバー3の表示部3wの右凸 条3y(図4参照)が、ケース1の天板に設けられた 窓1kの“TRIP”位置に位置し、過負荷継電器100 が、トリップ状態であることを表示するよう になっている。

 次に、手動リセットモードのトリップ状 からリセット状態への手動リセットについ 説明する。図17は、手動リセットモードに いて、接点機構2が可動ストッパ11の中間係 部11cとの係止位置まで小距離回動し、手動 セット可能となった状態を示す正面図であ 。

 過負荷継電器100が、図15に示すトリップ 態となってから所定時間が経過すると、図 しない電流検出回路から、コイル9のリセッ コイル9c(図7参照)に、過負荷検出時と逆方 に電流が通電される。この電流により、永 磁石8の磁束と逆方向に、リセットコイル9c より磁束を発生させて永久磁石8の磁束を打 消す。この所定時間は、過負荷により加熱 れたモータ等の機器が、冷却される時間に 応させるのがよい。

 永久磁石8の磁束が打ち消されると、接点 機構ばね16の反撥力により、アーマチュア6が 第1固定鉄心7の上端部から開離し、接点機構2 が時計回りに小距離回動し、クロスバー3の 端上部が可動ストッパ11の中間係止部11cに係 止され、図17に示す、手動リセット可能な状 となる。

 図17に示す状態において、リセットバー13 を、リセットバーばね14に抗して押込むと、 セットバー13の下端部の傾斜面13b(図11参照) 、可動ストッパ11の上端部の傾斜面11b(図9参 照)に当接し、楔作用によって可動ストッパ11 を左方へ少し回動させ、可動ストッパ11の中 係止部11cとクロスバー3の左端上部との係合 を外し、接点機構ばね16の反撥力により、接 機構2を図13に示すリセット状態まで回動さ る。以上のようにして、過負荷継電器100を 動リセットすることができる。

 図18は、手動リセットモードにおいて、 点機構2がトリップ状態となってから所定時 が経過しておらず、リセットコイル9c(図7参 照)が励磁されて接点機構2が時計回りに小距 回動する前に、リセットバー13が押込まれ 状態を示す正面図である。

 リセットバー13が押込まれると、可動ス ッパ11が左方へ少し回動するが、アーマチュ ア6が第1固定鉄心7に吸着されており、接点機 構2が可動ストッパ11と係合していないため、 接点機構2は、リセットされない。

 接点機構2が、リセットされてリセット状 態に復帰するためには、アーマチュア6と第1 定鉄心7の上端部が少し離間し、クロスバー 3の左端上部が可動ストッパ11の中間係止部11c に係合していて、且つ、リセットバー13が押 まれることが条件となる。図示しない電流 出回路は、トリップ後、所定時間経過後で ければ、リセットコイル9cに電流を供給し いので、トリップ後、所定時間は、リセッ を行なうことができない。

 図19は、手動リセットモードのリセット 態において、リセットバーが押込まれた状 を示す正面図である。リセットバー13が押込 まれたままの状態でも、接点機構2は、リセ トバー13や可動ストッパ11に拘束されていな ので、電流検出回路からトリップコイル9b 電流が供給されれば、接点機構2は、支障な トリップすることができる。従って、実施 形態の過負荷継電器100は、トリップフリー 能を有している。

 図20は、過負荷継電器の自動リセットモ ドのリセット状態を示す正面図である。過 荷継電器100を、手動リセットモードから自 リセットモードに切替えるときは、リセッ バー13をケース1内へ押込み、リセットバー13 の頭部の下部に設けられた外周突起13d、13d( 10、11参照)を、ケース1のバーストッパ1h、1h( 図3参照)に当接させる。

 続いて、リセットバー13を反時計回りに90 °回転させ、リセットバー13の下部突起13c(図1 2参照)により、可動ストッパ11を左方へ回動 せ、下部突起13cの先端を可動ストッパ11に当 接させて、可動ストッパ11がクロスバー3と係 合しない非系止位置に切替える。

 リセットバー13を反時計回りに90°回転さ ると、リセットバー13の一つの外周突起13d 、ケース1のリブ1i(図3参照)に当接するので リセットバー13は、反時計回りに90°以上は 転しない。また、リセットバー13は、反時計 回りに90°回転すると、ケース1のリブ1iに設 られた突起1jと係合するので、リセットバー ばね14の反撥力によりそのまま押戻されるこ はない。

 永久磁石8の吸引力及び常閉接点ばね5bの 撥力によるアーマチュア6の反時計回りのト ルクより、接点機構ばね16の反撥力によるア マチュア6の時計回りのトルクが大きいので 、接点機構2は、アーマチュア軸10aの上端部 ピボットを支点として時計回りに回動し、 ース1のリセット位置ストッパ1f(図2参照)に 接した姿勢で保持される。

 リセット状態では、常閉可動接触子4bの 動接点が固定接触子15の固定接点に当接して 常閉回路を閉じ、常開可動接触子4aの可動接 が固定接触子15の固定接点から離間して常 回路を開いている。このリセット状態では 接点機構2は、待機信号(常閉回路を閉、常開 回路を開)を発信する。

 図21は、過負荷継電器の自動リセットモ ドのリセット状態を示す上面図である。図21 に示すように、自動リセットモードでは、リ セットバー13は、ケース1内に押込まれ、反時 計回りに捻られ、頂部に形成された矢印溝13e の矢印が、“A”方向を向き、自動リセット ードにセットされていることを示している

 また、クロスバー3の表示部3wの左凸条3x 、ケース1の天板に設けられた窓1kの“RESET” 位置に位置し、リセット状態であることを示 している。

 図22は、過負荷継電器の自動リセットモ ドのトリップ状態を示す正面図である。過 荷継電器100が、図20に示す自動リセットモー ドのリセット状態にあるとき、図示しない電 流検出デバイスがモータ等の機器の過電流( 負荷)を検出し、電流検出回路からコイル9の トリップコイル9b(図7参照)に作動電流が通電 れると、永久磁石8による磁束と同一方向に 、トリップコイル9bから磁束が発生し、両磁 の和の吸引力がアーマチュア6に作用し、ア ーマチュア6に作用する反時計回りのトルク 接点機構ばね16の反撥力による時計回りのト ルクを上回る。

 図22に示すように、接点機構2が反時計回 に回動し、アーマチュア6が第1固定鉄心7の 端部に吸着され、過負荷継電器100は、自動 セットモードのトリップ状態へと移行する

 トリップ状態では、常閉可動接触子4bの 動接点が固定接触子15の固定接点から離間し て常閉回路を開き、常開可動接触子4aの可動 点が固定接触子15の固定接点に当接して常 回路を閉じる。このトリップ状態では、接 機構2は、過負荷信号(常閉回路を開、常開回 路を閉)を発信する。

 アーマチュア6が第1固定鉄心7の上端部に 着されると、永久磁石8の吸引力によるアー マチュア6の反時計回りのトルクが、接点機 ばね16及び常開接点ばね5aの反撥力による時 回りのトルクを上回るので、トリップ状態 保持される。

 また、過負荷継電器100が、図22に示す自 リセットモードのトリップ状態になってか 所定時間が経過すると、図示しない電流検 回路から、コイル9のリセットコイル9c(図7参 照)に、過負荷検出時と逆方向に電流が通電 れる。

 この電流により、永久磁石8の磁束と逆方 向に、リセットコイル9cにより磁束を発生さ て永久磁石8の磁束を打消し、接点機構ばね 16の反撥力により、接点機構2が時計回りに回 動し、図20に示すリセット状態に移行する。

 図13に示す手動リセットモードのリセッ 状態における接点機構2の傾斜姿勢と、図20 示す自動リセットモードのリセット状態に ける接点機構2の傾斜姿勢は、全く同一姿勢 ある。また、図17に示す手動リセットが可 になった状態での接点機構2の傾斜姿勢は、 22に示す自動リセットモードのトリップ状 における接点機構2の傾斜姿勢に対して接点 構2がわずかに回動しているだけなので、略 同一姿勢である。

 従って、自動リセットモードにおける常 接点の接点ギャップ及びオーバートラベル と、手動リセットモードにおける接点ギャ プ及びオーバートラベル量とが略同一であ ので、耐圧性及び接点容量が低下すること ない。

 過負荷継電器100は、図1、図14、図16及び 21に示すように、クロスバー3の表示部3wが、 ケース1の天板に設けられた窓1kに露出してい るので、表示部3wを左右に手で動かす(操作す る)ことにより、接点機構2を、時計回り及び 時計回りに回動させることができ、電源が くても、テストトリップ及びリセットを行 うことができる。

 また、図5に示すように、クロスバー3の 側のばね支柱3bの取付部を、中央部に対して 下方へ傾斜させ、ばね支柱3bを、左方へ傾斜 せている。この傾斜により、接点機構2が時 計回りに回動してリセット状態に移行し、常 閉可動接触子4bが二つの固定接触子15、15と接 触するとき、又は、逆に、常閉可動接触子4b 二つの固定接触子15、15から開離しようとす るとき、ばね支柱3bが、二つの固定接触子15 15間を結ぶ線に対して略垂直となるようにし 、常閉可動接触子4bに常閉接点ばね5bの偏荷 がかからないようにしている。

 また、上記の形状により、常閉可動接触 4bの両端の可動接点が、固定接触子15、15の 定接点と同時に接触、開離するので、電流 遮断時に片側の接点にアークが集中せず、 点の消耗が少なく、電流遮断性能の悪化が ない。また、ばね支柱3aについても、ばね 柱3bと同様にするとよい。

 以上のように、本発明にかかる電子式過 荷継電器は、耐久性の高い過負荷継電器と て有用である。