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Title:
EXTERNAL ELECTRODE FLUORESCENT DISCHARGE LAMP TUBE, FLAT LIGHT SOURCE AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081482
Kind Code:
A1
Abstract:
A fluorescent discharge lamp tube comprises a glass tube (9) filled with a discharge medium, a fluorescent film (12) applied onto the inner surface of the glass tube, and external electrodes (8) formed at external wall ends of the glass tube. The external electrode may have various shapes including a coil shape and a ring shape. Since the fluorescent discharge lamp tube has no electrode therein, its structure is simple and its manufacturing cost can be reduced. Also, the fluorescent discharge lamp tube can discharge electricity by making the most of gas atoms of the discharge medium with a discharge current of 1 mA or lower. The fluorescent discharge lamp tube can realize instantaneous light emission, high luminance, low power consumption, long life, low manufacturing cost, and low recycling cost.

Inventors:
OZAWA LYUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074829
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
DAIKEN CHEMICAL CO LTD (JP)
OZAWA LYUJI (JP)
International Classes:
H01J65/00
Foreign References:
JP2007095531A2007-04-12
JPH04284348A1992-10-08
JP2001303042A2001-10-31
JP2002008408A2002-01-11
JP2004087489A2004-03-18
JP2004538606A2004-12-24
JP2006351349A2006-12-28
Attorney, Agent or Firm:
MIKI, Hisami (3-8 Kyutaromachi 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 56, JP)
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Claims:
放電用媒質を充填したガラス管の両端部の外壁面に外部電極を配置し、前記外部電極に高周波電圧を印加して点灯させることを特徴とする蛍光放電灯管。
前記ガラス管の前記両端部は縮径された小ガラス管から形成され、前記小ガラス管の外壁面に前記外部電極を配置した請求項1に記載の蛍光放電灯管。
前記外部電極は前記外壁面に成膜された導電膜電極である請求項1又は2に記載の蛍光放電灯管。
前記外部電極は前記外壁面に形成されたコイル状電極、リング状電極、点状電極又は小面積電極である請求項1又は2に記載の蛍光放電灯管。
前記ガラス管の内壁面に蛍光膜が塗着され、しかも前記外部電極に対向した位置であって前記ガラス管の前記両端部の内壁面にも、前記蛍光膜が塗着されている請求項1~4のいずれかに記載の蛍光放電灯管。
前記蛍光膜の表面において、ガラス管軸方向に、PL蛍光体粒子とCL蛍光体粒子が交互に分散配置されている請求項5に記載の蛍光放電灯管。
前記蛍光膜が、ハロ燐酸カルシウム白色発光PL蛍光体粉と電子線照射下で白色発光するCL蛍光体粉の混合粉から形成される請求項6に記載の蛍光放電灯管。
前記蛍光膜が、希土類PL蛍光体粉とZnOからなるCL蛍光体粉の混合粉から形成される請求項6に記載の蛍光放電灯管。
前記高周波電圧がパルス高周波電圧である請求項1~8のいずれかに記載の蛍光放電灯管。
請求項1~8のいずれかに記載された蛍光放電灯管の複数本を平面状に配列して平面状蛍光放電灯管群を形成し、前記平面状蛍光放電灯管群から放射される可視光を拡散する光拡散板を設けたことを特徴とする平面型光源。
請求項1~8のいずれかに記載され且つ内直径が5mm以下に調整された蛍光放電灯管の複数本を平面状に配列して平面状蛍光放電灯管群を形成し、前記蛍光放電灯管を線順次に放電点火して消費電力を減少させることを特徴とする平面型光源。
請求項10又は11に記載の平面型光源を背面光源として使用することを特徴とする液晶表示装置。
Description:
外部電極蛍光放電灯管、平面型 源及び液晶表示装置

 本発明は、ガラス管の内面に塗着された 光体から可視光の蛍光を発光する蛍光放電 管に関し、更に詳細には高周波電圧を電極 印加して発光する蛍光放電灯管、それを利 した平面型光源及び液晶表示装置に関する

[従来放電灯と本発明の要約]
 従来の蛍光放電灯管は、金属電極を放電灯 内に配置した内部電極構造を採用し、挿入 れた陰極から電子をガス空間に取り出し、 ス放電に供していた。陰極から電子を取り すと、電極に印加する周波数に無関係に発 に関与しない大きな陰極電圧降下が必然的 ガス放電路に発生する。発光に関与しない 極電圧降下のエネルギー損失は、点灯電力 約40 % にもなる。世界中で照明に使われる 蛍光放電灯管数は膨大であり、蛍光放電灯管 の点灯に無駄に費やしている電気エネルギー の節約ができれば、地球の温室効果の原因で ある炭酸ガスの放出を大きく減少でき、環境 汚染の防御に大きく貢献する。
 本発明者はこの課題の解決に挑戦し、前記 部電極構造を使用せず、放電灯管の外部に 極を配置し、この外部電極に高周波電圧を 加することによって放電発光させる新規な 光放電灯を開発し、内部電極に起因する全 の前記課題を解決することに成功したもの ある。

[電球から蛍光放電灯管に到る歴史的背景]
 私達の生活は夜を照明する光源の発達によ 、眼が順応した昼間の照度と同等な照度で 活活動を夜間にまで延長している。夜間の 明に使用される光源(白熱電球)として、タ グステン線を融点近くまで加熱して放出す 熱放射光を利用するタングステン電球が1900 代の半ばまで主に使用されていた。タング テン電球のエネルギー変換効率(出力光エネ ルギー/入力電力)は0.8 %と低いが、光強度が 熱温度で変化し、製造が容易で安価な光源 して現在でも広く使用されている。1950年頃 から熱の放出が40 o Cであり、後述するように、可視光へのエネ ギー変換効率が20 %の蛍光放電灯管(管径30 m m)が普及し現在に至る。

 近年、電子産業の発達による新技術の応用 して発光ダイオード(LED)を利用した光源が 発され、新光源として提起されている。LED III-V族元素薄膜の多層で構成され、薄膜層に 注入した電子が特定薄膜層内の正孔と再結合 して発光する。問題は特定薄膜層に注入する 電子の半分が発光に関与し、残りの半分の電 子は非輻射遷移により熱に変換される。注入 電子を増やすと発光強度は増加するが、熱の 発生も比例して増加する。LEDの発光構造はタ ングステン電球と同類である。青色を発光す る量子効率は50 %であるが、青色から白色に 換するには蛍光体粒子が必要であり、白色 得るにはストークスシフトによるエネルギ 損失(約50%)が介入し、白色光へのエネルギ 変換効率は25 % 前後である。LEDで実用にな 輝度(単位面積当たり、毎秒10 22 の光子数に相当)を得るに必要な電子(60 A cm -2 )を注入すると、LEDは200  o C前後に加熱する。極薄な薄膜層に形成して る発光中心(不純物)は70℃以上に加熱される 、温度に比例して格子点から界面に向かっ 拡散を始めるので、高温度になると発光中 が薄膜層から脱出し、時間と共に発光強度 減少する。即ち寿命が短くなる。更にLEDの 料であるガリウムGaの鉱物資源が世界的に しく、枯渇が心配されている。その他の新 提案になる光源、例えば有機電界発光OLEDや 機電界発光ELもLEDと同種の問題を抱え、発 の構造はタングステン電球と類似で発熱を う。

 それに引き換え、上記したタングステン電 の問題を全然持たないのが蛍光放電灯管で る。蛍光放電灯管の温度は水銀蒸気の蒸気  (3x10 -3  mm Hg) を制御するために40 o Cに制御される。それ以上の温度には上げら ない。蛍光膜で発光する蛍光体粒子中の発 中心(不純物)はこの温度前後では非常に安定 で、結晶格子点から移動しない。蛍光体粒子 結晶中の発光中心に変化は発生しないので、 蛍光膜に原因した蛍光放電灯管の輝度の劣化 は起こらない。本発明者は、蛍光放電灯管の 温度を変えず、光出力のみを大幅に増強する 放電機構の解明に挑戦した。即ち、放電に必 要な電子供給源から供給される電子が陽イオ ン源の間を移動して放電を生起させるが、放 電路を形成する電子の軌道が蛍光膜の物性に より大きく規制される事実を明らかにし、放 電路内のガス温度を40℃前後に保ちながら、 ス励起のみを最大化することに成功した。 の結果、蛍光放電灯管の白色光へのエネル ー変換効率は45 %以上となった。エネルギ 変換効率はLEDの約2倍である。製造単価はLED 十分の一以下であるので、蛍光放電灯管は 後も理想的な光源として照明光源市場でLED 対抗できない強固な地位を確保することが 能になる。

近年、地球温暖化の問題が発生し、都市部 では、昼夜を問わず高層ビルの事務室や住居 で電力を多量に使用する蛍光放電灯管の電力 消費の低減が緊急課題の一つとなっている。 蛍光放電灯管を点灯して直接に消費する電力 だけでは無い。蛍光放電灯管を製造する工程 に係わる蛍光放電灯管の構造を簡略化し、蛍 光放電灯管の製造に費やす電力消費の減少も 課題になっている。更に、最近は資源回収が 重要課題になり寿命の尽きた蛍光放電灯管の 回収で資源の再利用が社会的要求になってい る。資源回収の問題は、蛍光放電灯管の寿命 の超長期化を進めれば緩和する。

 現在、家庭や事務室で主に使用している蛍 放電灯管は、管径が 30 mmである。この蛍 放電灯管に使用する蛍光膜は、資源が豊富 素材を原料として使用する白色発光ハロ燐 カルシウム蛍光体3Ca 3 (PO 4 ) 2 CaFCl:Sb 3+: Mn 2+ で作られ、50年余の長い間使用されている。 の蛍光体を使用した時の問題は以下のよう ある。
(1)入力電力を増加させると蛍光膜の輝度が飽 和する。
(2)管径を20 mm 以下に細くすると輝度が著し 低下し、使用できない。
(3)管径を30 mm 以上に太くすると輝度が著し 低下して使用できない。
これらの理由解明が出来ないまま半世紀が経 過した。

 近年、液晶表示装置 (LCD)が普及し、LCDの バックライト(背面照明光源)が要求された。 の要求に応えたのが、内径が3mm以下の蛍光 電灯管である。また、外径が10 mm の蛍光 電灯管を複数回曲げて電球と同じサイズの ラス球内部に装填して、タングステン電球 同じソケットに装着する電球型蛍光放電灯 が販売されている。この電球型蛍光放電灯 は、内部に小型点灯回路が組み込まれてお 、タングステン電球と取替えが容易な省電 蛍光放電灯管である。更に、外径が20 mm 径 の高輝度蛍光放電灯管も商品化されている。

 勿論、前記省電型蛍光放電灯管では前記 た3問題が解決されてないので、資源の豊富 な安価なハロ燐酸カルシウム蛍光体は使用で きない。ハロ燐酸カルシウム蛍光体の代わり に使用しているのが、地球上に存在する資源 量の順位を決めるクラーク数が小さな希少資 源である希土類元素を使用し、三色に個別に 発光する蛍光体粉を混合して白色に発光する 蛍光膜の使用である。この希土類混合蛍光体 を使用すると、外径が30 mmの蛍光放電灯管で も明るく白色に発光すると同時に、内径を3  mm以下にしても、蛍光放電灯管の蛍光膜は非 に明るく(倍以上)発光する。何故、希土類 合蛍光膜のみが細管の蛍光放電灯管で非常 明るく発光するかの理由は、オーム社出版 蛍光体ハンドブック(非特許文献1)、電気学 から出版されている放電ハンドブック(非特 文献2)、更に専門学界誌に出版された論文 調べても分からない。ここに問題解決が複 で未解決のまま放置された科学技術問題が されている。

 高輝度で省電型でもある細管の蛍光放電 に使用されている電子源は、50年余の間使 れた熱陰極か、冷陰極である。熱陰極を使 した蛍光放電灯を英語の頭文字を取り、HCFL (hot cathode fluorescent lamp)と略し、冷陰極を 用した蛍光放電灯をCCFL (cold cathode fluorescen t lamp)と略している。以後、本発明の記述も の略号を使用する。

 HCFLとCCFLのいずれの陰極を使用しても、 光放電灯管には共通した大問題が解決不能 して残されている。その問題は、陰極直前 決められた区間に検出される陰極電圧降下(C athode fall voltage)である。陰極電圧降下の区 の消費電力は、蛍光放電灯管の全消費電力 40 %にもなる。電力だけではない。陰極電圧 降下の区間にある蛍光膜の発光は他の部分よ りも非常に暗い。陰極電圧降下の存在は 1900 年代の初期から検出されていたが、現在に至 るも問題が解決されていない。換言すれば、 現象として周知な陰極電圧降下の基礎物理が 複雑過ぎて解明の手が付けられないまま放置 されている。今までに多数の観測事実の説明 が与えられて来たが、そのどれもが的を射っ ておらず、陰極電圧降下は依然として蛍光放 電灯管から取り除かれていない。地球温暖化 現象が進んでいる現在、照明光源として無駄 な電力を多量に使用する蛍光放電灯管の陰極 電圧降下の早期除去が待たれる。本発明者は この問題に挑戦し、完全に解決した。

 蛍光放電灯管の開発歴史は100年以上になり 蛍光放電灯管の基礎となるガス放電の研究 始まったのは1800年代の初めであったから、 200年余の歴史を持つ。このように長い開発歴 史と膨大な年生産量を持つ蛍光放電灯管の生 産技術は、既に開発済みであると、投資家や 企業経営者、更に研究者も判断している。こ の事実を認識した上で、本発明者は蛍光放電 灯管に関与する未解決な問題の回答を探るべ く、蛍光放電灯管の科学技術を基礎から再検 討した。検討の結果、蛍光放電灯管の技術で は、最も基本である電子の供給源と蛍光膜を 構成する蛍光体粒子の物性が全然検討されて いない事が分かった。それに付随して、下記 の6項目が未だに科学的に解明されていない とが分かった。
(1)電子を放電路に供給する電子源
(2)陰極電圧降下の消去
(3)ガス放電の引き金となる点灯機構の解明
(4)電子の放電管内の挙動
(5)蛍光膜を構成する蛍光体粒子の特異な物性
(6)蛍光放電灯管の寿命に影響する因子

 これらの課題が残された理由の一つに、 語のdischargeは「何もない所から光を出す」 いう定義を有していた。放電現象を発光強 の測定で主に調べていた。英語の直訳でな 日本語の用語「放電」はどのようにして付 られたのか分からない。1800年代初期に電子 の存在を見つける過程で使用されたガス放電 と蛍光膜上の電子軌跡を示す映像の観察はこ の定義でも良かった。電子の発見後、電子の 研究はガス空間での振る舞いを離れ、固体中 の電子の振る舞いに移り、固体中の電子を利 用した科学技術は驚異的に進歩し、現在の複 雑で精巧であり高性能な半導体を初めとする 電子素子を開発した。理由は不明であるが、 放電関係のみが初期定義の誤りを正すこと無 く現在に至る。

 この状態を打破する新規電子源を開発し、 極電圧降下の無い放電路を蛍光放電灯管に 現する必要がある。この解決のためには、 記の2条件を見つけだすことが重要になる。
(1)10ミリ秒前後で蛍光膜全面がほぼ同時点灯 る条件
(2)更に蛍光放電灯管内に含まれる放電ガスを 放電に関与する最小限の電子により最大限に 発光させる条件
 後述するように、本発明者は、蛍光膜の単 面積当たり2倍以上の高輝度に発光する超省 電型蛍光放電灯管を開発した。開発した蛍光 放電灯管の可視光へのエネルギー変換効率は 非常に高く(約50%)、発光に無駄な熱の発生を わない。最近の投資家により騒がれているL ED光源は入力電力の半分が熱に変換される結 、稼働寿命が短く、可視光へのエネルギー 換効率は25 % である。この理由で、2006年 富士経済社が纏めた2010年の予測市場は、LED 宣伝の多さに比し11億円であるが、現在のCC FLの市場予測は3,995億円で400倍と圧倒的に多 。開発した蛍光放電灯管は、現在のCCFLより 技術性能でも、経済効果でも、使用者の利 性でも大幅に向上するので、年間4,000億円CC FL 市場を席巻できる。LEDの性能は、製品と ては新規であるが、本発明になる蛍光放電 管と比較にならず、最適な将来の照明光源 蛍光放電灯管になる。

[本発明に到る経過と本発明の概説]
 気圧が数mmHgにある任意のガスを含んだ排気 中のガラス管や、真空封止した放電灯管に、 真空度をテストする目的で、高電圧且つ高周 波を発するテスラーコイルを近づけると、テ スラーコイルが接触したガラス管の接点周辺 において、ガラス管内のガスが放電する現象 は1800年代から知られていた。蛍光放電灯が 発された後でも、高電圧にある高周波の一 の細電線を放電管外壁に近づけるか外壁に 触させると、細電線が接触した部分のガラ 管内のガスが限定した小範囲で弱く放電す 現象も古くから観測されていた。更に、強 なレーダーを使用する軍事基地周辺の限ら た住居範囲では、蛍光放電灯が電源を入れ くても弱い強度で発光する現象も観測され いた。上記した観測等は、不思議な放電現 と認識されたが、放電管の発光が弱く、し もその発光は放電灯管の局所領域に限定さ ていたので、実用的には蛍光放電灯管全体 輝度を明るく点灯できないと考え、開発の みの報告は皆無であった。

 本発明者は上記発光が弱い理由を次ぎの に考察した。上記した放電現象では、高周 電源の単極だけが放電灯管に接続されてい ので、高周波電界によるイオン化で発生し 自由電子が印加電界で拡散できるガス空間 局所範囲に局在化され、その局所範囲にの 放電が限定される。前記放電を放電管全域 拡大するには、イオン化による自由電子が ス空間の広い範囲に移動できるようにする 要がある。試行錯誤を繰り返した結果、高 波電源の両端子に細電線を接続し、この2本 の細電線を分離した状態で放電管外壁の異な った2箇所に巻き付ける(接触又は接着だけで よい)と、ガス放電が2巻線箇所の間の放電 内で発生し、2巻線間の全域で発光する現象 発見するに到った。前記2巻線の間隔を拡大 すると発光空間は拡大し、2巻線を放電管の 端に配置すると、放電管の全域で発光する とを発見するに到ったものである。放電管 壁の前記2巻線は放電管の外壁に巻き付けら た外部電極に過ぎず、放電管内で放電ガス 直接接触する内部電極に電圧を印加する必 は全く無い。

 ガラス管に巻き付ける細電線は、裸電線 も被覆電線を使用しても効果は変わらない 高周波電源から引き出した細電線の巻数を やすと、放電による発光強度はやや増加す 傾向を示す。この方式を使用すれば、従来 ように、ガス放電を生起させるために、放 管内に配置された内部電極から放電灯管内 電子を注入する必要は全くない。細電線の 線はコイルであり、コイル状外部電極と称 ることができる。しかも、蛍光放電灯管の 面は殆んど発熱していないことが確認され 高周波電力も従来電力の1/2~1/5に済む。しか も、前記2巻線は、蛍光放電灯管の両端部に 離切断状態で巻回されるだけであるから、 間部には巻線は全く存在せず、蛍光放電灯 のほぼ全外壁面は開放されて細電線が照明 果を邪魔することはない。従来、無電極蛍 放電灯管として、誘導コイルを蛍光放電灯 に巻き付けたり、蛍光放電灯管の近傍に配 したりする点灯方式が見られるが、誘導コ ルが蛍光放電灯管の外周面を邪魔し、誘導 イルの存在による照明効果の低減が課題と っていた。本発明は、この誘導コイル方式 全く放棄し、蛍光放電灯管の中間部を全く 放した状態で、両端部に外部電極を配置し この外部電極間に高周波電圧を印加して、 部電極間に電磁波を発生させ、この電磁波 より放電発光を駆動することに成功したも である。

 本発明者は、他形状の外部電極を検討し 。前記細電線をガラス管に巻いた後、半田 けによりリング状外部電極にした。高周波 源の両端子に細電線を接続してリング状電 を形成し、ガラス管の両端に前記リング状 部電極を外嵌した。リング状外部電極間に 周波電圧を印加すると、蛍光放電灯管の全 発光が観察された。更に、他形状の外部電 として、高周波電源の両端子に接続された 電線の自由端をガラス管の両端の外壁面に 接触させて点状外部電極にした。ガラス管 端の点状外部電極間に高周波電圧を印加す と、蛍光放電灯管の発光が観察された。更 、ガラス管両端の外壁面に銀ペースト膜を 着し、この銀ペースト膜に前記細電線の自 端を埋設させ、乾燥させて銀薄膜の外部電 を形成した。この小面積外部電極間に高周 電圧を印加すると、蛍光放電灯管の発光が 察された。これらの外部電極を使用しても 蛍光放電灯管の表面は殆んど発熱していな ことが確認され、高周波電力も従来電力の1 /2~1/5に済む。以上の実験事実は、コイル状外 部電極、リング状外部電極、点状外部電極、 小面積外部電極に共通した現象である。

 多数本の蛍光放電灯管を同時発光させる 験を行った。10本の蛍光放電灯管の両端を えて並列に平面配置した。高周波電源の両 に接続された2本の細電線を前記蛍光放電灯 の両端にガラス管と直交させて配置した。 ち、1本の細電線が10本の蛍光放電灯管の端 を通過する。細電線とガラス管とは固定せ 、細電線は浮いた状態にある。この状態で 高周波電圧を印加すると、10本の蛍光放電 管が全て発光することが確認された。しか 、消費される高周波電力は、1本の蛍光放電 管でも10本の蛍光放電灯管でも殆んど変化 ないことが確認された。この場合のエネル ー収支は今後、詳細に検討される必要があ が、低電力で多数本を同時発光させる新規 点灯方式であることは間違いない。

 本発明の外部電極による点灯機構について 現段階で、本発明者は次のように考えてい 。ガラス管内には、放電ガスとしてArガス Hg滴が存在する。高周波電圧が外部電極間に 印加されると、外部電極間のガラス管内に電 磁波が発生し、この電磁波によりArガスがイ ン化されてAr + とe - が生成される。外部電極からの電子注入は全 く存在せず、電子は全て放電ガスのイオン化 により調達される。従来蛍光放電灯管におけ る電極からの電子放出とは全く異なる。また 、前記電磁波を水銀滴が吸収すると、Hg滴が 分的に蒸発してHgガスが生成される。外部 極の陽極近傍のガラス管内にはe - が集積して電子供給源となり、陰極近傍のガ ラス管内にはAr + が集積して陽イオン源となる。ガラス管の内 壁面の全面には蛍光膜が形成されている。高 周波電圧によりe - が陽イオン源に向かって加速する過程で、電 子はHg原子と衝突し、Hg原子を励起して水銀 起種であるHg * が生成される。このHg * が基底状態のHgに遷移する過程で紫外線が発 し、この紫外線が蛍光膜を照射して、可視 がガラス管外に放射される。外部電極間の 磁波は効率的にArのイオン化と水銀蒸発に 費され、ガラス管の加熱には消費され難い これがガラス管が加熱され難い理由と考え れ、従来蛍光放電灯管とは全く異なる現象 ある。上述した機構は、現段階では推論で り、今後の詳細な研究により明確になると われる。

 即ち、本発明方式では、放電灯管内に内 電極(陰極電極と陽極電極)を設置する必要 無くなる。内部電極が存在しないから、内 電極から電子は供給されない。ガス放電に 要な電子は放電ガスのイオン化によりガス 間内で調達され、この電子が陽イオン源に かって加速され、陽イオンと会合してガス 間内で閉回路を形成する。従って、この内 放電回路は外部の高周波電源回路とは全く 離して存在し、両回路間での電子移動は完 に遮断され、両回路は独立して存在する。 周波電源の外部電極を接触させるガラス管 外壁2箇所の距離を任意に変化させても放電 必要な電流値は変わらないので、放電灯管 での放電による発光強度も変わらず、放電 離のみが外部電極の電極間距離により任意 変わる。例えば、コイル状外部電極を同一 電灯管外壁で10 cmから100 cmの範囲で任意に 変えても放電管からの輝度は変わらず、放電 長のみが変化する。放電灯管に電気絶縁体粒 子(蛍光体粒子を含む概念)が塗布されていな と、ガス放電は発生しない。放電灯内壁面 電気絶縁体粒子の塗布が必要条件である。

 本発明者は上記した観察結果より、放電 内に放電が容易に起こる適量のアルゴン (A r) ガスと水銀 (Hg) 滴を導入し、放電管両端 部の外壁面に外部電極を配置し、この外部電 極間に高周波電源を接続し、前記放電灯管の 内壁面に蛍光体粒子を適度の厚さで塗布した 構造からなる新規蛍光放電灯管を発明した。 また、前記蛍光体粒子はArガスとHg蒸気の励 で放電する254 nm紫外線で発光する特性を有 、前記外部電極間に高周波電圧を印加して 放電管の内部全域に高輝度発光を実現する 動方法を発明した。蛍光体粒子は良い電気 縁体粒子である。本発明になる蛍光放電灯 は内部電極を使用しないから、放電路から 極電圧降下は完全に消失する。その結果、 発明になる蛍光放電灯管の点灯に要する電 は、従来の内部陰極電極を設置した蛍光放 灯管の電力消費より半減する。消費電力の を半減した高輝度な節電型蛍光放電灯を開 することに成功した。発明した蛍光放電灯 内には、Arガス、水銀蒸気、蛍光膜以外に も含まれていないので、蛍光放電灯の点灯 命を阻害する因子は皆無であり、蛍光放電 は超長寿命(初期輝度を600,000時間以上保持) ある。

 ガラス管外壁に配置する外部電極には、 述したように種々構造の外部電極が採用で 、例えばコイル状外部電極、リング状外部 極、点状外部電極、小面積外部電極などが る。これらの外部電極を細電線から組立る は誤差が大きくなるから、ソケット内に前 外部電極を組み付け、前記ソケットをガラ 管の両端に装着する構成が好ましい。特に 誤差を小さくするには、蛍光放電灯管外壁 導電性薄膜を接着させる方式が良い。それ は以下の方法が採用できる。内部電極を有 ない蛍光放電灯管のガラス管外壁の両端に 適度の幅の薄膜電極を外付すれば、この薄 電極が外部電極になり、極めて簡単な構造 らなる蛍光放電灯管を構成できる。

 前記蛍光放電灯管の作動を説明する。ガラ 管外壁の両外部電極に高周波電源を接続す と、ガラス管外壁の外部電極面に対応する 光膜面にある蛍光体粒子に誘電分極が生起 、誘電分極の電位は電極電位よりも数倍高 。管内の電極周辺のガス原子は外部電極か の高周波によりイオン化する。外部電極が 極なら、高誘電性を有する蛍光体粒子は-+ 誘電分極し、表面の正分極電荷の周辺には オン化により生成した電子が集積して、ガ 放電に必要な電子源が形成される。逆に、 部電極が陰極なら、同じ理由によりその周 には陽イオン源が形成される。ガスの放電 電子源とイオン源間の電子移動で発生する 本発明に係る蛍光放電灯管の構造は非常に 単であり、製造工程を簡略化できるので製 単価が大幅に減少する。更に、本発明にな 蛍光放電灯管内には放電灯管の寿命を阻害 る因子は存在しないので、超長寿命である その結果、寿命の尽きた資源回収サイクル 現在の2年前後を10倍の20年以上と長くし、資 源節約と資源回収に要するエネルギーを節約 し、大気汚染の原因になるCO 2 の発生を減少させる蛍光放電灯管を提供でき る。

 前述のように、陰極電圧降下の消去によ 大幅なエネルギー節減が可能になる。本発 に係る外部電極方式は、地球上で埋蔵資源 少ない高価な混合希土類蛍光体の使用に替 り、資源の豊富なハロリン酸カルシウム蛍 体の使用を管径の大小を問わずに可能とす 。従って、一般照明に使用される蛍光放電 管の蛍光体材料の資源節約を実現できる。

 資源節約だけではない。実用蛍光放電灯 の研究で50余年間、科学的な解析が困難と れた蛍光放電灯の点灯速度を「ミクロなガ 放電の点灯装置」を発明し、蛍光膜全面に 一にミクロなガス放電の点灯装置を配分し 蛍光膜全域が10ミリ秒以下の速度で点灯でき るようにした。PL蛍光体粒子(光発光蛍光体) 表面に負電荷を一般的に有している。他方 CL蛍光体粒子(電子線発光蛍光体)は一般的に 面電荷を有していない。ガラス管内面に塗 された蛍光膜表面のガラス管軸方向に、CL 光体粒子とPL蛍光体粒子を交互に多数分散し て配置させる。電子源からイオン源に向かっ て伝導する電子は、表面電荷の無いCL蛍光体 面を散乱無く走行するが、PL蛍光体に遭遇 るとその表面負電荷により散乱されてガス 間に強制的に曲げられる。曲げられると、Hg 原子と衝突して紫外線を放射する。多数のCL 光体領域が存在すると、多数点で伝導電子 曲げられ、Hg原子との衝突により紫外線放 が起こり、ガラス管の全領域で急速に点灯 ることが可能になる。このような高速点灯 可能な蛍光放電灯管を平面に配列して出来 平面型照明光源の点灯電力は、単独でまた 複数個を集めて眼の残像効果よりも短い時 で順次点灯すると、平面型照明光源の点灯 力は大幅に減少する。上述したように、本 明は使用者の利益になる全面が瞬時に点灯 る新規構造からなる蛍光膜を内蔵した蛍光 電灯管をも提供する。

 上記現象を更に詳細に説明する。従来解 が困難とされた蛍光放電灯管内の放電機構 解明された。巨視的に見た場合、蛍光放電 管のガス放電は陽光柱内のガス原子の発光 起こっているが、本発明者は以下に述べる 視的現象が陽光柱の直径を制御している事 を発見した。陽光柱内でガス原子と非弾性 突した電子は瞬時の間、無作為方向に散乱 る。蛍光膜近傍で発生した散乱電子が従来 蛍光膜に照射されると、蛍光体粒子表面に 面結合電子が形成する。従来の蛍光膜はPL 光体粒子で形成されているため、一般的に 面に負電荷を有している。蛍光膜に接近す 後続の散乱電子は、表面結合電子の負電荷 よるクーロン反発力で陽光柱の中央に押し される。その結果、陽光柱の直径が減少し 発光原子数が減少する。従来の蛍光放電灯 の放電には表面結合電子の弊害が存在し、 光放電灯管の蛍光膜の輝度を規制していた 本発明者は上記した弊害の解決策を発見し 。ガス原子と非弾性衝突した散乱電子の運 エネルギーに相当する低電圧の電子線で発 するCL蛍光体粒子を光発光(PL)蛍光膜上に散 する方法を採用すれば、表面結合電子の形 が無くなり、陽光柱の直径は蛍光膜まで広 る。その理由は前述した通りである。その 果、蛍光放電灯管の光出力が10 %程度増加す る。更に、上記した蛍光膜を使用すると、蛍 光放電灯管の管径による規制がなくなり、管 径が50 mmから1 mmまでにある蛍光放電灯管が 造できる。製造した蛍光放電灯管は消費電 は半減しても、現在市場に出荷されている 管径の蛍光放電灯管よりも10%以上明るく発 する。上述したように、今まで解明が出来 かった放電機構の解明により、蛍光放電灯 の蛍光膜に、今まで誰も考え付かなかった 定のCL蛍光体を適度な割合で蛍光膜全域に 布した新規の蛍光膜からなる蛍光放電灯管 提供する。

蛍光体ハンドブック、蛍光体同学会編、 オーム社(1987) 放電ハンドブック、電気学会編、オーム 社(1998)

 以上詳述したように、従来の蛍光放電灯 には次のような課題が山積している。第1に 、ガラス管内部に内部電極を配置し、この内 部電極から放電空間に電子を放出して放電発 光させているために、内部電極の消耗や電極 成分のガラス管内面へのスパッタリングの問 題が存在する。第2に、内部電極からの電子 出により陰極電圧降下が生起し、投入電力 無駄に消耗させている。第3に、ガス放電の き金となる点灯機構が具体的に解明されて ない。第4に、電子の放電管内における挙動 が不明確である。第5に、蛍光放電灯管の寿 に影響する因子が曖昧なまま放置されてい 。第6に、蛍光膜を構成する蛍光体粒子の物 が未解明である。特に、蛍光膜として、白 発光ハロ燐酸カルシウム蛍光体が使用され とき、次の3種類の問題がある。即ち、第7 、入力電力を増加させると蛍光膜の輝度が 和する。第8に、管径を20 mm 以下に細くす と輝度が著しく低下し、使用できない。第9 、管径を30 mm 以上に太くすると輝度が著 く低下して使用できない。

 従って、本発明の目的は、蛍光放電灯管 作動原理を根底から再検討することにより 陰極電圧降下を無くして省エネルギーに貢 でき、同時に電極の消耗を根本的に解決し 、蛍光放電灯管の省エネルギー化と超寿命 を同時的に達成することである。また、本 明の他の目的は、蛍光放電灯管一本当たり 輝度を格段に向上させて、蛍光放電灯管を 管化しても十分な発光強度を実現すること ある。本発明の更なる目的は、前記細管を 面状に束ねた平面型光源を実現し、この平 型光源をバックライト装置(背面光源)とし 使用する液晶表示装置(LCD表示装置)を提供す ることである。

 本発明は上記課題を解決するためになさ たものであり、本発明の第1の形態は、放電 用媒質を充填したガラス管の両端部の外壁面 に外部電極を配置し、前記外部電極に高周波 電圧を印加して点灯させる蛍光放電灯管であ る。

 本発明の第2の形態は、前記第1形態にお て、前記ガラス管の前記両端部は縮径され 小ガラス管から形成され、前記小ガラス管 外壁面に前記外部電極を配置した蛍光放電 管である。

 本発明の第3の形態は、前記第1又は第2形 において、前記外部電極は前記外壁面に成 された導電膜電極である蛍光放電灯管であ 。

 本発明の第4の形態は、前記第1又は第2形 において、前記外部電極は前記外壁面に形 されたコイル状電極、リング状電極、点状 極又は小面積電極である蛍光放電灯管であ 。

 本発明の第5の形態は、前記第1~第4形態の いずれかにおいて、前記ガラス管の内壁面に 蛍光膜が塗着され、しかも前記外部電極に対 向した位置であって前記ガラス管の前記両端 部の内壁面にも、前記蛍光膜が塗着されてい る蛍光放電灯管である。

 本発明の第6の形態は、前記第5形態にお て、前記蛍光膜の表面において、ガラス管 方向に、PL蛍光体粒子とCL蛍光体粒子が交互 分散配置されている蛍光放電灯管である。

 本発明の第7の形態は、前記第6形態にお て、前記蛍光膜が、ハロ燐酸カルシウム白 発光PL蛍光体粉と電子線照射下で白色発光す るCL蛍光体粉の混合粉から形成される蛍光放 灯管である。

 本発明の第8の形態は、前記第6形態にお て、前記蛍光膜が、希土類PL蛍光体粉とZnOか らなるCL蛍光体粉の混合粉から形成される蛍 放電灯管である。

 本発明の第9の形態は、前記第1~第8形態の いずれかにおいて、前記高周波電圧がパルス 高周波電圧である蛍光放電灯管である。

 本発明の第10の形態は、前記第1~第8形態 いずれかの蛍光放電灯管の複数本を平面状 配列して平面状蛍光放電灯管群を形成し、 記平面状蛍光放電灯管群から放射される可 光を拡散する光拡散板を設けた平面型光源 ある。

 本発明の第11の形態は、前記第1~第8形態 いずれかで且つ内直径が5mm以下に調整され 蛍光放電灯管の複数本を平面状に配列して 面状蛍光放電灯管群を形成し、前記蛍光放 灯管を線順次に放電点火して消費電力を減 させる平面型光源である。

 本発明の第12の形態は、前記第10又は11形 の平面型光源を背面光源として使用する液 表示装置である。

 本発明の第1の形態によれば、放電用媒質を 充填したガラス管の両端部の外壁面に外部電 極を配置し、前記外部電極間に高周波電圧を 印加するから、放電用媒質が高周波電圧でイ オン化されて電子と陽イオンが生成される。 前記電子は外部電極から注入されず、ガラス 管内の放電用媒質から生成されるものであり 、ガラス管外の外部回路とガラス管内の内部 回路とが電子的に完全に遮断された独立回路 となる。電子が外部回路から供給されないか ら、陰極電圧降下は生じず、電力の無駄な消 耗が無くなり、低電力節電型の蛍光放電灯管 を提供できる。ガラス管内に内部電極が無い から、金属電極の消耗やガラス管内壁面への 金属スパッタリングが無くなり、超長寿命化 を達成できる。前記放電用媒質とは、例えば ArガスとHg滴(加熱によりHg蒸気)である。
 本発明の高周波電圧とは、Ar等の放電用媒 を効率的に電離又は励起させることができ 電圧を意味しており、その振幅・周期・波 は通常の電子工学的定義に特段に限定され ものではないことは云うまでもない。高周 電圧の印加によりArはイオン化されてAr + とe - に電離する。電子e - は外部電極の陽極近傍のガラス管内に集積し て電子源となり、陽イオン(Ar + )は外部電極の陰極近傍のガラス管内に集積 て陽イオン源(単にイオン源とも呼ぶ)となる 。前記電子源から供給される電子が高周波電 圧により陽イオン源へ進行し、その途中でHg 子を非弾性衝突により励起し、その基底遷 により放出される紫外線により蛍光膜から 視光が外部に放射される。衝突電子は陽イ ン源の陽イオン(Ar + )と結合して中性の放電用媒質に戻る。従っ 、放電用媒質はイオン化と再結合を反復す だけであり、放電用媒質の消耗は全く無く 蛍光放電灯管の超寿命化を実現できる。
 本発明の外部電極型蛍光放電灯管は、外部 流が内部回路に供給されないから、外部消 電力は極限まで低減され、バッテリー電源 必要とする過疎部・山間部などでもバッテ ー駆動による放電灯管の使用が可能になる 期的な放電灯管を提供できる。しかも、前 陰極電圧降下がないから、従来観察されて た電極近傍の明暗の縞状模様が無くなり、 極近傍も全体的に明るく発光して照度の向 を図ることができる。
 また、従来から、蛍光放電灯管の両端が黒 み、発光がオンオフに点滅し始めると、蛍 放電灯管の寿命が消尽したとして、蛍光放 灯管を廃棄するのが常であった。しかし、 の廃棄される蛍光放電灯管でも、内部に封 されたArガスやHgなどの放電用媒質は全く異 常が見られないことが多い。本発明では、放 電用媒質に異常がない廃棄された蛍光放電灯 管でも、ガラス管の両端部の外壁面に外部電 極を配置して、前記外部電極間に高周波電圧 を印加するだけで、新品の蛍光放電灯管と同 程度に発光させる事が可能になり、放電蛍光 灯管のリサイクルを可能にすることができる 。

 本発明の第2の形態によれば、前記ガラス 管の前記両端部である縮径された小ガラス管 の外壁面に前記外部電極を配置できるから、 外部電極の取付の容易性と点灯電力の一層の 低減化が可能になる利点がある。小ガラス管 の直径はガラス管の直径よりかなり小さくで きるから、小ガラス管の外壁面に配置される 外部電極の面積は一層に小さくなる。小ガラ ス管の内壁面には蛍光膜を塗着するから、外 部電極の面積に対応した蛍光膜面積も小ガラ ス管では同様に小さくなる。この小面積化に 応じて、高周波電源回路に流れる高周波電流 も小さくなる。蛍光放電灯管の場合、消費電 力は高周波電源回路に流れる高周波電流と外 部電極に印加する実行電圧の積で評価される 。この評価は外部回路の消費電力であり、蛍 光放電管内で放電に関与する電力とは無関係 である。従って、高周波電流が小さくなれば 、点灯消費電力を低減化できることは明白で ある。

 本発明の第3の形態によれば、前記外部電 極が前記外壁面に成膜された導電膜電極であ るから、導電膜の形成容易性により電極製造 工程が単純化され、蛍光放電灯管の製造コス トを低減することができる。導電膜としては 、電極ペースト膜、物理蒸着膜、化学蒸着膜 、メッキ膜、その他の成膜方法による導電膜 が使用される。物理蒸着膜としては、真空蒸 着膜、スパッタリング膜、イオンプレーティ ング膜などがある。化学蒸着膜としては、CVD 膜、熱CVD膜、その他の化学導電膜がある。メ ッキ膜としては、電解メッキ膜、無電解メッ キ膜が利用できる。電極ペースト膜を具体的 に説明すれば、ガラス管又は小ガラス管の外 壁面に、Agペースト等の電極ペーストを所定 状に塗着し、電気炉中で焼成すれば、有機 が気散して金属分が導電膜として形成され 。前記導電膜は半田で形成してもよく、製 の容易さとコスト低減が実現できる。

 本発明の第4の形態によれば、前記外部電 極が、ガラス管又は小ガラス管の外壁面にコ イル状電極、リング状電極、点状電極又は小 面積電極を配置するだけで構成でき、電極構 造の多様化と電極構造の簡単化が実現できる 利点がある。コイル状電極は細電線をガラス 管の外周面に巻回したもので、発光強度はコ イルの巻数に多少依存するが、巻数を増やす と巻数依存性が無くなる傾向にある。リング 状電極は、ガラス管の外周面に金属リングを 外嵌した構造で、前記コイル状電極の先端自 由端を細電線に接触固定させた構造を含む。 前記コイル状電極やリング状電極は細電線か ら形成してもよいが、導電膜で形成してもよ いことは言うまでもない。点状電極はガラス 管に細電線を接触させて構成しても良いし、 ガラス管外壁面に導電膜を点状に成膜しても 良い。小面積電極はガラス管外壁面に導電膜 で形成すれば簡単に構成できるが、金属板を 配置しても良いし、細電線を平面状に多重巻 回して形成しても簡単に構成できる。

 本発明の第5の形態によれば、前記ガラス 管の内壁面に蛍光膜を塗着し、この蛍光膜を 連続して前記外部電極に対向した位置まで塗 着するから、電子源と陽イオン源を外部電極 位置の蛍光膜上に形成でき、外部電極間の全 域から放電発光させることが可能になる。蛍 光体は誘電体であり、陽極外部電極に対応す る蛍光体は-+に分極し、蛍光体表面に電子源 形成される。また、陰極外部電極に対応す 蛍光体は+-に分極し、蛍光体表面に陽イオ 源が形成される。この電子源と陽イオン源 間に内部放電回路が構成される。外部電極 ガラス管又は小ガラス管の両端位置に配置 れば、放電管の全領域から発光させること でき、従来の蛍光放電管灯と比較してガラ 管全領域発光が可能になり、かなり明るい 光灯を実現できる。

 本発明の第6の形態によれば、前記蛍光膜 の表面において、ガラス管軸方向に、PL蛍光 粒子とCL蛍光体粒子を交互に分散配置する ら、急速点灯とガラス管の全領域発光を可 にした蛍光放電灯管を実現できる。負電荷 持った蛍光体粒子として、光発光蛍光体(PL 光体)が存在する。光発光蛍光体の粒子内部 存在する不純物には電子がトラップされて り、このトラップされた電子に起因して内 持続分極 (PIP)が形成され、内部持続分極の 電子が蛍光膜表面に出現して前記負電荷を構 成する。前記電子源から取り出された電子を CL蛍光膜表面の表面伝導により加速し、前記 速電子の軌道を蛍光膜上の負電荷を持ったP L蛍光体粒子によりガス空間に曲げ、蛍光放 灯管のガスを瞬時に点灯放電させる蛍光放 灯管が実現できる。従って、加速電子を曲 たい位置に光発光蛍光体を配置しておけば その位置の光発光蛍光体の負電荷が、前記 速電子に対し曲げ作用を行う。蛍光体の選 により、前記負電荷の大小を可変調整でき これにより蛍光膜上の表面伝導電子と放電 スとの衝突を加速して、放電空間内の急速 灯を実現でき、蛍光放電灯管に従来から存 した遅延点灯を無くすことができる。

 負電荷を持たない蛍光体粒子には、電子 発光蛍光体(CL蛍光体)が含まれる。特に、低 電圧電子線発光蛍光体は表面汚染が少なく、 負電荷に帯電しない性質を有し、チャージア ップしない特性を有する。前記蛍光膜の表面 に負電荷を持たない蛍光体粒子(CL蛍光体)と 電荷を持った蛍光体粒子(PL蛍光体)を交互に 置させて、前記蛍光膜表面の複数箇所で前 加速電子を前記負電荷を有した蛍光体粒子 より、電子をガス空間側に曲げる急速点灯 全面発光する高効率な蛍光放電灯管が提供 れる。本形態では、負電荷を持たない蛍光 領域ではクーロン反発力が発生しないから 蛍光膜を表面伝導する電子は加速される。 方、負電荷を持つ蛍光体領域では、加速電 はクーロン反発力により放電空間に曲げら 、放電ガスを強制的に放電させ、放電灯管 急速点灯する。しかも、本形態では、多数 負電荷領域が電子の表面伝導方向に点在す から、放電灯管の多数領域で放電が生起し 放電灯管の全体が明るく発光することがで る。換言すると、前記負電荷性蛍光体粒子 蛍光膜上に加速電子の進行方向に沿って多 点在させると、加速電子と負電荷とのクー ン反発力により、多数の負電荷位置にて加 電子が放電空間中に強制的に曲げられ、加 電子と放電ガスとの多領域における全空間 突により放電空間全領域での放電が生起し 急速点灯と全空間点灯が同時達成できる放 灯管を実現できる。

 本発明の第7の形態によれば、前記蛍光膜 を、ハロ燐酸カルシウム白色発光PL蛍光体粉 電子線照射下で白色発光するCL蛍光体粉の 合粉から形成するから、蛍光放電灯管の製 コストを低減できる効果がある。即ち、ハ 燐酸カルシウム白色発光PL蛍光体はクラーク 数が低い希少な希土類元素を用いないから、 蛍光体コスト低減できる。しかも、表面に負 電荷を有するハロ燐酸カルシウム白色発光PL 光体粉と表面に負電荷を有さないCL蛍光体 の混合粉から蛍光膜を形成すると、必然的 ガラス管軸方向の蛍光膜表面にPL蛍光体粒子 とCL蛍光体粒子が交互に無数に分散して存在 ることになる。無数のPL蛍光体粒子の位置 その負電荷により伝導電子が曲げられて発 し、その領域は蛍光膜の全面であるから、 速点灯と全面発光が可能になる。

 本発明の第8の形態によれば、前記蛍光膜 を、希土類PL蛍光体粉とZnOからなるCL蛍光体 の混合粉から形成するから、希土類蛍光膜 使用した蛍光放電灯管の製造コストを低減 きる効果がある。希土類PL蛍光体粉は表面に 負電荷を有する高性能のPL蛍光体粉であるが 近年の希土類元素物質の高騰により、希土 蛍光膜を使用した蛍光放電灯管の製造コス は上昇しつつある。そこで、本形態では、C L蛍光体粉として、価格が比較的に安くて安 したCL蛍光体であるZnO蛍光体を使用して、混 合蛍光体粉の製造コストを低減させることを 企図している。特に、ZnO蛍光体は紫外線によ り励起されてから発光するまでの減衰時定数 が極めて短いから高速発光が可能であり、30 V以下の低電圧でも明るいCLを発光する特性 有する。しかも、表面に負電荷を有する希 類PL蛍光体粉と表面に負電荷を有さないZnO蛍 光体粉の混合粉から蛍光膜を形成すると、必 然的にガラス管軸方向の蛍光膜表面にPL蛍光 粒子とCL蛍光体粒子が交互に無数に分散し 存在することになる。無数のPL蛍光体粒子の 位置でその負電荷により伝導電子が曲げられ て発光し、その領域は蛍光膜の全面であるか ら、急速点灯と全面発光が可能になる。

 本発明の第9の形態によれば、高周波電圧 としてパルス高周波電圧を用いて放電駆動す るから、確実な急速点灯と全面発光を実現す ることができる。現在の電子回路技術により パルス高周波の波形は自在に設計することが 可能である。パルス高周波の波高値により放 電ガスの温度制御が可能である。好適には、 1パルスは高電圧尖端パルスと中電圧矩形パ スから構成される。高電圧尖端パルスによ ガス原子を瞬間的にイオン化し、中電圧矩 パルスにより電子を加速する。このパルス 反復することにより、イオン化と電子加速 連続的に行い、急速点灯と全面発光を安定 且つ持続的に実現することが可能になる。

 本発明の第10の形態によれば、本発明に る前記蛍光放電灯管の複数本を平面状に配 して平面状蛍光放電灯管群を形成し、前記 面状蛍光放電灯管群から放射される可視光 拡散する光拡散板を設けた平面型光源が提 される。本発明に係る蛍光放電灯管は、殆 ど発熱しない節電型蛍光灯であり、電極損 やガス損耗が無いから超長寿命型蛍光灯で り、高輝度・急速点灯・全面発光の高特性 有した蛍光灯である。このような高特性を する多数の蛍光放電灯管を並列させて平面 蛍光放電灯管群を構成し、光拡散板を設け 可視光を拡散するように構成すれば、良好 平面型光源を提供することができる。多数 、例えば5本の蛍光放電灯管を並列発光させ 駆動電力は、1本当たりの駆動電力より多少 増加するだけで、2倍にも達しないことが実 的に確認されている。即ち、並列配置した 面状蛍光放電灯管群の左右両端縁の上方に2 の細電線を配置して高周波電圧を印加する 合に、その本数を次第に増加させながら全 数を発光させても、外部電源から供給され 高周波駆動電圧は同一でも高周波駆動電流 多少増加するだけで、本数に比例するほど は変化しないことが、本発明者により実験 に確認されている。この実験的事実は蛍光 電灯管の分野において画期的なことである これらの関係は、今後の研究によりより詳 に明らかにされるであろう。

 本発明の第11の形態によれば、内直径が5mm 下に調整された前記蛍光放電灯管の複数本 平面状に配列して平面状蛍光放電灯管群を 成し、前記蛍光放電灯管を線順次に放電点 して消費電力を減少させる平面型光源が提 される。内直径が5mm以下の細型蛍光放電灯 であるから、多数の細型蛍光放電灯管を平 状に組立てることができる。
 平面状蛍光放電灯管群を形成する点の構成 作用・効果については、本形態と第10形態 は同様であるから、本形態の作用効果の詳 は省略する。以下には異なる点を説明する 本形態の特徴点は、蛍光放電灯管を線順次 放電点火して消費電力を減少させる点であ 。第10形態では、多数本の蛍光放電灯管を同 時点灯させる場合について説明したが、同時 点灯しても1本点灯の消費電力より多少増加 る程度に過ぎないことを述べた。しかし、 数本を1本ずつ線順次に点灯させる場合には 常時1本しか点灯しないのであるから、1本 点灯電力しか消費されないことは明らかで り、多数本の同時点灯よりも確実に消費電 を低減させることができることは言うまで 無い。1本点灯を移動させながら反復できる は、本発明の蛍光放電灯管が急速点灯を可 にしているからである。また、1本の蛍光放 電灯管が全面発光且つ高輝度発光するので、 1本だけ発光させていても十分な照度を与え ことができる。急速点灯性により、前記点 の移動速度を増大させても、観察者は全本 点灯していると錯覚し、平面型光源として 効である。

 本発明の第12の形態によれば、前記平面 光源を背面光源(背面照明光源)として使用す る液晶表示装置が提供できる。液晶表示装置 は必ず背面光源を必要とするが、本発明に係 る平面型光源を背面光源として利用すれば、 良好な液晶表示装置を実現できる。本発明に よれば、内直径が1mmの蛍光放電灯管も製造で きるので、バッテリー駆動で稼動するノート ブック型PCやそれよりもサイズが小さい携帯 器の液晶表示装置(LCD表示装置)に利用でき 。本発明になる蛍光放電灯管が瞬間点灯(急 点灯)、高輝度、低消費電力、長寿命、超薄 型の利点を有し、これらの特徴を効果的に発 揮できるからである。

[本発明の更なる詳細説明]
 蛍光放電灯管の放電に現れ、省電効果の最 大きな陰極電圧降下を除去する問題を最も 本から考える。本発明者の研究によれば、 来の陰極を使用した蛍光放電灯管に現れる 極電圧降下の現象は次の原因により引き起 されることが分かった。

 現在の固体物理では次の事実を示す。陰 が電子をガス空間に放出すると、正孔(電子 の抜け穴)が陰極表面に必ず残る。正孔は電 からの電子により埋められるが、正孔の発 時から電子が正孔を埋めるまでの間に時間 がある。統計的には、陰極表面層に常に決 られた量の正孔が存在する。この正孔の正 界はガス空間に広がり、ガス空間にある自 電子を引き寄せる。引き寄せられた自由電 は陰極に突入できず、陰極表面層の正孔と ス空間で静電結合し、陰極表面層の直上(約5  μm)に留まる。陰極表面に留まり、強固に陰 極表面で結合した電子を表面結合電子(SBE, su rface-bound-electron)または空間電子雲あるいは単 に電子雲と呼ぶ。陰極表面の電子雲の存在は 1900年代初期の真空管の研究で既に検出され 良く知られていた。現在、最先端半導体素 は、固体接合界面に生ずるSBEを利用して成 している。SBEの取り扱いは最先端科学技術 知識を必要とし、最先端技術になる製品を み出す。蛍光放電灯管の研究では、理由は からないがSBEの存在は無視されていた。陰 電圧降下の現象はこの無視されたSBEに起因 て発生する。

 陰極表面を必然的に覆う表面結合電子SBEの 界強度は計測できる。負電荷の電界強度は1 00 V/5 μm = 2 x 10 V/cmである。SBEは強い負電界 (2 x 10 V/cm)で陰極を静電遮蔽している。静電遮蔽さ た陰極から電子をガス空間に引き出すには 陰極と陽極間に印加している一方向の電場 、電界の大きさは2 x 10 V/cm以上が必要になる。引き出された電子は 速運動エネルギー(2 x 10 V/cm以上)を持つ。引き出された電子は電界に って一方向に進み、ガス放電を起すと考え いた。一方向に進む電子がガス原子と衝突 る確率は、ガス濃度と管長から計算できる その値は管長 (1 m) 当たり0.001ガス原子で る。これは1000 mの電子移動で1個のガス原 に遭遇する確率で非常に小さい。ガス放電 現実問題の解を求める時、一方向に進む電 の考えは無効である。計算の詳細を以下に す。

 電子の直径は5.6 x10 -13  cmであるので断面積は5 x 10 -23  cm 2 、管長を100 cmとすると、一方向に進む電子 占有体積は 5 x 10 -21  cm 3 となる。蛍光放電灯管内に含まれるArガス原 数を計算する。蛍光放電灯管の直径は3 cm あるので、管の断面積は14 cm 2 、管の体積は1.4 x 10 3  cm 3 である。1気圧にある1モルのガスの体積は22.4  x 10 3  cm 3 。蛍光放電灯管に封入するArガス圧は7mm Hg  あるのでAr ガス圧は約0.01 (= 7/760) 気圧に なる。管中のArガスのモル数は 6 x 10 -4 モル (=1x 10 -2  x 1.4 x 10 3 cm 3 /22.4 x 10 3 )である。1モルのガス原子数はアボガドロ数 (6 x 10 23 / mole) で与えられるので、管中には3.6 x 10 20  (6 x 10 -4  x 6 x 10 23 ) Arガス 原子が存在する。一方向に進む電 の占有体積は 5 x 10 -21  cm 3 であるので、その中に含まれるガス原子数は (5 x 10 -21 /1.4 x 10 3 )x 3.6 x 10 20  = 0.001となる。一方向に進む電子がArガス原 と遭遇する1m当たりの確率は 0.001 である。 上記計算は、蛍光放電灯管中で放電に寄与す る電子は、従来考えていたように「陰極―陽 極間の電界で加速され、一方向に進む電子」 では有り得ないことを示す。この結論は、蛍 光放電灯管内のガス放電を論ずる上で大切な 結論である。

 蛍光放電灯管のガス空間を移動する電子 、負電荷と運動エネルギーの両方の性質を ち合わせ、陰極ー陽極間の電位勾配ではな 、蛍光放電灯管に印加している高周波電界 影響を受けて移動する。蛍光放電管中の電 移動に例外は無い。陽極により陰極から引 出された電子が陰極ー陽極間の電界により 動すると考えると、その電子は放電管中で ス原子と遭遇する機会は無く、放電は起こ ない。ガス原子と遭遇するには、陰極から き出された電子は、印加している高周波電 からの作用を受け、電子軌道を変更しなけ ばならない。電子軌道を変更した電子はガ 原子と遭遇する。運動エネルギーを持った 子がガス原子と遭遇した時、何が起こるか 、陰極電圧降下を論ずる前に理解すること 必要である。

 電子の持つ負電荷に着目すると、ガス空 を移動する電子は、電子を充満した電子殻 持ったガス原子に接近しても、最外殻電子 負電界で強いクーロン反発を受け、ガス原 中には入れず、非弾性衝突のみが許容であ 。非弾性衝突した電子は消えず、ガス空間 残る。ガス空間に残った電子は、次の高周 電界の波により再度加速され、他のガス原 と非弾性衝突する。この繰り返しにより電 は陽極に至り、陽極が電子を捕集する。陰 から放出された電子数と陽極で捕集された 子数が一致する理由である。この計測事実 、放電路中で電子の雪崩現象があるとする 来の仮説を否定する。又、放電中に加速電 がガス原子と衝突して二次電子を放出し、 の二次電子がガス放電に関与する仮説も否 する。電子源から取り出した電子は、ガス 子と非弾性衝突し、非弾性衝突した電子が り返し使用される。繰り返し使用する電子 最適化条件の検討が大切であったが検討さ なかった。

 非弾性衝突を受けた側のガス原子に着目 ると、非弾性衝突時の衝突電子の運動エネ ギーに依存し、ガス原子のイオン化(自由電 子と自由陽イオンをガス空間に作る)、ガス 子の励起(ガス原子の電子を発光状態にする) 、単なる非弾性衝突の3種類がガス原子に起 る。励起されたガス原子のみが発光する。 オン化にはエントロピーの変化により発熱 伴う。自由電子と自由イオンの直接再結合 は、陽イオンが原子に復帰するだけで、発 は見られず、熱の吸収が起こる。ガス原子 からの要求は、非弾性衝突する電子は、主 ガス原子を励起する運動エネルギーを持つ とである。もう1つの要求はガスの保温で、 オン化で発生する熱を利用し、Hgが最適蒸 圧で蒸発するに必要な温度(40 ℃)にガスを 温することである。

 蛍光放電灯管の電極に印加する高周波が 記要求条件を満たすとき、蛍光放電灯管中 ガス原子の状態を最大化できる。それには 周波の一波長間の波形を最大化すると良い 蛍光放電灯はサイン波形の高周波の印加で 高輝度に発光するが、より効率良くガス原 を発光させるには、Hgガス温度を規制する オン化電圧とガス原子を励起する電圧とか なる変形パルス波形の印加が最適である。 発明は最適化したパルス波形の高周波で点 する蛍光放電灯管の提供もする。

 現在市販している細管のCCFLと20 mm以下の HCFLは経験則で見つけた周波数が30kHzから50 kH z、波高値が 2 kV以上のサイン波による高周 を電極に印加している。周波数は電子の平 自由工程と関係し、Arガス圧を電子の平均 由工程に調節する。CCFLの場合、Arガスは70 m mHgになる。波高値は共鳴電子の運動エネルギ ーと関係する。50 kHz印加の場合、平均自由 程は0.2 μmである。1蛍光体粒子の大きさは 均2μmから4μmであるので、1蛍光体粒子表面 10から20波の高周波が到達する。高周波の各 で蛍光体粒子表面に到達する電子は高周波 加速した電子と散乱電子がある。蛍光体粒 表面には運動エネルギーを持った電子が多 回到達し、多数の電子が蛍光体粒子内に突 する。PL蛍光体粒子は内部持続分極 (PIP)を っているので、放電の初期に蛍光膜に接近 る加速電子は、PIPのクーロン反発で蛍光体 子に接近できない。放電灯内で発光したUV より蛍光膜が発光すると、PL蛍光体粒子のPIP 電荷は消えるので、放電路の電子は蛍光体粒 子に突入できる。突入した電子は多数の二次 電子を蛍光体粒子表面から放出する。放出し た二次電子と蛍光体粒子内の正孔との間でSBE が形成され、蛍光体粒子はSBEの強い負電荷で 遮蔽される。SBEは蛍光体に光が照射されても 消えない。蛍光体粒子上のSBEの存在は、陽光 柱と蛍光膜の間隙を決定する重要因子となる 。本発明は電子の突入で出来るSBEを可能な限 り消去し、陽光柱と蛍光膜との間隙を最小限 にする蛍光膜を提供する蛍光放電灯である。

 以上の知識を基にして最大課題である陰極 下電圧を検討する。陽極により陰極から電 を取り出すと、取り出した直後の電子は非 に大きな運動エネルギー (10 6  V/cm以上)を持ち、一方向に進む。この高運 エネルギーを持った電子の動きは高周波電 の影響を受け、進行方向を僅かに変える。 行方向を変えた高運動エネルギーを持った 子は、熱振動しているガス原子と非弾性衝 する機会を持ち、ガス原子をイオン化する エントロピー変化による発熱を伴う。非弾 衝突した電子は僅かに運動エネルギーを失 、電子軌道も管軸方向から僅かに変位した 向をとる。非弾性衝突した電子は高周波電 の影響を再び受け、更に方向を変更し、他 ガス原子と非弾性衝突する機会を持ち、ガ 原子のイオン化により、更に運動エネルギ を失い、進行方向を僅かに変更するが、管 方向に進む。陰極から取り出した高エネル ー電子は、非弾性衝突による電子軌道の散 と高周波電界による作用を繰り返し受けな ら減速して行く。繰り返しは減速電子が高 波と同期できるエネルギーに減少する(Arの オン化エネルギー15.7 eV以下)まで継続する 継続する陰極からの距離はガス圧により変 るが、ガス圧を変えても陰極電圧降下は存 する。高周波電界により完全に制御された 子は、高周波と共鳴し陽極に向かって進む 高周波に共鳴した電子はガス原子と非弾性 突を繰り返し、安定した陽光柱放電を形成 る。

 陽光柱放電を巨視的に見た時、電子の挙 は高周波同期で説明できる。統計学の平均 で考えると、陽光柱内の電子の平均自由工 は、Paschenの実験曲線で最低値の (pd) で求 られる。求めた電子の平均自由工程は高周 の波長と一致する。微視的に電子の挙動を ると、ガス原子と非弾性衝突して散乱した 子軌道は、暫し間、無作為な方向を取る。 に蛍光膜の近辺でガス原子と非弾性衝突し 電子は、蛍光膜上の蛍光体粒子に突入する 会を持つ。蛍光体粒子に突入できる電子の 動エネルギーは15 eVよりも高く20 eVの範囲 ある。電子が突入した蛍光体粒子は、低速 子線を照射したCL蛍光膜と同じで、CL蛍光体 粒子の特有な特性を示す。多くの蛍光体では 蛍光体粒子の特性により陽光柱と蛍光膜の間 に陽光柱からの電子が入れない間隙ができる 。この間隙は、蛍光体粒子上に出来るSBEと密 接な関係を持つ。

 上述したように、蛍光放電灯管の基本から 解すると、陰極電圧降下の機構が明確に理 できる。陰極電極を採用するからと、過去 研究者と同じ実験条件になり、陰極電圧降 の原因は解析できない。本発明者は後に述 る運動エネルギーがゼロに近い電子源を使 した実験から「陰極から取り出した電子の 運動エネルギーが緩和され、高周波と同期 きる水準に減衰するまでの距離が、陰極電 降下の領域である。」と明言する。陰極電 降下の領域での主現象はエントロピーの変 で発熱を伴うガス原子のイオン化である。 ス空間温度が上昇し、放電管端のガラス管 の温度が高くなる。陰極電圧降下の領域で 、ガス原子はイオン化により電子と陽イオ が相互に作用できない距離に離れ、自由電 と自由陽イオンがガス空間に出来る。陽イ ンの質量は電子の質量の10 3 倍である。高周波電界により陽イオンの移動 方向は電子と逆方向であり、自由電子と自由 陽イオンは高周波電界の電場でより遠く離さ れ、電荷の密度分布が幾つか出来る。これら の電荷の密度分布は陰極からの距離により変 わる。この理由で陰極電圧降下の領域内では 自由電子、自由陽イオン、一次電子が複雑な 偏在分布で存在する。分布が一様でないので 、陰極面に平行に陰極表面から6種類の弱い 光縞が観測される。陰極電圧降下は不規則 上記分布範囲に起る。陰極電圧降下の主原 は陰極電極表面に形成するSBEであり、電荷 偏在分布が存在する放電路には原因が無い 又、陰極表面に形成するSBE量は、陰極に印 する周波数に無関係である。電荷の偏在分 は原因により誘起された現象であり、陰極 面のSBEを消去すれば全て消える。陰極電圧 下を蛍光放電灯管の点灯から完全に消すに 、SBEを形成しない電子源を蛍光放電灯管内 作れば良い。

 以上に詳述した現象を検討した結果、本 明者は、「蛍光放電灯管中には管内壁面に 布された蛍光膜と、放電に必要なアルゴンA rガスと水銀Hgのみを含有し、その他の部品材 料が全然含まれない蛍光放電灯管に外付けの 電極構造からなる単純構造を持った蛍光放電 灯管」を開発した。放電に必要な電源を構成 する電子源と陽イオン源は、次の手段により 得る。金属電極を内装しない蛍光放電灯管を 作る。蛍光放電灯管の両端の狭い範囲の外壁 の一部面積または外壁全周にAgペースト等の 導体膜を適切な厚さで塗布し、外壁の電導 膜を外付き電極とする。両端の電極に周波 が20 kHzから70 kHzにあり、波高値が1 kVから 20 kVにある高周波電圧を印加すると電導体直 下のガラス内壁面に塗布された蛍光体粒子が 誘電分極する。誘電分極した蛍光体粒子上に 電子雲と陽イオン雲がそれぞれ瞬間に形成す る。これ等の電子雲と陽イオン雲は、蛍光放 電灯管内のガス放電の内部電源となる。外付 け電極に対応する内部管壁に蛍光体膜が塗布 されていないと、電子雲と陽イオン雲は管内 に形成しない。蛍光膜の存在が必要条件であ る。蛍光膜を構成する個々の蛍光体粒子は電 気絶縁体であるので、外付け電極に対応する 内部管壁に電気絶縁体粒子による膜が必要条 件と言い換えても良い。高周波電界にある電 子雲の形成は電子の世界では長いが、高周波 の次の波で遊離するので、電子雲からから取 り出した電子の運動エネルギーはゼロに近く 、高周波と同期する。同期した電子は蛍光膜 の表面電導から始まり、ガス空間のガス原子 を放電させる点火装置の働きを経て放電灯管 内を高周波と同期して移動し、陽イオン雲に 到達するまでの間で放電を起す。電子が陽イ オン雲に到達すると陽イオンと再結合してガ ス原子に復帰する。蛍光放電灯管内のガス放 電に外部からガス空間に電子を直接注入する 必要もなく、また内部に付けた陽極で電子を 捕集する必要もない。高周波電界の中にある 電子雲から取り出す電子の運動エネルギーは ゼロに近く、ガス点灯で電力を無駄に浪費し ていた陰極電圧降下は放電路から完全に消え る。その結果、陰極電極を使用した従来の蛍 光放電灯管の点灯で費やしていた陰極電圧降 下の電力40 % を消去した本発明になる蛍光 電灯管が得られる。

 それだけではない。放電に必要な電子流 大きさは最大0.1 mAと極度に低減できる。更 に、蛍光放電灯管に塗布された蛍光膜中の蛍 光体発光中心は40℃で非常に安定であるので 蛍光放電灯管中には放電灯管の寿命を阻害 る因子は存在せず、蛍光放電灯管の寿命は 度に長くなり、蛍光放電灯管の製造工程で ガス工程が十分である場合、蛍光体粒子表 に有機残留ガスが吸着しないので初期輝度 600,000時間以上も保持する。更に、蛍光放電 灯管の点灯に要する時間は、蛍光膜の特性を 変更することにより変り、従来の蛍光放電灯 の秒単位の点灯速度を大幅に改善し、1/100の1 0ミリ秒前後で蛍光膜全面が瞬時に点灯する これは本発明者が開発したガス点灯のミク な点火装置が蛍光膜全面に均一に分散して り、ガス点灯の点火装置がほぼ同時に働く らである。瞬時点灯の差は眼で認知できな が、LCDを初めとする産業用機器に使用する 光放電灯管では効果は歴然となり、産業用 器用照明光源の新たな使用形態が発生する

 例えば、LCDバックライトに適用するとき 複数本のCCFL蛍光放電灯管をある間隔を置い て配列する。配列した蛍光放電灯管を単独、 又は数本を束ね、眼の残像効果が働く周期内 で線順次に点灯が出来る。線順次点灯すると LCDスクリーン上に映す画像には面輝度のふら つきは見られず、大きな画質の改善が出来る 。同時に大きな省電にも連係する。線順次で 点灯するバックライトの電力は、全面を光ら せた場合の電力より、画面を線順次する分割 数に逆比例する。線順次の分割数が10分割で るならば十分の一、20分割であるならば二 分の一に減少する。電力の減少した分の全 または一部に相当する電力量を蛍光放電灯 数の増加で埋めることが許される。LCDのス リーン輝度は蛍光放電灯管数の増加数に比 して増加するので、高輝度なLCDスクリーン 得られる。従来のCCFLでは点灯速度は秒単位 あるので、CCFLを線順次に点灯することは不 可能で、バックライトは常時全面を光らせる 。線順次点灯を採用すると、スクリーン上の 画質の改善だけでなく大きな省電が実現し、 その効果は歴然である。

 上述したように、蛍光放電灯管の点灯特 は今まで検討されなかった蛍光膜の特性で きく変わる。電子供給源だけでは解決でき い問題である。そこで本発明者は、使用す 蛍光体の特性を基本から理解する一手段と てハロ燐酸カルシウム蛍光体と希土類混合 光体との差がどこに有るかを調べた。この 査は本発明になる蛍光放電灯管の蛍光膜を 解する重要な要素である。詳細を以下に記 。

 ハロ燐酸カルシウム蛍光体を電子線照射 に置くと白色に発光せず、弱い黄色に発光 、発光強度は極度に低く実用にならない。 光放電灯管の点灯で励起水銀 (Hg) 蒸気か 発する254 nm紫外線の照射下でのみ白色に明 く発光する。更にハロ燐酸カルシウム蛍光 は、入力を増加すると発光強度が飽和する 従来、発光強度の飽和を蛍光体粒子内の発 中心数の飽和に帰していた。そこで、発光 関与する蛍光体粒子内の発光中心を計算す 。蛍光膜の単位面積当たりで発光に関与す 蛍光体粒子数を実験的に決めると、関与す 蛍光体粒子の全体積が計算できる。蛍光体 子内の発光中心の濃度はモル比で与えられ ので、発光中心の数が計算できる。一方、 光膜に照射している紫外線の光子数は実測 きる。計算による発光中心数は蛍光体に照 する紫外線光子の10 倍以上で、蛍光放電灯 管内の蛍光膜の発光中心数は飽和から程遠い 。実験室で蛍光放電灯管内の蛍光膜に照射し ている紫外線強度と同じ紫外線光源を幾つか 用意し、紫外線光源を重複させて蛍光膜から の発光強度を紫外線強度の関数で調べる。蛍 光膜に照射する紫外線量を3倍に増加すると 蛍光膜は3倍の輝度で発光する。5倍にすると 、発光強度も5倍になり、発光強度は紫外線 度と一次関数で表せる。蛍光体粒子中の発 中心数の計算は正しい。蛍光放電灯管で輝 飽和が発生するのは、蛍光放電灯管内の蛍 膜に到達する紫外線光子数が飽和すると確 する。ハロ燐酸カルシウム蛍光体を使用す と、入力電力を増加させると蛍光膜上に届 254 nm紫外線が飽和するのだ。何故放電管中 紫外線量は飽和するのかの科学的理由は分 っていなかった。従って,ハロ燐酸カルシウ ム蛍光膜を使用すると、管径を細くしり、太 くした蛍光放電灯管の蛍光膜が暗くなる理由 も不明で、経験的に求めた最適な管径30 mm  蛍光放電灯のみを実用生産していた。

 蛍光体の発光についてもう少し詳しく検 する。蛍光体は大別すると光発光蛍光体(PL,  photoluminescence)と電子線で明るく発光する電 線発光蛍光体(CL, Cathodoluminescence)の2つに大 類できる。白色発光ハロ燐酸カルシウム蛍 体は、発光中心を254 nm紫外線で直接励起す るPL蛍光体に属する。直接励起蛍光体の特徴 、蛍光膜に入射する254 nm紫外線光子1個を 視光の光子1個として放出する。量子効率(出 力光子数/入力光子数)が最大1の蛍光体である 。PL蛍光体を使用する蛍光放電灯管では、明 く発光する蛍光膜を得るには、蛍光膜に照 する紫外線光子密度を増加するより方法が い。PL蛍光体粒子のもう一つの特徴は、PL蛍 光体は本質的にPIPを保持しており、蛍光膜中 のPL蛍光体粒子は負に帯電している。仮にPIP 持たない蛍光体粒子が存在を仮定すると、 子の照射下で蛍光体粒子は電気絶縁体の特 を持ち、PL蛍光体粒子には直ちにSBEが形成 、見かけ上負に帯電する。

 電子線で明るく発光するCL蛍光体は、基 結晶励起蛍光体に属する。CLが実用さしてい る条件では、電子1個が蛍光体粒子に入射す と、蛍光体粒子内に電子-正孔対が数千個も 来る。電子-正孔の1対が粒子内で再結合し1 の光子を粒子から放出するので、CL蛍光体 子は1個の入力電子で数千個の光子を放出す 。CL蛍光体の特徴は量子効率が非常に大き 蛍光体である。CL蛍光体粒子の特異な特徴は 、蛍光体粒子がPIPを保持していても、表面に 不純物が付着していなければ、臨界電圧以上 の電子を照射すると、PIPは消え、蛍光体粒子 表面は電気的に中性な絶縁体になる。表面が 汚染していると、蛍光体粒子は見かけ上直ち に負に帯電する。CL蛍光体の発光中心は直接 起でも明るく発光するので、CL蛍光体が大 な光吸収バンドを254 nm 付近に持っている PL蛍光体としても使用できる。PL蛍光体は良 CL蛍光体になれない。

 上述した整理を基に、254 nm紫外線照射下 で白色に発光する希土類混合蛍光体に電子線 を照射すると、蛍光膜は赤色が強い弱い白色 で発光する。その発光強度はCLの実用水準よ 可なり低い。希土類混合蛍光体成分で赤色 発光する蛍光体は臨界電圧が110 V の低電 で発光するCL蛍光体である。低電圧で明るく 赤色に発光するCL蛍光体には幾つかの種類が るが、そのどれもが白色に発光する希土類 合蛍光体の実用に使える。緑色と青色に発 する希土類蛍光体はPL蛍光体でCL蛍光体では ない。この観測結果より、管径を3 mmと細く た蛍光放電灯管で希土類混合蛍光膜が明る 白色に発光する理由は、約70 % はPL蛍光体 あるが、110 Vで発光する低電圧CL蛍光体を 30重量%含んでいるからである。

 この観測事実は直ちに利用できる。ハロ 酸カルシウムPL蛍光体に白色に発光する低 圧 (10 V) ZnO CL蛍光体を30重量%添加し、粉 混合による蛍光体粉を作る。この混合蛍光 粉を使用した蛍光膜は、管径が30 mm の蛍光 放電灯管では輝度が約 20 % 増加する。又、 最大管径を30 mmに限定する理由もなくなり、 30 mm 以上の管径で、長さに制限が無く、Ar ス圧のみを増加させ、電極に30 kHzから70kHz 波高値が数kVの高周波を印加すると、消費電 力を現在の蛍光放電灯の約半分にし、輝度が 約倍になる非常に明るく発光する蛍光放電灯 管を製造できる。消費電力が少なくても輝度 が約倍になる理由は、放電路中を移動する同 一電子が繰り返し多数回 (3万回から7万回)  ス原子と非弾性衝突するからである。更に 径を3 mm前後と細くした蛍光放電灯管の蛍 膜でも明るく発光する。この事実は、蛍光 電灯管内の放電に関与する電子の動きに、 面が清浄なCL蛍光体の関与が不可欠な役割を 担っていることを立証する。換言すれば、蛍 光放電灯管の放電路を形成する移動電子と蛍 光膜の電気特性が密接に関連し、その結果と して、蛍光放電灯管内の蛍光膜が効率良く発 光する事実を示す。この事実は蛍光放電灯の 点灯機構と蛍光膜の発光機構を考える上で重 要な発見である。

 蛍光膜による問題は、上述したように新 い発見で解決でき、10分の1以下の単価で製 できるハロ燐酸カルシウム蛍光体を主に使 し、管径を種々と変えた家庭の部屋の照明 使う50 mm径から、LCDのバックライトに使う が3 mm 前後までの管径を異にする蛍光放電 灯管が製造できる。管径が10 mm 前後の蛍光 電灯管を電球型に集約した省電型蛍光放電 管もこの範疇に入る。このように蛍光体の 本からPL蛍光体の特性を理解すると、稀有 高価な希土類資源を使わず、原料単価を大 く引き下げた蛍光放電灯管を需要者に提供 きる。発明した蛍光放電灯は既存の陰極電 を使用した省電型蛍光放電灯よりも更に40 %  も電力を減少できるので、需要者の経済と 境汚染対策に大きく貢献する高輝度蛍光放 灯管が提供できる。更に、次に述べる省電 高輝度平面光源が可能となる。

 屋外広告などで広告文字の背面に高輝度 色平面光源を使用すると色の異なる広告文 や映像が鮮やかになる。この高輝度白色平 光源に管径が30 mmから50 mmの本発明になる 光膜からなる白色蛍光放電灯を隙間無く全 に配列すると高輝度白色平面光源ができる この大画面になる高輝度白色平面光源に配 した蛍光放電灯管を単独又は複数本を束ね 順次に50サイクルで点灯すると、眼の残像 果が働き、大画面になる高輝度白色平面光 に点灯に原因する光のちらつきは見られず 消費電力のみが配列した蛍光放電灯管数を 割する数に逆比例で低減する。配列した蛍 放電灯管の分割数が20分割であると消費電力 は20分の1となる。30分割であると30分の1にな 。この高輝度白色平面光源は、LEDを配列し 同じ大きさの白色平面光源と比較すると、L EDでは可視光へのエネルギー変換効率は25 %  、熱の発生が200℃前後であるが,本発明にな 蛍光放電灯管の使用では発熱は無視できる40 ℃前後であり、省電で可視光へのエネルギー 変換効率(50 %)が抜群な高輝度屋外白色平面 源となる。ビルの大壁面に取り付ける屋外 大型広告に最適である。

 同じ原理で管径が1 mm前後の本発明になる 数個の蛍光放電灯管を小型平面に隙間なく 又は隙間を置いて配列し、そのままで、又 厚さ1 mm以下の光拡散板と背面に光反射板と の組み合わせにより平面型照明光源ができる 。この平面型照明光源で配列した蛍光放電灯 管を単独又は複数本を束ね、順次に50サイク で点灯すると、厚さ数ミリの種々な大きさ ある高輝度な新規な屋内照明用面光源が提 できる。この屋内平面光源は、発熱が40  o C前後に規制され、非常に少ない電力で点灯 る例外的な照明光源である。

 平面光源に使用する蛍光放電灯管径を変 ることにより、種々の屋内外の照明用面光 が出来る。平面に配列した蛍光放電灯管を 独又は複数本を束ね、順次に50サイクルで 灯できるのは、本発明になる10ミリ前後で瞬 時に点灯する蛍光放電灯管でのみ可能となる 。本発明になる蛍光放電灯管は、抜群の省電 力であるにも拘わらず高輝度に発光するので 、平面型屋内外の照明光源に大きな変革をも たらす。

点灯に関与する内部放電回路が外部駆 回路と電流的に独立している本発明の蛍光 電灯管の説明図。 管径20 mm 以上の蛍光放電灯管外壁端 外部電極としてAg導電膜を形成した本発明に 係る蛍光放電灯管の説明図。 ガラス管内の内部電極に蛍光体粒子を 着した従来蛍光放電灯管の両端外壁面に外 電極としてAg導電膜を形成した本発明に係 蛍光放電灯管の説明図。 ガラス管内の内部電極に誘電体膜を成 した従来蛍光放電灯管の両端外壁面に外部 極としてAg導電膜を形成した本発明に係る 光放電灯管の説明図。 蛍光放電灯管外壁端に外部電極として イル状電極を形成した本発明に係る蛍光放 灯管の説明図。 外部電極としてコイル状電極、リング 電極、点状電極又は小面積電極を形成した 発明に係る蛍光放電灯管の説明図。 ガラス管の両端部に縮径形成された小 ラス管の外周に外部電極としてAg導電膜を 成した本発明に係る蛍光放電灯管の説明図 管外径が10 mm 以下の蛍光放電灯管の 壁端にAg導電膜を塗着した本発明に係る蛍光 放電灯管の説明図。 蛍光放電灯管の外部電極に印加する高 波電圧の1波長の波形説明図。 蛍光放電灯管の外部電極に印加する高 周波電圧の1波長の変形波形説明図。 本発明に係る複数個の蛍光放電灯管を 平面基板上に並列に配置し、複数個の蛍光放 電灯管を束ね、眼の残像時間より短い時間で 順次点灯する低消費電力型の平面型光源の構 成図。 本発明に係る複数個の蛍光放電灯管を 並列配置した平面型光源に2本の細電線を配 して同時点灯させる平面型光源の構成図。

符号の説明

 1     内部回路
 2     電子源(電子供給源)
 3     陽イオン源(イオン源)
 4     陽光柱
 5     誘導電流
 6     高周波電源(外部電源)
 7     外部回路
 8     外部電極
 8a    コイル状電極
 8b    リング状電極
 8c    点状電極
 8d    小面積電極
 9     ガラス管
 9a    ガラス管壁
 10    ガラス管壁
 11    蛍光放電灯管
 12    蛍光膜
 12a   蛍光体粒子
 13    封止管(小ガラス管)
 13a   排気ガラス小管
 14    内部電極
 16    細電線(リード線)
 17    小ガラス管
 18    誘電体層(誘電体膜)
 19    細型蛍光放電灯管
 20    平面型光源
 21    スイッチ
 CCFL  冷陰極蛍光放電灯管
 CL    電子線発光(Cathode Luminescence)
 e     電子(放出電子)
 EL    無機電界発光
 FL    蛍光放電灯
 h     正孔
 HCFL  熱陰極電極
 LED   発光ダイオード
 LCD   液晶ディスプレイ
 OLED  有機電界発光ディスプレイ
 PIP   永続性内部分極
 PL    光発光(Photo Luminescence)
 SBE   表面結合電子(surface-bound-electrons)
 UV    紫外線
 Ti    イオン化時間
 Te    電子加速時間
 Vi    尖端電圧(イオン化電圧)
 Ve    電子加速電圧

 図1は、点灯に関与する内部放電回路が外 部駆動回路と電流的に独立している本発明の 蛍光放電灯管の説明図である。本発明になる 蛍光放電灯管の駆動は、補完する二つの部分 から成立している。第1は、図1(A)に図示した 部回路1である。蛍光放電灯管内でガス放電 に関与する電子は蛍光放電灯管内の一端のガ ス空間で発生し、累積した電子源2を形成す 。電子源2から取り出した電子は印加してい 高周波により適度な運動エネルギーに加速 れ、蛍光放電灯管内を管軸に沿って移動し がらガス原子と非弾性衝突を繰り返しなが ガス原子を発光させ、陽光柱4を形成する。 移動電子は蛍光放電灯管内の他端のガス空間 に形成している陽イオン源3に達し、陽イオ と再結合してガスに復帰する。電子源2から イオン源3までの電子の流れと、ガス放電に 関与する電子が内部回路1を構成する。第2は 図1(B)に図示した外部回路7で、高周波電源6 らの電力を外部電極8に接続し、蛍光放電灯 を実質的に駆動する。内部回路の電子源2と イオン源3は、蛍光放電灯管外に取り付けた 部電極8に対応する放電灯管内壁面に塗布さ れた蛍光体粒子12の誘電分極を利用し、誘電 極した蛍光体粒子内の電荷がガス空間に広 ている電界にガスのイオン化により出来た 子と陽イオンを引き寄せ、集積して電子源2 と陽イオン源3を形成する。内部回路1と外部 路7の間には絶縁体であるガラス管壁9aが介 し、両者間には電子の流れはない。電子源2 と陽イオン源3はガス空間から調達され、ガ 空間内で消費される。

 外部回路7には、ac高周波電圧による駆動 、蛍光体粒子12aの充放電(コンデンサーと等 価)による誘導電流が流れる。外部回路7には に放電灯内部で電子が動くと、その放電管 部の電子流による誘導電流5が流れるが、そ の大きさは非常に小さく無視できる。外部回 路7にdc電圧を印加するとき、外部回路7に電 は流れず,放電灯管は放電しない。

 図2は、管径20 mm 以上の蛍光放電灯管外 端に外部電極としてAg導電膜を形成した本 明に係る蛍光放電灯管の説明図である。次 、電子源の問題を解決する。蛍光放電灯管11 のガラス管内壁面に先ず蛍光膜12を塗布する 塗布した蛍光膜12を乾燥してから、500℃ の 温度で蛍光膜中の有機溶媒と結合剤を熱分解 させて蛍光膜から取り去る。有機物の分解が 終了したならば、直ちに炉の温度を下げ、還 元性雰囲気で作られた蛍光体の酸化予防手段 を取らなければならない。その一手法として 窒素ガスを蛍光放電管内に導入すると還元性 雰囲気で作られた蛍光体の発光の減少が抑え られる。室温度に冷却してから、両管端の蛍 光膜を柔らかい布で拭き取る。蛍光膜を拭き 取った一方の管端を融解して塞ぐ。他方の管 端に排気ガラス小管13aを付け、その先にHgア ルガムを据付けてから排気装置に接続し、 常の排気工程の脱ガス工程を終了する。Hg マルガムを僅かに暖め、Hgアマルガムに含ま れる水分や有機ガスの1部を放出する。放出 スはポンプで排気する。その後、規定量のAr ガスを蛍光放電管に導入する。次いでHgアマ ガムを再度高温度に加熱し、Hg蒸気を蛍光 電管に導入する。その後、排気ガラス小管13 aを管端近くで封止切ると、封止管13が付いた 蛍光放電灯管11ができる。蛍光放電灯管11の 管端の外壁面の狭い範囲に銀 (Ag) ペースト 膜を塗布し、外部電極8を形成する。Agペース ト膜は連続した幅で塗布しても良く、また、 適当な間隔で小面積の電極を均一間隔で塗布 し、小面積を細いAgペーストで電気的に接続 た電極としても良い。電気的に接続した小 積の電極構造は、外部回路に流れるac電流 減らすことが出来るので、省電の効果が大 い。更に、蛍光膜の随所に電子源を作れる で、径の大きな蛍光放電灯管の放電点火に 利になる。銀Agペースト膜が乾燥したならば 、200℃から300℃前後に加熱し、Ag電極を焼き けると外部電極8ができ上がる。

 外部電極8に高周波電源6を接続し、20 kHz ら70 kHzの周波数で波高値が数kVのサイン波 らなる高周波を蛍光放電灯管に印加すると 外部電極8に対応する内壁面に塗布された蛍 光体粒子12が誘電分極する。分極した蛍光体 子の電荷の電位は、電極電位の数倍になる 同時に外部電極8の周辺のガス原子もイオン 化し、自由電子と自由陽イオンがガス空間に 出来る。分極した蛍光体粒子の正電荷にガス 空間の自由電子が引き寄せられ、分極した蛍 光体粒子表面に累積する。この累積電子を電 子源2とする。同様にして分極した蛍光体粒 の負電荷にガス空間の自由陽イオンが引き せられ、分極した蛍光体粒子表面に累積す 。この累積陽イオンを陽イオン源3とする。 ス放電は電子源2から取り出した電子が、高 周波と共鳴し管軸方向に進み、陽イオン源3 到達して陽イオンと再結合してガスに帰る での間で起こる。外部電極8の内側に蛍光膜1 2が存在しない場合、当然のことながらガス 電は起こらない。ガス放電を起すには蛍光 12(蛍光体粒子12a)の存在が必要である。蛍光 の代わりに誘電率の大きな電気絶縁体粒子 電極に対応する箇所に塗布してもよく、蛍 体粒子の場合と同じようにガス放電は発生 る。この事実から、最初に電極を配置する ラス管端の両箇所に誘電率が大きな粉体を 布し、塗布膜が乾燥してから通常の蛍光体 スラリーをガラス管全面に塗布しても良い

 図2の説明では、蛍光放電灯管を製造して から外部電極を付けた。蛍光膜12を塗布し、 光膜12が乾燥した直後に、管外壁の規定さ た箇所に規定されたパターンで規定量のAgペ ーストを塗布し、Agペーストが乾燥してから 管内壁に塗布された蛍光膜からの有機結合 の焼却処理と同時に、外部電極を管壁に焼 付けると、製造工程がより簡便になる。そ 後の蛍光放電灯管の製造工程は図2に説明し た工程を加えて蛍光放電灯管を製造する。

 図3は、ガラス管9内の内部電極14に蛍光体 粒子を塗着した従来蛍光放電灯管の両端外壁 面に外部電極8としてAg導電膜を形成した本発 明に係る蛍光放電灯管の説明図である。従来 の蛍光放電灯管11を本発明の蛍光放電灯管11 変形する場合を説明する。従来の蛍光放電 管11は、ガラス管9の内部に内部電極14を有し ている。内部電極14はどのような形式でもよ 。この内部電極14の表面にも蛍光体粒子12a 塗着する。内部電極14に対向したガラス管9 外壁面に外部電極8をAg導電膜により形成す 。左右の外部電極8、8間に高周波電圧を印加 すると、この外部電圧により誘電体である蛍 光体粒子12aが誘電分極し、この分極電荷によ り蛍光体粒子表面に電子源2と陽イオン源3が 成される。この蛍光放電灯管11の放電発光 用は図2と同様なので詳細説明を省略する。

 図4は、ガラス管9内の内部電極14に誘電体 層18を配置した従来蛍光放電灯管の両端外壁 に外部電極8としてAg導電膜を形成した本発 に係る蛍光放電灯管の説明図である。従来 蛍光放電灯管11を本発明の蛍光放電灯管11に 変形する他の場合を説明している。図3と同 に、従来の蛍光放電灯管11は、ガラス管9の 部に内部電極14を有している。内部電極14は のような形式でもよい。この内部電極14の 面に蛍光体粒子12aとは異なる誘電体層18を形 成する。誘電体物質としては、例えばチタン 酸バリウムなど公知の物質を利用できる。内 部電極14に対向したガラス管9の外壁面に外部 電極8をAg導電膜により形成する。左右の外部 電極8、8間に高周波電圧を印加すると、この 部電圧により誘電体層18が誘電分極し、こ 分極電荷により誘電体層表面に電子源2と陽 オン源3が形成される。この蛍光放電灯管11 放電発光作用も、図2と同様なので詳細説明 を省略する。

 図5は、蛍光放電灯管外壁端に外部電極と してコイル状電極を形成した本発明に係る蛍 光放電灯管の説明図である。この蛍光放電灯 管11は、製造工程数を極限まで減少させた本 明になる蛍光放電灯管である。製造する蛍 放電灯管11の外壁には何も付いていない。 光放電灯管11の点灯にはガラス外壁の任意の 2箇所に高周波電源6と接続している細電線16( ード線とも云う)を巻きつけ、コイル状電極 8aを形成する。このコイル状電極8aに高周波 源6を接続すると、蛍光放電灯管はコイル状 極8a、8a間で明るく放電する。具体例で示そ う。市販の3波長蛍光放電灯管 (外径20 mm)を 用し、ガラス管外壁に径が0.5 mm の細電線1 6を巻いてコイル状電極8aを形成し、高周波電 源6をコイル状電極8aに接続すると、コイル状 電極8a、8a間で前記蛍光放電灯11は点灯する。 放電灯の輝度は、電線の巻数により多少増減 する。これは細電線16の断面積に相当する面 に配置した蛍光体粒子数がコイル状電極8a 巻数で変化するからである。巻数が3周から5 周で輝度は飽和する。線の断面積に換算して 幅1.5 mm から2.5 mmが覆う面積で小面積であ 。飽和輝度は、3波長蛍光放電灯管を規定条 で点灯した時と、同一輝度である。点灯に 要な電力は、ガラス管壁に電線を巻き付け 場合、3波長蛍光放電灯管を規定条件で点灯 した時の半分である。本発明になる蛍光放電 灯管のエネルギー節約(約50 %)はこのように 販3波長蛍光放電灯管 (外径20 mm)を使用して 実証できる。ガラス管外壁に巻く電線はプラ スチックによる被覆電線でも良く、非被覆( )電線を使用しても変わらない。この結果は 本発明になる蛍光放電灯管の灯具を非常に 単にする。

 図6は、外部電極としてコイル状電極、リ ング状電極、点状電極又は小面積電極を形成 した本発明に係る蛍光放電灯管の説明図であ る。図(6A)は、外部電極8としてコイル状電極8 aをガラス管9に形成した蛍光放電灯管11であ 。細電線16を介して高周波電源6から高周波 圧を前記コイル状電極8a、8a間に印加すると ガラス管9の内部に急速瞬時点灯により全面 発光が観察された。図(6B)は、外部電極8とし リング状電極8bをガラス管9に形成した蛍光 電灯管11である。細電線16を介して高周波電 源6から高周波電圧を前記リング状電極8b、8b に印加すると、ガラス管9の内部に急速瞬時 点灯により全面発光が観察された。図(6C)は 外部電極8として点状電極8cをガラス管9に形 した蛍光放電灯管11である。細電線16を介し て高周波電源6から高周波電圧を前記点状電 8c、8c間に印加すると、ガラス管9の内部に急 速瞬時点灯により全面発光が観察された。最 後に、図(6D)は、外部電極8として点状電極8d ガラス管9に形成した蛍光放電灯管11である 細電線16を介して高周波電源6から高周波電 を前記点状電極8d、8d間に印加すると、ガラ 管9の内部に急速瞬時点灯により全面発光が 観察された。以上のように、外部電極の形状 や構造には、種々の形式を採用できることが 明らかになった。

 図7は、ガラス管9の両端部に縮径形成さ た小ガラス管13、17の外周に外部電極8として Ag導電膜を形成した本発明に係る蛍光放電灯 の説明図である。この構造では、Agペース の塗布をより厳しく管理できる構造になる 光放電灯管の説明図である。図2に示した蛍 放電灯管11の構造の場合、外部電極8に高周 電源6を接続した時、30 mm以上の太い管壁に 塗布した蛍光体粒子数が多くなり、蛍光体粒 子を充放電するに要する高周波電源回路に流 れるac電流が大きく、僅かな塗布幅の変動で 費電力が変動する。蛍光放電灯管内に流れ 電流は一定で、数ミリアンペアの電流で最 輝度が得られる。だが、蛍光放電灯管の場 、消費電力は高周波電源回路に流れるac電 と電極8に印加する実行電圧の積で評価する この評価は外部回路の消費電力であり、蛍 放電管内で放電に関与する電力とは無関係 ある。外部回路の電力を決める実効電圧の きさはガスの放電条件で決められ、変更す 事が出来ない。ac電流の大きさは電極8の面 に対応する絶縁体粒子数(蛍光体粒子数)に 例して増減する。本発明者の研究によれば 放電に必要な電子源2と陽イオン源3を大幅に 減少させても蛍光放電灯管11の放電に影響が いことが分かった。そこで放電灯管内の空 を排気する内径が5 mm 前後の小ガラス管17 封止管13(小ガラス管13ともいう)を蛍光放電 の両端に付け、その内壁に蛍光膜12を塗布 、乾燥してから小ガラス管17、13の外壁にAg ースト膜8を長さ3 mmから5 mmの幅で塗布する 。Agペースト膜8が乾燥してから、加熱炉に入 れ有機溶剤と結合剤を蛍光膜から取り去る。 管端の余分な蛍光膜は柔らかい布で拭き取る 。一方の小ガラス管17の先端を融解して封じ 。他方の小ガラス13を排気装置に接続し、 常の排気工程を経て蛍光放電灯管11を作る。 その他の条件は図2の場合と変わらない。図7 場合、高周波電源6を電極8に接続した時、 周波電源回路に流れるac電流が大幅に減少す る。ガス放電は封じられた小ガラス管の中か ら始まり、ガス放電が放電灯管全体に瞬時に 広がるので蛍光放電灯管の放電に変化は無く 、蛍光放電灯管の点灯電力のみが大幅に減少 する。

 図8は、管外径が10 mm 以下の蛍光放電灯 の外壁端にAg導電膜を塗着した本発明に係 蛍光放電灯管の説明図である。蛍光放電灯 11の外径が細いので、特に管径の異なる排気 管を付ける必要はない。蛍光膜12が塗布され ガラス管9に規定された長さの両管端にAgペ ストを塗布し、乾燥させる。ガラス管9を加 熱し、有機物を蛍光膜12から取り除いた後、 ラス端面の余分な蛍光膜12を拭き取る。そ 後、一端のガラス管先端を融解して封じる 他端を排気装置に接続し、排気操作を加え と電極8の付いた細い径の蛍光放電灯管が得 れる。Ag電導膜の幅は1 mm前後で良い結果が 得られたが、Ag電導膜幅を1 mmに限定するも でない。金属電極の直径の大きさでCCFLの管 が規制されていたが、図6の構造を採用する と、本発明になる蛍光放電灯管には管径を規 制する因子が無くなり、内径が1mm 前後の蛍 放電灯管の製造が可能となる。

 図2~図6に述べた電子源2を使用しても、市 販蛍光体を使用した従来の蛍光放電灯管では ガス放電は容易に点灯しない。ガス放電の点 灯が10ミリ秒以下の瞬間であり、しかも高輝 で発光する蛍光放電灯管を作るには、次に べるように蛍光膜を構成する蛍光体粒子の 々の電気特性を制御しなければならない。

 蛍光放電灯管の蛍光膜の発光は、254 nm  外線 (UV) の光子が一個入射するとき、一 の可視光の光子が蛍光膜から出てくるのが 大である。UV光子は電荷を持たないので、蛍 光体粒子の荷電の影響を受けず蛍光膜中の蛍 光体粒子に入射する。UV光を発光するガス原 の励起はガス空間を移動する電子の動きに 響される。ガス空間の電子の挙動が今まで らかでなかった。巨視的には運動エネルギ を持った電子は高周波と同期し、主に管軸 沿って移動しているが、微視的な電子の動 は陽光柱内でもガス原子との非弾性衝突に り無作為方向に散乱し、ガス原子との非弾 衝突の確率を大きくしている。ここで注意 しなければいけないことは、蛍光膜周辺で 微視的な電子の動きが蛍光膜の特性で大き 変わり、その変化が蛍光放電灯管の放電特 を大きく変えている。蛍光膜の最上層部に 性粒子が存在すると、電子は選択的に中性 子の表面を表面電導する。表面電導電子が 電位に帯電した粒子に遭遇すると、ガス空 に軌道を曲げ、ガス原子と非弾性衝突して ス放電の点灯が発生する。非弾性衝突した 子は、運動エネルギーの一部を失うが、瞬 的に無作為方向に散乱する。この無作為方 に散乱した電子が蛍光膜の最上層に配列し いる蛍光体粒子に突入する。電子は蛍光体 子を貫通できないので、最上層に配列した 光体粒子だけが、電子の照射を受け、電子 射による蛍光体粒子の持つ特異な物性を表 。

 蛍光体粒子が電気絶縁体であるならば、 射した電子により、粒子表面より5μm直上に SBEが瞬時に出来る。SBE量は電子の入射により 積算されるので、瞬く間に蛍光膜の表面はSBE で覆われる。蛍光膜周辺でガス原子と非弾性 衝突で新たに散乱した電子は、積算されたSBE の負電界よりクーロン反発を受け、蛍光膜に 近寄れず、放電路に向かって軌道進路を変え る。SBE量は電子の運動エネルギーが高くなる と多くなる。即ち、蛍光放電灯管の入力電力 が増加するとSBE量が増加する。走査型電子顕 微鏡で絶縁体の表面を金薄膜で覆っても、SBE の妨害を完全に取り去ることが出来ないのと 同じである。SBEの負電荷の大きさは、CL蛍光 で調べられ、110 Vから150 V の範囲にある

 白色に発光するハロ燐酸カルシウム蛍光体 [3Ca 5 (PO 4 ) 3 (F,Cl):Sb 3+ :Mn 2+ ]は PL 蛍光体であり、陽光柱からの散乱電 の照射下で電気絶縁体の特性を持つ。ハロ 酸カルシウム蛍光膜は、瞬時に厚いSBE層で われる。陽光柱を移動している電子は、SBE の負電荷により、放電管中央軸部に押し込 られる。即ち、陽光柱はSBE鞘に収められる 陽光柱の直径は蛍光膜上のSBEの影響下にあ 。ガス原子は中性であるのでSBEの影響を受 ず、放電管中に一様に分布する。当然なが 陽光柱とSBEの間にも、また陽光柱内にも存 する。不幸にも、陽光柱で電子の非弾性衝 により発光する254 nm 紫外線の電子遷移は Hgの励起順位 6 p から基底順位 6 sへの電子遷移であるので、Hg蒸気が存在する と、254 nm 紫外線は吸収される。吸収された 紫外線は発光に関与しないで基底順位に帰る 。SBEが介在すると、陽光柱で発光した254 nm  紫外線は、SBEと陽光柱間に介在するHg蒸気の 収を受け、残りが蛍光膜に到達する。これ ハロ燐酸カルシウム蛍光膜の発光が飽和す 理由である。ハロ燐酸カルシウム蛍光膜上 SBE量は放電管の管径に無関係であるので、 光放電灯管の管径を細くするとUVを発光す 陽光柱の直径が縮小し、発光する紫外線の 対量が著しく減少する。これがハロ燐酸カ シウム蛍光膜を付けた蛍光放電灯管の管径 細くすると急激に蛍光膜の輝度が減少する 由である。ハロ燐酸カルシウム蛍光膜を付 た蛍光放電灯管からSBEを消去できれば、管 30 mm 以上の蛍光放電灯管の輝度は上昇し、 また管径に依存しない蛍光放電灯管が製造で きる。

 表面が物理的にも化学的にも清浄なCL蛍光 は電子の照射下でも表面にSBEを形成しない その理由を以下に説明する。表面が清浄なCL 蛍光体も電子が照射した瞬間に粒子表面にSBE を形成する。CL蛍光体の発光中心は、電子と 孔対の発光中心での再結合で発光する。粒 内で発光の引き金は発光中心に先に捕らえ れた電荷が相極の電荷を引き寄せて起こる 引き寄せる力は、電荷量をQとするとQ/rであ る。Qは1.6 x 10 -19  クーロンで一定である。ここにrは電子ー正 孔間の距離である。rの小さい方が吸引力は い。CL蛍光体粒子の大きさは4 μmであり、粒 子の格子数の数%を発光中心が占めるので、 光体粒子内のrの平均距離は0.01 μm 前後と 常に短い。一方SBEと蛍光体粒子表面層にあ 正孔との距離は5 μmである。蛍光体粒子表 層にある正孔に対する吸引力は発光中心の が遥かに強い。CL蛍光体では、電子が入射し て10 -6 秒経過すると、粒子内で電子ー正孔対の再結 合が始まる。SBEの結合相手の正孔が蛍光体粒 子表面から発光により消える。CL蛍光体粒子 電気的に中性になる。結合相手を失ったSBE 子はCL蛍光体粒子表面で自由電子となり、CL 蛍光体粒子表面の電導電子となる。

 電気的に中性になった蛍光体粒子表面の 面電導で、ガス原子のイオン化エネルギー( Arで15.7 eV、Hgで10.4 eV)よりも低いエネルギー に加速した電子は、負に荷電したPL蛍光体粒 に遭遇し、進路を放電ガスの方向に変え、 ス原子と非弾性衝突をしてガス放電の点火 引き起こす。CL蛍光体粒子が蛍光膜の最上 に均一に、だが不連続に散布していると、CL 蛍光体粒子はPL蛍光体粒子で囲まれているの 、蛍光膜の至る所で電子がイオン化エネル ー以下に加速され、進路を撹乱されてガス 電の点火が起こる。その結果、CL蛍光体を 度に含んだ蛍光膜を作ると、蛍光膜全域に 散しているCL蛍光体粒子の所でガス放電の点 火が起こり、(1)ガス放電が10ミリ秒前後の瞬 に蛍光膜の全域で始まる、(2)陽光柱は蛍光 まで接近して存在できる。上述した蛍光膜 域に分散しているCL蛍光体粒子によるほぼ 時に始まるガス放電のミクロな点火装置に る蛍光放電灯管の発光機構は、本発明者が つけ出した。

 CL蛍光体の持つべき条件として励起電子が 起状態に留まる時間が短い方が有利である ZnO蛍光体の減衰時定数は非常に短く、10 -6 秒前後である。他の多くのCL蛍光体の減衰時 数は10 -4 秒前後である。ZnOの減衰時定数に近い蛍光体 に、酸素汚染なしで製造したZnS蛍光体がある が、ZnSのSがHg蒸気と化学反応性を強く持ち、 HgS (黒色)を蛍光放電灯管中に形成するので えない。

 30 V以下の低電圧で明るいCLを発光するZnO 蛍光体を使い、重量比でハロ燐酸カルシウム 蛍光体70 グラム、ZnO蛍光体を30 グラム秤量 、混合装置で良く混ぜ合わせた混合粉体を る。ZnO蛍光体の平均粒子径は、ハロ燐酸カ シウム蛍光体の平均粒子径よりも1μm小さい と良好な結果が得られる。ハロ燐酸カルシウ ム蛍光体の平均粒子径は4 μmであると、ZnO蛍 光体の平均粒子径は3 μmである。ZnO蛍光体の 混合量は混合蛍光体粉の塗布の条件により変 わるので、30グラムが最適とは成らず、40 重 量%から10重量%の間の値を塗布条件の相違で ることが出来る。40 重量%以上になると、蛍 光膜の輝度が下がる。5重量%以下にすると、Z nO蛍光体を混合する効果が減少する。混合蛍 体粉を蛍光放電灯管の内壁に適当な厚さに 布すると、管径が30 mm 以上の蛍光放電灯 ではSBE鞘の消失により輝度が約 20 % 増加 る。管径が3 mm 以下の細管の蛍光放電灯管 輝度は、貴重な希土類蛍光体を使用した蛍 放電灯管では弱いSBEが存在するが、改良蛍 膜を使用した蛍光放電灯管の蛍光膜にはSBE 存在しないので希土類蛍光膜よりも10 % 明 るい。管径20 mm 以上の一般照明用蛍光放電 管と、管径を10 mmにした省電型蛍光放電灯 に本発明になる安価な蛍光体混合粉を用い 蛍光膜が使用できる。

 蛍光放電灯管中で254 nm UVを発光するのは 40℃前後の温度で蒸気圧6 x 10 -3  mmHgで蒸発するHg原子のみである。45℃以上 なると、水銀蒸気圧が高くなり、水銀蒸気 に相互作用が現れ、単独で孤立したHg原子か らの254 nm UV光強度は抑制され、365 nm のUV 強度が強くなる。この理由で管径が30 mmの 電管でも、管径が2 mm の放電管でも、蛍光 電灯管のガス温度は40℃前後の温度に制御 れ、Hg蒸気圧は管径により変わらない。放電 ガスの温度制御はガス原子のイオン化数で行 い、高周波の波高値で制御する。管径により 変わるのは、Arガス圧である。例えは、30 mm 蛍光放電管ではArガス圧は7 mmHgであるが、2 .5 mmの蛍光放電管ではArガス圧は70 mmHgであ 。細管では放電ガス量に対する蛍光膜表面 の比が大きくなり、表面電導する電子の機 が増える。増えた表面電導電子を有効にガ 放電に利用するには、電子の平均自由工程 短くする。それにはより周波数の高い高周 を電極に印加する。更にArガス圧を増加させ ると、加速電子とArガスが会合する機会が増 する。

 図9は、蛍光放電灯管の外部電極に印加する 高周波電圧の1波長の波形説明図である。ガ 原子のイオン化とガス原子の励起にはサイ 波の高周波を使用するよりも、図9に示した ルス波形の高周波の使用が有利になる。電 直下で分極する絶縁体粒子に自由電子を集 るには、絶縁体粒子周辺のガス原子を瞬間 にイオン化する必要がある。と同時に、電 に印加する電位V i の数倍の電位を絶縁体粒子に誘起する必要が ある。その目的を果たすのが図9に示した短 間の尖端電圧V i である。従って、V i はイオン化電圧といっても良い。V i の値は0.8 kVから5 kVの間の値を取る。多くの 場合V i の値は1.5 kVから2kVである。V i の時間は1パルス波長の20分の1から10分の1と る。50 kHzの高周波を印加する場合、1波長の 期間は1 μ秒であるので、V i の期間は0.1μ秒から0.2 μ秒の間にある。尖端 電圧V i に続いてガス空間と蛍光体粒子表面に1方向 電界を印加して電子加速電圧V e が続く。経験的に求めたV e の値は300 Vから600 Vの間の値を取るが、V e の値は管径により変化する。

 図10は、蛍光放電灯管11の外部電極8に印 する高周波電圧の1波長の変形波形説明図で る。図10に示したパルス波形の高周波を電 に印加した方が、サイン波の高周波を印加 た場合よりも良好な結果が得られるが、回 が安価に出来るサイン波による高周波の印 を利用することも出来る。図10に示した高周 波パルス波形は図9の一変形パルス波形であ 。図10の高周波パルスの印加の方が幾分か有 利であるが、電子源の形成に決定的な因子で はない。図9と図10のどちらも使用できる。

 現在使用されているCCFL蛍光放電管 (内径0.2 5 cm、長さ73 cm)中に含まれるガス原子の数を 求め、蛍光放電灯管内の放電に必要な電流値 を試算する。CCFLの内容積は7 cm 3 、封入ガス圧は70 mm Hgであるので0.1 気圧(70  mm Hg/760 mm Hg)である。1モルのガスの体積 22.4 x 10 3  cm 3 であるので、封入ガスのモル数は 3 x 10 -5  モル(= 0.1 x 7 /22.4 x 10 3 )となる。1モルに含まれるガス数はアボガド 数 ( 6 x 10 23 /モル)で与えられるので、2 x 10 19  個 (= 6 x 10 23  x 3 x 10 -5 )のArガス原子がCCFL中に含まれる。一個の電 が一秒間に一個のAr ガスと非弾性衝突をす と仮定すると、必要な電流は3 アンペア(=  2 x 10 19  Ar/6 x 10 18  電子/秒)と計算され、非常に大きな値にな 。この計算には放電に使う電子は非弾性衝 をしても失われず、反復して使用する事実 考慮していない。電子の平均自由工程は0.2  μmであるので、CCFL内で一個の電子が繰り返 使用する回数は 毎秒当たり2.6 x 10 6  回 (= 73 x 10 4 μm/0.2 μm)となる。この補正を加えると、必 な電流値は 1.1 x 10 -6  アンペアー (= 3 / 2.6 x 10 6 )となり、非常に少ない電流値になる。この 流値は現実的でない。ガス原子が励起状態 置かれている時間はEinsteinの常数で与えられ 、その値は10 -8 秒である。励起状態からガス原子に戻ったAr スは、再度電子と非弾性衝突が出来る。

 統計学によればAr ガスの励起は、電子によ るAr ガスの置換型サンプリングである。置 で励起ガス原子がガス原子に戻る時間は、 発明になる蛍光放電灯管の場合、ZnOの発光 始まる時間内で、その時間はZnOの発光の減 時間と仮定すると10 -6 秒である。10 -6  秒の間に基底状態に戻る原子の割合は 10 -6 /10 -8 で与えられ、Arガス濃度は見かけ上100倍に増 する。従って内部放電回路に流れる電流は 1 x 10 -6  アンペアーの10 2 倍となり、1 x 10 -4  A = 0.1 mAとなる。CCFL内に含まれる全Arガス 原子を励起するに必要な内部回路の電流は0.1  mA 付近で与えられると考えれば、0.1 mA の 少ない電流で蛍光膜からは毎秒10 21 個 (= 2 x 10 19 x 10 2  = 2 x 10 21 ) 以上の光子が蛍光膜から出る計算に成る。 蛍光膜から毎秒10 21 個以上の光子数の放出は照明光源として十分 な光子数である。このように蛍光放電灯管内 に含まれる全ガス原子を励起するに要する電 子数(電流)は極度に少なく、Arガス圧と電極 印加する高周波の条件で最適化できる。こ 電流値は蛍光放電灯管の外部回路で検出す 電流とは異なる。従来の直径30 mmの蛍光放 灯管中に流れる電流は0.2Aから0.5Aであるが、 放電管中のガス原子を最大効率で励起してい なかった。開発した蛍光放電管中に流れる電 流は200分の1から500分の1に減少しても、ガス 間中のHgガスを最大限に励起する効率が100  %の蛍光放電灯管である。以上の計算は254 nm UVを発光する量子効率の検討である。蛍光放 電灯管で254 nm UVを可視光に変換する蛍光膜 介入が必要である(ストークスの法則)。ス ークスの法則によるエネルギー減少は約50% あるので、蛍光放電灯管の可視光への最大 ネルギー変換効率は50%である。

同じように30 mm のHCFLでArガス数を計算す と、管当たりのArガス量は1桁多くなるが、 スの単位体積当たりで計算すると、1桁少な い。HCFLの方が単位ガス体積当たりのガス励 数が1桁近く少い。上記計算はArガスで計算 た。Hg ガスで計算すると1桁小さくなるが、 励起ArからのエネルギーはHg の励起に伝達す ると言われている。この説を採用するとAr  ス数の計算で蛍光体の発光強度が決まると えて良い様だ。

 上記した計算から明らかなように、本発 になる管径が細い蛍光放電灯管では、蛍光 電灯管内に封入するガスを最小のエネルギ で最大限に利用するので消費電力の節減は 限に近いと言える。一方、現在生産してい 直径30 mmの蛍光放電管のArガス圧は十分の の7mmHgである。放電管内の電子がArガスを励 する数は十分の一に低下する。直径30 mmの 光放電管の陽光柱中内には未励起Hg蒸気も まれ、陽光柱内で発光した254 nm 紫外線が 光柱内で自己吸収されるので、単位面積当 り蛍光膜に到達する254 nm 紫外線量が細管 CFFLよりも少なくなる。直径30 mm の蛍光放 灯管のArガス圧を10倍にし、細管の場合と同 条件の高周波を外部電極に印加すると、30  mm の蛍光放電灯管は消費電力を半減し、陽 柱内での自己吸収が無くなるので輝度が3倍 上と増加する。輝度の増加した直径30 mm  蛍光放電灯管は既存の蛍光放電灯器具を使 し、蛍光放電灯管数を半減しても明るい照 光源となる。放電灯器具内の大きくて重い 灯器具を小型で軽量な高周波電源回路と置 するだけで取替えは容易に出来る。

 放電管内の消費電力は高周波の実効電圧が1 ~2 x 10 3  V前後であるので、0.1~0.2 Wと計算される。 が放電管内の電力は直接に測定する方法は い。実質では、管外に付けた電極に印加す 実効電圧と電流で蛍光放電灯管の消費電力 評価する。電源回路に流れる電流は電極直 に塗布した蛍光体粒子の充放電に使われる けで、放電灯管内部の電流とは対応してい い。この方法で測定される電流を最小にす には、電極面積を最小化すると良く、数ワ トで蛍光放電灯の点灯が可能である。この は10 mmの管径にある蛍光放電灯管を幾重に 曲げて作られる省電型蛍光放電灯ランプの に数分の一になる消費電力に減少しても、 電灯内部の電流は変わらず、蛍光膜から取 出す可視光の光子数の効率は理論最大値の50  % 近くなる。これは不要であった陰極電圧 下のエネルギーの消去と、蛍光膜上のSBEを 去し、放電管中の陽光柱を放電管壁にまで げた改善により達成する。

 このように、簡単な構造で陰極電圧降下 消し、蛍光放電灯管内の含有ガス原子を最 限に発光に関与させ、利用することにより 省電であるにも関わらず、蛍光放電灯管か は高輝度が得られる。更に安価で資源の豊 な蛍光材料の使用により製造単価を格段に き下げる。蛍光膜全面が高輝度で瞬時点灯 、寿命に関与する因子の除去により超寿命 しかも安価な省電型蛍光放電灯を、本発明 一般照明用光源として提供する。従来の蛍 放電灯に使用していた大型で重量のある安 器に替え、非常に小型軽量な高周波電源装 で本発明になる蛍光放電灯は点灯する。小 軽量な電源装置は従来の蛍光放電灯管の器 の一端に収納できるので、取り換え工事は 易である。

 図11は、本発明に係る複数個の蛍光放電 管11を平面基板上に並列に配置し、複数個の 蛍光放電灯管11を束ね、眼の残像時間より短 時間で順次点灯する低消費電力型の平面型 源20の構成図である。線順次に放電灯を点 移動させるには、スイッチ21の順次開閉を電 子回路(図示せず)で制御すればよい。即ち、 発明になる複数個の蛍光放電灯管11を平面 配置し、光拡散板(図示せず)と組み合わせて 平面型光源20(平面型蛍光ランプ)が提供でき 。更に、平面に配列した蛍光放電灯管11を単 独または複数個を纏めて、眼の残像効果の働 く時間内(約30 m秒)で順次に点灯すると、眼 ちらつきが検出されない平面型光源20となり 、大きな省電にも拘らず高輝度な平面ランプ となる。この平面型光源20の消費電力は、過 に開発された他のどの平面型ランプよりも なく、高輝度である。その上、この平面型 源は発熱が殆んどないので、天井や壁面に 数個並べて、又は間隔を置いて設置し、影 薄い部屋の照明光源となる。取り換え工事 が必要であるが、その負担をしても、生涯 費は非常に安価で、快適に照明された家庭 居間が得られる。

 本発明になる蛍光放電灯管の蛍光膜はハ 燐酸カルシウム蛍光体に限定されない。高 な希土類蛍光体粉を使用しても差し支えな 。特に、液晶表示装置(LCD表示装置)のバッ ライトは、LCDスクリーンに映し出される映 の色再現域が重要な要因になるので、希土 蛍光体の使用が必要である。この場合、低 圧蛍光体の役割を果たすのが赤色蛍光体で る。しかし、赤色CL発光蛍光体の臨界発光電 圧は110 V から 150 V と高いので、赤色蛍光 体表面に僅かにSBEが形成され、陽光柱と蛍光 膜の間に僅かな間隙が出来る。この間隙を完 全に消去するには、20 V でCLを発光するZnO蛍 光体粉を混合蛍光粉に対して10から20 重量% 加すると良い。ZnO蛍光体粉はPLを発光しない ので本発明になる蛍光放電灯管を使用しても 発光色には問題が発生せず、輝度が 10 %前 増加する。現在、CCFLに使用している希土類 光体を使用しても、図1~3に図示した放電管 外部電極は、放電管の熱の発生を抑制し、 電で高輝度を得る大きな利点としたLCD表示 置のバックライト用蛍光放電灯管となる。 に、内径1mmの蛍光放電灯管が製造できるの 、バッテリー駆動で稼動するノートブック PCやそれよりもサイズが小さい携帯機器の 晶表示装置に、瞬間点灯、高輝度、低消費 力、長寿命、超薄型の利点を発揮する本発 の蛍光放電灯管は最適である。

 従来、小型表示装置の端末に低電圧CL蛍 体を使用した蛍光表示管が多く使用されて たが、短寿命に問題があるので、蛍光表示 を使用した端末表示装置は、本発明になる ックライトを使用したLCDに置き換わると考 る。

 更に、本発明になる蛍光放電灯管は、低消 電力であるにもかかわらず高輝度で発光す 究極的なエネルギー変換効率の良い光源で り、光の放射に伴う熱の発生は殆ど無いの 、次の利用が出来る。内径1mm前後の本発明 なる蛍光放電灯管の複数個を平面に並べ、 拡散板(図示せず)と組み合わると、影が極 に減少する平面型光源になる。平面に配列 た単数の蛍光放電灯管、又は複数個の蛍光 電灯管を束ね、50サイクル以上で順次に点灯 すると省電効果は更に大きくなる。高輝度、 軽量、省電、数ミリと薄い平面型照明光源は 、病院の手術台の照明、特殊精密工作台の照 明、工場の精密工作台の照明、学習机の照明 、壁面に懸垂して居間の照明等の光源に最適 である。眼は影の極度に薄い映像を長時間眺 めていても疲労しない。端末表示装置が最も 多く採用されているのは、自動車に搭載され ている端末である。本発明になるバックライ トは2 mm 前後の薄型で、他の表示装置より 高輝度で長寿命であり,放電灯管内に懸垂す 部品はゼロであるので、機械的振動にも耐 る。この理由で、車載するLCD表示装置のバ クライトとしても、又は、
車内照明光源としても最適である。本発明に なる蛍光放電灯を平面に配列し、光拡散版と 組み合わせ、その上に映像をプリントしたプ ラスチック膜を張り合わせると、屋内外の壁 に静止映像を表示する装置にも最適である。

 図12は、本発明に係る複数個の蛍光放電 管11を並列配置した平面型光源20に2本の細電 線16、16を配設して同時点灯させる平面型光 20の構成図である。高周波電源6の両端に接 された細電線16、16は、複数本の蛍光放電灯 11・・を横断して図示の如く配置され、点 電極8c、8cにより蛍光放電灯管11の外表面に 定されている。高周波電圧を印加すると、 ての蛍光放電灯管11・・が瞬時に全面発光す ることが確認された。蛍光放電灯管11・・の 熱は殆んど無く、高周波消費電力は、本数 増加させてもそれほど増大しないことが確 された。

 本発明の蛍光放電灯管によれば、外部電 を利用するため、陰極電圧降下が無くなっ 省エネルギーに貢献でき、複数本の蛍光放 灯管を同時駆動する場合でも電力消費は極 て小さく、本数の増加にそれほど依存しな 。また、CLとPL蛍光体と組合せると、急速瞬 時点灯及びガラス管内の全面発光が可能で、 輝度及び照度を格段に向上できる蛍光放電灯 管を実現できる。また、本発明によれば、金 属陰極の損耗及び放電ガスの損耗が無いから 蛍光放電灯管を長寿命化できる。本発明の蛍 光放電灯管複数本を並列させて平面型光源と すれば、業務用・家庭用の照明器具として、 効果的に使用することができる。また、この 蛍光放電灯管を利用したバックライト装置を 有するLCD表示装置(液晶表示装置)も同時に提 することができる。この蛍光放電灯管には 線管、曲線管、サークル管、蛍光電球及び の他の蛍光放電灯が含まれる。