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Title:
FILMING TREATMENT JIG, PLASMA CVD APPARATUS, AND METAL PLATE AND OSMIUM FILM FORMING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081897
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a filming treatment jig for forming a thin film on a plate having a through hole of a micro diameter by a single plasma filming treatment. The filming treatment jig (8) comprises a holding member (39) for clamping an aperture plate (107) having a through hole, to hold the same with the through hole and the front and back surfaces of the aperture plate being exposed, and an electrode member having the holding member mounted thereon. The filming treatment jig (8) is characterized in that the electrode member is electrically connected with an electrode, to which the plasma electric-power of a plasma CVD apparatus is applied.

Inventors:
SHIRATO TAKESHI (JP)
HONDA YUUJI (JP)
SATO HIROSHI (JP)
OSAWA MASAMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073288
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIWA TECHNO SYSTEMS CO LTD (JP)
SHIRATO TAKESHI (JP)
HONDA YUUJI (JP)
SATO HIROSHI (JP)
OSAWA MASAMICHI (JP)
International Classes:
C23C16/458; C23C16/06; H01J9/14; H01J37/09; H05H1/46
Foreign References:
JP2002060941A2002-02-28
JPH08209352A1996-08-13
JPH0616386B21994-03-02
JPH0628992A1994-02-04
JPH069223A1994-01-18
JP2006092765A2006-04-06
Attorney, Agent or Firm:
YANASE, Mutsuyasu et al. (8th Floor UK Building,1-32-14, Takadanobab, Shinjuku-ku Tokyo 75, JP)
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Claims:
 貫通孔を有するプレートを挟むことにより前記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を露出させた状態で前記プレートを保持する保持部材と、
 前記保持部材が取り付けられた電極部材と、
を具備する成膜処理用治具であって、
 前記電極部材は、プラズマCVD装置のプラズマ電力が印加される電極に電気的に接続されるものであることを特徴とする成膜処理用治具。
 請求項1において、前記電極部材は搬送アーム上に載せるための鍔を有することを特徴とする成膜処理用治具。
 チャンバーと、
 前記チャンバー内に配置された第1電極と、
 前記チャンバー内に配置され、前記第1電極に対向するように配置された第2電極と、
 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方に電気的に接続され、プラズマ電力が印加される電源と、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構と、
 貫通孔を有するプレートを挟むことにより前記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を露出させた状態で前記プレートを保持する保持部材と、前記保持部材が取り付けられた電極部材と、を備えた成膜処理用治具と、
を具備するプラズマCVD装置であって、
 前記保持部材によって保持された前記プレートの表面及び裏面、前記貫通孔の内側面にプラズマCVD法によって薄膜を成膜する際は、前記第2電極上に前記電極部材が電気的に接続されて、前記保持部材によって保持された前記プレートが前記第1電極と前記第2電極との間に位置されることにより、前記電極部材が前記第2電極の一部として機能することを特徴とするプラズマCVD装置。
 請求項3において、前記電極部材は鍔を有し、
 前記鍔を搬送アームに載せることにより、前記成膜処理用治具を前記チャンバー内に搬送する搬送機構を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
 請求項3又は4において、前記チャンバー内に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間に位置された前記プレートの周囲に配置されたプラズマウォールをさらに具備し、前記プラズマウォールはフロート電位に接続されていることを特徴とするプラズマCVD装置。
 請求項3乃至5のいずれか一項において、前記第1電極と前記第2電極との間に位置された前記プレートの表面と略平行方向に、前記原料ガス導入機構によって前記原料ガスを導入することを特徴とするプラズマCVD装置。
 チャンバーと、
 前記チャンバー内に配置された上部電極と、
 前記チャンバー内に配置され、前記上部電極と対向するように下方に配置された下部電極と、
 前記上部電極及び前記下部電極の少なくとも一方に電気的に接続され、プラズマ電力が印加される電源と、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構であって、前記上部電極側から前記下部電極側へ向けて前記原料ガスを流す原料ガス導入機構と、
 貫通孔を有するプレートを挟むことにより前記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を露出させた状態で前記プレートを保持する保持部材と、前記保持部材が取り付けられた電極部材と、前記電極部材に設けられた鍔とを備えた成膜処理用治具と、
 前記鍔を搬送アームに載せることにより、前記成膜処理用治具を前記チャンバー内に搬送する搬送機構と、
を具備するプラズマCVD装置であって、
 前記保持部材によって保持された前記プレートの表面及び裏面、前記貫通孔の内側面にプラズマCVD法によって薄膜を成膜する際は、前記下部電極上に前記電極部材が電気的に接続されて、前記保持部材によって保持された前記プレートが前記上部電極と前記下部電極との間に位置し且つ前記プレートがその表面と前記下部電極の上面に対する垂直方向と略平行になるように位置されることにより、前記電極部材が前記第2電極の一部として機能することを特徴とするプラズマCVD装置。
 請求項7において、前記プレートはアパーチャープレートであり、前記貫通孔の径は100μm以下であり、前記薄膜はオスミウム膜であることを特徴とするプラズマCVD装置。
 請求項1乃至8のいずれか一項において、前記プラズマ電力は高周波電力であることを特徴とするプラズマCVD装置。
 径が100μm以下の貫通孔を有するプレートと、前記貫通孔の内側面及び前記プレートにおける前記貫通孔の近傍に位置する表面と裏面にプラズマCVD装置によって1回の成膜処理で成膜されたオスミウム膜と、を有する金属プレートであって、
 前記プラズマCVD装置は、
 チャンバーと、
 前記チャンバー内に配置された上部電極と、
 前記チャンバー内に配置され、前記上部電極と対向するように下方に配置された下部電極と、
 前記上部電極及び前記下部電極の少なくとも一方に電気的に接続され、プラズマ電力が印加される電源と、
 前記下部電極に電気的に接続され、前記プレートを挟むことにより前記上部電極と前記下部電極との間に前記プレートを位置させ且つ前記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を露出させた状態で前記プレートを保持する保持部材と、
 前記チャンバー内に配置され、前記プレートの周囲に位置され、フロート電位に接続されたプラズマウォールと、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原料ガス導入機構であって、前記上部電極側から前記下部電極側へ向けて前記原料ガスを流し且つ前記プレートの表面及び裏面に沿う方向に前記原料ガスを流す原料ガス導入機構と、
を具備することを特徴とする金属プレート。
 請求項10において、前記オスミウム膜の厚さが10nm以上であることを特徴とする金属プレート。
 請求項10又は11において、前記プラズマ電力は高周波電力であることを特徴とする金属プレート。
 請求項10乃至12のいずれか一項において、前記金属プレートはアパーチャープレートであることを特徴とする金属プレート。
 チャンバー内に金属物を配置し、
 前記チャンバー内に0.1~3cc/分の流量のOsO 4 ガス及び放電維持用の不活性ガスを導入しながら前記チャンバー内の圧力を13~40Paに維持し、
 密度0.25~2.0W/cm 2 の高周波出力を用いて前記チャンバー内のガスをプラズマ化することにより、前記金属物の表面上にオスミウム膜を成膜することを特徴とするオスミウム膜の成膜方法。
Description:
成膜処理用治具、プラズマCVD装 、金属プレート及びオスミウム膜の成膜方

 本発明は、極小径の貫通孔を有するプレ トに1回のプラズマ成膜処理で薄膜を成膜す るための成膜処理用治具、前記成膜処理用治 具を用いたプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 置、金属プレート及びオスミウム膜の成膜 法に関するものである。

 図8は、従来のプラズマCVD装置を概略的に 示す断面図である。図9は、アパーチャープ ートを示す正面図である。このアパーチャ プレート107は電子顕微鏡において電子ビー を絞るための部品であり、図8に示すプラズ CVD装置は、アパーチャープレート107の表面 金属膜を成膜するための装置である。

 図8に示すように、従来のプラズマCVD装置 はチャンバー101を有しており、このチャンバ ー101内には平行平板型の上部電極としてのガ スシャワー電極102と下部電極103が配置されて いる。ガスシャワー電極102は原料ガス供給源 104に繋げられている。また、ガスシャワー電 極102及びチャンバー101は接地電位に接続され ている。

 下部電極103上には基板106が載置されてお 、この基板106上にはアパーチャープレート1 07が貼り付けられる。下部電極103にはマッチ グボックス108を介して高周波電源(RF電源)109 が接続されている。

 図9に示すアパーチャープレート107は、厚 さ10~500μmの板状のものであり、直径が2mm程度 の第1の貫通孔(取付け用の貫通孔)107aを有し いる。また、アパーチャープレート107には 径が2~100μm程度の第2の貫通孔(図示せず)が複 数設けられており、第2の貫通孔は電子顕微 において電子ビームを絞るための孔である アパーチャープレート107に金属膜を成膜す 必要がある部分は、アパーチャープレート 表面及び裏面における第2の貫通孔の近傍に 置する部分と、第2の貫通孔の内側面である 。

 上記従来のプラズマCVD装置を用いてアパ チャープレート107に金属膜を成膜する方法 次のとおりである。

 ウエハなどの基板106上にアパーチャープ ート107を貼り付け、この基板106をチャンバ 101内の下部電極103上に載置する。次いで、 料ガス供給源104によってガスシャワー電極1 02に原料ガスを供給し、この原料ガスをガス ャワー電極102からシャワー状に下部電極103 向けて噴出させる。そして、RF電源109から ッチングボックス108を介して下部電極103に 周波を出力することにより、アパーチャー レート107の表面及び第2の貫通孔の内側面に ラズマCVD法により金属膜を成膜する。

 この後、前記基板106チャンバー101から取 出し、前記基板106上からアパーチャープレ ト107を剥がし、このアパーチャープレート1 07の反対面(裏面)が露出するように基板106上 貼り付け、この基板106をチャンバー101内の 部電極103上に載置する。この後は、上述し アパーチャープレート107の表面に金属膜を 膜したのと同様の方法で、アパーチャープ ート107の裏面及び第2の貫通孔の内側面に金 膜を成膜する。

 上記従来のプラズマCVD装置では、アパー ャープレートのような極小径の第2の貫通孔 を有するプレートにおける該第2の貫通孔の 側面と、前記プレートの表面及び裏面にお る第2の貫通孔の近傍に位置する部分に薄膜 成膜するには、上述したように2回の成膜処 理を行わなければならない。このため、プレ ートへの成膜処理のコストが高くなるという 課題があった。また、2回の成膜処理を行う 、1回目の成膜処理で成膜された第1の金属膜 と2回目の成膜処理で成膜された第2の金属膜 の間に必ず界面が形成されてしまい、その 果、第1の金属膜と第2の金属膜との界面か 剥離するという問題が生じることがある。

 一方、アパーチャープレートの表面、裏 及び第2の貫通孔の内側面に金属膜であるオ スミウム膜を成膜することが提案されている 。このオスミウム膜は、電子ビームに対する 耐性が高いので、他の金属膜に比べて高い性 能を発揮することが予想されている。

 しかしながら、上述した平行平板型の従来 プラズマCVD装置では、プラズマが拡散しや いため、オスミウム膜の成膜用原料ガスで る重いOsO 4 ガスが極小径の第2の貫通孔内に入りにくく その結果、第2の貫通孔の内側面に均一性良 オスミウム膜を成膜することができなかっ 。言い換えると、上記従来のプラズマCVD装 によって第2の貫通孔の内側面にオスミウム 膜を成膜しても、そのオスミウム膜の均一性 が低いため、結果的に高い性能を得ることが できなかった。

 本発明は上記のような事情を考慮してなさ たものであり、その目的は、極小径の貫通 を有するプレートに1回のプラズマ成膜処理 で薄膜を成膜するための成膜処理用治具、及 び前記成膜処理用治具を用いたプラズマCVD装 置を提供することにある。
 また、本発明の他の目的は、極小径の貫通 の内側面に均一性良くオスミウム膜を成膜 た金属プレートを提供することにある。
 また、本発明の他の目的は、金属物の表面 にオスミウム膜を成膜するオスミウム膜の 膜方法を提供することにある。

 上記課題を解決するため、本発明に係る成 処理用治具は、貫通孔を有するプレートを むことにより前記貫通孔、前記プレートの 面及び裏面を露出させた状態で前記プレー を保持する保持部材と、
 前記保持部材が取り付けられた電極部材と
を具備する成膜処理用治具であって、
 前記電極部材は、プラズマCVD装置のプラズ 電力が印加される電極に電気的に接続され ものであることを特徴とする。

 上記成膜処理用治具によれば、貫通孔を するプレートを挟むことにより前記貫通孔 前記プレートの表面及び裏面を露出させた 態で前記プレートを保持する保持部材を有 るため、プレートに1回のプラズマ成膜処理 で薄膜を成膜することが可能となる。これと ともに、前記保持部材が取り付けられた電極 部材は、プラズマCVD装置のプラズマ電力が印 加される電極に電気的に接続されるものであ るため、前記電極部材を電極の一部として機 能させることができる。

 また、本発明に係る成膜処理用治具にお て、前記電極部材は搬送アーム上に載せる めの鍔を有することが好ましい。

 本発明に係るプラズマCVD装置は、チャンバ と、
 前記チャンバー内に配置された第1電極と、
 前記チャンバー内に配置され、前記第1電極 に対向するように配置された第2電極と、
 前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも 方に電気的に接続され、プラズマ電力が印 される電源と、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原 ガス導入機構と、
 貫通孔を有するプレートを挟むことにより 記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を 出させた状態で前記プレートを保持する保 部材と、前記保持部材が取り付けられた電 部材と、を備えた成膜処理用治具と、
を具備するプラズマCVD装置であって、
 前記保持部材によって保持された前記プレ トの表面及び裏面、前記貫通孔の内側面に ラズマCVD法によって薄膜を成膜する際は、 記第2電極上に前記電極部材が電気的に接続 されて、前記保持部材によって保持された前 記プレートが前記第1電極と前記第2電極との に位置されることにより、前記電極部材が 記第2電極の一部として機能することを特徴 とする。

 また、本発明に係るプラズマCVD装置におい 、前記電極部材は鍔を有し、
 前記鍔を搬送アームに載せることにより、 記成膜処理用治具を前記チャンバー内に搬 する搬送機構を有することも可能である。

 また、本発明に係るプラズマCVD装置にお て、前記チャンバー内に配置され、前記第1 電極と前記第2電極との間に位置された前記 レートの周囲に配置されたプラズマウォー をさらに具備し、前記プラズマウォールは ロート電位に接続されていることが好まし 。これにより、前記チャンバー内に導入さ た前記原料ガスの流れを前記プラズマウォ ルによって前記プレートの周囲に集中させ とともに、前記プラズマウォールによって 記プレートの周囲にプラズマを閉じ込めて ラズマ密度を高めることができる。

 また、本発明に係るプラズマCVD装置にお て、前記第1電極と前記第2電極との間に位 された前記プレートの表面と略平行方向に 前記原料ガス導入機構によって前記原料ガ を導入することが好ましい。

 本発明に係るプラズマCVD装置は、チャンバ と、
 前記チャンバー内に配置された上部電極と
 前記チャンバー内に配置され、前記上部電 と対向するように下方に配置された下部電 と、
 前記上部電極及び前記下部電極の少なくと 一方に電気的に接続され、プラズマ電力が 加される電源と、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原 ガス導入機構であって、前記上部電極側か 前記下部電極側へ向けて前記原料ガスを流 原料ガス導入機構と、
 貫通孔を有するプレートを挟むことにより 記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面を 出させた状態で前記プレートを保持する保 部材と、前記保持部材が取り付けられた電 部材と、前記電極部材に設けられた鍔とを えた成膜処理用治具と、
 前記鍔を搬送アームに載せることにより、 記成膜処理用治具を前記チャンバー内に搬 する搬送機構と、
を具備するプラズマCVD装置であって、
 前記保持部材によって保持された前記プレ トの表面及び裏面、前記貫通孔の内側面に ラズマCVD法によって薄膜を成膜する際は、 記下部電極上に前記電極部材が電気的に接 されて、前記保持部材によって保持された 記プレートが前記上部電極と前記下部電極 の間に位置し且つ前記プレートがその表面 前記下部電極の上面に対する垂直方向と略 行になるように位置されることにより、前 電極部材が前記第2電極の一部として機能す ることを特徴とする。

 また、本発明に係るプラズマCVD装置におい 、前記プレートはアパーチャープレートで り、前記貫通孔の径は100μm以下であり、前 薄膜はオスミウム膜であることが好ましい
 また、本発明に係るプラズマCVD装置におい 、前記プラズマ電力は高周波電力であるこ が好ましい。

 本発明に係る金属プレートは、径が100μm以 の貫通孔を有するプレートと、前記貫通孔 内側面及び前記プレートにおける前記貫通 の近傍に位置する表面と裏面にプラズマCVD 置によって1回の成膜処理で成膜されたオス ミウム膜と、を有する金属プレートであって 、
 前記プラズマCVD装置は、
 チャンバーと、
 前記チャンバー内に配置された上部電極と
 前記チャンバー内に配置され、前記上部電 と対向するように下方に配置された下部電 と、
 前記上部電極及び前記下部電極の少なくと 一方に電気的に接続され、プラズマ電力が 加される電源と、
 前記下部電極に電気的に接続され、前記プ ートを挟むことにより前記上部電極と前記 部電極との間に前記プレートを位置させ且 前記貫通孔、前記プレートの表面及び裏面 露出させた状態で前記プレートを保持する 持部材と、
 前記チャンバー内に配置され、前記プレー の周囲に位置され、フロート電位に接続さ たプラズマウォールと、
 前記チャンバー内に原料ガスを導入する原 ガス導入機構であって、前記上部電極側か 前記下部電極側へ向けて前記原料ガスを流 且つ前記プレートの表面及び裏面に沿う方 に前記原料ガスを流す原料ガス導入機構と
を具備することを特徴とする。

 上記金属プレートによれば、極小径の貫 孔の内側面に従来技術に比べて均一性良く スミウム膜を成膜することができると共に 1回の成膜処理で成膜されたオスミウム膜で あるため、このオスミウム膜に複数回で成膜 された膜のような界面が生じることが無い。

 また、本発明に係る金属プレートにおいて 前記オスミウム膜の厚さが10nm以上50nm以下 あることが好ましい。
 また、本発明に係る金属プレートにおいて 前記プラズマ電力は高周波電力であること 好ましい。
 また、本発明に係る金属プレートにおいて 前記金属プレートはアパーチャープレート あることも可能である。

 本発明に係るオスミウム膜の成膜方法は、 ャンバー内に金属物を配置し、
 前記チャンバー内に0.1~3cc/分の流量(好まし は0.1~1cc/分の流量)のOsO 4 ガス及び放電維持用の不活性ガスを導入しな がら前記チャンバー内の圧力を13~40Paに維持 、
 密度0.25~2.0W/cm 2 の高周波出力を用いて前記チャンバー内のガ スをプラズマ化することにより、前記金属物 の表面上にオスミウム膜を成膜することを特 徴とする。
 尚、前記チャンバー内に5~15cc/分の流量のH 2 ガスを導入しても良いし、また、前記金属物 を200~300℃の温度に加熱して成膜しても良い また、前記金属物は金属プレートであって 良い。また、前記不活性ガスはHe又はArであ ても良い。

 上記オスミウム膜の成膜方法によれば、高 波出力によるRF放電を用い、高周波出力密 、OsO 4 ガス及び圧力それぞれの範囲を規定すること により、金属物上に成膜されたオスミウム膜 に原料ガスに含まれる酸素が残留することを 抑制できる。このようなオスミウム膜は電子 線に強いという特性を有している。
 これに対し、DC放電を用いて金属物の表面 にオスミウム膜を成膜した場合、このオス ウム膜に原料ガスの酸素が残留しやすく、 素の残留を抑制することが困難である。こ ように酸素が残留したオスミウム膜は電子 に弱くなるという欠点がある。
 RF放電とDC放電で上記のような差が生じる理 由は、RF放電の場合は安定な放電が得られる め、原料ガスの酸素が残留するのを抑制で るのに対し、DC放電の場合は不安定な放電 なるため、原料ガスの酸素が残留するのを 制できないと考えられる。

 以上説明したように本発明によれば、極小 の貫通孔を有するプレートに1回のプラズマ 成膜処理で薄膜を成膜するための成膜処理用 治具、及び前記成膜処理用治具を用いたプラ ズマCVD装置を提供することができる。
 また、他の本発明によれば、極小径の貫通 の内側面に均一性良くオスミウム膜を成膜 たアパーチャープレートを提供することが きる。
 また、他の本発明によれば、金属物の表面 にオスミウム膜を成膜するオスミウム膜の 膜方法を提供することができる。

本発明に係る実施の形態によるプラズ CVD装置の全体構成を示す平面図である。 図1に示す2a-2a線に沿った断面図である 図2に示す成膜チャンバー、プラズマ電 源及び原料ガス供給機構を模式的に示す断面 図である。 (A)は、アパーチャープレートを保持し 成膜処理用治具を示す側面図であり、(B)は (A)に示す成膜処理用治具の上面図である。 (A)は、成膜処理用治具を搬送する際の 子を示すものであって、搬送アームに成膜 理用治具を載せた状態を示す平面図であり (B)は、(A)に示す成膜処理用治具及び搬送ア ムを示す側面図である。 アパーチャープレートを保持した成膜 理用治具の変形例を示す平面図である。 実験によりオスミウム膜が成膜された パーチャープレートの極小径の貫通孔付近 切断した断面図である。 従来のプラズマCVD装置を概略的に示す 面図である。 アパーチャープレートを示す平面図で る。

符号の説明

 1…クリーニングチャンバー、2…成膜チャ バー、3…第1搬送機構、4…第2搬送機構、5… 搬送室、6…第1ゲート、7…第2ゲート、8…成 処理用治具、9…蓋、10…載置台、11…上下 動機構、11a…載置部、11b…移動機構、12…外 チャンバー、13…内チャンバー、14…ガスシ ワー電極、15~22…配管、23~26…バルブ、27.28 マスフローコントローラ(MFC)、29…水素ガス 給源、30…OsO 4 ガス供給源、31…ヒータ、32…下部電極、33… マッチングボックス、34…高周波電源(RF電源) 、35…上下移動機構、36…矢印、37…プラズマ ウォール、37a…円筒状整流部材、37b…リング 状整流部材、37c…円筒状整流部材、38…成膜 ジション、39…保持部材、49…鍔部材、49a… 円柱部材、49b…鍔、52~55…位置決め部、60… ロート電位、101…チャンバー、102…ガスシ ワー電極、103…下部電極、104…原料ガス供 源、106…基板、107…アパーチャープレート 107a…第1の貫通孔、107b…極小径の貫通孔(第2 の貫通孔)、108…マッチングボックス、109… 周波電源(RF電源)、110…オスミウム膜

 以下、図面を参照して本発明の実施の形態 ついて説明する。
 図1は、本発明に係る実施の形態によるプラ ズマCVD装置の全体構成を示す平面図である。 図2は、図1に示す2a-2a線に沿った断面図であ 。図3は、図2に示す成膜チャンバー、プラズ マ電源及び原料ガス供給機構を模式的に示す 断面図である。

 図1及び図2に示すように、プラズマCVD装 はクリーニングチャンバー1及び成膜チャン ー2を有している。クリーニングチャンバー 1は第1ゲート6を介して搬送室5に繋げられて り、この搬送室5は第1搬送機構3に繋げられ いる。第1搬送機構3は、アパーチャープレー ト107を保持した成膜処理用治具8が搬送室5内 挿入され、この搬送室5内の成膜処理用治具 8を、開口した第1ゲート6を通してクリーニン グチャンバー1の下方に搬送するものである また、成膜チャンバー2は第2ゲート7を介し 前記搬送室5に繋げられており、この搬送室5 は第2搬送機構4に繋げられている。第2搬送機 構4は、搬送室5内の前記成膜処理用治具8を、 開口した第2ゲート7を通して成膜チャンバー2 の下方に搬送するものである。

 搬送室5及び成膜チャンバー2及びその周辺 ついて図2及び図3を参照しつつ詳細に説明す る。
 図2に示すように、搬送室5は開閉自在の蓋9 有している。搬送室5内には、成膜処理用治 具8を載置する載置台10と、この載置台10に載 された成膜処理用治具8を上下に移動させる 上下移動機構11とが配置されている。上下移 機構11は、成膜処理用治具8を載置する載置 11aと、この載置部11aを上下に移動させる移 機構11bとを有している。また、搬送室5には 真空ポンプなどの真空排気機構が接続されて おり、この真空排気機構によって搬送室5内 真空排気できるようになっている。尚、ア ーチャープレート107が保持された成膜処理 治具8の搬送室5内への挿入は、第2ゲート7を じた状態で蓋9が開けられ、載置台10上に、 パーチャープレート107が保持された成膜処 用治具8を載置し、その後、蓋9を閉じるこ により行われる。

 図2に示すように、成膜チャンバー2は外 ャンバー12を有しており、この外チャンバー 12は開閉自在の第2ゲート7を介して搬送室5に げられている。また、外チャンバー12には 空ポンプなどの真空排気機構が接続されて り、この真空排気機構によって外チャンバ 12内を真空排気できるようになっている。

 図2及び図3に示すように、外チャンバー12の 内側には内チャンバー13が配置されている。 チャンバー13の上部には上部電極としての スシャワー電極14が配置されている。ガスシ ャワー電極14には、水素ガスを供給する第1ガ ス供給機構とOsO 4 ガスを供給する第2ガス供給機構が接続され いる。

 第1ガス供給機構は水素ガス供給源29を有 、この水素ガス供給源29には配管18の一方端 が接続されている。配管18の他方端にはバル 24の一方端が接続されており、バルブ24の他 方端には配管17の一方端が接続されている。 管17の他方端にはマスフローコントローラ(M FC)27の一方端が接続されており、マスフロー ントローラ27の他方端には配管16の一方端が 接続されている。配管16の他方端にはバルブ2 3の一方端が接続されており、バルブ23の他方 端には配管15の一方端が接続されている。配 15の他方端にはガスシャワー電極14が接続さ れている。

 第2ガス供給機構はOsO 4 ガス供給源30を有し、このOsO 4 ガス供給源30には配管22の一方端が接続され いる。配管22の他方端にはバルブ26の一方端 接続されており、バルブ26の他方端には配 21の一方端が接続されている。配管21の他方 にはマスフローコントローラ(MFC)28の一方端 が接続されており、マスフローコントローラ 28の他方端には配管20の一方端が接続されて る。配管20の他方端にはバルブ25の一方端が 続されており、バルブ25の他方端には配管19 の一方端が接続されている。配管19の他方端 はガスシャワー電極14が接続されている。 た、OsO 4 ガス供給源30は、ヒータ31を有しており、ヒ タ31によって固体のOsO 4 を加熱して昇華させてOsO 4 ガスを生成するようになっている。また、配 管19~21、バルブ25,26及びマスフローコントロ ラ28それぞれはヒータ(図示せず)によって80 程度に加熱されるようになっている。これ より、OsO 4 ガス供給源30で生成されたOsO 4 ガスが固化されることなくガスシャワー電極 14に導入することができる。

 ガスシャワー電極14、内チャンバー13及び外 チャンバー12は接地電位に接続されている。
 内チャンバー13の下部には下部電極32が配置 されており、下部電極32にはマッチングボッ ス33を介して高周波電源(RF電源)34が接続さ ている。高周波電源は、100kHz~27MHzの範囲の 波数を用いることが可能である。

 また、図2に示すように本装置は、下部電 極32を、外チャンバー12の下部と内チャンバ 13の下部との間を上下に移動させる上下移動 機構35を有している。この上下移動機構35に って下部電極32を外チャンバー12の下方に移 させた状態で、第2搬送機構4の搬送アーム4a によって搬送室5内の成膜処理用治具8を保持 、開口された第2ゲート7を通して成膜処理 治具8を搬送アーム4aによって外チャンバー12 の下方に移動させ、成膜処理用治具8を下部 極32上に載置して取り付け又は嵌め込み又は 電気的に接続する。そして、搬送アーム4aを 送室5内に戻し、第2ゲート7を閉じる。この うにして成膜処理用治具8が取り付けられた 下部電極32を上下移動機構35によって上昇さ ることにより、外チャンバー12の下方から内 チャンバー13の下部に下部電極32を移動させ それにより下部電極32と電気的に接続された 成膜処理用治具8を内チャンバー13内に配置す る。このようにしてアパーチャープレート107 は、ガスシャワー電極14と下部電極32との間 配置され、且つガスシャワー電極14からシャ ワー状に原料ガスが噴出される方向(矢印36に て示す)とほぼ平行に位置される。この位置 アパーチャープレート107を成膜する際の成 ポジション38である。

 成膜処理用治具8は、例えばSUSによって形 成され、下部電極の一部としても機能する。 このため、RF電源34からマッチングボックス33 を通して高周波電力が下部電極32に印加され と、この高周波電力は成膜処理用治具8を通 してアパーチャープレート107に印加されるこ とになる。尚、成膜処理用治具8の具体的な 造及びこれにアパーチャープレート107を保 する保持方法等については後述する。

 図3に示すように、内チャンバー13内にお るアパーチャープレート107の周囲にはセラ ックス又は石英ガラス又はガラスからなる ラズマウォール37が配置されている。この ラズマウォール37は、ガスシャワー電極14か 導入される原料ガスの流れをアパーチャー レート107の周囲に集中させるように整流す 役割と、アパーチャープレート107の周囲に ラズマを閉じ込めてプラズマ密度を高める 割を果すものである。これらの役割を果す とができれば、プラズマウォール37は形状 材質は種々変更可能であるが、本実施の形 では、図3に示すような形状を採用している

 つまり、プラズマウォール37は、原料ガ の流れを制御する円筒状整流部材37a及びリ グ状整流部材37bと、円筒状整流部材37aの外 に配置され、内チャンバー壁及び外チャン ー壁との放電を抑制する円筒状整流部材37c を有している。これら円筒状整流部材37a,37c れぞれの上部はリング状整流部材37bによっ 繋げられている。そして、プラズマウォー 37はフロート電位60に接続されている。リン グ状整流部材37b及び円筒状整流部材37aによっ てガスシャワー電極14からの原料ガスをアパ チャープレート107の周囲に集中させること でき、その結果、原料ガスの使用効率を向 させることができる。また、円筒状整流部 37cによってプラズマの拡散を抑制してプラ マ密度を高めることができ、アパーチャー レート107の周囲において放電を安定させる とができる。

 次に、成膜処理用治具8の具体的な構造及 びこれにアパーチャープレート107を保持する 保持方法等について図4及び図5を参照しつつ 明する。

 図4(A)は、アパーチャープレートを保持し た成膜処理用治具を示す正面図であり、図4(B )は、図4(A)に示す成膜処理用治具の平面図で る。図5(A)は、成膜処理用治具を搬送する際 の様子を示すものであって、搬送アームに成 膜処理用治具を載せた状態を示す平面図であ り、図5(B)は、図5(A)に示す成膜処理用治具及 搬送アームを示す正面図である。

 図4(A),(B)に示すように、保持部材39は円筒 形状を有している。この保持部材39には4枚の アパーチャープレート107の縁が挟まれた状態 で保持されている。この保持状態は、第2の 通孔(図9で説明した極小径の貫通孔)、アパ チャープレート107の表面及び裏面を露出さ た状態である。

 保持部材39は鍔部材49に取り付けられてい る。これにより、保持部材39によって保持さ た4枚のアパーチャープレート107それぞれを 、鍔部材49の上面に対して垂直方向に立てた 態で保持することができる。鍔部材49は、 4(A)に示すように円柱部材49aと、その円柱部 49aの上部の周囲に設けられた凸状の鍔49bと 有している。この鍔49bは、図5(A),(B)に示す うに搬送アーム4aに載せるためのものである 。つまり、搬送アーム4aを円柱部材49aの周囲 位置させ、且つ位置決め部52~55によって鍔49 bを位置決めしつつ搬送アーム4aに鍔49bを載せ ることにより、成膜処理用治具8を搬送アー 4aによって搬送可能な状態とすることができ る。尚、成膜処理用治具8を図3に示す下部電 32に接続した場合、鍔部材49は電極部材とな り、下部電極の一部として機能する。

 次に、上記プラズマCVD装置を用いてアパ チャープレートにオスミウム膜を成膜する 法について説明する。

 まず、図4に示すように成膜処理用治具8 保持部材39に4枚のアパーチャープレート107 保持し、図2及び図5に示すように、移動機構 11bを上昇させることにより載置台10上に載置 れた前記成膜処理用治具8を載置部11a上に載 せる。そして、移動機構11bをさらに上昇させ 、載置部11a上に載置された成膜処理用治具8 下方に搬送アーム4aを移動させる。次いで、 移動機構11bを下降させて載置部11aとともに成 膜処理用治具8を下降させることにより、搬 アーム4a上に成膜処理用治具8の鍔49bを載せ 。このようにして搬送アーム4a上に成膜処理 用治具8が載せられ、この成膜処理用治具8が 送アーム4aによって搬送可能な状態とされ 。この後、第1搬送機構3によって搬送室5か クリーニングチャンバー1へ前記成膜処理用 具8を搬送し、アパーチャープレート107にク リーニング処理を施す。次いで、第1搬送機 3によってクリーニングチャンバー1から搬送 室5へ成膜処理用治具8を搬送する。

 次いで、図2に示すように、前記成膜処理 用治具8を搬送アーム4aによって搬送可能な状 態とし、第2搬送機構4によって搬送室5から成 膜チャンバー2へ成膜処理用治具8を搬送し、 膜処理用治具8を成膜ポジション38に位置さ る。

 次に、図3に示すように、第1ガス供給機構 び第2ガス供給機構によって水素ガス及びOsO 4 ガスをガスシャワー電極14に供給し、このガ シャワー電極14からアパーチャープレート10 7に向けて水素ガス及びOsO 4 ガスを供給する。この際、原料ガスを矢印36 ように上から下(重力方向)に流す理由は、Os O 4 ガスの分子量が大きいためである。逆に言え ば、分子量が小さい原料ガスの場合、アパー チャープレートの表面及び裏面に均一性良く 供給できるのであれば上から下に流す必要は なく、原料ガスを流す方向は適宜変更するこ とが可能である。

 次いで、RF電源34によって高周波電力を下部 電極32に供給してアパーチャープレート107に 周波電力を印加することにより、アパーチ ープレート107の表面及び裏面、第2の貫通孔 (図9で説明した極小径の貫通孔)の内側面にプ ラズマCVD法により厚さ10nm以上のオスミウム が1回の成膜処理で均一性良く成膜される。 の際の化学反応は下記のとおりであり、下 式(1),(2)のようにプラズマ中でガスが電離し 、アパーチャープレート上で下記式(3)の成膜 反応が起こる。
 H 2 +2e -  → 2H + +4e -   ・・・(1)
 OsO 4 +e -  → OsO 4 + +2e -   ・・・(2)
 OsO 4 + +8H + +9e -  → Os↓+4H 2 O↑  ・・・(3)

 アパーチャープレート107にオスミウム膜 成膜する理由は、他の金属膜に比べてオス ウム膜の方が電子ビームに対する耐性が高 ので長寿命化を実現できると共に、電子ビ ムの集光性も高めることができるからであ 。

 上記実施の形態によれば、成膜処理用治 8を上述したような構造としているため、図 2に示すように搬送アーム4aによって成膜処理 用治具8を搬送することができると共に、搬 した成膜処理用治具8を下部電極32に取り付 又は嵌め込むことができる。そして、下部 極32に取り付けられた成膜処理用治具8は下 電極としても機能するため、図3に示すよう 、下部電極32に高周波電力を供給すること より、成膜処理用治具8を通してアパーチャ プレート107に高周波電力を印加することが きる。さらに、成膜処理用治具8の保持部材 39によってアパーチャープレート107をその表 及び裏面を露出させた状態で保持すること できる。このため、プラズマCVD装置によっ 1回の成膜処理を行うことにより、アパーチ ャープレート107のような極小径の貫通孔(図9 第2の貫通孔として説明したもの)を有する レートにおける該貫通孔の内側面と、前記 レートの表面及び裏面における貫通孔の近 に位置する部分にオスミウム膜を成膜する とができる。従って、プレートへの成膜処 の処理時間を低減でき、その結果、成膜処 のコストを低減することができる。

 また、本実施の形態では、フロート電位60 接続されたプラズマウォール37をアパーチャ ープレート107の周囲に配置しているため、ガ スシャワー電極14からの原料ガスをアパーチ ープレート107の周囲に集中させることがで ると共にプラズマの拡散を抑制し且つプラ マをアパーチャープレート107に集中させて ラズマ密度を高めることができる。これに り、OsO 4 ガスのように分子量が大きくて重い成膜用原 料ガスを用いても、極小径の貫通孔の内側面 に均一性良くオスミウム膜を成膜することが できる。

 尚、本発明は上記実施の形態に限定され 、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々 更して実施することが可能である。例えば 図6に示すように、成膜処理用治具の保持部 材39に6枚のアパーチャープレート107を保持す るようにしても良い。

 また、上記実施の形態では、下部電極32 高周波電源34を接続し、上部電極14に接地電 を接続しているが、上部電極14に高周波電 を接続し、下部電極32に接地電位を接続して も良いし、上部電極14に第1の高周波電源を接 続し、下部電極32に第2の高周波電源を接続し ても良い。また、高周波電源を他のプラズマ 電源に変更することも可能であり、他のプラ ズマ電源の例としては、マイクロ波用電源、 DC放電用電源、及びそれぞれパルス変調され 高周波電源、マイクロ波用電源、DC放電用 源などが挙げられる。

 また、上記実施の形態では、上部電極14 下部電極32のように上下に電極を配置してい るが、これに限定されるものではなく、左右 に電極を配置することも可能である。

 次に、上記実施の形態によるプラズマCVD 置を用いて極小径の貫通孔を有するアパー ャープレートにオスミウム膜を成膜した実 条件及びその実験の結果について説明する

 (実験条件)
 高周波出力密度 : 0.25~2.0W/cm 2
 高周波周波数 : 13.56MHz
 OsO 4 ガス流量 : 0.1~3cc/分
 H 2 ガス流量 : 5~15cc/分
 Arガス流量 : 5~15cc/分
 圧力 : 13~40Pa
 成膜時間 :10~50秒
 加熱温度 : 200~300℃
 Os膜厚 : 10~50nm

 (実験結果)
 図7は、実験によりオスミウム膜110が成膜さ れたアパーチャープレート107を模式的に示し 、そのアパーチャープレートの極小径(具体 には2~100μm)の貫通孔(第2の貫通孔)107b付近を 断した断面図である。図7に示すように、1 の成膜処理で成膜されたオスミウム膜110で るため、従来技術のような2回の成膜処理で 膜された薄膜のように界面が形成されるこ がないと共に、極小径の貫通孔107bの内側面 に均一性良くオスミウム膜110を成膜できるこ とが確認された。その結果、オスミウム膜110 が剥離することを抑制できると共に、電子ビ ームよる集光性が極めて良く且つ電子ビーム に対する耐性が高いために長寿命化したオス ミウム膜110を極小径の貫通孔107bに成膜する とができた。




 
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