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Patent Searching and Data


Title:
ELECTROPHORESIS DISPLAY PANEL, AND IMAGE DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041183
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an electrophoresis display panel, which can prevent the evaporation of a display liquid at the time when the display liquid is sealed with a sealing agent and the resultant migration of air bubbles into the display liquid and which can block the invasion of the air bubbles into the display liquid effectively even in case minute sealing breaks or separations occur after the display liquid was sealed with the sealing agent. In the electrophoresis display panel, the space formed between a transparent substrate (10) and a back substrate (20) arranged to confront each other is filled with a display liquid (40) containing charged particles (41 and 42), and the display liquid (40) is sealed with a sealing agent (52). The electrophoresis display panel is characterized in that a liquid sealing portion (4) having a liquid less volatile than the display liquid (40) and less viscous than the sealing agent (52) is interposed between the sealing agent (52) and the display liquid (40), and in that the opposed end portions of the sealing agent (52) and the display liquid (40) are covered with the liquid sealing portion (4).

Inventors:
OSHIKA YUMIKO
Application Number:
PCT/JP2008/064721
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
August 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BROTHER IND LTD (JP)
OSHIKA YUMIKO
International Classes:
G02F1/167; G02F1/1679
Foreign References:
JP2005292789A2005-10-20
JPH06235923A1994-08-23
JP2003140196A2003-05-14
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (22-12 Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
 互いに対向配置した透明基板と背面基板との間に形成された空間に、帯電粒子を含む表示液を充填し、前記表示液を封止剤で封止した電気泳動表示パネルであって、
 前記封止剤と前記表示液との間に、前記表示液よりも難揮発性で前記封止剤よりも低粘度の液体を備えた液体封止部を設け、前記液体封止部により、前記封止剤と前記表示液との互いに対向する端部を覆ったことを特徴とする電気泳動表示パネル。
 前記電気泳動表示パネルが、前記透明基板と前記背面基板との間に形成された前記空間に前記表示液を注入するための注入口を備え、前記注入口を封止する前記封止剤と前記表示液との間に前記液体封止部を設け、前記液体封止部により、前記封止剤と前記表示液との互いに対向する端部を覆ったことを特徴とする請求項1記載の電気泳動表示パネル。
 前記電気泳動表示パネルが、前記透明基板と前記背面基板との間に形成された前記空間に前記表示液を充填する際の空気を排出するための排出口を備え、前記排出口を封止する前記封止剤と前記表示液との間に前記液体封止部を設け、前記液体封止部により、前記封止剤と前記表示液との互いに対向する端部を覆ったことを特徴とする請求項1又は2記載の電気泳動表示パネル。
 前記液体封止部は、20℃における蒸気圧が1mmHgより小さい液体を備えることを特徴とする請求項1~3いずれか記載の電気泳動表示パネル。
 前記液体封止部は、25℃における粘度が25mPa・s以上の液体を備えることを特徴とする請求項1~4いずれか記載の電気泳動表示パネル。
 前記液体封止部の液体が親油性の液体からなることを特徴とする請求項1~5いずれか記載の電気泳動表示パネル。
 前記液体封止部と前記表示液との間に仕切壁を設け、前記液体封止部と前記表示液とを仕切ったことを特徴とする請求項1~6いずれか記載の電気泳動表示パネル。
 前記透明基板の画像表示領域の外側に前記液体封止部を備えたことを特徴とする請求項1~7いずれか電気泳動表示パネル。
 透明基板と、前記透明基板に対向配置した背面基板と、前記透明基板及び前記背面基板の外周付近に配置され、前記透明基板と前記背面基板との間の空間を塞ぐ側壁と、前記透明基板と前記背面基板と前記側壁とにより密閉された空間に充填された帯電粒子を含む表示液とを備えた電気泳動表示パネルであって、
 一方の端部が外気に曝されるとともに、他方の端部が表示液側に配置される接触部材を備え、前記接触部材の他方の端部を、前記表示液よりも難揮発性で前記接触部材よりも低粘度の液体を備えた液体部により覆ったことを特徴とする電気泳動表示パネル。
 請求項1~9いずれか記載の電気泳動表示パネルを備えたことを特徴とする画像表示装置。
Description:
電気泳動表示パネル及び画像表 装置

 本発明は、透明基板と背面基板との間に 成された空間に、帯電粒子を含む表示液を 入した電気泳動表示パネル、及びこの電気 動表示パネルを備えた画像表示装置に関し 特に、封止剤で表示液を封止する際に生じ 表示液の揮発、これによる表示液への気泡 混入を防止することができるとともに、封 剤で表示液を封止した後に微小な封止破れ 剥離(これらを略して「破損」という場合も ある)が生じた場合でも、表示液への気泡の 入を効果的に防止することが可能な電気泳 表示パネル及び画像表示装置に関する。

 従来から携帯端末、電子ペーパーなどに いられる画像表示手段として、電気泳動方 を採用した表示パネル(以下、単に「電気泳 動表示パネル」という)の研究開発が行われ いる。図10は一般的な電気泳動表示パネルの 部分拡大断面図である。

 同図において、電気泳動表示パネル100は 共通電極11が取り付けられた透明基板10と、 複数の画素電極21が取り付けられた背面基板2 0と、これら透明基板10及び背面基板20の間に 成された空間を塞ぐ側壁(封止剤)50とを備え 、前記空間内に、例えば、黒色などの濃色帯 電粒子41及び白色などの淡色帯電粒子42を分 媒に含有させた表示液40を封入した構成とな っている。各画素電極21に所定の電圧を印加 て背面基板20と透明基板10の間に電界を生じ させることにより、透明基板10側に濃色又は 色帯電粒子41又は42を移動させて黒、白又は グレーなどの表示を行う。

 このような電気泳動表示パネル100では、 明基板10及び背面基板20の間に形成された空 間に表示液40を注入する際に、表示液40に気 101が混入してしまう問題があった。この問 を解決すべく、例えば、特開平7-72807号公報( 特許文献1参照)には、透明基板10及び背面基 20の間に形成された空間に特殊なディスペン サー(図示せず)を用いて表示液40を注入し、 の後、表示液40の注入口2及び空気排出口(図 せず)を封止剤50により封止する電気泳動表 パネルの製造方法が記載されている。

 この製造方法に用いられるディスペンサー 、表示液40の吐出量を圧力、吐出径により 節でき、かつ所定量を吐出した後は余剰の 示液40が吐出できない構造を有している。こ のような構造のディスペンサーを用いて表示 液40を注入することにより、透明基板10及び 面基板20の間に形成された空間に表示液40を 入する際の気泡101の混入を防止していた。

特開平7-72807号公報

 しかし、上述した従来の電気泳動表示パ ルの製造方法では、表示液40を注入する際 気泡101の混入を防止することが可能である しても、その後、表示液40の注入口2及び空 排出口を封止する際の気泡101の混入を防止 ることができないという問題があった。

 表示液40を構成する分散媒は、帯電粒子41 ,42の移動を容易にするために低粘度の材料が 用いられ、一般に低粘度の材料は高揮発性の 性質を有する。一方、表示液40を封止する封 剤50は、表示液40を恒久的に封止するために 状態変化の少ない低揮発性の材料が用いられ 、一般に低揮発性の材料は高粘度の性質を有 する。このため、表示液40を注入した後に注 口2を封止剤50で封止する際に、高粘度の封 剤を塗布するために時間を要し、注入口2か ら外気に曝された表示液40が揮発してしまう 揮発した表示液40(気体)が塗布途中の封止剤 50に巻き込まれる結果、封止剤50と表示液40と の間に気泡101が混入してしまう。

 さらに、上述した従来の電気泳動表示パ ルの製造方法では、電気泳動表示パネル100 製造後に封止剤50が破損した場合に、表示 40への気泡の侵入を防止することができない という問題もあった。すなわち、封止剤50に 小な封止破れや剥離が生じた場合には、こ ら封止破れや剥離箇所を介して表示液40が 気に曝されてしまい、表示液40に気泡が侵入 してしまう。特に、表示液40の注入口2及び空 気排出口は、表示液40が付着した状態で封止 行われる場合があるので、封止剤50の接着 が阻害されてしまうことがあり、事後的な 止剤の剥離が生じうる。また、封止が良好 行われた場合でも、電気泳動表示パネルを 望の画像表示装置に組み込むときに、他部 との接触により封止剤に微小な封止破れが じることもある。

 本発明は、上記問題点に鑑みてなされた のであり、封止剤で表示液を封止する際に じる表示液の揮発、これによる表示液への 泡の混入を防止することができるとともに 封止剤で表示液を封止した後に微小な封止 れや剥離が生じた場合でも、表示液への気 の侵入を効果的に阻止することが可能な電 泳動表示パネル及び画像表示装置の提供を 的とする。

 上記目的を達成するために、本発明の一 施形態に係る電気泳動表示パネルは、互い 対向配置した透明基板と背面基板との間に 成された空間に、帯電粒子を含む表示液を 填し、前記表示液を封止剤で封止した電気 動表示パネルであって、前記封止剤と前記 示液との間に、前記表示液よりも難揮発性 前記封止剤よりも低粘度の液体を備えた液 封止部を設け、前記液体封止部により、前 封止剤と前記表示液との互いに対向する端 を覆ったことを特徴とする。

 また、上記目的を達成するために、本発 の他の実施形態に係る電気泳動表示パネル 、透明基板と、前記透明基板に対向配置し 背面基板と、前記透明基板及び前記背面基 の外周付近に配置され、前記透明基板と前 背面基板との間の空間を塞ぐ側壁と、前記 明基板と前記背面基板と前記側壁とにより 閉された空間に充填された帯電粒子を含む 示液とを備えた電気泳動表示パネルであっ 、一方の端部が外気に曝されるとともに、 方の端部が表示液側に配置される接触部材 備え、前記接触部材の他方の端部を、前記 示液よりも難揮発性で前記接触部材よりも 粘度の液体を備えた液体部により覆ったこ を特徴とする。

 さらに、上記目的を達成するために、本 明の一実施形態に係る画像表示装置は、上 したいずれかの電気泳動表示パネルを備え ことを特徴とする。

本発明の第1実施形態に係る電気泳動表 示パネルを模式的に示すものであり、同図(a) は全体の部分断面平面図、同図(b)は同図(a)の 部分拡大図、同図(c)は同図(b)のA-A断面図であ る。 本発明の第2実施形態に係る電気泳動表 示パネルを模式的に示すものであり、同図(a) は本電気泳動表示パネルの部分拡大図、同図 (b)は同図(a)のB-B断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電気泳動表 示パネルの製造方法における各製造工程を示 すフローチャートである。 同図(a)~(e)は図3の各製造工程を示す概 図である。 本発明の第3実施形態に係る電気泳動表 示パネルを模式的に示すものであり、同図(a) は本電気泳動表示パネルの部分拡大図、同図 (b)は同図(a)のC-C断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電気泳動表 示パネルの製造方法における各製造工程を示 すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る電気泳動表 示パネルの製造方法における各製造工程を示 すフローチャートである。 同図(a)~(d)は図7の各製造工程を示す概 図である。 同図(a)は図1(a)のD部拡大図、同図(b)は 図(a)のE-E断面図である。 一般的な電気泳動表示パネルの部分拡 大断面図である。

発明の詳細な説明

全般的説明
 上記目的を達成するために、本発明の一実 形態に係る電気泳動表示パネルは、互いに 向配置した透明基板と背面基板との間に形 された空間に、帯電粒子を含む表示液を充 し、前記表示液を封止剤で封止した電気泳 表示パネルであって、前記封止剤と前記表 液との間に、前記表示液よりも難揮発性で 記封止剤よりも低粘度の液体を備えた液体 止部を設け、前記液体封止部により、前記 止剤と前記表示液との互いに対向する端部 覆ったことを特徴とする。

 例えば、前記電気泳動表示パネルは、前 透明基板と前記背面基板との間に形成され 前記空間に前記表示液を注入するための注 口を備え、前記注入口を封止する前記封止 と前記表示液との間に前記液体封止部を設 、前記液体封止部により、前記封止剤と前 表示液との互いに対向する端部を覆った構 とする。

 また、例えば、前記電気泳動表示パネル 、前記透明基板と前記背面基板との間に形 された前記空間に前記表示液を充填する際 空気を排出するための排出口を備え、前記 出口を封止する前記封止剤と前記表示液と 間に前記液体封止部を設け、前記液体封止 により、前記封止剤と前記表示液との互い 対向する端部を覆った構成とする。

 このような構成によれば、注入口や排出 などから外気に曝される表示液の端部を、 粘度の封止剤で最終的に封止(これを「第2 止」という)する前に、表示液よりも難揮発 で封止剤よりも低粘度の液体封止部で事前 封止(これを「第1封止」という)することに り、封止剤で表示液を第2封止する際に生じ る表示液の揮発、これによる表示液への気泡 の混入を防止することができる。また、液体 封止部が難揮発性の液体からなるので、封止 剤で表示液を第2封止した後に微小な封止破 や剥離が生じた場合でも、表示液への気泡 侵入を効果的に阻止することが可能となる

 すなわち、液体封止部は、常温において 揮発性の液体であり、高粘度の封止剤より 低粘度である。このような液体封止部を用 て、外気に曝される表示液の端部を迅速に 1封止することで表示液の揮発を防止し、そ の後、前記端部を封止剤で第2封止する際の 泡の混入を防止している。また、前記端部 封止剤で第2封止した後に、封止剤に微小な 止破れや剥離が生じた場合でも、難揮発性 液体封止部が封止破れや剥離箇所を塞ぎ、 示液への気泡の侵入を阻止することが可能 ある。

 ここで、本発明における「液体封止部」 材料としては、常温において難揮発性であ 、封止剤よりも低粘度である液体が広く含 れるが、少なくとも、封止剤よりも迅速に 布可能な程度に低粘度であり、封止剤によ 第2封止が完了した後に外気に曝されても揮 発しない程度に難揮発性であることを必要と する。このような液体封止部は、例えば、表 示液の分散媒として一般的な低粘度の炭化水 素、シリコーンオイル等の溶液よりも低揮発 性であるとともに、例えば、封止剤として一 般的なUV硬化樹脂、エポキシ系接着剤等より 低粘度であることを必要とする。

 また、「前記封止剤と前記表示液との互 に対向する端部」とは、表示液については 封止剤による封止前において注入口や空気 きのための排出口などを介して外気に曝さ る一の端部を指し、封止剤については、前 表示液の一の端部に対向する他の端部を指 。そして、「前記液体封止部により、前記 止剤と前記表示液との互いに対向する端部 覆った」とは、これら一及び他の端部の間 液体封止部を介在させて、これら一及び他 端部を液体封止部により覆った構成を意味 る。さらに、表示液の前記端部を外気に曝 要因となる構成は注入口や排出口などに限 されず、電気泳動表示パネルの製造過程に いて形成される種々の開口が広く含まれる

 「注入口」又は「排出口」の形態として 、例えば、透明基板と背面基板との間に形 された空間を塞ぐ側壁の一部が開口する場 、側壁の一辺が開口する場合、又は透明基 の画像表示領域に干渉しない位置で開口す 場合等の種々の形態が広く含まれる。そし 、本発明における液体封止部は、注入口又 排出口の開口面積が比較的広い場合や長尺 場合であっても迅速に第1封止を行うことが できる。

 好ましくは、前記液体封止部が、20℃に ける蒸気圧が1mmHgより小さい液体を備えた構 成とする。

 このような構成は、液体封止部に用いら る液体の好ましい揮発性の上限を例示した のである。すなわち、20℃における蒸気圧 1mmHgより小さい液体封止部であれば、この液 体封止部による第1封止工程、封止剤による 2封止工程、その後、封止剤に微小な封止破 や剥離が生じた場合でも、容易に揮発しな で第1封止状態を維持することができる。な お、液体封止部の揮発性の下限は、その粘度 が封止剤の粘度を超えない値に限定される。 すなわち、液体封止部の揮発性が低くなるほ ど粘度が高くなるので、外気に曝される表示 液の端部を迅速に第1封止する観点から、液 封止部は、その粘度が封止剤の粘度を超え い値を限度として難揮発性でなければなら い。

 好ましくは、前記液体封止部が、25℃に ける粘度が25mPa・s以上の液体を備えた構成 する。

 このような構成は、液体封止部に用いら る液体の好ましい粘度の下限を例示したも である。すなわち、25℃における粘度が25mPa ・s以上の液体封止部であれば、常温で容易 揮発しない程度の難揮発性を有し、この液 封止部による第1封止工程、封止剤による第2 封止工程、その後、封止剤に微小な封止破れ や剥離が生じた場合でも、容易に揮発しない で第1封止状態を維持することができる。ま 、25℃における粘度が25mPa・s程度であれば、 一般的な封止剤よりも極めて低粘度であり、 外気に曝される表示液の端部を迅速に第1封 することが可能である。なお、液体封止部 粘性の上限は、上記と同様に、封止剤の粘 を超えない値に限定される。

 好ましくは、前記液体封止部の液体が親 性の液体からなる構成とする。

 このような構成によれば、表示液の分散 としては無極性(=疎水性≒親油性)溶媒が主 分として用いられており、この表示液に接 する液体封止部に親油性の液体を用いるこ によって、液体封止部が表示液の絶縁性に える影響を低減することができる。

 好ましくは、前記液体封止部と前記表示 との間に仕切壁を設け、前記液体封止部と 記表示液とを仕切った構成とする。

 このような構成によれば、仕切壁によっ 液体封止部と表示液との接触が阻害され、 体封止部の表示液側への進行を阻止するこ が可能となる。これにより、封止剤と表示 との間に液体封止部を強制的に配置させる とができ、製造から長期間が経過した後に 止剤が破損した場合でも、表示液への気泡 侵入を確実に阻止することが可能となる。 た、液体封止部が表示液に与える全般的な 響を低減することもできる。

 好ましくは、前記透明基板の画像表示領 の外側に前記液体封止部を備えた構成とす 。

 このような構成によれば、液体封止部が 明基板の画像表示領域に干渉することがな ので、電気泳動表示パネルの表示品質を低 させることなく、製造過程における表示液 の気泡の混入、及び製造後における表示液 の気泡の侵入を防止することが可能となる

 また、上記目的を達成するために、本発 の他の実施形態に係る電気泳動表示パネル 、透明基板と、前記透明基板に対向配置し 背面基板と、前記透明基板及び前記背面基 の外周付近に配置され、前記透明基板と前 背面基板との間の空間を塞ぐ側壁と、前記 明基板と前記背面基板と前記側壁とにより 閉された空間に充填された帯電粒子を含む 示液とを備えた電気泳動表示パネルであっ 、一方の端部が外気に曝されるとともに、 方の端部が表示液側に配置される接触部材 備え、前記接触部材の他方の端部を、前記 示液よりも難揮発性で前記接触部材よりも 粘度の液体を備えた液体部により覆ったこ を特徴とする。

 このような構成によれば、接触部材の表 液側に配置される他方の端部を、難揮発性 液体を備えた液体部により覆い、製造過程 おける表示液への気泡の混入、及び製造後 おける表示液への気泡の侵入を防止するこ が可能となる。ここで、「接触部材」には 上述した封止剤のほかに、透明基板と背面 板との間の空間を塞ぐ側壁など、表示液側 配置される他方の端部を有する部材が広く まれる。また、接触部材の表示液側に配置 れる他方の端部が液体部によって覆われる らば、この液体部が設けられる箇所は、表 液の注入口や空気抜きのための排出口に限 されない。

 さらに、上記目的を達成するために、本 明の一実施形態に係る画像表示装置は、上 したいずれかの電気泳動表示パネルを備え ことを特徴とし、上述したいずれかの電気 動表示パネルと同様の作用効果を奏する。

発明の効果
 このような本実施形態の電気泳動表示パネ 及び画像表示装置によれば、外気に曝され 表示液の端部を、高粘度の封止剤で封止す 前に、難揮発性の液体からなる液体封止部 封止することにより、表示液の揮発、これ よる表示液40への気泡の混入を防止するこ ができる。

 また、封止剤で表示液を封止した後に、 止剤に微小な封止破れや剥離が生じた場合 も、難揮発性の液体封止部によって封止破 や剥離箇所が塞がれるので、表示液への気 の侵入を効果的に阻止することが可能であ 。

図示された実施形態の説明
 以下、本発明の実施形態に係る電気泳動表 パネル及びその製造方法について、図面を 照しつつ説明する。

<第1実施形態に係る電気泳動表示パネル>
 まず、本発明の第1実施形態に係る電気泳動 表示パネルの構成について、図1(a)~(c)を参照 つつ説明する。図1は本発明の第1実施形態 係る電気泳動表示パネルを模式的に示すも であり、同図(a)は全体の部分断面平面図、 図(b)は同図(a)の部分拡大図、同図(c)は同図(b )のA-A断面図である。本実施形態の電気泳動 示パネルは、封止剤からなる四辺の側壁の ちの一辺を開口させ、この開口を表示液の 入口とした構成となっている。

 同図(a)~(c)において、電気泳動表示パネル 1は、表示側(図中上側)に設けられた透明な透 明基板10と、この透明基板10と所定間隔を隔 て略平行に配置された背面基板20とを備えて いる。透明基板10の背面には、透明な部材で 成された共通電極11が取り付けてあり、こ と対向する背面基板20の表面には、各画素ご とに設けられた複数の画素電極21が取り付け ある。共通電極11は、複数の各画素電極21に 対して共通して対向するように、透明基板10 形成されている。

 また、透明基板10と背面基板20との間の空 間は、格子状のリブ30によって一画素ごとに 画されており、これら透明基板10、背面基 20及びリブ30によって区画された一画素分の 成が、マトリクス状に多数連続した全体構 となっている。透明基板10、背面基板20及び リブ30によって区画された領域内には、黒色 電粒子(濃色帯電粒子)41及び白色帯電粒子( 色帯電粒子)42を含む表示液40が充填してある 。さらに、透明基板10及び背面基板20の端部 、UV硬化樹脂又はエポキシ樹脂系接着剤等の 封止剤(接触部材)51,52で塞ぐことにより表示 40を密閉封止している。なお、各リブ30には 示しない連通孔又は連通溝が形成してあり 透明基板10と背面基板20との間に形成された 空間に注入した表示液40が、リブ30により区 された全ての領域に満たされるようになっ いる。

 透明基板10は、高い透明性と高い絶縁性 有する材料によって形成してあり、例えば ポリエチレンナフタレート、ポリエーテル ルホン、ポリイミド、ポリエチレンテレフ レート、ガラス等を用いることができる。 た、共通電極11は、高い透明性を有し、電極 として利用することができる材料によって形 成してあり、例えば、金属酸化物であるイン ジウムがドープされた酸化錫、フッ素がドー プされた酸化錫、インジウムがドープされた 酸化亜鉛等を用いることができる。

 また、背面基板20は、高い絶縁性を有す 材料によって形成してあり、例えば、ガラ や絶縁処理された金属フィルム等の無機材 や、ポリエチレンテレフタレート等の有機 料を用いることができる。なお、背面基板20 は、透明基板10と異なり、透明でも不透明で よい。また、画素電極21は、例えば、金や 材料のような電気伝導度の高い材料によっ 形成してある。

 リブ30は、有機化合物や無機化合物の絶 性材料によって形成することができる。ま 、本実施形態では、リブ30を背面基板20と別 独立に設けているが、これに限定されるも ではない。リブ30を背面基板20の表面側に一 体成形した構成としてもよい。なお、リブ30 上端部には、図示しないブラックマトリク が形成してある。このブラックマトリクス 、画素境界におけるコントラスト低下を防 して画像視認性を良好にする。

 なお、本実施形態では、リブ30によって 画素ごとに区画しているが、所定数の画素 まとめて区画する構成としてもよい。但し 前者の構成を採用した場合は、一画素ごと 階調が明確に示されるようになり、リブ30の 上端部にブラックマトリクスを形成すること と相まって、電気泳動表示パネル1の画像視 性がより良好となる。

 表示液40としては、低粘度の炭化水素、 リコーンオイルといったような、高い絶縁 を有する溶液と界面活性剤、アルコール類 ような分散剤の混合液を分散媒として用い ことができる。黒色帯電粒子41及び白色帯電 粒子42は、表示液40中で帯電可能なものでな ればならず、例えば、有機化合物や無機化 物からなる顔料や染料、又は顔料や染料を 成樹脂で包んだものを用いることができる また、黒色帯電粒子41及び白色帯電粒子42は 互いに正又は負の異なる極性に帯電してい 。なお、表示液40に含まれる帯電粒子41,42は 、黒色及び白色に限定されるものではなく、 黒色以外の濃色帯電粒子、白色以外の淡色帯 電粒子を用いることもできる。

 封止剤51,52は、共に、外気に曝される一 端面と、表示液40側に配置される他の端面と を有し、透明基板10と背面基板20との間の空 に注入された表示液40を封止するものである 。電気泳動表示パネル1の製造過程において 封止剤51は、対向配置した透明基板10と背面 板20との側部三辺を封止し、残り一辺を開 させて表示液40の注入口2を形成する。封止 52は、表示液40の注入後に注入口2を封止する 。

 ここで、本実施形態の電気泳動表示パネ 1は、注入口2を封止する封止剤52と、表示液 40との間に液体封止部(液体部)4を介在させた 成としてある。この液体封止部4は、表示液 40を構成する分散媒よりも低揮発性の液体か なっており、透明基板10と背面基板20との間 の空間に注入された表示液40の端部(注入口2 介して外気に曝される部分)を覆って第1封止 し、表示液40の揮発を防止する役割を果たし いる。

 このような液体封止部4としては、20℃に ける蒸気圧が1mmHgより小さい液体を用いる とが好ましい。20℃における蒸気圧が1mmHg程 ならば、常温で容易に揮発しない難揮発性 有し、この液体封止部4による注入口2の第1 止工程(図3のステップS4参照)、封止剤52によ る注入口2の第2封止工程(図3のステップS5参照 )、その後、封止剤52に微小な封止破れや剥離 が生じた場合でも、容易に揮発しないで第1 止状態を維持することができる。

 また、液体封止部4は、25℃における粘度 25mPa・s以上であることが好ましい。25℃に ける粘度が25mPa・s程度であれば、封止剤51,52 として一般的なUV硬化樹脂、エポキシ系接着 等よりも極めて低粘度であり、注入口2を迅 速に第1封止することが可能である。

 さらに、液体封止部4は、親油性の液体で あることが好ましい。表示液40の分散媒とし は無極性(=疎水性≒親油性)溶媒が主成分と て用いられており、この表示液40に接触す 液体封止部4に親油性の溶媒を用いることに って、液体封止部4が表示液40の絶縁性に与 る影響を低減することができる。これらの 件を全て具備する液体封止部4の材料として 、例えば、流動パラフィン、ポリイソブテン 、イソパラフィン、シリコーンオイルなどを 挙げることができる。

 なお、電気泳動表示パネル1の外形が大き くなってもよい場合には、共通電極11及び画 電極21から距離を離して液体封止部4を設置 ることで、流動パラフィン、ポリイソブテ 、シリコーンオイルよりも絶縁性の低い多 アルコール類やエーテル類などを用いるこ も可能である。また、共通電極11及び画素 極21が表示液40と接触する面に絶縁膜を設け ことより、流動パラフィン、ポリイソブテ 、シリコーンオイルよりも絶縁性の低い多 アルコール類やエーテル類などを用いるこ も可能である。

<電気泳動表示パネル1の表示原理>
 次に、上述した本電気泳動表示パネル1の表 示原理について簡単に説明する。図1(c)にお て、仮に、黒色帯電粒子41が正に、白色帯電 粒子42が負に帯電しているとすると、透明基 10側の電位を基準電位として、画素電極21に 所定の電圧を印加して背面基板20側を正にし 場合、黒色帯電粒子41が透明基板10の近傍に 分布するとともに、白色帯電粒子42が背面基 20の近傍に分布して、透明基板10には黒色が 表示される。

 また、透明基板10側の電位を基準電位と て、画素電極21に所定の電圧を印加して背面 基板20側を負にした場合、黒色帯電粒子41が 面基板20の近傍に分布するとともに、白色帯 電粒子30が透明基板10の近傍に分布して、透 基板10には白色が表示される。

 さらに、透明基板10側の電位を基準電位 して、画素電極21に印加する電圧の大きさや 印加時間を調節して、黒色帯電粒子41及び白 帯電粒子42を、透明基板10と背面基板20との 間位置の近傍に位置させると、透明基板10 からは黒色帯電粒子41及び白色帯電粒子42の 方が視認できるため、階調はグレーとなる この場合、画素電極21に印加する電圧の大 さや印加時間を調整することによって、各 電粒子41,42の分布の度合いを変化させ、濃グ レー又は薄グレーなど所望の濃さのグレーを 表示することができる。

 以上のような原理に基づき、画素電極21 所定の電圧を印加して、透明基板10側と背面 基板20側との間の電界を制御することで各帯 粒子41,42を移動させ、各画素ごとの階調を 更することができる。つまり、表示の書き えを行なうことができる。

<第2実施形態に係る電気泳動表示パネル>
 次に、本発明の第2実施形態に係る電気泳動 表示パネルについて、図2(a),(b)を参照しつつ 明する。図2は本発明の第2実施形態に係る 気泳動表示パネルを模式的に示すものであ 、同図(a)は本電気泳動表示パネルの部分拡 図、同図(b)は同図(a)のB-B断面図である。な 、本実施形態において、上述した第1実施形 と同様の部分については同一の符号を付し 詳細な説明は省略する。

 同図(a),(b)において、電気泳動表示パネル 7は、背面基板20の隅部に略円形の小さな開口 を設け、この開口を表示液40の注入口3とした 構成としてある。この注入口3の形成位置は 透明基板10の画像表示領域(図2(a)の斜線部)に 干渉しない位置になっている。

 背面基板20の隅部に注入口3を設けたこと より、電気泳動表示パネル7の製造過程にお いて、対向配置した透明基板10と背面基板20 の側部四辺を全て封止剤51で封止し、これら 透明基板10と背面基板20との間に形成された 間を塞ぐことができる。その後、透明基板10 、背面基板20及び封止剤51で塞がれた空間内 、注入口3を介して表示液40を注入する。

 本実施形態では、表示液40を注入した後 注入口3を、第1実施形態と同じ構成の液体封 止部4によって第1封止している。注入口3を介 して外気に曝される表示液40の端部を液体封 部4で迅速に覆うことにより、表示液40の揮 を防止している。そして、液体封止部4によ って第1封止した注入口3を、封止剤52によっ 第2封止している。これにより、透明基板10 背面基板20及び封止剤51で塞がれた空間内に 示液40が密閉封止される。

<電気泳動表示パネルの製造方法>
 以下、本発明の第1実施形態に係る電気泳動 表示パネルの製造方法について、図3及び図4( a)~(e)を参照しつつ説明する。図3は本発明の 1実施形態に係る電気泳動表示パネルの製造 法における各製造工程を示すフローチャー である。図4(a)~(e)は図3の各製造工程を示す 略図である。なお、本実施形態では、上述 た電気泳動表示パネル1の製造方法について 説明するが、これと注入口3の構成のみが異 る電気泳動表示パネル7も、図3及び図4(a)~(e) 同様の製造工程により製造することができ 。

 なお、以下に説明する本実施形態におい 、あらかじめ透明基板10には共通電極11が形 成され、また、背面基板20には画素電極21と ブ30とが形成され、この背面基板20の側部三 には未硬化の封止剤51が塗布されているも とする。

 まず、図3のステップS1において、上述の 理を済ませた透明基板10と背面基板20との対 向配置工程を行う。この対向配置工程では、 図4(a)に示すように、背面基板20の上方に透明 基板10を配置し、互いの側部四辺が一致する うに位置決めする。

 次いで、図3のステップS2に進み、封止剤5 1による透明基板10と背面基板20との側部封止 程を行う。この側部封止工程では、図4(b)に 示すように、透明基板10を背面基板20側へ押 し、互いの側部三辺を封止剤51により接着す る。これにより、透明基板10と背面基板20と 側部三辺に封止剤51からなる側壁が形成され るとともに、残り一辺が開口して表示液40の 入口2が形成される。

 次いで、図3のステップS3に進み、表示液4 0の注入工程を行う。この注入工程では、図4( c)に示すように、注入口2に注入ノズル6を配 し、この注入ノズル6から透明基板10、背面 板20及び封止剤51で塞がれた空間内に、黒色 び白色帯電粒子41,42を含む表示液40を供給す る。この表示液40は、リブ30により区画され 全ての領域に満たされる。

 次いで、図3のステップS4に進み、液体封 部4による注入口2の第1封止工程を行う。こ 第1封止工程では、図4(d)に示すように、液 封止部4を、注入口2の一端側から他端側へ長 手方向に沿って塗布する。液体封止部4は、 示液40よりも低揮発性の溶媒からなるので、 この液体封止部4で注入口2を覆うことにより 示液40の揮発を防止することができる。ま 、液体封止部4は、封止剤52よりも低粘度で るから、注入口2の長手方向に沿って極めて 速に塗布することが可能である。

 次いで、図3のステップS5に進み、封止剤5 2による注入口2の第2封止工程を行う。この第 2封止工程では、図4(e)に示すように、液体封 部4で第1封止した注入口2を封止剤52で最終 に封止する。ステップS4の第1封止と同様に 注入口2の一端側から他端側へ長手方向に沿 て封止剤52を塗布する。封止剤52は、液体封 止部4と比較して高粘度であり、液体封止部4 ように迅速に塗布することはできないが、 体封止部4によって表示液40の揮発防止が確 されているので、慎重かつ確実に封止剤52 注入口2に塗布することができる。これによ 、本ステップS5の第2封止工程における表示 40への気泡の混入を確実に防止することが 能となる。

 このような本実施形態の電気泳動表示パ ル1によれば、表示液40の注入口2を高粘度の 封止剤52で第2封止する前に、難揮発性の液体 からなる液体封止部4で注入口2を第1封止する ことにより、表示液40の揮発、これによる表 液40への気泡の混入を防止することができ 。

 また、封止剤52で表示液40を第2封止した に、封止剤52に微小な封止破れや剥離が生じ た場合でも、難揮発性の液体封止部4によっ 封止破れや剥離箇所が塞がれるので、表示 40への気泡の侵入を効果的に阻止することが 可能である。

<第3実施形態に係る電気泳動表示パネル及 その製造方法>
 次に、本発明の第3実施形態に係る電気泳動 表示パネル及びその製造方法について、図5(a ),(b)及び図6を参照しつつ説明する。図5は本 明の第3実施形態に係る電気泳動表示パネル 模式的に示すものであり、同図(a)は本電気 動表示パネルの部分拡大図、同図(b)は同図( a)のC-C断面図である。また、図6は本発明の第 3実施形態に係る電気泳動表示パネルの製造 法における各製造工程を示すフローチャー である。なお、本実施形態において、上述 た第1実施形態の電気泳動表示パネル及びそ 製造方法と同様の部分については、同一の 号を付して詳細な説明は省略する。

 図5(a),(b)において、本実施形態の電気泳 表示パネル8は、図1に示す第1実施形態の電 泳動表示パネル1に仕切壁5を新たに追加した 構成としてある。すなわち、図6のステップS4 における液体封止部4による注入口2の第1封止 工程の前に、注入口2に仕切壁5を設置する工 (ステップS4’)を行う。そして、仕切壁5を 置した注入口2に液体封止部4を塗布して第1 止を行い(ステップS4)、その後、封止剤52に る注入口2の第2封止を行っている(ステップS5 )。

 仕切壁5の材料としては、液体封止部4と 様、表示液40の絶縁性等に影響を与えないも のであれば特に限定されないが、気泡を巻き 込むことなく表示液40の液面上に密着させる とができるシート又はフィルムといった薄 状のものが好ましい。例えば、表示液40に け込まない合成樹脂フィルムを仕切壁5とし 用いることができる。

 このような仕切壁5によって、液体封止部 4と表示液40との接触が阻害され、液体封止部 4の表示液40側への進行を阻止することが可能 となる。これにより、封止剤52と表示液40と 間に液体封止部4を強制的に配置させること でき、製造から長期間が経過した後に封止 52が破損した場合でも、表示液40への気泡の 侵入を確実に阻止することが可能となる。ま た、液体封止部4が表示液40に与える全般的な 影響を低減することができる。

<第4実施形態に係る電気泳動表示パネル及 その製造方法>
 次に、本発明の第4実施形態に係る電気泳動 表示パネルの製造方法について、図7及び図8( a)~(d)を参照しつつ説明する。図7は本発明の 4実施形態に係る電気泳動表示パネルの製造 法における各製造工程を示すフローチャー である。図8(a)~(d)は図7の各製造工程を示す 略図である。なお、本実施形態において、 述した第1実施形態の電気泳動表示パネル及 びその製造方法と同様の部分については、同 一の符号を付して詳細な説明は省略する。

 本実施形態の電気泳動表示パネルの製造 法では、図1及び図2に示すような注入口2,3 設けずに、背面基板20上に表示液40を供給し から透明基板10を対向配置する。そして、 れら透明基板10と背面基板20との側部に液体 止部4を塗布して表示液40を第1封止した後、 封止剤50によって第2封止を行うようにしてい る。

 まず、図7のステップS11において、背面基 板20への表示液40の供給工程を行う(図8(a)参照 )。背面基板20には、あらかじめ各画素電極21 格子状のリブ30とが形成してある。そして 背面基板20の上方に配置したノズル6から表 液40を供給する。これにより、背面基板20上 リブ30により区画された全ての領域に表示 40が満たされる。なお、上述した第1~第3実施 形態と異なり、リブ30には、表示液40をリブ30 により区画された全ての領域に行き渡らせる ための連通孔又は連通溝は形成していない。

 次いで、ステップS12に進み、透明基板10 対向配置工程を行う(図8(b)参照)。表示液40が 供給された背面基板20上に、透明基板10の共 電極11側を対向配置し、透明基板10をリブ30 上端部に載置する。これにより、透明基板10 と背面基板20の間に形成された空間に表示液4 0が充填される。このとき、透明基板10と背面 基板20との側部は四辺とも開口した状態とな ているが、表面張力によって表示液40が四 の開口から流出することはない。

 そして、ステップS13に進み、液体封止部4 による基板側部の第1封止工程を行う(図8(c)参 照)。上述した透明基板10と背面基板20との側 における四辺の開口に液体封止部4を塗布し 、これら開口を介して外気に曝される表示液 40を液体封止部4によって迅速に第1封止する

 その後、ステップS14に進み、封止剤50に る基板側部の第2封止工程を行う(図8(d)参照) 液体封止部4によって第1封止した透明基板10 と背面基板20との側部における四辺の開口に 止剤50を塗布し、これら開口を封止剤50によ り第2封止する。これにより、電気泳動表示 ネル9が形成される。

 このように、電気泳動表示パネル9が第1 び第2実施形態のような注入口2,3を有しない 成の場合でも、その製造過程において、表 液40の外気に曝される部分を液体封止部4で 速に第1封止することができ、封止剤50によ 第2封止を行う際の表示液40の揮発、及びこ による表示液40への気泡の混入を確実に防 することができる。

 また、封止剤50で表示液40を第2封止した に、封止剤50に微小な封止破れや剥離が生じ た場合でも、難揮発性の液体封止部4によっ 封止破れや剥離箇所が塞がれるので、表示 40への気泡の侵入を効果的に阻止することが 可能である。

 なお、本発明の電気泳動表示パネルは、 述した各実施形態に限定されるものではな 。例えば、液体封止部4は、20℃における蒸 圧が1mmHgより小さく、25℃における粘度が25m Pa・s以上の液体であることが好ましいが、液 体封止部4の揮発性及び粘度の値はこれらに 定されるものではない。液体封止部4として 、常温において難揮発性であり、封止剤52( は50)よりも低粘度である液体を広く用いる とができる。

 また、本発明の電気泳動表示パネルの特 は、難揮発性の液体封止部4によって表示液 40の外気に曝される端部を第1封止する構成に あり、封止剤52に限らず、透明基板10と背面 板20との間の空間を塞ぐ側壁など、表示液40 に配置される他方の端部を有する接触部材 広く含まれる。また、接触部材の表示液40 に配置される他方の端部が液体封止部4によ て覆われるならば、この液体封止部4が設け られる箇所は、表示液40の注入口2,3や空気排 口に限定されない。

 さらに、上述した第1~第4実施形態では、 ブ30を備えた構成の電気泳動表示パネルに いて説明したが、これに限定されるもので なく、本発明はリブ30を備えていない構成の 電気泳動表示パネルに適用することも可能で ある。

 以下、本発明に係る電気泳動表示パネル 実施例1について、図1(a)~(c)、図4(a)~(e)及び 9(a),(b)を参照しつつ説明する。本実施例1で 、図1(a)~(c)に示す電気泳動表示パネル1と同 構造のサンプルを、図4(a)~(e)に示す製造工程 により作成し、このサンプルの封止部52に図9 (a),(b)に示すような切り込みを設け、表示液40 への気泡混入の有無を確認した。図9(a)は図1( a)のD部拡大図、図9(b)は同図(a)のE-E断面図で る。なお、以下の実施例において、図1及び 4の電気泳動表示パネル1に対応する箇所は 一符号を付して説明する。

 図1(a)~(c)において、本実施例1に係るサン ル(以下、「実施例サンプル1」という)では 5μmの酸化チタン含有PMMA粒子を白色帯電粒 42と、5μmのカーボンブラック含有PMMA粒子を 色帯電粒子41とを、Isopar G及びHexanolの混合 媒中に分散させたものを表示液40として用 た。この表示液40を、30μmのPETスペーサ30,30,3 0…を介して対向配置したITO付きガラス基板10 ,20間の空間に注入した後(図4(a)~(c)参照)、液 封止部としての流動パラフィン4で注入口を 1封止した(図4(d)参照)。その後、封止剤とし てのエポキシ樹脂系接着剤52で注入口2を第2 止した(図4(e)参照)。

 上記の実施例サンプル1において、表示液 40の粘度は1mPa・sであり、表示液40の主溶媒で あるIsopar Gの蒸気圧は1.7mmHgである。また、 動パラフィン4の粘度は25mPa・sであり、その 気圧は0.5mmHg未満である。さらに、エポキシ 樹脂系接着剤52の粘度は33000mPa・sである。こ ような構成の実施例サンプル1を複数個作成 した。

 一方、流動パラフィン4による第1封止を 略した点を除いて、実施例サンプル1と全く じ構成の比較サンプル1を複数個作成した( 示せず)。

 そして、図9(a),(b)に示すように、各実施 サンプル1及び各比較サンプル1における上部 ガラス基板10と封止剤52との接触部分の長手 向に沿って、カッターナイフで1cmの切り込 60を設け、これらサンプルを室温に1か月間 置した後、全てのサンプルにおける気泡の 在を確認した。

 その結果、実施例サンプル1の9割に気泡 観察されなかったのに対し、比較サンプル1 5割に気泡が観察された。したがって、実施 例サンプル1の全てにおいて、封止剤52で表示 液40を封止する際の気泡の混入を防止するこ ができ、また、実施サンプル1の9割におい 、封止剤52で表示液40を封止した後に微小な 止破れや剥離が生じた場合でも、表示液40 の気泡の侵入を阻止することが可能である

 下記表1に示すように、液体封止部4にIsopa r G、Hexanol及び流動パラフィンを用いて、の 1(a)~(c)と同一構成の3つのサンプルを作成し 。そして、図9(a),(b)と同様に、上部ガラス 板10と封止剤52との接触部分に、カッターナ フで1cmの切り込み60を設け、これらサンプ を室温に1か月間放置した後、全てのサンプ における気泡の存在を確認した。

 その結果、液体封止部4にIsopar G(蒸気圧1. 7mmHg)を用いたサンプルは1ヶ月後に気泡の存 が観察されたが、液体封止部4にHexanol(蒸気 1.0mmHg未満)、流動パラフィン(蒸気圧0.5mmHg未 )を用いた2つのサンプルは1ヶ月後に気泡の 在が観察されなかった。したがって、蒸気 が1mmHg未満の難揮発性材料で液体封止部4を 成すれば、封止剤52が破損した場合の気泡 入を防止することが可能である。

 下記表2に示す粘度のHexanol、流動パラフ ン、プロピレングリコール及びグリセリン 液体封止部4に用いて、図1(a)~(c)と同一構成 4つのサンプルを作成した。そして、図9(a),(b )と同様に、上部ガラス基板10と封止剤52との 触部分に、カッターナイフで1cmの切り込み6 0を設け、これらサンプルを室温に1か月間放 した後、全てのサンプルにおける気泡の存 を確認した。

 その結果、液体封止部4にHexanol(粘度5mPa・ s)を用いたサンプルは1ヶ月後に気泡の存在が 観察されたが、液体封止部4に流動パラフィ (粘度25mPa・s)、プロピレングリコール(粘度60 mPa・s)、グリセリン(粘度111mPa・s)を用いた3つ のサンプルは1ヶ月後に気泡の存在が観察さ なかった。したがって、粘度が25mPa・s以上 高粘性材料で液体封止部4を形成すれば、封 剤52が破損した場合の気泡混入を防止する とが可能である。

 液体封止部4に親水性のHexanol、親油性の 動パラフィンを用いて、図1(a)~(c)と同一構成 の2つのサンプルを作成し、両サンプルにお る液体封止部4が、表示液40に与える影響を 認した。その結果、Hexanolが電極部11,21まで 行した場合は、ショートしやすく表示の劣 が観察された。これに対し、流動パラフィ の場合は、Hexanolよりはショートしなかった したがって、親油性の材料で液体封止部4を 形成すれば、表示液40の絶縁性を確保するこ ができ、液体封止部4が表示液40側に進行し 場合でもショート等の悪影響を及ぼすこと ない。

 図4(c)に示す表示液40の注入工程の後、表 液40の注入口2に、厚さ25μmのPETフィルム(図5 (a),(b)の仕切壁5に相当)を配置した。次いで、 液体封止部4に流動パラフィンを用いて図4(d) 示す第1封止工程を行い、封止剤52にエポキ 樹脂系接着剤を用いて図4(e)に示す第2封止 程を行い、実施例サンプル5を作成した。

 この実施例サンプル5と、上述した実施例 サンプル1とを共に長時間駆動させて比較実 を行った。その結果、実施例サンプル1の場 は、流動パラフィン4が表示液40側に進行し 画像表示領域まで達したが、実施例サンプ 5の場合は、流動パラフィン4がPETフィルム 超えて進行することはなかった。

符号の説明

 1,7,8,9 電気泳動表示パネル
 10 透明基板
 11 共通電極
 20 背面基板
 21 画素電極
 30 リブ
 40 分散媒
 41 黒色帯電粒子(濃色帯電粒子)
 42 白色帯電粒子(淡色帯電粒子)
 50,51,52 封止剤(接触部材)
 2,3 注入口
 4 液体封止部(液体部)
 5 仕切壁