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Patent Searching and Data


Title:
FILM AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102539
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a film formed by using an olefin (co)polymer having a refractive index measured at the sodium D-line (wavelength of 589.3 nm) of not more than 1.5. When this film is subjected to a heat treatment at 120˚C for 1 hour in the air, the absolute value of the thermal shrinkage rate is not more than 0.5%.

Inventors:
KAWAMOTO SATOSHI (JP)
TAKAHASHI EIICHI (JP)
SUZUKI YUKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000255
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI CHEMICALS INC (JP)
KAWAMOTO SATOSHI (JP)
TAKAHASHI EIICHI (JP)
SUZUKI YUKO (JP)
International Classes:
C08J5/18; B29C48/08; B29C71/02; G02B5/30; B29K23/00; B29L7/00
Foreign References:
JPH0373588A1991-03-28
JPH03113060A1991-05-14
JP2002182013A2002-06-26
JPS63282705A1988-11-18
Attorney, Agent or Firm:
HAYAMI, Shinji et al. (9-2 Nishi-Gotanda 7-chom, Shinagawa-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 ナトリウムD線(波長589.3nm)で測定した屈折率が1.5以下のオレフィン(共)重合体を用いて形成したフィルムにおいて、空気中、120℃、1時間の熱処理における熱収縮率が絶対値で0.5%以下であるフィルム。
 請求項1に記載のフィルムにおいて、
 前記フィルムが、溶融押出法によって形成されるフィルム。
 請求項1または2に記載のフィルムにおいて、
 前記オレフィン(共)重合体が、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテンから選ばれる少なくとも1種類のオレフィンを共重合成分として用いたフィルム。
 請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルムにおいて、
 波長550nmにおける位相差が8nm以下であるフィルム。
 請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルムにおいて、
 フィルム成形後に120℃以上当該フィルムの融点以下の温度にて加熱処理を施したフィルム。
 ナトリウムD線(波長589.3nm)で測定した屈折率が1.5以下のオレフィン(共)重合体を用いて形成したフィルムを成形した後に、120℃以上当該フィルムの融点以下の温度にて加熱処理を施すフィルムの製造方法。
 請求項6に記載のフィルムの製造方法において、
 前記フィルムをロール状に成形し、
 前記加熱処理が、ロール状のフィルムを巻き出し、乾燥炉中に連続的に通過させることで行なわれるフィルムの製造方法。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルムを用いた偏光板保護フィルム。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルムを用いた剥離フィルム。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルムを用いた保護フィルム。
 請求項1~3および5のいずれか一項に記載のフィルムを用いた光学補償フィルム。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルムを用いた光学補償フィルムの基板。
 請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルム、および/または請求項8~12のいずれか一項に記載のフィルムを用いた表示素子。
Description:
フィルムおよびその製造方法

 本発明は、ポリオレフィン(共)重合体を いて得られるフィルム、およびその製造方 に関する。

 4-メチル-1-ペンテンなどから得られるポ オレフィン系重合体からなるフィルムは、 光線透過率、高光学等方性、低吸水性など 特長を持ち、液晶表示素子に用いられる偏 板保護フィルム、剥離フィルム、保護フィ ム、光学補償フィルムなどの透明光学フィ ムなどの材料として有望視されている。

 特許文献1には、液晶の光学特性の温度変 化と類似の性質を有し、シート面方向には均 一多軸配向されており、シート厚み方向の屈 折率のみを変化させた視野角を広げる位相差 補償シートが開示されている。

 特許文献2には、光学的等方性のフィルム を用いた剥離フィルムおよび/または保護フ ルムを貼着した光学素子が開示されており この光学素子は、これらフィルムを貼着し ままで、偏光度ムラ、位相差ムラ、各種欠 、キズなどを検査することができる旨記載 れている。

 特許文献3には、複屈折率の変化が少なく 、溶融成形において炭化劣化物が発生し難く 、さらに液晶ディスプレイの偏光膜の保護フ ィルムとして用いたときに色ムラがなく、コ ントラストに優れる偏光板保護フィルムが開 示されている。

 特許文献4には、ポリ4-メチル-1-ペンテンか なる、発泡、収縮、白濁等好ましくない変 を起こさず、合成樹脂板の円滑な成形を可 にし、さらに成形後は成形品表面から容易 剥離することができる表面保護フィルムが 示されている。

特開平4-284402号公報

特開平10-253827号公報

特開2000-275433号公報

特開平5-302068号公報

 ところで、例えば4-メチル-1-ペンテンな の重合体からなるフィルムを偏光板保護フ ルムとして用いた場合、それを用いて偏光 を製造する工程にてカールが発生するとい 不具合が見つかった。また、液晶層を形成 る基板としての光学補償フィルム用基板に 用した場合にも、基板上に形成した液晶層 ひびが入る不具合が見つかった。このよう 積層工程において不具合が生ずることが多 、その解決が望まれていた。本発明者等が これらの原因について究明したところ、4-メ チル-1-ペンテンなどの重合体からなるフィル ムが、各素子を製造するためのプロセス温度 、例えば80℃の環境下で収縮したり、膨張し りすることが原因であることがわかった。

 特許文献1には60℃以上で加熱収縮が開始 るシートが開示されており、特許文献2には 加熱収縮から生じる問題点としては触れられ ておらず、両特許文献からは前述の不具合の 原因を解決することができない。

 特許文献3には90℃における偏光度が評価 れているが、フィルムの熱収縮が評価され おらず、前述の不具合の原因を解決するこ までは示唆されていない。また、特許文献4 には200℃加熱による寸法変化が約3%以下であ 旨の記載があるが、光学用途にはこの物性 もまだ不十分であった。

 本発明者等は、4-メチル-1-ペンテンなど オレフィン系重合体からなるフィルムの高 環境下での収縮および膨張に関して鋭意検 した結果、光学用途への適用前に、フィル に一定温度以上で熱処理を加えることによ 、フィルムの収縮および膨張を抑えること できることを見出して、本発明を完成させ 。

 すなわち、本発明は、
(1)ナトリウムD線(波長589.3nm)で測定した屈折 が1.5以下のオレフィン(共)重合体を用いて形 成したフィルムにおいて、空気中、120℃、1 間の熱処理における熱収縮率が絶対値で0.5% 下であるフィルム、
(2)(1)項に記載のフィルムにおいて、前記フィ ルムが、溶融押出法によって形成されるフィ ルム、
(3)(1)項または(2)項に記載のフィルムにおいて 、前記オレフィン(共)重合体が、4-メチル-1- ンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブ ンから選ばれる少なくとも1種類のオレフィ ンを共重合成分として用いたフィルム、
(4)(1)項~(3)項のいずれか一項に記載のフィル において、波長550nmにおける位相差が8nm以下 であるフィルム、
(5)(1)項~(4)項のいずれか一項に記載のフィル において、フィルム成形後に120℃以上当該 ィルムの融点以下の温度にて加熱処理を施 たフィルム、
(6)ナトリウムD線(波長589.3nm)で測定した屈折 が1.5以下のオレフィン(共)重合体を用いて形 成したフィルムを成形した後に、120℃以上当 該フィルムの融点以下の温度にて加熱処理を 施すフィルムの製造方法、
(7)(6)項に記載のフィルムの製造方法において 、前記フィルムをロール状に成形し、前記加 熱処理が、ロール状のフィルムを巻き出し、 乾燥炉中に連続的に通過させることで行なわ れるフィルムの製造方法、
(8)(1)項~(5)項のいずれか一項に記載のフィル を用いた偏光板保護フィルム、
(9)(1)項~(5)項のいずれか一項に記載のフィル を用いた剥離フィルム、
(10)(1)項~(5)項のいずれか一項に記載のフィル を用いた保護フィルム、
(11)(1)項~(3)項および(5)項のいずれか一項に記 のフィルムを用いた光学補償フィルム、
(12)(1)項~(5)項のいずれか一項に記載のフィル を用いた光学補償フィルムの基板、
(13)(1)項~(5)項のいずれか一項に記載のフィル 、および/または(8)項~(12)項のいずれか一項 記載のフィルムを用いた表示素子、
を提供する。

 本発明によれば、加熱時の収縮率の絶対 が低いフィルムを提供することが可能にな 。このようなフィルムは、透明光学フィル の用途に好適である。

 上述した目的、およびその他の目的、特 および利点は、以下に述べる好適な実施の 態、およびそれに付随する以下の図面によ てさらに明らかになる。

図1は、本実施形態のフィルムを偏光板 に適用した例を示す。 図2は、本実施形態のフィルムを多層構 造の光学補償フィルムに適用した例を示す。 図3は、本実施形態の表示装置としての 液晶表示装置の構成の一例を示す図である。

 以下、本発明の実施形態について説明する
 本実施形態のフィルムは、ナトリウムD線( 長589.3nm)で測定した屈折率が1.5以下のオレフ ィン(共)重合体を用いて形成したフィルムに いて、空気中、120℃、1時間の熱処理におけ る熱収縮率が絶対値で0.5%以下であるフィル である。

 本実施形態で用いることのできるオレフ ン(共)重合体は、ナトリウムD線(波長589.3nm) 用いてアッベの屈折率計により測定して得 れる屈折率が1.5以下、好ましくは1.49以下の ものである。また、全光線透過率は90%以上、 好ましくは91%以上であり、ヘイズは2%以下、 ましくは1%以下である。このようなオレフ ン(共)重合体は、光学用途のフィルムの材料 として好適に使用することができる。

 このようなオレフィン(共)重合体として 、例えば4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペ テン、3-メチル-1-ブテンから選ばれる少な とも1種類のオレフィンを重合体成分とする 、あるいはこれらのオレフィンを共重合体 分としたもの((共)重合体(α))を好ましく用 ることができる。

 ((共)重合体(α))
 本発明のフィルムにおいて好ましく用いら る特定の(共)重合体(α)は、4-メチル-1-ペン ン、3-メチル-1-ペンテン、および3-メチル-1- テン、から選ばれる少なくとも1種のオレフ ィンを(共)重合成分として用いて得られたも である。この特定のオレフィン系(共)重合 (α)は、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテ ン または4-メチル-1-ペンテンの単独重合体 もしくはこれら相互の共重合体、さらに他 共重合可能なモノマー、たとえばスチレン アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニ 、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス ルなどとの共重合体、また別には上記のも 同志あるいは他の熱可塑性樹脂や合成ゴム のブレンド物、ブロック共重合体、グラフ 共重合体などが例示できる。(共)重合体(α) 構成単位中、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル- 1-ペンテン、または3-メチル-1-ブテンに由来 る構成単位は、合計で、通常20~100モル%、好 しくは50~100モル%、さらに好ましくは80~100モ ル%である。4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1- ンテン、または3-メチル-1-ブテンに由来す 構成単位の含有量が上記範囲内にあると、 明性、耐熱性等の各種特性のバランスに優 る樹脂が得られるので、好ましい。

 (共)重合体(α)の中でも、4-メチル-1-ペン ン(共)重合体は、透明性、剥離性等に優れ、 光学素子と組み合わせて使用するのに好適で あるので、好ましい。また、4-メチル-1-ペン ン(共)重合体は、一般に吸水性が0.1%以下で り、従来等方性フィルムとして使用されて たトリアセチルセルロースフィルム、ポリ ーボネートフィルムよりも吸水性が低く、 水(吸湿)による寸法変化や光学特性の変化 問題となる用途において好適に使用するこ ができる。一方、寸法変化や光学特性の変 が少ない環状ポリオレフィンフィルムが一 に水蒸気を通しにくいのに対して、4-メチル -1-ペンテン(共)重合体は水蒸気を通しやすい 質を有しており、例えば水系の接着剤が使 される用途、例えば偏光板保護フィルムに 適に使用することができる。また、3-メチ -1-ペンテン(共)重合体、および3-メチル-1-ブ ン(共)重合体は、耐熱性に優れ、プロセス 自由度や、使用条件の自由度等の観点から ましい。

(4-メチル-1-ペンテン(共)重合体)
 本発明において好ましく用いられる(共)重 体(α)として特に好ましく用いられる4-メチ -1-ペンテン(共)重合体は、具体的には、4-メ ル-1-ペンテンの単独重合体もしくは4-メチ -1-ペンテンとエチレンまたは炭素原子数3~20 他のα―オレフィン、例えばプロピレン、1- ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、 1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン 、1-オクタデセン、1-エイコセン等との共重 体である。本発明において好ましく用いら る4-メチル-1-ペンテン(共)重合体は、通常、4 -メチル-1-ペンテンに由来する構成単位を85モ ル%以上、好ましくは90モル%以上の量で含有 る。4-メチル-1-ペンテン(共)重合体を構成す 、4-メチル-1-ペンテン由来以外の構成成分 は特に制限は無く、4-メチル-1-ペンテンと共 重合可能な各種のモノマーを適宜使用するこ とが出来るが、入手の容易さ、共重合特性等 の観点から、エチレンまたは炭素数3~20のα- レフィンを好ましく用いることが出来る。 でも、炭素数7~20のα-オレフィンが好ましく 1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1- キサデセン、および1-オクタデセンが特に好 ましい。

 本発明において好ましく用いられる4-メ ル-1-ペンテン(共)重合体の、ASTM D1238に準じ 荷重5kg、温度260℃の条件で測定したメルト ローレート(MFR)は、用途に応じ種々決定さ るが、通常、1~50g/10分、好ましくは2~40g/10分 さらに好ましくは5~30g/10分の範囲である。4- メチル-1-ペンテン(共)重合体のメルトフロー ートが上記のような範囲内にあると、フィ ム成形性および得られるフィルムの外観が 好である。また融点は100~240℃、好ましくは 150~240℃の範囲にあるのが望ましい。

 また、このような4-メチル-1-ペンテン(共) 重合体は、従来公知の方法で製造することが でき、例えば特開昭59-206418号公報に記載され ているように、触媒の存在下に4-メチル-1-ペ テンと上記のエチレンまたはα-オレフィン 重合することにより得ることができる。

(3-メチル-1-ペンテン(共)重合体)
 本発明において好ましく用いられる(共)重 体(α)として特に好ましく用いられる3-メチ -1-ペンテン(共)重合体の、好ましいコモノマ ー種、コモノマー含量、MFR、融点等は、上記 の4-メチル-1-ペンテン (共)重合体の場合と同 様である。本発明において好ましく用いられ る3-メチル-1-ペンテン(共)重合体は、従来公 の方法により適宜製造することが可能であ 、例えば、特開平06-145248号公報記載の方法 より製造することが出来る。

(3-メチル-1-ブテン(共)重合体)
 本発明において好ましく用いられる(共)重 体(α)として特に好ましく用いられる3-メチ -1-ブテン(共)重合体の、好ましいコモノマー 種、コモノマー含量、MFR、融点等は、上記の 4-メチル-1-ペンテン(共)重合体の場合と同様 ある。本発明において好ましく用いられる3- メチル-1-ブテン(共)重合体は、従来公知の方 により適宜製造することが可能であり、例 ば、特開平06-145248号公報記載の方法により 造することが出来る。

 また、フィルムは熱収縮性が低く、フィ ムを適用するためのプロセス温度よりも高 の120℃における熱収縮率が絶対値で0.5%以下 、好ましくは0.3%以下である。これにより、 際のプロセス温度、例えば80℃の環境下にお いて、収縮または膨張などによる寸法変化を 抑えることができ、この寸法変化に起因する 光学特性の変化を低減することができる。し たがって、このフィルムはより高度な寸法安 定性を要求される従来の様々な等方性フィル ムの様々な用途、特に光学用途、例えば位相 板保護フィルム、剥離フィルム、保護フィル ム、光学補償フィルムまたはその基板などの 各種光学用途に好適に使用することができる 。

 また、偏光板保護フィルム、剥離フィルム 保護フィルム、光学補償フィルムの基板等 の適用の観点から、本実施形態のフィルム おいて、回転検光子法による波長550nmにお る位相差が8nm以下、好ましくは7nm以下であ ことが好ましい。
 尤も、本実施形態のフィルムは位相差が8nm 下のフィルムに限定されるものではなく、 り位相差の大きなフィルム、例えば位相差 20nmあるいはそれ以上のフィルムも、光学補 償フィルム等の用途に好ましく使用すること が出来る。

 また本実施形態のフィルムには、本発明 目的を損なわない範囲で、可塑剤を含有し いてもよい。可塑剤としてはパラフィン系 ナフテン系、アロマ系等の鉱油類、α-オレ ィン類のオリゴマ-、コオリゴマ-、エステ 系可塑剤、各種植物油、動物油などを挙げ ことが出来る。このような可塑剤は延伸時 成形加工性をより良くする。

 また、本実施形態のフィルムには、他の 脂、例えばポリオレフィン類、ポリアミド 、ポリエステル類などを含有していても良 。

 また、本実施形態のフィルムには、耐候 定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔 、染料等通常ポリオレフィンに添加して使 される各種配合剤を本発明の目的を損なわ い範囲で添加してもよい。

 このようなフィルムは、前述したオレフィ (共)重合体を用いて、例えば溶融押出法、 融流延法によって形成した結晶性のオレフ ン(共)重合体からなるフィルムを、加熱処理 を行うことにより得ることができる。
 加熱処理前のフィルムは、例えば従来公知 方法によって適宜作成することが出来るが 例えばオレフィン(共)重合体とそれ以外の 分とを、V-ブレンダー、リボンブレンダー、 ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー で混合する方法、あるいは前記ブレンダーで 混合した後、単軸押し出し機、複軸押し出し 機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融 混錬して造粒あるいは粉砕し、次いで、プレ ス成形、押出成形、インフレーション成形な どの方法、または溶液流延法などの公知の方 法でフィルム成形することができる。効率良 く生産するには、溶液流延法、インフレーシ ョン成形法や押出成形法等が好ましい。

 得られたフィルムには、加熱処理を行な 前に、延伸を行なっても良いし、行なわな ても良い。延伸を行なわない場合には、上 の偏光板保護フィルム、剥離フィルム、保 フィルム、光学補償フィルムの基板等への 用に適した、位相差が小さなフィルムを得 ことができる。延伸を行なう場合には、光 的には複屈折、その角度依存性、その温度 存性等の物性を所望の値に調整することが 来、さらに機械的強度を付与したフィルム することも出来る。延伸の倍率は、所望の 学的性質等により適宜選択すればよいが、 えば1.5~10倍、好ましくは2~5倍の倍率で延伸 行なうことができる。

 この加熱処理は、温度が120℃以上フィル の融点以下の温度とすることが好ましい。 り好ましくは140℃以上フィルムの融点以下 ある。加熱時間については、加熱処理温度 高いと短くすることができる。例えば温度 120℃で加熱時間が60分で得られる効果を、18 0℃であれば10分程度で得ることができる。た だし、あまりに加熱時間が短いとフィルムの 温度が十分に上がらないことが考えられるの で、加熱時間は好ましくは30秒以上、より好 しくは1分以上である。このような条件で加 熱処理を行うことで、加熱時(例えば120℃)の 縮率の絶対値が0.5%以下のフィルムを得るこ とができる。また、この加熱処理は、フィル ムをロール状に成形しておいて、このロール 状のフィルムを巻き出し、乾燥炉中に連続的 に通過させ、必要に応じて乾燥炉から巻き取 ることで行うことができる。本発明は、この ようなフィルムの製造方法を提供する。

 また、前述したフィルムは、様々な光学 明フィルムへの用途に適しており、とりわ 偏光板保護フィルム、剥離フィルム、保護 ィルム、光学補償フィルムまたはその基板 好適に使用される。そこで、本発明は、こ らの光学透明フィルム、すなわち偏光板保 フィルム、剥離フィルム、保護フィルム、 学補償フィルムまたはその基板を提供する なお、光学補償フィルムは、本実施形態の ィルムを用いた単層構造のものであっても いし、後述するような複数のフィルムなど 組み合わせた多層構造のものであってもよ 。

 図1は、本実施形態のフィルムを偏光板に適 用した例を示す。
 この偏光板において、表面を保護する保護 ィルム1、偏光板に耐擦傷性などを付与する ハードコート層2、第2偏光板保護フィルム3、 偏光子4、第1偏光板保護フィルム5、他の素子 に対する接着層として作用する粘着層6、粘 層6を保護する剥離フィルム7が順に積層され ている。

 ここで、保護フィルム1は、偏光板を装着 した表示素子、例えば液晶表示素子の検査作 業が保護フィルムを付けた状態で行われるた め、本実施形態のような光学特性に優れるフ ィルムを好適に使用することができる。第1 よび第2偏光板保護フィルム5、3は、偏光子4 保護するとともに高い透明性が求められる め、本実施形態のような光学特性に優れる ィルムを好適に使用することができる。剥 フィルム7は、表示素子の形成時に当該偏光 板にさらに光学補償フィルム、位相差フィル ム(板)などを積層するための粘着層6をカバー するために設けられており、この偏光板の検 査作業が剥離フィルム7を付けた状態で行わ るため、本実施形態のような光学特性に優 るフィルムを好適に使用することができる

 また、図2は、本実施形態のフィルムを多層 構造の光学補償フィルムに適用した例を示す 。
 この光学補償フィルムにおいて、表面を保 する保護フィルム8、光学補償フィルムに耐 擦傷性などを付与するハードコート層9、所 の性質を有する光のみを透過させて光学補 を行う液晶層10、液晶層10を積層させるため 基板11、他の素子に対する接着層として作 する粘着層12、粘着層12を保護する剥離フィ ム13が順に積層されている。

 ここで、基板11は、本実施形態のような 学特性に優れるフィルムを好適に使用する とができる。尚、フィルムが光学補償機能 持つことはより好ましい。また図2の例にお ても、保護フィルム8および剥離フィルム13 して、前述した観点から、本実施形態のフ ルムを好適に使用することができる。

 また、本発明は、前述したフィルム、当 フィルムが適用された透明光学フィルム、 えば偏光板保護フィルム、剥離フィルム、 護フィルム、光学補償フィルムなどを表示 子、例えば液晶表示素子、有機EL素子など 好適に用いることができ、本発明はこのよ な表示素子を提供する。

 図3は、このような表示装置として液晶表示 装置の構成の一例を示す図である。
 この液晶表示装置において、偏光板14、位 差板15、光学補償フィルム16、液晶パネル17 位相差板18、偏光板19、バックライトユニッ 20が順に積層されている。

 ここで、偏光板14、19としては、図1に示 たような本実施形態が適用される偏光板が 適に使用される。光学補償フィルム16として は、図2に示したような多層構造のものを好 に使用することができるが、本実施形態の ィルムをそのまま適用した単層構造のもの 好適に使用することができる。

 このような構成により、バックライトユ ット20からの入射光が偏光板19にて偏光され 、直線偏光光のみが透過し、位相差板18にて 光光の位相が揃えられ、液晶パネル17に入 する。液晶パネル17では、出力画像が形成さ れ、この画像を再現するための光が生成され て出射し、この出射光が光学補償フィルム16 て視野角補償され、位相差板15にて位相差 揃えられ、偏光板14にて偏光されて、コント ラスト調整される。

 なお、本発明は、上述した実施形態、お び具体例に限定されることはなく、本発明 目的を逸脱しない範囲で、適宜変更可能で る。

 以下、本発明について、実施例を用いて説 するが、本発明はこれらに限定されること ない。
 各実施例で評価した物性の測定方法につい 説明する。
1)位相差
 波長550nmにおける位相差は、大塚電子(株)製 リタデーション測定装置(型式RETS-100)を用い 、回転検光子法にて、サンプル平面に測定 を入射角0°で入射し測定することで求めた
(2)熱収縮率
 熱収縮率は、ポリオレフィンフィルムのMD 向(フィルム成形時の流れ方向)及びTD方向(フ ィルム成形時の幅方向)のそれぞれに100mm幅の 標線を入れ、空気中、120℃、1時間の加熱処 前後における前記標線間距離の変化率を測 することで求めた。

(実施例1)
 4-メチル-1-ペンテンと、炭素数12と14とのモ マー(モル比は、炭素数12:炭素数14=50:50)との 共重合体(モル比=95:5、MFR:27g/10min、融点230℃ ガラス転移温度15℃、平均屈折率1.46、吸水 0.01%以下)を用いて、一軸押出機(径40mm)にて シリンダ温度300℃、キャストロール温度30℃ の条件で溶融押出し成形を行い、膜厚120μmの フィルムを作製した。続いて、180℃の乾燥炉 にて5分間加熱処理を行った。
 このフィルムの位相差及び、空気中、120℃ 1時間加熱後の収縮率を表1に示す。

(実施例2)
 4-メチル-1-ペンテンと、炭素数16と18とのモ マー(モル比は、炭素数16:炭素数18=50:50)との ランダム共重合体(モル比=94:6、MFR:22g/10min、 点230℃、ガラス転移温度10℃、平均屈折率1.4 6、吸水率0.01%以下)を用いて、一軸押出機(径4 0mm)にて、シリンダ温度300℃、キャストロー 温度30℃の条件で溶融押出し成形を行い、膜 厚80μmのフィルムを作製した。続いて、200℃ 乾燥炉にて3分間加熱処理を行った。
 このフィルムの位相差及び、空気中、120℃ 1時間加熱後の収縮率を表1に示す。
(実施例3)
 4-メチル-1-ペンテンと、炭素数12と14とのモ マー(モル比は、炭素数12:炭素数14=50:50)との 共重合体(モル比=95:5、MFR:27g/10min、融点230℃ ガラス転移温度15℃、平均屈折率1.46、吸水 0.01%以下)を用いて、一軸押出機(径40mm)にて シリンダ温度300℃、キャストロール温度30℃ の条件で溶融押出し成形を行い、膜厚120μmの フィルムを作製した。続いて、200℃の乾燥炉 にて10分間加熱処理を行った。
 このフィルムの位相差及び、空気中、120℃ 1時間加熱後の収縮率を表1に示す。
尚、このフィルムの200℃で1時間加熱後の収 率はMD方向で+0.2%、TD方向で-0.1%であった。

(比較例1)
 4-メチル-1-ペンテンと、炭素数12と14とのモ マー(モル比は、炭素数12:炭素数14=50:50)との 共重合体(モル比=95:5、MFR:27g/10min、融点230℃ ガラス転移温度15℃、平均屈折率1.46、吸水 0.01%以下)を用いて、一軸押出機(径40mm)にて シリンダ温度300℃、キャストロール温度30℃ の条件で溶融押出し成形を行い、膜厚120μmの フィルムを作製した。
 このフィルムの位相差及び、空気中、120℃ 1時間加熱後の収縮率を表1に示す。
 尚、このフィルムの200℃で1時間加熱後の収 縮率はMD方向で+5.1%、TD方向で-5.1%であった。

(比較例2)
 4-メチル-1-ペンテンと、炭素数16と18とのモ マー(モル比は、炭素数16:炭素数18=50:50)との ランダム共重合体(モル比=94:6、MFR:22g/10min、 点230℃、ガラス転移温度10℃、平均屈折率1.4 6、吸水率0.01%以下)を用いて、一軸押出機(径4 0mm)にて、シリンダ温度300℃、キャストロー 温度30℃の条件で溶融押出し成形を行い、膜 厚80μmのフィルムを作製した。
 このフィルムの位相差及び、空気中、120℃ 1時間加熱後の収縮率を表1に示す。

 実施例1から3で得られたフィルムは、熱 縮率の絶対値が低く、かつ位相差も低いた 、特に偏光板保護フィルム、剥離フィルム 保護フィルムの用途に好適に使用すること できる。